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特許7514068情報処理装置とその制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】情報処理装置とその制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20180101AFI20240703BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240703BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240703BHJP
   G06F 21/60 20130101ALI20240703BHJP
【FI】
G06F9/445
B41J29/38 202
G06F3/12 331
G06F21/60 380
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019184077
(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公開番号】P2021060751
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 龍太
【審査官】児玉 崇晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-118095(JP,A)
【文献】特開2011-211744(JP,A)
【文献】特開2005-242781(JP,A)
【文献】特開2008-283441(JP,A)
【文献】特開2006-285900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/445
G06F 21/60
B41J 29/38
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象のフォルダと、前記対象のフォルダに保存されたファイルに対して実行すべき処理とを関連付けて設定する設定手段と、
前記対象のフォルダに保存されたファイルに、当該ファイルの保存を行ったアプリケーションが所定のアプリケーションであることを示す所定の識別情報が付加されているかどうか判定する判定手段と、
前記対象のフォルダに保存されたファイルのうち、前記判定手段で前記所定の識別情報が付加されていると判定したファイルに対して、前記設定手段で前記対象のフォルダに関連付けて設定された前記処理を自動的に実行するように制御する一方、前記対象のフォルダに保存されたファイルのうち、前記判定手段で前記所定の識別情報が付加されていないと判定したファイルに対して、前記設定手段で前記対象のフォルダに関連付けて設定された前記処理を自動的に実行しないように制御する制御手段と、を有し、
前記所定の識別情報は、前記所定のアプリケーションが前記ファイルを保存する際に、当該ファイルのファイル名のうちの拡張子と異なる部分において付加されることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の識別情報は、前記所定のアプリケーションを一意に特定するハッシュ値であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記対象のフォルダの保存先を示すパスと、前記対象のフォルダに保存されたファイルに対して実行すべき前記処理とを、ユーザの指示に基づいて関連付けて設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定のアプリケーションは、前記ファイルを前記対象のフォルダに保存する際に、前記ファイルのファイルのうちの拡張子と異なる部分において前記所定の識別情報を付加することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対象のフォルダに保存されているファイルの情報を表示する表示手段を、更に有し、
前記表示手段は、前記対象のフォルダに保存されているファイルの情報を表示する際、前記所定の識別情報をマスクして前記ファイルの情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対象のフォルダに保存されているファイルのファイルを表示する表示手段を、更に有し、
前記表示手段は、前記対象のフォルダに保存されているファイルの情報を表示する際、前記所定の識別情報をマスクして前記ファイルを表示することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
対象のフォルダと、前記対象のフォルダに保存されたファイルに対して実行すべき処理とを関連付けて設定する設定工程と、
前記対象のフォルダに保存されたファイルに、当該ファイルの保存を行ったアプリケーションが所定のアプリケーションであることを示す所定の識別情報が付加されているかどうか判定する判定工程と、
前記対象のフォルダに保存されたファイルのうち、前記判定工程で前記所定の識別情報が付加されていると判定したファイルに対して、前記設定工程で前記対象のフォルダに関連付けて設定された前記処理を自動的に実行するように制御する一方、前記対象のフォルダに保存されたファイルのうち、前記判定工程で前記所定の識別情報が付加されていないと判定したファイルに対して、前記設定工程で前記対象のフォルダに関連付けて設定された前記処理を自動的に実行しないように制御する制御工程と、を有し、
前記所定の識別情報は、前記所定のアプリケーションが前記ファイルを保存する際に、当該ファイルのファイル名のうちの拡張子と異なる部分において付加されることを特徴とする制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置とその制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から業務フローを効率化する手段として、自動実行という機能がある。この自動実行とは、自動実行フォルダと呼ばれるフォルダを指定し、そのフォルダに自動実行で行いたい処理を予め定義しておく。これにより、ファイルが自動実行フォルダに投入された際に、そのファイルを自動で検知して、予め定義されている処理を自動実行する機能である。ここで具体的な自動実行機能を有するアプリケーションの一例を説明する。
