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特許7513835ブラシシルバリネートエシレートを含有する低粘度ヘアコンディショナー組成物
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  • 特許-ブラシシルバリネートエシレートを含有する低粘度ヘアコンディショナー組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】ブラシシルバリネートエシレートを含有する低粘度ヘアコンディショナー組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20240702BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20240702BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A61K8/44
A61Q5/12
A61K8/34
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023503408
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 US2021071146
(87)【国際公開番号】W WO2022036354
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】63/064,283
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジーン ジエンチュン ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ヘザー リン フォフト
(72)【発明者】
【氏名】クリスティ リン カリザース
(72)【発明者】
【氏名】スザンネ ウィル
(72)【発明者】
【氏名】ティファニー ティエン-ユン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】パラヴィ モーハン ケオル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン トーマス ウェバー
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-532108(JP,A)
【文献】Gala, Italy,Detox Scrub Mask,Mintel GNPD [online],2020年03月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID7297113,[検索日:2023.12.8], 表題部分,成分,製品のバリエーション
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーブオンヘアコンディショナー組成物であって、
a.水性キャリアと、
b.0.25重量%~8重量%のBVEと、
c.0.25重量%~8重量%の脂肪族アルコールと、を含み、
BVEの総脂肪族アルコールに対するモル比が、10:90~50:50であり、
前記組成物が、均一なLβゲル網状構造を含み、
前記組成物が、ラメラゲル網状構造試験方法のd-間隔(Lβ-基底間隔)に従って測定したときに、15nm~45nmのd-間隔を含み、
前記組成物が、50cps~7000cpsの粘度を有し、
前記組成物が、950 1/sにおける20Pa~200Paの剪断応力を有する、リーブオンヘアコンディショナー組成物。
【請求項2】
前記脂肪族アルコールが、ラウリルアルコール(C12)、トリデシルアルコール(C13)、ミリスチルアルコール(C14)、ペンタデシルアルコール(C15)、セチルアルコール(C16)、イソセチルアルコール(C16)、パルミトレイルアルコール(C16)、ヘプタデシルアルコール(C17)、セトステアリルアルコール(C16~C18)、セテアリルアルコール(C16~C18)、セチルステアリルアルコール(C16~C18)、ステアリルアルコール(C18)、イソステアリルアルコール(C18)、オレイルアルコール(C18)、ノナデシルアルコール(C19)、アラキジルアルコール(C20)、ヘンエイコシルアルコール(C21)、ベヘニルアルコール(C22)エルシルアルコール(C22)、リグノセリルアルコール(C24)、セリルアルコール(C26)、ブラシカアルコール(C18~C22)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記脂肪族アルコールが、セチルアルコール、ブラシカアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
ゲル網状構造含有量が、0.004~0.05モルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
50cps~6500cpsの粘度を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
30Pa~180Paの剪断応力を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
本明細書に記載のpH試験方法に従って測定したときに、2.5~5.5のpHを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
保存剤系であって、
i.0.1重量%~1.5重量%の第1の保存剤と、
ii.0.2重量%~2.0重量%の第2の保存剤と、を含む、保存剤系を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記第1の保存剤の前記第2の保存剤に対する重量比が、1:10~8:1である、請求項に記載のコンディショナー組成物。
【請求項10】
前記第1の保存剤が、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記第2の保存剤が、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ウンデシレン酸グリセリル、及びこれらの混合物から選択されるグリセリルエステルを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項11】
前記保存剤系が、前記組成物の0.1重量%~0.8重量%の安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウムを含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記保存剤系が、前記組成物の0.2重量%~1.5重量%の前記第2の保存剤を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項13】
細菌及び真菌微生物感受性試験方法に従って測定したときに、微生物のレベルが2日間で検出不可能になる、請求項に記載の組成物。
【請求項14】
保存剤系が、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、イソチアゾリノン、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、シクロヘキシルグリセリン、パラベン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される保存剤成分を実質的に含まない、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアコンディショナー組成物に関し、より具体的には、ブラシシルバリネートエシレート生物系カチオン性アミノ脂質を含む、低粘度リーブオン/インヘアコンディショナー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪のコンディショニングのために、様々な手法が開発されてきた。これらの手法は、リーブオン/イン製品及びリンスオフ製品などのヘアコンディショナーをシャンプー後に適用することから、単一の製品で毛髪の洗浄及びコンディショニングの両方を行おうとするヘアコンディショニングシャンプーまで多岐にわたる。
【0003】
一部の消費者は、コンディショナーを含むシャンプーの容易さ及び利便性を好むが、かなりの割合の消費者は、シャンプーすることとは別個のステップとして、通常はシャンプー後に毛髪に適用する、より従来的なコンディショナー配合物を好む。コンディショニング配合物は、リンスオフ製品又はリーブオン製品の形態であり得、エマルジョン、クリーム、ゲル、スプレー、及びムースの形態であり得る。従来的なコンディショナー配合物を好むこのような消費者は、比較的高いコンディショニング効果、又は毛髪の状態若しくは毛髪の量に応じてコンディショニングの量を変更する利便性を重視する。
【0004】
ヘアケア製品中に特定の界面活性剤及び保存剤を含む特定の成分の低減又は排除に対する一般の人々からの需要が高まっている。一部の消費者は、そのヘアケア製品中の成分が、天然認定規格を満たしていること、例えば、EWG VERIFIED(商標)であること、Whole Foods(登録商標)によってボディケアには許容できないとリストアップされている成分のいずれも含まないこと、Yuka(登録商標)Applicationによって「リスクなし」(緑色のドット)として分類されていることを望んでいる。ヘアケア製品はまた、COSMOS規格(2019年1月1日)を満たし得る。COSMOS規格の最終的な目的は、地球上の人間の環境及び福祉に不可欠な主要な問題に対処することである。
【0005】
しかしながら、ヘアケア製品に使用される材料を改変することは、製品に悪影響を与える可能性がある。例えば、コンディショナーにおいて、カチオン性界面活性剤を改変すると、コンディショニング性能が低下する可能性があり、保存剤系を改変すると、微生物学的安全性要件に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、COSMOS及び他の天然認定規格を満たしながらも、依然として消費者が期待及び所望する性能をもたらす、リーブオン/インコンディショナー組成物に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
リーブインヘアコンディショナー組成物であって、
a.水性キャリアと、
b.約0.25重量%~約8重量%のBVEと、
c.約0.25重量%~約8重量%の脂肪族アルコールと、を含み、
BVEの総脂肪族アルコールに対するモル比が、約10:90~約50:50であり、
組成物が、均一なLβゲル網状構造を含み、
組成物が、ラメラゲル網状構造試験方法のd-間隔(Lβ-基底間隔)に従って測定したときに、約15nm~約45nmのd-間隔を含み、
組成物が、約50cps~7000cpsの粘度を有し、
組成物が、950 1/sにおける約20Pa~200Paの剪断応力を有する、リーブインヘアコンディショナー組成物。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本発明の主題を具体的に指摘し、かつ明確に特許請求する、特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付図面と関連させた次の説明によってより容易に理解することができると考えられる。
図1】ブラシシルバリネートエシレート(Brassicyl Valinate Esylate、BVE)の化学構造を示す。
図2図2A及び図2Bのチャートをどのように見るべきかを示す。
図2A】カチオン性界面活性剤及びその天然認定の化学構造の比較を示す。
図2B】カチオン性界面活性剤及びその天然認定の化学構造の比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、かつ明確に特許請求する、特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、以下の説明からよりよく理解されるものと考えられる。
【0010】
ヘアコンディショナーは、毛髪の感触、外観、及び扱いやすさを改善するために使用される。ヘアコンディショニング組成物は、一般に、カチオン性界面活性剤と、25℃超、いくつかの例では40~85℃の融点を有する高融点脂肪族化合物と、水性キャリアとを含む。カチオン性界面活性剤及び保存剤系を含む現在のヘアコンディショナー中の成分は、一般に、安全かつ有効であると認識されている。
【0011】
しかしながら、以下の規格のうちの少なくとも1つ、2つ、3つ、又は4つ全てを満たすコンディショナー製品及び/又は保存剤系に対する一般の人々からの需要が高まっている。
・EWG’s Licensing Criteria:Personal Care Products(2019)に記載されている他の基準に加えて、Environmental Working Group(EWG)基準を満たすこと、EWGの懸念成分を回避すること、完全に透明性のあるラベル付けを有すること、及び優良製造規範を使用することを含む、EWG VERIFIED(商標)(2019年11月25日時点で基準に準拠)。
・Whole Foods(登録商標)がそのPremium Body Care Unacceptable Ingredients(2018年7月)において許容できないとしてリストアップしている成分のいずれも含有していない
