(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】射出成形機の電動型開閉システム
(51)【国際特許分類】
B29C 45/66 20060101AFI20240703BHJP
B22D 17/26 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B29C45/66
B22D17/26 A
(21)【出願番号】P 2023515069
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(86)【国際出願番号】 CN2020136094
(87)【国際公開番号】W WO2022052351
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】202010943740.4
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523077147
【氏名又は名称】蘇州錦珂塑膠科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳明華
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-181894(JP,A)
【文献】中国実用新案第210116145(CN,U)
【文献】特開2000-246776(JP,A)
【文献】特表2001-509745(JP,A)
【文献】特開2002-200658(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108016005(CN,A)
【文献】中国実用新案第205310732(CN,U)
【文献】中国実用新案第207190131(CN,U)
【文献】中国実用新案第209289712(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0208951(US,A1)
【文献】独国実用新案第202004020687(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/84
B29C 33/00-33/76
B22D 15/00-17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディ、スタティックテンプレート、ダイナミックテンプレート、金型開閉駆動装置を含み、前記金型開閉駆動装置は、ダイナミックテンプレートがスタティックテンプレートに対して水平方向に前後に移動するように駆動するための金型搬送機構と、ダイナミックテンプレートブレーキナットがロッキングするように駆動するためのブレーキ機構と、ダイナミックテンプレートを
前記スタティックテンプレートに相対にロッキングするためのダイロック機構と、を含む射出成形機の電動型開閉システムであって、
前記
金型開閉駆動装置は、第1状態及び第2状態を有するブレーキ補助機構をさらに含み、
金型の開閉時に、前記金型搬送機構の駆動で、前記ブレーキ補助機構及び金型搬送機構が協力して前記ダイナミックテンプレートを水平方向の前後に移動させ、この場合に前記ブレーキ補助機構は、前記金型搬送機構を前記ダイロック機構から分離し、前記ブレーキ補助機構が第1状態にあり、
ブレーキング時に、前記ブレーキ機構と前記金型搬送機構との間は連動し、前記ブレーキ補助機構が第2状態にあり、前記ダイロック機構は前記ダイナミックテンプレートを
ブレーキモジュールでロッキング
し、
前記ブレーキモジュールは、前記ダイナミックテンプレートに設けられ、前記ダイナミックテンプレートの移動方向のまわりに回転可能であり、
前記ダイロック機構は、前記ダイナミックテンプレート及び前記ブレーキモジュールを横切るダイロックタイバーと、前記ダイロックタイバーが前記ダイナミックテンプレートの横滑りを連動させるように駆動するダイロックシリンダと、を含み、
金型の開閉時に、前記ブレーキモジュールは、前記ダイロックタイバーに対して直線運動し、
ブレーキング時に、前記ブレーキモジュールは前記ダイロックタイバーに対して固定されている、ことを特徴とする射出成形機の電動型開閉システム。
【請求項2】
前記ダイロックタイバーの外周
には第1嵌合部が形成され、前記ブレーキモジュールの内壁に
は第2嵌合部が形成され、型
開閉時に、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とがずれ、前記ブレーキモジュールは、前記ダイロックタイバーに対して直線運動し、ブレーキング時に、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とが噛み合い、前記ブレーキモジュールは前記ダイロックタイバーに対して固定される、ことを特徴とする請求項2に記載の射出成形機の電動型開閉システム。
