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特許7514078新規な組成物、組み合わせ及びその方法を用いた標的薬物救済
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】新規な組成物、組み合わせ及びその方法を用いた標的薬物救済
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/439 20060101AFI20240703BHJP
   A61K 31/131 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/135 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/136 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/137 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/138 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/155 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/165 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/335 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/341 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/343 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/351 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/38 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/395 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/403 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/404 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/4164 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/42 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/421 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/435 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/4353 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/535 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/5415 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/5513 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A61K31/439
A61K31/131
A61K31/135
A61K31/136
A61K31/137
A61K31/138
A61K31/155
A61K31/165
A61K31/335
A61K31/341
A61K31/343
A61K31/351
A61K31/38
A61K31/381
A61K31/395
A61K31/403
A61K31/404
A61K31/415
A61K31/4164
A61K31/4184
A61K31/42
A61K31/421
A61K31/427
A61K31/435
A61K31/4353
A61K31/44
A61K31/444
A61K31/47
A61K31/495
A61K31/496
A61K31/513
A61K31/517
A61K31/535
A61K31/5415
A61K31/55
A61K31/551
A61K31/5513
A61K31/553
A61P25/00
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/28
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019560216
(86)(22)【出願日】2018-05-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 US2018030978
(87)【国際公開番号】W WO2018204713
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2019-12-27
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】62/501,696
(32)【優先日】2017-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2017/048748
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】106129169
(32)【優先日】2017-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】62/634,162
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/635,554
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/636,099
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/636,171
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519052961
【氏名又は名称】エクシーバ ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】519052972
【氏名又は名称】ヴェパチェドゥ,シュリーニヴァーサラオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴェパチェドゥ,シュリーニヴァーサラオ
(72)【発明者】
【氏名】メビウス,ハンス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ベスパーロフ,アントン
【合議体】
【審判長】原田 隆興
【審判官】池上 京子
【審判官】田中 耕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-518063(JP,A)
【文献】特表2016-516202(JP,A)
【文献】特表2016-510762(JP,A)
【文献】特表2000-508341(JP,A)
【文献】特表2005-537268(JP,A)
【文献】国際公開第2016/40930(WO,A1)
【文献】特表2009-525343(JP,A)
【文献】Drug Design,Development and Therapy,2016年,Vol.10,pp.2959-2972
【文献】Drug Metabolism and Disposition,2014年,Vol.42,pp.33-39
【文献】Chemical Research in Toxicology,2009年,Vol.22,pp.294-298
【文献】European Journal of Clinical Pharmacology,2004年,Vol.59,pp.893-898
【文献】Pharmacology, Biochemistry and Behavior, 2010, Vol.94, pp.570-574
【文献】European Neuropsychopharmacology, 2010, Vol.20, Suppl.3, p.S275
【文献】日本薬局方キニジン硫酸塩水和物添付文書,2014年
【文献】日本プライマリ・ケア連合学会誌,2011,Vol.34 No.3,pp.268-272
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00-33/44
CAplus/MEDLINE/REGISTRY/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
認知症を有する患者において抗うつ作用を発揮するか、不安を軽減するか、又は攻撃特性を減少させるための医薬組成物であって、
a)デラムシクラン、その重水素化化合物、そのハロゲン化された化合物、その薬学的に許容され得る塩又はそれらの組み合わせと、
b)デキストロメトルファン若しくはメマンチン、その重水素化化合物、そのハロゲン化された化合物、その薬学的に許容され得る塩又はそれらの組み合わせと
を含み、成分a)がデラムシクラン、その重水素化化合物、そのハロゲン化された化合物、その薬学的に許容され得る塩又はそれらの組み合わせであり、成分b)がデキストロメトルファン、その重水素化化合物、そのハロゲン化された化合物、その薬学的に許容され得る塩又はそれらの組み合わせである場合、当該医薬組成物は認知症を有する患者において抗うつ作用を発揮するためのものである
医薬組成物。
【請求項2】
チオリダジン、ペルフェナジン、フルフェナジン、ハロペリドール、ズクロペンチキソール、リスペリドン、セルチンドール、ノルトリプチリン、アミトリプチリン、イミプラミン、フルオキセチン、アジマリン、アミオダロン、アプリンジン、アゼラスチン、セレコキシブ、クロルフェニラミン、フルバスタチン、クロルプロマジン、ジフェンヒドラミン、インジナビル、ドキソルビシン、ラソプラゾール、レボメプロマジン、ロピナビル、ロラタジン、メキタジン、メサドン、メトクロプラミド、ミベフラジル、モクロベミド、ネルフィナビル、ネビラピン、ニカルジピン、ノルフルオキセチン、ピモジド、テルフェナジン、シメチジン、キニジン、シサプリド、シタロプラム、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、ラニチジン、リトナビル、サキナビル、セルトラリン、テルビナフィン、チクロピジン、トリフルペリドール、ヨヒンビン、ドキセピン、ミアンセリン、2-クロロイミプラミン、アモキサピン、デシプラミン、プロトリプチリン、トリミプラミン、マプロチリン、フェネルジン、イソカルボキサジド、トラニルシプロミン、トラゾドン、アリールオキシインダンアミン、ベナクチジン、エスシタロプラム、フルボキサミン、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、ミルタザピン、ネファゾドン、セレギリン、シブトラミン、ミルナシプラン、テソフェンシン、ブラソフェンシン、ラサギリン、ニアラミド、イプロニアジド、イプロクロジド、トロキサトン、ブトリプチリン、ドスレピン、ジベンゼピン、イプリンドール、ロフェプラミン、オピプラモール、ダポキセチン及びパロキセチンから成る群から選択される1又は複数の化合物を更に含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記組成物がフマル酸塩、臭化水素酸塩又はそれらの組み合わせである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、新規な組成物、組み合わせ、治療製剤、症候性及び疾患修飾処置、治療、そのキット及びその方法を用いた標的薬物救済(TDR)(商標)に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
過剰な体重は、体を変化させ、特定のホルモン及び炎症のレベルを増加させ、これは、ヒトの苦痛及び経済的コストに関して巨大な疾患負担を示す、発達性疾患、精神疾患及び神経変性疾患を含む代謝障害、癌及び脳障害をもたらし得、ヘルスケア支出の急速な増加を引き起こす。脳及び中枢神経系に影響を及ぼす疾患は、患者、介護者及び社会にとって破壊的な個人的及び経済的結果に起因して、世界最大の医療課題及び最大の医療ニーズの1つを代表する。世界中で推定5500万人が神経変性疾患に罹患しており、現在承認されている疾患修飾療法が利用可能ではない。現代の治療介入が平均余命を増加させるにつれて、これらの疾患に罹患している患者の数は、20年毎に倍増することが予想される。アルツハイマー病及び他の認知症、腰痛、卒中、外傷性脳損傷、片頭痛、てんかん、多発性硬化症、脊髄損傷並びにパーキンソン病などの最も一般的な神経疾患のちょうど9つは、驚異的であり、2014年に総額7890億ドルであり、現在8180億ドルと推定され、2030年までに1兆ドルを超えると推定されている。欧州における脳障害の2010年総費用は、7980億ユーロであり、そのうち、直接医療費が37%、直接非医療費が23%、間接費が40%であった(Oleson et al., The economic cost of brain disorders in Europe, EJN, 19, 1,155-162 (2012)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
認知症における治療ニーズに特に対処することにおける進歩は、過去20年間において遅く、アルツハイマー病における全ての開発プロジェクトは、EMA(2002)及びFDA(2003)によるメマンチンの承認以来失敗している。「処置」適応症を主張するのではなく、規制当局は、症候群適応症ラベルを有する治療法に対して承認可能な薬剤の範囲を広げることにより、持続的な高い医療ニーズに取り組んできた。このような症候群適応症ラベルは、例えば、認知症における行動及び精神症状(BPSD)、アルツハイマー病における攻撃又は無気力のようなサブ症候群適応症、パーキンソン病認知症における幻覚及び妄想(PDD)を包含し得る。したがって、新規な組成物、組み合わせ、治療製剤、症候性及び疾患修飾処置並びにEXCIVA TDR(商標)技術を使用する治療のための、症候性適応症ラベルを有するこのような新しい治療の開発が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
本開示の様々な実施形態は、即ち、偶発性、アレルギー性、聴覚性、抗癌性、心血管性、心肺性、化学療法性、認知性、先天性、皮膚科学的、内分泌性、胃腸性、遺伝学的、生殖器性、尿生殖器性、遺伝性、ホルモン性、肝臓病学的、免疫学的、偶発的、知的、因果的、リンパ性、代謝性、精神性、筋肉性、筋骨格性、神経性、腫瘍性、光学的、眼科的、骨学的、整骨的、精神病的、心理学的、精神病的、心身医学的、身体的、生理学的、呼吸性、生殖性、性的、骨格的、泌尿器科的、仮想的及び視覚的機能、系並びにその原因に起因及び関連する、急性又は慢性の状況、即ち嗜癖、状態、欠乏、能力障害、疾患、障害、機能障害、感染症、問題、中毒、汚染及びそれらの病弊の、投与、洗浄、治癒、診断、ヒーリング、消毒、薬物適用、予防及び処置のための、アロパシー、代替、アーユルヴェーダ医学、ハーブ、ホリスティック、ホメオパシー、天然、医薬品、医薬、非天然物質、アジュバント、補助剤、ブリュー、化学物質、組成物、組み合わせ、混ぜ合わせ、薬物、成分、抽出物、抽出、製剤、キット、メカニズム、薬物療法、医薬、混合物、部分、調製物、予防薬、レシピ、溶質、溶媒、物質、システム、茶、治療、チンキ剤及び処置;生物製剤及びワクチン;治癒;診断キット、試薬及びアッセイ;食事性、ガストロノミー及び栄養性薬剤、部分及びサプリメント;ヘルスケア製品;並びに栄養補助剤;並びにその関連製品及びサービスを含む、生物製剤、化学物質、栄養剤、医薬、組成物、処置、治療、治癒、予防、サプリメント及び製剤を含む、新規な組成物、組み合わせ、治療製剤、症候性及び疾患修飾処置、治療、そのキットを用いた標的薬物救済(TDR)(商標)及びそのような組成物、組み合わせ、治療製剤、処置、治療及びキットの製造方法に関する。
【0005】
様々な実施形態において、本発明は、それぞれ独特な治療的作用機序(TMA)を有する1つ以上の薬剤の組み合わせを含む組成物であり、薬剤は、NMDA受容体拮抗薬、5-HT2A受容体拮抗薬、5-HT2A受容体逆作動薬、5-HT2C受容体拮抗薬及び/又はCYP2D6阻害剤である。
【0006】
本発明の実施形態は、式I:
【化1】

(式中、R及びRは、独立して、H、置換若しくは非置換C1~10アルキル、置換若しくは非置換C5~10アリール、置換若しくは非置換C3~10シクロアルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル-C5~10ヘテロアリール、置換若しくは非置換C4~10トリシクロアルキル、置換若しくは非置換C4~10トリシクロアルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10トリシクロアルキル-C5~10ヘテロアリール又は置換若しくは非置換C5~10ヘテロアリールであり、又はR及びRは、窒素と一緒になって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和複素環を形成し;
は、独立して、H、置換若しくは非置換C1~10アルキル、置換若しくは非置換C5~10アリール、置換若しくは非置換C5~10ヘテロアリール、置換若しくは非置換C3~10シクロアルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル-C5~10ヘテロアリール、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル-C1~10-アルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル-C1~10-アルキル-C5~10ヘテロアリール、置換若しくは非置換C4~10トリシクロアルキル、置換若しくは非置換C4~10トリシクロアルキル-C1~10-アルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10トリシクロアルキル-C1~10-アルキル-C5~10ヘテロアリール、置換若しくは非置換C4~10トリシクロアルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10トリシクロアルキル-C5~10ヘテロアリール、又は置換若しくは非置換C5~10ヘテロアリール、又は置換若しくは非置換C5~10ヘテロアリールであり;
nは、0~5の整数であり;Rは、H、NH-R、S-R、-OH、O-R、-CO-R、-O-CO-R又は-CO-O-Rであり、ここで、Rは、アシル基であり;又はR及びRは、複素環を形成する)
の化合物又はそのエナンチオマー、その代謝産物、その誘導体及び/又はそのプロドラッグ、その薬学的に許容され得る塩、そのN-オキシド或いはそれらの組み合わせを含む組成物である。
【0007】
いくつかの実施形態は、有効量の、1)上記に定義した式Iの化合物、そのエナンチオマー、その代謝産物、その誘導体及び/又はそのプロドラッグ、その薬学的に許容され得る塩、そのN-オキシド又はそれらの組み合わせを含む組成物、又は2)式II
【化2】

(式中、R、R及びRは、独立して、H、D、C1~10-アルキル、ハロC1~10-アルキル(ここで、ハロゲンは、F、Cl又はBrである)であり;R及びR10は、独立して、H;C1~10-アルキル;ハロC1~10-アルキル(ここで、ハロゲンは、F、Cl又はBrである);OHであり;又はR及びR10は、一緒になって5員の複素環を形成し、ここで、ヘテロ原子は、O、S又はNである)
の化合物、そのエナンチオマー、代謝産物、誘導体、プロドラッグ、塩、ジアステレオマー、薬学的に許容され得る塩若しくはN-オキシド又はそれらの組み合わせ、又は3)1及び2の組み合わせ又はそれらの組み合わせを含む組成物を含む。
【0008】
いくつかの実施形態は、疾病又は疾患の処置を、それを必要とする対象において行う方法を含み、この方法は、有効量の、1)上記に定義した式Iの化合物、そのエナンチオマー、その代謝産物、その誘導体及び/又はそのプロドラッグ、その薬学的に許容され得る塩、そのN-オキシド又はそれらの組み合わせを含む組成物、又は2)上記に定義した式IIの化合物、そのエナンチオマー、代謝産物、誘導体、プロドラッグ、塩、ジアステレオマー、薬学的に許容され得る塩若しくはN-オキシド又はそれらの組み合わせ、又は3)1及び2の組み合わせを含む。
【0009】
いくつかの実施形態は、疾病又は疾患の処置を、それを必要とする対象において行う方法を含み、この方法は、有効量のデキストロメトルファン、そのエナンチオマー、代謝産物、誘導体若しくはプロドラッグ又はそれらの組み合わせ、その塩及びジアステレオマー、その薬学的に許容され得る塩、そのN-オキシド、それらの調製のためのプロセス及び中間体、その組成物並びにその使用を含む。
【0010】
実施形態において、方法は、有効性及び忍容性の保護及び安全性を増大させる一方、投与され得る式IIの化合物の用量及び/又は総1日用量の数を低減する方法;式IIの化合物による処置に関連した有害事象を低減する方法(ここで、対象は、式IIの化合物を用いた処置の結果として有害事象を経験するリスクを有する);式IIの化合物の代謝産物の血漿レベルを低減する方法、神経疾患の処置方法、式IIの化合物を用いた処置を必要とする対象において式IIの化合物の血漿レベルを増大させる方法(ここで、対象は、式IIの化合物の高代謝者である);式IIの化合物の代謝産物を阻害する方法;式IIの化合物の代謝寿命を増大させる方法;式IIの化合物の広範な代謝を修飾する方法;式IIの化合物の鎮咳を改善する方法;咳の処置方法である。別の実施形態は、疾病又は疾患が神経疾患であり、組成物が少なくとも1日1回、少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間又は8日間投与される方法である。
【0011】
いくつかの実施形態は、約5mg/日~約600mg/日、約5mg/日~約300mg/日、約5mg/日~約400mg/日、約5mg/日~約500mg/日、約5mg/日~約600mg/日、約5mg/日~約1,000mg/日、約50mg/日~約1000mg/日、約100mg/日~約1000mg/日、約150mg/日~約1000mg/日、約150mg/日~約5000mg/日、約150mg/日~約300mg/日、又は約150mg/日~約100mg/日、又は必要とされる量の式Iの化合物及び約0.1mg/日~約1mg/日、約0.5mg/日~約15mg/日、約15mg/日~約60mg/日、約15mg/日~約120mg/日、約0.1mg/日~約200mg/日又は必要とされる量の式IIの化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、神経疾患の処置方法を含む。
【0012】
別の実施形態は、式IIの化合物と、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬及びCYP2D6阻害剤を含む群から選択される1つ以上の薬剤とを含む医薬組成物である。別の実施形態では、薬剤は、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬及びCYP2D6阻害剤の両方の特性を有する薬剤である。別の実施形態では、薬剤は、5-HT2A受容体逆作動薬及びCYP2D6阻害剤の両方の特性を有する二重薬剤(DA)である。別の実施形態では、DAは、式Iの化合物である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面の簡単な説明
図1A】サルポグレレートによって例示される式Iの化合物のCYP2D6についてのKi値を決定するためのDixonプロットを表す。デキストロメトルファンの濃度をそれぞれ2.5(黒丸)、5(白丸)及び10(三角)mMと測定した。Vは、デキストロルファンの生成速度(pmol/分/mgタンパク質)を表す。データは、3回の測定の平均値である。サルポグレレート及びM-1並びにキニジンによって例示される式Iの化合物の実線は、全ての競合阻害型によく適合する(Cho et al., Effect of the potent CYP2D6 inhibitor on the pharmacokinetics and pharmacodynamics of metoprolol in healthy male Korean volunteers. Xenobiotica, 45(3):256-63 (2015 March)、全体が参照により組み込まれる)。
図1B】M-1によって例示される式Iの化合物のCYP2D6についてのKi値を決定するためのDixonプロットを表す。デキストロメトルファンの濃度をそれぞれ2.5(黒丸)、5(白丸)及び10(三角)mMと測定した。Vは、デキストロルファンの生成速度(pmol/分/mgタンパク質)を表す。データは、3回の測定の平均値である。サルポグレレート及びM-1並びにキニジンによって例示される式Iの化合物の実線は、全ての競合阻害型によく適合する(Cho et al., Effect of the potent CYP2D6 inhibitor on the pharmacokinetics and pharmacodynamics of metoprolol in healthy male Korean volunteers. Xenobiotica, 45(3):256-63 (2015 March)、全体が参照により組み込まれる)。
図1C】キニジンによって例示される式Iの化合物のCYP2D6についてのKi値を決定するためのDixonプロットを表す。デキストロメトルファンの濃度をそれぞれ2.5(黒丸)、5(白丸)及び10(三角)mMと測定した。Vは、デキストロルファンの生成速度(pmol/分/mgタンパク質)を表す。データは、3回の測定の平均値である。サルポグレレート及びM-1並びにキニジンによって例示される式Iの化合物の実線は、全ての競合阻害型によく適合する(Cho et al., Effect of the potent CYP2D6 inhibitor on the pharmacokinetics and pharmacodynamics of metoprolol in healthy male Korean volunteers. Xenobiotica, 45(3):256-63 (2015 March)、全体が参照により組み込まれる)。
図2A】逐次並行比較デザイン及び10週間分析に含まれる患者についての、段階及び来院による平均神経精神病学的インベントリー興奮/攻撃ドメインスコアを表す。段階1(1~5週目);(10週の二次解析は、試験参加を通じて同じ処置割り当てを継続した患者;即ちデキストロメトルファン-キニジンのみ又はプラセボのみを受容するように無作為化された患者[段階2においてプラセボからデキストロメトルファン-キニジンに再無作為化された患者を除く]のみを含むため、並行群デザインをシミュレートした]。処置を固定効果とし、ベースラインを共変数とする共分散分析モデルを用いて、各時点での群間のベースラインからの平均変化を比較した。段階2のベースラインは、段階2の開始時の患者のスコアである。処置の最小二乗平均差は、以下の通りである:段階1に関して、1週目、-0.8(95%CI、-1.5~-0.03;P=0.04)、3週目、-1.0(95%CI、-1.8~-0.2;P=0.01)及び5週目、-1.5(95%CI、-2.3~-0.7;P<0.001);段階2に関して、6週目、0.7(95%CI、-0.4~1.9;P=0.19)、8週目、-0.1(95%CI、-1.3~1.2;P=0.93)及び10週目、-1.6(95%CI、-2.9~-0.3;P=0.02);10週分析に関して、1週目、-0.9(95%CI、-1.8~-0.04;P=0.047)3週目、-1.3(95%CI、-2.2~-0.3;P=0.01)、5週目、-1.8(95%CI、-2.7~-0.9;P<0.001)、6週目、-0.9(95%CI、-2.0~0.1;P=0.06)、8週目、-1.3(95%CI、-2.4~-0.3;P=0.01)及び10週目、-1.8週(95%CI、-2.8~-0.7;P=0.003)。観察された症例(Cummings et al., Effect of dextromethorphan quinidine on agitation in patients with Alzheimer Disease dementia: a randomized clinical trial. JAMA 314(12):1242-1254 (2015)、全体が参照により組み込まれる。)
図2B】逐次並行比較デザイン及び10週間分析に含まれる患者についての、段階及び来院による平均神経精神病学的インベントリー興奮/攻撃ドメインスコアを表す。段階1の後に無作為化されたプラセボ非応答者に関する段階2(6~10週目));(10週の二次解析は、試験参加を通じて同じ処置割り当てを継続した患者;即ちデキストロメトルファン-キニジンのみ又はプラセボのみを受容するように無作為化された患者[段階2においてプラセボからデキストロメトルファン-キニジンに再無作為化された患者を除く]のみを含むため、並行群デザインをシミュレートした]。処置を固定効果とし、ベースラインを共変数とする共分散分析モデルを用いて、各時点での群間のベースラインからの平均変化を比較した。段階2のベースラインは、段階2の開始時の患者のスコアである。処置の最小二乗平均差は、以下の通りである:段階1に関して、1週目、-0.8(95%CI、-1.5~-0.03;P=0.04)、3週目、-1.0(95%CI、-1.8~-0.2;P=0.01)及び5週目、-1.5(95%CI、-2.3~-0.7;P<0.001);段階2に関して、6週目、0.7(95%CI、-0.4~1.9;P=0.19)、8週目、-0.1(95%CI、-1.3~1.2;P=0.93)及び10週目、-1.6(95%CI、-2.9~-0.3;P=0.02);10週分析に関して、1週目、-0.9(95%CI、-1.8~-0.04;P=0.047)3週目、-1.3(95%CI、-2.2~-0.3;P=0.01)、5週目、-1.8(95%CI、-2.7~-0.9;P<0.001)、6週目、-0.9(95%CI、-2.0~0.1;P=0.06)、8週目、-1.3(95%CI、-2.4~-0.3;P=0.01)及び10週目、-1.8週(95%CI、-2.8~-0.7;P=0.003)。観察された症例(Cummings et al., Effect of dextromethorphan quinidine on agitation in patients with Alzheimer Disease dementia: a randomized clinical trial. JAMA 314(12):1242-1254 (2015)、全体が参照により組み込まれる。)
図2C】逐次並行比較デザイン及び10週間分析に含まれる患者についての、段階及び来院による平均神経精神病学的インベントリー興奮/攻撃ドメインスコアを表す。10週の結果(10週の二次解析は、試験参加を通じて同じ処置割り当てを継続した患者;即ちデキストロメトルファン-キニジンのみ又はプラセボのみを受容するように無作為化された患者[段階2においてプラセボからデキストロメトルファン-キニジンに再無作為化された患者を除く]のみを含むため、並行群デザインをシミュレートした]。処置を固定効果とし、ベースラインを共変数とする共分散分析モデルを用いて、各時点での群間のベースラインからの平均変化を比較した。段階2のベースラインは、段階2の開始時の患者のスコアである。処置の最小二乗平均差は、以下の通りである:段階1に関して、1週目、-0.8(95%CI、-1.5~-0.03;P=0.04)、3週目、-1.0(95%CI、-1.8~-0.2;P=0.01)及び5週目、-1.5(95%CI、-2.3~-0.7;P<0.001);段階2に関して、6週目、0.7(95%CI、-0.4~1.9;P=0.19)、8週目、-0.1(95%CI、-1.3~1.2;P=0.93)及び10週目、-1.6(95%CI、-2.9~-0.3;P=0.02);10週分析に関して、1週目、-0.9(95%CI、-1.8~-0.04;P=0.047)3週目、-1.3(95%CI、-2.2~-0.3;P=0.01)、5週目、-1.8(95%CI、-2.7~-0.9;P<0.001)、6週目、-0.9(95%CI、-2.0~0.1;P=0.06)、8週目、-1.3(95%CI、-2.4~-0.3;P=0.01)及び10週目、-1.8週(95%CI、-2.8~-0.7;P=0.003)。観察された症例(Cummings et al., Effect of dextromethorphan quinidine on agitation in patients with Alzheimer Disease dementia: a randomized clinical trial. JAMA 314(12):1242-1254 (2015)、全体が参照により組み込まれる。)
図3A】全分析セットにおける6週間の研究期間における精神病重篤度減少に対する処置効果を示す。全分析セット集団には、≧1用量を受容し、ベースライン時及びその後少なくとも1回SAPS評価を有した全ての患者が含まれる。データ点は、最小二乗平均(標準誤差)を示す。SAPS-PDの改善。SAPS=陽性症状の評価の尺度。CGI=臨床的な全体的印象(Cummings et al., Pimavanserin for patients with Parkinson’s disease psychosis: a randomized, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet, 383(9916):533-40 (8 February 2014)、全体が参照により組み込まれる)。
図3B】全分析セットにおける6週間の研究期間における精神病重篤度減少に対する処置効果を示す。全分析セット集団には、≧1用量を受容し、ベースライン時及びその後少なくとも1回SAPS評価を有した全ての患者が含まれる。データ点は、最小二乗平均(標準誤差)を示す。CGI重篤度スコアの変化。SAPS=陽性症状の評価の尺度。CGI=臨床的な全体的印象(Cummings et al., Pimavanserin for patients with Parkinson’s disease psychosis: a randomized, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet, 383(9916):533-40 (8 February 2014)、全体が参照により組み込まれる)。
図3C】全分析セットにおける6週間の研究期間における精神病重篤度減少に対する処置効果を示す。全分析セット集団には、≧1用量を受容し、ベースライン時及びその後少なくとも1回SAPS評価を有した全ての患者が含まれる。データ点は、最小二乗平均(標準誤差)を示す。CGI改善スコア。SAPS=陽性症状の評価の尺度。CGI=臨床的な全体的印象(Cummings et al., Pimavanserin for patients with Parkinson’s disease psychosis: a randomized, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet, 383(9916):533-40 (8 February 2014)、全体が参照により組み込まれる)。
図4A】化合物847(カナビオジオール、CBD)によるCYP2D6及びヒト肝ミクロソーム(HLM)の阻害についてのラインウィーバー-バークプロットを表す。組換えCYP2D6を3-[2-(N,N-ジエチル-N-メチルアンモニウム)-エチル]-7-メトキシ-4-メチルクマリン(AMMC)と共にCBD存在下でインキュベートし、HLMをCBDの存在下又は非存在下でデキストロメトルファンと共にインキュベートした。各点は、二重測定の平均である。
図4B】化合物847(カナビオジオール、CBD)によるCYP2D6及びヒト肝ミクロソーム(HLM)の阻害についてのラインウィーバー-バークプロットを表す。組換えCYP2D6をデキストロメトルファンと共にCBD存在下でインキュベートし、HLMをCBDの存在下又は非存在下でデキストロメトルファンと共にインキュベートした。各点は、二重測定の平均である。
図4C】化合物847(カナビオジオール、CBD)によるCYP2D6及びヒト肝ミクロソーム(HLM)の阻害についてのラインウィーバー-バークプロットを表す。組換えCYP2D6をCBDの非存在下でインキュベートし、HLMをCBDの存在下又は非存在下でデキストロメトルファンと共にインキュベートした。各点は、二重測定の平均である。
図4D】CYP2D6及びHLMのAMMC及びデキストロメトルファンO-デメチラーゼ活性に対する主要なフィトカンナビノイドΔ-テトラヒドロカンナビノール(Δ-THC)、CBD及びカンナビノール(CBN)の効果を示す。組換えCYP2D6を0.6μM AMMCと共に様々な量のΔ-THC、CBD及びCBNの存在下でインキュベートした。各点は、2つの測定の平均である(Yamaori et al., Cannabidiol, a Major Phytocannabinoid, As a Potent Atypical Inhibitor for CYP2D6, Drug Metabolism and Disposition, Vol. 39, No. 11 (2011)、全体が参照により組み込まれる)。
図4E】CYP2D6及びHLMのAMMC及びデキストロメトルファンO-デメチラーゼ活性に対する主要なフィトカンナビノイドΔ-テトラヒドロカンナビノール(Δ-THC)、CBD及びカンナビノール(CBN)の効果を示す。組換えCYP2D6を0.6μMデキストロメトルファンと共に様々な量のΔ-THC、CBD及びCBNの存在下でインキュベートした。各点は、2つの測定の平均である(Yamaori et al., Cannabidiol, a Major Phytocannabinoid, As a Potent Atypical Inhibitor for CYP2D6, Drug Metabolism and Disposition, Vol. 39, No. 11 (2011)、全体が参照により組み込まれる)。
図4F】CYP2D6及びHLMのAMMC及びデキストロメトルファンO-デメチラーゼ活性に対する主要なフィトカンナビノイドΔ-テトラヒドロカンナビノール(Δ-THC)、CBD及びカンナビノール(CBN)の効果を示す。HLMを様々な量のΔ-THC、CBD及びCBNの存在下で4μMデキストロメトルファンと共にインキュベートした。各点は、2つの測定の平均である(Yamaori et al., Cannabidiol, a Major Phytocannabinoid, As a Potent Atypical Inhibitor for CYP2D6, Drug Metabolism and Disposition, Vol. 39, No. 11 (2011)、全体が参照により組み込まれる)。
図5】ラットにおけるMK-801誘発運動亢進に対するM1の(-)及び(+)エナンチオマー並びにM-100,907の効果を示す。データは、60分間の試験セッションにわたる平均(±SEM)平均活動として示す。N=5~9/群。
図6】嗅球摘出術(OBX)又は偽手術(SHAM)後のラットにおける運動活動に対するサルポグレレートの効果を示す。データは、5分間の試験セッションにわたる平均(±SEM)平均活動として示す。N=12/群。
図7】サルポグレレート塩酸塩(2mg/kg)の単回静脈内投与後の雄Wistarラットにおけるサルポグレレート及びM1の血漿レベル曲線を示す。データは、平均(±SD)濃度(ng/ml)として示す。N=4。
図8】t=0時間で、デキストロメトルファン(50mg/kg、経口)を受容し、その直後に血管アクセスポートを介してサルポグレレート(1、3又は10mg/kg;ラセミ体又はエナンチオマーの1つ)又はビヒクルの静脈内ボーラス注射を受容した雄Wistarラットにおけるデキストロメトルファンの血漿レベル曲線を示す。データは、平均(±SD)濃度(ng/ml)として示す。N=2~3。
図9A】デキストロメトルファンと化合物50ラセミ体(上部パネル)との組み合わせがラットにおけるPCP誘発運動亢進に及ぼす効果を示す。
図9B】デキストロメトルファンと(-)化合物51(中央パネル)との組み合わせがラットにおけるPCP誘発運動亢進に及ぼす効果を示す。
図9C】デキストロメトルファンと(+)化合物52との組み合わせがラットにおけるPCP誘発運動亢進に及ぼす効果を示す。
図10】血糖レベルに対するデキストロメトルファン及びサルポグレレートラセミ体の効果を示す。データは、経口グルコース(2g/kg)チャレンジ後30~180分の期間にわたる血糖レベルについての曲線下面積(平均±SEM)として示す。N=8/群。
図11A】1日1回60mgの化合物829(黒四角;n=16)又はプラセボ(黒丸;n=16)のいずれかによる8日間の前処置後の20mgのブスピロンの投与後の(a)ブスピロンの平均(SEM)濃度を示す。
図11B】1日1回60mgの化合物829(黒四角;n=16)又はプラセボ(黒丸;n=16)のいずれかによる8日間の前処置後の20mgのブスピロンの投与後の(b)1-PPの平均(SEM)濃度を示す。
図12A】化合物829、60mg(黒四角;n=16)又はプラセボ(黒丸;n=16)での1日1回7日間の処置後のブスピロン20mgの同時投与後の平均(SEM)血漿プロラクチン濃度を示す。
図12B】60mgの化合物829(黒四角;n=16)又はプラセボ(黒丸;n=16)での1日1回8日間の前処置後のブスピロン20mgの同時投与後の平均(SEM)血漿プロラクチン濃度を示す。
図13】Rによって表される式I及びIIの親薬物化合物上の最も一般的な官能基についてのプロドラッグ戦略を示し、一般スキームは、式I及びIIの化合物のプロドラッグの種々の実施形態を表す。
図14A】NMDA受容体チャネル遮断薬の識別刺激効果に対する化合物829の効果を示す。データは、薬物-レバー応答の平均(±S.E.M.)パーセント(上部パネル)として示す。N=6。
図14B】NMDA受容体チャネル遮断薬の識別刺激効果に対する化合物829の効果を示す。データは、応答速度(1秒当たりの応答;下部パネル)として示す。N=6。
図15A】尾部懸垂試験における、メマンチンと組み合わせた及びデキストロメトルファンと組み合わせた化合物829の効果を示す。データは、平均(±S.E.M.)不動時間として示す。N=8。
図15B】尾部懸垂試験におけるメマンチンと組み合わせたリタンセリンの効果を示す。データは、平均(±S.E.M.)不動時間として示す。N=7~8。
図16A】Geller-Seiffer試験におけるパンリッシュ(punlished)応答に対する化合物829及びメマンチンの効果を示す。データは、1セッション当たりの応答の平均(±S.E.M.)数として示す。N=4。
図16B】Geller-Seiffer試験における非パンリッシュ(unpunlished)応答に対する化合物829及びメマンチンの効果を示す。データは、1セッション当たりの応答の平均(±S.E.M.)数として示す。N=4。
図17】メマンチンと組み合わせた化合物829及びメマンチンと組み合わせたリタンセリンの、隔離誘導攻撃に対する効果を示す。データは、最初の攻撃までの平均(±S.E.M.)潜伏時間として示される。N=7。
図18】血漿及び脳組織中の化合物146(M1)の総濃度を示す。化合物146によって例示される式Iの化合物を含む本発明の組成物の腹腔内投与後の全脳及び血漿濃度。データは、UPLC/MS分析を用いて測定した脳組織抽出物中の化合物の平均(±S.E.M.)量として示す。N=4。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
2017年5月4日出願の特許出願米国特許第62/501,693号、2017年8月25日出願のPCT/米国特許出願公開第2017/048748号、2018年3月1日公開の国際公開第2018/039642 A1号、2017年8月28日出願の台湾特許出願公開第106129169号、2018年2月22日出願の米国特許第62/634,162号、2018年2月22日出願の米国特許第62/636,17号、2018年2月27日出願の米国特許第62/635,554号及び2018年2月27日出願の米国特許第62/636,099号(これらの全ては、参照により組み込まれる)の開示を含む、生物製剤、化学物質、栄養剤、医薬、組成物、処置、治療、治癒、予防、サプリメント及び製剤を含む、新規な組成物、組み合わせ、治療製剤、症候性及び疾患修飾処置、治療、そのキットを含む標的薬物救済(TDR)(商標)及びそのような組成物、組み合わせ、治療製剤、処置、治療及びキットの製造方法を含む本発明の様々な実施形態である。
【0015】
本発明の実施形態は、式I:
【化3】

(式中、R及びRは、独立して、H、置換若しくは非置換C1~10アルキル、置換若しくは非置換C5~10アリール、置換若しくは非置換C3~10シクロアルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル-C5~10ヘテロアリール又は置換若しくは非置換C5~10ヘテロアリールであり、又はR及びRは、窒素と一緒になって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和複素環を形成し;
は、独立して、H、置換若しくは非置換C1~10アルキル、置換若しくは非置換C5~10アリール、置換若しくは非置換C5~10ヘテロアリール、置換若しくは非置換C3~10シクロアルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換C4~10ビシクロアルキル-C5~10ヘテロアリール又は置換若しくは非置換C5~10ヘテロアリールであり;nは、0~5の整数であり;Rは、H、NH-R、S-R、-OH、O-R、-CO-O-R、-O-CO-R又は-CO-O-Rであり、ここで、Rは、アシル基であり;又はR及びRは、複素環を形成する)
の化合物又はそのエナンチオマー、その代謝産物、その誘導体及び/又はそのプロドラッグ、その薬学的に許容され得る塩、そのN-オキシド或いはそれらの組み合わせを含む組成物である。
【0016】
実施形態は、置換又は非置換C4~10シクロアルキルがシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル又はシクロデシル基である式Iの化合物である。別の実施形態では、シクロアルキルは、1つ以上のヘテロ原子N、S又はOを含む。
【0017】
別の実施形態は、置換又は非置換C3~10ビシクロアルキルがビシクロブチル、ビシクロペンチル、ビシクロヘキシル、ビシクロヘプチル、ビシクロオクチル、ビシクロノニル又はビシクロデシル基である式Iの化合物である。別の実施形態では、ビシクロアルキルは、1つ以上のヘテロ原子N、S又はOを含む。
【0018】
別の実施形態は、アリールがフェニル、ナフチル、アントラセニル又はフェナントレニルである式Iの化合物である。
【0019】
別の実施形態では、化合物は、Rが、モノ、ジ及びトリカルボン酸基からなる群から選択されるアシル基である式Iの化合物である
【0020】
別の実施形態では、化合物は、Rが、アセテート、アセチルサリチレート、アジペート、N-アシル-アスパルテート、アスパルテート、ブチレート、カプレート、カプロエート、カプリレート、エナンテート、ホルメート、フマレート、N-アシル-グルタレート、グルタレート、イソフタレート、マレエート、マロネート、メチオネート、N-アシル-メチオネート、オキサレート、ペラルゴネート、ピメレート、プロピオネート、フタレート、サリチレート、セバケート、スクシネート、テレフタレート、チロシネート、N-アシル-チロシネート、トリプトファネート、N-アシル-トリプトファネート及びバレレートからなる群から選択されるアシル基である式Iの化合物である。
【0021】
別の実施形態は、式II
【化4】

(式中、R、R及びRは、独立して、H、D、C1~10-アルキル、ハロC1~10-アルキルであり、ここで、ハロゲンは、F、Cl又はBrであり;R及びR10は、独立して、H;C1~10-アルキル;ハロC1~10-アルキルであり、ここで、ハロゲンは、F、Cl又はBr;OHであり;又はR及びR10は、一緒になって5員の複素環を形成し、ここで、ヘテロ原子は、O、S又はNである)
の化合物である。
【0022】
別の実施形態は、R及びRが、モルホリン、ジヒドロオキサジン、オキサジン、ピペラジン、ジヒドロピペラジン及びテトラヒドロピペラジンなどの群から選択される複素環を形成する式Iの化合物である。この実施形態の化合物には、以下の化合物10~24が含まれるが、これらに限定されない。
【化5】
【0023】
別の実施形態は、式Ia又はIbから選択される式Iの純粋なエナンチオマーである。
【0024】
別の実施形態では、式Iの化合物であり、ここで、R、R及びRは、Xがエチルではないことを条件としてメチルである。
【0025】
別の実施形態では、式Iを含む組成物は、サルポグレレート(サルポ)であり、ここで、R、R及びRは、メチルであり、Xは、エチルであり、Rは、スクシノイル基であり、以下の化合物SGL、SGL-E1及びSGL-E2を有する。
【0026】
別の実施形態では、式Iを含む組成物は、サルポグレレート代謝産物M1であり、ここで、R、R及びRは、メチルであり、Xは、エチルであり、Rは、OHであり、以下の化合物M1、M1-E1及びM1-E2を有する。
【0027】
別の実施形態では、式Iを含む組成物は、R及びRが、窒素と一緒になって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する飽和又は不飽和複素環を形成し;Rがメチルであり、Xがエチルであり、RがOHであるサルポグレレート代謝産物M1である。別の実施形態では、複素環は、5員環である。別の実施形態は、複素環は、6員環である。別の実施形態では、複素環は、飽和である。別の実施形態は、不飽和複素環を有する。一実施形態では、複素環は、1つのヘテロ原子を有する。別の実施形態では、複素環は、2つのヘテロ原子を有する。
【0028】
別の実施形態では、式Iの化合物であり、窒素と共にR及びRから形成される複素環は、下記に列挙する複素環から選択される。
【化6】
【0029】
用語「DEX」は、デキストロメトルファン、そのエナンチオマー、その代謝産物、その誘導体及び/又はそのプロドラッグ或いはそれらの組み合わせなどの式IIの化合物を表す。誘導体には、重水素化誘導体、例えばDEX-H3、DEX-D3、DO及びDO-D3が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
用語「SARPO」は、サルポグレレート(SGL)、そのエナンチオマー、その代謝産物、M1、SG1、SG2、SMG1、SMG2、SMG3、その誘導体、そのプロドラッグ及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の化合物を表す。
【0031】
用語SARPODEX(商標)は、DEX及び式Iの化合物の組み合わせを表す。本発明の実施形態は、式Iの化合物及びデキストロメトルファンを含む組成物である。本発明の実施形態は、式Iの化合物及びDEX-H3、DEX-D3、DO又はDO-D3を含む組成物である。本発明の実施形態は、M1、M1-E1、M1-E2、SGL、SGL-E1又はSGL-E2及びDEX-H3、DEX-D3、DO又はDO-D3を含む組成物である。
【0032】
用語DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)は、DEX及び式Iの化合物の組み合わせを表し、ここで、化合物は、式I:
【化7】

(式中、Rは、二環式系であり、式Iの残りの部分は、式If:
【化8】

に示すようにRにより表され、式中、Rは、H、置換若しくは非置換-C1~10アルキル、置換若しくは非置換-C3~10シクロアルキル、置換若しくは非置換-C5~10アリール、置換若しくは非置換-C1~10アルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換-C5~10ヘテロアリール又は置換若しくは非置換-C1~10アルキル-C5~10ヘテロアリールであり;
は、
【化9】