・Yuka(登録商標)Application(2019年3月)によって「リスクなし」(緑色のドット)として分類されている
・COSMOS規格(2019年)
【0012】
しかしながら、製品性能及び抗微生物有効性を維持しながら、2019年11月25日時点で化粧品における使用がEnvironmental Working Group(EWG)によって制限されているベヘントリモニウムクロリド(behentrimonium chloride、BTMAC)及び/又はWhole Foods(登録商標)Premium Body Care Unacceptable Ingredients(2018年7月)にリストアップされている許容できない成分であるステアラミドプロピルジメチルアミン(stearamidopropyl dimethylamine、SAPDMA)などの従来のカチオン性界面活性剤、並びに保存剤を、上にリストアップした規格を満たす成分で代替することは、困難であり得る。ヘアコンディショナー中に一般的に使用されるカチオン性界面活性剤の大部分、例えば、四級化アンモニウム塩は、ベヘントリモニウムクロリド(behentrimonium chloride、BTMAC)及びベヘントリモニウムメトサルフェート(behentrimonium methosulfate、BTMS)からなり、三級アミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン(stearamidopropyl dimethylamine、SAPDMA)、ブラシカアミドプロピルジメチルアミン(brassicamidopropyl dimethylamine、BrassAPDMA)、及びベヘナミドプロピルジメチルアミン(behenamidopropyl dimethylamine、BAPDMA)からなり、これらは、図2に示されるように、COSMOS Natural又はEcocert Natural認証されていない。
【0013】
図1に示される構造を有するブラシシルバリネートエシレート(BVE)は、上記の規格を満たすことができるカチオン性界面活性剤として識別された。これは、COSMOS Natural又はEcocert Naturalによって認証されている。BVEに関する更なる詳細は、米国特許第8,287,844号及び同第8,105,569号に見出すことができ、その両方の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
しかしながら、図2の構造比較チャートに示されるように、BVEは従来のカチオン性界面活性剤よりもはるかに疎水性であるため、BVEを含有する有効なコンディショナー組成物を配合することは困難であり得る。BVEは、より小さい親水性頭部基(陰影によって示される)と、頭部基に連結されたイソプロピルアルキル鎖の立体障害とを有し、これは、溶融段階中に界面活性剤及び脂肪族アルコールが充填されて良好なゲル網状構造を形成するのを防止する。形成されたゲル網状構造は、従来のものよりも疎水性であり、これは、毛髪上で容易に広がらない、濡れた毛髪のもつれを良好にほどかない、迅速に洗い流れない、使用後に清潔に感じないなど、湿潤コンディショニング性能が低いコンディショナーをもたらす。
【0015】
これは、今日の市場で天然コンディショナーを使用する際の一般的な欠点である。特にCOSMOSに列挙された成分を含む天然コンディショナーの大部分は、以下の表に示すように、良好なゲル網状構造を有していない。
【0016】
表1は、BTMACを含有するHerbal Essences(登録商標)Honey & Vitamin Bコンディショナー、及びSAPDMAを含有するHerbal Essences(登録商標)Refresh Blue Gingerコンディショナーを示す。両方とも、十分明確なd-間隔を有する良好なLβゲル網状構造を有する。
【0017】
Kerastase(登録商標)Aura Botanicaは、COSMOS認証されていないカチオン性界面活性剤のブラシカアミドプロピルジメチルアミン(BrassAPDMA)を含有する市販の天然コンディショナーである。これは、43という大きなLβd-間隔、及びX線によって検出されるような追加の組み込まれていない材料を有し、これは、良好なゲル網状構造ではないことを意味する。
【0018】
カチオン性界面活性剤を含有しないWeleda(登録商標)Oat Replenishingコンディショナー、及びCOSMOS天然認証のカチオン性界面活性剤のブラシシルイソロイシンエシレート(Brassicyl Isoleucinate Esylate、BIE)を含有するAvalon Organic(登録商標)コンディショナーは、Lβゲル網状構造がX線により検出されなかった。
【0019】
【表1】
【0020】
驚くべきことに、本発明のコンディショナー組成物(以下の表5~表10参照)においてLβゲル網状構造が良好に形成されることが見出された。Lβゲル網状構造の存在は、広角X線散乱(wide-angle x-ray scattering、WAXS)によって確認された。本発明のコンディショナー組成物のラメラゲル網状構造のd-間隔(Lβ-基底間隔)は、小角X線散乱(small-angle x-ray scattering、SAXS)によって測定したときに、約15nm~約45nmである。コンディショナーは、良好な湿潤コンディショニング、清潔な感触、ボリューム、及び消費者が好むレオロジ(剪断応力)を提供する。
【0021】
理論に束縛されるものではないが、BVEの脂肪族アルコールに対するモル比及び短鎖(C16以下)脂肪族アルコールの長鎖(C18以上)脂肪族アルコールに対するモル比が、コンディショナー組成物のゲル網状構造及び15~40nmの良好なd-間隔をもたらすことができ、これが、良好な滑りの良い感触及び濡れたもつれのほぐれを含む良好なコンディショニング性能を提供すると考えられる。
【0022】
更に、実施例1~実施例36(表5~表10)のコンディショナーは、均一なゲル網状構造を有し、かつ安定的であり、これは、相分離がないことを意味する。Lβゲル網状構造の熱挙動は、示差走査熱量測定試験方法によって測定されている。
【0023】
実施例1~実施例36のコンディショナー組成物は、洗浄せずに、乾いた毛髪及び/又は濡れた毛髪の両方に対するリーブオン/インコンディショナーとして使用されてもよい。一般的に、保湿及び栄養を与えるリーブオン/インコンディショナーは、毛髪の房に重量を付加することにより、毛髪が重みで抑えられてボリュームを失う場合がある一方で、より軽いリーブオン/インコンディショナーは、十分なコンディショニング効果を提供しない場合がある。実施例1~実施例36のヘアコンディショナー組成物が、リーブオン/インコンディショナーとして使用される場合に、縮れ制御及び扱いやすさなどの良好なヘアコンディショニング効果を提供することができるだけでなく、良好な毛髪ボリュームを与え、及び/又は長持ちする清潔な感触を提供し、スタイリングを容易にすることもできることが見出された。
【0024】
また、コンディショナー組成物の実施例1~実施例36は、リンスオフコンディショナーとして使用してもよい。一般的に、良好な湿潤コンディショニングを提供するコンディショナーは、毛髪を重みで抑えて、乾いた毛髪のボリュームを失わせる場合があり、並びに/又は毛髪がすぐに不潔及び/若しくは油っぽいと感じさせる場合があるため、消費者がより頻繁に毛髪を洗浄することをもたらす場合がある。実施例1~実施例36のヘアコンディショナー組成物が、良好なヘアコンディショニングを提供することができるだけでなく、良好な毛髪ボリュームを与え、及び/又は長持ちする清潔な感触を提供し、スタイリングを容易にすることもできることが見出された。
【0025】
更に、以下の表5~10は、保存剤として安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウムを有する実施例を含み、これは微生物増殖を制御するための規格を満たす。しかしながら、コンディショナー組成物が滑らかでクリーム状の稠度を有していた場合、安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウムのレベルが低過ぎて、微生物の増殖を有効に阻害することができなかったことを、本発明の発明者らは発見した。安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウムのレベルを増加させると、コンディショナー組成物は薄くなり過ぎて、ユーザの手で容易に適用することができず、製品性能及び使用体験に有意な影響を与える恐れがある。表5に示され、添付文書に記載されているように、安息香酸ナトリウム若しくはソルビン酸カリウム、及びカプリリルグリコールなどのグリコール、又はカプリル酸/カプリン酸グリセリル及びカプリル酸グリセリル(及び)ウンデシレン酸グリセリルなどのグリセリルエステルを含む保存剤系は、適切なレベルの各成分が添加された場合、より有効であり得る。
【0026】
安息香酸ナトリウムと、グリコール、グリセリルエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第2の保存剤組成物とを含有する保存剤系は、3以下のEWG格付けスコアを有し、EWG VERIFIED(商標)であり得、Whole Foods(登録商標)Marketによって許容できないとリストアップされている成分のいずれも含有し得ず、Yuka(登録商標)Applicationによって「リスクなし」と分類され得、COSMOS規格(2019年1月1日)も満たすことができる、成分の全てを含有する一方で、抗微生物有効性を維持することができ、良好なコンディショニング性能を提供することができることが見出された。
【0027】
第2の保存剤組成物は、グリコール及び/又はグリセリルエステルを含有し得る。グリコール及びグリセリルエステルは、両方とも、分子上に2つの-OH基を有する。グリコールの非限定的な例としては、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングリコール(1,2-デカンジオール)、及びこれらの混合物を挙げることができる。一例では、グリコールは、カプリリルグリコールであってもよい。グリセロールエステルの非限定的な例としては、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ウンデシレン酸グリセリル、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0028】
この保存剤系を含有するコンディショナー組成物は、均一で滑らかなクリーム状の外観を有し得、本明細書に記載のとおり細菌及び真菌微生物感受性試験方法によって決定したときに、微生物のレベル(細菌及び真菌の両方)が検出不可能である(99.99%超の減少)、有効な保存剤系を有し得る。
【0029】
コンディショナー組成物及び/又は保存剤系は、特定の保存剤、特に要件のうちの1つ以上を満たさない保存剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid、EDTA)及びその塩、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン及び2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン(Dow(登録商標)からKathon(商標)CGとして市販されている)を含むイソチアゾリノン、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、シクロヘキシルグリセリン、並びに/又はパラベンを含んでいなくてもよく、又は実質的に含んでいなくてもよい。
【0030】
カチオン性界面活性剤及び保存剤系の規格を満たすことに加えて、一部の消費者は、シリコーン、噴射剤、フタレート、パラベン、イソチアゾリノン(例えば、Kathon(商標))、フェノキシエタノール、染料、サルフェート、及び/又はホルムアルデヒド供与体を含まないか、又は実質的に含まないコンディショナー組成物を好む。コンディショナー組成物はまた、ビーガンであってもよい。
【0031】
コンディショナー組成物は、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリドなどの四級化アンモニウム塩を含まなくてもよく、又は実質的に含まなくてもよく、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ブラシカアミドプロピルジメチルアミン、及びベヘナミドプロピルジメチルアミンなどのアミドアミンを含まなくてもよい。
【0032】
コンディショナー組成物は、少なくとも約0.25重量%のBVE、代替的に少なくとも約0.3重量%のBVE、代替的に少なくとも約0.35重量%のBVEを含有し得る。コンディショナー組成物は、約0.25重量%~約8重量%のBVE、代替的に約0.3重量%~約7重量%、代替的に約0.35重量%~約6重量%のBVE、代替的に約0.4重量%~約6重量%を含有し得る。
【0033】
コンディショナー組成物は、約0.25重量%~約8重量%の1つ以上の脂肪族アルコールを含有し得る。総脂肪族アルコール量は、組成物の約0.3重量%~約7重量%、代替的に組成物の約0.35重量%~約7重量%、又は組成物の0.4重量%~約7重量%であってもよい。
【0034】
