IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フレックス マリン パワー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】軸流タービン装置
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/26 20060101AFI20240703BHJP
   F16D 3/16 20060101ALI20240703BHJP
   F16D 3/12 20060101ALI20240703BHJP
   F16D 3/26 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
F03B13/26
F16D3/16 Z
F16D3/12 G
F16D3/26 W
F16D3/26 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021562073
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 GB2020050962
(87)【国際公開番号】W WO2020212702
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】1905569.8
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521455040
【氏名又は名称】フレックス マリン パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FLEX MARINE POWER LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ママリー,デヴィッド ポール
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/027327(WO,A1)
【文献】特開平11-020788(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02459843(GB,A)
【文献】特開昭57-206779(JP,A)
【文献】国際公開第2013/079831(WO,A1)
【文献】特開昭55-164781(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0211988(US,A1)
【文献】国際公開第2014/061116(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0042096(US,A1)
【文献】国際公開第2015/090414(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104314743(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/26
F16D 3/16
F16D 3/12
F16D 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ支持システム(12)と、
ロータ機構(14)と、
動力取出装置(16)と、を含む水路に配置するための軸流タービン装置(10)であって、
前記ロータ支持システム(12)は、前記水路における流水の流れ方向に対する前記ロータ機構(14)の位置及びアライメントを支持及び制御することができ、前記軸流タービン装置(10)を流水に配置すると電力が発生し、
前記ロータ支持システム(12)は、
細長いシャフト(13)と、
浮力調整部品(17)と、
前記細長いシャフト(13)の第1の端部にフレキシブルカップリング(15)と、
前記細長いシャフト(13)の第2の自由な端部に取り付け可能な前記ロータ機構(14)と、を含み、
前記フレキシブルカップリング(15)は、
前記軸流タービン装置が配置された前記水路に位置する支持構造物への前記細長いシャフト(13)の前記第1の端部の接続を可能にし、前記軸流タービン装置(10)が配置された前記水路に位置する前記支持構造物への前記軸流タービン装置(10)の実質的に自由な偏揺れの接続を可能にし
前記細長いシャフト(13)及び前記ロータ機構(14)の前記支持構造物に対する縦揺れ及び偏揺れ運動を制御し、
使用時に、前記軸流タービン装置(10)が前記流水の流れにおける変化に追従して位置を移動し、それにより前記細長いシャフト及び前記ロータ機構の軸の方向を前記流れ方向に維持し、
前記浮力調整部品(17)は、前記軸流タービン装置(10)が配置された前記水路に対して中立な浮力で前記配置された軸流タービン装置(10)を維持することができ、前記中立な浮力において前記軸流タービン装置は浮力又は重力により上向きにも下向きにも動かない状態であり、
前記浮力調整部品(17)は、前記細長いシャフトに対して移動可能な質量を含み、水域に対する前記ロータ機構(14)の前記位置が浮力又は重力により上向きにも下向きにも動かないように、前記細長いシャフト(13)と前記ロータ機構(14)の集合体の浮力分布を調整するために、前記移動可能な質量は前記細長いシャフトに対して移動し、
前記軸流タービン装置(10)は、前記細長いシャフト(13)内に位置するシャフト搭載浮力補助器具(24)であって、前記細長いシャフト(13)の内表面に接続された可動質量を提供するシャフト搭載浮力補助器具(24)を含み、前記シャフト搭載浮力補助器具(24)の可動質量は、封止されたガス入りの浮力チューブ(28)内に位置し、前記ガス入りの浮力チューブ(28)は両端が封止されている、軸流タービン装置(10)。
【請求項2】
前記フレキシブルカップリングは枢動ピッチコネクタ(15)及び枢動ヨーコネクタ(18,18A,300)を含み、前記枢動ピッチコネクタは、前記支持構造物、及び前記軸流タービン装置が配置された前記水路に対して、前記細長いシャフト(13)と前記ロータ機構(14)の前記集合体の縦揺れ運動を可能にする、請求項1に記載の軸流タービン装置。
【請求項3】
前記枢動ヨーコネクタ(18,18A,300)は、水路の支持構造物への前記軸流タービン装置の接続を可能にし、配置された場合の前記軸流タービン装置の偏揺れ運動の程度を制御する、請求項2に記載の軸流タービン装置。
【請求項4】
縦揺れ運動の範囲を制御する、バンプストップ(27)をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の軸流タービン装置。
【請求項5】
前記枢動ピッチコネクタが、前記細長いシャフト(13)を前記枢動ヨーコネクタに接続する自在継手(20A,20B)を含み、又は、
前記枢動ピッチコネクタが、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の単一自由度の運動を可能にするクレビスジョイントコネクタ(20D)を含む、請求項2または請求項2を引用する請求項3または4に記載の軸流タービン装置。
【請求項6】
前記フレキシブルカップリングが弾性部材(22)をさらに含み、前記弾性部材は、バイアスをかけて前記細長いシャフト(13)と前記ロータ機構(14)の前記集合体を前記支持構造物に対して自由な位置に維持することができ、前記細長いシャフトが自由に枢動することで、前記細長いシャフトの軸方向が流れ方向に対して中心又は一直線の位置となり、前記弾性部材(22)が前記枢動ピッチコネクタに結び付けられたばねである、請求項2または請求項2を引用する請求項3~5のいずれか一項に記載の軸流タービン装置。
【請求項7】
前記枢動ヨーコネクタが、中空の支持構造物に受け止められ得る取付スパイク(18)を含み、又は、
前記枢動ヨーコネクタ(29)が、支持構造物となるチェーン、ロープ、又はケーブルを中に受け入れることができる中空の部材又はチャネルを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の軸流タービン装置。
【請求項8】
前記シャフト搭載浮力補助器具は、浮力が調整される際に前記可動質量を前記ガス入りの浮力チューブ(28)の長さに沿って運ぶことができる車輪付きハウジングを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の軸流タービン装置。
【請求項9】
水流に対し前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体のバランスを能動的にとることができる電子制御装置(44)をさらに含み、前記細長いシャフトと前記ロータ機構が所定のプログラムされた位置にそろえられるように、前記電子制御装置(44)は、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の1つ以上のピッチ角を測定し、前記可動質量の動きをもたらし制御することができる、請求項1~8のいずれか一項に記載の軸流タービン装置。
【請求項10】
前記細長いシャフト内に位置する並進ねじ(50)を含み、前記可動質量が、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の浮力を調整するため前記並進ねじ(50)に対して動くことができ、及び、
さらに、前記細長いシャフトに沿った前記浮力調整部品の位置を制御することができる制御装置を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の軸流タービン装置。
【請求項11】
前記ロータ機構が運ばれる場所へけん引されるように、前記ロータ機構が前記細長いシャフトの前記自由な第2の端部から取り外し可能であること、及び、
前記ロータ機構が、複数の放射状に突出したロータアームと前記ロータアームの端部を取り囲むリングを含み、前記リングが、流水に配置された場合の前記軸流タービン装置の流体力学的安定性を高めることができること、
のうちの1又はそれ以上を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の軸流タービン装置。
【請求項12】
