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特許7513791選定装置、選定方法、選定システム、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】選定装置、選定方法、選定システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/163 20240101AFI20240702BHJP
【FI】
G06Q50/163
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023058555
(22)【出願日】2023-03-31
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】591115006
【氏名又は名称】三菱地所株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517054578
【氏名又は名称】三菱地所ハウスネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】樋本 葵
(72)【発明者】
【氏名】笠谷 明博
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 至
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-214123(JP,A)
【文献】特開2023-012995(JP,A)
【文献】特開2002-279221(JP,A)
【文献】特開2002-117123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産物件を紹介するエリアを選定する選定装置であって、
ライフスタイルに関する質問に対する回答と立地に関する条件の入力を受け付ける入力部と、
前記質問に対する回答に基づいて各エリアの順位を求めるエリア順位算出部と、
前記立地に関する条件に合致するエリアを絞り込み、絞り込んだエリアのなかから前記順位に基づいてエリアを選定するエリア選定部と、
選定したエリアに関する情報と当該エリア内の不動産物件の情報を端末へ送信する送信部を備える
選定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の選定装置であって、
前記立地に関する条件は、目的地と所要時間を含み、
前記エリア選定部は、前記目的地に前記所要時間内に到達可能な駅を求めて、求めた駅から所定の範囲内に存在するエリアを選定する
選定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の選定装置であって、
前記立地に関する条件は、価格帯を含み、
前記エリア選定部は、前記価格帯が合致するエリアを選定する
選定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の選定装置であって、
前記質問に対する回答のそれぞれについてエリアごとにスコアが付与されており、
前記エリア順位算出部は、ユーザの回答に付与されたスコアに基づいて全てにエリアに対してエリアスコアを計算し、エリアスコアの順で各エリアの順位を求める
選定装置。
【請求項5】
不動産物件を紹介するエリアを選定する選定方法であって、
コンピュータが、
ライフスタイルに関する質問に対する回答と立地に関する条件の入力を受け付け、
前記質問に対する回答に基づいて各エリアの順位を求め、
前記立地に関する条件に合致するエリアを絞り込み、絞り込んだエリアのなかから前記順位に基づいてエリアを選定し、
選定したエリアに関する情報と当該エリア内の不動産物件の情報を端末へ送信する
選定方法。
【請求項6】
請求項5に記載の選定方法であって、
前記立地に関する条件は、目的地と所要時間を含み、
前記コンピュータは、前記目的地に前記所要時間内に到達可能な駅を求めて、求めた駅から所定の範囲内に存在するエリアを選定する
選定方法。
【請求項7】
請求項5に記載の選定方法であって、
前記立地に関する条件は、価格帯を含み、
前記コンピュータは、前記価格帯が合致するエリアを選定する
選定方法。
【請求項8】
請求項5に記載の選定方法であって、
前記質問に対する回答のそれぞれについてエリアごとにスコアが付与されており、
前記コンピュータは、ユーザの回答に付与されたスコアに基づいて全てにエリアに対してエリアスコアを計算し、エリアスコアの順で各エリアの順位を求める
選定方法。
【請求項9】
サーバと端末で構成され、不動産物件を紹介するエリアを選定する選定システムであって、
前記サーバは、
ライフスタイルに関する質問に対する回答と立地に関する条件の入力を受け付ける入力部と、