脂肪族アルコールは、ラウリルアルコール(C12)、トリデシルアルコール(C13)、ミリスチルアルコール(C14)、ペンタデシルアルコール(C15)、セチルアルコール(C16)、イソセチルアルコール(C16)、パルミトレイルアルコール(C16)、ヘプタデシルアルコール(C17)、ステアリルアルコール(C18)、イソステアリルアルコール(C18)、オレイルアルコール(C18)、ノナデシルアルコール(C19)、アラキジルアルコール(C20)、ヘンエイコシル(heneicosyl)アルコール(C21)、ベヘニルアルコール(C22)エルシルアルコール(C22)、リグノセリルアルコール(C24)、セリルアルコール(C26)、ブラシカアルコール(C18~C22)、セトステアリルアルコール(C16~C18)、セテアリルアルコール(C16~C18)、セチルステアリルアルコール(C16~C18)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0035】
コンディショナー組成物は、約10:90~約50:50、代替的に約10:90~45:55、又は約14:86~40:60のBVEの総脂肪族アルコールに対するモル比を有し得る。
【0036】
コンディショナー組成物は、BVE及び脂肪族アルコールを含むゲル網状構造を含有してもよい。組成物は、約0.004モル~約-0.05モル、代替的に約0.0045モル~約0.04モル、又は代替的に約0.0045~約0.05モルの、BVE及び脂肪族アルコール(fatty alcohol、FAOH)の合計である総ゲル網状構造(gel network、GN)含有量を有してもよい。
【0037】
コンディショナー組成物は、約15nm~約45nm、代替的に15~43、及び代替的に18~43のd-間隔を有し得る。d-間隔は、本明細書に記載のラメラゲル網状構造試験方法のd-間隔(Lβ-基底間隔)によって決定される。
【0038】
コンディショナー組成物は、約0.1重量%~約2.5重量%の保存剤系、代替的に約0.15重量%~約1.5重量%の保存剤系、代替的に約0.2重量%~約1.4重量%の保存剤系、代替的に0.2重量%~約1.8重量%の保存剤系、及び代替的に約0.3重量%~約1.6重量%の保存剤系を含有し得る。
【0039】
第1の保存剤成分は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、サリチル酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸カリウム、酢酸カリウム、グルコン酸カルシウム、塩化カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0040】
コンディショナー組成物は、約0.05重量%~約0.8重量%の第1の保存剤を含有し得る。
【0041】
コンディショナー組成物は、約0.05重量%~約0.8重量%の安息香酸ナトリウム、代替的に0.1重量%~約0.5重量%の安息香酸ナトリウム、代替的に約0.2重量%~約0.4重量%の安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウムを含有し得る。コンディショナー組成物は、安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウムを含有し得、2%未満の安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウム、代替的に1.5%未満の安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウム、代替的に1%未満の安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウム、代替的に0.8%未満の安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウム、代替的に0.6重量%未満の安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウム、及び代替的に0.5%未満の安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウムを含有し得る。
【0042】
コンディショナー組成物は、約0.2重量%~約2.5重量%、代替的に約0.3重量%~約2重量%、代替的に約0.4重量%~約1.5重量%、代替的に約0.4重量%~約1.3重量%、代替的に約0.3重量%~約1.2重量%、代替的に約0.3重量%~約1.1重量%、及び代替的に約0.35重量%~約1.1重量%の第2の保存剤組成物を含有し得る。コンディショナー組成物の含有するグリコール及び/又はグリセリルエステルが多過ぎる場合、ゲル網状構造が破壊される恐れがあり、コンディショナーは、消費者が許容できるレオロジ及び/又は性能を有していないものになる。
【0043】
第2の保存剤成分は、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ウンデシレン酸グリセリル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるグリセリルエステル、又はブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるグリコール、並びにこれらの組み合わせであってもよい。
【0044】
リーブオンコンディショナー組成物は、約50cps~約7000cps、代替的に約50cps~約6800cps、代替的に100cps 6500cpsの粘度を有し得る。粘度は、以下に記載されるコーン/プレート粘度測定を使用して決定され得る。
【0045】
コンディショナー組成物は、約20Pa~約200Pa、代替的に約25Pa~約180Pa、代替的に30Pa~160Paの剪断応力を有し得る。剪断応力は、以下に記載される剪断応力試験方法を使用して決定され得る。
【0046】
コンディショナー組成物は、5.5未満のpHを有し得る。代替的に、コンディショナー組成物は、約2.5~約5.5、代替的に約3.0~約5.0のpHを有し得る。pHは、以下に記載されるpH試験方法を使用して決定され得る。
【0047】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求の範囲で使用する場合、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味するものと理解される。
【0048】
本明細書で使用するとき、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他のステップ及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
【0049】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include、includes、及びincluding)」は非限定的であることを意味し、それぞれ「含む(comprise、comprises、及びcomprising)」を意味すると理解される。
【0050】
本明細書で使用するとき、「含まない」という用語は、0%の成分がコンディショナー組成物に意図的に添加された、又はコンディショナー組成物が、当該組成物の総重量に対して0%の成分を含み、したがって、検出可能な量の指定成分が存在しないことを意味する。
【0051】
本明細書で使用するとき、「実質的に含まない」という用語は、組成物の総重量に対して0.5%未満、0.3%未満、0.1%未満、0.05%未満、0.01%未満、又は微量未満の指定成分を意味する。
【0052】
本明細書で使用するとき、「混合物」は、材料の単純な組み合わせ、及びそのような組み合わせから得ることができる任意の化合物を含むことを意味する。
【0053】
全ての百分率、部及び比率は、別途指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。全てのこのような重量は、列挙された成分に関する場合、活性成分レベルに基づいており、したがって市販材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
【0054】
別途注記がない限り、全ての構成成分又は組成物のレベルは、その構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような構成成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0055】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、かかるより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0056】
カチオン性界面活性剤
本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤を含み得る。カチオン性界面活性剤は、本発明の利益を提供することを考慮して、組成物の約0.0.05重量%、代替的に約0.1重量%、代替的に約0.2重量%、代替的に約0.3重量%、代替的に約0.4重量%から、約8重量%、代替的に約7重量%、代替的に約6.5重量%、代替的に約6重量%までのレベルで組成物中に含まれ得る。
【0057】
界面活性剤は、水不溶性であってもよい。本発明では、「水不溶性界面活性剤」とは、界面活性剤が、25℃の水に、代替的に0.5g/水100g未満(0.5g/100gは含まない)、代替的に0.3g/水100g以下の溶解度を有することを意味する。
【0058】
カチオン性界面活性剤は、1つのカチオン性界面活性剤であってもよく、又は2つ以上のカチオン性界面活性剤の混合物であってもよい。代替的に、カチオン性界面活性剤は、モノ長鎖アルキルアミン;ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩;モノ長鎖アルキルカチオン性中和アミノ酸エステル;モノ長鎖アルキルアミンとジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ;及びモノ長鎖アルキルアミンとモノ長鎖アルキルカチオン性中和アミノ酸エステルとの組み合わせから選択される。
【0059】
いくつかの例では、コンディショナー組成物は、四級化アンモニウム塩を有するカチオン性界面活性剤を実質的に含んでいなくてもよく、又は含んでいなくてもよい。
【0060】
モノ長鎖アルキルアミン
モノ長鎖アルキルアミンは、代替的に19~30個の炭素原子、代替的に19~24個の炭素原子、代替的に20~24個の炭素原子の1本の長鎖アルキル鎖、代替的に20~22のアルキル基を有するものを含み得る。モノ長鎖アルキルアミンは、モノ長鎖アルキルアミドアミンを含み得る。一級、二級、及び三級の脂肪族アミンを使用してもよい。
【0061】
約19~約22個の炭素のアルキル基を有する三級アミドアミン。例示的な三級アミドアミンとしては、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、ブラシカミドプロピルジメチルアミン、ブラシカミドプロピルジエチルアミン、ブラシカミドエチルジエチルアミン、ブラシカミドエチルジメチルアミンが挙げられる。本発明におけるアミンは、米国特許第4,275,055号(Nachtigalら)に開示されている。
【0062】
いくつかの例では、コンディショナー組成物は、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、及び/又はジエチルアミノエチルステアラミドを実質的に含んでいなくてもよく、又は含んでいなくてもよい。
【0063】
これらのアミンは、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、マレイン酸、及びこれらの混合物などの酸;代替的に、乳酸、クエン酸と、約1:0.3~約1:2、代替的に約1:0.4~約1:1の、アミンの酸に対するモル比で組み合わせて使用される。コンディショナー組成物は、約0.25重量%~約6重量%の酸、代替的に約0.4重量%~約5重量%の酸、約0.5重量%~約4重量%の酸、代替的に約0.6重量%~約3重量%の酸を含有し得る。
【0064】
いくつかの例では、コンディショナー組成物は、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩を含んでいなくてもよい。
【0065】
ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
使用される場合、ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、代替的に、レオロジの安定性及びコンディショニング効果を考慮して、1:1~1:5、代替的に1:1.2~1:5、代替的に1:1.5~1:4の重量比で、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩及び/又はモノ長鎖アルキルアミン塩と組み合わせられる。
【0066】
ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、12~30個の炭素原子、代替的に16~24個の炭素原子、代替的に18~22個の炭素原子の2本の長鎖アルキル鎖を有し得る。このようなジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、以下の式(I)を有し得、