請求項1に記載の前記軸流タービン装置の遠位に、さらに、請求項1に記載の細長いシャフト(13)と浮力調整部品(17)と、ロータ機構(14)の一連の組立体が直列に接続されており、各組立体のロータ機構が、細長いシャフトどうしの間に配置され、かつ一連の組立体の最後の細長いシャフトの自由な第2の端部に配置され、前記フレキシブルカップリングが、請求項1に記載の軸流タービン装置の第1の端部に設けられていることにより、当該軸流タービン装置が配置される水路に位置する支持構造物への前記一連の組立体の接続を提供し、または
隣り合って配置された、請求項1に記載の軸流タービンを複数含み、それぞれの集合体の前記細長いシャフトが並列に配置されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の軸流タービン装置。
【請求項13】
前記動力取出装置が前記細長いシャフトの前記第1の端部に接近して接続され、又は、
前記動力取出装置が前記細長いシャフトの前記第2の自由な端部に接近して接続され、又は、
前記動力取出装置が前記ロータ機構のハブの一部として形成される、請求項1~12のいずれか一項に記載の軸流タービン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、水流などの流体の流れから電力を生み出すためのタービン装置に関する。特に、本発明は、ロータ機構及びロータ支持システムを含み、ロータ支持システムは、例えば、川、河口、導水管、パイプ、海、大洋などの水路における流水の方向に対するロータ機構の位置及びアライメントを支持及び制御することができる、軸流タービン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体駆動タービンは何年にもわたって知られている。こうした事情にもかかわらず、例えば、小さな地域社会に電力を供給するために簡単な方法かつ低コストで設置することのできるタービン、特に、水力タービンの必要性は依然として残っている。
【0003】
多くの水辺での応用において、比較的大規模な土木及び構造物工事に依存している。そのような応用がしばしば専門的な施設の使用を必要とし、製品1単位あたりの高資本コストを生み出していることが理解されよう。
【0004】
かなり少ない物質量及びより簡素な施設を使用する新しいアプローチが必要である。特に、例えば、川の流れ、潮流、又は海流などの自然発生の源から電力を生み出すことが求められる場合、装置は頑丈で、簡単に輸送が可能で、かつ簡単に配置されることが望ましい。そのような応用において、タービンは比較的小さい船舶から配置が可能で、かつメンテナンスが可能であることが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
ロータ支持システムと、ロータ機構と、動力取出装置と、を含む水路に配置するための軸流タービン装置であって、前記ロータ支持システムは、前記水路における流水の流れ方向に対する前記ロータ機構の位置及びアライメントを支持及び制御することができ、前記タービン装置を流水に配置すると電力が発生し、前記ロータ支持システムは、細長いシャフトを含み、前記細長いシャフトは、浮力調整部品と、第1の端部にフレキシブルカップリングと、前記細長いシャフトの第2の自由な端部に取り付け可能な前記ロータ機構と、を含み、前記フレキシブルカップリングは、前記タービン装置が配置された前記水路に位置する支持構造物への前記細長いシャフトの前記第1の端部の接続を促進し、前記タービン装置が配置された前記水路に位置する前記支持構造物への前記軸流タービン装置の実質的に自由な偏揺れの接続を促進し、前記細長いシャフト及び前記ロータ機構の前記ロータ支持システム及び前記支持構造物それぞれに対する縦揺れ及び偏揺れ運動を制御し、使用時に、従順な姿勢で前記タービン装置を維持するため前記流水の流れにおける変化に対応し、それにより前記細長いシャフト及び前記ロータ機構の軸のアライメントを前記流れ方向に維持し、前記浮力調整部品は、前記タービン装置が配置された前記水路に対して実質的に中立な浮力で前記配置されたタービン装置を維持することができる。
【0006】
従順な姿勢とは、流れ方向に対するシャフトの軸アライメント(姿勢)を可能にする方法で細長いシャフトが実質的に自由に(従順な)枢動することを意味する。これは、ロータ機構の向きが操作のために最適化されるように軸流タービン装置、すなわちロータ機構とロータ支持システムの集合体がそろえられることを確実にする。ロータ機構により、乱流、波浪流、又は衝突などの軸外の又は不均衡な力に直面した場合、この従順な配置がタービン装置の姿勢において瞬時に反応する変化を起こし、ピーク力を減らし構造物を損傷から保護するのに役立つ。
【0007】
軸流タービン装置への言及は、移動する水、波の動き又は流れの運動エネルギーを電気エネルギー、水力、機械力、加熱、冷却、炭素隔離、淡水化、大洋の浄化などの有用な仕事又は他のエネルギーの形態に変換する部品の配置/組み立てに関することが理解されよう。このシステムは、例えば細長いシャフト、フレキシブルカップリング、又はロータ機構のハブに接続された動力取出(PTO)装置を利用する。
【0008】
中立浮力とは、物の平均密度とその物が浸漬された流体の密度が等しい状況をいう。よって、この出願にとって、中立浮力の状況は、ロータ支持システムがその支持構造物に取り付けられた場合、統合した重量の力によるフレキシブルカップリングの周りに作用するおおよそのゼロモーメント及び自由に連結したロータ支持システムに作用する浮力があり、特に、取り付けたロータ機構が水中にタービンを操作する深さで浸漬されても上昇も下降もしないように定義される。
【0009】
ロータ機構は重くてもよく、よって沈む傾向にあってもよい(負の浮力)が、ロータ支持システムはロータ機構を含むタービン装置に中立な浮力をもたらすよう構成されており、水域のロータ機構の位置は安定で上昇も下降もせず、水域のロータ機構の位置は、例えば、細長いシャフトの一部として、又は細長いシャフトに対して機能するために設けられていてもよい浮力調整部品を介して浮力を調整することにより制御されることが理解されよう。
【0010】
前記フレキシブルカップリングは枢動ピッチコネクタ及び枢動ヨーコネクタを含んでもよく、前記枢動ピッチコネクタは、前記ロータ支持システム、及び前記タービン装置が配置された前記水路に対して、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の縦揺れ運動を可能にする。前記偏揺れ制御コネクタは、水路の支持構造物への前記軸流タービン装置の接続を促進し、配置された場合の前記軸流タービン装置の偏揺れ運動の程度を制御してもよい。
【0011】
前記タービン装置は、縦揺れ運動の範囲を促進する、先端のバンプストップをさらに含んでもよい。あるいは、前記フレキシブルカップリングは前記細長いシャフトの前記第1の端部に接続した可撓性材料の部分を含んでもよく、前記可撓性材料は所定の剛性又はばね定数を有し、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体を従順な姿勢で維持し、軸トルクを伝達することができる。
【0012】
前記枢動ピッチコネクタが、前記細長いシャフトを前記枢動ヨーコネクタに接続する自在継手を含んでもよい。前記自在継手は、例えば、シングルカルダンジョイント又はダブルカルダンジョイントなどのカルダンジョイントであってもよい。
【0013】
あるいは、前記枢動ピッチコネクタが、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の単一自由度の運動を促進するコネクタを含んでもよい。単一自由度の運動を促進するコネクタの例として、チェーンリンクジョイント、フックジョイント、クレビスジョイントなどを含んでもよい。
【0014】
前記枢動ピッチコネクタは、流水に配置された場合、流れの面に対して前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の縦揺れ運動を可能にする一方で、前記フレキシブルカップリングは前記細長いシャフトの前記第1の端部の支持構造物への接続を促進する。
【0015】
前記フレキシブルカップリングが弾性部材をさらに含んでもよく、前記弾性部材は、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の反応性運動を可能にすることで前記支持構造物に対して中心又は一直線の位置にバイアスをかけて前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体を従順な姿勢に維持することができ、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の縦揺れ運動の範囲を限定することができる。前記弾性部材が前記枢動ピッチコネクタに結び付けられたばねであってもよい。前記弾性部材は、水流において前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の可動範囲が実質的に妨げられないように前記枢動ピッチコネクタの周りに取り付けられたらせんばねであってもよいが、流れ方向が変化した場合や静水中では、ばねは前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体に前記枢動ヨーコネクタの軸に対して所定のニュートラルな位置までバイアスをかけることができる。
【0016】
適切な弾性部材の他の例は、例えば、前記枢動ピッチコネクタを配置し、操作の間、前記枢動ピッチコネクタに働く動的な縦揺れ、スラスト荷重、又は変位からのエネルギーを吸収するため緩衝器として働くように構成された2つの水撃ポンプの配置により形成されてもよい。
【0017】
前記フレキシブルカップリングが自在継手である場合、前記細長いシャフトが流れ方向と自然に一致するように、前記弾性部材は前記枢動ヨーコネクタのアライメントを前記細長いシャフトに維持する。よってアライメントの維持は、流れの変化、例えば、潮の変化において前記枢動ヨーコネクタが前記細長いシャフトに前記支持構造物の周りを偏揺れさせる場合、前記フレキシブルカップリングが前記支持構造物に対して偏揺れすることを確実にする。そのため、前記フレキシブルカップリングのジャックナイフの可能性は避けられる。
【0018】