【請求項3】
前記第1嵌合部は前記ダイロックタイバーの外周から内へ凹む嵌合溝であり、前記第2嵌合部は前記ブレーキモジュールの内壁に形成された嵌合突起であり、型
開閉時に、前記嵌合突起は前記嵌合溝で移動し、ブレーキング時に、前記嵌合突起は前記嵌合溝と相対に噛み合う、ことを特徴とする請求項
2に記載の射出成形機の電動型開閉システム。
【請求項4】
前記嵌合溝は、前記ダイロックタイバーの長さ方向に延びる延長溝と、前記ダイロックタイバーの外周にあり前記延長溝と連通する噛合溝と、を含み、ブレーキング時に、前記嵌合突起は前記噛合溝と相対に噛み合う、ことを特徴とする請求項
3に記載の射出成形機の電動型開閉システム。
【請求項5】
前記ブレーキモジュールは4組あり、ダイナミックテンプレートに四角形状に設けられ、前記ダイロック機構は、ブレーキモジュールと一対一対応に設置される、ことを特徴とする請求項
1に記載の射出成形機の電動型開閉システム。
【請求項6】
各前記ブレーキモジュールは、前記ダイナミックテンプレートに回動に接続されたブレーキキャリアと、前記ブレーキキャリアの外周に設けられたトランスミッションギアと、を含み、同側にある2つの前記ブレーキモジュール間は、ラックにより対応する2つの前記トランスミッションギアと同期するように接続される、ことを特徴とする請求項
5に記載の射出成形機の電動型開閉システム。
【請求項7】
前記ブレーキ補助機構は2つあり、四角形状の対角線上に存在する2つのブレーキモジュールに設けられ、それぞれの前記ブレーキ補助機構は、前記ブレーキキャリアの外周に設けられたクラッチ部材を含み、前記クラッチ部材は第1モード及び第2モードを有し、第1モードの場合に、前記金型搬送機構と前記ブレーキモジュールとはドライブ接続され、第2モードの場合に、前記金型搬送機構と前記ブレーキモジュールとは相対的に離れる、ことを特徴とする請求項
6に記載の射出成形機の電動型開閉システム。
【請求項8】
前記ブレーキキャリアの外周にはブレーキギアが更に設けられ、前記金型搬送機構と前記クラッチ部材とは一対一対応に設置される、ことを特徴とする請求項
7に記載の射出成形機の電動型開閉システム。
【請求項9】
前記金型搬送機構は、前記ダイロックタイバーの長さ方向に延びるボールねじと、前記ボールねじ
と相互に噛み合うナットと、前記ナットの回動を駆動する駆動部材とを含み、前記ダイナミックテンプレートの対向側にはブラケットが固定設置され、前記ボールねじは前記ブラケットに挿通され、前記ナットはアドオンにより前記ブラケットに接続される、ことを特徴とする請求項
8に記載の射出成形機の電動型開閉システム。
【請求項10】
駆動部材は、前記ナットの外周に設けられた第1ギアと、前記ブラケットに設けられたモータと、前記モータ出力軸と前記第1ギアとをドライブ接続する第2ギアと、を含み、型
開閉時に、前記第1ギアと前記ブレーキギアとはずれて設けられ、ブレーキング時に、前記ブレーキギアは前記クラッチ部材の動きに伴って前記第1ギアに対して噛み合い又は離れる、ことを特徴とする請求項
9に記載の射出成形機の電動型開閉システム。
【請求項11】
前記ボディは、アンダーフレームと、前記アンダーフレームの前記スタティックテンプレートから離れる端部に設けられたテールフレームと、一端が前記ダイロックタイバーに固定され、他端部が前記テールフレームに固定された接続リンクと、前記アンダーフレームに設けられ且つ前記ダイロックタイバーの長さ方向に延びるスライドレールと、を含み、前記接続リンクと前記ダイロックタイバーとは一対一対応に設置され、前記ダイナミックテンプレート及び前記テールフレームは、底部から前記スライドレールに摺動可能に設けられ、前記ボールねじは一端部がテールフレームに接続され
る、ことを特徴とする請求項
6に記載の射出成形機の電動型開閉システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型の金型開閉機分野に属し、具体的に2プラテン射出成形機の電動型開閉システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、2プラテン射出成形機型締め工程は、一般的に油圧伝達方式を採用し、型締めの工程は、金型搬送工程及びダイロック工程(ブレーキとも称される)を含み、具体的には、金型搬送は、金型搬送用オイルシリンダを用いてテンプレートを押し移動させ、位置制御により、ブレーキ位置に達すると、金型搬送用オイルシリンダが停止し、ブレーキシリンダがフラッシュボードの抱合を駆動し、高圧シリンダのタイバーにねじ固定されてから、高圧シリンダにより金型をロッキングする。
【0003】
上記型締め工程は下記の欠陥がある。
