(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】拡張現実のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240702BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20240702BHJP
G01B 7/00 20060101ALI20240702BHJP
G01B 7/30 20060101ALI20240702BHJP
G06F 3/0346 20130101ALI20240702BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/00 510A
G09G5/00 510H
G09G5/38 100
G01B7/00 103M
G01B7/30 M
G06F3/0346 424
G06F3/01 510
(21)【出願番号】P 2023105887
(22)【出願日】2023-06-28
(62)【分割の表示】P 2021041375の分割
【原出願日】2016-03-05
【審査請求日】2023-06-28
(32)【優先日】2015-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジェイ. ウッズ
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0026253(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0238399(US,A1)
【文献】国際公開第2014/160342(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/142962(WO,A1)
【文献】特表2015-503141(JP,A)
【文献】特開2012-168646(JP,A)
【文献】特開2009-207895(JP,A)
【文献】特開2003-275164(JP,A)
【文献】特表2003-505985(JP,A)
【文献】特開2001-208529(JP,A)
【文献】特開平10-051711(JP,A)
【文献】特表平08-500441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 5/42
G01B 7/00
G01B 7/30
G06F 3/0346
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張現実(AR)ディスプレイシステムであって、前記ARディスプレイシステムは、
既知の磁場を放出するための電磁場エミッタを備える第1の構成要素と、
電磁センサを備える第2の構成要素であって、前記電磁センサは、前記放出される既知の磁場の結果としての前記電磁センサにおける磁束に関連するパラメータを測定する、第2の構成要素と、
画像データを捕捉するための前記第1および第2の構成要素のうちの1つに結合されたカメラと、
前記電磁センサにおける前記磁束に関連する前記測定されたパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記電磁場エミッタの姿勢情報を決定することと、
前記画像データを利用して頭部の姿勢情報を決定することと
を実行するためのコントローラと、
前記電磁場エミッタの前記決定された姿勢情報および前記頭部の姿勢情報の両方に少なくとも部分的に基づいて仮想コンテンツをユーザに表示するためのディスプレイシステムと
を備える、ARディスプレイシステム。
【請求項2】
前記第1の構成要素は、ハンドヘルド構成要素であり、
前記第2の構成要素は、頭部搭載型構成要素である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ハンドヘルド構成要素は、トーテムを備えている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記頭部搭載型構成要素は、前記ディスプレイシステムを備えている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の構成要素は、頭部搭載型構成要素であり、
前記第2の構成要素は、ハンドヘルド構成要素である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ハンドヘルド構成要素は、トーテムを備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記頭部搭載型構成要素は、前記ディスプレイシステムを備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記電磁センサは、3つの方向における磁束を測定するための少なくとも3つのコイルを備え、
前記少なくとも3つのコイルは、前記第2の構成要素内の異なる場所において前記第2の構成要素の中に統合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記画像データを利用して頭部の姿勢情報を決定することは、前記画像データを利用してSLAM分析に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、頭部の姿勢情報を決定するために利用される前記画像データの前記SLAM分析に少なくとも部分的に基づいて前記電磁センサの世界座標を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
慣性測定ユニット(IMU)をさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記電磁場エミッタの前記姿勢情報は、少なくとも世界に対する前記電磁場エミッタの位置および向きに対応し、前記頭部の姿勢情報は、少なくとも世界に対する前記ユーザの頭部の場所および向きに対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記電磁場エミッタの前記姿勢情報を分析することにより、前記電磁場エミッタに対応する世界座標を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、
前記電磁場エミッタの前記姿勢情報に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の仮想コンテンツとの相互作用を検出することと、
前記検出された相互作用に少なくとも部分的に基づいて仮想コンテンツを前記ユーザに表示するように前記ディスプレイシステムに命令することと
を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
追加の位置特定リソースをさらに備え、
前記コントローラは、前記位置特定リソースからの少なくとも追加の位置特定情報を使用して前記電磁場エミッタの世界座標を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記追加の位置特定リソースは、GPS受信機を備えている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記追加の位置特定リソースは、ビーコンを備えている、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記電磁センサは、フェライトディスクのスタックと、各々がポリマーコーティングを有する複数のフェライトロッドと、時分割多重化スイッチとのうちの少なくとも1つを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
拡張現実(AR)ディスプレイシステムであって、前記ARディスプレイシステムは、
既知の磁場を放出するための電磁場エミッタと、
電磁センサであって、前記電磁センサは、前記放出される既知の磁場の結果としての前記電磁センサにおける磁束に関連するパラメータを測定する、電磁センサと、
画像データを捕捉するための頭部搭載型構成要素に結合されたカメラと、
前記電磁センサにおける前記磁束に関連する前記測定されたパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記電磁場エミッタの姿勢情報を決定することと、
前記画像データを利用して頭部の姿勢情報を決定することと
を実行するためのコントローラと、
前記電磁場エミッタの前記決定された姿勢情報および前記頭部の姿勢情報の両方に少なくとも部分的に基づいて仮想コンテンツをユーザに表示するためのディスプレイシステムと
を備える、ARディスプレイシステム。
【請求項20】
拡張現実(AR)ディスプレイシステムであって、前記ARディスプレイシステムは、
既知の磁場を放出するための電磁場エミッタを備えるハンドヘルド構成要素と、
電磁センサを備える頭部搭載型構成要素であって、前記電磁センサは、前記放出される既知の磁場の結果としての前記電磁センサにおける磁束に関連するパラメータを測定する、頭部搭載型構成要素と、
画像データを捕捉するための前記頭部搭載型構成要素に結合されたカメラと、
前記電磁センサにおける前記磁束に関連する前記測定されたパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記電磁場エミッタの姿勢情報を決定することと、
前記画像データを利用して頭部の姿勢情報を決定することと
を実行するためのコントローラと、
前記電磁場エミッタの前記決定された姿勢情報および前記頭部の姿勢情報の両方に少なくとも部分的に基づいて仮想コンテンツをユーザに表示するためのディスプレイシステムと
を備える、ARディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮出願第62/128,993号(2015年3月5日出願、名称「ELECTROMAGNETIC TRACKING SYSTEM AND METHOD FOR AUGMENTED REALITY」、代理人事件番号ML 30031.00)および米国仮出願第62/292,185号(2016年2月5日出願、名称「SYSTEMS AND METHODS FOR AUGMENTED REALITY」、代理人事件番号ML 30062.00)に対する優先権を主張する。
【0002】
(背景)
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える得る様式、またはそのように知覚され得る様式においてユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対して透明性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の視覚化の拡張として、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0003】
例えば、
図1を参照すると、拡張現実場面4が、描写されており、AR技術のユーザは、背景の人々、木々、建物と、有形プラットフォーム1120とを特徴とする実世界の公園のような設定6を見る。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザは、実世界プラットフォーム1120上に立っているロボット像1110と、公園の周囲を飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ2も知覚し得る。当然ながら、仮想要素2および1110は、実世界には存在しないが、ユーザは、これらの仮想オブジェクトを実世界のオブジェクトの一部(例えば、6、1120等)であるように、かつそれらと相互作用しているように感知する。ヒトの視知覚系は、非常に複雑であり、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進するそのようなAR場面等の生成は、困難であることを理解されたい。