前記フレキシブルカップリングは前記ロータ機構の自由な運動を促進し、前記タービン装置が浸漬された水域の流路に一致する。これは、実質的に中立な浮力であるシステムにより、また流れ方向において前記ロータ機構に向く運動をほとんど妨害しない前記フレキシブルカップリングにより前記ロータ機構が妨害なく、流れ、例えば、潮汐流の方向に自由に進むことができるように前記タービン装置が構成されていることを意味すると理解されよう。
【0019】
前記細長いシャフトの前記第1の端部は、前記システムが配置された、例えば、海、大洋、川、河口、港、導水管、パイプなどの水域/水路の底から所定の高さに位置していてもよい。前記システムは、適切な支持構造物又はシステムに枢動して接続してもよく、前記ロータ機構が一平面内で360度に自由に配向できるように、また前記システムが配置された水域/水路の水の流れ方向に前記ロータ機構が自由に進み軸方向に並ぶように配置してもよい。
【0020】
使用時に、フレキシブルカップリング、細長いシャフト、ロータ機構、及び動力取出の集合体を含むロータ支持システムを含むタービン装置により、前記フレキシブルカップリング及び前記細長いシャフトは前記ロータ機構の回転によるトルクを伝達し、前記動力取出は動力/運動エネルギーの電気エネルギー又は他のエネルギーの形態、例えば、水力、機械などへの変換を促進する。例において、前記フレキシブルカップリング及び前記細長いシャフトは前記ロータ機構の回転に反応して回転するように配置されてもよい。
【0021】
前記枢動ヨーコネクタが、中空の支持構造物に受け止められ得る取付スパイクを含んでもよい。あるいは、前記枢動ヨーコネクタが、支持構造物となるチェーン、ロープ、又はケーブルなどの鎖を中に受け入れることができる中空の部材又はチャネルを含んでもよい。
【0022】
前記枢動ヨーコネクタが、張力をかけた鎖部材を含む支持構造物に軸方向に並んで取り付けられたトルクバーにより設けられてもよく、前記トルクバーが、前記鎖部材に接続され、偏揺れ運動を促進し、前記鎖部材に対して前記タービン装置の偏揺れ運動の範囲を制御する。前記鎖部材はロープ、ケーブル、チェーンなどを含んでもよい。
【0023】
前記トルクバーはT字型の配置を含んでもよく、前記枢動ヨーコネクタが前記Tの頭部により形成され、前記枢動ピッチコネクタが前記Tの体部により形成される。前記T字型により、偏揺れの軸と縦揺れの軸が所定距離の分だけ互いに相殺され、配置された場合の前記タービン装置の安定性及び機能的範囲が高められる。
【0024】
前記軸流タービン装置は、浮力調整部品をさらに含んでもよく、前記浮力調整部品は、水域に対する前記ロータ機構の前記位置が中立的な浮力又は浮力的に安定となるように、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の浮力分布を調整するため前記浮力調整部品が前記細長いシャフトに対して移動可能である。
【0025】
前記浮力調整部品は、前記細長いシャフトに接続され、前記細長いシャフトに対して移動可能である質量を含んでもよい。前記浮力調整部品は、前記細長いシャフトの外表面、前記細長いシャフトの内表面、又は前記細長いシャフトの前記内表面と前記外表面の両方に接続された質量を含んでもよく、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の浮力分布に影響を与えるため前記質量が前記細長いシャフトに沿って移動可能である。
【0026】
前記ロータ機構及び前記細長いシャフトの向きが前記浮力調整部品の位置を前記細長いシャフトの長さに沿って動かすことにより調整してもよい。
【0027】
外部の質量を含む前記浮力調整部品は、中空のチューブ部材を含むスリーブにより設けられてもよく、前記細長いシャフトを前記中空のチューブ部材のくぼみに受け止めることができ、前記スリーブは前記細長いシャフトの前記外表面に沿って滑ることができる。
【0028】
前記浮力調整部品は外管内に内管を含んでもよく、前記細長いシャフトは前記内管の内部に受け止められ、前記内管と前記外管との間に環状空間が画定される。
【0029】
前記環状空間が浮力材で満たされてもよい。前記浮力材は泡でもよい。あるいは、又はさらに、前記浮力材は、例えば、空気、窒素などのガスでもよい。あるいは、前記環状空間は、浮力材からなる、例えば、ドーナツ、シリンダなどの複数の要素に実質的に占められてもよく、前記ドーナツ、シリンダなどは前記環状空間の長さに沿って分布している。
【0030】
前記細長いシャフト内部に画定された空隙は、浮力材、例えば、泡又はガスで満たされてもよい。前記浮力調整部品の機能は前記細長いシャフトと前記ロータ機構を含む前記集合体を支援し中立な浮力を得ることであり、一方で、前記システムは操作のために配置され、移動する水のエネルギーを有用なエネルギー/仕事に変換する。
【0031】
前記システムの浮力を調整できることは前記軸流タービン装置のメンテナンス、修理、及び位置の移動にとっても有益であることが理解されよう。前記システムが配置された水路の表面のボートなどから比較的容易に前記ロータ機構にアクセスできるように、前記配置されたシステムの前記ロータ機構を正の浮力にする、すなわち水中で上昇させる/表面に傾かせるために前記浮力調整部品の位置を前記細長いシャフトに対して変えることができる。
【0032】
有利には、前記ロータ機構が運ばれる、例えば、メンテナンス、取り替えなどのための適切な場所へけん引されるように、前記ロータ機構が前記細長いシャフトの端部から取り外し可能であってもよい。
【0033】
有利には、前記ロータ機構又は取り替えのロータ機構を再び配置する準備ができている場合、そのロータ機構を元の位置で前記細長いシャフトの端部に取り付けることができ、前記浮力調整部品の影響は、再び組み立てられた際に、一体化したロータ部品と細長いシャフトを操作する深さに再配置することができ、中立な浮力を再度確立できることである。
【0034】
同様に、前記軸流タービン装置がその支持構造物から取り外しが可能である場合、浮力調整部品の利点は完全な装置を正の浮力にできることであり、これは、完全な装置を水域の表面に回収することができ、運ぶこと、例えば、比較的容易に、例えば、メンテナンスや異なる位置に配置させるためにボートなどでけん引することができることを意味する。
【0035】
前記浮力調整部品は、前記細長いシャフト内に位置し、前記細長いシャフトの内表面に接続された可動質量を提供するシャフト搭載浮力補助器具をさらに含んでもよい。
【0036】
前記シャフト搭載浮力補助器具は、封止されたガス入りの浮力チューブ内に位置した可動質量を含んでもよく、前記ガス入りの浮力チューブは両端が封止されている。
【0037】
前記シャフト搭載浮力補助器具は、浮力が調整される際に前記可動質量を前記チューブの長さに沿って運ぶことができる車輪付きハウジングを含んでもよい。
【0038】
前記シャフト搭載浮力補助器具は、水流に対し前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体のバランスを能動的にとることができる電子制御装置をさらに含んでもよく、前記細長いシャフトと前記ロータ機構が所定のプログラムされた位置にそろえられるように、前記電子制御装置は、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の1つ以上のピッチ角を測定し、前記質量の動きをもたらし制御することができる。
【0039】
前記シャフト搭載浮力補助器具は、前記チューブの長さに沿って伸びる歯付きラック及びサーボ駆動の歯付き歯車を含んでもよく、前記歯付きラックの歯と前記歯付き歯車の歯のかみ合いが、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の浮力を調整するため前記チューブの長さに沿った前記質量の動きを促進する。
【0040】
あるいは、前記シャフト搭載浮力補助器具は、前記細長いシャフト内に位置する並進ねじ可動質量を含んでもよく、前記可動質量が、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体の浮力を調整するため前記並進ねじに対して動くことができる。
【0041】
あるいは、前記シャフト搭載浮力補助器具は、前記可動質量を前記細長いシャフト内に配置するため、ベルト駆動又はピストンアクチュエータを組み込んでもよい。
【0042】
制御装置、例えば、マイクロコントローラが前記細長いシャフトに沿った前記浮力調整部品の位置を制御することができてもよい。
【0043】
内部の質量は、浮遊の向きを調整できるようにし、実質的に中立な浮力の挙動を確立するため、封止された浮力チューブ内にサーボ制御滑り質量を含んでもよい。
【0044】
前記封止された浮力チューブはガスで満たされてもよい。
【0045】
上述のとおり、前記浮力調整部品については、前記軸流タービン装置が正の浮力の状況を得ることができるような位置にある場合、前記シャフト搭載浮力補助器具の前記外部の質量、前記内部の質量、又は前記外部の質量と前記内部の質量の両方の位置は、前記細長いシャフトに対して調整されてもよい。正の浮力の場合、少なくとも前記軸流タービン装置の第2の端部は前記装置が配置された水の表面に向かって浮かぶであろう。これは、前記ロータ機構又は前記軸流タービン装置の水面からの調査の取り扱い、メンテナンス、取り外し、及び/又はけん引を促進する。
【0046】
前記フレキシブルカップリングは前記細長いシャフトの前記第1の端部に接続した可撓性材料の部分を含んでもよく、前記可撓性材料は所定の剛性又はばね定数を有し、前記細長いシャフトと前記ロータ機構の前記集合体を従順な姿勢で維持し、軸トルクを伝達することができる。
【0047】
前記軸流タービン装置は、前記ロータ支持システム、前記ロータ機構、及び少なくとも1つの動力取出装置の一連の集合体を含んでもよく、それぞれの集合体の前記細長いシャフトが端と端を接続して配置され、ロータ機構が、直列に並んだ細長いシャフトの間かつすぐ前の細長いシャフトの前記第2の端部に位置する。あるいは、前記軸流タービン装置は、隣り合って配置された、前記ロータ支持システム、前記ロータ機構、及び前記動力取出装置の一連の集合体を含んでもよく、それぞれの集合体の前記細長いシャフトが並列に配置されている。
【0048】
