(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び、就労履歴管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240703BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20240703BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2024017780
(22)【出願日】2024-02-08
【審査請求日】2024-02-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼ 2023年3月31日 https://winners.jp/ (HP) ▲2▼ 2023年3月31日 https://powerwork.jp/lp/dx/ (商品説明LP) ▲3▼ 2023年3月31日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000082794.html (プレスリリース) ▲4▼ 2023年5月11日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000082794.html (プレスリリース) ▲5▼ 2023年11月1日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000082794.html (プレスリリース) ▲6▼ 2023年5月31日 https://news.build-app.jp/article/16380/ (プレスリリース)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511038064
【氏名又は名称】株式会社WINNERS
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兵頭 茂樹
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-14884(JP,A)
【文献】POWER WORK DX,[online],2023年08月25日,[2024年5月30日検索], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20230825095554/https://powerwork.jp/lp/movie/home-top.mp4>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設業の管理者が操作する管理者端末と、建設業の技能者が保有する携帯型無線通信デバイスと、就労履歴管理システムと通信可能なプロセッサと、
前記プロセッサによってアクセス可能な記憶装置と、
を具備し、
前記プロセッサは、前記記憶装置に記憶されているプログラムを実行することにより、
前記管理者端末において前記管理者のドラッグアンドドロップ操作により関連付けられた現場ID及び技能者IDを前記管理者端末から受信し、日付、現場ID、技能者IDを前記携帯型無線通信デバイスに送信する機能と、
前記技能者が日付、現場ID、技能者IDを確認したことを示す手配確認を前記携帯型無線通信デバイスから受信し、日付、現場ID、技能者ID、手配確認データを含む手配データを生成し、前記手配データを前記記憶装置に記憶させる機能と、
前記携帯型無線通信デバイスが建設作業の現場に配置された現場ID発信デバイスから読み込んだ現場ID、前記携帯型無線通信デバイスの位置を示す位置データ、技能者IDを前記携帯型無線通信デバイスから受信し、前記携帯型無線通信デバイスの位置と前記現場の位置との検証を実行し、検証結果が許容範囲であることを示す場合に、前記携帯型無線通信デバイスから受信した現場ID及び位置データと前記記憶装置に記憶されている前記手配データとに基づいて、日付、時刻、現場ID、技能者ID、位置データ、出勤又は退勤を示す出退勤情報を含む出退勤データを生成し、前記出退勤データを前記記憶装置に記憶させる機能と、
前記出退勤データに基づいて、日付、出勤時刻、退勤時刻、現場ID、技能者IDを含む就労履歴データを生成し、前記就労履歴データを前記就労履歴管理システムに送信する機能と、
を実現する情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記携帯型無線通信デバイスから現場ID及び現場監督サインデータを受信した場合に、前記現場監督サインデータ及び前記出退勤データに基づいて、日付、就業時刻、早出残業時間、現場ID、技能者ID、前記現場監督サインデータを含む日報データを生成し、前記日報データを前記記憶装置に記憶させる機能をさらに実現する、
請求項1の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶装置は、現場名、施工場所、工事内容、現場IDを含む現場データと、姓名及び雇用データを含む技能者データとを、マスタデータとして記憶しており、
前記技能者データは、前記手配データ、前記出退勤データ、前記日報データと関連付けられており、
前記出退勤データは、前記就労履歴データと関連付けられており、
前記手配データは、前記現場データと関連付けられている、
請求項2の情報処理装置。
【請求項4】
前記日報データは作業内容を含み、
前記記憶装置は、現場IDと見積額とを含む見積データと、見積IDと工事名称と金額とを含む見積詳細データと、電子契約書のサインURL(Uniform Resource Locator)を含む注文請書データとを記憶しており、
前記現場データは前記見積データと関連付けられており、
前記見積データは前記見積詳細データ及び前記注文請書データと関連付けられており、
前記プロセッサは、前記見積詳細データに含まれている工事名称に基づいて前記日報データの作業内容を決定する、
請求項3の情報処理装置。
【請求項5】
建設業の管理者が操作する管理者端末と、建設業の技能者が保有する携帯型無線通信デバイスと、就労履歴管理システムと通信可能なコンピュータに、
前記管理者端末において前記管理者のドラッグアンドドロップ操作により関連付けられた現場ID及び技能者IDを前記管理者端末から受信し、日付、現場ID、技能者IDを前記携帯型無線通信デバイスに送信する機能と、