-C1~10アルキル-X-(Y)、-C3~10シクロアルキル-X-(Y)、-C5~10アリール-X-(Y)又は-C5~10ヘテロアリール-X-(Y)であり;ここで、Xは、結合、N、O、S、-C1~10アルキル、-C3~10シクロアルキル、-C5~10アリール、-CO-C1~10アルキル、-CO-C3~10シクロアルキル、-COC5~10アリール、-CO-C5~10ヘテロアリール、-CO-NH-C1~10アルキル、-CO-NH-C3~10シクロアルキル、-CO-NH-C5~10アリール又は-CO-NH-C5~10ヘテロアリールであり;Yは、H、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C5~10アリール、-CO-C1~10アルキル、-CO-C3~10シクロアルキル、-COC5~10アリール、CO-C5~10ヘテロアリール、-CO-NH-C1~10アルキル、-CO-NH-C3~10シクロアルキル、-CO-NH-C5~10アリール又は-CO-NH-C5~10ヘテロアリールであり;mは、整数1又は2である)
を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタノールの誘導体或いはその薬学的に許容され得る塩若しくはN-オキシド又はそのプロドラッグである。
【0033】
用語DERATINE(商標)は、NMDA受容体拮抗薬及び上記に定義した式Iの化合物の組み合わせを表す。
【0034】
用語SARPOTINE(商標)は、NMDA受容体拮抗薬及び上記に定義した式Iの化合物の組み合わせを表す。
【0035】
本発明の実施形態は、式Iの化合物及びDEX-H3、DEX-D3、DO又はDO-D3を含む組成物である。
【0036】
別の実施形態では、式Iの化合物又は類似体は、以下のカルボン酸を使用して作製され得る:リンゴ酸HOC-CH-CH(OH)-COH(化合物25~29)、メチオニンHC-S-(CH-CH(NH)-COH(化合物30~34)、フタル酸C(COH)(化合物35~37)、マロン酸HOC-CH-COH(化合物38~40)、チロシンHO-C-CH-CH(NH)-COH(化合物41~43)、トリプトファンCN-CH-CH(NH)-COH(化合物44~46)、マレイン酸HOC-CH=CH-COH(化合物47~49)、コハク酸HOC-(CH-COH(化合物50~52)、グルタル酸HOC-(CH-COH(化合物53~55)、アジピン酸HOC-(CH-COH(化合物56~58)、ピメリン酸HOC-(CH-COH(化合物59~61)、セバシン酸HOC-(CH-COH(化合物62~64)、ギ酸HCOH(化合物65~67)、酢酸CHCOH(化合物68~70)、プロピオン酸CHCHCOH(化合物71~73)、酪酸CH(CHCOH(化合物74~76)、吉草酸CH(CHCOH(化合物77~79)、カプロン酸CH(CHCOH(化合物80~82)、エナント酸CH(CHCOH(化合物83~85)、カプリル酸CH(CHCOH(化合物86~88)、ペラルゴン酸CH(CHCOH(化合物89~91)、カプリン酸CH(CHCOH(化合物92~94)、シュウ酸HO-CO-COH(化合物95~97)、イソフタル酸C(COH)(化合物98~100)、テレフタル酸C(COH)(化合物101~103)、サリチル酸HO-C-COH(化合物104~106)、アセチルサリチル酸CH-CO-O-C-COH(化合物107~109)。
【0037】
本発明の実施形態は、式Iの化合物であり、ここで、化合物は、サルポマレートであり、ここで、R、R及びRは、メチルであり、Xは、エチルであり及びRは、マレートであり;化合物25~29である。本発明の実施形態は、式Iの化合物であり、ここで、化合物は、サルポメチオネートであり、ここで、R、R及びRは、メチルであり、Xは、エチルであり及びRは、メチオネートであり;化合物30~34である。本発明の実施形態は、式Iの化合物であり、ここで、化合物は、サルポフタレートであり、ここで、R、R及びRは、メチルであり、Xは、エチルであり、Rは、フタレートであり;化合物35~37である。本発明の実施形態は、式Iの化合物であり、ここで、化合物は、サルポマロネートであり、R、R及びRは、メチルであり、Xは、エチルであり、Rは、マロネートであり;化合物38~40である。本発明の実施形態は、式Iの化合物であり、ここで、化合物は、サルポチロシネートであり、ここで、R、R及びRは、メチルであり、Xは、エチルであり、Rは、チロシネートであり;化合物41~43である。本発明の実施形態は、式Iの化合物であり、ここで、化合物は、サルポトリプトファネートであり、ここで、R、R及びRは、メチルであり、Xは、エチルであり、Rは、トリプトファネートであり;化合物44~46である。実施形態において、組成物は、DEX及び化合物10~46、SGL、SGL-E1、SGL-E2、M1、M1-E1、M1-E2から選択される少なくとも1つの化合物の組み合わせである。本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、サルポグレレート及びデキストロメトルファンである。
【0038】
本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、サルポグレレート及びデキストロメトルファンであり、ここで、サルポグレレート及びデキストロメトルファンは、ジアステレオマー混合物を形成している。
【化10】
【0039】
本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、サルポグレレート及びデキストロメトルファンであり、ここで、サルポグレレート及びデキストロメトルファンは、塩を形成し、塩は、ジアステレオマー混合物である。本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、サルポグレレート及びデキストロメトルファンであり、ここで、サルポグレレート及びデキストロメトルファンは、塩を形成し、塩は、純粋なジアステレオマーである。本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、サルポグレレート代謝産物M1及びデキストロメトルファンである。本発明の実施形態は、デキストロメトルファン及び式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、そのジアステレオマー混合物又は純粋なジアステレオマーを含む塩を形成しているサルポマレートである。本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、そのジアステレオマー混合物又は純粋なジアステレオマーを含む塩を形成しているサルポメチオネート及びデキストロメトルファンである。本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、そのジアステレオマー混合物又は純粋なジアステレオマーを含む塩を形成しているサルポフタレート及びデキストロメトルファンである。本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、そのジアステレオマー混合物又は純粋なジアステレオマーを含む塩を形成しているサルポマロネート及びデキストロメトルファンである。本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、そのジアステレオマー混合物又は純粋なジアステレオマーを含む塩を形成しているサルポチロシネート及びデキストロメトルファンである。本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、そのジアステレオマー混合物又は純粋なジアステレオマーを含む塩を形成しているサルポトリプトファネート及びデキストロメトルファンである。
【0040】
本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、そのジアステレオマー混合物又は純粋なジアステレオマーを含む塩を形成するSGL及びデキストロメトルファンHClである。本発明の実施形態は、式Iの化合物を含む組成物であり、ここで、化合物は、そのジアステレオマー混合物又は純粋なジアステレオマーを含む塩を形成するSGL及びデキストロメトルファンHBrである。本発明の実施形態は、SGL、そのエナンチオマー、その代謝産物、M1、SG1、SG2、SMG1、SMG2、SMG3、その誘導体、そのプロドラッグ及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を含む組成物である。本発明の実施形態は、SGL、そのエナンチオマー、その代謝産物、M1、SG1、SG2、SMG1、SMG2、SMG3、その誘導体、そのプロドラッグ及びそれらの組み合わせ並びにデキストロメトルファンからなる群から選択される化合物を含む組成物である。
【0041】
別の実施形態は、式1の化合物であり、ここで、Ra及びRは、5又は6員の複素環式部分を形成し、例示的な化合物は、化合物110~145である。本発明の実施形態は、SGL、そのエナンチオマー、その代謝産物、M1、SG1、SG2、SMG1、SMG2、SMG3、その誘導体、そのプロドラッグ及びそれらの組み合わせ並びにデキストロメトルファンからなる群から選択される化合物を含む組成物である。
【化11】
【0042】
別の実施形態では、式Iの化合物の例であり、ここで、複素環は、窒素と共にR及びRから形成され、飽和(下記に示す)及び不飽和複素環を含む、式Ic-Isを有する化合物により表される。
【化12】
【0043】
別の実施形態では、化合物は、式Iの化合物c-Isであり、ここで、5員の複素環は、不飽和である。
【0044】
別の実施形態では、組成物は、DEX及び式Iの化合物及び/又はプレヘキシリン、フレカイニド、キニジン、(R)-プロパフェノン、(S)-プロパフェノン、イソニアジド、(R)フルオキセチン、(S)フルオキセチン、ネファゾドン、パロキセチン、ケトコナゾール、クロロキン、オキサムニキン、プリマキン、キニン、アセブトロール、ベタキソロール、ブフラロール、オクスプレノロール、ピンドロール、プロプラノロール、ブジピン、シンバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ペラジン、アジャムリシン(ajamlicine)、コリナンチン、ロベリン又はその誘導体を含む。
【0045】
別の実施形態では、式Iを含む組成物、ここで、R、R及びRは、メチルであり、Xは、エチルであり、Rは、OHであり、これらは、以下の化合物M1、M1-E1及びM1-E2により表される。
【化13】
【0046】
別の実施形態では、式Iを含む組成物であり、ここで、R、R及びRは、メチルであり、Xは、エチルであり、Rは、スクシノイル基であり、これらは、以下の化合物SGL、SGL-E1及びSGL-E2により表される。
【0047】
一実施形態では、組成物は、Rが-(CO)-CH-CH-(CO)O-Yである式Iを含み、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、-アルケニル-アリール、-アラルキル、アルキル-ONO、シクロアルキル-ONO、アリール-ONO、ヘテロアリール-ONO、-アルケニル-アリール-ONO及び-アラルキル-ONOであり、これらは、以下により例示されるが、これらに限定されない:1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イルメチルスクシネート、1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル((ニトロオキシ)メチル)スクシネート、1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル(2-(ニトロオキシ)エチル)スクシネート、1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル(3-(ニトロオキシ)プロピル)スクシネート、1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル(4-(ニトロオキシ)ブチル)スクシネート、4-((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)-4-オキソブタン硝酸無水物など。
【化14】
【0048】
一実施形態では、組成物は、DEX-H、DEX-D、DO、DO-D、レボメトルファン、モルヒネ、コデイン、テバイン、ベンゾカイン、ケタミン、メサドン、メマンチン(3,5-ジメチルアダマンタン-1-アミン)、アマンタジン、デキストロプロポキシフェン((2R)-4-(ジメチルアミノ)-3-メチル-1,2-ジフェニルブタン-2-イルプロピオネート)、ケトベミドン(1-(4-(3-ヒドロキシフェニル)-1-メチルピペリジン-4-イル)プロパン-1-オン)、トロパンアルカロイド、例えばコカイン、アトロピン、スコポラミンなどを含む。
【0049】
別の実施形態では、組成物は、式Iの化合物及びDEX-H、DEX-D、DO、DO-D、レボメトルファン、モルヒネ、コデイン、テバイン若しくはベンゾカイン及び/又はケタミン、メサドン、メマンチン、アマンタジン、デキストロプロポキシフェン、ケトベミドン、コカイン、アトロピン若しくはスコポラミンを含む式IIの化合物の組み合わせを含む。
【0050】
別の実施形態では、組成物は、式Iの化合物及びケタミン、メサドン、メマンチン、アマンタジン、デキストロプロポキシフェン、ケトベミドン、コカイン、アトロピン又はスコポラミンの組み合わせを含み、ここで、式Iの化合物は、ラセミ化合物50(サルポグレレート)、ラセミ化合物146(M1)又は化合物829(デラムシクラン)である。別の実施形態では、組成物は、メマンチンを含む。別の実施形態では、組成物は、サルポグレレート及びメマンチンを含む。別の実施形態では、組成物は、エナンチオマー的に純粋なS-化合物51(S-サルポグレレート)及びR-化合物52(R-サルポグレレート))及びメマンチンを含む。別の実施形態では、組成物は、エナンチオマー的に純粋なS-化合物147(S-M1)、R-化合物148(R-M1)及びメマンチンを含む。別の実施形態では、組成物は、エナンチオマー的に純粋なデラムシクラン及びメマンチンを含む。
【0051】
別の実施形態では、本発明の化合物は、化合物式Iであり、ここで、R、R及びRは、独立して、1つ、2つ又は3つのハロゲンで置換され、ここで、ハロゲンは、F、Cl又はBrである。式Iのフッ素誘導体の例:
【化15】
【0052】
別の実施形態では、式Iの化合物又は類似体は、以下のカルボン酸を使用して作製され得る:ジフルオロコハク酸、HOC-CF-CH-COH(201~206)、トリフルオロコハク酸、HOC-CF-CHF-COH(207~212)、テトラフルオロコハク酸、HOC-(CF-COH、ジフルオロコハク酸(213~215)、HOC-CHF-CHF-COH(216~219)、ジフルオログルタル酸、HOC-(CH-CF-COH(219~221)、ジフルオログルタル酸、HOC-CF-(CH-COH(222~225)、ジフルオロ酢酸、HOC-CFH(226~228)及びトリフルオロ酢酸、HOC-CF(229~231)。
【化16】
【0053】
別の実施形態では、式Iの化合物は、上記に定義した式Ic又は式Id及び酢酸塩、アセチルサリチル酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、酪酸塩、カプリン酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、エナント酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、イソフタル酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メチオニン酸塩、シュウ酸塩、ペラルゴン酸塩、ピメリン酸塩、プロピオン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、テレフタル酸塩、チロシン酸塩、トリプトファン酸塩、吉草酸塩、N-アシル-アスパラギン酸塩、N-アシル-グルタミン酸塩、N-アシル-チロシン酸塩、N-アシル-トリプトファン酸塩、N-アシル-メチオン酸塩、クエン酸塩、ガラクトン酸塩、グルカル酸(サッカリン酸)、マンノン酸塩、ムコ酸塩(mucate)、ラムノン酸塩及び酒石酸塩から選択される塩付加塩を含むその誘導体である。
【0054】
別の実施形態では、式Iの化合物は、上記に定義した式Ic又は式Id並びにアジピン酸、アスパラギン酸、N-アシルアスパラギン酸、クエン酸、フマル酸、ガラクトン酸、グルタル酸、グルタミン酸、N-アシルグルタミン酸、グルカル酸(サッカリン酸)、リンゴ酸、マレイン酸、マンノン酸、ムチン酸、シュウ酸、ピメリン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ラムノン酸、セバシン酸、コハク酸及び酒石酸から選択されるジ及びトリカルボン酸から形成された酸付加塩を含むその誘導体である。
【0055】
別の実施形態は、式Ic又は式Idの化合物の誘導体及び式IIの化合物の誘導体を含む組成物であり、ここで、その式Ic、式Id及び式IIの誘導体は、独立して、酸付加塩:酢酸水素塩、アセチルサリチル酸水素塩、アジピン酸水素塩、アスパラギン酸水素塩、水素酪酸塩、カプリン酸水素塩、カプロン酸水素塩、カプリル酸水素塩、エナント酸水素塩、ギ酸水素塩、フマル酸水素塩、グルタミン酸水素塩、グルタル酸水素塩、イソフタル酸水素塩、マレイン酸水素塩、マロン酸水素塩、メチオニン酸水素塩、シュウ酸水素塩、ペラルゴン酸水素塩、ピメリン酸水素塩、プロピオン酸水素塩、フタル酸水素塩、サリチル酸水素塩、セバシン酸水素塩、コハク酸水素塩、テレフタル酸水素塩、チロシン酸水素塩、トリプトファン酸水素塩、吉草酸水素塩、N-アシル-アスパラギン酸水素塩、N-アシル-グルタミン酸水素塩、N-アシル-チロシン酸水素塩、N-アシル-トリプトファン酸水素塩、N-アシル-メチオニン酸水素塩、クエン酸水素塩、ガラクトン酸水素塩、グルカル酸(サッカリン酸)水素塩、マンノン酸水素塩、ムコ酸水素塩、ラムノン酸水素塩及び酒石酸水素塩である。
【0056】
別の実施形態は、デキストロメトルファン及びM1ニアジピン酸水素塩、デキストロメトルファン及びM1ニアスパラギン酸水素塩、デキストロメトルファン及びM1フマル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1グルタミン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1グルタル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1イソフタル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1マレイン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1マロン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1シュウ酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1ピメリン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1フタル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1セバシン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1コハク酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1ニテレフタル酸水素塩、デキストロメトルファン及びM1N-アシル-アスパラギン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1N-アシル-グルタミン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1クエン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1ガラクトン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1グルカル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1サッカリン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1マンノン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1ムコ酸二水素塩、デキストロメトルファン及びM1ラムノン酸二水素塩及びデキストロメトルファン及びM1酒石酸二水素塩から選択されるデキストロメトルファン及びM1の酸付加塩を含む組成物である。
【0057】
別の実施形態では、式Iの化合物は、上記に定義した式Ic又は式Id及びそのフルオロ誘導体である。別の実施形態では、式Iの化合物は、式Ic又は式Idの化合物であり、ここで、化合物は、化合物221~269から選択される式Ic(FDIc)又は式Id(FDId)のフルオロ誘導体(FD)及びデキストロメトルファン又は上記に定義した式IIの化合物である。
【0058】
別の実施形態は、デキストロメトルファン及びFDIcアジピン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcアスパラギン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcフマル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcグルタミン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcグルタル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcイソフタル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcマレイン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcマロン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcシュウ酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcピメリン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcフタル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcセバシン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcコハク酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcテレフタル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIc N-アシル-アスパラギン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIc N-アシル-グルタミン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcクエン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcガラクトン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcグルカル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcサッカリン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcマンノン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcムコ酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIcラムノン酸二水素塩及びデキストロメトルファン及びFDIc酒石酸二水素塩から選択されるデキストロメトルファン及びFDIcの酸付加塩を含む組成物である。
【化17】
【0059】
別の実施形態は、デキストロメトルファン及びFDIdアジピン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdアスパラギン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdフマル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdグルタミン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdグルタル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdイソフタル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdマレイン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdマロン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdシュウ酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdピメリン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdフタル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdセバシン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdコハク酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdテレフタル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDId N-アシル-アスパラギン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDId N-アシル-グルタミン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdクエン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdガラクトン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdグルカル酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdサッカリン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdマンノン酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdムコ酸二水素塩、デキストロメトルファン及びFDIdラムノン酸二水素塩及びデキストロメトルファン及びFDId酒石酸二水素塩から選択されるデキストロメトルファン及びFDIdの酸付加塩を含む組成物である。
【0060】
本発明の別の態様では、化合物は、誘導体が以下の化合物を含む式Iの化合物である。
【化18】
【0061】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Ic又は式Idである。
【0062】
いくつかの実施形態では、式Ic又は式Idの化合物は、M1であり、ここで、Yは、CHであり;Rは、OHである。いくつかの実施形態では、上記に定義した式Ic又は式Idの化合物は、フルオロ誘導体であり、ここで、Rは、OCFである。
【化19】
【0063】
本発明の実施形態では、式I
【化20】

(式中、Rは、二環式系であり、式Iの残りの部分は、式If:
【化21】

で示されるようにRにより表される化合物であり、式中、Rは、H、置換若しくは非置換-C1~10アルキル、置換若しくは非置換-C3~10シクロアルキル、置換若しくは非置換-C5~10アリール、置換若しくは非置換-C1~10アルキル-C5~10アリール、置換若しくは非置換-C5~10ヘテロアリール又は置換若しくは非置換-C1~10アルキル-C5~10ヘテロアリールであり;
は、
【化22】

、-C1~10アルキル-X-(Y)、-C3~10シクロアルキル-X-(Y)、-C5~10アリール-X-(Y)又は-C5~10ヘテロアリール-X-(Y)であり;ここで、Xは、結合、N、O、S、-C1~10アルキル、-C3~10シクロアルキル、-C5~10アリール、-CO-C1~10アルキル、-CO-C3~10シクロアルキル、-COC5~10アリール、-CO-C5~10ヘテロアリール、-CO-NH-C1~10アルキル、-CO-NH-C3~10シクロアルキル、-CO-NH-C5~10アリール又は-CO-NH-C5~10ヘテロアリールであり;Yは、H、C1~10アルキル、C3~10シクロアルキル、C5~10アリール、-CO-C1~10アルキル、-CO-C3~10シクロアルキル、-COC5~10アリール、CO-C5~10ヘテロアリール、-CO-NH-C1~10アルキル、-CO-NH-C3~10シクロアルキル、-CO-NH-C5~10アリール又は-CO-NH-C5~10ヘテロアリールであり;mは、整数1又は2である)
を有する化合物を含む組成物或いはその薬学的に許容され得る塩若しくはN-オキシド又はそのプロドラッグである。
【0064】
特定の実施形態において、化合物は、Rがアリールであり、Rが置換又は非置換-C1~10アルキル-X-(Y)である式Iの化合物である。特定の実施形態において、Rは、置換又は非置換C1~10アルキル-C5~10アリールであり、Rは、置換又は非置換-C1~10アルキル-X-(Y)である。特定の実施形態において、Rは、フェニルであり、Rは、-C1~10アルキル-N-(C1~10アルキル)である。
【0065】
実施形態において、式Iの化合物は、以下の例を含むが、これらに限定されない:RS4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-3,3-ジフルオロ-4-オキソブタン酸;S4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-3,3-ジフルオロ-4-オキソブタン酸;R4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-3,3-ジフルオロ-4-オキソブタン酸;RS4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2-ジフルオロ-4-オキソブタン酸;S4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2-ジフルオロ-4-オキソブタン酸;R4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2-ジフルオロ-4-オキソブタン酸;RS4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2,3-トリフルオロ-4-オキソブタン酸;S4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2,3-トリフルオロ-4-オキソブタン酸;R4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2,3-トリフルオロ-4-オキソブタン酸;RS4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,3,3-トリフルオロ-4-オキソブタン酸;S4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,3,3-トリフルオロ-4-オキソブタン酸;R4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,3,3-トリフルオロ-4-オキソブタン酸;RS4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,3-ジフルオロ-4-オキソブタン酸;S4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,3-ジフルオロ-4-オキソブタン酸;R4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,3-ジフルオロ-4-オキソブタン酸;RS4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2,3,3-テトラフルオロ-4-オキソブタン酸;S4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2,3,3-テトラフルオロ-4-オキソブタン酸;R4-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2,3,3-テトラフルオロ-4-オキソブタン酸;RS5-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-4,4-ジフルオロ-5-オキソペンタン酸;S5-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-4,4-ジフルオロ-5-オキソペンタン酸;R5-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-4,4-ジフルオロ-5-オキソペンタン酸;RS5-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-4,4-ジフルオロ-5-オキソペンタン酸;S5-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-4,4-ジフルオロ-5-オキソペンタン酸;R5-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-4,4-ジフルオロ-5-オキソペンタン酸;RS5-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2-ジフルオロ-5-オキソペンタン酸;S5-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2-ジフルオロ-5-オキソペンタン酸;R5-((4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル)オキシ)-2,2-ジフルオロ-5-オキソペンタン酸;RS4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル2,2-ジフルオロアセテート;S4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル2,2-ジフルオロアセテート;R4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル2,2-ジフルオロアセテート;RS4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル2,2,2-トリフルオロアセテート;S4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル2,2,2-トリフルオロアセテート;R4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)ブタン-2-イル2,2,2-トリフルオロアセテート;RS4-((ジフルオロメチル)(トリフルオロメチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;S4-((ジフルオロメチル)(トリフルオロメチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;R4-((ジフルオロメチル)(トリフルオロメチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;RS4-((フルオロメチル)(トリフルオロメチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;S4-((フルオロメチル)(トリフルオロメチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;R4-((フルオロメチル)(トリフルオロメチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;RS4-(メチル(トリフルオロメチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;S4-(メチル(トリフルオロメチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;R4-(メチル(トリフルオロメチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;RS4-((ジフルオロメチル)(メチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;S4-((ジフルオロメチル)(メチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;R4-((ジフルオロメチル)(メチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;RS4-((フルオロメチル)(メチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;S4-((フルオロメチル)(メチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;R4-((フルオロメチル)(メチル)アミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;RS4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;S4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;R4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;R S1-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-4-(ジメチルアミノ)ブタン-2-オール;S1-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-4-(ジメチルアミノ)ブタン-2-オール;R1-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-4-(ジメチルアミノ)ブタン-2-オール;RS4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;S4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;R4-(ジメチルアミノ)-1-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-2-オール;RS3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;S3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;R3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RSN-(ジフルオロメチル)-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;SN-(ジフルオロメチル)-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RN-(ジフルオロメチル)-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RSN-(フルオロメチル)-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;SN-(フルオロメチル)-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RN-(フルオロメチル)-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RSN-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;SN-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RN-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RSN-(ジフルオロメチル)-N-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;SN-(ジフルオロメチル)-N-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RN-(ジフルオロメチル)-N-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RSN-(フルオロメチル)-N-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;SN-(フルオロメチル)-N-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RN-(フルオロメチル)-N-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RSN,N-ジメチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキ


シ)ブタン-1-アミン;SN,N-ジメチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RN,N-ジメチル-3-(トリフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RS4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチル-3-(トリフルオロメトキシ)ブタン-1-アミン;S4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチル-3-(トリフルオロメトキシ)ブタン-1-アミン;R4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチル-3-(トリフルオロメトキシ)ブタン-1-アミン;RS4-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチル-3-(トリフルオロメトキシ)ブタン-1-アミン;S4-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチル-3-(トリフルオロメトキシ)ブタン-1-アミン;R4-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチル-3-(トリフルオロメトキシ)ブタン-1-アミン;RS3-(ジフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;S3-(ジフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;R3-(ジフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RS3-(ジフルオロメトキシ)-N-(ジフルオロメチル)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;S3-(ジフルオロメトキシ)-N-(ジフルオロメチル)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;R(-(ジフルオロメトキシ)-N-(ジフルオロメチル)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RS3-(ジフルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;S3-(ジフルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;R3-(ジフルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RS3-(ジフルオロメトキシ)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;S3-(ジフルオロメトキシ)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;R3-(ジフルオロメトキシ)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RS3-(ジフルオロメトキシ)-N-(ジフルオロメチル)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;S3-(ジフルオロメトキシ)-N-(ジフルオロメチル)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;R3-(ジフルオロメトキシ)-N-(ジフルオロメチル)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RS3-(ジフルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;S3-(ジフルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;R3-(ジフルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RS3-(ジフルオロメトキシ)-N,N-ジメチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;S3-(ジフルオロメトキシ)-N,N-ジメチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;R3-(ジフルオロメトキシ)-N,N-ジメチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RS3-(ジフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;S3-(ジフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;R3-(ジフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;RS3-(ジフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;S3-(ジフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;R3-(ジフルオロメトキシ)-4-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;RS3-(フルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;S3-(フルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;R3-(フルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RSN-(ジフルオロメチル)-3-(フルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;SN-(ジフルオロメチル)-3-(フルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RN-(ジフルオロメチル)-3-(フルオロメトキシ)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RS3-(フルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;S3-(フルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;R3-(フルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RS3-(フルオロメトキシ)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;S3-(フルオロメトキシ)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;R3-(フルオロメトキシ)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RSN-(ジフルオロメチル)-3-(フルオロメトキシ)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;SN-(ジフルオロメチル)-3-(フルオロメトキシ)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RN-(ジフルオロメチル)-3-(フルオロメトキシ)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RS3-(フルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;S3-(フルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;R3-(フルオロメトキシ)-N-(フルオロメチル)-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RS3-(フルオロメトキシ)-N,N-ジメチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;S3-(フルオロメトキシ)-N,N-ジメチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;R3-(フルオロメトキシ)-N,N-ジメチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RS4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-(フルオロメトキシ)-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;S4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-(フルオロメトキシ)-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;R4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-(フルオロメトキシ)-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;RS3-メトキシ-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;S3-メトキシ-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;R3-メトキシ-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RSN-(ジフルオロメチル)-3-メトキシ-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;SN-(ジフルオロメチル)-3-メトキシ-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RN-(ジフルオロメチル)-3-メトキシ-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RSN-(フルオロメチル)-3-メトキシ-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;SN-(フルオロメチル)-3-メトキシ-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RN-(フルオロメチル)-3-メトキシ-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RS3-メトキシ-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;S3-メトキシ-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;R3-メトキシ-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-N-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミン;RS4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;S4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;R4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;RSN-(フルオロメチル)-3-メトキシ-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;SN-(フルオロメチル)-3-メトキシ-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル


)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RN-(フルオロメチル)-3-メトキシ-N-メチル-4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)ブタン-1-アミン;RS4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;S4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;R4-(2-(3-(ジフルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;RS4-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;S4-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;R4-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;RS4-(2-(3(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;S4-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;R4-(2-(3-(フルオロメトキシ)フェネチル)フェノキシ)-3-メトキシ-N,N-ジメチルブタン-1-アミン;RS1-(ピペリジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(ピペリジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(ピペリジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-(4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-(4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-(2,2,5,5-テトラメチル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(2,2,5,5-テトラメチル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(2,2,5,5-テトラメチル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-モルホリノ-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-モルホリノ-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-モルホリノ-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS3,3’-(フェニルアザンジイル)ビス(1-フェノキシプロパン-2-オール);S3,3’-(フェニルアザンジイル)ビス(1-フェノキシプロパン-2-オール);R3,3’-(フェニルアザンジイル)ビス(1-フェノキシプロパン-2-オール);RS1-(2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-(tert-ブチルアミノ)-3-(3,4-ジメチルフェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(tert-ブチルアミノ)-3-(3,4-ジメチルフェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(tert-ブチルアミノ)-3-(3,4-ジメチルフェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(3-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-(4-(3-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-(4-(3-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-(ジメチルアミノ)-3-(2-フェノキシフェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(ジメチルアミノ)-3-(2-フェノキシフェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(ジメチルアミノ)-3-(2-フェノキシフェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(ピロリジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(ピロリジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(ピロリジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-アミノ-3-(3,5-ジメチルフェノキシ)プロパン-2-オール;S1-アミノ-3-(3,5-ジメチルフェノキシ)プロパン-2-オール;R1-アミノ-3-(3,5-ジメチルフェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(ジメチルアミノ)-3-(2-フェネチルフェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(ジメチルアミノ)-3-(2-フェネチルフェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(ジメチルアミノ)-3-(2-フェネチルフェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(ベンジルアミノ)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(ベンジルアミノ)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(ベンジルアミノ)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-アミノ-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-アミノ-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-アミノ-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((3-クロロ-2-メチルフェニル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((3-クロロ-2-メチルフェニル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((3-クロロ-2-メチルフェニル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((2-((2,4-ジクロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((2-((2,4-ジクロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((2-((2,4-ジクロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((3-(アミノメチル)フェニル)(メチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((3-(アミノメチル)フェニル)(メチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((3-(アミノメチル)フェニル)(メチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((2-((2,6-ジクロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((2-((2,6-ジクロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((2-((2,6-ジクロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((2-((4-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((2-((4-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((2-((4-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((3-メトキシプロピル)アミノ)-3-フェノキシブタン-2-オール;S1-((3-メトキシプロピル)アミノ)-3-フェノキシブタン-2-オール;R1-((3-メトキシプロピル)アミノ)-3-フェノキシブタン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メチルフロ[3,2-c]ピリジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メチルフロ[3,2-c]ピリジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メチルフロ[3,2-c]ピリジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(ナフタレン-1-イルメトキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(ナフタレン-1-イルメトキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(ナフタレン-1-イルメトキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((3-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((3-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((3-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(2-ニトロ-1H-イミダゾール-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-(2-ニトロ-1H-イミダゾール-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-(2-ニトロ-1H-イミダゾール-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-(6-アミノ-2-エトキシ-9H-プリン-9-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-(6-アミノ-2-エトキシ-9H-プリン-9-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-(6-アミノ-2-エトキシ-9H-プリン-9-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-メチルフロ[3,2-c]ピリジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-メチルフロ[3,2-c]ピリジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-メチルフロ[3,2-c]ピリジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(p-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(p-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(p-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((5-メチル-3-モルホリノピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((5-メチル-3-モルホリノピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((5-メチル-3-モルホリノピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-(4-(2-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-(4-(2-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-メチルチエノ[3,2-c]ピリジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-メチルチエノ[3,2-c]ピリジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-メチルチエノ[3,2-c]ピリジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(ピリミジン-2-イルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(ピリミジン-2-イルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(ピリミジン-2-イルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-((3,4-ジメトキシフェネチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((3,4-ジメトキシフェネチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((3,4-ジメトキシフェネチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-(4-(3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロポキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロポキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロポキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-(4-(3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プ


ロポキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロポキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロポキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(o-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(o-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(o-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS2-(イソプロピルアミノ)-1-(4-メトキシフェノキシ)エタン-1-オール;S2-(イソプロピルアミノ)-1-(4-メトキシフェノキシ)エタン-1-オール;R2-(イソプロピルアミノ)-1-(4-メトキシフェノキシ)エタン-1-オール;RS(Z)-1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノキシ)プロパン-2-オール;S(Z)-1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノキシ)プロパン-2-オール;R(Z)-1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-(2-(メチルチオ)エトキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-(2-(メチルチオ)エトキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-(2-(メチルチオ)エトキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;RS(E)-1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノキシ)プロパン-2-オール;S(E)-1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノキシ)プロパン-2-オール;R(E)-1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(メシチルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(メシチルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(メシチルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-((1-(メチルチオ)プロパン-2-イル)オキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-((1-(メチルチオ)プロパン-2-イル)オキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-((1-(メチルチオ)プロパン-2-イル)オキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-(3-メチル-1H-インドール-2-イル)フェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-(3-メチル-1H-インドール-2-イル)フェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-(3-メチル-1H-インドール-2-イル)フェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-((5-メチルイソオキサゾール-3-イル)メトキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-((5-メチルイソオキサゾール-3-イル)メトキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-((5-メチルイソオキサゾール-3-イル)メトキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-((3-メチルイソオキサゾール-5-イル)メトキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-((3-メチルイソオキサゾール-5-イル)メトキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-((3-メチルイソオキサゾール-5-イル)メトキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(4-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-(2-メトキシエチル)フェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-(2-メトキシエチル)フェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-(2-メトキシエチル)フェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)エトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)エトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)エトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(3-メトキシフェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(3-メトキシフェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(3-メトキシフェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-(1H-ピラゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-(1H-ピラゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-(1H-ピラゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(4-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-((2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)メトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)エトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)エトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)エトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RSN-(4-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)フェニル)プロピオンアミド;SN-(4-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)フェニル)プロピオンアミド;RN-(4-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)フェニル)プロピオンアミド;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((4-メチルナフタレン-1-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((4-メチルナフタレン-1-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((4-メチルナフタレン-1-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(ナフタレン-2-イルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(ナフタレン-2-イルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(ナフタレン-2-イルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((3-(フェニルチオ)ピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((3-(フェニルチオ)ピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((3-(フェニルチオ)ピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS3-(4-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)-3-メトキシフェニル)プロパナール;S3-(4-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)-3-メトキシフェニル)プロパナール;R3-(4-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)-3-メトキシフェニル)プロパナール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-フェニルプロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-モルホリノピリダジン-3-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-モルホリノピリダジン-3-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-モルホリノピリダジン-3-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メチル-3-ニトロフェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メチル-3-ニトロフェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メチル-3-ニトロフェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-4-(p-トリルチオ)ブタン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-4-(p-トリルチオ)ブタン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-4-(p-トリルチオ)ブタン-2-オール;RS1-(4-(2-(1H-ピラゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-(1H-ピラゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-(1H-ピラゾール-1-イル)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-((2-アミノピリジン-3-イル)オキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-((2-アミノピリジン-3-イル)オキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-((2-アミノピリジン-3-イル)オキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(tert-ブチルアミノ)-3-(3-メチル-2-ニトロフェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(tert-ブチルア


ミノ)-3-(3-メチル-2-ニトロフェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(tert-ブチルアミノ)-3-(3-メチル-2-ニトロフェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(2-シクロヘキシルフェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(2-シクロヘキシルフェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(2-シクロヘキシルフェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(1-ヒドロキシ-2-メトキシエチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(1-ヒドロキシ-2-メトキシエチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(1-ヒドロキシ-2-メトキシエチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(3-アミノフェノキシ)-3-(2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)プロパン-2-オール;S1-(3-アミノフェノキシ)-3-(2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)プロパン-2-オール;R1-(3-アミノフェノキシ)-3-(2-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-(シクロブチルメトキシ)エトキシ)フェノキシ)-3(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-(シクロブチルメトキシ)エトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-(シクロブチルメトキシ)エトキシ)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-((2-((6-クロロピリダジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((2-((6-クロロピリダジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((2-((6-クロロピリダジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-(4-(2-(シクロプロピルメトキシ)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-(シクロプロピルメトキシ)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-(シクロプロピルメトキシ)エチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS3,3’-(ブチルアザンジイル)ビス(1-フェノキシプロパン-2-オール);S3,3’-(ブチルアザンジイル)ビス(1-フェノキシプロパン-2-オール);R3,3’-(ブチルアザンジイル)ビス(1-フェノキシプロパン-2-オール);RS1-(4-((2-イソプロポキシエトキシ)メチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-((2-イソプロポキシエトキシ)メチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-((2-イソプロポキシエトキシ)メチル)フェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(3,4-ジメチルフェノキシ)-3-(2,2,5,5-テトラメチル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパン-2-オール;S1-(3,4-ジメチルフェノキシ)-3-(2,2,5,5-テトラメチル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパン-2-オール;R1-(3,4-ジメチルフェノキシ)-3-(2,2,5,5-テトラメチル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパン-2-オール;RS3-((2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)アミノ)プロパン-1-オール;S3-((2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)アミノ)プロパン-1-オール;R3-((2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)アミノ)プロパン-1-オール;RS5-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)クロマン-3-イルナイトレート;S5-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)クロマン-3-イルナイトレート;R5-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)クロマン-3-イルナイトレート;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メチルピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メチルピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メチルピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((3-モルホリノピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((3-モルホリノピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((3-モルホリノピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メチルピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メチルピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メチルピラジン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RSN-(8-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)-1,2,3,4,4a,7,8,8a-オクタヒドロ-1,4-エタノナフタレン-5-イル)メタンスルホンアミド;SN-(8-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)-1,2,3,4,4a,7,8,8a-オクタヒドロ-1,4-エタノナフタレン-5-イル)メタンスルホンアミド;RN-(8-(2-ヒドロキシ-3-(イソプロピルアミノ)プロポキシ)-1,2,3,4,4a,7,8,8a-オクタヒドロ-1,4-エタノナフタレン-5-イル)メタンスルホンアミド;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メトキシピリダジン-3-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メトキシピリダジン-3-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((6-メトキシピリダジン-3-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(チアゾール-2-イルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(チアゾール-2-イルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(チアゾール-2-イルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロパン-2-オール;RS1-(4-アリル-2-メトキシフェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-アリル-2-メトキシフェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-アリル-2-メトキシフェノキシ)-3-(イソプロピルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(2,4,5-トリメチルフェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(2,4,5-トリメチルフェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(2,4,5-トリメチルフェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メトキシフェノキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メトキシフェノキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-(2-メトキシフェノキシ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-メトキシエチル)フェノキシ)-3-((3-フェニルプロピル)アミノ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-メトキシエチル)フェノキシ)-3-((3-フェニルプロピル)アミノ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-メトキシエチル)フェノキシ)-3-((3-フェニルプロピル)アミノ)プロパン-2-オール;RS1-(2-(メチルチオ)フェノキシ)-3-(2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-オール;S1-(2-(メチルチオ)フェノキシ)-3-(2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-オール、R1-(2-(メチルチオ)フェノキシ)-3-(2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-オール;RS3,3’-((2-ヒドロキシエチル)アザンジイル)ビス(1-フェノキシプロパン-2-オール);S3,3’-((2-ヒドロキシエチル)アザンジイル)ビス(1-フェノキシプロパン-2-オール);R3,3’-((2-ヒドロキシエチル)アザンジイル)ビス(1-フェノキシプロパン-2-オール);RS1-(2-(メチルチオ)フェノキシ)-3-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)プロパン-2-オール;S1-(2-(メチルチオ)フェノキシ)-3-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)プロパン-2-オール;R1-(2-(メチルチオ)フェノキシ)-3-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)プロパン-2-オール;RS1-(3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)-3-(o-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)-3-(o-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)-3-(o-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-((4-メトキシフェニル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((4-メトキシフェニル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((4-メトキシフェニル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((2-((2,6-ジクロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-((2-((2,6-ジクロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-((2-((2,6-ジクロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-((2-((2,5-ジメチルフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-((2-((2,5-ジメチルフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-((2-((2,5-ジメチルフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-(((1-ベンジル-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)(メチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-(((1-ベンジル-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)(メチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-(((1-ベンジル-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル)(メチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-(tert-ブチルアミノ)-3-((3-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(tert-ブチルアミノ)-3-((3-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(tert-ブチルアミノ)-3-((3-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(メチルアミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-(メチルアミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-(メチルアミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)-3-(4-(2-(ネオペン


チルオキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)プロパン-2-オール;S1-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)-3-(4-(2-(ネオペンチルオキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)プロパン-2-オール;R1-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)-3-(4-(2-(ネオペンチルオキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-エトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-エトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-エトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-フェノキシ-3-(キヌクリジン-3-イルアミノ)プロパン-2-オール;S1-フェノキシ-3-(キヌクリジン-3-イルアミノ)プロパン-2-オール;R1-フェノキシ-3-(キヌクリジン-3-イルアミノ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(3-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(4-(3-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(4-(3-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(((6,7-ジメトキシイソクロマン-1-イル)メチル)(メチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-(((6,7-ジメトキシイソクロマン-1-イル)メチル)(メチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-(((6,7-ジメトキシイソクロマン-1-イル)メチル)(メチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((2-アミノエチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((2-アミノエチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((2-アミノエチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-(4-(2-(イソペンチルオキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-(イソペンチルオキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-(イソペンチルオキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-(4-(2-イソブトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(4-(2-イソブトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(4-(2-イソブトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)-3-((4-メチルチアゾール-5-イル)オキシ)プロパン-2-オール;RS1-((2-((2,6-ジメチルフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((2-((2,6-ジメチルフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((2-((2,6-ジメチルフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((2-((2-クロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((2-((2-クロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((2-((2-クロロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-フェノキシ-3-((2-(o-トリルアミノ)エチル)アミノ)プロパン-2-オール;S1-フェノキシ-3-((2-(o-トリルアミノ)エチル)アミノ)プロパン-2-オール、R1-フェノキシ-3-((2-(o-トリルアミノ)エチル)アミノ)プロパン-2-オール;RS1-((4-メトキシブチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((4-メトキシブチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((4-メトキシブチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((2-((3-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-((2-((3-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール、R1-((2-((3-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-((2-((3-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;S1-((2-((3-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;R1-((2-((3-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-(m-トリルオキシ)プロパン-2-オール;RS1-((2-((2-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((2-((2-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((2-((2-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-((2-((2-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;S1-((2-((2-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;R1-((2-((2-ニトロフェニル)アミノ)エチル)アミノ)-3-フェノキシプロパン-2-オール;RS1-(イソプロピルアミノ)-3-((1-トシル-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;S1-(イソプロピルアミノ)-3-((1-トシル-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール;R1-(イソプロピルアミノ)-3-((1-トシル-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン-2-オール。
【0066】
別の実施形態は、R及びRが、独立して、1つ、2つ又は3つのハロゲンで置換され、ハロゲンがF、Cl又はBrである式Iの化合物である。ハロゲン化された式Iの化合物の例としては、
N-メチル-N-(トリフルオロメチル)-2-((1,7,7-トリメチル-2-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)エタン-1-アミン、
N,N-ビス(トリフルオロメチル)-2-((1,7,7-トリメチル-2-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)エタン-1-アミン、
2-((1,7-ジメチル-2-フェニル-7-(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)エタン-1-アミン、
2-((1-メチル-2-フェニル-7,7-ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)エタン-1-アミン、
N-メチル-2-((1-メチル-2-フェニル-7,7-ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)-N-(トリフルオロメチル)エタン-1-アミン、
N,N-ジメチル-2-((1-メチル-2-フェニル-7,7-ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)エタン-1-アミン、
2-((1,7-ジメチル-2-フェニル-7-(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、及び
N,N-ジメチル-2-((1,7,7-トリメチル-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)エタン-1-アミン
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
別の実施形態は、下記に列挙する式Ifの化合物を含む組成物である:
2-フェニル-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-フェニル-2-(3’-ジエチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(p-メトキシ-フェニル)-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチル-ビシクロ(2,2,1)ヘプタン;2-ベンジル-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(3’-ジメチルアミノ-2’-メチルプロポキシ)-1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(2-ジイソプロピルアミノエトキシ)-1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-1’-(4’-ベンジルピペラジンイル)-プロポキシ1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(3’-ジイソプロピルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(3’-ジエチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(2’-ジエチルアミノエトキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-2-(4’-メトキシフェニル)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(p-クロロ-ベンジル)-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(p-クロロ-ベンジル)-2-(2’-ジメチルアミノエトキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3’-ジメチルアミノ-2’-メチル)-プロポキシ-2-(p-クロロ-フェニル)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フェニル-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(2’-ジメチルアミノエトキシ)-2-フェニル-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3-ジエチルアミノプロポキシ)-2-フェニル-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(2’-ジエチルアミノエトキシ)-2-(2’-チエニル)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-2-(2’-チエニル)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3’-ジエチルアミノプロポキシ)-2-(2’-チエニル)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-3’-(N-シクロヘキシル-N-メチル)アミノプロポキシ]-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(p-メトキシフェニル)-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
(1R,2S,4R)-(-)-2-[(2’-{N,N-ジメチルアミノ}-エトキシ)]-2-[フェニル]-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
(1R,2S,4R)-(-)-2-ベンジル-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
(1R,2S,4R)-(-)-2-ベンジル-2-(2’-メチル-3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
(1RS,2RS,4RS)-2-フェニル-2-(2’-ジメチルアミノエトキシ)-1,7,7トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
(1S,2R,4S)-(+)-2-フェニル-2-(2’-ジメチルアミノエトキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;N,N-ジメチル-2-[[(1R,3S,4R)-4,7,7-トリメチル-3-フェニル-3-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル]オキシ]エタンアミン(デラムシクラン);N-メチル-N-(トリフルオロメチル)-2-((1,7,7-トリメチル-2-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)エタン-1-アミン、
N,N-ビス(トリフルオロメチル)-2-((1,7,7-トリメチル-2-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)エタン-1-アミン、
2-((1,7-ジメチル-2-フェニル-7-(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)エタン-1-アミン、
2-((1-メチル-2-フェニル-7,7-ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)-N,N-ビス(トリフルオロメチル)エタン-1-アミン、
N-メチル-2-((1-メチル-2-フェニル-7,7-ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)-N-(トリフルオロメチル)エタン-1-アミン、
N,N-ジメチル-2-((1-メチル-2-フェニル-7,7-ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)エタン-1-アミン、
2-((1,7-ジメチル-2-フェニル-7-(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、及び
N,N-ジメチル-2-((1,7,7-トリメチル-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)エタン-1-アミン。
【0068】
別の実施形態は、酢酸水素塩、アセチルサリチル酸水素塩、アジピン酸水素塩、アスパラギン酸水素塩、水素酪酸塩、水素カプリン酸塩、水素カプロン酸塩、水素カプリル酸塩、水素エナント酸塩、水素ギ酸塩、水素フマル酸塩、水素グルタル酸塩、水素イソフタル酸塩、水素マレイン酸塩、水素マロン酸塩、水素シュウ酸塩、水素ペラルゴン酸塩、水素ピメリン酸塩、水素プロピオン酸塩、水素フタル酸塩、水素サリチル酸塩、水素セバシン酸塩、コハク酸水素塩、テレフタル酸水素塩、チロシン酸水素塩、トリプトファン酸水素塩、メチオニン酸水素塩;水素N-アシル-メチオニン酸塩及び吉草酸水素塩を含む、式Ifの化合物の酸付加塩を含む組成物である。
【0069】
別の実施形態は、デラムシクラン酢酸水素塩、デラムシクランアセチルサリチル酸水素塩、デラムシクランアジピン酸水素塩、デラムシクランアスパラギン酸水素塩、デラムシクラン酪酸水素塩、デラムシクランカプリン酸水素塩、デラムシクランカプロン酸水素塩、デラムシクランカプリル酸水素塩、デラムシクランエナント酸水素塩、デラムシクランギ酸水素塩、デラムシクランフマル酸水素塩、デラムシクラングルタル酸水素塩、デラムシクランイソフタル酸水素塩、デラムシクランマレイン酸水素塩、デラムシクランマロン酸水素塩、デラムシクランシュウ酸水素塩、デラムシクランペラルゴン酸水素塩、デラムシクランピメリン酸水素塩、デラムシクランプロピオン酸水素塩、デラムシクランフタル酸水素塩、デラムシクランサリチル酸水素塩、デラムシクランセバシン酸水素塩、デラムシクランコハク酸水素塩、デラムシクランテレフタル酸水素塩、デラムシクランチロシン酸水素塩、デラムシクラントリプトファン酸水素塩、デラムシクランメチオニン酸水素塩;デラムシクランN-アシル-メチオニン酸水素塩又はデラムシクラン吉草酸水素塩を含む、N,N-ジメチル-2-[[(1R,3S,4R)-4,7,7-トリメチル-3-フェニル-3-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル]オキシ]エタンアミン(デラムシクラン)の酸付加塩を含む組成物である。
【0070】
本発明の実施形態は、デキストロメトルファン又はその酸付加塩及び以下からなる群から選択される式Iの化合物:
2-フェニル-2-(2-ジメチルアミノエトキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-フェニル-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-フェニル-2-(3’-ジエチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(p-メトキシ-フェニル)-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(3’-ジメチルアミノ-2’-メチルプロポキシ)-1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(2-ジイソプロピルアミノエトキシ)-1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-1’-(4’-ベンジルピペラジンイル)-プロポキシ1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(3’-ジイソプロピルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(3’-ジエチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(2’-ジエチルアミノエトキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-2-(4’-メトキシフェニル)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(p-クロロ-ベンジル)-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(p-クロロ-ベンジル)-2-(2’-ジメチルアミノエトキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3’-ジメチルアミノ-2’-メチル)-プロポキシ-2-(p-クロロ-フェニル)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-2-フェニル-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(2’-ジメチルアミノエトキシ)-2-フェニル-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3-ジエチルアミノプロポキシ)-2-フェニル-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(2’-ジエチルアミノエトキシ)-2-(2’-チエニル)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-2-(2’-チエニル)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(3’-ジエチルアミノプロポキシ)-2-(2’-チエニル)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-ベンジル-2-3’-(N-シクロヘキシル-N-メチル)アミノプロポキシ]-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
2-(p-メトキシフェニル)-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
(1R,2S,4R)-(-)-2-[(2’-{N,N-ジメチルアミノ}-エトキシ)]-2-[フェニル]-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
(1R,2S,4R)-(-)-2-ベンジル-2-(3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
(1R,2S,4R)-(-)-2-ベンジル-2-(2’-メチル-3’-ジメチルアミノプロポキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
(1RS,2RS,4RS)-2-フェニル-2-(2’-ジメチルアミノエトキシ)-1,7,7トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
(1S,2R,4S)-(+)-2-フェニル-2-(2’-ジメチルアミノエトキシ)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン;
N,N-ジメチル-2-[[(1R,3S,4R)-4,7,7-トリメチル-3-フェニル-3-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル]オキシ]エタンアミン(デラムシクラン)
又はその酸付加塩を含む組成物である。
【0071】
本発明の実施形態は、デキストロメトルファン又はその酸付加塩及びデラムシクラン、デラムシクラン酢酸塩、デラムシクランアセチルサリチル酸塩、デラムシクランアジピン酸塩、デラムシクラン酪酸塩、デラムシクランカプリン酸塩、デラムシクランカプロン酸塩、デラムシクランカプリル酸塩、デラムシクランエナント酸塩、デラムシクランギ酸塩、デラムシクランフマル酸塩、デラムシクラングルタル酸塩、デラムシクランイソフタル酸塩、デラムシクランマレイン酸塩、デラムシクランマロン酸塩、デラムシクランシュウ酸塩、デラムシクランペラルゴン酸塩、デラムシクランピメリン酸塩、デラムシクランプロピオン酸塩、デラムシクランフタル酸塩、デラムシクランサリチル酸塩、デラムシクランセバシン酸塩、デラムシクランコハク酸塩、デラムシクランテレフタル酸塩、デラムシクランチロシン酸塩、デラムシクラントリプトファン酸塩若しくはデラムシクラン吉草酸塩又はそれらの組み合わせを含む組成物である。
【0072】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物は、(4bS,8aS,9S)-11-メチル-3-(トリフルオロメトキシ)-6,7,8,8a,9,10-ヘキサヒドロ-5H-9,4b-(エピミノエタノ)フェナントレン;(4bS,8aS,9S)-3-(トリフルオロメトキシ)-11-(トリフルオロメチル)-6,7,8,8a,9,10-ヘキサヒドロ-5H-9,4b-(エピミノエタノ)フェナントレン;(4bS,8aS,9S)-3-メトキシ-11-(トリフルオロメチル)-6,7,8,8a,9,10-ヘキサヒドロ-5H-9,4b-(エピミノエタノ)フェナントレンなどのフルオロ-誘導体であるが、これらに限定されない。
【0073】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物は、酢酸塩、アセチルサリチル酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、酪酸塩、カプリン酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、エナント酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、イソフタル酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メチオニン酸塩、シュウ酸塩、ペラルゴン酸塩、ピメリン酸塩、プロピオン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、テレフタル酸塩、チロシン酸塩、トリプトファン酸塩、吉草酸塩、N-アシル-アスパラギン酸塩、N-アシル-グルタミン酸塩、N-アシル-チロシン酸塩、N-アシル-トリプトファン酸塩、N-アシル-メチオニン酸塩、クエン酸塩、ガラクトン酸塩、グルカル酸(サッカリン酸)、マンノン酸塩、ムコ酸塩、ラムノン酸塩及び酒石酸塩から選択される酸付加塩である。
【0074】
別の実施形態では、デキストロメトルファン又は上記に定義した式IIの化合物及び式Iの化合物の誘導体であり、ここで、誘導体は、酢酸塩、アセチルサリチル酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、酪酸塩、カプリン酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、エナント酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、イソフタル酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メチオニン酸塩、シュウ酸塩、ペラルゴン酸塩、ピメリン酸塩、プロピオン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、テレフタル酸塩、チロシン酸塩、トリプトファン酸塩、吉草酸塩、N-アシル-アスパラギン酸塩、N-アシル-グルタミン酸塩、N-アシル-チロシン酸塩、N-アシル-トリプトファン酸塩、N-アシル-メチオニン酸塩、クエン酸塩、ガラクトン酸塩、グルカル酸(サッカリン酸)、マンノン酸塩、ムコ酸塩、ラムノン酸塩及び酒石酸塩から選択される酸付加塩である。
【0075】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物は、N-アシル-アスパラギン酸塩、N-アシル-グルタル酸塩、N-アシル-チロシン酸塩、N-アシル-トリプトファン酸塩及びN-アシル-メチオニン酸塩から選択される酸付加塩である。
【0076】
例としては、デキストロメトルファンにより表される式IIの塩基の付加塩、例えばデキストロメトルファン酢酸水素塩、デキストロメトルファンアセチルサリチル酸水素塩、デキストロメトルファンアジピン酸水素塩、デキストロメトルファンアスパラギン酸水素塩、デキストロメトルファン酪酸水素塩、デキストロメトルファンカプリン酸水素塩、デキストロメトルファンカプロン酸水素塩、デキストロメトルファンカプリル酸水素塩、デキストロメトルファンエナント酸水素塩、デキストロメトルファンギ酸水素塩、デキストロメトルファンフマル酸水素塩、デキストロメトルファングルタル酸水素塩、デキストロメトルファンイソフタル酸水素塩、デキストロメトルファンマレイン酸水素塩、デキストロメトルファンマロン酸水素塩、デキストロメトルファンシュウ酸水素塩、デキストロメトルファンペラルゴン酸水素塩、デキストロメトルファンピメリン酸水素塩、デキストロメトルファンプロピオン酸水素塩、デキストロメトルファンフタル酸水素塩、デキストロメトルファンサリチル酸水素塩、デキストロメトルファンセバシン酸水素塩、デキストロメトルファンコハク酸水素塩、デキストロメトルファンテレフタル酸水素塩、デキストロメトルファンチロシン酸水素塩、デキストロメトルファントリプトファン酸水素塩及びデキストロメトルファン吉草酸水素塩などが挙げられる。
【0077】
本発明の別の実施形態は、式Iの化合物の酸付加塩及び式IIの化合物の酸付加塩を含む組成物である。本発明の別の実施形態は、デラムシクランの酸付加塩及びデキストロメトルファンの酸付加塩を含む組成物である。
【0078】
本発明の別の実施形態は、ハロゲン化された式Iの化合物の酸付加塩及びデキストロメトルファンの酸付加塩を含む組成物である。別の実施形態は、ハロゲン化された式Iの化合物を含む組成物が、M1のトリフルオロメチル誘導体である。
【0079】
アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベシル酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、臭化物、樟脳スルホン酸塩、カンシル酸塩、塩化物、クエン酸塩、デカン酸塩、エデト酸塩、ラウリル硫酸塩、エストル酸塩、エタンスルホン酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシルレゾルシノール、ヒドロキシナフトエ酸塩、イセチオン酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、ガラクトピラノシル-d-グルコン酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、オクタン酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、4,4’-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、8-クロロ-1,3-ジメチル-7h-プリン-2,6-ジオン、トシル酸塩、リンゴ酸塩、メチオン酸塩、フタル酸塩、マロン酸塩、チロシン酸塩、トリプトファン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩である。
【0080】
本発明の実施形態は、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、ベシル酸、安息香酸、重炭酸、酒石酸、臭化物、樟脳スルホン酸、カンシル酸、塩化物、クエン酸、デカン酸、エデト酸、ラウリルスルホン酸、エストル酸、エタンスルホン酸、エシル酸、フマル酸、グルセプト酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキサン酸、ヘキシルレゾルシノール、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、ヨウ化物、乳酸、ガラクトピラノシル-d-グルコン酸、ラクトビオン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、メチル臭化物、メチル硝酸、メチル硫酸、ムチン酸、ナプシル酸、硝酸、オクタン酸、オレイン酸、パモ酸、4,4’-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、パントテン酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、テオクル酸、8-クロロ-1,3-ジメチル-7h-プリン-2,6-ジオン、トシル酸、リンゴ酸、メチオン酸、フタル酸、マロン酸、チロシン酸、トリプトファン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、シュウ酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、ジフルオロコハク酸、トリフルオロコハク酸、テトラフルオロコハク酸、ジフルオログルタル酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸及びデキストロメトルファン又はそれらの組み合わせとの式Iの付加塩である。
【0081】
本発明のいくつかの態様では、式Iの化合物は、化合物が以下の酸から形成されるエステル又は付加物であることに従うプロドラッグである:3-(ニトロオキシ)プロパン酸(供給業者:AKos(AKOS006377427)及び1717 CheMall(OR235109))、4-ニトロオキシブタン酸(供給業者:AKos(AKOS006378268)及びiChemical(EBD3415162))、3-(ニトロオキシ)ブタン酸(Akos(AKOS006376331、AKOS016035558)、MolMall(21929))。例としては、化合物71~73の3-ニトロオキシ誘導体、化合物74~76の4-ニトロオキシ誘導体及び化合物74~76の3-ニトロオキシ誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、3-(ニトロオキシ)プロパン酸、3-(ニトロオキシ)ブタン酸及び4-(ニトロオキシ)ブタン酸の付加塩を形成する。別の実施形態では、酸付加塩は、3-(ニトロオキシ)プロパン酸、3-(ニトロオキシ)ブタン酸及び4-(ニトロオキシ)ブタン酸のものである。
【0082】
別の実施形態では、式Iの化合物の薬学的に許容され得る酸付加塩は、塩酸、水素臭化物、硫酸、リン酸及び硝酸などの無機酸と共に形成され得る。
【0083】
式I及びIIの化合物の他のアニオン塩は、以下の酸基から形成される塩を含む。
【化23】
【0084】
記載されている式Iの酸付加塩は、下記の式により表される。
【化24】
【0085】
別の実施形態は、式Iの化合物及びチオリダジン、ペルフェナジン、フルフェナジン、ズクロペンチキソール、リスペリドン、セルチンドール、ノルトリプチリン、アミトリプチリン、イミプラミン、フルオキセチン、パロキセチン、アジマリン、アミオダロン、アミトリプチリン、アプリンジン、アゼラスチン、セレコキシブ、クロルフェニラミン、クロルプロマジン、ジフェンヒドラミン、ドキソルビシン、フルフェナジン、フルバスタチン、ハロペリドール、イミプラミン、インジナビル、ラソプラゾール、レボメプロマジン、ロピナビル、ロラタジン、メキタジン、メサドン、メトクロプラミド、ミベフラジル、モクロベミド、ネルフィナビル、ネビラピン、ニカルジピン、ノルフルオキセチン、ペルフェナジン、ピモジド、テルフェナジン、チオリダジン、シメチジン、キニジン、シサプリド、シタロプラム、クロザピン、コカイン、デシプラミン、ラニチジン、リスペリドン、リトナビル、サキナビル、セルトラリン、テルビナフィン、チクロピジン、トリフルペリドール、ヨヒンビン、クロミプラミン、ドキセピン、ミアンセリン、イミプラミン、2-クロロイミプラミン、アミトリプチリン、アモキサピン、プロトリプチリン、トリミプラミン、ノルトリプチリン、マプロチリン、フェネルジン、イソカルボキサジド、トラニルシプロミン、トラゾドン、シタロプラム、セルトラリン、アリールオキシインダンアミン、ベナクチジン、エスシタロプラム、フルボキサミン、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、ミルタザピン、ネファゾドン、セレギリン、シブトラミン、ミルナシプラン、テソフェンシン、ブラソフェンシン、モクロベミド、ラサギリン、ニアラミド、イプロニアジド、イプロクロジド、トロキサトン、ブトリプチリン、ドスレピン、ジベンゼピン、イプリンドール、ロフェプラミン、オピプラモール及びダポキセチンから選択される少なくとも1つの化合物を含む組成物である。
【0086】
本発明の別の実施形態は、式Iの化合物、式IIの化合物及びチオリダジン、ペルフェナジン、フルフェナジン、ズクロペンチキソール、リスペリドン、セルチンドール、ノルトリプチリン、アミトリプチリン、イミプラミン、フルオキセチン、パロキセチン、アジマリン、アミオダロン、アミトリプチリン、アプリンジン、アゼラスチン、セレコキシブ、クロルフェニラミン、クロルプロマジン、ジフェンヒドラミン、ドキソルビシン、フルフェナジン、フルバスタチン、ハロペリドール、イミプラミン、インジナビル、ラソプラゾール、レボメプロマジン、ロピナビル、ロラタジン、メキタジン、メサドン、メトクロプラミド、ミベフラジル、モクロベミド、ネルフィナビル、ネビラピン、ニカルジピン、ノルフルオキセチン、ペルフェナジン、ピモジド、テルフェナジン、チオリダジン、シメチジン、キニジン、シサプリド、シタロプラム、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、ラニチジン、リスペリドン、リトナビル、サキナビル、セルトラリン、テルビナフィン、チクロピジン、トリフルペリドール、ヨヒンビン、ドキセピン、ミアンセリン、イミプラミン、2-クロロイミプラミン、アミトリプチリン、アモキサピン、デシプラミン、プロトリプチリン、トリミプラミン、ノルトリプチリン、マプロチリン、フェネルジン、イソカルボキサジド、トラニルシプロミン、トラゾドン、シタロプラム、セルトラリン、アリールオキシインダンアミン、ベナクチジン、エスシタロプラム、フルボキサミン、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、ミルタザピン、ネファゾドン、セレギリン、シブトラミン、ミルナシプラン、テソフェンシン、ブラソフェンシン、モクロベミド、ラサギリン、ニアラミド、イプロニアジド、イプロクロジド、トロキサトン、ブトリプチリン、ドスレピン、ジベンゼピン、イプリンドール、ロフェプラミン、オピプラモール及びダポキセチンから選択される少なくとも1つの化合物を含む組成物である。
【0087】
一実施形態では、組成物は、式Iの化合物を含み、ここで、化合物であり、ここで、Rは、AChIの1つ以上の誘導体とのエーテル化又はエステル化により形成されたコンジュゲート又は共有結合化合物であり、このAChIは、例えば、2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(ドネペジル)、(S)-3-(1-(ジメチルアミノ)エチル)フェニルエチル(メチル)カルバミメート(リバスチグミン)、ジメチル(2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)ホスホネート(メトリホナート)、(4aS,6R,8aS)-3-メトキシ-11-メチル-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-6H-ベンゾ[2,3]ベンゾフロ[4,3-cd]アゼピン-6-オール(ガランタミン)及び1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン(タクリン)、O,S-ジメチルアセチルホスホラミドチオエート、O,O-ジメチルS-((4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)メチル)ホスホロジチオエート、2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イルメチルカルバメート、S-(((4-クロロフェニル)チオ)メチル)O,O-ジエチルホスホロジチオエート、2-クロロ-1-(2,4-ジクロロフェニル)ビニルジエチルホスフェート、O,O-ジエチルO-(3,5,6-トリクロロピリジン-2-イル)ホスホロチオエート、O-(3-クロロ-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)O,O-ジエチルホスホロチオエート、1-フェニルエチル(E)-3-((ジメトキシホスホリル)オキシ)ブタ-2-エノエート,4-(tert-ブチル)-2-クロロフェニルメチルメチルホスホラミデート、O,O-ジエチルO-(2-(エチルチオ)エチル)ホスホロチオエート、O,O-ジエチルS-(2-(エチルチオ)エチル)ホスホロチオエート、O,O-ジエチルO-(2-イソプロピル-6-メチルピリミジン-4-イル)ホスホロチオエート、2,2-ジクロロビニルジメチルホスフェート、(E)-4-(ジメチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン-2-イルジメチルホスフェート、O,O-ジメチルS-(2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル)ホスホロジチオエート、S,S’-(1,4-ジオキサン-2,3-ジイル)O,O,O’,O’-テトラエチルビス(ホスホロジチオエート)、O,O-ジエチルS-(2-(エチルチオ)エチル)ホスホロジチオエート、O-エチルO-(4-ニトロフェニル)フェニルホスホノチオエート、O,O,O’,O’-テトラエチルS,S’-メチレンビス(ホスホロジチオエート)、O-エチルS,S-ジプロピルホスホロジチオエート、O-(4-(N,N-ジメチルスルファモイル)フェニル)O,O-ジメチルホスホロチオエート、O-(4-(N,N-ジメチルスルファモイル)フェニル)O,O-ジメチルホスホロチオエート、エチル(3-メチル-4-(メチルチオ)フェニル)イソプロピルホスホラミデート、O,O-ジメチルO-(3-メチル-4-ニトロフェニル)ホスホロチオエート、O-エチルS-フェニルエチルホスホノジチオエート、イソプロピル2-((エトキシ(イソプロピルアミノ)ホスホロチオイル)オキシ)ベンゾエート、ジエチル2-((ジメトキシホスホロチオイル)チオ)スクシネート、O,S-ジメチルホスホラミドチオエート、O,S-ジメチルホスホラミドチオエート、S-((5-メトキシ-2-オキソ-1,3,4-チアジアゾール-3(2H)-イル)メチル)O,O-ジメチルホスホロジチオエート、メチル3-((ジメトキシホスホリル)オキシ)ブタ-2-エノエート、(E)-ジメチル(4-(メチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン-2-イル)ホスフェート、1,2-ジブロモ-2,2-ジクロロエチルジメチルホスフェート、イソプロピル(S)-メチルホスホノフルオリデート、3,3-ジメチルブタン-2-イル(S)-メチルホスホノフルオリデート、O,O-ジエチルO-(4-ニトロフェニル)ホスホロチオエート、S-(2-(エチルスルフィニル)エチル)O,O-ジメチルホスホロチオエート、O,O-ジエチルS-((エチルチオ)メチル)ホスホロジチオエート、S-((6-クロロ-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチル)O,O-ジエチルホスホロジチオエート、S-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)O,O-ジメチルホスホロジチオエート、(E)-3-クロロ-4-(ジエチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン-2-イルジメチルホスフェート、O,O,O’,O’-テトラメチルO,O’-(チオビス(4,1-フェニレン))ビス(ホスホロチオエート)、テトラエチルジホスフェート、S-((tert-ブチルチオ)メチル)O,O-ジエチルホスホロジチオエート、2-クロロ-1-(2,4,5-トリクロロフェニル)ビニルジメチルホスフェート及びジメチル(2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)ホスホネート又はその薬学的に許容され得る誘導体、代謝産物、類似体若しくは塩であり、式I及びIIの化合物の親薬物は、Rで表され、一般的スキームは、式I及びIIの化合物のプロドラッグの様々な実施形態を表す(例えば、Rautio et al., Rautio et al., The expanding role of prodrugs in contemporary drug design and development, Nature Reviews Drug Discovery, http://dx.doi.org/10.1038/nrd.2018.46においてオンラインで公開(27 April 2018);Stella, Prodrugs: Some thoughts and current issues. J. Pharm. Sci. 99, 4755-4765 (2010);Clas et al., Chemistry-enabled drug delivery (prodrugs): recent progress and challenges.Drug Discov. Today19, 79-87 (2014);Rautio et al., Prodrugs-Recent approvals and a glimpse of the pipeline.Eur. J. Pharm. Sci.109, 146-161 (2017);Rautio et al.Prodrugs: design and clinical applications.Nat. Rev. Drug Discov.7, 255-270 (2008);Stella et al., Prodrug strategies to overcome poor water solubility.Adv. Drug Deliv. Rev.59, 677-694 (2007);Kumpulainenet al.Synthesis, in vitro and in vivo characterization of novel ethyl dioxy phosphate prodrug of propofol.Eur. J. Pharm. Sci.34, 110-117 (2008);Hale et al.Phosphorylated morpholine acetal human neurokinin-1 receptor antagonists as water-soluble prodrugs.J. Med. Chem.43, 1234-1241 (2000);Ishikawaet al.TAK-599, a novel N-phosphono type prodrug of anti-MRSA cephalosporin T-91825: synthesis, physicochemical and pharmacological properties.Bioorg. Med. Chem.11, 2427-2437 (2003);Mehellou et al.,Aryloxy phosphoramidate triesters: a technology for delivering monophosphorylated nucleosides and sugars into cells.ChemMedChem4, 1779-1791 (2009);Thornton et al., Nucleoside phosphate and phosphonate prodrug clinical candidates.J. Med. Chem.59, 10400-10410 (2016);Pradere et al.,Synthesis of nucleoside phosphate and phosphonate prodrugs.Chem. Rev.114, 9154-9218 (2014);Starrett et al.Synthesis and in vitro evaluation of a phosphonate prodrug: bis(pivaloyloxymethyl)9-(2-phosphonylmethoxyethyl)adenine.Antiviral Res.19, 267-273 (1992);Starrett et al.Synthesis, oral bioavailability determination, and in vitro evaluation of prodrugs of the antiviral agent 9-[2-(phosphonomethoxy)ethyl]adenine (PMEA).J. Med. Chem.37, 1857-1864 (1994);McGuigan et al.Synthesis, anti-human immunodeficiency virus activity and esterase lability of some novel carboxylic ester-modified phosphoramidate derivatives of stavudine (d4T).Antivir. Chem. Chemother.9, 473-479 (1998);McGuigan et al., Synthesis and anti-HIV activity of some novel chain-extended phosphoramidate derivatives of d4T (stavudine): esterase hydrolysis as a rapid predictive test for antiviral potency.Antivir. Chem. Chemother.9, 109-115 (1998);Erion et al.Design, synthesis, and characterization of a series of cytochrome P(450)3A-activated prodrugs (HepDirect prodrugs)useful for targeting phosph(on)ate-based drugs to the liver.J. Am. Chem. Soc.126, 5154-5163 (2004);Yuan et al., Evaluation of in vitro model for screening alkaline phosphatase-mediated bioconversion of phosphate ester prodrugs.Drug Metab. Dispos.37, 1443-1447 (2009);Heimbach et al.,Absorption rate limit considerations for oral phosphate prodrugs.Pharm. Res.20, 848-856 (2003);Kadow et al.,Inhibitors of human immunodeficiency virus type 1 (HIV-1)attachment 6. Preclinical and human pharmacokinetic profiling of BMS-663749, a phosphonooxymethyl prodrug of the HIV-1 attachment inhibitor 2-(4-benzoyl-1-piperazinyl)-1-(4,7-dimethoxy-1H-pyrrolo[2,3-c]pyridin-3-yl)-2-oxo ethanone (BMS-488043).J. Med. Chem.55, 2048-2056 (2012);Heimbach et al.,Enzyme-mediated precipitation of parent drugs from their phosphate prodrugs.Int. J. Pharm.261, 81-92 (2003)参照;これらの全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【化25】
【0088】
別の実施形態では、式Iのプロドラッグ化合物は、以下を含むが、これらに限定されない。
【化26】
【0089】
別の実施形態では、式P1-P11、PA-1及び2、PF-1~PF9、PT-1~PT34を表す化合物901~978により例示されるが、これらに限定されない式Iのプロドラッグ(ここで、P=ホスフェート、PA=ホスホラミデート、PF=ホスホノフルオリデート及びPT=ホスホロチオエートである)も、そのような活性を付与するホスフェート、ホルホラミデート(phorphoramidate)、ホスホフオリデート(phosphofuoridate)及びホスホチオエート部分に起因してアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である(McGleenon et al., Acetylcholinesterase inhibitors in Alzheimer’s disease, Br J Clin Pharmacol, 48, 471-480 (1999);Acetylcholinesterase Inhibitors and Memantine, Acetylcholinesterase Inhibitors for the Treatment of Mild to Moderate Dementia, and Memantine for the Treatment of Moderate to Severe Dementia in Alzheimer’s disease(AD)(June 2013)、http://www.fifeadtc.scot.nhs.uk/media/8535/cholinesterase-inhibitors-and-memantine-scp.pdfにおいて入手可能;参照により組み込まれる)。
【0090】
使用方法
最も費用のかかる5つの脳障害(百万ユーロ)は、認知症:22,164ユーロ;精神病性障害:16,717ユーロ;気分障害:19,238ユーロ;嗜癖:11,719ユーロ;不安障害:11,687ユーロであった。精神病とは別に、これらの5つの障害は、1対象当たりの直接医療費が最も低い(<3000ユーロ)ものにランク付けされた(Feinberg et al.,The size, burden and cost of disorders of brain in UK, J Psychopharmacol.27(9):761-770 (2013 September);Projections of Cost of Cancer Care in United States:2010-2020, J Natl Cancer Inst.103(2):117-128 (2011 Jan 19)、全体が参照により組み込まれる)。10年以上前になされた躁うつ病としても知られている双極性障害(BP)の総費用の概算は、年間450億ドルもの高さであった。この費用の大部分は、機能能力の低下及び失われた作業に関連する間接的な費用によって占められる。BP患者は、一般集団と比較して及び他のタイプの精神疾患を有する患者と比較して医療資源の利用率が高い。合併症は、BPが社会に与える重い負担の一因となる。脳疾患は、ヨーロッパにおいてかなりの社会的及び経済的負担を示す。2010年には、年間約8,000億ユーロの費用及び推定1億7,900万人の被害者がいるため、脳疾患は、疑いの余地のない緊急事態であり、神経科学者にとって大きい課題である。メンタルヘルス状態のみの世界的なコストは、2010年には2.5兆米ドルと推定され、2030年には6兆米ドル以上に増加すると予測されている。多形神経膠芽腫は、成人において最も一般的な悪性原発性脳腫瘍であり、米国において100,000人-年当たり4.43の推定発生率及び64歳の発症時の年齢中央値を有する。症状には、多くの場合、頭痛;悪心及び嘔吐;並びに進行性記憶、性格又は神経学的欠損が含まれる。一方、アルツハイマー病及び他の認知症は、2005年から2030年にかけて66%の増加を示すと予測されている。米国では、うつ病は、女性の中で2番目に高い障害源であり、抗うつ薬非反応者は、医療資源の最も重い使用者の中にいる。うつ病に関連するQOLの明らかな低下及び生産性の低下にもかかわらず、うつ病は、多くの場合、診断不足であり、治療が不十分である。
【0091】
薬物及びアルコール依存は、深刻な公衆衛生問題である。世界中で2億6400万~3億6000万人がオピオイドを乱用していると推定されており(UNODC、世界薬物報告2012)、米国では、2012年に推定210万人が処方オピオイド疼痛緩和剤に関連した物質使用障害に罹患し、推定467,000人がヘロイン中毒である(Substance Abuse and Mental Health Services Administration, Results from the 2012 National Survey on Drug Use and Health: Summary of National Findings, NSDUH Series H-46, HHS Publication No. (SMA)13-4795. Rockville, MD: Substance Abuse and Mental Health Services Administration, 2013;その全体が参照により組み込まれる)。米国では、処方疼痛緩和剤による意図しない過量投与による死亡数が急増しており、1999年以降4倍超となっている。米国において、オピオイド鎮痛薬の非医学的使用の増加とヘロイン乱用との間の関係を示唆する証拠も増えている(Pradip et al.,Associations of Nonmedical Pain Reliever Use and Initiation of Heroin Use in US, Center for Behavioral Health Statistics and Quality Data Review, SAMHSA(2013);その全体が参照により組み込まれる)。
【0092】
慢性糖尿病代謝状況とAD病態生理学のリスク及び出現との間の関連は、長い間疑われ、近年実証されてきた(Goldwaser et al.,Breakdown of Cerebrovasculature and Blood-Brain Barrier:A Mechanistic Link between Diabetes Mellitus and Alzheimers’s Disease.J Alzheimers Dis.(2016 Aug 1);その全体が参照により組み込まれる)。いくつかの大規模な死後シリーズでは、典型的なADと臨床的に診断された全対象の3分の1超が脳血管疾患の証拠を示し、混合型認知症として再分類されなければならなかった(Grandal et al, Prevalence and concordance between clinical and post-mortem diagnosis of dementia in psychogeriatic clinic, Neurologia(2016);その全体が参照により組み込まれる)。したがって、臨床的観点から、現在承認されている薬物及びメカニズムを超えてAD療法を拡張し、高齢対象における潜伏性糖尿病代謝状況又はかなり頻繁な2型糖尿病を最適化することによって認知障害に対処することが望ましい。実際、血糖コントロールは、認知障害の重篤度に影響を及ぼすと考えられている(Zilliox et al.,Diabetes and Cognitive Impairment.Curr Diab Rep, 16(9):87(2016);その全体が参照により組み込まれる)。上記の式Iの化合物の特異的な抗糖尿病作用のために、一実施形態では、本発明は、AD及び主に血管起源の認知障害(多発性梗塞認知症、血管性認知症、血管性認知障害など)における症状及び疾患進行の両方における利益を提供する。
【0093】
パーキンソン病では、神経遮断薬の抗コリン作用は、運動状態及び栄養神経系の症状に加えて、神経遮断薬の抗コリン作用が必然的に悪化するため、非常に望ましくない。全ての認知症において、発作閾値を低下させることは、神経遮断薬の別の稀であるが、非常に望ましくない潜在的な有害作用である。世界中で約1000万人がパーキンソン病を患っている。パーキンソン病は、運動機能障害及び精神病を含む非運動症状によって特徴付けられる進行性神経変性を生じるシヌクレイン病である。パーキンソン病の患者の50%超は、ある時点で精神病を患っている。精神病は、パーキンソン病認知症患者の75%までに発症し、この群では、症状がより難治性である。このような精神病は、主に幻覚及び幻覚として発現され、これは、患者及びその介護者に大きい苦痛を引き起こし得る。これらのエピソードは、処置及びケアのための主要な課題を提示し、老人ホームにおける配置の可能性を増加させ、死亡率の増加に関連する。ベストプラクティス処置ガイドラインは、併存疾患の初期検討及びドーパミン作動性治療の減少を促進する。しかしながら、これらのアプローチは、多くの場合に不十分であり、他の治療選択肢は、ほとんど存在しない。
【0094】
うつ病に関連する罹患率及び死亡率は、かなり高く、増加し続けている。うつ病は、現在、下気道感染症、周産期状態及びHIV/AIDSの次に世界中の障害の主要な原因の中で第4位にランク付けされている。人々の17%が生涯にうつ病に罹患し、さらに悪いことに、急性又は慢性のいずれかの病気に既に罹患している人々は、うつ病に罹患する可能性がさらに高く、うつ病の発生率は、特定の医学的状態に依存して患者において30%~50%であり得る。
【0095】
モノアミン仮説は、過去数十年間にわたるうつ病の一般的な仮説であった。この仮説は、うつ病がモノアミン機能の低下と関連していると述べている。したがって、セロトニン(5-HT)及びノルエピネフリン(NE)輸送体を阻害することによってモノアミン伝達を増加させる努力は、1960年代以来、うつ病研究の中心テーマであった。この一連の研究から出現した選択的5-HT再取り込み阻害剤(SSRI)並びに5-HT及びNE再取り込み阻害剤(SNRI)は、現在、大うつ病性障害(MDD)のための第一選択治療選択肢である。抗うつ薬研究における最近の傾向の1つは、モノアミン作動性受容体及び追加の輸送体を標的とすることにより(例えば、多モード薬物及び三重再取り込み阻害剤を用いて)、又は非定型抗精神病薬をSSRI若しくはSNRI処置に加えることにより、モノアミン作動性メカニズムを改善することであった。さらに、うつ病のいくつかの他の仮説が、疾患の生物学的特徴及び薬理学的介入の有効性に基づいて前臨床及び臨床研究において提唱されている。中心的な戦略は、グルタミン酸受容体を標的とすることであった(例えば、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬ケタミンの静脈内注入で)。他の戦略は、コリン作動性及びγ-アミノ酪酸(GABA)作動性伝達、ニューロン可塑性、ストレス/視床下部下垂体副腎(HPA)軸、報酬系及び神経炎症の調節に基づいている。したがって、いくつかの神経伝達物質及び神経調節物質系を同時に標的化することに由来する複雑な薬理学的プロファイルを有する新規な薬物療法を開発する必要がある。
【0096】
BPは、他の精神障害、特に不安障害及び物質乱用と一緒に頻繁に起こる。さらに、BPは、精神障害の管理をさらに複雑にする種々の一般的な医学的状態と関連している(Am J Manag Care,11:S85-S90(2005);その全体が参照により組み込まれる)。
【0097】
BPは、気分、エネルギー、活動レベル及び日々の課題を実行する能力の異常な変化を引き起こす脳障害である。BPは、気分、衝動性、危険な行動及び対人問題の調節不全を特徴とする。BPは、機能障害、自殺率の上昇及びメンタルヘルスシステムの利用に関連する、再発性であり、多くの場合に慢性の精神疾患である。BPは、一般に認識不足であり、BP患者の40%もの患者が最初に誤診され、自殺、躁病及び慢性心理社会的苦痛のリスクが増加する。正しく診断された場合、処置の成功は、診断された患者の50%未満が可能であり、10~15%もの患者が自殺の結果として最終的に死亡する(NIMH 2002)。
【0098】
処置のための薬理学的ガイドラインは、十分に確立されているが、BPの処置は、理想的でないままである。ほとんどの個体は、投薬中、依然としてブレークスルーエピソード又は有意な残存症状を有する(NIMH 2002)。さらに、患者が寛解状態にある場合でも、機能的欠損が多くの場合に残る(NIMH 2002)。BPを有する多くの患者は、それらの投薬レジメンを完全に遵守している間でさえ症候性のままであるため、双極性投薬の薬理学的メカニズムに関する研究から、この疾患の病因をより深く理解する必要性は、より緊急である。薬理学的メカニズムが依然として明らかでない限り、BPの主な薬物療法は、気分安定剤である。気分安定剤の一般的な神経保護効果は、BPにおける脳細胞機能不全の役割を果たし、この機能不全は、最終的にニューロン喪失を引き起こし得る。気分調節における異なる脳構造の潜在的な関与を現在一層評価している容積測定神経イメージングは、気分障害の神経解剖学的モデルを試験するために適用することができる。画像検査は、進行中のニューロン萎縮がBPを伴うことを示唆した。例えば、脳活動と見なされる脳血流及びグルコース代謝の速度のPET画像は、双極性うつ病の間に、亜前頭前野(subgenualprefrontal cortex)における減少した活動を検出した。この活動の減少は、少なくとも部分的には、平均灰白質体積の磁気共鳴イメージング実証と同様に、皮質体積の対応する減少によって説明された。BPでは、第3脳室、前頭葉、小脳及びおそらく側頭葉の異常も認められる。
【0099】
脳腫瘍は、異常な増殖によって形成され、脳の異なる領域に現れ得る。良性(癌性ではない)腫瘍は、増殖し、脳の近くの領域を圧迫することがあるが、他の組織に広がることは稀である。悪性(癌性)腫瘍は、急速に増殖し、他の脳組織に広がる可能性が高い。脳の領域内に増殖するか、又はその領域を圧迫する腫瘍は、腫瘍自体が良性であろうと悪性であろうと、脳のその部分がそうしなければならないように機能することを止める場合があり、その後、処置を必要とするのであろう。見られる最も一般的なタイプの脳腫瘍は、脳組織自体に由来するものではなく、むしろ肺癌及び乳癌などの頭蓋外癌からの転移である。脳腫瘍には、神経線維腫症1型又は2型、フォンヒッペル・リンダウ病、結節性硬化症、リー・フラウメニ症候群、ターコット症候群1型及び2型、クラインフェルター症候群並びに母斑性基底細胞癌症候群が含まれる。神経芽細胞腫は、発達中の神経細胞、通常、10歳未満の小児に発見される癌である。症例のほぼ90%が5歳までに診断される。小児が有する神経芽細胞腫の種類及びその予後には、様々な因子が影響を及ぼす。
【0100】
神経学的癌の特定の処置は、患者の全体的な健康及び病歴;腫瘍の種類、位置及び大きさ;状態の程度;並びに他の個々の因子を含むいくつかの因子に基づく。一般に、脳又は脊髄の癌を有する患者のための処置には、特に脳における腫脹を処置及び予防するための手術、化学療法、放射線療法及び/又はステロイド;頭蓋内圧に関連する発作を処置及び予防するための抗発作薬;(脳における過剰な流体の排出を補助するための)シャントの配置;(脊髄及び脳における圧力を測定するための)腰椎穿刺/脊髄タップ;骨髄移植;(失われた運動能力及び筋力を回復させるための)リハビリテーション;及び/又は(感染症を処置及び予防するための)抗生物質が含まれる。化学療法は、癌細胞を処置するための抗癌剤の使用である。ほとんどの場合、化学療法は、がん細胞の増殖能又は再生能を妨害することによって作用する。これらの薬物は、静脈内又は経口で錠剤として投与することができる。
【0101】
神経精神症状は、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病認知症(PDD)並びにレビー小体(DLB)、血管性認知症(VaD)及び前頭側頭葉変性(FTLD)を伴う認知症を含むが、これらに限定されない多くの他の神経変性障害を患う患者において一般的な負担である(Kazui H et al.Differences of Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia in Disease Severity in Four Major Dementias.PLoS ONE 11(8):e0161092(2016);Van der Schyf CJ.Psychotropic Drug Development Strategies that Target Neuropsychiatric Etiologies in Alzheimer’s and Parkinson’s Diseases.Drug Dev Res.77:458-468(2016))。
【0102】
多くの神経精神症状は、神経変性疾患段階において非常に早期に現れ、前駆指標又は疾患進行の指標とさえ考えられる(Kazui H et al.Differences of Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia in Disease Severity in Four Major Dementias.PLoS ONE 11(8):e0161092 (2016);Peters ME et al.Neuropsychiatric Symptoms as Predictors of Progression to Severe Alzheimer’s Dementia and Death: The Cache County Dementia Progression Study.Am J Psychiatry 172:460-465 (2015))。
【0103】
神経精神症状としても知られる、ADを含むが、これに限定されない神経変性疾患及び疾患状態における認知症(BPSD)の行動及び心理学的症状は、多因子起源を有する(McClam TD et al., Interventions for neuropsychiatric symptoms in neurocognitive impairment due to Alzheimer’s disease:a review of literature.Harv Rev Psychiatry 23:377-393(2015))。したがって、疾患の複数の病因(したがって複数の薬物標的)を同時に標的とすることを目的とする戦略は、ADを含むが、これに限定されない一連の疾患の処置戦略の開発における最良のアプローチを構成する(Nikolic K et al. Drug design for CNS diseases: polypharmacological profiling of compounds using cheminformatic, 3D-QSAR and virtual screening methodologies. Front Neurosci 10: 265 (2015))。
【0104】
個々のBPSD症状は、相互に排他的であるように見えるが、それにもかかわらず、根底にあるメカニズムを共有することができる。この共有されたメカニズム類似性は、神経化学的及び/又は神経解剖学的レベルで生じ得、2つ以上のBPSD症状に対処する標的化されているが、メカニズム特異的ではない治療を開発するための基礎として役立つ。
【0105】
共有されたメカニズムは、皮質領から基底核、視床及び皮質に戻る投射の類似の神経化学的組織によって例示される。例えば、背外側前頭前皮質は、背外側尾状核に投射し、これは、次に、淡蒼球内節の外側背中部分を標的とし、これは、投射を皮質に戻す前腹側核又は背側正中視床の巨大細胞部分に投射を送る。対照的に、眼窩前頭皮質は、腹内側尾状核に突出し、腹内側尾状核は淡蒼球内節の内側背中部分に突出し、これは、突出部を皮質に戻す前腹側核又は背側正中視床の巨大細胞部分に投射を送る。したがって、皮質の異なる部分は、異なる機能に関与し得るが、皮質ネットワークが作動する共通の原理が存在する(Aouizerate B et al. Pathophysiology of obsessive-compulsive disorder:a necessary link between phenomenology, neuropsychology, imagery and physiology. Prog Neurobiol 72(3):195-221 (2004))。したがって、異なる回路の障害は、異なるBPSD症状の出現の基礎となる。神経変性障害の臨床症状の不均質性は、病理の優勢な位置(即ち影響を受けたネットワーク)によって決定される。例えば、背側前帯状皮質及び背側前前頭皮質は、無欲性患者においてより影響を受け、内側眼窩前頭皮質は、bvFTLDを有する抑制されていない患者においてより影響を受ける(例えば、Massimo et al. Dement Geriatr Cogn Disord 27:96-104 (2009))。
【0106】
式Iの化合物によって標的化される5-HT2A受容体について、5-HT2A受容体を介するセロトニンが前頭前皮質のV層錐体細胞の頂端樹状突起におけるグルタミン酸作動性自然興奮性後シナプス電流を増加させることが十分に確立されている(Aghajanian GK, Marek GJ. Serotonin, via 5-HT2A receptors, increases EPSCs in layer V pyramidal cells of prefrontal cortex by an asynchronous mode of glutamate release. Brain Res 825:161-71 (1999))。このような過剰な非同期伝達は、大脳皮質のいずれの部分が影響を受けるかに依存して種々の形態で機能的に発現され得る - 聴覚又は視覚幻覚から抑制及び無気力まで - しかし、ほとんどの場合、種々の皮質領にわたって存在する5-HT2A受容体を含む操作に感受性である(van Dyck CH et al. PET quantification of 5-HT2Areceptors in the human brain:a constant infusion paradigm with [18F]altanserin. J Nucl Med 41(2):234-41 (2000))。
【0107】
デキストロメトルファン及びメマンチンによって標的化されるグルタミン酸作動性シグナル伝達について、それが視床皮質シグナル伝達を媒介し、皮質の対応する領域の活性化を引き起こすことが十分に確立されている(Kharazia VN, Weinberg RJ. Glutamate in thalamic fibers terminating in layer IV of primary sensory cortex. J Neurosci 14(10):6021-6032 (1994);Sherman SM. Thalamus plays a central role in ongoing cortical functioning. Nat Neurosci 19(4):533-41 (2016))。
【0108】
アルツハイマー病のような疾患は、神経変性の系統的な進行性のおそらくシナプスを介した広がりを特徴とする。これは、脳の特定の領域におけるより多くの細胞損失を意味するだけでなく、病理の他の脳領域への広がりも意味する。異なる脳領域は、異なる機能的役割を有するため、これは、疾患のより進行した段階が広範囲の症状を伴う理由を説明する(Kazui et al. Differences of Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia in Disease Severity in Four Major Dementias. PLoS ONE 11(8):e0161092 (2016))。
【0109】
神経精神症状としても知られる認知症の行動的及び心理的症状は、一般に、Neuropsychiatric Inventory(NPI; Cummings JL. The Neuropsychiatric Inventory:Assessing psychopathology in dementia patients. Neurology 48:S10-S16 (1997))のような研究ツールを用いて臨床で研究されている。NPIスケールは、12の行動機能のサブドメイン:妄想、幻覚、興奮/攻撃、不快感、不安、多幸感、無気力、脱抑制、易刺激性/不安定性、異常な運動活動、夜間の行動障害並びに食欲及び食事異常を認識する。
【0110】
CDRスコアが3であっても、稀である多幸感などのNPI項目が存在するため、患者がこれらのあらゆるNPI症状を一度に示すことは稀である。逆に、臨床経験は、1つの特定の項目のみを示し、他を示さない患者も稀であることを示す。代わりに、BPSD症状は、種々の組み合わせ又はクラスターで生じる。例えば、多くのADクラスターは、例えば、攻撃性、興奮性、徘徊性、反復性であり得る一方、多くの血管認知症クラスターは、例えば、錯乱及び不穏であり得るが、NPI項目の頻度及び重篤度は、例えば、日ごとに変化し得、しかし、特に疾患進行の間に変化し得る(Kazui et al. Differences of Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia in Disease Severity in Four Major Dementias. PLoS ONE 11(8):e0161092 (2016);Johnson DK et al. Neuropsychiatric profiles in dementia. Alzheimer Dis Assoc Disord 25(4):326-332 (2011))。所与の患者は、臨床的に関連するいくつかの症状のそのようなクラスターを一度に提示し得るため、疾患に関する現在一般的な病態生理学的仮説にかかわらず、症状の様々なクラスター又はBPSD症状の全範囲を標的とすることができる処置において高い医学的必要性がある。
【0111】
妄想の有病率は、一般集団の正常な認知老化(0.4~2.4%)を有する人々ではかなり低いが、軽度の認知障害(MCI;3.1~3.4%)を有する対象では増加し、認知症(18.0~31.0%)では顕著に増加する(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。幻覚の有病率も一般集団の正常な認知老化(0.4~0.6%)の人々で低いが、MCI(0.6~1.3%)及び認知症(10.5~16.0%)を有する対象では増加する(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。
【0112】
妄想及び幻覚の両方は、様々な神経学的及び精神医学的疾患及び疾患状態における精神病の一部又は症状である。神経遮断薬は、従来、認知症におけるこのような症状を処置するために、やむを得ずオフラベルで使用されてきたが、非常に少ない例外として、「典型的な」神経遮断薬と「非典型的な」神経遮断薬との両方は、CV有害事象の発生率を増加させ、認知症においてオフラベルで使用された場合に顕著に増加した死亡率を示した。したがって、FDAは、認知症におけるそのようなBPSD症状を処置するための治療選択肢をほとんど残さない、統合失調症以外でのそれらのオフラベル使用に対する「ブラックボックス」警告を発した。この背景において、完全に異なるクラス、即ち5-HT2A受容体拮抗薬及び逆作動薬は、前臨床試験において抗精神病様効力プロファイルを実証した(Weiner et al. 5-hydroxytryptamine2A receptor inverse agonists as antipsychotics. J Pharmacol Exp Ther 299(1):268-76 (2001))。いくつかの5-HT2A受容体拮抗薬及び逆作動薬が神経精神医学的適応症のために開発されており、エプリバンセリンなどの化合物で得られる有益な抗精神病効果の報告があった(Meltzer HY et al. Placebo-controlled evaluation of four novel compounds for the treatment of schizophrenia and schizoaffective disorder. Am J Psychiatry 161:975-84 (2004))。5-HT2A受容体逆作動薬ピマバンセリンは、中等度から重度のパーキンソン病患者において幻覚及び妄想を含む精神病症状を有意に減少させ(Cummings J et al. Pimavanserin for patients with Parkinson’s disease psychosis:a randomised, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet 383:533-40 (2014))、特にPDDにおけるこれらの症状の処置についてFDA承認されている。アルツハイマー病認知症患者では、HTR2A T102C多型は、ホモ接合性CC遺伝子型について5.143に増加したC対立遺伝子の対立遺伝子ORが2.191である精神病の有意な危険因子である(Ramanathan S, Glatt SJ. Serotonergic system genes in psychosis of Alzheimer dementia:meta-analysis. Am J Geriatr Psychiatry 17(10):839-46 (2009))。
【0113】
デキストロメトルファンは、NMDA受容体チャネル遮断特性を有し、フェンシクリジン又はケタミンなどのNMDA受容体チャネル遮断薬は、抗精神病特性よりもむしろ統合失調症特性を有することが知られている。ヒトにおいてデキストロメトルファンによって誘発される精神病の報告がある(Miller SC. Dextromethorphan psychosis, dependence and physical withdrawal. Addict Biol 10(4):325-7 (2005))。デキストロメトルファンのこれらの精神活性特性は、デキストロルファンの産生をもたらすその代謝分解の関数であり得る(Zawertailo LA et al. Effect of metabolic blockade on the psychoactive effects of dextromethorphan. Hum Psychopharmacol 25(1):71-9 (2010))。一部の対象で観察されたデキストロメトルファンの精神活性作用は、デキストロメトルファンが特定の状況下で抗精神病特性も有する可能性を排除しない。実際、デキストロメトルファン(その代謝産物ではない)は、ラットにおけるフェンシクリジン誘発運動行動を弱めることが報告された(Szekely JI et al. Induction of phencyclidine-like behavior in rats by dextrorphan but not dextromethorphan. Pharmacol Biochem Behav 40(2):381-6 (1991))。アルツハイマー病患者における別のNMDA受容体チャネル遮断薬であるメマンチンの無作為化比較試験のメタアナリシスは、メマンチンが妄想の有意な改善を誘導することを示した(Kishi T et al. The effects of memantine on behavioral disturbances in patients with Alzheimer’s disease:a meta-analysis. Neuropsychiatr Dis Treatment 13:1909-1928 (2017))。
【0114】
興奮及び攻撃性は、NPIスケールで1つの項目としてまとめられている。興奮及び攻撃性の有病率は、一般集団の正常な認知老化(2.8~2.9%)を有する人々では低いが、MCI(9.1~11.3%)及び認知症(30.3~40%)を有する対象では増加している(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。したがって、このNPI項目は、臨床的BPSD症状を処置するのに最も一般的であり、同時に困難なものである。
【0115】
前臨床試験は、5-HT2A受容体の遮断が実験用げっ歯類における攻撃を減少させることを示している(Sakaue M et al. Modulation by 5-hT2A receptors of aggressive behavior in isolated mice. Jpn J Pharmacol 89(1):89-92 (2002))。ヒト遺伝学データは、Buss-Perry攻撃性質問紙(敵意、怒り及び身体的攻撃)の4つのサブスケールの3つのスコアがHTR2A rs7322347 T対立遺伝子と有意な関連を示すことを示す(Banlaki Z et al. Polymorphism in the serotonin receptor 2a (HTR2A)gene as possible predisposal factor for aggressive traits. PLoS One 10(2):e0117792 (2015))。ADを有する中国人対象におけるケースコントロール研究では、ADの攻撃性がT102Cなどの5-HT2A受容体多型と有意に関連していた(Lam LC et al. 5-HT2A T102C receptor polymorphism and neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease. Int J Geriatr Psychiatry 19(6):523-6 (2004))。
【0116】
種々のNMDA受容体チャネル遮断薬は、マウスにおける攻撃的行動を弱めることが示されており、これらの効果は、鎮静作用から分離することが困難であり得る(Belozertseva IV, Bespalov AY. Effects of NMDA receptor channel blockade on aggression in isolated male mice. Aggr Behav 25:381-396 (1999))。推定アルツハイマー病及び臨床的に有意な興奮を有する患者において、デキストロメトルファン-キニジンの組み合わせは、NPIの興奮/攻撃性スコアを低下させた(Cummings JL et al. Effect of Dextromethorphan-Quinidine on Agitation in Patients With Alzheimer Disease Dementia:A Randomized Clinical Trial. JAMA 314(12):1242-54 (2015)))。アルツハイマー病患者における別の非選択的NMDA受容体チャネル遮断薬であるメマンチンの無作為化比較試験のメタアナリシスでは、メマンチンも興奮/攻撃性の有意な改善を誘導することが示された(Kishi T et al. The effects of memantine on behavioral disturbances in patients with Alzheimer’s disease:a meta-analysis. Neuropsychiatr Dis Treatment 13:1909-1928 (2017))。
【0117】
不快感/うつ病の有病率は、一般集団の正常な認知老化(7.2~11.4%)を有する人々では中等度であるが、MCI(20.1~27.0%)を有する対象では増加し、認知症(32.3~42%)で最も一般的な問題の1つである(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。
【0118】
脳刺激報酬を用いた前臨床試験では、5-HT2A受容体拮抗作用がハロペリドールなどの従来の神経遮断薬によって誘発される不快感を打ち消す可能性があることが示された(Benaliouad F et al. Blockade of 5-HT2a receptors reduces haloperidol-induced attenuation of reward. Neuropsychopharmacology 32(3):551-61 (2007))。5-HT2A受容体拮抗薬は、臨床的に使用される抗うつ薬に感受性の前臨床モデルにおいて抗うつ様効果を発揮する(Marek GJ et al. The selective 5-HT2A receptor antagonist M100907 enhances antidepressant-like behavioral effects of the SSRI fluoxetine. Neuropsychopharmacology 30:2205-2215 (2005);Patel JG et al. The highly selective 5-hydroxytryptamine (5-HT)2A receptor antagonist, EMD 281014, significantly increases swimming and decreases immobility in male congenital learned helpless rats in the forced swim test. Synapse 52:73-75 (2004))。
【0119】
デキストロメトルファンなどのNMDA受容体チャネル遮断薬は、前臨床モデルにおいて抗うつ様特性を有することが示されている(Sakhaee E et al. The role of NMDA receptor and nitric oxide/cyclic guanosine monophosphate pathway in the antidepressant-like effect of dextromethorphan in mice forced swimming test and tail suspension test. Biomed Pharmacother 85:627-634 (2017))。NMDA受容体チャネル遮断薬のうち、ケタミンは、治療抵抗性大うつ病障害を有する患者において迅速且つ強力な抗うつ活性を有することが証明されている(Singh JB et al. A Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled, Dose-Frequency Study of Intravenous Ketamine in Patients With Treatment-Resistant Depression. Am J Psychiatry 173(8):816-26 (2016))。キニジンと組み合わせて与えられるデキストロメトルファンもヒトにおいて抗うつ作用を発揮する(Murrough JW et al. Dextromethorphan/quinidine pharmacotherapy in patients with treatment resistant depression:A proof of concept clinical trial. J Affect Disord 218:277-283 (2017))。デキストロメトルファンは、選択的NMDA受容体チャネル遮断薬ではなく、デキストロメトルファンの治療効果に寄与し得るセロトニン及びノルエフィネフリン輸送体並びにシグマ-1受容体においてより強力である(Stahl SM. Mechanism of action of dextromethorphan/quinidine:comparison with ketamine. CNS Spectrums 18:225-227 (2013))。モノアミン輸送体は、現在最も使用されている抗うつ薬によって標的化されるが、シグマ-1受容体も実験動物においてデキストロメトルファンの抗うつ様効果に寄与することが見出されている(Nguyen L et al. Involvement of sigma-1 receptors in the antidepressant-like effects of dextromethorphan. PLoS One 9(2):e89985 (2014))。
【0120】
無気力症の有病率は、一般集団の正常な認知老化(3.2~4.8%)を有する人々では低いが、MCI(14.7~18.5%)及び認知症(35.9~49%)を有する対象では増加している(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。ADの中国人対象における症例対照研究では、ADの無気力はT102Cなどの5-HT2A受容体多型と有意に関連していた(Lam LC et al. 5-HT2A T102C receptor polymorphism and neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease. Int J Geriatr Psychiatry 19(6):523-6 (2004))。無気力は、統合失調症患者において頻繁に見られる症状であり、陰性症状の群に属する。5-HT2A受容体拮抗剤は、統合失調症患者における陰性症状の重篤度を軽減する(Davidson M et al. Efficacy and Safety of MIN-101:A 12-Week Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial of a New Drug in Development for the Treatment of Negative Symptoms in Schizophrenia. Am J Psychiatry DOI:10.1176/appi.ajp.2017.17010122 (2017);Meltzer HY et al. Placebo-controlled evaluation of four novel compounds for the treatment of schizophrenia and schizoaffective disorder. Am J Psychiatry 161(6):975-84 (2004))。
【0121】
メマンチンなどのNMDA受容体チャネル遮断薬は、神経変性疾患(Links KA et al. A case of apathy due to frontotemporal dementia responsive to memantine. Neurocase 19(3):256-61 (2013))又は統合失調症における陰性症状((Paraschakis A. Tackling negative symptoms of schizophrenia with memantine. Case Rep Psychiatry 2014:384783 (2014))を有する特定の患者における無気力を減少させることが報告されている。
【0122】
不安の有病率は、一般集団の正常な認知老化(5.0~5.8%)を有する人々では低いが、MCI(9.9~14.1%)及び認知症(21.5~39%)を有する患者では増大している(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。
【0123】
5-HT2A受容体拮抗薬は、種々の前臨床モデル、特に条件付き恐怖のモデルにおいて抗不安を発揮する(Adamec R et al. Prophylactic and therapeutic effects of acute systemic injections of EMD 281014, a selective serotonin 2A receptor antagonist on anxiety induced by predator stress in rats. Eur J Pharmacol 504(1-2):79-96 (2004);Millan MJ. The neurobiology and control of anxious states. Progr Neurobiol 70:83-244 (2003))。ヒトにおいて、5-HT2A受容体遮断は、社会的に関連する刺激の評価に関与する眼窩前頭皮質における感情処理を弱める(Hornboll B et al. Pharmacological blockade of 5-HT2A receptors reduces orbitofrontal activation during processing of fearful and angry faces in healthy subjects. NeuroImage 47:S39-S41 (2009))。5-HT2受容体拮抗薬であるセラゼピン(CGS-15040A)は、全般不安症の患者における臨床試験において有効性を示している(Katz RJ et al. Serotonergic (5-HT2)mediation of anxiety-therapeutic effects of serazepine in generalized anxiety disorder. Biol Psychiatry 34:41-44 (1993))。
【0124】
NMDA受容体拮抗薬クラスの他のメンバーと同様に(Chojnacka-Wojcik E et al. Glutamate receptor ligands as anxiolytics. Curr Opin Investig Drugs 2(8):1112-9 (2001))、デキストロメトルファンは、特定の用量範囲内で実験動物において抗不安様効果を誘導することが観察された(Dere E et al.NMDA-receptor antagonism via dextromethorphan and ifenprodil modulates graded anxiety test performance of C57BL/6 mice. Behav Pharmacol 14(3):245-9 (2003))。デキストロメトルファンの前臨床抗不安作用は、NMDA受容体機能の阻害だけでなく、シグマ-1受容体との相互作用にも関連している可能性がある(Kamei H et al. (+)-SKF-10,047 and dextromethorphan ameliorate conditioned fear stress through the activation of phenytoin-regulated sigma 1 sites. Eur J Pharmacol 299(1-3):21-8 (1996))。AD患者において、別の非選択的NMDA受容体チャネル遮断薬であるメマンチンによる処置は、不安に対するNPIサブスケールのスコアを有意に減少させる(Ishikawa I et al. The effect of memantine on sleep architecture and psychiatric symptoms in patients with Alzheimer’s disease. Acta Neuropsychiatr 28(3):157-64 (2016))。
【0125】
多幸感/爽快の有病率は、一般集団及び正常な認知老化(0.3~0.4%)を有する人々では非常に低いが、MCI(0.6~1.3%)及び認知症(3.1~7%)を有する対象では増大している(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。
【0126】
ヒトPET研究は、内因性ドーパミンの増加と一致する尾状核及び被殻における[11C]ラクロプリド受容体結合能(BP)の減少を伴う多幸感アナログスケールスコアにおける精神刺激薬誘発による変化の正の相関を確立した(Drevets WC. Amphetamine-induced dopamine release in human ventral striatum correlates with euphoria. Biol Psychiatry 49(2):81-96 (2001))。非選択的5-HT2A受容体作動薬であるシロシビンは、多幸症に関連する脱パーソナライゼーションと相関する腹側線条体における[11C]ラクロプリドBPを有意に低下させた((Vollenweider FX et al. 5-HT modulation of dopamine release in basal ganglia in psilocybin-induced psychosis in man -- a PET study with [11C]raclopride. Neuropsychopharmacology 20(5):424-33 (1999))。
【0127】
前臨床データは、背側縫線核及び腹側被蓋野に投射する前頭前皮質錐体ニューロンの大部分が5-HT2A受容体を発現することを示している(Vazquez-Borsetti P. et al. Pyramidal neurons in rat prefrontal cortex projecting to ventral tegmental area and dorsal raphe nucleus express 5-HT2A receptors. Cereb Cortex 19:1678-86 (2009))。結果として、前頭前部5-HT2A受容体の遮断は、中脳に投射する錐体ニューロンを調節し、それによって中脳におけるドーパミン作動性系を阻害し得る(Erbdrup BH et al. Serotonin 2A receptor antagonists for treatment of schizophrenia. Expert Opin Investig Drugs 20(9):1211-1223 (2011))。ドーパミン作動性中脳系は、手綱に由来するもののようなコリン作動性投射の制御下にもあり、これらの投射の活性は、α3β4含有ニコチン性アセチルコリン受容体によって調節される(McCallum SE et al. α3β4 nicotinic acetylcholine receptors in the medial habenula modulate the mesolimbic dopaminergic response to acute nicotine in vivo. Neuropharmacology 63(3):434-40 (2012))。α3β4含有ニコチン性アセチルコリン受容体における拮抗作用は、ドーパミントーンの低下に起因する様々な効果と関連している(Maisonneuve IM, Glick SD. Anti-addictive actions of an iboga alkaloid congener:a novel mechanism for a novel treatment. Pharmacol Biochem Behav 75(3):607-18 (2003))。α3β4含有ニコチン性アセチルコリン受容体は、デキストロメトルファンの主要な標的の1つである(Taylor CP et al. Pharmacology of dextromethorphan:Relevance to dextromethorphan/quinidine (Nuedexta(登録商標)clinical use. Pharmacol Ther 164:170-82 (2016))。
【0128】
脱抑制の有病率は、一般集団の正常な認知老化(0.9~1.6%)を有する人々では低いが、MCI(3.1~4.7%)及び認知症(12.7~17%)を有する対象では増大している(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。
【0129】
5-HT系内の機能的活性のバランスの変化は、インパルス制御の根底にあり、前臨床試験は、5-HT2A受容体が、固有の及び誘導された行動脱抑制の両方を含むインパルス行動を調節することを示唆する(Anastasio NC et al. Serotonin (5-hydroxytryptamine)5-HT(2A)receptor:association with inherent and cocaine-evoked behavioral disinhibition in rats. Behav Pharmacol 22(3):248-61 (2011))。
【0130】
ヒトにおいて、高レベルの行動衝動性と、rs6313のC/C遺伝子型のような特定の5-HT2A多型との間に有意な関連性が見出されている(Jakubczyk A et al. The CC genotype in HTR2A T102C polymorphism is associated with behavioral impulsivity in alcohol-dependent patients. J Psychiatr Res 46(1):44-9 (2012))。HTR2A 1438A/G多型のA/A遺伝子型を有するヒトは、より高いスコアの不適応衝動性を有する(Tomson K et al. Effect of a human serotonin 5-HT2A receptor gene polymorphism on impulsivity:Dependence on cholesterol levels. J Affect Disord 206:23-30 (2016))。神経解剖学的観点から、新皮質は5-HT2A受容体に富むことが知られており、行動障害型前頭側頭型認知症などの神経変性疾患における行動脱抑制は、右海馬傍回、右眼窩前頭皮質及び右島の皮質厚さと相関する(Santillo AF et al. Grey and White Matter Clinico-Anatomical Correlates of Disinhibition in Neurodegenerative Disease. PLoS One 11(10):e0164122 (2016))。
【0131】
デキストロメトルファンとキニジンの併用は、情動調節障害(PBA)を有する患者にプラスの治療効果を有する(Pioro EP. Review of Dextromethorphan 20 mg/Quinidine 10 mg (NUEDEXTA(登録商標))for Pseudobulbar Affect. Neurol Ther 17;3(1):15-28 (2014))。PBAは、筋萎縮性側索硬化症、錐体外路及び小脳障害、多発性硬化症、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、脳卒中及び脳腫瘍などの様々な神経学的疾患に関連して起こり得る。PBAは、セロトニン及びグルタミン酸を含む経路が破壊される脱抑制症候群である(Ahmed A, Simmons Z. Pseudobulbar affect:prevalence and management. Ther Clin Risk Manag 9:483-9 (2013))。アルツハイマー病患者における別の非選択的NMDA受容体チャネル遮断薬であるメマンチンの無作為化比較試験のメタアナリシスでは、メマンチンが脱抑制の有意な改善を誘導することが示された(Kishi T et al. The effects of memantine on behavioral disturbances in patients with Alzheimer’s disease:a meta-analysis. Neuropsychiatr Dis Treatment 13:1909-1928 (2017))。
【0132】
易刺激性/不安定性の有病率は、一般集団の正常な認知老化(4.6~7.6%)の人々では低いが、MCI(14.7~19.4%)及び認知症(27~36%)を有する対象では増大している(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。
【0133】
動物及びヒトの機能的磁気共鳴研究は、扁桃体への前頭前皮質(PFC)フィードバック調節投影における5-HT2A受容体の特異的な関与を指摘している。この受容体は前頭前皮質領域で高度に発現されるため、様々なインパルス関連行動などの感情ベース及び感情制御作用の抑制制御に影響を及ぼす(Aznar S, Klein AB. Regulating prefrontal cortex activation:an emerging role for the 5-HT2A serotonin receptor in the modulation of emotion-based actions? Mol Neurobiol 48(3):841-53 (2013))。
【0134】
デキストロメトルファンとキニジンの併用は、感情的不安定性、社会的状況に不相応又は不適切であり得る制御不能な泣き又は笑いを特徴とする情動調節障害にプラスの治療効果を有する(Pioro EP. Review of Dextromethorphan 20 mg/Quinidine 10 mg (NUEDEXTA(登録商標))for Pseudobulbar Affect. Neurol Ther 17;3(1):15-28 (2014))。AD患者において、別の非選択的NMDA受容体チャネル遮断薬であるメマンチンによる処置は、易刺激性/不安定性についてNPI項目のスコアを有意に減少させる(Ishikawa I et al. The effect of memantine on sleep architecture and psychiatric symptoms in patients with Alzheimer’s disease. Acta Neuropsychiatr 28(3):157-64 (2016))。アルツハイマー病患者におけるメマンチンの無作為化比較試験のメタアナリシスでは、メマンチンは、対照よりも易刺激性/不安定性の制御が優れていることが示された((Kishi T et al. The effects of memantine on behavioral disturbances in patients with Alzheimer’s disease:a meta-analysis. Neuropsychiatr Dis Treatment 13:1909-1928 (2017))。
【0135】
異常運動活動の有病率は、一般集団の正常な認知老化(0.4~0.6%)を有する人々では低いが、MCI(1.3~3.8%)及び認知症(16~32%)を有する対象では増大している(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。
【0136】
ADにおける異常な運動行動は、T102Cのような5-HT2A受容体多型と有意に関連することが見出されている(Lam LC et al. 5-HT2A T102C receptor polymorphism and neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease. Int J Geriatr Psychiatry 19(6):523-6 (2004);Pritchard AL et al. Role of 5HT 2A and 5HT 2C polymorphisms in behavioural and psychological symptoms of Alzheimer’s disease. Neurobiol Aging 29(3):341-7 (2008))。
【0137】
パーキンソン病のような種々の神経疾患状態における異常な運動行動は、デキストロメトルファンの2つの受容体標的である(Taylor CP et al. Pharmacology of dextromethorphan:Relevance to dextromethorphan/quinidine (Nuedexta(登録商標))clinical use. Pharmacol Ther 164:170-82 (2016))グルタミン酸/NMDA受容体遮断に感受性の行動感作として表され得る基底核における異常な可塑性プロセス(Chase TN et al. Striatal glutamatergic mechanisms and extrapyramidal movement disorders. Neurotox Res 5(1-2):139-46 (2003))及びα3β4含有受容体における拮抗作用(Maisonneuve IM, Glick SD. Anti-addictive actions of an iboga alkaloid congener:a novel mechanism for a novel treatment. Pharmacol Biochem Behav 75(3):607-18 (2003))に起因する。
【0138】
夜間行動障害の有病率は、一般集団の正常な認知老化(10.9%)を有する人々では中等度であるが、MCI(13.8~18.3%)及び認知症(27.4~39%)を有する対象では増大している(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。
【0139】
5-HT2A受容体は、睡眠の調節において主要な役割を果たす(Vanover KE, Davis RE. Role of 5-HT2A receptor antagonists in the treatment of insomnia. Nat Sci Sleep 2:139-50 (2010))。中等度から重度のパーキンソン病患者における5-HT2A受容体逆作動薬ピマバンセリンの安全性及び有効性を評価する臨床試験において、参加者は、プラセボと比較したピマバンセリンの夜間睡眠及び昼間覚醒の改善を報告した(Cummings J et al. Pimavanserin for patients with Parkinson’s disease psychosis:a randomised, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet 383:533-40 (2014))。別の5-HT2A受容体逆作動薬であるエプリバンセリンは、不眠症の患者において臨床的有効性を実証している(European Medicines Agency. Withdrawal Assessment Report for Sliwens (Eplivanserin), March 18, 2010, London. EMA/CHMP/90435/2010)。
【0140】
アルツハイマー病患者における別の非選択的NMDA受容体チャネル遮断薬であるメマンチンの無作為化比較試験のメタアナリシスでは、メマンチンが夜間障害/昼間リズム障害を有意に改善することが示された(Kishi T et al. The effects of memantine on behavioral disturbances in patients with Alzheimer’s disease:a meta-analysis. Neuropsychiatr Dis Treatment 13:1909-1928 (2017))。AD患者において、メマンチンは、断片的睡眠を減少させるのに有効であり、ポリソムノグラフィーは、より長い総睡眠、睡眠効率及びII期に費やされた時間の増加並びに夜間覚醒、周期的四肢運動指数及びI期に費やされた時間の減少を明らかにした(Ishikawa I et al. The effect of memantine on sleep architecture and psychiatric symptoms in patients with Alzheimer’s disease. Acta Neuropsychiatr 28(3):157-64 (2016))。
【0141】
食欲及び食事異常の有病率は、一般集団の正常な認知老化(5.3%)を有する人々では低いが、MCI(10.4~10.7%)及び認知症(19.6~34%)を有する対象では増大している(Geda YE et al. The Prevalence of Neuropsychiatric Symptoms in Mild Cognitive Impairment and Normal Cognitive Aging:A Population-Based Study. Arch Gen Psychiatry 65(10):1193-1198 (2008);Lyketsos CG et al. Prevalence of neuropsychiatric symptoms in dementia and mild cognitive impairment:results from the cardiovascular health study. JAMA 288(12):1475-83 (2002);Zhao QF et al. The prevalence of neuropsychiatric symptoms in Alzheimer’s disease:Systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 190:264-71 (2016))。
【0142】
セロトニンは、様々なタイプの摂食障害の出現及び維持において主要な役割を果たす(Steiger H. Eating disorders and the serotonin connection:state, trait and developmental effects. J Psychiatry Neurosci 29(1):20-9 (2004))。5-HT2A受容体をコードする遺伝子(HTR2A)は、摂食障害を含む多くの神経精神医学的表現型における機能的候補として関与している(Norton N, Owen MJ. HTR2A:association and expression studies in neuropsychiatric genetics. Ann Med 37(2):121-9 (2005))。摂食行動及び食欲は、摂食障害を有する患者において影響を受けるデキストロメトルファン、セロトニン輸送体の受容体標的の1つによっても調節される(Spies M et al. The serotonin transporter in psychiatric disorders:insights from PET imaging. Lancet Psychiatry 2(8):743-55 (2015))。
【0143】
したがって、現在の証拠は、アルツハイマー病などの神経変性疾患の病態生理が複雑であり、複数の神経解剖学的基質、神経化学的及び神経薬理学的メカニズムを伴い、以下がもたらされること示唆している:i)1つの治療的作用様式(TMA)が2つ以上の臨床的に診断可能なBPSD項目(例えば、NPI症状又は症状クラスター)を処置するために使用され得る;ii)1つのTMAがNuplazid(登録商標)の新たな有効性プロファイルによって示されるように、2つ以上の臨床的に異なる神経変性疾患(例えば、AD、PD、DLB、FTLDなど)の症状を処置するために使用され得る;iii)単一のTMAがBPSD症状の全スペクトルをカバーすることはありそうもない;iv)単一のTMAは、単一のBPSD症状又は症状クラスターに対してさえも最大限可能な治療利益を生じ得ない。
【0144】
したがって、ピマバンセリンによる単一MTA療法(Nuplazid(登録商標);Ballard C et al. Evaluation of the safety, tolerability, and efficacy of pimavanserin versus placebo in patients with Alzheimer’s disease psychosis:a phase 2, randomised, placebo-controlled, double-blind study. Lancet Neurology (2018)17:213-22)によって発揮される限られた臨床効力とは対照的に、式Iの化合物によって表されるいくつかのMTA及び式IIの化合物を含む併用療法は、より広範且つ強力な効力プロファイルを供給する。
【0145】
一実施形態は、式IIの化合物(DEX)と、5-HT2A受容体拮抗薬、5-HT2A受容体逆作動薬及びCYP2D6阻害剤を含む群から選択される1つ以上の薬剤とを含む医薬組成物を投与することを含む、認知症の行動的及び心理的症状の処置を、それを必要とする患者において行う方法である。別の実施形態では、薬剤は、5-HT2A受容体拮抗薬及びCYP2D6阻害剤の両方の特性を有する二重薬剤(DA)である。別の実施形態では、薬剤は、5-HT2A受容体逆作動薬及びCYP2D6阻害剤の両方の特性を有するDAである。別の実施形態では、DAは、式Iの化合物である。
【0146】
DEXは、σ2受容体の作動薬、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)拮抗薬及びα3β4ニコチン性受容体拮抗薬である。ノルエピネフリン及びセロトニンの取り込みも阻害される。アルツハイマー病のようないくつかの神経精神疾患及び症候群並びに認知症の行動的及び心理的症状は、グルタミン酸作動性、コリン作動性、セロトニン作動性及びノルエピネフリン作動性神経伝達物質系の調節不全を伴う。したがって、別の実施形態では、組成物は、ケタミン、メサドン、メマンチン、アマンタジン、デキストロプロポキシフェン、ケトベミドン及びデキストロメトルファンなどのNMDA受容体拮抗薬を含む(Jamero et al., The Emerging Role of NMDA Antagonists in Pain Management, US Pharm. 36(5):HS4-HS8 (2011);Sang,NMDA-receptor antagonists in neuropathic pain:experimental methods to clinical trials, J Pain Symptom Manage. 19 (1 Suppl)S21-5 (2000);全体が参照により本明細書に組み込まれる)。別の実施形態では、組成物は、式Iの化合物と、ケタミン、メサドン、メマンチン、アマンタジン、デキストロプロポキシフェン、ケトベミドン又はデキストロメトルファンとの組み合わせである。式Iの化合物は、混合物、錯体、共役体、共有結合を有する化合物又は塩としての組み合わせを形成する。
【0147】
別の実施形態では、医薬組成物は、式Iの化合物及び式IIの化合物(SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)によって例示される)を含む。別の実施形態は、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を含む医薬組成物を投与することを含む、処置を、それを必要とする患者において行う方法である。
【0148】
認知症の心理的症状には、グルタミン酸作動性、コリン作動性、セロトニン作動性及びノルエピネフリン作動性神経伝達物質系の調節不全が含まれる。したがって、一実施形態は、認知症の行動的及び心理的症状を処置する方法である。別の実施形態は、EEG異常、行動、認知を改善し、発作を軽減し並びに呼吸異常、運動能力、骨密度及びGI機能不全を改善するために、式Iの化合物及び式IIの化合物を含む組成物を投与することを含む、それを必要とするヒトの処置である。別の実施形態は、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を含む組成物を投与して、EEG異常、行動、認知を改善し、発作を軽減し並びに呼吸異常、運動能力、骨密度及びGI機能不全を改善することを含む、それを必要とするヒトの処置である。別の実施形態は、不随意情動発現障害(IEED)又は情動調節障害(PBA)、神経変性疾患、神経障害性疼痛及び脳損傷を含む他の疾患及び状態の処置において、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を含む組成物を投与することを含む、それを必要とするヒトの処置である。
【0149】
別の実施形態は、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)の化合物を単独で、又は鎮痛剤(例えば、アセトアミノフェン)、抗ヒスタミン剤(例えば、クロルフェニラミン)、うっ血除去剤(例えば、プソイドエフェドリン)及び/又は去痰薬(例えば、グアイフェネシン)などの他の薬物と組み合わせて含む組成物である。
【0150】
デキストロメトルファンは、肝臓内で活性代謝産物に代謝され、O-及びN-脱メチル化から開始して一次代謝産物DOを形成し、3-メトキシモルフィナンはさらにそれぞれN-及びO脱メチル化されて3-ヒドロキシ-モルフィナンになる。主要な代謝触媒は、チトクロームP450酵素2D6(CYP2D6)であり、これは、デキストロメトルファンと3-メトキシモルフィナンのO-脱メチル化反応の原因である。デキストロメトルファン及びDOのN-脱メチル化は、関連するCYP3Aファミリーの酵素によって触媒される。DO及び3-ヒドロキシモルフィナンの結合体は、その摂取の数時間以内にヒト血漿及び尿中で検出することができる。DOは、その精神活性効果について最も注目すべき物質である。
【0151】
SGLは、5-HT2A受容体逆作動薬及びCYP2D6阻害剤である。SGLは、血小板凝集、血管収縮及び血管平滑筋増殖のような5-HT2A受容体によって媒介される5-HTに対する応答を阻害する。SGL(MCI-9042)は、5-HT2A受容体に対してリタンセリンと同等の親和性を示すことが示された(Nishio et al., Binding affinity of a compound of formula I or sarpogrelate, a new antiplatelet agent, and its metabolite for serotonin receptor subtypes. Arch Int Pharmacodyn Ther. 331(2):189-202 (1996 March-April);全体が参照により組み込まれる)。5-HT2A受容体の遮断は、血小板形成を阻害し、血小板凝集を抑制し、血管平滑筋細胞増殖を阻害し得る(Pertz et al., In-vitro pharmacologyof a compound of Formula I and the enantiomers of its major metabolite:5-HT2A receptor specificity, stereoselectivityand modulation of ritanserin-induced depression of 5-HT contractions in rat tail artery. J Pharm Pharmacol. 47(4):310-6 (1995 April);全体が参照により組み込まれる)。したがって、一実施形態は、式Iの化合物及び式IIの化合物又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)若しくはDERAPHAN(商標)を含む組成物を投与することを含む、処置を、それを必要とする患者において行う方法である。
【0152】
別の実施形態は、患者が末梢動脈疾患、例えばレイノー病及び間欠跛行;肺高血圧症(Saini et al., 2004;全体が参照により組み込まれる)、狭心症(Kinugawa et al., 2002;全体が参照により組み込まれる)及び/又は糖尿病(Pietraszek et al., 1993;Ogawa et al., 1999;全体が参照により組み込まれる)を含む疾患又は障害に罹患している処置方法である。別の実施形態では、式Iの化合物を含む冠動脈ステント留置後の患者の処置方法は、再狭窄に有用である(Doggrell, sarpogrelate:cardiovascular and renal clinical potential, Expert Opinion on Investigational Drugs, Volume 13, Issue 7 (2004);全体が参照により組み込まれる)。
