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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20240702BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240702BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/42
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022578767
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 KR2022010778
(87)【国際公開番号】W WO2023018059
(87)【国際公開日】2023-02-16
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0106934
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0150849
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】リ、チョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ピョン ソン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0178090(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0022391(US,A1)
【文献】特表2012-533367(JP,A)
【文献】特開2018-051456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 11/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物質が保存される保存部と、
前記保存部に保存されたエアロゾル生成物質を吸収する液状伝達手段と、
超音波振動を発生させ、前記液状伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質をエアロゾルに霧化させる振動子を含む霧化器と、
前記振動子に供給される電力を制御するプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
所定の周波数を有するパルス信号による出力値を確認し、前記確認された出力値に基づいて動作周波数を設定し、
前記動作周波数は、
前記振動子を予熱させるための前記パルス信号の周波数である、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記動作周波数の設定のために、テスト用複数の周波数を有するパルス信号を出力し、
それぞれの出力値が臨界範囲内にあるか否かによって前記動作周波数を設定する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
所定サイズの周波数を出力し、前記振動子に供給される電力の出力値を確認し、
既保存の動作周波数に相応するターゲット出力値との前記確認された出力値を比較し、前記比較結果によって前記動作周波数を設定する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記設定された動作周波数に相応するパルス信号を出力する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記振動子の入力側の出力値を感知する感知回路をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記出力値は、
前記振動子の入力側で感知された電流値または電圧値である、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記感知された電流値または電圧値をデジタル値に変換し、
前記変換されたデジタル値と既保存の周波数別デジタル値とを比較して前記動作周波数を設定する、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記動作周波数は、2.7MHz~3.2MHz範囲内の値である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記振動子の振動周波数は、2.6MHz~3.1MHz範囲内の値である、請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
請求項1に記載のエアロゾル生成装置の制御方法において、
前記プロセッサにおいて、第1周波数に相応するパルス信号を出力する段階と、
前記振動子に供給される電力の出力値を確認する段階と、
前記出力値が既設定の臨界範囲内であるか否かを判断し、前記判断結果によって動作周波数を設定する段階と、を含み、
前記出力値が既設定の臨界範囲内である場合、前記動作周波数を設定し、
前記出力値が既設定の臨界範囲を外れる場合、前記第1周波数とは異なる第2周波数に変更し、前記振動子に供給される電力の出力値を確認する、制御方法。
【請求項11】
請求項1に記載のエアロゾル生成装置の制御方法において、
プロセッサにおいて、所定の周波数に相応するパルス信号を出力する段階と、
振動子に供給される電力の出力値を確認する段階と、
既保存の周波数別出力値テーブルを参照し、前記確認された出力値を比較する段階と、
前記比較結果によって前記動作周波数を設定する段階と、を含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置及びその制御方法に係り、さらに詳細には、超音波振動子を用いたエアロゾル生成装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットを燃焼させてエアロゾルを供給する方法を代替するための技術の需要が増加している。例えば、液体状態や固体状態のエアロゾル生成物質からエアロゾルを生成するか、液体状態のエアロゾル生成物質から蒸気を生成した後、生成した蒸気を固体状態の香媒体を通過させることで、香味を有するエアロゾルを供給するなどの方法に係わる研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存のエアロゾル生成装置は、ヒータを用いて液体状態または固体状態のエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを生成することが一般的であった。ユーザに優れた喫味感のエアロゾルを供給するには、エアロゾル生成物質を適正温度に加熱することが重要であるが、ヒータを用いるエアロゾル生成装置では、エアロゾル生成物質が意図せぬ高温に加熱され、ユーザが喫煙過程で焦げ味を感じる場合が発生してしまう問題があった。
【0004】
ヒータを用いるエアロゾル生成装置の問題点を克服するために超音波振動を用いてエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置が提案された。超音波振動を用いるエアロゾル生成装置は、振動子に交流電圧が印加されることにより、発生する熱を通じて液状のエアロゾル生成物質の粘度を低め、振動子で発生する超音波振動を介してエアロゾル生成物質を微粒子化してエアロゾルを生成することができる。
【0005】
超音波振動子には、最高の振動効率を発生させうる固有振動周波数があり、当該固有振動周波数に適した周波数を装置のシステムから出力せねばならない。しかし、超音波振動子を作製、生産するに当たって、誤差が存在するしかなく、システムでは同じ周波数を出力するために、超音波振動子の固有周波数とシステム周波数との差が生じ、これは、つまり、霧化量の低下及び超音波振動子の過熱につながる。
【0006】
本発明は、超音波振動子の作製上の誤差及びカートリッジ組立時に、超音波振動子を支持している弾性体によって存在する周波数偏差を補償することができるエアロゾル生成装置及びその制御方法を提供することで、上述した問題点を解決しようとする。
【0007】
本開示の実施形態を通じて解決しようとする課題が、上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係わるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質が保存される保存部;前記保存部に保存されたエアロゾル生成物質を吸収する液状伝達手段;超音波振動を発生させ、前記液状伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質をエアロゾルに霧化させる振動子を含む霧化器;及び前記振動子に供給される電力を制御するプロセッサを含み、
【0009】
前記プロセッサは、所定の周波数を有するパルス信号による出力値を感知し、前記感知された出力値に基づいて予熱のための動作周波数を設定する。
【0010】
前記動作周波数は、前記振動子を予熱させるための前記パルス信号の周波数でもある。
【0011】
前記プロセッサは、前記動作周波数の設定のために、テスト用複数の周波数を有するパルス信号を出力し、それぞれの出力値が臨界範囲内にあるか否かによって前記動作周波数を設定することができる。
【0012】
前記プロセッサは、所定サイズの周波数を出力し、前記振動子に供給される電力の出力値を確認し、既保存の動作周波数に相応するターゲット出力値との前記確認された出力値を比較し、前記比較結果によって前記動作周波数を設定することができる。
【0013】
前記プロセッサは、前記設定された動作周波数に相応するパルス信号を出力することができる。
【0014】
前記エアロゾル生成装置は、前記振動子の入力側の出力値を感知する感知回路をさらに含みうる。
【0015】
前記出力値は、前記振動子の入力側で感知された電流値または電圧値でもある。
【0016】
前記プロセッサは、前記感知された電流値または電圧値をデジタル値に変換し、前記変換されたデジタル値と既保存の周波数別デジタル値とを比較して前記動作周波数を設定する。
【0017】
前記動作周波数は、2.7MHz~3.2MHz範囲内の値でもある。
【0018】
前記振動子の振動周波数は、2.6MHz~3.1MHz範囲内の値でもある。
【0019】
他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置の制御方法は、前記プロセッサにおいて、第1周波数に相応するパルス信号を出力する段階;前記振動子に供給される電力の出力値を確認する段階;及び前記出力値が既設定の臨界範囲内であるか否かを判断し、前記判断結果によって動作周波数を設定する段階を含み、
【0020】
前記出力値が既設定の臨界範囲内である場合、前記動作周波数を設定し、前記出力値が既設定の臨界範囲を外れる場合、前記第1周波数とは異なる第2周波数に変更し、前記振動子に供給される電力の出力値を確認する。
【0021】
さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置の制御方法は、前記プロセッサにおいて、所定の周波数に相応するパルス信号を出力する段階;振動子に供給される電力の出力値を確認する段階;既保存の周波数別出力値テーブルを参照し、前記確認された出力値を比較する段階;及び前記比較結果によって前記動作周波数を設定する段階;を含む。
【発明の効果】
【0022】
上述した実施形態に係わるエアロゾル生成装置及びその制御方法は、超音波振動を発生させる振動子を用いてエアロゾル生成物質を微粒子化することで、ヒータの利用時に比べて、相対的に低い温度でエアロゾルを発生させ、その結果、ユーザの喫煙感を向上させうる。
【0023】
また、上述した実施形態に係わる超音波振動子の作製上の誤差及びカートリッジ組立時に超音波振動子を支持している弾性体によって存在する周波数偏差を補償することで、超音波振動子固有周波数とシステム周波数との差を最小化し、振動子効率を最適化することができる。
【0024】
また、振動子の周波数特性が変化しても、均一な霧化量をユーザに提供することができるので、ユーザの喫煙感を増進させうる。
【0025】
実施形態による効果が上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一実施形態に係わるエアロゾル生成装置のブロック図である。
図2図1に図示されたエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
図3】一実施形態に係わるカートリッジの斜視図である。
図4】一実施形態に係わるカートリッジの分解斜視図である。
図5】一実施形態に係わるエアロゾル生成装置の概略図である。
図6図5に図示されたプロセッサ550の概略図である。
図7】他の実施形態による超音波振動子の予熱前周波数キャリブレーション方法を説明するためのフローチャートである。
図8】他の実施形態による超音波振動子の予熱前周波数キャリブレーション方法を説明するためのフローチャートである。
図9】さらに他の実施形態による超音波振動子を用いたエアロゾル生成装置の制御方法の一例を示すフローチャートである。
図10図9で説明した超音波振動子に供給される電力の制御方式を図式的に示すグラフである。
図11】さらに他の実施形態による超音波振動子を用いたエアロゾル生成装置の制御方法の他の一例を示すフローチャートである。
図12】パフモードで動作する超音波振動子の時間対比電力について図式的に示すグラフである。
