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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】用土補給装置および用土補給方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/08 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
A01G9/08 604L
A01G9/08 605A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024062016
(22)【出願日】2024-04-08
(62)【分割の表示】P 2020070215の分割
【原出願日】2020-04-09
(65)【公開番号】P2024074948
(43)【公開日】2024-05-31
【審査請求日】2024-04-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000132219
【氏名又は名称】株式会社スズテック
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】石川 浩一
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-095824(JP,A)
【文献】特開2014-193749(JP,A)
【文献】特開平07-327511(JP,A)
【文献】特開2002-160795(JP,A)
【文献】特開平02-070624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
育苗容器に供給する用土を充填した用土充填容器21を支受する上枠体30と、上枠体30を支持する下枠体31とを有して載置台25を構成し、上枠体30は用土充填容器21の下面を支持する外側フレーム32および中間フレーム33を有して形成すると共に、用土充填容器21の重量を支持可能に構成した用土補給装置。
【請求項2】
請求項1において、上枠体30には上方に起立するガイド部材40を複数設けた用土補給装置。
【請求項3】
請求項2において、ガイド部材40は、ガイド部材40の下部を上枠体30側に固定状態に取付け、ガイド部材40の上部は自由端に形成した用土補給装置。
【請求項4】
請求項2において、ガイド部材40を取付けた部分より下方の上枠体30に、下枠体31に載置する縦方向の上側脚部43を複数設け、複数の上側脚部43間に空間部を形成した用土補給装置。
【請求項5】
請求項1において、下枠体31は、一対の固定枠45と一対の連結枠46とを着脱自在に連結固定する構成とした用土補給装置。
【請求項6】
請求項1において、下枠体31の所定位置には左右方向の取付杆57を設け、取付杆57には投入シュート58を着脱自在に取付け、投入シュート58には調節シャッター62を設けた用土補給装置。
【請求項7】
一対の固定枠45を、一対の連結枠体46により連結して四角枠状の下枠体31を組立て、下枠体31に落下する用土を案内する投入シュート58を取付け、次に、予め用土を充填した用土充填容器21を上枠体30上に載置し、用土充填容器21ごと上枠体30を下枠体31上に載置し、または、下枠体31上に載置した上枠体30上に予め用土を充填した用土充填容器21を載置し、投入シュート58を土供給装置1の土繰出し装置5に供給する供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に臨ませ、用土充填容器21内の用土を供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に投入シュート58を介して自然落下させて供給し、この用土を土供給装置1の土繰出し装置5に順次補給する用土補給方法。
【請求項8】
請求項7において、別途、予め用土を充填した用土充填容器21を載置した上枠体30を用意し、この充填済み用土充填容器21と上枠体30を、既に土供給装置1の土繰出し装置5へ用土を補給した用土充填容器21および上枠体30と入れ替えて下枠体31に載置して用土を補給する用土補給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用土補給装置および用土補給方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、移送台により移送中の育苗容器に上方から床土または覆土を供給する土繰出装置を、前記移送台の上方位置に設け、該土繰出装置の供給ホッパの前記育苗容器の移送方向の左右何れか一方側の側方に、前記土繰出装置の供給ホッパに土を補給するバケットを有するバケットコンベアを設けた構成は、公知である(特許文献1)。
