(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-01
(45)【発行日】2024-07-09
(54)【発明の名称】加硫設備
(51)【国際特許分類】
B29C 33/02 20060101AFI20240702BHJP
B29C 35/02 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B29C33/02
B29C35/02
(21)【出願番号】P 2023558222
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(86)【国際出願番号】 CN2022120733
(87)【国際公開番号】W WO2023103533
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】202111523237.4
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520350144
【氏名又は名称】山東豪邁机械科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張偉
(72)【発明者】
【氏名】趙陽
(72)【発明者】
【氏名】劉志蘭
(72)【発明者】
【氏名】孫日文
(72)【発明者】
【氏名】高竜飛
(72)【発明者】
【氏名】方強
(72)【発明者】
【氏名】劉代平
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0030847(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0355157(US,A1)
【文献】特開2012-101553(JP,A)
【文献】特開2002-036243(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109795060(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/02
B29C 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能に設置されて内部に加硫チャンバが形成されている加硫金型(1)と、
加硫チャンバ内に配置するのに適している加硫カプセル(2)と、
センターロッド(3)、および前記加硫カプセル(2)を前記
加硫チャンバに密封して装着するのに適し前記センターロッド(3)に設けられたクランプ装置(4)を有する支持アセンブリと、を備える加硫設備であって、
前記加硫カプセル内(2)に前記センターロッド(3)の軸方向に沿って積層配置された加熱アセンブリ(5)および加熱媒体を前記加硫カプセル(2)内で循環流通させるのに適しているガス循環アセンブリ(6)と、
前記センターロッド(3)の外側に配置されて前記ガス循環アセンブリ(6)に接続される回転スリーブ(71)を有する駆動アセンブリ(7)と、をさらに
備え、
前記センターロッド(3)は、前記加硫カプセル(2)を縮まるように上昇することができ、
前記加熱アセンブリ(5)は、鉛直方向に流通部を形成するヒータ(52)を備え、前記ヒータ(52)の外側には、スリーブ(53)が設けられ、前記スリーブ(53)の高さは、前記ヒータ(52)より高く設けることで、前記加熱媒体のガスが前記ヒータ(52)の上方に集って前記ヒータ(52)に入るように誘導しやすく、前記加熱媒体のガスの循環の円滑性を高めることを特徴とする加硫設備。
【請求項2】
前記ガス循環アセンブリ(6)は、
前記回転スリーブ(71)に接続される送風部材(61)を備えることを特徴とする請求項1に記載の加硫設備。
【請求項3】
前記送風部材(61)は、オープンインペラであり、前記ガス循環アセンブリ(6)は、
いくつかの支持ブロック(63)を介して前記クランプ装置(4)に取り付けられ、隣接する2つの前記支持ブロック(63)の間にスリットが設けられ、前記送風部材(61)との間に風道(64)が形成されたガイドリング(62)と、
前記風道(64)に設けられたディフューザ(65)と、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の加硫設備。
【請求項4】
前記送風部材(61)は、クローズドインペラであり、前記送風部材(61)は、風道(64)を有し、前記風道(64)には、ディフューザ(65)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の加硫設備。
【請求項5】
前記加熱アセンブリ(5)は、前記ガイドリング(62)に固定的に設けられたブラケット(51)と、前記ブラケット(51)に
設けられた前記ヒータ(52)と、を備え、
前記
スリーブ(53)は、前記ガイドリング(62)に取り付けられたことを特徴とする請求項3に記載の加硫設備。
【請求項6】
前記加熱アセンブリ(5)は、ブラケット(51)と、前記ブラケット(51)に設けられたヒータ(52)とを備え、前記ヒータ(52)の外側にはスリーブ(53)が設置され、前記クローズドインペラの外周側には、支持体が設置され、前記ブラケット(51)と前記スリーブ(53)は、前記支持体に設置されていることを特徴とする請求項4に記載の加硫設備。
【請求項7】
前記ヒータ(52)は、軸方向に複数層だけ設けられている加熱コイルであることを特徴とする請求項5または6に記載の加硫設備。
【請求項8】
前記加熱アセンブリ(5)は、前記クランプ装置(4)に固定的に設けられ、前記加熱アセンブリ(5)は、ガス循環アセンブリ(6)の上方に位置することを特徴とする請求項1に記載の加硫設備。
【請求項9】
前記クランプ装置(4)は、
通気管路が設けられるとともに前記回転スリーブ(71)が隙間嵌合するように貫通して前記送風部材(61)と接続するリングベース(41)と、
前記リングベース(41)に取り付けられ、前記加硫金型(1)との間に前記加硫カプセル(2)の下端を挟持された下クランプリング(42)と、
前記センターロッド(3)の延出端に取り付けられ、前記加硫金型(1)との間に前記加硫カプセル(2)の上端を挟持した上クランプリング(43)と、を備え、
前記下クランプリング(42)と前記加硫金型(1)との間に下プレスリング(44)が設けられ、前記上クランプリング(43)と前記加硫金型(1)との間に上プレスリング(45)が設けられていることを特徴とする請求項
3に記載の加硫設備。
【請求項10】
前記ディフューザ(65)は、
テーパ状をなす上止め輪(651)と、