【0004】
例えば、頭部装着型ARディスプレイ(例えば、ヘルメット搭載型ディスプレイまたはスマートグラス)が、ユーザの頭部に装着され得、したがって、それらは、ユーザの頭部が移動すると、移動し得る。ユーザの頭部の運動が、ディスプレイシステムによって検出される場合、表示されているデータは、頭部姿勢の変化を考慮するように更新されることができる。頭部姿勢は、仮想コンテンツをユーザに対して適切にレンダリングするために利用され得る。したがって、いかなるわずかな変動も、ユーザのARディスプレイに配信される仮想コンテンツの配信またはタイミングを混乱させ、および/または損ない得る。
【0005】
例として、頭部装着型ディスプレイを装着するユーザが、ディスプレイ上の3次元(3-D)オブジェクトの仮想表現を視認し、3-Dオブジェクトが現れるエリアの周囲を歩き回る場合、その3-Dオブジェクトは、各視点に対して再レンダリングされ、彼らが、実空間を占有するオブジェクトの周囲を歩き回っているような知覚をユーザに与えることができる。頭部装着型ディスプレイが、仮想空間内に複数のオブジェクト(例えば、豊かな仮想世界)を提示するために使用される場合、頭部の姿勢の測定値(すなわち、ユーザの頭部の場所および向き)が、ユーザの動的に変化する頭部場所および向きに一致するように場面を再レンダリングし、仮想空間内への浸漬感の増加を提供するために使用されることができる。同様に、AR技術のユーザが、仮想世界と相互作用するとき、彼らは、オブジェクトを指し示すために、またはオプションを選択するためにオブジェクトまたはその手を使用し得る。この相互作用が生じるために、正確な程度までのオブジェクトまたはユーザの手の位置特定も、重要である。したがって、頭部の姿勢および「手の姿勢」の両方とも、重要であり、位置特定技法が、仮想コンテンツをユーザに対して正確に描写するために使用されなければならない。
【0006】
ARシステムでは、頭部の姿勢および/または手の姿勢の検出ならびに/もしくは計算は、ARディスプレイシステムが、実世界のオブジェクトと調和する様式において実世界内の空間を占有しているように見えるように、仮想オブジェクトをレンダリングすることを促進することができる。仮想コンテンツが1つ以上の実オブジェクトと関連して不快感を与える/方向感覚を失わせないように、AR場面を現実的に提示することは、ユーザのAR体験の享受を改善する。加えて、ユーザの頭部またはARシステムと関連したハンドヘルドデバイス(「トーテム」とも称され得る)、触知デバイス、または他の実物理的オブジェクト等の実オブジェクトの位置および/または向きの検出も、ディスプレイシステムが、ディスプレイ情報をユーザに提示し、ユーザが、ARシステムのある側面と効率的に相互作用することを可能にすることを促進し得る。
【0007】
AR用途では、物理的オブジェクトと空間的に関連した仮想オブジェクトの設置(例えば、2または3次元において物理的オブジェクトに空間的に近接して見えるように提示される)は、些細な問題ではないことを理解されたい。例えば、頭部の移動が、周囲環境のビューからの仮想オブジェクトの設置を有意に複雑にし得る。これは、ビューが周囲環境の画像として捕捉され、次いで、エンドユーザに投影もしく表示されるかどうか、またはエンドユーザが周囲環境のビューを直接知覚するかどうかにかかわらず当てはまり得る。例えば、頭部の移動は、ユーザの視野を変化させ得る。これは、ひいては、種々の仮想オブジェクトがエンドユーザの視野において表示される場所に対する更新を要求し得る。同様に、手の移動(ハンドヘルドオブジェクトの場合)が、システムと相互作用するために使用されるとき、同一の課題を提供する。これらの移動は、高速であり、典型的には、高リフレッシュレートおよび短待ち時間において、正確に検出され、位置特定される必要があり得る。
【0008】
加えて、頭部および/または手の移動は、多種多様な範囲および速度で生じ得る。速度は、異なるタイプの頭部の移動間だけではなく、単一移動の範囲内またはそれにわたっても変動し得る。例えば、頭部の移動の速度は、最初に、始点から増加し得(例えば、線形または別様に)、終点に到達するにつれて、減少し得、頭部の移動の始点と終点との間のある場所で最大速度を得る。高速移動は、均一および/または平滑運動としてエンドユーザに見える画像をレンダリングするための特定の表示または投影技術の能力さえ超え得る。
【0009】
頭部または手の追跡正確度および待ち時間(すなわち、ユーザがその頭部/手を移動させてから、画像が更新され、ユーザに表示されるまでの経過時間)は、VRおよびARシステムに対して課題となっている。特に、ユーザの視野の実質的部分を仮想要素で充填するディスプレイシステムに対して、追跡の正確度が高く、運動の最初の検出からディスプレイによってユーザの視覚系に配信される光の更新までの全体的システム待ち時間が非常に短いことが重要である。待ち時間が長い場合、システムは、ユーザの前庭と視感覚系との間に不整合をもたらし、乗り物酔いまたはシミュレータ酔いにつながり得るユーザ知覚シナリオを発生させ得る。システム待ち時間が長い場合、仮想オブジェクトの見掛け場所は、高速頭部運動中、不安定に現れ得る。
【0010】
頭部装着型ディスプレイシステムに加え、他のディスプレイシステムも、正確かつ短い待ち時間の頭部の姿勢検出から恩恵を受け得る。これらとして、ディスプレイが、ユーザの身体に装着されず、例えば、壁または他の表面上に搭載される、頭部追跡型ディスプレイシステムが挙げられ得る。頭部追跡型ディスプレイは、場面上に窓のように作用し得、ユーザがその頭部を「窓」に対して移動させるにつれて、場面は、ユーザの変化する視点に一致するように、再レンダリングされる。他のシステムとして、頭部装着型ディスプレイが光を実世界上に投影する、頭部装着型投影システムが挙げられ得る。
【0011】
加えて、現実的AR体験を提供するために、ARシステムは、ユーザと相互作用的であるように設計され得る。例えば、複数のユーザが、仮想ボールおよび/または他の仮想オブジェクトを用いて、ボールゲームをプレーし得る。1人のユーザが、仮想ボールを「キャッチ」し、ボールを別のユーザに投げ返し得る。別の実施形態では、第1のユーザは、仮想ボールを打つためのトーテム(例えば、ARシステムに通信可能に結合される物理的「バット」)を提供され得る。他の実施形態では、仮想ユーザインターフェースは、ユーザが多くのオプションのうちの1つを選択することを可能にするために、ARユーザに提示され得る。ユーザは、トーテム、触知デバイス、装着可能構成要素を使用し、または単に、仮想画面をタッチし、システムと相互作用し得る。
【0012】
ユーザ(例えば、ユーザの頭部および手)の姿勢および向きを検出し、空間内の実オブジェクトの物理的場所を検出することは、ARシステムが、仮想コンテンツを効果的かつ享受可能な様式で表示することを可能にし得る。しかしながら、頭部および手の姿勢のそのような正確な検出は、達成することが困難であり得る。言い換えると、ARシステムは、実オブジェクト(例えば、ユーザの頭部、トーテム、触知デバイス、装着可能構成要素、ユーザの手等)の物理的場所を認識し、実オブジェクトの物理的座標をユーザに表示されている1つ以上の仮想オブジェクトに対応する仮想座標に相関させなければならない。このプロセスは、1つ以上のオブジェクトの位置および向きを高速レートで追跡する非常に正確なセンサおよびセンサ認識システムによって、改良されることができる。現在のアプローチは、満足のゆく速度または精度規格において位置特定を行わない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、ARおよびVRデバイスの状況において、より優れた位置特定システムの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
拡張現実を表示する方法であって、前記方法は、
電磁場エミッタを通して、既知の磁場を放出することと、
電磁センサを通して、前記放出される既知の磁場の結果としての前記電磁センサにおける磁束に関連するパラメータを測定することであって、前記電磁センサの世界座標は、既知である、ことと、
前記電磁センサにおいて測定された前記磁束に関連するパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記電磁場エミッタに対する姿勢情報を決定することと、
前記電磁場エミッタに対して前記決定された姿勢情報に少なくとも部分的に基づいて、仮想コンテンツをユーザに表示することと
を含む、方法。
(項目2)
前記電磁場エミッタは、ARディスプレイシステムのモバイル構成要素内に常駐している、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記モバイル構成要素は、ハンドヘルド構成要素である、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記モバイル構成要素は、トーテムである、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記モバイル構成要素は、前記ARディスプレイシステムの頭部搭載型構成要素である、項目2に記載の方法。
(項目6)
ディスプレイシステムを頭部搭載型構成要素内に格納することをさらに含み、前記電磁センサは、前記頭部搭載型構成要素に動作可能に結合されている、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記電磁センサの前記世界座標は、頭部の姿勢情報を決定するために行われるSLAM分析に少なくとも部分的に基づいて既知であり、前記電磁センサは、前記ディスプレイシステムを格納する頭部搭載型構成要素に動作可能に結合されている、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記頭部搭載型構成要素に動作可能に結合された1つ以上のカメラを通して画像データを捕捉することをさらに含み、前記SLAM分析は、少なくとも前記1つ以上のカメラによって捕捉されたデータに基づいて行われる、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記電磁センサは、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を備えている、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記姿勢情報は、少なくとも世界に対する前記電磁場エミッタの位置および向きに対応する、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記姿勢情報は、前記電磁場エミッタに対応する世界座標を決定するために分析される、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記電磁場エミッタに対応する前記姿勢情報に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の仮想コンテンツとの相互作用を検出することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記検出された相互作用に少なくとも部分的に基づいて、仮想コンテンツを前記ユーザに表示することをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記電磁センサは、3つの方向における磁束を測定するための少なくとも3つのコイルを備えている、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記少なくとも3つのコイルは、実質的に同じ場所に一緒に格納され、前記電磁センサは、ARディスプレイシステムの頭部搭載型構成要素に結合されている、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記少なくとも3つのコイルは、前記ARディスプレイシステムの頭部搭載型構成要素の異なる場所に格納されている、項目14に記載の方法。
