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<図1>
  • -画像読取装置 図1
  • -画像読取装置 図2
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  • -画像読取装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20240703BHJP
   H04N 1/10 20060101ALI20240703BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H04N1/04 Z
H04N1/10
H04N1/12 Z
H04N1/00 L
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020174593
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2022065848
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】中島 洋生
(72)【発明者】
【氏名】古城 晋介
(72)【発明者】
【氏名】奥野 徳次郎
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-304821(JP,A)
【文献】特開2005-184334(JP,A)
【文献】特開2013-102294(JP,A)
【文献】特表2014-519228(JP,A)
【文献】特開2003-098766(JP,A)
【文献】特開2001-274935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04
H04N 1/10
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部ユニットと、前記上部ユニットに対し鉛直下方に間隔を空けて位置する下部ユニットとを備えた画像読取装置であって、
前記上部ユニットは、給送前の原稿が水平方向に対し45°以上の傾斜姿勢を成す様に原稿を支持する給送トレイと、
前記給送トレイに支持された原稿を、鉛直下方の成分を含む方向に送り出す給送手段と、
前記給送手段により送り出された原稿を搬送する搬送路であって、鉛直上方の成分を含む方向に向けて原稿を反転させる搬送路と、
前記搬送路の途中に設けられ、原稿を読み取る第1読み取り手段と、
前記搬送路において前記第1読み取り手段の下流に位置し、鉛直上方の成分を含む方向に原稿を排出する排出手段と、
前記排出手段によって排出された原稿が水平方向に対し45°以上の傾斜姿勢を成す様に原稿を支持する排出トレイと、を有し、
前記下部ユニットは、原稿を載置する原稿台と、
前記原稿台に対し鉛直下方に位置し、前記原稿台に載置された原稿を読み取る第2読み取り手段と、を備え、
前記第1読み取り手段と前記原稿台とが、鉛直上方から見て重なる部位を有する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像読取装置において、前記給送トレイ及び前記排出トレイは、装置奥行き方向に沿って間隔を空けて配置されており、
前記第1読み取り手段は、装置奥行き方向において前記原稿台の領域内に収まる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像読取装置において、鉛直上方から見て前記給送トレイ及び前記排出トレイの少なくともいずれかが、前記上部ユニットの領域内に収まる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像読取装置において、前記第1読み取り手段の延設方向において、前記原稿台が、前記第1読み取り手段の領域内に収まる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像読取装置において、装置奥行き方向における後方に、前記下部ユニットが前記上部ユニットを支持する支持部が設けられているとともに、装置奥行き方向における前方において前記上部ユニットと前記下部ユニットとの間が開口しており、
前記第2読み取り手段は、装置奥行き方向に沿って移動しながら原稿を読み取り、
前記原稿台に対し装置奥行き方向の後方に、前記第2読み取り手段によって読み取り可能な白基準部が設けられている、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像読取装置において、前記上部ユニットは、原稿に送り力を付与する為の駆動源である第1モーターを、装置奥行き方向と交差する方向である装置幅方向の一方側端部に備え、
前記第2読み取り手段は、前記装置幅方向に沿って移動しながら原稿を読み取る構成であり、
前記下部ユニットは、前記第2読み取り手段を前記装置幅方向に移動させる為の駆動源である第2モーターを、前記装置幅方向において前記第1モーターが設けられた前記一方側端部とは反対の他方側端部に備える、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像読取装置において、前記下部ユニットは、ユニット本体部に対して水平方向にスライド可能なスライド部を備え、
