IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山東豪邁机機科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-タイヤ加硫設備 図1
  • 特許-タイヤ加硫設備 図2
  • 特許-タイヤ加硫設備 図3
  • 特許-タイヤ加硫設備 図4
  • 特許-タイヤ加硫設備 図5
  • 特許-タイヤ加硫設備 図6
  • 特許-タイヤ加硫設備 図7
  • 特許-タイヤ加硫設備 図8
  • 特許-タイヤ加硫設備 図9
  • 特許-タイヤ加硫設備 図10
  • 特許-タイヤ加硫設備 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】タイヤ加硫設備
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/02 20060101AFI20240702BHJP
   F04D 29/28 20060101ALI20240702BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B29C33/02
F04D29/28 Q
F04D29/42 M
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023558221
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2022120732
(87)【国際公開番号】W WO2023103532
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2023-11-08
(31)【優先権主張番号】202111521976.X
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520350144
【氏名又は名称】山東豪邁机械科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】孫日文
(72)【発明者】
【氏名】高竜飛
(72)【発明者】
【氏名】劉志蘭
(72)【発明者】
【氏名】趙陽
(72)【発明者】
【氏名】方強
(72)【発明者】
【氏名】宋錫涛
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0030847(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0355157(US,A1)
【文献】特開2012-101553(JP,A)
【文献】特開2002-036243(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109795060(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/02
F04D 29/28
F04D 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを成形するための加硫カプセル(13)が内側に設けられた金型アセンブリ(1)と、
前記金型アセンブリ(1)の内側に設置されてガス循環ファン(21)及び加熱媒体出入り口(22)が設置されたリングベースユニット(2)と、
前記リングベースユニット(2)に設けられ、内部に前記ガス循環ファン(21)を回動させるのに適している回転軸(32)が設けられたシリンダアセンブリと、
前記回転軸(32)を回動駆動するのに適している駆動部材と、
前記金型アセンブリ(1)内のガスを封止するのに適しているシールカバー(6)と、を備えるタイヤ加硫設備であって、
前記シールカバー(6)は、前記リングベースユニット(2)に設けられて前記ガス循環ファン(21)と前記回転軸(32)との間に位置し、前記回転軸(32)は、磁性部材を介して前記ガス循環ファン(21)を回動駆動し、
前記シールカバー(6)は、前記リングベースユニット(2)に設置されて前記ガス循環ファン(21)と前記回転軸(32)との間に位置し、前記磁性部材は、第1磁性体(61)と第2磁性体とを含み、前記第1磁性体(61)は、前記ガス循環ファン(21)に設置され、前記第2磁性体は、前記回転軸(32)に設置され、前記第1磁性体(61)と前記第2磁性体は、対応的に設置されており、
リングベース(24)とヒータ(23)とを有するリングベースユニット(2)を貫通するセンターロッド(4)をさらに備え、前記シールカバー(6)は、前記回転軸(32)の上端と前記ガス循環ファン(21)との間に位置し、前記シールカバー(6)は、前記センターロッド(4)に外挿され、前記シールカバー(6)と前記センターロッド(4)との間には、第1シール材(63)が設けられ、前記シールカバー(6)と前記リングベース(24)との間には、第2シール材(64)が設けられており、