前記動力取出装置が前記細長いシャフトの前記第1の端部に接近して接続されていてもよい。あるいは、前記動力取出装置が前記細長いシャフトの前記第2の端部に接近して接続されていてもよい。前記動力取出が前記ロータ機構のハブの一部として形成されていてもよい。
【0049】
前記ロータ機構が、複数の放射状に突出したロータアームと前記ロータアームの端部を取り囲むリングを含んでもよく、前記リングが、流水に配置された場合の前記タービン装置の流体力学的安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
以下、例として図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
図1図1は、本発明の実施例によるロータ支持システムの例を示すタービン装置の斜視図である。
図2図2は、正の浮力の効果を示す、図1のタービン装置の斜視図である。
図3図3は、枢動ヨーコネクタの例を示すタービン装置の斜視図であり、示された枢動ヨーコネクタは支持構造物の円筒ロッドから取り外されている。
図4図4は、ロータ支持システムを支持構造物に取り付けるフレキシブルカップリングの一部を形成する、自在継手の例としてのシングルカルダンジョイントを示す。
図5図5は、ロータ支持システムを支持構造物に取り付けるフレキシブルカップリングの一部を形成する、自在継手の例としてのダブルカルダンジョイントを示す。
図6図6aは、ロータ支持システムを支持構造物に取り付けるフレキシブルカップリングの一部を形成する、チェーンリンクジョイントの例を示す。図6bは、ロータ支持システムを支持構造物に取り付けるフレキシブルカップリングの一部を形成する、クレビスジョイントの例を示す。図6cは、枢動ヨーコネクタの例を示す。
図7図7は、外部の浮力調整部品の例の斜視図を示す。
図8図8は、内部のシャフト取付浮力補助器具の例の斜視図を示す。
図9図9は、内部のシャフト取付浮力補助器具の例の斜視図を示す。
図10図10は、支持構造物の例としての張力をかけた線を示し、2つのタービン装置が張力をかけた線から並列のフォーメーションでつるされている。
図11図11は、直列に配置された2つのタービン装置の例を示す。
図12図12は、本発明の実施例によるタービン装置に取り付けられた係留/ブイを示す。
図13図13aは、直列のタービン装置、並列のタービン装置、及びタービン装置の浮力の変化の効果を示し、それによりタービン装置が配置された水の表面の船舶にロータ機構を取り外すことができる。図13bは、システムが正に浮く時のロータ機構の最大可動域を示し、それによりバンプストップの機能を説明する。
図14図14は、操作バランス機構を含む内部のシャフト取付浮力補助器具の例の斜視図を示す。
図15図15は、ロータ支持システムから取り外された、図12図13a、及び図13bに示すロータ機構の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1図2、及び図3を参照すると、軸流タービン装置10が示され、タービン装置10は、タービンロータ支持システム12、ロータ機構14、動力取出機構16、及びタービンロータ支持システム12を支持構造物(図示せず)に接続する手段18を含む。
【0052】
図1及び図2は、タービン装置10を中空の支持構造物(図示せず)に取り付ける手段としての取付スパイク18を示す。
【0053】
図3は、取付シリンダ18Aの形での代替の取付配置を示し、取付シリンダ18Aは、穴18Bを含み、支持構造物(図示せず)の一部としての円筒ポスト19Aに受け止められ得る。取付シリンダ18Aは、円形ポスト19Aに受け止められ、ロータ支持システム12とロータ機構14の集合体の自由偏揺れ運動を可能にしつつ適所に係止されることが好ましい。
【0054】
取付スパイク18及び取付シリンダ18Aはいずれも支持構造物の軸に対して、またタービン装置10が流水に配置及び支持された時の流れ方向に応じて、タービン装置10の回転運動又は偏揺れ運動を促進する。いずれの配置においても、取付スパイク18又は取付シリンダ18Aの取り付けにより、組み立てにおける活性化のための配置に組み込まれたコネクタに起因したパワーエキスポート接続を完了する。
【0055】
スパイク18及び取付シリンダ18Aにより設けられた取付配置はそれぞれ、タービントルク及びスラスト荷重の伝達、自由偏揺れ、ハウジングパワー接続を促進し、タービン装置10を水域に配置している間にタービン装置10が支持構造物から切り離されるのを防ぐための係止/解放機構を含む。
【0056】
図1図3図12図13a、図13b、及び図15は、2枚羽のロータ機構14の例を示す。図10及び図11(以下でさらに述べる)は、3枚羽のロータ機構14を含む。したがって、ロータ機構14の構成は例示目的のためのみに含まれることが理解されよう。
【0057】
示された例において、タービンロータ支持システム12は、細長いシャフト部材13、フレキシブルカップリング15、及び浮力調整部品17を含む。
【0058】
示された例において、図4図5図6a、及び図6bを参照すると、フレキシブルカップリング15は、接続要素20A、20B、20C、20D及びバイアス要素22(図4図5、及び図6a参照)を含む。
【0059】
図4図5図6a、及び図6bに示す例において、接続要素20A、20B、20C、20Dは、細長いシャフト13を動力取出機構16に接続する。動力取出16の位置は例示目的のためであり、以下でさらに述べるように、細長いシャフト13に沿った他の点、又はロータ機構14のハブ(図12図13a、図13b、及び図15)に位置していてもよい。
【0060】
図4図5図6a、及び図6bは、フレキシブルカップリング15の例を示す。フレキシブルカップリング15は、枢動接続部材20A、20B、20C、20D及びばね22(図6bに示す継手にはばねは含まれない)を含む。
【0061】
図4及び図5において、接続部材20A、20Bは、シングルカルダンジョイント20A(図4)及びダブルカルダンジョイント20B(図5)の形の自在継手により設けられる。
【0062】
図4図5、及び図6aに示す例それぞれにおいて、らせんコイルばねによりバイアス要素22が設けられ、らせんコイルばねは接続要素20A、20B、20Cの周囲に位置する。
【0063】
軸流タービン装置10に自在継手を利用する際、図4及び図5に示すように、動力取出は、支持構造物(図示せず)に隣接して、又は軸流タービン装置10の支持構造物(図示せず)への接続を促進する部品に隣接して取り付けられる。
【0064】
軸流タービン装置をクレビスジョイントと用いると、動力取出は細長いシャフト上のどこにでも、またロータ機構のハブの近く又は上に取り付けられ得る。
【0065】
図6aにおいて、接続部材はチェーンリンク配置20Cにより設けられる。
【0066】
図6bにおいて、接続部材はクレビスジョイント配置20Dにより設けられる。
【0067】
かぎ留め配置(図示せず)により適切な枢動接続部材の他の例が設けられる。
【0068】
さらに図6bを参照すると、クレビスジョイント20Dは支持構造物に対して細長いシャフト13の単一自由度の縦揺れ運動を可能にする。枢動ヨーコネクタ29のヨー軸に対してクレビスジョイントの運動の軸が90度に設定されると十分な運動の自由度が得られることが理解されよう。枢動ヨーコネクタ29は、支持システムの支持構造物29’への接続を促進する。示された例において、支持構造物は垂直な鎖であり、枢動ヨーコネクタ29に挿入されている。高さ/垂直位置は矢印29Aで示されるように調整可能である。縦揺れ運動は矢印29Bの方向であり、縦揺れ運動の範囲はバンプストップ27により制限される。偏揺れ運動は鎖29’の軸に対して回転し、矢印29Cで示される。
【0069】
示された例において、フレキシブルカップリング15は、タービン装置10が取り付けられた支持構造物(図3の19Aで示される)に対して、細長いシャフト13とロータ機構14の集合体の縦揺れ運動を促進し制御する。
【0070】
示された例において、枢動ヨーコネクタは、タービン装置10の支持構造物(図示せず)への接続を促進する。適切な枢動ヨーコネクタには、例えば、取付スパイク/ロッド(図1及び図2参照)、シリンダマウント(図3参照)、トルクバー(図10図12図13a、及び図13b参照)がある。枢動ヨーコネクタの代替例は図6cに示され、統合偏揺れ制限装置29”は、アンビリカル(図示せず)が保護され得るような所定範囲を超える偏揺れに抵抗するために用いられる。
【0071】
タービン装置10が支持構造物に接続されると、タービン装置10が配置された流水の方向にロータ機構14の向きが調整されそろえられるように、枢動ヨーコネクタは支持構造物の軸に対してタービン装置10の偏揺れ運動を促進する。
【0072】
フレキシブルカップリング15(枢動ピッチコネクタ)と枢動ヨーコネクタ(取付スパイク/ロッド18、シリンダマウント18A、又はトルクバー300)の組み合わせが、タービン装置10が配置された水の流れ方向に対してロータ機構14の多自由度の運動を促進することが理解されよう。
【0073】
示された例において、タービン装置10、特に、ロータ機構14の水流に対する位置は、フレキシブルカップリング15及び支持構造物への枢動ヨー接続により制御される。
【0074】
示された例のそれぞれにおいて、タービン装置10は、第1の端部で固定された支持構造物に接続し、第2の端部で自由に動くことができ、第2の自由な端部ではロータ機構14が細長いシャフト13に取り付けられる。
【0075】
コネクタ部材20A、20B、20C、20Dはそれぞれ、流れの面に対してロータ支持システム12及びロータ機構14の縦揺れ運動を可能にする。縦揺れ運動の範囲及び流水中のタービン装置10に採用された位置は、ばね22により制御される。あるいは、さらに、縦揺れ運動の範囲はバンプストップ27により制御される(図6b、図12図13a、及び図13b参照)。バンプストップ27は硬くてもよいが、タービン装置10が配置された水路における不安定な状況でのある程度の弾性コンプライアンスを与えつつ、タービン装置10の過度の縦揺れを防ぐある程度の復元力を有することがより好ましい。
【0076】