前記技能者が日付、現場ID、技能者IDを確認したことを示す手配確認を前記携帯型無線通信デバイスから受信し、日付、現場ID、技能者ID、手配確認データを含む手配データを生成し、前記手配データを記憶装置に記憶させる機能と、
前記携帯型無線通信デバイスが建設作業の現場に配置された現場ID発信デバイスから読み込んだ現場ID、前記携帯型無線通信デバイスの位置を示す位置データ、技能者IDを前記携帯型無線通信デバイスから受信し、前記携帯型無線通信デバイスの位置と前記現場の位置との検証を実行し、検証結果が許容範囲であることを示す場合に、前記携帯型無線通信デバイスから受信した現場ID及び位置データと前記記憶装置に記憶されている前記手配データとに基づいて、日付、時刻、現場ID、技能者ID、位置データ、出勤又は退勤を示す出退勤情報を含む出退勤データを生成し、前記出退勤データを前記記憶装置に記憶させる機能と、
前記出退勤データに基づいて、日付、出勤時刻、退勤時刻、現場ID、技能者IDを含む就労履歴データを生成し、前記就労履歴データを前記就労履歴管理システムに送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータにより建設業の技能者の就労履歴を管理する方法であって、
前記コンピュータは、建設業の管理者が操作する管理者端末と、前記技能者が保有する携帯型無線通信デバイスと、就労履歴管理システムと通信可能であり、
前記コンピュータにより、前記管理者端末において前記管理者のドラッグアンドドロップ操作により関連付けられた現場ID及び技能者IDを前記管理者端末から受信し、日付、現場ID、技能者IDを前記携帯型無線通信デバイスに送信し、
前記コンピュータにより、前記技能者が日付、現場ID、技能者IDを確認したことを示す手配確認を前記携帯型無線通信デバイスから受信し、日付、現場ID、技能者ID、手配確認データを含む手配データを生成し、前記手配データを記憶装置に記憶させ、
前記コンピュータにより、前記携帯型無線通信デバイスが建設作業の現場に配置された現場ID発信デバイスから読み込んだ現場ID、前記携帯型無線通信デバイスの位置を示す位置データ、技能者IDを前記携帯型無線通信デバイスから受信し、前記携帯型無線通信デバイスの位置と前記現場の位置との検証を実行し、検証結果が許容範囲であることを示す場合に、前記携帯型無線通信デバイスから受信した現場ID及び位置データと前記記憶装置に記憶されている前記手配データとに基づいて、日付、時刻、現場ID、技能者ID、位置データ、出勤又は退勤を示す出退勤情報を含む出退勤データを生成し、前記出退勤データを前記記憶装置に記憶させ、
前記コンピュータにより、前記出退勤データに基づいて、日付、出勤時刻、退勤時刻、現場ID、技能者IDを含む就労履歴データを生成し、前記就労履歴データを前記就労履歴管理システムに送信する、
就労履歴管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば技能者、技術者、従業員、作業者、スタッフ、事務員、労働者などの勤務履歴を管理するための情報処理装置、プログラム、及び、就労履歴管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
営業段階より工事の技術者の配置予定管理を行うことで、工事契約の締結から技術者の調整をスムーズに行う技術者配置管理システムが特許文献1(特開2023-180043号公報)に開示されている。
【0003】
1日のうちに、複数回出勤、退勤する労働者の、出勤日の各回の出退勤時刻を把握し、管理することのできる勤怠管理システムが特許文献2(特開2023-165851号公報)及び特許文献3(特開2023-165852号公報)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2023-180043号公報
【文献】特開2023-165851号公報
【文献】特開2023-165852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
建設業において技能者が勤務する場所は、建設作業を行う現場が変わるごとに移動する。このため、技能者の各現場における就労履歴をまとめて管理することが困難な場合がある。建設業において、技能者の就労履歴は給与の支払い及び採用の判断などにおいて重要であり、現場を移ったとしても適切に管理されることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、技能者の就労履歴を適切に管理するための情報処理装置、プログラム、及び、就労履歴管理方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る情報処理装置は、プロセッサと記憶装置とを備える。プロセッサは、建設業の管理者が操作する管理者端末と、建設業の技能者が保有する携帯型無線通信デバイスと、外部の情報処理装置と通信可能である。記憶装置は、プロセッサによってアクセス可能である。プロセッサは、記憶装置に記憶されているプログラムを実行することにより、管理者端末において管理者のドラッグアンドドロップ操作により関連付けられた現場ID及び技能者IDを管理者端末から受信し、日付、現場ID、技能者IDを携帯型無線通信デバイスに送信する機能と、技能者が日付、現場ID、技能者IDを確認したことを示す手配確認を携帯型無線通信デバイスから受信し、日付、現場ID、技能者ID、手配確認データを含む手配データを生成し、手配データを記憶装置に記憶させる機能と、携帯型無線通信デバイスが建設作業の現場に配置された現場ID発信デバイスから読み込んだ現場ID、携帯型無線通信デバイスの位置を示す位置データ、技能者IDを携帯型無線通信デバイスから受信し、携帯型無線通信デバイスの位置と現場の位置との検証を実行し、検証結果が許容範囲であることを示す場合に、携帯型無線通信デバイスから受信した現場ID及び位置データと記憶装置に記憶されている手配データとに基づいて、日付、時刻、現場ID、技能者ID、位置データ、出勤又は退勤を示す出退勤情報を含む出退勤データを生成し、出退勤データを記憶装置に記憶させる機能と、出退勤データに基づいて、日付、出勤時刻、退勤時刻、現場ID、技能者IDを含む就労履歴データを生成し、就労履歴データを就労履歴管理システムに送信する機能と、を実現する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、技能者の就労履歴を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成の例を示すブロック図。
