(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】イムノアッセイシグナルを増幅するための方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/536 20060101AFI20240702BHJP
G01N 33/543 20060101ALI20240702BHJP
C12Q 1/6837 20180101ALN20240702BHJP
【FI】
G01N33/536 E
G01N33/536 D
G01N33/543 501M
C12Q1/6837 Z
(21)【出願番号】P 2022552779
(86)(22)【出願日】2021-02-01
(86)【国際出願番号】 US2021070105
(87)【国際公開番号】W WO2021178988
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2023-02-22
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ハエイ・リー
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル・ソン
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-029422(JP,A)
【文献】特開平08-029419(JP,A)
【文献】特開平02-088968(JP,A)
【文献】特表2012-529644(JP,A)
【文献】特開平02-096567(JP,A)
【文献】米国特許第05449556(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0325171(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0175828(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0252502(US,A1)
【文献】Anup K. Singh,Application of Antibody and Fluorophore-Derivatized Liposomes to Heterogeneous Immunoassays for D-dimer,Biotechnol. Prog.,1996年,12,pp.272-280
【文献】Yi Zhang,Fluorescence Sensor Based on Biosynthetic CdSe/CdS Quantum Dots and Liposome Carrier Signal Amplification for Mercury Detection,Anal. Chem.,2020年,92,pp.3990-3997,https://dx.doi.org/10.1021/acs.analchem.9b05508
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48~33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キットであって、
a)コンジュゲート試薬、
b)リンカー試薬
c)増幅試薬;ならびに
d)場合により、捕捉結合パートナーであって、コンジュゲート試薬は標的分析物用の検出結合パートナーおよび第1の小分子を含み、増幅試薬はリポソームに封入されたかまたはキャリアタンパク質に結合された標識剤を含み、リポソームまたはキャリアタンパク質は第2の小分子をその表面に含み、リンカー試薬は第1の小分子および第2の小分子用の結合パートナーを含む、捕捉結合パートナーを
含み、
コンジュゲート試薬は第2の標識剤をさらに含む、前記キット。
【請求項2】
分析物用の検出結合パートナーは、分析物に特異的に結合する抗体を含む
、請求項
1に記載のキット。
【請求項3】
第1の小分子および第2の小分子はビオチンを含む、請求項
1または2に記載
のキット。
【請求項4】
小分子用の結合パートナーはストレプトアビジンを含む、請求項
3に記載
のキット。
【請求項5】
第1の小分子および第2の小分子はフルオレセインを含む、請求項
1または2に記載
のキット。
【請求項6】
小分子用の結合パートナーは抗フルオレセイン抗体を含む、請求項
5に記載
のキット。
【請求項7】
分析物用の捕捉結合パートナーは支持体をさらに含む、請求項1~
6のいずれか1項に記載
のキット。
【請求項8】
支持体は非磁気粒子、磁気粒子、プレート、またはチューブである、請求項
7に記載
のキット。
【請求項9】
リンカー試薬は標識剤を含む、請求項1~
8のいずれか1項に記載
のキット。
【請求項10】
キャリアタンパク質はウシ血清アルブミン(BSA)を含む、請求項1~
9のいずれか1項に記載
のキット。
【請求項11】
標識剤はアクリジニウムエステル(AE)を含む、請求項1~
10のいずれか1項に記載
のキット。
【請求項12】
リポソームの直径は約20nm~約1000nmである、請求項1~
11のいずれか1項に記載
のキット。
【請求項13】
封入されたAEは少なくとも1×10
-8モル/L~少なくとも1×10
-6モル/Lの範囲の濃度を有する、請求項
11に記載
のキット。
【請求項14】
リポソームは約1000~約100,000,000,000個の親水性AE分子を封入する、請求項
11に記載
のキット。
【請求項15】
キャリアタンパク質は少なくとも1~約100個のAE分子を結合する、請求項
11に記載
のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中で、親水性アクリジニウムエステル、およびアクリジニウムエステルを担持するタンパク質を封入するリポソームの調製物を使用して、イムノアッセイ標識を増幅し、試料中の分析物を検出するための方法およびキットが開示される。
【背景技術】
【0002】
イムノアッセイは、依然として、多くの分析物、特に複雑な、異成分からなる分子の分析のために、臨床検査室において一般的に好まれる方法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
欠乏したまたは低いイムノアッセイシグナルおよび感度は、疾患を正確に診断および予後判定するための主な障害であり得る。当技術分野で、患者および医療提供者の両方に有益な迅速で信頼できる結果を提供する、改良されたイムノアッセイ標識方法に対し不変の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書中で、試料中の分析物を検出する方法が開示される。該方法は、(a)培地中で試料を分析物用のコンジュゲート試薬、リンカー試薬、増幅試薬、および場合により捕捉結合パートナーと組み合わせる工程と;(b)結合された分析物について培地を調べる工程であって、結合された分析物が、増幅試薬に結合されたリンカー試薬に結合されたコンジュゲート試薬に結合された分析物を含み、コンジュゲート試薬は分析物用の検出結合パートナーおよび第1の小分子を含み、増幅試薬はリポソームに封入されたかまたはキャリアタンパク質に結合された標識剤を含み、リポソームまたはキャリアタンパク質は第2の小分子をその表面に含み、リンカー試薬は第1の小分子および第2の小分子用の結合パートナーを含む工程とを含む。
【0005】