図13】パフハイステートでイベントが発生する場合を示すグラフである。
図14】パフローステートでイベントが発生する場合を示すグラフである。
図15】さらに他の実施形態による超音波振動子を用いたエアロゾル生成装置の制御方法のさらに他の一例を示すフローチャートである。
図16】予熱モードが省略された時間と電力対比グラフを図式的に示す図面である。
図17】さらに他の実施形態による超音波振動子を用いたエアロゾル生成装置の制御方法のさらに他の一例を示すフローチャートである。
図18図17で説明したパフ待機ヒート回数を図式的に説明するグラフである。
図19】パフハイ時間が0に設定された時、超音波振動子に供給される時間対比電力を示すグラフである。
図20】さらに他の実施形態による超音波振動子を用いたエアロゾル生成装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明において使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。
【0028】
本開示において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、本開示に記載された「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0029】
本開示で使用されたように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくともいずれか1つ」という表現は、a、b、c、または、aとb、aとc、bとc、または、aとbとcを含むと解釈せねばならない。
【0030】
本開示において「エアロゾル(aerosol)」は、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態の気体を意味する。
【0031】
また、本開示において「エアロゾル生成装置」は、ユーザの口を介してユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生させるために、エアロゾル生成物質を用いてエアロゾルを生成する装置でもある。
【0032】
本開示において「パフ(puff)」は、ユーザの吸入を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を介してユーザの口腔内、鼻腔内または肺への吸入状況を意味する。
【0033】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本開示は、様々な互いに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0034】
図1は、一実施形態に係わるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【0035】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1000は、バッテリ510、霧化器400、センサ520、ユーザインターフェース530、メモリ540及びプロセッサ550を含む。しかし、エアロゾル生成装置1000の内部構造は、図1に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置1000の設計によって、図1に図示されたハードウェア構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されるということを、本実施形態に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解するであろう。
【0036】
一例として、エアロゾル生成装置1000は、本体を含み、その場合、エアロゾル生成装置1000に含まれたハードウェア要素は、本体に位置する。
【0037】
他の実施形態として、エアロゾル生成装置1000は、本体及びカートリッジを含み、エアロゾル生成装置1000に含まれたハードウェア要素は、本体及びカートリッジに分けられて位置する。または、エアロゾル生成装置1000に含まれたハードウェア要素のうち、少なくとも一部は、本体及びカートリッジそれぞれに位置してもよい。
【0038】
以下、エアロゾル生成装置1000に含まれた各要素が位置する空間を限定せず、各要素の動作について説明する。
【0039】
霧化器400は、プロセッサ550の制御によってバッテリ510から電力を供給される。霧化器400は、バッテリ510から電力を供給されてエアロゾル生成装置1000に保存されたエアロゾル生成物質を霧化させうる。
【0040】
霧化器400は、エアロゾル生成装置1000の本体に位置する。または、エアロゾル生成装置1000が本体及びカートリッジを含む場合、霧化器400は、カートリッジに位置するか、本体及びカートリッジに分けられて位置する。霧化器400がカートリッジに位置する場合、霧化器400は、本体及びカートリッジのうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ510から電力を供給されうる。また、霧化器400が本体及びカートリッジに分けられて位置する場合、霧化器400で電力供給が必要な部品は、本体及びカートリッジのうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ510から電力を供給されうる。
【0041】
霧化器400は、カートリッジ内部のエアロゾル生成物質からエアロゾル(aerosol)を発生させる。エアロゾルは、気体中に液体及び/または固体微粒子が分散されている浮遊物を意味する。したがって、霧化器400から発生するエアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態を意味する。例えば、霧化器400は、エアロゾル生成物質の相(phase)を気化及び/または昇華を通じて気相に変換させうる。また霧化器400は、液体及び/または固相のエアロゾル生成物質を微粒子化して放出することで、エアロゾルを生成する。
【0042】
例えば、霧化器400は、超音波振動方式を用いることで、エアロゾル生成物質からエアロゾルを発生させうる。超音波振動方式は、振動子によって発生する超音波振動でエアロゾル生成物質を霧化させることにより、エアロゾルを発生させる方式を意味する。
【0043】
図1に図示されていないが、霧化器400は、熱を発生させることで、エアロゾル生成物質を加熱するヒータを選択的に含む。エアロゾル生成物質は、ヒータによって加熱され、その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0044】
ヒータは、任意の適した電気抵抗性物質によって形成されうる。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータは、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによっても具現されるが、それらに制限されない。
【0045】
例えば、一実施形態において、ヒータは、カートリッジ2000の一部でもある。またカートリッジ2000は、後述する液体伝達手段及び液体保存部を含む。液体保存部に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に移動し、ヒータは、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータは、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0046】
他の例として、エアロゾル生成装置1000は、シガレットを収容する収容空間を含み、ヒータは、エアロゾル生成装置1000の収容空間に挿入されたシガレットを加熱しうる。エアロゾル生成装置1000の収容空間にシガレットが収容されることにより、ヒータは、シガレットの内部及び/または外部に位置する。これにより、ヒータは、シガレット内のエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。
【0047】
一方、ヒータは、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータは、シガレットまたはカートリッジを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットまたはカートリッジには、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタが含まれる。
【0048】
バッテリ510は、エアロゾル生成装置1000の動作に用いられる電力を供給する。すなわち、バッテリ510は、霧化器400がエアロゾル生成物質を霧化させるように電力を供給する。またバッテリ510は、エアロゾル生成装置1000内に備えられた他のハードウェア要素、すなわち、センサ520、ユーザインターフェース530、メモリ540及びプロセッサ550の動作に必要な電力を供給する。バッテリ510は、充電可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリである。
【0049】
例えば、バッテリ510は、ニッケル系バッテリ(例えば、ニッケル金属ハイドライドバッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ)、または、リチウム系バッテリ(例えば、リチウムコバルトバッテリ、リン酸鉄リチウムバッテリ、チタン酸リチウムバッテリ、リチウムイオンバッテリまたはリチウムポリマーバッテリ)を含む。但し、エアロゾル生成装置1000に使用されるバッテリ510の種類は、上述したところによって制限されない。必要によって、バッテリ510は、アルカリバッテリまたはマンガンバッテリを含む。
【0050】
エアロゾル生成装置1000は、少なくとも1つのセンサ520を含む。少なくとも1つのセンサ520でセンシングされた結果は、プロセッサ550に伝達され、センシング結果によってプロセッサ550は、霧化器400の動作制御、喫煙の制限、カートリッジ(または、シガレット)挿入有/無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるようにエアロゾル生成装置1000を制御する。
【0051】
例えば、少なくとも1つのセンサ520は、パフ感知センサを含んでもよい。パフ感知センサは、外部から流入される気流の流量(flow)変化、圧力変化、及び音の検出のうち、少なくとも1つに基づいてユーザのパフを感知する。パフ感知センサは、ユーザのパフの開始タイミング及び終了タイミングを検出し、プロセッサ550は、検出されたパフの開始タイミング及び終了タイミングによってパフ期間(puff period)及び非パフ(non-puff)期間を判断する。
【0052】
また、少なくとも1つのセンサ520は、ユーザ入力センサを含む。ユーザ入力センサは、スイッチ、物理的ボタン、タッチセンサのようにユーザの入力を受信するセンサでもある。例えば、タッチセンサは、ユーザが金属材質によって形成された所定の領域をタッチする場合、キャパシタンス(capacitance)の変化が発生し、キャパシタンスの変化を検出することで、ユーザの入力を感知する静電容量型センサでもある。プロセッサ550は、静電容量型センサから受信したキャパシタンスの変化の前後値を比較することにより、ユーザの入力が発生したか否かを決定する。キャパシタンス変化の前後値が既設定のしきい値を超過した場合、プロセッサ550は、ユーザの入力が発生したと決定する。
【0053】
また、少なくとも1つのセンサ520は、モーションセンサを含む。モーションセンサを介してエアロゾル生成装置1000の傾度、移動速度及び加速度のようなエアロゾル生成装置1000の動きに係わる情報を獲得する。例えば、モーションセンサは、エアロゾル生成装置1000が動く状態、エアロゾル生成装置1000の停止状態、パフのためにエアロゾル生成装置1000が所定範囲内の角度で傾いた状態及び各パフ動作の間でパフ動作時とは異なる角度でエアロゾル生成装置1000が傾いた状態に係わる情報を測定する。モーションセンサは、当該技術分野で知られた多様な方法を用いてエアロゾル生成装置1000の運動情報を測定する。例えば、モーションセンサは、x軸、y軸及びz軸3方向の加速度を測定する加速度センサ及び3方向の角速度を測定するジャイロセンサを含みうる。
【0054】
また、少なくとも1つのセンサ520は、近接センサを含む。近接センサは、接近する物体、あるいは近傍に存在する物体の有無または距離を電磁界の力または赤外線などを用いて機械的接触なしに検出するセンサを意味し、それを介してエアロゾル生成装置1000にユーザの接近有無を検出することができる。
【0055】
また、少なくとも1つのセンサ520は、イメージセンサを含む。イメージセンサは、例えば、物体のイメージを獲得するためのカメラを含む。イメージセンサは、カメラによって獲得されたイメージに基づいて物体を認識する。プロセッサ550は、イメージセンサを介して獲得されたイメージを分析してユーザがエアロゾル生成装置1000を使用するための状況であるか否かを決定する。例えば、ユーザがエアロゾル生成装置1000を使用するために、エアロゾル生成装置1000を唇あたりに接近させるとき、イメージセンサは、唇のイメージを獲得する。プロセッサ550は、獲得されたイメージを分析し、唇と判断される場合、ユーザがエアロゾル生成装置1000を使用するための状況であるということを決定する。これにより、エアロゾル生成装置1000は、霧化器400を予め動作させるか、ヒータを予熱させうる。
