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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】検査ソケット
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20240702BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G01R1/067 D
G01R1/073 D
G01R1/073 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022572646
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 KR2021006641
(87)【国際公開番号】W WO2021246719
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0065853
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517040445
【氏名又は名称】リーノ インダストリアル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヨン-テク
(72)【発明者】
【氏名】イ,ビョン-チョル
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-180327(JP,A)
【文献】特開平10-22024(JP,A)
【文献】特開2011-252766(JP,A)
【文献】特開平11-14699(JP,A)
【文献】特開2008-70146(JP,A)
【文献】特開2009-129877(JP,A)
【文献】特開2016-102696(JP,A)
【文献】特開2006-250732(JP,A)
【文献】特開平5-29051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073、
31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に伸縮可能な第1及び第2プローブを支持する検査ソケットであって、前記検査ソケットは、
導電性材質の第1ベース部材及び絶縁性材質の第1絶縁部材を有する第1ブロック;
導電性材質の第2ベース部材及び絶縁性材質の第2絶縁部材を有する第2ブロック;及び
前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間に介在される、絶縁性材質のギャップ部材を含み、
前記第1ブロックは、前記第1プローブの一側を非接触状態で、そして前記第2プローブの一側を接触状態で支持する第1及び第2プローブ孔を含み、
前記第2ブロックは、前記第1プローブの他側を接触状態で、そして前記第2プローブの他側を非接触状態で支持する第3及び第4プローブ孔を含み、
前記ギャップ部材は、前記第1及び第2プローブの中間を収容支持する第5及び第6プローブ孔、ならびに電子部品の第1及び第2端子が露出されるように収容する部品収容孔を含み、
前記第1プローブは、前記第1プローブ孔、第3プローブ孔、及び第5プローブ孔に挿入され、
前記第2プローブは、前記第2プローブ孔、第4プローブ孔、及び第6プローブ孔に挿入され、
前記第1ブロックと前記第2ブロックは、前記電子部品が前記部品収容孔に挿入された状態で前記ギャップ部材を挟持して結合される、検査ソケット。
【請求項2】
前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材はそれぞれ、前記露出された第1端子及び第2端子に対応する位置に第1溝部及び第2溝部を含む、請求項に記載の検査ソケット。
【請求項3】
前記第1溝部及び前記第2溝部にそれぞれ設けられ、前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材を、前記露出された第1端子及び第2端子にそれぞれ電気的に連結する第1端子接触部及び第2端子接触部をさらに含む、請求項に記載の検査ソケット。
【請求項4】
前記第1端子接触部及び第2端子接触部はそれぞれ、導電性を有する第1弾性部材及び第2弾性部材を含む、請求項に記載の検査ソケット。
【請求項5】
前記第1溝部及び前記第2溝部にそれぞれ設けられ、前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材を前記露出された第1端子及び第2端子にそれぞれ連結するバネをさらに含む、請求項に記載の検査ソケット。
【請求項6】