いくつかのガイド片(653)を介して前記上止め輪(651)と接続し、前記上止め輪(651)との間に幅広端(654)と収縮端(655)が形成され、前記幅広端(654)と前記風道
(64)とが連通する下止め輪(652)と、を備えることを特徴とする請求項
3又は4に記載の加硫設備。
【請求項11】
前記駆動アセンブリ(7)は、前記回転スリーブ(71)と駆動モータ(72)との間に作用する伝動部材をさらに備え、
前記回転スリーブ(71)は、隙間嵌合するように前記センターロッド(3)の外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の加硫設備。
【請求項12】
前記伝
動部材は、歯車対であり、前記歯車対は、
前記駆動モータ(72)に設けられてモータ軸と同期的に回動する第1歯車(73)と、
前記回転スリーブ(71)に設けられて前記第1歯車(73)と協働する第2歯車(74)と、を備えることを特徴とする請求項11に記載の加硫設備。
【請求項13】
前記リングベース(41)には、通過管路(8)が設けられ、前記ガイドリング(62)には、貫通穴(621)が設けられ、リード線(54)は、前記通過管路(8)および前記貫通穴(621)を介して前記加熱アセンブリ(5)に接続されていることを特徴とする請求項
9に記載の加硫設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加硫装置の技術分野に関し、具体的には、加硫設備に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
工業生産では、通常、ある材料の全体的な硬度を高めるために加硫方式が採用される。
【0003】
タイヤ加硫を例にとると、タイヤ加硫とは、タイヤシューの加硫を指し、モデル加圧方式による加硫を指す。タイヤは、加硫前では、粘弾性を有する可塑性ゴムであり、変形しやすく、強度が低く、使用価値がないが、加硫により可塑性ゴムを硬化させ、使用価値のある高弾性ゴムになる。
【0004】
従来のタイヤ加硫プロセスは、飽和蒸気と窒素ガスを結合する方法を用いる。具体的には、生タイヤを密封された加硫カプセル2と加硫金型の間に置き、加硫カプセル2内に飽和蒸気を入れて加硫に必要な熱を提供し、さらに高圧窒素ガスを入れて加硫に必要な圧力を提供し、加硫カプセル2は、膨張して生タイヤを押圧し、加硫機に合わせて生タイヤの定型化と加硫作業を行い、タイヤの強度を高める。しかし、蒸気が冷めると凝縮が発生し、凝縮水が加硫カプセル2の下方に溜まり、加硫カプセル2の上下温度差が大きくなり、タイヤの加硫が不完全になるという欠陥を招き、また、蒸気管路の占有空間が大きい。
【0005】
従来技術には、タイヤ加硫設備が提供されている。
図11に示すように、加硫カプセル2内に加熱アセンブリ5を設置し、窒素ガスを直接的に加熱し、飽和蒸気の代わりに、加熱した窒素ガスを用い、また、加硫カプセル2内の温度分布が均一になるように、加硫カプセル2内にガス循環アセンブリ6を設置する。しかし、この従来技術が提供する技術案において、加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6は、加硫カプセル2内に径方向に分布するように配置されており、すなわち、
図11に示すように、加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6は、水平方向に配置されているので、加硫カプセル2の内部の径方向空間に対する占有が大きすぎ、そして、加硫タイヤの内部の径方向空間は、正常な加硫加工を確保することができるために、水平に配置された加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6のカバー範囲より大きくなければならないので、水平に配置された設備は、加硫タイヤの加工規格を制限し、小さい内径を有するタイヤの加工には適さず、また、水平に配置された設備は、加硫カプセル2内の水平方向への気流の流れを阻害しやすく、加硫カプセル2内のガス循環に不利である。
【発明の概要】
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする技術問題は、従来技術において加硫カプセルが水平に配置された設備の占有空間が大きすぎ、加硫タイヤの加工規格が制限され、加硫カプセル内のガス循環に不利であるという欠陥を克服することである。
【0007】
このため、本発明は、
開閉可能に設置されて内部に加硫チャンバが形成されている加硫金型と、
上記加硫チャンバ内に配置するのに適している加硫カプセルと、
センターロッド、および上記加硫カプセルを上記チャンバに密封して装着するのに適し上記センターロッドに設けられたクランプ装置を有する支持アセンブリと、を備える加硫設備であって、
上記加硫カプセル内に上記センターロッドの軸方向に沿って積層配置された加熱アセンブリおよび加熱媒体を上記加硫カプセル内で循環流通させるのに適しているガス循環アセンブリと、
上記センターロッドの外側に配置されて上記ガス循環アセンブリに接続される回転スリーブを有する駆動アセンブリと、をさらに備える。
任意選択として、上記ガス循環アセンブリは、
上記回転スリーブに接続される送風部材を備える。
任意選択として、上記送風部材は、オープンインペラであり、上記ガス循環アセンブリは、
いくつかの支持ブロックを介して上記クランプ装置に取り付けられ、隣接する2つの上記支持ブロックの間にスリットが設けられ、上記送風部材との間に風道が形成されたガイドリングと、
上記風道に設けられたディフューザと、をさらに備える。
任意選択として、上記送風部材は、クローズドインペラであり、上記送風部材は、風道を有し、上記風道には、ディフューザが設けられている。
【0008】
任意選択として、上記加熱アセンブリは、上記ガイドリングに設けられたブラケットと、上記ブラケットに設けられて鉛直方向に流通部を形成するヒータと、を備える。
任意選択として、上記加熱器は、加熱コイルである。
任意選択として、上記ヒータの外側には、前記ガイドリングに取り付けられたスリーブが設けられている。
任意選択として、上記加熱アセンブリは、ブラケットと、上記ブラケットに設けられたヒータとを備え、上記ヒータの外側にはスリーブが設置され、上記クローズドインペラの外周側には、支持体が設置され、上記ブラケットと上記スリーブは、上記支持体に設置されている。
【0009】
任意選択として、上記クランプ装置は、
通気管路が設けられるとともに上記回転スリーブが隙間嵌合するように上記リングベースを貫通して上記送風部材と接続するリングベースと、