(項目17)
制御用かつクイック解放式のモジュールを通して、前記電磁場エミッタによって放出される磁場を切り離すことをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目18)
追加の位置特定リソースを通して、前記電磁場エミッタの世界座標を決定することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記追加の位置特定リソースは、GPS受信機を備えている、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記追加の位置特定リソースは、ビーコンを備えている、項目18に記載の方法。
(項目21)
前記電磁センサは、非中実フェライト立方体を備えている、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記電磁センサは、フェライトディスクのスタックを備えている、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記電磁センサは、各々がポリマーコーティングを有する複数のフェライトロッドを備えている、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記電磁センサは、時分割多重化スイッチを備えている、項目1に記載の方法。
(項目25)
前記方法ステップを実装する手段を有するシステムとして実装される項目1-24に記載の方法。
(項目26)
前記方法ステップを実行するための実行可能コードを有するコンピュータ使用可能記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品として実装される項目1-24に記載の方法。
本発明の実施形態は、1人以上のユーザのために仮想現実および/または拡張現実相互作用を促進するためのデバイス、システム、および方法に関する。
【0015】
一側面では、拡張現実(AR)ディスプレイシステムは、既知の磁場を放出するための電磁場エミッタと、放出された既知の磁場の結果として電磁センサにおいて測定された磁束に関連するパラメータを測定するための電磁センサでもあって、その世界座標が既知である、電磁センサと、少なくとも部分的に、電磁センサにおいて測定された磁束に関連する測定パラメータに基づいて、電磁場エミッタに対する姿勢情報を決定するためのコントローラと、少なくとも部分的に、電磁場エミッタに対して決定された姿勢情報に基づいて、仮想コンテンツをユーザに表示するためのディスプレイシステムとを備えている。
【0016】
1つ以上の実施形態では、電磁場エミッタは、ARディスプレイシステムのモバイル構成要素内に常駐する。1つ以上の実施形態では、モバイル構成要素は、ハンドヘルド構成要素である。1つ以上の実施形態では、モバイル構成要素は、トーテムである。
【0017】
1つ以上の実施形態では、モバイル構成要素は、ARディスプレイシステムの頭部搭載型構成要素である。1つ以上の実施形態では、ARディスプレイシステムはさらに、ディスプレイシステムを格納する頭部搭載型構成要素を備え、電磁センサは、頭部搭載型構成要素に動作可能に結合される。1つ以上の実施形態では、電磁センサの世界座標は、少なくとも部分的に、頭部の姿勢情報を決定するために行われるSLAM分析に基づいて既知であり、電磁センサは、ディスプレイシステムを格納する頭部搭載型構成要素に動作可能に結合される。
【0018】
1つ以上の実施形態では、ARディスプレイはさらに、頭部搭載型構成要素に動作可能に結合された1つ以上のカメラを備え、SLAM分析は、少なくとも、1つ以上のカメラによって捕捉されたデータに基づいて行われる。1つ以上の実施形態では、電磁センサは、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を備えている。
【0019】
1つ以上の実施形態では、姿勢情報は、少なくとも、世界に対する電磁場エミッタの位置および向きに対応する。1つ以上の実施形態では、姿勢情報は、電磁場エミッタに対応する世界座標を決定するために分析される。1つ以上の実施形態では、コントローラは、少なくとも部分的に、電磁場エミッタに対応する姿勢情報に基づいて、1つ以上の仮想コンテンツとの相互作用を検出する。
【0020】
1つ以上の実施形態では、ディスプレイシステムは、少なくとも部分的に、検出された相互作用に基づいて、仮想コンテンツをユーザに表示する。1つ以上の実施形態では、電磁センサは、3つの方向における磁束を測定するための少なくとも3つのコイルを備えている。1つ以上の実施形態では、少なくとも3つのコイルは、実質的に同じ場所に一緒に格納され、電磁センサは、ARディスプレイシステムの頭部搭載型構成要素に結合される。
【0021】
1つ以上の実施形態では、少なくとも3つのコイルは、ARディスプレイシステムの頭部搭載型構成要素の異なる場所に格納される。
【0022】
電磁場エミッタによって放出される磁場を切り離すための制御用かつクイック解放式のモジュールをさらに備えている請求項1に記載のARディスプレイシステム。1つ以上の実施形態では、ARディスプレイシステムはさらに、電磁場エミッタの世界座標を決定するための追加の位置特定リソースを備えている。1つ以上の実施形態では、追加の位置特定リソースは、GPS受信機を備えている。1つ以上の実施形態では、追加の位置特定リソースは、ビーコンを備えている。
【0023】
1つ以上の実施形態では、電磁センサは、非中実フェライト立方体を備えている。1つ以上の実施形態では、電磁センサは、フェライトディスクのスタックを備えている。1つ以上の実施形態では、電磁センサは、各々がポリマーコーティングを有する複数のフェライトロッドを備えている。1つ以上の実施形態では、電磁センサは、時分割多重化スイッチを備えている。
【0024】
別の側面では、拡張現実を表示する方法は、電磁場エミッタを通して、既知の磁場を放出することと、電磁センサを通して、放出される既知の磁場の結果として電磁センサにおいて測定された磁束に関連するパラメータを測定することであって、電磁センサの世界座標は、既知である、ことと、少なくとも部分的に、電磁センサにおいて測定された磁束に関連する測定されたパラメータに基づいて、電磁場エミッタに対する姿勢情報を決定することと、少なくとも部分的に、電磁場エミッタに対して決定された姿勢情報に基づいて、仮想コンテンツをユーザに表示することとを含む。
【0025】
1つ以上の実施形態では、電磁場エミッタは、ARディスプレイシステムのモバイル構成要素内に常駐する。1つ以上の実施形態では、モバイル構成要素は、ハンドヘルド構成要素である。1つ以上の実施形態では、モバイル構成要素は、トーテムである。1つ以上の実施形態では、モバイル構成要素は、ARディスプレイシステムの頭部搭載型構成要素である。
【0026】
1つ以上の実施形態では、方法はさらに、ディスプレイシステムを頭部搭載型構成要素内に格納することを含み、電磁センサは、頭部搭載型構成要素に動作可能に結合される。1つ以上の実施形態では、電磁センサの世界座標は、少なくとも部分的に、頭部の姿勢情報を決定するために行われるSLAM分析に基づいて既知であり、電磁センサは、ディスプレイシステムを格納する頭部搭載型構成要素に動作可能に結合される。
【0027】
1つ以上の実施形態では、方法はさらに、頭部搭載型構成要素に動作可能に結合された1つ以上のカメラを通して画像データを捕捉することを含み、SLAM分析は、少なくとも、1つ以上のカメラによって捕捉されたデータに基づいて行われる。1つ以上の実施形態では、電磁センサは、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を備えている。
【0028】
1つ以上の実施形態では、姿勢情報は、少なくとも、世界に対する電磁場エミッタの位置および向きに対応する。1つ以上の実施形態では、姿勢情報は、電磁場エミッタに対応する世界座標を決定するために分析される。1つ以上の実施形態では、方法はさらに、少なくとも部分的に、電磁場エミッタに対応する姿勢情報に基づいて、1つ以上の仮想コンテンツとの相互作用を検出することを含む。
【0029】
1つ以上の実施形態では、方法はさらに、少なくとも部分的に、検出された相互作用に基づいて、仮想コンテンツをユーザに表示することを含む。1つ以上の実施形態では、電磁センサは、3つの方向における磁束を測定するための少なくとも3つのコイルを備えている。1つ以上の実施形態では、少なくとも3つのコイルは、実質的に同じ場所に一緒に格納され、電磁センサは、ARディスプレイシステムの頭部搭載型構成要素に結合される。1つ以上の実施形態では、少なくとも3つのコイルは、ARディスプレイシステムの頭部搭載型構成要素の異なる場所に格納される。
【0030】
1つ以上の実施形態では、方法はさらに、制御用かつクイック解放式のモジュールを通して、電磁場エミッタによって放出される磁場を切り離すことを含む。1つ以上の実施形態では、方法はさらに、追加の位置特定リソースを通して、電磁場エミッタの世界座標を決定することを含む。1つ以上の実施形態では、追加の位置特定リソースは、GPS受信機を備えている。1つ以上の実施形態では、追加の位置特定リソースは、ビーコンを備えている。
【0031】
さらに別の側面では、拡張現実ディスプレイシステムは、電磁場エミッタを格納するハンドヘルド構成要素であって、電磁場エミッタは、既知の磁場を放出する、ハンドヘルド構成要素と、仮想コンテンツをユーザに表示するディスプレイシステムを有する頭部搭載型構成要素であって、頭部搭載型構成要素は、ハンドヘルド構成要素内に格納される電磁場エミッタによって放出される磁場を検出する1つ以上の電磁センサに結合され、頭部の姿勢は、既知である、頭部搭載型構成要素と、ハンドヘルド構成要素および頭部搭載型構成要素に通信可能に結合されるコントローラであって、コントローラは、磁場データをハンドヘルド構成要素から受信し、センサデータを頭部搭載型構成要素から受信し、少なくとも部分的に、受信された磁場データおよび受信されたセンサデータに基づいて、手の姿勢を決定する、コントローラとを備え、ディスプレイシステムは、少なくとも部分的に、決定された手の姿勢に基づいて、ユーザに表示される仮想コンテンツを修正する。
【0032】
1つ以上の実施形態では、ハンドヘルド構成要素は、モバイル式である。1つ以上の実施形態では、ハンドヘルド構成要素は、トーテムである。1つ以上の実施形態では、ハンドヘルド構成要素は、ゲーム構成要素である。1つ以上の実施形態では、頭部の姿勢は、少なくとも部分的に、SLAM分析に基づいて、既知である。