前記質問に対する回答に基づいて各エリアの順位を求めるエリア順位算出部と、
前記立地に関する条件に合致するエリアを絞り込み、絞り込んだエリアのなかから前記順位に基づいてエリアを選定するエリア選定部と、
選定したエリアに関する情報と当該エリア内の不動産物件の情報を前記端末へ送信する送信部を備える
選定システム。
【請求項10】
請求項1ないし4のいずれかに記載の選定装置の各部としてコンピュータを動作させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、選定装置、選定方法、選定システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産物件を探すときに不動産情報サイトを利用することが一般的になっている。例えば、ユーザは、最寄り駅、エリア、または路線などで物件を探す場所を指定し、希望する物件の条件を不動産情報サイトに入力して物件を検索する。これにより、ユーザは希望の条件にあった物件を検索できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-46854号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】「あなたのための新しい街選び(1分でAI診断)|TownU(タウニュー)」、アルヒ株式会社、インターネット〈 URL:https://www.townu.jp/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の不動産情報サイトを利用することでユーザは希望の物件を検索できるが、大抵の場合、ユーザは馴染みのない場所は検索対象に含めないので、自分のライフスタイルに合った最適な住環境にある物件を見逃してしまうという問題があった。
【0006】
非特許文献1のWebサイトでは、駅ごとに周辺地域の情報がまとめられており、駅名を入力すると、その駅周辺の情報を得ることができる。また、非特許文献1のWebサイトでは、ユーザがいくつかの質問に回答すると、ユーザにとって住みやすい街(駅)を提案する機能を備える。
【0007】
非特許文献1のWebサイトは、駅を単位として、住みやすい街(駅)を提案するが、同じ駅を利用する地域であっても、例えば駅の北側と南側の地域間で雰囲気や特色が異なることがあり、駅を基準として探した物件がユーザのライフスタイルに合わない地域の物件ということもありうる。多くの不動産情報提供サイトが駅を基準に物件を検索するものである。
【0008】
また、ユーザにとって住みやすい街が提案されても、その街にユーザの希望に合致する物件が少ないことがある。
【0009】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、ユーザのライフスタイルに合ったエリアの情報および当該エリア内の物件情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様の選定装置は、不動産物件を紹介するエリアを選定する選定装置であって、ライフスタイルに関する質問に対する回答と立地に関する条件の入力を受け付ける入力部と、前記質問に対する回答に基づいて各エリアの順位を求めるエリア順位算出部と、前記立地に関する条件に合致するエリアを絞り込み、絞り込んだエリアのなかから前記順位に基づいてエリアを選定するエリア選定部と、選定したエリアに関する情報と当該エリア内の不動産物件の情報を端末へ送信する送信部を備える。
【0011】
本開示の一態様の選定方法は、不動産物件を紹介するエリアを選定する選定方法であって、コンピュータが、ライフスタイルに関する質問に対する回答と立地に関する条件の入力を受け付け、前記質問に対する回答に基づいて各エリアの順位を求め、前記立地に関する条件に合致するエリアを絞り込み、絞り込んだエリアのなかから前記順位に基づいてエリアを選定し、選定したエリアに関する情報と当該エリア内の不動産物件の情報を端末へ送信する
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ユーザのライフスタイルに合ったエリアの情報および当該エリア内の物件情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、不動産情報システムの全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、不動産情報システムの利用の流れの一例を示すフローチャートである。
図3図3は、サーバの構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4図4は、ライフスタイル診断処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、ユーザに提示する質問の一例を示す図である。