【
図2】本実施形態に係るサーバ装置に備えられる処理装置によって実現される機能の例を示すブロック図。
【
図3】本実施形態に係るサーバ装置に備えられる記憶装置に記憶されるデータの第1の例を示す図。
【
図4】本実施形態に係るサーバ装置に備えられる記憶装置に記憶されるデータの第2の例を示す図。
【
図5】本実施形態に係るデータの関連付け状態の第1の例を示す図。
【
図6】本実施形態に係るデータの関連付け状態の第2の例を示す図。
【
図7】本実施形態に係る情報処理システムによって実行される手配データの生成処理の例を示すシーケンス図。
【
図8】本実施形態に係る情報処理システムによって実行される出退勤データ及び就労履歴データの生成処理の例を示すシーケンス図。
【
図9】本実施形態に係る情報処理システムによって実行される日報データの生成処理の例を示すシーケンス図。
【
図10】本実施形態に係る情報処理システムによって実行される請求データの生成処理の例を示すシーケンス図。
【
図11】本実施形態に係る情報処理システムによって実行される支払データの生成処理の例を示すシーケンス図。
【
図12】本実施形態に係る情報処理システムによって実行される給与明細データの生成処理の例を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。図面において、同一又は類似の機能及び構成要素については、同一符号を付して説明を省略するか、又は、簡単に説明を行う。
【0011】
(実施形態)
本実施形態に係る情報処理システムにおいて、サーバ装置は、技能者の各現場における就労履歴データを生成し、生成した就労履歴データを建設キャリアアップシステムに登録させる。
【0012】
本実施形態では、技能者の就労履歴データを生成する場合を例として説明するが、技能者に代えて、例えば技術者、従業員、作業者、スタッフ、事務員、労働者などの就労履歴データを生成してもよい。
【0013】
本実施形態に係る情報処理システムでは、建設キャリアアップシステムに就労履歴データが登録される場合を例として説明するが、建設キャリアアップシステムに代えて、例えば他のサーバ装置に就労履歴データが登録されてもよい。
【0014】
本実施形態では、情報処理システムが建設業の分野に適用される場合を例として説明するが、情報処理システムは建設業ではない他の分野に適用されてもよい。
【0015】
さらに、本実施形態に係る情報処理システムにおいて、サーバ装置は、見積データを生成する機能、注文請書データを生成する機能、手配データを生成する機能、出退勤データ及び就労履歴データを生成する機能、日報データを生成する機能、請求データを生成する機能、支払データを生成する機能、給与明細データを生成する機能を包括的に有しており、各データを関連付けて管理する。これにより、ユーザは、互いに関連する見積データ、注文請書データ、手配データ、出退勤データ、就労履歴データ、日報データ、請求データ、支払データ、給与明細データを自由に辿り、関連付けて参照することができる。
【0016】
本実施形態において、IDとは、物又は人などを識別可能とするための識別データとする。
【0017】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成の例を示すブロック図である。
【0018】
また、
図2は、本実施形態に係るサーバ装置2に備えられる処理装置3によって実現される機能の例を示すブロック図である。
【0019】
情報処理システム1は、タグデバイス4、スマートフォン5、管理者端末6、サーバ装置2、建設キャリアアップシステム7を備える。スマートフォン5とサーバ装置2との間は、無線のネットワーク経由で通信可能である。サーバ装置2と管理者端末6との間、及び、サーバ装置2と建設キャリアアップシステム7との間は、無線又は有線のネットワーク経由で通信可能である。
【0020】
情報処理システム1は、図示しない電子契約システム、給与処理システム、会計処理システムなどの情報処理装置を備えていてもよい。この場合、サーバ装置2と他の情報処理装置との間は、無線又は有線のネットワーク経由で通信可能とする。
【0021】
タグデバイス4は、例えばNFC(Near Field Communication)タグ、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、又は、IC(Integrated Circuit)タグなどとしてもよい。タグデバイス4は、建設作業の現場に配置されており、現場IDを発信可能なデバイスである。なお、タグデバイス4に代えて、タグ型ではないが現場IDを他の装置に発信可能なデバイスが用いられてもよい。
【0022】
スマートフォン5は、技能者が保有する携帯型無線通信デバイスの一例である。スマートフォン5に代えて、例えばタブレット型コンピュータ、スマートウォッチ、又は、スマートフォン5ではない携帯端末などの他の携帯型無線通信デバイスが用いられてもよい。
【0023】
スマートフォン5は、タグデバイス4からの所定範囲内(周辺)においてタグデバイス4から発信された現場IDを受信可能な近距離無線通信機能を備える。
【0024】
スマートフォン5は、GPS(Global Positioning System)機能を備えており、自機が存在する位置の位置データを取得可能である。
【0025】
スマートフォン5は、技能者の操作を受け付け、技能者へ各種の画面表示及び音声出力を行うインタフェース機能を備える。
【0026】
スマートフォン5は、サーバ装置2から各種のデータを受信し、サーバ装置2へ各種のデータを送信する。
【0027】
管理者端末6は、技能者の管理業務を行う管理者によって操作される。管理者端末6は、例えば、パーソナルコンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータなどとしてもよい。
【0028】
管理者端末6は、サーバ装置2から各種のデータを受信し、サーバ装置2へ各種のデータを送信する。
【0029】
本実施形態において、管理者端末6は、管理者のドラッグアンドドロップ操作を受け付け可能なインタフェース装置を備える。より具体的には、管理者端末6は、ディスプレイ装置、及び、例えばマウス又はタッチパッドなどのようなポインティングデバイスを備える。
【0030】
