IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司の特許一覧

特許7513752バッテリ、装置、バッテリを製造する方法及び機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】バッテリ、装置、バッテリを製造する方法及び機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/50 20210101AFI20240702BHJP
   H01M 50/528 20210101ALI20240702BHJP
   H01M 50/559 20210101ALI20240702BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20240702BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20240702BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240702BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H01M50/50 201Z
H01M50/528
H01M50/559
H01M50/152
H01M50/213
H01M50/548 201
H01M10/04 W
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022568628
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 CN2021076285
(87)【国際公開番号】W WO2022170489
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】王 良▲詣▼
(72)【発明者】
【氏名】秦 峰
(72)【発明者】
【氏名】王 磊
(72)【発明者】
【氏名】李 金▲鳳▼
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-200118(JP,A)
【文献】特表2016-516289(JP,A)
【文献】特開2010-080411(JP,A)
【文献】実開昭57-161863(JP,U)
【文献】実開昭54-115521(JP,U)
【文献】国際公開第2019/116914(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/146700(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/559
H01M 50/213
H01M 50/152
H01M 10/04
H01M 50/548
H01M 50/528
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に沿って配列された複数のバッテリセルであって、各々の前記バッテリセルの、前記第1の方向に沿った両端に電極端子がそれぞれ設けられており、2つの前記バッテリセルは、反対向きに設けられた2つの前記電極端子を前記第1の方向に沿って有する、複数のバッテリセル、を備え、
2つの前記電極端子の、前記第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの端面が面接触を形成し、且つ、前記2つの端面の少なくとも1つの外周を取り囲んで固定連結するように2つの前記電極端子が配置されることで2つの前記バッテリセルの電気的接続を実現し、
前記2つの端面の少なくとも1つの外周に溶接部が形成されており、前記溶接部は、2つの前記電極端子の固定連結を実現するために用いられ、
前記電極端子は側面と連結面とを有し、前記連結面は、前記端面と前記側面とを連結するために用いられ、
2つの前記電極端子の2つの前記連結面は収容空間を形成するために用いられ、
前記溶接部は前記収容空間内に形成され、且つ、前記溶接部は第2の方向において前記側面から突出せず、前記第2の方向は前記第1の方向に対して垂直であることを特徴とするバッテリ。
【請求項2】
前記電極端子の端面の形状が閉鎖図形であり、前記閉鎖図形に囲まれてなる面が、面接触を形成するために用いられる、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項3】
前記電極端子の端面の形状が円形、楕円形又は多角形である、請求項1又は2に記載のバッテリ。
【請求項4】
前記2つの端面の面積が等しく、形状が同じであり、且つ、前記2つの端面の、前記第1の方向に沿った投影が重なり合う、請求項1~3のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項5】
前記2つの端面の面積が異なり、前記第1の方向に沿って、前記2つの端面のうち面積が小さい方の投影が、面積が大きい方の投影内に位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項6】
2つの前記電極端子は、前記2つの端面の少なくとも1つの外周を取り囲んで連続的に固定連結されるように配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項7】
2つの前記電極端子は、前記2つの端面の少なくとも1つの外周を取り囲んで断続的に固定連結されるように配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項8】
前記電極端子は、前記第1の方向に沿って、前記バッテリセルの内部から遠ざかる方向に突出して設けられ、且つ、突出する高さは2mm以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項9】
前記バッテリセルの、前記第1の方向に沿った両端にエンドキャップがそれぞれ設けられており、前記電極端子は前記エンドキャップに設けられ、2つの前記バッテリセルの、前記第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの前記エンドキャップの間隔が4mm~20mmである、請求項1~8のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項10】
2つの前記電極端子の一方が、前記端面から膨出する凸部を有し、2つの前記電極端子の他方が、前記端面から凹んだ凹部を有し、
前記凹部と前記凸部とは前記第1の方向において互いに嵌合される、請求項1~9のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項11】
前記電極端子は、前記端面に連結される側面を有し、
前記電極端子の前記側面と、前記凹部の内側壁との、第2の方向における距離が2mm以上であり、前記第2の方向は前記第1の方向に対して垂直である、請求項10に記載のバッテリ。
【請求項12】
前記連結面は傾斜面、段面又は曲面である、請求項1~11のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項13】
2つの前記電極端子の少なくとも1つの外周に応力解放部が形成されており、
前記応力解放部は、2つの前記電極端子が固定連結される際に生じる応力を解放するために用いられる、請求項1~12のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項14】
前記応力解放部は、2つの前記電極端子の少なくとも1つの外周に設けられる凹溝である、請求項13に記載のバッテリ。
【請求項15】
前記凹溝は、前記電極端子の外周に沿って形成される環状溝である、請求項14に記載のバッテリ。
【請求項16】
前記2つの端面の少なくとも1つの外周に溶接部が形成されており、
第2の方向において、前記凹溝の深さは前記溶接部の深さよりも浅く、
前記第2の方向は前記第1の方向に対して垂直である、請求項14又は15に記載のバッテリ。
【請求項17】
前記凹溝の断面形状が長方形、台形、半円形又はアーチ形である、請求項14~16のいずれか一項に記載のバッテリ。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のバッテリを備え、前記バッテリは電気エネルギーを提供するために用いられる装置。
【請求項19】
第1の方向に沿って配列された複数のバッテリセルであって、各々の前記バッテリセルの、前記第1の方向に沿った両端に電極端子がそれぞれ設けられており、2つの前記バッテリセルは、反対向きに設けられた2つの前記電極端子を前記第1の方向に沿って有する、複数のバッテリセルを提供するステップと、