長手方向に伸縮可能な第1及び第2プローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して板状の第1ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して板状の第2ブロックを形成する段階;
前記第1ブロックに前記第1プローブの一側を非接触状態で、そして第2プローブの一側を接触状態で収容支持する第1及び第2プローブ孔を形成する段階;
前記第2ブロックに前記第1プローブの他側を接触状態で、そして第2プローブの他側を非接触状態で支持収容する第3及び第4プローブ孔を形成する段階;
絶縁性材質のギャップ部材に、前記第1及び第2プローブの中間を収容支持する第5及び第6プローブ孔を形成し、電子部品の第1及び第2端子が露出されるように収容する部品収容孔を形成する段階;及び
前記第1プローブを前記第1プローブ孔、第3プローブ孔、及び第5プローブ孔に挿入し、前記第2プローブを前記第2プローブ孔、第4プローブ孔、及び第6プローブ孔に挿入し、前記電子部品を前記部品収容孔に挿入した状態で前記ギャップ部材を挟持して第1ブロックと第2ブロックとを結合させる段階を含む検査ソケット製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体の電気的特性を検査する検査ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップは、微細な電子回路が高密度で集積して形成されており、製造工程中に各電子回路の正常の有無をテストする。半導体チップのテストには、半導体チップの端子と、テスト信号を印加する検査回路基板の接点(パッド)とを電気的に連結する半導体検査用コンタクトプローブが用いられる。一般に、半導体チップは非常に微細なパターンの端子を含んでいる。したがって、非常に微細なパターンの端子に接触させて検査を行うためには、非常に微細なサイズのコンタクトプローブをプローブ支持部に集積して支持しなければならない。ややこしい特性の半導体チップを検査するためのテストソケットは、電源印加経路を短くする必要がある。これを満たすために、韓国特許登録第10-1552552号には、電子部品を実装したPCBをテストソケットの間に挟持させた技術が開示されている。
【0003】
従来のテストソケットは、プローブを支持する上部支持体と導電部を支持する下部支持体との間にPCBを介在させた後に、PCBに実装された電子部品の両端子をプローブと導電部に連結している。しかし、このような従来のテストソケットは、非常に微細な導電パターンがファインピッチで配列され、プローブ及び導電部に接触するPCBを設計しなければならないため製作し難く、テストソケットの構造も非常に複雑なため高製造コストとなる問題が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、構造が簡単であり、且つ電源無欠性(Power Integrity)特性に優れた検査ソケットを提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、熱放出効果に優れ、且つ電流容量を増加させることができる検査ソケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を達成するための検査ソケットが提供される。検査ソケットは、導電性材質の第1ベース部材及び絶縁性材質の第1絶縁部材を有する第1ブロック、導電性材質の第2ベース部材及び絶縁性材質の第2絶縁部材を有する第2ブロック、前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間に介在される、絶縁性材質のギャップ部材、前記第1ベース部材に接触し、前記第2ベース部材に非接触するように支持される第1プローブ、前記第1ベース部材に非接触し、前記第2ベース部材に接触するように支持される第2プローブ、及び前記第1ベース部材と前記第2ベース部材とを電気的に連結する導電経路上に介在されるように前記ギャップ部材に設けられる電子部品を含む。
【0007】
前記ギャップ部材は、前記電子部品の第1端子及び第2端子が露出されるように収容する部品収容孔を含むことができる。
【0008】
前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材はそれぞれ、前記露出された第1端子及び第2端子に対応する位置に第1溝部及び第2溝部を含むことができる。
【0009】
前記第1溝部及び前記第2溝部にそれぞれ設けられ、前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材を前記露出された第1端子及び第2端子にそれぞれ電気的に連結する第1端子接触部及び第2端子接触部をさらに含むことができる。
【0010】