上記リングベースに取り付けられ、上記加硫金型との間に上記加硫カプセルの下端を挟持した下クランプリングと、
上記センターロッドの延出端に取り付けられ、上記加硫金型との間に上記加硫カプセルの上端を挟持した上クランプリングと、を備える。
上記下クランプリングと上記加硫金型との間には下プレスリングが設けられ、上記上クランプリングと上記加硫金型との間には上プレスリングが設けられている。
【0010】
任意選択として、上記ディフューザは、
テーパ状をなす上止め輪と、
いくつかのガイド片を介して上記上止め輪と接続され、上記上止め輪との間に幅広端と収縮端が形成され、上記幅広端と上記風道とが連通する下止め輪と、を備える。
任意選択として、上記駆動アセンブリは、上記回転スリーブと駆動モータとの間に作用する伝動部材をさらに備え、
上記回転スリーブは、隙間嵌合するように上記センターロッドの外側に設けられている。
【0011】
任意選択として、上記伝達部材は、歯車対であり、上記歯車対は、
上記駆動モータに設けられてモータ軸と同期的に回動する第1歯車と、
上記回転スリーブに設けられて上記第1歯車と協働する第2歯車と、を備える。
【0012】
任意選択として、上記リングベースには、貫通管路が設けられ、上記ガイドリングには、貫通穴が設けられ、リード線は、上記貫通管路および上記貫通穴を介して上記加熱アセンブリに接続されている。
【0013】
本発明の技術案は、以下の利点を有する。
1.本発明は、加硫設備を提供し、加熱アセンブリおよびガス循環アセンブリを支持アセンブリのセンターロッドの軸方向に沿って加硫カプセル内に積層配置し、すなわち、加熱アセンブリおよびガス循環アセンブリをセンターロッド外側の鉛直方向に設置し、加熱アセンブリを利用して加硫カプセル内に入った加熱媒体ガスを加熱し、ガス循環アセンブリを利用して加熱後の加熱媒体ガスを加硫カプセル内で循環流通させる。
【0014】
従来技術において加熱アセンブリおよびガス循環アセンブリが水平方向に配置されているのに対して、本発明が提供する加硫設備の利点は、加熱アセンブリおよびガス循環アセンブリが加硫カプセルにおいて径方向に占有する空間が小さく、加硫タイヤの内部の径方向空間が加熱アセンブリおよびガス循環アセンブリのカバー範囲より大きくなければならないことを前提とする場合、支持アセンブリのセンターロッドの軸方向に鉛直に設置された加熱アセンブリおよびガス循環アセンブリは、径方向空間の占有が小さいので、より小さい内径規格のタイヤの加工に限ることなく適用でき、また、支持アセンブリのセンターロッドの軸方向に鉛直に設置された加熱アセンブリおよびガス循環アセンブリは、加硫カプセル内の気流の流れを阻害することがなく、加硫カプセル内の加熱媒体ガスの循環に有利であり、熱伝達効率および温度場の温度均一性が向上する。同時に、加熱媒体ガスが加熱アセンブリを鉛直方向に比較的均一に通過することを確保し、加熱効率がより高くなる。従来技術において加硫カプセルが水平に配置された設備の占有空間が大きすぎ、加硫タイヤの加工規格が制限され、加硫カプセル内のガス循環に不利であるという欠陥を克服する。
【0015】
2.本発明は、加硫設備を提供し、上記ガス循環アセンブリは、上記回転スリーブに接続される送風部材と、いくつかの支持ブロックを介して上記クランプ装置に取り付けられ、隣接する2つの上記支持ブロックの間にスリットが設けられ、上記送風部材との間に風道が形成されたガイドリングと、上記風道に設けられたディフューザと、を備える。
【0016】
ガス循環アセンブリは、加熱媒体ガスをカプセルの内部において循環経路に沿って流動させ、加熱媒体ガスと加硫カプセルとの効率的な熱交換を確保し、温度場の温度分布の均一性を高め、タイヤ加硫品質と効率を確保する。ガス循環アセンブリにおける送風部材としては、オープンインペラまたはクローズドインペラを選択し、加熱媒体ガスの循環動力を提供することができ、オープンインペラを選択すると、ガイドリングが支持ブロックとクランプ装置の部分構造と合わせて風道を形成し、ガイドリングは、送風部材による気流が収束するように導くことができ、クローズドインペラを選択すると、それ自体が風道を有し、風道に設置されたディフューザによって風道に入った気流を加圧・案内することで、加熱媒体ガスが循環路に沿って流れると同時に周方向にも流れることができ、熱伝達効率および温度場の温度の均一性をさらに高める。
【0017】
3.本発明は、加硫設備を提供し、上記加熱アセンブリは、上記ガイドリングに設けられたブラケットと、上記ブラケットに設けられて鉛直方向に流通部を形成するヒータと、を備える。
【0018】
ヒータが鉛直方向に流通部を形成するので、加熱媒体ガスは、阻害されることなく、循環経路に沿ってヒータを通過することができ、加熱媒体ガスの循環の円滑性を確保し、また、ヒータは、ブラケットに沿って複数層だけ設けることができ、各層のヒータは、加硫カプセルの内部を流通する加熱媒体ガスを加熱することができ、すなわち、加硫カプセルの内部を流通する加熱媒体ガスが1回循環すれば、複数回加熱されるので、加熱効率が向上する。
【0019】
4.本発明は、加硫設備を提供し、上記加熱器は、加熱コイルである。
【0020】
加熱コイルの中部には、流通部が形成され、加熱媒体ガスは、阻害されることなく、循環経路に沿って通過することができ、加熱媒体ガスの循環の円滑性を確保し、また、加熱コイルは、複数層だけ螺旋状に設置され、ブラケットに巻き付けするのに適し、各層の加熱コイルは、加硫カプセルの内部を流通する加熱媒体ガスを加熱することができ、すなわち、加硫カプセルの内部を流通する加熱媒体ガスが1回循環すれば、複数回加熱されるので、加熱効率が向上する。
【0021】
5.本発明は、加硫設備を提供し、上記ヒータの外側には、上記ガイドリングに取り付けられたスリーブが設けられている。
【0022】
ヒータの外側にスリーブが設けられ、スリーブがガイドリングの上方に取り付けられてガイドリングの上面に密着するので、加熱媒体ガスに対してガイドの役割を果たすことができる。スリーブの高さは、ヒータより高くとするので、加熱媒体ガスがヒータの上方に集まてヒータに入るように誘導しやすく、加熱媒体ガスの循環の円滑性を高める。
【0023】
6.本発明は、加硫設備を提供し、上記クランプ装置は、通気管路が設けられるとともに上記回転スリーブが隙間嵌合するように貫通して上記送風部材と接続するリングベースと、上記リングベースに取り付けられ、上記加硫金型との間に上記加硫カプセルの下端を挟持した下クランプリングと、上記センターロッドの延出端に取り付けられ、上記加硫金型との間に上記加硫カプセルの上端を挟持した上クランプリングと、を備える。
【0024】