【0003】
例えば、文書管理アプリケーションにおいて、自動実行フォルダの設定ダイアログで自動実行を設定する。このときの設定内容としては、例えば、自動実行の対象であるフォルダパスや、自動実行の処理内容であるPDF変換や印刷といった処理内容を設定する。このような設定を行うことで、自動実行フォルダとして設定したフォルダにファイルが投入されると、自動実行処理が、その投入されたファイルを検知して指定された処理内容に基づく処理を自動で実行する。
【0004】
一方、自動実行を実現する方法として特許文献1に記載の方法もある。特許文献1は、自動実行を実現するシステムであって、自動実行の処理定義をユニークIDに紐付けてデータベースで管理している。そして自動実行フォルダにユニークIDが付加されたファイルが投入されると、そのユニークIDをキーとして、データベースから自動実行の処理定義を検索し、ヒットした処理定義を使用して自動実行を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-339114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1を使用して自動実行を実現する際に以下のような課題がある。尚、アプリケーションの一例として紹介した上述の例でも同様な課題が発生する。特許文献1では、自動実行フォルダにファイルが投入されると、ファイルのユニークIDに紐づいた自動実行の定義に従って自動実行がなされる。従って、ファイル管理アプリケーションを併用してファイルの管理を行っている場合、そのファイル管理アプリケーションは、特許文献1のアプリケーションのように自動実行のような機能や、それに付随したUIの表示機能を保持していないことが考えられる。そのため特許文献1のようなアプリケーションで自動実行フォルダとして設定しても、ファイル管理アプリケーション上で通常フォルダと区別して表示することはできない。従って、ファイル管理アプリケーション上で自動実行が設定されたフォルダか否かを、ユーザは判別することができない。これにより、自動実行が設定されたフォルダと、通常フォルダとが区別できないため、誤って自動実行フォルダにユニークIDが付加されたファイルを移動してしまう可能性があり、その場合、ユーザの意図しない印刷処理などが実行されてしまうことになりセキュリティ上の課題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点の少なくとも一つを解決することにある。
【0008】
本発明の目的は、ユーザの操作によって誤って自動実行フォルダにファイルが投入されても、そのファイルが自動実行されるのを防止できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る情報処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
対象のフォルダと、前記対象のフォルダに保存されたファイルに対して実行すべき処理とを関連付けて設定する設定手段と、
前記対象のフォルダに保存されたファイルに、当該ファイルの保存を行ったアプリケーションが所定のアプリケーションであることを示す所定の識別情報が付加されているかどうか判定する判定手段と、
前記対象のフォルダに保存されたファイルのうち、前記判定手段で前記所定の識別情報が付加されていると判定したファイルに対して、前記設定手段で前記対象のフォルダに関連付けて設定された前記処理を自動的に実行するように制御する一方、前記対象のフォルダに保存されたファイルのうち、前記判定手段で前記所定の識別情報が付加されていないと判定したファイルに対して、前記設定手段で前記対象のフォルダに関連付けて設定された前記処理を自動的に実行しないように制御する制御手段と、を有し、
前記所定の識別情報は、前記所定のアプリケーションが前記ファイルを保存する際に、当該ファイルのファイル名のうちの拡張子と異なる部分において付加されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザが意図せずにファイルを自動実行フォルダに移動した場合に、そのファイルが自動実行されるのを防止できるという効果がある。
【0011】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
図1】本発明の実施形態1に係る画像処理システムの構成を説明する図。
図2】実施形態1に係るクライアント端末のハードウェア構成を説明するブロック図。
図3】実施形態1に係るクライアント端末、ストレージサーバ、クラウドストレージサーバのソフトウェア構成を説明する機能ブロック図。
図4】実施形態1に係る文書管理アプリケーションのユーザインターフェースの一例を示す図。
図5】実施形態1に係るファイル管理アプリケーションのユーザインターフェースの一例を示す図。
図6】実施形態1に係るクライアント端末の表示部に表示される自動実行フォルダの一覧例を示す図。
図7】実施形態1に係るクライアント端末の表示部に表示される自動実行の設定画面の一例を示す図。
図8】実施形態2に係るクライアント端末の表示部に表示される自動実行の設定画面の一例を示す図。
図9】実施形態1に係るクライアント端末が保持する自動実行管理テーブルの一例を示す図。
図10】実施形態2に係るクライアント端末が保持する自動実行管理テーブルの一例を示す図。
図11】実施形態1に係るクライアント端末における、文書管理アプリケーションによる自動実行処理を説明するフローチャート。
図12】実施形態1に係るクライアント端末において、文書管理アプリケーションが自動実行フォルダにファイルを移動する際に行う処理を説明するフローチャート。
図13】実施形態2に係るクライアント端末における、文書管理アプリケーションによる自動実行処理を説明するフローチャート。
図14】実施形態2に係る自動実行の実行ユーザ情報管理テーブルの一例を示す図。