前記第1端子接触部及び第2端子接触部はそれぞれ、導電性を有する第1弾性部材及び第2弾性部材をさらに含むことができる。
【0011】
前記第1溝部及び前記第2溝部にそれぞれ設けられ、前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材を、前記露出された第1端子及び第2端子にそれぞれ連結するバネをさらに含むことができる。
【0012】
前記第1ベース部材は、前記第1プローブを非接触するように収容する第1プローブ収容孔、及び前記第2プローブを接触するように収容する対応する第2プローブ収容孔を含み、前記第2ベース部材は、前記第1プローブを接触するように収容する第1プローブ収容孔、及び前記第2プローブを非接触するように収容する対応する第2プローブ収容孔を含むことができる。
【0013】
検査ソケットは、導電性材質の第1ベース部材及び絶縁性材質の第1絶縁部材を有する第1ブロック、導電性材質の第2ベース部材及び絶縁性材質の第2絶縁部材を有する第2ブロック、前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間に介在される、絶縁性材質のギャップ部材、前記第1ベース部材に非接触し、前記第2ベース部材に接触するように支持される第1プローブ、前記第1ベース部材に接触し、前記第2ベース部材に非接触するように支持される第2プローブ、及び前記第1ベース部材と前記第2ベース部材とを電気的に連結する導電経路上に介在されるように前記ギャップ部材に設けられる電子部品を含むことができる。
【0014】
長手方向に伸縮可能な第1及び第2プローブを支持する検査ソケットを製造する方法が提供される。検査ソケットの製造方法は、導電性材質の第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して板状の第1ブロックを形成する段階、導電性材質の第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して板状の第2ブロックを形成する段階、前記第1ブロックに前記第1プローブの一側を非接触状態で、そして第2プローブの一側を接触状態で収容支持する第1及び第2プローブ孔を形成する段階、前記第2ブロックに前記第1プローブの他側を接触状態で、そして第2プローブの他側を非接触状態で支持収容する第3及び第4プローブ孔を形成する段階、絶縁性材質のギャップ部材に、前記第1及び第2プローブの中間を収容支持する第5及び第6プローブ孔を形成し、電子部品の第1及び第2端子が露出されるように収容する部品収容孔を形成する段階、及び前記第1プローブを前記第1プローブ孔、第3プローブ孔、及び第5プローブ孔に挿入し、前記第2プローブを前記第2プローブ孔、第4プローブ孔、及び第6プローブ孔に挿入し、前記電子部品を前記部品収容孔に挿入した状態で前記ギャップ部材を挟持して第1ブロックと第2ブロックとを結合させる段階を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例に係る検査ソケットの製造方法は、電源印加経路を簡単な構造で縮めることができる。
【0016】
また、本発明の検査ソケットは、上下の黄銅ブロックを電子部品に直接接触させることによって熱放出効果及び電流容量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施例に係る検査ソケットを示す斜視図である。
【0018】
図2図1の検査ソケットを分解して上から視た斜視図である。
【0019】
図3図1の検査ソケットを分解して下から視た斜視図である。
【0020】
図4図1の検査ソケットをA-A線に沿って切断した断面図である。
【0021】
図5図1のソケットブロックを示す断面図である。
【0022】
図6図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【0023】
図7図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【0024】
図8図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【0025】
図9図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【0026】
図10】本発明の第2実施例に係る検査ソケットを示す図である。
【0027】
図11】従来の同軸検査ソケットと本発明の実施例に係る検査ソケットのZインピーダンス特性を比較して示すグラフである。
【0028】