クランプ装置を設置して加硫カプセルを挟持して密封することで、加硫カプセルからの加熱媒体ガスが漏洩して加硫設備の加硫品質が低下ないし加硫作業ができない場合が発生することを回避し、リングベースに設置された通気管路は、加硫カプセルにおいて加熱媒体ガスを導入と導出するのに便利である。
【0025】
7.本発明は、加硫設備を提供し、上記下クランプリングと上記加硫金型との間に下プレスリングが設けられ、上記上クランプリングと上記加硫金型との間に上プレスリングが設けられている。
下プレスリングと上プレスリングを設置して加硫カプセルをさらに密封することで、加硫設備における加硫カプセルの密封性を高める。
【0026】
8.本発明は、加硫設備を提供し、上記ディフューザは、テーパ状をなす上止め輪と、いくつかのガイド片を介して上記上止め輪と接続し、上記上止め輪との間に幅広端と収縮端が形成され、上記幅広端と上記風道とが連通する下止め輪と、を備える。
【0027】
上止め輪と下止め輪の間には、幅広端と収縮端が形成されており、加熱媒体ガスが循環路に沿って流れると、風道からの加熱媒体ガスが幅広端から収縮端に流入し、収縮端から流出し、流出した加熱媒体ガスの流速および圧力は、いずれも増大し、高流速により加熱媒体ガスと加硫カプセル、ヒータとの間の熱交換効率が向上し、かつ、ガイド片は、加熱媒体ガスを幅広端から収縮端に導く過程において、加熱媒体ガスを加硫カプセルの周方向に導くのにも適しており、加硫カプセルの内部温度の均一性がさらに向上する。
【0028】
9.本発明は、加硫設備を提供し、上記駆動アセンブリは、上記回転スリーブと駆動モータとの間に作用する伝動部材をさらに備える。
【0029】
伝動部材は、回転スリーブと駆動モータの間に作用し、駆動モータと回転スリーブを動力的に接続し、駆動モータが提供する外部動力を回転スリーブに伝達し、回転スリーブからさらに送風部材に伝達し、加熱媒体ガスのガス循環に動力を提供する。
【0030】
10.本発明は、加硫設備を提供し、上記伝達部材は、歯車対であり、上記歯車対は、上記駆動モータに設けられてモータ軸と同期的に回動する第1歯車と、上記回転スリーブに設けられて上記第1歯車と協働する第2歯車と、を備える。
【0031】
歯車対による協働を採用することで、動力を伝達しやすく、加熱媒体ガスのガス循環に動力を提供する。
【0032】
11.本発明は、加硫設備を提供し、上記リングベースには、通過管路が設けられ、上記ガイドリングには、貫通穴が設けられ、リード線は、上記通過管路および貫通穴を介して上記加熱アセンブリに接続されている。
【0033】
リングベースには、通過管路が設置され、ガイドリングには、貫通穴が設置され、リード線を穿設しやすく、外部給電装置と加熱アセンブリを接続してヒータの発熱用電力を提供するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0034】
以下、本発明の具体的な実施形態または先行技術における技術案をより明確に説明するために、具体的な実施形態または先行技術の説明において必要とされる図面について簡単に説明するが、明らかに、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を行わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】
図1は、本発明における加硫設備の構造概略図である。
【
図2】
図2は、本発明における送風部材の構造概略図である。
【
図3】
図3は、本発明におけるガイドリングの構造概略図である。
【
図4】
図4は、本発明におけるディフューザの概略構成図である。
【
図5】
図5は、
図4におけるディフューザのA-A方向の断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例1における加硫設備の加熱媒体の流れの概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例1における加硫設備の加熱媒体の別の流れの概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例2における別の加硫設備の構造概略図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例2における加硫設備の加熱媒体の流れの概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例2における加硫設備の加熱媒体の別の流れの概略図である。
【
図11】
図11は、本発明の背景技術におけるタイヤ加硫設備の構造概略図である。
【
図12】
図12は、本発明におけるヒータが加熱コイルである構造概略図である。
【0035】
符号の説明
1、加硫金型、2、加硫カプセル、3、センターロッド、
4、クランプ装置、41、リングベース、42、下クランプリング、43、上クランプリング、44、下プレスリング、45、上プレスリング、
5、加熱アセンブリ、51、ブラケット、52、ヒータ、53、スリーブ、54、リード線、
6、ガス循環アセンブリ、61、送風部材、611、ガイド羽根、62、ガイドリング、621、貫通穴、63、支持ブロック、64、風道、65、ディフューザ、651、上止め輪、652、下止め輪、653、ガイド片、654、幅広端、655、収縮端、
7、駆動アセンブリ、71、回転スリーブ、72、駆動モータ、73、第1歯車、74、第2歯車、
8、通過管路。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面に基づいて本発明の技術案を明確に、完全に説明するが、明らかに、説明された実施形態は、すべての実施例ではなく、本発明の一部の実施例である。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を付かずに成し遂げるすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0037】
なお、本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づいくものであり、本発明の説明を容易にして説明を簡略化することのみを目的としており、指す装置または素子が特定の方位を有して特定の方位で構造・操作しなければならないことを表示す又は暗示するものではないので、本発明に対する制限として理解されない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明の目的にのみ使用され、相対的な重要性を表示又は暗示すると理解すべきではない。