2つの前記電極端子の、前記第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの端面に面接触を形成させ、且つ、2つの前記電極端子を、2つの前記端面の少なくとも1つの外周を取り囲むように固定連結することで2つの前記バッテリセルの電気的接続を実現するステップと、を含み、
前記2つの端面の少なくとも1つの外周に溶接部が形成されており、前記溶接部は、2つの前記電極端子の固定連結を実現するために用いられ、
前記電極端子は側面と連結面とを有し、前記連結面は、前記端面と前記側面とを連結するために用いられ、
2つの前記電極端子の2つの前記連結面は収容空間を形成するために用いられ、
前記溶接部は前記収容空間内に形成され、且つ、前記溶接部は第2の方向において前記側面から突出せず、前記第2の方向は前記第1の方向に対して垂直であるバッテリを製造する方法。
【請求項20】
第1の方向に沿って配列された複数のバッテリセルであって、各々の前記バッテリセルの、前記第1の方向に沿った両端に電極端子がそれぞれ設けられており、2つの前記バッテリセルは、反対向きに設けられた2つの前記電極端子を前記第1の方向に沿って有する、複数のバッテリセルを提供するための提供モジュールと、
2つの前記電極端子の、前記第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの端面に面接触を形成させ、且つ、2つの前記電極端子を、2つの前記端面の少なくとも1つの外周を取り囲むように固定連結することで2つの前記バッテリセルの電気的接続を実現するための組み立てモジュールと、を備え、
前記2つの端面の少なくとも1つの外周に溶接部が形成されており、前記溶接部は、2つの前記電極端子の固定連結を実現するために用いられ、
前記電極端子は側面と連結面とを有し、前記連結面は、前記端面と前記側面とを連結するために用いられ、
2つの前記電極端子の2つの前記連結面は収容空間を形成するために用いられ、
前記溶接部は前記収容空間内に形成され、且つ、前記溶接部は第2の方向において前記側面から突出せず、前記第2の方向は前記第1の方向に対して垂直であることを特徴とする、バッテリを製造する機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例はバッテリ分野に関し、しかも、より具体的には、バッテリ、装置、バッテリを製造する方法及び機器に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ技術が絶え間なく発展するにつれて、バッテリの性能に対して、より高い要求が提示されており、バッテリが多くの面の設計要因を同時に考慮できることが望まれている。通常はバスバー部材を採用し、複数のバッテリセルを直列・並列接続する。ただし、このような構造は、空間を節約するのに不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の実施例は、バッテリ、装置、バッテリを製造する方法及び機器を提供しており、バッテリが配列される空間を節約し、単位体積におけるバッテリのエネルギー密度を高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の面では、第1の方向に沿って配列された複数のバッテリセルであって、各々の前記バッテリセルの、前記第1の方向に沿った両端に電極端子がそれぞれ設けられており、2つの前記バッテリセルは、反対向きに設けられた2つの前記電極端子を前記第1の方向に沿って有する、複数のバッテリセルを備え、2つの前記電極端子の、前記第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの端面が面接触を形成し、且つ、前記2つの端面の少なくとも1つの外周を取り囲んで固定連結するように2つの前記電極端子が配置されることで2つの前記バッテリセルの電気的接続を実現するバッテリを提供している。
【0005】
本願の実施例の技術的解決策は、面接触する2つの端面の少なくとも1つの外周を取り囲んで固定連結することによって、(i)2つのバッテリセルの連結を堅固に実現することができ、(ii)バッテリセル間の熱伝導面積を増加させ、熱衝撃がバッテリセルに影響をもたらすのを回避することができ、(iii)バッテリセル間の連結部材を減らすことにより、より密にバッテリセルを配列し、単位体積におけるバッテリのエネルギー密度を高めることができる。
【0006】
いくつかの実施例では、前記電極端子の端面の形状が閉鎖図形であり、前記閉鎖図形に囲まれてなる面が、面接触を形成するために用いられる。いくつかの実施例では、前記電極端子の端面の形状が円形、楕円形又は多角形である。
【0007】
閉鎖図形になるように端面を設けることによって、面接触の接触面積を増加させることにより、連結強度を高めることができる。また、複数のバッテリセルを固定連結(例えば溶接)する際に熱が生じ、閉鎖図形に囲まれてなる面を用いて面接触を形成することによって、バッテリセル間の熱伝導面積をさらに増加させ、固定連結されて生じる熱衝撃がバッテリセルに影響をもたらすのを減少させることができる。また、バッテリの充放電過程でも熱が生じるが、バッテリセル間の熱伝導面積をさらに増加させることによって、各バッテリセル間の温度を均衡化させ、局部の熱が過大になりバッテリセル間の固定連結部分の強度が弱くなるのを回避することができる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記2つの端面の面積が等しく、形状が同じであり、且つ、前記2つの端面の、前記第1の方向に沿った投影が重なり合う。
【0009】
これにより、一方では、バッテリセルの2つの端面の形状が同じであり、同じ部材を採用してこれら2つの端面を形成することができ、他方では、2つの端面の、第1の方向に沿った投影を重ね合わせることによって、端面の外周を容易に取り囲んで固定連結することができる。
【0010】
いくつかの実施例では、前記2つの端面の面積が異なり、前記第1の方向に沿って、前記2つの端面のうち面積が小さい方の投影が、面積が大きい方の投影内に位置する。これにより、2つのバッテリセル間の連結強度及び熱伝導面積を保証することができる。
【0011】
いくつかの実施例では、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子は、前記2つの端面の少なくとも1つの外周を取り囲んで連続的に固定連結されるように配置される。より具体的には、この箇所の「2つの電極端子」は「2つのバッテリセルの、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子」である。これにより、2つのバッテリセル間の連結強度及び熱伝導面積をさらに保証することができる。
【0012】
いくつかの実施例では、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子は、前記2つの端面の少なくとも1つの外周を取り囲んで断続的に固定連結されるように配置される。より具体的には、この箇所の「2つの電極端子」は「2つのバッテリセルの、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子」である。これにより、比較的高い自由度で2つの電極端子の固定連結を行うことができる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記電極端子は、前記第1の方向に沿って、前記バッテリセル内部から遠ざかる方向に突出して設けられ、且つ、突出する高さは2mm以上である。これにより、一方では、固定連結する際の操作空間を増加させることができ、他方では、2つの電極端子を固定連結する際に生じる熱の、バッテリケースまでの伝導距離を長くし、熱衝撃がバッテリセルに影響をもたらすのを回避することができる。
【0014】
いくつかの実施例では、前記バッテリセルの、前記第1の方向に沿った両端にエンドキャップがそれぞれ設けられており、前記電極端子は前記エンドキャップに設けられ、2つの前記バッテリセルの、前記第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの前記エンドキャップの間隔が4mm~20mmである。これにより、一方では、2つのバッテリセルを固定連結する際の操作空間を増加させることができ、他方では、空間を節約し、単位体積におけるバッテリのエネルギー密度を高めることができる。
【0015】
いくつかの実施例では、2つの前記電極端子の一方が、前記端面から膨出する凸部を有し、2つの前記電極端子の他方が、前記端面から凹んだ凹部を有し、前記凹部と前記凸部とは前記第1の方向において互いに嵌合される。これにより、凸部と凹部との嵌合によって、2つのバッテリセル間の位置決めをより良く実現し、各バッテリセルの配列誤差を減らすことができる。
【0016】