前記原稿台及び前記第2読み取り手段が、前記スライド部に設けられる、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像読取装置において、前記上部ユニットが前記下部ユニットに対して鉛直方向に沿って変位可能に構成されている、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像読取装置において、前記原稿台への原稿の載置を検出する為の載置検出部を備え、
前記第2読み取り手段を制御する制御部は、前記載置検出部の検出信号をもとに前記原稿台への原稿の載置を検出すると、前記第2読み取り手段によって前記原稿台に載置された原稿を読み取る、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像読取装置において、前記上部ユニット及び前記下部ユニットを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記上部ユニットにおける原稿読み取り動作と前記下部ユニットにおける原稿読み取り動作とを並行して実行可能である、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の画像読取装置において、前記原稿台に載置された原稿に設けられたICタグから情報を無線通信で読み取る無線通信部を備える、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の画像読取装置において、前記原稿台に載置された原稿を前記原稿台に向けて押圧する原稿押圧部を備える、
ことを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取る画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナーに代表される画像読取装置には、原稿を搬送しながら原稿の画像を読み取るシートフィードタイプのものと、原稿台ガラスに載置した原稿の画像を原稿台ガラスに対して移動するラインセンサーで読み取るフラットベッドタイプのものとがある。そして更に、特許文献1に示される様にシートフィードタイプのスキャナーとフラットベッドタイプのスキャナーとがドッキングしたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-333278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のスキャナーの場合、シートフィードタイプのスキャナーとフラットベッドタイプのスキャナーとが水平方向に沿って並列にドッキングする構成である為、装置が大型化してしまう問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明の画像読取装置は、上部ユニットと、前記上部ユニットに対し鉛直下方に間隔を空けて位置する下部ユニットとを備えた画像読取装置であって、前記上部ユニットは、給送前の原稿が水平方向に対し45°以上の傾斜姿勢を成す様に原稿を支持する給送トレイと、前記給送トレイに支持された原稿を、鉛直下方の成分を含む方向に送り出す給送手段と、前記給送手段により送り出された原稿を搬送する搬送路であって、鉛直上方の成分を含む方向に向けて原稿を反転させる搬送路と、前記搬送路の途中に設けられ、原稿を読み取る第1読み取り手段と、前記搬送路において前記第1読み取り手段の下流に位置し、鉛直上方の成分を含む方向に原稿を排出する排出手段と、前記排出手段によって排出された原稿が水平方向に対し45°以上の傾斜姿勢を成す様に原稿を支持する排出トレイと、を有し、前記下部ユニットは、原稿を載置する原稿台と、前記原稿台に対し鉛直下方に位置し、前記原稿台に載置された原稿を読み取る第2読み取り手段と、を備え、前記第1読み取り手段と前記原稿台とが、鉛直上方から見て重なる部位を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るスキャナーの概略側断面図。
図2】第1実施形態に係るスキャナーの概略側断面図。
図3】第1実施形態に係るスキャナーが備える下部ユニットの平面図。
図4】第1実施形態に係るスキャナーの外観斜視図。
図5】第2実施形態に係るスキャナーが備える下部ユニットの平面図。
図6】第3実施形態に係るスキャナーが備える下部ユニットの平面図。
図7】第4実施形態に係るスキャナーの概略側断面図。
図8】第4実施形態に係るスキャナーの概略側断面図。
図9】第5実施形態に係るスキャナーの概略側断面図。
図10】第5実施形態に係るスキャナーの概略側断面図。
図11】第6実施形態に係るスキャナーの概略側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を概略的に説明する。