【0038】
本発明の説明において、「取り付け」、「つながる」、「接続」という用語は、特に明確な規定および限定がない限り、一般に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、または一体的に接続してもよいし、機械接続でもよいし、電気接続でもよいし、直接的に接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、上記用語の本発明での具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解され得る。
【0039】
また、以下に説明する本発明の異なる実施形態に係る技術特徴は、互いの間に衝突がなければ、互いに結合することができる。
【0040】
実施例1
図1~
図9に示すように、本実施例は、加硫設備を提供し、工業生産において、通常、ある材料の全体的な硬度を高めるために加硫設備を用いて加硫する。タイヤ加硫を例にとると、タイヤ加硫とは、タイヤシューの加硫を指し、モデル加圧方式による加硫を指す。タイヤは、加硫前では、粘弾性を有する可塑性ゴムであり、変形しやすく、強度が低く、使用価値がないが、加硫により可塑性ゴムを硬化させ、使用価値のある高弾性ゴムになる。
【0041】
従来技術は、タイヤ加硫設備を提供している。
図11に示すように、加硫カプセル2内に加熱アセンブリ5を設置して、加熱媒体ガスを直接的に加熱するとともに、加硫カプセル2内の温度分布が均一になるように、加硫カプセル2内にガス循環アセンブリ6を設置する。しかし、この従来技術が提供する技術案において、加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6は、加硫カプセル2内で径方向に分布するように配置されており、すなわち、
図11に示すように、加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6は、水平方向に配置されているので、加硫カプセル2の内部の径方向空間に対する占有が大きすぎ、そして、加硫タイヤの内部の径方向空間は、正常な加硫加工を確保するために、水平に配置された加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6のカバー範囲より大きくなければならないので、水平に配置された設備は、加硫タイヤの加工規格を制限し、小さい内径を有するタイヤの加工には適さず、また、水平に配置された設備は、加硫カプセル2内の水平方向への気流の流れを阻害しやすく、加硫カプセル2内のガス循環に不利である。
【0042】
本実施例において、加硫設備は、加硫金型1と、加硫カプセル2と、センターロッド3と、クランプ装置4と、加熱アセンブリ5と、ガス循環アセンブリ6と、駆動アセンブリ7などを備える。
【0043】
加硫金型1は、開閉可能に設けられ、内部に加硫チャンバが形成され、
図1に示すような視角で、上記加硫金型1は、上下の構造であり、上端の加硫金型1と昇降可能なセンターロッド3および部分的なクランプ装置4とを合わせて、加硫金型1の上下端を分離させた後、センターロッド3を、加硫カプセル2を縮まるように上昇させて、加硫チャンバに加硫すべき生タイヤを載置し、そして、上端の加硫金型1を降下させて、加硫金型1の上下端を閉じ、加硫中に加硫機により加硫金型1に型締力が与えられる。
【0044】
加硫カプセル2は、加硫チャンバ内に配置するのに適しており、加硫カプセル2は、加硫機の中空薄肉のゴム製品であり、加硫すべき生タイヤを入れてから加熱媒体を投入し、加硫機と合わせて定型化および加硫作業を行う。加熱媒体は、不活性ガスまたは希ガスであり、酸化還元反応に関与しなければよく、本実施例では、さらに窒素ガスを選択することができる。
【0045】
支持アセンブリは、センターロッド3と、加硫カプセル2をチャンバに密封して装着するのに適する、センターロッド3に設けられたクランプ装置4と、を備える。
【0046】
具体的には、加硫金型1の上下端が分離された後に、センターロッド3を上昇させて、加硫すべき生タイヤを加硫チャンバに配置することができ、センターロッド3が下降した後、上端の加硫金型1を下降させて加硫金型1の上下端を閉じる。センターロッド3に設けられたクランプ装置4は、加硫カプセル2を密封して加熱媒体ガスの漏れを回避するのに適している。
【0047】
加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6は、
図1に示すように、加硫カプセル2内にセンターロッド3の軸方向に沿って積層配置され、
図1に示す視角では、加熱アセンブリ5とガス循環アセンブリ6とは、高さ方向に配列され、ガス循環アセンブリ6は、加熱後の加熱媒体を加硫カプセル2内で循環流通させるのに適している。なお、加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6がセンターロッド3の軸方向に積層配置されることは、加熱アセンブリ5とガス循環アセンブリ6との相互接触または非接触を制限しない。
【0048】
具体的には、タイヤの加硫作業に使用する場合、加硫前の生タイヤのような加硫すべきものを加硫金型1と加硫カプセル2との間に置き、クランプ装置4により加硫カプセル2を挟持して密封し、加熱アセンブリ5により加硫カプセル2に入った加熱媒体ガスを加熱し、ガス循環アセンブリ6により加熱後の加熱媒体ガスを加硫カプセル2内に循環流通させ、同時に、加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6をセンターロッド3の外側の鉛直方向に設置し、従来技術において水平に配置された加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6の加硫カプセル2に対する占有空間が大きすぎて、加硫タイヤの加工規格が制限され、加硫カプセル2内のガス循環に不利であるという欠点を克服する。
【0049】
本実施例において、ガス循環アセンブリ6の動力を提供するために、センターロッド3の外側に配置されてガス循環アセンブリ6に接続される回転スリーブ71を有する駆動アセンブリ7、をさらに備え、回転スリーブ71は、好ましくは中空構造であり、回転スリーブ71は、センターロッド3の外側に外嵌されて隙間嵌合するように設けられ、センターロッド3の外側に隙間嵌合するように設けられた回転スリーブ71は、センターロッド3において回動するのに適しているので、ガス循環アセンブリ6を駆動して加硫カプセル2の内部のガス循環を行う。回転スリーブ71は、センターロッド3の外側にバイアスして設けられ、ギアなどの伝動アセンブリによって駆動されてガス循環アセンブリ6に接続されてもよく、回転スリーブ71は、非中空構造であってもよい。