本明細書中で、(a)コンジュゲート試薬;(b)リンカー試薬;(c)増幅試薬;ならびに、場合により、捕捉結合パートナーであって、コンジュゲート試薬は標的分析物用の検出結合パートナーおよび第1の小分子を含み、リンカー試薬は小分子用の結合パートナーを含み、増幅試薬はリポソームに封入されたかまたはキャリアタンパク質に結合された標識剤を含み、リポソームまたはキャリアタンパク質は第2の小分子をその表面に含み、リンカー試薬は第1の小分子および第2の小分子用の結合パートナーを含む捕捉結合パートナーを含むキットが開示される。
【0006】
一部の実施形態では、分析物用の検出結合パートナーは、分析物に特異的に結合する抗体を含む。
【0007】
一部の実施形態では、第1の小分子および第2の小分子はビオチンを含む。さらなる実施形態では、第1の小分子および第2の小分子用の結合パートナーはストレプトアビジンを含む。
【0008】
一部の実施形態では、第1の小分子および第2の小分子はフルオレセインを含む。さらなる実施形態では、第1の小分子および第2の小分子用の結合パートナーは抗フルオレセイン抗体を含む。
【0009】
一部の実施形態では、分析物用の捕捉結合パートナーは支持体をさらに含む。さらなる実施形態では、支持体は非磁気粒子、磁気粒子、プレート、またはチューブである。
【0010】
一部の実施形態では、コンジュゲート試薬は標識剤をさらに含む。
【0011】
一部の実施形態では、リンカー試薬は標識剤を含む。
【0012】
一部の実施形態では、標識剤はアクリジニウムエステル(AE)を含む。
【0013】
一部の実施形態では、リポソームの直径は約20nm~約1000nmである。
【0014】
一部の実施形態では、封入されたAEは少なくとも1×10-8モル/L~少なくとも1×10-6モル/Lの範囲の濃度を有する。
【0015】
一部の実施形態では、リポソームは約1000~約100,000,000,000個の親水性AE分子を封入する。
【0016】
一部の実施形態では、キャリアタンパク質はウシ血清アルブミン(BSA)を含む。
【0017】
一部の実施形態では、キャリアタンパク質は少なくとも1~約100個のAE分子を結合する。
【0018】
一部の実施形態では、開示される方法は、結合された分析物について培地を調べる工程の前に、洗浄する工程をさらに含む。
【0019】
開示される方法の他の実施形態では、試料、コンジュゲート試薬、リンカー試薬、増幅試薬、および場合により捕捉結合パートナーは、同時にまたは順次組み合わされる。
【0020】
概要、ならびに以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読まれた場合、さらに理解される。開示されるデバイス、システム、および方法を説明する目的のために、図面中で、デバイス、システム、および方法の例示的な実施形態が示される;しかしながら、デバイス、システム、および方法は、開示される特定の実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】リンカータンパク質ストレプトアビジンに基づく架橋の例を説明する構成図である。Ag=抗原;Ab=抗体;AE=アクリジニウムエステル。
【
図2】現在開示される組成物および方法において、どのようにしてリンカータンパク質ストレプトアビジンでの架橋を使用し得るかを説明する一連の構成図である。
【
図3】リンカータンパク質抗フルオレセイン抗体に基づく架橋の例を説明する構成図である。Ag=抗原;Ab=抗体;AE=アクリジニウムエステル。
【
図4】現在開示される組成物および方法において、どのようにして抗フルオレセイン抗体での架橋を使用し得るかを説明する一連の構成図である。
【
図5】ビオチン化一枚膜リポソーム小胞(LUV)±アビジンおよびフルオレセイン化(FL)リポソーム小胞LUV±抗フルオレセインポリクローナル抗体(抗FL)のDLSを示す一連のグラフである。それぞれのLUVの架橋が観察される。抗FL抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであり得る。F1は、精製から収集された第1の画分を表す。FTICおよびFLは、同様の化合物である。
【
図6】開示されるアッセイを説明する画像および表である。実験A(表中のExp A)において、AEを閉じ込めたビオチン化小胞は、DYNAL(登録商標)ビーズM270(Thermo Fisher Scientific)粒子(ストレプトアビジン被覆磁気ラテックス粒子)に結合し得る。写真に示されるように、検出器はBerthold Autolumat Plus LB 953(マニュアルアッセイに使用される、上面の磁気ラックを備える)である。相対発光量(RLU)で、出力によって示される結合は、加えられた、AEを閉じ込めたビオチン化小胞の量に比例する。実験B(表中のExp B)において、M270粒子を減少させることによって、出力シグナルが減少する。
【
図7】リンカータンパク質ストレプトアビジンの付加によってシグナル出力が高められることを証明する表である。実験A(表中のExp A)において、抗FL常磁性粒子(pmp)を使用して、AEを閉じ込めたビオチン化およびフルオレセイン化小胞を捕捉する。シグナルは、リンカータンパク質ストレプトアビジンが加えられた時に発生および増幅する。実験B(表中のExp B)において、リンカータンパク質の濃度を増大させることによって、シグナル増幅が増大する。実験は、室温(RT)で行われた。
【
図8】抗FL pmpに対するフルオレセインおよびフルオレセイン化AE小胞の競合的結合を示すグラフである。
【
図9】Biocore(登録商標)(General Electric Healthcareからの光学バイオセンサー)で証明された増幅スキームを示すグラフである。フルオレセイン化BSAとともに固定されたセンサーチップを使用して、タンパク質ハプテン(ニュートラアビジンにコンジュゲートした抗FL Mab(2H1))を最初にチップに加え、その後ビオチン化微小気泡(ステージ1増幅)が同時注射される。より多くのビオチン化微小気泡が結合できるように、さらなるニュートラアビジンが導入される(ステージ2増幅)。最後に、ステージ3増幅は、単純にステージ2増幅の繰返しである。
【
図10】Siemensの自動化システムCentaurでの開示されるアッセイの構成を説明する、一連の構成図、および表である。TSH=甲状腺刺激ホルモン;TSH1、TSH5、およびTSH10(下の表中)=増大する濃度のTSH標準;Lite試薬(LR)=AE標識ストレプトアビジン。ここで、抗TSH Pab(ポリクローナル抗体)とともに固定された粒子は、抗原TSHを結合し、次いでビオチン化抗TSH Mab(モノクローナル抗体)とのサンドイッチを形成し得る。AE標識ストレプトアビジンの付加によって、シグナルが生じる。
【
図11】Siemensの自動化システムCentaurでのリンカータンパク質およびAE標識増幅因子の導入を説明する、一連の構成図、および表である。リンカータンパク質=補助的ウェル(AW)中の非標識ストレプトアビジン;増幅因子=AE-BSA-ビオチン;上段の図=対照;下段の図=ビオチン化抗TSH Mab+LRウェル中の増幅因子。リンカータンパク質ストレプトアビジン(この場合AE標識なし)はAW中にある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
開示される方法は、本開示の一部を形成する添付の図面に関連して挙げられる以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解され得る。開示される方法は、本明細書中に記載されるおよび/または示される特定の方法に限定されないこと、ならびに本明細書中で使用される専門用語が特定の実施形態を例のみによって説明する目的のためであって、特許請求される方法の限定を意図しないことが、理解されるであろう。