【0067】
【化1】
式中、R71、R72、R73、及びR74のうちの2つは、12~30個の炭素原子、代替的に16~24個の炭素原子、代替的に18~22個の炭素原子の脂肪族基、又は最大約30個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R71、R72、R73、及びR74の残りは、独立して、1~約8個の炭素原子、代替的に1~3個の炭素原子の脂肪族基、又は最大約8個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、Xは、ハライド(例えば、クロリド及びブロミド)、C1~C4アルキルサルフェート(例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート)、並びにこれらの混合物からなる群から選択される塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、及びアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖の脂肪族基、例えば、炭素数が約16個以上のものは、飽和であっても不飽和であってもよい。代替的に、R71、R72、R73、及びR74のうちの2つは、12~30個の炭素原子、代替的に16~24個の炭素原子、代替的に18~22個の炭素原子のアルキル基から選択され、R71、R72、R73、及びR74の残りは、独立して、CH、C、COH、CH、及びこれらの混合物から選択される。
【0068】
ジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤としては、例えば、ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジ水素添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びジセチルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0069】
高融点脂肪族化合物
本発明の組成物は、高融点脂肪族化合物を含む。高融点脂肪族化合物は、本発明の利益を提供することを考慮して、組成物の約0.25重量%、代替的に約0.3重量%、代替的に約0.35重量%、代替的に約0.4重量%、更に代替的に約0.45重量%から、約8重量%、代替的に約7.5重量%、代替的に約7重量%、代替的に約6.5重量%、代替的に約6重量%までのレベルで組成物中に含まれ得る。
【0070】
高融点脂肪族化合物は、エマルジョン、特にゲル網状構造の安定性を考慮して、25℃以上、代替的に40℃以上、代替的に45℃以上、代替的に47℃以上、代替的に49℃以上の融点を有し得る。代替的に、このような融点は、より容易な製造及びより容易な乳化を考慮して、最大約90℃、代替的に最大約80℃、代替的に最大約75℃、更に代替的に最大約71℃である。本発明では、高融点脂肪族化合物は、単一化合物として使用されてもよく、又は少なくとも2つの高融点脂肪族化合物のブレンド若しくは混合物として、使用されてもよい。このようなブレンド又は混合物として使用されるとき、上記融点は、ブレンド又は混合物の融点を意味する。
【0071】
高融点脂肪族化合物は、脂肪族アルコール、脂肪酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。更に、当業者は、二重結合の数及び位置、並びに分岐の長さ及び位置に応じて、特定の必須炭素原子を有する特定の化合物が、上記の本発明において好ましい融点未満の融点を有する場合があることを理解している。低融点のこのような化合物は、この項に含まれることが意図されない。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。
【0072】
代替的に、様々な高融点脂肪族化合物の中でも、脂肪族アルコールが本発明の組成物において使用される。脂肪族アルコールは、約14~約30個の炭素原子、代替的に約16~約22個の炭素原子を有し得る。これらの脂肪族アルコールは飽和しており、直鎖であっても分岐アルコールであってもよい。
【0073】
脂肪族アルコールとしては、例えば、セチルアルコール(約56℃の融点を有する)、ステアリルアルコール(約58~59℃の融点を有する)、ベヘニルアルコール(約71℃の融点を有する)、及びこれらの混合物が挙げられ得る。これらの化合物は、上記の融点を有することが知られている。しかしながら、これらは多くの場合、供給されたときはより低い融点を有しており、その理由は、このような供給された製品が、多くの場合、アルキル主鎖がセチル基、ステアリル基、ブラシカ基、又はベヘニル基であるアルキル鎖長分布を有する脂肪族アルコールの混合物であるためである。
【0074】
脂肪族アルコールは、ラウリルアルコール(C12)、トリデシルアルコール(C13)、ミリスチルアルコール(C14)、ペンタデシルアルコール(C15)、セチルアルコール(C16)、イソセチルアルコール(C16)、パルミトレイルアルコール(C16)、ヘプタデシルアルコール(C17)、ステアリルアルコール(C18)、イソステアリルアルコール(C18)、オレイルアルコール(C18)、ノナデシルアルコール(C19)、アラキジルアルコール(C20)、ヘンエイコシルアルコール(C21)、ベヘニルアルコール(C22)エルシルアルコール(C22)、リグノセリルアルコール(C24)、セリルアルコール(C26)、ブラシカアルコール(C18~C22)、セトステアリルアルコール(C16~C18)、セテアリルアルコール(C16~C18)、セチルステアリルアルコール(C16~C18)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0075】
脂肪族アルコールは、セチルアルコール(C16)、ステアリルアルコール(C18)、ベヘニルアルコール(C22)、及びブラシカアルコール(C18~C22)の混合物であり得る。第1の脂肪族アルコールは、セチルアルコールであってもよく、第2のアルコールは、ステアリルアルコール(C18)、ベヘニルアルコール(C22)、及びブラシカアルコール(C18~C22)であってもよい。
【0076】
レオロジ変性剤
本発明の組成物は、0重量%~1.5重量%、0.05~1.3重量%、0.1~1.2重量%、又は0.1~1重量%のポリマーを、組成物を安定化させるためのレオロジ変性剤として含んでもよい。
【0077】
ポリマーは、スクレロチウムガム、キサタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、アカシアガム、寒天ガム、アルギンガム、ジェランガム、カロブガム、カラヤガムビオサッカライドガム、カルシウムカラギーナン、カリウムカラギーナン、ナトリウムカラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるガムであってもよい。
【0078】
組成物中のポリマーは、スクレロチウムガムであってもよい。
【0079】
好適なレオロジ変性剤の非限定的な例としては、水溶性ポリマーが挙げられる。水溶性ポリマーの例としては、(1)植物系ポリマー、例えば、アラビアガム、トラガントガム、ガラクタン、グアーガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、マルメロ種子、藻類コロイド、デンプン(コメ、トウモロコシ、ジャガイモ、又は小麦)、及びグリチルリチン酸;(2)微生物系ポリマー、例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、及びプルラン;並びに、(3)動物系ポリマー、例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、及びゼラチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
半合成水溶性ポリマーの例としては、(1)デンプン系ポリマー、例えば、カルボキシメチルデンプン及びメチルヒドロキシプロピルデンプン;(2)セルロース系ポリマー、例えば、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose、CMC)、結晶性セルロース、及びセルロース粉末;並びに(3)アルギン酸系ポリマー、例えば、アルギン酸ナトリウム及びアルギン酸プロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。合成水溶性ポリマーの例としては、(1)ビニル系ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル系ポリマー、ポリビニルピロリドン、及びカルボキシビニルポリマー(CARBOPOL 940、CARBOPOL 941);(2)ポリオキシエチレン系ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール20,000、ポリエチレングリコール6,000、及びポリエチレングリコール4,000;(3)コポリマー系ポリマー、例えば、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのコポリマー、及びPEG/PPGメチルエーテル;(4)アクリル系ポリマー、例えば、ポリ(アクリル酸ナトリウム)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、及びカチオン性ポリマーが挙げられる。水膨潤性粘土鉱物は、非イオン性水溶性ポリマーであり、三層構造を有するコロイド含有ケイ酸アルミニウムの1種に相当する。より具体的には、これらの例としては、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、及び無水ケイ酸が挙げられ得る。
【0081】
水性キャリア
本発明の組成物は、水性キャリアを含み得る。キャリアのレベル及び種は、他の構成成分との相溶性及び製品の他の所望の特徴に従って選択され得る。
【0082】
キャリアとしては、水、及び低級アルキルアルコールの水溶液を挙げることができる。低級アルキルアルコールは、1~6個の炭素を有する一価アルコール、代替的にエタノール及びイソプロパノールであってもよい。
【0083】
代替的に、水性キャリアは実質的に水である。代替的に、脱イオン水が使用される。ミネラルカチオンを含む天然供給源からの水もまた、製品の所望の特徴に応じて使用することができる。一般に、本発明の組成物は、約40%~約99%、代替的に約50%~約98%、及び代替的に約70%~約97%、及び代替的に約70%~約95%の水を含む。
【0084】
ゲル網状構造
コンディショナーをすすいだ後の毛髪の濡れた感触の改善を含むコンディショニング効果を提供するために、コンディショナー組成物中にゲル網状構造組成物が含まれてもよい。本明細書で使用するとき、「ゲル網状構造」という用語は、以下に指定されるような、脂肪族アルコールなどの少なくとも1つの高融点脂肪族化合物、少なくとも1つの界面活性剤、特に、以下に指定されるようなカチオン性界面活性剤、及び水又は他の好適な溶媒を含む、層状又は小胞状の固体の結晶相を指す。層状又は小胞状の相は、高融点脂肪族化合物及び界面活性剤を含む第1の層と、それと交互の、水又は他の好適な溶媒を含む第2の層とから構成される2重層を含む。ゲル網状構造については、一般に、G.M.Eccleston,「Functions of Mixed Emulsifiers and Emulsifying Waxes in Dermatological Lotions and Creams」,Colloids and Surfaces A:Physiochem.and Eng.Aspects 123-124(1997)169-182、及びG.M Eccleston,「The Microstructure of Semisolid Creams」,Pharmacy International,Vol.7,63-70(1986)に更に記載されている。
【0085】
ゲル網状構造は、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性キャリアによって形成され得る。ゲル網状構造は、濡れた毛髪に適用している際の滑りの良い感触、乾いた毛髪における柔らかさ及びしっとりとした感触などの様々なコンディショニング効果を提供するのに好適である。
【0086】
代替的に、ゲル網状構造を形成する場合、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、改善された湿潤コンディショニング効果を提供することを考慮して、カチオン性界面活性剤の高融点脂肪族化合物に対する重量比が、約5:1~約1:20、代替的に約3:1~約1:15、代替的に約2:1~約1:12、代替的に約1:1~約1:10、代替的に約1:1~約1:9の範囲となるようなレベルで含有される。
【0087】
カチオン性界面活性剤及び脂肪族アルコールの充填及びゲル網状構造の形成を正確に予測するために、分子レベルの計算が実行される。組成物中のカチオン性界面活性剤のモル数は、カチオン性界面活性剤の重量%をその分子量で割ることによって計算される。組成物中の脂肪族アルコールのモル数も同様に計算され、これは、脂肪族アルコールの重量%を脂肪族アルコールの分子量で割ったものである。
【0088】