【0033】
1つ以上の実施形態では、ARディスプレイシステムはさらに、頭部搭載型構成要素に動作可能に結合される1つ以上のカメラを備え、SLAM分析は、少なくとも、1つ以上のカメラによって捕捉されたデータに基づいて行われる。1つ以上の実施形態では、電磁センサは、1つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を備えている。
【0034】
1つ以上の実施形態では、頭部の姿勢は、少なくとも、世界に対する電磁センサの位置および向きに対応する。1つ以上の実施形態では、手の姿勢は、ハンドヘルド構成要素に対応する世界座標を決定するために分析される。1つ以上の実施形態では、コントローラは、少なくとも部分的に、決定された手の姿勢に基づいて、1つ以上の仮想コンテンツとの相互作用を検出する。
【0035】
1つ以上の実施形態では、ディスプレイシステムは、少なくとも部分的に、検出された相互作用に基づいて、仮想コンテンツをユーザに表示する。1つ以上の実施形態では、電磁センサは、3つの方向における磁束を測定するための少なくとも3つのコイルを備えている。1つ以上の実施形態では、少なくとも3つのコイルは、実質的に同じ場所に一緒に格納される。1つ以上の実施形態では、少なくとも3つのコイルは、頭部搭載型構成要素の異なる場所に格納される。
【0036】
1つ以上の実施形態では、ARディスプレイシステムはさらに、電磁場エミッタによって放出される磁場を切り離すための制御用かつクイック解放式のモジュールを備えている。1つ以上の実施形態では、ARディスプレイシステムはさらに、手の姿勢を決定するための追加の位置特定リソースを備えている。1つ以上の実施形態では、追加の位置特定リソースは、GPS受信機を備えている。1つ以上の実施形態では、追加の位置特定リソースは、ビーコンを備えている。
【0037】
本発明の追加のおよび他の目的、特徴、および利点が、発明を実施するための形態、図、および請求項で説明される。
【0038】
本発明の追加のおよび他の目的、特徴、および利点が、発明を実施するための形態、図、および請求項で説明される。
【0039】
図面は、本発明の種々の実施形態の設計および利用を図示する。図は、正確な縮尺で描かれておらず、類似構造または機能の要素は、図全体を通して同一参照番号によって表されることに留意されたい。本発明の種々の実施形態の前述および他の利点ならびに目的を得る方法をより深く理解するために、上記に簡潔に説明された本発明のより詳細な説明が、付随の図面に図示されるその具体的実施形態を参照することによって与えられるであろう。これらの図面は、本発明の典型的実施形態のみを描写しており、したがって、その範囲の限定と見なされるものではないことを理解した上で、本発明が、付随の図面の使用を通して追加の具体性および詳細とともに記載および説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、一実施形態による、ARシステムのユーザに表示されるAR場面の平面図を図示する。
【
図2A】
図2A-2Dは、装着可能ARデバイスの種々の実施形態を図示する。
【
図2B】
図2A-2Dは、装着可能ARデバイスの種々の実施形態を図示する。
【
図2C】
図2A-2Dは、装着可能ARデバイスの種々の実施形態を図示する。
【
図2D】
図2A-2Dは、装着可能ARデバイスの種々の実施形態を図示する。
【
図3】
図3は、ARシステムの1つ以上のクラウドサーバと相互作用する装着可能ARデバイスのユーザの例示的実施形態を図示する。
【
図4】
図4は、電磁追跡システムの例示的実施形態を図示する。
【
図5】
図5は、一例示的実施形態による、センサの位置および向きを決定する例示的方法を図示する。
【
図6】
図6は、電磁追跡システムを利用して頭部の姿勢を決定する例示的略図を図示する。
【
図7】
図7は、検出された頭部の姿勢に基づいて仮想コンテンツをユーザに配信する例示的方法を図示する。
【
図8】
図8は、電磁送信機および電磁センサを有する一実施形態による、ARシステムの種々の構成要素の概略図を図示する。
【
図9A】
図9A-9Fは、制御用かつクイック解放式のモジュールの種々の実施形態を図示する。
【
図9B】
図9A-9Fは、制御用かつクイック解放式のモジュールの種々の実施形態を図示する。
【
図9C】
図9A-9Fは、制御用かつクイック解放式のモジュールの種々の実施形態を図示する。
【
図9D】
図9A-9Fは、制御用かつクイック解放式のモジュールの種々の実施形態を図示する。
【
図9E】
図9A-9Fは、制御用かつクイック解放式のモジュールの種々の実施形態を図示する。
【
図9F】
図9A-9Fは、制御用かつクイック解放式のモジュールの種々の実施形態を図示する。
【
図10】
図10は、ARデバイスの一簡略化された実施形態を図示する。
【
図11A】
図11Aおよび11Bは、頭部搭載型ARシステム上への電磁センサの設置の種々の実施形態を図示する。
【
図11B】
図11Aおよび11Bは、頭部搭載型ARシステム上への電磁センサの設置の種々の実施形態を図示する。
【
図12】
図12A-12Eは、電磁センサに結合されるべきフェライト立方体の種々の実施形態を図示する。
【
図14】
図14は、電磁追跡システムを使用して頭部および手の姿勢を検出する例示的方法を図示する。
【
図15】
図15は、電磁追跡システムを使用して頭部および手の姿勢を検出する、別の例示的方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図2A-2Dを参照すると、いくつかの一般的構成要素オプションが、図示される。
図2A-2Dの議論に従う、詳細な説明の部分では、種々のシステム、サブシステム、および構成要素が、ヒトVRおよび/またはARのための高品質かつ快適に知覚されるディスプレイシステムを提供する目的に対処するために提示される。
【0042】
図2Aに示されるように、ARシステムユーザ60は、ユーザの眼の正面に位置付けられるディスプレイシステム62に結合されるフレーム64構造を特徴とする、頭部搭載型構成要素58を装着するように描写される。スピーカ66が、描写される構成においてフレーム64に結合され、ユーザの外耳道に隣接して位置付けられる(一実施形態では、示されない別のスピーカが、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、立体/成形可能音制御を提供する)。ディスプレイ62は、有線導線または無線接続等によって、ローカル処理およびデータモジュール70に動作可能に結合68され得、ローカル処理およびデータモジュール70は、種々の構成において搭載され得、例えば、フレーム64に固定して取り付けられるか、
図2Bの実施形態に示されるようにヘルメットまたは帽子80に固定して取り付けられるか、ヘッドホン内に埋め込まれるか、
図2Cの実施形態に示されるようにバックパック式構成においてユーザ60の胴体82に除去可能に取り付けられるか、または
図2Dの実施形態に示されるようにベルト結合式構成においてユーザ60の臀部84に除去可能に取り付けられる。
【0043】
ローカル処理およびデータモジュール70は、電力効率の良いプロセッサまたはコントローラ、ならびにフラッシュメモリ等のデジタルメモリを備え得、両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得、データは、(a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロ等、フレーム64に動作可能に結合され得るセンサから捕捉され、および/または、(b)おそらく、そのような処理または読み出し後のディスプレイ62への受け渡しのために、遠隔処理モジュール72および/または遠隔データリポジトリ74を使用して、取得かつ/もしくは処理され得る。ローカル処理およびデータモジュール70は、有線または無線通信リンク等を介して、遠隔モジュール(72、74)が互いに動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール70へのリソースとして利用可能であるように、これらの遠隔処理モジュール72および遠隔データリポジトリ74に動作可能に結合(76、78)され得る。
【0044】
一実施形態では、遠隔処理モジュール72は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される1つ以上の比較的に高性能なプロセッサまたはコントローラを備え得る。一実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、比較的に大規模なデジタルデータ記憶設備を備え得、それは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成内の他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る。一実施形態では、全てのデータは、記憶され得、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュール内で行われ、任意の遠隔モジュールから完全に自律的な使用を可能にし得る。
【0045】
ここで
図3を参照すると、概略図は、クラウドコンピューティングアセット46とローカル処理アセットとの間の協調を図示し、ローカル処理アセットは、例えば、ユーザの頭部120に結合される頭部搭載型構成要素58と、ユーザのベルト308に結合されるローカル処理およびデータモジュール70との中に常駐し得る。したがって、構成要素70は、
図3に示されるように、「ベルトパック」70とも称され得る。一実施形態では、1つ以上のクラウドサーバシステム110等のクラウド46アセットは、有線または無線ネットワーキング等を介して、(無線は、モバイル式のために好ましく、有線は、所望され得るある高帯域幅または高データ量転送のために好ましい)、直接、前述のように、ユーザの頭部120およびベルト308に結合されるプロセッサおよびメモリ構成等のローカルコンピューティングアセットの一方または両方(40、42)に動作可能に結合115される。ユーザにローカルのこれらのコンピューティングアセットは同様に、
図8を参照して以下に議論される有線結合68等、有線および/または無線接続構成44を介して、互いに動作可能に結合され得る。一実施形態では、ユーザの頭部120に搭載される低慣性および小型サブシステムを維持するために、ユーザとクラウド46との間の一次転送は、ベルト308に搭載されるサブシステムとクラウドとの間のリンクを介し得、頭部搭載型サブシステム120は、主に、例えば、パーソナルコンピューティング周辺接続用途において現在採用されるような超広帯域(「UWB」)接続等の無線接続を使用して、ベルトベースのサブシステム308にデータテザリングされる。
【0046】
効率的ローカルおよび遠隔処理協調ならびに
図2Aに示されるユーザインターフェースもしくはユーザディスプレイシステム62またはその変形例等のユーザのための適切なディスプレイデバイスを用いることで、ユーザの現在の実際のまたは仮想場所に関する1つの世界の側面は、ユーザに転送もしくは「パス」され、効率的方式で更新され得る。言い換えると、世界のマップが、ユーザのARシステム上に部分的に常駐し、かつクラウドリソース内に部分的に常駐し得る記憶場所において、持続的に更新され得る。マップ(「パス可能世界モデル」とも称される)は、ラスタ画像、3-Dおよび2-Dポイント、パラメータ情報、および実世界についての他の情報を備えている大型データベースであり得る。ますます多くのARユーザが、その実環境についての情報を持続的に捕捉するにつれて(例えば、カメラ、センサ、IMU等を通して)、マップは、ますます正確かつ完全となる。
