(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/00 20060101AFI20240703BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20240703BHJP
B65D 75/62 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B65D33/00 C
B65D33/25 A
B65D75/62 A
(21)【出願番号】P 2019224890
(22)【出願日】2019-12-12
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000143880
【氏名又は名称】株式会社細川洋行
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】要藤 昭男
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-227319(JP,A)
【文献】特開2012-071898(JP,A)
【文献】特開2019-131297(JP,A)
【文献】特開2016-222251(JP,A)
【文献】特開2010-163192(JP,A)
【文献】特開2016-064863(JP,A)
【文献】特開2004-238047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/00
B65D 33/25
B65D 75/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、当該第1面に対向する第2面とを有して袋状に形成される袋本体と、
閉じられた前記袋本体に設けられ、開封方向に力が付与されて引き裂かれることで当該袋本体に開口部を形成する開封部と、
前記袋本体の端部に設けられ、当該袋本体の開封を開始する部分を形成する開封開始部と、
を備え、
少なくとも前記第1面は、基材層と、当該基材層に積層され当該第1面および前記第2面を接着する層を構成する接着層と、当該基材層および当該接着層の間に積層される中間層とを、有し、
前記開封部は、
前記第1面の前記中間層に設けられ、前記開封方向に沿った当該第1面の引き裂きを誘導する第1誘導部と、
前記第1面に設けられて前記第1誘導部に接続するとともに、当該第1誘導部よりも当該第1面を引き裂き易く構成され、前記開封方向と交差する交差方向に当該第1面の引き裂きを誘導する第2誘導部と、
を有し、
前記第2誘導部は、前記開封開始部を通るとともに前記開封方向に沿った仮想線と交差し、
前記第2誘導部は、前記第1誘導部を境に前記仮想線の側と当該仮想線の側とは反対の側とに分けた場合に当該仮想線の側に位置するとともに当該第1誘導部に対して離れる方向に伸びる部分と、当該伸びる部分に接続するとともに当該第1誘導部に重なる部分とを有し、
前記第2誘導部が有する前記第1誘導部に対して離れる方向に伸びる部分は、前記第1誘導部に重なる部分の一端部と接続する第1部分と、当該第1誘導部に重なる部分の他端部と接続する第2部分とを有し、
前記開口部は、前記第1面にて前記第1誘導部及び前記第2誘導部により形成される第1面開口縁と、前記第2面にて前記仮想線の位置に形成される第2面開口縁とを有する、ことを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記第1誘導部は、前記第1面にて前記開封方向に沿って前記中間層が切断されることで形成され、
前記第2誘導部は、前記第1面にて前記交差方向に沿って前記基材層および前記中間層が切断されることで形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記第1部分及び前記第2部分は、前記重なる部分から離れる方向に行くに従って、当該第1部分と当該第2部分との間隔が大きくなる、ことを特徴とする請求項1
に記載の包装袋。
【請求項4】
前記
開封部に沿って設けられるとともに、前記開口部を開閉可能にする開閉部を有す
ることを特徴とする請求項
1乃至3のいずれか1項に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばサプリメント、医薬品、菓子などの固形状の収容物や調味料などの粉状または顆粒状の収容物を収容する包装袋が知られている。この種の包装袋では、閉じられていた包装袋をユーザが開封する。さらに、ユーザは、開封によって形成される開口部の縁を摘まむことで開口部を開いて収容物を取り出す。
特許文献1には、対向する端縁に端縁熱接着部を有する外層と中間層と内層とを有する積層体からなり、積層体の一方の外層に、端縁熱接着部の一方の外縁を起点として、起点と端縁熱接着部に平行する方向の位置を同じくする他方の外縁を終点として連続する第1切目線と、積層体の他方の外層に、端縁熱接着部の一方の外縁を起点として端縁熱接着部に平行する方向の位置を同じくする他方の外縁を終点とする第2切目線を形成し、第1切目線は包装袋の平面視状態において包装袋の略中央部において起点と終点とを結ぶ仮想直線を想定した時に、仮想直線に対して上端側に膨れる切目線と下端側に膨れる切目線から構成されていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、包装袋に切目線を形成する場合、包装袋において切目線が形成された箇所は、印刷された表示部が視認しづらくなる。そして、従来技術のように、例えば、包装袋の幅方向全域にわたって切目線を設けるとともに、包装袋の表面および裏面を形成するフィルムの基材層側から切目線の加工を行うと、切目線が非常に目立ち易くなる。このような場合、例えば切目線を避けて文字や絵柄などの印刷をレイアウトしなければならなかったり、印刷の視認性を重視した場合には切目線のレイアウトが制約を受けたりするなど、包装袋に切目線を形成することに伴って印刷の自由度が低くなっていた。
本発明は、包装袋における印刷の自由度を高くしつつ、開封された開口部をユーザが開け易い形状にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本発明は、第1面と、当該第1面に対向する第2面とを有して袋状に形成される袋本体と、閉じられた前記袋本体に設けられ、開封方向に力が付与されて引き裂かれることで当該袋本体に開口部を形成する開封部と、前記袋本体の端部に設けられ、当該袋本体の開封を開始する部分を形成する開封開始部と、を備え、少なくとも前記第1面は、基材層と、当該基材層に積層され当該第1面および前記第2面を接着する層を構成する接着層と、当該基材層および当該接着層の間に積層される中間層とを、有し、前記開封部は、前記第1面の前記中間層に設けられ、前記開封方向に沿った当該第1面の引き裂きを誘導する第1誘導部と、前記第1面に設けられて前記第1誘導部に接続するとともに、当該第1誘導部よりも当該第1面を引き裂き易く構成され、前記開封方向と交差する交差方向に当該第1面の引き裂きを誘導する第2誘導部と、を有し、前記第2誘導部は、前記開封開始部を通るとともに前記開封方向に沿った仮想線と交差し、前記第2誘導部は、前記第1誘導部を境に前記仮想線の側と当該仮想線の側とは反対の側とに分けた場合に当該仮想線の側に位置するとともに当該第1誘導部に対して離れる方向に伸びる部分と、当該伸びる部分に接続するとともに当該第1誘導部に重なる部分とを有し、前記第2誘導部が有する前記第1誘導部に対して離れる方向に伸びる部分は、前記第1誘導部に重なる部分の一端部と接続する第1部分と、当該第1誘導部に重なる部分の他端部と接続する第2部分とを有し、前記開口部は、前記第1面にて前記第1誘導部及び前記第2誘導部により形成される第1面開口縁と、前記第2面にて前記仮想線の位置に形成される第2面開口縁とを有する、ことを特徴とする包装袋である。
