(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】粉粒体供給装置及び供給量計測装置
(51)【国際特許分類】
B65G 65/48 20060101AFI20240703BHJP
B65G 65/40 20060101ALI20240703BHJP
G01G 13/06 20060101ALI20240703BHJP
G01G 21/26 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B65G65/48 C
B65G65/40 C
G01G13/06 A
G01G21/26
(21)【出願番号】P 2020152020
(22)【出願日】2020-09-10
【審査請求日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】P 2019186984
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509025876
【氏名又は名称】アルファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】堀 富士夫
(72)【発明者】
【氏名】堀 信一
(72)【発明者】
【氏名】堀 紘英
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-040482(JP,A)
【文献】特開平01-009195(JP,A)
【文献】実開昭54-147985(JP,U)
【文献】米国特許第05360141(US,A)
【文献】米国特許第07040959(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 65/30- 65/48
G01G 13/00
B65D 90/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を収容可能な粉粒体収容器の底部に設けられた粉粒体排出口から粉粒体が排出される粉粒体供給装置であって、
前記粉粒体排出口は、閉塞壁に貫通形成され、粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチにより閉塞可能な複数の小粉粒体通過孔
と、前記閉塞壁に貫通形成され、かつ、前記小粉粒体通過孔よりも大きく、前記粉粒体アーチが形成されにくい大粉粒体通過孔と、を有し、
前記粉粒体アーチに外力を付与し、粉粒体を前記小粉粒体通過孔から排出させるアーチ粉砕手段を備える粉粒体供給装置において、
前記閉塞壁に重ねられ、
前記粉粒体排出口を全て閉塞された全閉状態にすることが可能であり、かつ、前記粉粒体排出口の開放度を変更可能なシャッター部材を備え
、
前記粉粒体排出口が最も開いた状態から前記全閉状態になるときは、前記大粉粒体通過孔から先に閉じていき、最後に前記小粉粒体通過孔が閉じる粉粒体供給装置。
【請求項2】
粉粒体を収容可能な粉粒体収容器の底部に設けられた粉粒体排出口から粉粒体が排出される粉粒体供給装置であって、
前記粉粒体排出口は、閉塞壁に貫通形成され、粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチにより閉塞可能な複数の小粉粒体通過孔を有し、
前記粉粒体アーチに外力を付与し、粉粒体を前記小粉粒体通過孔から排出させるアーチ粉砕手段を備える粉粒体供給装置において、
前記閉塞壁に重ねられ、前記粉粒体排出口の開放度を変更可能なシャッター部材と、
前記粉粒体収容器の底面から前記粉粒体収容器に収容された粉粒体の表面である粉面までの高さを計測する粉面計測部と、
前記粉面計測部の計測結果を受け、前記粉面が高い程、粉粒体の排出を抑えるように制御する排出制御部と、を備える粉粒体供給装置。
【請求項3】
粉粒体を収容可能な粉粒体収容器の底部に設けられた粉粒体排出口から粉粒体が排出される粉粒体供給装置と、計量器と、を有し、
前記計量器の計量皿に、前記計量皿よりも大きい載置板を乗せ、その一端に前記粉粒体供給装置の前記粉粒体収容器を載置し、計測重量の変化から、前記粉粒体供給装置から供給される粉粒体の供給量を計測する供給量計測装置であって、
前記粉粒体排出口は、閉塞壁に貫通形成され、粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチにより閉塞可能な複数の小粉粒体通過孔を有し、
前記粉粒体供給装置は、
前記粉粒体アーチに外力を付与し、粉粒体を前記小粉粒体通過孔から排出させるアーチ粉砕手段と、
前記閉塞壁に重ねられ、前記粉粒体排出口の開放度を変更可能なシャッター部材と、を備え、
前記載置板における前記粉粒体収容器と反対側の端部に、前記粉粒体収容器との距離が変化するように移動可能な移動カウンターウエイトを備える供給量計測装置。
【請求項4】
粉粒体を収容可能な粉粒体収容器の底部に設けられた粉粒体排出口から粉粒体が排出される粉粒体供給装置と、計量器と、を有し、
前記計量器の計量皿に、前記粉粒体供給装置の前記粉粒体収容器を載置し、計測重量の変化から、前記粉粒体供給装置から供給される粉粒体の供給量を計測する供給量計測装置であって、
前記粉粒体排出口は、閉塞壁に貫通形成され、粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチにより閉塞可能な複数の小粉粒体通過孔を有し、
前記粉粒体供給装置は、
前記粉粒体アーチに外力を付与し、粉粒体を前記小粉粒体通過孔から排出させるアーチ粉砕手段と、
前記閉塞壁に重ねられ、前記粉粒体排出口の開放度を変更可能なシャッター部材と、を備え、
前記計量皿上に支持され、粉粒体を供給するために動く可動部と、
前記計量皿の外に配され、前記可動部を駆動制御するための制御部と、
前記可動部と前記制御部とを接続するための配線ケーブルと、を備える供給量計測装置において、
前記計量皿上に固定され、前記可動部と前記配線ケーブルにより接続される装置側中継ターミナルと、
前記計量皿の外に配され、前記制御部と前記配線ケーブルにより接続される外部側中継ターミナルと、を備え、
前記装置側中継ターミナルと前記外部側中継ターミナルとが、前記配線ケーブルよりも剛性が高い渡り端子により接続されている供給量計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、粉粒体を少量ずつ排出可能な粉粒体供給装置及び粉粒体供給装置を用いた供給量計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の粉粒体供給装置として、粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチによって閉塞される粉粒体通過孔から、粉粒体アーチを崩して粉粒体を排出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の粉粒体供給装置においては、必要量の粉粒体を正確に排出することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、粉粒体を収容可能な粉粒体収容器の底部に設けられた粉粒体排出口から粉粒体が排出される粉粒体供給装置であって、前記粉粒体排出口は、閉塞壁に貫通形成され、粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチにより閉塞可能な複数の小粉粒体通過孔と、前記閉塞壁に貫通形成され、かつ、前記小粉粒体通過孔よりも大きく、前記粉粒体アーチが形成されにくい大粉粒体通過孔と、を有し、前記粉粒体アーチに外力を付与し、粉粒体を前記小粉粒体通過孔から排出させるアーチ粉砕手段を備える粉粒体供給装置において、前記閉塞壁に重ねられ、前記粉粒体排出口を全て閉塞された全閉状態にすることが可能であり、かつ、前記粉粒体排出口の開放度を変更可能なシャッター部材を備え、前記粉粒体排出口が最も開いた状態から前記全閉状態になるときは、前記大粉粒体通過孔から先に閉じていき、最後に前記小粉粒体通過孔が閉じる粉粒体供給装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の粉粒体供給装置では、粉粒体が、粉粒体アーチの形成及び崩壊を繰り返しながら小粉粒体通過孔から微少量ずつ排出されるので、必要量の粉粒体を正確に排出することが可能となる。しかも、本請求項の粉粒体供給装置では、粉粒体排出口の開放度を変更可能なシャッター部材を備えるので、粉粒体の排出量を調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図7】(A)シャッター部材の平面図、(B)シャッター部材の断面図
【
図11】(A)変形例に係る直線羽の斜視図、(B)変形例に係る湾曲羽の平面図
【
図12】第2実施形態に係る粉粒体供給装置の断面図
【
図13】(A)スクレーパの斜視図、(B)スクレーパ周辺の拡大図
【
図17】第3実施形態に係る粉粒体供給装置の断面図
【
図21】第4実施形態に係る粉粒体供給装置の断面図
【
図22】第5実施形態に係る減算式供給量計量装置のイメージ図
