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特許7513986柱部材の接合方法および高さ位置調整治具
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  • 特許-柱部材の接合方法および高さ位置調整治具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】柱部材の接合方法および高さ位置調整治具
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/18 20060101AFI20240703BHJP
   E04B 1/21 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
E04G21/18 C
E04B1/21 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021037385
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022137739
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】521099198
【氏名又は名称】アールアイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(72)【発明者】
【氏名】上田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 智弥
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 一博
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 亮
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-189201(JP,A)
【文献】特開2016-204849(JP,A)
【文献】特開平07-212949(JP,A)
【文献】実開昭60-126604(JP,U)
【文献】特開2003-049541(JP,A)
【文献】特開2004-339836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G21/18
E04B1/21、1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側柱部材の上に上側柱部材を接合する柱部材の接合方法であって、
前記下側柱部材の上端面には、上方に突出する鉄筋が設けられ、
前記上側柱部材の下端面には、前記下側柱部材の鉄筋が挿入される挿入穴が設けられ、
前記下側柱部材の上に前記上側柱部材を吊り下ろして、前記下側柱部材の上端面の鉄筋を前記上側柱部材の挿入穴に挿入する工程と、
水平位置調整治具および高さ位置調整治具を用いて、前記下側柱部材に対して前記上側柱部材の水平方向および上下方向の位置決めを行う工程と、
前記上側柱部材を前記下側柱部材に接合する工程と、を備え、
前記下側柱部材に対して前記上側柱部材の位置決めを行う工程では、前記水平位置調整治具を前記下側柱部材に仮固定し、前記水平位置調整治具で前記上側柱部材の側面を押圧することで、前記下側柱部材に対して前記上側柱部材を水平移動し、
前記高さ位置調整治具を前記下側柱部材と前記上側柱部材との間に挿入し、前記水平位置調整治具で前記高さ位置調整治具を押圧することで、前記下側柱部材に対して前記上側柱部材を上下移動することを特徴とする柱部材の接合方法。
【請求項2】
前記高さ位置調整治具は、前記上側柱部材の下端面に配置されて下面にテーパ面が形成されたガイド部材と、当該ガイド部材のテーパ面と前記下側柱部材の上端面との間に挿入されて前記ガイド部材のテーパ面に当接するテーパ面が形成された楔部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の柱部材の接合方法。
【請求項3】
下側部材の上に上側部材の高さ位置を調整する高さ調整治具であって、
前記上側部材の下端面に配置されて下面にガイド部材側テーパ面が形成されたガイド部材と、当該ガイド部材のガイド部材側テーパ面と前記下側部材の上端面との間に挿入されて前記ガイド部材のガイド部材側テーパ面に当接する楔部材側テーパ面が形成された楔部材と、を備え
前記ガイド部材は、略水平な水平部と、前記水平部の一端側から上方に延びる鉛直部と、を備える側面視で略L字形状であり、
前記ガイド部材側テーパ面は、前記水平部の下面の幅方向中央部が前記水平部の一端側から他端側に向かうに従って浅くなるように切り欠かれることで形成されて、これにより、前記ガイド部材側テーパ面の両側には、壁部が形成され、