ここで、前記第1誘導部は、前記第1面にて前記開封方向に沿って前記中間層が切断されることで形成され、前記第2誘導部は、前記第1面にて前記交差方向に沿って前記基材層および前記中間層が切断されることで形成されることを特徴とすることができる。
また、前記第1部分及び前記第2部分は、前記重なる部分から離れる方向に行くに従って、当該第1部分と当該第2部分との間隔が大きくなる、ことを特徴とすることができる。
さらに、前記開封部に沿って設けられるとともに、前記開口部を開閉可能にする開閉部を有することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、包装袋における印刷の自由度を高くしつつ、開封された開口部をユーザが開け易い形状にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】第1実施形態の袋本体を構成するフィルムの層構成の説明図である。
【
図5】第1実施形態の開封部における断面図である。
【
図6】第1実施形態の包装袋が開封された状態を示す図面である。
【
図8】第2実施形態の包装袋が開封された状態を示す図面である。
【
図13】第5実施形態の包装袋が開封された状態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の包装袋1の説明図である。なお、
図1(A)は、包装袋1の全体図を示し、
図1(B)は、開封が行われる際の包装袋1を示している。
また、本実施形態の説明において、
図1に示す包装袋1の上下方向に対応する方向を「上下方向」と称し、
図1に示す包装袋1の上下方向と直交する左右方向に対応する方向を「左右方向」と称する。
【0009】
図1(A)に示すように、包装袋1は、袋状に形成される袋本体10と、開封された袋本体10を再び閉じたり開けたりする開閉チャック部20と、閉じられた袋本体10をユーザが開封する領域を形成する開封部30とを有する。
包装袋1は、内部に収容物を収容する。そして、包装袋1は、収容物を輸送したり、収容物を保管したりすることを可能にするものである。第1実施形態の包装袋1には、例えば飴などの収容物が収容される。そして、包装袋1は、収容物が収容されて閉じられた状態で販売等され、購入したユーザによって開封される。
【0010】
なお、本実施形態の包装袋1の説明においては、一枚のフィルムを二つ折りにし、折部分以外の3辺を接着することで閉じた状態にする三方袋を例に用いるが、この態様に限定されない。包装袋1は、例えば2枚のフィルムを対向させて、4辺を接着することで閉じた状態にする四方袋でも良い。また、包装袋1は、例えば底部にマチを付けることで自立できるように形成された底ガゼット袋でも良い。
【0011】
図1(B)に示すように、第1実施形態の包装袋1は、開封部30に沿ってユーザが包装袋1を引き裂くことで開封される。この包装袋1の開封によって、包装袋1には開口部10Hが形成される。なお、本実施形態の説明において、開口部10Hを形成するためにユーザが包装袋1に引張力を付与する方向を「開封方向」という。本実施形態では、開封方向は、包装袋1の左右方向に沿った方向になっている。
そして、開封された包装袋1の開口部10Hには、表側開口縁E1と裏側開口縁E2とが形成される。そして、表側開口縁E1と裏側開口縁E2とは、包装袋1の表裏面の方向において異なる位置に形成される。これによって、本実施形態の包装袋1は、ユーザが開口部10Hを視認し易く、また、開口部10Hを摘まみ易くなり、開口部10Hを開け易くなっている。
以下、本実施形態の包装袋1について具体的に説明する。
【0012】
図2は、第1実施形態の袋本体10の説明図である。なお、
図2(A)は、包装袋1を一方側から見た場合の図であり、
図2(B)は、包装袋1を他方側から見た場合の図である。なお、
図2に示す包装袋1は、上下方向における下側に設けられる後述の収容開口部17が閉じられる前の状態を示している。
【0013】
袋本体10は、包装袋1において、収容物を収容するための空間を形成する部分である。本実施形態の袋本体10は、例えば一枚のフィルム10Fを二つ折りにすることで形成される。そして、
図2(A)に示すように、袋本体10は、袋本体10の一方の面である表面部11と、表面部11に対向する他方の面である裏面部12とを有する。また、袋本体10は、上下方向の上端に形成される折部13と、折部13を含む上下方向の上端部に形成される上側シール部14とを有する。また、袋本体10は、左右方向の一端側に形成される第1シール部15と、左右方向の他端側に形成される第2シール部16とを有する。さらに、袋本体10は、上下方向の下端にて開口する収容開口部17を有する。
【0014】
表面部11は、例えば収容物の商品名などの印刷が施される面を有するフィルムである。例えば、収容物が収容された包装袋1が販売される際、表面部11が購入者であるユーザ側に向いた状態で陳列される。
裏面部12は、例えばバーコードや収容物の成分表示などの印刷が施される面を有するフィルムである。
なお、本実施形態において、表面部11が第2面の一例であり、裏面部12が第1面の一例である。
【0015】
上側シール部14は、表面部11と裏面部12との上下方向における上側の端部を接着することで形成される。本実施形態の上側シール部14は、表面部11と裏面部12とを熱融着することで形成される。後述するように、袋本体10を構成するフィルム10Fは、熱融着層103(後述の
図3参照)を有している。この熱融着層103は、フィルム10Fが二つ折りにされることで対向する。そして、表面部11の熱融着層103と裏面部12の熱融着層103とは、加熱および加圧によって熱融着されることで互いに接着する。
【0016】
また、本実施形態の上側シール部14は、収容物が収容された包装袋1が吊り下げられて陳列される場合に、陳列棚のフック等が通されるフック穴14Hを有している。このフック穴14Hは、上側シール部14の左右方向における中央部に設けられる。ただし、フック穴14Hは、中央部に設けられることに限定されず、他の位置に設けられていても良い。
【0017】
第1シール部15と第2シール部16とは、表面部11と裏面部12との各々の左右方向における端部を接着することで形成される。本実施形態の第1シール部15および第2シール部16は、表面部11と裏面部12との左右方向の端部を熱融着することで形成される。
【0018】
収容開口部17は、収容物を充填する際の充填口を構成する。そして、収容開口部17は、収容物が充填された後に閉じられる(
図1(A)参照)。本実施形態の収容開口部17は、上側シール部14、第1シール部15および第2シール部16と同様に、熱融着によって封止される。
【0019】
続いて、袋本体10を構成するフィルム10Fの層構成について説明する。
図3は、第1実施形態の袋本体10を構成するフィルム10Fの層構成の説明図である。
【0020】
図3に示すように、袋本体10を構成するフィルム10Fは、基材層101と、基材層101上に積層される中間層102と、中間層102上に積層される熱融着層103と、を備える。
袋本体10を構成するフィルム10Fは、基材層101、中間層102および熱融着層103の各々を構成するフィルム層同士を、接着剤を用いて積層するドライラミネーション法を用いて積層することで製造できる。また、袋本体10を構成するフィルム10Fは、基材層101上に、Tダイから溶融樹脂をフィルム状に押出して中間層102や熱融着層103を積層する押出ラミネーション法を用いて積層することで製造することもできる。