【0023】
明確にするために、別々の実施形態の文脈で本明細書中に記載される、開示される方法のある特定の特徴もまた、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることが、認識されるであろう。反対に、簡潔のために単一の実施形態の文脈で記載される、開示される方法の種々の特徴もまた、別々に、または任意の部分的組合せで提供され得る。
【0024】
定義
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の試験の実行で使用し得る本明細書中に記載されるものと同様または同等の任意の方法および材料が使用され得るが、好ましい材料および方法が本明細書中に記載される。本発明の記載および特許請求において、以下の専門用語が使用されることになる。
【0025】
本明細書中で使用される専門用語が、単に特定の実施形態を説明する目的のためであり、限定を意図されないこともまた、理解されるであろう。
【0026】
本明細書中で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって明らかに他に示されない限り、複数の指示物を含む。同様に、単語「または」は、文脈によって明らかに他に示されない限り、「および」を含むよう意図される。
【0027】
本明細書中で使用される場合、用語「約」は、当業者に理解され、使用される文脈である程度変化することになる。本明細書中で使用される場合、例えば量、濃度、時間等の測定可能な値に言及する場合、用語「約」は、特定された値から±20%または±10%、より好ましくは±5%、さらにより好ましくは±1%、なおより好ましくは±0.1%の変化を、そのような変化が開示される方法を行うのに適切であるように、包含するよう意図される。
【0028】
用語、アクリジニウムエステルは、本明細書中で開示される場合、リポソーム内に封入され得、化学発光シグナルを生じ得る、任意のアクリジニウムエステルを指す。
【0029】
用語「分析物」は、本明細書中で使用される場合、広範な用語であり、通常の意味で使用され、限定されることなく、生物学的液体(例えば、血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液または尿)中の物質または化学的成分等の試料中の検出可能な構成要素または目的の標的を指すことを含む。分析物としては、自然発生物質、人工物質、代謝産物および/または反応産物を挙げることができる。分析物の例としては、限定されないが、モノもしくはポリエピトープ、抗原性、もしくはハプテンであるリガンド、またはDNAもしくはRNA等の核酸が挙げられる。
【0030】
用語「固体支持体」、「支持構造」、および「基質」は、本明細書中で使用される場合、互換可能に使用され、剛性または半剛性の1つまたは複数の表面を有する材料または材料の群を指す。指示構造の形状またはサイズに限定はない。多くの実施形態では、固体支持体は、ビーズ(例えば、シリカビーズ、磁性ビーズ、常磁性ビーズ等)、樹脂、ゲル、ミクロスフィア、または他の幾何学的配置の形態をとる。
【0031】
本明細書中で使用される場合、「官能基」は、特徴的な化学反応の要因である、分子内の化学基をいう。例示的な官能基としては、限定されないが、第一級アミン、カルボキシル、カルボニル、アルデヒド、スルフヒドリル、水酸基およびエステル等の、酸素、窒素、リンまたは硫黄原子を含有するものが挙げられる。本明細書中で使用される場合、官能基は、別の基と反応して共有結合を形成し得る場合、その基と反応性がある。
【0032】
「リンカー」は、共有結合、またはイオン結合、ファンデルワールス結合もしくは水素結合によって2つの他の分子を連結する分子、例えば、5’末端で1つの相補配列にハイブリダイズし、3’末端で別の相補配列にハイブリダイズして、このように2つの非相補配列を連結する、核酸分子を指す。
【0033】
「架橋剤」は、2つの他の分子を共有結合的に連結するリンカーを指す。
【0034】
本明細書中で使用される場合、用語「リンク化」は、所与の標識剤のシグナル増幅スキームをいう。
【0035】
用語「リポソーム」は、本明細書中で使用される場合、少なくとも1つの脂質二重層を含む膜で構成された、人工的に形成された小胞または嚢を指す。該用語は、細胞、もしくは細胞を含む生体試料から単離された、自然発生の小胞または他の自然発生の膜状の物質を除外すると理解される。用語「小胞」および「リポソーム」は、少なくとも1つの脂質二重層の膜を含む人工的に形成された嚢を参照して本明細書中で使用される場合、同義であり得る。例えば、人工的に形成された大きな一枚膜リポソーム小胞、または「LUV」は、小胞と呼ばれるが、本特許出願の目的のためには、リポソームとも呼ばれる。
【0036】
ポリ(エチレングリコール)は、一般にPEGとして知られ、線状鎖を形成するエチレンオキシドのオリゴマーを指す。PEG分子は、線状であっても分枝状であってもよく、各分子は少なくとも2つ、一般には3以上のPEG分枝、または中心のコア基から発するアームを有する。
【0037】
用語「抗体」は、抗原上の特定のエピトープに特異的に結合することができる免疫グロブリン分子をいう。抗体は、典型的には、免疫グロブリン分子の四量体である。本発明における抗体は、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、細胞内抗体(「イントラボディ」)、Fv、FabおよびF(ab)2、ならびに単鎖抗体(scFv)、ラクダ抗体およびヒト化抗体を含む、様々な形態で存在し得る。本明細書中で考えられる場合、量子ドットおよび支持構造にコンジュゲートされた抗体は、分析物を定性的および定量的に分析できるように、特異的もしくは非特異的に分析物を認識および/または分析物に結合し得る。
【0038】
本明細書中で使用される場合、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」および「特徴づけられる」は、交換可能で、包括的で、無制限であり、さらなる引用されていない要素または方法工程を除外しない。用語「含む」の本明細書中の任意の引用は、特に組成物の構成要素の記載またはデバイスの要素の記載において、引用される構成要素または要素から本質的になる、および引用される構成要素または要素からなる、組成物および方法を包含するよう理解される。
【0039】
本明細書中で使用される場合、用語「からなる」は、特許請求の範囲の要素において特定されていない任意の要素、工程、または成分を除外する。
【0040】
本明細書中で使用される場合、用語「疾患」は、細胞、組織、または器官の正常な機能を損傷または妨害する任意の状態または障害を指す。
【0041】
「検出する」は、標的(例えば、検出される分析物)の存在、非存在または量を同定することを指す。
【0042】
「個体」、「患者」または「被験者」は、これらの用語が本明細書中で互換可能に使用される場合、鳥類、ヒトおよび他の霊長類、ならびにウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、およびイヌ等の商業的に関連のある哺乳動物を含む他の哺乳動物を含むがこれらに限定されない、任意の動物種の一員を含む。好ましくは、被験者はヒトである。
【0043】
本明細書中で使用される場合、用語「処置」および「処置する」は、治療効果および/または予防効果を含むがこれらに限定されない、有益な、または所望の結果を得るための、アプローチを指す。例えば、用語、処置は、疾患もしくは障害の発症の前または後に、薬剤を投与し、それによって疾患または障害の全ての兆候を予防または除去することを含む。別の例として、疾患の症状に有効である疾患の臨床兆候後の薬剤の投与は、疾患の「処置」を含む。