【
図31】第6実施形態に係る減算式供給量計量装置のエルボロータリジョイント継手周辺のイメージ図
【
図32】変形例に係る減算式供給量計量装置のエルボロータリジョイント継手周辺のイメージ図
【
図33】第7実施形態に係る減算式供給量計量装置の斜視図
【
図36】第8実施形態に係る減算式供給量計量装置の断面図
【
図37】第9実施形態に係る粉粒体供給装置の断面図
【
図40】第10実施形態に係る粉粒体供給装置の断面図
【
図48】変形例に係る減算式供給量計量装置のイメージ図
【
図49】変形例に係る減算式供給量計量装置のイメージ図
【
図51】変形例に係る減算式供給量計量装置のエルボロータリジョイント継手周辺のイメージ図
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、
図1から
図11に基づいて第1実施形態の粉粒体供給装置10について説明する。
図1に示された粉粒体供給装置10は、ベース200に対して上下動可能な昇降ベース201に粉粒体収容器11が取り付けられてなり、その粉粒体収容器11にホッパ50から補給された粉粒体が、粉粒体収容器11の底部に設けられた粉粒体排出口20から供給される構成になっている。なお、本実施形態では、粉粒体が供給される容器210が計量器100の計量皿101に載置されていて、容器210へ供給された粉粒体の量が計測される。
【0009】
図1及び
図2に示すように、粉粒体収容器11は、円筒状をなし、内部に大径収容部12Aと小径収容部12Bと、を有している。詳細には、粉粒体収容器11は、上下方向の両端が開口した円筒状の第1筒体11Aと、第1筒体11Aの下端開口と突き合わされる上端開口を有する有底の第2筒体11Bと、第1筒体11Aの上端開口に重なる蓋体11Cと、を有する。第1筒体11Aの内周面と第2筒体11Bの内周面とは面一になっていて、その内側が大径収容部12Aとなっている。また、第2筒体11Bの底壁は、側壁よりも板厚になっていて、中央に貫通孔11Kが形成されている。この貫通孔11Kの内側が、小径収容部12Bとなっている。
【0010】
ホッパ50は、逆円錐形状の容器51とその下端部から延びた筒状のシュート52とからなり、そのシュート52の下端部は、粉粒体収容器11の蓋体11Cに形成された取付穴に挿入されている。シュート52の下端開口52Aは、蓋体11Cの下面の僅かに下方で、かつ、第1筒体11Aの内周面寄り位置に配されている。
【0011】
蓋体11Cの上面中央には供給モータ14が固定されている。供給モータ14に連結された回転駆動シャフト14Aは、蓋体11Cを貫通して大径収容部12A及び小径収容部12B内でその中心軸に沿って延びている。回転駆動シャフト14Aには、一体回転するバッフル体15が取り付けられている。バッフル体15は、円錐形状をなし、その高さは、大径収容部12Aの上下方向の中央部から第2筒体11Bの底壁の上面(大径収容部12Aと小径収容部12Bとの段差面12D)寄り位置までとなっている。また、バッフル体15の底面は、大径収容部12Aの内径よりも小径でかつ、小径収容部12Bの内径よりも大径で、大径収容部12Aと小径収容部12Bとの段差面12Dから僅かに上方に離間した位置で水平に延びている。
【0012】
回転駆動シャフト14Aのうちバッフル体15より下方には、上から順に直線羽16とスクレーパ17と湾曲羽18とが備えらえている。
図3及び
図4に示すように、直線羽16は、回転駆動シャフト14Aから両側方に直線状に延びている。湾曲羽18は、回転駆動シャフト14Aから両側方にかつ、直線羽16と直交する方向に小径収容部12Bの外縁の僅かに外方まで延びた直線部18Aと、その先端から回転駆動シャフト14Aの回転方向(
図4の実線矢印の方向)とは逆側に膨らむように円弧状をなした円弧部18Bとを有している。また、直線羽16及び湾曲羽18は、第2筒体11Bの内周面寄り位置まで延びている。そして、直線羽16は、バッフル体15の下面近くの水平面内で回転する一方、湾曲羽18は、段差面12Dに摺接しつつ水平面内で回転する(
図2参照)。
【0013】
図2に示すように、シュート52の下端開口52Aから排出された粉粒体は、段差面12D上に直接堆積したり、バッフル体15により下側方へ誘導されつつ大径収容部12A内に収容される。そして、バッフル体15の下端部と第2筒体11Bの内周面との間の環状空間からバッフル体15の下側へ流動する。回転駆動シャフト14Aが停止した状態では、バッフル体15の下面と段差面12Dとの間で所定の安息角を有した粉粒体山が形成される(なお、粉粒体の種類によっては、粉粒体山が形成されずに小径収容部12Bへ流下するものもある)。この状態で、回転駆動シャフト14Aが回転すると、
図4の点線矢印で示されるように、回転する湾曲羽18によって粉粒体山が崩れて中心側へ誘導され、小径収容部12Bへ送り込まれる。このとき、湾曲羽18とバッフル体15(
図2参照)の下面との間で直線羽16が回転して粉粒体を撹拌するので、粉粒体が固まったり、詰まったりすることが防がれ、粉粒体を安定して流下させることができる。また、粉粒体が2種以上の粉粒体の混合物である場合には、粉粒体の混合度合いを高めることができる。
【0014】
図3及び
図4に示すように、スクレーパ17は、回転駆動シャフト14Aの中心とずれた位置で直線羽16と平行に延びる上辺部17Aと、上辺部17Aの両端から下方に延びる第1及び第2の垂下部17B,17Cと、を有する。第1の垂下部17Bは、小径収容部12Bの内側面寄り位置で、小径収容部12Bの下端寄り位置まで延びている。一方、第2の垂下部17Cは、第1の垂下部17Bよりも中央に近い位置で、湾曲羽18より僅かに下方の位置まで延びている。スクレーパ17が回転すると、第1の垂下部17Bは、小径収容部12Bの内周面近傍を旋回する。これにより、小径収容部12Bの内周面に静電気等により付着した粉粒体を削ぎ落とすことができる。
【0015】
図2に示すように、粉粒体収容器11のうち第2筒体11Bの下には、底壁部材30が着脱可能に取り付けられている。
図2及び
図5に示すように、底壁部材30は、第2筒体11Bの底壁に締結されかつ上方から見て第2筒体11Bの貫通孔11Kと重なる部分に貫通孔31Aが形成された取付板31と、取付板31の上面に取り付けられたメッシュ部材33及びシャッター部材37と、を有する。なお、取付板31の貫通孔31Aは、第2筒体11Bの貫通孔11Kよりも断面が僅かに大きく、径が均一になっている。この貫通孔31Aには、内径が下方へ向かうにつれて僅かに窄まっている排出ノズル39が取り付けられている。また、取付板31には、上面に、メッシュ部材33及びシャッター部材37を受容するための凹部が形成されている。
【0016】
図6には、メッシュ部材33が示されている。メッシュ部材33は、取付板31の貫通孔31Aに上方から重なる角板33Aとその一角から外方に延びる帯板33Bとを一体に備えている。また、メッシュ部材33には、帯板33Bのうち角板33Aと反対側の端部に、メッシュ部材33を振動させる振動子35(
図5参照)が取り付けられている。
【0017】
角板33Aには、粉粒体が通過可能な粉粒体通過孔34が複数貫通形成されていて、これら粉粒体通過孔34から、粉粒体供給装置10の粉粒体排出口20が構成される。ここで、本実施形態の粉粒体供給装置10では、粉粒体通過孔34として大きさの異なる大通過孔34Aと中通過孔34Bと小通過孔34Cとが設けられている。大通過孔34Aは、角板33Aにおける取付板31の貫通孔31A(
図8参照)と重なる部分のうち帯板33Bと反対側の1/3程の領域を貫通してなり、貫通孔31Aの外縁に沿った円弧部34A1と円弧部34A1の両端を連絡する直線部34A2とを外縁に有する。中通過孔34Bは、断面正方形状をなし、大通過孔34Aの直線部34A2の隣にその直線部31A2に沿って6つ並んでいる。小通過孔34Cは、断面が、中通過孔34Bを9等分した程の大きさの正方形状で、角板33Aのうち取付板31の貫通孔31A(
図8参照)と重なる部分の残りの部分を埋めるように複数形成されている。
【0018】
小通過孔34Cは、粉粒体同士が付着(架橋)して形成された粉粒体アーチにより閉塞されると共に、その粉粒体アーチが崩れた状態で粉粒体が通過可能な大きさになっている。即ち、小通過孔34Cの大きさは粉粒体の大きさの少なくとも数倍から十数倍になっている。小通過孔34Cは、常には、粉粒体アーチにより閉塞されていて、粉粒体が排出されないが、振動子35によりメッシュ部材33が振動すると、その振動により粉粒体アーチが崩れて、粉粒体を排出可能となる。
【0019】
中通過孔34Bは、粉粒体の種類によって、粉粒体アーチにより閉塞される場合もあるし、粉粒体アーチが形成されず、次に詳述するシャッター部材37により開放されていれば、常時、粉粒体を排出する場合もある。大通過孔34Aは、粉粒体アーチが形成されず、シャッター部材37により開放されていれば、常時、粉粒体を排出する。
【0020】