前記金型アセンブリ(1)の内部、前記加硫カプセル(13)、前記リングベースユニット(2)および前記シリンダアセンブリの間は、シールシステムを構成し、前記駆動部材は、前記シールシステムの外部に設置され、
あるいは、前記シールカバー(6)は、前記シリンダアセンブリに設けられて前記回転軸(32)と前記駆動部材との間に位置し、前記駆動部材は、磁性部材を介して前記回転軸(32)を回動駆動し、
前記シリンダアセンブリは、シリンダ本体(3)と前記シリンダ本体(3)に設置された伝動ケース(31)とを備え、前記シールカバー(6)は、前記伝動ケース(31)に設置されて前記伝動ケース(31)の内外の空間を封止し、前記伝動ケース(31)内には、第1伝動部材が設置され、前記第1伝動部材は、前記回転軸(32)を回動駆動し、前記伝動ケース(31)外には、第2伝動部材が設置され、前記駆動部材は、前記第2伝動部材に接続され、前記第1伝動部材と前記第2伝動部材は、それぞれ前記シールカバー(6)の両側に位置し、前記磁性部材は、第1磁性体(61)と第2磁性体を備え、前記第1磁性体(61)は、前記第1伝動部材に設置され、前記第2磁性体は、前記第2伝動部材に設置され、前記第1磁性体(61)および前記第2磁性体は、対応的に設置されており、
前記第1伝動部材は、第1軸体(311)を備え、前記第1軸体(311)は、歯車機構を介して前記回転軸(32)に接続され、前記第2伝動部材は、第2軸体(51)を備え、前記第2軸体(51)は、前記駆動部材の出力軸に接続されており、
前記シールカバー(6)は、前記伝動ケース(31)に設置され、前記第1軸体(311)と前記第2軸体(51)とを分離し、前記シールカバー(6)と前記シリンダアセンブリとの間には、第3シール材(65)が設けられていることを特徴とするタイヤ加硫設備。
【請求項2】
前記回転軸(32)の端部には、環状鍔(321)が設けられ、第1磁性体(61)は、ガス循環ファン(21)の底壁に設けられ、第2磁性体は、環状鍔(321)に設けられ、第1磁性体(61)および第2磁性体は、回転軸(32)の軸方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項に記載のタイヤ加硫設備。
【請求項3】
前記回転軸(32)の端部には、収容凹部(322)が設けられ、前記ガス循環ファン(21)の中央部には、協働凸部(211)が設けられ、シールカバー(6)の形状は、収容凹部(322)および協働凸部(211)と適合し、協働凸部(211)は、収容凹部(322)内に入り込み、第1磁性体(61)は、協働凸部(211)の側壁に設けられ、第2磁性体は、収容凹部(322)の側壁に設けられ、第1磁性体(61)および第2磁性体は、回転軸(32)の径方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項に記載のタイヤ加硫設備。
【請求項4】
前記回転軸(32)の端部には、協働凸部(211)が設けられ、前記ガス循環ファン(21)の中央部には、収容凹部(322)が設けられ、シールカバー(6)の形状は、協働凸部(211)および収容凹部(322)と適合し、収容凹部(322)は、協働凸部(211)内に入り込み、第1磁性体(61)は、収容凹部(322)の側壁に設けられ、第2磁性体は、協働凸部(211)の側壁に設けられ、第1磁性体(61)および第2磁性体は、回転軸(32)の径方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫設備。
【請求項5】
前記第1磁性体(61)は、第1軸体(311)の端面に設けられ、第2磁性体は、第2軸体(51)の端面に設けられ、両者は、第1軸体(311)の軸方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項に記載のタイヤ加硫設備。
【請求項6】
前記シールカバー(6)は、伝動ケース(31)の外部に向かって突出し、第1軸体(311)は、シールカバー(6)内に入り込み、第2軸体(51)の端面には、収容凹部(322)が設けられ、シールカバー(6)は、収容凹部(322)内に入り込み、第1磁性体(61)は、第1軸体(311)の側壁に設けられ、第2磁性体は、収容凹部(322)の側壁に設けられ、第1磁性体(61)および第2磁性体は、第1軸体(311)の径方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項に記載のタイヤ加硫設備。
【請求項7】