いくつかの実施例では、前記電極端子は、前記端面に連結される側面を有し、前記電極端子の前記側面と、前記凹部の内側壁との、第2の方向における距離が2mm以上であり、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して垂直である。これにより、2つのバッテリセル間の連結強度をさらに保証することができ、さらに、電極端子をバスバー部材に固定連結する際に、連結強度を保証することができる。
【0017】
いくつかの実施例では、前記2つの端面の少なくとも1つの外周に溶接部が形成されており、前記溶接部は、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子の固定連結を実現するために用いられる。より具体的には、この箇所の「2つの電極端子」は「2つのバッテリセルの、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子」である。これにより、2つの電極端子の固定連結を容易に実現するとともに、十分な連結強度を保証することができる。
【0018】
いくつかの実施例では、前記電極端子は側面と連結面とを有し、前記連結面は、前記端面と前記側面とを連結するために用いられ、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの前記電極端子の2つの前記連結面は収容空間を形成するために用いられ、前記溶接部は前記収容空間内に形成され、且つ、前記溶接部は第2の方向において前記側面から突出せず、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して垂直である。より具体的には、この箇所の「2つの電極端子」は「2つのバッテリセルの、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子」である。
【0019】
いくつかの実施例では、前記連結面は傾斜面、段面又は曲面である。
【0020】
これにより、溶接部が収容空間に形成され且つ電極端子の側面から突出しないことによって、一方では、各バッテリセル間の溶接部のずれを小さくし、安定した固定連結を実現することができ、他方では、電極端子の側面の平坦さを保つことにより、電極端子の側面に種々の信号サンプリング部材を容易に設けることができる。
【0021】
いくつかの実施例では、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子の少なくとも1つの外周に応力解放部が形成されており、前記応力解放部は、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子が固定連結される際に生じる応力を解放するために用いられる。より具体的には、この箇所の「2つの電極端子」は「2つのバッテリセルの、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子」である。
【0022】
面接触する2つの前記端面の少なくとも1つの外周を取り囲んで固定連結(例えば溶接)する際に、先に固定連結した部分と後に固定連結する部分とにさまざまな程度の収縮が存在することにより、応力の問題につながる。上記の構造によって、2つのバッテリセルが固定連結される際に生じる応力が応力解放部によって解放されることにより、電極端子の外周を固定連結する過程において、応力のため電極端子に変形が生じるのを回避することができる。
【0023】
いくつかの実施例では、前記応力解放部は、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子の少なくとも1つの外周に設けられる凹溝である。より具体的には、この箇所の「2つの電極端子」は「2つのバッテリセルの、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子」である。これにより、応力解放部の加工を容易に実現することができる。
【0024】
いくつかの実施例では、前記凹溝は、前記電極端子の外周に沿って形成される環状溝である。これにより、一方では、応力解放部を容易に加工することができ、他方では、固定連結する際に、固定連結時の初期操作位置を選択する必要がなく、操作の利便性を高めている。
【0025】
いくつかの実施例では、前記2つの端面の少なくとも1つの外周に溶接部が形成されており、第2の方向において、前記凹溝の深さは前記溶接部の深さよりも浅く、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して垂直である。これにより、溶接部に一定の剛性を保たせ、電極端子の連結部位に変形が生じて連結の緩みにつながるのを回避することができる。
【0026】
いくつかの実施例では、前記凹溝の断面形状が長方形、台形、半円形又はアーチ形である。これにより、応力解放部の加工を容易に実現することができる。
【0027】
第2の面では、電気エネルギーを提供するための第1の面のバッテリを備える電力使用装置を提供している。
【0028】
第3の面では、第1の方向に沿って配列された複数のバッテリセルであって、各々の前記バッテリセルの、前記第1の方向に沿った両端に電極端子がそれぞれ設けられており、2つの前記バッテリセルは、反対向きに設けられた2つの前記電極端子を前記第1の方向に沿って有する、複数のバッテリセルを提供することと、2つの前記電極端子の、前記第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの端面に面接触を形成させ、且つ、2つの前記電極端子を、2つの前記端面の少なくとも1つの外周を取り囲むように固定連結することで2つの前記バッテリセルの電気的接続を実現することと、を含む、バッテリを製造する方法を提供している。
【0029】
第4の面では、第1の方向に沿って配列された複数のバッテリセルであって、各々の前記バッテリセルの、前記第1の方向に沿った両端に電極端子がそれぞれ設けられており、2つの前記バッテリセルは、反対向きに設けられた2つの前記電極端子を前記第1の方向に沿って有する、複数のバッテリセルを提供するための提供モジュールと、2つの前記電極端子の、前記第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの端面に面接触を形成させ、且つ、2つの前記電極端子を、2つの前記端面の少なくとも1つの外周を取り囲むように固定連結することで2つの前記バッテリセルの電気的接続を実現するための組み立てモジュールと、を備える、バッテリを製造する機器を提供している。
【0030】
ここで説明する図面は、本願に対するさらなる理解を提供するために用いられ、本願の一部を構成し、本願の概略的実施例及びその説明は、本願を説明するために用いられ、本願に対する不適切な限定を構成しない。図面のうち:
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本願のバッテリを採用した車両のいくつかの実施例の構造概略図を示す。
図2図2は、本願のいくつかの実施例に基づくバッテリの分解概略図を示す。
図3図3は、本願のいくつかの実施例に基づくバッテリセルの分解概略図を示す。
図4図4は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセルの固定連結前の断面概略図を示す。
図5図5は、図4に示す2つのバッテリセルの固定連結後の断面概略図を示す。
図6図6は、本願のいくつかの実施例に基づくバッテリセルの端面の断面図を示す。
図7図7は、本願のいくつかの実施例に基づくバッテリセルの端面の断面図を示す。
図8図8は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセルの固定連結前の断面概略図を示す。
図9図9は、図8に示す2つのバッテリセルの固定連結後の断面概略図を示す。
図10図10は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセルの固定連結前の断面概略図を示す。
図11図11は、図10に示す2つのバッテリセルの固定連結後の断面概略図を示す。
図12図12は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセルの固定連結前の断面概略図を示す。
図13図13は、図12に示す2つのバッテリセルの固定連結後の断面概略図を示す。
図14図14は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセルの固定連結前の断面概略図を示す。
図15図15は、図14に示す2つのバッテリセルの固定連結後の断面概略図を示す。
図16図16は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセルの固定連結後の断面概略図を示す。