図7には、シャッター部材37が示されている。シャッター部材37は、帯状の平板で、その下面には、長手方向に延びたスライド溝37Aが形成されている。また、シャッター部材37の一端は、半円弧状になっていて、その端面は、下方に向かうにつれて他端側に近づくように傾斜している。また、シャッター部材37の他端部には、長手方向で並んだ2つの貫通孔37Bが形成されている。
【0021】
図5に示すように、シャッター部材37は、その長手方向と、メッシュ部材33の帯板33Bが延びる方向とが一致するように、かつ、半円弧状の一端部がメッシュ部材33の角板33Aの下方近傍に位置し、他端部が帯板33Bと反対側に位置するようにして、メッシュ部材33の下方に、メッシュサポート38(
図9参照)を挟んで配されている。
図9に示すように、メッシュサポート38には、取付板31の貫通孔31Aと略同径の開口38Aが形成されている。また、
図2及び
図5に示すように、取付板31には、メッシュ部材33の外方に、シャッター部材37に上方から当接するシャッター押さえ板36が固定されている。
【0022】
シャッター部材37の貫通孔37Bには、シャッター部材37を長手方向で直動させるスライダ(図示せず)が連結されている。また、
図2に示すように、取付板31には、シャッター部材37のスライド溝37Aと係合する係合ピン31Tが備えられていて、この係合ピン31Tがスライド溝37Aの端部に当接することで、シャッター部材37のスライド範囲が定められる。
【0023】
図8に示すように、係合ピン31Tがスライド溝37Aの一端側の端部に当接しているときは、シャッター部材37は、取付板31の貫通孔31Aと重なっておらず、全ての粉粒体通過孔34が開放された状態となっている(即ち、粉粒体排出口20が全開状態となっている)。そして、シャッター部材37が、取付板31の中央側へスライドすると、大通過孔34A側から順に閉塞されていき、係合ピン31Tがスライド溝37Aの他端側の端部に当接すると、シャッター部材37は、取付板31の貫通孔31Aの全体と重なり、全ての粉粒体通過孔34が閉塞された状態となる(即ち、粉粒体排出口20が全閉状態となる)。つまり、シャッター部材37は、全開状態と全閉状態との間で、粉粒体排出口20の開閉度を段階的に変化させることが可能である。また、粉粒体排出口20を全開状態から全閉状態にするときは、大通過孔34A側から順に閉塞されていく。
【0024】
ところで、粉粒体収容器11内の粉粒体には、上方の粉粒体による圧力(粉粒体圧)がかかる。そのため、例えば、
図2の高さAまで粉粒体が収容されている場合と、高さBまで粉粒体が収容されている場合とでは、段差面12D付近の粉粒体にかかる粉粒体圧が異なり、バッフル体15の下面と段差面12Dとの間での粉粒体山の形成されやすさ、及び、小径収容部12Bへの粉粒体の流入量が異なる。即ち、粉面の高さが高いほど、段差面12D付近の粉粒体にかかる粉粒体圧が大きくなり、小径収容部12B側へ押されやすくなるので、小径収容部12Bへの粉粒体の流入量が増加する。そして、小径収容部12Bへの粉粒体の流入量が増加するので、シャッター部材37の開閉度と振動子35の振動の強さとが同じであっても、粉粒体の排出量も増加する。つまり、粉粒体収容器11内の粉粒体の残量によって、粉粒体の排出速度が変化してしまうので、粉粒体収容器11内の粉粒体の残量が多い状態で粉粒体を少量排出したいときに粉粒体が勢いよく排出されて必要量を超えてしまったり、粉粒体収容器11内の粉粒体の残量が少ない状態で粉粒体を大量に排出したいときに、想定以上に時間がかかってしまったりすることが考えられる。
【0025】
特に、粉粒体のかさ密度が高いほど、1粒子当りの重量が大きくなり、必要量に対する粒子数の許容範囲が狭くなるので、より微少量での排出が必要となる。たとえば、粉粒体が1mm3の大きさとしたとき、高精度な自動計量で秤量精度±0.003gを求める場合、粉粒体のかさ密度が1.0とすると、粉粒体1mm3分の重さは0.001gとなり、誤差を6粒子以内に納める必要がある。これに対し、粉粒体のかさ密度が0.25とすると、粉粒体1mm3分の重さは0.00025gとなり、誤差を24粒子以内に納めればよい。一方、粉粒体のかさ密度が3.0とすると、粉粒体1mm3分の重さは0.003gとなり、誤差を2粒子以内に納めなければならない。
【0026】
これに対して、本実施形態の粉粒体供給装置10では、
図2に示すように、蓋体11Cの上面にレーザーセンサ25が設けられている。レーザーセンサ25は、下方へ向けてレーザーを照射し、粉粒体収容器11に収容されている粉粒体の粉面の高さを計測する。そして、その計測結果により回転駆動シャフト14Aの回転速度を変化させることで(例えば、粉粒体の残量が減ったら回転駆動シャフト14Aの回転を速くしたり、粉粒体が補充されたら回転駆動シャフト14Aの回転を遅くしたり等)、粉粒体の排出速度を想定に近づけることができる。
【0027】
なお、粉面の高さにより手動で回転駆動シャフト14Aの回転速度を変更する構成であってもよいし、粉面の高さと回転駆動シャフト14Aの回転速度との制御データを設定しておき、自動制御する構成であってもよい。この場合、かさ密度が異なる粉粒体の種類ごとにデータをとって、制御データを作成することが好ましい。また、粉面の高さによって振動子35の振動強度を変えることで排出量を変更する構成であってもよい。
【0028】
本実施形態の粉粒体供給装置10の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の作用効果について説明する。まず、シャッター部材37を全閉状態にし、ホッパ50から粉粒体を粉粒体収容器11に供給し、供給モータ14を駆動する。すると、粉粒体がバッフル体15の下端部と第2筒体11Bの内周面との間の環状空間からバッフル体15の下側へ流下し、小径収容部12Bへ流れ込む。このとき、直線羽16や湾曲羽18が回転して粉粒体を撹拌するので、粉粒体が固まったり、詰まったりすることが防がれ、粉粒体を安定して流下させることができる。
【0029】
小径収容部12Bへ流れ込んだ粉粒体は、メッシュ部材33又はシャッター部材37上に堆積する。詳細には、メッシュ部材33の小通過孔34C(又は、小通過孔34C及び中通過孔34B)は、粉粒体同士が付着して形成される粉粒体アーチによって閉塞されるため、その上に粉粒体が堆積し、大通過孔34Aは、粉粒体アーチによって閉塞されないため、中通過孔34B及び大通過孔34A(又は、大通過孔34A)を通過した粉粒体がシャッター部材37上に堆積する。そして、シャッター部材37を開くと共に、振動子35を作動させると、中通過孔34B及び大通過孔34A(又は、大通過孔34A)を通過する粉粒体が粉粒体排出口20から排出されるとともに、小通過孔34C(又は、小通過孔34C及び中通過孔34B)上の粉粒体アーチが外力を受けて崩され、その粉粒体アーチを形成していた粉粒体が小通過孔34C(又は、小通過孔34C及び中通過孔34B)を通過し、粉粒体排出口20から下方に排出される。小通過孔34C(又は、小通過孔34C及び中通過孔34B)には、すぐに新たな粉粒体アーチが形成されて再び閉塞される。
【0030】
一旦粉粒体アーチが崩れて再度形成されるまでに小通過孔34C(又は、小通過孔34C及び中通過孔34B)から流出する粉粒体の量は極微量であるので、小通過孔34C(又は、小通過孔34C及び中通過孔34B)からは、微少量ずつの粉粒体を供給することができる。また、振動子35の振動を強くすると、粉粒体アーチが崩れるペースを速くすることができるので、粉粒体の排出速度を速くすることができる。一方、中通過孔34B及び大通過孔34A(又は、大通過孔34A)からは、小通過孔34C(又は、小通過孔34C及び中通過孔34B)に比べて、大量の粉粒体を供給することができる。
【0031】
ここで、本実施形態の粉粒体供給装置10では、粉粒体排出口20を開閉するシャッター部材37が備えられていて、複数の粉粒体通過孔34の開閉度を段階的に変化させることが可能なので、粉粒体の排出量を調整することが可能である。しかも、全開状態からシャッター部材37をスライドさせて粉粒体排出口20を閉じ始めると、大通過孔34Aから先に閉じていき、全閉に近い状態になると、小通過孔34Cのみが開放された状態になるので、粉粒体を微少量ずつ供給することが可能となる。
【0032】
ところで、粉粒体収容器11内の粉粒体には、粉粒体圧がかかるため、粉粒体収容器11内の粉粒体量が、粉粒体排出口20からの排出によって減少したり、補充によって増加したりすると、粉粒体排出口20付近の粉粒体にかかる粉粒体圧が変化し、振動子35の振動が一定であっても、粉粒体排出口20からの排出量が変化すると考えられる。これに対して、本実施形態の粉粒体供給装置10では、粉粒体収容器11に収容されている粉粒体の粉面の高さを計測するレーザーセンサ25を有しているので、その計測結果により回転駆動シャフト14Aの回転速度を変化させることで粉粒体の排出速度を想定に近づけることができる。なお、振動子35の振動の強さを変化させる構成であってもよい。また、粉粒体収容器11内の、粉粒体補充タイミング粉面高さを決めて置き、所望する粉面の高さで、信号を出力する構成であってもよい。
【0033】