第1の態様に係る画像読取装置は、上部ユニットと、前記上部ユニットに対し鉛直下方に間隔を空けて位置する下部ユニットとを備えた画像読取装置であって、前記上部ユニットは、給送前の原稿が水平方向に対し45°以上の傾斜姿勢を成す様に原稿を支持する給送トレイと、前記給送トレイに支持された原稿を、鉛直下方の成分を含む方向に送り出す給送手段と、前記給送手段により送り出された原稿を搬送する搬送路であって、鉛直上方の成分を含む方向に向けて原稿を反転させる搬送路と、前記搬送路の途中に設けられ、原稿を読み取る第1読み取り手段と、前記搬送路において前記第1読み取り手段の下流に位置し、鉛直上方の成分を含む方向に原稿を排出する排出手段と、前記排出手段によって排出された原稿が水平方向に対し45°以上の傾斜姿勢を成す様に原稿を支持する排出トレイと、を有し、前記下部ユニットは、原稿を載置する原稿台と、前記原稿台に対し鉛直下方に位置し、前記原稿台に載置された原稿を読み取る第2読み取り手段と、を備え、前記第1読み取り手段と前記原稿台とが、鉛直上方から見て重なる部位を有することを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、画像読取装置は、シートフィードタイプに構成された上部ユニットと、フラットベッドタイプに構成された下部ユニットとを備えて構成されており、前記上部ユニットが備える第1読み取り手段と前記下部ユニットが備える原稿台とが、鉛直上方から見て重なる部位を有するので、前記上部ユニットと前記下部ユニットとを水平方向に沿って並列にドッキングする構成に比して、装置全体の水平方向の小型化を図ることができる。
また上部ユニットが備える給送トレイ及び排出トレイは、いずれも原稿が水平方向に対し45°以上の傾斜姿勢を成す様に原稿を支持するので、前記給送トレイ及び前記排出トレイの、水平方向の占有スペースが抑制され、前記上部ユニットひいては画像読取装置全体の水平方向の大型化を抑制できる。
【0009】
第2の態様は、第1の態様において、前記給送トレイ及び前記排出トレイは、装置奥行き方向に沿って間隔を空けて配置されており、前記第1読み取り手段は、装置奥行き方向において前記原稿台の領域内に収まることを特徴とする。
本態様によれば、前記給送トレイ及び前記排出トレイは、装置奥行き方向に沿って間隔を空けて配置されており、前記第1読み取り手段は、装置奥行き方向において前記原稿台の領域内に収まるので、装置奥行き方向における装置の小型化を図ることができる。
尚、本明細書において「装置奥行き方向」とは、装置前面から装置背面に向かう方向とその反対の装置背面から装置前面に向かう方向の総称である。ここで前記画像読取装置の前面は、装置の周囲を構成する側面のうち装置を使用する使用者と正対する側面である。装置の周囲を構成する側面のうちいずれの側面が使用者と正対する側面となるかは、例えば、装置に設けられた電源ボタンや各種操作設定を行う為の操作ボタンの配置、操作ボタンの機能を示す文字表示の向き、各種情報を表示する表示部を備える場合はその表示部の配置や表示部に表示される文字図形等の向きなどによって定まる。
【0010】
第3の態様は、第1のまたは第2の態様において、鉛直上方から見て前記給送トレイ及び前記排出トレイの少なくともいずれかが、前記上部ユニットの領域内に収まることを特徴とする。
本態様によれば、鉛直上方から見て前記給送トレイ及び前記排出トレイの少なくともいずれかが、前記上部ユニットの領域内に収まるので、水平方向において前記給送トレイ及び前記排出トレイの少なくともいずれかが前記上部ユニットから飛び出さず、前記上部ユニットひいては画像読取装置全体の水平方向の大型化を抑制できる。
【0011】
第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記第1読み取り手段の延設方向において、前記原稿台が、前記第1読み取り手段の領域内に収まることを特徴とする。
本態様によれば、前記第1読み取り手段の延設方向において、前記原稿台が、前記第1読み取り手段の領域内に収まるので、前記延設方向において前記原稿台が前記第1読み取り手段から飛び出さず、前記原稿台即ち前記下部ユニットの大型化を抑制できる。
【0012】
第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、装置奥行き方向における後方に、前記下部ユニットが前記上部ユニットを支持する支持部が設けられているとともに、装置奥行き方向における前方において前記上部ユニットと前記下部ユニットとの間が開口しており、前記第2読み取り手段は、装置奥行き方向に沿って移動しながら原稿を読み取り、前記原稿台に対し装置奥行き方向の後方に、前記第2読み取り手段によって読み取り可能な白基準部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
白基準部は、所謂シェーディング補正に用いられるものであり、本態様によれば前記原稿台に対し装置奥行き方向の後方、つまり開口している装置奥行き方向の前方とは反対側に、前記第2読み取り手段によって読み取り可能な白基準部が設けられているので、前記第2読み取り手段によって前記白基準部を読み取る際の、外光の影響を抑制して適切な白基準値を取得することができる。
【0014】