ゲル網状構造含有量の総モル数は、組成物中のカチオン性界面活性剤及び脂肪族アルコールのモル数の合計である。
【0089】
カチオン性界面活性剤の脂肪族アルコールに対するモル比は、組成物中のカチオン性界面活性剤の総モル数の、組成物中の脂肪族アルコールの総モル数に対する比である。
【0090】
代替的に、ゲル網状構造を形成する場合、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、改善された湿潤コンディショニング効果を提供することを考慮して、カチオン性界面活性剤の高融点脂肪族化合物に対するモル比が、約5:1~約1:20、代替的に約3:1~約1:15、代替的に約2:1~約1:12、代替的に約1.5:1~約1:10、代替的に約1.2:1~約1:9、代替的に約1:1~約1:9の範囲となるようなレベルで含有される。
【0091】
代替的に、特にゲル網状構造を形成する場合、本発明の組成物は、ゲル網状構造の安定性を考慮して、アニオン性界面活性剤を実質的に含まない。本発明では、「組成物がアニオン性界面活性剤を実質的に含まない」とは、組成物がアニオン性界面活性剤を含まないこと、又は、組成物がアニオン性界面活性剤を含有する場合、このようなアニオン性界面活性剤のレベルが非常に低いことを意味する。本発明では、このようなアニオン性界面活性剤が含まれている場合の総レベルは、代替的に組成物の1重量%以下、代替的に0.5重量%以下、代替的に0.1重量%以下である。代替的に、ほとんどの場合、このようなアニオン性界面活性剤の総レベルは、組成物の0重量%である。
【0092】
シリコーン化合物
本発明の組成物は、シリコーン化合物を更に含有してもよい。シリコーン化合物は、乾いた毛髪に滑らかさ及び柔らかさを提供することができると考えられる。本明細書のシリコーン化合物は、好ましくは組成物の約0.1重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約10重量%、更により好ましくは約1重量%~約8重量%のレベルで使用され得る。
【0093】
好ましくは、シリコーン化合物は、組成物中、約-0.01ミクロン~約50ミクロンの平均粒径を有する。
【0094】
本明細書で有用なシリコーン化合物は、単一化合物として、少なくとも2つのシリコーン化合物のブレンド若しくは混合物として、又は少なくとも1つのシリコーン化合物及び少なくとも1つの溶媒のブレンド若しくは混合物として、25℃で、好ましくは約1~約2,000,000mPa-s、より好ましくは約100~約2,000,000mPa-sの粘度を有する。
【0095】
粘度は、Dow Corning Corporateの試験方法CTM0004(1970年7月20日)に記載されているガラスキャピラリ粘度計により測定することができる。好適なシリコーン流体としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、アミノ置換シリコーン、四級化シリコーン、及びこれらの混合物が挙げられる。コンディショニング特性を有する他の不揮発性シリコーン化合物も使用することができる。
【0096】
好ましいポリアルキルシロキサンとして、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及びポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。ジメチコンとしても知られるポリジメチルシロキサンが、特に好ましい。
【0097】
上記ポリアルキルシロキサンは、例えば、より低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として利用可能である。このような混合物は、約1,000mPa-s~約100,000mPa-s、より好ましくは約5,000mPa-s~約50,000mPa-sの粘度を有する。このような混合物は、好ましくは、(i)25℃で約100,000mPa-s~約30,000,000mPa-s、好ましくは約100,000mPa-s~約20,000,000mPa-sの粘度を有する第1のシリコーンと、(ii)25℃で約5mPa-s~約10,000mPa-s、好ましくは約5mPa-s~約5,000mPa-sの粘度を有する第2のシリコーンと、を含む。本明細書で有用なこのような混合物としては、例えば、GE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa-sの粘度を有するジメチコンと200mPa-sの粘度を有するジメチコンとのブレンド、及びGE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa-sの粘度を有するジメチコンとシクロペンタシロキサンとのブレンドが挙げられる。
【0098】
本明細書で有用なシリコーン化合物としてはまた、シリコーンガムが挙げられる。「シリコーンガム」という用語は、本明細書で使用するとき、25℃で1,000,000センチストーク以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料を意味する。本明細書に記載のシリコーンガムが、上に開示されたシリコーン化合物といくらかの重複を有する場合もあることが認識される。この重複は、これら材料のいずれにおいても限定を意図しない。「シリコーンガム」は、典型的には、約200,000超、一般に、約200,000~約1,000,000の質量分子量を有する。具体的な例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサンジフェニルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。シリコーンガムは、例えば、より低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として入手可能である。本明細書で有用なこのような混合物としては、例えば、Shin-Etsuから入手可能なガム/シクロメチコンブレンドが挙げられる。
【0099】
本明細書で有用なシリコーン化合物としてはまた、アミノ置換材料が挙げられる。好ましいアミノシリコーンとしては、例えば、以下の一般式(I)に一致するものが挙げられ、
(R-a-Si-(-OSiG-(-OSiG(R_-0-SiG-a(i)a、式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はCi~Cアルキル、好ましくはメチルであり、aは、0、又は1~3の値を有する整数、好ましくは1であり、bは、0、1、又は2、好ましくは1であり、nは、0~1,999の数であり、mは、0~1,999の整数であり、nとmとの合計は、1~2,000の数であり、a及びmのいずれもが0ではなく、Riは、一般式CqH2qLに一致する一価ラジカルであり、式中、qは、2~8の値を有する整数であり、Lは、-N(R)CH-CH-N(R)2、-N(R、-N(R、-N(R)CH-CH-NR、の基から選択され、Rは、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、好ましくは約Ci~約Coのアルキルラジカルであり、Aは、ハライドイオンである。
【0100】
非常に好ましいアミノシリコーンは、式(I)に一致するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、好ましくは約1500~約1700、より好ましくは約1600であり、Lは、-N(CH又は-NH、より好ましくは-NHである。別の非常に好ましいアミノシリコーンは、式(I)に一致するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、好ましくは約400~約600、より好ましくは約500であり、Lは、-N(CH又は-NH、より好ましくは-NHである。シリコーン鎖の一端又は両端が、窒素含有基を末端としているため、このような非常に好ましいアミノシリコーンを、末端アミノシリコーンと呼ぶことができる。上述のアミノシリコーンを組成物中に組み込む場合、より低い粘度を有する溶媒と混合することができる。このような溶媒としては、例えば、極性又は非極性の揮発性又は不揮発性油が挙げられる。このような油としては、例えば、シリコーン油、炭化水素、及びエステルが挙げられる。このような様々な溶媒のうち、好ましいものは、非極性、揮発性炭化水素、揮発性環状シリコーン、不揮発性線状シリコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。本明細書で有用な不揮発性線状シリコーンは、25℃で、約1~約20,000センチストークス、好ましくは約20~約10,000センチストークスの粘度を有するものである。好ましい溶媒のうち、非常に好ましいのは、アミノシリコーンの粘度を低下させ、乾燥した毛髪の摩擦が低減するなどの改善されたヘアコンディショニング効果を提供するという観点から、非極性で揮発性の炭化水素、特に非極性で揮発性のイソパラフィンである。このような混合物は、好ましくは約l,000mPa-s~約100,000mPa-s、より好ましくは約5,000mPa-s~約50,000mPa-sの粘度を有する。
【0101】
他の好適なアルキルアミノ置換シリコーン化合物としては、シリコーン主鎖のペンダント基としてアルキルアミノ置換を有するものが挙げられる。非常に好ましいものは、「アモジメチコン」として知られているものである。本明細書で有用な市販のアモジメチコンとしては、例えば、Dow Corningから入手可能なBY16-872が挙げられる。
【0102】
シリコーン化合物は更に、機械的混合によるか、又はエマルジョン重合による合成段階で、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を用いて又は用いないで製造されたエマルジョンの形態で本発明の組成物に組み入れることができる。本明細書で有用な市販のシリコーンエマルジョンとしては、例えば、Wackerから入手可能なBelsil ADM 8301E、Belsil ADM 6300E、Momentiveから入手可能なSilsoft 253が挙げられる。
【0103】
四級基を含有するシリコーンポリマー
本明細書で有用なシリコーン化合物としては、例えば、末端エステル基を含み、最大100,000mPa-sの粘度及びD単位200超のDブロック長さを有する、四級基を含有するシリコーンポリマーが挙げられる。理論に束縛されるものではないが、この低粘度シリコーンポリマーは、滑らかな感触、摩擦の低減、及びヘアダメージの防止などの改善されたコンディショニング効果を提供すると共に、シリコーンブレンドの必要性を排除する。
【0104】
構造的に、シリコーンポリマーは、1つ以上の四級アンモニウム基、200個を超えるシロキサン単位を含む少なくとも1つのシリコーンブロック、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド構造単位、及び少なくとも1つの末端エステル基を含むポリオルガノシロキサン化合物である。1つ以上の実施形態では、シリコーンブロックは、300~500個のシロキサン単位を含んでもよい。シリコーンポリマーは、組成物の約0.05重量%~約15重量%、好ましくは約0.1重量%~約10重量%、より好ましくは約0.15重量%~約5重量%、更により好ましくは約0.2重量%~約4重量%の量で存在する。
【0105】
好ましい実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、以下の一般式(Ia)及び(Ib)を有し、
M-Y-[-(N-T-N)-Y-]-[-(NR-A-E-A’-NR)-Y-]-M(Ia)M-Y-[-(N-T-N)-Y-]-[-(N2-A-E-A’-NR3/4-Y-]-M(Ib)、式中、
mは、0超、好ましくは0.01~100、より好ましくは0.1~100、更により好ましくは1~100、具体的には1~50、より具体的には1~20、更により具体的には1~10であり、
kは、0であるか、又は0超~50の平均値、又は好ましくは1~20、又は更により好ましくは1~10であり、
Mは、以下から選択される末端エステル基を含む末端基を表し、
-OC(0)-Z
-OS(0)-Z
-OS(0)0-Z
-OP(0)(0-Z)OH
-OP(0)(0-Z)
式中、Zは、最大40個の炭素原子を有する一価の有機残基から選択され、任意選択的に1つ以上のヘテロ原子を含む。
【0106】
A及びA’は各々互いに独立して、単結合、又は最大10個の炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を有する二価有機基から選択され、
Eは、以下の一般式のポリアルキレンオキシド基であり、
-[CHCH0]-[CHCH(CH)0]-[CHCH(C)0]-
式中、q=0~200、r=0~200、s=0~200、及びq+r+s=1~600である。
は、水素又はRから選択され、
Rは、最大22個の炭素原子、及び任意選択的に1つ以上のヘテロ原子を有する一価の有機基から選択され、窒素原子におけるフリーの原子価は炭素原子に結合され、
Yは、以下の式の基であり、
-K-S-K-及び-A-E-A’-又は-A’-E-A-、
式中、R1=Ci~C22-アルキル、Ci~C22-フルオロアルキル又はアリールであり、n=200~1000であり、ポリオルガノシロキサン化合物中にいくつかのS基が存在する場合、これらは同一であっても又は異なっていてもよい。