図17図17は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセルの固定連結後の断面概略図を示す。
図18図18は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセルの固定連結前の断面概略図を示す。
図19図19は、図18に示す2つのバッテリセルの固定連結後の断面概略図を示す。
図20図20は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセルの固定連結前の断面概略図を示す。
図21図21は、図20に示す2つのバッテリセルの固定連結後の断面概略図を示す。
図22図22は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセルの固定連結前の断面概略図を示す。
図23図23は、図22に示す2つのバッテリセルの固定連結後の断面概略図を示す。
図24図24は、本願のいくつかの実施例の、バッテリを製造する方法の概略的フローチャートである。
図25図25は、本願のいくつかの実施例の、バッテリを製造する機器の概略的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本願の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするため、以下、本願による複数の実施例を示す図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決策について明確且つ十全に記述する。理解可能であるべきなのは、記述された実施例は本願の一部の実施例であるに過ぎず、すべての実施例ではない、という点である。本願に記載された実施例に基づき、当業者が、創造的な労働を行う必要がない前提の下で得た他のすべての実施例は、いずれも本願が保護する範囲に属する。
【0033】
別途定義されている場合を除き、本願で使用されるすべての技術・科学用語は、本願の技術分野に属する技術者が通常理解する意味合いと同じであり、本願では、出願された明細書において使用される用語は、具体的な実施例を記述する目的のためであるに過ぎず、本願を制限することを意図してはおらず、本願の明細書と特許請求の範囲及び上記の図面の簡単な説明における「備える」、「含む」、「有する」、「有する」、「含む」、「含む」等の用語は、オープンな用語である。従って、例えば1つ又は複数のステップ又は部品を「備える」、「含む」、「有する」方法又は装置は、1つ又は複数のステップ又は部品を有するが、その1つ又は複数の部品のみを有することに限定されない。本願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面中の「第1の」、「第2の」等の用語は、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序や、主要なものと副次的なものとの関係を記述するためのものではない。さらに、「第1の」、「第2の」という用語は記述する目的にのみ用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示したり、指示された技術的特徴の数を暗に示したりすると理解してはならない。これにより、「第1の」、「第2の」と限定されている特徴は、1つ以上の該特徴を明示するか或いは暗に含むことができる。本願の記述においては、別途説明されている場合を除き、「複数の」は、2つ又は2つ以上という意味である。
【0034】
本願の記述において理解しなければならないのは、「中心」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語が指す方位又は位置関係は、図面が示す方位又は位置関係に基づいており、本願を記述しやすくし記述を簡略化するためのものであるに過ぎず、それらが指す装置又は部品が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本願に対する制限であると理解してはならない、という点である。
【0035】
本願の記述において説明を要するのは、別途明確に規定されたり限定されたりしている場合を除き、「取り付ける」、「結合する」、「連結する」、「付着させる」という用語については広義に理解しなければならず、例えば、固定連結であってよく、取り外し可能な連結又は一体的連結であってもよく、直接的な結合であってよく、中間媒体を介した間接的結合であってもよく、2つの部品内部の連通であってもよい、という点である。当業者にとっては、本願における上記用語の具体的意味を具体的状況に基づいて理解することができる。
【0036】
本願において「実施例」に言及していることは、実施例を結び付けて記述した特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味している。あるフレーズが明細書の各位置に現れるのは、同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と互いに背反する独立した実施例又は予備の実施例でもない。当業者が明示的に及び暗黙的に理解しているのは、本願で記述された実施例は他の実施例と結び付けてもよい、という点である。
【0037】
上述のように、強調しなければならないのは、本明細書において「備える/含む」という用語を使用する際には、前記の特徴、整数、ステップ又はアセンブリの存在を明示するために用いられるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、部材又はグループ化された特徴、整数、ステップ、部材が存在するか又はそれらを追加することを排除しない、という点である。本願で用いられているように、単数形の「1つ」、「一」及び「該」は、前後で別途明示されている場合を除き、複数形も含んでいる。
【0038】
本明細書中の「一」、「1つの」という用語は1つを表すことができるが、「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数の」の意味合いと一致していてもよい。「約」という用語は一般に、言及する数値に10%加えるか又はそれから10%減じるか、又は、より具体的には5%加えるか又は5%減じることを表す。特許請求の範囲において使用される「又は」という用語は、明示されていない限り、代替可能な解決策のみを指し、そうでない場合には、「及び/又は」という意味を表す。
【0039】
本願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものであるに過ぎず、3種類の関係が存在し得ることを表しており、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する、A及びBが同時に存在する、Bが単独で存在する、という3つの状況を表すことができる。また、本願における記号「/」は一般に、前後の関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0040】
本分野において言及されるバッテリは、充電可能かどうかによって一次バッテリと充電可能バッテリとに分けることができる。一次バッテリ(Primary Battery)は俗に「使い終わればすぐ捨てる」バッテリ及び初期バッテリと呼ばれ、それらの電力量を使い切った後は再充電して使用することができないため、捨てざるを得ない。充電可能バッテリは二次バッテリ(Secondary Battery)又は二級バッテリ、蓄電池とも呼ばれる。充電可能バッテリの製作材料及びプロセスは一次バッテリと異なっており、その利点は、充電後に複数回繰り返し使用することができることであり、充電可能バッテリの出力電流負荷力は大部分の一次バッテリよりも高い。現在一般的な充電可能バッテリのタイプには、鉛バッテリ、ニッケル水素バッテリ及びリチウムイオンバッテリがある。リチウムイオンバッテリは、重量が軽い、容量が大きい(容量は同じ重量のニッケル水素バッテリの1.5倍~2倍)、メモリ効果がない等の利点を有しており、且つ、低い自己放電率を有しているため、価格が相対的に高くても、幅広く応用されている。リチウムイオンバッテリは純電気自動車及びハイブリッド自動車にも用いられ、このような用途に用いられるリチウムイオンバッテリは容量が相対的に低めだが、比較的大きな出力及び充電電流を有しており、比較的長い寿命を有するものがあるが、コストが比較的高い。
【0041】
本願の実施例において記述されるバッテリは充電可能バッテリを指す。下記では主にリチウムイオンバッテリを例にして本願の趣旨を記述する。理解すべきなのは、他の任意の適当なタイプの充電可能バッテリは、いずれも用いるのに適している、という点である。
【0042】