前記駆動部材は、駆動モータ(5)であり、前記タイヤ加硫設備は、モータカバー(52)をさらに備え、前記モータカバー(52)の一端は、伝動ケース(31)に接続され、前記モータカバー(52)の他端は、駆動モータ(5)に接続され、前記シールカバー(6)および第2軸体(51)は、いずれもモータカバー(52)内に位置することを特徴とする請求項5または6に記載のタイヤ加硫設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ加硫機およびゴム加硫装置の分野に関し、具体的には、タイヤ加硫設備に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
現在、タイヤの加硫は、一般的に、飽和蒸気と窒素ガスを組合わせる方法により行われる。このような加硫プロセスでは、具体的に、加硫に必要な熱を提供するために、まず加硫カプセル内に飽和蒸気を通す。
しかし、エネルギー不足、蒸気価格の上昇、「カーボンピークアウト・カーボンニュートラル目標」の提出などに伴い、電気加熱加硫機は、徐々に応用され、その原理は、加硫機カプセルの内部にヒータおよびファンまたはその他の乱流部品を設置し、モータまたはその他の駆動装置によりファンまたはその他の乱流部品を回動駆動して、加硫カプセル内部に均一な高温高圧環境を発生させることである。
しかし、高温高圧の環境は、モータを損傷させてモータの使用寿命を短縮させる。
【発明の概要】
【0003】
そこで、本発明が解決しようとする技術課題は、従来技術におけるモータが高温高圧環境の影響を受けて寿命が短くなるという欠点を克服して、タイヤ加硫設備を提供することである。
【0004】
上記技術課題を解決するために、本発明は、タイヤ加硫設備を提供し、該タイヤ加硫設備は、タイヤを成形するための加硫カプセルを有する金型アセンブリと、上記金型アセンブリに設置されてガス循環ファンが設置されたリングベースユニットと、上記リングベースユニットに設けられ、内部に上記ガス循環ファンを回動させるのに適している回転軸が設けられたシリンダアセンブリと、上記回転軸を回動駆動するのに適している駆動部材と、上記金型アセンブリ内のガスを封止するのに適しているシールカバーと、を備え、上記シールカバーは、上記リングベースユニットに設けられて上記ガス循環ファンと上記回転軸との間に位置し、上記回転軸は、磁性部材を介して上記ガス循環ファンを回動駆動する、あるいは、上記シールカバーは、上記シリンダアセンブリ内に設けられて上記回転軸と上記駆動部材との間に位置し、上記駆動部材は、磁性部材を介して上記回転軸を回動駆動する。
【0005】
任意選択として、上記シールカバーは、上記リングベースユニットに設置されて上記ガス循環ファンと上記回転軸との間に位置し、磁性部材は、第1磁性体と第2磁性体とを含み、上記第1磁性体は、ガス循環ファンに設置され、上記第2磁性体は、回転軸に設置され、第1磁性体と第2磁性体は、対応的に設置されている。
【0006】
任意選択として、上記回転軸の端部には、環状鍔が設けられ、第1磁性体は、ガス循環ファンの底壁に設けられ、第2磁性体は、環状鍔に設けられ、第1磁性体および第2磁性体は、回転軸の軸方向に沿って配置されている。
【0007】
任意選択として、上記回転軸の端部には、収容凹部が設けられ、上記ガス循環ファンの中央部には、協働凸部が設けられ、シールカバーの形状は、収容凹部および協働凸部と適合し、協働凸部は、収容凹部内に入り込み、第1磁性体は、協働凸部の側壁に設けられ、第2磁性体は、収容凹部の側壁に設けられ、第1磁性体および第2磁性体は、回転軸の径方向に沿って配置されている。
【0008】
任意選択として、上記回転軸の端部には、協働凸部が設けられ、上記ガス循環ファンの中央部には、収容凹部が設けられ、シールカバーの形状は、協働凸部および収容凹部と適合し、収容凹部は、協働凸部内に入り込み、第1磁性体は、収容凹部の側壁に設けられ、第2磁性体は、協働凸部の側壁に設けられ、第1磁性体および第2磁性体は、回転軸の径方向に沿って配置されている。
【0009】
任意選択として、シリンダアセンブリは、シリンダ本体とシリンダ本体に設置された伝動ケースとを備え、シールカバーは、伝動ケースに設置されて伝動ケースの内外の空間を封止し、伝動ケース内には、第1伝動部材が設置され、第1伝動部材は、上記回転軸を回動駆動し、伝動ケース外には、第2伝動部材が設置され、駆動部材は、上記第2伝動部材に接続され、第1伝動部材と第2伝動部材は、それぞれシールカバーの両側に位置し、磁性部材は、第1磁性体と第2磁性体を備え、第1磁性体は、第1伝動部材に設置され、第2磁性体は、第2伝動部材に設置され、第1磁性体および第2磁性体は、対応的に設置されている。
【0010】