【0044】
治療効果によって、患者が根底にある障害に依然として悩まされている可能性があるにもかかわらず、患者において改善が観察されるような、根底にある、処置されている障害の根絶もしくは寛解、または根底にある障害に関連する生理的症状のうちの1つもしくはそれ以上の寛解を意味する。予防効果のために、特定の疾患を発症するリスクのある患者に、または疾患の生理的症状のうちの1つもしくはそれ以上を訴える患者に、この疾患の診断が為されていなかったとしても、組成物を投与し得る。
【0045】
本開示全体を通して、本発明の種々の態様は、範囲形式で表される。範囲形式の記載が単に便宜上、および簡潔のためであり、本発明の範囲に対する変更できない制限として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の記載は、全ての可能な部分範囲ならびにその範囲内の個々の数値、および適切な場合、範囲内の数値の部分的な整数を、特に開示していると考えられるべきである。例えば、1~6等の範囲の記載は、例えば1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等の部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば1、2、2.7、3、4、5、5.3、および6を、特に開示していると考えられるべきである。これは、範囲の幅にかかわらず適用される。
【0046】
記載の態様に関する種々の用語は、本明細書および特許請求の範囲全体を通して使用される。そのような用語は、他に示されない限り、当技術分野でのその通常の意味を与えられる。他の特に定義された用語は、本明細書中に提供される定義と一致した様式で解釈される。
【0047】
詳細な説明
本明細書中で、シグナルを増幅するために、親水性アクリジニウムエステル(AE)、またはAEを含むタンパク質キャリアを封入するリポソームの調製物を使用して、イムノアッセイ標識を増幅し、試料中の分析物を検出するための方法が提供される。
【0048】
試料中の分析物を検出するための開示される方法は、(a)培地中で試料を分析物用のコンジュゲート試薬、リンカー試薬、増幅試薬および場合により捕捉結合パートナーと組み合わせる工程と;(b)結合された分析物について培地を調べる工程であって、結合された分析物が、増幅試薬に結合されたリンカー試薬に結合されたコンジュゲート試薬に結合された分析物を含み、コンジュゲート試薬は分析物用の検出結合パートナーおよび第1の小分子を含み、増幅試薬はリポソームに封入されたかまたはキャリアタンパク質に結合された標識剤を含み、リポソームまたはキャリアタンパク質は第2の小分子をその表面に含み、リンカー試薬は第1の小分子および第2の小分子用の結合パートナーを含む工程とを含む。
【0049】
一部の実施形態では、分析物用の検出結合パートナーは、分析物に特異的に結合する抗体を含む。抗体は、分析物に特異的に結合することができる、モノクローナル抗体、抗体断片、二重特異性もしくは多重特異性抗体、二量体、四量体もしくは多量体抗体、または単鎖抗体であり得る。
【0050】
一部の実施形態では、分析物は、生体試料由来の抗原であり得る。一部の実施形態では、生体試料は、限定されないが、全血、血清、血漿、尿、唾液、精液、または脳脊髄液であり得る。
【0051】
一部の実施形態では、開示される方法は、種々のアッセイに有用である。アッセイは、イムノアッセイ、臨床化学アッセイまたは他の医学的検査もしくは診断検査等の生化学的アッセイを含む。一部の実施形態では、アッセイは、サンドイッチアッセイまたはin situハイブリダイゼーションアッセイを含み得る。
【0052】
一部の実施形態では、開示される方法は、生化学的アッセイのための反応混合物を含む。混合物は、アッセイのための1つまたはそれ以上の試薬またはバッファー、および生体試料を含み得る。
【0053】
一部の実施形態では、リポソームまたはキャリアタンパク質を含む増幅試薬は、懸濁液の形態で、生体試料、試薬、または生化学的アッセイのための反応混合物に加えられる。一部の実施形態では、増幅試薬は、生体試料、試薬、もしくは反応混合物中で、または生化学的アッセイのための反応混合物に寄与する1つもしくはそれ以上の構成要素中で、「乾燥形態」から再構成され得る。
【0054】
一部の実施形態では、第1の小分子および第2の小分子は、ビオチン、アビジンまたはアビジン誘導体(例えば、ニュートラアビジン)を含む。他の実施形態では、第1の小分子および第2の小分子用の結合パートナーは、ストレプトアビジンをさらに含む。
【0055】
一部の実施形態では、第1の小分子および第2の小分子は、フルオレセインを含む。他の実施形態では、第1の小分子および第2の小分子用の結合パートナーは、抗フルオレセイン抗体をさらに含む。
【0056】
一部の実施形態では、第1の小分子および第2の小分子は、ポリペプチド、抗体もしくはその抗原結合断片、アプタマー、アフィボディ、アフィマー、炭水化物、ポリエチレングリコール(PEG)、またはペグ化ポリペプチドとコンジュゲートされる。一部の実施形態では、ペグ化ポリペプチドは、ペグ化抗体またはペグ化ビオチンを含む。
【0057】
一部の実施形態では、開示されるキャリアタンパク質は、分析物にコンジュゲートし得る、小タンパク質もしくは巨大タンパク質(MW>100kD)、またはポリマーを含む。適切なキャリアタンパク質は、限定されないが、キチン、キトサン、ゼラチン、アルブミン、ウシ血清アルブミン(BSA)、フェリチン、α1-マクログロブリンおよびサイログロブリンを含む。キャリアタンパク質は、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリスルホネート、ポリアミド、ポリエステルおよびポリエーテル等の合成ポリマーであり得る。
【0058】
一部の実施形態では、キャリアタンパク質は、ウシ血清アルブミン(BSA)を含む。
【0059】
一部の実施形態では、標識剤は、アクリジニウムエステル(AE)を含む。AEは、放射性同位体と比較して増大した感度の形態で優れたイムノアッセイ性能を提供する、安定な化合物である。AEの使用は、リガンドもしくは分析物(抗原等)を標識すること;リガンドもしくは分析物の特異的な結合パートナー(対応する抗体等)を標識すること;または核酸、および核酸を含む分子を標識すること等の様々な適用に有利であり得る。
【0060】