【0021】
(基材層101)
基材層101は、袋本体10において最も外側に設けられる層である。そして、基材層101の材料には、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等の二軸延伸フィルムを用いることができる。また、本実施形態の基材層101の厚みは、約5μm以上であって約50μm以下とすることが好ましい。
また、基材層101の外側または内側には、インキ層を設けても良い。インキ層は、収容物に関する文字や図形、装飾、管理のための符号等の印刷が行われる層である。
【0022】
(中間層102)
中間層102は、基材層101と熱融着層103との間に設けられる層である。そして、中間層102は、袋本体10に突刺し強度や落下強度等の強靱性を付与する場合、ポリエステル、ポリアミドまたはポリプロピレン等からなる二軸延伸フィルムを用いることができる。また、中間層102は、袋本体10に空気などのガスバリア性を付与する場合、アルミニウム、銅、マグネシウム等の金属からなる金属箔、または、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等からなる二軸延伸フィルムをベースとして少なくとも片面に、金属や金属酸化物を蒸着させた蒸着フィルムを用いることができる。また、本実施形態の中間層102の厚みは、約5μm以上であって約50μm以下とすることが好ましい。
【0023】
なお、中間層102は、単層であっても、必要に応じて複数層で構成されていても構わない。
【0024】
(熱融着層103)
熱融着層103は、袋本体10において最も内側に設けられる層である。そして、熱融着層103は、袋本体10においてフィルム10F同士を熱融着する際に、加熱されることで溶融する層を構成する。
なお、本実施形態において、熱融着層103が接着層の一例である。
【0025】
そして、熱融着層103の材料には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン-メタクリル酸共重合体、または、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレンおよびブロックポリプロピレン等のポリプロピレンなどのポリオレフィンを用いることができる。また、熱融着層103には、上記の合成樹脂を組み合わせて積層した共押出多層フィルムを用いても良い。また、本実施形態の熱融着層103の厚みは、約20μm以上であって150μm以下とすることが好ましい。
【0026】
図2(A)および
図2(B)に示すように、開閉チャック部20は、包装袋1の上下方向における上側であって、左右方向に沿って設けられる。そして、開閉チャック部20は、ユーザにより開封部30が引き裂かれることで形成された開口部10Hを、ユーザが開閉可能にする構造部である。開閉チャック部20は、例えば指などによって押されて咬み合わされることで、開口部10Hを閉じた状態にする。一方で、開閉チャック部20は、例えば指などによって開口部10Hが引っ張られて咬み合いが解かれることで、開口部10Hを開いた状態にする。
なお、本実施形態において、開閉チャック部20が開閉部の一例として機能する。
【0027】
本実施形態の開閉チャック部20は、雄側部材21と、雌側部材22とを有している。
雄側部材21は、帯状に形成される雄側帯状基部21bと、雄側帯状基部21bから線状に突出する雄側咬合部21jとを有する。
雄側帯状基部21bは、雄側咬合部21jを支持するとともに、表面部11と接着する部分を形成する。なお、本実施形態の雄側帯状基部21bの上下方向における幅は、約3mm以上であって約20mm以下とすることができる。また、雄側帯状基部21bの厚みは、約100μm以上であって400μm以下とすることができる。本実施形態の雄側帯状基部21bは、袋本体10の熱融着層103と同種の樹脂材料によって構成されている。そして、雄側部材21は、表面部11の熱融着層103と熱融着されることで表面部11に接着される。
雄側咬合部21jは、断面が凸部状に形成され(後述の
図5(A)参照)、雌側部材22に嵌まり込む部分を構成する。
【0028】
雌側部材22は、帯状に形成される雌側帯状基部22bと、雌側帯状基部22bから線状に突出する雌側咬合部22jとを有する。
雌側帯状基部22bは、雌側咬合部22jを支持するとともに、裏面部12と接着する部分を形成する。なお、本実施形態の雌側帯状基部22bの幅や厚みは、雄側帯状基部21bと同様である。そして、本実施形態の雌側帯状基部22bは、袋本体10の熱融着層103と同種の樹脂材料によって構成されている。そして、雌側部材22は、裏面部12の熱融着層103と熱融着されることで互いに接着される。
雌側咬合部22jは、断面が凹部状に形成され(後述の
図5(B)参照)、雄側部材21が嵌まり込む部分を構成する。
【0029】
なお、本実施形態の包装袋1において、表面部11に雌側部材22が設けられ、裏面部12に雄側部材21が設けられていても良い。
【0030】
図4は、第1実施形態の開封部30の説明図である。なお、
図4(A)は、開封部30を表面部11側から見た場合の部分拡大図であり、
図4(B)は、開封部30を裏面部12側から見た場合の部分拡大図である。
図5は、第1実施形態の開封部30における断面図である。なお、
図5(A)は、
図4(B)に示すV-V断面線における表面部11の開封部30の断面図を示し、
図5(B)は、
図4(B)に示すV-V断面線における裏面部12の開封部30の断面図を示す。
【0031】
図4(A)および
図4(B)に示すように、開封部30は、上側シール部14と開閉チャック部20との間に設けられる。開封部30は、ユーザにより開封方向に力が付与されて引き裂かれることで袋本体10に開口部10Hを形成する部分である。開封部30は、包装袋1の開封が開始される部分を形成する開封開始部31と、表面部11にてユーザによる表面部11の引き裂きを誘導する表側誘導部32と、裏面部12にてユーザによる裏面部12の引き裂きを誘導する裏側第1誘導部33と裏側第2誘導部34とを有する。
【0032】
なお、第1実施形態において、裏側第1誘導部33が第1誘導部の一例であり、裏側第2誘導部34が第2誘導部の一例である。
そして、第1誘導部および第2誘導部は、包装袋1の一方の面に設けられ、開封部30の一方の面が引き裂かれる方向を誘導する部分である。第1誘導部および第2誘導部は、第1誘導部や第2誘導部が形成されていない部分と比較して、引き裂き易く構成されている。これにより、ユーザが開封部30を引き裂いた際に、引き裂かれる部分が第1誘導部や第2誘導部に到達すると、第1誘導部や第2誘導部に沿って引き裂く方向が誘導される。また、第2誘導部は、第1誘導部と比較して引き裂き易く構成されている。これにより、ユーザが開封部30を引き裂いた際に、引き裂かれる部分が第1誘導部と第2誘導部とが接続する部分に到達した場合、その後は、第2誘導部に沿って引き裂く方向が誘導される。
【0033】
開封開始部31は、包装袋1をユーザが引き裂きながら開封する際のきっかけを形成する部分である。本実施形態の開封開始部31は、亀甲型、I字型、U字型、または、V字型など、各種の形状の切欠きによって形成される。開封開始部31は、包装袋1において予め切り欠かれている部分であるため、切り欠かれている部分を開始点として袋本体10をユーザが引き裂き易くする。また、開封開始部31は、開封開始部31自体が他の箇所と比べて目立つため、開封を開始する位置をユーザに対して明示することができる。
