(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】バッテリーパック、自動車及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/503 20210101AFI20240702BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240702BHJP
H01M 10/6561 20140101ALI20240702BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20240702BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20240702BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20240702BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240702BHJP
H01M 50/519 20210101ALI20240702BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20240702BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20240702BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240702BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240702BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M10/613
H01M10/6561
H01M50/213
H01M50/505
H01M50/548 201
H01M10/44 P
H01M50/519
H01M50/284
H01M10/643
H01M10/625
H01M50/249
(21)【出願番号】P 2022573537
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 KR2021016578
(87)【国際公開番号】W WO2022103211
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0152313
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ヨン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-クク・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ヒョン・イ
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/019822(WO,A1)
【文献】特開2013-114780(JP,A)
【文献】特開2008-027801(JP,A)
【文献】特開2012-243514(JP,A)
【文献】特開2017-098042(JP,A)
【文献】国際公開第2013/076911(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0021791(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/503
H01M 10/613
H01M 10/6561
H01M 50/213
H01M 50/505
H01M 50/548
H01M 10/44
H01M 50/519
H01M 50/284
H01M 10/643
H01M 10/625
H01M 50/249
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部のそれぞれに電極端子を有する複数の電池セルと、
導電性を有し、前記複数の電池セルを電気的に接続するように構成された少なくとも2つの接続プレートと、
前記複数の電池セルのそれぞれの少なくとも一部分を取り囲むように複数の中空が形成されたセルフレームであって、外側に前記接続プレートを搭載し、前記接続プレートの少なくとも2つの貫通孔のそれぞれを貫通するように外部方向に突出した少なくとも2つの第1固定突起を有するセルフレームと、
を含
むバッテリーパックにおいて、
前記少なくとも2つの接続プレートのうちの少なくとも1つは、
電流が流れる方向に沿って互いに離間した少なくとも2つの貫通孔を備え
、
前記バッテリーパックは、前記複数の電池セルの充放電を制御するように構成されたバッテリー管理システムモジュールをさらに含み、
前記セルフレームは、
前記バッテリー管理システムモジュールの両側部を支持するように外部方向に突出した複数の固定タブを有するバッテリー管理システム搭載部を備え、
前記バッテリー管理システムモジュールは、
印刷回路を有する保護回路基板を備え、
前記保護回路基板には、一端部から内部方向に凹んだスリットが形成され、
前記固定タブには、前記スリットに挿入されるように構成された結束リブが設けられることを特徴とするバッテリーパック。
【請求項2】
前記少なくとも2つの接続プレートのそれぞれは、
前記複数の電池セルのそれぞれの前記電極端子と接触するように構成された接続端子部と、