図6図6は、選択肢のそれぞれについて各エリアに付与されたスコアの一例を示す図である。
図7図7は、エリアをエリアスコアの高い順にソートし、立地条件で絞り込む一例を示す図である。
図8図8は、所要時間でのエリアの絞り込みを説明するための図である。
図9図9は、フォローエリアのエリア情報画面の一例を示す図である。
図10図10は、エリア詳細画面の一例を示す図である。
図11図11は、エリアフィード画面の一例を示す図である。
図12図12は、物件画面の一例を示す図である。
図13図13は、エリアフィード画面をスマートフォンで表示する例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0015】
[システム構成]
図1は、本実施形態の不動産情報システム1の全体構成の一例を示す図である。同図に示す不動産情報システム1は、サーバ10とユーザ端末20を備える。サーバ10とユーザ端末20は、ネットワークを介して通信可能に接続されている。図1では、1台のサーバ10のみを図示しているが、複数台の装置でサーバ10の機能を実現してもよいし、クラウド上の仮想マシンでサーバ10の機能を実現してもよい。また、図1では、3台のユーザ端末20を図示しているが、ユーザ端末20の数をこれに限るものではなく、多数のユーザ端末20が存在する。
【0016】
サーバ10は、不動産の物件情報、エリア情報、およびユーザ情報を保持し、ユーザ端末20からの要求に応じて、物件情報やエリア情報を提供する。物件情報は、取引対象の不動産物件に関する情報である。エリア情報は、不動産情報を提供する地域を任意の複数の領域に分けたエリアに関する情報である。エリアとは、ライフスタイルに関係する環境や周辺施設状況などが似通った地理的な特定の範囲を座標のポリゴンでグループ化したものである。エリアは、生活圏の共通性、街の雰囲気など同じような特色を持つ地域で分けるとよい。例えば、同じ駅を利用する地域であっても、駅の北側と南側などで特色が異なる地域は別のエリアに分けるとよい。このエリアは固定的なものではなく、人口や町並み、周辺環境やライフスタイルの変化に応じて、随時変更してもよい。これにより、時の流れとともに変化する環境や周辺施設状況に応じた適切な地理的範囲をユーザに提案することができる。ユーザ情報は、本システムを利用するユーザに関する情報である。
【0017】
ユーザ端末20は、不動産物件を探しているユーザが使用する端末である。ユーザ端末20は、ユーザの操作に応じてサーバ10にアクセスし、サーバ10から物件情報やエリア情報を受信して表示する。ユーザ端末20として、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、およびタブレット端末などの機器を利用できる。
【0018】
[不動産情報システムの利用例]
図2のフローチャートを参照し、不動産情報システム1の利用の流れの一例について説明する。不動産情報システム1は、ユーザがユーザ端末20を操作してサーバ10にアクセスすることで利用できる。ユーザは、不動産情報システム1に会員登録することで、不動産情報システム1の提供する機能を利用できる。ユーザは、会員登録しなくても、不動産情報システム1の提供する一部の機能を利用できる。
【0019】
ユーザは、会員登録時にライフスタイル診断を実施する(ステップS1)。ライフスタイル診断は、ユーザのライフスタイルに合ったエリアを選定する処理である。ユーザは、会員登録をしないでライフスタイル診断を実施することもできる。ライフスタイル診断の詳細は後述する。不動産情報システム1は、ライフスタイル診断で選定されたエリアをユーザのフォローエリアに追加する。フォローエリアとは、登録されたエリアである。フォローエリアは、ライフスタイル診断で選定される以外に、ユーザ自身で任意のエリアを追加できる。フォローとは、ユーザが気になるエリアを登録することである。不動産情報システム1は、ユーザがフォローしたエリアの最新情報をユーザに提供するので、ユーザはエリアをフォローすることで、フォローエリアの最新情報を容易に確認できるようになる。エリアの最新情報とは、例えば、エリアの、地価、施設数、住民データ、子ども人口、支援制度、物件平均価格、フォロワー数、物件問い合わせ数、および記事コンテンツである。不動産情報システム1は、これらの情報が変化したときに、エリアの最新情報としてユーザに提供する。なお、提供する最新情報は上記に限るものではない。以下、ライフスタイル診断で選定したエリアとユーザが手動でフォローしたエリアを合わせてフォローエリアまたはフォロー中のエリアと称する。
【0020】