ばね22及び/又はバンプストップ27は、特に低流量状況において有益であり、例えば、ロータ機構14と支持構造物(図示せず)との衝突に起因する、フレキシブルカップリング15を損傷させる可能性がある、又はロータ機構14の損傷を生じさせ得るジャックナイフの状態を避けるため、フレキシブルカップリング15に対してロータ機構14の中心化及び水平化を促進する。もしジャックナイフの状態が起きたとすれば、増加した水流量を経験した際にタービン装置10を再配向させるため人手の介入が要求されることも大いにあり得ることが理解されよう。そのようなタービン装置10の配置される位置が人手の介入に適していないかもしれないことが理解されよう。
【0077】
図6bに示す例において、2つのバンプストップ27が枢動ヨーコネクタ/トルクバー29の細長い要素から伸びている。1つのバンプストップ27がクレビスジョイント20Dの上に位置し、1つのバンプストップがクレビスジョイント20Dの下に位置している。タービン装置(表示せず)の縦揺れ運動の枢動範囲が所定の限度内に制限されるようにバンプストップ27が配置される。変化する状況に対応し、その結果、細長いシャフトがバンプストップ27と衝突してもタービン装置(表示せず)への損傷のリスクを最小限にするように、バンプストップ27はある程度の復元力又は減衰を有してもよい。水中での突然の状況変化における損傷を最小化するため、バンプストップ27はばね又は弾性減衰を含んでもよい。
【0078】
示された例において、細長いシャフト13の軸及びロータ機構14の回転軸が流水の流れ方向及び動力取出機構16に対して位置合わせ/中心化するようバイアスされるようにばね22が配置される。示された例において、動力取出16は、細長いシャフト13の第1の端部、すなわち支持された端部に向かって位置する。
【0079】
フレキシブルカップリング15、すなわち枢動ピッチコネクタ及び弾性部材/ばね22の構成は、細長いシャフト13とロータ機構14の集合体の運動の自由度及び柔軟性をもたらす。この運動の自由度及び柔軟性は、ロータ機構14と(エネルギーの一次資源としての)流水の相互作用を介してエネルギーを獲得し、輸出可能な電力、例えば電気を発生させるために動力取出機構16により獲得したエネルギーを伝達するため、タービン装置10が効率よく位置合わせ及び操作できるようにする。
【0080】
タービン装置10の変化する流れ方向に対する反応性により、効率的な電力の伝達及び発生が最適化される。このタービン装置10の変化する流れ方向に対する反応性は、実質的に中立的な浮力システム(以下でさらに述べる)、流れ方向に対する装置の偏揺れ運動を可能にする細長いシャフトの枢動ヨーコネクタ18、18A、及び支持構造物及び流れの面に対して従順な姿勢でタービン装置10を維持するフレキシブルカップリング15の組み合わせによりもたらされる。
【0081】
弾性部材22は枢動ピッチコネクタ20A、20B、20C、20Dを保護し、タービン装置10が配置された水の動きによるフレキシブルカップリング15の反応性縦揺れ運動を促進する。この配置での柔軟性及び弾性コンプライアンスはあるモードの環境負荷から構造用部品を保護する働きをし、主要な構造用部品が経験する極限荷重を全体的に小さくする。そのような負荷制限は部品をより軽く、より小さく、そしてより安価にすることができる。
【0082】
中立的な浮力システムは、ロータ機構14とロータ支持システム12の集合体を含む。上で述べたように、中立的な浮力(中立浮力)とは、ロータ機構14とロータ支持システム12の集合体の平均密度とタービン装置10が浸漬された水の密度が実質的に等しいことを意味する。よって、この出願にとって、中立浮力の状況は、ロータ支持システムがその支持構造物に取り付けられた場合、統合した重量の力によるフレキシブルカップリングの周りに作用するおおよそのゼロモーメント及び自由に連結したロータ支持システム12に作用する浮力があり、特に、取り付けたロータ機構14が水中に操作する深さで浸漬されても上昇も下降もしないように定義される。
【0083】
別の言葉に置き換えると、中立浮力は次のように表現することができる。妥当な許容範囲内で、タービン装置10の自由に連結した部分、すなわちロータ機構14及び細長いシャフト13には、そっとしておいた場合やシステムを取り付け支持構造物の周りを自由に枢動する場合、浮力又は重力により上向きにも下向きにも動かないという傾向がある(支持構造物の例として図3図6b、図10図11図12図13a、及び図13b参照)。
【0084】
図1図2図3、及び図7に示す例において、タービン装置10の中立浮力は、細長いシャフト13に対する浮力調整部品17の位置を調整することにより確立することができる。
【0085】
示された例において、浮力調整部品17は、細長いシャフト13の外表面の上に設置された充填中空スリーブを含む。浮力調整部品17の位置が細長いシャフト13の長さに対して動くことができるように、また、タービン装置10のバランスとその結果得られる姿勢を調整できるように、浮力調整部品17の長さは細長いシャフト13の長さより短いことが理解されよう。すなわち、負荷分布の調整はタービン装置10の浮心の位置に影響をおよぼす。細長いシャフト13の長さに対する浮力調整部品17の位置を変えることで、水域内で実質的に水平に配置できるように、ロータ機構14及びロータ支持システム12の回転軸の向きを調整できる。このロータ支持システム12及びロータ機構14の向きはロータ機構14の回転面を実質的に垂直に配向させる。
【0086】
示された例において、浮力調整部品17は細長いシャフト13の外側に位置する。浮力調整部品17は各調整の後、適所に固定される。
【0087】
浮力調整部品17の例は、外管内に内管を含む管状の部品である。外管内の内管の配置により内管と外管との間に環状空間を画定する。1つの例において、環状空間は浮力材、例えば、泡又はガスで満たされてもよい。他の例において、図7に示すように、環状空間は浮力調整部品17となる管の長さに沿って分布した複数の浮力ドーナツ17aに占められる。
【0088】
上記のように、浮力調整部品17の機能は中立的な浮力システムを設けることである。しかしながら、システムの浮力を調整できることはメンテナンスにとっても有益であることが理解されよう。なぜなら、ロータ機構14を水中で上昇できるようにするために(正の浮力)(図2図13a、及び図13b参照)浮力調整部品17の位置を細長いシャフト13に対して変えることができ、そのため、タービン装置10が配置された位置にとどまったまま、水域/水路の表面に浮かんだ船舶から比較的容易にロータ機構14にアクセスできるからである。このような状況で、ロータ機構14及び可能性として動力取出16に容易にアクセスでき、必要であれば曳舟でサービス場所まで取り外すこともできる。
【0089】
外部の浮力調整部品17の位置を細長いシャフト13に対して変えるだけで、タービン装置10を正に浮かせることができ、修理や日常のメンテナンスのためのダウンタイムをほとんど必要としないことが理解されよう。
【0090】
この正に浮く構成から、船舶のオペレータはロータ機構14(上述のとおり)又はタービン装置10全体を支持構造物(図示せず)から切り離し、その後ロータ機構14、ロータ支持システム12、及び動力取出16の集合体全体を水域の表面に浮かせることができる。これにより、地上又は港湾地域に浮いたままでのより複雑なサービスや修理のため、タービン装置10はボート又は適切な船舶により、例えば、港など、代替の配置場所又は地上の場所へけん引される。
【0091】
シリンドリカルマウント18A又はトルクバー300(図3及び図10)は正に浮くベアリング集合体を含んでもよく、タービン装置10が支持構造物から切り離された場合、ベアリング集合体の正の浮力がタービン装置10のこの端部を上向きに浮かせることができる。
【0092】
図8図9、及び図14を参照すると、細長いシャフト13内にシャフト搭載浮力補助器具/バランス機構を含むことにより、浮力調整のさらなる例が設けられてもよい。シャフト搭載浮力補助器具/バランス機構は、外部の浮力調整部品17の代替品として、又は外部の浮力調整部品17に加えて用いることができる。
【0093】
タービン装置10の浮力を制御する、すなわち、流れに対するロータ機構14の位置を制御するように、シャフト搭載/内部の浮力補助器具24(図8参照)を細長いシャフト13内に位置し、システムの重量分布を変化させるため細長いシャフト13に対して質量を動かすように配置する。
【0094】
図8に示すように、シャフト搭載浮力補助器具24は、細長いシャフト13内に挿入された、封止されたガス入りの浮力チューブ28内に位置した可動質量26を含む。
【0095】
ガス入りの浮力チューブ28は、チューブ28の全長に沿って伸びる歯付きラック31を固定する働きをする端部キャップ30で両端が封止されている。ウォーム歯車32が含まれる。歯付きラック31の歯とウォーム歯車32の歯のかみ合いがチューブ28の長さに沿った質量26の動きを促進する。あるいは、チューブ28の長さに沿った質量26の動きを促進するため、ベルト又はピストンアクチュエータを用いてもよい。
【0096】
示された例において、車輪付きハウジング34がチューブ28内に含まれる。ハウジングは、チューブ28内部でハウジング34をそろえるため、また、浮力が調整される際にハウジング34をチューブ28の長さに沿って運ぶために配置された6つの車輪36を含む。
【0097】
可動質量26、ウォーム歯車32、モータ38、ガイドブロック40、バッテリー42、及び電子制御装置44が車輪付きハウジング34の一部として組み立てられる。各部品はタービン装置10の浮力の調整に関与する。
【0098】
シャフト搭載浮力補助器具240での代替例(図9参照)は、細長いシャフト13内に位置する送りねじ又は並進ねじ50及び可動質量54を含む。タービン装置10の浮力を調整できるように、質量54は送りねじ50に対して動く。
【0099】
シャフト搭載浮力補助器具24、240はそれぞれ、細長いシャフト13及びロータ機構14のピッチ角を維持するため質量26、54の位置を調節可能なように、図8に示すギア配列31、32、又は図9に示す送りねじ配列50を介して質量26、54の運動を制御するサーボ機構を含む電子制御を含んでもよい。電子的に制御されたシャフト搭載浮力補助器具24、240を用いることで、サーボ機構を制御する船上マイクロプロセッサによりタービン装置10のピッチ角の自動補正又は同調調整を実行することができる。
【0100】