一部の実施形態では、キャリアタンパク質は、少なくとも1~少なくとも約10個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約20個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約30個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約40個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約50個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約60個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約70個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約80個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約90個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約100個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約200個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約300個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約400個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約500個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約600個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約700個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約800個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約900個のAE分子、少なくとも1~少なくとも約1000個のAE分子を結合する。
【0061】
一部の実施形態では、キャリアタンパク質は、少なくとも1~約100個のAE分子を結合する。
【0062】
一部の実施形態では、リポソームに封入された標識剤は親水性アクリジニウムエステル(AE)である。AEの親水性は、リポソーム壁を通る漏出なしに、それらをリポソーム内の封入に適するようにする。親水性AEの詳細な説明は、当技術分野において開示の全体が参照によって本明細書に組み入れる米国特許第5,656,426(A)号等で見ることができる。
【0063】
一部の実施形態では、開示される修飾リポソームに封入される親水性AEの濃度は、少なくとも1.10-10モル/L~少なくとも1.10-9モル/L、少なくとも1.10-9モル/L~少なくとも1.10-8モル/L、少なくとも1.10-8モル/L~少なくとも1.10-7モル/L、少なくとも1.10-7モル/L~少なくとも1.10-6モル/L、少なくとも1.10-6モル/L~少なくとも1.10-5モル/L、少なくとも1.10-5モル/L~少なくとも1.10-4モル/L、少なくとも1.10-4モル/L~少なくとも1.10-3モル/L、少なくとも1.10-3モル/L~少なくとも1.10-2モル/L、および少なくとも1.10-2モル/L~少なくとも1.10-1モル/Lである。他の実施形態では、親水性AEは、少なくとも1.10-8モル/L~少なくとも1.10-6モル/Lの範囲の濃度を有する。
【0064】
一部の実施形態では、リポソームは、少なくとも10~少なくとも100個の親水性AE分子、少なくとも100~少なくとも1000個の親水性AE分子、少なくとも1000~少なくとも10,000個の親水性AE分子、少なくとも10,000~少なくとも100,000個の親水性AE分子、少なくとも100,000~少なくとも1,000,000個の親水性AE分子、少なくとも1,000,000~少なくとも10,000,000個の親水性AE分子、少なくとも10,000,000~少なくとも100,000,000個の親水性AE分子、少なくとも100,000,000~少なくとも1,000,000,000個の親水性AE分子、少なくとも1,000,000,000~少なくとも10,000,000,000個の親水性AE分子、少なくとも10,000,000,000~少なくとも100,000,000,000個の親水性AE分子、および少なくとも100,000,000,000~少なくとも1,000,000,000,000個の親水性AE分子を含む。他の実施形態では、修飾リポソームは、少なくとも約1000~少なくとも約100,000,000,000個の親水性AE分子を封入し得る。
【0065】
さらなる実施形態では、リポソームは、種々のサイズのものであり得る。一部の実施形態では、リポソームの直径は、約20nm~約1000nmである。一部の実施形態では、リポソームの直径は、約20nm~約30nm;約30nm~約40nm;約40nm~約50nm;約50nm~約60nm;約60nm~約70nm;約70nm~約80nm;約80nm~約90nm;約90nm~約100nm;約100nm~約110nm;約110nm~約120nm;約120nm~約130nm;約130nm~約140nm;約140nm~約150nm;約150nm~約160nm;約160nm~約170nm;約170nm~約180nm;約180nm~約190nm;約190nm~約200nm;約200nm~約250nm;約250nm~約300nm;約350nm~約400nm;約400nm~約450nm;約450nm~約500nm;約500nm~約550nm;約550nm~約600nm;約600nm~約650nm;約650nm~約700nm;約700nm~約750nm;約750nm~約800nm;約800nm~約850nm;約850nm~約900nm;約900nm~約950nm;および約950nm~約1000nmである。他の実施形態では、リポソームの直径は、約10~約500nmである。さらに他の実施形態では、リポソームの直径は、約30nm~約100nmである。
【0066】
一部の実施形態では、開示される方法に有用なリポソームとしては、多重膜リポソーム小胞(MLV)、小さな一枚膜リポソーム小胞(SUV)、大きな一枚膜リポソーム小胞(LUV)、および巨大一枚膜リポソーム小胞(GUV)が挙げられる。一部の実施形態では、脂質二重層は、スフィンゴ脂質、グリセロリン脂質、ステロール、およびステロール誘導体を含み得る。使用されるスフィンゴ脂質としては、種々の長さの飽和、モノ不飽和、および/または多価不飽和アシル鎖を含有する、スフィンゴミエリンならびにセラミドを挙げることができる。種々の長さの飽和、モノ不飽和、および/または多価不飽和アシル鎖を含有する、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルイノシトール(PI)、カルジオリピン、ホスファチジルセリン(PS)を含む、種々の頭部基構造を有するリン脂質を使用し得る。使用されるステロールおよびステロール誘導体としては、コレステロール、ブラシカステロール、アロコレステロール、コレステロールメチルエーテル、カンペスタノール、カンペステロール、酢酸コレステリル、コプロスタノール、デスモステロール、デヒドロデスモステロール、ジヒドロコレステロール、ジヒドロラノステロール、エピコレステロール、ラソステロール、ラノステロール、シトスタノール、シトステロール、スチグマステロール、チモスタノール、およびチモステロールを挙げることができる。
【0067】
開示される方法に有用なリポソームは、修飾リン脂質を含み得る。スフィンゴ脂質およびグリセロリン脂質、ステロール、ステロール誘導体、ならびに修飾された種類の脂質は、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO);Invitrogen(Carlsbad、CA);Avanti Polar Lipids(Alabaster、AL);Fisher Scientific(Pittsburgh、PA);Steraloids(Newport、RI)等の種々の供給源から、商業的に容易に入手可能である。
【0068】
一部の実施形態では、リポソームは破裂させられ、封入された親水性AEによって生じたシグナルの量が測定される。
【0069】