図12】本発明の第3実施例に係る検査ソケットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明に係る好ましい実施例を詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の第1実施例に係る検査ソケット1を示す斜視図であり、図2は、図1の検査ソケット1を分解して上から視た斜視図であり、図3は、図1の検査ソケット1を分解して下から視た斜視図である。
【0031】
図1図3を参照すると、検査ソケット1は、ソケットブロック2、複数のプローブ、例えばパワープローブ3、接地プローブ4、信号プローブ又はRFプローブ(以下、「信号プローブ」と称する。)5、及び電子部品6を含むことができる。
【0032】
ソケットブロック2は、上部ブロック21、下部ブロック22、及び上部ブロック21と下部ブロック22との間に挟まれたギャップ部材23を含むことができる。
【0033】
上部ブロック21は、第1ベース部材211の一面に第1絶縁部材212を一体に接合して形成できる。
【0034】
上部ブロック21は、パワープローブ3、接地プローブ4、及び信号プローブ5の上部をそれぞれ収容して支持する、第1パワープローブ孔213、第1接地プローブ孔214、及び第1信号プローブ孔215を含むことができる。
【0035】
第1ベース部材211は、導電性材質、例えば、黄銅などからなってよい。第1ベース部材211は、絶縁性材質を導電性材料で塗布して形成することもできる。第1ベース部材211は、パワープローブ3を接触状態で、接地プローブ4を非接触状態で、信号プローブ5を非接触状態で収容することができる。
【0036】
第1ベース部材211は、下面に、第1パワープローブ孔213、第1接地プローブ孔214、及び第1信号プローブ孔215を取り囲むように凹まれた第1溝部2111、及び第1溝部2111にはめ込まれた第1弾性部材2112を含むことができる。
【0037】
第1弾性部材2112は、電子部品6の第1端子と上部ブロック21とを電気的に連結する導電性材質からなってよい。第1弾性部材2112は、上部ブロック21、下部ブロック22及びギャップ部材23を結合させる時に電子部品6の第1端子が損傷することを防止することができる。第1弾性部材2112は、導電性材質の、例えば、板バネ、コイルバネなどによって具現されてもよい。
【0038】
第1絶縁部材212は、絶縁性材質、例えば、エンジニアリングプラスチックなどからなってよい。第1絶縁部材212は、パワープローブ3、接地プローブ4、信号プローブ5の一端部を支持することができる。
【0039】
下部ブロック22は、第2ベース部材221の一面に第2絶縁部材222を一体に接合して形成できる。下部ブロック22は、パワープローブ3、接地プローブ4、及び信号プローブ5の下部をそれぞれ収容して支持する、第2パワープローブ孔223、第2接地プローブ孔224、及び第1信号プローブ孔225を含むことができる。
【0040】
第2ベース部材221は、導電性材質、例えば黄銅などからなってよい。第2ベース部材221は、絶縁性材質を導電性材料で塗布して形成することもできる。第2ベース部材221は、パワープローブ3を非接触状態で、接地プローブ4を接触状態で、信号プローブ5を非接触状態で収容することができる。
【0041】
第2ベース部材221は、上面に、第2パワープローブ孔223、第2接地プローブ孔224、及び第2信号プローブ孔225を取り囲むように凹まれた第2溝部2211、及び第2溝部2211にはめ込まれた第2弾性部材2212を含むことができる。
【0042】
第2弾性部材2212は、電子部品6の第2端子と下部ブロック22とを電気的に連結する導電性材質からなってよい。第2弾性部材2212は、上部ブロック21、下部ブロック22及びギャップ部材23を結合する時に電子部品6の第2端子が損傷することを防止することができる。第2弾性部材2212は、導電性材質の、例えば、板バネ、コイルバネなどによって具現されてもよい。
【0043】
第2絶縁部材222は、絶縁性材質、例えば、エンジニアリングプラスチックなどからなってよい。第2絶縁部材222は、パワープローブ3、接地プローブ4、信号プローブ5の他端部を支持することができる。
【0044】
ギャップ部材23は、絶縁性材質、例えばエンジニアリングプラスチックからなってよい。
【0045】
ギャップ部材23は、パワープローブ3、接地プローブ4、及び信号プローブ5の外径に対応する直径を有する、パワープローブ3、接地プローブ4、及び信号プローブ5の中間部をそれぞれ収容して支持する第3パワープローブ孔233、第3接地プローブ孔234、及び第3信号プローブ孔235を含むことができる。
【0046】
ギャップ部材23は、第3パワープローブ孔233、第3接地プローブ孔234、及び第3信号プローブ孔235を取り囲む位置に、そして第1ベース部材211の第1溝部2111と第2ベース部材221の第2溝部2211に対応する位置に貫通するように形成された部品収容孔231を含むことができる。部品収容孔231は、電子部品6の外径に対応する直径で形成され、電子部品6を収容することができる。