サーバ装置2は、情報処理装置の一例であり、スマートフォン5、管理者端末6、建設キャリアアップシステム7、電子契約システム、給与処理システム、会計処理システムから各種のデータを受信し、スマートフォン5、管理者端末6、建設キャリアアップシステム7、電子契約システム、給与処理システム、会計処理システムへ各種のデータを送信する。サーバ装置2は、1台以上のスマートフォン5、及び、1台以上の管理者端末6と連携して動作可能である。以下では、サーバ装置2が1台のスマートフォン5及び1台の管理者端末6と連携する場合を例として説明するが、サーバ装置2が複数台のスマートフォン5と連携する場合も同様であり、サーバ装置2が複数台の管理者端末6と連携する場合も同様である。
【0031】
サーバ装置2は、記憶装置8、通信装置9、処理装置3を備える。サーバ装置2は、複数のコンピュータの連携により実現されてもよい。
【0032】
記憶装置8は、例えば揮発性メモリと不揮発性メモリとを含むとしてもよい。記憶装置8は、サーバ装置2で使用される各種のプログラム8a及びデータ8bなどを記憶する。記憶装置8は非一時的な記憶媒体として使用されてもよく、一時的な記憶媒体として使用されてもよい。記憶装置8は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、又は、ソリッドステートドライブ(SSD)などのようなストレージデバイスでもよい。記憶装置8は、主記憶装置を含むとしてもよく、キャッシュメモリを含むとしてもよく、バッファメモリを含むとしてもよい。
【0033】
プログラム8aは、処理装置3によって実行されることにより、処理装置3に、見積機能3g、注文機能3h、手配機能3a、出退勤機能3b、日報機能3c、請求機能3d、支払機能3e、給与機能3fを実現させる。プログラム3aは、例えば、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラムを含むとしてもよい。プログラム8aによって実現される上記の機能3g,3h,3a~3fは、
図2、
図7乃至
図12を用いて後で説明する。データ8bの具体的内容は、
図3乃至
図6を用いて後で説明する。
【0034】
通信装置9は、スマートフォン5、管理者端末6、建設キャリアアップシステム7から各種のデータ、情報、信号、コマンド、リクエスト、通知、指示、応答を受信可能であり、スマートフォン5、管理者端末6、建設キャリアアップシステム7へ各種のデータ、情報、信号、コマンド、リクエスト、通知、指示、応答を送信可能である。
【0035】
処理装置3は、例えば、記憶装置8に記憶されているプログラム8aにしたがって、通信装置9に各種のデータ、情報、信号、コマンド、リクエスト、通知、指示、応答の送受信を実行させ、記憶装置8にプログラム8a及びデータ8bの読み出し及び書き込みを実行させる。処理装置3は、例えば、少なくとも1つのプロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、コントローラとしてもよい。処理装置3は、例えば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又は、GPU(Graphics Processing Unit)などでもよい。
【0036】
上述したように、処理装置3は、プログラム8aを実行することにより、
図2に示すような見積機能3g、注文機能3h、手配機能3a、出退勤機能3b、日報機能3c、請求機能3d、支払機能3e、給与機能3fを実現する。
【0037】
処理装置3は、API(Application Programming Interface)を用いて、通信装置9経由で建設キャリアアップシステム7にアクセスし、建設キャリアアップシステム7と連携動作可能である。
【0038】
建設キャリアアップシステム7は、就労履歴管理システムの一例である。建設キャリアアップシステム7は、技能者が、技能・経験に応じて適切に処遇される建設業を目指して、技能者の資格や現場での就労履歴等を登録・蓄積し、能力評価につなげるためのシステムである。国土交通省と建設業団体とが連携して建設キャリアアップシステム7の普及・利用促進に取り組んでいる。
【0039】
図2に示す見積機能3gは、例えば管理者端末6などの装置から通信装置9経由で現場IDを受信し、さらに現場IDを指定して入力された見積データ及び見積詳細データを生成するための情報を受信する。そして、見積機能3gは、受信した現場ID、見積データ及び見積詳細データを生成するための情報に基づいて、見積データ及び見積詳細データを生成し、見積データ及び見積詳細データを記憶装置8に記憶させる。見積データ及び見積詳細データの具体例は、
図5を用いて後で説明する。
【0040】
注文機能3hは、例えば管理者端末6などの装置から通信装置9経由で見積IDを受信し、受信した見積IDに関わる見積データ及び見積詳細データに基づいて、電子契約書のサインURL(Uniform Resource Locator)を含まない注文請書データを生成する。そして、注文機能3hは、注文請書データに対し電子契約システムによって発行された電子契約書のサインURLを受信した場合に、電子契約書のサインURLを含む注文請書データを生成し、電子契約書のサインURLを含む注文請書データを記憶装置8に記憶させる。注文請書データの具体例は、
図5を用いて後で説明する。
【0041】
手配機能3aは、管理者端末6及びスマートフォン5と連携して、どの技能者がどの現場に関連付けられたか(割り当てられたか)を示す手配データを生成する。手配データの具体例は
図3を用いて後で説明し、手配データの生成処理は
図7を用いて後で説明する。
【0042】
出退勤機能3bは、スマートフォン5及び建設キャリアアップシステム7と連携する。出退勤機能3bは、技能者の出退勤データと就労履歴データとを生成し、出退勤データを記憶装置8に記憶させ、就労履歴データを建設キャリアアップシステム7へ登録させる。出退勤データ及び就労履歴データの具体例は
図3を用いて後で説明し、出退勤データ及び就労履歴データの生成処理は
図8を用いて後で説明する。
【0043】
日報機能3cは、スマートフォン5及び管理者端末6と連携する。日報機能3cは、現場監督(現場管理技能者)サインデータを含む現場ごとの日報データを生成する。現場ごとの日報データの具体例は
図3を用いて後で説明し、現場ごとの日報データの生成処理は
図9を用いて後で説明する。
【0044】
請求機能3dは、管理者端末6及び請求先装置と連携する。請求機能3dは、現場ごとの日報データに基づいて請求データを生成する。請求データの具体例は
図3を用いて後で説明し、請求データの生成処理は