第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記上部ユニットは、原稿に送り力を付与する為の駆動源である第1モーターを、装置奥行き方向と交差する方向である装置幅方向の一方側端部に備え、前記第2読み取り手段は、前記装置幅方向に沿って移動しながら原稿を読み取る構成であり、前記下部ユニットは、前記第2読み取り手段を前記装置幅方向に移動させる為の駆動源である第2モーターを、前記装置幅方向において前記第1モーターが設けられた前記一方側端部とは反対の他方側端部に備えることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記第1モーターが前記装置幅方向における一方側端部に設けられるとともに前記第2モーターが前記装置幅方向における他方側端部に設けられるので、重量物である前記第1モーターと前記第2モーターが前記装置幅方向における一方側に偏って配置される構成に比べて前記装置幅方向における重量バランスが良好となり、装置の持ち運びが容易となる。
【0016】
第7の態様は、第1から第6の態様のいずれかにおいて、前記下部ユニットは、ユニット本体部に対して水平方向にスライド可能なスライド部を備え、前記原稿台及び前記第2読み取り手段が、前記スライド部に設けられることを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、前記下部ユニットは、ユニット本体部に対して水平方向にスライド可能なスライド部を備え、前記原稿台及び前記第2読み取り手段が、前記スライド部に設けられるので、前記原稿台に原稿を載置する際に前記上部ユニットが邪魔になり難くなり、操作性が向上する。
【0018】
第8の態様は、第1から第7の態様のいずれかにおいて、前記上部ユニットが前記下部ユニットに対して鉛直方向に沿って変位可能に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記上部ユニットが前記下部ユニットに対して鉛直方向に沿って変位可能に構成されているので、装置の非使用時には前記上部ユニットと前記下部ユニットとの間隔を小さくしておくことで鉛直方向における装置の占有スペースを抑制することができる。
【0019】
第9の態様は、第1から第8の態様のいずれかにおいて、前記原稿台への原稿の載置を検出する為の載置検出部を備え、前記第2読み取り手段を制御する制御部は、前記載置検出部の検出信号をもとに前記原稿台への原稿の載置を検出すると、前記第2読み取り手段によって前記原稿台に載置された原稿を読み取ることを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、前記制御部は、前記載置検出部の検出信号をもとに前記原稿台への原稿の載置を検出すると、前記第2読み取り手段によって前記原稿台に載置された原稿を読み取るので、ユーザーが読み取り実行の為の操作を行う必要がなく、装置の使い勝手が向上する。
【0021】
第10の態様は、第1から第8の態様のいずれかにおいて、前記上部ユニット及び前記下部ユニットを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記上部ユニットにおける原稿読み取り動作と前記下部ユニットにおける原稿読み取り動作とを並行して実行可能であることを特徴とする。
本態様によれば、前記制御部は、前記上部ユニットにおける原稿読み取り動作と前記下部ユニットにおける原稿読み取り動作とを並行して実行可能であるので、装置の使い勝手が向上する。
【0022】
第11の態様は、第1から第10の態様のいずれかにおいて、前記原稿台に載置された原稿に設けられたICタグから情報を無線通信で読み取る無線通信部を備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記原稿台に載置された原稿に設けられたICタグから情報を無線通信で読み取る無線通信部を備えるので、装置の利用形態の幅が拡がり、ユーザーの利便性が向上する。
【0023】
第12の態様は、第1から第12の態様のいずれかにおいて、前記原稿台に載置された原稿を前記原稿台に向けて押圧する原稿押圧部を備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記原稿台に載置された原稿を前記原稿台に向けて押圧する原稿押圧部を備えるので、前記原稿台からの原稿の浮き上がりを抑制して良好な読み取り結果を得ることができる。
【0024】
以下、本発明を具体的に説明する。
以下では画像読取装置の一例として、シートフィードタイプのスキャナーとフラットベッドタイプのスキャナーとが一体に構成されたスキャナーについて説明する。図1図3に示すスキャナー1Aは、シートフィードタイプのスキャナーとして構成された上部ユニット3と、フラットベッドタイプのスキャナーとして構成された下部ユニット4とを一体に備える。
【0025】
尚、各図において示すX-Y-Z座標系は直交座標系であってX軸方向及びY軸方向が水平方向となり、Z軸方向は鉛直方向となる。またX軸方向は装置幅方向であり、Y軸方向は装置奥行き方向である。以降に説明する全ての実施形態においては、+Y方向が装置背面から装置前面に向かう方向であり、-Y方向が装置前面から装置背面に向かう方向である。即ち装置前面は、+Y方向の側面となる。