また、従来、大型の搬送コンベアで用土を搬送し、搬送された作業場に固定状態に設置された大型の縦のバケットコンベアで補給する構成は、公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平06-253686号公報
【文献】特開平06-253686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例のうち前者のものは、供給バケットコンベアの張込ホッパーに手作業で用土を補給していたので、作業が面倒であるという課題がある。
前記公知例のうち後者のものは、播種プラントであり、小型の土供給装置への土補給作業はできないという課題がある。
本願は、簡易で効率のよい育苗容器への土供給作業が行える用土補給装置および用土補給方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、育苗容器に供給する用土を充填した用土充填容器21を支受する上枠体30と、上枠体30を支持する下枠体31とを有して載置台25を構成し、上枠体30は用土充填容器21の下面を支持する外側フレーム32および中間フレーム33を有して形成すると共に、用土充填容器21の重量を支持可能に構成した用土補給装置としたものである。
請求項2の発明は、上枠体30には上方に起立するガイド部材40を複数設けた用土補給装置としたものである。
請求項3の発明は、ガイド部材40は、ガイド部材40の下部を上枠体30側に固定状態に取付け、ガイド部材40の上部は自由端に形成した用土補給装置としたものである。
請求項4の発明は、ガイド部材40を取付けた部分より下方の上枠体30に、下枠体31に載置する縦方向の上側脚部43を複数設け、複数の上側脚部43間に空間部を形成した用土補給装置としたものである。
請求項5の発明は、下枠体31は、一対の固定枠45と一対の連結枠46とを着脱自在に連結固定する構成とした用土補給装置としたものである。
請求項6の発明は、下枠体31の所定位置には左右方向の取付杆57を設け、取付杆57には投入シュート58を着脱自在に取付け、投入シュート58には調節シャッター62を設けた用土補給装置としたものである。
請求項7の発明は、一対の固定枠45を、一対の連結枠体46により連結して四角枠状の下枠体31を組立て、下枠体31に落下する用土を案内する投入シュート58を取付け、次に、予め用土を充填した用土充填容器21を上枠体30上に載置し、用土充填容器21ごと上枠体30を下枠体31上に載置し、または、下枠体31上に載置した上枠体30上に予め用土を充填した用土充填容器21を載置し、投入シュート58を土供給装置1の土繰出し装置5に供給する供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に臨ませ、用土充填容器21内の用土を供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に投入シュート58を介して自然落下させて供給し、この用土を土供給装置1の土繰出し装置5に順次補給する用土補給方法としたものである。
請求項8の発明は、別途、予め用土を充填した用土充填容器21を載置した上枠体30を用意し、この充填済み用土充填容器21と上枠体30を、既に土供給装置1の土繰出し装置5へ用土を補給した用土充填容器21および上枠体30と入れ替えて下枠体31に載置して用土を補給する用土補給方法としたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、育苗容器に供給する用土を充填した用土充填容器21を支受する上枠体30と、上枠体30を支持する下枠体31とを有して載置台25を構成し、上枠体30は用土充填容器21の下面を支持する外側フレーム32および中間フレーム33を有して形成すると共に、用土充填容器21の重量を支持可能に構成しているので、用土充填容器21から供給された用土は土供給装置1の土繰出し装置5の供給ホッパー6に供給され、土繰出し装置5に供給された用土は土供給装置1の移送台2により移送されている育苗容器に上方から落下供給される。
請求項2の発明では、上枠体30には上方に起立するガイド部材40を複数設けているので、上枠体30に用土充填容器21を上方から載置するとき、上枠体30の中央に用土充填容器21を容易に誘導することができる。