【0047】
ギャップ部材23は、上部ブロック21と下部ブロック22とを結合させる時に複数プローブ3,4,5の整列誤差を補正できる。
【0048】
図4は、図1の検査ソケット1をA-A線に沿って切断した断面図である。
【0049】
図4を参照すると、パワープローブ3は、第1ベース部材211に非接触状態で、そして第2ベース部材221に接触状態で収容され、一端部が第1絶縁部材212に支持され、他端部が第2絶縁部材222に支持されてよい。結果的に、第2ベース部材221は、パワープローブ3によって陽極状態を保持できる。パワープローブ3は、バレル31、第1プランジャー32、第2プランジャー33及びバネ(図示せず)を含むことができる。第1プランジャー32と第2プランジャー33はそれらの間にバネを挟持して長手方向に沿って伸縮可能であり、ソケットブロック2の上下面に部分突出して、被検査体のパワー接点と検査回路のパワー接点とを電気的に連結できる。
【0050】
接地プローブ4は、第1ベース部材211に接触状態で、そして第2ベース部材221に非接触状態で支持され、両端部が第1及び第2絶縁部材212,222に支持されてよい。結果的に、第1ベース部材211は、接地プローブ4によって陰極状態を保持できる。接地プローブ4は、バレル41、第1プランジャー42、第2プランジャー43及びバネ(図示せず)を含むことができる。第1プランジャー42と第2プランジャー43はそれらの間にバネを挟持して長手方向に沿って伸縮可能であり、ソケットブロック2の上下面に部分突出して、被検査体の接地接点と検査回路の接地接点とを電気的に連結できる。
【0051】
信号プローブ5は、第1及び第2ベース部材211,221に非接触状態で収容され、一端部が第1絶縁部材212に支持され、他端部が第2絶縁部材222に支持されてよい。信号プローブ5は、バレル51、第1プランジャー52、第2プランジャー53及びバネ(図示せず)を含むことができる。第1プランジャー52と第2プランジャー53はそれらの間にバネを挟持して長手方向に沿って伸縮可能であり、ソケットブロック2の上下面に部分突出して、被検査体の信号接点と検査回路の信号接点とを電気的に連結できる。
【0052】
パワープローブ3、接地プローブ4及び信号プローブ5は、前述したポゴタイプに限定されず、伸縮可能なプローブであればいずれも適用可能である。
【0053】
電子部品6は、第1ベース部材211と第2ベース部材221とを電気的に連結する導電経路上に介在されてよい。電子部品6は、キャパシター、抵抗、ICなどの様々な部品を含むことができる。以下、電子部品6は、キャパシターを取り上げて説明する。キャパシターは、陽極状態の第2ベース部材221と陰極状態の第1ベース部材211との間に設置され、検査対象を検査する時に充電と放電を反復できる。すなわち、検査対象の電源印加は、検査ソケット1に内蔵された複数のキャパシターの充電電流を用いて行うことができる。このように、検査のための電源を、検査ソケット1に内蔵されたキャパシターを用いて行うことによって電源印加経路を最小化し、電力損失を最小化できる。
【0054】
図5は、図1のソケットブロック2を示す断面図である。
【0055】
図5を参照すると、上部ブロック21は、パワープローブ3の上部を非接触状態で、接地プローブ4の上部を接触状態で、信号プローブ5の上部を非接触状態でそれぞれ収容して支持する第1パワープローブ孔213、第1接地プローブ孔214、及び第1信号プローブ孔215を含むことができる。
【0056】
第1パワープローブ孔213は、第1ベース部材211に形成される第1パワープローブ収容孔2131、及び第1絶縁部材212に形成される第1パワープローブ支持孔2132を含むことができる。第1パワープローブ収容孔2131は、パワープローブ3のバレル31の直径よりも大きい直径を有するように形成されることにより、パワープローブ3を非接触状態で収容することができる。第1パワープローブ支持孔2132は、パワープローブ3のバレル31の一端を支持できる。
【0057】
第1接地プローブ孔214は、第1ベース部材211に形成される第1接地プローブ収容孔2141、及び第1絶縁部材212に形成される第1接地プローブ支持孔2142を含むことができる。第1接地プローブ収容孔2141は、接地プローブ4のバレル41の直径と同じ直径を有するように形成されることにより、接地プローブ4を接触状態で収容することができる。第1接地プローブ支持孔2142は、接地プローブ4のバレル41の一端を支持できる。
【0058】