本願の実施例で言及するバッテリは、より高い電圧及び容量を提供するために1つ又は複数のバッテリセルを備えた単一の物理モジュールを指す。例えば、本願において言及されるバッテリはバッテリモジュール又はバッテリパック等を備え得る。バッテリセルは正極シート、負極シート、電解液及びセパレータを備え、バッテリモジュール及びバッテリパックを構成する基本構造ユニットである。バッテリセルは一般に、パッケージの方式に基づいて、柱状バッテリセル、角形バッテリセル及びソフトパックバッテリセルの3種類に分けられる。
【0043】
リチウムイオンバッテリセルは主に、リチウムイオンが正極シートと負極シートの間で移動することにより機能する。リチウムイオンバッテリセルは、組み込まれたリチウム化合物を電極材料として使用する。現在リチウムイオンバッテリの正極材料として用いられるものには主に、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)及びリン酸鉄リチウム(LiFePO4)がある。3層の材料を有する薄膜構造を形成するために、正極シートと負極シートとの間にセパレータが設けられている。該薄膜構造は一般に、巻回或いはスタックの方式によって所要の形状の電極アセンブリとして作製される。例えば、柱状バッテリセル中の3層の材料の薄膜構造が巻回されて柱形形状の電極アセンブリになり、角形バッテリセル中の薄膜構造が巻回されるか或いはスタックされて、ほぼ直方体の形状を有する電極アセンブリになる。
【0044】
複数のバッテリセルは、種々の応用場面に応用するために、電極端子を経由して直列接続及び/又は並列接続され得る。電動自動車などのような大出力の応用場面では、バッテリの応用は、バッテリセル、バッテリモジュール及びバッテリパックという3つの階層を含む。バッテリモジュールは、外部の衝撃、熱、振動等からバッテリセルを保護するため、一定の数のバッテリセルを電気的に接続し、1つのフレームに入れて形成されるものである。バッテリパックは、電動自動車のバッテリ系に装入する最終的状態である。現在の大部分のバッテリパックは、1つ又は複数のバッテリモジュールにバッテリ管理システム(BMS)や熱管理部材等の各種制御・保護システムを取り付けてなるものである。技術の発展に伴い、バッテリモジュールという階層は省略されることが可能になっており、つまり、バッテリセルによりバッテリパックを直接形成してよい。この改良は、バッテリ系の重量エネルギー密度と体積エネルギー密度が高められるようにすると同時に、部品数を著しく減少させる。本願において言及されるバッテリは、バッテリモジュール又はバッテリパックを含む。
【0045】
従来技術では通常、バスバー部材を採用し、複数のバッテリセルを直列・並列接続する。ただし、このような構造は、空間を節約するのに不利である。
【0046】
これに鑑みて、本願は、第1の方向に沿って配列された複数のバッテリセルであって、各々の前記バッテリセルの、前記第1の方向に沿った両端に電極端子がそれぞれ設けられており、2つの前記バッテリセルは、反対向きに設けられた2つの前記電極端子を前記第1の方向に沿って有する、複数のバッテリセルを備え、2つの前記電極端子の、前記第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの端面が面接触を形成し、且つ、前記2つの端面の少なくとも1つの外周を取り囲んで固定連結するように2つの前記電極端子が配置されることで2つの前記バッテリセルの電気的接続を実現するバッテリを提供している。面接触する2つの端面の少なくとも1つの外周を取り囲んで固定連結することによって、(i)2つのバッテリセルの連結を堅固に実現することができ、(ii)バッテリセル間の熱伝導面積を増加させ、熱衝撃がバッテリセルに影響をもたらすのを回避することができ、(iii)バッテリセル間の連結部材を減らすことにより、より密にバッテリセルを配列し、単位体積におけるバッテリのエネルギー密度を高めることができる。
【0047】
本願の実施例が記述する技術的解決策は、携帯電話、ポータブル機器、ノートパソコン、電動小型バイク、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶及び航空宇宙機など、バッテリを使用する種々の装置にいずれも適用され、例えば、航空宇宙機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船等を含む。
【0048】
理解しなければならないのは、本願の実施例が記述する技術的解決策は、上記の機器に限定的に適用されるだけでなく、バッテリを使用するあらゆる機器に適用することもできるが、記述を簡潔にするため、下記の実施例については、いずれも電動車両を例にして説明を行う、という点である。
【0049】
例えば、図1に示すのは、本願の一実施例の車両1の構造概略図であり、車両1は燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー式電気自動車等であってよい。車両1の内部にモータ40、コントローラ30及びバッテリ10を設けることができ、コントローラ30は、バッテリ10がモータ40に給電するのを制御するために用いられる。例えば、車両1の底部又は車両前部又は車両後部にバッテリ10を設けることができる。バッテリ10の車両1の給電のために用いることができ、例えば、バッテリ10は、車両1の動作電源として車両1の回路系に用いることができ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び運行時の動作電力使用ニーズに用いることができる。本願の他の実施例では、バッテリ10は車両1の動作電源とすることができるだけでなく、車両1の駆動電源として燃料油又は天然ガスに代替するか又は部分的に代替して車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0050】
バッテリセル20の数は、様々な電力ニーズに応じて任意の数値に設定することができる。複数のバッテリセル20は、比較的大きな容量又は出力を実現するために、直列接続、並列接続又は直並列接続の方式によって接続することができる。個々のバッテリ10に含まれるバッテリセル20の数が比較的多い可能性があるため、取り付けを容易にするためにバッテリセル20をグループ分けして設け、バッテリセル20のグループ毎にバッテリモジュールを構成することができる。バッテリモジュールに含まれるバッテリセル20の数は限定せず、ニーズに応じて設けることができる。
【0051】
図2は、本願のいくつかの実施例に基づくバッテリ10の分解図を示している。バッテリ10は複数のバッテリセル20を含んでいてよい。バッテリ10はさらに筺体11を含んでいてよく、筺体11の内部は中空構造であり、複数のバッテリセル20が筺体11内に収容される。図2に示すように、筺体11は2つの部分を含んでいてよく、ここではそれぞれ上蓋111及び筐体本体112と呼び、上蓋111と筐体本体112とが一体に係合される。上蓋111及び筐体本体112の形状は複数のバッテリセル20を組み合わせた形状に基づいて決定することができ、上蓋111と筐体本体112とは1つの開口をいずれも有していてよい。例えば、上蓋111と筐体本体112とはいずれも中空直方体であり且つ各々1つの面だけが開口を有していてよく、上蓋111の開口と筐体本体112との開口は対向して設けられ、しかも、上蓋111と筐体本体112とが互いに係合されて、密閉チャンバを有する筺体を形成する。また、任意には、上蓋111と筐体本体112とのうち一方は開口を有する直方体であってよく、他方は平板状であってよい。複数のバッテリセル20は互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続で組み合わされた後、上蓋111と筐体本体112とが係合して形成された筺体11内に配置される。
【0052】
任意には、バッテリ10はさらに他の構造を含んでいてよく、無用な記述をここで逐一繰り返さない。例えば、複数層のバッテリセル20の組み合わせ体を設けるか、或いは、複数のバッテリセル20を1つのバッテリモジュールに形成し、バッテリ10の中に複数のバッテリモジュールが設けられているか、或いは、バスバー部材、信号収集ハーネス、プロセッサ等を設ける。
【0053】
図2に示すように、複数のバッテリセル20は、第1の方向(X方向)と、第1の方向Xに対して垂直な方向とに配列することができる。第1の方向Xにおいて、複数のバッテリセル20が、先端と末端が接するように配列される。すなわち、複数のバッテリセル20の各々の長手方向が第1の方向Xと平行である。具体的には、第1の方向Xに沿って隣接する2つのバッテリセル20は、各々の電極端子214(図3参照)が固定連結されるように電気的に接続することができる。該電気的接続は直列接続であってよく、並列接続であってもよい。バッテリセル20のエンドキャップ212(図3参照)上に、突出した電極端子214を設けていない場合には、一方のバッテリセル20の電極端子214を他方のバッテリセル20のエンドキャップ212上に固定連結するか、又は、2つのバッテリセル20のエンドキャップ212を固定連結してもよい。また、第1の方向Xに対して垂直な方向において、複数のバッテリセル20が並ぶように配列され、各々のエンドキャップ212(図3参照)が第1の方向Xに対して垂直な方向において揃うように複数のバッテリセル20が配列される。