任意選択として、上記第1伝達部材は、第1軸体を備え、第1軸体は、歯車機構を介して回転軸に接続され、第2回転部材は、第2軸体を備え、第2軸体は、駆動部材の出力軸に接続されている。
【0011】
任意選択として、上記第1磁性体は、第1軸体の端面に設けられ、第2磁性体は、第2軸体の端面に設けられ、両者は、第1軸体の軸方向に沿って配置されている。
【0012】
任意選択として、上記シールカバーは、伝動ケースの外部に向かって突出し、第1軸体は、シールカバー内に入り込み、第2軸体の端面には、収容凹部が設けられ、シールカバーは、収容凹部内に入り込み、第1磁性体は、第1軸体の側壁に設けられ、第2磁性体は、収容凹部の側壁に設けられ、第1磁性体および第2磁性体は、第1軸体の径方向に沿って配置されている。
【0013】
任意選択として、上記駆動部材は、駆動モータであり、上記タイヤ加硫設備は、モータカバーをさらに備え、上記モータカバーの一端は、伝動ケースに接続され、上記モータカバーの他端は、駆動モータに接続され、上記シールカバーおよび第2軸体は、いずれもモータカバー内に位置する。
【0014】
任意選択として、タイヤ加硫設備は、リングベースとヒータとを有する上記リングベースユニットを貫通するセンターロッドをさらに備え、上記シールカバーと上記センターロッドとの間には、第1シール材が設けられ、上記シールカバーと上記リングベースとの間には、第2シール材が設けられている。
【0015】
任意選択として、上記シールカバーと上記シリンダアセンブリとの間には、さらに第3シール材が設けられている。
【0016】
本発明は、以下の利点を有する。
1.シールカバーの設置により、高温高圧のガスを遮断し、駆動モータをシールカバーの外側に遮断することで、高温高圧のガスにより駆動モータの使用寿命が短くなる問題を回避し、駆動モータの使用寿命を60%以上に向上させ、
2.シールカバーの設置により、駆動モータと回転軸は、直接接続されないので、回転可動シールの高温、漏れ、壊れやすいなどの問題を回避し、高温高圧が駆動モータの寿命に与える影響も回避し、駆動モータの使用寿命をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、本発明の具体的な実施形態または先行技術における技術案をより明確に説明するために、具体的な実施形態または先行技術の説明において必要とされる図面について簡単に説明するが、明らかに、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を行わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1図1は、本発明の実施例1に係るタイヤ加硫設備の全体概略図を示す。
図2図2は、本発明の実施例1に係るタイヤ加硫設備の部分概略図を示す。
図3図3は、図2のAにおける拡大図を示す。
図4図4は、本発明の実施例1に係る第1磁性体および第2磁性体が径方向に配置される一実施形態を示す模式図である。
図5図5は、図4のBにおける拡大図を示す。
図6図6は、本発明の実施例1に係る第1磁性体および第2磁性体が径方向に配置される別の実施形態の概略図である。
図7図7は、図6のCにおける拡大図を示す。
図8図8は、本発明の実施例2に係るタイヤ加硫設備の全体概略図を示す。
図9図9は、本発明の実施例2に係るシールカバーでの第1磁性体と第2磁性体が径方向に配置される一実施形態を示す模式図である。
図10図10は、本発明の実施例2に係るシールカバーでの第1磁性体と第2磁性体が径方向に配置される別の実施形態を示す模式図である。
図11図11は、本発明の実施例2に係るシールカバーでの第1磁性体と第2磁性体が軸方向に配置される実施形態の概略図を示す。
【0018】
符号説明:1、金型アセンブリ、2、リングベースユニット、3、シリンダー本体、4、センターロッド、5、駆動モータ、6、シールカバー、11、上金型、12、下金型、13、加硫カプセル、14、上チャック、15、上プレスリング、16、下チャック、17、下鋼輪、21、ガス循環ファン、211、協働凸部、22、加熱媒体出入り口、23、ヒータ、24、リングベース、31、伝動ケース、311、第1軸体、32、回転軸、321、環状鍔、322、収容凹部、51、第2軸体、52、モーターカバー、61、第1磁性体、62、第2磁性体、63、第1シール材、64、第2シール材、65、第3シール材、66、第4シール材、7、固定部材。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の技術案を明確に、完全に説明するが、明らかに、説明された実施形態は、すべての実施例ではなく、本発明の一部の実施例である。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を付かずに成し遂げるすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0020】