前記バッテリー管理システムモジュールに接続するために前記接続端子部から延びる接続延長部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記セルフレームは、
外面から外部方向に突出し、前記接続延長部の両端部のそれぞれを支持するように構成された少なくとも2つの第2固定突起をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記第1固定突起は、外部方向に傾斜して延びる形状を有することを特徴とする請求項2又は3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記第1固定突起は、外部方向に突出した端部が所定の角度で折り曲げられた形状を有することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記バッテリー管理システム搭載部は、
前記バッテリー管理システムモジュールの上面または下面を支持するように前記バッテリー管理システムモジュールに向かって突出した着座リ
ブ
をさらに有することを特徴とする請求項
1から5のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記セルフレームは、
前記複数の電池セル間で空気が流れるように一部分が穿孔して形成された流通孔と、
前記流通孔の内部を横切るように延びる強化リブと、
を備えることを特徴とする請求項1から
6のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記少なくとも2つの接続プレートのうちの電流の流れの最末端に位置する接続プレートには、電流が流れる方向に沿って互いに離間した少なくとも2つの前記貫通孔が設けられることを特徴とする請求項1から
7のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記少なくとも2つの貫通孔のうちの互いに隣り合う一対の貫通孔は、前記電流が流れる方向と垂直な方向に沿って離間することを特徴とする請求項
8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも1つ含むことを特徴とする自動車。
【請求項11】
請求項1から
9のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも1つ含むことを特徴とする電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック、自動車及び電子デバイスに関し、より詳細には、電気抵抗を低減して最大許容電流が増加したバッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車に関する。
【0002】
本出願は、2020年11月13日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0152313号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などの携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、繰り返し充放電が可能な高性能二次電池についての研究が盛んに行われている。
【0004】
現在商用化されている二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などが挙げられるが、中でも、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらないので、充放電を自由に行うことができ、自己放電率が非常に低く、しかも、エネルギー密度の高いという長所を有することから脚光を浴びている。
【0005】
この種のリチウム二次電池は、主としてリチウム系酸化物及び炭素材をそれぞれ正極活物質及び負極活物質として用いる。また、このようなリチウム二次電池は、正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを間に挟んで配置された電極組立体と、このような電極組立体を電解液と一緒に封入する外装材、すなわち、電池ポーチ外装材と、を備える。また、複数のリチウム二次電池がバッテリーパックに備えられてもよい。
【0006】
近年、電気自動車、電動自転車、電動キックボードなどの移動手段に適用される大容量のバッテリーパックの需要が高まっている。また、このようなバッテリーパックは、移動手段の速度を上げるために高出力を発揮する必要があった。これにより、バッテリーパックの容量及び放電時の電流の大きさを大きくする必要があった。
【0007】
しかしながら、このようなバッテリーパックは、移動手段の狭い空間に搭載されることが多く、多数の二次電池と電気的に接続されたバスバーまたは金属プレートもそのサイズを最小化する必要があった。言い換えれば、従来技術のバッテリーパックは、内部部品の形状又はサイズの制約が大きかったので、バスバーまたは金属プレートは許容可能な電流の大きさを増大させるのに大きな限界を有していた。
【0008】