【0153】
DOは、NMDA受容体の遮断から生じる可能性が高いその精神活性効果について最も注目すべき物質である。DOは、DEXと比較して、NMDA受容体に対して実質的により高い親和性を有する。DEXの有害な精神活性効果は、DOへのその代謝と関連している(Taylor et al., Pharmacology of dextromethorphan:Relevance to dextromethorphan/quinidine (Nuedexta(登録商標))clinical use. Pharmacol Ther. 164:170-82 (2016 August);その全体が参照により組み込まれる)。したがって、別の実施形態は、DEXと、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬及びCYP2D6阻害剤を含む群から選択される1つ以上の薬剤とを含む医薬組成物を投与することを含む、処置中のDEXの有害作用の低減を、それを必要とする患者において行う方法である。別の実施形態では、薬剤は、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬及びCYP2D6阻害剤の両方の特性を有する薬剤である。別の実施形態では、薬剤は、5-HT2A受容体逆作動薬及びCYP2D6阻害剤の両方の特性を有する薬剤である。別の実施形態では、薬剤は、式Iの化合物及び式IIの化合物又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)若しくはDERAPHAN(商標)である。
【0154】
別の実施形態は、(6)-1-{2-[2-(3-メトキシフェニル)エチル]-フェノキシ}-3-(ジメチルアミノ)-2-プロパノール(M-1)(Nagatomo et al., 2004;Saini et al., 2004;全体が参照により組み込まれる)、5-HT2A受容体逆作動薬及びCYP2D6阻害剤を含む組成物である。
【0155】
遺伝的に多型のチトクロームCYP2D6は、チオリダジン、ペルフェナジン、クロルプロマジン、フルフェナジン、ハロペリドール、ズクロペンチキソール、リスペリドン及びセルチンドールを含む多くの抗精神病薬の代謝に関係している(Michalets,1998)。この酵素は、精神障害を有する患者に一般的に処方される他の薬物(例えば、三環系抗うつ薬(ノルトリプチリン、デシプラミン、アミトリプチリン、イミプラミン及びクロミプラミン))及び選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルオキセチン及びパロキセチンを含む)の代謝でも重要である(Taylor and Lader,1996;Sproule et al., 1997;全体が参照により組み込まれる)。これらの酵素を阻害する薬物は、共投与される抗精神病薬の血漿濃度の増加を引き起こすことが予想される(Goff, 1993;Ereshefsky, 1996;Michalets, 1998;その全体が参照により組み込まれる)。これらの増加は、次に、心臓毒性、抗コリン作動性副作用又は起立性低血圧を含む抗精神病薬誘発副作用の発生又は悪化をもたらし得る(Ereshefsky, 1996;Desta et al., 1999;全体が参照により組み込まれる)。
【0156】
多くの抗精神病薬は、CYP2D6触媒DEX O-脱メチル化を阻害した。試験した抗精神病薬の中で、チオリダジン及びペルフェナジンは、最も強力な阻害剤であり、DO形成率を10μMで制御活性の26.5%及び19.7%、25μMで制御活性の11.4%及び10.7%にそれぞれ低下させた。DEX O-脱メチル化に対するこれらの薬物の阻害効力は、10~25マイクロMキニジンの阻害効果に匹敵した。チオリダジン及びペルフェナジンの推定平均IC50値は、それぞれ2.7+0.5及び1.5+0.3μMであった。強力なCYP2D6阻害剤であるキニジンのIC50は、これらの条件下で0.52+0.2μMであると推定された。クロルプロマジン、フルフェナジン及びハロペリドールの推定IC50は、それぞれ9.7、16.3及び14.4μMであった。シスチオチキセン、クロザピン及びリスペリドンは、試験した他の薬物よりも弱い阻害を示し、平均IC50は、それぞれ136.6、92.2及び39.1マイクロMと推定された(Shin et al., Effect Of Antipsychotic Drugs on Human Liver Cytochrome P-450 (Cyp)Isoforms in Vitro:Preferential Inhibition of CYP2D6, Drug Metabolism And Disposition, Vol. 27, No. 9 (1999);その全体が参照により組み込まれる)。
【0157】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、アジマリン、アミオダロン、アミトリプチリン、アプリンジン、アゼラスチン、セレコキシブ、クロルフェニラミン、クロルプロマジン、ジフェンヒドラミン、ドキソルビシン、フルオキセチン、フルフェナジン、フルバスタチン、フルボキサミン、ハロペリドール、イミプラミン、インジナビル、ラソプラゾール、レボメプロマジン、ロピナビル、ロラタジン、メキタジン、メサドン、メトクロプラミド、ミベフラジル、モクロベミド、ネルフィナビル、ネビラピン、ニカルジピン、ノルフルオキセチン、パロキセチン、ペルフェナジン、ピモジド、テルフェナジン、チオリダジン、シメチジン、キニジン、シサプリド、シタロプラム、クロミプラミン、クロザピン、コカイン、デシプラミン、ラニチジン、リスペリドン、リトナビル、サキナビル、セルトラリン、テルビナフィン、チクロピジン、トリフルペリドール、ベンラファキシン及びヨヒンビンなどのCYP2D6阻害剤の1つ以上を含むが、これらに限定されない。
【0158】
一実施形態では、本発明は、同時の5HT2A受容体拮抗作用及び2D6阻害の治療的利点を提供する、5HT2A受容体拮抗薬及びCYP2D6阻害剤の組み合わせである。別の実施形態では、本発明は、同時の5HT2A受容体逆アゴニズム及び2D6阻害の治療的利点を提供する5HT2A受容体逆作動薬及びCYP2D6阻害剤の組み合わせである。式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)は、DEXに対する治療的応答の大きさを改善することにより独特な治療的利点を提供する。したがって、式I及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)は、抗不整脈薬キニジンとDEXとの同時使用に関連した潜在的な健康リスクを回避する。したがって、実施形態は、式I及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を含む組成物である。
【0159】
いくつかの実施形態は、有効性及び忍容性の保護及び安全性を増大させる一方、投与され得るデキストロメトルファン、代謝産物、誘導体又はそのプロドラッグ(DEX)の用量及び/又は総1日用量の数を低減する方法を含み、この方法は、有効量の式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を経口投与することを含む。
【0160】
いくつかの実施形態は、処置に関連した有害事象を低減する方法を含み、この方法は、式Iの化合物及び式IIの化合物又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を、DEX及び/又は式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)処置を必要とする対象に共投与することを含み、対象は、DEX及び/又は式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を用いた処置の結果としての有害事象を経験するリスクを有する。
【0161】
いくつかの実施形態は、DO血漿レベルを低下させる方法を含み、この方法は、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を、DEXを用いた処置を必要とする対象に投与することを含み、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)は、DEXを用いた少なくとも2日間の処置の第1日に投与され、式Iの化合物なしに投与される同じ量のDEXと比較したDO血漿レベルの低下は、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)が投与される第1日に起こる。
【0162】
別の実施形態は、DO血漿レベルを低下させる方法を含み、この方法は、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を、DEXを用いた処置を必要とする対象に少なくとも8日間連続で共投与することを含み、8日目に、DO血漿レベルは、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを8日間連続で投与することによって達成されるであろうDO血漿レベルよりも低い。
【0163】
式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬は、例えば、神経疾患の処置において、DEXの治療的特性を改善するために使用され得る。式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)は、立体化学にかかわらず、いくつかの対象においてDEXの代謝を阻害又は低減するのに有効であり得、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)の共投与により達成される。
【0164】
別の実施形態は、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬及びDEXを、それを必要とする対象に投与することを含む神経疾患の処置方法であり、対象は、DEXの高代謝者である。
【0165】
別の実施形態は、5-HT2A受容体逆作動薬、拮抗薬及びDEXを、それを必要とする対象に投与することを含む神経疾患の処置方法であり、対象は、DEXの高代謝者である。
【0166】
別の実施形態は、DEXを用いた処置を必要とする対象においてDEX血漿レベルを増大させる方法であり、対象は、DEXの高代謝者であり、この方法は、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を対象に共投与することを含む。
【0167】
別の実施形態は、DEXの代謝を阻害する方法であり、この方法は、式Iの化合物又は式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を対象に投与することを含み、対象は、DEXの高代謝者であり、DEXは、式Iの化合物と同時に対象の体内に存在する。
【0168】
別の実施形態は、DEXの代謝寿命を増大させる方法であり、この方法は、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を、DEXを用いた処置を必要とする対象に投与することを含み、対象は、DEXの高代謝者であり、DEXは、式Iの化合物と同時に対象の体内に存在する。
【0169】
別の実施形態は、DEXの広範な代謝を修飾する方法であって、この方法は、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0170】
別の実施形態は、DEXの鎮咳特性を改善する方法であり、この方法は、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)をDEXの投与と併せて、咳の処置を必要とする対象に投与することを含む。
【0171】
別の実施形態は、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)の組み合わせを、それを必要とする対象に投与することを含む、咳の処置方法である。
【0172】
別の実施形態は、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を、それを必要とする対象に投与することを含む、神経疾患の処置方法であり、式Iの化合物及び式IIの化合物;又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)は、少なくとも1日1回、少なくとも8日間投与される。
【0173】
別の実施形態は、約5mg/日~約600mg/日、約5mg/日~約300mg/日、約5mg/日~約400mg/日、約5mg/日~約500mg/日、約5mg/日~約600mg/日、約5mg/日~約1,000mg/日、約50mg/日~約1000mg/日、約100mg/日~約1000mg/日、約150mg/日~約1000mg/日、約150mg/日~約5000mg/日、約150mg/日~約300mg/日、又は約150mg/日~約100mg/日、又は必要とされる量の式Iの化合物及び約0.1mg/日~約1mg/日、約0.5mg/日~約15mg/日、約15mg/日~約60mg/日、約15mg/日~約120mg/日、約0.1mg/日~約200mg/日又は必要とされる量のDEXを、それを必要とする対象に投与することを含む、神経疾患の処置方法である。
【0174】
別の実施形態は、DEXを用いた処置を必要とする対象においてDEX血漿レベルを増大させる方法であり、対象は、DEXの高代謝者であり、この方法は、式Iの化合物をDEXと共に対象に投与することを含む。
【0175】
別の実施形態は、DEXの代謝を阻害する方法であり、この方法は、式Iの化合物を対象に投与することを含み、対象は、DEXの高代謝者であり、DEXは、式Iの化合物と同時に対象の体内に存在する。
【0176】
別の実施形態は、DEXの代謝寿命を増大させる方法であり、この方法は、DEXを用いた処置を必要とする対象に式Iの化合物を投与することを含み、対象は、DEXの高代謝者であり、DEXは、式Iの化合物と同時に対象の体内に存在する。
【0177】
別の実施形態は、DEX血漿レベルを増大させる方法であり、この方法は、式Iの化合物及びDEXを、DEXを用いた処置を必要とする対象に共投与することを含み、式Iの化合物は、式Iの化合物の少なくとも2日間の共投与の第1日にDEXと共に投与され、式Iの化合物なしに投与される同じ量のDEXと比較したDEX血漿レベルの増大は、式Iの化合物及びDEXが共投与された第1日に起こる。
【0178】
別の実施形態は、DEX血漿レベルを増大させる方法であり、この方法は、式Iの化合物及びDEXを、DEXを用いた処置を必要とする対象に少なくとも5日間連続で共投与することを含み、第5日に、DEX血漿レベルは、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを5日間連続で投与することによって達成されるであろうDO血漿レベルよりも高い。
【0179】
別の実施形態は、DEX血漿レベルを増大させる方法であり、この方法は、式Iの化合物及びDEXを、DEXを用いた処置を必要とする対象に少なくとも6日間連続で共投与することを含み、第6日に、DEX血漿レベルは、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを6日間連続で投与することによって達成されるであろうDO血漿レベルよりも高い。
【0180】
別の実施形態は、DEXのトラフ効果を低減する方法であり、この方法は、DEXを用いた処置を必要とする対象に式Iの化合物をDEXと共投与することを含み、DEXは、式Iの化合物をDEXと共投与した12時間後、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを投与することによって達成されるであろう血漿レベルの少なくとも2倍の血漿レベルを有する。
【0181】
別の実施形態は、DEXのトラフ効果を低減する方法であり、この方法は、DEXを用いた処置を必要とする対象に式Iの化合物をDEXと共投与することを含み、DEXは、式Iの化合物をDEXと共投与した12時間後、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを投与することによって達成されるであろう血漿レベルの少なくとも2倍の血漿レベルを有する。
【0182】
別の実施形態は、DEXのトラフ効果を低減する方法であり、この方法は、DEXを用いた処置を必要とする対象に式Iの化合物をDEXと共投与することを含み、DEXは、式Iの化合物をDEXと共投与した12時間後、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを投与することによって達成されるであろう血漿レベルの少なくとも2倍の血漿レベルを有する。
【0183】
別の実施形態は、DEXによる処置に関連した嗜癖などの有害事象又は他の望ましくない結果を低減する方法であり、この方法は、DEX処置を必要とする対象に式Iの化合物及びDEXを共投与することを含み、対象は、DEXを用いた処置の結果としての有害事象を経験するリスクを有する。
【0184】
別の実施形態は、式Iの化合物による処置に関連した有害事象を低減する方法であり、この方法は、式Iの化合物を必要とする対象にDEX及び式Iの化合物を共投与することを含み、処置、対象は、式Iの化合物を用いた処置の結果としての有害事象を経験するリスクを有する。
【0185】
別の実施形態は、DEXの鎮咳特性を改善する方法であり、この方法は、式Iの化合物をDEXの投与と併せて、咳の処置を必要とする対象に投与することを含む。
【0186】
別の実施形態は、式Iの化合物及びDEXの組み合わせを、それを必要とする対象に投与することを含む、咳の処置方法である。
【0187】
別の実施形態は、式Iの化合物及びDEXを、それを必要とする対象に投与することを含む、神経疾患の処置方法であり、式Iの化合物及びDEXは、少なくとも1日1回、少なくとも8日間投与される。
【0188】
別の実施形態は、DEX、式I、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、神経疾患の処置方法であり、DEX、式I、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)は、少なくとも1日1回、少なくとも8日間投与される。
【0189】
別の実施形態は、DEX、式I、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、神経疾患の処置方法であり、式Iの化合物及びDEXは、少なくとも1日1回、少なくとも8日間投与される。
【0190】
別の実施形態は、DEX、式I、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)及びビヒクルを含む、DEXのための経口持続放出送達システムである。
【0191】
別の実施形態は、有効性を失うことなく投与され得るDEXの用量の数を低下させる方法であり、この方法は、DEX及び式I又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を含む有効量の組成物を、DEXを用いた処置を必要とする対象に経口投与することを含む。
【0192】
別の実施形態は、治療的有効量のDEX、治療的有効量の式Iの化合物及び薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物、剤形又は医薬である。
【0193】
態様において、DEXの代謝寿命を増大させる方法が提供され、この方法は、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬を、DEXを用いた処置を必要とする対象に投与することを含み、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬は、CYP2D6酵素の阻害剤であり、DEXは、CYP2D6の阻害剤と同時に対象の体内に存在する。別の実施形態では、組成物は、DEX及び式I又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を含む。
【0194】
別の態様では、DEXによる処置に関連した有害事象を予防する方法が提供され、この方法は、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬又は例えば式Iの化合物を、DEXを用いた処置を必要とする対象に共投与することを含み、対象は、DEXを用いた処置の結果としての有害事象を経験するリスクを有する。
【0195】
別の態様では、神経疾患の処置におけるDEXの治療特性を改善するための、式Iの化合物などの5HT2A受容体拮抗薬の使用方法が提供される。
【0196】
別の態様では、疾患又は疾病の処置方法が提供され、この方法は、5HT2A受容体拮抗薬及びDEXを含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。別の実施形態では、組成物は、DEX及び式I又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を含む。
【0197】
別の態様では、それを必要とする対象におけるDEXと組み合わせて使用するための5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の選択方法が提供される。
【0198】
別の実施形態、NMDA受容体拮抗薬は、ナロキソン沈降離脱によって測定されるように、モルヒネ依存性の発現の物理的側面を減少させ(Bristow et al., Competitive and glycine:NMDA receptor antagonists attenuate withdrawal-induced behaviorsand increased hippocampal acetylcholine efflux in morphine-dependent rats. Neuropharmacology. 36: 241-250 (1997);Popik et al., Inhibition of reinforcing effects of morphine and motivational aspects of naloxone-precipitated opioid withdrawal by N-methyl-D-aspartate receptor antagonist, memantine. J. Pharmacol. Exp. Ther. 280: 854-865 (1997);Popik et al., Inhibition of reinforcing effects of morphine and naloxone-precipitated opioid withdrawal by novel glycine site and uncompetitiveNMDA receptor antagonists. Neuropharmacology. 37: 1033-1042 (1998);その全体が参照により組み込まれる)、また禁酒状態の身体的だけでなく感情的及び動機的な要素並びに欲求を減衰させることがある(Cornish et al. A randomized, double-blind, placebo-controlled safety study of high-dose dextromethorphan in methadone-maintained male inpatients. Drug & Alcohol Dependence. 67(2): 177-83(2002);全体が参照により組み込まれる)。離脱症状を軽減することにより、このような薬物は、オピオイド依存症の処置の急性解毒相の患者に有益であるはずである(Cornish et al., A randomized, double-blind, placebo-controlled safety study of high-dose dextromethorphan in methadone-maintained male inpatients. Drug & Alcohol Dependence. 67(2): 177-83 (2002;全体が参照により組み込まれる)。
【0199】
したがって、実施形態は、嗜癖及び物質乱用に関連した疾患又は疾病の処置を必要とする対象の処置方法であり、この方法は、DEX及び式I又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)の投与を含む。
【0200】
モルヒネへの慢性暴露は、辺縁系におけるグルタミン酸作動性受容体系の多くの生化学的適応をもたらす(Fitzgerald et al., Drugs of abuse and stress increase the expression of GluR1 andNMDAR1 glutamate receptor subunits in the rat ventral tegmental area:common adaptations among cross-sensitizing agents. J. Neurosci. 16:274-282 (1996);全体が参照により組み込まれる)。興奮性アミノ酸は、乱用薬物への慢性曝露から生じる多くの神経化学的及び行動的効果の媒介に関与し、そのいくつかは、グルタミン酸作動性拮抗薬を使用して予防又は逆転され得る(Inturrisi, Preclinical evidence for a role of glutamatergic systems in opioid tolerance and dependence. Semin. Neurosci. 9:110-119 (1997);全体が参照により組み込まれる)。オピオイドを含む乱用薬物の継続的な自己投与は、脳報酬中枢におけるドーパミンの過剰刺激及びグルタミン酸を含む興奮性アミノ酸の放出の増加をもたらし、グルタミン酸拮抗薬によって遮断され得る耐性及び依存性の発達をもたらす(Herman et al., Clinical medication development for opiate addiction:focus on nonopioids and opioid antagonists for the amelioration of opiate withdrawal symptoms and relapse prevention. Semin. Neurosci. 9:158-172 (1997);全体が参照により組み込まれる)。したがって、実施形態は、DEX及び式I又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)若しくはDERAPHAN(商標)の投与を含む、オピエート離脱症状の改善及び再発予防による、オピオイド耐性及び依存から生じる嗜癖及び物質乱用に関連する障害又は疾患の処置を必要とする対象を処置する方法である。
【0201】
DEXは、いくつかの炎症に基づく動物パーキンソン病モデルにおいてドーパミンニューロンに対する神経保護を提供する(Li et al., Protective effect of dextromethorphan against endotoxic shock in mice. Biochemical Pharmacology. 69(2):233-40 (2005);Liu et al., Dextromethorphan protects dopaminergic neurons against inflammation-mediated degeneration through inhibition of microglial activation. Journal of Pharmacology & Experimental Therapeutics. 305(1):212-8 (2003);Zhang et al., Neuroprotective effect of dextromethorphan in the MPTP Parkinson’s disease model:role of NADPHoxidase. FASEB Journal. 18(3):589-91 (2004);Zhang et al., 3-hydroxymorphinan is neurotrophic to dopaminergic neurons and is also neuroprotective against LPS-induced neurotoxicity. FASEB Journal. 19(3):395-7 (2005);参照により組み込まれる)。1~10マイクロMのDEXは、ラット初代混合中脳ニューロン-グリア培養におけるリポ多糖類(LPS)誘発ドーパミン取り込み減少に対してドーパミンニューロンを保護した。形態学的に、LPS処理培養物において、ドーパミンニューロンの存在量の減少に加えて、残りのドーパミンニューロンの樹状突起は、対照におけるものよりも有意に複雑ではなかった。LPS刺激前にDEX(10マイクロM)で前処理した培養物では、ドーパミンニューロンは、有意に多く、樹状突起は、あまり影響を受けなかった。有意な神経保護が、LPSの添加後60分まで添加されたDEXを有する培養物において観察された。したがって、DEXは、前処理だけでなく後処理によってもモノアミンニューロンを有意に保護する(Zhang et al., Neuroprotective effect of dextromethorphan in the MPTP Parkinson’s disease model:role of NADPHoxidase. FASEB Journal, 18(3):589-91 (2004);全体が参照により組み込まれる)。LPS及びMPTP PDモデルの両方を使用する動物研究は、DEXの強力な保護効果も示す(Zhang et al., Neuroprotective effect of dextromethorphan in the MPTP Parkinson’s disease model:role of NADPHoxidase. FASEB Journal, 18(3):589-91 (2004);全体が参照により組み込まれる)。したがって、一実施形態は、DEX及び式I又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)若しくはDERAPHAN(商標)の投与を含む、パーキンソン病の処置を必要とする対象を処置する方法である。
【0202】
DEXの神経保護効果は、NADPHオキシダーゼからのスーパーオキシドアニオン産生の阻害によるミクログリア過剰活性化の阻害と関連し、このDEXの神経保護効果は、そのNMDA受容体拮抗薬特性と関連しない。MK801、AP5及びメマンチンなどのNMDA受容体拮抗薬の抗炎症効力と神経保護との間に相関が観察され、炎症関連神経変性モデルにおいてDEXによって提供されるドーパミン神経保護がNMDA受容体により媒介されないことが示唆された。この結論は、以前の報告と矛盾しておらず、NMDA受容体遮断が急性グルタミン酸誘導興奮毒性モデルにおけるDEXの神経保護効果と関連していることを示している。したがって、一実施形態は、DEX及び式I又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)若しくはDERAPHAN(商標)の投与を含む、障害又はその疾患の処置を必要とする対象を処置する方法であって、障害又は疾患が炎症関連神経変性障害である方法である。
【0203】
モルヒネのGC依存性作用は、視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸を活性化する。HPA軸の活性化は、強力な免疫調整ホルモンとしてのGCの生成物を上昇させる(Freier et al., A mechanism of action for morphine-induced immunosuppression:corticosterone mediates morphine-induced suppression of natural killer cell activity. J Pharmacol Exp Ther 270(3):1127-33 (1994);Mellon et al., Role of central opioid receptor subtypes in morphine-induced alterations in peripheral lymphocyte activity. Brain Res 789(1):56-67 (1998);その全体が参照により組み込まれる)。したがって、実施形態は、DEX及び式I又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)の投与を含む、障害又はその疾患の処置を必要とする対象を処置する方法であって、障害又は疾患がオピオイド依存性である方法である。退薬を受けているヘロイン中毒者に対する120、240及び480mg/日のDEXの用量を含む、約500mg/日までのDEXの用量が示唆される。高用量でのDEXは、心拍数、血圧、体温及び血漿臭化物の軽度の上昇を引き起こした(Cornish et al., A randomized, double-blind, placebo-controlled safety study of high-dose dextromethorphan in methadone-maintained male inpatients. Drug & Alcohol Dependence. 67(2):177-83 (2002);全体が参照により組み込まれる)。特に台湾の漢方人の間では、DEXが西部集団のものと全く異なる「デキストロメトルファン代謝酵素CYP2D6」を有することが報告されている(Yeh et al., Analysis of pharmacokinetic parameters for assessment of dextromethorphan metabolic phenotypes. J. Biomed. Sci. 10:552-564 (2003);全体が参照により組み込まれる)。
【0204】
有意に高いインターロイキン-6、インターロイキン-8及びTNF-αレベルは、正常対照よりも、躁うつのエピソード中に、双極性障害(BP)患者において顕著に現れる(Kim et al., Alexithymia and Stress Response Patterns among Patients with Depressive Disorders in Korea. Psychiatry Investig. 6(1):13-8 (2009);O’Brien et al., Cytokine profiles in bipolar affective disorder:focus on acutely ill patients. J Affect Disord. 90(2-3):263-7 (2006);Brietzke et al., Comparison of cytokine levels in depressed, manic and euthymic patients with bipolar disorder. J Affect Disord. 116(3):214-7 (2009);全体が参照により組み込まれる)。
【0205】
BP患者由来の死後前頭皮質において、IL-1β受容体及び神経炎症性マーカー誘導性一酸化窒素シンターゼ(iNOS)及びc-fosの有意に高いタンパク質及びmRNAレベルが見出された(Rao et al., Increased excitotoxicity and neuroinflammatory markers in postmortem frontal cortex from bipolar disorder patients. Mol. Psychiatry. 15(4):384-92 (2010);全体が参照により組み込まれる)。総合すると、免疫系の不均衡は、その後、ニューロンの炎症応答につながり、脳萎縮の進行及びBP症状の悪化に関連し得る。免疫標的療法によるBP処置は、抗うつ効果を示した。例えば、非盲検アセチルサリチル酸をフルオキセチンに添加した場合、以前にフルオキセチン単剤療法に反応しなかった大うつ病の個体において寛解率の増加をもたらした(Mendlewicz et al., Shortened onset of action of antidepressants in major depression using acetylsalicylic acid augmentation:a pilot open-label study. Int. Clin. Psychopharmacol. 21(4):227-31 (2006);全体が参照により組み込まれる)。
【0206】
したがって、気分安定剤と組み合わせた抗炎症剤の使用は、BPに対する処置効果を改善する。気分安定剤は、神経形成及びシナプス可塑性を促進する相互連結した細胞内シグナル伝達経路を活性化することが示されている。BP患者における脳容積の減少は、バルプロ酸(VPA)による慢性処置によって大幅に抑制されることが見出され、その結果、神経保護効果もたらされ、その理由は、VPAが種々の傷害に対するニューロンの感受性を低下させ(Chen et al., Valproate protects dopaminergic neurons in midbrain neuron/glia cultures by stimulating the release of neurotrophic factors from astrocytes.Mol Psychiatry. 11(12):1116-1125 (December 2006);全体が参照により組み込まれる)、さらに成体げっ歯類脳における神経形成を刺激するからである。VPAは、Bc1-2、グルコース調節タンパク質78(Grp78)、脳由来神経栄養因子(BDNF)及び熱ショックタンパク質70のような細胞保護タンパク質を誘導する。さらに、VPAは、神経突起伸長を促進するが、治療レベルのVPAは、ヒストンのリジン残基からのアセチル基の除去を触媒する酵素であるヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を阻害し、局所的なニューロンBDNF生合成を促進することが報告された。したがって、実施形態は、DEX及び式Iの化合物又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)若しくはDERAPHAN(商標)の投与を含む、障害又はその疾患の処置を必要とする対象を処置する方法であり、障害又は疾患はBPである。
【0207】
別の実施形態は、DEXの有害事象の低減を、それを必要とする対象において行う方法であり、この方法は、
a.対象にDEXを投与することと、
b.式Iの化合物を投与することと
を含む。
【0208】
いくつかの実施形態は、精神神経疾患の処置方法を含み、この方法は、治療的有効量のDEX及び治療的有効量の式Iの化合物を、それを必要とする人に投与することを含む。
【0209】
いくつかの実施形態は、精神神経疾疾患の処置においてDEXの治療特性を向上させる方法を含み、この方法は、DEX及び式Iの化合物を共投与することを含む。
【0210】
いくつかの実施形態は、DEXの高代謝者である対象においてDEX血漿レベルを増大させる方法を含み、この方法は、式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬及びDEXを対象に共投与することを含む。
【0211】
いくつかの実施形態は、DEXの代謝を阻害する方法を含み、この方法は、式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬を対象に投与することを含み、対象は、DEXの高代謝者であり、DEXは、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬と同時に対象の体内に存在する。
【0212】
いくつかの実施形態は、DEXの代謝寿命を増大させる方法を含み、この方法は、DEXの排出半減期(T1/2)を増大させることを含む。これらの実施形態は、式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬を対象に投与することを含み得、対象は、DEXの高代謝者であり、DEXは、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬と同時に対象の体内に存在する。
【0213】
いくつかの実施形態は、DEXの広範な代謝を修飾する方法を含み、この方法は、式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬を、それを必要とする対象、例えば疼痛の処置を必要とする対象に投与することを含む。
【0214】
いくつかの実施形態は、精神神経疾患の処置においてDEXの治療特性を改善する方法を含み、この方法は、式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬を、DEXの投与と併せて、精神神経疾患の処置を必要とする対象に投与することを含む。
【0215】
いくつかの実施形態は、精神神経疾患の処置方法を含み、この方法は、式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬及びDEXの組み合わせを、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0216】
DEXは、咳抑制剤として使用される。OTC Monograph[21CFR341.74]に基づくFDAのDEX製品表示要件によれば、DEXは、1日6回(4時間毎)、1日4回(6時間毎)又は1日3回(8時間毎)投与されるべきである。
【0217】
DEXは、ヒト肝臓内で急速に代謝される。この急速な肝臓代謝は、高代謝者である個体における全身薬物暴露を制限し得る。対象は、1)DEXの高代謝者--DEXを急速に代謝する者;2)DEXの貧弱な代謝者--DEXを殆ど代謝しない者;又は3)DEXの中間代謝者--DEXの代謝が、DEXの代謝が高代謝者と貧弱な代謝者との間のどこかにある者)であり得る。高代謝者は、超急速代謝者でもあり得る。DEXの高代謝者は、ヒト集団の相当の部分である。DEXは、例えば、DOに代謝され得る。
【0218】
同じ経口用量のDEXを与えられた場合、DEXの血漿レベルは、DEXの高代謝者と比較して、貧弱な代謝者又は中間代謝者で有意に高い。DEXの低い血漿濃度は、DEXの高代謝者及びおそらく中間代謝者のための単一薬剤としてのその臨床的有用性を制限し得る。式Iの化合物などのいくつかの抗うつ薬は、DEXの代謝を阻害し、したがってその治療的有効性を改善し得る。同様に、抗うつ薬は、治療的有効性を欠くことなく、1日2回ではなく1日1回、1日3回ではなく1日1回、1日4回ではなく1日1回、1日3回ではなく1日2回又は1日4回ではなく1日2回など、DEXの投与頻度を低下させることができる。
【0219】
疼痛又は他の精神神経疾患は、治療的有効量のDEX及び治療的有効量の式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬を、それを必要とする人に投与することを含む方法により処置され得る。
【0220】
DEX及び5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬、式Iの化合物の組み合わせにより、処置され得る又は増大した有効性で処置され得る精神神経疾患の例としては、情動障害、精神障害、脳機能障害、運動障害、認知症、外傷性脳損傷、慢性外傷性脳症、PTSD、運動ニューロン疾患、神経変性疾患、発作障害、頭痛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0221】
DEX及び5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬、式Iの化合物の組み合わせにより処置され得る情動障害としては、うつ病、大うつ病、治療抵抗性うつ病お及び治療抵抗性双極性うつ病、気分循環症を含むBP、季節性感情障害、躁病、不安障害、注意欠陥障害(ADD)、多動性注意欠陥障害(ADDH)及び注意欠陥/多動性障害(AD/HD)、双極性及び躁状態、強迫性障害、過食症、拒食症、肥満症又は体重増加、ナルコレプシー、慢性疲労症候群、月経前症候群、物質中毒又は乱用、ニコチン中毒、精神性機能障害、情動調節障害及び感情不安定が挙げられるが、これらに限定されない。
【0222】
うつ病は、気分の変化、強い悲しみの感情、絶望、精神遅滞、睡眠障害、集中の喪失、悲観的な心配、興奮及び自己非難によって現れることがある。うつ病の身体症状には、不眠、拒食症、体重減少、エネルギー及び性欲の低下、無気力及び異常なホルモン概日リズムが含まれ得る。
【0223】
DEX及び式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の組み合わせにより処置され得る精神疾患には、恐怖症、全身性不安障害、社会不安障害、パニック障害、広場恐怖症、強迫性障害及び外傷後ストレス障害(PTSD)を含む不安障害;躁病、躁うつ病、軽躁病、単極性うつ病、うつ病、ストレス障害、身体表現型障害、人格障害、精神病、統合失調症、妄想性障害、統合失調感情障害、統合失調症傾向、攻撃性、アルツハイマー病における攻撃性、激越及びアルツハイマー病における無気力が挙げられるが、これらに限定されない。
【0224】
無気力、即ち動機付けの喪失は、アルツハイマー病(AD)における行動の最も一般的な変化である。それは、軽度の認知障害から重度のアルツハイマー病(AD)への認知減退のスペクトル全体にわたって及び種々の他の神経精神障害において一般的である。無気力は、実行認知機能障害(executive cognitive dysfunction)の一形態である。無気力症の患者は、日常機能の低下及び特定の認知障害に苦しみ、家族がより多くのケアを提供することを頼りにしており、その結果、家族のストレスが増加する。無気力は、前頭部及び皮質下の病理に関連する主要な症候群の1つであり、ADにおける無気力は、前頭部皮質下ネットワークの構成要素に関係する複数の神経解剖学的相関を有するように思われる。この一般的な症候群の深刻な影響にもかかわらず、無気力を特異的に評価するために設計された器具は、ごくわずかであり、これらの器具は、直接比較されていない。ADにおける無気力の評価には、臨床医が認知機能低下による動機付けの喪失と能力の喪失とを区別することが必要である。無気力は、症状の重複のためうつ病と誤診されることがあるが、現在の研究では、無気力は、別個の症候群であることが示されている。無気力とうつ病とを区別することは、これらの障害が異なる介入に応答するため、重要な処置の意味を有する。
【0225】
無気力の全体的評価及び感情鈍化、イニシアティブの欠如及び関心の欠如の別々の評価のための評価尺度である無気力インベントリー(IA)は、認知症及び非認知症の高齢対象において、無気力症候群のいくつかの次元及びこれらの症状に対する対象の認識を評価するための信頼できる方法である。IAは、精神神経インベントリー無気力ドメインと同程度に有効に無気力を評価する(Robert et al., The Apathy Inventory: assessment of apathy and awareness in Alzheimer’s disease, Parkinson’s disease and mild cognitive impairment, the Journal of Geriatric Psychiatry, Volume 17, Issue 12, Pages 1099-1105 (December 2002);Landes et al., Apathy in Alzheimer’s Disease, the Journal of American Geriatric Society, Volume 49, Issue 12, Pages 1700-1707 (December 2001);Malloy et al., Apathy and Its Treatment in Alzheimer’s Disease and Other Dementias, Psychiatric Times, Vol. XXII, Issue 13 (November 01, 2005);全体が参照により組み込まれる)。無気力は、前頭皮質、視床、線条体及び扁桃体などの脳の1つ以上の領域に対する損傷の結果であり得る。ほとんどの場合、前頭葉又は前頭葉との結合を有する皮質下核への直接的な損傷は、無気力を引き起こす。アルツハイマー病に関連する無気力は、処置するのが非常に困難である。抗うつ薬、SSRI、精神刺激薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬などは、無気力をある程度のみ軽減した。
【0226】
したがって、本発明の実施形態は、DEX及び式I又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標);並びに抗うつ薬、SSRI、精神刺激薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、ドーパミン作動薬の1つ以上の組み合わせである。別の実施形態は、DEX及び式I又はDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)並びにドネペジル、メマンチン、アマンタニジン(amantanidine)、ブプロピオン、ロピニロール、メチルフェニデート、アンフェタミン、モダフィニル、メトリフォネート、タクリン、ガランタミン、リバスチグミン、ネフィラセタム、イチョウ抽出物などの1つ以上の組み合わせである。(Ruthirakuhan et al., Pharmacological interventions for apathy in Alzheimer’s disease (Protocol), Cochran Database of Systemic Studies, 2016, Issue 5. Art. No.: CD012197, Published by John Wiley & Sons, Ltd.;Pharmacological and Nonpharmacological Treatment for Apathy in Alzheimer Disease: A Systematic Review Across Modalities, Journal of Geriatric Psychiatry and Neurology, Vol 30, Issue 1, 2017;参考文献は、全体が参照により組み込まれる)。
【0227】
アセチルコリンエステラーゼは、中枢コリン作動性経路の最も顕著な構成成分の1つである。これは、加水分解を介してアセチルコリンのシナプス作用を終結させ、伝達物質の再循環に必要なコリン部分を生じる。アルツハイマー病(AD)の病因は、脳神経伝達物質アセチルコリンの欠乏に関連している。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(AChEI)の効力は、アセチルコリン投薬によるニューロンからニューロンへの伝達のそれらの増大によって達成される。これは、アセチルコリンエステラーゼによるその加水分解の可逆的阻害を介してアセチルコリンの濃度を増加させることによって達成される。(USFDA Reference ID: 3096907;Guidance on Donepezil Hydrochloride, Finalized Aug 2017、全体が参照により組み込まれる)。
【0228】
したがって、一実施形態において、組成物は、2-((1-ベンジルピペリジン-4-イル)メチル)-5,6-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(ドネペジル)、(S)-3-(1-(ジメチルアミノ)エチル)フェニルエチル(メチル)カルバメート(リバスチグミン)、ジメチル(2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)ホスホネート(メトリフォネート)、ジメチル(2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)ホスホネート(メトリフォネート)、(4aS,6R,8aS)-3-メトキシ-11-メチル-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-6H-ベンゾ[2,3]ベンゾフロ[4,3-cd]アゼピン-6-オール(ガランタミン)及び1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン(タクリン)、O,S-ジメチルアセチルホスホラミドチオエート、O,O-ジメチルS-((4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)メチル)ホスホロジチオエート、2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イルメチルカルバメート、S-(((4-クロロフェニル)チオ)メチル)O,O-ジエチルホスホロジチオエート、2-クロロ-1-(2,4-ジクロロフェニル)ビニルジエチルホスフェート、O,O-ジエチルO-(3,5,6-トリクロロピリジン-2-イル)ホスホロチオエート、O-(3-クロロ-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-7-イル)O,O-ジエチルホスホロチオエート、1-フェニルエチル(E)-3-((ジメトキシホスホリル)オキシ)ブタ-2-エノエート,4-(tert-ブチル)-2-クロロフェニルメチルメチルホスホラミデート、O,O-ジエチルO-(2-(エチルチオ)エチル)ホスホロチオエート、O,O-ジエチルS-(2-(エチルチオ)エチル)ホスホロチオエート、O,O-ジエチルO-(2-イソプロピル-6-メチルピリミジン-4-イル)ホスホロチオエート、2,2-ジクロロビニルジメチルホスフェート、(E)-4-(ジメチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン-2-イルジメチルホスフェート、O,O-ジメチルS-(2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル)ホスホロジチオエート、S,S’-(1,4-ジオキサン-2,3-ジイル)O,O,O’,O’-テトラエチルビス(ホスホロジチオエート)、O,O-ジエチルS-(2-(エチルチオ)エチル)ホスホロジチオエート、O-エチルO-(4-ニトロフェニル)フェニルホスホノチオエート、O,O,O’,O’-テトラエチルS,S’-メチレンビス(ホスホロジチオエート)、O-エチルS,S-ジプロピルホスホロジチオエート、O-(4-(N,N-ジメチルスルファモイル)フェニル)O,O-ジメチルホスホロチオエート、O-(4-(N,N-ジメチルスルファモイル)フェニル)O,O-ジメチルホスホロチオエート、エチル(3-メチル-4-(メチルチオ)フェニル)イソプロピルホスホラミデート、O,O-ジメチルO-(3-メチル-4-ニトロフェニル)ホスホロチオエート、O-エチルS-フェニルエチルホスホノジチオエート、イソプロピル2-((エトキシ(イソプロピルアミノ)ホスホロチオイル)オキシ)ベンゾエート、ジエチル2-((ジメトキシホスホロチオイル)チオ)スクシネート、O,S-ジメチルホスホラミドチオエート、O,S-ジメチルホスホラミドチオエート、S-((5-メトキシ-2-オキソ-1,3,4-チアジアゾール-3(2H)-イル)メチル)O,O-ジメチルホスホロジチオエート、メチル3-((ジメトキシホスホリル)オキシ)ブタ-2-エノエート、(E)-ジメチル(4-(メチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン-2-イル)ホスフェート、1,2-ジブロモ-2,2-ジクロロエチルジメチルホスフェート、イソプロピル(S)-メチルホスホノフルオリデート、3,3-ジメチルブタン-2-イル(S)-メチルホスホノフルオリデート、O,O-ジエチルO-(4-ニトロフェニル)ホスホロチオエート、S-(2-(エチルスルフィニル)エチル)O,O-ジメチルホスホロチオエート、O,O-ジエチルS-((エチルチオ)メチル)ホスホロジチオエート、S-((6-クロロ-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチル)O,O-ジエチルホスホロジチオエート、S-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)O,O-ジメチルホスホロジチオエート、(E)-3-クロロ-4-(ジエチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン-2-イルジメチルホスフェート、O,O,O’,O’-テトラメチルO,O’-(チオビス(4,1-フェニレン))ビス(ホスホロチオエート)、テトラエチルジホスフェート、S-((tert-ブチルチオ)メチル)O,O-ジエチルホスホロジチオエート、2-クロロ-1-(2,4,5-トリクロロフェニル)ビニルジメチルホスフェート及びジメチル(2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)ホスホネート又はその薬学的に許容され得る誘導体、代謝産物、類似体若しくは塩などのAChIを含む。
【0229】
DEX及び式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の組み合わせにより処置され得る物質乱用及び嗜癖には、薬物依存症、コカイン中毒、精神刺激薬(例えば、クラック、コカイン、スピード、メト)、ニコチン、エチルアルコール、オピオイド、抗不安薬及び催眠薬、カンナビス(マリファナ)、アンフェタミン、幻覚薬、フェンシクリジン、揮発性溶媒及び揮発性亜硝酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。ニコチン中毒には、タバコ、紙巻きタバコ及び/又はパイプを喫煙すること、並びにタバコを噛むことに対する中毒など、全ての既知の形態のニコチン中毒が含まれる。
【0230】
DEX及び式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の組み合わせによって処置され得る脳機能障害には、血管性認知症、アルツハイマー型認知症、レビー小体認知症、前頭側頭葉変性症、記憶喪失、健忘/健忘症候群、てんかん、意識障害、昏睡、注意力低下、言語障害、痙攣性発声障害、パーキンソン病、レノックス・ガストー症候群、自閉症、過動症候群及び統合失調症のような知的障害を含む障害が挙げられるが、これらに限定されない。脳機能障害には、脳血管疾患(脳卒中、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化症、脳静脈血栓症、頭部外傷なども挙げられるが、これらに限定されない)によって引き起こされる障害が含まれ、症状には意識障害、認知症、昏睡、注意力低下、無気力及び言語障害が含まれる。
【0231】
DEX及び式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の組み合わせによって処置され得る運動障害には、アカシジア、アキネジア、関連運動、アテトーシス、運動失調、バリズム、片側バリズム、運動緩慢、脳性麻痺、舞踏病、ハンチントン病、リウマチ性舞踏病、シデナム舞踏病、ジスキネジア、遅発性ジスキネジア、ジストニア、眼瞼痙攣、痙性斜頸、ドーパミン応答性ジストニア、パーキンソン病、レストレスレッグス症候群(RLS)、振戦、本態性振戦、トゥレット症候群及びウィルソン病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0232】
DEX及び式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の組み合わせによって処置され得る認知症には、アルツハイマー病、パーキンソン病、血管性認知症、レビー小体を伴う認知症、混合型認知症、前頭側頭型認知症、クロイツフェルト-ヤコブ病、正常圧水頭症、ハンチントン病、ウェルニッケ-コルサコフ症候群及び前頭側頭葉変性(FTLD)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0233】
DEX及び式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の組み合わせによって処置され得る運動ニューロン疾患には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、進行性球麻痺、原発性側索硬化症(PLS)、進行性筋萎縮、ポリオ後症候群(PPS)、脊髄筋萎縮(SMA)、脊髄運動萎縮、テイ-サック病、サンドオフ病及び遺伝性痙性対麻痺が挙げられるが、これらに限定されない。
【0234】
DEX及び式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の組み合わせによって処置され得る神経変性疾患には、アルツハイマー病、プリオン関連疾患、小脳運動失調、脊髄小脳運動失調(SCA)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、球筋萎縮症、フリードリッチ運動失調、ハンチントン病、レビー小体病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS又はゲーリック病)、多発性硬化症、多系統萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、ウィルソン病、メンケス病、副腎白質ジストロフィー、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASIL)、筋ジストロフィー、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)、家族性痙性対麻痺、神経線維腫症、オリボポンチン(olivopontine)小脳萎縮症又は変性症、線条体黒質変性症、ギラン・バレー症候群及び痙性対麻痺が含まれるが、これらに限定されない。
【0235】
DEX及び式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の組み合わせによって処置され得る発作障害には、てんかん発作、非てんかん発作、てんかん、熱性痙攣;単純部分発作、ジャクソン発作、複合部分発作及び連続性部分てんかん発作を含むが、これらに限定されない部分発作;全身性強直間代発作、欠神発作、無力発作、脱力発作、ミオクローヌス発作、若年性ミオクローヌス発作及び小児痙攣を含むが、これらに限定されない全身性発作;並びにてんかん重積が含まれるが、これらに限定されない。
【0236】
DEX及び式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の組み合わせによって処置され得る頭痛の種類には、片頭痛、三叉神経性頭痛、緊張及びBing-Horton症候群を含む群発頭痛が含まれるが、これらに限定されない。
【0237】
DEX及び式Iの化合物、誘導体、代謝産物又はこれらの化合物のいずれかのプロドラッグなどの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の組み合わせによって処置され得る他の神経学的障害には、レット症候群、自閉症、耳鳴、意識障害、性機能不全、難治性咳、ナルコレプシー、カタプレキシー;外転型痙攣性発声障害、内転筋痙攣性発声障害、筋緊張性発声障害及び声帯振戦を含むが、これらに限定されない、制御不能な喉頭筋痙攣による発声障害;糖尿病性神経障害、メトトレキサート神経毒性などの化学療法誘発性神経毒性;ストレス性尿失禁、切迫性尿失禁及び便失禁を含むが、これらに限定されない失禁;並びに勃起不全が含まれる。
【0238】
DEXの疼痛緩和特性は、DEXと、式Iの化合物、これらの化合物のいずれかの代謝産物、誘導体又はプロドラッグなどの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬とをDEXと共投与することを含む方法によって増強され得る。
【0239】
式Iの化合物の疼痛緩和特性は、DEXを式Iの化合物と共投与することを含む方法によって増強され得る。
【0240】
これらの方法は、筋骨格痛、神経障害性疼痛、癌関連疼痛、急性疼痛、侵害受容性疼痛などを含むが、これらに限定されない、任意の疼痛を処置し又はこの疼痛の軽減を提供するために使用され得る。
【0241】
筋骨格痛の例としては、腰痛(即ち腰仙痛)、原発性月経困難症及び関節炎痛(例えば、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、変形性関節症、変形性関節症(osteoarthritis)、変形性関節症(osteoarthosis)、強直性脊椎炎を含む体軸性脊椎関節炎などに関連する疼痛)が挙げられる。
【0242】
いくつかの実施形態では、DEX及び式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の組み合わせは、慢性筋骨格痛を処置するために使用される。
【0243】
神経障害性疼痛の例には、特発性及び糖尿病性末梢神経障害、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、単神経根障害、幻肢痛、中枢痛などが挙げられる。神経障害性疼痛の他の原因には、癌関連疼痛、腰部神経根圧迫、脊髄損傷、脳卒中後疼痛、中枢性多発性硬化症疼痛、HIV関連神経障害及び放射線又は化学療法関連神経障害などが含まれる。
【0244】
用語「処置」又は「処置する」は、人若しくは他の動物における疾病の診断、治癒、緩和、処置若しくは予防又は人若しくは他の動物の身体の構造若しくは任意の機能に別様に影響する任意の活動を含む。
【0245】
任意の5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬は、DEXと組み合わせて使用されて、DEXの治療特性を改善することができる。DEX及び5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬は、別個の組成物若しくは剤形で投与され得るか、又は両方を含む単一組成物若しくは剤形で投与され得る。
【0246】
DEXと共投与され得る5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬としては、式Iの化合物、クロミプラミン、ドキセピン、フルオキセチン、ミアンセリン、イミプラミン、2-クロロイミプラミン、アミトリプチリン、アモキサピン、デシプラミン、プロトリプチリン、トリミプラミン、ノルトリプチリン、マプロチリン、フェネルジン、イソカルボキサジド、トラニルシプロミン、パロキセチン、トラゾドン、シタロプラム、セルトラリン、アリールオキシインダンアミン、ベナクチジン、エスシタロプラム、フルボキサミン、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、ミルタザピン、ネファゾドン、セレギリン、シブトラミン、ミルナシプラン、テソフェンシン、ブラソフェンシン、モクロベミド、ラサギリン、ニアラミド、イプロニアジド、イプロクロジド、トロキサトン、ブトリプチリン、ドスレピン、ジベンゼピン、イプリンドール、ロフェプラミン、オピプラモール、ノルフルオキセチン、ダポキセチンなど、或いはこれらの化合物のいずれかの代謝産物若しくはプロドラッグ又はこれらの化合物のいずれかの薬学的に許容され得る塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0247】
式Iの化合物をDEXと組み合わせることにより、いずれかの成分単独の投与により達成されるであろうよりも高い有効性、例えば疼痛緩和を提供することができる。高代謝者において、DEXは急速且つ広範に代謝され得、高い用量においてさえも、低い全身暴露をもたらす。式Iの化合物は、抗うつ薬及び鎮痛薬特性を有することに加えて、DEX代謝の阻害剤である。式Iの化合物を含む式Iの化合物の代謝産物、誘導体、代謝産物も、DEX代謝の阻害剤である。したがって、体内で急速に変換される式Iの化合物の形態を含む式Iの化合物(塩、水和物、溶媒和物、多型など)は、式Iの化合物のプロドラッグである。
【0248】
上記に説明したように、この阻害は、DEX血漿レベルを増大させ、疼痛、うつ病、禁煙などを含む神経疾患の軽減などの相加又は相乗的効力をもたらし得る。したがって、DEX代謝の阻害は、この組み合わせの多くの潜在的な利益の1つであるが、DEXと式Iの化合物との共投与は、それにより、多くの状態に対する式Iの化合物の有効性を向上させ得る。DEXと式Iの化合物との共投与は、多くの状態に対する式Iの化合物の鎮痛特性を向上させ得る。DEXと式Iの化合物との共投与は、多くの状態に対する抗うつ特性も向上させ得、その向上には、より急速な作用開始が含まれる。
【0249】
DEX及び式Iの化合物の共投与の別の潜在的な利益は、この共投与が、DEXによる処置に関連した傾眠又は錯乱などの有害事象の可能性を低減するのに有用であり得ることである。これは、例えば、DEXを用いた処置の結果としての有害事象を経験するリスクを有する対象において有用であり得る。
【0250】
DEX及び式Iの化合物の共投与の別の潜在的な利益は、この共投与が、式Iの化合物による処置に関連した発作などの有害事象の可能性を低減するのに有用であり得ることである。これは、例えば、式Iの化合物を用いた処置の結果としての有害事象を経験するリスクを有する対象において有用であり得る。
【0251】
DEX、式Iの化合物に関連して、共投与は、中枢神経系有害事象、胃腸事象又はこれらの化合物のいずれかに関連した別のタイプの有害事象を低減し得る。中枢神経系(CNS)有害事象には、神経過敏、眩暈、不眠、意識朦朧、振戦、幻覚、痙攣、中枢神経抑制、恐怖、不安、頭痛、過敏性又は興奮性の増加、耳鳴、傾眠(drowsiness)、眠気、鎮静、傾眠(somnolence)、錯乱、失見当識、倦怠感、脱力、協調運動失調、疲労、多幸感、神経過敏、不眠、睡眠障害、痙攣発作、興奮、緊張様状態、ヒステリー、幻覚、妄想、妄想性障害、頭痛及び/又は片頭痛並びに錐体外路症候群、例えば注視発作、眼科発作、斜頸、興奮性亢進、筋緊張亢進、運動失調並びに挺舌が含まれるが、これらに限定されない。
【0252】
胃腸有害事象には、悪心、嘔吐、腹部疼痛、嚥下障害、消化不良、下痢、腹部膨隆、鼓腸、出血を伴う消化性潰瘍、軟便、便秘、胃痛、胸やけ、ガス、食欲不振、胃の膨満感、消化障害、腹部膨満、過酸症、口渇、胃腸障害及び胃痛が含まれるが、これらに限定されない。
【0253】
DEX及び式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の共投与は、必ずしも2つの化合物が同じ剤形で投与されることを必要としない。例えば、2つの化合物は、単一剤形で投与され得るか、又は2つの別個の剤形で投与され得る。さらに、2つの化合物は、同時に投与され得るが、これは必要ではない。これらの化合物は、共投与による処置が行われている時間の少なくとも一部の間、両方が同時にヒト体内に存在する限り、異なる時間に与えられ得る。
【0254】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物及びDEXの組み合わせの共投与は、疼痛緩和特性をもたらす。例えば、組み合わせは、式Iの化合物単独と比較して又はDEX単独と比較して、潜在的により急速な作用開始を含む、疼痛緩和特性を改善した可能性がある。
【0255】
いくつかの実施形態では、組み合わせは、式Iの化合物単独と比較して、疼痛緩和特性を少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも100%、約500%まで又は1000%まで、約0.5%~約1000%、約10%~約20%、約20%~約30%、約30%~約40%、約40%~約50%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%、約90%~約100%、約100%~約110%、約110%~約120%、約120%~約130%、約130%~約140%、約140%~約150%、約150%~約160%、約160%~約170%、約170%~約180%、約180%~約190%、約190%~約200%又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の疼痛緩和の任意の量、改善した可能性がある。
【0256】
いくつかの実施形態では、組み合わせは、DEX単独と比較して、疼痛緩和特性を少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも100%、約500%まで又は1000%まで、約0.5%~約1000%、約10%~約20%、約20%~約30%、約30%~約40%、約40%~約50%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%、約90%~約100%、約100%~約110%、約110%~約120%、約120%~約130%、約130%~約140%、約140%~約150%、約150%~約160%、約160%~約170%、約170%~約180%、約180%~約190%、約190%~約200%又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の疼痛緩和の任意の量、改善した可能性がある。
【0257】
特に示さない限り、本明細書中の化合物(例えば、DEX)、構造、名称又は任意の他の手段による式Iの化合物への任意の言及は、薬学的に許容され得る塩;多型、溶媒和物、水和物などの代替の固体形態;互変異性体;重水素修飾DEX及び式Iの化合物などの重水素修飾化合物又は本明細書中に記載されるような化合物が使用される条件下で本明細書中に記載される化合物に迅速に変換され得る任意の化学種を含む。重水素修飾DEX及び式Iの化合物の例としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0258】
剤形又は組成物は、DEXと、DEXの代謝を阻害する化合物(例えば、式Iの化合物)とのブレンド又は混合物であり得、単独で又はビヒクル内であり得る。例えば、DEX及び式Iの化合物は、互いに分散され得るか、又はビヒクル中に一緒に分散され得る。分散物は、小さい個々の粒子が実質的に1つの化合物である固体材料の混合物を含み得るが、2つの異なる薬物の2つの粉末が固体ビヒクル材料とブレンドされ、ブレンドが固体形態で行われる場合に起こり得るように、小さい粒子が互いに分散される。いくつかの実施形態では、DEX及び式Iの化合物は、組成物又は剤形中に実質的に均一に分散され得る。代わりに、DEX及び式Iの化合物は、組成物又は剤形中の別個のドメイン又は相であり得る。例えば、1つの薬物がコーティング中にあり得、別の薬物がコーティング中のコア中にあり得る。例えば、1つの薬物は持続放出のために処方され得、別の薬物は即時放出のために処方され得る。
【0259】
いくつかの実施形態は、持続放出を提供する形態の式Iの化合物及び即時放出を提供する形態のDEX又はその逆を含む錠剤の投与を含む。式Iの化合物の持続放出を達成できる多くの方法があるが、いくつかの実施形態では、式Iの化合物をヒドロキシプロピルメチルセルロースと組み合わせる。例えば、式Iの塩酸塩の化合物の粒子を、微結晶セルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、METHOCEL(商標))とブレンドして、ブレンドされた粉末の混合物を形成することができる。次いで、これを単一の錠剤中の即時放出DEXと組み合わせることができる。
【0260】
DEX及び/又は式Iの化合物などの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 2005に記載されているように、選択された投与経路及び標準的な製薬実務に基づいて選択された医薬担体と組み合わせることができる。活性成分と担体との相対的な割合は、例えば、化合物の溶解度及び化学的性質、選択された投与経路並びに標準的な製薬実務によって決定することができる。
【0261】
治療化合物は、患者の体内の所望の部位又は作用部位と活性剤との接触をもたらし得る任意の手段によって投与され得る。化合物は、個々の治療剤として又は治療剤の組み合わせのいずれかで、医薬と組み合わせて使用するために利用可能な任意の従来の手段によって投与され得る。例えば、それらは、医薬組成物中の唯一の活性剤として投与され得るか、又は他の治療活性成分と組み合わせて使用され得る。
【0262】
治療化合物は、選択された投与経路に適合した様々な形態で、例えば経口又は非経口で、対象に投与することができる。この点での非経口投与には、以下の経路による投与が含まれる:静脈内、筋内、皮下、眼球内、滑液嚢内、経上皮(経皮、眼科用、舌下及び頬側を含む);局所(眼科、皮膚、眼、直腸及び通気を介した経鼻吸入を含む)、エアロゾル及び直腸全身。
【0263】
式Iの化合物に対するDEXの比は様々であり得る。いくつかの実施形態では、式Iの化合物に対するDEXの重量比は、約0.1~約10、約0.1~約2、約0.2~約1、約0.1~約0.5、約0.1~約0.3、約0.2~約0.4、約0.3~約0.5、約0.5~約0.7、約0.8~約1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.45、約0.6、約0.9又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意の比であり得る。0.1の比は、DEXの重量が式Iの化合物の重量の1/10であることを示す。10の比は、DEXの重量が式Iの化合物の重量の10倍であることを示す。
【0264】
治療組成物中のDEXの量は、様々であり得る。例えば、いくつかの液体組成物は、約0.0001%(w/v)~約50%(w/v)、約0.01%(w/v)~約20%(w/v)、約0.01%~約10%(w/v)、約0.001%(w/v)~約1%(w/v)、約0.1%(w/v)~約0.5%(w/v)、約1%(w/v)~約3%(w/v)、約3%(w/v)~約5%(w/v)、約5%(w/v)~約7%(w/v)、約7%(w/v)~約10%(w/v)、約10%(w/v)~約15%(w/v)、約15%(w/v)~約20%(w/v)、約20%(w/v)~約30%(w/v)、約30%(w/v)~約40%(w/v)又は約40%(w/v)~約50%(w/v)のDEXを含み得る。
【0265】
いくつかの液体剤形は、約10mg~約500mg、約30mg~約350mg、約50mg~約200mg、約50mg~約70mg、約20mg~約50mg、約30mg~約60mg、約40mg~約50mg、約40mg~約42mg、約42mg~約44mg、約44mg~約46mg、約46mg~約48mg、約48mg~約50mg、約80mg~約100mg、約110mg~約130mg、約170mg~約190mg、約45mg、約60mg、約90mg、約120mg若しくは約180mgのDEX又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意の量のDEXを含み得る。
【0266】
いくつかの固体組成物は、少なくとも約5%(w/w)、少なくとも約10%(w/w)、少なくとも約20%(w/w)、少なくとも約50%(w/w)、少なくとも約70%(w/w)、少なくとも約80%、約10%(w/w)~約30%(w/w)、約10%(w/w)~約20%(w/w)、約20%(w/w)~約30%(w/w)、約30%(w/w)~約50%(w/w)、約30%(w/w)~約40%(w/w)、約40%(w/w)~約50%(w/w)、約50%(w/w)~約80%(w/w)、約50%(w/w)~約60%(w/w)、約70%(w/w)~約80%(w/w)又は約80%(w/w)~約90%(w/w)のDEXを含み得る。
【0267】
いくつかの固体剤形は、約10mg~約500mg、約30mg~約350mg、約20mg~約50mg、約30mg~約60mg、約40mg~約50mg、約40mg~約42mg、約42mg~約44mg、約44mg~約46mg、約46mg~約48mg、約48mg~約50mg、約50mg~約200mg、約50mg~約70mg、約80mg~約100mg、約110mg~約130mg、約170mg~約190mg、約60mg、約90mg、約120mg若しくは約180mgのDEX又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意の量のDEXを含み得る。
【0268】
治療組成物中の式Iの化合物の量は、様々であり得る。DEXの血漿レベルの増大が所望される場合、式Iの化合物は、DEXの血漿レベルを増大させる量で投与される必要がある。例えば、式Iの化合物は、8日目に、式Iの化合物なしに投与される同じ量のDEXの血漿濃度の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約60倍、少なくとも約70倍又は少なくとも約80倍のDEXの血漿濃度を対象にもたらす量で投与され得る。
【0269】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、投薬時から12時間の曲線下面積(AUC0-12)又はDEXの投薬後12時間(Cavg)、8日目に、式Iの化合物なしに投与される同じ量のDEXの血漿濃度の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約60倍、少なくとも約70倍又は少なくとも約80倍の平均血漿濃度を対象にもたらす量で対象に投与され得る。
【0270】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Iの化合物なしに投与される同じ量のDEXの血漿濃度の少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍又は少なくとも約40倍のDEXの最大血漿濃度(Cmax)を対象にもたらす量で対象に投与され得る。
【0271】
式Iの化合物を共投与する場合、式Iの化合物なしに投与される同じ量のDEXと比較したDEX血漿レベルにおける増大は、式Iの化合物が投与された第1日に生じ得る。例えば、式Iの化合物が投与された第1日に関するDEX血漿レベルは、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを投与することによって達成されるであろうレベルの少なくとも約1.5倍、少なくとも約少なくとも2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍又は少なくとも約10倍のレベルであり得る。
【0272】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物が投与された第1日に関するDEX AUCは、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを投与することによって達成されるであろうAUCの少なくとも2倍であり得る。
【0273】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物が投与された第1日に関するDEX Cmaxは、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを投与することによって達成されるであろうCmaxの少なくとも2倍であり得る。
【0274】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物が投与された第1日に関するDEXトラフレベル(例えば、投与後12時間の血漿レベル)は、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを投与することによって達成されるであろうトラフレベルの少なくとも2倍であり得る。
【0275】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、DEXを用いた処置の少なくとも2日間の最初の日に投与され、式Iの化合物なしに投与される同じ量のDEXと比較したDO血漿レベルの低下は、式Iの化合物及びDEXが共投与された第1日に起こる。例えば、第1日のDO血漿レベルは、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを投与することによって達成されるであろうDO血漿レベルと比較して、少なくとも5%低下され得る。
【0276】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物及びDEXは、DEXを用いた処置を必要とする対象に少なくとも5日間連続で共投与され、5日目に、DEX血漿レベルは、式Iの化合物なしに投与される同じ量のDEXの5日間連続の投与により達成されるであろうDEX血漿レベルよりも高い。例えば、第5日に関するDEX血漿レベル(例えば、投与後0時間、1時間、3時間、6時間又は12時間の)は、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを5日間連続で投与することによって達成されるであろうレベルの少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも65倍又は約500倍までであり得る。
【0277】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物及びDEXは、DEXを用いた処置を必要とする対象に少なくとも6日間連続で共投与され、6日目に、DEX血漿レベルは、式Iの化合物なしに投与される同じ量のDEXの6日間連続の投与により達成されるであろうDEX血漿レベルよりも高い。例えば、第6日に関するDEX血漿レベル(例えば、投与後0時間、1時間、3時間、6時間又は12時間の)は、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを6日間連続で投与することによって達成されるであろうレベルの少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも75倍又は約500倍までであり得る。
【0278】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物及びDEXは、DEXを用いた処置を必要とする対象に少なくとも7日間連続で共投与され、7日目に、DEX血漿レベルは、式Iの化合物なしに投与される同じ量のDEXの7日間連続の投与により達成されるであろうDEX血漿レベルよりも高い。例えば、第7日に関するDEX血漿レベル(例えば、投与後0時間、1時間、3時間、6時間又は12時間の)は、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを7日間連続で投与することによって達成されるであろうレベルの少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも50倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍又は約500倍までであり得る。
【0279】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物及びDEXは、少なくとも8日間連続で共投与され、式Iの化合物をDEXと共投与した後、8日目に、DEXは、例えば、0時間、1時間、3時間、6時間又は12時間に、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを8日間連続で投与することによって達成されるであろうレベルの少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍又は約1,000倍までの血漿レベルを有する。
【0280】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物及びDEXは、DEXを用いた処置を必要とする対象に少なくとも8日間連続で共投与され、8日目に、DO血漿レベルは、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを8日間連続で投与することによって達成されるであろうDO血漿レベルよりも低い。例えば、第8日に関するDO血漿レベル(例えば、投与後0時間、1時間、3時間、6時間又は12時間の)は、式Iの化合物なしに同じ量のDEXを8日間連続で投与することによって達成されるであろうDO血漿レベルと比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%又は少なくとも50%低下され得る。
【0281】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、8日目に、少なくとも約100nghr/mL、少なくとも約200nghr/mL、少なくとも約500nghr/mL、少なくとも約600nghr/mL、少なくとも約700nghr/mL、少なくとも約800nghr/mL、少なくとも約900nghr/mL、少なくとも約1,000nghr/mL、少なくとも約1,200nghr/mL、少なくとも1,600nghr/mL又は約15,000nghr/mLまでの式Iの化合物のAUC0-12を対象にもたらす量で対象に投与され得る。
【0282】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、8日目に、少なくとも約10ng/mL、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約40ng/mL、少なくとも約50ng/mL、少なくとも約60ng/mL、少なくとも約70ng/mL、少なくとも約80ng/mL、少なくとも約90ng/mL、少なくとも約100ng/mL、少なくとも120ng/mL又は約1,500ng/mLまでの式Iの化合物のCavgを対象にもたらす量で対象に投与され得る。
【0283】
いくつかの液体組成物は、約0.0001%(w/v)~約50%(w/v)、約0.01%(w/v)~約20%(w/v)、約0.01%~約10%(w/v)、約1%(w/v)~約3%(w/v)、約3%(w/v)~約5%(w/v)、約5%(w/v)~約7%(w/v)、約5%(w/v)~約15%(w/v)、約7%(w/v)~約10%(w/v)、約10%(w/v)~約15%(w/v)、約15%(w/v)~約20%(w/v)、約20%(w/v)~約30%(w/v)、約30%(w/v)~約40%(w/v)若しくは約40%(w/v)~約50%(w/v)の式Iの化合物又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意の量の式Iの化合物を含み得る。
【0284】
いくつかの液体剤形は、約10mg~約1000mg、約50mg~約1000mg、約10mg~約50mg、約50mg~約100mg、約40mg~約90mg、約200mg~約300mg、約70mg~約95mg、約100mg~約200mg、約105mg~約200mg、約110mg~約140mg、約180mg~約220mg、約280mg~約320mg、約200mg、約150mg若しくは約300mgの式Iの化合物又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意の量の式Iの化合物を含み得る。
【0285】
いくつかの固体組成物は、少なくとも約5%(w/w)、少なくとも約10%(w/w)、少なくとも約20%(w/w)、少なくとも約50%(w/w)、少なくとも約70%(w/w)、少なくとも約80%、約10%(w/w)~約30%(w/w)、約10%(w/w)~約20%(w/w)、約20%(w/w)~約30%(w/w)、約30%(w/w)~約50%(w/w)、約30%(w/w)~約40%(w/w)、約40%(w/w)~約50%(w/w)、約50%(w/w)~約80%(w/w)、約50%(w/w)~約60%(w/w)、約70%(w/w)~約80%(w/w)若しくは約80%(w/w)~約90%(w/w)の式Iの化合物又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意の量の式Iの化合物を含み得る。
【0286】
いくつかの固体剤形は、約10mg~約1000mg、約50mg~約1000mg、約10mg~約50mg、約50mg~約100mg、約40mg~約90mg、約200mg~約300mg、約70mg~約95mg、約100mg~約200mg、約105mg~約200mg、約110mg~約140mg、約50mg~約150mg、約180mg~約220mg、約280mg~約320mg、約200mg、約150mg若しくは約300mgの式Iの化合物又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意の量の式Iの化合物を含み得る。
【0287】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Iの化合物の約0.1μM~約10μM、約0.1μM~約5μM、約0.2μM~約3μM、0.1μM~約1μM、約0.2μM~約2μM、1μM~約10μM、約1μM~約5μM、約2μM~約3μM若しくは約2.8μM~約3μM、約1.5μM~約2μM、約4.5μM~約5μM、約2.5μM~約3μM、約1.8μM、約4.8μM、約2.9μM、約2.8μMの血漿レベル又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意の血漿レベルをもたらす容量で投与される。
【0288】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、8日目に、少なくとも約200nghr/mL、少なくとも約400nghr/mL、少なくとも約700nghr/mL、少なくとも約1,000nghr/mL、少なくとも約3,000nghr/mL、少なくとも約7,000nghr/mL、少なくとも約10,000nghr/mL、少なくとも約15,000nghr/mL、少なくとも約20,000nghr/mL、少なくとも約30,000nghr/mL、約50,000nghr/mLまで、約150,000nghr/mLまでの式Iの化合物のAUC0-12又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意のAUCを対象にもたらす量で対象に投与され得る。
【0289】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、8日目に、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約60ng/mL、少なくとも約90ng/mL、少なくとも約100ng/mL、少なくとも約150ng/mL、少なくとも約200ng/mL、少なくとも約300ng/mL、約1,000ng/mLまで、少なくとも約4,000ng/mL、約10,000ng/mLまで、約50,000ng/mLまでの式Iの化合物のCmax又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意のCmaxを対象にもたらす量で対象に投与される。
【0290】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、8日目に、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約50ng/mL、少なくとも約80ng/mL、少なくとも約90ng/mL、少なくとも約100ng/mL、少なくとも約150ng/mL、少なくとも約200ng/mL、少なくとも約300ng/mL、約1,000ng/mLまで、約5,000ng/mLまで、約30,000ng/mLまでの式Iの化合物のCavg又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意のCavgを対象にもたらす量で対象に投与される。
【0291】
DEX及び式Iの化合物の両方を含む組成物の場合、いくつかの液体は、約0.0001%(w/v)~約50%(w/v)、約0.01%(w/v)~約20%(w/v)、約0.01%~約10%(w/v)、約1%(w/v)~約3%(w/v)、約3%(w/v)~約5%(w/v)、約5%(w/v)~約7%(w/v)、約5%(w/v)~約15%(w/v)、約7%(w/v)~約10%(w/v)、約10%(w/v)~約15%(w/v)、約15%(w/v)~約20%(w/v)、約20%(w/v)~約30%(w/v)、約30%(w/v)~約40%(w/v)、約40%(w/v)~約50%(w/v)の又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意の量のDEX及び式Iの化合物の組み合わせを含み得る。いくつかの固体組成物は、少なくとも約5%(w/w)、少なくとも約10%(w/w)、少なくとも約20%(w/w)、少なくとも約50%(w/w)、少なくとも約70%(w/w)、少なくとも約80%、約10%(w/w)~約30%(w/w)、約10%(w/w)~約20%(w/w)、約20%(w/w)~約30%(w/w)、約30%(w/w)~約50%(w/w)、約30%(w/w)~約40%(w/w)、約40%(w/w)~約50%(w/w)、約50%(w/w)~約80%(w/w)、約50%(w/w)~約60%(w/w)、約70%(w/w)~約80%(w/w)、約80%(w/w)~約90%(w/w)の又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意の量のDEX及び式Iの化合物の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、単一組成物又は剤形中の式Iの化合物に対するDEXの重量比は、約0.1~約2、約0.2~約1、約0.1~約0.3、約0.2~約0.4、約0.3~約0.5、約0.5~約0.7、約0.8~約1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.45、約0.6、約0.9又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間の任意の比であり得る。
【0292】
治療的有効量の治療化合物は、環境に依存して変化し得る。例えば、DEXの1日用量は、いくつかの場合、約0.1mg~約1000mg、約40mg~約1000mg、約20mg~約600mg、約60mg~約700mg、約100mg~約400mg、約15mg~約20mg、約20mg~約25mg、約25mg~約30mg、約30mg~約35mg、約35mg~約40mg、約40mg~約45mg、約45mg~約50mg、約50mg~約55mg、約55mg~約60mg、約20mg~約60mg、約60mg~約100mg、約100mg~約200mg、約100mg~約140mg、約160mg~約200mg、約200mg~約300mg、約220mg~約260mg、約300mg~約400mg、約340mg~約380mg、約400mg~約500mg、約500mg~約600mgの範囲、約15mg、約30mg、約60mg、約120mg、約180mg、約240mg、約360mg又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間であり得る。DEXは、1日1回又はそれぞれ1日用量の約半分、3分の1、4分の1又は6分の1の量で、1日2回即ち12時間毎、1日3回、1日4回又は1日6回投与され得る。
【0293】
式Iの化合物の1日用量は、いくつかの場合、約10mg~約1000mg、約50mg~約600mg、約100mg~約2000mg、約50mg~約100mg、約70mg~約95mg、約100mg~約200mg、約105mg~約200mg、約100mg~約150mg、約150mg~約300mg、約150mg~約200mg、約200mg~約250mg、約250mg~約300mg、約200mg 約300mg、約300mg~約400mg、約400mg~約500mg、約400mg~約600mg、約360mg~約440mg、約560mg~約640mg若しくは約500mg~約600mgの範囲、約100mg、約150mg、約200mg、約300mg、約400mg、約600mg又は任意のこれらの値により区切られる範囲若しくは任意のこれらの値の間であり得る。式Iの化合物は、1日1回又は1日用量の約半分又は3分の1の量で、それぞれ1日2回若しくは12時間毎又は1日3回投与され得る。
【0294】
いくつかの実施形態では、1)約50mg/日~約100mg/日、約100mg/日~約150mg/日、約150mg/日~約300mg/日、約150mg/日~約200mg/日、約200mg/日~約250mg/日、約250mg/日~約300mg/日の式Iの化合物又は約300mg/日~約500mg/日の式Iの化合物、及び/又は2)約15mg/日~約60mg/日、約15mg/日~約30mg/日、約30mg/日~約45mg/日、約45mg/日~約60mg/日、約60mg/日~約100mg/日、約80mg/日~約110mg/日、約100mg/日~約150mg/日又は約100mg/日~約300mg/日のDEXが、それを必要とする対象に投与される。
【0295】
いくつかの実施形態では、約150mg/日の式Iの化合物及び約30mg/日のDEX、約150mg/日の式Iの化合物及び約60mg/日のDEX、約150mg/日の式Iの化合物及び約90mg/日のDEX、約150mg/日の式Iの化合物及び約120mg/日のDEX、約200mg/日の式Iの化合物及び約30mg/日のDEX、約200mg/日の式Iの化合物及び約60mg/日のDEX、約200mg/日の式Iの化合物及び約90mg/日のDEX、約200mg/日の式Iの化合物及び約120mg/日のDEX、約300mg/日の式Iの化合物及び約30mg/日のDEX、約300mg/日の式Iの化合物及び約60mg/日のDEX、約300mg/日の式Iの化合物及び約90mg/日のDEX又は約300mg/日の式Iの化合物及び約120mg/日のDEXが対象に投与される。
【0296】
いくつかの実施形態では、約100mg/日の式Iの化合物及び約15mg/日のDEXが対象に1、2又は3日間投与された後、約200mg/日の式Iの化合物及び約30mg/日のDEXが投与される。いくつかの実施形態では、約100mg/日の式Iの化合物及び約30mg/日のDEXが対象に1、2又は3日間投与された後、約200mg/日の式Iの化合物及び約60mg/日のDEXが投与される。
【0297】
いくつかの実施形態では、約75mg/日の式Iの化合物及び約15mg/日のDEXが対象に1、2又は3日間投与された後、約150mg/日の式Iの化合物及び約30mg/日のDEXが投与される。いくつかの実施形態では、約75mg/日の式Iの化合物及び約30mg/日のDEXが対象に1、2又は3日間投与された後、約150mg/日の式Iの化合物及び約60mg/日のDEXが投与される。
【0298】
式Iの化合物のような5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬は、疼痛、うつ病又は咳などの神経学的状態の処置に必要とされる限り投与され得る。いくつかの実施形態では、式Iの化合物及びDEXのような5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬は、少なくとも1日1回、例えば1日1回又は1日2回、少なくとも1日間、少なくとも3日間、少なくとも5日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも14日間、少なくとも30日間、少なくとも60日間、少なくとも90日間、少なくとも180日間、少なくとも365日間以上投与される。
【0299】
治療化合物は、例えば、不活性希釈剤又は食用担体と共に経口投与用に処方され得るか、又は硬若しくは軟シェルゼラチンカプセル剤に封入され得、錠剤に圧縮されるか、又は食事の食物に直接に組み込まれる。経口治療投与の場合、活性化合物は、賦形剤に組み込まれ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、縣濁液、シロップ剤、オブラート剤などの形態で使用され得る。
【0300】
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などは、以下の1つ以上も含み得る:ガムトラガカント、アカシア、コーンスターチ又はゼラチンなどの結合剤;リン酸二カルシウムなどの賦形剤;トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、アルギン酸などの錠剤崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;ショ糖、乳糖又はサッカリンなどの甘味剤又はペパーミント、ウィンターグリーンの油若しくはサクランボ香料などの香味剤。単位剤形がカプセルの場合、カプセルは、上記のタイプの材料に加えて、液体担体を含み得る。様々な他の材料がコーティングとして存在し得、例えば錠剤、丸剤又はカプセル剤はセラック、糖又はそれらの両方で被覆され得る。糖蜜又はエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤としてのショ糖、保存剤としてのメチル及びプロピルパラベン、色素及びサクランボ又はオレンジ風味などの香料を含み得る。剤形又は医薬組成物中の材料は、薬学的に純粋であり、使用される量で実質的に無毒であることが望ましい可能性がある。
【0301】
いくつかの組成物又は剤形は液体であり得るか、又は液体中に分散された固相を含み得る。
【0302】
治療化合物は、非経口又は経口投与用に処方され得る。遊離塩基又は薬理学的に許容され得る塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合される水中で調製され得る。分散物は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びそれらの混合物中に分散されるか、又はグリセロール、液体ポリエチレングリコール及びそれらの混合物に分散された油を有し得る。保存及び使用の通常の条件下で、これらの製剤は、微生物の増殖を防止するために保存剤を含み得る。
【0303】
アルツハイマー病(AD)などの認知症は、認知欠損を特徴とするが、精神神経症状(認知症の行動的及び心理的症状、BPSD)は、介護者の負担及び入院の主要な要因の1つである。BPSD症状の頻度は、疾病の進行と共に増加する(例えば、例として軽度及び中等度のADでは60%まで、重度のADでは90%まで)。
【0304】
現在市販されている認知症治療(法)は、BPSDだけでなく、他の非認知的関心領域を処置することに関しても、改善の余地が多い。疾患修飾療法が継続して存在しない場合、これは、敵意、攻撃性、徘徊性、性的に不適切な行動又は失禁のような症状が介護者及び家族に主要な問題を引き起こすため、一層重要であり、(費用のかかる)老人ホーム配置の予測因子である。
【0305】
看護及び介護を容易にするために(典型的又は非典型的)神経遮断薬を処方することは、一般的な世界的慣行である。しかしながら、FDAは神経遮断薬のオフラベル処方が認知症の対象の健康に重大な脅威をもたらすことを決定し、重篤な心血管有害事象及び死亡リスクの増加を挙げて、ブラックボックス警告を発した。リスペリドンのEUの承認は中等度~重度のAD患者において、自己又は他者に有害な場合にのみ、短期間の使用を可能にする。パーキンソン病では、神経遮断薬の抗コリン作用が、さらに、運動状態及び栄養神経系の症状を必然的に悪化させるため、非常に望ましくない。全ての認知症において、発作閾値を低下させることは神経遮断薬の別の稀であるが、非常に望ましくない潜在的な有害作用である。認知症における神経遮断薬の使用に関するこれらの懸念は、本質的に処置されていない軽度から中等度のAD患者の大部分においてBPSD症状を残す、このカテゴリーの患者における神経遮断薬の使用の減少をもたらす。
【0306】
したがって、いくつかの実施形態は、神経変性疾患及びその脳損傷(有機脳症候群及び慢性外傷性脳症などの後遺症を含む);慢性又は難治性疼痛、網膜症に関連する眼科的適応症、不安障害、外傷後ストレス障害、うつ病、糖尿病及び神経障害性疼痛を有する又は有さない末梢神経障害のようなその合併症、バーガー病、レイノー病、冠動脈疾患、狭心症、多梗塞性認知症などのCNSを含むアテローム性動脈硬化症、血管認知障害、血管認知症又はビンスワンガー病及び腎症の症候性及び疾患修飾処置において有用な新規組成物及び方法である。
【0307】
第1の態様において、DEXの代謝寿命を増大させる方法が提供され、この方法は、式Iの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬を、DEXを用いた処置を必要とする対象に投与することを含み、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬は、CYP2D6酵素の阻害剤であり、DEXは、M1と同時に対象の体内に存在する。
【0308】
第2の態様において、DEXによる処置に関連した有害事象を予防する方法が提供され、この方法は、式Iの5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬を、DEXを用いた処置を必要とする対象に共投与することを含み、対象は、DEXを用いた処置の結果としての有害事象を経験するリスクを有する。
【0309】
第3の態様において、精神神経疾患の処置におけるDEXの治療特性を改善するための、式Iの5HT2A受容体拮抗薬の使用方法が提供される。
【0310】
第4の態様において、精神神経疾患の処置方法が提供され、この方法は、式Iの5HT2A受容体拮抗薬及びDEXを、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0311】
第1、第2、第3及び第4の態様の実施形態において、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬は、式Iの化合物などのM1のプロドラッグ又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0312】
第1、第2及び第3の態様の実施形態において、5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬は、(R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-オール)又は(S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-オール)などのM1のエナンチオマー又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0313】
第3の及び第4の態様の実施形態において、精神神経疾患は、アルツハイマー病である。
【0314】
第5の態様において、それを必要とする対象においてDEXと組み合わせて使用するための5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬の選択方法が提供される。
【0315】
第5の態様の実施形態において、強力なCYP2D6阻害活性を有する5HT2A受容体拮抗薬の特定のエナンチオマーは、より高い血液脳関門貫通を有する。
【0316】
第5の態様の実施形態において、強力なCYP2D6阻害活性を有する5HT2A受容体拮抗薬の特定のエナンチオマーは、DEXと組み合わせて投与される場合、より良好な中枢対末梢効果の比を有し、中枢効果は、直接又は間接5HT2A受容体結合方法により評価される一方、末梢効果は、血糖測定に基づく方法により評価される。
【0317】
第5の態様の実施形態において、DEX及び選択された5-HT2A拮抗薬は、組み合わされた用量で投与され、投与されるDEXの量は、約20mg/日~約80mg/日を含む。
【0318】
第5の態様の実施形態において、DEXは、選択されたM1のエナンチオマーとの組み合わされた用量で投与され、投与されるM1エナンチオマーの量は、約0.1mg/日~約1000mg/日を含む。
【0319】
本発明の実施形態は、DEXを、それ自体が強力なCYP2D6阻害活性及び複数の治療的利益を有する5HT2A受容体拮抗薬と共に投与することによる、DEXの治療特性を増強する方法である。
【0320】
いくつかの実施形態は、約5mg/日~約600mg/日、約5mg/日~約300mg/日、約5mg/日~約400mg/日、約5mg/日~約500mg/日、約5mg/日~約600mg/日、約5mg/日~約1,000mg/日、約50mg/日~約1000mg/日、約100mg/日~約1000mg/日、約150mg/日~約1000mg/日、約150mg/日~約5000mg/日、約150mg/日~約300mg/日、又は約150mg/日~約100mg/日、又は必要とされる量の式Iの化合物及び約0.1mg/日~約1mg/日、約0.5mg/日~約15mg/日、約15mg/日~約60mg/日、約15mg/日~約120mg/日、約0.1mg/日~約200mg/日、又は任意のこれらの値により区切られる範囲、又は任意のこれらの値の間の任意の量の式Iの化合物又は必要とされる量のDEXを、それを必要とする対象に投与することを含む、疾病又は疾患の処置方法を含む。
【0321】
Borodkin, Book chapter: Ion-exchange resin delivery system, in“Polymers for Controlled Drug Delivery”, Tarcha, P J, Ed., CRC Press, Boca Raton, 1990;その全体が参照により組み込まれる)。本発明の組成物は、一般に知られている成分及び手順使用して、経口、局所、直腸、経膣、経鼻又は眼科投与のための任意の医薬剤形に処方することができ、シロップ剤及び縣濁液を含み、方法(米国特許第4,221,778号、米国特許第4,762,709号、米国特許第4,788,055号、米国特許第4,959,219号、米国特許第4,996,047号、米国特許第5,071,646号及び米国特許第5,186,930号;Borodkin, Book chapter: Ion-exchange resin delivery system, in“Polymers for Controlled Drug Delivery”, Tarcha, P J, Ed., CRC Press, Boca Raton, 1990;全体が参照により組み込まれる)は、本発明の組成物の処方に使用することができる。
【0322】
本発明は、経口、局所、直腸、経膣、経鼻又は眼科投与のための任意の医薬剤形に処方することができ、シロップ剤及び縣濁液を含み、様々な既知の方法を含む、医薬組成物を処方する一般に知られている成分及び手順は、当業者の範疇にある(米国特許第4,221,778号、米国特許第4,762,709号、米国特許第4,788,055号、米国特許第4,959,219号、米国特許第4,996,047号、米国特許第5,071,646号、米国特許第4,221,778号及び米国特許第5,186,930号;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を使用して、本発明の組成物を処方することができる。
【0323】
経口製剤及び錠剤製剤は、酸性腸溶コーティング材料を、酸感受性物質であるオメプラゾールから分離するための分離層を含む腸溶コーティング層状製剤を含む。HPC又は本明細書に開示した他の好適なポリマーを、記載される製剤におけるコア材料を腸溶コーティング層から分離する層に使用することができる。
【0324】
合成方法
その系統名がブタンジオン酸、モノ(2-(ジメチルアミノ)-1-((2-(2-(3-メトキシフェニル)エチル)フェノキシ)メチル)エチル)エステル、塩酸塩であるSGL塩酸塩(CAS番号:135159-51-2)は、多くの合成方法によって製造することができる(Chen et al., A practical synthesis of sarpogrelate hydrochloride and in vitro platelet aggregation inhibitory activities of its analogues, Chinese Chemical Letters, Volume 21, Issue 3, March 2010, Pages 287-28;J Med Chem 33(6) (1990);中国特許出願公開第103242179 A号;国際公開第2015008973号;全体が参照により組み込まれる)。
【0325】
2-ヒドロキシ-3’-メトキシビベンジルを、好適な溶媒中で塩基を用いてエピクロロヒドリンと反応させると、2-(2,3-エポキシシプロポキシ)-3’-メトキシビベンジルが得られ、これを好適な溶媒中で還流しながらジメチルアミンと反応させると2-[3-(ジメチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3’-メトキシビベンジルが得られる。最終的に、この化合物を、酸を含む好適な溶媒中で還流しながら無水コハク酸で処理する。
【化27】
【0326】
下記のスキームに示すように、2-ヒドロキシ-3’-メトキシビベンジルをDMF中で塩基NaHを用いてエピクロロヒドリンと反応させると、2-(2,3-エポキシシプロポキシ)-3’-メトキシビベンジルが得られ、これを還流THF中でジメチルアミンと反応させると、2-[3-(ジメチルアミノ)-2-ヒドロキシプロポキシ]-3’-メトキシビベンジルが得られる。最終的に、この化合物を還流THF中の無水コハク酸及びアセトン中のHClで処理する(J Med Chem 33(6)(1990)、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0327】
SGL塩酸塩を、Arbuzov反応、Wittig-Horner反応、触媒水素化によりサリチルアルデヒドから約46%の全収率で合成して2-2-(3-メトキシフェニル)エチルフェノールを得、これをエピクロロヒドリンとの反応に供し、アミノ化し、エステル化し、塩形成させた。
【0328】
許容可能な純度を達成するために必要とされる製剤SGL塩酸塩錠剤中に使用されるSGL塩酸塩原薬は、単一ヘテロ含有量が対応する要件を満たさなければならない。米国特許第4485258号は、第1のSGL塩酸塩の合成方法を開示し、アセトンから再結晶させて得たが、実験は、SGL塩酸塩がアセトン、アセトンへの溶解度に乏しく、塩酸塩は再結晶溶媒SGLとしては適していないことを示している。中国特許出願公開第101239920A号は、アセトニトリル、プロピオニトリル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジメチルスルホキシド又はそれらの2種超の混合物とメタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどは、再結晶溶媒SGL塩酸塩として使用でき、生成物の純度は98%に達し得ることを開示した。また、C2~10アルカン、C3~10ケトン、C2~10カルボン酸エステル、C1~10ハロゲン化アルカン、芳香族炭化水素又は芳香族誘導体は、室温から塩酸溶解度の還流温度が小さい場合、再結晶溶媒としてのSGL、塩酸SGL及び再結晶溶媒としての水又は有機溶媒としての単独SGLでは、5%以上の水性高純度生成物を得ることができない。既存の文献は、単一不純物含有量制御の問題について言及していない。
【0329】
SGLのエナンチオマー的に純粋な形態は、下記に示すように、選択される単一エナンチオマーの形成を誘導するキラルリガンドを使用して生成され得る。
【化28】
【0330】
キラル有機化合物は、医薬品、農薬及び有用な生物学的活性を有する他の材料において重要な役割を果たす。酵素及び他の天然結合部位は、特定のキラリティーを有する基質を認識して、様々な生物学的機能を生じる。これらの酵素又は受容体部位は、エナンチオマーがキラリティーに起因して異なる特性を示し得るため、それらの作用において特異的である。生物学的に活性な化合物の場合、エナンチオマーの一方のみが活性であり、他方は活性を欠くことが可能であるため、両方のエナンチオマーが活性であるがそれらは異なる効能を有するか、又はエナンチオマーの両方は同様若しくは等しい活性を有する。したがって、薬物のエナンチオマー的に純粋な分子の生成は興味深く、方法論は、3つの戦略を有する、1)分割、(2)キラル構築ブロックの使用、及び(3)不斉合成。不斉合成は、1つのキラル材料を使用して他を調製する、群を抜いて効率的な使用を提供する。
【0331】
生物学的関心対象のエナンチオマー的に純粋な分子の調製は、不斉合成により効果的に達成され得る。この方法は、キラル基質の影響下で、プロキラル出発材料から1つ以上のキラル中心を生成することを含む。エナンチオマー的に純粋な化合物の調製は、キラル補助剤、キラル試薬又はキラル触媒又はそれらの組み合わせの使用を含む。
【0332】
別の実施形態では、本開示の化合物は、(2R)-3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール及び(2S)-3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(スキームVIII)から調製され得る。
【0333】
マンデル酸、2-メチルマンデル酸、2-クロロマンデル酸、3-クロロマンデル酸、4-メトキシマンデル酸、O-アセチルマンデル酸、α-メトキシフェニル酢酸、リンゴ酸、酒石酸などの様々な多用途及び便利なキラルカルボン酸リガンドが文献で入手可能である。キラルリガンドは、容易に入手可能な構築ブロックから調製することができる。(Moloney et al., Chiral carboxylic acid ligands derived from camphoric acid, Tetrahedron: Asymmetry, Volume 7, Issue 9, September 1996, Pages 2551-2562;米国特許第7230135 B2号;Product: (S)-2-Amino-1,2,3,4-tetrahydro-6-methoxy-naphthalene, Chiral Quest Corp; Ager (Ed), CHAPTER I Chiral Hydroxy Compounds As Ligands In Asymmetric Synthesis, Handbook of Chiral Chemicals, Second Edition;Hu et al., Adventure in Asymmetric Hydrogenation: Synthesis of Chiral Phosphorus Ligands and Asymmetric Hydrogenation of Heteroaromatics, Top Organomet Chem 36:313-354 (2011);Ishihara et al., An extremely simple, convenient, and selective method for acetylating primary alcohols in the presence of secondary alcohols, J. Org. Chem., 58 (15), pp 3791-3793 (1993);Edwards et al., The stereoselective replacement of hydroxyl groups by chlorine, using the mesyl chloride-N,N-dimethylformamide reagent, Carbohydrate Research, Volume 35, Issue 1, Pages 111-129 (July 1974);全体が参照により組み込まれる)。
【0334】
ジアステレオマー化合物及び塩の形成は、好適な反応媒体中で行われる。好適な反応媒体は、水、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン及びキシレン及び/又はそれらの混合物を含む。
【0335】
SARPODEXTER(商標)及びSARPODEXAMIDE(商標)
アミド化/アシル化(http://www.organic-chemistry.org/synthesis/C1N/amides.shtm;https://chem.libretexts.org/Core/Organic_Chemistry/Amides/Synthesis_of_Amides;http://www.chemguide.co.uk/organicprops/amides/preparation.html;国際公開第1998043961号、全体が参照により組み込まれる)。
【0336】
上記のスキームのSARPODEXAMIDE(商標)誘導体の合成に使用され得るリンカーとしては、(Simplicio et al., Prodrugs for Amines, Molecules 13, 519-547 (2008);Mahato et al., Prodrugs for Improving Tumor Targetability and Efficiency, Adv Drug Deliv Rev. 63(8): 659-670 (2011 Jul 18);Jornada et al., The Prodrug Approach: A Successful Tool for Improving Drug Solubility, Molecules 21, 42 (2016);Jain et al., Mutual prodrugs containing bio-cleavable and drug releasable disulfide linkers, Bioorganic Chemistry 49C:40-48 (July 2013);米国特許出願公開第20130053301号、国際公開第2011089216A1号;国際公開第2006136586 A2号;米国特許第7932294号;米国特許出願公開第20060046967 A1号;米国特許第8357723号;米国特許第8349901号;米国特許第8354455号;米国特許第9550734号;米国特許出願公開第20160220694号;米国特許出願公開第20160002167号;米国特許出願公開第20150328323号;米国特許第9090563号;米国特許出願公開第20140058063号;米国特許出願公開第20130158271号;米国特許第8288557号;米国特許出願公開第20110274695号;国際公開第1998043961号に記載される;全体が参照により組み込まれる)リンカーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0337】
エステル化エステルは、カルボン酸から誘導される。カルボン酸はエステル中の-COOH基を含み、この基の水素は、アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロ-アリール基などの炭化水素基Rで置き換えられている。エステルは、カルボン酸が酸触媒の存在下でアルコールと共に加熱された際に生成される。触媒は酸、通常、濃硫酸である。いくつかの場合、乾燥塩化水素ガスが使用され得る。TsOH(トシン酸)も度々使用される。
【0338】
エステル化反応は、遅延及び可逆の両方である。酸RCOOHとアルコールR’OH(式中、R及びR’は、同じ又は異なり得る)との反応に関する式は、
【化29】