なお、本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、本発明の説明を容易にして説明を簡略化することのみを目的としており、指す装置または素子が特定の方位を有して特定の方位で構造・操作しなければならないことを表示す又は暗示するものではないので、本発明に対する制限として理解されない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明の目的にのみ使用され、相対的な重要性を表示又は暗示すると理解すべきではない。
【0021】
本発明の説明において、「取り付け」、「つながる」、「接続」という用語は、特に明確な規定および限定がない限り、一般に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、または一体的に接続してもよいし、機械接続でもよいし、電気接続でもよいし、直接的に接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、上記用語の本発明での具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解され得る。
【0022】
また、以下に説明する本発明の異なる実施形態に係る技術特徴は、互いの間に衝突がなければ、互いに結合することができる。
【0023】
実施例1
図1を参照すると、本発明は、タイヤ加硫設備を開示し、該タイヤ加硫設備は、金型アセンブリ1と、金型アセンブリ1の内側に設置されたリングベースユニット2と、リングベースユニット2を支持するシリンダアセンブリ、駆動部材および伝動アセンブリとを備え、リングベースユニット2には、ガス循環ファン21が設置され、駆動部材は、伝動アセンブリを介してガス循環ファン21を回動駆動し、シリンダアセンブリは、シリンダ本体3と、シリンダ本体3に設置された伝動ケース31とを備える。
【0024】
図1および図2を参照すると、金型アセンブリ1は、2ピースモールドであり、2ピースセグメントモールド、上開きセグメントモールド、下開きセグメントモールドであってもよい。具体的には、金型アセンブリ1は、上金型11と下金型12とを備え、金型アセンブリ1の内側には、タイヤを成形するための加硫カプセル13も設けられ、リングベースユニット2は、加硫カプセル13の内部に位置し、リングベースユニット2には、加熱媒体出入り口22が設けられ、加熱媒体は、好ましくは窒素ガスである。リングベースユニット2には、ヒータ23とガス循環ファン21が設けられており、ヒータ23は、電気加熱管、誘導ヒータ、赤外ヒータ、熱交換器などであってもよく、ヒータ23は、加熱媒体を加熱し、ガス循環ファン21は、加熱媒体の流れを駆動し、熱を効率的に加硫カプセル13内に伝達することを確保するとともに、加硫カプセル13内の温度を均一にしてタイヤの成形を容易にする。ガス循環ファンは、インペラ、軸流ファンなどであってもよい。
【0025】
図1および図2を参照すると、タイヤ加硫設備は、リングベースユニット2に穿設されたセンターロッド4をさらに備える。金型アセンブリ1は、加硫カプセル13の上縁を挟む上チャック14および上プレスリング15と、加硫カプセル13の下縁を挟む下チャック16と下鋼輪17と、をさらに備える。下チャック16は、リングベースユニット2に固定され、より具体的には、リングベースユニット2は、リングベース24を備え、下チャック16は、リングベース24にねじで接続され、両者の間は、シール材によってシールされ、シール材は、シールリングであってもよい。センターロッド4の上端は、上チャック14に穿設されて上チャック14と固定接続され、接続方式は、ボルト接続であってもよく、センターロッド4の上端と上チャック14の間は、シール材によってシールされ、シール材は、シールリングであってもよい。金型アセンブリ1の内部、加硫カプセル13、リングベースユニット2、シリンダアセンブリの間は、シールシステムを構成し、シールシステム内の高温高圧の環境による駆動部材の損傷を低減するために、駆動部材をシールシステムの外部に設置する。
【0026】
図1および図2を参照すると、リングベース24とシリンダ本体3との間は、一体構造としてもよく、もちろん、ボルトによって固定されてもよく、両者の間は、同様にシール材によってシールしてもよく、シール材は、シールリングであってもよい。
【0027】