図10を用いて後で説明する。
【0045】
支払機能3eは、管理者端末6及び支払先装置と連携する。支払機能3eは、現場ごとの日報データに基づいて支払データを生成する。支払データの具体例は
図3を用いて後で説明し、支払データの生成処理は
図11を用いて後で説明する。
【0046】
給与機能3fは、管理者端末6及びスマートフォン5と連携する。給与機能3fは、現場ごとの日報データに基づいて総給与データを生成し、さらに、給与明細データを生成する。総給与データ及び支払明細データの具体例は
図4を用いて後で説明し、給与明細データの生成処理は
図12を用いて後で説明する。
【0047】
図3は、本実施形態に係るサーバ装置2に備えられる記憶装置8に記憶されるデータの第1の例を示す図である。
【0048】
この
図3では、記憶装置8に記憶される手配データ10a、出退勤データ10b、就労履歴データ10c、日報データ10d、請求データ10e、支払データ10fが図示されている。
【0049】
手配データ10aは、日付、日勤又は夜勤を示すデータ、現場を識別するための現場ID、技能者を識別するための技能者ID、技能者が手配データの内容を確認したことを示す手配確認データを含む。
【0050】
本実施形態において、手配データ10aは、現場IDごとに、1日1レコード生成される。例えば、手配データ10aにおいては、1つの現場IDに対して、1つ又は複数の日付が関連付けられる。また、手配データ10aにおいては、1つの日付に対して、1人又は複数の技能者IDが関連付けられる。
【0051】
出退勤データ10bは、日付、時刻、現場ID、技能者ID、GPSデータ(位置データ)、出勤又は退勤を示すデータを含む。
【0052】
本実施形態において、出退勤データ10bは、現場IDごとに、技能者1人1日1レコード生成される。例えば、出退勤データ10bにおいては、1つの現場IDに対して、1つの日付が関連付けられる。また、出退勤データ10bにおいては、1つの日付に対して、1人又は複数の技能者IDが関連付けられる。さらに、出退勤データ10bにおいては、1人の技能者IDに対して、時刻、GPSデータ、出勤又は退勤を示すデータが関連付けられる。
【0053】
就労履歴データ10cは、日付、出勤時刻、退勤時刻、現場ID、技能者IDを含む。
【0054】
日報データ10dは、日付、就業時刻、早出残業時間、現場ID、作業内容、技能者ID、現場監督のサインに相当する現場監督サインデータを含む。
【0055】
本実施形態において、日報データ10dは、現場IDごとに1日1レコード生成されてもよい。また、日報データ10dは、作業内容ごとに、1レコード生成され、技能者IDを1つ又は複数含むとしてもよい。
【0056】
請求データ10eは、年月、締日、現場ID、作業内容、稼働人数合計、早出残業時間合計、請求金額を含む。
【0057】
本実施形態において、請求データ10eは、親会社IDごとにまとめた状態で生成されてもよく、現場IDごとにまとめた状態で生成されてもよい。
【0058】
支払データ10fは、年月、締日、現場ID、作業内容、稼働人数合計、早出残業時間合計、請求金額を含む。
【0059】
図4は、本実施形態に係るサーバ装置2に備えられる記憶装置8に記憶されるデータの第2の例を示す図である。
【0060】
この
図4では、記憶装置8に記憶されている総給与データ10gと給与明細データ10hとが図示されている。
【0061】
総給与データ10gは、年月、締日、稼働合計、早出残業時間合計、総支給額を含む。なお、総給与データ10gは、現場ID、作業内容を含むとしてもよい。
【0062】
給与明細データ10hは、年月、締日、稼働合計、早出残業時間合計、支給額、技能者IDを含む。なお、給与明細データ10hは、控除項目、控除金額、現場ID、作業内容を含むとしてもよい。
【0063】
図5は、本実施形態に係るデータの関連付け状態の第1の例を示す図である。
【0064】
現場データ11はマスタデータである。
【0065】
現場データ11は、親会社ID、現場名、営業担当、施工場所情報、工事内容、施工体制図、現場IDを含む。現場データ11は、見積データ13及び手配データ10aと関連付けられている。
【0066】
見積データ13は、見積日付、工種名、支払条件、工事期間、現場ID、見積金額を含む。見積データ13は、現場データ11、見積詳細データ14、注文請書データ15と関連付けられている。
【0067】
見積詳細データ14は、見積ID、工事名称(作業内容)、科目、数量、単位/単価、金額、備考を含む。見積詳細データ14は、見積データ13と関連付けられている。
【0068】
注文請書データ15は、契約日付、工種名、支払条件、工事期間、電子契約書のサインURL、見積ID、見積金額を含む。注文請書データ15は、見積データ13と関連付けられている。
【0069】
図6は、本実施形態に係るデータの関連付け状態の第2の例を示す図である。
【0070】
技能者データ12はマスタデータである。
【0071】
技能者データ12は、入社日、姓名、生年月日、保有資格データ、加入保険データ、雇用データを含む。技能者データ12は、技能者IDを含むとしてもよい。技能者データ12は、手配データ10a、出退勤データ10b、日報データ10dと関連付けられている。
【0072】
手配データ10aは、技能者データ12及び現場データ11と関連付けられている。
【0073】
出退勤データ10bは、技能者データ12、就労履歴データ10cと関連付けられている。
【0074】
就労履歴データ10cは、出退勤データ10bと関連付けられている。
【0075】
日報データ10dは、技能者データ12、請求データ10e、支払データ10fと関連付けられている。
【0076】
請求データ10eは、日報データ10dと関連付けられている。
【0077】
支払データ10fは、日報データ10dと関連付けられている。
【0078】
本実施形態において、例えば、日報データ10dの作業内容は、現場IDに関連する現場データ11の工事内容、見積データ13の工種名、見積詳細データ14の工事名称、注文請書データ15の工種名に基づいて決定・生成可能である。
【0079】
以下で本実施形態に係る情報処理システム1によって実行されるデータの生成処理を説明する。
【0080】
図7は、本実施形態に係る情報処理システム1によって実行される手配データ10aの生成処理の例を示すシーケンス図である。
【0081】