上述した粉粒体供給装置10によって所定量、例えば100gの粉粒体をひょう量精度±0.01gを求めて、容器210に量り取る場合には、以下のように操作する。まず、制御側で落差補正0.01g(粉粒体が粉粒体排出口20全閉後の、粉粒体容器210の充填された粉粒体上に着底するまでの空中浮遊重量)を入力し、容器210を計量器100の計量皿101に載置し、風袋引きを行う(表示をゼロにする)。
【0034】
計量値が100gの手前となる95g程度までは、粉粒体排出口20を全開状態にするとともに回転駆動シャフト14Aの回転速度及び振動子35の強度を比較的大きくして、粉粒体の排出量を多くする。そして、計量値が95gを超えると、粉粒体排出口20を徐々に閉じていき、100gの手前になったときには、小通過孔34Cのみが開放された状態にし、回転駆動シャフト14Aの回転速度及び振動子35の強度を比較的小さくするか、または振動子35をON・OFFし、インチング運転をする。このとき、粉粒体収容器11に収容されている粉粒体の粉面が高い程、回転駆動シャフト14Aの回転速度及び振動子35の強度を小さくすることが好ましい。この状態で、計量器100の値を確認しながら粉粒体を微少量ずつ供給する。そして、計量値が100g手前の落差補正0.01gに達したときに粉粒体排出口20を全閉状態にするとともに回転駆動シャフト14Aの回転速度及び振動子35の振動を停止する。その後、計量器100の表示値を読み取り、ひょう量精度内であれば落差補正はそのままとする。ひょう量精度をオーバーした場合は、オーバーした重量から0.02gをマイナスした値を、落差補正値として再入力する。
【0035】
このように、本実施形態の粉粒体供給装置10によれば、微少量の粉粒体を供給することができ、上述したようにひょう量精度に対して微少量の供給で粉粒体を正確に量り取ることができる。しかも、回転駆動シャフト14Aの回転速度や振動子35の強度の調整だけでなく、粉粒体排出口20の開閉度も変化させることができるので、粉粒体の排出速度をより広範囲で変化させることができる。さらに、粉粒体アーチが形成される小通過孔34C(又は、小通過孔34C及び中通過孔34B)に加えて、粉粒体アーチが形成されない中通過孔34B及び大通過孔34A(又は、大通過孔34A)も設けられているので、供給し始め(目標量に遠いとき)には、大量の粉粒体を排出可能となり、目標量の粉粒体を正確かつ速やかに量り取ることができる。
【0036】
なお、計量器100の計量値をフィードバックするプログラムを設ければ、目標量をセットすると、計量器100の計量値と、レーザーセンサ25の計測値と、から、シャッター部材37のスライダ(図示せず)と供給モータ14と振動子35とを正確に自動制御できる。
【0037】
[変形例]
(1)メッシュ部材33は、
図10に示されるメッシュ部材33W,33Zのように、粉粒体通過孔34の大きさが異なるものを用いてもよい。また、粉粒体の性質(粒径や凝集性)等によって、粉粒体アーチが形成可能な粉粒体通過孔34の大きさが異なるので、粉粒体通過孔34の大きさが異なる複数のメッシュ部材から適したものを選んで取り換えてもよい。
【0038】
(2)直線羽16は、
図11(A)に示す直線羽16Zのように、上方へ起立した起立部16Kを有するものを用いてもよい。この場合、大径収容部12A内の粉粒体を攪拌したり、大径収容部12Aの内周面に付着した粉粒体を削ぎ落とすことができる。また、湾曲羽18は、
図11(B)に示す湾曲羽18Zのように、回転方向に湾曲していてもよい。
【0039】
[第2実施形態]
図12から
図16には、第2実施形態の粉粒体供給装置60が示されている。本実施形態の粉粒体供給装置60は、上記第1実施形態の粉粒体供給装置10と、粉粒体アーチに外力を付与する機構が異なっている。以下、上記第1実施形態と同じ構成の部位については同じ符号を付して説明は省略し、異なる点に関してのみ説明する。
【0040】
図12及び
図13に示すように、本実施形態のスクレーパ61は、上記第1実施形態のスクレーパ17Aと同様、回転駆動シャフト14Aの中心とずれた位置で直線羽16と平行に延びる上辺部61Aと、上辺部61Aの両端から下方に延びる第1及び第2の垂下部61B,61Cと、を有する。第1の垂下部61Bは、小径収容部12Bの内側面寄り位置で、小径収容部12Bの下端寄り位置まで延びている。スクレーパ61が回転すると、第1の垂下部61Bは、小径収容部12Bの内周面近傍を旋回する。これにより、小径収容部12Bの内周面に静電気等により付着した粉粒体を削ぎ落とすことができる。
【0041】
ここで、本実施形態では、第2の垂下部61Cが、第1の垂下部61Bよりも下方まで延びていて、メッシュ部材62に近接している。詳細には、
図13(A)に示すように、第2の垂下部61Cは、上辺部61Aから鉛直下方に垂下したのち、第1の垂下部61Bに近づくように斜めに延びていて、下端部に、横方向に延びた旋回帯61Dを備えている。
図13(B)に示すように、旋回帯61Dは、小径収容部12Bの中心部から内側面寄り位置まで径方向に延びていて、旋回方向に対して旋回帯61Dの前端縁側が後端縁側より上方となるように傾斜する迎角を有している。
【0042】
スクレーパ61が回転すると、旋回帯61Dは、メッシュ部材62のうち小径収容部12Bと重なる部分の略全体を通過するように、メッシュ部材62上を旋回し、小径収容部12B内の粉粒体を下側(メッシュ部材62側)に押し付け、メッシュ部材62上の粉粒体に外力を付与する(
図14参照)。これにより、小通過孔34C(又は、小通過孔34C及び中通過孔34B)を閉塞する粉粒体アーチが崩れ、粉粒体が小通過孔34C(又は、小通過孔34C及び中通過孔34B)から排出される。
【0043】
また、本実施形態では、振動子35を設ける必要がないので、
図15に示すように、メッシュ部材62が角板のみから構成されている。本実施形態においても、通過孔の大きさが異なる複数のメッシュ部材を複数準備し(
図16参照)、粉粒体に合わせて適したものを選んで取り換えてもよい。
【0044】
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、回転駆動シャフト14Aの回転速度とスクレーパ61の旋回速度と粉粒体排出口20の開閉度とを変更することにより、粉粒体の排出速度をより広範囲で変化させることができ、目標量の粉粒体を正確かつ速やかに量り取ることができる。
【0045】
[第3実施形態]
図17及び
図18には、第3実施形態の粉粒体供給装置65が示されている。以下、本実施形態の粉粒体供給装置65について、上記実施形態と同じ構成の部位については同じ符号を付して説明は省略し、異なる点に関してのみ説明する。
【0046】
図17に示すように、本実施形態の粉粒体供給装置65の粉粒体収容器66は、鉛直方向に延びる鉛直管66Aと、鉛直管66Aの軸方向に対して傾斜し、下端部が、鉛直管66Aの下端寄り位置に接続した傾斜管66Bと、からなる枝分かれ構造をなしている。傾斜管66Bには、粉粒体を補給するためのホッパ67が取り付けられていて、鉛直管66Aには、スクレーパ68等を備えた回転駆動シャフト14Aが収容されている。また、鉛直管66Aの下端には、底壁部材69が取り付けられている。底壁部材69には、下窄みの排出ガイド部69Aが形成されている。
【0047】
同図に示すように、本実施形態の回転駆動シャフト14Aには、上端寄り位置からスクレーパ68寄り位置まで延びた旋回脚部14Bが取り付けられている。また、
図18に示すように、本実施形態のスクレーパ68は、回転駆動シャフト14Aから径方向の両方に水平に延びた一対の帯板68Aと、一対の帯板68Aのうち一方の帯板68Aの一側辺から垂下した第1垂下壁68Bと、他方の帯板68Aのうち、一方の帯板68Aの一側辺と点対称に位置する側辺から垂下した第2垂下壁68Cと、を有する。第1垂下壁68Bと第2垂下壁68Cとは、共に、鉛直に垂下したのち、内側に折れ曲がっていて、その折れ曲がり部の高さは、第1垂下壁68Bが、第2垂下壁68Cよりも高くなっている。また、第1垂下壁68Bの下端部には、第2垂下壁68C側へ延びた延長部68B1が設けられている。第1垂下壁68B及び第2垂下壁68Cの下端は、矩形波状に形成されている。
【0048】
なお、
図18に示すように、本実施形態では、供給モータ14は、フランジ部14Fがねじ止めされることで、粉粒体収容器66に固定されている。詳細には、フランジ部14Fには、大径孔14D1と、大径孔14D1の直径より幅が小さい長孔14D2と、からなるダルマ穴14Dが形成されている。また、粉粒体収容器66の上端部には、ネジ66Nが予め緩めに取り付けられている。供給モータ14を取り付ける際は、まず、ダルマ穴14Dの大径孔14D1がネジ66Nの頭を通過するようにして、供給モータ14を粉粒体収容器66の上端部に載置する。そして、ネジ66Nが長孔14D2の先端部に配されるように、供給モータ14を回転させ、ネジ66Nを締める。供給モータ14を外すときは、ネジ66Nを少し緩め、ネジ66Nの頭と大径孔14D1とが重なるように供給モータ14を回転させて、取り外す。このように、本実施形態によれば、例えば、供給モータ14を交換、点検、清掃などのために取り外し、再び取り付けるという工程において、ネジ66Nの締結作業を省力化することができる。底壁部材69はダルマ穴の方向が逆であるが、同様にネジの締結作業を省力化することができる。