伝動ケース31とシリンダ本体3との間は、一体構造としてもよく、もちろん、ボルトによって固定されてもよく、両者の間は、シール材によってシールされ、シール材は、シールリングであってもよい。図1および図2を参照すると、駆動部材は、駆動モータ5であり、もちろん、燃焼機関であってもよく、本方案では、好ましくは駆動モータ5である。駆動モータ5は、回転軸32を回転させ、さらにガス循環ファン21を駆動する。シールシステムは、シールカバー6を備え、シールカバー6の材質は、ハステロイ合金、チタン合金などであってもよく、シールカバー6は、密封、磁気伝導、磁場渦電流低減の役割を果たすことができる。シールカバー6は、リングベースユニット2に設置されてガス循環ファン21と回転軸32の間に位置しており、ガス循環ファン21は、シールカバー6に対して支障なく回転し、回転軸32は、磁性部材を介してガス循環ファン21を駆動する。ここで、シールカバー6とセンターロッドとの間には、第1シール材63が設けられ、シールカバー6とリングベースとの間には、第2シール材64が設けられ、第1シール材63と第2シール材64は、いずれもシールリングである。
【0028】
図2および図3を参照すると、具体的には、磁性部材は、ガス循環ファン21の底部に設けられた第1磁性体61と、回転軸32の上端に設けられた第2磁性体62とを備え、第1磁性体61および第2磁性体62は、いずれも磁石であり、さらに永久磁石であり、第1磁性体61と第2磁性体62の磁極は、逆である。さらに、回転軸32の上端には、環状鍔321が設けられ、第2磁性体62は、環状鍔321に設けられ、第1磁性体61と第2磁性体62の上下位置は、対応し、すなわち、第1磁性体61と第2磁性体62とは、回転軸32の軸方向に沿って配置されている。ここで、シールカバー6は、回転軸32の上端とガス循環ファン21との間に位置し、シールカバー6は、センターロッド4に外挿され、シールカバー6とセンターロッド4との間には、シールリングが設置され、シールカバー6とリングベース24との間には、シールリングが設置されてシールを行う。
【0029】
図4および図5を参照すると、別の実施形態において、第1磁性体61および第2磁性体62の水平方向の位置は、対応し、すなわち、第1磁性体61および第2磁性体62は、回転軸32の径方向に沿って配置されてもよい。具体的には、回転軸32の上端には、収容凹部322が設けられ、ガス循環ファン21の底端中央部には、協働凸部211が設けられ、シールカバー6の形状は、収容凹部322と協働凸部211との間の隙間に適合している。取り付け時には、協働凸部211が収容凹部322内に入り込み、第1磁性体61が協働凸部211の側壁に設けられ、第2磁性体62が収容凹部322の側壁に設けられている。
【0030】
図6および図7を参照すると、第1磁性体および第2磁性体が回転軸32の径方向に配置されている別の実施形態において、回転軸32の上端とガス循環ファン21の凹凸嵌合を入れ替え、すなわち、回転軸32の上端には、協働凸部211が設けられ、ガス循環ファン21の底面中央部には、収容凹部322が設けられ、シールカバー6の形状は、協働凸部211と収容凹部322との隙間に適合するように設けられている。取り付け時には、収容凹部322が協働凸部211内に入り込み、第1磁性体61が収容凹部322の側壁に設けられ、第2磁性体62が協働凸部211の側壁に設けられている。
【0031】
本発明の実施例の実施原理としては、タイヤ加硫の開始時に、窒素ガスは、加熱媒体出入り口22を経て加硫カプセル13内部に充填され、加硫カプセル13に内部圧力を提供し、ヒータ23は、加硫カプセル13に熱を提供するように加熱する。駆動モータ5が作動し、駆動モータ5の出力軸が回転軸32を回転駆動し、第1磁性体61および第2磁性体62の吸引により、ガス循環ファン21が作動し、加硫カプセル13内における窒素ガスを循環させ、温度均一性を高める。ここで、駆動モータ5がシールカバー6によってシールシステム外に隔離されるので、駆動モータ5を低温無圧力の環境で作動させ、駆動モータ5の損傷を減少させ、駆動モータ5の使用寿命を向上させる。
【0032】
実施例2
実施例2と実施例1との違いは、第1磁性体61および第2磁性体62の設置位置が異なることである。図8および図9を参照すると、伝動アセンブリは、第1軸体311である第1伝動部材と、第2軸体51である第2伝動部材とを備える。タイヤ加硫設備は、シリンダ本体3に設置された伝動ケース31をさらに備え、回転軸32は、伝動ケース31を貫通し、回転軸32は、中空軸であり、センターロッド4に外挿されてシリンダ本体3内に設置され、回転軸32の上端は、ガス循環ファン21に接続されて回転駆動させる。第1軸体311は、伝動ケース31内に設けられ、第1軸体311と回転軸32とは、歯車噛合であるが、もちろん、ベルト伝動やスプロケット伝動でもよく、本方案においては、好ましくは歯車噛合である。