【0004】
1)、金型搬送用オイルシリンダの精度が限られるため、金型位置決め精度及び金型開閉繰り返し精度も低下する。
【0005】
2)、型締め工程で金型搬送用オイルシリンダ及びフラッシュボードの開閉は別に独立して実施されるため、射出成形機自身の空サイクル(ドライサイクル)を増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決しようとする技術課題は、従来技術の不足を克服し、改善された射出成形機の電動型開閉システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術課題を解決するために、本発明で採用する技術的解決策は、下記である。
【0008】
射出成形機の電動型開閉システムであって、ボディ、スタティックテンプレート、ダイナミックテンプレート、金型開閉駆動装置を含み、金型開閉駆動装置は、ダイナミックテンプレートがスタティックテンプレートに対して水平方向に前後に移動するように駆動するための金型搬送機構と、ダイナミックテンプレートブレーキナットがロッキングするように駆動するためのブレーキ機構と、ダイナミックテンプレートを相対にロッキングするためのダイロック機構と、を含み、特に、型締め駆動装置は、第1状態及び第2状態を有するブレーキ補助機構をさらに含む。
【0009】
金型の開閉時に、金型搬送機構の駆動で、ブレーキ補助機構及び金型搬送機構が協力してダイナミックテンプレートを水平方向の前後に移動させ、この場合にブレーキ補助機構は、金型搬送機構をダイロック機構から分離し、ブレーキ補助機構が第1状態にあり、ブレーキング時に、ブレーキ機構と金型搬送機構との間は連動し、ブレーキ補助機構が第2状態にあり、ダイロック機構はダイナミックテンプレートをロッキングする。
【0010】
好ましくは、ダイナミックテンプレートには、ダイナミックテンプレートの移動方向のまわりに回動するブレーキモジュールが形成され、ダイロック機構は、ダイナミックテンプレート及びブレーキモジュールを横切るダイロックタイバーと、ダイロックタイバーがダイナミックテンプレートの横滑りを連動させるように駆動するダイロックパワートレインと、を含み、金型の開閉時に、ブレーキモジュールは、ダイロックタイバーに対して直線運動し、ブレーキング時に、ブレーキモジュールはダイロックタイバーに対して固定される。
【0011】
本発明の一具体的実施及び好ましい様態によれば、ダイロックタイバーの外周及びブレーキモジュールの内壁には、それぞれ第1嵌合部及び第2嵌合部が形成され、型締め時に、第1嵌合部と第2嵌合部とがずれ、ブレーキモジュールは、ダイロックタイバーに対して直線運動し、ブレーキング時に、第1嵌合部と第2嵌合部とが噛み合い、ブレーキモジュールはダイロックタイバーに対して固定される。このように設置する利点としては、ブレーキの前に、ダイナミックモジュールは、設定された位置に正常に移動でき、ブレーキング時に、すべてのブレーキ工程は簡単で速い。
【0012】
具体的には、第1嵌合部はダイロックタイバーの外周から内へ凹む嵌合溝であり、第2嵌合部はブレーキモジュールの内壁に形成された嵌合突起であり、型締め時に、嵌合突起は嵌合溝で移動し、ブレーキング時に、嵌合突起は嵌合溝と相互に噛み合う。嵌合溝は、ダイロックタイバーの長さ方向に延びる延長溝と、ダイロックタイバーの外周にあり延長溝と連通する噛合溝と、を含み、ブレーキング時に、嵌合突起は噛合溝と相互に噛み合う。
【0013】
本発明の別の一具体的実施及び好ましい様態によれば、ブレーキモジュールは4組あり、ダイナミックテンプレートに四角形状に設けられ、ダイロック機構は、ブレーキモジュールと一対一対応に設置される。
【0014】
具体的には、各ブレーキモジュールは、ダイナミックテンプレートに回動に接続されたブレーキキャリアと、ブレーキキャリアの外周に設けられたトランスミッションギアと、を含み、同側にある2つの前記ブレーキモジュール間は、ラックにより対応する2つの前記トランスミッションギアと同期して接続され、ブレーキ補助機構は2つあり、四角形状の対角線上に存在する2つのブレーキモジュールに設けられ、それぞれのブレーキ補助機構は、ブレーキキャリアの外周に設けられたクラッチ部材を含み、クラッチ部材は第1モード及び第2モードを有し、第1モードの場合に、金型搬送機構とブレーキモジュールとはドライブ接続され、第2モードの場合に、金型搬送機構とブレーキモジュールとは離れる。
【0015】
本発明の別の一具体的実施及び好ましい様態によれば、ブレーキキャリアの外周にはブレーキギアが更に設けられ、金型搬送機構とクラッチ部材とは一対一で設置され、且つ金型搬送機構は、ダイロックタイバーの長さ方向に延びるボールねじと、ボールねじに嵌合するナットと、ナットの回動を駆動する駆動部材とを含み、ダイナミックテンプレートの対向側にはブラケットが固定設置され、ボールねじはブラケットから通し、ナットはアドオンによりブラケットに接続される。このように設置すると、利点としては、ボールねじとギアとの嵌合により、動力伝達はより安定で確実になる。