【0049】
[変形例]
(1)
図19に示すように、鉛直管66Aにホッパ67(図示しないホッパー内ブリッジブレーカ、及び鉛直管内壁旋回脚部付き)が取り付けられ、傾斜管66Bに回転駆動シャフト14Aが収容されていてもよい。この場合、回転駆動シャフト14Aの傾斜に合わせてメッシュ部材62も傾斜するように構成する。本変形例によれば、ホッパ67から補給された粉粒体が鉛直下方に落下するので、粉粒体の流動性が悪くても、粉粒体が粉粒体排出口20へ向けて流動しやすくなる。
【0050】
(2)
図20に示すように、傾斜管66Bの代わりに、鉛直管66Aと直交する水平管66Cを有してもよい。本変形例では、鉛直管66Aにホッパ67が取り付けられ、鉛直管66Aを通過した粉粒体が、水平管66Cの一端に取り付けられた底壁部材69の粉粒体排出口20から排出される。鉛直管66Aには、メッシュ部材62の表面上を旋回するスクレーパ68を備えた回転駆動シャフト14Aが収容されていて、回転駆動シャフト14Aには、回転駆動シャフト14Aと共に回転し、鉛直管66Aを通過した粉粒体を粉粒体排出口20側へ送る螺旋羽根14Rが取り付けられている。
【0051】
[第4実施形態]
図21には、第4実施形態の粉粒体供給装置70が示されている。粉粒体供給装置70は、ホッパと粉粒体収容器とが一体になった構成となっている。以下、詳細を説明する。
【0052】
同図に示すように、粉粒体供給装置70は、逆円錐形状の漏斗部70Aと、漏斗部70Aの下端部から鉛直下方に延びる円筒部70Bと、を有し、円筒部70Bの下端に、底壁部材69が取り付けられている。漏斗部70Aの上端部には蓋体70Cが設けられ、この蓋体70Cに、供給モータ14が固定されている。供給モータ14から垂下する回転駆動シャフト14Aは、漏斗部70Aと円筒部70Bとの中心軸上を挿通していて、回転駆動シャフト14Aのうち、円筒部70B内に収容されている部分には、粉粒体を下方に送る螺旋羽根14Rが取り付けられている。
【0053】
[第5実施形態]
本実施形態は、第1~第4の実施形態の粉粒体供給装置の粉粒体収容器を計量器100上に載置し、その減少量を粉粒体の供給量とする減算式供給量計量装置300である。
図22には、第1実施形態の粉粒体収容器11を用いたものが例示されている。
【0054】
図22(A)に示すように、本実施形態では、計量器100上に、横長の長方形板状のベース301が設置されている。ベース301は、上方から見たときに、長手方向の中央部が計量器100と重なるように配され、その両側方部は、計量器100からずれている。粉粒体収容器11は、このベース301の一端に配され、ベース301には、粉粒体収容器11の粉粒体排出口20に合わせた貫通孔301Aが形成されており、粉粒体排出口20から排出された粉粒体がその下方に配された容器210(
図1参照)に供給される。換言すれば、粉粒体収容器11は、容器210の載置スペースを確保するために、計量器100からずれた位置に配される。なお、図中の符号37Sは、シャッター部材37(
図8等参照)を直動させる直動スライダである。
【0055】
ベース301のうち、粉粒体収容器11と反対側の端部には、カウンターウエイト302,303が備えられている。このカウンターウエイト302,303は、粉粒体収容器11を計量器100からずらして(オーバーハングさせて)配置したことによる計量器100の偏置誤差(被計量物を、計量皿の中央に載置したときと任意の位置に載置したときとの差)を解消するためのものである。
【0056】
ここで、粉粒体収容器11から粉粒体が排出されることにより粉粒体収容器11の重量が減少すると、偏置誤差により計量器100の計量値に誤差が生じる。
【0057】
これに対して、本実施形態の減算式供給量計量装置300では、カウンターウエイト302,303として、固定式の固定カウンターウエイト303と、移動式の移動カウンターウエイト302とを設け、粉粒体収容器11の粉粒体排出に合わせて移動カウンターウエイト302を移動させることで、その誤差を補正することが可能になる。
【0058】
詳細には、
図22(A)に示すように、ベース301の下面に固定カウンターウエイト303が配され、ベース301の上面に移動カウンターウエイト302が配されている。移動カウンターウエイト302は、ベース301の上面に固定された直動スライダ302Sにより、同図における2点鎖線の位置(以下、「第1位置」とする)と、実線の位置(以下、「第2位置」とする)との間を、ベース301の長手方向に直動する。移動カウンターウエイト302は、以下のようにして可動される。
【0059】
(1)粉粒体収容器11が空の状態で、移動カウンターウエイト302を第1位置に配置し、計量器100の中心線上に、等辺アングル鋼の直角部を上にして、直角部を合わせて置く。次に、等辺アングル鋼の直角部に、ベース301の中心線を合わせ置き、ベース301上の、全ての部品の重心が取れる様に、固定カウンターウエイト303の重量を調整して、左右のバランスを取り重心線とする。そして、等辺アングル鋼を取り外し、ベース301の重心線を、計量器100の中心線に合わせ、計量器100上に載せる。それから、計量器100の風袋引きを行う(表示をゼロにする)。
【0060】
(2)そして、予め重量を量っておいた粉粒体を、粉粒体収容器11に投入して粉粒体で満たし、計量器100の表示を読み取る。予め重量を量っておいた粉粒体の重量と表示値の差が偏置誤差となる。予め重量を量っておいた粉粒体の重量と、表示値が許容範囲に収まるように、移動カウンターウエイト302を移動して、前進端の第2位置を設定する。
【0061】
(3)粉粒体の排出時には、(1)の原点位置と(2)の位置との間の長さと、粉粒体収容器11が空の状態と粉粒体で満たされた状態との計量値の差(つまり、粉粒体収容器11を粉粒体で満たしたときの粉粒体の量)と、の比に基づき、計量器100の計量値の変化(つまり、粉粒体の排出量)に合わせて、カウンターウエイト302を原点に向けて移動させる。なお、レーザーセンサ25を設け、レーザーセンサ25により計測される粉面の高さ変化に基づいてカウンターウエイト302を移動させてもよい。
【0062】
ところで、減算式供給量計量装置300では、移動カウンターウエイト302を移動させるための直動スライダ302Sや、シャッター部材37を直動させるためのスライダ37S、供給モータ14、を駆動制御するための制御装置304が、計量器100の負荷を減らすために、ベース301の外に配されている。
【0063】
ここで、外部の制御装置304と直動スライダ302S等とを直接配線ケーブルでつなぐと、その配線ケーブルの剛性により、計測値に誤差が生じる。
【0064】
これに対して、本実施形態の減算式供給量計量装置300では、
図22(B)に示すように、制御装置304と直動スライダ302S等との接続を、中継部305が介している。中継部305は、ベース301上に固定された装置側中継ターミナル306と、ベース301の外に配された外部側中継ターミナル307と、逆やじろべえ形状の渡り端子308と、を有している。
【0065】
図23(A)に示すように、装置側中継ターミナル306と外部側中継ターミナル307とは、ともに、土台306D,307Dと、土台306D,307D上の絶縁体ベース306E,307Eと、絶縁体ベース306E,307Eに固定された受け端子306F,307Fと、を有している。受け端子306F,307Fは、伝導性であり、円筒部306F1,307F1と、円筒部306F1,307F1の上面を上方へ膨出してなる膨出部306F2,307F2と、有した形状をなす。装置側中継ターミナル306の受け端子306Fは、配線ケーブル306Aにより直動スライダ302S、スライダ37S及び供給モータ14、と接続されていて、外部側中継ターミナル307の受け端子307Fは、配線ケーブル307Aにより制御装置304と接続されている。
【0066】
渡り端子308は、伝導性の帯板部材であり、両端部に、上方に膨出し、受け端子306F,307Fの膨出部306F2,307F2を受容する受容部308Aが形成されていて、受け端子306F,307Fの間に架け渡される。また、渡り端子308の中央部には、ウエイト308Bが設けられていて、受容部308Aが下方へ付勢され、受け端子306F,307Fの膨出部306F2,307F2との接触状態が保たれる。渡り端子308が左右対称であれば、重心は逆やじろべえのウエイト308Bにある。受け端子306Fと307Fが水平な場合、渡り端子308の重量は受け端子306Fと307Fの双方に均等に掛かる。受け端子306Fと307Fに高低差がある場合は、渡り端子308の重量は低い方に多く掛かるが、低い方に掛かる重量は常に一定となる。
【0067】
これら渡り端子308、受け端子306F,307F、配線ケーブル306A,307Aによって、直動スライダ302S、スライダ37S及び供給モータ14が、制御装置304と接続され、電力及び信号を受け、制御される。なお、