S701において、管理者端末6は、技能者のリストと現場のリストを表示し、管理者のドラッグアンドドロップ操作により技能者と現場とを関連付けた結果を受け付け、関連付けられた技能者の技能者IDと現場の現場IDとをサーバ装置2へ送信する。
【0082】
S702において、サーバ装置2の手配機能3aは、管理者端末6から技能者ID及び現場IDを受信し、受信した技能者ID及び現場IDを含み手配確認データを含まない手配確認前の手配データを生成し、生成した手配確認前の手配データを記憶装置8に記憶させる。
【0083】
S703において、サーバ装置2の手配機能3aは、手配確認前の手配データをスマートフォン5に送信する。
【0084】
S704において、スマートフォン5は、手配確認前の手配データを受信し、受信した手配確認前の手配データに基づいて例えば現場の場所などを含む現場情報を取得し、現場情報から地図を取得し、地図を表示する。
【0085】
S705において、スマートフォン5は、現場情報、地図を確認した技能者から手配確認操作を受け付けた場合に、技能者の手配確認通知をサーバ装置2へ送信する。
【0086】
S706において、サーバ装置2の手配機能3aは、スマートフォン5から手配確認通知を受信すると、当該通知に応じて、手配確認データを含む手配データ10aを生成し、手配データ10aを記憶装置8に記憶させる。
【0087】
手配データ10aは、現場ごとに、1日1レコード生成される。
【0088】
図8は、本実施形態に係る情報処理システム1によって実行される出退勤データ10b及び就労履歴データ10cの生成処理の例を示すシーケンス図である。
【0089】
S801において、スマートフォン5は、現場に配置されているタグデバイス4から発信された現場IDを読み込む。
【0090】
S802において、スマートフォン5は、読み込んだ現場ID、GPSデータ、技能者IDをサーバ装置2へ送信する。なお、本実施形態において、タグデバイス4を用いることなく、スマートフォン5は、GPSデータ及び技能者IDをサーバ装置2へ送信しても、サーバ装置3の出退勤機能3bは出退勤データ10bを生成可能である。
【0091】
S803において、サーバ装置2の出退勤機能3bは、スマートフォン5から現場ID、GPSデータ、技能者IDを受信する。出退勤機能3bは、GPSデータの示す位置が現場IDの示す現場の位置(例えば現場データ11の施工場所情報)と整合するか(許容範囲内か)否かを検証し、整合する場合(検証結果が許容範囲であることを示す場合)に、日付、時刻を保管し、時刻から判断した出勤又は退勤を示すデータを保管する。
【0092】
S804において、出退勤機能3bは、受信した現場ID、技能者ID、GPSデータと、保管した日付、時刻、出勤又は退勤を示すデータとに基づいて、出退勤データ10bを生成し、出退勤データ10bを記憶装置8に記憶させる。
【0093】
日付、技能者ID、技能者IDは出勤又は退勤の実績情報として扱われる。
【0094】
出退勤データ10bは、現場ごとに、技能者1人に対して1日1レコード生成される。
【0095】
S805において、出退勤機能3bは、出退勤データ10bに基づいて、就労履歴データ10cを生成し、就労履歴データ10cを記憶装置8に記憶させる。
【0096】
S806において、出退勤機能3bは、就労履歴データ10cを、例えば夜間バッチ処理などにより、建設キャリアアップシステム7に送信する。
【0097】
S807において、建設キャリアアップシステム7は、サーバ装置2から就労履歴データ10cを受信し、就労履歴データ10cを記憶・管理する。
【0098】
図9は、本実施形態に係る情報処理システム1によって実行される日報データ10dの生成処理の例を示すシーケンス図である。
【0099】
S901において、スマートフォン5は、技能者による日報の情報の入力を受け付ける。
【0100】
S902において、スマートフォン5は、日報の情報を現場監督が確認したことを示す現場監督サインデータを入手する。
【0101】
スマートフォン5による現場監督サインデータの入手は、例えば、現場監督がスマートフォン5により技能者の入力した日報の情報を閲覧し、スマートフォン5に対して確認操作を行うことで行われてもよい。例えば、スマートフォン5は日報の情報を現場監督端末へ送信し、現場監督が日報の情報を確認すると、現場監督端末が現場監督サインデータをスマートフォン5へ送信してもよい。例えば、スマートフォン5が日報の情報をサーバ装置2又は他の装置を経由して現場監督の端末へ送信し、現場監督が日報の情報を確認すると、現場監督端末がサーバ装置2又は他の装置を経由して現場監督サインデータをスマートフォン5へ送信してもよい。例えば、スマートフォン5が情報をサーバ装置2又は他の装置へアップロートし、現場監督端末が日報情報をサーバ装置2又は他の装置からダウンロードし、現場監督が日報の情報を確認すると、現場監督端末が現場監督サインデータをサーバ装置2又は他の装置へアップロートし、スマートフォン5が現場監督サインデータをサーバ装置2又は他の装置からダウンロードしてもよい。
【0102】
S903において、スマートフォン5は、現場ID、現場監督サインデータ、日報の情報をサーバ装置2へ送信する。
【0103】
S904において、サーバ装置2の日報機能3cは、スマートフォン5から現場ID、現場監督サインデータ、日報の情報を受信し、現場ID、現場監督サインデータ、日報の情報と、記憶装置8に記憶されている出退勤データ10bとに基づいて、日報データ10dを生成し、日報データ10dを記憶装置8に記憶させる。
【0104】
日報データ10dは、現場または作業内容ごとに、1日1レコード生成され、技能者IDは1又は複数含むとしてもよい。
【0105】
日報データ10dの作業内容は、日報機能3cが現場データ11、見積データ13、見積詳細データ14、注文請書データ15のうちの少なくとも1つを参照して決定してもよい。例えば、日報データ10dの作業内容は、見積詳細データ14の工事名称に基づいて決定されてもよい。あるいは、作業内容は、技能者がスマートフォン5を用いて入力することにより日報機能3cに取得されてもよい。あるいは、作業内容は、S901において入力・収集される日報の情報に含まれていてもよい。
【0106】
S905において、日報機能3cは、管理者端末6へ日報データ10dを送信する。また、日報機能3cは、必要であれば、現場監督端末へ日報データ10dを送信してもよい。
【0107】
S906において、管理者端末6は、サーバ装置2から日報データ10dを受信し、表示する。また、現場監督端末がサーバ装置2から日報データ10dを受信し、表示してもよい。