一部の実施形態では、ペプチドおよび/または核酸が、開示される修飾リポソームを使用して検出される。例えば、DNAまたはRNAプローブが、ハプテンまたはビオチン化修飾ヌクレオチド等のリガンドでタグ付けされる。DNAまたはRNAプローブは、相補的DNAまたはRNAとハイブリダイズでき、固体支持体に固定される。固定されたプローブは、次いで、抗体等のリガンドに対する受容体、またはプローブがビオチン化されている場合はアビジンを含む、修飾リポソームと反応させられる。リポソームは破裂させられ、封入されたアクリジニウムエステルによって生じたシグナルの量が測定される。
【0070】
一部の実施形態では、試料中の分析物を検出するための開示される方法において使用される捕捉結合パートナーは、支持体をさらに含む。さらなる実施形態では、支持体は非磁気粒子、磁気粒子、プレート、またはチューブである。
【0071】
一部の実施形態では、分析物は、当技術分野で公知の手段によって捕捉される。これらの手段は、種々のサンドイッチ、競合、または他のアッセイ形式で標識分子を利用し得る、イムノアッセイデバイスおよび方法を含む。そのようなアッセイは、ペプチドもしくはポリペプチドの存在または非存在を示すシグナルを生じる。さらに、シグナル強度は、好ましくは、試料中に存在するポリペプチドの量と直接的または間接的に相関(例えば、反比例)し得る。さらなる適切な方法は、正確な分子量もしくはNMRスペクトル等のペプチドもしくはポリペプチドに特異的な物理的または化学的性質を測定することを含む。これらの方法は、例えばバイオセンサー、イムノアッセイに連結された光学デバイス、バイオチップ、質量分析計等の分析デバイス、NMR分析装置、またはクロマトグラフィーデバイスを含む。さらに、方法としては、マイクロプレートELISAベースの方法、完全自動化またはロボットイムノアッセイ(例えば、ADVIA Centaur(登録商標)XPT、ADVIA Centaur(登録商標)XP、ADVIA Centaur(登録商標)CP、IMMULITE(登録商標)1000、IMMULITE(登録商標)2000 XPiおよびAtellica(登録商標)等のSiemensのプラットフォーム;またはBiacore(登録商標)等のGeneral Electric Healthcareのプラットフォーム)、酵素的コバルト結合アッセイ(CBA)、およびラテックス凝集アッセイが挙げられる。
【0072】
特異的ハイブリダイゼーションは、必要に応じて、高ストリンジェンシー条件または中ストリンジェンシー条件下で行われる。好ましい実施形態では、特異的ハイブリダイゼーションのためのハイブリダイゼーション条件は、高ストリンジェンシーである。特異的ハイブリダイゼーションは、存在する場合、次いで、標準的な方法を使用して検出される。核酸プローブと試験試料中の遺伝子との間に特異的ハイブリダイゼーションが生じる場合、核酸プローブ中に存在する配列はまた、被験者のmRNAにも存在する。1つより多い核酸プローブもまた、使用される。
【0073】
一部の実施形態では、開示される方法は、結合された分析物について培地を調べる工程の前に、洗浄する工程をさらに含む。
【0074】
開示される方法の他の実施形態では、試料、コンジュゲート試薬、リンカー試薬、増幅試薬、および場合により捕捉結合パートナーは、同時にまたは順次組み合わされる。
【0075】
キット
開示される方法の、ある特定の態様では、キットが提供される。開示されるキットは、(a)コンジュゲート試薬;(b)リンカー試薬;(c)増幅試薬;ならびに、場合により、捕捉結合パートナーであって、コンジュゲート試薬は標的分析物用の検出結合パートナーおよび第1の小分子を含み、増幅試薬はリポソームに封入されたかまたはキャリアタンパク質に結合された標識剤を含み、リポソームまたはキャリアタンパク質は第2の小分子をその表面に含み、リンカー試薬は第1の小分子および第2の小分子用の結合パートナーを含む、捕捉結合パートナーを含む。
【0076】
開示されるキットは、試料中の分析物の存在を検出するのに有用である。一部の実施形態では、分析物は、目的の抗原、抗体、ペプチド、またはポリペプチドを含む。
【0077】
一部の実施形態では、キットは、プローブセットの一団を含む。プローブセットは、目的の分析物(例えばペプチド)を検出する、多数または少数のプローブを含む。プローブセットはまた、目的の分析物について情報価値のないペプチドを検出する、多数または少数のプローブも含み得る。そのようなプローブは、対照として、および正規化のために、有用である(例えば、スパイクインマーカー)。
【0078】
プローブセットは、乾燥混合物、または溶液中の混合物であってもよい。一部の実施形態では、プローブセットは、固体基質に貼り付けて、プローブのアレイを形成してもよい。プローブは、目的の分析物と特異的に相互作用することができる、抗体、もしくは核酸(例えば、DNA、RNA、化学的に修飾された形態のDNAおよびRNA)、LNA(ロックド核酸)、もしくはPNA(ペプチド核酸)、または任意の他のポリマー化合物であり得る。
【0079】
キットは、本質的に任意の試料(例えば、尿、血液等)中の分析物を単離および/または検出するために設計され得ると考えられ、幅広い種類の試薬および方法が、本明細書を考慮して、当技術分野で公知である。
【0080】
以下の実施例は、本発明の態様をさらに説明する。しかしながら、それらは、本明細書中に示される本開示の教示または開示を決して限定しない。
【0081】
実例となる実施形態
ここで、開示される技術の実例となる実施形態が提供される。これらの実施形態は、単なる実例であり、本開示または本明細書に添付された特許請求の範囲の範囲を限定しない。
実施形態1.試料中の分析物を検出する方法であって、該方法は:(a)培地中で試料を分析物用のコンジュゲート試薬、リンカー試薬、増幅試薬、および場合により捕捉結合パートナーと組み合わせる工程と;(b)結合された分析物について培地を調べる工程であって、結合された分析物が、増幅試薬に結合されたリンカー試薬に結合されたコンジュゲート試薬に結合された分析物を含み、コンジュゲート試薬は分析物用の検出結合パートナーおよび第1の小分子を含み、増幅試薬はリポソームに封入されたかまたはキャリアタンパク質に結合された標識剤を含み、リポソームまたはキャリアタンパク質は第2の小分子をその表面に含み、リンカー試薬は第1の小分子および第2の小分子用の結合パートナーを含む工程とを含む、方法。
実施形態2.キットであって、(a)コンジュゲート試薬;(b)リンカー試薬;(c)増幅試薬;ならびに、場合により、捕捉結合パートナーであって、コンジュゲート試薬は標的分析物用の検出結合パートナーおよび第1の小分子を含み、増幅試薬はリポソームに封入されたかまたはキャリアタンパク質に結合された標識剤を含み、リポソームまたはキャリアタンパク質は第2の小分子をその表面に含み、リンカー試薬は第1の小分子および第2の小分子用の結合パートナーを含む、捕捉結合パートナーを含む、キット。
実施形態3.分析物用の検出結合パートナーは、分析物に特異的に結合する抗体を含む、実施形態1に記載の方法または実施形態2に記載のキット。
実施形態4.第1の小分子および第2の小分子はビオチンを含む、実施形態1~3のいずれか1つの実施形態に記載の方法またはキット。
実施形態5.小分子用の結合パートナーはストレプトアビジンを含む、実施形態4に記載の方法またはキット。
実施形態6.第1の小分子および第2の小分子はフルオレセインを含む、実施形態1~3のいずれか1つの実施形態に記載の方法またはキット。
実施形態7.小分子用の結合パートナーは抗フルオレセイン抗体を含む、実施形態6に記載の方法またはキット。