請求項3の発明では、ガイド部材40は、ガイド部材40の下部を上枠体30側に固定状態に取付け、ガイド部材40の上部は自由端に形成しているので、用土充填容器21を安定して載置できる。
請求項4の発明では、ガイド部材40を取付けた部分より下方の上枠体30に、下枠体31に載置する縦方向の上側脚部43を複数設け、複数の上側脚部43間に空間部を形成しているので、用土充填容器21の排出筒部27を位置させて、排出筒部27を閉塞している結束状態の紐部材の解放作業、あるいは、排出筒部27の結束作業を容易にする。
請求項5の発明では、下枠体31は、一対の固定枠45と一対の連結枠46とを着脱自在に連結固定する構成としているので、下枠体31の内部に立方体の空間を形成でき、下枠体31内に投入シュート58を容易に設置することができる。
請求項6の発明では、下枠体31の所定位置には左右方向の取付杆57を設け、取付杆57には投入シュート58を着脱自在に取付け、投入シュート58には調節シャッター62を設けているので、下枠体31は投入シュート58と別個に梱包でき、下枠体31の梱包状態の容積を小さくでき、投入シュート58の調節シャッター62を所定量開口させると、用土充填容器21内の用土は供給バケットコンベア10を介して土供給装置1の土繰出し装置5に補給することができる。
請求項7の発明では、一対の固定枠45を、一対の連結枠体46により連結して四角枠状の下枠体31を組立て、下枠体31に落下する用土を案内する投入シュート58を取付け、次に、予め用土を充填した用土充填容器21を上枠体30上に載置し、用土充填容器21ごと上枠体30を下枠体31上に載置し、または、下枠体31上に載置した上枠体30上に予め用土を充填した用土充填容器21を載置し、投入シュート58を土供給装置1の土繰出し装置5に供給する供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に臨ませ、用土充填容器21内の用土を供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に投入シュート58を介して自然落下させて供給し、この用土を土供給装置1の土繰出し装置5に順次補給するので、特別な駆動源を使用せずに、土供給装置1の土繰出し装置5へ用土を連続補給でき、育苗容器への土供給作業を容易に連続作業とすることができる。
請求項8の発明では、別途、予め用土を充填した用土充填容器21を載置した上枠体30を用意し、この充填済み用土充填容器21と上枠体30を、既に土供給装置1の土繰出し装置5へ用土を補給した用土充填容器21および上枠体30と入れ替えて下枠体31に載置して用土を補給するので、簡単に、供給済みの用土充填容器21と、供給前の用土充填容器21とを簡単に交換できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】移送台と土繰出装置とバケットコンベアと用土補給装置の概略正面図。
図2】同斜視図。
図3】用土補給装置の分解図。
図4】載置台の分解斜視図。
図5】用土補給装置の縦断正面図。
図6】バケットコンベアの他の実施形態図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図により本発明の一実施形態を説明すると、1は土供給装置であり、育苗容器(図示省略)を移送する移送手段(図示省略)を有する移送台移送台2を設けて構成している。移送台2の上方には移送中の育苗容器に床土または覆土を供給する土繰出し装置5を設ける。土繰出し装置5は公知構造であり、上部に供給ホッパー6を設け、供給ホッパー6の下方に前記育苗容器の移送方向と平行に回転する供給ベルト7等を設けて構成している。
前記土繰出し装置5の近傍側方には、土繰出し装置5の供給ホッパー6に土を供給する供給バケットコンベア10を設ける。供給バケットコンベア10は、一対のフレーム11を設け(図1)、フレーム11には上下一対の回転軸12を設け、上下の回転軸12の内の一方の回転軸12をコンベア用モーター13(図6)により駆動回転させる。
【0009】
該コンベア用モーター13の回転はフレーム11の上部に設けた回転軸12に直接または間接的に伝達する構成とする。
上下の回転軸12にはそれぞれスプロケット14を設け(図6)、上下のスプロケット14間に無端チエン15を巻回し、該無端チエン15の外周には篩土を上昇させる複数のバケット16を所定間隔を置いて取付けて構成する。