図15】実施形態3に係るクライアント端末において、文書管理アプリケーションのUIのファイルリストペインにファイルを表示する際の処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これら複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一もしくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。尚、以下に説明する実施形態では、本発明に係る情報処理装置をクライアント端末を例に説明する。
【0014】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る画像処理システムの構成を説明する図である。
【0015】
この画像処理システムは、イーサネット(登録商標)や無線LANなどからなるLAN(Local Area Network)103に接続されているクライアント端末100及び102、画像処理装置101、ストレージサーバ107を含んでいる。またクラウドストレージサーバ106は、イーサネットや無線LAN等のLAN105に接続されている。そしてこれらLAN103及びLAN105は、インターネット網104に接続されている。これにより、LAN103及びLAN105のそれぞれのネットワークに接続されている装置は相互に通信可能となっている。
【0016】
クライアント端末100,102は、画像処理装置101に対して印刷やファクシミリ(FAX)送信を指示できるユーザが使用するPCである。画像処理装置101は、プリンタ機能、FAX機能、コピー機能、スキャナ機能、ファイル送信機能等を備える。尚、クライアント端末100,102には、所定のオペレーティングシステム(OS)がインストールされ、かつ、特定の機能処理を実行する各種のアプリケーション(不図示)もインストールされている。ここで、特定の機能処理には、文書処理、表計算処理、プレゼンテーション処理、画像処理、図形処理等が含まれ、各アプリケーションはそれぞれ独自のデータ構造(ファイル構造)を備える。更に、OSは、各ファイルの識別子を参照して、対応するアプリケーションに印刷指示を行える。
【0017】
またクライアント端末100,102には、画像処理装置101を利用するための文書管理アプリケーション400及びファイル管理アプリケーション500がインストールされている。文書管理アプリケーション400は、画像処理装置101に対する印刷やFAX送信等の出力指示を行う機能、画像処理装置101の使用状態や出力ジョブの実行状況を表示する機能、自動実行を定義する機能を備えている。またファイル管理アプリケーション500は、フォルダ間でファイルを移動、コピー、複製などを実行できる機能を有している。クラウドサービスサーバ106及びストレージサーバ107は、クライアント端末で実行される文書管理アプリケーション400及びファイル管理アプリケーション500と連携して、文書の参照、保存、編集、削除、共有などが行えるストレージ機能を提供している。
【0018】
図2は、実施形態1に係るクライアント端末100のハードウェア構成を説明するブロック図である。尚、クライアント端末100とクライアント端末102は基本的に同じハードウェア構成であるため、ここではクライアント端末100を例に説明する。
【0019】
CPU(Central Processing Unit)202は、このクライアント端末100全体の制御を行う。CPU202はハードディスクドライブ(HDD)205に格納されているアプリケーションプログラムやOS等をRAM203に展開して実行し、RAM203にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に格納する。ROM204は、ブートプログラムや基本I/Oプログラム等の各種データを記憶する。RAM203は、CPU202の主メモリ、ワークエリア等として機能する。HDD205は、大容量メモリとして機能し、オフィスアプリケーションやWebブラウザ等のアプリケーションプログラム、OS、関連プログラム等を格納している。表示部206は、キーボード207から入力したコマンド等を表示するものである。インターフェース208は、プリンタ、USB機器、周辺機器を接続する。キーボード/ポインティングデバイス(PD)207は、ユーザの操作を受け付け、表示部206とともにUI(ユーザインタフェース)を提供している。システムバス201は、クライアント端末100におけるデータの流れを司るものである。ネットワークインターフェースカード(NIC)209は、ネットワーク103を介して外部装置とのデータのやり取りを行う。尚、このクライアント端末100の構成はその一例であり、図2の構成例に限定されるものではない。例えば、データやプログラムの格納先は、その特徴に応じてROM204、RAM203、HDD205などで変更することも可能である。実施形態で特に明記しない場合は、各種処理はROM204等に記憶されているプログラムをRAM203等に展開し、その展開したプログラムをCPU202が実行することによって実現されるものとする。
【0020】
図3は、実施形態1に係るクライアント端末100,102、ストレージサーバ107、クラウドストレージサーバ106のソフトウェア構成を説明する機能ブロック図である。
【0021】
Webアプリケーション301はストレージサーバ107に記憶されており、これはデータベース304を持ったストレージアプリケーションである。Webアプリケーション301は、ストレージサーバ107のデータ管理を実行するソフトウェアであり、後述するクライアント端末の文書管理アプリケーション400及びファイル管理アプリケーション500からの要求に応じて業務フローを実行する。データ送受信部302は、後述するクライアント端末の文書管理システムプラグイン309からの要求を受信し、その要求の内容に応じて、後述するデータ管理部303へファイル操作の処理を指示する。データ管理部303は、データ送受信部302からの指示を受けて、後述するデータベース304へファイル操作を指示する。データベース304はファイルデータを管理している。データベース304は、インデックスによるフラットな構造でのファイル管理でも、フォルダ構成でのファイル管理でも良く、そのデータベースの構成は問わない。尚、クラウドストレージサーバ106のWebアプリケーション315は、ストレージサーバ107のWebアプリケーション301とソフトウェア構成は同様であるため、その説明を割愛する。