【0054】
図3は、本願のいくつかの実施例に基づくバッテリセル20の分解概略図を示している。図3に示すように、バッテリセル20はケース211と、エンドキャップ212と、ケース211内に設けられる1つ又は複数の電極アセンブリ22とを含んでいてよい。ケース211は、1つ又は複数の電極アセンブリ22を組み合わせた形状に基づいて決定され、例えば、ケース211は中空の直方体又は立方体又は円柱体であってよく、且つ、ケース211は、1つ又は複数の電極アセンブリ22をケース211内に配置することができるように開口を有する。例えば、ケース211が中空の直方体又は立方体である場合、ケース211のうち1つの平面が開口を有し、ケース211の内外を通じさせる。ケース211が中空の円柱体である場合、ケース211の端面が開口を有し、ケース211の内外を通じさせる。エンドキャップ212は開口を覆い、しかも、ケース211に連結されることで、電極アセンブリ22を配置する密閉されたチャンバを形成する。ケース211に、例えば電解液などの電解質が充填されている。
【0055】
図3に示すように、該バッテリセル20はさらに、2つの電極端子214を含んでいてよく、2つの電極端子214はエンドキャップ212上に設けることができ、エンドキャップ212から、バッテリセル20の内部から遠ざかる方向に向かって突出してよい。エンドキャップ212は通常は平板状であり、2つの電極端子214はエンドキャップ212の平板面に固定される。電極端子214は端面214aと側面214bとを有していてよい。個々の電極端子214は各々1つの連結部材23に対応して設けられるか、或いは、集電部材と呼んでもよく、それはエンドキャップ212と電極アセンブリ22との間に位置しており、電極アセンブリ22と電極端子214とに電気的接続を実現させるために用いられる。また、電極端子214は円柱状、直方体、立方体、多角柱体等の各種形状であってよく、本実施例において説明する電極端子214は円柱状の構造である。しかも、バッテリセル20は直方体、立方体又は円柱体であってよく、本実施例において説明するバッテリセル20は円柱体であり、且つ、その軸線は円柱状の電極端子214の軸線と重なり合う。
【0056】
2つの電極端子214はそれぞれ正電極端子と負電極端子である。任意には、2つの電極端子214はエンドキャップ212からいずれも突出していなくてよく、一方の電極端子214がエンドキャップ212から突出しており、他方の電極端子214がエンドキャップ212から突出していなくてもよい。電極端子214がエンドキャップ212から突出していない場合、エンドキャップ212が直接、電極端子214としてバッテリセル20の電気エネルギーを引き出してよい。また、任意には、バッテリセル20は1つのエンドキャップ212のみを有していてよく、2つの電極端子214は同一のエンドキャップ212上に設けることができる。
【0057】
図4は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセル20の固定連結前の断面概略図を示しており、図5は、図4に示す2つのバッテリセル20の固定連結後の断面概略図を示している。図2~5に示すように、本願の一実施例のバッテリ10は、第1の方向Xに沿って配列された複数のバッテリセル20を備え、各々のバッテリセル20の、第1の方向Xに沿った両端に電極端子214がそれぞれ設けられており、2つのバッテリセル20は前記第1の方向Xに沿って、反対向きに設けられた2つの電極端子214を有し、ここで、2つの電極端子214の、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの端面214aが面接触を形成し、且つ、2つの端面214aの少なくとも1つの外周を取り囲んで固定連結するように2つの電極端子214が配置されることで2つのバッテリセル20の電気的接続を実現する。
【0058】
これにより、面接触する2つの端面214aの少なくとも1つの外周を取り囲んで固定連結することによって、(i)2つのバッテリセル20の連結を堅固に実現することができ、(ii)バッテリセル20間の熱伝導面積を増加させ、熱衝撃がバッテリセル20に影響をもたらすのを回避することができ、(iii)バッテリセル20間の連結部材を減らすことにより、より密にバッテリセル20を配列し、単位体積におけるバッテリのエネルギー密度を高めることができる。ここで、固定連結は例えば、溶接又は導電性バインダを塗布する方式を用いて行う。ここで、溶接には、溶着、圧接及び鑞付けのうちいずれかを採用することができる。
【0059】
任意には、本願のいくつかの実施例では、電極端子214の端面214aの形状が閉鎖図形であり、前記閉鎖図形に囲まれてなる面が、面接触を形成するために用いられる。
【0060】
任意には、本願のいくつかの実施例では、電極端子214の端面214aの形状が円形、楕円形又は多角形である。ここで、多角形は三角形、四角形、五角形等を含んでいてよい。
【0061】
閉鎖図形になるように端面214aを設けることによって、面接触の接触面積を増加させることにより、連結強度を高めることができる。また、複数のバッテリセル20を固定連結(例えば溶接)する際に熱が生じ、閉鎖図形に囲まれてなる面を用いて面接触を形成することによって、バッテリセル20間の熱伝導面積をさらに増加させ、固定連結されて生じる熱衝撃がバッテリセル20に影響をもたらすのを減少させることができる。また、バッテリ10の充放電過程でも熱が生じるが、バッテリセル20間の熱伝導面積をさらに増加させることによって、各バッテリセル20間の温度を均衡化させ、局部の熱が過大になりバッテリセル20間の固定連結部分の強度が弱くなるのを回避することができる。
【0062】
図4、5に示すように、2つの端面214aの面積が等しく、形状が同じであり、且つ、2つの端面214aの、第1の方向Xに沿った投影が重なり合う。これにより、一方では、バッテリセル20の2つの端面214aの形状が同じであり、同じ部材を採用してこれら2つの端面214aを形成することができ、他方では、2つの端面214aの、第1の方向Xに沿った投影を重ね合わせることによって、2つの端面214aの外周を容易に取り囲んで固定連結することができる。図5中の網掛け部分は2つの端面214aの固定連結部214cである。
【0063】
図6は、本願のいくつかの実施例に基づくバッテリセル20の端面214aの断面図を示している。図7は、本願のいくつかの実施例に基づくバッテリセル20の端面214aの断面図を示している。
【0064】
図6に示すように、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214は、前記2つの端面214aの少なくとも1つの外周を取り囲んで連続的に固定連結されるように配置される。より具体的には、この箇所の「2つの電極端子214」は「2つのバッテリセル20の、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214」である。すなわち、図6中の網掛け部分が表す固定連結部214cは端面214aの外周を取り囲んで連続的に形成される。これにより、2つのバッテリセル20間の連結強度及び熱伝導面積をさらに保証することができる。
【0065】
図7に示すように、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214は、前記2つの端面214aの少なくとも1つの外周を取り囲んで断続的に固定連結されるように配置される。すなわち、図7中の網掛け部分が表す固定連結部214cは端面214aの外周を取り囲んで断続的に形成される。より具体的には、この箇所の「2つの電極端子214」は「2つのバッテリセル20の、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214」である。図7の実施例では、固定連結部214cは2つの区間に分けられるが、これに限定されず、複数区間に分けられてもよい。これにより、比較的高い自由度で2つの電極端子214の固定連結を行うことができる。
【0066】
図8は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセル20の固定連結前の断面概略図を示している。図9は、図8に示す2つのバッテリセル20の固定連結後の断面概略図を示している。
【0067】