しかしながら、このような移動手段に適用されたバッテリーパックは、頻繁な振動や衝撃により、バッテリーパック内部の部品間の接続や結合が解除されたり、部品が分離したりするなどの問題が発生した。これにより、従来技術のバッテリーパックは、内部部品の安定的に搭載状態を維持することができる案が必要であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、電気抵抗を低減して最大許容電流が高められたバッテリーパック、それを含む電子デバイス及び自動車を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的及び利点は、下記の説明によって理解されることができ、本発明の実施形態によってなお一層明らかに分かる筈である。さらに、本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に開示されている手段及びその組み合わせによって実現することができるということが容易に理解できる筈である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するための本発明によるバッテリーパックは、
両端部のそれぞれに電極端子を有する複数の電池セルと、
導電性を有し、前記複数の電池セルを電気的に接続するように構成された少なくとも2つの接続プレートと、
前記複数の電池セルのそれぞれの少なくとも一部分を取り囲むように複数の中空が形成されたセルフレームであって、外側に前記接続プレートを搭載し、前記接続プレートの少なくとも2つの貫通孔のそれぞれを貫通するように外部方向に突出した少なくとも2つの第1固定突起を有するセルフレームと、を含む。このとき、前記少なくとも2つの接続プレートのうちの少なくとも1つは、電流が流れる方向に沿って互いに離間した少なくとも2つの貫通孔を備える。
【0012】
また、前記バッテリーパックは、前記複数の電池セルの充放電を制御するように構成されたバッテリー管理システム(BMS)モジュールをさらに含み、
前記少なくとも2つの接続プレートのそれぞれは、
前記複数の電池セルのそれぞれの前記電極端子と接触するように構成された接続端子部と、
前記BMSモジュールに接続するために前記接続端子部から延びる接続延長部と、を備え得る。
【0013】
さらに、前記セルフレームは、
外面から外部方向に突出し、前記接続延長部の両端部のそれぞれを支持するように構成された少なくとも2つの第2固定突起をさらに備え得る。
【0014】
さらに、前記第1固定突起は、外部方向に傾斜して延びる形状を有し得る。
【0015】
さらにまた、前記第1固定突起は、外部方向に突出した端部が所定の角度で折り曲げられた形状を有し得る。
【0016】
さらにまた、前記セルフレームは、
前記BMSモジュールの上面または下面を支持するように前記BMSモジュールに向かって突出した着座リブと、
前記BMSモジュールの両側部を支持するために外部方向に突出した複数の固定タブを有するBMS搭載部を備えていてもよい。
【0017】
さらにまた、前記BMSモジュールは、
印刷回路を有する保護回路基板を備え、
前記保護回路基板には、一方の端部から内部方向に内入したスリットが形成され、
前記固定タブには、前記スリットに挿入されるように構成された結束リブが設けられ得る。
【0018】
さらにまた、前記セルフレームは、
前記複数の電池セル間で空気が流れるように一部分が穿孔して形成された流通孔と、
前記流通孔の内部を横切るように延びる強化リブと、を備え得る。
【0019】
さらにまた、前記少なくとも2つの接続プレートのうちの電流の流れの最末端に位置する接続プレートには、電流が流れる方向に沿って互いに離間した少なくとも2つの前記貫通孔が設けられ得る。
【0020】
さらにまた、前記少なくとも2つの貫通孔のうちの互いに隣り合う一対の貫通孔は、前記電流が流れる方向と垂直な方向に沿って離間し得る。
【0021】
また、上記のような目的を達成するための本発明の自動車は、前記バッテリーパックを少なくとも1つ含む。
【0022】
さらに、上記のような目的を達成するための本発明の電子デバイスは、前記バッテリーパックを少なくとも1つ含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様によれば、本発明は、電流が流れる方向に互いに離間した少なくとも2つの貫通孔が形成された接続プレートを含むことにより、少なくとも2つの貫通孔の形成による電気抵抗の増加を最小化することができる。すなわち、本発明の接続プレートは、電流が流れる方向に互いに離間した貫通孔を形成するため、X軸と平行な方向に沿って互いに同一延長線上に位置する少なくとも2つの貫通孔が形成された場合と比較すると、貫通孔が形成された領域においてX-Z平面と平行な方向に沿って切断した断面積がより大きい。したがって、本発明は、複数の貫通孔の形成による断面積の減少による接続プレートの電気抵抗の増加を最小限に抑えることができる。特に、本発明は、複数の接続プレートのうち、電流の流れの最末端に位置する接続プレートの電気抵抗を効果的に低減することにより、最大許容電流の制限を低減し、電気抵抗による発熱量を低減することができる。
【0024】
この明細書に添付される次の図面は、本発明の好適な一実施形態を例示するものにすぎず、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術的思想をなお一層理解しやすくする役割を果たすものであるため、本発明は、そのような図面に記載されている事項にのみ限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの様子を概略的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの様子を概略的に示す分離斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部の構成要素の様子を概略的に示す部分斜視図である。