【0022】
クライアント端末の文書管理アプリケーション400は、ストレージサーバ107やクラウドストレージサーバ106にアクセスすることを可能にする。文書管理アプリケーション400は、クライアント端末100,102にインストールされ、各種文書管理システムやOSのファイルシステムが管理する文書へのアクセスを可能にし、ユーザからの要求に応じて文書の各種操作を行うことが可能である。UI部306は、図4で示すユーザインターフェースの構築や、ユーザからの各種入力操作を受け付けて、対応する処理を後述する処理実行部307及び自動実行処理部308に指示する。処理実行部307は、UI部306の指示に応じて、ファイルの閲覧、検索、移動、コピーなどの各種操作を実行する。自動実行処理部308は、ユーザからの入力に基づいて、フォルダへの自動実行の設定、及びその設定に基づいて、そのフォルダに格納されたファイルに対して自動実行処理を行う。文書管理システムプラグイン309は、各種文書管理システムと連携して文書管理システムが管理している文書にアクセス可能にして、処理実行部307が実行する各種操作を処理する。尚、図3では省略しているが、文書管理アプリケーション400は、クライアント端末100だけでなくクライアント端末102にもインストールされている。
【0023】
ファイル管理アプリケーション500は、ストレージサーバ107やクラウドストレージサーバ106にアクセスすることを可能にする。ファイル管理アプリケーション500はクライアント端末100,102にインストールされ、各種文書管理システムやOSのファイルシステムが管理するファイルへのアクセスを可能にして、ユーザからの要求に応じてファイルの各種操作を行う。ファイル管理アプリケーション500は、文書管理アプリケーション400と比較してファイルの閲覧、検索、移動、コピーといった基本的なファイル操作機能を具備する。しかしながら、UI部311及び処理実行部312には、例えば、図4のアウトプットバーのボタン405や、自動実行処理部308に対応した機能処理部やUIなどは保持していない点が文書管理アプリケーション400と異なる。文書管理システムプラグイン313は、文書管理システムプラグイン309と同様の機能を有し、各種文書管理システムと連携して文書管理システムが管理している文書にアクセス可能にして、処理実行部312が実行する各種操作を処理する。尚、図3では省略しているが、ファイル管理アプリケーション500は、クライアント端末102だけでなくクライアント端末100にインストールされているものとする。
【0024】
次に、図4図7図9及び図11図12を参照して、実施形態1に係るUI(ユーザインターフェース)に関して説明する。
【0025】
図4は、実施形態1に係る文書管理アプリケーション400のユーザインターフェースの一例を示す図である。尚、この文書管理アプリケーション400は、単独のアプリケーションとして起動する。
【0026】
図4は、ファイルメニュー401が選択された状態を示し、ナビゲーションペイン402は、文書管理アプリケーション400が管理している文書管理システムへのアクセスをナビゲートする。このナビゲーションペイン402には、文書管理システムの保存領域がツリー表示され、ユーザの指定に応答して保存領域にアクセス可能な構成となっている。ナビゲーションペイン402は、各種文書管理システム及びOSのファイルシステムが管理する物理的に別の文書管理システムを統一的に表示可能な構成となっている。アドレスバー403は、ナビゲーションペイン402で指定した保存領域の場所(パス)を表示している。また、ファイルリストペイン404は、ナビゲーションペイン402で指定した保存領域に保存されているファイルもしくはフォルダを一覧表示している。ここでは、選択されたHomeフォルダ内の「SampleFile1」、「SampleFile2」の文書データと、「Division1」のフォルダが表示されている例を示している。
【0027】
アウトプットバーのボタン405は、このボタン405を選択するか、又はファイルをドラック&ドロップすることで特定の条件に基づいたメールの送信が可能となる。文書情報406は、ファイルリストペイン404に表示されたファイルを選択することで表示される文書情報である。この文書情報406には、ファイル名やファイルロケーション、サイズ、拡張子が含まれ、それらのファイルプロパティが表示される。プレビュー表示領域407は、ファイルリストペイン404でファイルが選択されると、そのファイルのプレビュー表示が行われる。閉じるボタン408が押下されると、この画面は閉じられる。Homeアイコン409は、自動実行の設定がなされたフォルダアイコンの一例を示す。フォルダに対して自動実行を設定すると、そのフォルダアイコンが通常のフォルダアイコンから自動実行の設定がなされたフォルダアイコンに変わる。即ち、図4では、Homeアイコン409に△マークを付与して表示されている。これによって、ユーザはどのフォルダが自動実行が設定されたフォルダであるかを容易に認識することができる。
【0028】
図5は、実施形態1に係るファイル管理アプリケーション500のユーザインターフェースの一例を示す図である。尚、ファイル管理アプリケーション500は、単独のアプリケーションとして起動する。
【0029】