また以降に説明する全ての実施形態において、X軸方向は上部ユニット3における原稿送り方向と交差する方向、即ち原稿幅方向となり、また後述する読み取り部15の延設方向となる。また、+X方向は装置の使用者が装置前面と正対した際に使用者から見て左方向となり、-X方向は右方向となる。
尚、上部ユニット3においては原稿が搬送されていく方向を「下流」と称し、これと反対の方向を「上流」と称する場合がある。
【0026】
図1及び図2において、下部ユニット4は、上部ユニット3に対し鉛直下方に間隔を空けて位置している。上部ユニット3は、支持部5によって支持されている。支持部5は装置後方に設けられており、これにより装置前方において上部ユニット3と下部ユニット4との間が+Y方向に開口して前方開口部2a(図4参照)が形成された状態となっており、この前方開口部2aを介して下部ユニット4に原稿をセット可能に構成されている。図1及び図2において符号Qは、下部ユニット4にセットされた原稿の一例である冊子を示している。
尚、下部ユニット4と上部ユニット3との間は、図4に示す様に+X方向と-X方向にも開口している。図4において符号2cは左開口部を示し、符号2bは右開口部を示している。これにより下部ユニット4に対し、左開口部2cから、或いは右開口部2bから、原稿をセットすることもできる。
但し、下部ユニット4と上部ユニット3との間において+X方向と-X方向と閉塞し、即ち左開口部2cと右開口部2bとを設けない構成とすることもできる。
【0027】
以下では先ず、上部ユニット3の構成について説明する。上部ユニット3は、給送前の原稿を支持する給送トレイ6を備えている。給送トレイ6は、給送前の原稿Paが水平方向に対し45°以上の傾斜姿勢を成す様に原稿Paを支持する様に構成されており、本実施例では一例として給送前の原稿Paが60°の傾斜姿勢を成す様に原稿Paを支持する。
【0028】
給送トレイ6の下部には、不図示のモーターにより駆動される給送ローラー7と、回転抵抗が付与されるとともに給送ローラー7との間で原稿をニップして分離する分離ローラー8とが設けられている。給送ローラー7は、給送トレイ6に支持された原稿Paを、鉛直下方の成分を含む方向に送り出す給送手段の一例である。本実施形態において給送ローラー7は、原稿Paをほぼ鉛直下方に向けて送り出す。
尚、本実施形態において給送ローラー7は、給送トレイ6に支持された原稿Paのうち最も下のものと接し、下流に送り出す。但し、給送ローラー7が給送トレイ6に支持された原稿Paのうち最も上のものと接し、下流に送り出す構成であっても構わない。
【0029】
給送ローラー7の下流には、給送ローラー7により送り出された原稿を搬送する搬送路であって、鉛直上方の成分を含む方向に向けて原稿を反転させる搬送路9が設けられている。そして搬送路9の開始位置に上述した給送ローラー7が配置され、搬送路9の終了位置に後述する排出ローラー対12が配置される。
【0030】
搬送路9の途中には、第1搬送ローラー対10、読み取り部15、及び第2搬送ローラー対11が設けられている。
第1搬送ローラー対10は、不図示のモーターにより駆動される駆動ローラー10aと、駆動ローラー10aとの間で原稿をニップして従動回転する従動ローラー10bとを備えて構成されている。第1搬送ローラー対10は、原稿を読み取り部15に向けて搬送する。
【0031】
読み取り部15は第1読み取り手段の一例であり、搬送路9に対して下に位置する下部センサーユニット15Bと、搬送路9に対して上に位置する上部センサーユニット15Aとを備えている。下部センサーユニット15B及び上部センサーユニット15Aは、本実施例では密着型イメージセンサー(Contact Image Sensor)モジュールである。
上部センサーユニット15A及び下部センサーユニット15BはX軸方向に延設され、X軸方向の長さが原稿の幅方向全域をカバーする様に構成されている。尚、読み取り部15によって読み取り可能な原稿幅の最大の定型サイズは、一例として国際規格であるISO216で画定されるA4サイズ短辺となる。
【0032】
読み取り部15の下流に設けられた第2搬送ローラー対11は、不図示のモーターにより駆動される駆動ローラー11aと、駆動ローラー11aとの間で原稿をニップして従動回転する従動ローラー11bとを備えて構成されている。第2搬送ローラー対11は、原稿を排出ローラー対12に向けて搬送する。
【0033】
排出ローラー対12は、不図示のモーターにより駆動される駆動ローラー12aと、駆動ローラー12aとの間で原稿をニップして従動回転する従動ローラー12bとを備えて構成されている。排出ローラー対12は、鉛直上方の成分を含む方向に原稿を排出する排出手段の一例である。本実施例において排出ローラー対12は、図1における右上方向、即ち+Z方向成分と-Y方向成分を含む斜め上方向に原稿を排出する。
【0034】
排出ローラー対12により搬送路9から排出された原稿は、排出トレイ13によって支持される。排出トレイ13は、排出された原稿Pbが水平方向に対し45°以上の傾斜姿勢を成す様に原稿Pbを支持する様に構成されており、本実施形態では一例として原稿Pbが60°の傾斜姿勢を成す様に原稿Pbを支持する。
【0035】