【0016】
具体的には、駆動部材は、ナットの外周に設けられた第1ギアと、ブラケットに設けられたモータと、モータ出力軸と第1ギアとをドライブ接続する第2ギアと、を含み、型締め時に、第1ギアとブレーキギアとはずれて設けられ、ブレーキング時に、ブレーキギアはクラッチ部材の動きに伴って第1ギアに対して噛み合い又は離れる。
【0017】
また、ボディは、アンダーフレームと、アンダーフレームのスタティックテンプレートから離れる端部に設けられたテールフレームと、一端がダイロックタイバーに固定され、他端部がテールフレームに固定された接続リンクと、アンダーフレームに設けられ且つダイロックタイバーの長さ方向に延びるスライドレールと、を含み、接続リンクとダイロックタイバーとは一対一対応に設置され、ダイナミックテンプレート及びテールフレームは、底部からスライドレールに摺り動に設けられ、ボールねじは一端部がテールフレームに接続され、或いは、ボールねじとダイロックタイバーとが接続される。
【発明の効果】
【0018】
上記技術的解決手段の実施のため、本発明は従来技術に比べて下記の利点を有する。
【0019】
本発明は、ブレーキ補助機構により金型搬送機構とブレーキ機構とを連動し、金型搬送とダイロックとを迅速に接続させ、工程が簡単で速いだけではなく、金型の位置決め精度及び金型開閉繰り返し精度を有効的に向上させることができ、また、射出成形機自身の空サイクル(ドライサイクル)を短縮する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の2プラテン射出成形機の電動型開閉システムの模式図である。
【
図3】
図3は
図1におけるブレーキモジュールの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明らかにするために、以下に図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。以下の説明において、本発明を十分に理解するように、多くの具体的な詳細を説明する。しかしながら、本発明は、ここで説明するものと異なる多くの方式で実施されることができ、当業者は本発明の内容に反しない状況で類似する改良を行うことができるので、本発明は以下に開示される具体的な実施例に限定されるものではない。
【0022】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語に指示される向き又は位置関係は、添付図面に示すものに基づく向き又は位置関係で、本発明の説明を容易にし簡略化するためのものに過ぎなく、指摘された装置又は要素が特定の向きを有し、特定の向きで構築され操作しなければならないことを指示又は示唆するものではないので、本発明を限定すると理解されるべきではない。
【0023】
また、「第1」、「第2」の用語は単に目的を説明するために用いられ、相対的な重要性を指示し又は暗示し、或いは指示された技術的特徴の数を暗示すると理解することができない。これにより、「第1」、「第2」が限定された特徴は少なくとも1つの当該特徴を含むと明示しまたは暗示することができる。本発明の説明において、「複数」とは少なくとも2つという意味であり、特に明確な具体的な限定がない限り、例えば2つ、3つなどである。
【0024】
本発明において、明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「固定」等の用語は広く理解されるべきであり、特に明確な限定がない限り、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能に接続されてもよいし、又は一体であってもよく、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよく、直接的に接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの要素内部の連通又は2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本実用新案における具体的な意味を理解してもよい。
【0025】