【0033】
伝動ケース31の下端とセンターロッド4との間は、シール材によってシールしてもよく、あるいは、伝動ケース31の下端とセンターロッド4の外側の固定部材7は、第4シール材66によってシールし、固定部材7は、シリンダブロックであってもよく、シール材は、シールリングであってもよい。
【0034】
図8図9を参照すると、駆動モータ5は、伝動ケース31に固定され、タイヤ加硫設備は、モータカバー52をさらに備え、モータカバー52の一端は、伝動ケース31に接続され、モータカバー52の他端は、駆動モータ5に接続され、接続方式は、ボルト接続または溶接であってもよい。駆動モータ5の出力軸には、第2軸体51がさらに接続されており、接続方式は、ネジ接続やカップリング接続でもよい。シールカバー6は、伝動ケース31に設置され、第1軸体311と第2軸体51とを分離し、第2軸体51とシールカバー6は、いずれもモータカバー52内に位置している。第1軸体311と第2軸体51の軸心線は、同じであり、本方案においては、第2軸体51が第1軸体311を回動させるように、第1軸体311と第2軸体51とを磁性部材によって接続する。
【0035】
具体的には、第1磁性体61は、第1軸体311に設けられ、第2磁性体62は、第2軸体51に設けられ、第1軸体311は、外向きに突出し、第2軸体51において第1軸体311に近接する端部には、収容凹部322が凹設形成され、第2磁性体62は、第1軸体311の延出端を覆うように、収容凹部322の側壁に位置し、このように、第1磁性体61は、第1軸体311に対する第2磁性体62の径方向に設けられ、第1磁性体61による第2磁性体62の吸着により、駆動モータ5が第2軸体51を回動させると、第2軸体51は、追従して回動することができ、さらに運動を回転軸32に伝達し、回転軸32は、ガス循環ファン21を回動させる。シールカバー6と伝動ケース31との間には、シールカバー6と伝動ケース31との間の隙間をシールする第3シール材65がさらに設けられており、第3シール材65は、好ましくはシールリングである。
【0036】
別の実施形態において、図8および図10を参照すると、第1軸体311と第2軸体51との間の凹凸嵌合は、入れ替えてもよく、すなわち、第1軸体311において第2軸体51に近接する端部には、収容凹部322が設けられ、第2軸体51において第1軸体311に近接する端部には、協働凸部211が設けられ、第1軸体311と第2軸体51とが協働するときに、協働凸部211が収容凹部322内に位置する。ここで、第1磁性体61は、収容凹部322の側壁に設けられ、第2磁性体62は、協働凸部211の側壁に設けられ、第1磁性体61と第2磁性体62は、第1軸体311の径方向に並設されている。
【0037】
本発明の実施例の実施原理としては、タイヤ加硫の開始時に、窒素ガスは、加熱媒体出入り口22を経て加硫カプセル13内部に充填され、加硫カプセル13に内部圧力を提供し、ヒータ23は、加硫カプセル13に熱を提供するように加熱する。駆動モータ5が作動し、駆動モータ5の出力軸が第2軸体51を回転駆動し、第1磁性体61および第2磁性体62の吸引により、第2軸体51は、第1軸体311を駆動回転し、第1軸体311は、歯車の噛合によって回転軸32を駆動して回転軸32も一緒に回動させ、回転軸32は、ガス循環ファン21を駆動して、加硫カプセル13内における窒素ガスを循環させ、温度均一性を高める。ここで、駆動モータ5は、シールカバー6によってシールシステム外に隔離され、駆動モータ5の損傷が低減される。
【0038】
別の実施形態においては、第1磁性体61と第2磁性体62との設置位置が異なり、図11を参照すると、具体的には、第1軸体311と第2軸体51とが同軸に設置され、シールカバー6は、第1軸体311と第2軸体51とを分離し、第1磁性体61は、第1軸体311において第2軸体51に近接する端部に設置され、第2磁性体62は、第2軸体51において第1軸体311に近接する端部に設置されている。このとき、第1軸体311と第2軸体51とは、軸方向に正対している。第2軸体51が回転すると、第1磁性体61と第2磁性体62との間の磁気吸引により、第1軸体311を回動駆動させる。
【0039】
明らかに、上述の実施例は、実施形態を限定するものではなく、挙げた例を明確に説明するためのものである。当業者にとって、上記の説明に基づいて他の異なる形式の変化や変動を行うこともできる。ここでは、すべての実施形態を挙げる必要がなく、挙げることも不可能である。それによって派生された明らかな変化や変動は、本発明の創造の保護範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11