【0056】
また、少なくとも1つのセンサ520は、エアロゾル生成装置1000に使用される消耗品(例えば、カートリッジ、シガレットなど)の装着または脱去を感知する消耗品脱着センサを含みうる。例えば、消耗品脱着センサは、消耗品がエアロゾル生成装置1000に接触したか否かを感知するか、イメージセンサによって消耗品が脱着されるか否かを判断する。また、消耗品脱着センサは、消耗品のマーカーと相互作用するコイルのインダクタンス値の変化を感知するインダクタンスセンサであるか、消耗品のマーカーと相互作用するキャパシタのキャパシタンス値の変化を感知するキャパシタンスセンサでもある。
【0057】
また、少なくとも1つのセンサ520は、温度センサを含む。温度センサは、霧化器400のヒータ(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知する。エアロゾル生成装置1000は、ヒータの温度を感知する別途の温度センサを含むか、別途の温度センサを含む代わりに、ヒータ自体が温度センサの役割を遂行することができる。または、ヒータが温度センサの役割を遂行すると共に、エアロゾル生成装置1000に別途の温度センサがさらに含まれうる。また、温度センサは、ヒータだけではなく、エアロゾル生成装置1000の印刷回路基板(PCB)、バッテリのような内部部品の温度を感知しうる。
【0058】
また、少なくとも1つのセンサ520は、エアロゾル生成装置1000の周辺環境の情報を測定する多様なセンサを含む。例えば、少なくとも1つのセンサ520は、周辺環境の温度を測定する温度センサ、周辺環境の湿度を測定する湿度センサ、周辺環境の圧力を測定する大気圧センサなどを含む。
【0059】
エアロゾル生成装置1000に備えられるセンサ520は、上述した種類に限定されず、多様なセンサをさらに含む。例えば、エアロゾル生成装置1000は、ユーザ認証及び保安のためにユーザの指から指紋情報を獲得する指紋センサ、瞳の虹彩パターンを分析する虹彩認識センサ、手の平を撮影したイメージから静脈内還元ヘモグロビンの赤外線の吸収量を感知する静脈認識センサ、目、鼻、口及び顔面輪郭などの特徴点を2Dまたは3D方式で認識する顔面認識センサ及びRFID(Radio-Frequency Identification)センサなどを含みうる。
【0060】
エアロゾル生成装置1000には、前記例示された多様なセンサ520の例示のうち、一部だけが取捨選択されて具現されうる。すなわち、エアロゾル生成装置1000は、前述したセンサのうち、少なくとも1つ以上のセンサでセンシングされる情報を組み合わせて活用することができる。
【0061】
ユーザインターフェース530は、ユーザにエアロゾル生成装置1000の状態についての情報を提供する。ユーザインターフェース530は、時刻情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信をするか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI,WI-FI Direct,Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を遂行するための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含みうる。
【0062】
但し、エアロゾル生成装置1000には、前記例示された多様なユーザインターフェース530例示のうち、一部のみが取捨選択されて具現されうる。
【0063】
メモリ540は、エアロゾル生成装置1000内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ540は、プロセッサ550で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ540は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によって具現されうる。
【0064】
メモリ540には、エアロゾル生成装置1000の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0065】
プロセッサ550は、エアロゾル生成装置1000の全般的な動作を制御する。プロセッサ550は、多数の論理ゲートのアレイとしても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、プロセッサ550が他の形態のハードウェアとしても具現されるということを、当該実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0066】
プロセッサ550は、少なくとも1つのセンサ520によってセンシングされた結果を分析し、後続して行われる処理を制御する。
【0067】
プロセッサ550は、少なくとも1つのセンサ520によってセンシングされた結果に基づいて、霧化器400の動作が開始または終了するように、霧化器400に供給される電力を制御する。また、プロセッサ550は、少なくとも1つのセンサ520によってセンシングされた結果に基づいて、霧化器400が適量のエアロゾルを発生させるように霧化器400に供給される電力量及び電力供給時間を制御する。例えば、プロセッサ550は、霧化器400の振動子が所定の周波数で振動するように振動子に供給される電流または電圧を制御する。
【0068】
一実施形態においてプロセッサ550は、エアロゾル生成装置1000に対するユーザ入力を受信した後、霧化器400の動作を開始する。またプロセッサ550は、パフ感知センサを利用し、ユーザのパフを感知した後、霧化器400の動作を開始する。また、プロセッサ550は、パフ感知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、霧化器400に電力供給を中断させうる。
【0069】
プロセッサ550は、少なくとも1つのセンサ520によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース530を制御する。例えば、パフ感知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、プロセッサ550は、ランプ、モータ及びスピーカのうち、少なくともいずれか1つを利用し、ユーザにエアロゾル生成装置1000が直ぐ終了するということを予告する。
【0070】
一方、図1には図示されていないが、エアロゾル生成装置1000は、別途のクレードルと共に、エアロゾル生成システムに含まれうる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1000のバッテリ510を充電するのに用いられる。例えば、エアロゾル生成装置1000は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給されてエアロゾル生成装置1000のバッテリ510を充電することができる。
【0071】
図2は、一実施形態に係わるエアロゾル生成装置を概略的に示す図面である。
【0072】
図2に図示されたエアロゾル生成装置1000の構成要素のうち、少なくとも1つは、図1に図示されたエアロゾル生成装置1000の構成要素のうち、少なくとも1つと同一または類似しており、以下、重複説明は省略する。
【0073】
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置1000は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ10及びカートリッジ10を支持する本体20を含む。
【0074】
カートリッジ10は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体20に結合する。一例において、カートリッジ10の少なくとも一部が本体20に挿入されることで、カートリッジ10と本体20とが結合されうる。他の例として、本体20の少なくとも一部がカートリッジ10に挿入されることで、カートリッジ10と本体20とが結合されうる。
【0075】
カートリッジ10と本体20は、スナップフィット(snap-fit)方式、螺合方式、磁力結合方式または嵌合方式のうち、少なくとも1つの方式によって結合されうるが、カートリッジ10と本体20との結合方式が上述した例示に限定されるものではない。
【0076】
一実施形態によれば、カートリッジ10は、ハウジング100、マウスピース160、貯蔵槽200、液体伝達手段300、霧化器400及び印刷回路基板500を含む。
【0077】
ハウジング100は、マウスピース160とともにカートリッジ10の全体的な外観を形成し、ハウジング100の内部には、カートリッジ10の作動のための構成要素が配置されうる。一実施形態において、ハウジング100の直方体状に形成されうるが、ハウジング100の形状が上述した実施形態に限定されるものではない。実施形態によって、ハウジング100は、多角柱状(例えば、三角柱状、五角柱状)または円柱状にも形成される。
【0078】
マウスピース160は、ハウジング100の一領域に配置され、エアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出するための排出口160eを含む。一実施形態において、マウスピース160は、本体20と結合されるカートリッジ10の一領域と反対方向に位置した他の領域に配置され、ユーザは、マウスピース160に口腔を接触して吸い込むことで、カートリッジ10からエアロゾルを供給されうる。
【0079】
ユーザの吸入または、パフ動作によってカートリッジ10の外部とカートリッジ10の内部との圧力差が発生し、カートリッジ10の内部と外部との圧力差によってカートリッジ10の内部で生成されたエアロゾルが排出口160eを介してカートリッジ10の外部に排出されうる。すなわち、ユーザは、マウスピース160に口腔を接触して吸い込むことで、排出口160eを介してカートリッジ10の外部に排出されるエアロゾル(aerosol)を供給されうる。
【0080】
貯蔵槽200は、ハウジング100の内部空間に位置し、エアロゾル生成物質を収容する。本発明において「貯蔵槽がエアロゾル生成物質を収容する」という表現は、貯蔵槽200が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単に入れる機能を遂行することと、貯蔵槽200の内部に、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布地や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する要素を含むことを意味する。また、上述した表現は、以下でも同じ意味として使用されうる。
【0081】
貯蔵槽200には、例えば、液体状態や、固体状態や、気体状態や、ゲル(gel)状態のうち、いずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質が収容されうる。
【0082】
一実施形態において、エアロゾル生成物質は、液状組成物を含む。液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0083】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうち、いずれか1つの成分や、これら成分の混合物を含む。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されない。
【0084】
香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含む。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されない。また液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含む。
【0085】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含む。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有する。
【0086】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置1000の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または前記群から選択される2以上の酸の混合でもあるが、それらに限定されない。
【0087】
霧化器400は、ハウジング100の内部に位置し、カートリッジ10の内部に保存されたエアロゾル生成物質の相(phase)を変換してエアロゾル(aerosol)を発生させうる。
【0088】
一例示において、貯蔵槽200に保存または収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段300を通じて貯蔵槽200から霧化器400に供給され、霧化器400は、液体伝達手段300から供給されたエアロゾル生成物質を霧化させてエアロゾルを生成する。この際、液体伝達手段300は、綿纎維、セラミック纎維、ガラスファイバ、多孔性セラミックの少なくとも1つを含む芯(wick)でもあるが、液体伝達手段300が上述した実施形態に限定されるものではない。
【0089】