ライフスタイル診断後、ユーザは、不動産情報システム1を利用して、エリア情報や物件情報を閲覧できる(ステップS2)。ユーザは、ライフスタイル診断で選定されたエリアの情報を閲覧することで、エリアを深く知り、最適な居住エリアを探すことができる。
【0021】
ユーザは、エリア情報や物件情報を閲覧し、気になる物件を見つけると、不動産情報システム1を介して、その物件について問い合わせる(ステップS3)。その後、ユーザと事業者との間でのやり取りが行われる。
【0022】
[サーバの機能ブロック図]
図3を参照し、サーバ10の構成の一例について説明する。図3に示すサーバ10は、入出力部110、処理部120、および記憶部130を備える。サーバ10が備える各部は、演算処理装置、記憶装置等を備えたコンピュータにより構成して、各部の処理がプログラムによって実行されるものとしてもよい。このプログラムはサーバ10が備える記憶装置に記憶されており、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのコンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0023】
入出力部110は、ユーザ端末20との間での通信、外部から情報の収集、および事業者からの情報の入力を行う。具体的には、入出力部110は、ユーザ端末20へ質問を送信し、ユーザ端末20から質問に対する回答を受信する。入出力部110は、エリアに関する情報や物件に関する情報をユーザ端末20へ送信する。
【0024】
処理部120は、ユーザ診断部121、スコア算出部122、およびエリア選定部123で構成される。
【0025】
ユーザ診断部121は、ユーザにライフスタイルに関する質問および物件の条件に関する質問を提示し、回答を受け付ける。
【0026】
スコア算出部122は、質問に対するユーザの回答に基づいて各エリアのスコア(以下、エリアスコアと称する)を算出する。
【0027】
エリア選定部123は、エリアスコアとユーザの希望する物件の条件に基づいて、ユーザのライフスタイルに合ったエリアを選定する。
【0028】
記憶部130は、ユーザ情報131およびエリア情報132を記憶する。
【0029】
ユーザ情報131は、ユーザに関する情報である。例えば、ユーザ情報131は、ユーザのフォローエリア、ユーザの希望する物件の条件、およびユーザのライフスタイル診断結果である。ユーザの識別子にエリアの識別子を関連付けてフォローエリアとする。ユーザ情報131は、ユーザの氏名、住所、および連絡先などの情報を保持してもよい。
【0030】
エリア情報132は、各エリアに関する情報である。エリア情報132は、ライフスタイル診断に用いる、各エリアの、ライフスタイルに関する質問の選択肢のそれぞれに付与したスコアを含む。また、エリア情報132は、各エリアについて、ユーザに提示する情報を含む。例えば、ユーザに提示するエリアに関する情報は、行政機関または民間企業などから収集した定量データであってもよいし、不動産情報システム1の利用履歴から得られる利用データであってもよい。ユーザに提示する情報は、例えば、地価、施設数、住民データ、子ども人口、支援制度、エリア内の物件平均価格、エリアのフォロワー数、エリア内の物件問い合わせ数、および記事コンテンツである。ユーザに提示する情報はこれに限定されない。
【0031】
なお、ユーザ端末20が、サーバ10からプログラムを受信し、プログラムに従ってサーバ10の備える機能の一部を実行してもよい。つまり、ユーザ端末20がサーバ10の各部の機能の一部を実行してもよい。例えば、ユーザ端末20は、質問を提示して回答を受け付ける処理、エリアに関する情報およびエリア内の不動産物件の情報の表示画面を組み立てて出力する処理を実行してもよい。
【0032】
[ライフスタイル診断]
図4のフローチャートを参照し、ライフスタイル診断処理の流れ一例について説明する。
【0033】
ステップS11にて、サーバ10は、ユーザにライフスタイルに関する質問および物件の条件に関する質問を提示し、回答を受け付ける。
【0034】
図5に、質問の一例を示す。図5では、ユーザのライフスタイルに関する質問Q1~Q3と、物件の条件に関する質問Q9を示している。図5の質問は一例であり、これに限るものではない。ライフスタイルに関する質問Q1~Q3では複数の選択肢を提示する。ユーザは自分に当てはまると思われる選択肢を選択する。複数の選択肢を選択可能な質問があってもよい。ライフスタイルに関する質問Q1~Q3の後に、物件の条件に関する質問Q9を提示する。物件の条件に関する質問Q9では、目的地への所要時間、物件の価格帯、物件の広さなどの希望する物件に関する質問をユーザに提示して回答を受け付ける。目的地への所要時間をライフスタイルに関する質問としてもよい。
【0035】