である。
【0339】
アルコールは、一般に溶媒として使用され、したがって大過剰で存在する。(http://www. chemguide.co.uk/organicprops/alcohols/esterification.html;http://www.organic-chemistry.org/ namedreactions/fischer-esterification.shtm;http://www.masterorganicchemistry.com/reaction-guide/conversion-of-carboxylic-acids-to-esters-using-acid-and-alcohols-fischer-esterification/;http://vigoschools.org/~mmc3/AP%20Lab/ap%20lab%20documents/Esterfication.pdf;http://science.jrank.org/pages/2573/Esterification.html https://chem.libretexts.org/Core/Organic_Chemistry/Carboxylic_Acids/Reactivity_of_Carboxylic_Acids/Fischer_Esterification;国際公開第1998043961号;全体が参照により組み込まれる)。
【0340】
SARPODEXTER(商標)
【化30】

本出願の組成物の製剤の別の実施形態では、ジアステレオマー的に純粋なSARPODEXTERは、ラセミサルポグレレートを穏やかなエステル化条件下で光学的に純粋なデキストロルファン(DO-H、化合物151)と反応させて、ジアステレオマーエステル、化合物165~166の混合物を得ることにより得ることができ、これらは、結晶化及び上記に述べたクロマトグラフィー技術並びにジアステレオマー的に純粋なSARPODEXTER165及び166を得るために本明細書に記載された技術により分離され得る。
【実施例
【0341】
実施例
SARPODEXAMIDE(商標)誘導体の調製
式Iの化合物又はサルポデキサミド(商標)誘導体は、デキストロメトルファンを単一異性体又はその混合物のいずれかとして、2,2,2-トリクロロエチルクロロホルメートと還流トルエン中で反応させてN-脱メチル化化合物を得ることにより得ることができる。
【化31】
【0342】
上記のトリクロロエトキシカルボニルを、氷酢酸中の粉末化亜鉛の存在下で加熱することにより、N-デスメチルデキストロメトルファンに変換することができる。
【0343】
上記のように得られ又は購入した(CAS番号:125-71-3)N-デスメチルデキストロメトルファンを、トリフルオロメタンスルホン酸無水物及びピリジンで室温で処理し得る(その全体が参照により本明細書に組み込まれるLiebigs Ann. Chem. 1986, 336及び国際公開第1998043961号に記載されるように)。
【0344】
光学的に純粋なサルポデキサミド
【化32】