一実施形態によれば、エアロゾル生成装置1000の霧化器400は、超音波振動でエアロゾル生成物質を霧化させる超音波振動方式を用いることで、エアロゾル生成物質の相を変換することができる。
【0090】
例えば、霧化器400は、短周期の振動を発生させる振動子を含み、振動子から生成される振動は、超音波振動でもある。超音波振動の周波数は、約100kHz~3.5MHzでもあるが、それに限定されるものではない。
【0091】
振動子から生成された短周期の振動によって貯蔵槽200から霧化器400に供給されたエアロゾル生成物質は、気化及び/または粒子化されてエアロゾルに霧化されうる。
【0092】
振動子は、例えば、圧電セラミックを含み、圧電セラミックは、物理的な力(圧力)によって電気(電圧)を発生させ、逆に電気が印加されるとき、振動(機械的な力)を発生させることで、電気と機械的な力を互いに変換させうる機能性材料でもある。すなわち、振動子に電気が印加されることにより、短周期の振動(物理的な力)が発生し、発生した振動は、エアロゾル生成物質を微粒子化してエアロゾルに霧化させうる。
【0093】
振動子は、電気的連結部材を介してエアロゾル生成装置1000の他の構成要素と電気的に連結されうる。
【0094】
一実施形態によれば、振動子は、カートリッジ10のハウジング100内部に位置する印刷回路基板500を介して本体20のバッテリ510(例えば、図1のバッテリ510)、プロセッサ550(例えば、図1のプロセッサ550)及びエアロゾル生成装置1000の駆動回路のうち、少なくとも1つと電気的に連結されうる。例えば、振動子は、第1電気的連結部材を介してカートリッジ10の内部に位置する印刷回路基板500と電気的に連結され、印刷回路基板500は、第2電気的連結部材を介して本体20のバッテリ510、プロセッサ550及び/または他の駆動回路と電気的に連結されうる。すなわち、振動子は、印刷回路基板500を媒介として本体20の構成要素と電気的に連結されうる。
【0095】
他の実施形態(図示せず)によれば、振動子は、印刷回路基板500を媒介とせず、本体20のバッテリ510、プロセッサ550及びエアロゾル生成装置1000の駆動回路のうち、少なくとも1つと直接的に連結されうる。
【0096】
振動子は、電気的連結部材を介して本体20のバッテリ510から電流または電圧を供給されて超音波振動を発生させうる。また、振動子は、電気的連結部材を介して本体20のプロセッサ550と電気的に連結され、プロセッサ550は、振動子の作動を制御する。
【0097】
電気的連結部材は、例えば、ポゴピン(PogoPin)、ワイヤ(wire)、ケーブル、軟性印刷回路基板(FPCB: flexible printed circuit board)及びC-クリップのうち、少なくとも1つを含むが、電気的連結部材が上述した例示に限定されるものではない。
【0098】
他の実施形態(図示せず)において、霧化器400は、別途の液体伝達手段300を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持する機能と、エアロゾル生成物質に振動を伝達してエアロゾルを発生させる機能をいずれも遂行するメッシュ状(mesh shape)や板状(plate shape)の振動収容部によっても具現される。
【0099】
霧化器400によって生成されたエアロゾルは、排出通路150を介してカートリッジ10の外部に排出されてユーザに供給されうる。
【0100】
一実施形態によれば、排出通路150は、カートリッジ10の内部に位置し、霧化器400及びマウスピース160の排出口160eと連結または連通することができる。これにより、霧化器400で発生したエアロゾルは、排出通路150に沿って流動し、排出口160eを介してカートリッジ10またはエアロゾル生成装置1000の外部に排出されうる。ユーザは、マウスピース160に口腔を接触し、排出口160eから排出されるエアロゾルを吸い込むことで、エアロゾルを供給されうる。
【0101】
一例示において、排出通路150は、ハウジング100の内部で貯蔵槽200によって外周面が取り囲まれるように配置されうるが、排出通路150の配置位置が上述した例示に限定されるものではない。
【0102】
図面上に図示されていないが、カートリッジ10は、カートリッジ10またはエアロゾル生成装置1000の外部の空気(以下、外部空気と称する)がハウジング100の内部に流入されるための少なくとも1つの空気流入通路を含んでもよい。
【0103】
外部空気は、少なくとも1つの空気流入通路を介してカートリッジ10の内部の排出通路150または霧化器400によってエアロゾルが発生する空間に流入されうる。流入された外部空気は、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と混合し、その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0104】
一実施形態によれば、エアロゾル生成装置1000のカートリッジ10及び/または本体20の長手方向を横切る方向での断面形状は、円形、楕円形、正方形、長方形または様々な形態の多角形の断面形状でもある。但し、カートリッジ10及び/または本体20の断面の形状が上述した形状に限定されるか、エアロゾル生成装置1000が長手方向に延びるとき、必ずしも直線的に延びる構造によって形成されねばならないものではない。
【0105】
他の実施形態において、エアロゾル生成装置1000の断面形状は、ユーザが手に取りやすく流線形に湾曲されるか、特定領域で既設定の角度で折り曲げられ、長く延び、エアロゾル生成装置1000の断面形状は、長手方向に沿って変化しうる。
【0106】
図3は、一実施形態に係わるカートリッジの斜視図であり、図4は、一実施形態に係わるカートリッジの分解斜視図である。
【0107】
図3及び図4に図示された実施形態に係わるカートリッジ10は、図2に図示されたエアロゾル生成装置1000のカートリッジ10の一実施形態であり、以下、重複説明は省略する。
【0108】
図3及び図4を参照すれば、一実施形態に係わるカートリッジ10は、ハウジング100、排出通路150、マウスピース160、貯蔵槽200、液体伝達手段300、霧化器400及び印刷回路基板500を含む。一実施形態に係わるカートリッジ10の構成要素が上述した例示に限定されるものではなく、実施形態によっていずれか1つの構成が追加されるか、いずれか1つの構成(例えば、マウスピース160)が省略されうる。
【0109】
ハウジング100は、カートリッジ10の全体的な外観を形成しながら、内部にカートリッジ10の構成要素が配置される内部空間を形成する。図面上には、カートリッジ10のハウジング100が全体として四角柱状である実施形態についてのみ図示されているが、それに限定されるものではない。他の実施形態(図示せず)において、ハウジング100は、全体として円柱状に形成されるか、四角柱状ではない他の多角柱状(例えば、三角柱状、五角柱状)にも形成される。
【0110】
一実施形態によれば、ハウジング100は、第1ハウジング110及び第1ハウジング110の一領域に連結される第2ハウジング120を含み、第1ハウジング110と第2ハウジング120は、第1ハウジング110及び第2ハウジング120の結合によって形成される内部空間に配置されるカートリッジ10の構成要素を保護することができる。
【0111】
例えば、第1ハウジング110(または「上部ハウジング」)が第2ハウジング120(または「下部ハウジング」)の上端(例えば、z方向)に位置した一領域に結合され、第1ハウジング110と第2ハウジング120との間には、カートリッジ10の構成要素が配置される内部空間が形成されうるが、それに限定されるものではない。
【0112】
本開示において「上端」は、図3及び図4の「z」方向を意味し、「下端」は、上端と反対方向に向かう図3及び図4の「-z」方向を意味し、当該表現は、以下でも同じ意味として使用されうる。
【0113】
マウスピース160は、ユーザの口腔に挿入される部分であり、ハウジング100の一領域に連結されうる。例えば、マウスピース160は、第1ハウジング110の第2ハウジング120と連結される一領域と反対方向に位置した他の領域(例えば、第1ハウジング110の上端領域)に連結されうる。
【0114】
一実施形態において、マウスピース160は、ハウジング100の一領域に着脱自在に結合されうるが、実施形態によってマウスピース160は、ハウジング100と一体に形成されうる。
【0115】
マウスピース160は、カートリッジ10の内部で生成されたエアロゾルをカートリッジ10の外部に排出するための少なくとも1つの排出口160eを含む。ユーザは、マウスピース160に口腔を接触し、マウスピース160の排出口160eを介して外部に排出されるエアロゾルを供給されうる。
【0116】
貯蔵槽200は、第1ハウジング110の内部空間に配置され、貯蔵槽200の内部には、エアロゾル生成物質が保存されうる。例えば、貯蔵槽200には、液状のエアロゾル生成物質が保存されうるが、それに限定されるものではない。
【0117】
液体伝達手段300は、貯蔵槽200と霧化器400との間に位置し、貯蔵槽200に保存されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段300を通じて霧化器400に供給されうる。
【0118】
一実施形態によれば、液体伝達手段300は、貯蔵槽200からエアロゾル生成物質を供給され、供給されたエアロゾル生成物質を霧化器400に伝達する役割を遂行する。例えば、液体伝達手段300は、貯蔵槽200から液体伝達手段300方向に移動するエアロゾル生成物質を吸収し、吸収されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段300に沿って移動して霧化器400に供給されうる。
【0119】
一実施形態によれば、液体伝達手段300は、複数の液体伝達手段を含む。例えば、液体伝達手段300は、第1液体伝達手段310及び第2液体伝達手段320を含む。
【0120】
第1液体伝達手段310は、貯蔵槽200と隣接して配置され、貯蔵槽200から液状のエアロゾル生成物質を供給されうる。例えば、第1液体伝達手段310は、貯蔵槽200から排出されるエアロゾル生成物質の少なくとも一部を吸収することで、貯蔵槽200からエアロゾル生成物質を供給されうる。
【0121】
例えば、貯蔵槽200に保存されたエアロゾル生成物質は、貯蔵槽200の第1液体伝達手段310に向かう一領域に形成される液状供給孔(図示せず)を通じて貯蔵槽200の外部に排出されうるが、それに限定されるものではない。
【0122】
第2液体伝達手段320は、第1液体伝達手段310と霧化器400との間に位置し、第1液体伝達手段310に供給されたエアロゾルを霧化器400に伝達する。例えば、第2液体伝達手段320は、第1液体伝達手段310の下端(例えば、-z方向)に位置し、第1液体伝達手段310に吸収されたエアロゾル生成物質を霧化器400に供給する。
【0123】
一実施形態において、第2液体伝達手段320の一領域は、第1液体伝達手段310の-z方向に向かう一領域と接触し、第2液体伝達手段320の他の領域は、霧化器400のz方向に向かう一領域と接触する。
【0124】
すなわち、霧化器400、第2液体伝達手段320及び第1液体伝達手段310は、カートリッジ10またはハウジング100の長手方向(例えば、z方向)に沿って順次に配置され、その結果、霧化器400上に第2液体伝達手段320、第1液体伝達手段310が順に積層されうる。
【0125】
上述した配置構造を通じて貯蔵槽200から第1液体伝達手段310に供給されたエアロゾル生成物質の少なくとも一部は、第1液体伝達手段310と接触する第2液体伝達手段320に移動する。また、第2液体伝達手段320に移動したエアロゾル生成物質は、第2液体伝達手段320に沿って移動して第2液体伝達手段320と接触した霧化器400に到逹する。
【0126】
図面上には、液体伝達手段300が2個の液体伝達手段を含む実施形態についてのみ図示されているが、実施形態によって液体伝達手段300は、1つの液体伝達手段を含むか、3個以上の液体伝達手段を含みうる。
【0127】
霧化器400は、液体伝達手段300から供給される液状のエアロゾル生成物質を霧化させてエアロゾルを生成する。
【0128】
例えば、霧化器400は、超音波振動を発生させる振動子を含む。振動子で発生する超音波振動の周波数は、約100kHz~10MHzでもあり、望ましくは、約100kHz~3.5MHzでもある。振動子が上述した周波数帯域の超音波振動を発生させることにより、振動子は、カートリッジ10またはハウジング100の長手方向(例えば、z方向または-z方向)に沿って振動する。しかし、実施形態は、振動子が振動する方向によって制限されず、振動子の振動方向は、多様な方向(例えば、z及び-z方向、x及び-x方向、y及び-y方向のいずれか1つまたはこれら方向の組合わせ)に変更されうる。
【0129】
霧化器400は、超音波方式でエアロゾル生成物質を霧化させることにより、エアロゾル生成物質を加熱する方式に比べて相対的に低い温度でエアロゾルを生成する。例えば、ヒータを用いてエアロゾル生成物質を加熱する方式の場合、エアロゾル生成物質が意図せぬ200℃以上の温度に加熱される状況が発生し、ユーザがエアロゾルから焦げ味を感じることにもなる。
【0130】
一方、一実施形態に係わるカートリッジ10は、超音波方式でエアロゾル生成物質を霧化させることで、ヒータ加熱時に比べて低い温度である約100℃~160℃の温度範囲でエアロゾルを生成しうる。これにより、カートリッジ10は、エアロゾルから焦げ味がすることを最小化させ、ユーザの喫煙感を向上させうる。