実施形態8.分析物用の捕捉結合パートナーは支持体をさらに含む、実施形態1~7のいずれか1つの実施形態に記載の方法またはキット。
実施形態9.支持体は非磁気粒子、磁気粒子、プレート、またはチューブである、実施形態8に記載の方法またはキット。
実施形態10.結合された分析物について培地を調べる工程の前に、洗浄する工程をさらに含む、実施形態1、3、4、5、6、7、8、および9のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
実施形態11.コンジュゲート試薬は標識剤をさらに含む、実施形態1~10のいずれか1つの実施形態に記載の方法またはキット。
実施形態12.リンカー試薬は標識剤を含む、実施形態1~11のいずれか1つの実施形態に記載の方法またはキット。
実施形態13.キャリアタンパク質はウシ血清アルブミン(BSA)を含む、実施形態1~12のいずれか1つの実施形態に記載の方法またはキット。
実施形態14.標識剤はアクリジニウムエステル(AE)を含む、実施形態1~13のいずれか1つの実施形態に記載の方法またはキット。
実施形態15.試料、コンジュゲート試薬、リンカー試薬、増幅試薬、および場合により捕捉結合パートナーは、同時にまたは順次組み合わされる、実施形態1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
実施形態16.リポソームの直径は約20nm~約1000nmである、実施形態1~15のいずれか1つの実施形態に記載の方法またはキット。
実施形態17.封入されたAEは少なくとも1×10-8モル/L~少なくとも1×10-6モル/Lの範囲の濃度を有する、実施形態14に記載の方法またはキット。
実施形態18.リポソームは約1000~約100,000,000,000個の親水性AE分子を封入する、実施形態14に記載の方法またはキット。
実施形態19.キャリアタンパク質は少なくとも1~約100個のAE分子を結合する、実施形態14に記載の方法またはキット。
【実施例】
【0082】
以下の実施例は、本明細書中に開示される実施形態の一部をさらに説明するために提供される。実施例は、開示される実施形態を、限定することではなく、説明することを意図される。
【0083】
材料および方法
試薬
1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC);1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチジルコリン(POPC);1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC);1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン(POPS);ブタ脳スフィンゴミエリン(SM);コレステロール(CHOL);1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[ビオチニル(ポリエチレングリコール)-2000](PEG2000ビオチン-DSPE);1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-(ビオチニル)(ビオチン-DPPE);1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-(ローダミン-DPPE);N-(フルオレセイン-5-チオカルバモイル-1,2-ジヘキサデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(フルオレセイン-DHPE);N-スルホ-プロピル-ジメチルアクリジニウムエステル-N-ヒドロキシスクシンイミド(NSP-DMAE)およびトリメチルシリルプロピオン酸DMAE(TSP-DMAE)。
【0084】
脂質は、-20℃で保管した。30、50、100、200、および400ナノメートルの細孔径を有する、種々のポリカーボネート膜フィルターを使用した。
【0085】
アクリジニウムエステルを封入したリポソームの調製および精製
アクリジニウムエステルを封入する4mMの大きな一枚膜リポソーム小胞(LUV)を調製するために、脂質(SMもしくはDPPCもしくはPOPCもしくはDOPCまたはSM/POPC 1/1もしくはDPPC/POPC 1/2もしくはPOPC/POPS 3/1)を混合し、窒素下で乾燥し、その後少なくとも2時間高真空で乾燥させた。リポソーム中で使用されたコレステロールの量は、特定の実験に依存して、0~50モル%の間で変化させた。全ての脂質混合物は、リポソームの終濃度を追跡するために、0.025モル%のローダミンPEを含有していた。乾燥された脂質膜を、70℃でリン酸緩衝生理食塩水(PBS、137mM NaCl、pH7.4)を含有するNSP-DMAEまたはTSP-DMAEに分配し、次いで使用前に室温まで冷却した。NSP-DMAEおよびTSP-DMAEの濃度は、0~15mg/mLの間で変化させた。脂質混合物を、10サイクルの凍結/解凍に供し、次いで一定の細孔径(例えば、30nm、50nm、100nm、200nm、および400nm)を有するポリカーボネートフィルターを通して押し出して、均一なリポソームサイズを得た。NAP-5(Sephadex G-25)カラムを使用して、閉じ込められなかったNSP-DMAEまたはTSP-DMAEを除去した。NAP-5カラム精製の前および後の両方に、動的光散乱(DLS)測定を行った。得られたリポソームの粒度分布から、リポソームの平均経は、精製工程の後も依然として維持されていることが示された。
【0086】
リポソームの表面の種々の官能基の存在下で、AEを封入するリポソームを調製した。脂質を窒素下で乾燥させる前に、ビオチン-DPPE、PEG 2000ビオチン-DSPEまたはフルオレセイン-DHPEを、上述のようにコレステロールの有無にかかわらず、脂質混合物、すなわちSMもしくはDPPCもしくはPOPCもしくはDOPCまたはSM/POPC 1/1もしくはDPPC/POPC 1/2もしくはPOPC/POPS 3/1に加えた。コレステロールの量は、0~50モル%の間で変化させた。リポソーム中で使用されたビオチン-DPPE、PEG2000ビオチン-DSPEまたはフルオレセイン-DHPEの量は、0~20モル%の間で変化させた。リポソームの表面の透過性および親水性は、特に、ポリエチレングリコール(PEG)の付加によって促進された。
【実施例1】
【0087】
リンク化システムの特徴
本明細書中で、リンク化システムを使用して試料中の分析物を検出する方法およびキットが提供される。
【0088】
図1に示されるように、ストレプトアビジンは、リンカータンパク質として使用され得る。ストレプトアビジンは、4つのビオチンを結合することができる四量体の結合タンパク質であり、シグナル発生分子AEで標識される。特異的アッセイ抗体は、ビオチン化され、シグナル発生分子AEで標識される(「標識二次Ab」)。この場合の増幅因子は、ビオチン化AE封入リポソーム(「AEを担持する増幅因子」)またはハプテン様AE(n)-BSA-ビオチン(n)であり得る。典型的なビオチン化リポソーム(内径100nm)は、1000個より多いAE分子を容易に担持し得るが、より小さいハプテンAE(n)-BSA-ビオチン(n)は、BSA1つあたり20~30個ものAE分子を有し得る。両方の場合のビオチンの数ははるかに少なくあり得るが、好ましくは、リンカータンパク質との架橋を可能にするために、少なくとも2つである。ストレプトアビジンは、システムのシグナルを増幅するために、特異的アッセイ抗体を増幅因子に連結させ、連鎖様反応で増幅因子をより多くの増幅因子にさらに連結させる。