第1信号プローブ孔215は、第1ベース部材211に形成される第1信号プローブ収容孔2151、及び第1絶縁部材212に形成される第1信号プローブ支持孔2152を含むことができる。第1信号プローブ収容孔2151は、信号プローブ5のバレル51よりも大きい直径を有するように形成されることにより、信号プローブ5を非接触状態で収容することができる。第1信号プローブ支持孔2152は、信号プローブ5のバレル51の一端を支持できる。
【0059】
下部ブロック22は、パワープローブ3の下部を接触状態で、接地プローブ4の下部を非接触状態で、信号プローブ5の下部を非接触状態でそれぞれ収容して支持する第2パワープローブ孔223、第2接地プローブ孔224、及び第2信号プローブ孔225を含むことができる。
【0060】
第2パワープローブ孔223は、第2ベース部材221に形成される第2パワープローブ収容孔2231、及び第2絶縁部材222に形成される第2パワープローブ支持孔2232を含むことができる。第2パワープローブ収容孔2231は、パワープローブ3のバレル31と同じ直径を有するように形成されることにより、パワープローブ3を接触状態で収容することができる。第2パワープローブ支持孔2232は、パワープローブ3のバレル31の他端を支持できる。
【0061】
第2接地プローブ孔224は、第2ベース部材221に形成される第2接地プローブ収容孔2241、及び第2絶縁部材222に形成される第2接地プローブ支持孔2242を含むことができる。第2接地プローブ収容孔2241は、接地プローブ4のバレル41よりも大きい直径を有するように形成されることにより、接地プローブ4を非接触状態で収容することができる。第2接地プローブ支持孔2242は、接地プローブ4のバレル41の他端を支持できる。
【0062】
第2信号プローブ孔225は、第2ベース部材221に形成される第2信号プローブ収容孔2251、及び第2絶縁部材222に形成される第2信号プローブ支持孔2252を含むことができる。第2信号プローブ収容孔2251は、信号プローブ5のバレル51よりも大きい直径を有するように形成されることにより、信号プローブ5を非接触状態で収容することができる。第2信号プローブ支持孔2252は、信号プローブ5のバレル51の他端を支持できる。
【0063】
ギャップ部材23は、パワープローブ3、接地プローブ4、信号プローブ5の中間部をそれぞれ接触状態で収容して支持する第3パワープローブ孔233、第3接地プローブ孔234、及び第3信号プローブ孔235を含むことができる。
【0064】
第3パワープローブ孔233は、パワープローブ3のバレル31と同じ直径を有するように形成されることにより、パワープローブ3を接触状態で収容することができる。
【0065】
第3接地プローブ孔234は、接地プローブ4のバレル41と同じ直径を有するように形成されることにより、接地プローブ4を接触状態で収容することができる。
【0066】
第3信号プローブ孔235は、信号プローブ5のバレル51と同じ直径を有するように形成されることにより、信号プローブ5を接触状態で収容することができる。
【0067】
第1ベース部材211は、下面、すなわち、ギャップ部材23に結合する面に、第1弾性部材2112を収容する四角帯状の第1溝2111を含むことができる。
【0068】
第2ベース部材221は、上面、すなわち、ギャップ部材23に結合する面に、第2弾性部材2212を収容する四角帯状の第2溝2211を含むことができる。
【0069】
ギャップ部材23は、電子部品6を収容する部品収容孔231を含むことができる。部品収容孔231は、電子部品6と同じ直径を有するように形成されることにより、電子部品6を堅固に支持することができる。
【0070】
図6図9は、図1の検査ソケット1を製造する方法を示す図である。
【0071】
図6に示すように、第1ベース部材211の上面に第1絶縁部材212を接合して上部ブロック21を形成する。同様に、第2ベース部材221の下面に第2絶縁部材222を接合して下部ブロック22を形成する。ここで、接合は、例えば、熱硬化型接着シート7を用いたり、インサート射出金型を用いたりして行うことができる。
【0072】
図7に示すように、例えば、ドリルを用いて、上部ブロック21に第1パワープローブ孔213、第1接地プローブ孔214、及び第1信号プローブ孔215を形成し、下部ブロック22に第2パワープローブ孔223、第2接地プローブ孔224、及び第2信号プローブ孔225を形成する。また、上部ブロック21及び下部ブロック22にそれぞれ第1及び第2弾性部材2112,2212を挿入するための第1及び第2溝部2111,2211を形成する。
【0073】
図8に示すように、ギャップ部材23には、電子部品6を収容して支持する部品収容孔231を、そしてパワープローブ3、接地プローブ4、信号プローブ5の中間部をそれぞれ接触状態で収容して支持する第3パワープローブ孔233、第3接地プローブ孔234、及び第3信号プローブ孔235を、例えばドリルを用いて形成できる。