また、開封開始部31は、開封部30の上下方向における中央部に設けられる。さらに、開封開始部31は、左右方向において一方側と他方側との両端部に設けられる。これによって、本実施形態の包装袋1では、左右の何れ側からでもユーザが開封できるようにしている。
【0034】
図4(A)に示すように、表側誘導部32は、左右方向に沿って直線状に形成される。さらに、表側誘導部32は、仮想線VL上に設けられる。仮想線VLは、開封開始部31を通るとともに、開封方向である左右方向に沿う仮想の直線である。なお、仮想線VLは、説明のためのものであり、包装袋1において実際に形成されるものではない。
図5(A)に示すように、本実施形態の表側誘導部32は、表面部11を構成する中間層102を直線状に切断することで形成される。本実施形態において、表側誘導部32は、フィルム10Fを製造する際に、中間層102を構成するフィルム層に対して金属刃によって切れ目を入れながら積層することが好ましい。なお、表側誘導部32は、プラスティックフィルムの加工に適しているものであれば、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、またはグリーンレーザなど他の方法を用いて形成しても良い。
そして、表側誘導部32は、中間層102が切断されていることで、表面部11の他の部分と比較して引き裂き易く構成されている。
【0035】
図4(B)に示すように、裏側第1誘導部33は、左右方向に沿って直線状に形成される。さらに、裏側第1誘導部33は、上下方向において、表側誘導部32とは異なる位置に形成される。本実施形態の裏側第1誘導部33は、仮想線VLに対して上側シール部14側に設けられる。
図5(B)に示すように、本実施形態の裏側第1誘導部33は、裏面部12を構成する中間層102を直線状に切断することで形成される。なお、裏側第1誘導部33は、形成される位置以外は、上述した表側誘導部32と同様に形成することができる。
そして、裏側第1誘導部33は、中間層102が切断されていることで、裏面部12における裏側第2誘導部34以外の部分と比較して引き裂き易く構成されている。
【0036】
図4(B)に示すように、裏側第2誘導部34は、Y字状に形成される。また、裏側第2誘導部34は、左右方向における両方の端部にそれぞれ設けられる。このように、裏側第2誘導部34は、開封部30において部分的に設けられる。
そして、裏側第2誘導部34は、第1形状部341と、第1形状部341から分岐する第2形状部342と第3形状部343とを有している。また、裏側第2誘導部34は、第2形状部342および第3形状部343の第1形状部341からの分岐点であり、第1形状部341、第2形状部342および第3形状部343が接続する部分である分岐部340を有する。なお、本実施形態の分岐部340は、仮想線VL上に設けられる。
【0037】
第1形状部341は、開閉チャック部20側から分岐部340まで、左右方向に対して斜めに延びて形成される。なお、本実施形態の第1形状部341は、直線状に形成されている。ただし、第1形状部341は、弧など曲線状に形成されていても良い。
【0038】
なお、
図4(B)に示すように、第1形状部341は、仮想線VLに対して開閉チャック部20側に設けられているが、この例に限定されない。
第1形状部341は、仮想線VLに対して上側シール部14側に設けられていても良い。さらに、第1形状部341は、仮想線VLの上側シール部14側および開閉チャック部20側の両方にそれぞれ設けられても良い。また、第1形状部341は、仮想線VLに沿って形成される直線によって構成されても良い。すなわち、第1形状部341は、開封開始部31の先端部と分岐部340とを結ぶ直線であっても良い。さらに言えば、第1形状部341は、仮想線VLの上側シール部14側および開閉チャック部20側の両方にそれぞれ設けられ、かつ、開封開始部31の先端部と分岐部340とを結ぶ直線を含んで構成されても良い。
【0039】
第2形状部342は、仮想線VLよりも上側シール部14側に設けられる。そして、第2形状部342は、分岐部340から上側シール部14側に向け、左右方向に対して斜めに延びて形成される。第2形状部342は、仮想線VLと交差して設けられ、仮想線VLに対して離れる方向に伸びる部分を形成する。さらに、第2形状部342は、裏側第1誘導部33と重なることで裏側第1誘導部33に接続する。なお、本実施形態の第2形状部342は、弧状に形成されている。ただし、第2形状部342は、直線状に形成されていても良い。
【0040】
第3形状部343は、仮想線VLよりも開閉チャック部20側に設けられる。そして、第3形状部343は、分岐部340から開閉チャック部20側に向け、左右方向に対して斜めに延びて形成される。第3形状部343は、仮想線VLと交差して設けられ、仮想線VLに対して離れる方向に伸びる部分を形成する。なお、本実施形態の第3形状部343は、直線状に形成されている。ただし、第3形状部343は、弧などの曲線状に形成されていても良い。
【0041】
図5(B)に示すように、本実施形態の裏側第2誘導部34は、裏面部12を構成する基材層101および中間層102を上述したY字状にて切断することで形成される。本実施形態の裏側第2誘導部34は、包装袋1の外側から炭酸ガスレーザを用いて形成することが好ましい。なお、裏側第2誘導部34は、プラスティックフィルムの加工に適しているものであれば、YAGレーザ、グリーンレーザ、または金属刃など他の方法を用いて形成しても良い。
そして、裏側第2誘導部34は、基材層101が切断されることで、裏面部12において切断される層の数が裏側第1誘導部33よりも多くなっている。従って、裏側第2誘導部34は、裏側第1誘導部33と比較して引き裂き易く構成されている。
【0042】
次に、第1実施形態の包装袋1の開封について説明する。
図6は、第1実施形態の包装袋1が開封された状態を示す図面である。
【0043】
開封部30に対して開封方向である左右方向に引張力を付与すると、開封開始部31から開封部30における引き裂きが始まる。そして、表面部11では、開封開始部31から左右方向に形成される表側誘導部32に沿って表面部11が引き裂かれる。その結果、
図6に示すように、表面部11において、開口部10Hの表側開口縁E1は、表側誘導部32に沿った直線状に形成される。
【0044】
一方、裏面部12では、開封開始部31から左右方向に沿って引き裂かれると、切り口が分岐部340(
図4(B)参照)に到達する。そして、例えば分岐部340に掛かる引張力が上側シール部14寄りである場合には、開封部30において裏側第2誘導部34が形成されていない部分よりも引き裂き易く構成された第2形状部342に沿って裏面部12が引き裂かれる。その後、裏面部12は、第2形状部342に接続する裏側第1誘導部33に沿って左右方向に沿って引き裂かれる。さらに、ユーザによる引き裂き部分が他方側に形成される裏側第2誘導部34の第2形状部342に到達すると、第2形状部342に沿って引き裂かれる。その結果、
図6に示すように、裏面部12の裏側開口縁E2は、裏側第1誘導部33と裏側第2誘導部34の第2形状部342とによる台形状に形成される。
【0045】
そして、第1実施形態の包装袋1は、表側開口縁E1と裏側開口縁E2との位置が異なることで、ユーザが表面部11と裏面部12とをそれぞれ摘まむことができ、開口部10Hを開け易くなっている。
【0046】
なお、
図4(B)に示すように、裏面部12にて、開封開始部31から左右方向に沿って引き裂かれる際に、分岐部340に直進するのではなく、引き裂き方向が開閉チャック部20側に向かう場合がある。この場合、裏面部12における引き裂きは、第1形状部341に到達し、第1形状部341に沿って分岐部340に到達する。
【0047】
また、