Kは、二価又は三価の直鎖、環状、及び/又は分岐状のC2~C40炭化水素残基であり、これは、任意選択的に、-O-、-NH-、三価のN、-NR-、-C(O)-、-C(S)-によって中断され、かつ-OHで任意選択的に置換され、Rは、上記のとおりに定義され、
Tは、最大20個の炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を有する二価の有機基から選択される。
【0107】
残基Kは、互いに同一であっても又は異なっていてもよい。-K-S-K-部分中、残基Kは、C-Si-結合を介して残基Sのケイ素原子に結合される。
【0108】
ポリオルガノシロキサン化合物中にアミン基(-(NR-A-E-A’-NR)-)が存在することが可能であることに起因し、有機又は無機酸によるこのようなアミン基のプロトン化によりもたらされる、プロトン化アンモニウム基を有する場合がある。このような化合物は、ポリオルガノシロキサン化合物の酸付加塩と称されることもある。
【0109】
好ましい実施形態では、四級アンモニウム基b)と末端エステル基c)とのモル比は、100:20未満であり、更により好ましくは100:30未満であり、最も好ましくは100:50未満である。この比は、13C-NMRによって決定され得る。
【0110】
更なる実施形態では、ポリオルガノシロキサン組成物は、
A)a)少なくとも1つのポリオルガノシロキサン基、b)少なくとも1つの四級アンモニウム基、c)少なくとも1つの末端エステル基、及びd)少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基(上記で定義したとおり)を含む、少なくとも1つのポリオルガノシロキサン化合物と、
B)化合物A)とは異なる少なくとも1つの末端エステル基を含む少なくとも1つのポリオルガノシロキサン化合物と、を含んでもよい。
【0111】
構成成分A)の定義において、本発明のポリオルガノシロキサン化合物の記載を参照することができる。ポリオルガノシロキサン化合物B)は、ポリオルガノシロキサン化合物A)とは異なり、好ましくは、ポリオルガノシロキサン化合物B)は四級アンモニウム基を含まない。好ましいポリオルガノシロキサン化合物B)は、一官能性有機酸、特にカルボン酸と、ビスエポキシドを含有するポリオルガノシロキサンとの反応から生じる。ポリオルガノシロキサン組成物において、化合物B)に対する化合物A)の重量比は好ましくは90:10未満である。すなわち換言すれば、構成成分B)の含有量は少なくとも10重量パーセントである。化合物A)中のポリオルガノシロキサン組成物の更に好ましい実施形態では、末端エステル基c)に対する四級アンモニウム基b)のモル比は100:10未満であり、更により好ましくは100:15未満であり、かつ最も好ましくは100:20未満である。
【0112】
シリコーンポリマーは、20℃及び剪断速度0.1s”1(プレート-プレートシステム、プレート直径40mm、間隙幅0.5mm)において、100,000mPa>>s(100Pa>>s)未満の粘度を有する。更なる実施形態では、ニートシリコーンポリマーの粘度は、500~100,000mPa>>s、又は好ましくは500~70,000mPa>>s、又はより好ましくは500~50,000mPa>>s、又は更により好ましくは500~20,000mPa>>sの範囲であってもよい。更なる実施形態では、ニートポリマーの粘度は、20℃及び0.1s”1の剪断速度で決定される、500~10,000mPa>>s、又は好ましくは500~5000mPa>>sの範囲であってもよい。
【0113】
上で列挙したシリコーンポリマーに加え、以下の好ましい組成物が以下に提供される。例えば、以下の一般式のポリアルキレンオキシド基では、
-[CHCH0]-[CHCH(CH)0]-[CHCH(C)0]-
式中、q、r、及びsは、以下のように定義することができ、
q=0~200であり、又は好ましくは0~100、又はより好ましくは0~50、又は更により好ましくは0~20であり、
r=0~200であり、又は好ましくは0~100、又はより好ましくは0~50、又は更により好ましくは0~20であり、
s=0~200であり、又は好ましくは0~100、又はより好ましくは0~50、又は更により好ましくは0~20であり、
並びにq+r+s=1~600であり、又は好ましくは1~100、又はより好ましくは1~50、又は更により好ましくは1~40である。
【0114】
以下の一般式Sを有するポリオルガノシロキサン構造単位では、
1=Ci~C22-アルキル、Ci~C22-フルオロアルキル又はアリールであり、n=200~1000、又は好ましくは300~500であり、K(-K-S-K-基中)は、好ましくは二価又は三価の直鎖、環状、又は分岐状C2~C2の炭化水素残基であり、これは、任意選択的に、-O-、-NH-、三価のN、-NR-、-C(O)-、-C(S)-により中断され、及び任意選択的に-OHで置換される。
【0115】
具体的な実施形態では、Rは、Ci~Ciアルキル、Ci~Ciフルオロアルキル、及びアリールである。更に、Rは、好ましくはCi~Ciアルキル、Ci~Cフルオロアルキル、及びアリールである。更に、Rは、より好ましくはCi~Cアルキル、Ci~Cフルオロアルキル、更により好ましくはC1~C4フルオロアルキル、及びフェニルである。最も好ましくは、Rは、メチル、エチル、トリフルオロプロピル、及びフェニルである。
【0116】
本明細書で使用するとき、「C1~C22アルキル」という用語は、脂肪族炭化水素基が、直鎖又は分岐状であってもよい1~22個の炭素原子を有することを意味する。メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ノニル、デシル、ウンデシル、イソプロピル、ネオペンチル、及び1,2,3-トリメチルヘキシル部分が例となる。
【0117】
更に、本明細書で使用するとき、「C1~C22フルオロアルキル」という用語は、直鎖又は分岐状であってもよく、少なくとも1つのフッ素原子で置換された、1~22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素化合物を意味する。モノフルオロメチル(monofluormethyl)、モノフルオロエチル、1,1,1-トリフルオロエチル(trifluorethyl)、ペルフルオロエチル、1,1,1-トリフルオロプロピル、1,2,2-トリフルオロブチルが好適な例である。
【0118】
更に、「アリール」という用語は、置換されていない、又はOH、F、Cl、CF、Ci~Cアルキル、Ci~Cアルコキシ、C~C7シクロアルキル、C2~C6アルケニル若しくはフェニルで1回又は数回フェニル置換されたものを意味する。アリールは、ナフチルも意味する場合がある。
【0119】
ポリオルガノシロキサンの実施形態に関し、アンモニウム基から生じる正電荷は、塩化物、臭化物、硫酸水素塩、硫酸塩のような無機アニオン、又はC1~C30カルボン酸(例えば、アセテート、プロピオネート、オクテート)に由来する、特にCio~Ciカルボン酸(例えば、デカノエート、ドデカノエート、テトラデカノート、ヘキサデカノエート、オクタデカノエート、及びオレエート)に由来するカルボキシレート、アルキルポリエーテルカルボキシレート、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルポリエーテルスルフェート、リン酸モノアルキル/アリールエステル及びリン酸ジアルキル/アリールエステルに由来するホスフェートのような有機アニオンにより中和される。ポリオルガノシロキサン化合物の特性は、特に使用する酸の選択に応じて変更され得る。
【0120】
四級アンモニウム基は、通常、モノカルボン酸及び二官能性ジハロゲンアルキル化合物の存在下で、三級ジアミンと、特にジエポキシド(ビスエポキシドと称される場合もある)から選択されるアルキル化剤とを反応させることにより生成される。
【0121】
好ましい実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、以下の一般式(Ia)及び(Ib)のものであり、
M-Y-[-(N-T-N)-Y-]-[-(NR-A-E-A’-NR)-Y-]-M(Ia)M-Y-[-(N-T-N)-Y-]-[-(N2-A-E-A’-N )-Y-]-M(Ib)、式中、各基は、上で定義したとおりであり、しかしながら、繰返し単位は、統計的配列である(すなわち、ブロック様配列ではない)。
【0122】
更に好ましい一実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、以下の一般式(Ila)又は(lib)のものであってもよく、
M-Y-[-N-Y-]-[-(NR-A-E-A’-NR)-Y-]-M(Ila)
M-Y-[-N-Y-]-[-(N -A-E-A’-N )-Y-]-M(lib)
式中、各基は、上で定義したとおりである。また、このような式中、繰返し単位は通常、統計的配列である(すなわち、ブロック様配列ではない)。
式中、上で定義したとおり、Mは、
-OC(0)-Z、
-OS(0)-Z
-OS(0)0-Z
-OP(0)(0-Z)OH
-OP(0)(0-Z)であり、
Zは、直鎖、環状、又は分岐状の飽和若しくは不飽和のCi~Co、又は好ましくはC~Ci8であり、又は更により好ましくは、1つ以上の-O-若しくは-C(O)-により中断され、-OHで置換され得る、炭化水素ラジカルである。具体的な実施形態では、Mは、ノルマルのカルボン酸から生じる-OC(0)-Zであり、特に、例えば、ドデカン酸のように10個超の炭素原子を有する。
【0123】
更なる実施形態では、ポリオルガノシロキサン含有繰返し基-K-S-K-とポリアルキレン繰返し基-A-E-A’-又は-A’-E-A-とのモル比は、100:1~1:100、又は好ましくは20:1~1:20、又はより好ましくは10:1~1:10である。
【0124】
-(N-T-N)-基中、Rは、1つ以上の-O-、-C(O)-により中断されている場合があり、-OHにより置換されている場合がある、一価の直鎖、環状、又は分岐状Ci~Co炭化水素ラジカルを表す場合があり、Tは、-O-、-C(O)-により中断されている場合があり、ヒドロキシルにより置換されている場合がある、二価の直鎖、環状、又は分岐状Ci~Co炭化水素ラジカルを表すことができる。
【0125】
四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む上記のポリオルガノシロキサン化合物はまた、1)四級アンモニウム官能基を含有し、エステル官能基を含有しない個々の分子、2)四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含有する分子、並びに3)エステル官能基を含有し、四級アンモニウム官能基を含有しない分子、も含み得る。構造に限定されはしないものの、四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む、上記のポリオルガノシロキサン化合物は、両方の部分についてある特定の平均量及び比を含む、分子の混合物として理解される。
【0126】
エステルを得るために様々な一官能性有機酸を利用することができる。例示的な実施形態としては、C1~C30カルボン酸、例えば、C2、C3、Cg酸、Cio~Ciカルボン酸、例えば、Ci、C14、Ci酸、飽和、不飽和、及びヒドロキシル官能化Ci酸、アルキルポリエーテルカルボン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルポリエーテル硫酸、リン酸モノアルキル/アリールエステル及びリン酸ジアルキル/アリールエステルが挙げられる。
【0127】
追加の構成成分
本発明の組成物は、他の追加の構成成分を含んでもよく、それは最終製品の所望の特徴によって当業者により選択されてもよく、また組成物をより美容的若しくは審美的に許容できるものにするために、又は付加的な使用による効果を組成物に提供するために好適なものである。このような他の追加の構成成分は、一般に、組成物の約0.001重量%~約10重量%、代替的に最大約5重量%のレベルで個別に使用される。
【0128】
多種多様な他の追加の構成成分を本発明の組成物に配合することができる。これらとしては、以下のものが挙げられる。
a)他のコンディショニング剤、例えば、アロエベラゲル;アロエバーバデンシス(aloe barbadensis)葉汁;エクロニアラジアタ(ecklonia radiata)抽出物;シアバター、ベニバナ油、カカオバター、橙皮ワックス、オリーブ油、マカダミア種子油、メマツヨイグサ(oenothera biennis)油、クランベアビシニカシー(crambe abyssinica see)油、アルゴン油、ツバキ油、ヒマワリ油、アーモンド油、アルガニアスピノサ(argania spinosa)核油、グレープシード油、ホホバ油、ココナツ油、メドウフォーム種子油、ニーム油、亜麻仁油、ヒマシ油、ダイズ油、ゴマ油、ミツロウ、ヒマワリろう、キャンデリラろう、米ぬかろう、カルナウバろう、シロヤマモモろう、及びダイズろうなどの天然油及びろう;芳香剤で使用することができるライム皮油、ラベンダー油、ペパーミント油、シダーウッド油、ティーツリー油、イランイラン油、及びコエンサージ(coensage)油などの精油;Hormelから入手可能な商標名Peptein 2000の加水分解コラーゲン、Eisaiから入手可能な商標名Emix-dのビタミンE、Rocheから入手可能なパンテノール、Rocheから入手可能なパンテニルエチルエーテル、加水分解ケラチン、タンパク質、植物抽出物、及び栄養素;クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのpH調節剤;酢酸カリウム及び塩化ナトリウムなどの塩全般;FD&C又はD&C染料のいずれかなどの着色剤;香料;並びにエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどの金属イオン封鎖剤;並びに、サリチル酸オクチルなどの紫外線及び赤外線の遮断及び吸収剤;ローズマリー、トコフェロール、ビタミンE、ビタミンA、及び茶抽出物を含む抗酸化剤;アミノ酸は、ヒスチジン、l-アルギニン、及びその他を含む。