【0047】
クラウドコンピューティングリソース上に常駐し、クラウドサーバから配布され得る、世界の1つの「モデル」が存在する前述のような構成を用いることで、そのような世界は、比較的に低帯域幅形態において、1人以上のユーザに「パス可能」となり得る。これは、リアルタイムビデオデータまたは類似の複雑な情報を1つのARシステムから別のものに転送するために好ましくあり得る。像の近くに立っている人(すなわち、
図1に示されるように)の拡張体験は、クラウドベースの世界モデルによって情報提供され得、その一部は、その人のローカルディスプレイデバイスにパスされ、ビューを完成させ得る。遠隔ディスプレイデバイス(例えば、机上にあるパーソナルコンピュータ)に向かって着座している人が、その情報の同一セクションをクラウドから効率的にダウンロードし、それをパーソナルコンピュータディスプレイ上にレンダリングさせることができる。さらに別の実施形態では、さらに別のユーザが、公園にリアルタイムで存在し得、その公園を散歩し得、友人(例えば、パーソナルコンピュータに向かっている人)は、共有ARおよび/またはVR体験を通してそのユーザに加わる。公園の場面を友人に対してレンダリングするために、ARシステムは、通りの場所、公園内の木々の場所、像の場所等を検出し得る。この場所は、クラウド内のパス可能世界モデルにアップロードされ得、友人(パーソナルコンピュータに向かっている)は、パス可能世界のその部分をクラウドからダウンロードし、次いで、公園内のARユーザと「並んで散歩」を始めることができる。当然ながら、いくつかの実施形態では、友人は、ARユーザが公園内で仮想友人と並んで散歩することができるように、パス可能世界モデル内のアバタとして公園内のARユーザにレンダリングされ得る。
【0048】
より具体的には、クラウド(続いて、他のARユーザ)にパスされ得るように世界の詳細を捕捉するために、種々のオブジェクトに関する3-Dポイントが、環境から捕捉され得、それらの画像またはポイントを捕捉するカメラの姿勢(すなわち、世界に対するベクトルおよび/または原点位置情報)が、決定され得る。これらの3-Dポイントは、この姿勢情報と「タグ付けされる」か、または関連付けられ得る。任意の所与の環境内の同一ポイントを捕捉する多数のARシステムが存在し得ることを理解されたい。例えば、(第2のARシステムの)第2のカメラによって捕捉されるポイントは、第2のカメラの頭部の姿勢を決定するために利用され得る。言い換えると、第1のカメラからのタグ付けされた画像との比較に基づいて、第2のカメラを向けること、および/または位置特定することができる。次いで、この情報は、テクスチャを抽出するために、マップを作成するために、および実世界の1つ以上の仮想コピーを生成するために利用され得る。
【0049】
1つ以上の実施形態では、ARシステムは、3-Dポイントおよびそのポイントを生成した2-D画像の両方を捕捉するために利用されることができる。前述のように、これらのポイントおよび画像は、いくつかの実施形態では、クラウド記憶および処理リソース(例えば、
図3のサーバ110)に送信され得る。他の実施形態では、この情報は、タグ付けされた2-D画像が3-Dポイントとともにクラウドに送信されるように、埋め込まれた姿勢情報(すなわち、タグ付けされた画像)とともにローカルでキャッシュされ得る。ユーザが動的場面を観察している場合、ユーザはまた、追加の情報をクラウドサーバに送信し得る。1つ以上の実施形態では、オブジェクト認識装置が、捕捉されたポイント内の1つ以上のオブジェクトを認識するために、(クラウドリソースまたはローカルシステムのいずれか上で)起動し得る。オブジェクト認識装置およびパス可能世界モデルに関するさらなる情報は、「SYSTEM AND METHOD FOR AUTMENTED AND VIRTUAL REALITY」と題された米国特許出願第14/205,126号に見出され得る。Magic Leap,Inc.(Fort Lauderdale,Florida)によって開発されたもの等の拡張および仮想現実システムに関連するさらなる情報は、米国特許出願第14/641,376号、米国特許出願第14/555,585号、米国特許出願第14/212,961号、米国特許出願第14/690,401号、米国特許出願第13/663,466号、および米国特許出願第13/684,489号に開示されている。
【0050】
「パス可能世界モデル」を生成するために使用され得るポイントを捕捉するために、世界に対するユーザの場所、姿勢、および向きを正確に把握することが有用である。より具体的には、ユーザの位置は、ユーザの頭部の姿勢ならびに手の姿勢(ユーザが、ハンドヘルド構成要素を握っている、ジェスチャを行っている等の場合)を把握することが重要であり得るので、ある程度の粒度まで位置特定されなければならない。1つ以上の実施形態では、GPSおよび他の位置特定情報が、そのような処理のための入力として利用され得る。ユーザの頭部、トーテム、手のジェスチャ、触知デバイス等の非常に正確な位置特定が、特定のARシステムから導出される画像およびポイントを処理することにおいて、および適切な仮想コンテンツをユーザに表示するためにも望ましい。
【0051】
高精度位置特定を達成するための1つのアプローチは、ユーザのARヘッドセット、ベルトパック、および/または他の補助デバイス(例えば、トーテム、触知デバイス、ゲーム器具等)上に方略的に設置される電磁センサと結合される電磁場の使用を伴い得る。電磁追跡システムは、典型的には、少なくとも、電磁場エミッタと、少なくとも1つの電磁場センサとを備えている。電磁センサは、既知の分布を伴う電磁場を測定し得る。これらの測定に基づいて、エミッタに対する場センサの位置および向きが、決定される。
【0052】
ここで
図4を参照すると、電磁追跡システムの例示的システム(例えば、Johnson & Johnson Corporationの子会社であるBiosense(RTM)、Polhemus(RTM),Inc.(Colchester,Vermont)等の組織によって開発されたもの、Sixense(RTM)Entertainment,Inc.(Los Gatos,California)、および他の追跡装置製造企業によって製造されたもの等)が、図示される。1つ以上の実施形態では、電磁追跡システムは、既知の磁場を放出するように構成される、電磁場エミッタ402を備えている。
図4に示されるように、電磁場エミッタ402は、電力を電磁場エミッタ402に提供するための電力供給源410(例えば、電流、バッテリ等)に結合され得る。
【0053】
1つ以上の実施形態では、電磁場エミッタ402は、磁場を発生させる、いくつかのコイル(例えば、互いに垂直に位置付けられ、場をx、y、およびz方向に生成する、少なくとも3つのコイル)を備えている。これらの磁場は、座標空間を確立するために使用される。これは、システムが、既知の磁場と関連してセンサ404の位置をマップすることを可能にし得、これは、ひいては、センサ404の位置および/または向きを決定することに役立つ。1つ以上の実施形態では、電磁センサ404a、404b等が、1つ以上の実オブジェクトに取り付けられ得る。電磁センサ404は、放出される電磁場を通して電流が誘導され得るより小さいコイルを備え得る。概して、「センサ」構成要素404は、立方体または他の容器等の小型構造内に一緒に結合される3つの異なるように向けられる(すなわち、互いに対して直交して向けられる等)コイルの組等の小型コイルまたはループを備え得、小型コイルまたはループは、電磁エミッタ402によって放出される磁場から流入する磁束を捕捉するように位置付けられ/向けられる。これらのコイルを通して誘導される電流を比較することによって、かつ互いに対するコイルの相対的位置および向きを把握することによって、電磁エミッタ402に対するセンサ404の相対的位置および向きが、計算され得る。
【0054】
電磁追跡センサ404内のコイルと電磁追跡センサ404に動作可能に結合される慣性測定ユニット(「IMU」)構成要素との挙動に関する1つ以上のパラメータが、電磁場エミッタ402が結合される座標系に対するセンサ404(およびそれが取り付けられるオブジェクト)の位置および/または向きを検出するために、測定され得る。当然ながら、この座標系は、実世界内の電磁場エミッタの場所または姿勢を決定するために、世界の座標系に変換され得る。1つ以上の実施形態では、複数のセンサ404が、電磁エミッタ402と関連して使用され、電磁場エミッタ402と関連付けられた座標空間内のセンサ404のそれぞれの位置および向きを検出し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、頭部の姿勢が、ARシステムの頭部搭載型構成要素上のセンサと、頭部搭載型ARシステムを通して捕捉されたセンサデータおよび画像データに基づいて行われるSLAM分析とに基づいて、すでに既知であり得ることを理解されたい。しかしながら、既知の頭部の姿勢に対するユーザの手(例えば、トーテムのようなハンドヘルド構成要素等)の位置を把握することが重要であり得る。言い換えると、頭部の姿勢に対する手の姿勢を把握することが重要であり得る。頭部(センサが頭部搭載型構成要素上に設置されると仮定して)と手との間の関係が把握されると、世界に対する手の場所(例えば、世界座標)が、容易に計算されることができる。
【0056】
1つ以上の実施形態では、電磁追跡システムは、センサ404の3-D位置(すなわち、X、Y、およびZ方向)を提供し得、さらに、2つまたは3つの向きの角度においてセンサ404の場所情報を提供し得る。1つ以上の実施形態では、IMUの測定値は、コイルの測定値と比較され、センサ404の位置および向きを決定し得る。1つ以上の実施形態では、電磁(EM)データおよびIMUデータは両方とも、カメラ、深度センサ、および他のセンサ等の種々の他のデータ源とともに、電磁センサ404の位置および向きを決定するために組み合わせられ得る。
【0057】
1つ以上の実施形態では、この情報は、コントローラ406に伝送され得る(例えば、無線通信、Bluetooth(登録商標)等)。1つ以上の実施形態では、センサ404に対応する姿勢情報(例えば、位置および向き)は、比較的に高リフレッシュレートでコントローラ406に報告され得る。従来、電磁エミッタ402は、テーブル、手術台、壁、または天井等の比較的に安定した大型オブジェクトに結合され得、1つ以上のセンサ404は、医療デバイス、ハンドヘルドゲーム構成要素、トーテム、頭部搭載型ARシステムのフレーム等のより小型のオブジェクトに結合され得る。
【0058】
代替として、
図6を参照して以下に説明されるように、電磁追跡システムの種々の特徴が採用され、ある構成を生成し得、より安定したグローバル座標系に対する空間内を移動する2つのオブジェクト間の位置および/または向きにおける変化またはデルタが、追跡され得る。言い換えると、構成は、
図6に示されており、電磁追跡システムの変動が、利用され、頭部搭載型構成要素とハンドヘルド構成要素との間の位置および向き変化を追跡し得る一方、(例えば、ユーザにローカルの室内環境の)グローバル座標系に対する頭部の姿勢は、ARシステムの頭部搭載型構成要素に結合され得る外向き捕捉カメラを使用して、同時位置特定およびマッピング(「SLAM」)技法等によって別様に決定される。