本発明において、明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」であることとは、第1及び第2特徴が直接的に接触し、又は第1及び第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。そして、第1特徴は第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることとは、第1特徴が第2特徴の直上又は斜め上方にあることであってもよいし、或いは第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことのみを示す。第1特徴は第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることとは、第1特徴が第2特徴の直下又は斜め下方にあることであってもよいし、或いは第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことのみを示す。
【0026】
説明すべきこととして、要素は他方の要素に「固定され」又は「設けられる」と呼ばれる場合に、他方の要素に直接的にあってもよく、又はセンタリングされた要素が存在してもよい。1つの要素は、他方の要素に「接続される」と考えられる場合に、他方の要素に直接的に接続されてもよく、又はセンタリング要素が同時に存在する可能性がある。本明細書で使用された用語「垂直な」、「水平な」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似する表現は説明の目的のためだけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0027】
図1に示すように、本実施例の2プラテン射出成形機の電動型開閉システムは、ボディ1、スタティックテンプレート2、ダイナミックテンプレート3、型締め駆動装置4を含む。
【0028】
具体的には、ボディ1は、アンダーフレーム10と、アンダーフレーム10の右端に設けられたテールフレーム11と、右端部がテールフレーム11に固定され且つ水平に延びる4本の接続リンク12と、アンダーフレーム10に設けられ且つ接続リンク12の長さ方向に延びるスライドレール13と、を含む。
【0029】
スタティックテンプレート2は、底部がアンダーフレーム10のテールフレーム11から離れる左端部に固定設置される。
【0030】
ダイナミックテンプレート3は、底部がスライドレール13に摺動可能に設けられ、且つダイナミックテンプレート3の対向側にブラケットeが固定設置される。
【0031】
テールフレーム11は、底部からスライドレール13に摺り動に設けられる。
【0032】
図2にも示すように、型締め駆動装置4は、ダイナミックテンプレート3がスタティックテンプレート2に対して横滑りするように駆動するための金型搬送機構40と、ダイナミックテンプレート3がスタティックテンプレート2に対してブレーキロッキングするように駆動するためのダイロック機構41と、ブレーキ補助機構42と、ダイナミックテンプレート3に形成され且つダイナミックテンプレート3の移動方向のまわりに回動するブレーキモジュール43と、を含む。ブレーキモジュール43は4組あり、ダイナミックテンプレート3に四角形状に設けられる。
【0033】
図3にも示すように、それぞれのブレーキモジュール43は、ダイナミックテンプレート3に回動に接続されたブレーキキャリア430と、ブレーキキャリア430の外周に設けられたトランスミッションギア431及びブレーキギア433を含み、ブレーキキャリア430は、中空柱状を呈し、内壁に対向する2組の突起aが設けられ、各突起aはブレーキキャリア430の軸方向に間隔をあけて設けられる。
【0034】
上記2組のブレーキモジュール43の同期動作を実現するために、ラック432を用いて同側に位置する上下2つのトランスミッションギア431を同期させる。
【0035】
ダイロック機構41は、ダイナミックテンプレート3及びブレーキキャリア430を横切るダイロックタイバー410と、ダイロックタイバー410がダイナミックテンプレート3の横滑りを連動させるように駆動するダイロックシリンダ411と、を含む。
【0036】
本例では、ダイロック機構41も4組あり、4組のブレーキモジュール43と一対一対応する。
【0037】
ダイロックタイバー410はブレーキキャリア430に挿通され、且つ対応する接続リンク12の左端部に固定接続される。
【0038】
具体的には、各本のダイロックタイバー410には、ダイロックタイバー410の長さ方向に延びる延長溝bと、ダイロックタイバー410の外周に位置し且つ延長溝bに連通する噛合溝cとが設けられる。
【0039】
本例では、延長溝bは、ダイロックタイバー410の対向両側に位置するため、ダイロックタイバー410は、ブレーキキャリア430に挿通される部分が平面状を呈し、噛合溝cは平面である対向両側に位置する。型締め時に、突起aは延長溝bを移動し、ブレーキモジュール43はダイロックタイバー410に対して直線運動し、ブレーキング時に突起aは90°回動し、且つ噛合溝cに対向し噛み合い、ブレーキモジュール43はダイロックタイバー410に対して固定される。このように設置する利点としては、ダイナミックモジュールは、ブレーキの前に、設定された位置に正常に移動でき、ブレーキング時に、すべてのブレーキ工程が簡単で速くなる。