スキームXIIIに示すように、アミド(S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-((4bS,8aS,9S)-3-メトキシ-6,7,8,8a,9,10-ヘキサヒドロ-5H-9,4b-(エピミノエタノ)フェナントレン-11-イル)-4-オキソブタノエート(化合物167)及び(R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-((4bS,8aS,9S)-3-メトキシ-6,7,8,8a,9,10-ヘキサヒドロ-5H-9,4b-(エピミノエタノ)フェナントレン-11-イル)-4-オキソブタノエート(化合物168)は、ヒューニッヒ塩基と組み合わせたHBTUを使用して、N-デスメチルデキストロメトルファンにより1~2時間アミド化することにより、サルポグレレートから得ることができる。ウロニウム塩(1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノモルホリノカルベニウムヘキサフルオロホスフェート(COMU)、エチル2-シアノ-2-(2-ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)アセテート(o-ノシルオキシ)、EDCI及びNaHCO、B(OCHCF、トリメチルアルミニウム、ランタントリフルオロメタンスルホネート、ZrOCl・8HO、塩化メタンスルホニル及びN-メチルイミダゾール、N,N’-カルボニルジイミダゾール(CDI)などの試薬を使用することができる。
【0345】
光学的に純粋なDEX、式I、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)塩
【化33】

化合物50及び化合物149は、クロロホルム又はジクロロメタン、DMFなどの他の好適な溶媒中でデキストロメトルファン(S)-4-((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)-4-オキソブタノエート(S-SARPODEX(商標)塩及びデキストロメトルファン(R)-4-((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)-4-オキソブタノエート(R-SARPODEX(商標)塩のジアステレオマー塩混合物を形成し、これは、DMFなどの好適な溶媒中での結晶化及び再結晶化及び/又は本明細書に参照及び記載されるクロマトグラフィー技術により分離することができる。
【0346】
一実施形態では、分離効率を向上させるために、イオン性液体を使用することによる化合物のジアステレオマーの調製のためのプロセスが提供される。例えば、液液抽出などのプロセスによりジアステレオマーが分離される際、1つ以上のイオン性液体が抽出剤として使用され得る。
【0347】
一実施形態では、この分離プロセスは、少なくとも一対のジアステレオマーの混合物を含む化合物に対して行われ得、ジアステレオマーは、混合物を、ジアステレオマーの一方が他方のジアステレオマーよりも高い程度で溶解できる少なくとも1つのイオン性液体と接触させることにより分離され、より低い溶解度のジアステレオマーを混合物から分離することができる。したがって、本明細書に開示した本発明は、ジアステレオマーの分離プロセス、そのようなプロセスの使用並びにそのようなプロセスにより得られ及び得ることができる生成物を含む。
【0348】
別の実施形態では、この分離プロセスは、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)塩のジアステレオマー混合物などの化合物に対して行うことができ、ジアステレオマーは、混合物を、ジアステレオマーの一方が他方のジアステレオマーよりも高い程度で溶解できる少なくとも1つのイオン性液体と接触させることにより分離され、より低い溶解度のジアステレオマーを混合物から分離する。
【0349】
さらなる別の実施形態では、抽出可能な溶媒として少なくとも1つのイオン性液体を使用して、液液抽出によりDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)のエリスロ又はスレオジアステレオマーを、両方のジアステレオマーを含む混合物から分離するためのプロセスが提供される。
【0350】
別の実施形態は、較正操作、洗浄操作、濯ぎ操作、乾燥操作、微粒子除去操作、溶媒操作、分散操作、熱伝達操作及び絶縁操作からなる群から選択される産業操作を実行するためのプロセスであり、このプロセスは、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)のジアステレオマー対を含む混合物を、ジアステレオマーの一方が他方のジアステレオマーよりも高い程度で溶解できる少なくとも1つのイオン性液体と接触させ、より低い溶解度のジアステレオマーを混合物から分離し、分離されたジアステレオマーを操作に使用することを含む。
【0351】
別の実施形態は、化合物におけるジアステレオマー対の一方のジアステレオマーを他方のジアステレオマーから分離するためのプロセスである。そのようなプロセスでは、イオン性液体を使用して分離を促進し、ジアステレオマーは、混合物を、ジアステレオマーの一方が他方のジアステレオマーよりも高い程度で溶解できる少なくとも1つのイオン性液体と接触させ、低い溶解度のジアステレオマーを混合物から分離することにより分離され得る。
【0352】
用語「イオン性液体」は、約100℃以下で流体である有機塩として定義される。
【0353】
「液液抽出」は、2つの不混和性液体相の間のそれらの分配による、溶液中の成分の分離プロセスである。液液抽出は、1つの液体相から第2の不混和性液体相への移動を含み、抽出剤又は溶媒を使用して行われる。
【0354】
液体混合物中の成分は、単一の平衡(又は理論)段階を使用するか、又は多段階を使用する液液抽出などのプロセスによって分離され得る。平衡又は理論段階は、濃度が平衡に近づき、続いて2つの不混和性液相を物理的に分離するように、供給物を不混和性液体と密接に混合することを可能にする装置である。単一段階装置は、供給物と不混和性抽出剤との密接な混合を可能にする分液漏斗又は撹拌容器であり得る。密接な混合に続いて、液相の一方又は両方を例えばデカンテーションによって回収することができる。
【0355】
液体分離のための多段装置は、交差流又は向流装置であり得る。多段装置では、供給物は第1の平衡段階に入り、抽出剤と接触する。2つの液相を混合し、1相の液滴を第2相に懸濁させ、次いで2相を分離し、第1段階からのDERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を追加の抽出剤と接触させ、分離プロセスを繰り返す。(1)DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、DERADEX(商標)、DERAPHAN(商標)又はSARPODEX(商標)を抽出剤と接触させるプロセス、(2)平衡濃度に近づけるプロセス、及び(3)目的の成分の所望の純度が達成されるまで液相を分離するプロセスを繰り返す。平衡段階の数は、所望の純度及び抽出剤中の成分の溶解度並びに供給物及び抽出剤の流速に依存する。
【0356】
交差流システム(又は装置)では、供給原料が最初に、第1の平衡段階で抽出剤と接触する。この段階からのDEX、式I、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)は、1つ以上の追加の段階を通ってカスケードダウンする。各段階で、組成物を新鮮な抽出剤と接触させ、組成物中の所望の成分のさらなる精製が達成される。組成物のスレオ異性体がイオン性液体1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート([BMIM][BF]を抽出剤として使用して精製される交差流システムの例である。向流システム又は装置では、抽出剤は供給物から最も遠い段階で入り、2つの相は互いを横切って通過し、2つの異なる(例えば、反対の)方向から来る。
【0357】
液液抽出に使用される装置は、「段階的」又は「連続(差動)接触」装置として分類することができる。段階的装置は、「ミキサー-セトラー」とも呼ばれる。液体の混合は、供給原料を抽出剤と接触させることによって行われ、得られた分散物は2つの相が分離することにつれて沈降する。混合はバッフル又は羽根車を使用して行うことができ、分離プロセスは、バッチ式又は連続流で行うことができる。セトラーは、デカンターのような単純な重力セトラーであり得るか、又は沈降を向上させるサイクロン若しくは遠心機であり得る。
【0358】
連続接触装置は、典型的には不混和性液体の多段階向流接触のために配置され、段階間で液体を互いから繰り返し分離することはない。その代わりに、液体は、装置を通過する間にわたって連続的に接触したままである。向流の流れは、液体の密度の差及び重力(垂直塔)又は遠心力(遠心抽出器)のいずれかによって維持される。重力作動式抽出器は、噴霧塔、充填塔又は多孔板(篩板)塔として分類することができる。重力作動塔は、当技術分野で知られているように、回転撹拌機を有する塔及びパルス塔も含む。
【0359】
本組成物の化合物のジアステレオマー、特に2,3-ジヒドロデカフルオロペンタンのトレオ異性体及びエリトロ異性体が液液抽出などのプロセスによって分離される場合、上記の装置のいずれかを使用して分離を行うことができる。好ましい一実施形態では、分離は、多孔板を有する垂直塔を使用して行われる。抽出剤及びより高い溶解度のジアステレオマーを含有する相からより低い溶解度のジアステレオマーを含有する相を分離した後、蒸留のようなプロセスにより、より高い溶解度のジアステレオマーを抽出剤から分離することができる。
【0360】
液液抽出による1つの液相から別個の不混和性相への物質の移動及びその中で使用するための装置は、以下のような情報源においてさらに論じられている。Robbins and Cusack,“Liquid-Liquid Extraction Operations and Equipment”in Perry’s Chemical Engineers’Handbook, 7th Ed., (McGraw-Hill, 1997, Section 15)、参照により組み込まれる。本明細書に記載される分離に適用可能なものと同じ又は同様の原理で作動する既知の液液抽出プロセスには、抽出剤としてエチルエーテル又は酢酸エチルを使用する、水からの酢酸の回収が含まれる(Brown, Chem. Engr. Prog. (1963) 59:65), and the recovery of phenolics from water with methyl isobutyl ketone as the extractant as described by Scheibel in“Liquid-Liquid Extraction”(Perry and Weissburg (eds), Separation and Purification, 3rd Ed. (1978) Chapter 3, John Wiley & Sons, Inc., Hoboken, NJ)、参照により組み込まれる。
【0361】
溶媒の誘電定数(溶媒が分割で使用される場合)は、結晶の形成、組成及びエナンチオマー認識を変化させる(Sakai et al., Tetrahedron: Asymmetry, 14, 3716 (2003);全体が参照により組み込まれる)。結晶ジアステレオ異性体の組成は、反応混合物のpHの影響も受ける(Fogassy et al., J. Chem. Res., S 11, 346 (1981);Fogassy et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans. 2. (1988)、全体が参照により組み込まれる)。ジアステレオ異性体の純度は、構造的に関連した分割剤の混合物を使用して改善され得る。これは度々、文献において「Ducth分割」と呼ばれる(Kellogg et al., Synthesis, 1626 (2003)、参照により組み込まれる)。ジアステレオ異性体塩が分画沈殿(fractionated precipitation)により分離できない場合、溶媒和物形成溶液からの分画沈殿により、その結晶溶媒和物を得ることが可能である(Schindler et al., Chirality, 19, 239 (2007)、参照により組み込まれる)。ジアステレオ異性体の分離に適していない溶媒が、溶媒和物形成溶液に構造的に部分的に類似した化合物を含有する場合(米国特許第214720号、Chem. Abs. 124, 117097 (1995);米国特許第2133894号;Chem. Abs. 139, 90595 (2001)、参照により組み込まれる)、ジアステレオ異性体塩の分画沈殿によってエナンチオマーの分離が可能になった(Palovics et al., Separation of the Mixtures of Chiral Compounds by Crystallization, Advances in Crystallization Processes, pp 1-37 (2012)、参照により組み込まれる)。
【0362】
エナンチオマー混合物を形成するラセミ体の溶融物の結晶化において、共晶組成は、通常、結晶化混合物及び油状残渣の組成を決定する。この共晶組成は、二元融点相図から知ることができる。最初の異性体組成(ee0)が共晶組成よりも高い場合、純粋な光学異性体は結晶化することができる。
【0363】
化合物のジアステレオマーを分離するために、イオン性液体又はそれらの2つ以上の混合物を本明細書のプロセスにおいて使用することができる。例えば、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)のジアステレオマーが液液抽出のようなプロセスによって分離される場合、使用される抽出剤は、イオン性液体又は2つ以上のイオン性液体の混合物であり得る。イオン性液体は、室温(約25℃)で液体である有機化合物である。それらは、それらが非常に低い融点を有し、一般に広い温度範囲にわたって液体である傾向があるという点で、ほとんどの塩と異なる。それらはまた、一般に、非極性炭化水素に溶解しない傾向があり;(アニオンに依存して)水と混和しない傾向があり;また高度にイオン化する傾向がある(しかし、低い絶縁耐力を有する)。イオン性液体は、本質的に蒸気圧を有さず、大部分は空気及び水に対して安定であり、中性、酸性又は塩基性のいずれでもあり得る。
【0364】
本明細書で有用なイオン性液体のカチオン又はアニオンは、原則として、カチオン及びアニオンが一緒になって約100℃以下で液体である有機塩を形成するような任意のカチオン又はアニオンであり得る。しかしながら、イオン性液体の特性は、カチオン及び/又はアニオンの同一性を変化させることによって調整することができる。例えば、イオン性液体の酸性度は、使用されるルイス酸のモル当量及び型及び組み合わせを変えることによって調節することができる。
【0365】
窒素-含有複素環式環、好ましくはヘテロ芳香族環をアルキル化剤(例えば、塩化アルキル)と反応させて第4級アンモニウム塩を形成し、イオン交換又は他の好適な反応を様々なルイス酸又はそれらのコンジュゲート塩基と行ってイオン性液体を形成することにより、多くのイオン性液体が形成される。好適なヘテロ芳香族環の例は、置換ピリジン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピロール及び置換ピロールを含む。これらの環は、事実上任意の直鎖、分枝鎖又は環式C1~20アルキル基によりアルキル化することができるが、好ましくは、アルキル基はC1~16基であり、これは、これを超える大きさの基は、イオン性液体ではなく低融点の固体を生成し得るためである。様々なトリアリールホスフィン、チオエーテル並びに環式及び非環式第4級アンモニウム塩も、この目的のために使用し得る。使用され得るカウンターイオンは、クロロアルミネート、ブロモアルミネート、塩化ガリウム、テトラフルオロボレート、テトラクロロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ナイトレート、トリフルオロメタンスルホネート、メチルスルホネート、p-トルエンスルホネート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネート、テトラクロロアルミネート、テトラブロモアルミネート、ペルクロレート、水酸化物アニオン、二塩化銅アニオン、三塩化鉄アニオン、三塩化亜鉛アニオン並びに様々なランタン、カリウム、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン及び他の金属-含有アニオンを含む。
【0366】
イオン性液体は、塩メタセシス、酸-塩基中和反応若しくは選択された窒素-含有化合物の第4級化によっても合成することができ、又はそれらはMerck(Darmstadt、Germany)若しくはBASF(Mount Olive、NJ)などのいくつかの会社から商業的に得ることができる。
【0367】
有用なイオン性液体の代表的な例は、J. Chem. Tech. Biotechnol., 68:351-356 (1997);Chem. Ind., 68:249-263 (1996);J. Phys. Condensed Matter, 5: (supp 34B):B99-B106 (1993);Chemical and Engineering News, Mar. 30, 1998, 32-37;J. Mater. Chem., 8:2627-2636 (1998);Chem. Rev., 99:2071-2084 (1999);及び米国特許出願公開第2004/0133058号及び米国特許出願公開第2004/0133058号;(これらの全ては参照により組み込まれる)などの情報源に記載されている。
【0368】
一実施形態では、イオン性液体のライブラリーは、特定のカチオン(第4級アンモニウムカチオンなど)の様々なアルキル誘導体を調製し、関連するアニオンを変更することにより調製され得る(米国特許出願公開第20090131728A1号、全体が参照により組み込まれる)。別の実施形態では、本発明のジアステレオマーは、固相抽出(SPE)手順における混合モード吸着剤を用いたカチオン交換により効率的に分離することができる。
【0369】
一実施形態では、ジアステレオマーは、抽出蒸留によって分離することができ、ここで、分離されるべき種々のジアステレオマーの分圧を異なる程度に変化させる補助剤は、蒸留によるジアステレオマーの良好な収率でのより容易な分離を可能にする。分離は、分留カラムを使用して、好ましくは約10-3bar~約1barの減圧下で達成することができる(米国特許第4874473 A号、米国特許出願公開第20070225505 A1号、全体が参照により組み込まれる)。
【0370】
一実施形態では、逆相(RP-HPLC)及び順相クロマトグラフィー(NP-HPLC)分離を用いて本発明のジアステレオマーを分離することができる。エナンチオマーの分離に使用できるカラムは、Primesep C、NUCLEOSIL、セルロースベースのキラルHPLC カラム、SHISEIDO Chiral CD-Phなどであり得る(Fekete et al., Compative Study Separation of Diastereomers by HPLC, Chromatographia, 57, No. 3/4 (2003 February)、米国特許第7119211 B2号、全体が参照により組み込まれる)。
【0371】
アダマンタンイルアミノ-4-オキソブタノエート誘導体
アミド及びエステル形成のための上記プロトコルを使用して、化合物50~52の誘導体を調製してアミド化合物1001~1006及びエステル化合物1007~1009を得ることができる。
【化34】

化合物1001 1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-(アダマンタン-1-イルアミノ)-4-オキソブタノエート;
化合物1002 (S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-(アダマンタン-1-イルアミノ)-4-オキソブタノエート;
化合物1003 (R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-(アダマンタン-1-イルアミノ)-4-オキソブタノエート;
化合物1004 (R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-((3,5-ジメチルアダマンタン-1-イル)アミノ)-4-オキソブタノエート;
化合物1005 1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-((3,5-ジメチルアダマンタン-1-イル)アミノ)-4-オキソブタノエート;
化合物1006 (S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-((3,5-ジメチルアダマンタン-1-イル)アミノ)-4-オキソブタノエート;
化合物1007 1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル(2,2,2-トリクロロ-1-(ジメトキシホスホリル)エチル)スクシネート;
化合物1008 (S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル(2,2,2-トリクロロ-1-(ジメトキシホスホリル)エチル)コハク酸塩;及び
化合物1008 (R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル(2,2,2-トリクロロ-1-(ジメトキシホスホリル)エチル)スクシネート。
【0372】
医薬製剤
本発明の組成物は、式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を好適な溶媒に添加し及び溶解することにより調製され得る。このように得られた溶液は、複合体ケイ酸マグネシウムアルミニウムに添加されて、ペースト剤様塊を形成する。前述のステップはほぼ室温で行われるが、所望であれば高温を用いることができる。続いて、塩化ナトリウム及びサッカリンナトリウムをペースト剤に添加し、全体に均一に分配する。食用着色及び:香味材料を調製方法の任意の段階で、系に組み込むことができる。別の実施形態では、可溶成分が第1のステップで調製された式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)溶液に添加される。このようにして得られたペースト剤は、従来の硬いキャンディー形成塊に容易に組み込むことができ、この塊は次に、従来の手順により、全体に均一に分配された治療的に有効な量の式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)をそれぞれ含む、魅力的な心地よい味のトローチ剤とすることができる。
【0373】
本明細書に提示する調製方法のバリエーションは、本発明の範囲内である。例えば、本発明の組成物の製造において、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋な式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)及び複合体ケイ酸マグネシウムアルミニウムを混合し、続いて好適な溶媒をそこに加えて、それと共にペースト剤を形成することができる。混合物をペースト剤に形成する前に、塩化ナトリウム及びサッカリンナトリウムをデキストロメトルファン-複合体ケイ酸マグネシウムアルミニウム混合物を添加することができる。代替的には、塩化ナトリウム及びサッカリンナトリウムは、ペースト剤に添加され得る。さらに、好適な香味剤及び着色剤を乾燥混合物又はペースト剤に添加し得る。本発明を実施する際、医薬使用に好適であり、且つ式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)が可溶な任意の医学的に許容され得る有機溶媒を使用することができる。したがって、例えばプロピレングリコール、グリセリン、l,3-ブチレングリコール、ベンジルアルコールなどの有機溶媒を使用することができる。本発明の組成物の実施形態において、saprodex(商標)用に溶媒としてベンジルアルコールが使用される。
【0374】
食用着色剤及び食用香味剤を本組成物の調製に使用することができる。使用に好適な香味剤としては、例えば、甘草、ショウガ、天然果実抽出物などが挙げられる。着色剤として、食品及び薬物中での使用に好適な任意の色を使用することができる。本発明の組成物の調製に使用される着色剤及び香味剤の量は、様々である。
【0375】
実施形態において、製剤は、約0.3g~約1.5g、約1.0g、の増粘剤;約1g~約10g、約2.5gの溶解剤としての1,2-プロピレングリコール;約0.12g~約0.19g又は0.15gのメチルパラベンなどの少なくとも1つのパラベン保存剤;約0.05g~約0.2g又は約0.1gのソルビン酸;約30g~約60g又は40gの糖アルコール溶液;約0.05~約0.2g又は0.1gの人工甘味料;約2.10gの所望の強度が得られる量(20ml成人12時間用量中60mgの式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)の均等物を送達するのに必要な1:6 複合体の量)の式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)-樹脂複合体;及び体積を100mlとするのに十分な水を含む。
【0376】
別の実施形態では、好適な増粘剤は、トラガカント;ベントナイト;アカシア及びセルロースの低級アルキルエーテル(セルロースエーテルのヒドロキシ及びカルボキシ誘導体を含む)を含む。例示的なパラベン保存剤は、C1~C4アルキルパラベン、即ちメチル、エチル、プロピル及びブチルパラベンである。一実施形態では、メチル及びプロピルパラベンの両方が、メチルパラベンとプロピルパラベンの比が約2.5:l~約7.5:lで、製剤中に存在する。別の実施形態では、メチルパラベンとプロピルパラベンの比は、4:1である。
【0377】
一実施形態では、人工甘味料は、サッカリン又はアスパルテームの形態である。一実施形態では、サッカリンは、サッカリン(sacharin)ナトリウムである。別の実施形態では、糖アルコールソルビトールなどの他の既知の甘味剤の均等な甘味量を、それに置き換え得る。
【0378】
別の実施形態では、製剤は、12時間毎に1用量投与された際、鎮咳有効量の式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を、そのような投与を必要とする患者に約12時間にわたって送達するのに十分な量の樹脂酸塩を含む。
【0379】
実施形態において、製剤は、薬物と樹脂比の比が1:6の場合、60mgの式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)の均等物を送達するために、成人用量20mlが約420mgの樹脂酸塩を含み、2.10gの樹脂酸塩が製剤100ml当たりに存在することを含む。投与量は、樹脂と複合体化していないデキストロメトルファンの投与に関して既知の投与量と同じように変更することができ、即ち1日1~4回の典型的なl5mg~30mg/用量のデキストロメトルファン臭化水素酸塩は、1日1~2回のS-20mlとなる。
【0380】
別の実施形態では、製剤は、NMDA受容体を遮断する無毒物質を含み、本発明によれば、デキストロメトルファン((+)-3-ヒドロキシ-Nメチルモルフィナン)、式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)又はその誘導体及びサプロデキシター(saprodexter)(商標)、その混合物及び薬学的に許容され得る塩である。
【0381】
別の実施形態では、製剤は、NMDA受容体を遮断する物質を含み、ジゾシルピン(5-メチル-10,11-ジヒドロ-5H-5,10-エピミノジベンゾ[a,d][7]アヌレン)、ケタミン(2-(2-クロロフェニル)-2-(メチルアミノ)シクロヘキサン-1-オン)、マグネシウム、セルフォテル((2S,4R)-4-(ホスホノメチル)ピペリジン-2-カルボン酸)、アプチガネル((E)-1-(3-エチルフェニル)-1-メチル-2-(ナフタレン-1-イル)グアニジン)、フェルバメート(2-フェニルプロパン-1,3-ジイルジカルバメート)、フェンシクリジン(1-(1-フェニルシクロヘキシル)ピペリジン)、アマンタジン(1-アミノアダマンチン)、メマンチン(3,5ジメチルアミノアダマントン)、ピロロキノリンキノン(PQQ、4,5-ジオキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-f]キノリン-2,7,9-トリカルボン酸)、(R)-(E)-4-(3-ホスホノプロパ-2-エニル)ピペラジン-2-カルボン酸、(R)-2-アミノ-5-ホスホノペンタノエート、(S)及び(R)6-(1Hテトラゾール-5-イルメチル)デカヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、(S)-a-アミノ-5-(ホスホノメチル)[1,19-ビフェニル]-3-プロパン酸、(S)及び(R)(6)-cis-4-(4-フェニルベンゾイル)ピペラジン-2,3-ジカルボン酸、cis-4-ホスホノメチル-2-ペペリジンカルボン酸、2R,4R,5S-(2-アミノ-4,5-(1,2-シクロヘキシル)-7-ホスホノヘプタン酸)及びcis-4-(ホスホノメチル)-2-ピペリジンカルボン酸、その混合物及び薬学的に許容され得る塩を含む。(米国特許第5,891,885号、Christie et al., Native N-Methyl-D-aspartate Receptors Containing NR2A and NR2B Subunits Have Pharmacologically Distinct Competitive Antagonist Binding Sites, The Journal Of Pharmacology And Experimental Therapeutics, Vol. 292, No. 3, pp 1169-74 (2000)、全体が参照により組み込まれる)。
【0382】
別の実施形態では、治療組成物は、少なくとも1つの他の薬理学的に活性な物質、例えばカフェイン(刺激物質)、メトクロプラミド、ドンペリドン、ベラドンナアルカロイドなどの制吐剤並びにクロルプロマジン、プロクロルペラジン及びプロメタジンなどのフェノチアジン、非麻薬性鎮痛薬、例えばアセトアミノフェン又は非ステロイド性抗炎症薬、例えばアスピリン、ジクロフェナク、ジフルシナル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサル(flufenisal)、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロフェン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、ゾメピラクなどを含む。
【0383】
本発明の化合物の合成
全反応は、特に明記しない限り、アルゴン雰囲気下で乾燥溶媒を用いて行った。乾燥クロロホルム(CHCl)、塩化メチレン(CHCl)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、DMF、DMSO、メタノール、エタノール及びアセトニトリル(CHCN)を購入又は調製した。市販の全試薬を購入し、さらに精製することなく使用した。反応は、シリカゲル板上の薄層クロマトグラフィー(TLC)(Merck TLC Silica Gel 60 F254)により、視覚化剤としてUV光、PMA(リンモリブデン酸のエタノール溶液)又はANIS(パラ-アニスアルデヒドのエタノール溶液)を使用して監視した。生成物の精製は、カラムクロマトグラフィーによりシリカゲル60(0.060~0.200mm)を通して行った。NMRスペクトルは、内部基準として残留非重水素化溶媒又はTMS(テトラメチルシラン)を使用してBruker AVANCE III 500 MHz(Bruker Corporation、Billerica、MA、USA)上で得た。高分解能質量スペクトル(HR-MS)はJEOL JMS-700(JEOL、Tokyo、Japan)でEI(電子衝撃)を使用して記録した。
【0384】
実施例1:デキストロメトルファンは、ベンジルイソキノリン(平面上構造を有する)からGreweの環化により合成して、対応するモルフィナンを与え、ここで、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-1-(4-メトキシベンジル)イソキノリンがN-ホルミル誘導体に変換され、N-ホルミルノルモルフィナンに環化され、ホルミル基がN-メチル基に還元されて3-メトキシ-17-メチルモルフィナンを与える。デキストロメトルファンは、エタノール96%に無制限に溶解し、本質的に水に不溶である。デキストロメトルファンは、臭化水素酸塩一水和物であるか、又はポリスチレンスルホン酸に基づくイオン交換樹脂結合され得る。水中のデキストロメトルファンの比旋光度は、+27.6°(20℃、ナトリウムD線)である。
【0385】
実施例2:等モルのサルポグレレート(429.506g/mol)及びデキストロメトルファン(271.40g/mol)を好適な溶媒中で混合し、振盪し、結晶化させた。式Iの化合物及びデキストロメトルファン正カチオンは、水素結合を形成して複合体を形成し、結晶化するであろう。
【0386】
実施例3:54.28gのデキストロメトルファンの1リットルのクロロホルムの溶液に、85.9gのサルポグレレートのクロロホルム溶液を70℃で加える。酢酸エチルを添加することにより温溶液から塩が沈殿する。冷却後、塩を収集し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥してd-3-メトキシ-N-メチルモルフィナン4-[1-ジメチルアミノ-3-[2-[2-(3-メトキシフェニル)エチル]フェノキシ]プロパン-2-イル]オキシ-4-オキソブタノエート塩を得、水性ジメチルホルムアミド(DMF)から再結晶させて、135gの式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を得る。
【0387】
実施例4:成分:15gの式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標);15gグリセリルトリステアレート;100ml四塩化炭素。製剤:グリセリルトリステアレートを55~60℃の温かい四塩化炭素に溶解する。次いで、式Iの化合物、その誘導体、SARPODEX(商標)又はその誘導体を加え、溶液中で懸濁させる。次いで、縣濁液を入口温度90℃及び出口温度40℃を用いて噴霧乾燥する。次いで、得られた被覆された平均 粒子サイズ約10~約200ミクロンを有する式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を、以下の水性ビヒクル中に懸濁させる。
成分:10.00gトラガカント、USP;1.20gメチルパラベン、USP;0.20gプロピルパラベン、USP;0.30gサッカリンナトリウム、USP;3.00gSucarylナトリウム、USP;250.00mLソルビン酸;1.00gメチルセルロース、15cps;2.00mLイミテーションクロスグリ;及び1000.00mL蒸留水。
【0388】
パラベン、サッカリンナトリウム、sucarylナトリウム及びソルビン酸を85℃に加熱した蒸留水の一部に溶解する。次いで、トラガカントをこの溶液に加え、均一に分散させる。分散物を再度加熱し、冷却し、次いでソルビトール溶液、メチルセルロースの水溶液及びイミテーションクロスグリを混合しながら加えてビヒクルを形成する。次いで、被覆した式Iの化合物、DERATINE(商標)、SARPOTINE(商標)、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)を上記のビヒクルに加え、粒子が完全に湿潤し、均一に分散するまで混合する。
【0389】
本発明の徐放性組成物は、有機溶媒に可溶で水に不溶な有機高分子材料100重量部と、脂溶性低分子離型助剤5~60重量部と、薬物1~70重量部とを含むことを特徴とする。
【0390】
一実施形態では、高分子材料は、生分解性又は生体適合性又は両方であり、例えば生分解性脂肪族ポリエステル又は脂肪族ポリ(カーボネート)、ポリ(乳酸)、乳酸-グリコール酸コポリマー、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)などである。
【0391】
一実施形態では、離型助剤は、カルボン酸エステル、グリセリンのモノエステル又はジエステルである。別の実施形態では、離型助剤は、コハク酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などから選択される有機酸のエステル又はグリセリンのモノアセテートエステル若しくはジアセテートエステルである。
【0392】
一実施形態では、組成物は、医療デバイスの表面上の細胞接着材料又は内皮化促進剤をさらに含み得る。
【0393】
一実施形態では、本発明において、本開示の組成物を含有することを特徴とする薬物放出性医療デバイスである。薬物放出性医療デバイスは、表面上に組成物の層を形成するか、生体と接触するか、又は生体内に組み込まれ若しくは留置される。デバイスは、ステント、カテーテル、クリップ、臓器置換医療デバイス、カプセルセンサ又は人工臓器を含む。一実施形態におけるステントは冠状動脈狭窄を処置し、組成物を表面から徐々に放出するために使用される。放出速度は、ステント留置後21日目に1/10μg/mm/h~1μg/mm/hである。加えて、本発明のステントは、徐放される薬物がステントを構成する金属の表面に被覆された高分子材料又は多孔質ステント基質に担持されていることを特徴とする。
【0394】
ステントの表面上に被覆された高分子材料は、非晶質である。ステントの表面上に被覆された高分子材料は、非晶質生分解性高分子材料である。高分子材料は、生分解性であるポリ(乳酸)又は乳酸-グリコール酸コポリマーである。高分子材料は、運ばれるべき薬物の放出を促進する放出補助剤をさらに含む。薬物の放出を促進する補助剤は、酒石酸エステル又はリンゴ酸エステル又はグリセリンのモノエステル若しくはジエステルである。ステントを構成する金属の表面は多孔質体であり得、上記の徐放薬物は多孔質体に担持され得る。一実施形態では、多孔質体は直径が0.01nm~300nmの孔径を有する。
【0395】
実施例5:光学的に純粋なサルポマレート:リンゴ酸は、我々が毎日食べる多くの食品の成分である。リンゴ酸は種々の果実において天然に存在する有機化合物として見出されるが、多くは、種々の疾患を処置するのと同様に、全体的な健康を増加させるためにリンゴ酸サプリメントを摂取することを選択する。今日、この酸は、食品添加物及び防腐剤として最も一般的に使用されている。リンゴ酸は、適切な量で使用される場合、穏やかで比較的無害な酸である。栄養補助食品としては、健康に有益であると一般に考えられており、リンゴジュース中に大量に存在する。しかしながら、サプリメントを摂取する場合と同様に、推奨される摂取量を超えてはならない(http://www.newsmax.com/FastFeatures/Malic-Acid-Benefits-Health-Supplements/2015/03/31/id/635519/、参照により組み込まれる)。不斉炭素を有する天然有機化合物は、通常、光学活性物質として存在し、エナンチオマーとは著しく異なる生理活性を示す。
【0396】
リンゴ酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、使用したM1及びリンゴ酸に応じてそれぞれラセミ又はジアステレオマー的に純粋なサルポマレートを得る(化合物25~29)。ラセミサルポマレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、ジアステレオマー的に純粋なサルポマレートを得ることができる。
【0397】
実施例6:光学的に純粋なサルポメチオネート:メチオニン(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、使用したM1及びメチオニンに応じてそれぞれラセミ又はジアステレオマー的に純粋なサルポメチオネートを得る(化合物30~34)。ラセミサルポメチオネートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、ジアステレオマー的に純粋なサルポメチオネートを得ることができる。
【0398】
実施例7:光学的に純粋なサルポフタレート:フタル酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、使用したM1及びフタル酸に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポフタレートを得、化合物35~37を得る。ラセミサルポフタレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、ジアステレオマー的に純粋なサルポマレートを得ることができる。
【0399】
実施例8:光学的に純粋なサルポマロネート:マロン酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポマロネートを得、化合物38~40を得る。ラセミサルポマロネートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポマロネートを得ることができる。
【0400】
実施例9:光学的に純粋なサルポチロシネート:チロシン(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポチロシネートを得、化合物41~43を得る。ラセミサルポチロシネートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポチロシネートを得ることができる。
【0401】
実施例10:光学的に純粋なサルポトリプトファネート:トリプトファン(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポトリプトファネートを得、化合物44~46を得る。ラセミサルポトリプトファネートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポトリプトファネートを得ることができる。
【0402】
実施例11:光学的に純粋なサルポマレエート:マレイン酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポマレエートを得、化合物47~49を得る。ラセミサルポマレエートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポマレエートを得ることができる。
【0403】
実施例12:光学的に純粋なサルポグレレート:コハク酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポグレレートを得、化合物50~52を得る。ラセミサルポグレレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポグレレートを得ることができる。
【0404】
実施例13:光学的に純粋なサルポグルタレート:グルタル酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポグルタレートを得、化合物53~55を得る。ラセミサルポグルタレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポグルタレートを得ることができる。
【0405】
実施例14:光学的に純粋なサルポアジペート:アジピン酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポアジペートを得、化合物56~58を得る。ラセミサルポアジペートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポアジペートを得ることができる。
【0406】
実施例15:光学的に純粋なサルポピメレート:ピメリン酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポピメレートを得、化合物59~61を得る。ラセミサルポピメレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポピメレートを得ることができる。
【0407】
実施例16:光学的に純粋なサルポセバケート:セバシン酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポセバケートを得、化合物62~64を得る。ラセミサルポセバケートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポセバケートを得ることができる。
【0408】
実施例17:光学的に純粋なサルポホルメート:ギ酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポホルメートを得、化合物65~67を得る。ラセミサルポホルメートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポホルメートを得ることができる。
【0409】
実施例18:光学的に純粋なサルポアセテート:酢酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポアセテートを得、化合物68~70を得る。ラセミサルポアセテートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポアセテートを得ることができる。
【0410】
実施例19:光学的に純粋なサルポプロピオネート:プロピオン酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポプロピオネートを得、化合物71~73を得る。ラセミサルポプリオピオネート(sarpopriopionate)は、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポプロピオネートを得ることができる。
【0411】
実施例20:光学的に純粋なサルポブチレート:酪酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポブチレートを得、化合物74~76を得る。ラセミサルポブチレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポブチレートを得ることができる。
【0412】
実施例21:光学的に純粋なサルポバレレート:吉草酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポバレレートを得、化合物77~79を得る。ラセミサルポバレレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポバレレートを得ることができる。
【0413】
実施例22:光学的に純粋なサルポカプロエート:カプロン酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポカプロエートを得、化合物80~82を得る。ラセミサルポカプロエートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポカプロエートを得ることができる。
【0414】
実施例23:光学的に純粋なサルポエナンテート:エナント(enanthoic)(ヘプタン)酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポエナントエートを得、化合物62~64を得る。ラセミサルポエナントエートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポエナントアテートを得ることができる。
【0415】
実施例24:光学的に純粋なサルポカプリレート:カプリル酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポカプリレートを得、化合物86~88を得る。ラセミサルポカプリレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポカプリレートを得ることができる。
【0416】
実施例25:光学的に純粋なサルポペラルゴネート:ペラルゴン酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポペラルゴネートを得、化合物89~91を得る。ラセミサルポペラルゴネートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポペラルゴネートを得ることができる。
【0417】
実施例26:光学的に純粋なサルポカプレート:カプリン酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポカプレートを得、化合物92~94を得る。ラセミサルポカプレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポカプレートを得ることができる。
【0418】
実施例27:光学的に純粋なサルポオキサレート:シュウ酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポオキサレートを得、化合物95~97を得る。ラセミサルポオキサレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポオキサレートを得ることができる。
【0419】
実施例28:光学的に純粋なサルポイソフタレート:イソフタル酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポイソフタレートを得、化合物98~100を得る。ラセミサルポイソフタレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポイソフタレートを得ることができる。
【0420】
実施例29:光学的に純粋なサルポテレフタレート:テレフタル酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポテレフタレートを得、化合物101~103を得る。ラセミサルポテレフタレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポテレフタレートを得ることができる。
【0421】
実施例30:光学的に純粋なサルポサリチレート:サリチル酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポサリチレートを得、化合物104~106を得る。ラセミサルポサリチレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポサリチレートを得ることができる。
【0422】
実施例31:光学的に純粋なサルポアセチルサリチレート:アセチルサリチル酸(0.55mmol、1.1当量)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.55mmol、1.1当量)及び4-ジメチルアミノピリジンを0℃で、ラセミ体又はエナンチオマー的に純粋なM1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に加え、30分間かけて25℃に加熱し、混合物を25℃で18~24時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈する。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮する。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、M1に応じてそれぞれラセミ又は光学的に純粋なサルポアセチルサリチレートを得、化合物107~109を得る。ラセミサルポアセチルサリチレートは、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポアセチルサリチレートを得ることができる(Park et al., Aspirination of α-Aminoalcohol (Sarpogrelate M1), Molecules 21(9), 1126 (2016);全体が参照により組み込まれる)。
【0423】
実施例32:M1(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)又はCHCN(5mL)中の撹拌溶液に、アスピリン(0.55mmol、1.1当量)及び1,1~カルボニルジイミダゾール(CDI、0.60mmol、1.2当量)を25℃で加えた。混合物を12時間撹拌し、CHCl(40mL)及び飽和水性NH4Cl(25mL)で希釈した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して、化合物107を得た。ラセミサルポアセチルサリチレート化合物107は、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポアセチルサリチレート108及び109を得ることができる。
【0424】
実施例33:M1(0.50mmol、1.0当量)のTHF(5mL)中の撹拌溶液に、アセチルサリチル酸(0.75mmol、1.5当量)、トリフェニルホスフィン(0.75mmol、1.5当量)及びジイソプロピルエチルアミンアゾジカルボキシレート(DIAD、0.75mmol、1.5当量)を0℃で加えた。混合物を同じ温度で1時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をEtOAc(30mL)及び飽和水性NHCl(15mL)で希釈した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して化合物107を得た。ラセミサルポアセチルサリチレート化合物107は、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポアセチルサリチレート108及び109を得ることができる。
【0425】
実施例34:アセチルサリチレート(1.00mmol、2.0当量)のCHCl(5mL)中の撹拌溶液に、塩化オキサリル(CHCl中2 M、0.60mL、1.20mmol、2.4当量)及びジメチルホルムアミド(DMF、8.0μL、0.10mmol、0.2当量)を0℃で加えた。次いで、温度を徐々に25℃に上昇させた。混合物を同じ温度で12時間撹拌した。次いで、M1 3(0.50mmol、1.0当量)のCHCl(5mL)中の別の撹拌溶液にピリジン(0.24mL、3.0mmol、6.0当量)及び以前調製した塩化アスピリニル溶液を加えた。混合物をさらに12時間撹拌し、CHCl(50mL)及び飽和NaHCO水溶液(30mL)で希釈した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc)により精製して化合物107を得た。ラセミサルポアセチルサリチレート化合物107は、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポアセチルサリチレート108及び109を得ることができる。
【0426】
実施例35:サリチル酸エステル(241mg、0.536mmol、1.0当量)のピリジン(2mL)中の撹拌溶液に、AcO(76μL、0.81mmol、1.5当量)を0℃で加えた。温度を25℃に上昇させた。混合物を同じ温度で12時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(30mL)で希釈し、HO(10mL)で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc=1:2)により精製して化合物107(239mg、90%収率)を得た。ラセミサルポアセチルサリチレート化合物107は、結晶化及び/又はキラルクロマトグラフィーにより精製して、光学的に純粋なサルポアセチルサリチレート108及び109を得ることができる。
【0427】
実施例36
【化35】