ステップS12にて、サーバ10は、ライフスタイルに関する質問に対する回答に基づいて各エリアのエリアスコアを算出する。ライフスタイルに関する質問の選択肢のそれぞれについてエリアごとにスコアが付与されている。サーバ10は、各エリアについて、ユーザが選択した選択肢に付与されたスコアを合計してエリアスコアを計算する。
【0036】
図6に、選択肢のそれぞれについて各エリアに付与されたスコアの一例を示す。全ての質問の全ての選択肢について、各エリアにスコアが付与されている。例えば、図5の質問Q1の「好きなこと」の選択肢「ショッピング」には、「○○エリア」に2.5、「△△エリア」に2.5、「■■エリア」に4.5が付与されている。選択肢ごとのスコアは0以上5以下の数値であり、選択肢に合致するほど大きな数値が付与される。スコアの値をこれに限るものではない。
【0037】
選択肢ごとに各エリアに付与するスコアは、選択肢に関連すると考えられる統計情報、評価、およびGISデータなどを用いて事前に算出しておく。例えば、「ショッピング」の選択肢のスコアは、エリア内またはエリア近隣の商店街、ショッピングモール、あるいはデパートの数、エリア面積に対する店舗の密度、店舗の種別ごとの数や密度、およびその施設に対するユーザの評価、口コミに基づいて算出する。平日と休日、昼と夜の人流の変化に基づいて街の雰囲気の選択肢のスコアを算出してもよい。各エリアに付与するスコアは、エリアの座標に基づいて付与されてもよい。例えば、ハザードマップからマップ上の各座標における危険度を求め、エリアのスコアに反映させる。
【0038】
サーバ10は、ユーザの回答に基づいて全てのエリアのエリアスコアを算出する。例えば、ユーザは、質問Q1に対しては「ショッピング」と「ランニング」を選択し、質問Q2に対しては「おしゃれな街並み」を選択し、質問Q3に対しては「通勤・通学に便利」を選択したものとする。サーバ10は、各エリアについて、図6の選択肢A1-1,A1-2,A2-3,A3-1に付与されたスコアの平均を求めてエリアスコアを算出する。サーバ10は、エリアスコアを算出する際、選択肢ごと、質問Q1~Q3ごとに重みを付けてもよい。エリアスコアの値が大きいほどユーザのライフスタイルに合致するエリアである。
【0039】
ステップS13にて、サーバ10は、ユーザの希望する物件の条件のうち立地に関する条件でエリアを絞り込む。立地に関する条件とは、例えば、目的地(目的駅、勤務先、または学校など)までの所要時間、あるいはエリア内の物件の価格帯である。これにより、ユーザのライフスタイルに合致するエリアであっても、勤務先から遠いエリアや希望する価格帯の物件が少ないエリアを除外できる。以下、具体例を用いてエリアの絞り込みについて説明する。
【0040】
図7に、エリアをエリアスコアの高い順にソートし、立地条件で絞り込む例を示す。図7では、各エリアについて、エリアスコア、坪単価、物件の条件に基づく判定結果、および提案順序を示している。図7の例では、「▲▲エリア」、「■■エリア」、「●●エリア」、・・・の順で、エリアスコアが高いものとする。
【0041】
まず、サーバ10は、目的地まで希望の所要時間で到達可能な駅を検索し、検索した駅からの距離が範囲内のエリアを絞り込む。エリアの一部が範囲内であれば、提案対象のエリアとする。駅から目的地(目的駅)まで所要時間内に到達可能である全ての駅を検索し、エリアの絞り込みの判定対象とする。絞り込みの基準点を駅に限らず、バス停などの他の交通機関の乗り場を基準点に用いてもよい。
【0042】
図8は、所要時間でのエリアの絞り込みを説明するための図である。図中の「●●駅」は、目的地までの所要時間がユーザの希望の所要時間内であったものとする。「●●駅」から所定の範囲内(例えば半径400mの円内など)内に存在するエリアを絞り込む。駅からの距離は、ユーザが指定してもよい。図8には、「●●エリア」、「▲▲エリア」、「■■エリア」、「◆◆エリア」、「○○エリア」、および「△△エリア」を図示している。これらの6つのエリアのうち「◆◆エリア」は所定の範囲(図中の円)に重ならないので提案対象のエリアから除外する。なお、図7の「XXエリア」、「YYエリア」、および「ZZエリア」は、目的地までの所要時間内に到達可能な別の駅(「●●駅」ではない駅)を基準として判定されたエリアの例である。
【0043】
また、サーバ10は、ユーザの予算に基づいてエリアを絞り込む。例えば、ユーザの希望の予算の坪単価の上限が150万円であったとする。図7,8の例では、「▲▲エリア」は、坪単価がユーザの希望の予算を超えているので提案対象のエリアから除外する。
【0044】
ステップS14にて、サーバ10は、ステップS13で絞り込んだエリアのなかから、エリアスコア順にユーザに提示するエリアを選定する。図7に示した例では、エリアスコアの高い順に5つのエリア(「■■エリア」、「●●エリア」、「XXエリア」、「YYエリア」、および「ZZエリア」)を選定した。「▲▲エリア」は、エリアスコアが高いが、ユーザの希望の予算の条件に基づいて除外されている。「◆◆エリア」は、「XXエリア」よりもエリアスコアが高いが、目的地までの所要時間の条件に基づいて除外されている。「○○エリア」と「△△エリア」は、所要時間と予算の条件は合致するが、エリアスコアが低いので選定されていない。