戻る・進むボタン501は、前の画面に戻るか、或いは次の画面に進むかを指示するボタンである。ナビゲーションペイン502は、ファイル管理アプリケーション500が管理している文書管理システムへのアクセスをナビゲートする。ナビゲーションペイン502には、文書管理システムの保存領域がツリー表示され、ユーザの指定に応答して保存領域にアクセス可能な構成となっている。ナビゲーションペイン502は、各種文書管理システム及びOSのファイルシステムが管理する物理的に別の文書管理システムを統一的に表示可能な構成となっている。文書情報503は、ファイルリストペイン506に表示されたファイルを選択することで表示される文書情報である。この文書情報503には、ファイル名やファイルロケーション、サイズ、拡張子と、それらのファイルプロパティが表示される。アドレスバー504は、ナビゲーションペイン502で指定した保存領域の場所(パス)を表示する。検索を行う入力フィールド505にユーザが文字列を入力すると、その入力された文字列に従って検索が実行される。また、ファイルリストペイン506は、ナビゲーションペイン502で指定された保存先に保存されているファイルもしくはフォルダを一覧表示する。ここでは、選択されたHomeフォルダ内に「SampleFile1」、「SampleFile2」の文書データと、「Division1」のフォルダが保存されている例を示している。プレビュー表示領域507は、ファイルリストペイン506でファイルを選択することでファイルのプレビューが表示される。閉じるボタン508が押下されるとこの画面が閉じられる。Homeアイコン509は、文書管理アプリケーション400で自動実行が設定されたフォルダを示しているが、このファイル管理アプリケーションのユーザインタフェースでは、他のフォルダアイコンと同様にみえる。即ち、図4のように、△マークが付与されていない。そのため例えば、ストレージサーバ107のフォルダに対して文書管理アプリケーション400で自動実行を設定しても、ファイル管理アプリケーション500のユーザインタフェースで該当フォルダを参照すると他のフォルダアイコンと同じ形式で表示される。このためユーザは、Homeフォルダが、自動実行が設定されているフォルダであると判別できない。これによりファイル管理アプリケーション500を使用するユーザは、そのHomeフォルダに自動実行が設定されているとは気付かずに、誤ってそのHomeフォルダにファイル移動してしまい、意図しない自動実行が行われるという課題が発生することになる。
【0030】
図6図7及び図9は、文書管理アプリケーション400のユーザインタフェースで自動実行の設定を行う際に表示するユーザインターフェースの一例を示している。これらのユーザインターフェースで設定を行うことで自動実行を制御することが可能となる。
【0031】
図6は、実施形態1に係るクライアント端末の表示部206に表示される自動実行フォルダの一覧例を示す図である。この一覧は、文書管理アプリケーション400のファイルメニュー401にある自動実行の設定一覧を選択した際に表示される。この一覧では、自動実行の設定の各種管理と、設定した自動実行の設定の一覧が表示される。
【0032】
カラム601は、自動実行の稼動状態を示し、ここでは「開始済み」と「停止中」が表示されている。カラム602は、自動実行として設定したフォルダの名前を示している。カラム603は、自動実行で処理する処理内容を示し、ここではフォルダ名が「印刷用」のフォルダでは「印刷」、フォルダ名が「OCR処理」のフォルダでは「PDF変換」となっている。カラム604は、自動実行として指定したフォルダのフォルダパスを示している。この例では、フォルダ名が「印刷用」のフォルダは、処理状態が「開始済み」で、フォルダパスが「file:///C:/Users/abcde/印刷用」というフォルダパスであることを示している。新規作成ボタン605は、自動実行の設定を新規で作成する際に押下される。この新規作成ボタン605が押下されると、図7の自動実行の設定画面が表示される。
【0033】
図7は、実施形態1に係るクライアント端末の表示部206に表示される自動実行の設定画面の一例を示す図である。この自動実行の設定画面は、自動実行の設定を作成するためのUIである。このUIで自動実行の設定を作成することで、図6の自動実行フォルダの一覧に自動実行の設定が表示される。ボタン702は、自動実行を設定するフォルダを選択するUI(不図示)を表示するためのボタンである。ここで選択したフォルダのフォルダパスがエリア701に表示される。ラジオボタン703は、自動実行で行う処理内容を選択する。このラジオボタン703で選択できる自動実行処理の一例として、PDF変換処理、及び印刷を記載しているが、無論、アプリケーションが実行可能な任意の処理を指定できるようにしても良い。詳細設定ボタン704は、選択した処理内容の詳細設定UI(不図示)を表示するためのボタンである。OKボタン705が押下されると、この画面で設定されたフォルダに対する自動実行の設定が確定され、文書管理アプリケーション400の自動実行処理部308がHDD205に保存されている自動実行管理テーブル(図9)にデータを保存する。キャンセルボタン706が押下されると、この画面での設定が全てキャンセルされて、図6の自動実行フォルダの一覧に戻る。
【0034】
図9は、実施形態1に係るクライアント端末が保持する自動実行管理テーブルの一例を示す図である。
【0035】
この自動実行管理テーブルは、文書管理アプリケーション400の自動実行処理部308によりHDD205に保存され、文書管理アプリケーション400の起動時に、自動実行処理部308によりHDD205からRAM203にロードされる。次に、この自動実行管理テーブルで管理する情報に関して説明する。
【0036】
カラム901は、自動実行の設定の管理ID番号(定義ID)を示す。カラム902は、自動実行として設定したフォルダの名前を示す。カラム903は、自動実行で処理する処理内容を示す。ここでは処理内容としては、「PDF変換」、「印刷」を例示しているが、文書管理アプリケーション400が処理できる任意の処理を実行できるようにしてもよい。カラム904は、自動実行として指定したフォルダのフォルダパスを示す。カラム905は、自動実行の設定状態を示す。この状態として、「開始済み」「停止中」が例示されているが、他の任意の状態を定義して利用してもよい。
【0037】
次に各カラムの具体例を説明する。この例では、自動実行管理テーブルの1レコード目には、定義ID「A000001」で管理されている自動実行の設定があり、自動実行の設定内容としては、自動実行の対象フォルダ名が「印刷用」で、その処理内容に「印刷」が設定されている。更に、フォルダパス「file:///C:/Users/abcde/印刷用」に対して自動実行が設定され、現状の処理状態が「開始済み」であることを示している。
【0038】
次に図6の自動実行フォルダの一覧の説明に戻る。
【0039】