図4(B)に示すように、裏面部12にて、引き裂き端部が分岐部340に到達し、例えば分岐部340に掛かる引張力が開閉チャック部20寄りである場合には、開封部30において裏側第2誘導部34が形成されていない部分よりも引き裂き易く構成された第3形状部343に沿って裏面部12が引き裂かれる。そして、裏面部12における引き裂きは、開閉チャック部20の縁に沿って形成される。この場合であっても、第1実施形態の包装袋1の開口部10Hは、表側開口縁E1と裏側開口縁E2との位置が異なるため、ユーザが表面部11と裏面部12とをそれぞれ摘まむことができ、開口部10Hを開け易くなっている。
【0048】
特に、第1実施形態の包装袋1のように、開口部10Hの近傍に開閉チャック部20が設けられる場合には、直線状に形成される開閉チャック部20の復元力によって開口部10Hが閉じ易くなる。そして、本実施形態の包装袋1は、開口部10Hが開け易い形状となっているため、開閉チャック部20が設けられていても、ユーザは開口部10Hを容易に開けることができる。
【0049】
そして、
図5(A)および
図5(B)に示すように、第1実施形態の包装袋1は、上述した開口部10Hの形状の形成を誘導する表側誘導部32および裏側第1誘導部33が中間層102に設けられている。そのため、表側誘導部32および裏側第1誘導部33は、中間層102の外側に形成される基材層101によって覆われて、ユーザから見え難くなっている。そして、
図4(B)に示すように、裏側第2誘導部34は、開封部30において部分的に形成されている。従って、第1実施形態の包装袋1は、表示やデザイン等の印刷のレイアウトの自由度が高くなっている。
【0050】
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態の開封部30の説明図である。なお、
図7(A)は、開封部30を表面部11側から見た場合の部分拡大図であり、
図7(B)は、開封部30を裏面部12側から見た場合の部分拡大図である。
【0051】
続いて、第2実施形態の開封部30について説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0052】
図7(A)および
図7(B)に示すように、第2実施形態の開封部30は、左右方向における端部に設けられる開封開始部31と、表面部11にてユーザによる表面部11の引き裂きを誘導する表側誘導部42と、裏面部12にてユーザによる裏面部12の引き裂きを誘導する裏側第1誘導部43と裏側第2誘導部44とを有する。
【0053】
なお、第2実施形態において、裏側第1誘導部43が第1誘導部の一例であり、裏側第2誘導部44が第2誘導部の一例である。
【0054】
図7(A)に示すように、表側誘導部42は、左右方向に沿って直線状に形成される。さらに、表側誘導部42は、仮想線VL上に位置するように設けられる。
第2実施形態の表側誘導部42は、第1実施形態の表側誘導部32(
図5(A)参照)と同様に、表面部11を構成する中間層102を直線状に切断することで形成される。そして、表側誘導部42は、中間層102が切断されていることで、表面部11の他の部分と比較して引き裂き易く構成されている。
【0055】
図7(B)に示すように、裏側第1誘導部43は、左右方向に沿って直線状に形成される。さらに、裏側第1誘導部43は、上下方向において表側誘導部42とは異なる位置に形成される。第2実施形態の裏側第1誘導部43は、仮想線VLに対して上側シール部14側に設けられる。
そして、第2実施形態の裏側第1誘導部43は、第1実施形態の裏側第1誘導部33(
図5(B)参照)と同様に、裏面部12を構成する中間層102を直線状に切断することで形成される。裏側第1誘導部43は、中間層102が切断されていることで、裏面部12における裏側第2誘導部44以外の部分と比較して引き裂き易く構成されている。
【0056】
図7(B)に示すように、裏側第2誘導部44は、台形状に形成される。また、裏側第2誘導部44は、左右方向における中央部に設けられる。このように、裏側第2誘導部44は、開封部30において部分的に設けられる。
そして、裏側第2誘導部44は、第1形状部441と、第1形状部441に接続する第2形状部442と、第2形状部442に接続する第3形状部443とを有している。
【0057】
第1形状部441は、開閉チャック部20側から上側シール部14側に向けて、左右方向に対して斜めに延びて形成される。第1形状部441は、仮想線VLと交差して設けられ、仮想線VLに対して離れる方向に伸びる部分を有する。そして、第1形状部441の一端部は、裏側第1誘導部43に接続している。なお、第2実施形態の第1形状部441は、直線状に形成されている。ただし、第1形状部441は、弧など曲線状に形成されていても良い。
【0058】
第2形状部442は、仮想線VLよりも上側シール部14側にて、左右方向に沿って直線状に形成される。第2実施形態の第2形状部442は、裏側第1誘導部43上に設けられる。
【0059】
第3形状部443は、第2形状部442を間に挟んで、第1形状部441と線対称に設けられる。そして、第3形状部443は、開閉チャック部20側から上側シール部14側に向けて、左右方向に対して斜めに延びて形成される。第3形状部443は、仮想線VLと交差して設けられ、仮想線VLに対して離れる方向に伸びる部分を形成する。そして、第3形状部443の一端部は、裏側第1誘導部43に接続している。なお、第2実施形態の第3形状部443は、直線状に形成されている。ただし、第3形状部443は、弧など曲線状に形成されていても良い。
【0060】
なお、
図7(B)に示す例では、第2実施形態の第2形状部442は、裏側第1誘導部43上に設けられているが、この例に限定されない。少なくとも、第1形状部441と第3形状部443とは、裏側第1誘導部43と交差していれば良い。そのうえで、少なくとも、第2形状部442は、裏側第1誘導部43よりも上側シール部14側に設けられていれば良い。これによって、例えば包装袋1の製造上の誤差により、裏側第1誘導部43と裏側第2誘導部44とが形成される位置が、予め定められた位置に対してずれた場合であっても、その位置ずれに対応することができる。この場合に、裏側第1誘導部43と第2形状部442との上下方向における間隔は、0mm以上であって5mm以下であることが好ましく、0mm以上であって2mm以下であることがより好ましい。
【0061】
そして、第2実施形態の裏側第2誘導部44は、第1実施形態の裏側第2誘導部34(
図5(B)参照)と同様に、裏面部12を構成する基材層101および中間層102を台形状に切断することで形成される。また、裏側第2誘導部44は、基材層101が切断されることで、裏面部12において切断される層の数が裏側第1誘導部43よりも多くなっている。従って、裏側第2誘導部44は、裏側第1誘導部43と比較して引き裂き易く構成されている。
【0062】
次に、第2実施形態の包装袋1の開封について説明する。
図8は、第2実施形態の包装袋1が開封された状態を示す図面である。
【0063】
開封部30に対して開封方向である左右方向に引張力を付与すると、開封開始部31から開封部30における引き裂きが始まる。そして、表面部11では、開封開始部31から左右方向に形成される表側誘導部42に沿って表面部11が引き裂かれる。その結果、
図8に示すように、表面部11において、表側開口縁E1は、表側誘導部42に沿った直線状に形成される。
【0064】