【
図4】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの一部の構成要素の様子を概略的に示す部分側面図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックの一部の構成要素の様子を概略的に示す部分側面図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの様子を概略的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面に基づいて、本発明による好適な実施形態について詳しく説明する。これに先立って、この明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則を踏まえて、本発明の技術的な思想に見合う意味及び概念として解釈されなければならない。
【0027】
よって、この明細書に記載の実施形態と図面に示されている構成は、本発明の最も好適な一部の実施形態に過ぎないものであり、本発明の技術的な思想をいずれも代弁するものではないため、本発明の出願時点においてこれらに代替できる様々な均等物と変形例があり得るということを理解しなければならない。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの様子を概略的に示す斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの様子を概略的に示す分離斜視図である。なお、
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部の構成要素の様子を概略的に示す部分斜視図である。
【0029】
図1乃至
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック100は、複数の電池セル110、少なくとも2つの接続プレート120、及びセルフレーム130を含む。
【0030】
具体的に、前記電池セル110は、円筒形電池セル110であってもよい。前記電池セル110は、前方(Y軸の負方向)及び後方(Y軸の正方向)のそれぞれに電極端子111が位置してもよい。前記電極端子111は、正極端子または負極端子であってもよい。参考までに、
図1におけるZ軸方向は上下方向を意味し、Y軸方向は前後方向を意味し、X軸方向は左右方向を意味してもよい。
【0031】
また、前記少なくとも2つの接続プレート120は、導電性を有する金属プレートであってもよい。前記接続プレート120は、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属を備えていてもよい。前記接続プレート120は、前記複数の電池セル110を電気的に接続するように構成されてもよい。前記複数の円筒形電池セル110は、前記接続プレート120を介して電気的に直列、並列、または直列及び並列に接続されてもよい。前記接続プレート120の一方の端部は、前記円筒形電池セル110の正極端子111及び/又は負極端子112と電気的に接続されてもよい。前記接続プレート120の他方の端部は、BMSモジュール140と電気的に接続するように構成されてもよい。
【0032】
また、前記少なくとも2つの接続プレート120のそれぞれは、接続端子部121及び接続延長部122を含んでいてもよい。前記接続端子部121は、前記複数の電池セル110のそれぞれの前記電極端子と接触するように構成されてもよい。例えば、前記接続端子部121は、前記電池セル110と電気的に接続されるよう前記に電極端子と溶接されてもよい。前記接続延長部122は、前記BMSモジュール140に接続するように前記接続端子部121から延びる部分であってもよい。前記接続延長部122の端部は、前記BMSモジュール140の接続端子(図示せず)と電気的に接続されてもよい。
【0033】
さらに、前記2つ以上の接続プレート120のうちの少なくとも1つは、電流が流れる方向に沿って互いに離間した少なくとも2つの貫通孔H1を備えていてもよい。例えば、前記少なくとも2つの接続プレート120のうち、電流の流れの最末端に位置する接続プレート120には、電流が流れる方向(Y軸方向)に互いに離間した少なくとも2つの貫通孔H1が形成されてもよい。この場合、電流が流れる方向に沿って互いに離間した少なくとも2つの前記貫通孔H1は、接続延長部122上に設けられてもよい。一方、前記電流が流れる方向は、前記接続プレート120が前記BMSモジュール140の接続端子と接続するために延びる方向であり得る。
【0034】
前記少なくとも2つの貫通孔H1のうちの隣り合う一対の貫通孔H1は、電流が流れる方向と略垂直な方向(X軸方向)に沿って離間してもよい。このような貫通孔H1の配置は、接続プレート120と後述する第1固定突起P1との結合において、第1固定突起P1による接続プレート120の支持をより安定させることができるようにする。
【0035】
また、前記セルフレーム130は、第1フレーム135及び第2フレーム136を含んでいてもよい。前記第1フレーム135及び前記第2フレーム136のそれぞれには、前記複数の電池セル110のそれぞれの少なくとも一部分を取り囲むように複数の中空Oが形成されてもよい。例えば、