次に、上部ユニット3には制御部25が設けられている。制御部25は、上部ユニット3における原稿の給送、搬送、読み取り、及び排出を制御する。また制御部25はケーブル26によって下部ユニット4の制御対象と接続されており、下部ユニット4での原稿の読み取りを制御する。尚、図1及び図2に示す様にケーブル26は支持部5の内部を通されているが、支持部5の外側であって装置後方に設けられていても良い。
尚、図4に示す様に上部ユニット3の+Y方向の側面3aにはスキャナー1Aの各種操作を行う為の操作部45、及び各種情報を表示する表示部46が設けられている。操作部45は電源ボタン及び各種設定ボタンを備えて構成され、制御部25に操作情報を送信する。制御部25は、表示部46に各種情報を表示させる。従って側面3aがユーザーと正対する面、つまりスキャナー1Aの前面となる。
【0036】
図1及び図2に戻り、上部ユニット3には複数の検出部が設けられている。給送トレイ6の下端部と対向する位置にはセット検出部20が設けられており、制御部25はセット検出部20の検出信号を受信することにより、給送トレイ6上の原稿の有無を検知できる。セット検出部20は、本実施形態では非接触式の光学センサーで構成されるが、接触式のセンサーで構成しても良い。
【0037】
給送ローラー7の下流には重送検出部22が設けられている。重送検出部22は搬送路9を挟んで配置される超音波発信部22a及び超音波受信部22bを備えて成る超音波センサーで構成される。制御部25は、重送検出部22の検出信号を受信することにより、原稿の重送を検知できる。
第1原稿検出部21は、第1搬送ローラー対10と読み取り部15との間に設けられた検出部であり、制御部25は、第1原稿検出部21の検出信号を受信することにより、第1原稿検出部21の位置での原稿の先端或いは後端の通過を検知できる。
【0038】
第2原稿検出部23は、排出ローラー対12の上流近傍に位置する検出部であり、制御部25は、第2原稿検出部23の検出信号を受信することにより、第2原稿検出部23の位置での原稿の先端或いは後端の通過を検知できる。
第1原稿検出部21及び第2原稿検出部23は、本実施形態では非接触式の光学センサーで構成されるが、接触式のセンサーで構成しても良い。
【0039】
続いて下部ユニット4ついて説明する。下部ユニット4は、原稿を載置する原稿台ガラス31と、原稿台ガラス31に対し鉛直下方に位置し、原稿台ガラス31に載置された原稿を読み取る第2読み取り手段としての読み取りセンサー32とを備えている。読み取りセンサー32は、本実施例では密着型イメージセンサー(Contact Image Sensor)モジュールであり、Y軸方向に延設されるとともにX軸方向に移動可能に設けられている。但し、密着型イメージセンサーモジュールに代えて、CCD(Charge Coupled Device)センサーを用いても良い。また、移動するラインセンサーに代えて、固定的に設けられるエリアセンサーを用いて読み取りを行う構成でも良い。
原稿台ガラス31に載置して読み取り可能な原稿の最大の定型サイズは、一例として国際規格であるISO216で画定されるB7サイズとなる。従って下部ユニット4は、パスポートの読み取りに好適に構成されている。
【0040】
図1及び図2において符号Qは原稿の一例である冊子であり、更に冊子Qは一例としてパスポートである。また符号Qaは表表紙を示し、符号Qbは裏表紙を示している。冊子Qのページを読み取る場合、図1及び図2に示す様に冊子Qを開き、図1に示す様に裏表紙Qbの側のページを読み込み、冊子Qを水平面において回転させて図2に示す様に表表紙Qaの側のページを読み込む。
【0041】
図3に示す様に下部ユニット4の内部において-X方向の端部付近には第2モーター36が配置されており、第2モーター36の駆動軸には駆動プーリー34が設けられている。また+X方向の端部には従動プーリー35が配置されており、そして駆動プーリー34と従動プーリー35とに駆動ベルト33が掛け回されている。読み取りセンサー32は駆動ベルト33に固定され、これにより第2モーター36の動力により読み取りセンサー32がX軸方向に移動する。
尚、破線及び符号32はホームポジションに位置する読み取りセンサーを示し、二点鎖線及び符号32-1はホームポジションとは反対方向の端部に位置する読み取りセンサーを示している。
【0042】
図1及び図2に示す様に上部ユニット3の下面、即ち上部ユニット3において下部ユニット4と対向する面には、原稿台ガラス31に載置された原稿を原稿台ガラス31に向けて押圧する原稿押圧部40が設けられている。原稿押圧部40は回転軸40aを中心に回転可能に設けられているとともに、不図示のばねによって原稿台ガラス31に向かう方向に押圧されている。原稿押圧部40により原稿台ガラス31からの原稿の浮き上がりを抑制して良好な読み取り結果を得ることができる。
尚、原稿押圧部40において原稿と接する位置を、従動回転するローラーで構成することも好適である。この様な構成によれば、原稿を原稿押圧部40と原稿台ガラス31との間に差し入れる際の負荷を抑制することができる。
【0043】
スキャナー1Aの全体構成は以上の通りであり、以下、スキャナー1Aの他の特徴的構成について説明する。