前記フレーム11の下部の、前記バケット16の回転上昇側には篩土を張込む張込ホッパー18を設ける(図1)。
【0010】
しかして、張込ホッパー18の上方には、供給バケットコンベア10に用土を補給する用土補給装置20を設ける(図1)。用土補給装置20はフレキシブルコンテナ等の用土充填容器21を載置する載置台25を有して構成する。フレキシブルコンテナは、ポリエチレン、ポリプロビレン等の材質の糸状部材を編み込んで布状部材を形成し、この布状部材により円筒あるいは角筒状の袋形状に形成し、用土充填容器21の上部には開閉自在の供給口部26を形成し、用土充填容器21の下部には開閉自在の排出筒部27を形成する。
載置台25は、用土充填容器21を載置する上枠体30と、上枠体30を支持する下枠体31とを有して構成する。
【0011】
図4に示したように、上枠体30は、用土充填容器21の外径よりも小径の外側フレーム32に外側フレーム32より小径の中間フレーム33を連結杆34により連結する。連結杆34は中間フレーム33の円周方向に複数並設する。中間フレーム33の内側には中間フレーム33より小径であって用土充填容器21の排出筒部27を上方から挿入しうる直径に形成された内側フレーム35を設ける。内側フレーム35は連結杆34に固定する。
上枠体30の外側フレーム32と中間フレーム33は、側面視において、略同じ高さに配置するが、外側フレーム32および中間フレーム33に対して内側フレーム35は所定高さ分低く設ける。
【0012】
そのため、用土充填容器21の底面は、外側フレーム32と中間フレーム33により支持され、用土充填容器21の底面と内側フレーム35との間に所定空間Kが形成され、空間K内に用土充填容器21の排出筒部27を位置させて、排出筒部27を閉塞している紐部材(図示省略)の結束の解放作業、あるいは、排出筒部27の結束作業を容易にする。
上枠体30の外側フレーム32には、上方に起立するガイド部材40の下部を固定する。ガイド部材40は上下所定部分より上方部分を外側に倒した傾斜案内部41を形成し、上枠体30に用土充填容器21を上方から載置するとき、上枠体30の中央に用土充填容器21を誘導する作用を奏する。
【0013】
上枠体30の下面所定位置には下方に突き出す上側脚部43を所定間隔をおいて複数設ける。本実施形態では、4本の上側脚部43を設けている。上側脚部43の下端部には傘状に開く当接部44を設ける。
載置台25の下枠体31は、一対の固定枠45を、連結枠体46により連結し、内部に立方体の空間を形成する。本実施形態では、固定枠45を前後一対設ける。
固定枠45は、左右一対の縦杆47の上下所定部分に左右方向の横杆48の両端を熔接固定して形成する。
連結枠体46は、上下一対の前後方向の横杆50の前後所定中間部分を一対の上下方向の縦杆51の上下両端を熔接固定して形成する。
【0014】
そして、左右の連結枠体46の横杆50の前後両端に螺子軸54を設け、螺子軸54の部分を前後の固定枠45の横杆48にボルト55により着脱自在に固定する。
そのため、載置台25は、上枠体30と下枠体31とに分割でき、さらに、下枠体31は固定枠45と連結枠体46とに分割でき、梱包および運搬を容易にする(図4)。
下枠体31の所定位置には左右方向の取付杆57を設け、取付杆57には投入シュート58を着脱自在に取付ける。投入シュート58は上部に筒形状のホッパー部59を設け、ホッパー部59の下部には誘導樋60を設け、誘導樋60にはホッパー部59の繰出口61の開口量を調節する調節シャッター62を設けている。
また、ホッパー部59の側板63は誘導樋60の底面より下方に延設し、側板63の下端縁には係合溝64を形成し、係合溝64を取付杆57に上方から係合させる。
なお、バケットコンベア10の構成は任意であり、図1のバケットコンベア10では張込ホッパー18を単体のホッパーにより構成しているが、図6の張込ホッパー18は張込ホッパー18内に搬送ベルト70を設けている。
また、71は土回収コンベアであり、上部にホッパー部72を設け、ホッパー部72内に搬送ベルト70を設けて構成し、土繰出し装置5により繰り出した土のうち、育苗容器Aに入らなかった土を回収し、土繰出し装置5に還元供給するものである。
【0015】
(実施形態の作用)
本発明は上記構成であり、土供給装置1の土繰出し装置5の側方に供給バケットコンベア10を設置し、供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に用土補給装置20の投入シュート58を臨ませる。