図24に示すように、装置側中継ターミナル306、外部側中継ターミナル307及び渡り端子308は、機器ごとに設けられ、渡り端子308同士が平行に並ぶように配されている。これにより、渡り端子308の自重は受け端子306F,307Fの両方の接点に掛かる。
【0068】
このように、本実施形態では、可動する直動スライダ302S、スライダ37S及び供給モータ14に接続する配線ケーブル306Aは、ベース301上の装置側中継ターミナル306に接続されている。装置側中継ターミナル306と外部側中継ターミナル307との間は、帯板状の渡り端子308により接続されているので、306と307を配線ケーブルで直接接続する一般的な配線方式に対して、配線ケーブルの剛性による受ける影響がなく、計量器100の計量値を安定的させることができる。
【0069】
[変形例]
(1)渡り端子308は、
図25及び
図26に示すように、線状部材又は帯板状部材を下方へ屈曲させた逆やじろべえ形状の構成であってもよい。また、
図25及び
図26に示す例では、受け端子306F,307Fに凹部が形成されていて、渡り端子308に形成された突出部を受容することで、受け端子306F,307Fと渡り端子308とが接触して電気的に接続される。
【0070】
(2)
図27に示すように、受け端子306F,307Fの上面が平坦で、この平坦面に渡り端子308が接触する構成であってもよい。
【0071】
(3)
図28に示すように、渡り端子308にピン孔308Pが形成され、受け端子306F,307Fの上面にピン孔308Pに受容されるピン306P,307Pが形成された構成で、長手方向の移動を規制する形であってもよい。
【0072】
(4)
図29に示すように、渡り端子308は、一方の受け端子(例えば、装置側中継ターミナル306の受け端子306F)とは、導電性の蝶番308Tにより固定され、他方の受け端子(例えば、外部側中継ターミナル307の受け端子307F)とは接触により電気的に接続される構成であってもよい。なお、蝶番308Tのヒンジ部308T1には、クリアランスを埋めるように導電性グリスを塗布することが好ましい。
【0073】
(5)
図30に示す変形例では、ベース301上に、装置側中継ターミナル306と接続されるネジ式端子台310が配され、ベース301の外に、外部側中継ターミナル307と接続されるネジ式端子台310が配される。ネジ式端子台310には出力端子310Sが設けられ、この出力端子310Sと装置側中継ターミナル306及び外部側中継ターミナル307との間は、配線ケーブル310Aによって接続されている。ネジ式端子台310同士の間は、柔軟被覆軟銅より線311により接続される。詳細には、柔軟被覆軟銅より線311の両端に、圧着端子311Aが設けられ、この圧着端子311Aが出力端子310Sと共に、ネジ式端子台310にネジ310Nで共締めされることにより、柔軟被覆軟銅より線311が、両方のネジ式端子台310の出力端子310Sと接続される。ネジ式端子台310同士が水平な場合、柔軟被覆軟銅より線311を鉛直方向に取り付ければ、その重量は受けネジ式端子台310の双方に均等に掛かる。ネジ式端子台310に高低差がある場合は、柔軟被覆軟銅より線311の重量は長さの差分だけ高い方に多く掛かるが、高い方に掛かる重量は常に一定となる。この場合、柔軟被覆軟銅より線311に多少の剛性が有っても剛性の力は水平方向に作用する為、重力方向には影響がないので計量器100の計量値を安定的させることができる。
【0074】
[第6実施形態]
本実施形態は、第5実施形態の減算式供給量計量装置300に、加圧エア、油圧用オイル、水等の流体を流したり、真空引きを行うための配管315が接続された構成になっている。詳細には、
図31に示すように、ベース301上に装置側マニホールド312が配され、ベース301の外に、外部側マニホールド313が配されている。装置側及び外部側のマニホールド312,313は、2つの開口312A,313Aから延びる通路が内部で連絡した構成であり、装置側マニホールド312と外部側マニホールド313とは、一の開口312A1,313A1同士が、エルボロータリジョイント継手314と、配管315と、によって接続されている。エルボロータリジョイント継手314には、内部にベアリング314Aが設けられていて、係止ねじ部中心線に対して360°回転できる。
【0075】
そして、外部側マニホールド313の他の開口313A2がコンプレッサ等の流体機器に配管313Pを介して接続され、装置側マニホールド312の他の開口312A2が例えば粉粒体収容器11や水や油圧用オイルを用いる機器等必要に応じた器具と配管312Pを介して接続される。
【0076】
このような構成によれば、配管315,312P,313P内を流体が流れても、エルボロータリジョイント継手314のベアリング314Aが回転することにより、配管315の剛性が計量器100の計量値へ及ぼす影響は、エルボロータリジョイント継手314のベアリング314Aの回転抵抗分と成る。直接配管では重量が量れないのに対して、重量誤差を少なくすることができ、計量器100の計量値が安定する。
【0077】
[変形例]
(1)
図32に示すように、エルボロータリジョイント継手314を複数用い、装置側マニホールド312と外部側マニホールド313との間を複数個所で屈曲させた構成としてもよい。この場合、配管部材の重量はXYZ方向に設けられたエルボロータリジョイント継手314により配管の剛性が打ち消され、装置側マニホールド312と外部側マニホールド313に掛かる重量は一定化される。直接配管では重量が量れないのに対して、重量誤差を少なくすることができ、計量器100の計量値が安定する。
【0078】
[第7実施形態]
図33~35に基づいて、第7実施形態の減算式供給量計量装置350について説明する。
図33に示すように、減算式供給量計量装置350は、計量器100上に粉粒体収容器351を固定してなる。粉粒体収容器351は、角筒と半割した円筒とを合わせた形状をなし、その円筒面351Aが下方を向くように配されている。
図34に示すように、粉粒体収容器351内には、水平方向に延びた回転軸を中心に回転する回転アーム355が配されていて、粉粒体収容器351の内面に付着する粉粒体を削ぎ落す。
【0079】
粉粒体収容器351の下方には、円筒面351Aを有する架空の円筒の軸方向に延びた粉粒体通路352が配されていて、この粉粒体通路352と粉粒体収容器351とは連通している。粉粒体通路352は、上方から見て計量器100より外方の位置まで延びていて、その端部に、排出用収容器360が配されている。また、粉粒体通路352内には、螺旋羽根353が配され、粉粒体収容器351から粉粒体通路352に落下した粉粒体は、螺旋羽根353の回転により排出用収容器360側へ送り込まれる。
【0080】
同図に示すように、排出用収容器360は、円筒状をなし、第3実施形態の粉粒体供給装置65の粉粒体収容器66(
図17参照)と同様に、下端に、下窄みの排出ガイド部361Aが形成された底壁部材361が取り付けられている。また、排出用収容器360の中央には、モータ362に駆動される回転駆動シャフト362Aが配され、この回転駆動シャフト362Aの下端部には、スクレーパ363が設けられている。なお、本実施形態のスクレーパ363は、第3実施形態のスクレーパ68と同一形状である。また、本実施形態では、第3実施形態と同様に、回転駆動シャフト362Aに、旋回脚部362Bが設けられている。
【0081】
図35に示すように、底壁部材361は、上記実施形態の底壁部材69と同様に、メッシュ部材364及びシャッター部材366を有している。
【0082】
図33及び
図34に示すように、本実施形態では、計量器100上にカウンターウエイト370が配されている。このカウンターウエイト370は、固定されていてもよいし、第6実施形態と同様に可動されてもよい。また、本実施形態の減算式供給量計量装置350には、第6実施形態の中継部305と同様の中継部375が設けられている。
【0083】
[第8実施形態]
図36に基づいて、第8実施形態の供給量計量装置450について説明する。
図36に示すように、減算式供給量計量装置450は、計量器100上に粉粒体収容器451を固定してなる。粉粒体収容器451は有底の円筒状をなし、粉粒体収容器451には、その下端外縁の一部から斜め下方に延びたシュート452が接続されている。シュート452は上方から見て計量器100より外方の位置まで延びていて、その端部に、第7実施形態と同様に、排出用収容器360が配されている。
【0084】
粉粒体収容器451内には、モータ453Mによって駆動されて底面上を回転する回転テーブル453が配されている。回転テーブル453は、水平方向に延びた円板状で粉粒体収容器451の中心軸を中心に回転し、粉粒体収容器451内の粉粒体を周方向に移送する。また、粉粒体収容器451内のうちシュート452の入口近傍には、排出スクレッパー454が配されている。排出スクレッパー454は、回転テーブル453の回転により移送された粉粒体を受け止めてシュート452へ案内する。そして、シュート452を通過した粉粒体は排出用収容器360へ供給される。なお、排出スクレッパー454は回動軸454J中心に回動し、角度を変えられる構成になっている。