先ず、図3において上部ユニット3が備える読み取り部15を二点鎖線で示しており、図示する様に上部ユニット3が備える読み取り部15と、下部ユニット4が備える原稿台ガラス31とが、鉛直上方から見て重なる部位を有する。図3において読み取り部15と原稿台ガラス31とが重なる部位は、ハッチングで示されている。
これにより上部ユニット3と下部ユニット4とを水平方向に沿って並列にドッキングする構成に比して、装置全体の水平方向の小型化を図ることができる。
また上部ユニット3が備える給送トレイ6及び排出トレイ13は、いずれも原稿が水平方向に対し45°以上の傾斜姿勢を成す様に原稿を支持するので、給送トレイ6及び排出トレイ13の、水平方向の占有スペースが抑制され、上部ユニット3ひいては画像読取装置全体の水平方向の大型化を抑制できる。
【0044】
尚、本実施形態において鉛直上方から見て上部ユニット3の外郭と下部ユニット4の外郭は一致する様に構成されている。図示の都合上、図3において上部ユニット3の外郭は、下部ユニット4の外郭より僅かに大きく描いているが、実際には一致している。尚、図5以降においても同様に、上部ユニット3の外郭と下部ユニット4の外郭とが一致する部分については、上部ユニット3の外郭を僅かに外側にずらして描いている。
【0045】
次に給送トレイ6及び排出トレイ13は、Y軸方向に沿って間隔を空けて配置されており、読み取り部15は、Y軸方向において原稿台ガラス31の領域内に収まっている。これによりY軸方向つまり装置奥行き方向における装置の小型化を図ることができる。
【0046】
また図3において上部ユニット3が備える給送トレイ6の占有領域を二点鎖線で示している。図示する様に給送トレイ6は、鉛直上方から見て上部ユニット3の領域内に収まる。これにより水平方向において給送トレイ6が上部ユニット3から飛び出さず、上部ユニット3ひいてはスキャナー1A全体の水平方向の大型化を抑制できる。
尚、搬送路9における原稿搬送方向を上記実施形態とは逆に、装置背面から装置前面に向かう方向とすることもできる。この場合、上述した排出トレイ13が給送トレイとなり、給送トレイ6が排出トレイとなる。この場合、鉛直上方から見て排出トレイが上部ユニット3の領域内に収まることとなる。
また、給送トレイ6と排出トレイ13の双方が、鉛直方向から見て上部ユニット3の領域内に収まる様に構成しても良い。
【0047】
また図3に示す様にX軸方向即ち読み取り部15の延設方向において、原稿台ガラス31が、読み取り部15の領域内に収まっている。このことにより、X軸方向において原稿台ガラス31が読み取り部15から飛び出さず、原稿台ガラス31即ち下部ユニット4の大型化を抑制できる。
【0048】
また図3において符号16で示す二点鎖線は、上部ユニット3において原稿に送り力を付与する為の駆動源である第1モーターを示している。第1モーター16は、給送ローラー7、第1搬送ローラー対10、第2搬送ローラー対11、及び排出ローラー対12の駆動源である。
第1モーター16は、上部ユニット3において+X方向の端部即ち装置幅方向の一方側端部に設けられ、下部ユニット4が備える第2モーター36は、-X方向の端部、即ち第1モーター16が設けられた一方側端部とは反対の他方側端部に設けられている。このことにより、重量物である第1モーター16と第2モーター36が装置幅方向における一方側に偏って配置される構成に比べて装置幅方向における重量バランスが良好となり、装置の持ち運びが容易となる。
【0049】
また図3において符号37は、原稿台ガラス31への原稿の載置を検出する為の載置検出部を示している。載置検出部37は、一例として光学センサーで構成されている。図1及び図2に示される様に、原稿台ガラス31に冊子Qが載置されると、載置検出部37が冊子Qによって覆われることとなる。制御部25は、載置検出部37の検出信号をもとに、原稿台ガラス31へ原稿が載置されているか否かを検知することができる。そして読み取りセンサー32を制御する制御部25は、載置検出部37の検出信号をもとに原稿台ガラス31への原稿の載置を検出すると、読み取りセンサー32によって原稿台ガラス31に載置された原稿を読み取る。これによりユーザーは原稿台ガラス31に冊子Qを載置する毎に読み取り実行の為の操作を行う必要がなく、装置の使い勝手が向上する。
【0050】
また制御部25は、上部ユニット3における原稿読み取り動作と下部ユニット4における原稿読み取り動作とを並行して実行可能である。このことにより、装置の使い勝手が向上する。
【0051】
また図1及び図2において符号27は、上部ユニット3の底面即ち上部ユニット3において下部ユニット4と対向する面に設けられた無線通信部である。無線通信部27は、原稿台ガラス31に載置された原稿に設けられたICタグ29から情報を無線通信で読み取る為の無線通信部である。この様な無線通信部27を備えることにより、装置の利用形態の幅が拡がり、ユーザーの利便性が向上する。
尚、無線通信部27は下部ユニット4に設けても良く、或いは支持部5に設けても良い。
【0052】
以下、スキャナー1Aの変形例について図5以降を参照して説明する。尚、以降説明する実施形態において既に説明した第1実施形態と同一の構成には同一符号を付しており、以下ではその説明は省略する。