図8、9に示すように、2つのバッテリセル20の2つの端面214aの面積が異なり、第1の方向Xに沿って、2つの端面214aのうち面積が小さい方の投影が、面積が大きい方の投影内に位置する。これにより、2つのバッテリセル20間の連結強度及び熱伝導面積を保証することができる。
【0068】
任意には、本願のいくつかの実施例では、電極端子214は、前記第1の方向Xに沿って、バッテリセル20の内部から遠ざかる方向に突出して設けられ、且つ、突出する高さは2mm以上であり、好ましくは3mm以上であり、より好ましくは4mm以上である。これにより、一方では、固定連結する際の操作空間を増加させることができ、他方では、2つの電極端子214を固定連結する際に生じる熱の、バッテリケース211までの伝導距離を長くし、熱衝撃がバッテリセル20に影響をもたらすのを回避することができる。
【0069】
任意には、本願のいくつかの実施例では、バッテリセル20の、第1の方向Xに沿った両端にエンドキャップ212がそれぞれ設けられており、電極端子214はエンドキャップ212に設けられ、2つのバッテリセル20の、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つのエンドキャップ212の間隔が4mm~20mmであり、好ましくは5~18mmであり、より好ましくは6~15mmである。すなわち、2つのバッテリセル20のエンドキャップ212の間隔は上記範囲である。これにより、一方では、2つのバッテリセル20を固定連結する際の操作空間を増加させることができ、他方では、空間を節約し、単位体積におけるバッテリのエネルギー密度を高めることができる。
【0070】
図10は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセル20の固定連結前の断面概略図を示している。図11は、図10に示す2つのバッテリセル20の固定連結後の断面概略図を示している。図10、11に示すように、2つの電極端子214の一方が、前記端面214aから膨出する凸部231を有し、2つの電極端子214の他方が、端面214aから凹んだ凹部232を有し、凹部232と凸部231とが第1の方向Xにおいて互いに嵌合される。これにより、凸部231と凹部232との嵌合によって、2つのバッテリセル20間の位置決めをより良く実現し、各バッテリセル20の配列誤差を減らすことができる。また、図11に示すように、電極端子214は、端面214aに連結される側面214bを有し、電極端子214の側面214bと、凹部232の内側壁232aとの、第2の方向Yにおける距離hは2mm以上であり、第2の方向Yは第1の方向Xに対して垂直である。ここで、第2の方向Yは電極端子214の径方向を指す。ここで、溶接を採用して固定連結を行う場合には、電極端子214の側面214bと、凹部232の内側壁232aとの、第2の方向Yにおける距離は、好ましくは溶接部215(後述)の最大深さ以上である。これにより、2つのバッテリセル20間の連結強度をさらに保証することができ、さらに、第1の方向Xに沿って配列された複数のバッテリセル20のうち、端部に位置するバッテリセル20の、凹部232を有する端面214aがバスバー部材に固定連結される際に、連結強度を保証することができる。
【0071】
図12は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセル20の固定連結前の断面概略図を示している。図13は、図12に示す2つのバッテリセル20の固定連結後の断面概略図を示している。図12、13に示すように、2つの端面214aの少なくとも1つの外周に溶接部215が形成されており、溶接部215は、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214の固定連結を実現するために用いられる。より具体的には、この箇所の「2つの電極端子214」は「2つのバッテリセル20の、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214」である。これにより、2つの電極端子214の固定連結を容易に実現するとともに、十分な連結強度を保証することができる。
【0072】
また、図12、13に示すように、電極端子214は側面214bと連結面214dとを有し、連結面214dは、端面214aと側面214bとを連結するために用いられ、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214の2つの連結面214dは収容空間を形成するために用いられ、溶接部215は収容空間内に形成され、且つ、溶接部215は第2の方向Yにおいて側面214bから突出せず、第2の方向Yは第1の方向Xに対して垂直であり、第2の方向Yは電極端子214の径方向である。図12、13に示す実施例では、連結面214dは傾斜面であり、具体的には傾斜した平面であるが、これに限定されず、連結面214dは曲面であってもよい。これにより、溶接部215が収容空間に形成され且つ電極端子214の側面214bから突出しないことによって、一方では、各バッテリセル20間の溶接部215のずれを小さくし、安定した固定連結を実現することができ、他方では、電極端子214の側面214bの平坦さを保つことにより、電極端子214の側面214bに種々の信号サンプリング部材を容易に設けることができる。ここで、溶接部215は例えばレーザ溶接によって形成されるが、これに限定されず、当業者が公知の溶接方法を用いて形成してもよい。
【0073】
図14は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセル20の固定連結前の断面概略図を示している。図15は、図14に示す2つのバッテリセル20の固定連結後の断面概略図を示している。図14、15に示すように、連結面214dは段面214d及び214dである。段面214d及び214dは収容空間を形成するために用いられ、溶接部215は収容空間内に形成され、且つ、溶接部215は第2の方向Yにおいて側面214bから突出しない。これにより、溶接部215が収容空間に形成され且つ電極端子214の側面214bから突出しないことによって、一方では、各バッテリセル20間の溶接部215のずれを小さくし、安定した固定連結を実現することができ、他方では、電極端子214の側面214bの平坦さを保つことにより、電極端子214の側面214bに種々の信号サンプリング部材を容易に設けることができる。
【0074】
図16は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセル20の固定連結後の断面概略図を示している。図16に示す2つのバッテリセル20は、図10及び図12に示す2つのバッテリセル20を結合している。具体的には、2つの電極端子214の一方が、端面214aから膨出する凸部231を有し、2つの電極端子214の他方が、端面214aから凹んだ凹部232を有し、凹部232と凸部231とが第1の方向Xにおいて互いに嵌合される。しかも、電極端子214は側面214bと連結面214dとを有し、連結面214dは、端面214aと側面214bとを連結するために用いられ、2つの電極端子214の2つの連結面214dは収容空間を形成するために用いられ、溶接部215は収容空間内に形成され、且つ、溶接部215は第2の方向Yにおいて側面214bから突出しない。ここで、連結面214dは傾斜面である。これにより、凸部231と凹部232との嵌合によって、2つのバッテリセル20間の位置決めをより良く実現し、各バッテリセル20の配列誤差を減らすことができる。また、溶接部215が収容空間に形成され且つ電極端子214の側面214bから突出しないことによって、一方では、各バッテリセル20間の溶接部215のずれを小さくし、安定した固定連結を実現することができ、他方では、電極端子214の側面214bの平坦さを保つことにより、電極端子214の側面214bに種々の信号サンプリング部材を容易に設けることができる。
【0075】
図17は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセル20の固定連結後の断面概略図を示している。図17に示す2つのバッテリセル20は、図10及び図14に示す2つのバッテリセル20を結合している。具体的には、2つの電極端子214の一方が、端面214aから膨出する凸部231を有し、2つの電極端子214の他方が、端面214aから凹んだ凹部232を有し、凹部232と凸部231とが第1の方向Xにおいて互いに嵌合される。しかも、電極端子214は、側面214bと、段面214d及び214dとを有し、段面214d及び214dは、端面214aと側面214bとを連結するために用いられ、2つの電極端子214の段面214d及び214dは収容空間を形成するために用いられ、溶接部215は収容空間内に形成され、且つ、溶接部215は第2の方向Yにおいて側面214bから突出しない。これにより、凸部231と凹部232との嵌合によって、2つのバッテリセル20間の位置決めをより良く実現し、各バッテリセル20の配列誤差を減らすことができる。また、溶接部215が収容空間に形成され且つ電極端子214の側面214bから突出しないことによって、一方では、各バッテリセル20間の溶接部215のずれを小さくし、安定した固定連結を実現することができ、他方では、電極端子214の側面214bの平坦さを保つことにより、電極端子214の側面214bに種々の信号サンプリング部材を容易に設けることができる。