自動同調の利点は、タービン装置10がタービン装置10の下降又は上昇(縦揺れ)に自動的に対応し、上昇又は下降の縦揺れを補うための質量26、54の増分移動を制御できることである。
【0101】
そのような自動制御を設けることにより、タービン装置10は長期の配置での浮力の潜在的変化に対応する。水の密度又は汚染の変化は浮力の変化を引き起こす可能性がある。例えば、反応の良いシステムを用いたタービン装置10は、存在する塩水と河川水の混合に応じて水の密度が日によって異なる河口域干潟においてより確実に操作できる。
【0102】
制御装置はシャフトピッチ角センサを含むセンサ(図示せず)を組み込んでもよい。細長いシャフト13のピッチ角を能動的に測定する制御装置の能力により、制御装置は内部アルゴリズムにより可動質量を知的に調整する。上述のとおり、ピッチ角の制御は、例えば、タービン装置10が配置された水路、又は水の密度が経時的に変化する河口からの汚染により増加した質量を補うのに有益である。また、制御装置は少なくとも細長いシャフト13のピッチ角に関するフィードバックを設けるように構成されてもよい。
【0103】
制御装置は、例えば、ワイヤ、チューブ、外部スイッチを介して、又は内蔵の水中音響モデムにより得られる遠隔通信機能性を含んでもよい。そのような機能性が、タービン装置10の回収及びメンテナンスに携わるボートの乗組員を支援するため、細長いシャフトの浮力の変化を可能にし、遠隔制御によるシャフトの上昇を可能にすることが理解されよう。
【0104】
遠隔制御及びフィードバックを設けることにより、1つ以上の問題、例えば問題のあるピッチ角、回転速度、又は非標準の動き、が検出され、そのうちの1つ以上がタービン装置の少なくとも一部に損傷を示す場合、制御装置はメンテナンスのための船舶又は陸地に警報を発することができる。表面に上昇した際、制御装置は測定器のセンサの読み取り及び無線での放送を得た状況でもよい。
【0105】
上記のように、取付スパイク18、取付シリンダ18A、又はトルクバー300(図3及び図10参照)を介して支持構造物(図示せず)にタービン装置10をつなぎとめることができる。支持構造物は、水の底、例えば、ブイなどの係留、及び/又はタービン装置10が配置された、例えば、川や海などの水域の岸につなぎとめられる、又は固定される。
【0106】
この配置は、ロータ機構14が海底/川底上に支持され、水流に自動でそろえる効果を有する。ロータ機構14上の水流の効果は2つの主要な要素、すなわち、細長いシャフト13を介して動力取出機構16に伝達されるロータ機構14のトルク及び細長いシャフト13の縦軸に沿ったタービンスラストに分けられる。
【0107】
動力取出機構は、数ある中で、タービンの回転を可能にしつつ相当なタービンスラスト荷重を支えるスラスト軸受を組み込む。
【0108】
示された例において、取付スパイク/ロッド18、取付シリンダ18A、及びトルクバー300(ケーブル/ロープ/チェーン取り付けに対してはさらに以下で述べる)により、タービン装置10が流れ方向に応じて回転する/偏揺れすることができる枢動の中心が設けられる。フレキシブルカップリング15によりもたらされた運動の自由度と組み合わせたこの運動の自由度は、タービン装置10が流れ方向におけるどのような変化にも対応すること、したがって、物質量とコストに関連した、非常に耐久性があり効果的なエネルギーの獲得及び電力の発生が可能であることを表す。取付スパイク/ロッド18及び取付シリンダ18A、300は、電力を準備した状態で動力取出機構16を陸上での電力の回収を促進するエキスポートアンビリカルに接続するパワーエキスポートコネクタ(図示せず)を組み込んでもよい。
【0109】
例えば、プラットフォーム、ブイ、船舶などの浮体構造物、アンカー構造や水域の端(例えば、川岸や潮流の岸壁)につなぎとめられた張力をかけたケーブル/ワイヤ、又は橋などから下に伸びる構造的な取り付けなどにより代替の支持配置が設けられてもよい。
【0110】
図10はタービン装置10に対する支持配置のその一例を示す。示された例において、取り付けスパイク18/ロッド(図1参照)及びシリンダマウント18A(図3参照)と張力をかけたケーブル310に支持されたトルクバー300を置き換える。上述のとおり、タービン装置10は、ロータ支持システム12、ロータ機構14、及び動力取出機構16を含む。示された例において、トルクバー300の向きは水平であるが、タービン装置を垂直な構造物上に支持する(図12図13a、及び図13b参照)ために同様の配置を用いることができることが理解されよう。この場合、トルクバー300又は同様のものが実質的に垂直なロッド又は支持物、例えば、ケーブル、ロープ、チェーンなどに受け止められる。図12図13a、及び図13bは、このように垂直な係船索又は海底から浮遊ブイまで伸びたチェーンに支持されたタービン装置10を示す。示された方法では、そのような係船索やチェーンの1つに複数のタービン装置10を取り付けることができる(図13a参照)。
【0111】
図10は、並列に配置され張力をかけたケーブル310に支持された2つのタービン装置10を示す。しかしながら、1つ以上のタービン装置10を単一ケーブル310、例えば、2つ以上の支持構造物(図示せず)の間に架かるケーブル310、に取り付けられ得ることが理解されよう。あるいは、張力をかけたケーブル310は、支持構造物から川又は水域の岸/海岸線まで、水域の底と岸/海岸線との間、又は川などの水域を越えて伸びていてもよく、その川では支持構造物/部材は水域の両側の岸/海岸線につなぎとめられてもよい。上述の設置/配置の例において、岸/海岸線はあらゆる類似した頑丈な自然構造物、又は、例えば、突堤や橋脚などの人工の構造物と置き換えられ得ることが理解されよう。
【0112】
ケーブル310が岸/海岸線又はブイまで伸びた配置では、タービン装置10は、配置又は回収方法の一部として位置決めライン311を用いてケーブルに沿って動いてもよい。水中でのロータ機構14の向きの制御を最大化するために、タービン装置10と張力をかけたケーブル310の接続は、流れ方向におけるどのような変化にも適応するためタービン装置10がケーブル310に対して枢動できるようになっている。
【0113】
図11は、直列に配置された2つのロータ支持システム12を示し、各ロータ支持システム12は、細長いシャフト13、フレキシブルカップリング15、及びロータ機構14を含む。示された例において、配置は、第1の細長いシャフト13の支持された端部に隣接する単一の動力取出機構16を含む。獲得するエネルギー及び図11に示す配置から伝達された電力は、単一のロータ機構14を含むシステムよりも大きいことが期待される。2つ以上の細長いシャフト13及びロータ機構14をこのように取り付けてもよい。図11に示す配置の代替となる配置は、単一のロータ支持システム12、すなわち複数のロータ機構14を支える単一の細長いシャフト13を含んでもよい。
【0114】
上述の例において、ロータ機構14から動力取出機構16へのトルク伝達は細長いシャフト13及びフレキシブルカップリング15により促進される。
【0115】
上述し、図1図11に示す発電タービン装置10により、軽量で低コストかつすぐに配置可能な、自由流の流体の流れから電力を発生することができる装置を設けることができる。
【0116】
図10及び図11に示すシステムにおいて、タービン装置10は、3つのロータブレード15及びロータブレードの外側端を接続するリング17を含むロータ機構14を含む。リング17は、配置したタービン装置10の流体力学的安定性及び偏揺れ特性を高め、操作中のロータブレード15の先端を保護する。
【0117】
図1図11で説明され示されたロータ支持システム12は、簡素化されコスト効率の高い操作システムを設けるため簡素で低コストの支持構造物と共に用いることができるシステムを表す。実質的に中立的な浮力のロータ支持システムの反応性の高い特質は、例えば、タービン装置10と相互作用する波や規則正しい物体など、構造物にかかる可能性のある負荷力の急上昇から支持構造物を保護するためである。ロータ支持システム12によって支持構造物への接続部にかかる負荷は、ロータ機構の回転により生じる流れ方向スラスト及びトルク荷重を主に含む設計により簡素化される。
【0118】
上述の例では川などの水路における配置に言及しているが、水の流れ、例えば、自然又は人工のダクト/導水管、排水溝、雨水排水管を含むじょうご、及び特定のパイプの中を流れる水から電力を生み出すことができることが理解されよう。そのため、本明細書で述べる装置はそのような環境での配置と考えるのが理にかなっている。
【0119】
電力の発生の観点から、図3を参照して示され述べられた例は、例えば、15kW容量の中規模のタービン装置10と考えられる。図10を参照して示され述べられた例は、例えば、5kW容量の小規模のタービン装置と考えられる。図12図15を参照して以下で示され述べられる例は、例えば、30kW以上の容量の大規模のタービン装置と考えられる。図12は、示された例においては海/大洋に配置されたタービン装置100を示す。タービン装置100は、示された例において、従来の係留122に接続した適切なロータ支持システム120を含み、係留122は、水面111に浮かぶ浮き/ブイ123及び係留チェーン124を含み、係留チェーン124は、ダウンチェーン125及びアンカーチェーン126を含む。係留チェーン124は、決められた位置への浮き/ブイ123の配置を促進する。
【0120】
複数のアンカーチェーン123を図12に示すが、例えば、図13a及び図13bを参照すると、単一のチェーン、ロープ、ケーブルなどを含む係留を用いてもよいことが理解されよう。
【0121】
チェーンが図12に示され、又は「チェーン」という言葉を用いる場合、これらが代わりの鋼線、繊維、ポリマー線、又はこれらを混ぜ合わせたものを示してもよい。同じように、「ダウンチェーン」という言葉もダウンラインに言及していると解釈してもよい。
【0122】
図1図11に示すタービン装置10と同じように、タービン装置100は、ロータ支持システム120、ロータ機構160、動力取出機構140、及び取付要素180を含み、取付要素180は、ロータ支持システム120を介し、この例においては係留チェーン124により設けられる支持構造物にタービン装置100を接続することができる。
【0123】