【0059】
図4に戻って参照すると、コントローラ406は、電磁場エミッタ402を制御し得、さらに、測定データを種々の電磁センサ404から捕捉し得る。システムの種々の構成要素は、任意の電気機械的または無線/Bluetooth(登録商標)手段を通して互いに結合され得ることを理解されたい。コントローラ406はまた、既知の磁場および磁場に関連する座標空間に関するデータを記憶し得る。この情報は、次いで、既知の電磁場に対応する座標空間に関連してセンサ404の位置および向きを検出するために使用され得、それは、次いで、ユーザの手の世界座標(例えば、電磁エミッタの場所)を決定するために使用されることができる。
【0060】
電磁追跡システムの1つの利点は、最小限の待ち時間および高分解能を伴って非常に正確な追跡結果を生成することができることである。加えて、電磁追跡システムは、必ずしも、光学追跡装置に依拠せず、それによって、ユーザの視線内にないセンサ/オブジェクトの追跡をより容易にする。
【0061】
電磁場の強度(「v」)は、コイル送信機(例えば、電磁場エミッタ402)からの距離(「r」)の三次関数として低下することを理解されたい。1つ以上のアルゴリズムは、電磁場エミッタからのセンサの距離に基づいて公式化され得る。コントローラ406は、そのようなアルゴリズムを用いて、電磁場エミッタからのさまざまな距離におけるセンサ/オブジェクトの位置および向きを決定するように構成され得る。電磁エミッタから離れて移動するにつれての電磁場の強度の急減を考慮すると、正確度、効率、および短待ち時間の観点から、改良された結果は、より近い距離において達成され得る。典型的電磁追跡システムでは、電磁場エミッタは、電流(例えば、差し込み式電力供給源)によって給電され、電磁場エミッタから半径20フィート以内に位置するセンサを有する。センサと場エミッタとの間の半径が短いほど、AR用途を含む、多くの用途においてより望ましくあり得る。
【0062】
ここで
図5を参照すると、典型的電磁追跡システムの機能を説明する例示的フロー図が、簡単に説明される。502では、既知の電磁場が、放出される。1つ以上の実施形態では、電磁場エミッタは、磁場を発生させ得る。言い換えると、エミッタの各コイルは、電場を一方向(例えば、x、y、またはz)に発生させ得る。磁場は、恣意的波形を用いて発生され得る。1つ以上の実施形態では、軸の各々は、若干異なる周波数で振動し得る。
【0063】
504では、電磁場に対応する座標空間が、決定され得る。例えば、
図4のコントローラ406は、電磁場のパラメータに基づいて、電磁エミッタの周囲の座標空間を自動的に決定し得る。506では、センサ(既知のオブジェクトに取り付けられ得る)におけるコイルの挙動が、検出/測定され得る。例えば、コイルにおいて誘導される電流が、測定され得る。他の実施形態では、コイルの回転または他の定量化可能挙動が、追跡および測定され得る。508では、この測定は、センサおよび/または既知のオブジェクトの位置および向きを決定/計算するために使用され得る。例えば、コントローラは、センサにおけるコイルの挙動を種々の位置または向きに相関させる、マッピングテーブルを参考にし得る。これらの計算に基づいて、座標空間内のセンサ(またはそこに取り付けられるオブジェクト)の位置および向きが、決定され得る。いくつかの実施形態では、姿勢/場所情報は、センサにおいて決定され得る。他の実施形態では、センサは、センサにおいて検出されたデータをコントローラに通信し、コントローラは、マッピングテーブルを参考にし、既知の磁場に対する姿勢情報(例えば、ハンドヘルド構成要素に対する座標)を決定し得る。
【0064】
ARシステムの状況では、電磁追跡システムの1つ以上の構成要素は、モバイル構成要素の正確な追跡を促進するために、修正される必要があり得る。前述のように、ユーザの頭部の姿勢および向きの追跡は、多くのAR用途において有用である。ユーザの頭部の姿勢および向きの正確な決定は、ARシステムが、正しい仮想コンテンツをARディスプレイ内の適切な位置においてユーザに表示することを可能にする。例えば、仮想場面は、実際の建物の背後に隠れているモンスタを含み得る。建物と関連したユーザの頭部の姿勢および向きに応じて、仮想モンスタのビューは、現実的AR体験が提供されるように修正される必要があり得る。
【0065】
他の実施形態では、トーテム、触知デバイス、または仮想コンテンツと相互作用するある他の手段の位置および/または向きは、ARユーザがARシステムと相互作用することを可能にすることにおいて重要であり得る。例えば、多くのゲーム用途では、ARシステムは、仮想コンテンツと関連した実オブジェクトの位置および向きを検出しなければならない。または、仮想インターフェースを表示するとき、トーテム、ユーザの手、触知デバイス、またはARシステムとの相互作用のために構成される任意の他の実オブジェクトの位置が、システムがコマンド等を理解するために、表示される仮想インターフェースと関連して把握されなければならない。光学追跡および他の方法を含む、従来の位置特定方法は、典型的には、長待ち時間および低分解能問題に悩まされ、仮想コンテンツのレンダリングを多くのAR用途において困難にする。
【0066】
1つ以上の実施形態では、前述の電磁追跡システムは、放出される電磁場に関連して1つ以上のオブジェクトの位置および向きを検出するようにARシステムに適合され得る。典型的電磁システムは、大型かつ嵩張る電磁エミッタ(例えば、
図4における402)を有する傾向にあり、それは、それらをAR用途において使用するために準理想的にし得る。しかしながら、より小型の電磁エミッタ(例えば、ミリメートル範囲内)が、ARシステムの状況において既知の電磁場を放出するために使用され得る。
【0067】
ここで
図6を参照すると、電磁追跡システムは、示されるように、ARシステムの中に組み込まれ得、電磁場エミッタ602は、ハンドヘルドコントローラ606の一部として組み込まれる。1つ以上の実施形態では、ハンドヘルドコントローラは、ゲーム用途において使用されるべきトーテムであり得る。他の実施形態では、ハンドヘルドコントローラは、ARシステムと相互作用するために使用され得る(例えば、仮想ユーザインターフェースを介して)触知デバイスであり得る。さらに他の実施形態では、電磁場エミッタは、単に、
図2Dに示されるように、ベルトパック70の一部として組み込まれ得る。ハンドヘルドコントローラ606は、電磁場エミッタ602に給電するバッテリ610または他の電力供給源を備え得る。
【0068】
電磁場エミッタ602はまた、他の構成要素に対する電磁場エミッタ602の位置および/または向きを決定することにおいて補助するように構成されるIMU構成要素650を備えているか、またはそれに結合され得ることを理解されたい。これは、電磁場エミッタ602およびセンサ604(以下にさらに詳細に議論される)が両方ともモバイル式である場合、有用であり得る。いくつかの実施形態では、
図6の実施形態に示されるように、ベルトパックではなく、ハンドヘルドコントローラ内に電磁場エミッタ602を設置することは、電磁場エミッタがベルトパックにおいてリソースを競うのではなく、むしろ、ハンドヘルドコントローラ606においてそれ自身のバッテリ源を使用することを確実にする。
【0069】
1つ以上の実施形態では、電磁センサ604は、1つ以上のIMUまたは追加の磁束捕捉コイル608等の他の感知デバイスとともに、ユーザのヘッドセット58上の1つ以上の場所に設置され得る。例えば、
図6に示されるように、センサ604、608は、ヘッドセット58のいずれかの側に設置され得る。これらのセンサ604、608は、非常に小型(故に、ある場合には、低感度であり得る)に製作されるので、測定の効率および精度を改良するために、複数のセンサを含むことが重要であり得る。
【0070】
1つ以上の実施形態では、1つ以上のセンサ604、608はまた、ベルトパック620またはユーザの身体の任意の他の部分上にも設置され得る。センサ604、608は、無線で、またはBluetooth(登録商標)を通して、電磁場エミッタ602によって放出される既知の磁場と関連してセンサ604、608(およびそれらが取り付けられるARヘッドセット58)の姿勢および向きを決定するコンピューティング装置607(例えば、コントローラ)と通信し得る。1つ以上の実施形態では、
図6に示されるように、コンピューティング装置607は、ベルトパック620に常駐し得る。他の実施形態では、コンピューティング装置607は、ヘッドセット58自体またはさらにハンドヘルドコントローラ604に常駐し得る。1つ以上の実施形態では、コンピューティング装置607は、センサ604、608の測定を受信し、電磁場エミッタ602によって放出される既知の電磁場に関連してセンサ604、608の位置および向きを決定し得る。
【0071】
1つ以上の実施形態では、マッピングデータベース632が、参考にされ、センサ604、608の場所座標を決定し得る。マッピングデータベース632は、いくつかの実施形態では、ベルトパック620内に常駐し得る。図示される実施形態では、マッピングデータベース632は、クラウドリソース630上に常駐する。
図6に示されるように、コンピューティング装置607は、無線でクラウドリソース630と通信する。決定された姿勢情報は、ARシステムによって収集されたポイントおよび画像と併せて、次いで、クラウドリソース630に通信され、次いで、パス可能世界モデル634に追加され得る。
【0072】
前述のように、従来の電磁エミッタは、ARデバイスにおいて使用するために嵩張り過ぎ得る。したがって、電磁場エミッタは、従来のシステムと比較してより小型のコイルを使用して、コンパクトに製作され得る。しかしながら、電磁場の強度が場エミッタからの距離の三次関数として減少することを考慮して、電磁センサ604と電磁場エミッタ602との間の半径が短いほど(例えば、約3~3.5フィート)、
図4に詳述されるもの等の従来のシステムと比較して、容認可能場強度を維持しながら、電力消費を低減させ得る。
【0073】
1つ以上の実施形態では、この特徴は、コントローラ606および電磁場エミッタ602に給電するバッテリ610の寿命を延長させるために利用され得る。代替として、この特徴は、電磁場エミッタ602において磁場を発生させるコイルのサイズを縮小させるために利用され得る。しかしながら、同一の強度の磁場を得るために、電磁場エミッタ602の電力は、増加させられる必要があり得る。これは、ハンドヘルドコントローラ606においてコンパクトに適合し得る電磁場エミッタユニット602を可能にする。
【0074】
いくつかの他の変更が、ARデバイスのために電磁追跡システムを使用するときに行われ得る。1つ以上の実施形態では、IMUベースの姿勢追跡が、使用され得る。そのような実施形態では、IMUを可能な限り安定して維持することは、姿勢検出プロセスの効率を増加させる。IMUは、最大50~100ミリ秒、安定したままであるように製作され得、それは、10~20Hzの姿勢更新/報告レートを伴う安定した信号をもたらす。いくつかの実施形態は、姿勢更新が10~20Hzのレートで報告されることを可能にし得る外部姿勢推定器モジュールを利用し得ることを理解されたい(IMUは、経時的にドリフトし得るので)。IMUを合理的時間量にわたって安定して保つことによって、姿勢更新レートは、10~20Hzまで著しく低下され得る(従来のシステムにおけるより高い周波数と比較して)。
【0075】