【0076】
図18は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセル20の固定連結前の断面概略図を示している。図19は、図18に示す2つのバッテリセル20の固定連結後の断面概略図を示している。図18、19に示すように、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214の少なくとも1つの外周に応力解放部216が形成されており、応力解放部216は、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214が固定連結される際に生じる応力を解放するために用いられる。より具体的には、この箇所の「2つの電極端子214」は「2つのバッテリセル20の、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214」である。
【0077】
面接触する2つの端面214aの少なくとも1つの外周を取り囲んで固定連結(例えば溶接)する際に、先に固定連結した部分と後に固定連結する部分とにさまざまな程度の収縮が存在することにより、応力の問題につながる。上記の構造によって、2つのバッテリセル20が固定連結される際に生じる応力が応力解放部216によって解放されることにより、電極端子214の外周を固定連結する過程において、応力のため電極端子214に変形が生じるのを回避することができる。
【0078】
また、図18、19に示すように、応力解放部216は、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214の少なくとも1つの外周に設けられる凹溝である。任意には、凹溝は、電極端子214の外周に沿って形成される環状溝である。これにより、一方では、応力解放部216を容易に加工することができ、他方では、固定連結する際に、固定連結時の初期操作位置を選択する必要がなく、操作の利便性を高めている。
【0079】
また、任意には、凹溝の断面形状が長方形、台形、半円形又はアーチ形である。これにより、応力解放部216の加工を容易に実現することができる。
【0080】
図20は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセル20の固定連結前の断面概略図を示しており、図21は、図20に示す2つのバッテリセル20の固定連結後の断面概略図を示している。図20に示す2つのバッテリセル20は、図12及び図18に示す2つのバッテリセル20を結合している。図20、21に示すように、電極端子214は側面214bと連結面214dとを有し、連結面214dは、端面214aと側面214bとを連結するために用いられ、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214の2つの連結面214dは収容空間を形成するために用いられ、溶接部215は収容空間内に形成される。応力解放部216は、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214の少なくとも1つの外周に設けられる凹溝である。凹溝の断面形状は長方形である。また、図21に示すように、第2の方向Yにおいて、凹溝の深さd1は溶接部215の深さd2よりも浅い。これにより、溶接部215に一定の剛性を保たせ、電極端子214の連結部位に変形が生じて連結の緩みにつながるのを回避することができる。
【0081】
図22は、本願のいくつかの実施例に基づく2つのバッテリセル20の固定連結前の断面概略図を示しており、図23は、図22に示す2つのバッテリセル20の固定連結後の断面概略図を示している。図22に示すように、2つの端面214aの外周に溶接部215が形成されており、溶接部215は、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214の固定連結を実現するために用いられる。また、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214の少なくとも1つの外周に応力解放部216が形成されており、応力解放部216は、第1の方向に沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214が固定連結される際に生じる応力を解放するために用いられる。ここで、応力解放部216は、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの電極端子214の少なくとも1つの外周に設けられる凹溝である。凹溝の断面形状は台形である。これにより、凹溝の、端面214aに近い側壁部216aが傾斜し、溶接応力が該側壁部216aを端面214aに向かって変形させることにより、応力が電極端子214の全体に加えられるのを回避し、2つの電極端子214が固定連結される際に生じる応力を効果的に解放することができる。
【0082】
上記では本願の実施例のバッテリ10及び装置を記述したが、以下、本願の実施例の、バッテリを製造する方法及び機器について記述する。そのうち詳細に記述していない部分については前述の各実施例を参照することができる。
【0083】
図24は、本願の一実施例の、バッテリを製造する方法300の概略的フローチャートを示している。図24に示すように、該方法300は、第1の方向Xに沿って配列された複数のバッテリセル20であって、各々のバッテリセル20の、第1の方向Xに沿った両端に電極端子214がそれぞれ設けられており、2つのバッテリセル20は第1の方向Xに沿って、反対向きに設けられた2つの電極端子214を有するバッテリセル20を提供するステップ310と、2つの電極端子214の、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの端面214aに面接触を形成させ、且つ、2つの電極端子214を、2つの端面214aの少なくとも1つの外周を取り囲むように固定連結することで2つのバッテリセル20の電気的接続を実現するステップ320と、を含んでいてよい。
【0084】
図25は、本願の一実施例の、バッテリを製造する機器400の概略的ブロック図を示している。図25に示すように、バッテリを製造する機器400は、第1の方向Xに沿って配列された複数のバッテリセル20であって、各々のバッテリセル20の、第1の方向Xに沿った両端に電極端子214がそれぞれ設けられており、2つのバッテリセル20は第1の方向Xに沿って、反対向きに設けられた2つの電極端子214を有するバッテリセル20を提供するためのモジュール410と、2つの電極端子214の、第1の方向Xに沿って反対向きに設けられた2つの端面214aに面接触を形成させ、且つ、2つの電極端子214を、2つの端面214aの少なくとも1つの外周を取り囲むように固定連結することで2つのバッテリセル20の電気的接続を実現するための組み立てモジュール420と、を含んでいてよい。
【0085】
最後に説明しなければならないのは次の点である:以上の実施例は、本願の技術的解決策を説明するためにのみ用いられ、それに対する制限ではなく、前述の実施例を参照して本願について詳しく説明したが、当業者は、前述の各実施例に記載された技術的解決策について修正を行うか、或いは、そのうち一部の技術的特徴について均等物による置換を行うことが依然として可能であるが、これらの修正或いは置換が、対応する技術的解決策の本質を、本願の各実施例の技術的解決策の趣旨及び範囲から逸脱させることはないことを理解しなければならない。
【符号の説明】
【0086】
1 電力使用装置
10 バッテリ
11 筺体
20 バッテリセル
22 電極アセンブリ
23 連結部材
30 コントローラ
40 モータ
111 上蓋
112 筐体本体
211 バッテリケース
212 エンドキャップ
214 電極端子
214a 端面
214b 側面
214c 固定連結部
214d 連結面
214d1 段面
214d2 段面
215 溶接部
216 応力解放部
216a 側壁部
231 凸部
232 凹部
232a 内側壁
400 機器
410 提供モジュール
420 モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25