図1に示すように、前記第1フレーム135には、5つの電池セル110の前部を取り囲むように5つの中空Oが形成されてもよい。前記第2フレーム136は、5つの電池セル110の後部を取り囲むように5つの中空(O)を形成することができる。前記セルフレーム130は、電気絶縁性材料を有していてもよい。例えば、前記セルフレーム130はポリ塩化ビニル(PVC)であってもよい。
【0036】
前記セルフレーム130は、前記外側に接続プレート120を搭載してもよい。例えば、
図2に示すように、6つの接続プレート120のうちの3つの接続プレート120を、前記第1フレーム135の前端及び上端に搭載してもよい。残りの3つの接続プレート120を、前記第2フレーム136の後端及び上端に搭載してもよい。
【0037】
さらに、前記セルフレーム130は、少なくとも2つの第1固定突起P1を備えていてもよい。前記少なくとも2つの第1固定突起P1は、前記接続プレート120の前記少なくとも2つの貫通孔H1のそれぞれを貫通するように構成されてもよい。前記第1固定突起P1は、前記セルフレーム130の外面から外部方向に突出した形状を有してもよい。前記少なくとも2つの第1固定突起P1は、前記接続プレート120の電流の流れ方向(Y方向)に互いに離間していてもよい。前記第1固定突起P1は、上方または前方に延びる円柱形状を有してもよい。ここで、「電流の流れ方向」は、例えば、前記接続プレート120が前記BMSモジュール140に向かって長く延びる方向と同じであってもよい。
【0038】
また、前記バッテリーパック100は、前後方向に配列された2つ以上のセルフレーム130を備えていてもよい。前記バッテリーパック100は、前記2つ以上のセルフレーム130の間に介在するように構成された電気絶縁性の絶縁シート150をさらに含んでいてもよい。前記絶縁シート150は、例えば、シリコーン材料を備えていてもよい。
【0039】
したがって、本発明のこのような構成によれば、電流が流れる方向(Y軸方向)に互いに離間した少なくとも2つの貫通孔H1が形成された接続プレート120を含むことにより、少なくとも2つの貫通孔H1の形成による電気抵抗の増加を最小限に抑えることができる。すなわち、本発明の接続プレート120は、電流が流れる方向(Y軸方向)に互いに離間した貫通孔H1を形成するため、従来技術の接続プレートに、Y軸方向に離間していない、すなわち、X軸方向に並んで位置する2つ以上の貫通孔が形成された場合、2つの貫通孔の位置する部分の断面積と比較すると、貫通孔H1が形成された部分の電流の流れの垂直な断面積(例えば、Y軸方向が電流の流れ方向である場合、X軸及びZ軸方向に切断された断面積)がより大きい。
【0040】
換言すると、本発明の接続プレート120は、Y軸方向に互いに離間した貫通孔H1が形成されるので、X軸方向に並んで2つの貫通孔H1が形成された場合と比較して、貫通孔H1が形成された位置のX軸方向とZ軸方向に切断された断面積が、より少なく減少する。
【0041】
これにより、本発明は、複数の貫通孔H1の形成による接続プレート120の電気抵抗の増加を最小限に抑えることができる。特に、本発明は、複数の接続プレート120のうち、電流の流れの最末端に位置する接続プレート120の電気抵抗を効果的に低減することにより、最大許容電流の制限を低減し、電気抵抗による発熱量を低減することができる。
【0042】
一方、
図1乃至
図3に戻ると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック100は、BMSモジュール140をさらに含む。ここで、BMSは、Battery Management System(バッテリー管理システム)の略である。すなわち、前記BMSモジュール140は、前記複数の電池セル110の充放電を制御するように構成されてもよい。前記BMSモジュール140は、印刷回路を有する保護回路基板141を備えていてもよい。
【0043】
一方、
図1乃至
図3を戻ると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック100のセルフレーム130は、少なくとも2つの第2固定突起P2をさらに備えていてもよい。前記第2固定突起P2は、外面から外部方向に突出した形状を有してもよい。前記第2固定突起P2は、上方または前方に延びる円柱形状を有してもよい。前記少なくとも2つの第2固定突起P2は、前記接続延長部122の左右方向の両端部のそれぞれを支持するように構成されてもよい。例えば、
図3に示すように、セルフレーム130の上部には上方に延びる2つの第2固定突起P2が設けられてもよい。前記2つの第2固定突起P2は、前記接続プレート120の接続延長部122の左右方向の両端部のそれぞれを前記接続延長部122に向かって支持するように位置してもよい。
【0044】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記接続プレート120の接続延長部122を支持するように構成された少なくとも2つの第2固定突起P2を備えることにより、前記接続延長部122が前記セルフレーム130の外面に安定して固定され得る。すなわち、前記接続延長部122は、前記少なくとも2つの第2固定突起P2によって左右方向の移動が制限され得る。これにより、本発明は、前記接続プレート120の接続延長部122と前記BMSモジュール140との電気的接続状態を安定的に維持することができる。
【0045】
図4は、本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの一部の構成要素の様子を概略的に示す部分側面図である。