【0108】
図10は、本実施形態に係る情報処理システム1によって実行される請求データ10eの生成処理の例を示すシーケンス図である。
【0109】
S1001において、管理者端末6は、請求書に対応する請求データ10eを生成する請求処理のリクエストをサーバ装置2へ送信する。請求データ10eは、親会社ごとに生成することもでき、現場ごとに生成することもできるため、リクエストは、親会社ごとの請求か、現場ごとの請求かの指定を含むとしてもよい。
【0110】
S1002において、サーバ装置2の請求機能3dは、管理者端末6から請求処理のリクエストを受信し、記憶装置8に記憶されている現場ごとの日報データ10dに基づいて、請求データ10eを生成し、請求データ10eを記憶装置8に記憶させる。
【0111】
なお、このS1002に合わせて、支払機能3eが支払データ10fの生成処理を実行してもよく、給与機能3fが給与明細データ10hの生成処理を実行してもよい。
【0112】
S1003において、請求機能3dは、請求データ10eの生成が完了したことを示す請求データ生成完了通知及び請求データ10eを管理者端末6へ送信する。請求データ生成完了通知と請求データ10eとのうちの少なくとも一方は、請求データ10eが親会社ごとの請求か、あるいは、現場ごとの請求かの指定を含む。
【0113】
S1004において、管理者端末6は、サーバ装置2から請求データ生成完了通知及び請求データ10eを受信する。管理者は請求データ10eの内容を参照可能である。管理者端末6は、請求データ生成完了通知及び請求データ10eに対して、管理者の送信指示を受け付けた場合に、請求データ10eの送信リクエストをサーバ装置2へ送信する。
【0114】
S1005において、請求機能3dは、送信リクエストを受信した場合に、送信リクエストに対応する請求データ10eを例えば現場監督端末16、又は、請求先装置などのような送信先へ送信する。
【0115】
図11は、本実施形態に係る情報処理システム1によって実行される支払データ10fの生成処理の例を示すシーケンス図である。
【0116】
S1101において、管理者端末6は、支払データ10fを生成する支払処理のリクエストをサーバ装置2へ送信する。支払処理のリクエストは、例えば協力会社などの支払先を指定しており、支払処理は支払先ごとに実行されてもよい。
【0117】
S1102において、サーバ装置2の支払機能3eは、管理者端末6から支払処理のリクエストを受信し、記憶装置8に記憶されている現場ごとの日報データ10dに基づいて、支払データ10fを生成し、支払データ10fを記憶装置8に記憶させる。なお、S1102において、支払機能3eは、支払控除の計算を実行の上、支払データ10fを生成してもよい。
【0118】
S1103において、支払機能3eは、支払データ10fの生成が完了したことを示す支払データ生成完了通知及び支払データ10fを管理者端末6へ送信する。支払データ生成完了通知と支払データ10fとのうちの少なくとも一方は、支払データ10fに対応する支払先の指定を含む。
【0119】
S1104において、管理者端末6は、サーバ装置2から支払データ生成完了通知及び支払データ10fを受信する。管理者は支払データ10fの内容を参照可能である。管理者端末6は、支払データ生成完了通知及び支払データ10fに対して、管理者の送信指示を受け付けた場合に、支払データ10fの送信リクエストをサーバ装置2へ送信する。
【0120】
S1105において、支払機能3dは、送信リクエストを受信した場合に、送信リクエストに対応する支払データ10fを例えば支払先装置17などのような送信先へ送信する。
【0121】
図12は、本実施形態に係る情報処理システム1によって実行される給与明細データ10hの生成処理の例を示すシーケンス図である。
【0122】
S1201において、管理者端末6は、給与明細データ10hを生成する給与処理のリクエストをサーバ装置2へ送信する。
【0123】
S1202において、サーバ装置2の給与機能3fは、管理者端末6から給与処理のリクエストを受信し、記憶装置8に記憶されている現場ごとの日報データ10dに基づいて、給与総支給額に対応する総給与データ10gを生成し、総給与データ10gを記憶装置8に記憶させる。
【0124】
S1203において、給与機能3fは、総給与データ10gの生成が完了したことを示す総給与データ生成完了通知及び総給与データ10gを管理者端末6へ送信する。
【0125】
S1204において、管理者端末6は、サーバ装置2から総給与データ生成完了通知及び総給与データ10gを受信し、表示する。管理者は総給与データ10gの内容を参照し、総給与データ10gの編集、控除金の入力などを行うことができる。
【0126】
総給与データ10gは、サーバ装置2をアクセス可能な様々な装置から編集可能としてもよい。
【0127】
S1205において、管理者端末6は、管理者から総給与データ10gの編集、控除金の入力を受け付けると、編集のリクエスト、控除処理のリクエストをサーバ装置2へ送信する。
【0128】
S1206において、給与機能3fは、例えば記憶装置8に記憶されている総給与データ10g、管理者端末6から受信した控除金などに基づいて、給与支払処理を実行し、給与明細データ10fを生成し、給与明細データ10fを記憶装置8に記憶させる。そして、給与機能3fは、給与明細データ10fをスマートフォン5へ送信する。
【0129】
なお、給与機能3fは、社会保険労務士の端末などから控除金を受信し、受信した控除金を用いて給与支払処理を実行してもよい。
【0130】
S1207において、スマートフォン5は、サーバ装置2から給与明細データ10fを受信し、給与明細データ10fを表示する。これにより、技能者はスマートフォン5で給与明細データ10fを確認することができる。
【0131】
以上説明した本実施形態に係る情報処理システム1により得られる効果を説明する。
【0132】
本実施形態においては、例えば技能者がスマートフォン5で現場に配置されているタグデバイス4をタッチすることにより、タグデバイス4の現場IDをスマートフォン5に読み込む。スマートフォン5は、タグデバイス4から読み込んだ現場IDとGPSデータとをサーバ装置2に送信する。サーバ装置2は、スマートフォン5から受信した現場IDに対応する現場の位置情報とGPSデータの位置情報とが整合する(許容範囲である)場合に、技能者が出勤又は退勤したことを認識する。
【0133】