一方、裏面部12では、開封開始部31から左右方向に沿って引き裂かれると、第1形状部441に到達する。そして、包装袋1は、開封部30において裏側第2誘導部44が形成されていない部分よりも引き裂き易く構成された第1形状部441に沿って裏面部12が引き裂かれる。その後、引き裂き端部は、第1形状部441に接続する第2形状部442に沿って移動する。そして、包装袋1は、引き裂き端部は、第2形状部442の端部に到達すると、開封部30において裏側第2誘導部44が形成されていない部分よりも引き裂き易く構成された第3形状部443に沿って移動する。さらに、引き裂き端部は、左右方向に移動する。その結果、
図8に示すように、裏面部12において、裏側開口縁E2は、裏側第1誘導部43に沿った直線状部と、裏側第2誘導部44に沿った台形状部とによって形成される。
【0065】
そして、第2実施形態の包装袋1は、表側開口縁E1と裏側開口縁E2との位置が異なることで、ユーザが表面部11と裏面部12とをそれぞれ摘まむことができ、開口部10Hを開け易くなっている。また、第2実施形態の包装袋1において、
図7(B)に示すように、裏側第2誘導部44は、開封部30において部分的に形成されている。従って、第2実施形態の包装袋1は、表示やデザイン等の印刷のレイアウトの自由度が高くなっている。
【0066】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の開封部30について説明する。なお、第3実施形態の説明において、他の実施形態と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0067】
図9は、第3実施形態の開封部30の説明図である。なお、
図9(A)は、第3実施形態の開封部30を表面部11側から見た場合の部分拡大図であり、
図9(B)は、第3実施形態の開封部30を裏面部12側から見た場合の部分拡大図である。
図10は、第3実施形態の開封部30の断面図である。なお、
図10(A)は、
図9(B)に示すX-X断面線における表面部11の開封部30の断面図であり、
図10(B)は、
図9(B)に示すX-X断面線における裏面部12の開封部30の断面図である。
【0068】
図9(A)および
図9(B)に示すように、第3実施形態の開封部30は、左右方向における端部に設けられる開封開始部31と、表面部11にてユーザによる表面部11の引き裂きを誘導する表側誘導部52と、裏面部12にてユーザによる裏面部12の引き裂きを誘導する裏側第1誘導部53と裏側第2誘導部54とを有する。
【0069】
なお、第3実施形態において、裏側第1誘導部53が第1誘導部の一例であり、裏側第2誘導部54が第2誘導部の一例である。
【0070】
そして、第3実施形態の袋本体10は、表面部11および裏面部12の中間層104の構成が、第1実施形態とは異なる。
図10(A)に示すように、第3実施形態の表面部11は、基材層101と熱融着層103との間に、直線カット性を有する中間層104が積層される。
第3実施形態の中間層104には、フィルム10Fの製造の際のフィルム搬送方向(所謂MD方向)に沿って一方向にフィルムの引き裂きが容易に構成されたフィルム層を用いている。従って、中間層104は、一方向にフィルムの引き裂きが容易な直線カット性を有している。
【0071】
そして、第3実施形態において、表側誘導部52は、直線カット性における一方向が左右方向に沿うように設けられた表面部11の中間層104によって構成されている。
【0072】
また、
図10(B)に示すように、第3実施形態の裏面部12は、基材層101と熱融着層103との間に、直線カット性を有する中間層104が積層される。
そして、第3実施形態において、裏側第1誘導部53は、直線カット性における一方向が左右方向に沿うように設けられた裏面部12の中間層104によって構成されている。
【0073】
裏側第2誘導部54は、裏面部12を構成する基材層101および中間層104をY字状に切断することで形成される。裏側第2誘導部54の基本構成は、第1実施形態の裏側第2誘導部34と同様である。すなわち、裏側第2誘導部54は、第1形状部341と、第1形状部341から分岐する第2形状部342と第3形状部343とを有している。
そして、裏側第2誘導部54は、基材層101および中間層104が切断されることで、裏面部12において切断される層の数が他の箇所よりも多くなっている。従って、裏側第2誘導部54は、裏側第1誘導部53と比較して引き裂き易く構成されている。
【0074】
なお、
図9(B)に示すように、第1形状部341は、仮想線VLに対して開閉チャック部20側に設けられているが、この例に限定されない。
第1形状部341は、仮想線VLに対して上側シール部14側に設けられていても良い。さらに、第1形状部341は、仮想線VLの上側シール部14側および開閉チャック部20側の両方にそれぞれ設けられても良い。また、第1形状部341は、仮想線VLに沿って形成される直線によって構成されても良い。すなわち、第1形状部341は、開封開始部31の先端部と分岐部340とを結ぶ直線であっても良い。さらに言えば、第1形状部341は、仮想線VLの上側シール部14側および開閉チャック部20側の両方にそれぞれ設けられ、かつ、開封開始部31の先端部と分岐部340とを結ぶ直線を含んで構成されても良い。
【0075】
以上のように構成される第3実施形態の包装袋1は、開封部30に対して左右方向に引張力を付与すると、開封開始部31から開封部30における引き裂きが始まる。そして、
図9(A)に示すように、表面部11では、表側誘導部52を構成する中間層104による直線カット性によって左右方向に沿って直線状に表面部11が引き裂かれる。その結果、表面部11における表側開口縁E1は、第1実施形態と同様に、直線状に形成される(
図6参照)。
【0076】
一方、
図9(B)に示すように、裏面部12では、開封開始部31から左右方向に沿って引き裂かれると、裏側第1誘導部53を構成する中間層104による直線カット性によって、引き裂き端部は、開封開始部31から分岐部340に到達する。そして、例えば分岐部340に掛かる引張力が上側シール部14寄りである場合には、裏側第1誘導部53よりも引き裂き易く構成された第2形状部342に沿って裏面部12が引き裂かれる。その後、引き裂き端部は、第2形状部342の端部から中間層104の直線カット性により左右方向に沿って移動する。さらに、引き裂き端部は、他方側に形成される裏側第2誘導部54の第2形状部342に到達すると、第2形状部342に沿って引き裂かれる。その結果、裏面部12の裏側開口縁E2は、第1実施形態と同様に、台形状に形成される(
図6参照)。
【0077】
そして、第3実施形態の包装袋1は、表側開口縁E1と裏側開口縁E2との位置が異なることで、ユーザが表面部11と裏面部12とをそれぞれ摘まむことができ、開口部10Hを開け易くなっている。また、第3実施形態の包装袋1において、
図9(B)に示すように、裏側第2誘導部54は、開封部30において部分的に形成されている。従って、第3実施形態の包装袋1は、表示やデザイン等の印刷のレイアウトの自由度が高くなっている。
【0078】
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態の開封部30の説明図である。なお、
図11(A)は、第4実施形態の開封部30を表面部11側から見た場合の部分拡大図であり、
図11(B)は、第4実施形態の開封部30を裏面部12側から見た場合の部分拡大図である。
【0079】
次に、第4実施形態の開封部30について説明する。なお、第4実施形態の説明において、他の実施形態と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0080】
図11(A)および
図11(B)に示すように、第4実施形態の開封部30は、左右方向における端部に設けられる開封開始部31と、表面部11にてユーザによる表面部11の引き裂きを誘導する表側誘導部62と、裏面部12にてユーザによる裏面部12の引き裂きを誘導する裏側第1誘導部63と裏側第2誘導部64とを有する。