図1の構成図は、さらに2つの増幅因子を結合することができる2つの空いている部位を有する、ストレプトアビジンの2つの結合部位の使用を示す。
【0089】
図2に示されるように、一部の実施形態では、アッセイシステムは、固体支持体(固相試薬または「SPR」)とともに、分析物用の捕捉結合パートナーを含有する固相コンパートメントを含有する。アッセイシステムのシグナル発生Lite試薬(LR)コンパートメントは、ビオチン化もされている、1つまたは複数のLR抗体を含有する。1つまたは複数のLR抗体は、AE標識されていてもされていなくてもよいが、ビオチン化されていなければならない。一部のLR抗体は、一般にビオチンまたはフルオレセイン等の分子よりも疎水性であるAEで標識されていないことにより利益を受け得る。LRコンパートメントはまた、著しくより多くのAE分子を担持するビオチン化増幅因子を含み得る(
図2)。アッセイシステムはさらに、アッセイに導入されてLite試薬と混合されるリンカータンパク質および/またはAE標識リンカータンパク質を別々に含有するように、第3の試薬コンパートメント、例えば、補助的ウェル(「AW」)を含む。関与する全構成要素の最適なモル比は、実験によって決定されるべきである。一例は、1:1:1(LR Ab:リンカータンパク質:増幅因子)であり得る。
【0090】
図3に示されるように、抗フルオレセイン抗体は、リンカータンパク質として使用し得る。抗フルオレセイン抗体(モノクローナルまたはポリクローナル)は、2つのフルオレセイン分子を結合することができるバイナリーの結合タンパク質であり、シグナル発生分子AEで標識することもできる。特異的アッセイ抗体は、フルオレセイン化され、シグナル発生分子AEで標識することもできる(「標識二次Ab」)。この場合の増幅因子は、フルオレセイン化AE封入リポソーム(「AEを担持する増幅因子」)またはハプテン様AE(n)-BSA-フルオレセイン(n)であり得る。抗フルオレセイン抗体は、システムのシグナルを増幅するために、特異的アッセイ抗体を増幅因子に連結させ、連鎖様反応で増幅因子をより多くの増幅因子にさらに連結させる。
【0091】
図4に示されるように、アッセイシステムのシグナル発生Lite試薬(LR)コンパートメントは、フルオレセイン化もされている、1つまたは複数のLR抗体を含有する。1つまたは複数のLR抗体は、AE標識されていてもされていなくてもよいが、フルオレセイン化されていなければならない。一部の特異的LR抗体は、一般にビオチンまたはフルオレセイン等の分子よりも疎水性であるAEで標識されていないことにより利益を受け得る。示されているように、ここでLRコンパートメントはまた、著しくより多くのAE分子を担持するフルオレセイン化増幅因子も含有する。アッセイは、アッセイに導入されてLite試薬と混合されるリンカータンパク質および/またはAE標識リンカータンパク質を別々に含有するように、新しい試薬コンパートメントを加えなければならない。関与する全構成要素のモル比は、実験的に決定されるべきである。一例は、1:1:1(LR Ab:リンカータンパク質:増幅因子)であり得る。
【実施例2】
【0092】
リンカータンパク質および増幅因子に基づくリンク化システムによって、イムノアッセイシグナルの増幅が可能になる。
【0093】
種々のサイズのリポソーム(20~1000nm)は、開示される方法およびキットに有用であり得る。AEを封入するリポソームはまた、さらなる修飾も含み得る。これらの修飾としては、限定されないが、リポソーム表面上のビオチン、フルオレセイン、および/またはタンパク質等の種々の官能基の付加が挙げられる(
図5)。
【0094】
AEを封入するビオチン化リポソーム(「ビオチンAE小胞」)は、ストレプトアビジン被覆磁気ラテックス粒子(DynalのM270粒子、
図6)に結合し得る。出力RLUによって示される結合は、加えられたAEを封入するビオチン化リポソームの量に比例する(
図6中のExp.A)。M270粒子を減少させることによって、出力シグナルが減少する(
図6中のExp.B)。
【0095】
図7に示されるように、リンカータンパク質ストレプトアビジンの付加によってシグナル出力が高められる。実験Aにおいて、抗FL常磁性粒子(pmp)を使用して、AEを封入するビオチン化およびフルオレセイン化リポソームを捕捉する。シグナルは、リンカータンパク質ストレプトアビジンが加えられた時に発生および増幅する。実験B(表中のExp B)において、リンカータンパク質の濃度を増大させることによって、シグナル増幅が増大する。
【0096】
さらに、抗FL常磁性粒子(pmp)に対するフルオレセインとフルオレセイン化AE小胞との間の競合的結合が存在し、フルオレセイン化AEを封入するリポソームが機能的であることが証明される(
図8)。
【0097】
開示されるリンク化システム(すなわち、増幅システム)は実用的であり、特定のシグナル増幅制限を有さないようである(
図9参照)。フルオレセイン化BSAとともに固定されたセンサーチップを使用して、タンパク質ハプテン(ニュートラアビジンにコンジュゲートした抗FL Mab(2H1))を最初にチップに加え、その後ビオチン化微小気泡(ステージ1増幅)が同時注射される。より多くのビオチン化微小気泡が結合できるように、さらなるニュートラアビジンが導入される(ステージ2増幅)。最後に、ステージ3増幅が行われ、これはステージ2増幅の単純な繰返しである(
図9)。
【0098】
図10に示されるように、開示されるリンク化システムは、甲状腺刺激ホルモン(TSH)を追跡するシステム等の自動化臨床システムで行われ得る。抗TSH Pab(ポリクローナル抗体)とともに固定された粒子は、抗原TSHに結合し、次いでビオチン化抗TSH Mab(モノクローナル抗体)とのサンドイッチを形成し、AE標識ストレプトアビジンの付加によって、シグナルが生じる。
【0099】
図11に示されるように、非標識であり、別々の試薬コンパートメント(補助的ウェルについての「AW」)に配置されたリンカータンパク質ストレプトアビジンは、アッセイの間に、ビオチン化抗TSH Mabおよび増幅因子の連結(AE-BSA-ビオチン)を可能にした。この条件を、AEが抗TSH Mabに直接取り付けられた対照と比較した。
【0100】
開示される方法およびキットは、限定されないが、Siemensのプラットフォーム(例えばADVIA Centaur(登録商標)XPT、ADVIA Centaur(登録商標)XP、ADVIA Centaur(登録商標)CP、IMMULITE(登録商標)1000、IMMULITE(登録商標)2000 XPiおよびAtellica(登録商標));またはGeneral Electric Healthcareのプラットフォーム(例えばBiacore(登録商標))等の、当技術分野で公知の種々のイムノアッセイプラットフォームを使用して行われる。本開示の方法およびキットは、イムノアッセイシグナルまたは相対発光量(RLU)を著しく促進し、アッセイ感度を最適化することを可能にする。
【0101】
本明細書中で引用される各特許、特許出願、および刊行物のいずれの開示も、その全体が参照によって本明細書に組み入れる。
【0102】
当業者は、本発明の好ましい実施形態に多数の変化および改変を為し得ること、ならびに本発明の趣旨から逸脱することなくそのような変化および改変を為し得ることを認識するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨および範囲に入るような全てのそのような同等の変化に及ぶことが意図される。