そして、本実施形態においては、サーバ装置2が、技能者の出退勤を保管し、出退勤の結果に基づいて、技能者の就労履歴データ10cを生成し、建設キャリアアップシステム7に登録する。
【0134】
これにより、本実施形態においては、多くの技能者の出退勤、就労履歴を低コストで効率的に適切に管理することができる。現場で出退勤を計測する従来の機器は非常に高価なものが多いが、本実施形態においてはタグデバイス4という安価な機器で出退勤のエビデンスを取得することができる。
【0135】
本実施形態においては、技能者がスマートフォン5で手配確認前の手配データの内容を確認する際に、技能者のスマートフォン5に現場の情報及び地図が表示される。このため、技能者は、スマートフォン5を用いて容易かつ迅速に現場の情報及び地図を確認することができ、技能者が現場の位置を誤認識することを防止することができる。
【0136】
本実施形態において、技能者は、現場においてスマートフォン5とタグデバイス4とを近づけることにより、出退勤を容易かつ迅速に記録することができる。
【0137】
本実施形態においては、技能者に対応する就労履歴データ10cが生成され、建設キャリアアップシステム7に登録・保管される。このため、本実施形態においては、技能者が建設会社を移動しても、建設キャリアアップシステム7をアクセスした者は技能者の過去の勤務履歴、作業履歴を容易に、迅速に、正確に確認することができる。
【0138】
本実施形態においては、サーバ装置2がマスタデータとして現場データ11と技能者データ12とを保管・管理している。このため、本実施形態においては、現場の情報(親会社の情報を含む)、技能者の情報などを一度登録すれば業務を遂行することができ、同じデータを何度も入力する必要がなく、ユーザの労力を軽減することができ、ユーザの作業時間を短縮することができる。
【0139】
本実施形態においては、現場に技能者を割り当てる場合に、ドラッグアンドドロップにより容易に現場と技能者とを関連付けることができ、割り当ての結果を技能者のスマートフォン5に自動で通知することができる。このため、本実施形態においては、管理者が電話やメッセージ交換アプリを用いて技能者に個別に現場を通知する作業をなくすことができる。
【0140】
本実施形態においては、出退勤データ10bに基づいて、建設業で必ず必要とされる日報データ10dを生成することができる。また、日報データ10dに含まれる現場監督サインデータは、例えば、技能者のスマートフォン5に対する現場監督による入力、又は、技能者のスマートフォン5と現場監督端末16との通信により、容易に収集することができる。そして、本実施形態においては、日報データ10dを例えばサーバ装置2から管理者端末6などの各種の端末へ送信することができ、日報データ10dの確認業務を効率化することができる。
【0141】
本実施形態においては、記憶装置8に記憶された技能者の出退勤データ10bに基づいて、例えば親会社などの請求先への請求根拠となる請求データ10e、例えば協力会社などの支払先への支払根拠となる支払データ10f、自社の給与計算根拠となる総給与データ10g及び給与明細データ10hを生成することができ、作業コストが低減され、業務効率が向上する。
【0142】
本実施形態において、サーバ装置2は、見積機能3g、注文機能3h、手配機能3a、出退勤機能3b、日報機能3c、請求機能3d、支払機能3e、給与機能3fを包括的に有しており、各データを関連付けて管理する。これにより、本実施形態において、ユーザは、互いに関連する見積データ13、見積詳細データ14、注文請書データ15、手配データ10a、出退勤データ10b、就労履歴データ10c、日報データ10d、請求データ10e、支払データ10f、給与明細データ10hを自由に辿り、参照・確認することができる。このため、本実施形態においては、情報処理システム1の利便性を向上させることができる。
【0143】
本実施形態においては、見積データ13又は見積詳細データ14に含まれているデータに基づいて、日報データ10dの作業内容が決定される。このため、本実施形態においては、日報データ10dの生成作業を簡素化することができ、作業時間を短縮することができる。
【0144】
本実施形態の変形例として、タグデバイス4は使用されなくてもよい。この場合、スマートフォン5は、例えば、GPSデータ及び技能者IDをサーバ装置2へ送信する。サーバ装置3の出退勤機能3bは、記憶装置8をアクセスし、受信した技能者IDに関連する現場IDを認識し、現場IDに対応する現場の位置データを読み出し、GPSデータと現場の位置データとが整合するか検証するとしてもよい。
【0145】
本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、本実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削減してもよい。
【符号の説明】
【0146】
1…情報処理システム、2…サーバ装置、3…処理装置、3g…見積機能、3h…注文機能、3a…手配機能、3b…出退勤機能、3c…日報機能、3d…請求機能、3e…支払機能、3f…給与機能、4…タグデバイス、5…スマートフォン、6…管理者端末、7…建設キャリアアップシステム、8…記憶装置、8a…プログラム、8b…データ、9…通信装置、10a…手配データ、10b…出退勤データ、10c…就労履歴データ、10d…日報データ、10e…請求データ、10f…支払データ、10g…総給与データ、10h…給与明細データ、11…現場データ、12…技能者データ、13…見積データ、14…見積詳細データ、15…注文請書データ、16…現場監督端末、17…支払先端末
【要約】
【課題】建設業の技能者の就労履歴を管理する。
【解決手段】情報処理装置は、管理者端末において管理者のドラッグアンドドロップ操作により関連付けられた現場ID及び技能者IDを管理者端末から受信し、日付、現場ID、技能者IDを携帯型デバイスに送信する。情報処理装置は、技能者が確認したことを示す手配確認を携帯型デバイスから受信し、手配データを生成する。情報処理装置は、携帯型デバイスが建設作業の現場に配置された現場ID発信デバイスから読み込んだ現場ID、携帯型デバイスの位置を示す位置データ、技能者IDを携帯型デバイスから受信し、携帯型デバイスから受信した現場ID及び位置データと手配データとに基づいて、出退勤データを生成する。情報処理装置は、出退勤データに基づいて、日付、出勤時刻、退勤時刻、現場ID、技能者IDを含む就労履歴データを生成し、就労履歴データを就労履歴管理システムに送信する。
【選択図】
図1