【0050】
本実施例が提供する加硫設備の利点は、加熱アセンブリ5およびガガス循環アセンブリ6がセンターロッド3の外側の鉛直方向に設置されることで、加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6が加硫カプセル2において占有する径方向空間が小さくなり、加硫タイヤの内部の径方向空間が加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6のカバー範囲より大きくなければならないことを前提とする場合、支持アセンブリのセンターロッド3の軸方向に鉛直に設置された加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6は、径方向空間の占有が小さいので、より小さい内径規格のタイヤの加工に限らずが、それに適用でき、また、支持アセンブリのセンターロッド3の軸方向に鉛直に設置された加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6は、加硫カプセル2内の気流の流れを阻害することがなく、加硫カプセル2内の加熱媒体ガスの循環に有利であり、熱伝達効率が向上し、温度場の温度が均一になる。同時に、加熱媒体ガスが加熱アセンブリ5を鉛直方向に比較的均一に通過することが確保され、加熱効率がより高くなる。従来技術において加硫カプセル2が水平に配置された設備の占有空間が大きすぎ、加硫タイヤの加工規格が制限され、加硫カプセル2内のガス循環に不利であるという欠陥を克服する。
【0051】
上記実施形態に加えて、さらに限定される実施形態として、
図1~
図5に示すように、ガス循環アセンブリ6は、送風部材61を備える。
送風部材61は、回転スリーブ71に接続される。
【0052】
具体的には、
図2に示すように、送風部材61は、駆動アセンブリ7の駆動によって風力を形成し、加硫カプセル2内の加熱媒体ガスの循環に動力を提供し、送風部材61は、回転スリーブ71に直接的に動力接続され、構造が簡単で、使用寿命が長い。送風部材61は、オープンインペラ、クローズインペラ、軸流ファンなどを選択することができる。
【0053】
送風部材61は、オープンインペラであり、
図2に示すように、ガイド羽根611が設けられ、送風部材61の外周側にガイドリング62が設けられ、いくつかの支持ブロック63を介してクランプ装置4に取り付けられ、隣接する2つの支持ブロック63の間にスリットが設けられ、送風部材61とガイドリング62の間に風道64が形成されている。
【0054】
具体的には、
図3に示すように、支持ブロック63は、クランプ装置4に間隔を置いて設けられ、隣接する2つの支持ブロック63の間に形成されたスリットは、風道64を介した加熱媒体ガスを通過させるのに適しており、支持ブロック63にガイドリング62をさらに設け、加熱媒体ガスの通過の円滑性を確保するとともに、加熱媒体ガスを案内し、加熱媒体ガスを加硫カプセル2の底部に沿って流動させてガス循環を行う。
【0055】
さらに、ガス循環アセンブリ6は、
図4~
図5に示すように、ディフューザ65をさらに備え、ディフューザ65は、風道64に設けられ、風道64から流出した加熱媒体ガスが、ディフューザ65を介して流速および圧力を増大させ、高流速で加熱媒体ガスと加硫カプセル2、ヒータ52との間の熱交換効率が向上するとともに、加硫カプセル2の内部温度の均一性が向上する。
【0056】
具体的には、
図1に示すように、ガス循環アセンブリ6は、加熱媒体ガスをカプセル内部において循環経路に沿って流動させ、加熱媒体ガスと加硫カプセル2との効率的な熱交換を確保し、温度場の温度分布の均一性を高め、タイヤ加硫品質と効率を確保する。ガス循環アセンブリ6における送風部材61にも、インペラを選択して、加熱媒体ガスの循環動力を提供し、ガイドリング62は、支持ブロック63およびクランプ装置4の部分構造と合わせて風道64を形成し、ガイドリング62は、送風部材61による気流が収束になるように導くことができ、且つ、風道64に設置されたディフューザ65によって、風道64に入った気流を加圧・案内することで、加熱媒体ガスが循環路に沿って流れると同時に周方向にも流れることができ、熱伝達効率および温度場の温度の均一性をさらに高める。
【0057】
さらに、
図6に示すのは、加硫設備の加熱媒体のある流れの模式図であり、駆動アセンブリ7が正転する時に、加熱媒体ガスが加熱アセンブリ5を通じて層毎に加熱され、加熱アセンブリ5を通過した加熱媒体ガスは、ガス循環アセンブリ6における送風部材61の作用により、送風部材61に吸い込まれてから、送風部材61により導出され、風道64およびディフューザ65に入り、高速高圧の加熱媒体ガスは、加硫カプセル2の内壁に沿って流れ、加硫カプセル2と十分な熱交換を行った後、最終的に、再び加熱アセンブリ5に入って加熱を行い、1回の循環を実現し、このように循環し、加硫カプセル2の内部の温度均一性を高める。この過程において、送風部材61に設けられたガイド羽根611およびディフューザ65に設けられたガイド片653は、加熱媒体ガスを加硫カプセル2の周方向へ案内するのに適するので、加硫カプセル2の内部の温度均一性をさらに高める。
【0058】
さらに、
図7に示すのは、加硫設備の加熱媒体の別の流れの概略図であり、駆動アセンブリ7が反転する時に、加熱媒体ガスの流れは、駆動アセンブリ7が正転する時とは反対である。
【0059】
上記実施形態に加えて、さらに限定される実施形態として、送風部材61は、オープンインペラである。
【0060】
具体的には、オープンインペラは、ガイドリング62、支持ブロック63およびクランプ装置4の部分的な構造と合わせて風道64を形成し、ガイドリング62は、送風部材61による気流が収束するように導くことができ、且つ、風道64に設置されたディフューザ65によって、風道64に入った気流を加圧・案内することで、加熱媒体ガスが循環路に沿って流れると同時に周方向にも流れることができ、熱伝達効率および温度場の温度の均一性をさらに高め、同時に、オープンインペラのガイド羽根が加熱媒体ガスを加硫カプセル2の周方向へ導くのに適するので、加熱媒体ガスは、加硫カプセル2の水平方向および鉛直方向の両方に循環流通できる。
【0061】