【0085】
なお、シュート452を有さず、粉粒体収容器451から排出用収容器360へ粉粒体が直接供給される構成であってもよい。また、本実施形態の減算式供給量計量装置450も、第7実施形態の減算式供給量計量装置350と同様に、計量器100上にカウンターウエイト370を備える構成としてもよい。そのカウンターウエイト370は、固定されていてもよいし、第6実施形態と同様に可動されてもよい。また、第6実施形態の中継部305と同様に、中継部375を備えた構成としてもよい。
【0086】
[第9実施形態]
図37,38に基づいて、第9実施形態の粉粒体供給装置500について説明する。
図37及び
図38に示すように、粉粒体供給装置500は、平行に並ぶ大径の円筒と小径の円筒とを径方向で連通させた形状の粉粒体収容器501を有している。粉粒体収容器501のうち大径の円筒部分は、上方から粉粒体を供給可能な粉粒体収容部502となっていて、粉粒体収容器501のうち小径の円筒部分は、下端部から粉粒体を排出可能な粉粒体排出部510となっている。
図37に示すように、粉粒体排出部510の下端は、粉粒体収容部502の下端よりも下方に位置している。また、粉粒体収容部502の上面は蓋体502Uにより閉塞されている。なお、粉粒体排出部510の下端は、粉粒体収容部502の下端と同じ高さであってもよい。
【0087】
粉粒体収容部502内には、モータ503Mによって駆動されて底面上を回転する回転羽根503が備えられている。
図38に示すように、回転羽根503は、粉粒体収容部502の底面の中心部から外方へ幅狭になりながら延びた略三角形状の羽根503Aを4枚有し、中心軸回りに回転する。この回転羽根503が回転すると、粉粒体収容部502内の底部の粉粒体は羽根503Aの側面に沿って外方へ向かいながら移送される。そして、粉粒体収容部502と粉粒体排出部510との連通部では、外方へ誘導された粉粒体が粉粒体収容部502から粉粒体排出部510へ移動する。なお、回転羽根503は、粉粒体収容部502の底面と当接していてもよいし、粉粒体収容部502との間にクリアランスを有していてもよい。
【0088】
ところで、
図37及び
図38に示すように、粉粒体収容部502と粉粒体排出部510との連通部には、天井部から垂下し、粉粒体収容部502の底面との間に隙間505を形成する規制壁504が設けられている。これにより、多量の粉粒体が粉粒体排出部510へ流れ込むことが防がれる。
【0089】
粉粒体排出部510は、第2実施形態の粉粒体供給装置60の粉粒体収容器11(
図12参照)と略同じ構成であり、回転駆動シャフト511、バッフル体512、直線羽513、スクレーパ514、湾曲羽515、メッシュ部材516、シャッター部材617を有している。
【0090】
なお、
図39に示すように、回転羽根503の羽根503Aを回転方向の前方へ向けて湾曲した円弧状にしてもよい。さらには、粉粒体が中心軸から外側移動する回転羽根形状であれば、他の形状としてもよい。
【0091】
[第10実施形態]
図40に基づいて、第10実施形態の粉粒体供給装置550について説明する。本実施形態の粉粒体供給装置550は、第9実施形態の粉粒体供給装置500と、粉粒体収容部502の構成が異なっている。詳細には、
図40に示すように、粉粒体収容器501のうち粉粒体収容部502の内面の上部に、雌螺子部501Aが形成されている。そして、この雌螺子部501Aに、上端部に雄螺子部551Aが形成され、粉粒体が収容されたボトル551が逆さに装着される。なお、ボトル551の装着時には、ボトル551を、開口が上に位置するように(雄螺子部551Aが上に位置するように)配し、粉粒体収容器501を、雌螺子部501Aが下に位置するように配して、両者を螺合する。そして、ボトル551及び粉粒体収容器501を反転させて使用される。
【0092】
[変形例]
図41に示すように、粉粒体収容器501のうち粉粒体収容部502の上部に、雌螺子部501Aではなく、周方向に延びた貫通孔501Bが形成されていて、その貫通孔501Bに固定具552が装着されることで、ボトル551が粉粒体収容器501に固定される構成であってもよい。
図42に示される固定具552は、金属製又は樹脂製の帯板からなり、粉粒体収容器501の円弧に沿って延びた円弧部553と、円弧部553の一端から径方向の内側へ屈曲して直線状に延びた屈曲部554と、屈曲部554の端部から外方へ折り返して屈曲部554より外方へ延びた折り返し部555と、折り返し部555の先端から略直角に屈曲して延びた持ち手部556と、を有している。
図41に示すように、屈曲部554と折り返し部555との連絡部は、他の部分より幅狭で、ボトル551の雄螺子部551Aの谷部に嵌合する嵌合部557となっている。
【0093】
固定具552は、円弧部553の他端部が粉粒体収容器501にねじ560により固定されている。固定具552は、ねじ560を起点として弾性変形し、嵌合部557がボトル551の雄螺子部551Aの谷部に押し当てられて嵌合し、ボトル551が粉粒体収容器501に固定される。ボトル551を取り外す際は、持ち手部556を外向きに引くことでボトル551との嵌合が外れ、ボトル551が取り外し可能となる。
【0094】
なお、固定具552を、ねじ560により固定するのではなく、内外方向(
図41における前後方向)にスライド可能とし、固定具552をスライドさせることにより、嵌合部557を雄螺子部551Aの谷部に嵌合させる構成としてもよい。さらに、ボトル551に、雄螺子部551A以外の嵌合手段を設けてもよい。
【0095】
上記第9実施形態における規制壁504(
図37及び
図38参照)を本実施形態の粉粒体収容器501の内壁に設け、粉粒体収容部502から粉粒体排出部510へ多量の粉粒体が流れ込むことを制御する構成であってもよい。
【0096】
[他の実施形態]
以上、本発明を具体的な実施形態、および変形例で説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々(例えば、各部の形状、動作機構、寸法、デザイン等)変更して実施することができる。
【0097】
(1)
図43(A)に示すように、メッシュ部材33,62,364(図中は、メッシュ部材62)の粉粒体通過孔34の大きさが、列毎に異なっていてもよい。
【0098】
(2)
図43(B)に示すように、メッシュ部材33,62,364(図中は、メッシュ部材62)を分割し、両者の間に直線上に延びた縦長の通過孔34Tを形成すると共に、一方の分割体を、開口34Kにメッシュ400を張り合わせた構成としてもよい。なお、メッシュ400を張り合わせた分割体は排出量に合わせて任意の位置に配されてもよい。
【0099】
(3)
図44(A)に示すように、排出量に合わせて、メッシュサポート38の開口38Aの大きさを小さくしてもよい。開口38Aの大きさを小さくした場合は、メッシュ部材33の大通過孔34Aと中通過孔34Bと小通過孔34Cを小さくした径に合わせて配置すれば、上記第1実施形態に記載の内容と同じ効果を得ることができる。
【0100】
(4)
図43(B)のメッシュ部材62を用いる際には、
図44(B)に示すように、メッシュサポート38に、メッシュ400の垂れを防止するためのリブ38Lを設けてもよい。
【0101】
(5)
図45に示すように、排出ノズル39として、先端径が異なるものを複数用意し、粉粒体が供給される容器210の口径に合わせて変換可能な構成としてもよい。また、排出ノズル39が、先端径を変更可能な構成であってもよい。
【0102】
また、
図44(A)のメッシュサポート38を用いる際に、
図45(B)又は(C)の排出ノズル39を用いてもよい。
【0103】
(6)
図46(A)に示すように、スクレーパ68の下端は、水平であってもよい。
【0104】
(7)
図46(B)に示すように、スクレーパ68の延長部68B1の下端が、基端部から先端部に向けて、上方へ傾斜していてもよい。この場合、中央部の排出量が低減される。
【0105】
(8)
図46(C)に示すように、スクレーパ68の第1垂下壁68Bの下端が外側に向かうにつれて上方へ傾斜し、第2垂下壁68Cの下端は、第1垂下壁68Bの最下端部(中央側端部)よりも上方に位置していてもよい。この場合、スクレーパ68を低速回転させると、中央部の排出量をその周囲の排出量よりも多くすることができる。
【0106】
(9)
図47(A)~(C)に示すように、渡り端子308の両端寄り位置に、下方へ垂下した垂下部308Sを設け、その下端部がヒンジ部材308Hにより絶縁体ベース306E,307Eに回動可能に固定されていてもよい。同図では、受け端子306F,307Fは、バネ401により押し上げられて、渡り端子308と点接触し、両者の間が導通される。
【0107】
(10)
図47(D),(E)に示すように、渡り端子308がT字状をなし、3点で支持される構成であってもよい。この場合、受け端子306F,307Fと渡り端子308との接触及び導通が安定する。
【0108】
(11)第6実施形態の減算式供給量計量装置300において、