【0081】
なお、第4実施形態において、裏側第1誘導部63が第1誘導部の一例であり、裏側第2誘導部64が第2誘導部の一例である。
【0082】
第4実施形態の袋本体10は、第3実施形態と同様に、中間層104に、フィルム10Fの製造の際のフィルム搬送方向に沿って一方向にフィルムの引き裂きが容易に構成されたフィルム層を用いている。
【0083】
そして、表側誘導部62は、直線カット性における一方向が左右方向に沿うように設けられた表面部11の中間層104によって構成されている。
また、裏側第1誘導部63は、直線カット性における一方向が左右方向に沿うように設けられた裏面部12の中間層104によって構成されている。
【0084】
さらに、裏側第2誘導部64は、裏面部12を構成する基材層101および中間層104を台形状に切断することで形成される。裏側第2誘導部64の基本構成は、第2実施形態の裏側第2誘導部44と同様である。すなわち、裏側第2誘導部64は、第1形状部441、第2形状部442および第3形状部443を有している。
そして、裏側第2誘導部64は、基材層101および中間層104が切断されることで、裏面部12において切断される層の数が他の箇所よりも多くなっている。従って、裏側第2誘導部64は、裏側第1誘導部63と比較して引き裂き易く構成されている。
【0085】
以上のように構成される第4実施形態の包装袋1は、開封部30に対して開封方向である左右方向に引張力を付与すると、開封開始部31から開封部30における引き裂きが始まる。そして、
図11(A)に示すように、表面部11では、表側誘導部62を構成する中間層104による直線カット性によって左右方向に沿って直線状に表面部11が引き裂かれる。その結果、表面部11における表側開口縁E1は、第2実施形態と同様に、直線状に形成される(
図8参照)。
【0086】
一方、
図11(B)に示すように、裏面部12では、開封開始部31から左右方向に沿って引き裂かれると、引き裂き端部が裏側第1誘導部63を構成する中間層104の直線カット性によって左右方向に沿って直線状に誘導され、第1形状部441に到達する。そして、引き裂き端部は、裏側第1誘導部63が形成されていない部分よりも引き裂き易く構成された第1形状部441に沿って移動する。その後、引き裂き端部は、第1形状部441に接続する第2形状部442に沿って移動する。そして、引き裂き端部は、第2形状部442の端部に到達すると、裏側第1誘導部63が形成されていない部分よりも引き裂き易く構成された第3形状部443に沿って移動する。さらに、引き裂き端部は、第3形状部443の端部から裏側第1誘導部63を構成する中間層104の直線カット性により左右方向に沿って移動する。その結果、裏面部12における裏側開口縁E2は、第2実施形態と同様に、直線状部と台形状部とによって形成される(
図8参照)。
【0087】
そして、第4実施形態の包装袋1は、表側開口縁E1と裏側開口縁E2との位置が異なることで、ユーザが表面部11と裏面部12とをそれぞれ摘まむことができ、開口部10Hを開け易くなっている。また、また、第4実施形態の包装袋1において、
図11(B)に示すように、裏側第2誘導部64は、開封部30において部分的に形成されている。従って、第4実施形態の包装袋1は、表示やデザイン等の印刷のレイアウトの自由度が高くなっている。
【0088】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態の開封部30について説明する。なお、第5実施形態の説明において、他の実施形態と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0089】
図12は、第5実施形態の開封部30の説明図である。なお、
図12(A)は、第5実施形態の開封部30を表面部11側から見た場合の部分拡大図であり、
図12(B)は、第5実施形態の開封部30を裏面部12側から見た場合の部分拡大図である。
【0090】
図12(A)に示すように、第5実施形態の開封部30は、左右方向における端部に設けられる開封開始部31と、表面部11にてユーザによる表面部11の引き裂きを誘導する表側第1誘導部73と表側第2誘導部74とを有する。さらに、第5実施形態の開封部30は、裏面部12にてユーザによる裏面部12の引き裂きを誘導する裏側第1誘導部83と裏側第2誘導部84とを有する。
【0091】
なお、第5実施形態において、裏側第1誘導部83が第1誘導部の一例であり、裏側第2誘導部84が第2誘導部の一例である。
また、表側第1誘導部73が第3誘導部の一例であり、表側第2誘導部74が第4誘導部の一例である。
そして、第3誘導部および第4誘導部は、包装袋1において第1誘導部および第2誘導部が形成されていない面である他方の面に設けられ、開封部30が引き裂かれる方向を誘導する部分である。第3誘導部および第4誘導部は、第3誘導部および第4誘導部が形成されていない部分と比較して、引き裂き易く構成されている。これによって、ユーザが開封部30を引き裂いた際に、引き裂かれる部分が第3誘導部や第4誘導部に到達すると、第3誘導部や第4誘導部に沿って引き裂く方向が誘導される。また、第4誘導部は、第3誘導部と比較して引き裂き易く構成されている。これにより、ユーザが開封部30を引き裂いた際に、引き裂かれる部分が第3誘導部と第4誘導部とが接続する部分に到達すると、その後は、第4誘導部に沿って引き裂く方向が誘導される。
【0092】
そして、表側第1誘導部73および裏側第1誘導部83の基本構成は、第4実施形態の裏側第1誘導部63と同様である。すなわち、第5実施形態の袋本体10は、第3実施形態と同様に、中間層104に、フィルム10Fの製造の際のフィルム搬送方向に沿って一方向にフィルムの引き裂きが容易に構成されたフィルム層を用いている。そして、表側第1誘導部73および裏側第1誘導部83は、それぞれ、直線カット性における一方向が左右方向に沿うように設けられた中間層104によって構成されている。
【0093】
また、表側第2誘導部74および裏側第2誘導部84の基本構成は、第4実施形態の裏側第2誘導部64と同様である。表側第2誘導部74および裏側第2誘導部84は、表面部11および裏面部12をそれぞれ構成する基材層101および中間層104を台形状に切断することで形成される。そして、表側第2誘導部74および裏側第2誘導部84は、それぞれ、第1形状部441、第2形状部442および第3形状部443を有している。
【0094】
そして、表側第2誘導部74は、基材層101および中間層104が切断されることで、表面部11において切断される層の数が他の箇所よりも多くなっている。従って、表側第2誘導部74は、表側第1誘導部73よりも引き裂き易く構成されている。同様に、裏側第2誘導部84は、基材層101および中間層104が切断されることで、裏面部12において切断される層の数が他の箇所よりも多くなっている。従って、裏側第2誘導部84は、裏側第1誘導部83よりも引き裂き易く構成されている。
【0095】
そして、
図12(A)および
図12(B)に示すように、表側第2誘導部74と裏側第2誘導部84とは、左右方向において異なる位置に設けられる。第5実施形態において、表面部11から見て、表側第2誘導部74は、裏側第2誘導部84に対して左側にずれた位置に設けられている。また、第5実施形態において、表側第2誘導部74と裏側第2誘導部84とは、左右方向において約0.1mm以上であって10mm以内にずれて設けられると、表裏面の方向から見て、表側第2誘導部74と裏側第2誘導部84とをユーザが視認し易く、また摘まみ易くなり、開口部10Hを開き易くなるという点で好ましい。さらに、第5実施形態において、表側第2誘導部74と裏側第2誘導部84とは、左右方向において、約2mm以上であって8mm以内にずれていると、表側第2誘導部74と裏側第2誘導部84とをユーザがさらに認し易く、また、さらに摘まみ易くなり、開口部10Hをさらに開きやすくなるという点で好ましい。