【0131】
本開示において「喫煙感」は、喫煙過程で感じるユーザの感覚を意味し、当該表現は、以下でも同じ意味として使用されうる。
【0132】
霧化器400は、印刷回路基板500を通じて外部電源(例えば、図2の本体20の内部に位置するバッテリ510)と電気的に連結され、外部電源から供給される電力により、超音波振動を発生させうる。例えば、霧化器400は、カートリッジ10の内部に位置する印刷回路基板500と電気的に連結され、印刷回路基板500は、カートリッジ10の外部の電源と電気的に連結されることにより、霧化器400が外部電源から電力を供給されうる。
【0133】
一実施形態によれば、霧化器400は、第1導電体410及び第2導電体420を通じて印刷回路基板500と電気的に連結されうる。
【0134】
一実施形態において、第1導電体410は、導電性を有する材料(例えば、金属)を含み、霧化器400の上端に位置して霧化器400と印刷回路基板500を電気的に連結することができる。
【0135】
例えば、第1導電体410の一部(例えば、上端部分)は、霧化器400の外周面の少なくとも一領域を取り囲むように配置されて霧化器400と接触し、第1導電体410の他の部分(例えば、下端部分)は、一部において印刷回路基板500に向かう方向に延びるように形成されて印刷回路基板500の一領域と接触する。第1導電体410の上述した接触構造によって霧化器400と印刷回路基板500は、電気的に連結されうる。
【0136】
一例示において、第1導電体410の一部には、開口410h(opening)が形成され、霧化器400の少なくとも一部は、第1導電体410の外部に露出されうる。第1導電体410の開口410hを介して第1導電体410の外部に露出される霧化器400の一領域は、第2液体伝達手段320と接触して第2液体伝達手段320からエアロゾル生成物質を供給されうる。
【0137】
一実施形態において、第2導電体420は、導電性を有する材料を含み、霧化器400の下端または霧化器400と印刷回路基板500との間に位置し、霧化器400と印刷回路基板500とを電気的に連結することができる。例えば、第2導電体420は、一端が霧化器400の下端領域と接触し、他端は、印刷回路基板500の霧化器400に向かう一領域に接触することにより、霧化器400と印刷回路基板500とが電気的に連結されうる。
【0138】
一実施形態によれば、第2導電体420は、弾性を有する導電性材料を含み、霧化器400と印刷回路基板500とを電気的に連結する役割だけではなく、霧化器400を弾性支持する役割まで遂行することができる。例えば、第2導電体420は、導電体バネ(conductive spring)を含むが、第2導電体420が上述した実施形態に限定されるものではない。
【0139】
一実施形態に係わるカートリッジ10は、霧化器400と印刷回路基板500との間に位置し、第2導電体420を支持する弾性支持体430をさらに含みうる。弾性支持体430は、例えば、フレキシブル(flexible)な特性を有する材料を含み、第2導電体420の外周面を取り囲むように配置されて第2導電体420を弾性支持する。但し、カートリッジ10の実施形態が、それに限定されるものではなく、実施形態によって弾性支持体430が省略されうる。
【0140】
一実施形態によれば、印刷回路基板500は、第2ハウジング120の内部に位置し、第1導電体410及び第2導電体420を通じて霧化器400と電気的に連結されると共に、電気的連結部材(図示せず)を通じて外部電源(例えば、図2のバッテリ510)と電気的に連結されうる。
【0141】
電気的連結部材は、例えば、ポゴピン(PogoPin)、ワイヤ(wire)、ケーブル、軟性印刷回路基板(FPCB: flexible printed circuit board)及びC-クリップのうち、少なくとも1つを含むが、電気的連結部材が上述した例示に限定されるものではない。
【0142】
一実施形態において、第2ハウジング120は、第2ハウジング120の内部とカートリッジ10の外部とを貫通する複数の貫通ホールを含み、複数の貫通ホール内には、電気的連結部材が配置されてカートリッジ10の内部に位置する印刷回路基板500とカートリッジ10の外部電源とを電気的に連結することができる。
【0143】
印刷回路基板500が第1導電体410及び第2導電体420によって霧化器400と電気的に連結され、電気的連結部材によってカートリッジ10の外部電源と電気的に連結されることにより、霧化器400は、印刷回路基板500を媒介として外部電源と電気的に連結されて外部電源から電力を供給されうる。
【0144】
印刷回路基板500の少なくとも一領域には、カートリッジ10の作動過程で発生するノイズ(または「雑音信号」)を除去するための抵抗Rが実装され、上述した抵抗Rは、ノイズを除去することで、霧化器400の損傷を防止しうる。但し、抵抗Rがノイズを除去する動作についての具体的な説明は、後述する。
【0145】
霧化器400で発生する超音波振動によって霧化されたエアロゾルは、排出通路150を介してカートリッジ10の外部に排出されてユーザに供給されうる。例えば、排出通路150は、ハウジング100の内部空間とマウスピース160の排出口160eを連結または連通するように形成され、霧化器400によって生成されたエアロゾルは、排出通路150に沿って流動した後、排出口160eを介してカートリッジ10の外部に排出されうる。
【0146】
一実施形態によれば、排出通路150は、ハウジング100の内部空間に位置し、排出通路150の外周面の少なくとも一領域は、貯蔵槽200によって取り囲まれるように配置されうるが、それに限定されるものではない。
【0147】
一実施形態に係わるカートリッジ10は、貯蔵槽200から発生した液漏れ(leakage)が排出通路150の内部への流入を防止するための密封手段130をさらに含みうる。
【0148】
排出通路150の外周面が貯蔵槽200によって取り囲まれるように配置されることにより、貯蔵槽200から発生する液漏れが排出通路150に流入されてユーザの喫煙感を低下させる場合が発生する。
【0149】
一方、一実施形態に係わるカートリッジ10は、密封手段130を通じて貯蔵槽200から発生する液漏れが排出通路150の内部に流入されることを遮断することで、ユーザの喫煙感低下を防止する。
【0150】
一実施形態において、密封手段130は、排出通路150の内部に位置して排出通路150の内部に液漏れが流入されることを防止することができる。例えば、密封手段130は、排出通路150に嵌合されて排出通路150の内側壁に密着するが、それに限定されるものではない。
【0151】
また、密封手段130は、内部が空いている中空状に形成され、貯蔵槽200から発生する液漏れが排出通路150内に流入されることを防止しながら、霧化器400から生成されたエアロゾルの流動を妨害しない。
【0152】
他の実施形態において、密封手段130は、弾性を有する材料(例えば、ゴム(rubber))を含み、霧化器400で発生する超音波振動を吸収し、その結果、霧化器400で発生した超音波振動がカートリッジ10のハウジング100を経てユーザへの伝達を最小化する。
【0153】
さらに他の実施形態において、密封手段130は、液体伝達手段300の上端に位置して液体伝達手段300を霧化器400に向かう方向に加圧することで、液体伝達手段300と霧化器400との接触を保持する。例えば、密封手段130は、第1液体伝達手段310及び/または第2液体伝達手段320を-z方向に加圧することで、第2液体伝達手段320と霧化器400との接触を保持することができる。
【0154】
一実施形態に係わるカートリッジ10は、霧化器400から飛散する液滴(droplet)がユーザに供給されることを防止するための構造体140及び構造体140を固定または支持(support)する第1支持手段141をさらに含みうる。
【0155】
エアロゾル生成物質が霧化器400で発生する超音波振動によって霧化される過程で一部エアロゾル生成物質はまだ霧化されず、液滴が生成され、生成された液滴は、霧化器400で発生する超音波振動によって飛散して排出口160eを介してカートリッジ10の外部に排出される場合が発生しうる。
【0156】
構造体140は、排出通路150と隣接した位置に配置されて飛散した液滴がマウスピース160の排出口160eに向かう方向に移動または流動することを制限する。
【0157】
例えば、構造体140は、液滴を吸収する材料(例えば、フェルト(felt)素材)を含み、霧化器400から飛散する液滴を吸収することで、液滴の排出口160eに向かう移動または流動することを制限することができるが、それに限定されるものではない。
【0158】
霧化器400から飛散する液滴が排出口160eを介してカートリッジ10の外部に排出されてユーザに伝達される場合、ユーザが不快感を感じて全体としての喫煙感が低下しうる。
【0159】
一方、一実施形態に係わるカートリッジ10は、上述した構造体140を通じて霧化されず、霧化器400から飛散する液滴が排出口160eに向かう方向に移動することを制限することで、水滴飛散によるユーザの喫煙感低下を減らしうる。本発明において「水滴飛散」は、霧化器400からまだ霧化されていない液滴が飛散することを意味し、当該表現は、以下でも同じ意味として使用されうる。
【0160】
第1支持手段141は、構造体140の少なくとも一領域を収容し、収容された構造体140を第1ハウジング110の一領域に保持または固定させうる。例えば、第1支持手段141は、構造体140を第1ハウジング110のマウスピース160と隣接した一領域(例えば、上端領域)に保持または固定させうるが、それに限定されるものではない。
【0161】
一実施形態において、第1支持手段141は、構造体140の少なくとも一領域を取り囲むように配置されて構造体140を収容し、構造体140を収容した第1支持手段141が第1ハウジング110の一領域(例えば、z方向の領域)に結合されることにより、構造体140が第1ハウジング110の一領域に固定されうる。
【0162】
構造体140を収容した第1支持手段141と第1ハウジング110は、第1支持手段141の少なくとも一部が第1ハウジング110に嵌合方式によって結合されうるが、第1ハウジング110と第1支持手段141との結合方式が上述した例示に限定されるものではない。他の例示において、第1ハウジング110と第1支持手段141は、スナップフィット方式、螺合方式または磁力結合方式のうち、少なくとも1つの方式によって結合されうる。
【0163】
第1支持手段141は、所定の剛性を有しつつ、防水性を有する材料(例えば、ゴム)を含み、構造体140を第1ハウジング110に固定させるだけではなく、貯蔵槽200で発生するエアロゾル生成物質の液漏れを防止することができる。例えば、第1支持手段141は、貯蔵槽200のマウスピース160に向かう領域を遮断することで、エアロゾル生成物質の液漏れが発生することを防止することができる。
【0164】
一実施形態に係わるカートリッジ10は、液体伝達手段300及び/または霧化器400を第1ハウジング110の内部に保持させるための第2支持手段330をさらに含みうる。
【0165】
第2支持手段330は、第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320及び/または霧化器400の外周面の少なくとも一部を取り囲むように配置されて第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320及び/または霧化器400を収容することができる。
【0166】
一実施形態において、第2支持手段330は、第1ハウジング110の一領域と反対方向に位置した他の領域(例えば、-z方向の領域)に結合され、その結果、第1液体伝達手段310、第2液体伝達手段320及び/または霧化器400は、第1ハウジング110の他の領域に保持または固定されうる。
【0167】
第2支持手段330は、少なくとも一部領域が第1ハウジング110に嵌合方式によって第1ハウジング110に結合されうるが、第1ハウジング110と第2支持手段330との結合方式が上述した例示に限定されるものではない。他の例示において、第1ハウジング110と第2支持手段330は、スナップフィット方式、螺合方式または磁力結合方式のうち、少なくとも1つの方式によって結合されうる。
【0168】
一実施形態によれば、第2支持手段330は、所定の剛性を有しつつ、防水性を有する材料(例えば、ゴム)を含み、液体伝達手段300及び霧化器400を第1ハウジング110に固定させるだけではなく、貯蔵槽200で発生するエアロゾル生成物質の液漏れを防止することができる。例えば、第2支持手段330は、貯蔵槽200の液体伝達手段300または霧化器400と隣接した領域を遮断することで、エアロゾル生成物質の液漏れが発生することを防止することができる。
【0169】
前述した超音波振動子が一定の振動周波数の範囲を有するように設計したとしても、超音波振動子の作製、生産において誤差が存在するしかない。また、図3及び図4を参照して説明した振動子400の第1導電体410または第2導電体420、または弾性体によって存在する周波数偏差が生じるしかない。
【0170】
実施形態において、エアロゾル生成装置を使用する前に、または、予熱動作を開始する前に、超音波振動子の周波数偏差を最小化することができる動作周波数を設定する。例えば、エアロゾル生成装置の動作周波数は、3.0MHzに設定する場合、ターゲット超音波振動子の周波数は、2.9MHzでもある。これは、エアロゾル生成装置の駆動回路の損失(Loss)によって、システム周波数と振動子の周波数は、同一でない場合もある。