1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル2-アセトキシベンゾエート(化合物163):無色油;R=0.25(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc 1:1);H-NMR(500MHz,CDCl):δ=7.99(dd,J=1.6Hz,J=7.9Hz,1H),7.53-7.50(m,1H),7.18(ddd,J=1.1Hz,J=7.9Hz,J=7.9Hz,1H),7.18-7.14(m,2H),7.10-7.06(m,2H),6.89-6.86(m,2H),6.77(d,J=7.7Hz,1H),6.72-6.71(m,2H),5.56-5.51(m,1H),4.28-4.22(m,2H),3.75(s,3H),2.92-2.71(m,6H),2.32(s,6H),2.30(s,3H)ppm;13C-NMR(125MHz,CDCl):δ=169.7,163.9,159.7,156.5,150.9,144.1,134.0,131.9,130.5,130.3,129.3,127.4,126.1,123.9,123.4,121.0,120.9,114.2,111.39,111.37,71.2,67.6,59.4,55.2,46.4,36.5,32.8,21.1ppm;HRMS(EI):C2933NO[M]に対する計算値:491.2308,実測値491.2310.
【0428】
実施例37
【化36】

1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イルアセテート(化合物164):無色油;R=0.19(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc 1:2);H-NMR(500MHz,CDCl):δ=7.21(t,J=7.8Hz,1H),7.16(ddd,J=1.7Hz,J=7.8Hz,J=7.8Hz,1H),7.11(dd,J=1.7Hz,J=7.4Hz,1H),6.87(ddd,J=1.0Hz,J=7.4Hz,J=7.4Hz,1H),6.84(t,J=8.9Hz,2H),6.78(t,J=1.9Hz,1H),6.76-6.73(m,1H),5.39-5.34(m,1H),4.19-4.09(m,2H),3.80(s,3H),2.91-2.84(m,4H),2.69-2.61(m,2H),2.30(s,6H),2.05(s,3H)ppm;13C-NMR(125MHz,CDCl):δ=170.8,159.7,156.5,144.2,130.5,130.3,129.4,127.4,121.0,120.9,114.3,111.3,111.2,70.4,67.7,59.7,55.3,46.4,36.6,33.2,21.4ppm;HRMS(EI):C2229NO[M]に対する計算値:371.2097,実測値371.2095.
【0429】
実施例38
【化37】

1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル-2-ヒドロキシベンゾエート(化合物165)無色油;R=0.23(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc 2:1);H-NMR(500MHz,CDCl):δ=10.69(s,1H),7.83(dd,J=1.7Hz,J=8.0Hz,1H),7.44-7.41(m,1H),7.20-7.16(m,2H),7.11(dd,J=1.6Hz,J=7.4Hz,1H),6.96(dd,J=0.9Hz,J=8.4Hz,1H),6.91-6.88(m,2H),6.81-6.77(m,1H),6.76-6.72(m,3H),5.70-5.66(m,1H),4.30-4.29(m,2H),3.76(s,3H),2.91-2.82(m,6H),2.40(s,6H)ppm;13C-NMR(125MHz,CDCl):δ=169.6,161.8,159.7,156.3,144.0,136.0,130.5,130.4,130.1,129.4,127.4,121.2,120.9,119.4,117.8,114.3,112.5,111.3,111.2,71.2,67.6,59.4,55.2,46.1,36.5,32.8ppm;HRMS(EI):C2731NO[M]に対する計算値:449.2202,実測値449.2200.
【0430】
実施例39
【化38】

2-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロピル2-アセトキシベンゾエート(化合物166):無色油;R=0.20(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc 1:1);H-NMR(500MHz,CDCl):δ=7.98(dd,J=1.6Hz,J=7.8Hz,1H),7.55(ddd,J=1.7Hz,J=7.8Hz,J=7.8Hz,1H),7.28(ddd,J=1.1Hz,J=7.7Hz,J=7.7Hz,1H),7.21-7.17(m,2H),7.13(dd,J=1.5Hz,J=7.4Hz,1H),7.11(dd,J=1.0Hz,J=8.1Hz,1H),6.92-6.88(m,2H),6.81(d,J=7.7Hz,1H),6.75-6.73(m,2H),4.62-4.53(m,2H),4.20-4.12(m,2H),3.77(s,3H),3.29-3.24(m,1H),2.95-2.85(m,4H),2.51(s,6H),2.31(s,3H)ppm;13C-NMR(125MHz,CDCl):δ=169.9,164.3,159.7,156.5,150.9,144.0,134.1,131.7,130.4,130.3,129.4,127.4,126.1,124.0,123.2,121.0,120.9,114.2,111.4,111.1,65.7,62.8,62.0,55.2,42.6,36.6,32.6,21.1ppm;HRMS(EI):C2933NO[M]に対する計算値:491.2308,実測値491.2309.
【0431】
実施例40:D-化合物を形成するためのH-化合物の重水素化:H-化合物(本発明の化合物、約1.25mmol)を9.00mL DOで最終濃度25mMに希釈した3mLの100mM pH=7重水素化リン酸緩衝生理食塩水(D-PBS)に溶解する。100mM D-PBS pH=7(pH紙)緩衝液を、259.5mgのKPQをDO(12.00mL)に溶解し、264μLのDO中の20% DClを加えることにより調製する。反応混合物を室温で11日間振盪すると共に、水素/重水素(HID)交換の完了をLC/MSにより監視する。
【0432】
小規模の後処理を行って、重水素化化合物の塩酸塩を調製する。故に、反応混合物の1.2mLアリコート(総体積の10%)を5mL飽和NaHCOで希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出する。有機層をNa2S04上で乾燥し、濾過する。溶媒の蒸発により20mgの無色油を得た。これをジオキサン中の4M HCl数滴を加えることによりHCl塩に変換する。塩をエーテルで粉砕し、溶媒を蒸発させて重水素化化合物HCl塩を得た。9.6mLアリコート(総体積の80%)を40mL飽和NaHCOで希釈し、EtOAc(200mL)で1回抽出する。有機層をNaSO上で迅速に乾燥する。溶媒の蒸発により化合物を得、これを冷凍庫内に保存する。
【0433】
実施例41:粗サルポグレレート塩酸塩の調製:1-ジメチルアミノ-3-[2-[2-(3-メトキシフェニル)エチル]フェノキシ]-2-プロパノール塩酸塩A 250ml 13.7g及び水25mlを一口フラスコ内にとり、撹拌して溶解した。溶液を20%水酸化ナトリウム水溶液で処理してpH約9~約14とし、30mlのトルエンで抽出し、有機層を減圧下で50℃で濃縮して茶色油を得、これを30mLのテトラヒドロフランに溶解した。次いで、ブチリル無水物4.5gを加え、撹拌しながら約1~約4時間加熱還流し、減圧下で乾燥するまで40℃で濃縮した。酢酸エチル(25mL)を加えて残留物を溶解し、約50-60分間撹拌しながら酢酸エチル溶液中の飽和塩化水素を滴加してPH1以下に調整して、サルポグレレート塩酸塩粗物質の湿潤生成物を得、減圧下で(-0.08~-0.1MPa)45~55℃で乾燥して、粗サルポグレレート塩酸塩14.7g、収率86%、HPLC純度98.6%を得た。
【0434】
実施例42:粗塩酸サルポグレレートの精製:粗サルポグレレート塩酸塩5gをブタノン(20mL)に溶解し、溶解するまで撹拌しながら加熱し、20~30分間還流し、25-35℃に冷却し、40~60分間撹拌を継続し、濾過し、フィルターケーキを少量のメチルエチルケトンで濯いで白色の緩い固体、55~65℃を得、減圧下で24時間乾燥してサルポグレレート塩酸塩4.6g、収率92%、HPLC純度99.9%を得た。
【0435】
実施例43:粗塩酸サルポグレレートの精製:ブタノン30ml中の粗サルポグレレート塩酸塩5gを、溶解するまで撹拌しながら加熱し、20~30分間還流し、25~35℃に冷却し、40~60分間撹拌しながらインキュベートし、濾過し、フィルターケーキを少量のメチルエチルケトンで濯いで白色の緩い固体、55~65℃を得、減圧下で24時間乾燥して、4.55サルポグレレート塩酸塩、収率91%、HPLC純度99.7%を得た。
【0436】
実施例44:粗塩酸サルポグレレートの精製:ブタノン40ml中の粗サルポグレレート塩酸塩5gを、溶解するまで撹拌しながら加熱し、20~30分間還流し、25~35℃に冷却し、40~60分間撹拌しながらインキュベートし、濾過し、フィルターケーキを少量のメチルエチルケトンで濯いで白色の固体、55~65℃を得、減圧下で24時間乾燥して、サルポグレレート塩酸塩4.5g、収率90%、HPLC純度99.8%を得た。
【0437】
実施例45:粗塩酸サルポグレレートの精製:粗生成物はサルポグレレート塩酸塩5gであり、ブタノン20mlと一緒にし、溶解するまで撹拌しながら加熱し、20~30分間還流し、撹拌しながら室温にゆっくり冷却し、-10℃で結晶化させ、濾過し、フィルターケーキを少量のメチルエチルケトンで濯いで、55~65℃の白色綿毛状固体を得、減圧下で24時間乾燥して、塩酸サルポグレレート4.62g、収率92.4%、HPLC純度99.2%、最大単一物質含有量0.09%を得た。
【0438】
サルポグレレートエナンチオマー:本明細書に記載の化合物のエナンチオマーは、クロマトグラフィー技術を用いて分離することができる。キラル固定相(CSP)上のクロマトグラフィーによるエナンチオマーの分取は、エナンチオ選択的合成及び酵素触媒変換のようなより従来のアプローチの有用な代替法であると認識されている(Francotte, Enantioselective chromatography as a powerful alternative for the preparation of drug enantiomers, Journal of Chromatography A, Volume 906, Issues 1-2, Pages 379-397 (12 January 2001);Rajendran, et al., Simulated moving bed chromatography for the separation of enantiomers, Journal of Chromatography A, Volume 1216, Issue 4, Pages 709-738 (23 January 2009);Maier et al., Separation of enantiomers: needs, challenges, perspectives, Journal of Chromatography A, Volume 906, Issues 1-2, Pages 3-33 (12 January 2001);Miller et al., Chromatographic resolution of the enantiomers of a pharmaceutical intermediate from the milligram to the kilogram scale, Journal of Chromatography A, Volume 849, Issue 2, Pages 309-317 (23 July 1999);Andersson et al., Preparative chiral chromatographic resolution of enantiomers in drug discovery, Journal of Biochemical and Biophysical Methods, Volume 54, Issues 1-3, Pages 11-23 (31 December 2002);Pirkle et al., Chapter 6 Separation of Enantiomers by Liquid Chromatographic Methods, Asymmetric Synthesis, pp 87-124, in Volume 1: Analytical Methods covers the major analytical methods used to determine enantiomeric ratios, by Morrison (ed), Elsevier, (December 2, 2012);全体が参照により組み込まれる)。本発明のラセミ体は、この技術によって分析スケールから分取スケールまで分割することができる。
【0439】
シミュレートされた移動床クロマトグラフィーは、実験室からパイロット生産プラントまで、全ての生産スケールで実現可能な、本発明の化合物のエナンチオマーの分離に使用することができる(Juza et al., Simulated moving-bed chromatography and its application to chirotechnology, Trends in Biotechnology, Volume 18, Issue 3, Pages 108-118 (1 March 2000)、全体が参照により組み込まれる)。
【0440】
実施例46:サルポグレレート塩酸塩((-)-4-((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-エトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イルオキシ)-4-オキソブタノエート)のエナンチオマーの分離:サルポグレレート塩酸塩を、XBridge(登録商標)C18 3.5μm、2.1×50 mmカラムにより移動相:0.01% TFA中の10% MeCNから0.01% TFA中の95% MeCNへの勾配溶出を用いて流速0.5ml/分で、UV254nmで分離して、5.30mgのエナンチオマー(99% HPLC純度)を得た。NMR:400MHz1H-NMR(C0300,ppm)7.20-7.14(m,2H)7.11(dd,J=7.4,1.6Hz,1H)6.94-6.87(m,2H)6.79-6.71(m,3H)5.70-5.62(m,1H)4.18(dd,J=10.6,4.1Hz,1H)4.15(dd,J=10.6,4.7Hz,1H)3.75(S,3H)3.70(dd,J=13.8,10.1Hz,1H)3.54(dd,J=13.8,2.3Hz,1H)2.98(s,6H)2.96-2.77(m,4H)2.76-2.53(m,4H).ESI-MS,m/z):429[M+H]+.融点(℃):155-156.旋光度,α[D]:-20.0(c0.33,MeOH).
【0441】
実施例47:デキストロメトルファンマレート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をリンゴ酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0442】
実施例48:デキストロメトルファンメチオネート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をメチオニン又はN-アシルメチオニン(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0443】
実施例49:デキストロメトルファンフタレート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をフタル酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0444】
実施例50:デキストロメトルファンマロネート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をマロン酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0445】
実施例51:デキストロメトルファンチロシネート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をチロシン又はN-アシルチロシン(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0446】
実施例52:デキストロメトルファントリプトファネート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をトリプトファン又はN-アシルトリプトファン(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0447】
実施例53:デキストロメトルファンマレエート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をマレイン酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0448】
実施例54:デキストロメトルファンスクシネート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をコハク酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0449】
実施例55:デキストロメトルファングルタレート/グルタメート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をグルタル酸、グルタミン酸又はN-アシルグルタミン酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0450】
実施例56:デキストロメトルファンアジペート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をアジピン酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0451】
実施例57:デキストロメトルファンピメレート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をピメリン酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0452】
実施例58:デキストロメトルファンセバケート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をセバシン酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0453】
実施例59:デキストロメトルファンホルメート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をギ酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0454】
実施例60:デキストロメトルファンアセテート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液を酢酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0455】
実施例61:デキストロメトルファンプロピオネート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をプロピオン酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0456】
実施例62:デキストロメトルファンブチレート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液を酪酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0457】
実施例63:デキストロメトルファンバレレート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液を吉草酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0458】
実施例64:デキストロメトルファンカプロエート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をカプロン酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0459】
実施例65:デキストロメトルファンエナンテート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をエナント(ヘプタン)酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0460】
実施例66:デキストロメトルファンカプリレート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をカプリル酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0461】
実施例67:デキストロメトルファンペラルゴネート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をペラルゴン酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0462】
実施例68:デキストロメトルファンカプレート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をカプリン酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0463】
実施例69:デキストロメトルファンオキサレート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をシュウ酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0464】
実施例70:デキストロメトルファンイソフタレート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をイソフタル酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0465】
実施例71:デキストロメトルファンテレフタレート:遊離塩基デキストロメトルファン(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をテレフタル酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0466】
実施例72:デキストロメトルファンサリチレート:遊離塩基(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をサリチル酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0467】
実施例73:デキストロメトルファンアセチルサリチレート:遊離塩基(0.05モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液をアセチルサリチル酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。
【0468】
実施例74~96:デキストロメトルファン並びにFDIc及びFDIdを含む式I化合物から選択される化合物の二酸付加塩(化合物219~269):遊離塩基(FDIc又はFDId)(0.25モル)及びデキストロメトルファン(0.25モル)を20mlのアセトンに溶解し、この溶液を二又は三酸(0.05モル)の60mlの温水の溶液に加え、次いで反応混合物を冷却して、濾過により結晶を分離し、乾燥する。二及び三酸には、アジピン酸、アスパラギン酸、N-アシルアスパラギン酸、クエン酸、フマル酸、ガラクトン酸、グルタル酸、グルタミン酸、N-アシルグルタミン酸、グルカル酸(サッカリン酸)、リンゴ酸、マレイン酸、マンノン酸、ムチン酸、シュウ酸、ピメリン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ラムノン酸、セバシン酸、コハク酸及び酒石酸が含まれるが、これらに限定されない。このようにして、以下のような付加塩を形成する。
【0469】
実施例74(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのアジピン酸付加塩。
【0470】
実施例75(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのアスパラギン酸付加塩。
【0471】
実施例76(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのN-アシルアスパラギン酸、付加塩。
【0472】
実施例77(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのクエン酸付加塩。
【0473】
実施例78(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのフマル酸付加塩。
【0474】
実施例79(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのガラクトン酸付加塩。
【0475】
実施例80(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのグルタル酸付加塩。
【0476】
実施例81(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのグルタミン酸付加塩。
【0477】
実施例82(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのN-アシルグルタミン酸付加塩。
【0478】
実施例83(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのグルカル酸(サッカリン酸)付加塩。
【0479】
実施例84(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのリンゴ酸付加塩。
【0480】
実施例85(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのマレイン酸付加塩。
【0481】
実施例86(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのマンノン酸付加塩。
【0482】
実施例87(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのムチン酸付加塩。
【0483】
実施例88(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのシュウ酸付加塩。
【0484】
実施例89(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのピメリン酸付加塩。
【0485】
実施例90(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのフタル酸付加塩。
【0486】
実施例91(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのイソフタル酸付加塩。
【0487】
実施例92(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのテレフタル酸付加塩。
【0488】
実施例93(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのラムノン酸付加塩。
【0489】
実施例94(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのセバシン酸付加塩。
【0490】
実施例95(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンのコハク酸付加塩。
【0491】
実施例96(FDIc又はFDId)及びデキストロメトルファンの酒石酸付加塩。
【0492】
実施例97 化合物901((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルイソプロピル(S)-ホスホロフルオリデート。
【0493】
実施例98 化合物902(((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルイソプロピル(S)-ホスホロフルオリデート。
【0494】
実施例99 化合物903(((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルイソプロピル(S)-ホスホロフルオリデート。
【0495】
実施例100 化合物904((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル(3,3-ジメチルブタン-2-イル)(R)-ホスホロフルオリデート。
【0496】
実施例101 化合物905 sec-ブチル((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(R)-ホスホロフルオリデート。
【0497】
実施例102 化合物906 sec-ブチル((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(R)-ホスホロフルオリデート。
【0498】
実施例102 化合物907 O-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルO-(4-ニトロフェニル)ホスホロチオエート。
【0499】
実施例103 化合物908 O-((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルO-(4-ニトロフェニル)ホスホロチオエート。
【0500】
実施例104 化合物909 O-((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルO-(4-ニトロフェニル)ホスホロチオエート。
【0501】
実施例105 化合物910 O-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)(ジメチル-l3-オキシダニル)ホスホノジチオエート。
【0502】
実施例106 化合物911 O-((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)(ジメチル-l3-オキシダニル)ホスホノジチオエート。
【0503】
実施例107 化合物912 O-((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)(ジメチル-l3-オキシダニル)ホスホノジチオエート。
【0504】
実施例108 化合物913(E)-3-クロロ-4-(ジエチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン-2-イル(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)メチルホスフェート。
【0505】
実施例109 化合物914(E)-3-クロロ-4-(ジエチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン-2-イル((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)メチルホスフェート。
【0506】
実施例110 化合物915(E)-3-クロロ-4-(ジエチルアミノ)-4-オキソブタ-2-エン-2-イル((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)メチルホスフェート。
【0507】
実施例111 化合物916 O-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-(2-(エチルスルフィニル)エチル)O-メチルホスホロチオエート。
【0508】
実施例112 化合物917 O-((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-(2-(エチルスルフィニル)エチル)O-メチルホスホロチオエート。
【0509】
実施例113 化合物918 O-((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-(2-(エチルスルフィニル)エチル)O-メチルホスホロチオエート。
【0510】
実施例114 化合物919 O-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルS-((エチルチオ)メチル)ホスホロジチオエート。
【0511】
実施例115 化合物920 O-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルS-((エチルチオ)メチル)ホスホロジチオエート。
【0512】
実施例116 化合物921 O-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルS-((エチルチオ)メチル)ホスホロジチオエート。
【0513】
実施例117 化合物922 S-((6-クロロ-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチル)O-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルホスホロジチオエート。
【0514】
実施例118 化合物923 S-((6-クロロ-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチル)O-((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルホスホロジチオエート。
【0515】
実施例119 化合物924 S-((6-クロロ-2-オキソベンゾ[d]オキサゾール-3(2H)-イル)メチル)O-((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルホスホロジチオエート。
【0516】
実施例120 化合物925 S-((tert-ブチルチオ)メチル)O-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルホスホロジチオエート。
【0517】
実施例121 化合物926 S-((tert-ブチルチオ)メチル)O-((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルホスホロジチオエート。
【0518】
実施例122 化合物927 S-((tert-ブチルチオ)メチル)O-((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-エチルホスホロジチオエート。
【0519】
実施例123 化合物928 O-(4-((4-(((((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メトキシ)(メトキシ)ホスホロチオイル)オキシ)フェニル)チオ)フェニル)O,O-ジメチルホスホロチオエート。
【0520】
実施例124 化合物929 O-(4-((4-((((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メトキシ)(メトキシ)ホスホロチオイル)オキシ)フェニル)チオ)フェニル)O,O-ジメチルホスホロチオエート。
【0521】
実施例125 化合物930 O-(4-((4-((((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メトキシ)(メトキシ)ホスホロチオイル)オキシ)フェニル)チオ)フェニル)O,O-ジメチルホスホロチオエート。
【0522】
実施例126 化合物931((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルトリエチルジホスフェート。
【0523】
実施例127 化合物932(((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルトリエチルジホスフェート。
【0524】
実施例128 化合物933(((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルトリエチルジホスフェート。
【0525】
実施例129 化合物934((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルメチル(2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)ホスホネート。
【0526】
実施例130 化合物935(((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルメチル(2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)ホスホネート。
【0527】
実施例131 化合物936(((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルメチル(2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)ホスホネート。
【0528】
実施例132 化合物937 2-クロロ-1-(2,4,5-トリクロロフェニル)ビニル(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)水素ホスフェート。
【0529】
実施例133 化合物938 2-クロロ-1-(2,4,5-トリクロロフェニル)ビニル((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)水素ホスフェート。
【0530】
実施例134 化合物939 2-クロロ-1-(2,4,5-トリクロロフェニル)ビニル((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)水素ホスフェート。
【0531】
実施例135 化合物940 O-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-メチルアセチルホスホラミドチオエート。
【0532】
実施例136 化合物941 O-((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-メチルアセチルホスホラミドチオエート。
【0533】
実施例137 化合物942 O-((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-メチルアセチルホスホラミドチオエート。
【0534】
実施例138 化合物943(O-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-プロピルホスホロチオイック)(O,O-ジプロピルホスホロチオイック)無水物。
【0535】
実施例139 化合物944(O-((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-プロピルホスホロチオイック)(O,O-ジプロピルホスホロチオイック)無水物。
【0536】
実施例140 化合物945(O-((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-プロピルホスホロチオイック)(O,O-ジプロピルホスホロチオイック)無水物。
【0537】
実施例141 化合物946 O-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-メチルアセチルホスホラミドチオエート。
【0538】
実施例142 化合物947 O-((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-メチルアセチルホスホラミドチオエート。
【0539】
実施例143 化合物948 O-((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)S-メチルアセチルホスホラミドチオエート。
【0540】
実施例144 化合物949 メタン(1:1)を有するO-(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-メチルS-((4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)メチル)ホスホロジチオエート化合物。
【0541】
実施例145 化合物950 メタン(1:1)を有するO-((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-メチルS-((4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)メチル)ホスホロジチオエート化合物。
【0542】
実施例146 化合物951 メタン(1:1)を有するO-((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)O-メチルS-((4-オキソベンゾ[d][1,2,3]トリアジン-3(4H)-イル)メチル)ホスホロジチオエート化合物。
【0543】
実施例147 化合物952 2-クロロエチル(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(R)-ホスホロフルオリデート。
【0544】
実施例148 化合物953 2-クロロエチル((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(R)-ホスホロフルオリデート。
【0545】
実施例149 化合物954 2-クロロエチル((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(R)-ホスホロフルオリデート。
【0546】
実施例150 化合物955 3-クロロブタン-2-イル(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(R)-ホスホロフルオリデート。
【0547】
実施例151 化合物956 3-クロロブタン-2-イル((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(R)-ホスホロフルオリデート。
【0548】
実施例152 化合物957 3-クロロブタン-2-イル((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(R)-ホスホロフルオリデート。
【0549】
実施例153 化合物958((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル(S)-((((E)-クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホノフルオリデート。
【0550】
実施例154 化合物959((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル(S)-((((E)-クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホノフルオリデート。
【0551】
実施例156 化合物960((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル(S)-((((E)-クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホノフルオリデート。
【0552】
実施例157 化合物961 2-クロロエチル(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(E)-(((クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホロフルオリデート。
【0553】
実施例158 化合物962 2-クロロエチル((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(E)-(((クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホロフルオリデート。
【0554】
実施例159 化合物963 2-クロロエチル((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(E)-(((クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホロフルオリデート。
【0555】
実施例160 化合物964 1-クロロプロパン-2-イル(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(E)-(((クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホロフルオリデート。
【0556】
実施例161 化合物965 1-クロロプロパン-2-イル((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(E)-(((クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホロフルオリデート。
【0557】
実施例162 化合物966 1-クロロプロパン-2-イル((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(E)-(((クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホロフルオリデート。
【0558】
実施例163 化合物967 3-クロロブタン-2-イル(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(E)-(((クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホロフルオリデート。
【0559】
実施例164 化合物968 3-クロロブタン-2-イル((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(E)-(((クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホロフルオリデート。
【0560】
実施例165 化合物969 3-クロロブタン-2-イル((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(E)-(((クロロフルオロメチレン)アミノ)オキシ)ホスホロフルオリデート。
【0561】
実施例166 化合物970((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルメチル(2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)ホスホネート。
【0562】
実施例167 化合物971((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルメチル(2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)ホスホネート。
【0563】
実施例168 化合物972((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチルメチル(2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)ホスホネート。
【0564】
実施例169 化合物973 メタン(1:1)を有する4-(tert-ブチル)-2-クロロフェニル(((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)メチルホスホラミデート化合物。
【0565】
実施例170 化合物974 メタン(1:1)を有する4-(tert-ブチル)-2-クロロフェニル((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)メチルホスホラミデート化合物。
【0566】
実施例171 化合物975 メタン(1:1)を有する4-(tert-ブチル)-2-クロロフェニル((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)メチルホスホラミデート化合物。
【0567】
実施例172 化合物976((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル(3-メチル-4-(メチルチオ)フェニル)イソプロピルホスホラミデート。
【0568】
実施例173 化合物977((((S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル(3-メチル-4-(メチルチオ)フェニル)イソプロピルホスホラミデート。
【0569】
実施例174 化合物978((((R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)メチル(3-メチル-4-(メチルチオ)フェニル)イソプロピルホスホラミデート。
【0570】
実施例175 化合物829((2,(-)-[1R,2S,4R]-2-(2-ジメチルアミノエトキシ)-2-フェニル-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン)フマレート(米国特許第4,342,762 A号;Ladanyi L et al., Stereochemistry and enantiomeric purity of a novel anxiolytic agent, deramciclane fumarate. Chirality 11:689-93 (1999)、参照により組み込まれる)。化合物829のフマル酸塩を3ステップ合成スキームにより、容易に入手可能な低コストの出発材料(樟脳)を使用して、非常に高いエナンチオマー純度(>99.9%)で調製し得る。3.9g(0.1g原子)のカリウム金属を100mlの無水キシレンに加え、混合物を23.04g(0.1モル)の(+)-2-フェニル-1,7,7-トリメチル-ビシクロ(2,2,l)ヘプタン-2-オールと激しい撹拌下で反応させる。水素ガスの形成が停止した際、10.3g(0.11モル)のl-ジメチルアミノ-2-クロロ-エタジー(ethaJie)の30mlの無水キシレンの溶液を、さらなる撹拌下で導入する。反応混合物を100℃で6時間保持した後、50mlの水で3回洗浄し、15g(0.1モル)の酒石酸の80mlの水溶液又は0.11モルの希釈塩酸水溶液で抽出する。水性相を、20%の水酸化カリウムの水溶液で、冷却下で(0~5℃で)pH10にアルカリ性化する。油として分離した塩基をエーテルで抽出する。溶媒を留去した後、残留物を真空下で分留により精製するか、又は塩形成に使用する。収率:25.2g(D.6%)の薄黄色油、BP:131°-135℃./26.7Pa、フマル酸水素塩、m.p.:180°-182℃。エナンチオマー分離は、Chiralcel OD(250×4.6mm;10μm)上のHPLC及び移動相としてのヘキサン-エタノール(99.5:0.5により室温で行う。化学式:C24H35NO5。分子量:417.55。元素分析:計算値:C:69.03%、H:8.45%、N:3.35%、実測値:C:69.05%、H:8.59%、N:3.44%。
【0571】
化合物829は、臨床的に関連する用量で、二重5-HT2A/5-HT2C受容体逆作動薬であり、これらの受容体の下方調節を誘導しない(Paelvimaeki EP et al., Deramciclane, a putative anxiolytic drug, is a serotonin 5-HT2C receptor inverse agonist but fails to induce 5-HT2C receptor down-regulation. Psychopharmacology (1998)136:99-104)。デラムシクランは、ドーパミンD受容体に対して少なくとも10倍選択的である(Gacsalyi I et al., Receptor binding profile and anxiolytic-type activity of deramciclane (EGIS-3886)in animal models. Drug Dev Res (1997)40:333-348)。ドーパミン作動性モデルにおける化合物829の広範な評価は、これらの受容体結合データの機能的意義を明らかにしていない。化合物829は、少なくとも治療的に関連する暴露をカバーする用量範囲内までプロラクチンを上昇させることは見出されていない(Laine K et al., Effect of the novel anxiolytic drug deramciclane on the pharmacokinetics and pharmacodynamics of the CYP3A4 probe drug buspirone. Eur J Clin Pharmacol (2003)59: 761-766)。
【0572】
化合物829は、前臨床的に広範に特徴付けられており、CNSがデラムシクランの薬力学的活性を標的とすることが多くの証拠により示されている。Gacsalyi及び同僚(Gacsalyi I et al., Receptor binding profile and anxiolytic-type activity of deramciclane (EGIS-3886)in animal models. Drug Dev Res (1997)40:333-348)は、5-HT2A/5-HT2C受容体逆作動薬に典型的なデラムシクランにより誘導される効果のプロファイルを記載している。化合物829のN-デスメチル誘導体は、化合物829のプロファイルと同様のプロファイルを有する生物学的に活性な代謝産物である。
【0573】
CNS内の5-HT2A受容体を標的とする化合物829の能力は、動物(Paelvimaeki EP et al., Deramciclane, a putative anxiolytic drug, is a serotonin 5-HT2C receptor inverse agonist but fails to induce 5-HT2C receptor down-regulation. Psychopharmacology (1998)136:99-104)及びヒト(Kanerva H et al., Brain 5-HT2A receptor occupancy of deramciclane in humans after a single oral administration--a positron emission tomography study. Psychopharmacology (1999)145:76-81)の両方において直接実証されている。
【0574】
CNS内の5-HT2A受容体を標的とする化合物829の能力は、ラットにおいて脈絡叢に対する[3H]メスレルギン結合を用いて直接実証されている(Paelvimaeki EP et al., Deramciclane, a putative anxiolytic drug, is a serotonin 5-HT2C receptor inverse agonist but fails to induce 5-HT2C receptor down-regulation. Psychopharmacology (1998)136:99-104)。[3H]メスレルギン結合のほぼ最大の阻害を生じる化合物829の用量(0.5mg/kg)は、動物モデルで有効性をもたらす用量の低い範囲である(Gacsalyi I et al., Receptor binding profile and anxiolytic-type activity of deramciclane (EGIS-3886)in animal models. Drug Dev Res (1997)40:333-348)。したがって、化合物829は、ヒト抗うつ、抗不安、食欲刺激及び他の効果を生じることが予想され、これらの全ては認知症を有する患者において治療的に関連する(Jensen NH et al., Therapeutic potential of 5-HT2C receptor ligands. ScientificWorldJournal. 2010 Sep 14;10:1870-85;Meltzer HY et al., Serotonin receptors as targets for drugs useful to treat psychosis and cognitive impairment in schizophrenia. Curr Pharm Biotechnol. 2012 Jun;13(8):1572-86)。
【0575】
化合物829について、全般性不安障害を有する患者の臨床試験による治療的効果のエビデンスが存在し(Naukkarinen H et al., Deramciclane in the treatment of generalized anxiety disorder: a placebo-controlled, double-blind, dose-finding study. Eur Neuropsychopharmacol (1999)15:617-23)、化合物829がその標的に関与することができるCNS活性化合物であるという主張を裏付ける。治療企図解析対象集団(n=208)では、デラムシクラン30mg/日及び60mg/日用量の両方が、処置の8週間後にハミルトン不安評価尺度HAM-A総スコアにおいて臨床的に関連する改善を提供し、60mg/日用量群(p=0.024、n=54)でプラセボ(n=51)Vと比較して統計的有意性に達し、30mg/日群(p=0.059、n=53)で明らかな傾向を示したが、10mg/日群(n=54)ではそうではなかった。HAM-A精神不安因子について、デラムシクラン30mg/日及び60mg/日処置群の患者で、プラセボ群の患者と比較して有意な改善が見られた。
【0576】
化合物829は、デシプラミンを基質として使用するヒトにおける研究に基づくCYP 2D6阻害剤でもある。この無作為化二重盲検クロスオーバー試験では、15人の健康対象は60mg/日化合物829又はプラセボのいずれかを8日間受容した。各試験相の8日目に、対象は100-mg単回用量のデシプラミンを受容した。化合物829の反復投与は、デシプラミンのAUCを2倍にした(Laine K et al., Effect of the novel anxiolytic drug deramciclane on cytochrome P(450)2D6 activity as measured by desipramine pharmacokinetics. Eur J Clin Pharmacol (2004)59:893-898、参照により組み込まれる)。
【0577】
実施例176 化合物1001 1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-(アダマンタン-1-イルアミノ)-4-オキソブタノエート:化学式:C34H46N2O5;正確な質量:562.34;分子量:562.75;m/z:562.34(100.0%)、563.34(36.8%)、564.35(3.9%)、564.35(2.7%)、564.34(1.0%);元素分析:C、72.57;H、8.24;N、4.98;O、14.21;沸点:1300.87[K];融点:890.75[K];臨界温度:1176.29[K];臨界圧:8.99[Bar];臨界体積:1685.5[cm3/mol];ギブズエネルギー:126.8[kJ/mol];Log P:5.06;MR:160.74[cm3/mol];ヘンリーの法則:16.03;生成熱:-719.51[kJ/mol];tPSA:77.1;CLogP:6.5154;CMR:16.1393;LogS:-6.845;pKa:8.362。
【0578】
実施例177 化合物1002(S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-(アダマンタン-1-イルアミノ)-4-オキソブタノエート:化学式:C34H46N2O5;正確な質量:562.34;分子量:562.75;m/z:562.34(100.0%)、563.34(36.8%)、564.35(3.9%)、564.35(2.7%)、564.34(1.0%);元素分析:C、72.57;H、8.24;N、4.98;O、14.21;沸点:1300.87[K];融点:890.75[K];臨界温度:1176.29[K];臨界圧:8.99[Bar];臨界体積:1685.5[cm3/mol];ギブズエネルギー:126.8[kJ/mol];Log P:5.06;MR:160.74[cm3/mol];ヘンリーの法則:16.03;生成熱:-719.51[kJ/mol]l tPSA:77.1;CLogP:6.5154;CMR:16.1393;LogS:-6.845;pKa:8.362。
【0579】
実施例178 化合物1003(R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-(アダマンタン-1-イルアミノ)-4-オキソブタノエート:化学式:C34H46N2O5;正確な質量:562.34;分子量:562.75;m/z:562.34(100.0%)、563.34(36.8%)、564.35(3.9%)、564.35(2.7%)、564.34(1.0%);元素分析:C、72.57;H、8.24;N、4.98;O、14.21;沸点:1300.87[K];融点:890.75[K];臨界温度:1176.29[K];臨界圧:8.99[Bar];臨界体積:1685.5[cm3/mol];ギブズエネルギー:126.8[kJ/mol];Log P:5.06;MR:160.74[cm3/mol];ヘンリーの法則:16.03;生成熱:-719.51[kJ/mol]l tPSA:77.1;CLogP:6.5154;CMR:16.1393;LogS:-6.845;pKa:8.362。
【0580】
実施例179 化合物1004(R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-((3,5-ジメチルアダマンタン-1-イル)アミノ)-4-オキソブタノエート:化学式:C36H50N2O5;正確な質量:590.37;分子量:590.81;m/z:590.37(100.0%)、591.38(38.9%)、592.38(7.4%)、592.38(1.0%);元素分析:C、73.19;H、8.53;N、4.74;O、13.54;沸点:1347.11[K];融点:961.09[K];臨界温度:1191.88[K];臨界圧:8.46[Bar];臨界体積:1793.5[cm3/mol];ギブズエネルギー:132.66[kJ/mol];Log P:6;MR:169.53[cm3/mol];ヘンリーの法則:15.78;生成熱:-730.31[kJ/mol];tPSA:77.1;CLogP:7.5534;CMR:17.0669;LogS:-7.773;pKa:8.362。
【0581】
実施例180 化合物1005 1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-((3,5-ジメチルアダマンタン-1-イル)アミノ)-4-オキソブタノエート:化学式:C36H50N2O5;正確な質量:590.37;分子量:590.81;m/z:590.37(100.0%)、591.38(38.9%)、592.38(7.4%)、592.38(1.0%);元素分析:C、73.19;H、8.53;N、4.74;O、13.54;沸点:1347.11[K];融点:961.09[K];臨界温度:1191.88[K];臨界圧:8.46[Bar];臨界体積:1793.5[cm3/mol];ギブズエネルギー:132.66[kJ/mol];Log P:6;MR:169.53[cm3/mol];ヘンリーの法則:15.78;生成熱:-730.31[kJ/mol];tPSA:77.1;CLogP:7.5534;CMR:17.0669;LogS:-7.773;pKa:8.362。
【0582】
実施例181 化合物1005(S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル4-((3,5-ジメチルアダマンタン-1-イル)アミノ)-4-オキソブタノエート:化学式:C36H50N2O5;正確な質量:590.37;分子量:590.81;m/z:590.37(100.0%)、591.38(38.9%)、592.38(7.4%)、592.38(1.0%);元素分析:C、73.19;H、8.53;N、4.74;O、13.54;沸点:1347.11[K];融点:961.09[K];臨界温度:1191.88[K];臨界圧:8.46[Bar];臨界体積:1793.5[cm3/mol];ギブズエネルギー:132.66[kJ/mol];Log P:6;MR:169.53[cm3/mol];ヘンリーの法則:15.78;生成熱:-730.31[kJ/mol];tPSA:77.1;CLogP:7.5534;CMR:17.0669;LogS:-7.773;pKa:8.362
【0583】
実施例182 化合物1007 1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル(2,2,2-トリクロロ-1-(ジメトキシホスホリル)エチル)スクシネート:化学式:C28H37Cl3NO9P;正確な質量:667.13;分子量:668.93;m/z:667.13(100.0%)、669.12(95.9%)、671.12(30.6%)、668.13(30.3%)、670.13(29.0%)、672.12(9.3%)、671.13(4.2%)、673.12(3.3%)、669.13(2.7%)、669.13(1.8%)、669.13(1.7%)、671.13(1.6%)、673.13(1.4%);元素分析:C、50.28;H、5.58;Cl、15.90;N、2.09;O、21.53;P、4.63
【0584】
実施例183 化合物1008(S)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル(2,2,2-トリクロロ-1-(ジメトキシホスホリル)エチル)スクシネート:化学式:C28H37Cl3NO9P;正確な質量:667.13;分子量:668.93;m/z:667.13(100.0%)、669.12(95.9%)、671.12(30.6%)、668.13(30.3%)、670.13(29.0%)、672.12(9.3%)、671.13(4.2%)、673.12(3.3%)、669.13(2.7%)、669.13(1.8%)、669.13(1.7%)、671.13(1.6%)、673.13(1.4%);元素分析:C、50.28;H、5.58;Cl、15.90;N、2.09;O、21.53;P、4.63
【0585】
実施例184 化合物1009(R)-1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェネチル)フェノキシ)プロパン-2-イル(2,2,2-トリクロロ-1-(ジメトキシホスホリル)エチル)スクシネート:化学式:C28H37Cl3NO9P;正確な質量:667.13;分子量:668.93;m/z:667.13(100.0%)、669.12(95.9%)、671.12(30.6%)、668.13(30.3%)、670.13(29.0%)、672.12(9.3%)、671.13(4.2%)、673.12(3.3%)、669.13(2.7%)、669.13(1.8%)、669.13(1.7%)、671.13(1.6%)、673.13(1.4%);元素分析:C、50.28;H、5.58;Cl、15.90;N、2.09;O、21.53;P、4.63。
【0586】
生物学的研究
生物学的研究は、4-((1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェノキシ)フェノキシ)プロパン-2-イル)オキシ)-4-オキソブタン酸(化合物50、51及び52で表される);1-(ジメチルアミノ)-3-(2-(3-メトキシフェノキシ)フェノキシ)プロパン-2-オール(化合物146、147、148で表される)によって例示される式Iの化合物を使用して行った。
【化39】