図48に示すように、粉粒体収容器11を囲む密閉容器404が設けられ、この密閉容器404内に加圧エア等を送り込む配管312Pが接続された構成であってもよい。また、
図48に示される減算式供給量計量装置300では、ホッパ50と粉粒体収容器11との間に開閉バルブ405が2つ配されていて、ホッパ50から加圧エアが漏れることが防がれる。また、粉粒体収容器11の粉粒体排出口20から排出された粉粒体は、粉粒体排出輸送配管406によって送られるようになっている。
【0109】
また、配管312Pを通じて真空引きを行えば粉粒体排出輸送配管406を通して下方の真空容器へ計量をした粉粒体を送る事ができる。さらに、粉粒体排出輸送配管406の接続先の真空容器側で真空引きを行い吸引すれば、真空下での計量をした粉粒体を送る事ができる。この場合配管312Pは真空引き吸引に必要なガス量のリーク配管となる。
【0110】
(12)
図49に示すように、減算式供給量計量装置300において、ベース301を複数の計量器100で支持する構成としてもよい。この場合、各計量器100の計測値を合計し、計量器100の台数で除すれば計量物の値となる。なお、計量器100の構造上、計量器3台を用いた3点支持とすると、最も安定する。
【0111】
(13)取付板31の貫通孔31Aを角形にし、シャッター部材37の先端を直線にし、シャッター部材37の全体形状を、長方形形状又は多角形形状としてもよい。これに伴い、取付板31の貫通孔31Aおよび排出ノズル39を長方形形状又は多角形形状としてもよい。
【0112】
(14)
図12では、第2筒体11Bの底壁は、側壁よりも板厚になっていて、中央に貫通孔11Kが形成され、この貫通孔11Kの内側が、小径収容部12Bとなっているが、小径収容部12Bを設けず粉粒体収容器11の内部が円筒状内部大径収容部12Aだけで構成されていてもよい(
図17参照)。この場合、湾曲羽18は備えられず、スクレーパ61の上辺部61Aと旋回帯61Dの寸法を大径収容部12Aの直径寸法に合うようにすればよい。
【0113】
(15)上記第4実施形態において、
図50に示すように、供給モータ14として中空モータを用い、回転駆動シャフト14Aを中空筒状とすると共に、供給モータ14の上方に、回転駆動シャフト14Aを挿通して先端部にスクレーパ68を備えるサブ回転駆動シャフト14Wを回転駆動するサブ供給モータ14Zを備える構成であってもよい。この場合、回転駆動シャフト14A及び回転駆動シャフト14Aに固定された螺旋羽根14Rと、スクレーパ68と、が別々に駆動され、回転速度をそれぞれ異ならせることも可能となる。また、この構成を他の実施形態に適用してもよく、例えば、第2実施形態の粉粒体供給装置60に適用した場合、直線羽16及び湾曲羽18がバッフル体15と共に供給モータ14により駆動され、スクレーパ61がサブ供給モータ14Zにより駆動される構成としてもよい。
【0114】
(16)上記第1実施形態の粉粒体供給装置10では、
図2に示すように、蓋体11Cの上面にレーザーセンサ25が記述されているが、レーザーセンサ25の代わりに超音波センサを、または粉粒体収容器11の外側に静電容量形センサを多数取り付ける等をし、収容されている粉粒体の粉面の高さを計測してもよい。
【0115】
(17)上記各実施形態の説明において記載された図中の回転方向の矢印は一形態として示されているものであり、例えば逆向きの回転方向で作用するように構成してもよい。
【0116】
(18)渡り端子308は、ナイフスイッチを模した構造、または重力方向に変動を与えることなく電気的に接続される機構であれば、形状を問うことなく用いてもよい。
【0117】
(19)渡り端子308に変えて非接触給電信号伝達方式を用いてもよい。
【0118】
(20)
図8に示すように、全開状態と全閉状態との間で、粉粒体排出口20の開閉度を段階的に変化させている為、メッシュ部材は織網、格子網、エキスパンドメタル、パンチングメタル等の、全面均一なメッシュ部材を用いてもよい。
【0119】
(21)
図1及び
図2、
図3に示すように、第1筒体11Aと、第2筒体11Bはフランジ部のねじで締結される構成であるが、他の実施形態を含め螺合方式、およびヘルールクランプ方式などの他の締結構造であってもよい。
【0120】
(22)上記第5実施形態に記載の直動スライダ302Sによる、移動カウンターウエイト302を、跳ね上げ橋方式にし、倒立から水平になる間での重量変化でバランスさせる回転カウンターウエイト機構にしてもよい。
【0121】
(23)上記第2実施形態、上記第3実施形態、及び変形例(1)の
図19、変形例(2)の
図20と、上記第4実施形態、上記第7実施形態の排出用収容器360、上記第8実施形態の排出用収容器360、上記第9実施形態の粉粒体排出部510及び上記第10実施形態の粉粒体排出部510において、
図8に示すように、全開状態と全閉状態との間で、粉粒体排出口20の開閉度を段階的に変化させている為、メッシュ部材33を用いない機構としてもよい。
【0122】
(24)上記第1実施形態、上記第3実施形態及び変形例(1)の
図19、変形例(2)の
図20と、上記第4実施形態、上記第7実施形態の排出用収容器360、上記第8実施形態の排出用収容器360、上記第9実施形態の粉粒体排出部510及び上記第10実施形態の粉粒体排出部510において、
図5のシャッター部材37を用いない機構としてもよい。
【0123】
(25)上記第1実施形態、及び上記第2実施形態において、粉粒体収容器11内に投入する粉粒体の重量を予め計測しておき、計量器100の計量皿101に載置され、容器210へ供給された粉粒体の量を累積減算し、粉粒体収容器11内粉粒体の残量を求めるプログラムを用いて、粉粒体収容器11内残量に合わせて、供給モータ14とシャッター部材37、及び振動子35を制御する。また、粉粒体収容器11内の、粉粒体補充タイミング重量を決めて置き、所望する残量重量で、信号を出力する構成を用いて、レーザーセンサ25を用いない機構としてもよい。
【0124】
(26)上記実施形態における底壁部材30をオーガ式供給機に具備してもよい。
【0125】
(27)
図13のスクレーパ61は旋回帯61Dの垂下壁は1枚、
図18のスクレーパ68は旋回帯61Dの垂下壁は2枚で構成されているが、垂下壁を風車のように、多数の垂下壁として、用いてもよい。
【0126】
(28)上記第5実施形態及び上記第6実施形態において、計量器100の計量皿101よりも大きいベース301に計量皿101を乗せる構成であったが、ベース301と計量皿101に貫通穴を設け、計量皿101と同等又はより小さいベース301を乗せてもよい。又は、計量皿101に直接容器210を載置してもよい。
【0127】
(29)上記第6実施形態では、配管315は水平に取り付けられているが、金属可とう管ないしゴム可とう管、フレキシブル管等の柔軟性のある配管を具備して、
図51に示される2点鎖線のようにU字状、又は装置側マニホールド312と外部側マニホールド313にそれぞれ接続されるベアリング314Aを起点とする欠け円状に取り付けられてもよい。この時、可とう管は下向き、上向きのどちらでも良い。可とう管の荷重は、装置側マニホールド312と外部側マニホールド313が水平であれば、双方に均等に掛かる。
【0128】
(30)上記実施形態では、シャッター部材37,366の可動範囲が全開状態から全閉状態までであったが、その途中位置までであってもよい。また、シャッター部材37,366は、段階的に移動してもよいし、連続的に移動してもよい。
【0129】
(31)
図52に示すように、上記第10実施形態において、ボトル551がアダプタ570を介して粉粒体収容器501に取り付けられる構成であってもよい。アダプタ570は、中央に貫通孔571を有する円筒体であり、外面に、粉粒体収容器501の雌螺子部501Aと螺合する雄螺子部570Aが形成され、貫通孔571の内面に、ボトル551の雄螺子部551Aと螺合する内雌螺子部571Aが形成されている。この構成によれば、アダプタ570を用意することで、1つの粒体供給装置550で複数種類のボトルを使用することが可能となる。また小さいボトルが使用可能となることで、ボトルの保管スペースをコンパクトにできる。
【符号の説明】
【0130】
10,60,65,70 粉粒体供給装置
11,66 粉粒体収容器
14A,362A 回転駆動シャフト(回転軸)
20 粉粒体排出口
25 レーザーセンサ(粉面計測部)
33,62,364 メッシュ部材(閉塞壁)
34 粉粒体通過孔
34A 大通過孔(大粉粒体通過孔)
34B 中通過孔
34C 小通過孔(小粉粒体通過孔)
35 振動子(アーチ粉砕手段、振動部)
37,366 シャッター部材
61,68,363 スクレーパ(アーチ粉砕手段、粉砕アーム)
100 計量器
210 容器
300,350 減算式供給量計量装置
301 ベース(載置板)
302 移動カウンターウエイト
304 制御装置(制御部)
305,375 中継部
306 装置側中継ターミナル
307 外部側中継ターミナル
308 渡り端子
314 エルボロータリジョイント継手
314A ベアリング
360 排出用収容器