編集ボタン606は、選択している自動実行の設定を編集するためのボタンである。編集ボタン606が押下されると、選択されている自動実行の設定値が入力された状態で、図7の自動実行の設定画面が表示され、各種設定項目を編集することができる。削除ボタン607は、選択されている自動実行の設定を削除するボタンである。開始ボタン608は、自動実行の設定が選択された状態で押下されると、選択したフォルダの自動実行を開始できる。尚、開始ボタン608は、停止中の自動実行の設定を選択した場合のみ押下できる。停止ボタン609は、自動実行の設定を選択した状態で押下されると、選択された自動実行を停止できる。尚、停止ボタン609は、開始済みの自動実行の設定を選択した場合のみ押下できる。閉じるボタン610は押下されると、図6の自動実行フォルダの一覧表示が閉じられる。
【0040】
以上、図6図7及び図9を参照して、自動実行の設定及び設定値の管理、開始、終了方法について説明した。
【0041】
次に、図11及び図12のフローチャートを参照して、実施形態1に係るクライアント端末における自動実行の処理の流れについて説明する。具体的には、クライアント端末102において文書管理アプリケーション400を実行して、自動実行フォルダにファイルの移動やコピーをする際の処理を図12のフローチャートを参照して説明する。次にクライアント端末100における文書管理アプリケーション400の自動実行の処理を図11のフローチャートを参照して説明する。これらのフローチャートにより、異なるクライアント端末で文書管理アプリケーション400を用いて行う自動実行フォルダへの移動処理と自動実行処理における特徴的な処理の流れを明確にする。
【0042】
図12は、実施形態1に係るクライアント端末において、文書管理アプリケーション400が自動実行フォルダにファイルを移動(コピー含む)する際に行う処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートが示す各動作(ステップ)は、クライアント端末102のCPU202がRAM203に展開したプログラムを実行することにより実現される。
【0043】
先ずS1201で、ユーザが文書管理アプリケーション400のUI部306により自動実行フォルダへのファイルの移動を行うと、CPU202は文書管理アプリケーション400の自動実行処理部308として機能し、文書管理システムプラグイン309を介してストレージサーバ107(又はクラウドストレージサーバ106)でのファイルの移動を検知する。次にS1202に進みCPU202は自動実行処理部308として機能し、文書管理アプリケーション400の固有の値であるアプリIDからハッシュ値であるユニークID(一意に特定可能な識別情報)を生成する。具体的には、例えば、「AbcApp32342」といったアプリIDに基づいて、ハッシュ値である「scavat23fae」というユニークIDを生成する。このユニークIDは、文書管理アプリケーション400が自己を特定するIDとして認識できる値となっている。
【0044】
次にS1203に進みCPU202は、S1202で生成したユニークIDを、移動したファイル名に付加する。具体的には、例えば、移動元のファイル名が「Sample.pdf」の場合は、移動先へファイルが保存される際に、ユニークIDが付加されてファイル名は「Sample_scavat23fae.pdf」」になる。尚、ファイル名にユニークIDを付加する方法以外に、ユニークIDをファイルのプロパティや属性として付加してもよい。また或いは移動ファイルと1対1に対応付け可能な制御ファイルを生成し、そのファイルでユニークIDを管理してもよい。
【0045】
以上説明したように実施形態1によれば、ユーザが文書管理アプリケーション400を利用して自動実行フォルダにファイルを移動する際、文書管理アプリケーション400を利用して移動したことが後段の自動実行時の処理で認識できるように、そのファイル名をユニークIDが付加された名称とすることができる。
【0046】
図11は、実施形態1に係るクライアント端末100における、文書管理アプリケーション400による自動実行処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートが示す各動作(ステップ)は、クライアント端末100のCPU202がRAM203に展開したプログラムを実行することにより実現される。
【0047】
先ずS1101でCPU202は自動実行処理部308として機能し、HDD205に保存されている自動実行管理テーブル(図9)から自動実行の定義を取得する。次にS1102に進みCPU202は、取得した自動実行の定義に基づき自動実行の対象フォルダ数分の自動実行処理を開始する。S1103はCPU202が自動実行処理部308として機能し、自動実行対象フォルダに関して行う監視及び自動実行処理のループ処理を示している。このループ処理は特定の時間間隔で行われ、図6の自動実行フォルダの一覧の開始ボタン608及び停止ボタン609のユーザによる押下により制御が可能である。よって、S1104~S1109の各ステップは、S1103のループ処理内で実施される処理である。
【0048】
まずS1104でCPU202はフォルダの監視処理を実行する。そしてS1105でCPU202は、自動実行処理部308が自動実行フォルダとして指定されたフォルダパスである自動実行管理テーブル(図9)のカラム904(場所)のフォルダパスに、新規で保存されたファイルが存在するか否か判定する。ここでCPU202は、新規で保存されたファイルを検知したときはS1106に処理を進め、そうでないときはS1103のループ処理に戻る。S1106でCPU202は、検知したファイルに識別子であるユニークIDが含まれているか否か判定する。具体的には、監視対象の自動実行フォルダにファイル名「Sample_scavat23fae.pdf」のファイルを検知したときはCPU202は、ファイル名もしくはファイルのプロパティや属性値にユニークIDが含まれるか、もしくは設定されているか否か判定する。ここでユニークIDが含まれているか、もしくはユニークIDが設定されているときはS1107に進み、そうでないときはS1103のループ処理に戻る。つまり、ファイル管理アプリケーション500のようなアプリケーションで自動実行フォルダにファイルを移動などにより保存した場合は、ファイル名やファイルのプロパティにユニークIDを設定しないので、ユニークIDが含まれていないと判定し、自動実行の対象外のファイルとすることができる。
【0049】