【0129】
b)フケ防止活性物質
本発明の組成物はまた、フケ防止剤を含有してもよい。フケ防止活性物質の好適な非限定的な例としては、抗菌活性物質、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、微粒子イオウ、角質溶解性酸、サリチル酸、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、コールタール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一態様では、フケ防止活性物質は、典型的にはピリジンチオン塩である。このようなフケ防止粒子は、組成物の必須構成成分と物理的かつ化学的に適合する必要があり、製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なってはならない。
【0130】
ピリジンチオンフケ防止剤は、例えば、米国特許第2,809,971号、米国特許第3,236,733号、米国特許第3,753,196号、米国特許第3,761,418号、米国特許第4,345,080号、米国特許第4,323,683号、米国特許第4,379,753号、及び米国特許第4,470,982号に記載されている。本明細書の組成物において、ZPTをフケ防止粒子として使用する際、毛髪の成長又は再生が刺激されるか、又は調節されるか、若しくはその両方が行われるか、又は脱毛が低減されるか又は阻害されるか、若しくは毛髪がより濃く若しくは豊かに見える可能性があると想到される。
【0131】
c)保湿剤
本発明の組成物は、保湿剤を含有してもよい。本明細書における保湿剤は、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。保湿剤は、本明細書で使用されるとき、典型的には、約0.1%~約20%、又は更には約0.5%~約5%のレベルで使用される。
【0132】
d)水混和性溶媒
本明細書に記載のヘアケア組成物は、ヘアケア組成物の約0.1重量%~約15重量%、代替的に約0.2重量%~約10重量%、及び代替的に約0.3重量%~約5重量%の水混和性溶媒を含み得る。代替的に、本明細書に記載のヘアケア組成物は、ヘアケア組成物の約0.5重量%~約10重量%、代替的に約0.75重量%~約7.5重量%、代替的に約1重量%~約5重量%、及び代替的に約1.25重量%~約3重量%の水混和性溶媒を含み得る。
【0133】
本明細書に記載の加圧ヘアケア組成物は、加圧ヘアケア組成物の約0.1重量%~約14重量%、代替的に約0.2重量%~約9重量%、及び代替的に約0.3重量%~約5重量%の水混和性溶媒を含み得る。代替的に、本明細書に記載の加圧ヘアケア組成物は、加圧ヘアケア組成物の約0.5重量%~約9重量%、代替的に約0.75重量%~約7重量%、代替的に約1重量%~約5重量%、及び代替的に約1.25重量%~約3重量%の水混和性溶媒を含み得る。
【0134】
好適な水混和性溶媒の非限定的な例としては、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル及びアルコールが挙げられる。
【0135】
有用なポリオールの追加の例としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール(200~600)、ソルビトール、マンニトール(manitol)、ラクチトールなどの糖アルコール、並びに他の一価及び多価低分子量アルコール(例えば、C~Cアルコール);フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、ラクトースなどの、モノ、ジ、及びオリゴ-糖類、並びに高フルクトース固形コーンシロップ、及びアスコルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0136】
ポリカルボン酸の例としては、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、ポリアクリル酸、及びポリマレイン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
好適なポリエステルの例としては、グリセロールトリアセテート、アセチル化モノグリセリド、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0138】
他の好適な水混和性溶媒としては、アルキル及びアリルフタレート;ナフタレート;ラクテート(例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びカリウム塩);ソルベス-30;尿素;乳酸;ピロリドンカルボン酸ナトリウム(pyrrolidone carboxylic acid、PCA);ヒアルロン酸ナトリウム又はヒアルロン酸;可溶性コラーゲン;変性タンパク質;L-グルタミン酸モノナトリウム;グリコール酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸及びサリチル酸などの、α及びβヒドロキシル酸;ポリメタクリル酸グリセリル;ポリクオタニウムなどのポリマー可塑剤;タンパク質、並びに、グルタミン酸、アスパラギン酸、及びリシンなどのアミノ酸;水素デンプン加水分解産物;他の低分子量エステル(例えば、C~C10アルコールと酸とのエステル);及び、食品及びプラスチック業界の当業者に既知である任意の他の水溶性可塑剤;並びに、これらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
水混和性溶媒は、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。欧州特許第0283165(B1)号は、プロポキシル化グリセロールなどのグリセロール誘導体を含む他の好適な水混和性溶媒を開示している。水混和性溶媒は、グリセリンから選択されてもよい。
【0140】
製品形態
本発明の組成物は、リンスオフ製品又はリーブオン/イン製品の形態であり得、クリーム、ゲル、エマルジョン、ムース、及びスプレーを含むがこれらに限定されない、多種多様な製品形態で配合され得る。
【0141】
本発明のコンディショニング組成物は、リーブオン/リーブインヘアコンディショナーに特に好適である。このような組成物は、乾いた毛髪及び濡れた毛髪の両方に適用することによって使用される。
【0142】
本発明のコンディショニング組成物は、リンスオフヘアコンディショナーに好適であってもよい。代替的に、このような組成物は、
(i)毛髪をシャンプーした後、毛髪をコンディショニングするために有効な量のコンディショニング組成物を、毛髪に適用するステップ、及び
(ii)その後、毛髪をすすぐステップ、によって使用される。
【0143】
試験方法
細菌微生物感受性試験方法
細菌微生物感受性試験を使用して、化粧用リンスオフコンディショナーにおける保存系の抗微生物有効性を評価する。
【0144】
試験で使用される曝露生物の細菌プール(等体積の混合物)は、化粧品から単離された以下の菌株Escherichia coli(ATCC#8739)、Staphylococcus aureus(ATCC#6538)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC#9027)、Burkholderia cepacia(ATCC#25416)、並びにKlebsiella pneumoniae、Enterobacter gergoviae、及びSerratia marcescens株の標準化溶液で構成される。約6~8対数cfu/mLの濃度を有するように、細菌プールを調製する。試験を開始するために、細菌プール0.1mlを試験コンディショナー10.0gに添加する。次いで、試験コンディショナーを20~25℃で2日間インキュベートする。インキュベートした後、微生物の回収/計数を支援するために、製品のアリコート1.0gを、1.5%ポリソルベート80(Croda(商標)からTween(登録商標)80として市販)及び1%レシチンを含有する改変Letheenブロスを使用して中和する。次いで、複数の希釈濃度のこの試料を、1.5%Tween(登録商標)80を含む改変Letheen寒天を収容しているペトリ皿に移し、寒天プレートを30~35℃で少なくとも2日間インキュベートする。次いで、細菌コロニー形成単位(colony forming unit、cfu)を数え、出発対数cfu/g曝露レベルからの細菌の対数減少を報告する。
【0145】
1対数cfu/gの減少は、約90%の細菌減少と等しい。2対数cfu/gの減少は、約99%の細菌減少と等しい。3対数cfu/gの減少は、約99.9%の細菌減少と等しい。4対数cfu/gの減少は、約99.99%の細菌減少と等しい。対数cfu/gの減少値がより大きいことは、保存系からの抗微生物堅牢性(antimicrobial robustness)がより大きいことを示す。
【0146】
真菌微生物感受性試験方法:
真菌微生物感受性試験を使用して、化粧用リンスオフコンディショナーにおける保存系の抗真菌有効性を評価する。
【0147】
酵母のCandida albicans(ATCC#10231)及びカビのAspergillus brasiliensis(frm.niger)(ATCC#16404)の標準化ATCC株を1:1(v:v)比で混合し、この真菌プールを試験において接種材料として使用する。真菌プールの濃度は、約6~8対数cfu/mlである。試験を開始するために、真菌プール0.1mlを試験コンディショナー10.0gに添加する。接種された試料を20~25℃で2日間インキュベートした後、微生物の回収/計数を支援するために、製品のアリコート1.0gを、1.5%Tween(登録商標)80及び1%レシチンを含有する改変Letheenブロスを使用して中和する。次いで、複数の希釈濃度のこの試料を、1.5%Tween(登録商標)80を含む改変Letheen寒天を収容しているペトリ皿に移し、寒天プレートを20~25℃で少なくとも5日間インキュベートし、次いで、その時点で、真菌コロニー形成単位(cfu)を数え、出発対数cfu/g曝露レベルからの真菌の対数減少を計算する。
【0148】
1対数cfu/gの減少は、約90%の真菌減少と等しい。2対数cfu/gの減少は、約99%の真菌減少と等しい。3対数cfu/gの減少は、約99.9%の真菌減少と等しい。4対数cfu/gの減少は、約99.99%の真菌減少と等しい。対数cfu/gの減少値がより大きいことは、保存系からの抗真菌堅牢性がより大きいことを示す。
【0149】
示差走査熱量測定
ゲル網状構造の融解転移挙動及び温度は、以下の方法に従って示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry、DSC)を使用して得ることができる。TA Instruments Q2000 DSCを利用して、約15mgのゲル網状構造プレミックス又はゲル網状構造を含有する最終コンディショナー組成物を、Tzeroアルミニウム気密DSCパンに入れる。空の基準パンと共に試料を装置に入れる。試料を、以下の条件/温度プログラムを使用して分析する:50.0mL/分の速度で窒素パージ;20.00℃で平衡化;60秒毎に+/-1.00℃/分で調節する;等温が5.00分間に達するまで;温度を2.00℃/分の速度で90.00℃に上昇させる。得られたDSCデータを、TA Instruments Universal Analysis Softwareを使用して分析する。
【0150】
ゲル網状構造の融解転移挙動及び温度を測定するためのDSCの使用については、T.de Vringer et al.,Colloid and Polymer Science,vol.265,448-457(1987)、及びH.M.Ribeiro et al.,Intl.J.of Cosmetic Science,vol.26,47-59(2004)に更に記載されている。
【0151】
pH法
まず、Mettler Toledo SevenコンパクトpHメータを較正する。これは、pHメータをオンにし、30秒間待機することによって行う。次いで、電極を保存溶液から取り出し、電極を蒸留水ですすぎ、Kimwipe(登録商標)などの科学用洗浄ワイプで電極を慎重に拭き取る。電極をpH4のバッファに浸漬し、較正ボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、2回目の較正ボタンを押す。電極を蒸留水ですすぎ、電極を科学用洗浄ワイプで慎重に拭き取る。次いで、電極をpH7のバッファに浸漬し、2回目の較正ボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、3回目の較正ボタンを押す。電極を蒸留水ですすぎ、電極を科学用洗浄ワイプで慎重に拭き取る。次いで、電極をpH10のバッファに浸漬し、3回目の較正ボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、測定ボタンを押す。電極を蒸留水ですすぎ、科学用洗浄ワイプで慎重に拭き取る。