ARシステムの電力を節約するためのさらに別の方法は、電磁追跡システムを10%デューティサイクルにおいて稼働させることであり得る(例えば、100ミリ秒毎にのみ接地にピングする)。言い換えると、電磁追跡システムは、100ミリ秒中10ミリ秒にわたって動作し、姿勢推定値を生成する。これは、直接、電力節約につながり、ひいては、ARデバイスのサイズ、バッテリ寿命、およびコストに影響を及ぼし得る。
【0076】
1つ以上の実施形態では、デューティサイクルのこの低減は、1つのみではなく、2つのハンドヘルドコントローラ(図示せず)を提供することによって方略的に利用され得る。例えば、ユーザは、2つのトーテム等を要求するゲームをプレーし得る。または、マルチユーザゲームでは、2人のユーザが、それ自身のトーテム/ハンドヘルドコントローラを有し、ゲームをプレーし得る。1つではなく、2つのコントローラ(例えば、各手のための対称コントローラ)が、使用されるとき、コントローラは、オフセットデューティサイクルで動作し得る。同一概念は、例えば、マルチプレーヤゲームをプレーしている2人の異なるユーザによって利用されるコントローラにも適用され得る。
【0077】
ここで
図7を参照すると、ARデバイスの状況における電磁追跡システムを説明する例示的フロー図が、説明される。702では、ハンドヘルドコントローラ606が、磁場を放出する。704では、電磁センサ604(ヘッドセット58、ベルトパック620等上に設置される)が、磁場を検出する。706では、ヘッドセット/ベルトの位置および向きは、センサ604におけるコイル/IMU608の挙動に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、センサ604の検出された挙動は、コンピューティング装置607に通信され、順に、電磁場と関連してセンサ604の位置および向き(例えば、ハンドヘルド構成要素に対する座標)を決定する。当然ながら、これらの座標は、次いで、世界に対する頭部の姿勢が、前述のように、SLAM処理を通して把握され得るので、世界座標に変換され得ることを理解されたい。
【0078】
708では、姿勢情報が、コンピューティング装置607(例えば、ベルトパック620またはヘッドセット58における)に伝達される。710では、随意に、パス可能世界モデル634が、参考にされ、決定された頭部の姿勢および手の姿勢に基づいて、ユーザに表示されるべき仮想コンテンツを決定し得る。712では、仮想コンテンツが、相関に基づいて、ARヘッドセット58においてユーザに配信され得る。前述のフロー図は、例証目的にすぎず、限定として読み取られるべきではないことを理解されたい。
【0079】
有利には、
図6に概略されるものに類似する電磁追跡システムの使用は、より高いリフレッシュレートおよびより短い待ち時間で姿勢追跡を可能にする(例えば、頭部位置および向き、トーテムおよび他のコントローラの位置ならびに向き)。これは、ARシステムが、姿勢情報を計算するための光学追跡技法と比較して、より高い正確度およびより短い待ち時間を伴って、仮想コンテンツを投影することを可能にする。
【0080】
図8を参照すると、前述のセンサに類似する多くの感知構成要素を特徴とするシステム構成が、図示される。
図2A-2Dおよび
図6の参照番号は、
図8でも繰り返されることを理解されたい。頭部搭載型装着可能構成要素58は、ここでは、
図9A-9Fを参照して以下に説明されるように、制御用かつクイック解放式のモジュール86も特徴とする物理的マルチコア導線を使用して、ベルトパック(
図2Dに類似する)等のローカル処理およびデータモジュール70に動作可能に結合68されて示される。ローカル処理およびデータモジュール70は、ハンドヘルド構成要素606(
図6に類似する)に動作可能に結合100され得る。1つ以上の実施形態では、ローカル処理モジュール70は、低電力Bluetooth(登録商標)等の無線接続を通して、ハンドヘルド構成要素606に結合され得る。1つ以上の実施形態では、ハンドヘルド構成要素606はまた、低電力Bluetooth(登録商標)等の無線接続等によって、直接、頭部搭載型装着可能構成要素58に動作可能に結合94され得る。
【0081】
概して、IMUデータが、種々の構成要素の姿勢情報を検出するためにパスされる場合、数百または数千サイクル/秒もしくはより高い範囲内等、高周波数接続が、望ましくあり得る。一方、センサ604および送信機602ペアリング等による電磁位置特定感知のために、数十サイクル/秒が、適正であり得る。さらに、壁8等のユーザの周囲の実世界内の固定オブジェクトを表す、グローバル座標系10も示される。クラウドリソース46も、ローカル処理およびデータモジュール70に、頭部搭載型装着可能構成要素58に、壁8またはグローバル座標系10に対して固定される他のアイテムに結合され得るリソースに動作可能に結合42、40、88、90され得る。壁8に結合されるか、またはグローバル座標系10に対して既知の位置および/もしくは向きを有するリソースは、Wi-Fi送受信機114、電磁エミッタ602および/または受信機604、赤外線LEDビーコン等の所与のタイプの放射を放出または反射させるように構成されるビーコンもしくは反射体112、セルラーネットワーク送受信機110、RADARエミッタまたは検出器108、LIDARエミッタまたは検出器106、GPS送受信機118、既知の検出可能パターン122を有するポスタまたはマーカ、およびカメラ124を含み得る。
【0082】
頭部搭載型装着可能構成要素58は、赤外線カメラ124のための赤外線エミッタ130等のカメラ124検出器を補助するように構成される光エミッタ130に加え、図示されるような類似構成要素を特徴とする。1つ以上の実施形態では、頭部搭載型装着可能構成要素58はさらに、頭部搭載型装着可能構成要素58のフレームまたは機械的プラットフォームに固定して結合され、電磁受信機センサ604またはディスプレイ要素62等の構成要素間のそのようなプラットフォームのたわみを決定するように構成され得る、1つ以上の歪みゲージ116を備え得、それは、
図8に描写される眼鏡状プラットフォーム上の鼻の上方の部分等、プラットフォームの薄化部分等において、プラットフォームの曲がりが生じたかどうかを理解するために有用であり得る。
【0083】
頭部搭載型装着可能構成要素58はまた、プロセッサ128と、1つ以上のIMU102とを含み得る。構成要素の各々は、好ましくは、プロセッサ128に動作可能に結合される。ハンドヘルド構成要素606およびローカル処理およびデータモジュール70は、類似構成要素を特徴とするように図示される。
図8に示されるように、そのように多くの感知および接続手段を用いることで、そのようなシステムは、重く、大型で、比較的に高価となる可能性が高く、かつ大量の電力を消費する可能性が高くなる。しかしながら、例証目的のために、そのようなシステムは、非常に高レベルの接続性、システム構成要素統合、および位置/向き追跡を提供するために利用され得る。例えば、そのような構成を用いることで、種々の主要モバイル構成要素(58、70、606)は、Wi-Fi、GPS、またはセルラー信号三角測量を使用して、グローバル座標系に対する位置の観点から位置特定され得、ビーコン、電磁追跡(前述のように)、RADAR、およびLIDIRシステムは、なおもさらなる場所および/または向き情報ならびにフィードバックを提供し得る。マーカおよびカメラも、相対および絶対位置ならびに向きに関するさらなる情報を提供するために利用され得る。例えば、頭部搭載型装着可能構成要素58に結合されて示されるもの等の種々のカメラ構成要素124は、構成要素58の場所、およびそれが他の構成要素に対して向けられている状態を決定するために、同時位置特定およびマッピングプロトコル、または、「SLAM」において利用され得るデータを捕捉するために利用され得る。
【0084】
図9A-9Fを参照すると、制御用かつクイック解放式のモジュール86の種々の側面が、描写される。
図9Aを参照すると、2つの外側筐体134構成要素が、機械的掛止を用いて増強され得る磁気結合構成を使用して、一緒に結合される。関連付けられたシステムの動作のためのボタン136が、含まれ得る。
図9Bは、ボタン136および下層上部印刷回路基板138が示される部分的切り取り図を図示する。
図9Cを参照すると、ボタン136および下層上部印刷回路基板138が除去され、メス型接触ピンアレイ140が、見えている。
図9Dを参照すると、筐体134の反対部分が除去され、下側印刷回路基板142が、見えている。下側印刷回路基板142が除去され、
図9Eに示されるように、オス型接触ピンアレイ144が、見えている。
【0085】
図9Fの断面図を参照すると、オス型ピンまたはメス型ピンのうちの少なくとも1つが、ばね負荷され、それによって、それらは各ピンの縦軸に沿って押し下げられ得るように構成される。1つ以上の実施形態では、ピンは、「ポゴピン」と称され得、概して、銅または金等の非常に伝導性の材料を備え得る。組み立てられると、図示される構成は、46オス型ピンをメス型ピンと嵌め合わせ得、アセンブリ全体は、それを手動で引き離し、ピンアレイ140、144の周縁の周囲に向けられる北および南磁石を使用して開発され得る磁気インターフェース146荷重を克服することによって、クイック解放式に半分に切り離され得る。
【0086】
一実施形態では、46個のポゴピンを圧縮することからの約2kgの荷重が、約4kgの閉鎖維持力で対抗される。アレイ140、144内のピンは、約1.3mmずつ分離され得、ピンは、ツイストペアまたは他の組み合わせ等の種々のタイプの伝導性ラインに動作可能に結合され、USB 3.0、HDMI(登録商標) 2.0、I2S信号、GPIO、およびMIPI構成、ならびに一実施形態では、最大約4アンペア/5ボルト用に構成される高電流アナログラインおよび接地をサポートし得る。
【0087】
図10を参照すると、最小限にされた構成要素/特徴組を有し、種々の構成要素の重量および大きさを最小限にし、例えば、
図10に特徴付けられる頭部搭載型構成要素58のもの等の比較的にスリムな頭部搭載型構成要素に到達することを可能にすることが有用である。したがって、
図8に示される種々の構成要素の種々の順列および組み合わせが、利用され得る。
【0088】
図11Aを参照すると、電磁感知コイルアセンブリ(604、例えば、筐体に結合される3つの個々のコイル)が、頭部搭載型構成要素58に結合されて示される。そのような構成は、追加の幾何学形状(すなわち、突出部)を全体的アセンブリに追加し、これは、望ましくない場合がある。
図11Bを参照すると、
図11Aの構成におけるように、コイルをボックスまたは単一筐体内に格納するのではなく、個々のコイルは、
図11Bに示されるように、頭部搭載型構成要素58の種々の構造の中に統合され得る。例えば、x-軸コイル148が、頭部搭載型構成要素58の一部分(例えば、フレームの中心)に設置され得る。同様に、y-軸コイル150が、頭部搭載型構成要素58の別の部分(例えば、フレームの両底部側)に設置され得る。同様に、z-軸コイル152が、頭部搭載型構成要素58のさらに別の部分(例えば、フレームの両上部側)に設置され得る。
【0089】
図12A-12Eは、電磁センサに結合され、場感度を増加させるフェライトコアを特徴とするための種々の構成を図示する。
図12Aを参照すると、フェライトコアは、中実立方体1202であり得る。中実立方体は、場感度を増加させることにおいて最も効果的であり得るが、
図12B-12Eに描写される残りの構成と比較して、最も重くなり得る。
図12Bを参照すると、複数のフェライトディスク1204が、電磁センサに結合され得る。同様に、