【0046】
図4を参照すると、本発明の他の実施形態によるバッテリーパック100では、第1固定突起P1の形状は、
図3の第1固定突起P1と比較して異なっていてもよい。その他の構成は、
図3のバッテリーパック100の構成と同じであってもよい。
【0047】
図4の第1固定突起P1は、外部方向に傾斜して延びる形状を有してもよい。例えば、
図4に示すように、前記第1固定突起P1は前方に傾斜した形状を有してもよい。これにより、接続プレート120では、前記第1固定突起P1を前記貫通孔H1に斜め方向に挿入してもよい。前記第1固定突起P1が傾斜して延びた形状を有するため、前記接続プレート120の貫通孔H1に前記第1固定突起P1が挿入された後、外部衝撃や外力により前記第1固定突起P1が前記貫通孔H1から抜け出ることを防止することができる。すなわち、前記第1固定突起P1の傾斜部分は、前記接続プレート120の上面を下方向に支持することができる。
【0048】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記第1固定突起P1が外部方向に傾斜して延びる形状を有することにより、前記接続プレート120の貫通孔H1に前記第1固定突起P1が挿入された後、外部衝撃や外力により前記第1固定突起P1が前記貫通孔H1から抜け出ることを防止することができる。これにより、本発明は、前記第1固定突起P1によって前記接続延長部122を安定して固定することができ、その結果、前記接続延長部122の端部と前記BMSモジュール140の接続端子(図示せず)との間の電気的接続を安定して維持することができる。
【0049】
図5は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックの一部の構成要素の様子を概略的に示す部分側面図である。
【0050】
図5を参照すると、本発明の他の実施形態によるバッテリーパック100では、第1固定突起P1の形状は、
図3の第1固定突起P1と比較して異なっていてもよい。その他の構成は、
図3のバッテリーパック100の構成と同じであってもよい。
【0051】
すなわち、
図5の第1固定突起P1は、
図3の外部方向に突出した端部が所定の角度で折り曲げられた形状を有してもよい。例えば、
図5に示すように、前記第1固定突起P1の突出方向の端部は、垂直方向に対して約30度の角度で折り曲げられてもよい。また、前記第1固定突起P1は、前記接続プレート120の接続延長部122に形成された貫通孔H1に上端部が30度の角度で挿入された後、垂直方向に下降して挿入され得る。
【0052】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、所定の角度で折り曲げられた形状を有する第1固定突起P1を備えることにより、前記接続プレート120の接続延長部122が前記セルフレーム(130)の外面から脱離することを効果的に防止することができる。すなわち、前記第1固定突起P1が折り曲げ形状を有するため、前記接続延長部122の上方への移動を阻止することができる。これにより、本発明は、前記第1固定突起P1によって前記接続延長部122を安定して固定することができ、その結果、前記接続延長部122の端部と前記BMSモジュール140の接続端子(図示せず)との間の電気的接続を安定して維持することができる。
【0053】
一方、
図1乃至
図3に戻ると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック100のセルフレーム130は、BMS搭載部137を備えていてもよい。前記BMS搭載部137は、着座リブ131及び複数の固定タブ132を有していてもよい。前記着座リブ131は、前記BMSモジュール140の上面または下面を支持するように構成されてもよい。前記着座リブ131は、前記BMSモジュール140に向かって突出したリブ形状を有してもよい。すなわち、前記着座リブ131は、X軸方向に延びるプレート状とY軸方向に延びるプレート状とを有していてもよい。また、前記着座リブ131の上端は、前記BMSモジュール140の前記保護回路基板141の下面を上方向に支持することができる。
【0054】
また、前記複数の固定タブ132は、前記BMSモジュール140の両側部を支持するように外部方向に突出した形状を有してもよい。例えば、
図3に示すように、セルフレーム130の左端及び右端のそれぞれに複数の固定タブ132を形成してもよい。左端に形成された固定タブ132は、前記BMSモジュール140の左端を右方向に支持することができる。右端に形成された固定タブ132は、前記BMSモジュール140の右端を左方向に支持することができる。前記複数の固定タブ132は、前記着座リブ131の左端または右端から上方に延びる形状を有してもよい。
【0055】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、着座リブ131及び固定タブ132を有するBMS搭載部137を備えることにより、前記BMSモジュール140をバッテリーパック100の上部に安定して搭載できる。これにより、自動車等の移動手段にバッテリーパック100を搭載する場合、頻繁な振動や衝撃が発生することがあるが、本発明のバッテリーパック100では、BMSモジュール140を上部に構成して左右方向及び下方向への動きを制限することにより、BMSモジュール140の揺れにより接続プレート120との接続構造の断線を効果的に防止することができる。究極的には、本発明は、バッテリーパック100の耐久性を効果的に高めることができる。