さらに、送風部材61がガイドリング62および支持ブロック63と合わせて形成するアセンブリによる技術効果は、クローズドインペラで完全に実現することができ、すなわち、本実施例において、オープンインペラ61とガイドリング62およびディフューザ65との組み合わせの代わりに、クローズドインペラの送風部材61とディフューザ65の組み合わせを用いることができる。このとき、クローズドインペラの外周側には、支持体が設けられ、ブラケット51と上記スリーブ53とが支持体に設けられる。
【0062】
ガス循環アセンブリにおける送風部材には、オープンインペラまたはクローズドインペラを選択して、加熱媒体ガスの循環動力を提供することができ、オープンインペラを選択すると、ガイドリング62が支持ブロック63とクランプ装置4の部分構造と合わせて風道64を形成し、ガイドリング62は、送風部材による気流が収束するように導くことができ、クローズドインペラを選択すると、それ自体が風道64を有し、ガイドリング62を設ける必要はない。
【0063】
上記実施形態に加えて、さらに限定される実施形態として、
図1に示すように、加熱アセンブリ5は、ガイドリング62に設けられたブラケット51と、ブラケット51に設けられて鉛直方向に流通部が形成されたヒータ52と、を備える。
【0064】
具体的には、加熱アセンブリ5の全体がガス循環アセンブリ6の全体の上部に位置し、加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6の鉛直方向の積層位置関係を維持し、従来技術において加硫カプセル2が水平に配置された設備の占有空間が大きすぎ、加硫タイヤの加工規格が制限され、加硫カプセル2内のガス循環に不利であるという欠陥を克服するために、ステント51がガイドリング62に設置されている。
【0065】
さらに、ヒータ52は、鉛直方向に流通部を形成するので、加熱媒体ガスは、循環経路に沿って、阻害されることがなくヒータ52を通過することができ、加熱媒体ガスの循環の円滑性を確保し、また、ヒータ52は、ブラケット51の軸方向に沿って多層に設けることができ、2~5層とすることができ、各層のヒータ52は、加硫カプセル2の内部を流通する加熱媒体ガスを加熱することができ、すなわち、加硫カプセル2の内部を流通する加熱媒体ガスが1回循環すれば、複数回加熱されるので、加熱効率が向上する。
【0066】
上記実施形態に加えて、さらに限定される実施形態として、
図12に示すように、ヒータ52は、加熱コイルである。
【0067】
具体的には、加熱コイルの中部には、流通部が形成されるので、加熱媒体ガスは、循環経路に沿って、阻害されることがなくヒータを通過することができ、加熱媒体ガスの循環の円滑性を確保し、また、加熱コイルは、径方向に複数層だけ螺旋状に設置され、隣接する加熱管の間の間隔は、加熱媒体の流通および加熱をさらに容易にし、同時に、加熱コイルは、軸方向に複数層設置されるので、ブラケット51に巻き付けるのに適し、各層の加熱コイルは、加硫カプセル2の内部を流通する加熱媒体ガスを加熱することができ、すなわち、加硫カプセル2の内部を流通する加熱媒体ガスが1回循環すれば、複数回加熱されるので、加熱効率が向上する。
【0068】
上記実施形態に加えて、さらに限定される実施形態として、
図1に示すように、ヒータ52の外側にスリーブ53が設けられ、スリーブ53がガイドリング62に取り付けられている。
【0069】
具体的には、ヒータ52の外側にスリーブ53が設けられ、スリーブ53がガイドリング62の上方に取り付けられてガイドリング62の上面に密着することで、加熱媒体ガスに対してガイドの役割を果たすと同時に、加熱媒体ガスがスリーブ53とガイドリング62との間から漏れるのを回避することができる。スリーブ53の高さは、ヒータ52より高く設けることで、加熱媒体ガスがヒータ52の上方に集ってヒータ52に入るように誘導しやすく、加熱媒体ガスの循環の円滑性を高める。スリーブ53は、加硫カプセル2がヒータから直接的な熱放射を受けることを防止し、加硫カプセル2の内側の温度場の均一性を確保するとともに、加硫カプセル2が収縮する際にヒータ52と接触することを防止し、加硫カプセル2を保護する役割を果たし、加硫カプセル2の寿命を延長する。スリーブ53は、好ましくは非金属材質であり、例えば木製、エアロゲル、グラスウールなどである。
【0070】
上記実施形態に加えて、さらに限定される実施形態として、
図1に示すように、クランプ装置4は、リングベース41と、下クランプリング42と、上クランプリング43などとを備える。
【0071】
リングベース41には、通気管路が設けられ、回転スリーブ71は、隙間嵌合するようにリングベース41を貫通して送風部材61と接続し、通気管路は、加硫カプセル2において加熱媒体ガスを導入または導出するのに適し、回転スリーブ71が隙間嵌合するようにリングベース41を貫通することで、回転スリーブ71は、駆動アセンブリ7の駆動によってリングベース41に対して回動可能である。
【0072】
下クランプリング42は、リングベース41に取り付けられて、加硫カプセル2の下端は、下クランプリング42と加硫金型1との間に挟持された。
【0073】
上クランプリング43は、センターロッド3の延出端に取り付けられて、加硫カプセル2の上端は、上クランプリング43と加硫金型1との間に挟持された。
【0074】
具体的には、クランプ装置4を設置して加硫カプセル2を挟持して密封し、加硫カプセル2から加熱媒体ガスが漏洩して加硫設備の加硫品質が低下ないし加硫作業ができない場合が発生することを回避し、リングベース41に設置された通気管路は、加硫カプセル2において加熱媒体ガスを導入または導出するのに適する。
【0075】
上記実施形態に加えて、さらに限定される実施形態として、
図1に示すように、下クランプリング42と加硫金型1との間に下プレスリング44が設けられ、上クランプリング43と加硫金型1との間に上プレスリング45が設けられ、下クランプリング44および上クランプリング45を設けて加硫カプセル2をさらに密封し、加硫設備における加硫カプセル2の密封性を高める。
【0076】
上記実施形態に加えて、さらに限定される実施形態として、
図4~
図5に示すように、ディフューザ65は、上止め輪651と、下止め輪652と、ガイド片653などとを備える。
【0077】
上止め輪651は、テーパ状をなす。
下止め輪652は、いくつかのガイド片653を介して上止め輪651と接続し、上止め輪651と下止め輪652との間に幅広端654と収縮端655が形成され、幅広端654は風道64と連通する。
【0078】
具体的には、上止め輪651と下止め輪652の間には、幅広端654と収縮端655が形成されており、加熱媒体ガスが循環路に沿って流れると、風道64からの加熱媒体ガスが幅広端654から収縮端655に流入し、収縮端655から流出し、流出した加熱媒体ガスの流速および圧力は、いずれも増大し、高流速により加熱媒体ガスと加硫カプセル2、ヒータ52との間の熱交換効率が向上する。