S1107でCPU202は、取得したファイルのユニークIDと文書管理アプリケーション400のアプリIDとが一致するか否か判定する。具体的には、文書管理アプリケーション400のアプリIDが「scavat23fae」の場合、検知したファイル名が上述の「Sample_scavat23fae.pdf」」であれば、そのユニークIDは正しいと判定する。S1107でCPU202は、ファイルのユニークIDと文書管理アプリケーション400のアプリIDとが一致して、そのユニークIDは正しいと判定したときはS1108に処理を進め、そうでないときはS1103のループ処理に戻る。S1108でCPU202は、図9の自動実行管理テーブルのカラム903(処理内容)を取得してS1109に進む。S1109でCPU202は、その取得した処理内容に基づいて自動実行処理を行う。
【0050】
以上説明したように実施形態1によれば、文書管理アプリケーションが自動実行フォルダにファイルを保存するときにユニークなIDを付加して保存する。そして文書管理アプリケーションが自動実行を行う際に、ユニークIDが付加されたファイルか否かを判定し、ユニークIDが付加されたファイルであれば自動実行を行う。これにより文書管理アプリケーション以外のファイル管理アプリケーションのような、自動実行フォルダを認識できないアプリケーションにより、誤って自動実行フォルダにファイルが保存された場合は、そのファイルに対する自動実行処理を抑制することができる。
【0051】
[実施形態2]
次に本発明の実施形態2について説明する。上述の実施形態1では、文書管理アプリケーション400を用いて自動実行フォルダにファイルを保存しない限り、自動実行処理の対象ファイルとならないようにすることができた。しかしながら、文書管理アプリケーション400及びファイル管理アプリケーション500の両方のアプリケーションを利用しているユーザの中には、どのフォルダが自動実行フォルダであるか認識済みのユーザも存在し、ファイル管理アプリケーション500のような文書管理アプリケーション400以外のアプリケーションでは自動実行が使用できないのは、ユーザの業務効率化を低下させていた。
【0052】
そこで実施形態2では、ファイル管理アプリケーション500のような文書管理アプリケーション400以外のアプリケーションからでも自動実行が可能となる例で説明する。尚、実施形態2に係るシステムの構成及び、各装置のハードウェア構成等は、前述の実施形態1で説明したものと同様であるため、それらの説明を省略する。
【0053】
実施形態2では、図8図10図13図14を参照して、自動実行の設定のUI、自動実行管理テーブル、自動実行処理のフローチャート、リストビューでのファイルの表示方法に関して説明する。
【0054】
先ず図8及び図10を参照して、実施形態2における設定UI及び設定した値の保持方法に関して説明する。
【0055】
図8は、実施形態2に係るクライアント端末の表示部206に表示される自動実行の設定画面の一例を示す図である。この画面で自動実行の設定を作成することで図6の自動実行フォルダの一覧に自動実行の設定が表示される。尚、図8において、前述の図7と共通する箇所は同じ参照番号を付して、それらの説明を割愛する。
【0056】
チェックボックス801は、文書管理アプリケーション400以外のアプリケーションでも自動実行を実行できるようにするためのチェックボックスである。チェックボックス801にチェックを付けた場合(オンの場合)、他のアプリケーションでも自動実行の設定を許可する。一方、チェックを付けない場合(オフの場合)、文書管理アプリケーション400以外のアプリケーションからの自動実行の設定を禁止する。チェックボックス801がチェックされてOKボタン705が押下されると、図10に示すように、自動実行管理テーブルのカラム1001の他アプリ実行に値を保存する。
【0057】
図10は、実施形態2に係るクライアント端末が保持する自動実行管理テーブルの一例を示す図である。尚、図10において、前述の図9と共通する部分は同じ参照番号を付して、その説明を省略する。
【0058】
カラム1001は、他のアプリケーションからの自動実行フォルダへのファイル保存時に、自動実行の対象ファイルとして処理するか否かの設定を保存するカラムである。カラム1001の値が「0」の場合は、自動実行の対象ファイルとしないことを意味し、「1」の場合は、自動実行の対象ファイルとすることを意味する。図10の例では、フォルダ名が「印刷用」のフォルダは、自動実行の対象ファイルとしないに設定され、フォルダ名が「PDF変換」のフォルダは、自動実行の対象ファイルとするように設定されている。
【0059】
次に図13図14を参照して実施形態2に係るクライアント端末100の処理を説明する。
【0060】
図13は、実施形態2に係るクライアント端末100における、文書管理アプリケーション400による自動実行処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートが示す各動作(ステップ)は、クライアント端末100のCPU202がRAM203に展開したプログラムを実行することにより実現される。尚、図13において、前述の図11の処理と同じステップは同じ参照番号を付して、それらの説明を省略する。
【0061】
S1107でCPU202は、ファイルのユニークIDと文書管理アプリケーション400のアプリIDとが一致すると判定したときはS1301に処理を進める。S1301でCPU202は、HDD205に記憶されている図10の自動実行管理テーブルのカラム1001(他アプリ実行)の値を取得する。ここで取得した値が0(他アプリの自動実行オフ)の場合はS1108に処理を進め、そうでないときはS1302に処理を進める。S1302でCPU202は、ファイルの検知時に、イベント情報からファイルを保存したマシン名とユーザ名とを取得し、対象の自動実行フォルダの情報とともに、図14の自動実行の実行ユーザ情報管理テーブルに保存する。
【0062】
図14は、実施形態2に係る自動実行の実行ユーザ情報管理テーブルの一例を示す図である。尚、イベント情報とは、OSがフォルダへの操作時に発行する情報であり、このイベント情報にはフォルダへの操作種別、操作者、操作元のマシン情報などが含まれる。
【0063】