【0152】
電極を試験試料に浸漬し、読み取りボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、値を記録する。
【0153】
剪断応力
TA InstrumentsからARG2のモード名で入手可能なレオメーターを用いて、剪断応力を剪断速度掃引条件で測定する。幾何学的形状は、直径40mm、円錐角2℃、及び間隙49μmを有する。剪断速度は、1分間で0から1200/sまで対数的に上昇し、温度は26.7℃に維持される。950/sの高剪断速度で剪断応力を、上述のように測定し、特定する。
【0154】
コーン/プレート粘度測定
実施例の粘度は、Brookfield Engineering Laboratories(Stoughton,MA)製のCone/Plate Controlled Stress Brookfield Rheometer R/S Plusで測定した。使用したコーン(Spindle C-75-1)は、75mmの直径及び1°の角度を有する。液体粘度は、一定の剪断速度2s-1及び温度26.5℃で定常状態の流動実験を使用して決定される。試料寸法は2.5mlであり、全測定読み取り時間は3分である。
【0155】
X線回折法
SAXS(小角X線散乱)を使用して多重ラメラ相の存在を確認し、WAXS(広角X線散乱)を使用して、Lα(液体)とLβ(固体)とを区別し、結晶構造を用いて、パーソナルコンディショニング組成物の特徴的な分散ゲル網状構造相の存在を検証した。
【0156】
ラメラゲル網状構造のd-間隔(Lβ-基底間隔):
メソ相における周期的構造を分解するために使用される小角X線散乱(「SAXS」)は、本質的にX線回折技術である。それは、ミセル、ゲル網状構造、ラメラ、ヘキサゴナル及びキュービック液晶などの凝集構造を特徴付けるために、従来的な広角X線散乱(「WAXS」)と併せて使用される。周期的構造を示す異なるメソ相は、ブラッグの式(d=λ/2Sinθ)(式中、dは面間間隔を表し、λは放射線波長を表し、θは散乱(回折)角を表す)から導出される反射の相対位置(d-間隔)によって特徴付けることができる。
【0157】
一次元ラメラゲル網状構造相は、SAXS領域(長距離秩序)において1:2:3:4:5などの値を有する面間隔の比d/d、d/d、d/d、d/d、d/d、及び広いハロバックグラウンドにわたって約3.5及び4.5Åを中心とするWAXS領域(短距離)の1つ又は2つの不変反射によって特徴付けられる。他のメソ相(例えば、ヘキサゴナル六方又はキュービック)は、特徴的に異なるd-間隔比を有するであろう。
【0158】
Bruker NanoSTAR小角X線散乱装置を用いて、SAXSデータを収集した。マイクロフォーカスCu x線管を、550umのScanTex Pinholeで50kV、0.60mAで操作した。試料から検出器までの距離は107.39cmであり、検出器はVantec2K二次元領域検出器であった。試料をキャピラリに密封し、分析時間600秒で真空下において分析した。
【0159】
ここで報告するラメラゲル網状構造のd-間隔((Lβ-基底間隔)の値は、d間隔である一次のSAXS反射で得られる。
【0160】
Lβゲル網状構造の存在の(SAXSと組み合わせた)WAXSによる確認
広角データ(WAXS)をStoe STADI-MP回折計で収集した。発電機を40kV/40mAで動作させ、銅アノードロングファインフォーカス銅X線管に電力供給した。回折計には、入射ビーム湾曲ゲルマニウム結晶モノクロメータ、標準入射ビームスリットシステム、及びMythen PSD検出器を組み込んでいる。データを3°2θのステップサイズ及び15秒/ステップで0°~50°2θの範囲にわたって伝送モードで収集した。
【0161】
4.2Å付近の反射を伴うWAXSパターンは、SAXSに見られるラメラ反射と組み合わせて、Lβゲル網状構造の存在を示す。
【0162】
毛束の評価方法:
1mLシリンジを使用して、1mLのリーブインコンディショナーを4g8インチの一般母集団の毛束に適用する。製品を適用するとき、製品を毛束の中間からその束の端に向かって下方に置くことによって開始する。1mLの製品を毛束上に置いたら、毛束全体にわたって均一に製品をマッサージする。製品が均一に適用され、白い残留物が見えなくなったら、毛束を24時間超完全に空気乾燥させる。次いで、毛束を、視覚的毛髪ボリューム評価及び乾燥櫛通り評価によって評価した。
【0163】
視覚的毛髪ボリューム評価:
毛束が完全に乾燥したら、視覚的検査を行い、毛束のボリュームを評価する。どの程度のボリュームが知覚されるかについて、各毛束を1~10の尺度で格付けする(10は最大ボリュームであり、1は最小ボリュームである)。
【0164】
乾燥櫛通り評価:
毛束が完全に乾燥したら、目の細かい櫛を使用して、2回(束の前から1回、束の後ろから1回)、各毛束をとく。櫛が毛束を通過するのにどの程度の力が必要であるかを評価する。どの程度の力が櫛通りに知覚されるかについて、各毛束を1~10の尺度で格付けする(10が最も容易であり、1が最も困難である)。
【実施例
【0165】
以下は、本明細書に記載のコンディショナー組成物の非限定的な実施例である。当業者の技術範囲内での本発明の他の修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されよう。
【0166】
本明細書における全ての部、百分率(%)、及び比は、別途指定されない限り、重量基準である。いくつかの構成成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。明記されている量は、別途指定されない限り、添加された材料の重量%を表す。
【0167】
エラー!参照元が見つからない。から表10までの実施例を、以下のようにして作製した。BVE、脂肪族アルコール、及び油/ワックスを油相として一緒に80℃まで加熱した。安息香酸ナトリウム、グリセリン、グリセリルエステル、及び他の水溶性成分を水相としての水と一緒に80℃まで加熱した。熱水相を熱油相に注ぎ、十分に混合し続ける。次に、混合物を冷却した。次いで、温度が45℃未満になったときに香料を添加した。組成物を室温まで冷却して、コンディショナー組成物を作製した。
【0168】
以下の エラー!参照元が見つからない。から表4に比較例1~13を示す。これらの組成物は、EWG VERIFIED(商標)であり、Whole Foods(登録商標)Marketによって許容できないとリストアップされている成分のいずれも含有せず、Yuka(登録商標)Applicationによって「リスクなし」として分類されていて、また、COSMOS規格(2019年1月1日)を満たすことができる、有効な界面活性剤を含有するにもかかわらず、安定的ではなく、又は消費者に好まれない。
【0169】
【表2】
【0170】
比較例1~3では、BVEの脂肪族アルコールに対するモル比が高過ぎ、これはBVEが多過ぎることを意味する。X線散乱方法を使用して、Lβゲル網状構造は検出されなかった。これらの例は、所望の良好な湿潤コンディショニング感触を消費者に提供しない。本発明のコンディショナー組成物は、約10:90~約50:50のBVEの総脂肪族アルコールに対するモル比を有し得る。
【0171】
【表3】
【0172】
比較例4~7では、BVEの脂肪族アルコールに対するモル比が高過ぎる。BVEが過剰であるため、X線散乱シグナルは非常に弱く、d-間隔が外挿され、ゲル網状構造は形成されなかった。これらの例は、所望の良好な湿潤コンディショニング感触を消費者に提供しない。本発明のコンディショナー組成物は、約10:90~約50:50のBVEの総脂肪族アルコールに対するモル比を有し得る。
【0173】
以下の表4及び表5において、2日間の細菌微生物及び2日間の真菌微生物は、本明細書に記載の細菌及び真菌微生物感受性試験方法によって決定される。保存剤系が有効であるためには、微生物(細菌及び真菌)のレベルが検出不可能である必要があり、これは、細菌及び真菌微生物感受性試験方法によって決定したときに、2日間で微生物が99.99%を超えて減少することを意味する。
【0174】
【表4】
【0175】
比較例8は、保存剤系を全く含有せず、細菌及び真菌に対して2日間で十分な微生物減少を提供しない。
【0176】
比較例9は、0.25%のソルビン酸カリウムを含有し、例10は、0.25%の安息香酸ナトリウムを含有し、例11は、1重量%のカプリル酸グリセリル(及び)ウンデシレン酸グリセリル(グリセリルエステル)を含有し、例12及び13は、1重量%のカプリル酸グリセリル(グリセリルエステル)を含有し、すなわち、それらは、1つの保存剤のみを含む。これらの例9~13は、2日間で検出不可能なレベル(99.99%超の減少)の細菌を有する。しかしながら、これらの例は、約90%の減少しか有さないため、2日間で十分な真菌減少を提供しない。
【0177】
【表5】
【0178】
表5において、実施例1は、0.25重量%のソルビン酸カリウム及び1.0重量%のカプリル酸グリセリル(及び)ウンデシレン酸グリセリルを含有し、実施例2は、0.25重量%のソルビン酸カリウム及び1.0重量%のカプリル酸グリセリルを含有し、実施例3は、0.25重量%の安息香酸ナトリウム及び1.0重量%のカプリル酸グリセリル(及び)ウンデシレン酸グリセリルを含有し、一方、実施例4及び5は、0.25重量%の安息香酸ナトリウム及び1.0重量%のカプリル酸グリセリルを含有する。表5の実施例は全て、有効である(すなわち、細菌及び真菌が2日間で検出不可能(99.99%超の減少になる)保存剤系を有し、消費者が好む、均一でクリーム状で滑らかな外観を有する。
【0179】
以下の表6~表10の実施例の全て、実施例6~36は、0.25重量%の安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウム及び1.0重量%のグリセリルエステルを含む、実施例1~5と同じ有効な天然保存剤系を含有する。実施例1~36は、本発明の実施例である。
【0180】
【表6】
【0181】
【表7】
【0182】
【表8】
【0183】
【表9】
【0184】
【表10】
【0185】
実施例1~36は、本発明の実施例である。実施例1~36の粘度は、消費者が許容できるものであり、50cps~7000cpsの範囲である。粘度が高過ぎる場合、消費者が手で毛髪全体にリーブオン/インコンディショナー組成物を適用することが困難であり得る。
【0186】
実施例1~36の剪断応力は、消費者が許容できるものであり、20Pa~200Paの範囲である。剪断応力が高過ぎる場合、消費者が手及び毛髪に広げることが困難であり得る。
【0187】
ゲル網状構造のd-間隔は、実施例1~36で15nm~45nmである。このd-間隔のレベルは、コンディショナー組成物が良好なコンディショニング感触を提供し、毛髪の房を良好にほぐすことができることを示す。
【0188】
実施例1~36は、10:90以上かつ50:50以下のBVEのFAOHに対するモル比を有する。
【0189】
実施例1~36は、約0.004モル~約0.05モルの、BVE及び脂肪族アルコール(FAOH)の合計である総ゲル網状構造(GN)含有量を有する。
【0190】
実施例1~36は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、サリチル酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸カリウム、酢酸カリウム、グルコン酸カルシウム、塩化カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される0.1重量%~1.5重量%の第1の保存剤と、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ウンデシレン酸グリセリルなどのグリセリンエステル、及び/又はペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングリコールなどのグリコール、及び/又はこれらの組み合わせからなる群から選択される0.1重量%~2重量%の第2の保存剤と、を含む、保存剤系を含有してもよい。
【0191】
実施例1~36は、組成物を安定化するための増粘剤として0~1.5重量%のポリマーを含有してもよい。ポリマーは、スクレロチウムガム、キサタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、アカシアガム、寒天ガム、アルギンガム、ジェランガム、カロブガム、カラヤガムビオサッカライドガム、カルシウムカラギーナン、カリウムカラギーナン、ナトリウムカラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるガムである。
【0192】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0193】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0194】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
図1
図2
図2A
図2B