【0171】
下記表1は、システム設定周波数と実測周波数との対応関係を示す。
【0172】
【表1】
【0173】
実施形態において、エアロゾル生成装置は、システム性能及び設計に合わせて多様な動作周波数を設定する。例えば、動作周波数は、2.7MHz~3.2MHzでもあり、使用可能な超音波振動子の周波数は、2.6MHz~3.1MHzでもある。
【0174】
実施形態において、超音波振動子の周波数偏差を補正するための周波数キャリブレーションは、エアロゾル生成装置の使用前に、または、予熱(Preheat)前段階で遂行されうる。
【0175】
図5は、一実施形態に係わるエアロゾル生成装置を駆動するための駆動回路図である。実施形態において、エアロゾル生成装置は、所定の周波数を有するパルス信号による出力値を確認し、確認された出力値に基づいて動作周波数を設定することができる。ここで、所定の周波数は、動作周波数を設定するためのテスト用周波数でもある。例えば、装置で使用可能な周波数範囲として、例えば、2.9MHz~3.1Mhz範囲で変更しながら出力するか、固定された3.0MHzを出力することができる。
【0176】
図5を参照すれば、駆動回路は、バッテリ510、DC/DCコンバータ511、電力駆動回路512、プロセッサ550、インダクタと電力スイッチを含む昇圧回路513及び感知回路514を含む。実施形態において、プロセッサ550は、所定の周波数を有するパルス信号を出力し、パルス信号によって振動子Pに実際供給された電力の周波数を確認することができる。このための実際供給された電力の出力値、例えば、電流値または電圧値を確認することができる。他の例として、振動子に供給された電力の周波数を実際測定して比較してもよい。
【0177】
DC/DCコンバータ511は、バッテリ510のバッテリ電圧を第1電圧にブースティングする。バッテリ電圧は、3.4V~4.2Vの範囲に含まれうるが、それに制限されるものではない。バッテリ電圧は、3.8V~6Vの範囲に含まれ、2.5V~3.6Vの範囲に含まれうる。第1電圧Vは、10V~13Vの範囲に含まれうるが、それに制限されるものではない。第1電圧Vは、7V~10.5Vの範囲に含まれ、12V~20Vの範囲に含まれうる。一例において、第1電圧は、バッテリ電圧の少なくとも3倍以上でもある。但し、必ずしもそれに制限されるものではない。
【0178】
電力駆動回路512は、プロセッサ550から入力されたPWM制御信号PWM_P、PWM_Nに基づいて電力スイッチTR1及びTR2をスイッチングするスイッチング電圧VSW_P、VSW_Nを生成する。ここで、PWM制御信号PWM_P、PWM_Nそれぞれは、互いに相補的な信号でもある。一定のデューティー比または周波数を有するパルス信号でもある。実施形態において、プロセッサ500において動作周波数設定のためのパルス信号はPWM制御信号でもある。
【0179】
昇圧回路513は、第1スイッチング電圧VSW_Pと第2スイッチング電圧VSW_NによってDC/DCコンバータ511から出力された第1電圧Vを第2電圧Vに昇圧させて振動子Pに印加する。
【0180】
第1スイッチング電圧VSW_Pが第1状態(例えば、ハイまたはロー状態)であり、第2スイッチング電圧VSW_Nが第2状態(例えば、ローまたはハイ状態)である場合、第1インダクタL1及び第2インダクタL2のうち、1つのインダクタと接地との電流フローが許容されることにより、前記1つのインダクタを介して流れる電流の変化に対応するエネルギーが前記1つのインダクタに保存され、第1インダクタL1及び第2インダクタL2のうち、他の1つのインダクタと接地との電流フローが遮断されることにより、前記他の1つのインダクタに保存されていたエネルギーが振動子に伝達されうる。
【0181】
第1スイッチング電圧VSW_Pがハイ状態である場合、第1トランジスタTR1のソース電極とドレイン端子との電流フローが許容されうる。これにより、第1インダクタL1と接地との電流フローが許容されうる。第1インダクタL1は、振動子Pとも連結されているが、振動子Pは、0ではない負荷値(例えば、キャパシタンス)を有するのに対して、接地の抵抗は、0であるか、実質的に0に近いので、第1インダクタL1を介して流れる電流Iは、実質的にいずれも接地に伝達されうる。一方、第1インダクタL1を通じて電流Iが流れるので、第1インダクタL1は、電流Iに対応するエネルギーを保存することができる。第2スイッチング電圧VSW_Nがロー状態である場合、第2トランジスタTR2のソース電極とドレイン端子との電流フローが遮断されうる。これにより、第2インダクタL2に保存されていたエネルギーが振動子Pに供給されうる。例えば、振動子Pを介して流れる電流Iは、第2インダクタL2を介して流れる電流Iに対応しうる。実施形態において、第1インダクタL1または第2インダクタL2を介して流れる電流(I及びI)は、パルス信号による出力値でもある。プロセッサ550は、第1インダクタL1または第2インダクタL2を介して流れる電流値を検出する。プロセッサ500は、振動子の周波数別電流値テーブルを参照し、振動子の周波数を推正することができる。ここで、周波数別電流値テーブルは、既保存の振動子の周波数別電流値のローデータ値でもある。
【0182】
第1スイッチング電圧VSW_Pがロー状態である場合、第1トランジスタTR1のソース電極とドレイン端子との電流フローが遮断されうる。これにより、第1インダクタL1に保存されていたエネルギーが振動子Pに供給されうる。例えば、振動子Pを介して流れる電流Iは、第1インダクタL1を介して流れる電流Iに対応しうる。
【0183】
第2スイッチング電圧VSW_Nがハイ状態である場合、第2トランジスタTR2のソース電極とドレイン端子との電流フローが許容されうる。これにより、第2インダクタL2と接地との電流フローが許容されうる。第2インダクタL2は、振動子Pとも連結されているが、振動子Pは、0ではない負荷値(例えば、キャパシタンス)を有するのに対して、接地の抵抗は、0であるか、実質的に0に近いので、第2インダクタL2を介して流れる電流Iは、実質的にいずれも接地に伝達されうる。一方、第2インダクタL2を通じて電流Iが流れるので、第2インダクタL2は、電流Iに対応するエネルギーを保存することができる。
【0184】
一方、第1スイッチング電圧VSW_P及び第2スイッチング電圧VSW_Nそれぞれは、PWM信号に対応する周波数を有し、ハイ状態またはロー状態を繰り返す電圧信号に該当するところ、スイッチング状態が迅速に繰り返されうる。インダクタの逆起電力は、次の数式1のように、インダクタのインダクタンス値L及び経時的な電流の変化(di/dt)に比例する。
【0185】
【数1】
【0186】
したがって、第1電圧Vが高くなり、インダクタを介して流れる電流I自体が増加するか、スイッチング速度が高いほど(すなわち、PWM信号の周期が短いほど)振動子に高い電圧が印加されうる。実施形態において、振動子Pに印加される交流電圧のピークツーピーク電圧値は、55V~70V範囲に該当する。これは、バッテリ電圧(例えば、3.4V~4.2V)の最小13.1倍~最大20.6倍の範囲に該当する値でもある。
【0187】
感知回路514は、振動子の一側または他側に接続され、第1または第2トランジスタ(T1またはT2)のスイッチングによって振動子Pに流れる電流を検出する。ここで、感知回路514は、電流を検出する回路として、電流または電圧増幅回路でもある。それに限定されず、他の電気的な特性値または温度値を検出可能であるということは言うまでもない。
【0188】
例えば、振動子の周波数測定に活用されるハードウェアは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサでもある。温度センサは、変化する振動子の現在温度を検出してプロセッサ550に提供する。
【0189】
プロセッサ550は、感知回路514から提供された出力値、例えば、電流値、電圧値、温度などを確認し、それに相応する動作周波数を設定することができる。ここで、出力値をアナログデジタルコンバータ(Analog-Digital Converter、以下、ADCと称する)を通じて変換する。デジタル値と既保存のデータ値を比較することができる。ここで、出力値とそれに対応する振動子の周波数または動作周波数の相関関係は、実験的、経験的、数学的に予め測定されてエアロゾル生成装置のメモリに保存されてもいる。出力値と振動子の周波数または動作周波数の相関関係は、表、数式、マッチングテーブルなどの形態にメモリに保存されてもいる。
【0190】
図6を参照すれば、プロセッサ550は、出力値確認部600、動作周波数設定部601及びパルス信号生成部602を含む。
【0191】
出力値確認部600は、感知回路514から出力された出力値を確認する。ここで、出力値確認部600は、増幅回路、ADCを含む。
【0192】
動作周波数設定部601は、確認された出力値と既保存のデータ値とを比較して動作周波数を設定する。ここで、既保存のデータ値は、前述した出力値と振動子の周波数または動作周波数の相関関係に含まれた値でもある。
【0193】
パルス信号生成部602は、設定された動作周波数に相応するパルス信号、例えば、図5に図示された第1及び第2PWM信号PWM_P、PWM_Nを生成する。
【0194】
図7及び図8は、他の実施形態による超音波振動子の予熱前周波数キャリブレーション方法を説明するためのフローチャートである。
【0195】
図7を参照すれば、段階700において、第1周波数を設定する。
【0196】
段階702において、出力値を確認する。
【0197】
段階704において、出力値が臨界範囲内であるか否かを判断する。出力値が臨界範囲内である場合、段階706において、第1周波数を動作周波数として設定し、段階710において、設定された動作周波数で振動子を予熱する。
【0198】
しかし、出力値が臨界範囲内ではない場合、段階708において、周波数を第2周波数に変更し、再び段階702において、出力値を確認し、段階704において、出力値が臨界範囲内であるかを判断し、臨界範囲内である場合、段階706において、第2周波数を動作周波数に設定する。
【0199】
実施例では、第1周波数ないし第N周波数に変更しながら、出力値が臨界範囲内であるかによって動作周波数を設定する。ここで、Nは、2以上の整数でもある。例えば、第1周波数は、3.1MHz、第2周波数は、3.0MHz、第3周波数は、2.9MHzでもあり、周波数変更間隔は、0.1MHzでもあるが、それに限定されるものではない。ここで、臨界範囲は、振動子周波数別に任意に設定可能な値を統計的に分析した範囲でもある。
【0200】
実施形態において、図7を参照して説明した周波数キャリブレーション方法は、動作周波数を変更しながら既設定の出力値の範囲内で動作周波数を適用した後、振動子を予熱することで、振動子に電力を供給する前に、予め振動子の支持構造である弾性体によって存在する周波数偏差を補償することができる。
【0201】
図8を参照すれば、段階800において、所定の周波数を設定する。ここで、所定の周波数は、経験的または実験的に決定した基準周波数でもある。例えば、所定の周波数は、3MHzでもあるが、それに限定されるものではない。
【0202】
段階802において、出力値を確認する。
【0203】
段階804において、周波数別出力値テーブルと確認された出力値とを比較する。ここで、周波数別出力値テーブルは、複数の動作周波数と、それぞれの動作周波数に対応する出力値でもある。
【0204】
段階806において、動作周波数を設定する。
【0205】
段階808において、設定された動作周波数で振動子を予熱する。
【0206】
実施形態において、図8を参照して説明した周波数キャリブレーション方法は、振動子周波数別出力値を基準に、特定周波数、例えば、3MHzを基準に出力値を確認し、振動子周波数別出力値と比較して動作周波数を適用する。
【0207】
図7及び図8を参照して説明したエアロゾル生成装置の制御方法は、振動子の周波数偏差をキャリブレーションすることで、超音波振動子の偏差による正確な周波数補正が可能である。したがって、エアロゾル生成装置の振動子の予熱前段階で、正確な動作周波数設定が可能である。
【0208】
図9は、さらに他の実施形態による超音波振動子を用いたエアロゾル生成装置の制御方法の他の一例を示すフローチャートである。
【0209】
図9は、図1及び図2で説明したプロセッサで生成される制御信号に含まれている制御方法を概略的に示したものであって、超音波振動子は、制御信号を受信し、制御信号に含まれている一連の命令に基づいて動作する。以下、制御信号を受信した超音波振動子の動作過程を順次に説明する。
【0210】
まず、本発明によるエアロゾル生成装置が電源オンになると、制御信号を受信した超音波振動子は、予熱(Preheat)を開始する。段階910において、プロセッサから制御信号を受信した超音波振動子が予熱される段階は、予熱モード(preheat mode)とも呼称される。
【0211】
段階910において、予熱モードが持続する間、超音波振動子には固定された大きさの電圧が提供されうる。超音波振動子に提供される固定された大きさの電圧については、図10で後述する。
【0212】