カラム1401は、登録時のユーザに対応するユーザIDで、ユニークな連番の情報である。カラム1402は、ユーザ名を示す。このユーザ名には、自動実行フォルダにファイルを保存したユーザ名が登録される。カラム1403はマシン名を示す。このマシン名は、自動実行フォルダにファイルを保存したユーザが使用しているPCのマシン名が保持される。カラム1404は、自動実行フォルダの場所(フォルダパス)を示す。具体的には、1レコード目では、ユーザ名「adfa002」、マシン名「xxx.yyy.zzz.111」のマシンから自動実行フォルダ「file:///C:/Users/abcde/印刷用」にファイルが保存されたことを示している。そして次に図13のフローチャートの説明に戻る。
【0064】
S1106でCPU202は、検知したファイルに識別子であるユニークIDが含まれていないと判定するとS1303に処理を進める。S1303でCPU202は、S1105で検知したファイルにユニークIDが含まれていない、即ち、他アプリケーションからファイルが保存されたと判定する。そしてCPU202は、マシン名、ユーザ名等の自動実行の情報を、図14の自動実行の実行ユーザ情報管理テーブルから取得する。そしてCPU202は、処理中の自動実行フォルダに関する情報が存在しているか否か判定する。ここで存在しないと判定したときはS1105に戻るが、存在すると判定したときはS1304に進む。S1304でCPU202は、イベント情報と一致する情報が、図14の自動実行の実行ユーザ情報管理テーブルに存在するか否か判定する。ここで存在しないと判定したときはS1104に戻るが、存在すると判定したときはS1108に進み、自動実行処理を実行する。
【0065】
以上説明したように実施形態2によれば、ファイル名又はプロパティなどにユニークIDが存在しないファイルに関しても、自動実行の対象として処理が行えるようになる。
【0066】
これにより、文書管理アプリケーション以外のアプリケーションからも自動実行の機能を使用することが可能となり、アプリケーションの切替等の操作が減ることでユーザの業務効率を向上できるという効果を奏することができる。
【0067】
[実施形態3]
次に本発明の実施形態3について説明する。前述の実施形態1では、文書管理アプリケーション400を用いて自動実行フォルダにファイルを保存すると、ユニークIDが付加された状態でフォルダに保存される。特にファイル名にユニークIDが付加されていると文書管理アプリケーションのファイルリストペイン404には、ユニークIDが付加された状態のファイル名が表示される。このため、表示されるファイル名が冗長になるために、ユーザの視認性が低下するという課題がある。
【0068】
そこで実施形態3では、ファイル名にユニークIDが付加された状態でも冗長な表示になることなく、ユーザの視認性を向上させユーザの想定通りのファイルを表示する例で説明する。尚、実施形態3に係るシステムの構成及び、各装置のハードウェア構成等は、前述の実施形態1で説明したものと同様であるため、それらの説明を省略する。
【0069】
図15は、実施形態3に係るクライアント端末において、文書管理アプリケーションのUIのファイルリストペイン404にファイルを表示する際の処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートが示す各動作(ステップ)は、クライアント端末100のCPU202がRAM203に展開したプログラムを実行することにより実現される。
【0070】
先ずS1501でCPU202は、文書管理アプリケーション400の処理実行部307として機能し、UI部306を介して表示している文書管理アプリケーションのナビゲーションペイン402をユーザがクリックすると、ナビゲーションペイン402で選択されたフォルダを検知する。次にS1502に進みCPU202は自動実行処理部308として機能し、その選択されたフォルダが自動実行フォルダか否かを、図9の自動実行管理テーブルのカラム904の場所と比較して判定する。ここで自動実行フォルダでないと判定したときはS1505に進みCPU202は、ファイル名をファイルリストペイン404に表示して、この処理を終了する。
【0071】
一方、S1502でCPU202は自動実行フォルダであると判定したときはS1503に処理を進める。S1503でCPU202は自動実行処理部308として機能し、フォルダ内にユニークIDが付加されたファイルが存在するか否か判定する。ユニークIDが付加されたファイルが存在すると判定したときはS1504に進むが、そうでないときはS1505に進む。S1504でCPU202自動実行処理部308として機能し、ユニークIDを含んでいるファイルのユニークID部分をマスクしてファイルリストペイン404にUI部306を介して表示する。具体的には、例えばファイル名が「Sample_scavat23fae.pdf」の場合、「scavat23fae」部分は、ユニークIDであるため、その部分をマスクする。そしてファイルリストペイン404に「Sample.pdf」と表示する。尚、このユニークIDのマスクは、ファイルリストペイン404への表示だけでなく、例えば、そのファイルを印刷する際にユーザが参照する印刷ジョブ名などに関しても、ユニークIDをマスクしてファイル名を出力してもよい。
【0072】
以上説明したように実施形態3によれば、他のアプリケーションによる自動実行を抑制するためにファイル名にユニークIDを付加した場合でも、そのファイル名を表示する際は、ユニークIDをマスクして表示できる。これにより、ユーザの視認性の低下を防止して、想定通りのファイル名で表示することが可能となり、業務効率の維持・向上を実現できる。
【0073】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0074】
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【符号の説明】
【0075】
100,102…クライアント端末、101…画像処理装置、202…CPU、203…RAM、204…ROM、400…文書管理アプリケーション、500…ファイル管理アプリケーション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15