用土補給装置20の載置台25の上枠体30には用土充填容器21を載置しているので、用土充填容器21内の用土は投入シュート58のホッパー部59内に流入し、ホッパー部59から供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に供給される。
供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に供給された用土は、土供給装置1の土繰出し装置5の供給ホッパー6に供給され、土繰出し装置5に供給された用土は土供給装置1の移送台2により移送されている育苗容器に上方から落下供給される。
【0016】
したがって、土供給装置1の土繰出し装置5と、土繰出し装置5に用土を補給する供給バケットコンベア10と、供給バケットコンベア10に用土充填容器21の用土を補給する用土補給装置20とにより、育苗容器への土供給を連続して行える。
この場合、従来では、供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に手作業で用土を補給させていたが、本発明では重力を利用して動力を使用することなく、連続的に用土を供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に供給することができ、土供給作業を容易化できる。
【0017】
なお、土繰出し装置5は、育苗容器を移送する移送手段を有する移送台移送台2の上方に設けられていればよく、播種作業の作業現場に設置されている、土・種子・水等を供給する播種装置に搭載されている床土あるいは覆土供給装置としての土繰出し装置5であってもよい。
しかして、用土補給装置20は、上方に当業者にフレキシブルコンテナと称される用土充填容器21を載置する載置台25を設けて構成しているので、用土充填容器21から用土を自然落下させて供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に供給する構成とすることができ、合理的で、簡素で、安価に製造できる。
【0018】
用土充填容器21は、上部には開閉自在の供給口部26を形成しているので、予め、排出筒部27を閉塞した状態で供給口部26から用土を充填し、この用土充填容器21を複数用意し、土繰出し装置5による育苗容器への土供給により、用土充填容器21が空になると、用土が充填されている用土充填容器21と交換使用し、育苗容器への連続的土供給を可能にしている。
載置台25は、用土充填容器21を載置する上枠体30と、上枠体30を支持する下枠体31とを有して構成し、上枠体30は用土充填容器21の外径よりも小径の円形の外側フレーム32に外側フレーム32より小径の中間フレーム33を連結杆34により連結して形成しているので、用土充填容器21の下面を外側フレーム32と中間フレーム33により確実に支持する。
【0019】
連結杆34は中間フレーム33の円周方向に複数並設しているので、用土充填容器21の重量を確実に支持できる。ちなみに、用土充填容器21には0.5~1.5トンほどの用土を充填している。
上枠体30の中間フレーム33の内側には中間フレーム33より小径であって用土充填容器21の排出筒部27を上方から挿入しうる直径に形成された内側フレーム35を設け、上枠体30の外側フレーム32と中間フレーム33は、側面視において、略同じ高さで配置するが、外側フレーム32および中間フレーム33に対して内側フレーム35は所定高さ分低く設けているので、用土充填容器21の底面は、外側フレーム32と中間フレーム33により支持され、用土充填容器21の底面と内側フレーム35との間に所定空間Kが形成され、空間K内に用土充填容器21の排出筒部27を位置させて、排出筒部27を閉塞している紐部材(図示省略)の結束の解放作業、あるいは、排出筒部27の結束作業を容易にする。
【0020】
上枠体30の外側フレーム32には、上方に起立するガイド部材40の下部を固定し、ガイド部材40は上下所定部分より上方部分を外側に倒した傾斜案内部41を形成しているので、上枠体30に用土充填容器21を上方から載置するとき、上枠体30の中央に用土充填容器21を容易に誘導することができる。
また、用土充填容器21は、布状部材で袋形状に形成しているので、用土充填容器21えお上枠体30上に載置すると、用土充填容器21の側面はガイド部材40を左右側から挟むように変形し、ガイド部材40は用土充填容器21の側面支持部材としても作用し、用土充填容器21の載置姿勢を安定させられる。
【0021】
この場合、ガイド部材40の上端は、少なくとも、用土充填容器21の底面から三分の一の高さの用土充填容器21の側面に当接するように形成すると、用土充填容器21の載置姿勢を安定させられ、好適である。