次いで、超音波振動子の予熱が完了すれば、超音波振動子は、プロセッサから再び制御信号を受信し、電力反復制御モードに突入することができる。段階920において、電力反復制御モードは、予熱完了後に突入されるモードであって、超音波振動子に電力を供給するか、超音波振動子に対する電力供給を遮断することを交互に繰り返すモードを意味する。電力反復制御モードは、ユーザがエアロゾル生成装置を通じてパフを行うまで待機するモードである。エアロゾル生成装置に含まれている超音波振動子は、予熱完了後にも、持続的な電力を供給される場合(定格電圧が印加される場合)、温度が幾何級数的に上昇しながら破損されうる。
【0213】
実施形態において、超音波振動子の破損を防止するために、1次的に予熱が完了した状態で2次的にユーザの吸入(パフ)が感知されてエアロゾルを生成するまで待機する中間モードとして電力反復制御モードを含みうる。特に、電力反復制御モードは、超音波振動子に対する電力供給を一時的に完全に遮断していて、予熱効果が完全になくなる前に、再び一時的に超音波振動子に対する電力供給を再開することを繰り返すことで、超音波振動子の温度が指数的に(exponentially)上昇して破損されることを防止しながら、同時にユーザの吸入が感知されたとき、迅速にエアロゾルを生成可能にする。
【0214】
実施形態において、電力反復制御モードは、1次的に予熱が完了した後、超音波振動子に対する電力供給を完全に遮断する区間を少なくとも1回以上備える点で、従来方式と区別される。加熱性ヒータを使用する伝統的なエアロゾル生成装置は、パルス幅変調(PWM)電力信号または比例積分微分(PID)制御方式を通じて目標温度までヒータを昇温し続ける方式でヒータを制御し、その過程で、ヒータに対する予熱が完了しても、ヒータに対する電力供給を完全に遮断(中断)しない。加熱性ヒータは、供給される電力を遮断せず、PWM電力信号の比率やPID制御を通じて温度を一定に保持可能であるからである。
【0215】
一方、エアロゾル生成装置の超音波振動子は、既設定の周波数で振動する特性があるので、一定時間超音波振動子に電力を供給してから予熱が完了した後、ユーザが装置を使用しなければ、他の一定時間の間、超音波振動子に対する電力供給を遮断する区間を必須に備えることで、超音波振動子が過熱されて破損される場合を最小化しうる。電力反復制御モードの図式的な説明については、図10で後述する。
【0216】
プロセッサ550は、備えられた各種パフ感知センサによってユーザのパフが感知されたか否かを把握し、超音波振動子が電力反復制御モードで動作中にユーザのパフが感知されれば、電力反復制御モードを終了し、エアロゾルが生成されるように超音波振動子を制御する。具体的に、プロセッサ550は、ユーザのパフが感知されれば、制御信号を超音波振動子に送信し、既設定の温度プロファイルによって、超音波振動子の振動によってエアロゾルが生成されるように制御する。
【0217】
段階950において、プロセッサ550は、超音波振動子が電力反復制御モードで動作する間、ユーザのパフが感知されなければ、所定の反復回数(一定回数)ほど繰り返されるか、所定の時間(一定時間)が経過した後、電力反復制御モードを終了させうる。
【0218】
図10は、図9で説明した超音波振動子に供給される電力の制御方式を図式的に示すグラフである。
【0219】
図10では、便宜上、前述した電力反復制御モードをパフ待機モードと略称し、図10の横軸は、時間、縦軸は、超音波振動子に供給される電力を意味するものと見なす。また、図10の特定区間において、同じ電力が超音波振動子に供給されるように図示されていても、その特定区間における超音波振動子に印加される電圧値は互いに異なってもいる。
【0220】
図10に図示されたように、エアロゾル生成装置の超音波振動子は、プロセッサ550から制御信号を伝達されて予熱モード1010(preheat mode)、パフ待機モード1030(puff wait mode)及びパフモード1050(puffing mode)を経つつエアロゾルが生成されるように動作する。
【0221】
超音波振動子は、予熱モードに設定された期間の間、固定された電力を供給されて予熱されうる。この際、超音波振動子に電力を供給するために印加される電圧は、10V~15Vから選択されたいずれか1つの値でもある。望ましい一実施形態として、予熱モード1010で超音波振動子に印加される電圧は、13Vでもある。
【0222】
超音波振動子の予熱が完了されれば、予熱モード1010が終了しつつパフ待機モード1030に突入し、パフ待機モード1030は、超音波振動子に対する電力供給が一時的に遮断されるパフ待機オフ(Puff Wait Off)区間と、パフ待機オフ区間に次いで超音波振動子に対する電力が一時的に復元されるパフ待機ヒート(Puff Wait Heat)区間が交互に繰り返されうる。
【0223】
パフ待機オフ区間は、超音波振動子に供給される電力を一時的に遮断する区間であり、超音波振動子が過度に振動されつつ、温度急上昇による破損を阻止しうる。パフ待機ヒート区間は、予熱モード1010を通じて1次的に予熱された超音波振動子の状態をエアロゾルを生成させやすい状態に切り替えるために、一時的に超音波振動子に対する電力供給を再開する区間を意味する。
【0224】
パフ待機オフ区間及びパフ待機ヒート区間は、超音波振動子に供給される電力が繰返的にオン/ オフ(on/off)になる区間なので、パフ待機モード1030を具現するための制御信号は、一定デューティーサイクル(duty cycle)を有するパルス幅変調(PWM)信号でもある。一例として、プロセッサ550は、パフ待機モード1030を具現するために、50%のデューティーサイクルを有するパルス幅変調信号を生成し、その制御信号を受信した超音波振動子のパフ待機オフ区間及びパフ待機ヒート区間の時間長は同一である。他の例として、パフ待機モード1030を具現するための制御信号は、40%~60%のうち、選択された1つの値をデューティーサイクルとして有するパルス幅変調信号でもある。
【0225】
パフ待機モード1030での動作中にユーザの吸入が感知されれば、超音波振動子は、プロセッサ550から制御信号を受けてパフモード1050で動作することができる。パフモード1050では、超音波振動子に一定サイズの電力を供給してエアロゾルを生成させうる。既設定のパフ回数が終了するか、既設定のパフ時間が経過すれば、超音波振動子のパフモード1050は終了する。
【0226】
図10に図示されたように、実施形態において、エアロゾル生成装置は、プロセッサ550から制御信号を受信し、予熱モード1010、パフ待機モード1030及びパフモード1050で順次に動作する超音波振動子を備えることで、超音波振動子の過熱を防止し、ユーザに安定してエアロゾルを提供することができる。特に、本発明による制御方法は、超音波振動子のパフ待機モード1030でパフ待機オフ区間及びパフ待機ヒート区間を交互に繰り返すことにより、超音波振動子の破損を防止することができる。
【0227】
図11は、パフモードで動作する超音波振動子の時間対比電力について図式的に示すグラフである。
【0228】
図11は、図9で説明した制御方法でパフモード1050を具現する他の一例を具体的に説明するフローチャートであって、パフ待機モード1030でユーザのパフが感知されて超音波振動子がパフモード1050に突入したと仮定する。
【0229】
プロセッサ550で受信されたパフモード1050の制御信号は、超音波振動子がパフハイステート(puffing high state)に突入するように制御する(1110)。段階1110において、パフハイステートは、パフ待機モード1030で動作していた超音波振動子の振動を介してエアロゾルを生成させるために、超音波振動子に相対的に高い電力が一定時間供給される状態を意味する。
【0230】
パフハイステートでは、超音波振動子には、既設定の電圧が既設定の時間の間印加され、説明の便宜上、パフハイステートで超音波振動子に印加される既設定の電圧及びその電圧が既設定の時間の間保持される区間は、それぞれ第1電圧及び第1区間と称する。また、以下、特定ステートに対するタイムアウトが発生したということは、既設定の保持時間が経過したということを意味する。
【0231】
次いで、パフハイステートに対してタイムアウトが発生すれば(1120)、超音波振動子は、制御信号によってパフローステート(puffing low state)に制御されうる(1130)。ここで、パフローステートで超音波振動子には、既設定の電圧が既設定の時間の間印加されうる。説明の便宜上、パフローステートで超音波振動子に印加される既設定の電圧及びその電圧が既設定の時間の間保持される区間は、それぞれ第2電圧及び第2区間と称する。
【0232】
超音波振動子に印加される第1電圧は、第2電圧よりさらに大きい。一例として、第1電圧は、12V~14Vから選択された1つの電圧値であり、第2電圧は、9V~11Vから選択された1つの電圧値である。他の望ましい実施形態として、第1電圧は、13Vであり、第2電圧は、10Vである。第1区間及び第2区間の時間長は、互いに同一であるか、異なってもいる。また、第1区間及び第2区間の時間長は、後述する遮断区間の時間長に影響を受ける。
【0233】
プロセッサ550は、パフローステートの保持期間の第2区間に対してタイムアウトの発生有無を判断し、第2区間に対してタイムアウトが発生すれば(1140)、超音波振動子は、プロセッサ550から制御信号を受信してパフブロックステート(puffing block state)に突入する(1150)。
【0234】
パフブロックステートで動作する超音波振動子には、何らの電圧も印加されない。エアロゾルを生成するのに十分に動作する過程において、過熱された超音波振動子の破損を防止するために、パフ遮断モードでは如何なる入力があっても、超音波振動子が動作されないように一定時間外部信号がブロック(block)される。超音波振動子がパフブロックステートを保持する区間は、第1区間、第2区間と同様に遮断区間と略称されうる。
【0235】
プロセッサ550は、遮断区間に対してタイムアウトの発生有無を判断し、遮断区間に対してタイムアウトが発生すれば(1160)、超音波振動子は、プロセッサ550から制御信号を受信し、パフ待機モードに突入することができる(1170)。段階1170の他の例として、遮断区間に対するタイムアウトが発生すれば、エアロゾル生成装置は、ユーザの次のパフに備えて、バッテリの電力消耗を最小化するために、スリープモード(sleep mode)に突入するか、電源オフになりうる。
【0236】
前述した第1区間、第2区間及び遮断区間に係る図式的な説明は、図12で後述する。
【0237】
図12は、パフモードで動作する超音波振動子の時間対比電力について図式的に示すグラフである。図12に図示されたように、予熱モード1220、パフ待機モード1230、及びパフモード1250が提供されうる。
【0238】
図12に図示されたグラフは、図10に図示されたグラフと対比したとき、パフモードで互いに異なる。具体的に、図10のパフモード1050では、超音波振動子に同じ電圧がパフモードの間に印加されてエアロゾルが生成されるが、図12のパフモード1250は、パフハイステート1251、パフローステート1253、パフブロックステート1255に区分されており、パフハイステート1251及びパフローステート1253でのみ超音波振動子に電圧が印加される過程を介してエアロゾルが生成され、パフブロックステート1255では、超音波振動子に電圧が印加されない。
【0239】
図12のパフモード1250は、パフハイステート1251、パフローステート1253及びパフブロックステート1255が順次に(sequentially)構成されたことを特徴とする。パフハイステート1251、パフローステート1253から超音波振動子に印加される電圧は、それぞれ第1電圧、第2電圧であり、第1電圧は、12V~14Vから選択された1つの電圧値、第2電圧は9V~11Vから選択された1つの電圧値である。また、他の例として、第1電圧は、13V、第2電圧は、10Vにもなる。
【0240】
パフハイステート1251の持続時間である第1区間、パフローステート1253の持続時間である第2区間、及びパフブロックステート1255の持続時間である遮断区間の比は、既設定の比率値でもある。例えば、第1区間、第2区間及び遮断区間の時間長の比は、2:3:1でもある。ここで、第1区間、第2区間及び遮断区間の時間長の比は、超音波振動子の破損を防止すると共に、安定してエアロゾルが生成されるための適切な比率が選択され、そのような比率は、実験的、経験的、数学的に既定値でもある。
【0241】
図12において、パフブロックステート1255は、一時的に超音波振動子に電圧が印加されない区間であるという点で、パフ待機モード1230のパフ待機オフ区間と同一である。但し、パフ待機オフ区間では、ユーザのパフが感知されれば、直ちにパフモード1250に転換されてエアロゾルが生成され、一方、パフブロックステート1255は、既設定のパフハイステート1251及びパフローステート1253でエアロゾルが既に生成されたので、超音波振動子の動作を強制的に阻む区間であって、ユーザのパフが感知されても、全ての信号が遮断され、超音波振動子には、超音波振動子を駆動させるための電圧が印加されない。
【0242】
図12のパフモード1250の第1区間から遮断区間までの超音波振動子の動作は、次のように進められる。便宜上、第1区間ないし遮断区間の時間長の比は、2:3:1であり、第1電圧及び第2電圧は、それぞれ13V及び10Vであると仮定する。
【0243】
パフハイステート1251に突入した超音波振動子は、13Vの電圧が印加された状態で2秒間動作する。次いで、2秒が経過してタイムアウトされれば、パフローステート1253に突入した超音波振動子は、10Vの電圧が印加された状態で3秒間動作する。3秒が経過してタイムアウトされれば、パフブロックステート1255に突入した超音波振動子には、電圧が印加されず、外部の制御信号があるにしても、いずれも遮断されてパフブロックステート1255が1秒間保持される。パフブロックステート1255がタイムアウトされれば、パフモード1250が終了し、図11で説明したようにパフ待機モード1230に転換されうる。