【0074】
図9に示すように、パワープローブ3、接地プローブ4、信号プローブ5及び電子部品6は、第1~第3パワープローブ孔213,223,233、第1~第3接地プローブ孔214,224,234、第1~第3信号プローブ孔215,225,235、及び部品収容孔231にそれぞれ挿入し、第1及び第2弾性部材2112,2212は、第1及び第2溝部2111,2211にそれぞれ挿入した後に、ギャップ部材23を挟持して上部ブロック21と下部ブロック22とを結合させる。
【0075】
上述したように、第1ベース部材211と第1絶縁部材212とが接合された状態で上部ブロック21に第1パワープローブ孔213、第1接地プローブ孔214、第1信号プローブ孔215を、そして第2ベース部材221と第2絶縁部材222とが接合された状態で下部ブロック22に第2パワープローブ孔223、第2接地プローブ孔224、第2信号プローブ孔225を一度の工程でドリリングするので、検査ソケット1に多いプローブ孔を形成しても、加工及び整列による誤差を縮めることができる。したがって、信号プローブ5は、第1~第3信号プローブ孔215,225,235の中心軸と一致して支持されてよく、その結果、挿入損失(Insertion Loss)、反射損失(Return Loss)、クロストーク(Crosstalk)や隔離(Isolation)、Zインピーダンス(Z-Impedance)、インダクタンス(Inductance)特性が向上し得る。
【0076】
図10は、本発明の第2実施例に係る検査ソケット2を示す図である。
【0077】
図10を参照すると、パワープローブ3は、上部ブロック21に接触状態で支持され、下部ブロック22に非接触状態で支持されてよい。また、接地プローブ4は、上部ブロック21に非接触状態で支持され、下部ブロック22に接触状態で支持されてよい。したがって、検査時に、上部ブロック21は陽極状態を保持し、下部ブロック22は陰極状態を保持し、上部ブロック21と下部ブロック22とを電気的に連結する導電経路上に介在されているキャパシターは充電と放電を反復し得る。
【0078】
図11は、従来の同軸検査ソケットと本発明の実施例に係る検査ソケット1のZインピーダンス特性を比較して示すグラフである。
【0079】
検査ソケット1においてZインピーダンスは極力小さいことが好ましい。図11を参照すると、従来の同軸検査ソケットのZインピーダンスは、1GHz周波数で1.83Ωであり、本発明の実施例に係る検査ソケットのZインピーダンスは、1GHz周波数で0.86Ωであり、約1/2に過ぎないことが分かる。
【0080】
図12は、本発明の第3実施例に係る検査ソケット1を示す図である。以下、図4の第1実施例に係る検査ソケット1と同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は省略する。
【0081】
図12を参照すると、上部ブロック21は、第1ベース部材211の下面に凹まれた第1溝部2111、及び第1溝部2111にはめ込まれたバネ2113を含むことができる。
【0082】
下部ブロック22は、第1溝部2111の対応する位置に貫通する貫通孔2213にはめ込まれた導電性材質の接触部材2214を含むことができる。
【0083】
接触部材2214は、下端部が検査回路基板(図示せず)の上面に接触する。
【0084】
電子部品6の数が多い場合に、複数のバネ2113によって加えられる圧力が非常に大きい。万一、貫通孔ではなく溝部を形成する場合には大きい圧力が下部ブロック22に加えられてしまい、上部ブロック21と下部ブロック22との結合が解除したり上部ブロック21と下部ブロック22との間が広がたりする問題が発生し得る。したがって、接触部材2214を貫通孔2213に挿入することにより、バネ2113によって加えられる圧力を、接触部材2214に接触する検査回路基板に加えることができる。
【0085】
本発明の実施例によれば、検査ソケットの製造方法は、電源印加経路を簡単な構造で縮める。
【0086】
また、本発明の検査ソケットは、上下の黄銅ブロックを電子部品に直接接触させることによって熱放出効果及び電流容量を増加させる。
【0087】
前述の明細書において本発明及びその長所が特定実施例を参照して説明された。ただし、添付の請求項で説明するような本発明の範囲から逸脱しない限り、様々な修正及び変更が可能であることは、この技術分野における通常の技術を有する者に明らかであろう。したがって、明細書及び図面は、限定よりは本発明の例示として見なされるべきである。あらゆるこのような可能な修正は本発明の範囲内でなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12