図12Cを参照すると、1つの軸空気コア1206を伴う中実立方体が、電磁センサに結合され得る。
図12Cに示されるように、開放空間(すなわち、空気コア)が、1つの軸に沿って中実立方体内に形成され得る。これは、依然として、必要な場感度を提供しながら、立方体の重量を減少させ得る。さらに別の実施形態では、
図12Dを参照すると、3つの軸空気コア1208を伴う中実立方体が、電磁センサに結合され得る。この構成では、中実立方体は、全3つの軸に沿って中空化され、それによって、立方体の重量を著しく減少させる。
図12Eを参照すると、プラスチック筐体1210を伴うフェライトロッドも、電磁センサに結合され得る。
図12B-12Eの実施形態は、
図12Aの中実コア構成より重量が軽く、前述のように、質量を節約するために利用され得ることを理解されたい。
【0090】
図13A-13Cを参照すると、時分割多重化(「TDM」)が、同様に質量を節約するために利用され得る。例えば、
図13Aを参照すると、従来のローカルデータ処理構成が、3コイル電磁受信機センサのために示されており、アナログ電流が、X、Y、およびZコイル(1302、1304、および1306)の各々から流入し、別個の前置増幅器1308の中に流れ、別個の帯域通過フィルタ1310、別個の前置増幅器1312、アナログ/デジタルコンバータ1314を通して、最終的には、デジタル信号プロセッサ1316の中に流れる。
【0091】
図13Bの送信機構成および
図13Cの受信機構成を参照すると、時分割多重化が、各コイルセンサチェーンがそれ自身の増幅器等を要求しないように、ハードウェアを共有するために利用され得る。これは、
図13Bに示されるように、TDMスイッチ1320を通して達成され得、TDMスイッチ1320は、同じ組のハードウェア構成要素(増幅器等)を使用して、複数の送信機および受信機へならびにそれらからの信号の処理を促進する。センサ筐体を除去し、多重化し、頭部上のハードウェアを節約することに加え、信号対雑音比が、2つ以上の組の電磁センサを有することによって増加させられ得、各組は、単一のより大きいコイル組に対して比較的に小さい。さらに、概して、複数の感知コイルを近接近して有するために必要とされる低側周波数限界が、改良され、帯域幅要件改良を促進し得る。多重化が、概して、無線周波数信号の受信を時間的に分散し、概して、より粗い信号をもたらすという点において、多重化とのトレードオフが存在し得ることに留意されたい。したがって、より大きいコイル直径が、多重化システムのために要求され得る。例えば、多重化システムが、9mm辺寸法の立方体コイルセンサボックスを要求し得る場合、非多重化システムは、同様の性能のために、7mm辺寸法の立方体コイルボックスのみを要求し得る。したがって、幾何学形状および質量を最小化することにおいてトレードオフが存在し得ることに留意されたい。
【0092】
頭部搭載型構成要素58等の特定のシステム構成要素が2つ以上の電磁コイルセンサ組を特徴とする別の実施形態では、システムは、システムの性能を最適化するために、互いに最も近いセンサおよび電磁エミッタ対を選択的に利用するように構成され得る。
【0093】
図14を参照すると、一実施形態では、ユーザがその装着可能コンピューティングシステム160に電源を投入後、頭部搭載型構成要素アセンブリは、IMUおよびカメラデータ(カメラデータは、例えば、より多くのRAW処理能力が存在し得るベルトパックプロセッサ等のSLAM分析のために使用される)の組み合わせを捕捉し、実世界グローバル座標系162に対する頭部の姿勢(すなわち、位置および向き)を決定および更新し得る。ユーザはまた、ハンドヘルド構成要素をアクティブ化し、例えば、拡張現実ゲーム164をプレーし得、ハンドヘルド構成要素は、ベルトパックおよび頭部搭載型構成要素166の一方または両方に動作可能に結合される電磁送信機を備え得る。頭部搭載型構成要素に結合される1つ以上の電磁場コイル受信機組(例えば、組は、3つの異なるように向けられる個々のコイルである)が、電磁送信機から磁束を捕捉するために使用され得る。この捕捉された磁束は、頭部搭載型構成要素とハンドヘルド構成要素168との間の位置または向きの差(または「デルタ」)を決定するために利用され得る。
【0094】
1つ以上の実施形態では、グローバル座標系に対する姿勢の決定を補助する頭部搭載型構成要素と、頭部搭載型構成要素に対するハンドヘルドの相対的場所および向きの決定を補助するハンドヘルドの組み合わせは、システムが、概して、各構成要素がグローバル座標系に対して位置する場所、したがって、ユーザの頭部の姿勢を決定することを可能にし、ハンドヘルド姿勢は、好ましくは、拡張現実画像特徴の提示と、ハンドヘルド構成要素170の移動および回転を使用した相互作用とのために、比較的に短待ち時間で追跡され得る。
【0095】
図15を参照すると、
図14のものに幾分類似するが、ユーザの頭部の姿勢およびハンドヘルド姿勢が、好ましくは、拡張現実画像特徴の提示と、ハンドヘルド構成要素180の移動および回転を使用した相互作用とのために、比較的に短待ち時間において追跡され得るように、システムが頭部搭載型構成要素172およびハンドヘルド構成要素176、178の両方の姿勢の決定を補助するために利用可能なより多くの感知デバイスおよび構成を有する実施形態が、図示される。
【0096】
具体的には、ユーザが、その装着可能コンピューティングシステム160に電源を投入後、頭部搭載型構成要素が、実世界グローバル座標系に対する頭部の姿勢を決定および更新するために、SLAM分析のためのIMUおよびカメラデータの組み合わせを捕捉する。システムはさらに、グローバル座標系の種々の側面または1つ以上の移動可能な構成要素172に繋がれ得るWi-Fi、セルラー、ビーコン、RADAR、LIDAR、GPS、マーカ、および/または他のカメラのような環境内の他の位置特定リソースの存在を検出するように構成され得る。
【0097】
ユーザはまた、ハンドヘルド構成要素をアクティブ化し、例えば、拡張現実ゲーム174をプレーし得、ハンドヘルド構成要素は、ベルトパックおよび頭部搭載型構成要素176の一方または両方に動作可能に結合される電磁送信機を備え得る。他の位置特定リソースも、同様に利用され得る。頭部搭載型構成要素に結合される1つ以上の電磁場コイル受信機組(例えば、組は、3つの異なるように向けられる個々のコイルである)が、電磁送信機からの磁束を捕捉するために使用され得る。この捕捉された磁束は、頭部搭載型構成要素とハンドヘルド構成要素178との間の位置または向きの差異(または「デルタ」)を決定するために利用され得る。
【0098】
したがって、ユーザの頭部の姿勢およびハンドヘルド姿勢が、ARコンテンツの提示および/またはハンドヘルド構成要素180の移動または回転を使用したARシステムとの相互作用のために、比較的に短待ち時間において追跡され得る。
【0099】
本発明の種々の例示的実施形態が本明細書で説明される。非限定的な意味で、これらの実施例を参照する。それらは、本発明のより広く適用可能な側面を例証するように提供される。種々の変更が、説明される本発明に行われ得、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、均等物が置換され得る。加えて、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセスの行為またはステップを、本発明の目的、精神、または範囲に適合させるように、多くの修正が行われ得る。さらに、当業者によって理解されるように、本明細書で説明および図示される個々の変形例の各々は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され得るか、またはそれらと組み合わせられ得る、離散構成要素および特徴を有する。全てのそのような修正は、本開示と関連付けられる請求項の範囲内であることを目的としている。
【0100】
本発明は、本デバイスを使用して行われ得る方法を含む。方法は、そのような好適なデバイスを提供する行為を含み得る。そのような提供は、エンドユーザによって行われ得る。換言すると、「提供する」行為は、方法において必要デバイスを提供するために、取得する、アクセスする、接近する、位置付ける、設定する、起動する、電源投入する、または別様に作用するようにエンドユーザに要求するにすぎない。本明細書に記載される方法は、論理的に可能である記載された事象の任意の順序で、ならびに事象の記載された順序で実行され得る。
【0101】
本発明の例示的側面が、材料選択および製造に関する詳細とともに、上記で記載されている。本発明の他の詳細に関して、これらは、上記の参照された特許および公開に関連して理解されるとともに、概して、当業者によって把握または理解され得る。同じことが、一般的または理論的に採用されるような追加の行為の観点から、本発明の方法ベースの側面に関して当てはまり得る。
【0102】
加えて、本発明は、種々の特徴を随意に組み込む、いくつかの実施例を参照して説明されているが、本発明は、本発明の各変形例に関して考慮されるように説明または指示されるものに限定されるものではない。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、(本明細書に記載されるか、またはいくらか簡潔にするために含まれないかどうかにかかわらず)均等物が置換され得る。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定または介在値が、本発明内に包含されることが理解される。
【0103】
本明細書で説明される発明の変形例の任意の随意的な特徴が、独立して、または本明細書で説明される特徴のうちのいずれか1つ以上の特徴と組み合わせて、記載および請求され得ることも想定される。単数形の項目の言及は、複数の同一項目が存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書で、およびそれに関連付けられる請求項で使用されるように、「1つの(a、an)」、「該(said)」、および「前記(the)」という単数形は、特に別様に記述されない限り、複数の指示対象を含む。換言すると、冠詞の使用は、上記の説明ならびに本開示と関連付けられる請求項で、対象項目の「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、そのような請求項は、任意の随意的な要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、この記述は、請求項要素の記載に関連する「だけ」、「のみ」、および同等物等のそのような排他的用語の使用、または「否定的」制限の使用のための先行詞としての機能を果たすことを目的としている。
【0104】
そのような排他的用語を使用することなく、本開示と関連付けられる請求項での「備えている」という用語は、所与の数の要素がそのような請求項で列挙されるか、または特徴の追加をそのような請求項に記載される要素の性質を変換するものと見なすことができるかどうかにかかわらず、任意の追加の要素の包含を可能にするものとする。本明細書で特に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、請求項の有効性を維持しながら、可能な限り広義の一般的に理解されている意味を与えられるものである。
【0105】
本発明の範疇は、提供される実施例および/または本明細書に限定されるものではないが、むしろ本開示と関連付けられる請求項の範囲のみによって限定されるものとする。