図1図11とは異なり、図12図15に示す例において、タービン装置100は、ロータ機構140の一部として動力取出160を含む。
【0124】
ロータ支持システム120は、細長いシャフト部材130及び浮力調整部品(バランス機構)170を含み、示された例において、以下でさらに述べるように、浮力調整部材/バランス機構170は細長いシャフト130内部にあるシャフト搭載浮力補助器具である。
【0125】
図12図13a、及び図13bに示す例において、取付要素180は、垂直チャネル又はチューブ部分182及び水平な突出部分183を含むトルクバー集合体181を含む。垂直チャネル又はチューブ部分182は、図12ではダウンチェーンの部分を取り替え、図6b、図13a、及び図13bではダウンチェーン/ダウンライン125の部分をチャネル又はチューブ182内に受け止める。水平な突出部分183は、クレビスジョイント184と終端処理をする。示された例において、細長いシャフト130の自由な第2の端部はクレビスジョイント184を介して水平な突出部分183に固定される。細長いシャフト130と水平な突出部分183の接合部はタービン装置100の縦揺れ運動を促進する。このジョイントでは偏揺れ運動は妨げられ、垂直チャネル又はトルクバー181の長軸及びダウンチェーン/ダウンライン125周りの装置の回転によって代わりに偏揺れ運動が起こる。
【0126】
示された例において、縦揺れするジョイントの軸と偏揺れ運動の軸は、水平な突出部分183の長さによってできる所定距離の分だけ互いに放射状に意図的に相殺される。これは、より広範囲の状況でタービン操作トルクに対抗し、高流速のトルクバー181の縦揺れを弱める際に、トルクバー181の有効性を向上するよう作用する。
【0127】
与えられた例において、ダウンチェーン/ダウンライン125とトルクバー181は垂直であるが、配置の要求によっては、それらは水平でも(図10参照)代わりの角度でもよい。例えば、トルクバー181は、橋杭の下方部分から隣接する橋杭の上部又は水面上の部分に対角線上に伸びる鋼線(図示せず)によりもたらされたダウンチェーン/ダウンライン125に取り付けてもよい。
【0128】
図12は、ピン又はクランプで取り外し可能なようにダウンチェーン125に固定されたトルクバー11を示し、図13a及び図13bは、ダウンラインの一部として統合されたトルクバー11を示す。図11及び図12に示すどちらの構成もチェーン/ケーブル/ロープ/ラインのねじれを介した偏揺れを可能にする。代替の構成(図6b参照)において、ダウンチェーン/ダウンライン125の縦軸の周りのトルクバー181の自由回転を促進するタービン装置10/100の望ましい位置を獲得するため、トルクバーがダウンチェーン/ダウンライン125に沿って長手方向のどちらにも動くことができるように、トルクバー181はケーブル/ロープ/ラインをチャネル又はチューブ182内で受け止めるよう構成されており、それによりダウンチェーン/ダウンライン125に対するタービン装置10、100の偏揺れを可能にする。
【0129】
示された例において、ダウンチェーン/ダウンライン125に対してトルクバー181は、トルクバー集合体181のどちらかの端に接続されダウンチェーン/ダウンライン125のどちらかの端の滑車の上で輪になったアクチュエータ又はラインのループにより位置決めされる。適所での一時的な固定は、ダウンチェーン/ダウンライン125に対するこれらライン及び/又はトルクバーの適切な係止により獲得してもよい。
【0130】
例として、上述の橋杭の集合体(図示せず)において、操作中の最適な流れを獲得するため、取付配置は水位に対するタービン装置10、100の高さ調整を促進する。この配置はまた、水面又は水面上の位置へのタービン装置10、100の回収を促進し、それにより検査又はメンテナンスのためのタービン装置10、100へのアクセスを可能にする。
【0131】
図12図13a、及び図13bに示す例において、2つのバンプストップ185がトルクバー181の細長い要素から伸びている。1つのバンプストップ185がクレビスジョイント183の上に位置し、1つのバンプストップ185がクレビスジョイント183の下に位置している。タービン装置10、100の縦揺れ運動の枢動範囲が所定の限度内に制限されるようにバンプストップ185が配置される。
【0132】
変化する状況に対応し、その結果、バンプストップと衝突してもタービン装置100への損傷のリスクを最小限にするように、バンプストップ185はある程度の復元力又は減衰を有してもよい。バンプストップ185はばね又は弾性緩衝器を含んでもよい。通常の使用において、タービン集合体100の中立浮力の状況に加え流体の流れ方向と自然に一致するような細長い設計のため、流体の流れ方向に対するタービン装置100の縦揺れ運動は無視できるほどであろう。
【0133】
示された例において、図12を参照すると、タービン装置100を係留チェーン124に固定するため、取付要素180は係留チェーン124のリンクに接続するプレート及びピンの配置を利用している。代替の締め具、例えば、1つ以上のクランプ又は異なる締め具の組み合わせを取り入れてもよいことが理解されよう。
【0134】
取付要素180は、チェーンの2つ以上の部分の間の物理的リンク/接続を形成し、取付要素180、よってチェーンに対するタービン装置10、100の回転/枢動を所定の角度範囲、例えば、150度に限定するように、例えば、ヨー回転ジョイント200によりこれらのチェーンの部分に物理的に接続する。図12に示す、すなわち複数のアンカーチェーン126を使用した例において、偏揺れプレート200は、ダウンチェーン125とアンカーチェーン126の接合部に設けられる。図12に示すように、タービン装置100は、トルクバー集合体181とダウンチェーン125の長軸の周りを自由に偏揺れし、偏揺れプレート200に関連して偏揺れの範囲が限定される。
【0135】
図12に示す係留構成における2つの対向するアンカーチェーン長126は、偏揺れプレート200でプレート上の特定の距離の分だけ離れた接続点を介して対向する張力を加え、偏揺れプレート200の面のアライメントにバイアスをかける傾向にある力を生み出し、アンカーチェーン126の経路に一致する。この偏揺れプレート200のアライメントに関連したタービン装置100の偏揺れ範囲の物理的な限定は、タービン装置の偏揺れにバイアスをかけるか限定するため、一方向に変化する潮汐流においてゼロフロー期間にダウンチェーン125の片側の周りのみに発生するため、用いることができる。これは、タービンの支持物の偏揺れ部分を偏揺れプレートに直接に、ダウンチェーン125の短い長さを介して、又は限定された回転が可能な回転カップリングを介して接続することにより得られる。接続点が相隔たるように2つの対向するアンカーチェーン長126及び1つのダウンチェーン125を対称的に接続するあらゆる配置により、偏揺れプレートと同じ効果をもたらすことができる。
【0136】
回転防止ポスト(図示せず)が偏揺れプレート200の下方に伸びていてもよい。回転防止ポストは、偏揺れプレートの回転、よってタービン装置100のダウンチェーン125の長軸周りの制御できない回転の予防を助けることができる。これは、たとえ偏揺れプレート上でニュートラルな点から180度以上の偏揺れ運動が生じたとしても、偏揺れプレート200に作用するバイアスをかけ復元した偏揺れモーメントが有効なままであるかを確認することにより行われる。
【0137】
偏揺れプレート200及び回転防止ポスト(使用時)は、係留チェーン124、126の張力の結果として偏揺れの戻る力を促進する。これにより、流れが速度を落として止まる際にタービン装置が常に偏揺れしニュートラルな開始位置に戻ることを確実にする。
【0138】
図13aに示す、すなわち単一のアンカーチェーン/チェーンレッグ124’を用いる、又は実質的に妨げなく自由にチェーンレッグ124’の軸の周りを偏揺れすることができるように取付要素180が固定された例において、偏揺れはロータ機構140の底部に設けられた穴215、すなわちロータ140が細長いシャフト130に結合する場所、を介して制御される。
【0139】
双方向の側面スラスタ215はこの位置に設けられ、定常的な潮の流れで穴からの噴出として水又はガスが放出され、タービン装置100の偏揺れ運動を制御する。
【0140】
穴はロータ機構140のボディ141の水平径の両側に位置する。スラスタ又はジェット215は、タービン装置100の測定方向及び流速に基づいてコンピュータ制御される。
【0141】
図12は、電力アンビリカルPC1、PC2及び矢印Fで示される流れ方向に対するロータ機構140の位置の例を示す。
【0142】
図12図15に示す例において、図1図11に示す例と同様に、タービン装置100の変化する流れ方向に対する反応性により、効率的な電力の伝達及び発生が最適化される。このタービン装置100の反応性は、実質的に中立的な浮力システム、能動的にバランスをとること、及びタービン装置10、100が支持構造物及び流れの面に対して従順な姿勢を持つ場合の偏揺れ制御の組み合わせによりもたらされる。
【0143】
中立的な浮力システムは、ロータ機構140とロータ支持システム120の集合体を含む。上で述べたように、中立的な浮力とは、タービン装置100の平均密度とタービン装置100が浸漬された水の密度が実質的に等しいことを意味する。妥当な許容範囲内で、図示したように係留チェーン123に取り付けた場合、自由に連結したタービン装置100は、そっとしておいた場合、浮力又は重力により上向き又は下向きに動く傾向がないように構成される。
【0144】
図12図13a、及び図13bに示す例において、タービン装置100の中立浮力及びピッチ角は、細長いシャフト130と細長いシャフト130内部に設けられたバランス機構170を介して浮力を調整することにより確立することができる。
【0145】
タービン装置100の浮力分布及び質量中心を制御するように、バランス機構170を細長いシャフト130に対して質量を動かす(図14参照)、すなわち、細長いシャフト130内の重量分布を変化させるように配置する。
【0146】
バランス機構の操作は図8及び図9に示したシャフト搭載浮力補助器具24と類似している、すなわち、バランス機構170は、細長いシャフト130内に挿入された、空気で満たされた封止された浮力チューブ173内に位置した可動質量172を含む。