上枠体30の下面所定位置には下方に突き出す上側脚部43を所定間隔をおいて複数設け、上側脚部43の下端部には傘状に開く当接部44を設けているので、上枠体30は下枠体31の上方に載置するだけで、載置姿勢を安定させることができる。
載置台25の下枠体31は、一対の固定枠45を、連結枠体46により連結し、内部に立方体の空間を形成しているので、下枠体31内にホッパー部59を容易に設置することができる。
【0022】
下枠体31の各固定枠45は、左右一対の縦杆47の上下所定部分に左右方向の横杆48の両端を熔接固定しているので、用土充填容器21の荷重を強固に支持する。
同様に、連結枠体46は、上下一対の前後方向の横杆50の前後所定中間部分を一対の上下方向の縦杆51の上下両端を熔接固定しているので、用土充填容器21の荷重を強固に支持する。
下枠体31は、左右の連結枠体46の横杆50の前後両端に螺子軸54を設け、螺子軸54の部分を前後の固定枠45の横杆48にボルト55により着脱自在に固定するので、載置台25は、上枠体30と下枠体31とに分割でき、さらに、下枠体31は固定枠45と連結枠体46とに分割でき、梱包および運搬を容易にする。
【0023】
下枠体31の所定位置には左右方向の取付杆取付杆57を設け、取付杆57には投入シュート58を着脱自在に取付けるので、下枠体31は投入シュート58と別個に梱包でき、下枠体31の梱包状態の容積を小さくできる。
投入シュート58は上部に筒形状のホッパー部59を設け、ホッパー部59の下部には誘導樋60を設けているので、下枠体31の前側の固定枠45を供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に臨ませ、この固定枠45に投入シュート58を装着すると、投入シュート58の誘導樋60を供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に簡単に臨ませることができ、用土補給装置20の下枠体31の設置を容易にできる。
【0024】
この下枠体31に用土充填容器21を載置した上枠体30を載置すると、用土補給装置20の設置が完了する。
そして、用土充填容器21の供給口部26を開放し、投入シュート58の調節シャッター62を所定量開口させると、用土充填容器21内の用土は供給バケットコンベア10を介して土供給装置1の土繰出し装置5に補給される。
また、別途、予め用土を充填した用土充填容器21を載置した上枠体30を用意し、この充填済み用土充填容器21と上枠体30を、既に土供給装置1の土繰出し装置5へ用土を補給した用土充填容器21および上枠体30と入れ替えて下枠体31に載置して用土を補給できるので、簡単に、供給済みの用土充填容器21と、供給前の用土充填容器21とを簡単に交換できる。
【0025】
なお、用土充填容器21を載置した上枠体30を下枠体31上に載置する方法は、任意であるが、フォークリフトのフォークを上枠体30の外側フレーム32の下方に挿入すると、簡単に持ち上げて下枠体31上に載置できる。
また、用土補給装置20の、上枠体30と下枠体31と用土充填容器21との組立等の作業順序は任意であり、上記説明以外に、下枠体31に投入シュート58をセットし、この下枠体31に用土充填容器21を載置した上枠体30を載置し、この状態で、投入シュート58の誘導樋の後側からフォークリフトのフォークを下枠体31の固定枠45の上側横杆50の下方に、投入シュート58の両側から挿入して持ち上げて、載置台25と用土充填容器21とを一体で供給バケットコンベア10の張込ホッパー18に向けて運搬してもよい。
【符号の説明】
【0026】
1…土供給装置、2…移送台、5…土繰出し装置、6…供給ホッパー、7…供給ベルト、10…供給バケットコンベア、11…フレーム、12…回転軸、13…コンベア用モーター、14…スプロケット、15…無端チエン、16…バケット、18…張込ホッパー、20…用土補給装置、21…用土充填容器、25…載置台、26…供給口部、27…排出筒部、30…上枠体、31…下枠体、32…外側フレーム、33…中間フレーム、34…連結杆、35…内側フレーム、40…ガイド部材、41…傾斜案内部、43…上側脚部、44…当接部、45…固定枠、46…連結枠体、47…縦杆、48…横杆、50…横杆、51…縦杆、54…螺子軸、55…ボルト、57…取付杆、58…投入シュート、59…ホッパー部、60…誘導樋、61…繰出口、62…調節シャッター、63…側板、64…係合溝。
図1
図2
図3
図4
図5
図6