図5に示すスキャナー1Bは、上部ユニット3と、下部ユニット4Bとを備えている。下部ユニット4BのX軸方向における幅は、上部ユニット3の幅より短く構成されている。この様な構成によれば、下部ユニット4のX軸方向における幅が必要最小に抑制されるので、装置の軽量化を図ることができる。
【0053】
また図6に示すスキャナー1Cは、上部ユニット3と、下部ユニット4Cとを備えている。下部ユニット4CのX軸方向における幅は、上部ユニット3の幅より短く構成されている。この様な構成によれば、下部ユニット4CのX軸方向における幅が必要最小に抑制されるので、装置の軽量化を図ることができる。但し、下部ユニット4CのX軸方向における幅を、上部ユニット3の幅と同じに構成することもできる。
本実施形態に係る下部ユニット4Cにおいて読み取りセンサー32は、Y軸方向即ち装置奥行き方向に沿って移動しながら原稿を読み取る様に設けられている。
原稿台ガラス31に対し-Y方向即ち装置奥行き方向の後方には、読み取りセンサー32によって読み取り可能な白基準部38が設けられている。白基準部38は、所謂シェーディング補正に用いられるものであり、必要に応じて読み取りセンサー32によって読み取られる。この様に原稿台ガラス31に対し装置奥行き方向の後方、つまり開口している装置奥行き方向の前方とは反対側に、白基準部38が設けられているので、読み取りセンサー32によって白基準部38を読み取る際の、外光の影響を抑制して適切な白基準値を取得することができる。
【0054】
次に図7及び図8に示すスキャナー1Eは、上部ユニット3と、下部ユニット4Eとを備えている。下部ユニット4Eは、ユニット本体部50に対してY軸方向にスライド可能なスライド部51を備え、原稿台ガラス31及び読み取りセンサー32が、スライド部51に設けられている。
この様な構成においてスライド部51を図7から図8への変化で示す様に+Y方向に引き出すことで、原稿台ガラス31の上方を大きく開放することができ、原稿台ガラス31に原稿を載置する際に上部ユニット3が邪魔になり難くなり、操作性が向上する。
【0055】
次に図9及び図10に示すスキャナー1Fは、上部ユニット3Fと、下部ユニット4とを備えている。上部ユニット3Fは、下部ユニット4に対して鉛直方向に沿って変位可能に構成されている。図9は上部ユニット3Fが最も下降した状態を示し、図10は上部ユニット3Fが最も上昇した状態を示している。上部ユニット3Fが最も下降した状態では、支持部5が上部ユニット3Fに入り込んだ状態となる。また上部ユニット3Fが下部ユニット4に対して最も上昇した図10の状態は、不図示の保持機構によって保持可能に構成されている。
この様な構成によれば、図9に示す様に装置の非使用時には上部ユニット3Fと下部ユニット4との間隔を小さくしておくことで鉛直方向における装置の占有スペースを抑制することができる。
【0056】
尚、支持部5にラック部を設けるとともに上部ユニット3Fにピニオン歯車を設け、ラックピニオン機構を構成するとともに、ピニオン歯車の回転に減衰力が生じる様に構成することも好適である。これにより上部ユニット3Fが下降する際の速度を抑制でき、上部ユニット3Fの下部ユニット4への衝突を抑制できる。
【0057】
次に図11に示すスキャナー1Gは、上部ユニット3Gと、下部ユニット4とを備えている。上部ユニット3Fでは、上述した給送トレイ6、給送ローラー7、分離ローラー8、セット検出部20、及び重送検出部22が廃止されるとともに、装置前面である側面3aに開口部3bを設け、この開口部3bから第1搬送ローラー対10に向けて原稿Pを水平に差し入れる様に構成されている。この様な構成によっても、装置全体の水平方向の小型化を図ることができる。尚、開口部3bから第1搬送ローラー対10に至る経路に、上述した給送ローラー7、分離ローラー8、セット検出部20、重送検出部22などを設けても構わない。
【0058】
本発明は上記において説明した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0059】
1…スキャナー、2a…前方開口部、2b…右開口部、2c…左開口部、3…上部ユニット、3a…側面、4…下部ユニット、5…支持部、6…給送トレイ、7…給送ローラー、8…分離ローラー、9…搬送路、10…第1搬送ローラー対、10a…駆動ローラー、10b…従動ローラー、11…第2搬送ローラー対、11a…駆動ローラー、11b…従動ローラー、12…排出ローラー対、12a…駆動ローラー、12b…従動ローラー、13…排出トレイ、15…読み取り部、15A…上部センサーユニット、15B…下部センサーユニット、16…第1モーター、20…セット検出部、21…第1原稿検出部、22…重送検出部、22a…超音波発信部、22b…超音波受信部、23…第2原稿検出部、25…制御部、26…ケーブル、27…無線通信部、29…ICタグ、31…原稿台ガラス、32…読み取りセンサー、33…駆動ベルト、34…駆動プーリー、35…従動プーリー、36…第2モーター、37…載置検出部、38…白基準部、40…原稿押圧部、40a…回転軸、45…操作部、46…表示部、50…ユニット本体部、51…スライド部、Pa、Pb…原稿、Q…冊子、Qa…表表紙、Qb…裏表紙
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