前記楔部材側テーパ面は、前記楔部材が先端に向かうに従って厚さが薄くなることで形成されていることを特徴とする高さ位置調整治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下側柱部材の上に上側柱部材を接合する柱部材の接合方法、および、この柱部材の接合方法に用いられる高さ位置調整治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プレキャストコンクリート造の下側柱部材の上に、プレキャストコンクリート造の上側柱部材を接合することが行われている(特許文献1、2参照)。
特許文献1には、PCa柱を基礎に埋め込まれる位置に建て込んで、建入れ治具で建入れを調整し、その後、基礎のコンクリートを打設し、PCa柱と基礎とを一体とする柱の構築方法が示されている。
特許文献2には、床板と鉄筋間にターンバックルを架設し、そのターンバックルの操作により床板を押し引きして位置調整する、建築物構造部材の位置調整方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-204985号公報
【文献】特開2004-263539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、下側柱部材に対する上側柱部材の位置を効率良く調整できる柱部材の接合方法、および、この柱部材の接合方法に用いられる高さ位置調整治具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、下側柱部材と上側柱部材とを接合する柱部材の接合方法として、下側柱部材に水平位置調整治具を仮固定し、水平位置調整治具で下側柱部材に対する上側柱部材の水平位置(寄り、ねじれなど)を調整し、次に、水平位置調整治具と下側柱部材との間に、上側柱部材の高さ位置を調整するための高さ位置調整治具を挿入し、水平位置調整治具で高さ位置調整治具を押圧することで、下側柱部材に対する上側柱部材の高さ位置(レベル、傾きなど)を調整できる点に着眼して、本発明に至った。
第1の発明の柱部材の接合方法は、下側柱部材(例えば、後述の下側柱部材10)の上に上側柱部材(例えば、後述の上側柱部材20)を接合する柱部材の接合方法であって、前記下側柱部材の上端面には、上方に突出する鉄筋(例えば、後述の柱主筋11)が設けられ、前記上側柱部材の下端面には、前記下側柱部材の鉄筋が挿入される挿入穴(例えば、後述の柱継手部21)が設けられ、前記下側柱部材の上に前記上側柱部材を吊り下ろして、前記下側柱部材の上端面の鉄筋を前記上側柱部材の挿入穴に挿入する工程(例えば、後述のステップS1)と、水平位置調整治具(例えば、後述の水平位置調整治具30)および高さ位置調整治具(例えば、後述の高さ位置調整治具40)を用いて、前記下側柱部材に対して前記上側柱部材の水平方向および上下方向の位置決めを行う工程(例えば、後述のステップS2)と、前記上側柱部材を前記下側柱部材に接合する工程(例えば、後述のステップS3)と、を備え、前記下側柱部材に対して前記上側柱部材の位置決めを行う工程では、前記水平位置調整治具を前記下側柱部材に仮固定し、前記水平位置調整治具で前記上側柱部材の側面を押圧することで、前記下側柱部材に対して前記上側柱部材を水平移動し、前記高さ位置調整治具を前記下側柱部材と前記上側柱部材との間に挿入し、前記水平位置調整治具で前記高さ位置調整治具を押圧することで、前記下側柱部材に対して前記上側柱部材を上下移動することを特徴とする。
【0006】
従来では、爪ジャッキを用いて下側柱部材に対して上側柱部材を上下に移動する場合があった。この場合、水平移動部材で上側柱部材の水平位置を調整した後、水平移動部材と爪ジャッキとを入れ替えて、爪ジャッキで上側柱部材の上下位置を調整する。よって、作業効率の向上が要請されていた。
この発明によれば、下側柱部材に対して上側柱部材を水平移動する場合には、水平位置調整治具を下側柱部材に仮固定して、上側柱部材の側面を押圧する。一方、下側柱部材に対して上側柱部材を上下移動する場合には、高さ位置調整治具を下側柱部材と上側柱部材との間に挿入し、この高さ位置調整治具を水平位置調整治具で押圧する。
このように、水平位置調整治具を用いて高さ位置調整治具を駆動するので、下側柱部材に対する上側柱部材の高さを調整する際に、爪ジャッキのような工具に入れ替える必要がなく、下側柱部材に対する上側柱部材の位置を効率良く調整できる。
【0007】
第2の発明の柱部材の接合方法は、前記高さ位置調整治具は、前記上側柱部材の下端面に配置されて下面にテーパ面(例えば、後述のテーパ面46)が形成されたガイド部材(例えば、後述のガイド部材41)と、当該ガイド部材のテーパ面と前記下側柱部材の上端面との間に挿入されて前記ガイド部材のテーパ面に当接するテーパ面(例えば、後述のテーパ面47)が形成された楔部材(例えば、後述の楔部材42)と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、高さ位置調整治具をガイド部材と楔部材とを含んで構成したので、水平位置調整治具で楔部材を押し込むことで、この楔部材がガイド部材のテーパ面と下側柱部材の上端面との間に深く挿入されて、下側柱部材に対して上側柱部材を上方に持ち上げることができる。
【0009】