【0045】
ライフスタイル診断で選定されたエリアは、ユーザのフォローエリアに追加される。
【0046】
[不動産情報システムの画面例]
図9ないし図12を参照し、不動産情報システムの画面の一例について説明する。
【0047】
図9は、フォローエリアのエリア情報画面の一例を示す図である。例えば、ライフスタイル診断後にエリア情報画面が表示される。図9の画面では、ライフスタイル診断で診断されたユーザのタイプ1110、「おすすめ」のエリア1120、およびユーザがフォローした「フォロー中」のエリア1130を表示し、エリアを探すための2つのボタン1140と住まい探しを始めるためのボタン1150を備える。
【0048】
画面内の「おすすめ」のエリア1120はライフスタイル診断で選定されたエリアであり、自動的にフォローされるエリアである。画面内の「フォロー中」のエリア1130はユーザ自身でフォローしたエリアである。図9の例では、「おすすめ」と「フォロー中」に表示された6つのエリアがフォローエリアである。画面内のエリア名を選択すると、エリア詳細画面に遷移する。
【0049】
ユーザが「住所から」または「沿線から」のボタン1140を押下すると、住所または鉄道情報に基づいてエリアを検索できる。ユーザは検索したエリアを新たにフォローすることもできる。
【0050】
ユーザが住まい探しを始めるボタン1150を押下すると、後述のエリアフィード画面や物件画面に遷移する。ライフスタイル診断ボタンを備えて再度ライフスタイル診断を実行できてもよい。ライフスタイル診断の結果に応じて「おすすめ」のエリア1120が更新される。
【0051】
図9の画面は、上端にエリア、フィード、物件のタブ1160を備える。フィードタブを選択すると、フォローエリアの最新情報を表示するエリアフィード画面に遷移する。物件タブを選択すると、フォローエリア内のユーザの希望の条件に合った物件の一覧を表示する物件画面に遷移する。
【0052】
図10は、エリア詳細画面の一例を示す図である。図10の画面では、エリア名1210、エリアの特徴1220、エリア内の施設情報1230、エリア内に存在する駅の情報1240を表示している。表示項目はこれに限るものではない。
【0053】
エリア情報として表示する内容は、例えば、サーバ10が外部のサービスまたはWebサイトから収集した情報、不動産情報システム1の利用データ(エリアのフォロワー数など)、事業者または管理者がサーバ10に入力した情報である。外部のWebサイトへのリンクを表示してもよい。
【0054】
図10の画面は、上端にエリアデータ、マップ、物件一覧のタブ1250を備える。マップタブを選択すると、エリアのマップを表示できる。マップ表示画面では、一般的な地図に加えて、航空写真、ハザードマップ、地歴マップなどの様々なマップが表示できてもよい。物件一覧タブを選択すると、エリア内の物件の一覧を表示できる。エリア詳細画面内に、エリア特徴、ライフスタイル記事、生活利便施設、または災害リスク情報を選択できるボタンやタブを備えてもよい。
【0055】
図11は、エリアフィード画面の一例を示す図である。エリアフィード画面は、フォローエリアの最新情報と物件情報を並べて表示した画面である。
【0056】
図11のエリアフィード画面では、フォローエリアのエリア情報の更新された掲載項目1310とフォローエリア内の物件情報1320を、同じ大きさで、左から右、上から下の順に並べて表示している。並べ方はこれに限るものではない。掲載項目1310と物件情報1320の表示サイズを異ならせてもよい。ユーザ端末20がスマートフォンの場合、掲載項目1310と物件情報1320を縦方向に並べてスクロールさせる。
【0057】
エリア情報の掲載項目1310はフォローエリアのエリア情報のうち更新された項目である。同じ種類の掲載項目1310が連続して表示されないように、ランダムで掲載項目1310を選定するとよい。物件情報1320はフォローエリア内でユーザの希望条件に基づいて選定した物件の情報である。物件情報1320は所定の割合で掲載項目1310の間に挿入される。図11の例では、3つの掲載項目1310に対して1つの割合で物件情報1320が挿入されている。
【0058】
掲載項目1310と物件情報1320は選択可能であり、掲載項目1310を選択すると、その項目の詳細が表示されているエリア詳細画面の該当箇所を表示できる。物件情報1320を選択すると、その物件の詳細を表示できる。
【0059】