【0096】
図13は、第5実施形態の包装袋が開封された状態を示す図面である。
【0097】
図13に示すように、第5実施形態の包装袋1は、開封部30に対して開封方向である左右方向に引張力を付与すると、表面部11における表側開口縁E1には、直線状部と台形状部とが形成される。また、包装袋1は、裏面部12における裏側開口縁E2には、直線状部と台形状部とが形成される。そして、第5実施形態では、表側第2誘導部74と裏側第2誘導部84とが左右方向にずれて設けられているため、表側開口縁E1における台形状部と、裏側開口縁E2における台形状部とは、左右方向にずれて形成される。これによって、開封された包装袋1を表面部11側から見た場合と、裏面部12側から見た場合との両方において、表側開口縁E1の台形状部と、裏側開口縁E2の台形状部とを、ユーザが容易に視認することができる。また、第5実施形態の包装袋1において、
図12(A)および
図12(B)に示すように、表側第2誘導部74と裏側第2誘導部84は、それぞれ、開封部30において部分的に形成されている。従って、第5実施形態の包装袋1は、表示やデザイン等の印刷のレイアウトの自由度が高くなっている。
【0098】
なお、第5実施形態において、表側第2誘導部74は、表面部11から見て、左右方向において、裏側第2誘導部84に対してより右側に位置するように設けられていても良い。この場合においても、第5実施形態の包装袋1は、表裏面の方向から見て、表側第2誘導部74と裏側第2誘導部84とをユーザが視認し易く、また摘まみ易くなり、開口部10Hを開き易くなる。
【0099】
また、第5実施形態において、表側第1誘導部73および裏側第1誘導部83は、直線カット性を有する中間層104によって構成するのではなく、例えば第2実施形態と同様に、それぞれ、表面部11の中間層102および裏面部12の中間層102を切断することで形成されていても良い。
【0100】
以上のように構成される第1実施形態~第5実施形態において、包装袋1の開封の操作として、包装袋1を持つユーザが、身体から離れる方向に開封部30を押し出すように引き裂く「押し切り」と、身体に近づける方向に引くように引き裂く「引き切り」とがある。そして、第1実施形態~第5実施形態の包装袋1は、押し切り、および引き切りのいずれの場合であっても、開口部10Hに段差が形成されるため、開口部10Hをユーザが摘まんで開封することが容易になっている。また、開口部10Hに段差ができるので、ユーザの年齢を問わず、例えば高齢者でも子供でも、開封する箇所を簡単に特定でき、開口部10Hを摘まんで簡単に包装袋1を開けることができる。
【0101】
なお、第1実施形態の表側誘導部32および裏側第1誘導部33(
図5(A)および
図5(B)参照)において、中間層102は、厚み方向において中間層102の全てとなる100%が切断されているが、中間層102が厚み方向において100%切断されることに限定されない。中間層102は、少なくとも溝が形成されていれば、開封を誘導する機能を発揮することができる。中間層102は、厚み方向において中間層102の総厚みのうち50%以上が切断されていれば、開封を誘導する機能をより好ましく発揮する。
そして、上記の内容は、第2実施形態の表側誘導部42および裏側第1誘導部43(
図7(A)および
図7(B)参照)においても同様である。
【0102】
また、
図4(B)に示すように、第1実施形態の裏側第2誘導部34の始点は、少なくとも開封開始部31の先端部よりも左右方向における中央部側であれば良い。すなわち、第1実施形態の裏側第2誘導部34の始点は、第1シール部15または第2シール部16の領域にあっても良い。また、第1実施形態の裏側第2誘導部34の終点は、少なくとも裏側第1誘導部33を超える位置、および少なくとも開閉チャック部20の縁を超える位置であれば良い。
【0103】
より詳細には、第1形状部341の始点は、少なくとも開封開始部31の先端部より左右方向における中央部側であれば良い。また、第1形状部341の終点は、分岐部340であれば良い。なお、第1形状部341の始点は、第1シール部15上または第2シール部16上であっても、左右方向における中央部側であっても良い。
分岐部340は、少なくとも第1シール部15または第2シール部16の内縁から5mm以上離間していることが好ましい。ここで、分岐部340と第1シール部15または第2シール部16の内縁との距離が5mm未満である場合、開封開始部31からの距離が近過ぎて、例えば第2形状部342や第3形状部343に沿って引き裂きを誘導することが難くなるおそれがある。
第2形状部342の始点は、分岐部340であれば良い。また、第2形状部342の終点は、裏側第1誘導部33と交差する位置であっても良い。すなわち、第2形状部342の終点は、少なくとも裏側第1誘導部33を超えていれば良い。
第3形状部343の始点は、分岐部340であれば良い。第3形状部343の終点は、開閉チャック部20の縁と交差する位置であれば良い。すなわち、第2形状部342の終点は、少なくとも開閉チャック部20の縁を超えていれば良い。
なお、上記の内容は、第3実施形態の裏側第2誘導部54(
図9(B)参照)においても同様である。
【0104】
また、
図4(B)に示すように、第1実施形態の裏側第2誘導部34の溝幅、すなわち切れ目の幅は、0.1mm以上であって0.3mm以下が好ましい。ここで、溝幅が0.1mm未満である場合、開封を誘導するという機能が発揮され難く、また、包装袋1の開封性も低下するおそれがある。一方、溝幅が0.3mmを超える場合は、裏側第2誘導部34が目立ち過ぎてしまうため、美観が低くなるおそれがある。
なお、上記の内容は、第2実施形態の裏側第2誘導部44(
図7(B)参照)、第3実施形態の裏側第2誘導部54(
図9(B)参照)、第4実施形態の裏側第2誘導部64(
図11(B)参照)、第5実施形態の表側第2誘導部74および裏側第2誘導部84(
図12(A)および
図12(B)参照)においても同様である。
【0105】
さらに、第1実施形態の裏側第2誘導部34(
図5(B)参照)は、基材層101および中間層102がそれぞれ切断された状態であるが、この例に限定されない。特に、中間層102は、厚み方向において中間層102の全てとなる100%が切断されているが、中間層102が厚み方向において100%切断されることに限定されない。中間層102は、少なくとも溝が形成されていれば、開封を誘導する機能を発揮することができる。中間層102は、厚み方向において中間層102の総厚みのうち50%以上が切断されていれば、開封を誘導する機能をより好ましく発揮する。
なお、上記の内容は、第2実施形態の裏側第2誘導部44における中間層102、第3実施形態の裏側第2誘導部54における中間層104、第4実施形態の裏側第2誘導部64における中間層104、第5実施形態の表側第2誘導部74および裏側第2誘導部84における中間層104においても同様である。
【符号の説明】
【0106】
1…包装袋、10…袋本体、10H…開口部、11…表面部、12…裏面部、20…開封チャック部、30…開封部、31…開封開始部、32…表側誘導部、33…裏側第1誘導部、34…裏側第2誘導部、42…表側誘導部、43…裏側第1誘導部、44…裏側第2誘導部、101…基材層、102…中間層、103…熱融着層、104…中間層