【0244】
前述したような過程を通じて、パフモード650が正確に制御され、超音波振動子の破損を防止しつつも、毎回均一な霧化量のエアロゾルが生成されうる。
【0245】
図13は、パフハイステートでイベントが発生する場合を示すグラフである。図13に図示されたように、予熱モード1310、パフ待機モード1330、パフモード1350、及びパフ待機モード1370が提供されうる。
【0246】
具体的に、図13は、図12のパフモード1250のパフハイステート1251でユーザ吸入中止1399が感知されたとき、超音波振動子の動作特性を図式的に示すグラフである。
【0247】
図13の超音波振動子がパフモード1350に突入してパフハイステートによって第1電圧が印加され、動作中にパフ感知センサなどを通じてプロセッサ550がユーザの吸入中止を感知すれば、パフモード1350を直ちに終了させ、超音波振動子の動作モードをパフ待機モード1370に切り換える。ここで、パフモード1350以後に突入されるパフ待機モード1370は、パフモード1350以前のパフ待機モード1330と同じ特性を有する。
【0248】
図13において、ユーザの吸入中止を感知する時点は、パフハイステートがタイムアウトされる前である。例えば、パフモード1350への転換後、第1電圧に2秒間保持されるパフハイステートにおいて、パフモード1350への転換後、1秒でユーザの吸入中止が感知されれば、超音波振動子は、パフ待機モード1370に突入する。
【0249】
図13のようなパフ待機モード1370の転換アルゴリズムは、ユーザの吸入が感知されないにも拘わらず、不要に超音波振動子に電圧を印加し、エアロゾルが生成される場合を防止可能にする。また、パフローステート及びパフブロックステートが省略され、直ちにパフ待機モード1370に転換されるので、ユーザが迅速にエアロゾルを再吸入することを容易にする。
【0250】
図14は、パフローステートでイベントが発生する場合を示すグラフである。図14に図示されたように、予熱モード1410、パフ待機モード1430、パフモード1450及びパフ待機モード1470が提供されうる。
【0251】
具体的に、図14は、図12のパフモード1250のパフローステート1253からユーザ吸入中止1499が感知されたとき、超音波振動子の動作特性を図式的に示すグラフである。
【0252】
図14の超音波振動子がパフモード1450に突入してパフローステートによって第2電圧が印加され、動作中にパフ感知センサなどを通じてプロセッサ550がユーザの吸入中止を感知すれば、パフモード1450を直ちに終了させ、超音波振動子の動作モードをパフ待機モード1470に切り換える。ここで、パフモード1450以後に突入されるパフ待機モード1470は、パフモード1450以前のパフ待機モード1430と同じ特性を有する。
【0253】
図14において、ユーザの吸入中止を感知する時点は、パフローステートがタイムアウトされる前である。例えば、パフモード1450への転換後、第2電圧に3秒間保持されるパフローステートにおいて、パフローステートへの転換後、2秒でユーザの吸入中止が感知されれば、超音波振動子は、パフ待機モード1470に突入する。
【0254】
図14のようなパフ待機モード1470の転換アルゴリズムは、ユーザの吸入が感知されないにも拘わらず、不要に超音波振動子に電圧を印加し、エアロゾルが生成される場合を防止可能にする。また、パフブロックステートが省略され、直ちにパフ待機モード1470に転換されるので、ユーザの迅速なエアロゾル再吸入の一助となる。
【0255】
図15は、さらに他の実施形態によるエアロゾル生成装置の制御方法のさらに他の一例を示すフローチャートである。
【0256】
さ らに具体的に、図15は、エアロゾル生成装置で予熱モードを省略し、直ちにパフ待機モードに突入する過程を説明するための図面である。
【0257】
まず、超音波振動式エアロゾル生成装置がユーザによって装置の電源がオンになると(1510)、プロセッサ550は、休止期間が基準時間よりさらに小さいかを判断する(1520)。
【0258】
段階1520において、休止期間は、装置がユーザによって使用されていない時間を計数した時間値であって、プロセッサ550は、装置が使用された最近時刻に基づいて休止期間を検出することができる。プロセッサ550は、メモリに保存されているエアロゾル生成装置の最近使用時刻と現在時刻との格差を休止期間と検出する。他の例として、プロセッサ550は、休止期間を計数するために別途に備えられたタイムカウンタに基づいて休止期間を直ぐ獲得することもできる。
【0259】
選択的一実施形態として、段階1520において、プロセッサは、休止期間を検出して基準時間と比較せず、既設定の予熱時間が0秒より大きな値に策定されているかを確認した後、予熱モードの省略を決定してもよい。その選択的実施形態については、図20で後述する。
【0260】
プロセッサ550は、大きさを基準に休止期間が既設定の基準時間よりも小さければ、超音波振動子に対する予熱モードを省略し、直ぐパフ待機モードに突入するように超音波振動子を制御する(1530)。
【0261】
一方、プロセッサ550は、休止期間が既設定の基準時間より大きければ、エアロゾル生成の効率性を増大させるために、超音波振動子に対する予熱モードに突入する(1540)。
【0262】
図16は、予熱モードが省略された時間と電力対比グラフを図式的に示す図面である。図16に図示されたように、パフ待機モード1630及びパフモードが提供されうる。
【0263】
図16のグラフの時間軸を参照すれば、プロセッサ550によってエアロゾル生成装置の電源がオンになる瞬間に予熱モードの省略如何が決定(1610)され、予熱モードが省略されることにより、超音波振動子は、直ちにパフ待機モード1630に突入したということが分かる。
【0264】
図17は、さらに他の実施形態によるエアロゾル生成装置の制御方法のさらに他の一例を示すフローチャートである。
【0265】
さらに具体的に、図17は、パフ待機モード(電力反復制御モード)でパフ待機ヒート区間の進入回数を予め決定する実施形態を説明するフローチャートである。
【0266】
超音波振動式エアロゾル生成装置が電源オンになると、プロセッサ550は、超音波振動子の予熱が開始されるように制御する(1710)。
【0267】
プロセッサ550は、超音波振動子の予熱が完了すれば、超音波振動子が電力反復制御モードに突入するように制御し(1720)、既設定のパフ待機ヒート回数が累積パフ回数よりさらに大きいかを判断する(1730)。
【0268】
段階1730において、パフ待機ヒート回数は、電力反復制御モードにおいて超音波振動子がパフ待機ヒート区間に進入する回数を意味し、予め設定されうる。段階1730において、累積パフ回数は、ユーザによって累積したパフ回数であって、ユーザが装置の電源を消さず、連続して使用したものでなければ、通常0となる。
【0269】
パフ待機ヒート回数が0よりも大きな整数値に設定されているならば、超音波振動子は、既設定のパフ待機ヒート回数ほどパフ待機ヒート区間に進入する(1740)。段階1740において、超音波振動子は、パフ待機ヒート区間及びパフ待機オフ区間に交互に繰返的に進入する。
【0270】
一方、パフ待機ヒート回数が累積パフ回数よりも小さければ、超音波振動子は、パフ待機オフ区間を保持する(1750)。段階1750において、パフ待機オフ区間は、ユーザが装置の電源を消すか、ユーザのパフが感知されてパフモードに切換えられるまで保持されうる。
【0271】
図18は、図17で説明したパフ待機ヒート回数を図式的に説明するグラフである。図18に図示されたように、予熱モード1810及びパフ待機モード1830が提供されうる。
【0272】
図18を参照すれば、1次的に予熱が完了した超音波振動子は装置保護のために1回のパフ待機オフ区間に進入した後、プロセッサ550によって既設定のパフ待機ヒート回数が判断されることが分かる(1850)。
【0273】
一例として、プロセッサ550によって判断されたパフ待機ヒート回数が4であり、累積パフ回数が0であれば、パフ待機モード1830でパフ待機ヒート区間の進入回数は総4回になるので、図18に図示されたように、パフ待機ヒート区間及びパフ待機オフ区間が交互にパフ待機ヒート区間に総4回進入することが分かる。
【0274】
図17及び図18で説明された実施形態は、超音波振動子の予熱が完了した状態でユーザのパフが感知されるまでパフ待機ヒート区間を総何回発生させうるかについての実施形態である。適切なパフ待機ヒート回数が設定されるならば、パフ待機モードの長さを最小化しつつエアロゾル生成装置のバッテリの浪費を防止可能になる。
【0275】
図19は、パフハイ時間が0に設定されたとき、超音波振動子に供給される時間対比電力を示すグラフである。
【0276】
図12で説明したように、パフモードは、パフハイステート、パフローステート、パフブロックステートで構成されうる。但し、パフハイステートの保持時間を決定するパフハイ時間(puffing high time)が0に設定される場合、超音波振動子がパフモードに突入するやいなや直ちにパフローステートによって電圧が印加されて動作しうる。
【0277】
図19は、パフハイ時間が0に設定されてパフモードの開始点からパフローステート1951になったということを図式的に示している。特に、プロセッサ550は、パフが感知された時点(1999)でパフハイ時間をチェックし、パフハイ時間が0であることに基づいて、超音波振動子がパフローステートに進入して動作するように制御する。
【0278】
図20は、図9ないし図19まで説明した実施形態を包括的に説明するフローチャートである。
【0279】
プロセッサ550は、図20のような制御アルゴリズムを制御信号として生成して順次かつ反復的に超音波振動子の動作を制御する。図20による方法に制御される超音波振動子によって、エアロゾル生成装置は、超音波振動子の過熱による破損を防止しつつ同時に各パフごとに均一な霧化量が算出されるように制御することができる。
【0280】
まず、プロセッサ550は、既設定の予熱時間が0より大きいかを把握し(2010)、既設定の予熱時間が0より大きければ、超音波振動子が予熱モードで動作するようにする(2020)。
【0281】
予熱モードがタイムアウト(time-out)されれば、プロセッサ550は、超音波振動子が電力反復制御モード(パフ待機モード)に突入するように制御する(2030)。
【0282】
プロセッサ550は、最初1回のパフ待機オフ区間が経過した後、既設定のパフ待機ヒート回数が累積パフ回数よりさらに多いかを確認し(2040)、パフ待機ヒート回数が累積パフ回数よりさらに多ければ、超音波振動子がパフ待機ヒート区間に進入して動作するように制御する(2050)。
【0283】
プロセッサ550は、パフ待機ヒート区間またはパフ待機オフ区間に進入して動作する途中にユーザによるパフが感知されれば、超音波振動子がパフモードに進入して動作するように制御する。
【0284】
また、プロセッサ550は、超音波振動子がパフモードに進入する前に既設定のパフハイ時間が0より大きいかを判断し(2060)、既設定のパフハイ時間が0より大きい場合に限って、超音波振動子がパフハイステートに進入して動作するように制御することができる(2070)。一実施形態として、パフハイステートでは、超音波振動子には、13Vの電圧が2秒間印加されることができるともう説明した。
【0285】
一方、プロセッサ550は、既設定のパフハイ時間が0より大きくないとか、超音波振動子のパフハイステートがタイムアウトされれば、超音波振動子がパフローステートに進入して動作するように制御する(2080)。一実施形態として、パフローステートでは、超音波振動子には、10Vの電圧が3秒間印加されうると説明した。
【0286】
プロセッサ550は、超音波振動子のパフローステートがタイムアウトされれば、超音波振動子がパフブロックステートに進入するように制御することができる(2090)。パフブロックステートに進入した超音波振動子は、エアロゾルを生成しながら過熱された超音波振動子を保護するために、一定時間超音波振動子に対する制御信号を遮断可能であると既に説明した。
【0287】
実施形態において、エアロゾル生成装置は、予熱モード、電力反復制御モード(パフ待機モード)、パフモードに区分されて動作する装置であって、超音波振動子の過熱による破損を防止し、パフごとに均一な霧化量が確保されるようにする制御アルゴリズムを含む。特に、1次的に予熱完了後、パフ待機オフ区間に少なくとも1回以上進入することで超音波振動子の過熱を防止し、ユーザのパフ完了後には、パフブロックステートを別途に置いてユーザの入力をいずれも遮断し、エアロゾル生成装置の消耗的な使用を阻止することができる。
【0288】
また、ユーザの吸入が感知されていて直ぐ中止される場合、不要にパフモードを保持しない制御アルゴリズムを追加的に含む。
【0289】
本実施形態に係わる技術分野において通常の知識を有する者であれば、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解するであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれるものと解釈されねばならない。
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