【0040】
本例中,突起aはねじ状を呈し、噛合溝cが嵌合される。
【0041】
本例では、金型搬送機構40は2組あり、対角線上に存在する2つのブレーキモジュール43の一側にそれぞれ設けられる。
【0042】
具体的には、それぞれの金型搬送機構40は、ダイロックタイバー410の長さ方向に延び且つブラケットeを通すボールねじ400と、ボールねじ400に嵌合されブラケットeに接続されたナット401と、ナット401の回動を駆動する駆動部材402と、を含み、ナット401はアドオンによりブラケットeに接続される。このように設置すると、利点としては、ボールねじとギアとの嵌合により、動力伝達はより安定で確実になる。本例で、ボールねじ400は、右端部がテールフレーム11に接続され、駆動部材402は、ナット401の外周に設けられた第1ギアdと、ブラケットeに設けられたモータmと、モータ出力軸sと第1ギアdとをドライブ接続する第2ギアfと、を含む。
【0043】
本例で、ブレーキ補助機構42は2つあり、四角形状の対角線上に存在する2つのブレーキモジュール43に設けられ、それぞれのブレーキ補助機構42は、ブレーキキャリア430の外周に設けられたクラッチhを含む。
【0044】
特に、クラッチhは金型搬送機構40と一対一対応に設置され、第1モード及び第2モードを有し、クラッチhが第1モードである場合に、ブレーキギア433と第1ギアdとはドライブ接続され、第2モードである場合に、ブレーキギア433と第1ギアdとは断絶する。本例で、クラッチhの具体的な構造を展開していないが、その主な理由として、クラッチは購買された部材であり、また、ブレーキギア433と第1ギアdとの噛合及び断絶の駆動の切り替えは、クラッチのクラッチ状態に対応するが、これも容易に実施されるものであるため、ここで重複して説明しない。
【0045】
要するに、本実施例の実施過程は下記の通りである。
【0046】
型締め時に、モータは、ギア噛合により伝達し、送りねじに挿通されたナットを回動させ、送りねじの長さ方向に移動し、さらにダイナミックモジュールに固定されたブラケットを前へ押し移動させ、ダイナミックテンプレートをスタティックテンプレートに近づくように移動させ,所定の位置まで移動させて型締めを完了する。
【0047】
ブレーキング時に、クラッチが作動し、ブレーキキャリアに設けられたブレーキギアがナットにおける第1ギアに噛み合い、ブレーキギアが90°回動し、ブレーキキャリアの内壁の突起とダイロックタイバーにおける噛合溝とを相対に噛み合わせ、ダイロックシリンダが作動し、ロッキングを実現し、クラッチが再び作動し、ブレーキギアと第1ギアとが断絶するようにし、ブレーキ工程を完了する。
【0048】
起型時に、ダイロックシリンダがロッキング動作を停止し、モータが逆方向に回動し、その後、クラッチが作動し、再びブレーキギアと第1ギアとを噛み合わせ、ブレーキギアが逆方向に90°回転し、突起と噛合溝とがずれる場合に、クラッチによりブレーキギアと第1ギアとをずらし、ナットが送りねじの長さ方向にダイナミックモジュールの戻り移動を駆動する。
【0049】
従って、本実施例は下記の利点を有する。
【0050】
本発明は、ブレーキ補助機構により金型搬送機構とブレーキ機構とを連動し、金型搬送とダイロックとを迅速に接続させ、工程が簡単で速いだけではなく、金型の位置決め精度及び金型開閉繰り返し精度を有効的に向上させることができ、また、射出成形機自身の空サイクル(ドライサイクル)を短縮する。
【0051】
以上は本発明を詳細に説明し、その目的として、当業者が本発明の内容を理解して実施することができ、これにより本発明の保護範囲を限定するものではなく、本発明の思想に基づいて行われた等価変化又は修飾は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0052】
1、ボディ
10、アンダーフレーム
11、テールフレーム
12、接続リンク
13、スライドレール
2、スタティックテンプレート
3、ダイナミックテンプレート
e、ブラケット
4、型締め駆動装置
40、金型搬送機構
400、ボールねじ
401、ナット
d、第1ギア
402、駆動部材
m、モータ
s、モータ出力軸
f、第2ギア
41、ダイロック機構
410、ダイロックタイバー
b、延長溝
c、噛合溝
411、ダイロックシリンダ
42、ブレーキ補助機構
h、クラッチ
43、ブレーキモジュール
430、ブレーキキャリア
431、トランスミッションギア
432、ラック
433、ブレーキギア
a、突起