第3の発明の高さ位置調整治具は、下側部材(例えば、後述の下側柱部材10)の上に上側部材(例えば、後述の上側柱部材20)の高さ位置を調整する高さ調整治具であって、前記上側部材の下端面に配置されて下面にテーパ面が形成されたガイド部材と、当該ガイド部材のテーパ面と前記下側部材の上端面との間に挿入されて前記ガイド部材のテーパ面に当接するテーパ面が形成された楔部材と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、楔部材を押し込むことで、この楔部材がガイド部材のテーパ面と下側部材の上端面との間に深く挿入されて、下側部材に対して上側部材を上方に持ち上げることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、下側柱部材に対する上側柱部材の位置を効率良く調整できる柱部材の接合方法、および、この柱部材の接合方法に用いられる高さ位置調整治具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る柱部材の接合方法により構築された柱の側面図である。
図2】柱を構築する手順のフローチャートである。
図3】柱を構築する手順の説明図(その1:下側柱部材の上に上側柱部材を吊り下ろした状況)である。
図4】柱を構築する手順の説明図(その2:下側柱部材に対する上側柱部材の水平方向の位置決めを行う状況)である。
図5】柱を構築する手順の説明図(その3:下側柱部材に対する上側柱部材の上下方向の位置決めを行う状況)である。
図6】柱を構築する手順に用いられる高さ位置調整治具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、下側柱部材の上に上側柱部材を設置する際に、調整治具を交換することなく、上側柱部材を下側柱部材に対して水平方向および上下方向に移動可能な、柱部材の接合方法である。具体的には、上側柱部材を上下方向に移動する際、水平位置調整治具と下側柱部材との間に、高さ位置調整治具を挿入し、水平位置調整治具で高さ位置調整治具を押圧することで、上側柱部材を上下に移動させる。この高さ位置調整治具は、ガイド部材と楔部材とを含んで構成し、ガイド部材の下面に傾斜面であるテーパ面を設け、そのテーパ面に当接するように楔部材のテーパ面を挿入した構造である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る柱部材の接合方法により構築された柱1の側面図である。
柱1は、四角柱形状の下側柱部材10の上に、四角柱形状の上側柱部材20が接合されて構築されている。
下側柱部材10の上端面には、上方に突出する鉄筋としての柱主筋11が設けられている。上側柱部材20の下端面には、下側柱部材10の柱主筋11が挿入される挿入穴としての柱継手部21が設けられている。柱主筋11と柱継手部21との間および下側柱部材10の上端面と上側柱部材20の下端面との隙間には、グラウト材12が充填されている。
【0014】
以上の柱1を構築する手順について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1では、図3に示すように、下側柱部材10の上に上側柱部材20を配置する。具体的には、上側柱部材20を吊り下ろして、下側柱部材10の上端面の柱主筋11を上側柱部材20の柱継手部21に挿入する。
ステップS2では、水平位置調整治具30および高さ位置調整治具40を用いて、下側柱部材10に対して上側柱部材20の水平方向および上下方向の位置決めを行う。具体的には、まず、図4に示すように、水平位置調整治具30を用いて、下側柱部材10に対して上側柱部材20の水平方向の位置決めを行う。
【0015】
水平位置調整治具30は、先端がフック形状のフック部31と、フック部31の上下に設けられて雌ねじが形成されたナット部32A、32Bと、ナット部32A、32Bに螺合されてフック部31の延出方向に沿って進退する進退部33A、33Bと、を備える。
進退部33A、33Bは、基端側にナット形状が形成されてナット部32A、32Bに螺合する雄ねじ部34と、雄ねじ部34の先端側に設けられた押圧部35と、雄ねじ部34と押圧部35の間に設けられて回転自在なベアリング部36と、を備える。
この水平位置調整治具30によれば、進退部33A、33Bの雄ねじ部34の基端側にラチェットレンチなどを嵌合して、雄ねじ部34を回転させることで、進退部33A、33Bがフック部31に対して進退する。なお、水平位置調整治具30としては、例えば、アールアイ株式会社製のPC柱調整治具(商品名:ピタカイ・ミニ、ピタカイ・ミニ ロング)がある。
【0016】
水平位置調整治具30を用いて上側柱部材20の水平方向の位置決めを行う手順は、以下のようになる。まず、水平位置調整治具30のフック部31を、下側柱部材10の上端面と上側柱部材20の下端面との間に挿入して、柱主筋11に係止する。次に、下側の進退部33Aを前進させ、進退部33Aの押圧部35を下側柱部材10の側面に当接させる。これにより、水平位置調整治具30が下側柱部材10に仮固定される。この状態で、上側の進退部33Bを前進させることで、下側柱部材10に反力をとって、進退部33Bの押圧部35で上側柱部材20の側面を押圧する。これにより、下側柱部材10に対して上側柱部材20を水平移動し、水平方向の位置決めを行う。