【0147】
図12図13a、及び図13bに示す例において、柔軟な電力及び通信のアンビリカルPC1、PC2が動力取出から、前方の電力制御設備が位置する場所に応じて係留チェーンに続き、ブイに向けて上向きに及び/又は海底に向けて下向きに伸びることが理解されよう。ある特定の状況では、偏揺れ運動でねじれるのを避けるため、下向きのアンビリカルは回転ヨージョイント(図12参照)を通過してもよい。この要求を避けるため偏揺れ制御を用いることができる。
【0148】
下向きのアンビリカルがある場合、偏揺れ制御は特に重要である。なぜなら、例えば、潮汐流の方向の変化において十分な偏揺れ回転がアンビリカルを損傷させる可能性があるからである。
【0149】
図14に示す例において、可動質量172、電子制御装置174、及び送りねじ又は並進ねじ176がバランス機構170の一部として組み立てられる。図8に示す例とは異なり、図14に示す装置において、質量172のみが動き、全ての制御装置が、質量172及び送りねじ176を含むチューブの一端に位置する。送りねじ又は他の駆動部176の回転に対して質量172が設置される。送りねじ176に対する質量172の動きはタービン装置100の浮力分布を調整し、ピッチ角を調節するのに用いられる。他の駆動機構、例えば、ラチェット式駆動、ピストン、ベルト駆動などを用いてもよい。
【0150】
ロータ機構140が取り外されると、サービスのためチューブ173を細長いシャフト130から引き抜くことができ、チューブ173が端部を水面の高さにした状態で上向きに傾くとボート又は船舶190から容易に到達できる。ハンドル175はチューブ173の取り外しを促進する。
【0151】
電子制御は遠隔活性化を可能にし、船上マイクロプロセッサを介したタービン装置100のピッチ角の自動補正又は同調調整を促進することができる。マイクロプロセッサは重力センサ又はジャイロスコープ177を組み込む。ソフトウェアアルゴリズムを用いて、センサが細長いシャフト130の傾き又は姿勢を継続的に判定し、対象とした限界を超えると、計算された量及び方向の分だけチューブ173に沿って質量を移動させることによりセンサは補正を受ける。センサはまた、ワイヤ、音響信号、又はチューブを介して外部のオペレータから通信を受け取ってもよい。この方法によりロータ部品を表面に運ぶように指示された際、アルゴリズムは、表面においてロータ部品を設置する傾斜角を対象にする。自動同調の利点は、タービン装置100がタービン装置100の下降又は上昇(縦揺れ)に対応し、質量の増分移動が上昇又は下降の縦揺れを補うことである。
【0152】
図1図11については上述のとおり、自動制御は反応の良いタービン装置100をもたらし、長期の配置での浮力の潜在的変化が補正される。
【0153】
制御装置はシャフトピッチ角センサを含むセンサ(図示せず)を組み込んでもよい。細長いシャフト130のピッチ角を能動的に測定する制御装置の能力により、制御装置は内部アルゴリズムにより質量172の位置を知的に調整する。上述のとおり、ピッチ角の制御は、例えば、タービン装置100が配置された水路、又は水の密度が経時的に変化する河口からの汚染により増加した質量を補うのに有益である。また、制御装置は少なくとも細長いシャフト130のピッチ角に関するフィードバックを設けるように構成されてもよい。
【0154】
示された例において、タービン装置100は、タービン装置100のロータ端部に近づいてくる物体を検出できる破片センサ300を含む。これは、シャフト上の加速度計又はカメラと組み合わせて、可能性のある衝突事象を予測してデータを記録する、又は避けるために用いてもよい。また、可能性のあるロータの損傷を見積もるため、疑わしい事象に続き警報を発するのにデータを用いてもよい。制御装置は、例えば、ワイヤ、外部スイッチを介して、又は内蔵の水中音響モデムにより得られる遠隔通信機能性を含んでもよい。示された例において、ワイヤは、浮力補助器具内のマイクロプロセッサから、無線モデムがコマンドを受信しデータを遠隔で、例えば、船舶又は陸上の施設に送信できるブイの上部に伸びる。スイッチもこの一部としてブイに接続され、サービスにあたるボートの職員は、タービンに表面まで上昇させるのにこれを用いることができる。
【0155】
バッテリーの補充された状態を保つため、封止されたユニット内の電子機器は、動力取出からもたらされた廃熱からの電力を変換する設備を含んでもよい。
【0156】
そのような機能性が、タービン装置100の回収及びメンテナンスに携わるボートの乗組員を支援するため、細長いシャフト130の浮力の変化を可能にし、例えば、遠隔制御により浮力調整がタービン集合体100の枢動又は上昇を可能にする(係留から切り離された場合)ことが理解されよう。
【0157】
遠隔制御及びフィードバックを設けることにより、1つ以上の問題、例えば問題のあるピッチ角、回転速度、又は非標準の動き、が検出され、そのうちの1つ以上がタービン装置100の少なくとも一部に損傷を示す場合、制御装置はメンテナンスのための船舶又は陸上の施設に警報を発することができる。
【0158】
図13a、図13b、図14、及び図15は、メンテナンス及び/又は修理の目的でのターン装置100の多用途性を表し、図13a及び図13bは、ロータ機構140が水141の表面に向かって移動する/浮上するように、細長いシャフト130の取り付けられた端部の周りを枢動したタービン集合体100を示す。図13a及び図15は、細長いシャフト130から切り離されたロータ機構140を示す。
【0159】
図13aは、ロータ機構140のメンテナンス、修理、又は回収を促進するため、係留122の近くに位置した、例えば、ボートなどの船舶190を表す。タービン装置100の浮力を内部のバランス機構170を介して調整することにより、タービン装置100は図13a及び図13bに示した位置に適合する。このような状況で、ロータ機構140が水の表面に向かって上昇し船舶190からアクセスできることは明らかである。
【0160】
図13aはまた、細長いシャフト130から取り外されたロータ部品を示し、ロータ機構140の細長いシャフト130からの取り外し及びロータ部品140の船舶190からの回収を促進する取り外し工具191を含む。
【0161】
図13aはタービン装置100の多用途性を示し、図13aの下部は2つのタービン装置100の直列配置を示し、上部はブイ123から下に伸びる単一の係留ライン124’から伸びる単一のタービン装置100を含む。
【0162】
図13aは、タービン装置が適切な深さに配置されるようにするため、ロープ及び滑車システム311及びワインダー及びロック310を用いて鎖/係留ライン124’に対するタービン装置100の位置をどのように調整することができるのかを示す。電力アンビリカルPC1、PC2は、電力及び/又は油圧油、及び制御信号を海底、ブイ、又は両方に運ぶ。
【0163】
図13bは止まっている状態のタービン装置100を示す。ある特定の状況では、タービン装置100を使わないことが望ましいかもしれないが、ロータ機構を細長いシャフトの上、配置された位置に保持することが必要であるかもしれない。装置を保護し不必要な操作を阻止するため、図13bの例は細長いシャフト130の傾きの範囲を最大限の浮上の範囲まで示し、ロータ機構140は係留ブイに接近している。このような状況で、ロータ機構は、この位置にしっかりと保持するため中央のけん引穴145を介してブイ123につながれていてもよい。ロータ機構を水から離れて持ち上げることにより、ロータ機構140の操作又は荷積みが阻止されることが理解されよう。止まっている位置はまた詳細な検査を促進する。
【0164】
図15は、細長いシャフト130から切り離されたロータ機構140を表す。示した例において、係止機構143は、ロータ機構140の細長いシャフト130への取り付け/固定及びロータ機構140の細長いシャフト130からの切り離し/解放を促進する。界面での電力、制御、及び通信のコネクタも同時に解放される。
【0165】
ロータ機構140の回収を軽減するために、適切な開錠工具191(図13aに示す)との係合のため解錠スパイク146を設ける。ロータ機構140を細長いシャフト130から解放する際にけん引を補助するため、けん引穴145及びブイの突出部147をロータ機構140の自由な端部に設ける。けん引穴145及びブイの突出部147によりロータ機構140の回収は小さな船舶/ボートに適合する。
【0166】
けん引穴145は、切り離し工程中のけん引ロープ149の取り付け点を兼ねている、すなわち、稼働しているボートをそばに来させ、切り離し工程中のタービン集合体100を安定させる。例において、けん引ロープは、けん引ロープ149の自由な端部から1つのタービンブレードの長さで取り付けられたループを有してもよい。ループ149’はタービンブレードの端部を締め付け、けん引ロープ149の自由な端部がけん引穴145で固定される(図15参照)。これにより、ブレードの縦方向(矢印TD参照)の効率的かつ安全なけん引のためのロータ機構14、140のブレードの端部での固定を確実にする。
【0167】
細長いシャフト130からロータ機構140を取り外すことで、細長いシャフト130の内部へのアクセスを可能にすることが理解されよう。これは、バランス機構/浮力調整部品170(図14参照)が修理又は取り替えのためアクセス可能、メンテナンス可能、場合によっては取り外し可能である(図14について上述のとおり)ことを意味する。
【0168】
示された例は、アンビリカルを介して陸地に、又は係留ブイ/浮き123の設備に、そしてさらなるアンビリカルを用いてそこから陸地に接続されてもよい。陸地へのパワーアンビリカルが実用的でない場合、電力は蓄えることができる、あるいはブイ123内に位置する設備により有用に利用することができる。これはバッテリー、ガス又は液体の形状でのエネルギー貯蔵、又は大気中の二酸化炭素の除去、大洋の浄化、通信、照明などの有用な仕事を含んでもよい。
【0169】
本発明を定義する請求項の範囲内において上述の実施形態の変更及び改良が可能である。
【0170】
以上、本発明の具体例を説明したが、説明した例からの逸脱もまた本発明を定義する請求項の範囲内に含まれ得ることが理解されよう。

図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図14
図15