【0056】
一方、
図1乃至
図3に戻ると、前記BMSモジュール140の保護回路基板141には、一端部から内部方向に凹んだ複数のスリットSが形成されてもよい。また、前記固定タブ132には、前記スリットSに挿入されるように、前記スリットSに向かって突出した結束リブ133が設けられていてもよい。前記結束リブ133は、上下方向に長く延びるように形成されてもよい。このとき、前記結束リブ133は、前記スリットSに挿入されるとともに前記スリットSの内側面を内側方向に付勢して前記保護回路基板141を固定することができる。すなわち、前記保護回路基板141が下方に移動すると伴い、前記結束リブ133が前記固定タブ132の前記スリットSに挿入されることになる。言い換えれば、前記固定タブ132の結束リブ133と前記保護回路基板141のスリットSとが結合することにより、前記BMSモジュール140を前記BMS搭載部137に固定することができる。すなわち、前記BMSモジュール140は、前記BMS搭載部137に搭載される場合、スリットSと結束リブ133との締結構造により、前記保護回路基板141の前後、上下、及び左右方向への動きを制限することができる。
【0057】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、保護回路基板141のスリットSと、固定タブ132に形成された結束リブ133とにより、前記BMSモジュール140をセルフレーム130に安定して固定することができる。したがって、本発明によれば、本発明のバッテリーパック100は、前記BMSモジュール140の動きを制限するように構成されるので、前記BMSモジュール140の揺れにより接続プレート120との接続構造の断線を効果的に防止することができる。究極的には、本発明は、バッテリーパック100の耐久性を効果的に高めることができる。
【0058】
本発明の一実施形態によるバッテリーパックの様子を概略的に示す正面図である。
【0059】
図6を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック100のセルフレーム130は、流通孔H2と、前記流通孔H2の内部に形成された強化リブ134とを備えていてもよい。前記流通孔H2は、前記複数の電池セル110間で空気が流れるように一部が穿孔していてもよい。例えば、
図6に示すように、前記流通孔H2は、前記セルフレーム130の前端から後端まで前後方向に穿孔して形成されてもよい。前記流通孔H2は、前記複数の電池セル110の間に位置してもよい。すなわち、前記流通孔H2は、前記複数の電池セル110から発生した熱を効果的に前後方向に移動させて外部に排出させるように構成されてもよい。
【0060】
前記強化リブ134は、前記セルフレーム130の機械的剛性を補強するように構成されてもよい。すなわち、前記セルフレーム130に多数の流通孔H2が形成されると、前記セルフレーム130の機械的剛性が低下する可能性があるので、これを補完するために、前記強化リブ134は、前記流通孔(H2)の内部を横切るように延設されてもよい。
【0061】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、セルフレーム130に流通孔H2を形成することにより、バッテリーパック100の冷却効率を効果的に高めることができる。また、本発明は、セルフレーム130に強化リブ134を設けることにより、セルフレーム130に流通孔H2を形成することによる機械的剛性の低下を効果的に低減することができる。
【0062】
一方、本発明の一実施形態による自動車(図示せず)は、少なくとも1つの前記バッテリーパック100および前記バッテリーパック100を収容する収容空間を有する車体を含んでいてもよい。例えば、前記自動車200は、電気自動車200、電動キックボード、電気スクーター、電気車椅子、電気バイクなどであってもよい。
【0063】
一方、本発明の一実施形態による電子デバイス(図示せず)は、少なくとも1つの前記バッテリーパック100前記バッテリーパック100を収容する収容空間を有する外装ハウジングを含んでいてもよい。例えば、前記電子デバイスは、UPS、無線コンピュータ、電力貯蔵装置などであってもよい。
【0064】
一方、この明細書においては、上、下、左、右、前、後などといったように、方向を示す用語が用いられているが、これらの用語は単なる説明のしやすさのためのものに過ぎず、対象となる物事の位置や観測者の位置などに応じて異なってくる可能性があるということは本発明の当業者にとって明らかである。
【0065】
以上、本発明については、たとえ限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術的な思想と後述する特許請求の範囲の均等な範囲内において様々な修正及び変形を加えることが可能であるということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0066】
100 バッテリーパック
110 電池セル、円筒形電池セル
111 電極端子、正極端子
112 負極端子
120 接続プレート
121 接続端子部
122 接続延長部
130 セルフレーム
131 着座リブ
132 固定タブ
133 結束リブ
134 強化リブ
135 第1フレーム
136 第2フレーム
137 BMS搭載部
140 BMSモジュール
141 保護回路基板
150 絶縁シート
200 電気自動車、自動車