図11の画面は、上端にエリア、フィード、物件のタブ1330を備える。エリアを選択すると、フォローエリアのエリア情報画面に遷移する。物件タブを選択すると、フォローエリア内のユーザの希望の条件に合った物件の一覧を表示する物件画面に遷移する。
【0060】
図12は、物件画面の一例を示す図である。図12の物件画面では、物件条件1410と物件の情報1420を表示している。
【0061】
フォローエリアのエリア情報画面やエリアフィード画面で物件タブが選択された場合、図12の物件画面に遷移し、フォローエリア内で物件条件1410に該当する物件の情報1420が表示される。エリア詳細画面から物件画面に遷移した場合は、エリア詳細画面で表示していたエリア内で物件条件1410に該当する物件の情報1420が表示される。
【0062】
物件条件1410をクリックすると、物件条件1410を変更できる。
【0063】
物件の情報1420は、物件の写真1421および問い合わせボタン1422を含む。物件の情報1420が選択されると、選択された物件のより詳細な情報が表示される。
【0064】
問い合わせボタン1422が押下されると、ユーザの情報が物件を取り扱う事業者へ通知されて、ユーザと事業者との間のやり取りが開始される。ユーザと事業者とは、不動産情報システム1を介してやり取りしてもよいし、他の方法を用いてもよい。
【0065】
図12の画面は、上端にエリア、フィード、物件のタブ1450を備える。エリアを選択すると、フォローエリアのエリア情報画面に遷移する。フィードタブを選択すると、フォローエリアの最新情報を表示するエリアフィード画面に遷移する。
【0066】
図13は、エリアフィード画面をスマートフォンで表示する例を説明するための図である。スマートフォンでは、掲載項目1310と物件情報1320を縦に並べて表示する。スマートフォンで表示する場合も、掲載項目1310の間に物件情報1320が挿入される。ユーザは、エリアフィード画面をスクロールさせて掲載項目1310と物件情報1320を確認できる。
【0067】
一般にソーシャルネットワークサービス(SNS)におけるフォローの対象は人である。ユーザはフォローした人がSNSに投稿した内容を容易に確認できる。これに対して、不動産情報システム1におけるフォローの対象はエリアである。不動産情報システム1がエリアに関する情報を提示することで、ユーザはフォローエリアの情報を容易に確認できる。また、SNSはフォローした人の投稿を新しい順で並べて表示する機能を備えるので、ユーザはフォローした人の最新情報を容易に確認できる。不動産情報システム1では、フォローエリアについて、更新されたエリア情報を並べて表示するエリアフィード機能を備える。エリアフィード機能はフォローエリアの最新情報を容易に確認することができ、最適な住環境の選択に貢献する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態のサーバ10は、ライフスタイルに関する質問に対する回答と立地に関する条件の入力を受け付けるユーザ診断部121と、質問に対する回答に基づいて各エリアの順位を求めるスコア算出部122と、立地に関する条件に合致するエリアを順位に基づいて選定するエリア選定部123を備える。これにより、ユーザのライフスタイルに合ったエリアであって、ユーザの希望する物件の条件に合う物件が少ないと思われるエリアを除外したエリアを提案できる。その結果、ユーザのライフスタイルに合ったエリア情報および物件情報を提供可能となり、不動産物件探しの選択肢を広げ、実際に住んでからわかるエリアの住み心地のギャップを無くすことができる。
【符号の説明】
【0069】
1…不動産情報システム
10…サーバ
110…入出力部
120…処理部
121…ユーザ診断部
122…スコア算出部
123…エリア選定部
130…記憶部
131…ユーザ情報
132…エリア情報
20…ユーザ端末
【要約】
【課題】ユーザのライフスタイルに合った物件情報を提供する。
【解決手段】不動産情報システム1のサーバ10は、ライフスタイルに関する質問に対する回答と立地に関する条件の入力を受け付けるユーザ診断部121と、質問に対する回答に基づいて各エリアの順位を求めるスコア算出部122と、立地に関する条件に合致するエリアを順位に基づいて選定するエリア選定部123を備える。立地に関する条件は、目的地と所要時間を含み、エリア選定部123は、目的地に所要時間内に到達可能な駅を求めて、求めた駅から所定の範囲内に存在するエリアを選定する。立地に関する条件は、価格帯を含み、エリア選定部123は、前記価格帯が合致するエリアを選定する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
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図10
図11
図12
図13