【0079】
さらに、送風部材61の回転数は、1500r/min以上に達することができ、ディフューザ65の作用により、ディフューザ65の収縮端655の流量は、0.173m3/s以上に達することができ、流速は、12m/s以上に達することができ、従来の加硫設備に比べて顕著に向上する。
【0080】
さらに、
図5に示すように、ガイド片653は、内から外へ片側にずれており、加熱媒体ガスを幅広端654から収縮端655に導く過程において、加熱媒体ガスを加硫カプセル2の周方向へ導くのに適するので、加熱媒体ガスは、加硫カプセル2の水平方向と鉛直方向の両方に循環流通することができ、加硫カプセル2の内部の温度均一性をさらに高める。
【0081】
上記実施形態に加えて、さらに限定された実施形態として、
図1に示すように、駆動アセンブリ7は、回転スリーブ71と駆動モータ72との間に作用する伝動部材をさらに備え、伝動部材は、回転スリーブ71と駆動モータ72の間に作用して、駆動モータ72と回転スリーブ71とを動力的に接続することで、駆動モータ72が提供する外部動力を回転スリーブ71に伝達するとともに、回転スリーブ71からさらに送風部材61に伝達し、加熱媒体ガスのガス循環に動力を提供する。
【0082】
上記実施形態に加えて、さらに限定される実施形態として、
図1に示すように、伝達部材は、歯車対であり、歯車対は、駆動モータ72に設けられてモータ軸と同期的に回動する第1歯車73と、回転スリーブ71に設けられて第1歯車73と協働する第2歯車74と、を備え、歯車対による協働を採用することで、加熱媒体ガスのガス循環に動力を提供するために、動力を伝達しやすくなる。変形例として、伝動部材は、チェーン伝動、ベルト伝動などの従来技術でよく見られる伝動機構であってもよく、過度に限定されない。
【0083】
上記実施形態に加えて、さらに限定される実施形態として、
図1に示すように、リングベース41には、通過管路8が設けられ、ガイドリング62には、貫通穴621が設けられ、リード線54は、通過管路8および貫通穴621を通過して加熱アセンブリ5に接続されている。
【0084】
具体的には、リングベース41には、通過管路8が設置され、ガイドリング62には、貫通穴621が設置され、リード線54を穿設しやすく、外部給電装置と加熱アセンブリ5とを接続してヒータ52の発熱用電力を提供するのに適している。
【0085】
本実施例の利点は、加熱アセンブリ5およびガガス循環アセンブリ6がセンターロッド3の外側の鉛直方向に設置されることで、加硫カプセル2において径方向空間の占有が小さくなり、より小さい内径規格のタイヤの加工に限ることなく適用でき、また、支持アセンブリのセンターロッド3の軸方向に鉛直に設置された加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6は、加硫カプセル2内の気流の流れを阻害することがなく、加硫カプセル2内の加熱媒体ガスの循環に有利であり、熱伝達効率および温度場の温度均一性が向上する。同時に、加熱媒体ガスが鉛直方向に加熱アセンブリ5を比較的均一に通過することが確保され、加熱効率がより高くなる。従来技術において加硫カプセル2が水平に配置された設備の占有空間が大きすぎ、加硫タイヤの加工規格が制限され、加硫カプセル2内のガス循環に不利であるという欠陥を克服する。
【0086】
実施例2
本実施例は、加硫設備を提供し、
図8に示すように、実施例1と比べて、加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6が加硫カプセル2内にセンターロッド3の軸方向に沿って積層配置されることを維持し、加熱アセンブリ5およびガス循環アセンブリ6の位置を入れ替え、ガス循環アセンブリ6を加熱アセンブリ5の上方に位置させることが相違している。
【0087】
具体的には、加熱アセンブリ5をリングベース41に設置し、ガス循環アセンブリ6の送風部材61が加熱アセンブリ5の上方に位置するように、加硫カプセル2内の回転スリーブ71の長さをセンターロッド3に沿って延び、また、リングベース41において加熱アセンブリ5の下方に対応する箇所を気流案内可能なテーパ状とし、加熱媒体ガスの案内を容易にする。
【0088】
さらに、
図9に示すのは、本実施例が提供する加硫設備の加熱媒体のある流れの模式図であり、駆動アセンブリ7が正転する時に、加熱媒体ガスが加熱アセンブリ5を通じて層毎に加熱され、加熱アセンブリ5を通過した加熱媒体ガスは、ガス循環アセンブリ6における送風部材61の作用により、送風部材61に吸い込まれてから、送風部材61により導出され、加硫カプセル2の内壁に沿って流れ、加硫カプセル2と十分な熱交換を行った後、最終的に、ガイド作用を有するリングベース41を経て再び加熱アセンブリ5に入って加熱を行い、1回の循環を実現し、このように循環し、加硫カプセル2の内部の温度均一性を高める。この過程において、送風部材61に設けられたガイド羽根611は、加熱媒体ガスを加硫カプセル2の周方向へ案内するのに適するので、加硫カプセル2の内部の温度均一性をさらに高める。
【0089】
さらに、
図10に示すのは、本実施例が提供する加硫設備の加熱媒体の別の流れの概略図であり、駆動アセンブリ7が反転する時に、加熱媒体ガスの流れは、駆動アセンブリ7が正転する時とは反対である。
【0090】
本実施例の利点は、リングベース41の位置特性を利用して、リングベース41において加熱アセンブリ5の下方に対応する一部箇所を気流案内可能なテーパ状とし、加熱媒体ガスを案内するために使用し、ガス循環アセンブリ6におけるガイドリング62、支持ブロック63、ディフューザ65などの部品を削除し、より簡単な設備構造で加硫カプセル2内の加熱媒体ガスの循環を実現し、熱伝達効率および温度場の温度均一性を高める。同時に、加熱媒体ガスが加熱アセンブリを鉛直方向に比較的均一に通過することを確保し、加熱効率をより高くする。従来技術において加硫カプセル2が水平に配置された設備の占有空間が大きすぎ、加硫タイヤの加工規格が制限され、加硫カプセル2内のガス循環に不利であるという欠陥を克服する。
【0091】
明らかに、上述の実施案は、実施形態を限定するものではなく、挙げた例を明確に説明するためのものである。当業者にとって、上記の説明に基づいて他の異なる形式の変化や変動を行うこともできる。ここでは、すべての実施形態を挙げる必要がなく、挙げることも不可能である。それによって派生された明らかな変化や変動は、本発明の創造の保護範囲に属する。