【0017】
次に、図5に示すように、高さ位置調整治具40を用いて、下側柱部材10に対して上側柱部材20の上下方向の位置決めを行う。
図6に示すように、高さ位置調整治具40は、ガイド部材41と、楔部材42と、ガイド部材41と楔部材42とを連結する紐状部材であるワイヤ43と、を備える。
ガイド部材41は、水平部44と、水平部44の一端縁から上方に延びる壁部45と、を備える略L字形状である。このガイド部材41の下面には、傾斜面であるテーパ面46が形成されている。
楔部材42は、先端面に向かうに従って薄くなっている。また、楔部材42の先端部は、面取りされて丸くなっており、これにより、楔部材42は、下側柱部材10と上側柱部材20との隙間に容易に挿入可能となっている。また、楔部材42の上面には、ガイド部材のテーパ面に当接する傾斜面であるテーパ面47が形成されている。
【0018】
高さ位置調整治具40によれば、ガイド部材41の下に楔部材42を差し込むことで、楔部材42のテーパ面47によりガイド部材41のテーパ面46が上方に押されて、ガイド部材41が持ち上がるようになっている。
高さ位置調整治具40を用いて上側柱部材20の上下方向の位置決めを行う手順は、以下のようになる。まず、図5に示すように、上側柱部材20の下端面の角部にガイド部材41をセットする。これにより、ガイド部材41の水平部44が上側柱部材20の下端面に当接し、ガイド部材41の壁部45が上側柱部材20の側面に当接する。この状態で、楔部材42をガイド部材41のテーパ面46と下側柱部材の上端面との間に挿入する。次に、水平位置調整治具30の上側の進退部33Bを前進させることで、下側柱部材10に反力をとって、進退部33Bの押圧部35でガイド部材41の楔部材42を押圧する。これにより、下側柱部材10に対して上側柱部材20が上方に移動し、上下方向の位置決めを行う。
なお、水平位置調整治具30および高さ位置調整治具40は、下側柱部材10各側面に少なくとも1台ずつ取り付ける。つまり、図4および図5では、下側柱部材10および上側柱部材20の一側面に、水平位置調整治具30および高さ位置調整治具40を配置した状況を示しているが、この一側面に対向する側面にも、水平位置調整治具30および高さ位置調整治具40を配置する。
【0019】
ステップS3では、上側柱部材20を下側柱部材10に接合する。具体的には、柱主筋11と柱継手部21との間および下側柱部材10の上端面と上側柱部材20の下端面との隙間に、グラウト材12を充填する。
【0020】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)下側柱部材10に対して上側柱部材20を水平移動する場合には、水平位置調整治具30を下側柱部材10に仮固定して、上側柱部材20の側面を押圧する。一方、下側柱部材10に対して上側柱部材20を上下移動する場合には、高さ位置調整治具40を下側柱部材10と上側柱部材20との間に挿入し、この高さ位置調整治具40の楔部材42を水平位置調整治具30で押圧する。
このように、水平位置調整治具30を用いて高さ位置調整治具40を駆動するので、下側柱部材10に対する上側柱部材20の高さを調整する際に、爪ジャッキのような工具に入れ替える必要がなく、下側柱部材10に対する上側柱部材20の位置を効率良く調整できる。
言い換えると、水平位置調整治具30と下側柱部材10との間に高さ位置調整治具40を挿入し、水平位置調整治具30により高さ位置調整治具40を押圧して下側柱部材10を上下に移動させるため、水平位置調整治具30を取り外して、新たに別の治具を取り付けるといった治具の入れ替え作業が不要であり、上側柱部材20の位置を水平方向(寄り、ねじれなど)および上下方向(レベル、傾きなど)に容易に調整できる。
【0021】
(2)高さ位置調整治具40をガイド部材41と楔部材42とを含んで構成したので、水平位置調整治具30で楔部材42を押し込むことで、この楔部材42がガイド部材41のテーパ面46と下側柱部材10の上端面との間に深く挿入されて、下側柱部材10に対して上側柱部材20を上方に持ち上げることができる。
(3)高さ位置調整治具40に、ガイド部材41と楔部材42とを連結するワイヤ43を設けたので、ガイド部材41や楔部材42が落下するのを防止できる。
【0022】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0023】
1…柱 10…下側柱部材 11…柱主筋(鉄筋) 12…グラウト材
20…上側柱部材 21…柱継手部(挿入穴)
30…水平位置調整治具 31…フック部 32A、32B…ナット部
33A、33B…進退部 34…雄ねじ部 35…押圧部 36…ベアリング部
40…高さ位置調整治具 41…ガイド部材 42…楔部材 43…ワイヤ
44…水平部 45…壁部 46…ガイド部材のテーパ面 47…楔部材のテーパ面
図1
図2
図3
図4
図5
図6