N,N-ジメチル-2-[[(1R,3S,4R)-4,7,7-トリメチル-3-フェニル-3-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル]オキシ]エタンアミン又はN,N-ジメチル-2-(((1R,2S,4S)-1,7,7-トリメチル-2-フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)オキシ)エタン-1-アミン(化合物829、デラムシクラン)及びデキストロメトルファンによって例示される式IIの化合物、その誘導体及び代謝産物。
【0587】
実施例185:DEX代謝及び5HT2Aの中心的効果
受容体遮断:抗精神病薬は、実験用げっ歯類において精神刺激薬及び精神異常発現薬によって誘発される自発運動亢進を減弱させる。d-アンフェタミンなどのドーパミン作動薬によって誘発される運動亢進は、臨床で現在使用されている典型的な抗精神病薬及び非典型的な抗精神病薬の両方によって逆転されるが、5HT2A受容体拮抗薬は、フェンシクリジン様チャネル遮断薬などのNMDA受容体拮抗薬によって誘発される運動亢進に対してより有効である(Carlsson et al., The 5-HT2A receptor antagonist M100907 is more effective in counteracting NMDA antagonist- than dopamine agonist-induced hyperactivity in mice, J. Neural. Transm. 106(2):123-9 (1999))。ピマバンセリン(ACP-103)は、試験セッションの15分前に0.3mg/kgのMK-801(i.p.)と組み合わせてマウスに投与された5HT2A受容体拮抗薬の例である(Vanover et al., Pharmacological and behavioral profile of N-(4-fluorophenylmethyl)-N- (1-methylpiperidin-4-yl)-N’- (4-(2- methylpropyloxy)phenylmethyl)carbamide (2R,3R)-dihydroxybutanedioate (2:1)(ACP-103), a novel 5-hydroxytryptamine (2A)receptor inverse agonist, J Pharmacol Exp Ther. 317(2):910-8 (2006 May));参照により組み込まれる)。運動活動データは、照明室での15分間のセッション中に収集した。マウスは、運動ケージに事前に暴露しなかった。マウスを自発運動チャンバに置く直前に、筋弛緩/運動失調に対する効果を、マウスを尾の基部によって保持しながら、マウスの前足の各々を水平ワイヤと接触させて置くことによって決定した。マウスは、少なくとも1つの後足を10秒以内にワイヤと接触させて「合格」とスコア付けする必要があり、そうしないことは、運動失調と見なされた。各用量又は用量の組み合わせを、別々のマウス群において試験した。ACP-103は、0.1及び0.3mg/kg s.c.の用量でマウスにおいてMK-801誘発運動亢進を有意に減弱させ[F(7,63)=6.010;p<0.0001]、抗精神病様効果と一致した。
【0588】
神経疾患を有する患者にキニジンと組み合わせて投与される場合(Schoedel et al., Evaluating the safety and efficacy of dextromethorphan/quinidine in the treatment of pseudobulbar affect. Neuropsychiatric Disease and Treatment 2014:10 1161-1174;その全体が参照により組み込まれる)、デキストロメトルファンは、1日2回投与され得る10mgの用量で使用される。サルポグレレートの現在知られている臨床用量は、典型的には、1日3回与えられる100mgである(Doggrell (2004)sarpogrelate:cardiovascular and renal clinical potential, Expert Opinion on Investigational Drugs, 13:7, 865-874;その全体が参照により組み込まれる)。したがって、サルポグレレートの現在の臨床用量は、デキストロメトルファンの臨床用量を有意に超える。サルポグレレートの分子量が約429であり、デキストロメトルファンの分子量が約271であることを考えると、現在の臨床用量でのデキストロメトルファンとサルポグレレートの併用は、1:1のモル比をもたらさない。しかしながら、1:1のようなモル比は、デキストロメトルファンのサルポグレレート塩を調製し、使用するための前提条件である。サルポグレレートの現在の臨床使用は、末梢(非CNS)適応症(Doggrell (2004)sarpogrelate:cardiovascular and renal clinical potential, Expert Opinion on Investigational Drugs, 13:7, 865-874;その全体が参照により組み込まれる)に対するものであるため、サルポグレレートのCNS適応症に対する使用は、より低い用量を必要とし得、したがって、デキストロメトルファンのサルポグレレート塩として又は1:1のモル比の混合物として、デキストロメトルファンとの共投与を可能にし得る。実験動物では、サルポグレレートは、末梢効果を誘導するために典型的には25mg/kg以上の用量で与えられる(Ma et al., Effective treatment with combination of peripheral 5-hydroxytryptamine synthetic inhibitor and 5-hydroxytryptamine 2 receptor antagonist on glucocorticoid-induced whole-body insulin resistance with hyperglycemia. J Diabetes Investig 7(6):833-844 (2016);その全体が参照により組み込まれる)。サルポグレレートのより高いCNS活性の例は、中枢作用性5-HT2A作動薬DOI(3mg/kg;(1(2,5-ジメトキシ-4-ヨードフェニル)-2-アミノプロパン)塩酸塩)の30分前に0.3、1及び3mg/kgの用量でSprague-Dawleyラットにサルポグレレートが与えられ、式I、SARPODEX(商標)、DERADEX(商標)又はDERAPHAN(商標)の化合物の共投与によってDOI誘発頭部振盪の頻度が減少する例によって提供される。
【0589】
式Iの化合物並びにその一次代謝産物M1の両方のエナンチオマーは、5HT2A受容体拮抗薬である(Pertz et al., In-vitro pharmacology of a compound of Formula I and the enantiomers of its major metabolite:5-HT2A receptor specificity, stereoselectivity and modulation of ritanserin-induced depression of 5-HT contractions in rat tail artery, J Pharm Pharmacol. 47(4):310-6 (1995 April);その全体が参照により組み込まれる)。CNSにおいて5HT2A受容体に到達するM1 S-及びR-エナンチオマーの能力を確認するために、ラットを0.1mg/kgのMK801で前処置し、MK801刺激性自発運動亢進の減弱を、従来の運動活動モニターを使用して行われる120分間の試験セッションの間に、両方の式Iの化合物の用量の範囲にわたって監視する。
【0590】
DEXは、複数の受容体で作用し、その標的の1つは、NMDA受容体である(Taylor et al., Pharmacology of dextromethorphan:Relevance to dextromethorphan/quinidine (Nuedexta(登録商標))clinical use. Pharmacol Ther. 164:170-82 (2016 August);その全体が参照により組み込まれる)。しかしながら、DEXは、その代謝産物であるDOよりも強力ではないNMDA受容体拮抗薬である。したがって、DEXは、DOよりもフェンシクリジン様運動活動を誘発しにくい。DEX、DO及びフェンシクリジン(PCP)の行動効果をラットで比較した。DO(15~120mg/kg)は、用量依存性自発運動亢進、常同症及び運動失調を誘導する点でPCP(1.25~20mg/kg)と類似していた。DEX(15~120mg/kg)は、処置の約45分後に高用量でのみ中等度の運動亢進を誘導した。DEX及びDOは、10mg/kgのPCPによって誘導された自発運動促進を反対方向に改変した。DOによる前処置は、PCP誘発自発運動亢進を促進したが、DEXは用量依存的に阻害した(Szekely et al.,Induction of phencyclidine-like behavior in rats by DO but not DEX, Pharmacol Biochem Behav, 40(2):381-6 (1991 October);その全体が参照により組み込まれる)。
【0591】
実施例186:式Iの化合物並びにその一次代謝産物の両方のエナンチオマーは、CYP2D6阻害剤である。DEXは、生物学的に活性な物質及び薬物の2D6阻害活性を明らかにするために、インビトロ代謝研究において一般に使用される基質である。専用の一連の研究において、式Iの化合物をDEXの前に投与し、ラットの自発運動活動を120分間監視して、式Iの化合物がDEX処置対象における運動亢進の出現を防ぐことを実証する。これらの研究は、血漿DEXレベルの測定と並行している。薬物動態学的(血漿DEX濃度)及び薬力学的(MK-801及びDEX誘発運動亢進)研究の組み合わせを用いて、抗運動亢進及びDEX代謝抑制効果の最適比を生じるM1エナンチオマー及び用量レベルを同定する。
【0592】
実施例187:血糖及びインシュリン感受性:ビヒクル処置と比較して有意に高い基礎インスリン分泌を生じるスルホニル尿素薬とは対照的に、DO及びそのプロドラッグDEXは、マウス又はヒト膵島又はインビボからの基礎インスリン分泌を有意に変化させなかった(Marquard et al., Characterization of pancreatic NMDA receptors as possible drug targets for diabetes treatment. Nat Med 21(4):363-72 (2015);その全体が参照により組み込まれる)。より具体的には、飲料水(4mg/ml)を介したDEXの一晩の適用は、マウスにおいて基礎血漿インスリンも空腹時血糖濃度も変化させなかったが、非DEX処置対照(1.5mg/kg体重で腹腔内投与されたグルコース)において見られたよりも有意に高いグルコース誘導血漿インスリン濃度及びグルコース耐性をもたらした。
【0593】
Marguard et al.(2015)は、DEXの効果がNMDA受容体チャネル遮断薬を介して媒介されることを示唆し、NMDA受容体の強力な阻害剤であるDOへのDEXの迅速な代謝を具体的に指摘した。NMDA受容体の関与を証明するために、Marguard et al.は、グルコース刺激インスリン分泌及びグルコース耐性がNMDA受容体機能を欠くように遺伝子操作されたマウスにおいて観察されないことを実証した。
【0594】
DEXが2型糖尿病(T2DM)の人々において、より高い血清インスリン濃度及びより低い血糖濃度をもたらし得るかどうかを試験するために、第2a相、二重盲検、プラセボ対照、無作為化、クロスオーバー、単一用量概念証明研究が行われた(Marquard et al., Characterization of pancreatic NMDA receptors as possible drug targets for diabetes treatment. Nat Med 21(4):363-72 (2015);その全体が参照により組み込まれる)。メトホルミン単剤療法を受けた、T2DMを有する20人の男性(59歳(46~66歳)(平均(範囲));平均ボディマスインデックス(BMI)29.2(25.2~34.1)kg m-2;糖化ヘモグロビン(HbA1c)6.9(6.5~7.4)%)を動員した。各々は、60mgのDEX、270mgのDEX、100mgのアマンタジン又はプラセボの単回経口投与を受け、続いて、7~14日のウォッシュアウト期間によって分離された4日処置の薬物摂取の1時間後の経口グルコース耐性試験(OGTT)を受けた。マウスにおける結果と一致して、DEXは、プラセボと比較して、より高い空腹時血清インスリン濃度も、より低い空腹時血糖濃度ももたらさず、270mgの用量まで、いかなる重篤な低血糖事象も誘発しなかった。対照的に、経口グルコース摂取後、60及び270mgのDEX投与量の両方は、プラセボで見られるものと比較して有意に(P<0.05)高い最大血清インスリン濃度をもたらした。
【0595】
さらに、270mgのDEXに関して主要エンドポイントに達した;即ち、OGTTの最初の2時間以内の血糖濃度曲線下面積(グルコースAUC1~3時間)は、270mg用量のDEXを投与された個体では、異なる処置日にプラセボを受けた同じ個体よりも有意に(P<0.05)小さかった。
【0596】
血糖レベルは、末梢5HT2A受容体の制御下にもある(Yamada et al.,Hyperglycemia induced by the 5-HT receptor agonist, 5-methoxytryptamine, in rats:involvement of the peripheral 5-HT2A receptor. Eur J Pharmacol. 323(2-3):235-40 (1997);その全体が参照により組み込まれる)。より具体的には、5-メトキシトリプタミンなどの非選択的5HT受容体作動薬の投与は、5-HT2A受容体拮抗薬であるケタンセリン並びに末梢作用性5-HT2受容体拮抗薬であるキシラミジンによる前処置によって予防される高血糖を誘導した。これらの結果は、5-メトキシトリプタミン誘発高血糖が末梢5-HT2A受容体によって媒介されることを示唆した。
【0597】
ドーパミンとセロトニン受容体の二重拮抗作用を有する第二世代抗精神病薬は、耐糖能障害及び糖尿病のリスク増加と関連付けられている。これは主に体重増加に起因しているが、耐糖能に対する抗精神病薬の直接的な受容体媒介効果もある。ケタンセリンなどの特定の5HT2A受容体拮抗薬は、インスリン感受性を損なう(Gilles et al.,Antagonism of the serotonin (5-HT)-2 receptor and insulin sensitivity:implications for atypical antipsychotics. Psychosom Med. 67(5):748-51 (2005);その全体が参照により組み込まれる)。Gilles et al.による研究では、10人の健康な男性ボランティアが40mgの5-HT2拮抗薬ケタンセリン対プラセボの単回用量の二重盲検プラセボ対照クロスオーバー研究に含まれた。インスリン感受性を、正常血糖-高インスリン血症クランプ技術によって測定した。対象は、この受容体のレベルでケタンセリンの効果を制御するために、研究の両方の部分においてα-1アドレナリン拮抗薬フェノキシベンザミンで処置された。プラセボ条件と比較して、対象は、ケタンセリン後に有意に減少したインスリン感受性を示した(プラセボ:9.4+/-3.6mg/kg/分;ケタンセリン:7.7+/-2.1mg/kg/分;p=.047)。
【0598】
したがって、DEX及び5-HT2A受容体拮抗薬を組み合わせることは、抗精神病薬で処置された患者で観察されるものと質的に類似した望ましくない代謝副作用を有する可能性があるため、長期処置の場合に望ましくない可能性がある血糖及びインスリン感受性に対する相乗効果をもたらす可能性がある。これらの効果は、組み合わせとして安全に投与され得るDEX及び5-HT2A受容体拮抗薬の用量を制限し得る。
【0599】
本発明の一部であり、末梢代謝有害作用のリスクを減少させながら、DEX及び5HT2A受容体拮抗薬の組み合わせの治療的使用を可能にする2つのアプローチがある。
【0600】
1つのアプローチは、CYP2D6を阻害し、それによってDEXのDOへの変換を減少させる5HT2A受容体逆作動薬又は拮抗薬の使用に基づく。DEX及びDOの両方は、NMDA受容体チャネル遮断薬であり、膵島におけるNMDA受容体阻害は、グルコース刺激インスリン分泌並びにDEX及びDOによって増強されたグルコース不耐性の原因であることが示唆された(Marquard et al.,Characterization of pancreatic NMDA receptors as possible drug targets for diabetes treatment.Nat Med 21(4):363-72(2015);その全体が参照により組み込まれる)。DOは、DEXよりも強力なNMDA受容体チャネル遮断薬であるため(Pechnick et al.,Comparison of Effects of DEX, DO, and Levorphanol on Hypothalamo-Pituitary-Adrenal Axis, The Journal Of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 309:515-522(2004);その全体が参照により組み込まれる)、CYP2D6を介するDEX代謝の阻害は、グルコース刺激インスリン分泌及びグルコース耐性に対するDEXの効果の発現、したがって、代謝副作用のリスクを低減し得る。
【0601】
第2のアプローチは、中枢対末梢5HT2A受容体占有率の最良の比を有する5HT2A受容体逆作動薬又は拮抗薬の選択である。したがって、5HT2A受容体逆作動薬又は拮抗薬は、非限定的にグルコース不耐性などの望ましくない代謝効果を生じるリスクが最も低い用量で、治療的に関連する中枢5HT2A受容体占有を生じるように選択される。
【0602】
式Iの化合物は、2D6阻害特性を有する5HT2A受容体逆作動薬又は拮抗薬である。耐糖能及びインスリン抵抗性に対する式Iの化合物の急性及び慢性効果が試験されている(Takishita et al.,Effect of sarpogrelate hydrochloride, a 5-HT2 blocker, on insulin resistance in Otsuka Long-Evans Tokushima fatty rats (OLETF rats), a type 2 diabetic rat model. J Cardiovasc Pharmacol 43(2):266-70 (2004);その全体が参照により組み込まれる)。これらの研究において、2型糖尿病のモデルであるOtsuka Long-Evans Tokushima Fattyラットを、2群に無作為に割り当てた;30mg/kg BW/日の式Iの化合物の4週間の処置(HTB群)及びなし(対照群)。グルコース注入速度は、対照群と比較してHTB群で有意に増加した。経口グルコース負荷試験後の血糖レベル並びに血漿インスリン及び脂質のレベルは、対照群よりもHTB群で有意に低かった。式Iの化合物は、グルココルチコイド薬物処置を含む種々の手段によって誘導されるインスリン抵抗性を逆転させることが示された(Ma et al., Effective treatment with a combination of peripheral 5-hydroxytryptamine synthetic inhibitor and 5-hydroxytryptamine-2receptor antagonist on glucocorticoid-induced whole-body insulin resistance with hyperglycemia. J Diabetes Investig 7:833-844 (2016);その全体が参照により組み込まれる)を示した。
【0603】
血糖及びインスリン感受性に対する式Iの化合物の相乗効果は、カルビドパ(Ma et al.,Effective treatment with a combination of peripheral 5-hydroxytryptamine synthetic inhibitor and 5-hydroxytryptamine-2receptor antagonist on glucocorticoid-induced whole-body insulin resistance with hyperglycemia. J Diabetes Investig 7:833-844 (2016);その全体が参照により組み込まれる)及びピオグリタゾン(Iizuka et al., Beneficial effects of a compound of sarpogrelate hydrochloride, a 5-HT2A receptor antagonist, supplemented with pioglitazone on diabetic model mice. Endocr Res. 34(1-2):18-30 (2009);その全体が参照により組み込まれる)を含むいくつかの薬物について示されている。
【0604】
式Iの化合物のインスリン感作効果は、人体においても確認されている(Kokubu et al., Persistent insulin-sensitizing effects of sarpogrelate hydrochloride, a serotonin 2A receptor antagonist, in patients with peripheral arterial disease. Circ J 70(11):1451-6 (2006);その全体が参照により組み込まれる)。末梢動脈疾患を有する24人の患者(男性19人、76+/-9歳)において、式Iの化合物の投与(300mg/日)の2週間前後にインスリン抵抗性(空腹時免疫反応性インスリン)の指数を測定した。24人の患者のうちの16人は、処置の3ヶ月後にも検査された。2週間の処置後、空腹時免疫反応性インスリンの有意な減少(p=0.03)が観察された。処置の3ヶ月後、空腹時免疫反応性インスリンの有意な減少(16.0+/-10.3対9.2+/-2.0マイクロU/ml、p=0.03)が維持された。
【0605】
式Iの化合物は迅速に代謝されて、5HT2A受容体拮抗薬及び2D6阻害特性の両方も有する代謝産物になる。代謝産物の両方のエナンチオマーは、生物学的に活性であり、5HT2A受容体及び2D6を遮断する能力を共有する。どちらのエナンチオマーがDEXと組み合わせるのに最適な特性を有するかを確立するために、経口グルコース耐性に対するこれらの物質単独及びDEXとの組み合わせの効果を評価する(Taniguchi et al., Diabetes,55,2371-2378(2006);その全体が参照により組み込まれる)。この方法は、全血グルコース及び血漿インスリンの測定に基づく。試験物質を雄Sprague-Dawleyラットに投与する(群サイズ:1群当たり8匹)。動物を一晩の食物欠乏後に試験し、個別に収容する。試験物質は、グルコースチャレンジの60分前、即ちベースライン血糖測定の後に投与される。動物を、血糖測定後、T0での経口強制栄養として2g/kgのグルコースでチャレンジする。血糖は、8つの時点:ベースライン(処置前)、T0(グルコース前)、次いでグルコースチャレンジ後15、30、60、90、120及び180分で市販のグルコースメーターを使用して、尾の切断先端から収集された血液の液滴から測定される。
【0606】
実施例188:AD病態生理学に対する式1単独の効果:慢性糖尿病代謝状況とAD病態生理学のリスク及び出現との間の関連は、長い間疑われ、近年実証されてきた(Goldwasser et al., Breakdown of the Cerebrovasculature and Blood-Brain Barrier:A Mechanistic Link between Diabetes Mellitus and Alzheimer’s Disease. J Alzheimers Dis 54(2):445-56 (2016 Aug 1);その全体が参照により組み込まれる)。いくつかの大規模な死後シリーズでは、典型的なADと臨床的に診断された全対象の3分の1超が脳血管疾患のエビデンスを示し、混合型認知症として再分類されなければならなかった(Grandal Leiros et al., Prevalence and concordance between the clinical and the post-mortem diagnosis of dementia in a psychogeriatric clinic, Neurologia S0213-4853(16)30070-6 (2016);その全体が参照により組み込まれる)。臨床的観点から、現在承認されている薬物及びメカニズムを超えてAD療法を拡張し、また高齢対象における潜伏性糖尿病代謝状況又はかなり頻繁な2型糖尿病を最適化することによって認知障害に対処することが望ましい。実際、血糖コントロールは、認知障害の重篤度に影響を及ぼすと考えられている(Zilliox et al., Diabetes and Cognitive Impairment.Curr Diab Rep, 16(9):87(2016);その全体が参照により組み込まれる)。
【0607】
したがって、上記の式Iの化合物の特異的な抗糖尿病作用のために、ADにおける症状及び疾患進行の両方並びに主に血管起源の認知障害(多発性梗塞認知症、血管性認知症、血管性認知障害など)におけるさらなる利益を試みることが考えられる。
【0608】
日本の規制ラベルに基づけば、内服薬での式Iの化合物による有害事象の発生率は、プラセボと比較して極めて低く、報告されたAEの性質は、許容可能であることが判明した;したがって、式Iの化合物を追加した治療の利益-リスク比は、高齢の多発性集団においても防御可能であるように思われる。
【0609】
実施例189:化合物によるインビボでの精神刺激薬誘導性運動亢進の立体選択的逆転:運動活動データを、照明室での15分間のセッションの間に収集した。マウスは、運動ケージに事前に暴露しなかった。マウスを自発運動チャンバに置く直前に、筋弛緩/運動失調に対する効果を、マウスを尾の基部によって保持しながら、マウスの前足の各々を水平ワイヤと接触させて置くことによって決定した。マウスは、少なくとも1つの後足を10秒以内にワイヤと接触させて「合格」とスコア付けする必要があり、そうしないことは運動失調と見なされた。各用量又は用量の組み合わせを、別々のマウス群において試験した。ACP-103は、0.1及び0.3mg/kg s.c.[F(7,63)=6.010;p<0.0001]の用量でマウスにおいてMK-801誘導性運動亢進を有意に減弱させ、抗精神病様効果と一致した。
【0610】
ヒト組換え5HT2A受容体を発現しているHEK-293細胞を、拮抗薬放射性リガンド結合研究において使用した。化合物50ラセミ体及び両方のエナンチオマーのような式Iの化合物を、3.0E-11M~1.0E-07Mの範囲の濃度で適用した。M1エナンチオマーを1.0E-11M~3.0E-08Mの範囲の濃度で適用した。IC50値(対照特異的結合の半最大阻害を引き起こす濃度)及びHill係数(nH)を、Hill方程式曲線適合を用いて、平均反復値を用いて生成された競合曲線の非線形回帰分析によって決定した。阻害定数(Ki)は、Cheng Prusoff式を用いて計算した。両方のサルポグレレートエナンチオマーは、[3H]ケタンセリン結合の強力な阻害剤であった(表1)。M1エナンチオマーは、サルポグレレートエナンチオマーのKi値よりも約1桁高いKi値で5HT2A受容体にも強力に結合する(表1)。サルポグレレート又はその主要代謝産物に対する5-HT2A受容体結合に関して、エナンチオマー間に有意差はない。
【0611】
【表1】
【0612】
CNS疾患に関連し、5-HT2A受容体作動薬及び逆作動薬について知られている効果を誘導するM1エナンチオマーの能力を確認するために、食物及び水への自由なアクセスを有する標準的なコロニー室条件下で1ケージ当たり4~5匹で収容された雌Wistarラット(n=6~9)の別々の群を、2つのM1エナンチオマー(0、3又は10mg/kg)の1つの様々な用量を腹腔内で前処置した後、15分後に、0.1mg/kgのMK801又はそのビヒクルを腹腔内で前処置し、その直後に、コンピュータ制御運動活動記録チャンバ(25×35.5×34cm、L×W×H;透明なプレキシグラス壁及び不透明なプラスチック床;音減衰換気小室内に封入)に60分間入れ、その間に、赤外線光電池中断(床から5cm及び14cm離れた)を運動活動の尺度として記録した。MK-801は、新規な抗精神病薬を含む新規な治療法に関する精神薬理学研究において一般的に使用されているフェンシクリジン様NMDA受容体チャネル遮断薬(blocked)である。分散分析(ANOVA)は、(-)M1エナンチオマーに対するM1用量とMK-801処置因子間の相互作用の主な効果を明らかにし[それぞれF(2,39)=6.154;p=0.0048、F(2,39)=4.613;p=0.0159]、(+)M1エナンチオマーに対してはしなかった[それぞれF(2,42)=0.5211;p=0.5977、F(2,42)=0.5229;p=0.5966]。図7に示すように、(-)M1エナンチオマーの両方の用量及び3mg/kgのプロトタイプ5-HT2A受容体拮抗薬M-100,907は、MK-801により誘導される運動亢進を減少させた(Dunnettの多重比較試験)。したがって、5-HT2A受容体への結合に関してM1エナンチオマー間に有意差はないにもかかわらず、驚くべきことに、エナンチオマーの1つのみが、5-HT2A受容体遮断に感受性であることが知られている精神運動活性化の前臨床モデルにおいて効力を発揮する。
【0613】
実施例190:ラットにおける嗅球摘出術により誘導される運動亢進の逆転:専用の一連の研究において、成体雄Sprague-Dawleyラット(Charles River, Germany)を、ケタミン/キシラシン麻酔下で実施した両側嗅球摘出術に供した。動物を手術後14日間回復させ、その間毎日取り扱って、さもなければ起こるであろう攻撃性を排除した。偽手術動物を同じ方法で処置したが、嗅球は無傷のままにした。薬物投与及び自発運動活動試験を、連続試験セッションの間に72時間の休息をおいて、各ラットについて4回行った。各試験セッションの前に、動物を最初にデキストロメトルファン(0、15、30又は60mg/kg/os)で処置し、続いて15分後にサルポグレレート(1、3及び10mg/kg、腹腔内)で処置し、さらに15分後にOpto-Varimexケージに入れて、30分間にわたって自発運動活動を記録した。嗅球摘出術後のラットの運動亢進は、ほとんどの場合、試験セッションの初期の部分で観察される。図8は、嗅球摘出された動物の活動が偽対照の活動よりも有意に高かった場合の、試験の最初の15分間にわたって計数された平均活動を示す。ANOVAは、手術及びサルポグレレート用量因子の両方の有意な主な効果を明らかにした[それぞれF(1,88)=5.04、p=0.0273;F(3,88)=5.02、p=0.0029]。事後ペアワイズ比較(Sidakの多重比較試験)により、嗅球摘出術と偽手術との間の有意差が、試験前にサルポグレレートの代わりにビヒクルで前処置したラットにおいてのみ観察されたことが確認された。3又は10mg/kgのサルポグレレートで前処置した嗅球摘出ラットは、サルポグレレートの代わりにビヒクルを受容した各々の対照と比較して、歩行に費やした時間が少なかった。サルポグレレートのこれらの抗運動亢進効果は、偽手術ラットの活動に影響を及ぼさず、したがって運動能力の全般的な非特異的障害を反映しない用量で観察される。したがって、驚くべきことに、以前は、末梢制限5-HT2A受容体拮抗薬と呼ばれ、血液脳関門の貫通は最小限であったにもかかわらず(Obata H et al. Antinociception in rat by sarpogrelate, a selective 5-HT(2A)receptor antagonist, is peripheral. Eur J Pharmacol 404(1-2):95-102 (2000))、サルポグレレートは、嗅球摘出術後のラットにおいて、行動特異的な抗運動亢進効果を発揮することが観察されており、これは、抗うつ薬のようなCNS薬物を研究するために一般的に使用されるモデルである。
【0614】
実施例191:インビトロ及びインビボでのデキストロメトルファン代謝の阻害:デキストロメトルファンO-デメチラーゼ活性をヒト肝ミクロソームで測定した。サルポグレレート(1.0E-8M~3.0E-5M)又はM-1(濃度:3.0E-9M~1.0E-5M)及びデキストロメトルファンをアセトニトリルに溶解し、必要な濃度までアセトニトリルで連続希釈して、インキュベーション混合物中の最終有機溶媒濃度1.0%を得た。インキュベーション混合物は、プールしたヒト肝ミクロソーム(最終濃度:0.25mg/ml)、デキストロメトルファン及びNADPH生成系(1.3mM NADP+、3.3mMグルコース6-ホスフェート、3.3mM MgCl2及び0.4U/mlグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ)を含有した。インキュベーション及び遠心分離後、上清をアセトニトリルで100倍に希釈し、次いでLC-MS/MSシステムに注入した。全てのインキュベーションを3連で行い、平均値を分析に使用した。IC50値(対照特異的結合の半最大阻害を引き起こす濃度)及びHill係数(nH)を、Hill方程式曲線適合を用いて、平均反復値を用いて生成された競合曲線の非線形回帰分析によって決定した。両方のサルポグレレートエナンチオマーは、CYP2D6媒介デキストロメトルファンO-脱メチル化を阻害した(表4)。
【0615】
【表2】
【0616】
M1の両方のエナンチオマーは、0.038~0.096μMのIC50値で2D6活性を顕著に阻害したが、サルポグレレートエナンチオマーは、約10~15倍強力ではなかった(表4)。以前のインビボ試験に基づいて、サルポグレレートは、弱い2D6阻害剤として分類された。この分類は、基質AUCの2倍未満の増加に基づいていた(即ち米国食品医薬品局のDraft guidance for industry:drug interaction studies - study design, data analysis, implication for dosing and labeling recommendations. Center for Drug Evaluation and Research, US FDA (2012), http://www.fda.gov/downloads/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/Guidances/ucm292362.pdfにより提供されるガイダンスにより)。
【0617】
頸静脈カニューレを装着した雄Wistarラットにおいて薬物動態試験を行った。サルポグレレート塩酸塩をPharmasolv:PBS緩衝液(5:95)混合物中で製剤化し、2mg/kgの用量で静脈内投与した。血液サンプルを、予定された時点:5分、15分、30分、1時間、1.5時間、2時間、4時間及び6時間で、抗凝固剤としてヘパリンを使用して頸静脈から収集した。血漿サンプル中のサルポグレレート及びM1の同時定量には、LC-MS/MS生体分析法を用いた。2mg/kgの静脈内ボーラス投与後、血漿レベル曲線は、小さい個体間変動を示した(図9)。見かけの最終消失半減期は、1.21±0.159時間と推定された。サルポグレレートのM1代謝産物の形成は、最初のサンプリング時点で最高のM1濃度が測定されたため、迅速であった。急速な形成にもかかわらず、遊離M1代謝産物の濃度は、親化合物の濃度よりも循環中で数桁低かった(M1/サルポグレレート比は2.98±0.597%)。したがって、M1エナンチオマーは親化合物よりも有意に強力な2D6阻害剤であるが、M1及びサルポグレレートについての血漿AUCの比によって示唆されるM1に対する低い相対暴露により、M1の潜在的な影響が緩和される。
【0618】
実施例191:別の一連の研究において、インビボでデキストロメトルファン代謝を阻害するサルポグレレートの能力をラットにおいて研究した。Janvier Labs(France)から購入した成体雄Sprague Dawleyラット(RjHan:SD)を、12時間の明/12時間の暗サイクル下で、気候制御室に収容し、食物及び水に自由にアクセスさせた。採血の2~3日前に、ラットの頸静脈内にカテーテルを提供し、その後、手術直後にカルプロフェン(5mg/kg)で1回処置し、カテーテルをヘパリン(500 IE/ml)(20μl/ラット/日)で毎日濯いだ。実験当日に、デキストロメトルファン(50mg/kg)を経口強制栄養により投与し、直後に、t=0時間に血管アクセスポートを介してサルポグレレート(1、3又は10mg/kg;ラセミ体又はエナンチオマーの1つ)又はビヒクルを静脈内ボーラス注射した。血液サンプルを、デキストロメトルファン投与後6時間までの4つの時点で収集した。サンプルサイズは、80μlのLi-ヘパリン全血/時点、即ち40μlのLi-ヘパリン血漿/時点であった。全血サンプルを、遠心分離(3000g、4℃で10分間)まで氷上で保存した。血漿を収集後45分以内に調製し、-20℃で凍結し、LC-MS分析のために処理するまでこの温度で保存した。
【0619】
図10に示すように、サルポグレレート(ラセミ体又はエナンチオマー)で処置したラットでは、デキストロメトルファンの血漿レベルは後の時点でさえも高いままであったが、ビヒクルで処置したラットでは、デキストロメトルファンレベルは6時間の時点に向かって低下した。
【0620】
驚くべきことに、デキストロメトルファンについてのAUCの定量は、10mg/kgの最高試験用量で、サルポグレレートがデキストロメトルファンAUCを5.3~6.9倍増加させることを示した。3mg/kgの低用量でも、デキストロメトルファンAUCは、2.7倍((-)エナンチオマーの場合)~3.3倍((+)エナンチオマーの場合)に増加した。
【0621】
【表3】
【0622】
実施例192:サルポグレレートとデキソメトロルファンとの組み合わせによって処置されたラットにおけるフェニシクリド誘導性運動亢進の阻害:DEX、DO及びフェンシクリジン(PCP)の行動効果をラットにおいて比較した。DO(15~120mg/kg)は、用量依存性自発運動亢進、常同症及び運動失調を誘導する点でPCP(1.25~20mg/kg)と類似していた。DEX(15~120mg/kg)は、処置の約45分後に高用量でのみ中等度の運動亢進を誘導した。DEX及びDOは、10mg/kgのPCPによって誘導された自発運動促進を反対方向に改変した。
【0623】
専用の一連の研究において、化合物50ラセミ体及びエナンチオマーをDEXと共投与して、このような薬物の組み合わせが精神運動活性化及び運動亢進に対抗する能力を実証した。雄Sprague-Dawleyラットに、化合物50(サルポグレレートラセミ体)、(-)サルポグレレート、(+)サルポグレレート又はビヒクル及び皮下(ラセミ体実験)又は経口(エナンチオマー実験)デキストロメトルファン又はビヒクル(水)を腹腔内投与し、Opto-Varimex-4オートトラックに個々に入れた。15分後、ラットをボックスから取り出し、フェンシクリジン(PCP;5mg/kg、皮下)を注射し、さらに105分間(即ち全記録時間120分まで)オートトラックに戻した。データ分析は、試験の後半(60~120分)に焦点を当てた。ANOVAは、サルポグレレートの用量とデキストロメトルファンの用量との間の有意な相互作用を明らかにした(図11、上部パネル;F(9,120)=2.38、P=0.015)。
【0624】
デキストロメトルファンの用量との同様の統計的に有意な相互作用が、(-)サルポグレレートについて観察されたが(図11、中央パネル;F(9,141)=3.07、P=0.002)、(+)サルポグレレートについて観察されなかった(図11、下部パネル;F(9,120)=1.65、P=0.1)。事後分析は、デキストロメトルファンの存在下で、3mg/kgのサルポグレレートラセミ体及び1mg/kg又は3mg/kgの(-)サルポグレレートがPCP処置ラットにおける運動亢進を阻害することを示した(Dunnettの多重比較試験)。サルポグレレートの(-)エナンチオマーが、インビトロ(表4)及びインビボ(表5)の両方でデキストロメトルファン代謝を阻害する点で(+)エナンチオマーよりも効力が低いことを考えると、結果のこのパターンは驚くべきことである。
【0625】
デキストロメトルファン非存在下で投与した場合、サルポグレレートのラセミ体もサルポグレレートのエナンチオマーもPCP処置ラットの活動を低下させなかった。デキストロメトルファンと組み合わせて投与した場合、デキストロメトルファン単独がPCP処置ラットにおいて運動活動を低下させたか(皮下投与、サルポグレレートラセミ体による実験)又は向上(経口投与、サルポグレレートエナンチオマーによる実験)させたかにかかわらず、サルポグレレートの阻害効果が観察された。したがって、デキストロメトルファンの存在は、統合失調症薬PCPへの暴露後に運動亢進を有するラットなどの精神運動活性化を有する対象においてサルポグレレートが阻害効果を発揮するために必要とされ得る。デキストロメトルファンとサルポグレレートとの間の超相加的相互作用のこのようなパターンは、驚くべきことである。
【0626】
実施例193:血糖レベル及び経口グルコース耐性の評価方法:試験物質を、食物及び水分に自由にアクセスできる群に収容した雄Wistar(Han)ラット(実験開始時に180~280g;Janvier Labs)に投与した。一晩の食物欠乏の後、尾の先端を切断し、各ラットを秤量し、個別に収容し、静かな部屋にストレスなしで放置した。約1時間後、市販のグルコースメーター(OneTouch(登録商標)、Lifescan)を使用して、尾先端から採取した血液の液滴からベースライン血糖を測定し、次いでラットにサルポグレレート及び/又はデキストロメトルファンの腹腔内注射を行い、30分後に再び血糖を測定し、ラットに2g/kgのグルコースを経口強制栄養によって直ちにチャレンジした。次いで、血糖を、グルコースチャレンジ後180分までの6時点で測定した。図12に示すように、薬物処置の主な効果があった(F(4,59=12.0、p<0.0001))。ペアワイズ群の事後比較は、デキストロメトルファンを単独で投与した場合、血糖レベルが有意に低下し、サルポグレレートラセミ体又はエナンチオマーのいずれかと組み合わせて投与した場合、デキストロメトルファンのこの効果が逆転したことを示した。
【0627】
実施例194:ビーグル犬を使用した52週間の慢性毒性試験及び5週間の回復試験(Suzuki et al.,Pharmacology & Therapeutics Vol 19 Supplement’91):化合物50塩酸塩を、5、20、80及び320mg/kg/日の用量レベルで連続52週間ビーグル犬に経口投与した。性別にかかわらず、死亡した動物も極限状態で屠殺された動物もいなかった。一般状態について、320mg/kg/日を受容した雄及び雌並びに80mg/kg/日を受容した雄で嘔吐が認められ、320mg/kg/日を受容した雌で流涎が認められた。体重増加は、320mg/kg/日を受容した雄及び雌で抑制された。80mg/kg/日以上を受容した雌では、食物消費が阻害された。320mg/kg/日を投与された雌は、水消費の阻害も示した。回復期間において、観察された一般的な状態は、対照群と処置群との間に差を示さなかった。心電図検査又は検眼鏡検査では、処置に関連した変化はなかった。尿検査では、320mg/kg/日を受容した雌のタンパク質の増加、血液学的検査では、320mg/kg/日を受容した雄の血小板数の増加、生化学的検査では、80mg/kg/日以上を受容した雄及び320mg/kg/日を受容した雌のカリウムの増加が認められた。これらの変化は、薬物中止後に回復した。80mg/kg/日以上を受容した雄では、甲状腺と肝臓の相対重量が増加したが、病理組織学的検査では、処置に関連した変化は認められなかった。病理組織学的検査では、320mg/kg/日を受容した雄の腎臓の皮質-髄質境界域に脂肪変性が認められた。しかしながら、回復期間内では、この変化は見られなかった。52週間の試験における化合物50塩酸塩の無影響用量レベルは、20mg/kgと推定された。
【0628】
本発明の含まれる特徴を本明細書で示し、説明したが、当業者であれば、多くの修正形態、置換形態、変更形態及び均等物を想到するであろう。したがって、添付の特許請求項の範囲は、そのような修正形態及び変更形態の全てを本発明の真の趣旨を包含することが意図されることを理解するべきである。添付の特許請求の範囲に記載される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において様々な変更形態がなされ得ることが当業者によって理解されるであろう。当業者は、日常的な実験のみを用いて、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識又は確認することができるであろう。そのような均等物は、特許請求の範囲に包含されることが意図される。合理的な変形形態は、本発明の範囲からの逸脱と見なされるべきではない。このように記載された本発明は、変更され得、本明細書に記載される例示的な実施例に対する様々な修正形態、追加形態、置換形態及び変形形態は、本発明の趣旨から逸脱することなくなされ得、したがって本発明の範囲内であると考えられることが明らかであろう。これらに限定されないが、印刷された刊行物並びに仮特許出願及び通常特許出願を含む上記で参照された全ての文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0629】
実施例195:ラットにおけるNMDA受容体遮断により誘導される運動亢進の逆転:認知症の行動的及び心理的症状に対する効力に関連し、5-HT2A受容体作動薬及び逆作動薬について知られている抗精神病様効果を誘導する本発明(式Iの化合物)の能力を確認するために、標準的なコロニー室条件下で自由に食物及び水にアクセスして収容されたラットの別々の群を、様々な用量のデラムシクラン(30mg/kgまで)で前処置し、続いてNMDA受容体チャネル遮断薬又はそのビヒクルで前処置し、その後直ちにコンピュータ制御運動活動記録チャンバに入れる。NMDA受容体チャネル遮断薬は、新規な抗精神病薬を含む新規な治療法に関する精神薬理学研究において一般に使用されている。分散分析(ANOVA)を適用して、デラムシクラン用量及びデラムシクラン用量とNMDA受容体処置因子との間の相互作用の主な効果を明らかにする。
【0630】
実施例196:ラットにおける嗅球摘出術により誘導される運動亢進の逆転:専用の一連の研究において、成体雄ラットを、抗うつ薬などのCNS薬物を研究するために一般的に使用されるモデルである両側嗅球摘出術に供する。動物を手術後少なくとも14日間回復させる。偽手術された動物は、同じ方法で処置されるが、嗅球は無傷のままである。各試験セッションの前に、動物を、式Iの化合物(30mg/kgまで)と組み合わせたデキストロメトルファン(60mg/kg/osまで)で処置し、その後、自発運動活動記録のために活動モニターに入れる。嗅球摘出術後のネズミの運動亢進は、ほとんどの場合、試験セッションの初期の部分で観察される。結果は、嗅球摘出された動物の活動が偽対照の活動よりも有意に高い場合、試験セッションの初期部分にわたって計数された平均活動として提示される。ANOVAを適用して、手術及び処置用量因子の両方の有意な主な効果を明らかにする。デラムシクランの抗運動亢進効果は、偽手術ラットの活動に影響を及ぼさず、したがって運動能力の全般的な非特異的障害を反映しない用量で観察される。
【0631】
実施例197:デキストロメトルファン代謝の阻害:デキストロメトルファンO-デメチラーゼ活性を、ヒト肝ミクロソームで測定する。式Iの化合物(濃度:3.0E-5Mまで)及びデキストロメトルファンをアセトニトリルに溶解し、インキュベーション混合物中で約1.0%の最終有機溶媒濃度を与えるのに必要な濃度までアセトニトリルで連続希釈する。インキュベーション混合物は、プールされたヒト肝ミクロソーム、デキストロメトルファン及びNADPH生成系を含む。インキュベーション及び遠心分離後、上清をアセトニトリルで100倍まで希釈し、次いでLC-MS/MSシステムに注入する。全てのインキュベーションを3連で行い、平均値を分析のために使用する。IC50値(対照特異的結合の半最大阻害を引き起こす濃度)及びHill係数(nH)は、Hill方程式曲線適合を用いて平均反復値を用いて生成された競合曲線の非線形回帰分析などの方法を用いて決定される。デラムシクランは、CYP2D6媒介デキストロメトルファンO-脱メチル化を阻害することが観察される。
【0632】
デシプラミンを基質とする以前のヒト研究に基づいて、式Iの化合物は、弱い2D6阻害剤として分類することができる(Laine K et al.,Effect of the novel anxiolytic drug deramciclane on cytochrome P450 2D6 activity as measured by desipramine pharmacokinetics. Eur J Clin Pharmacol (2004)59:893-898)。この分類は、基質AUCの約2倍の増加に基づいていた(即ち米国食品医薬品局のDraft guidance for industry:drug interaction studies - study design, data analysis, implication for dosing and labeling recommendations. Center for Drug Evaluation and Research, US FDA (2012), http://www.fda.gov/downloads/Drugs/Guidance ComplianceRegulatory Information /Guidances/ucm292362.pdfにより提供されるガイダンスにより)。
【0633】
ラットで行われた薬物動態学的研究において、デキストロメトルファン代謝を阻害する式Iの化合物の能力が、インビボで研究される。成体ラットを、12時間の明/12時間の暗サイクル下で、気候制御された部屋内で、食物及び水への自由なアクセスを伴って収容する。実験当日、デキストロメトルファン(50mg/kg)を強制経口投与し、直後にデラムシクラン(30mg/kgまで)又はビヒクル(t=0時間)を投与する。血液サンプルを、デキストロメトルファン投与後24時間までの複数の時点で収集する。サンプルサイズは、約80μlのLi-ヘパリン全血/時点、即ち40μlのLi-ヘパリン血漿/時点である。全血サンプルを、遠心分離(3000g、4℃で10分間)まで氷上で保存する。血漿を収集後45分以内に調製し、-20℃で凍結し、LC-MS分析のために処理するまでこの温度で保存する。式Iの化合物で処置したラットでは、デキストロメトルファンの血漿レベルは後の時点でも高いままであるが、ビヒクルで処置したラットでは、デキストロメトルファンレベルは、より速く低下する。
【0634】
実施例199:デキストロメトルファン及びメマンチンの識別的刺激効果に対する式Iの化合物の効果:薬物識別は、向精神薬によって生じる内受容性刺激制御を評価するために一般に使用される(Sukhotina IA et al.,Effects of calcium channel blockers on behaviors induced by the N-methyl-D-aspartate receptor antagonist, dizocilpine, in rats. Pharmacol Biochem Behav (1999)63:569-80)。これらの方法は、NMDA受容体チャネル遮断薬などの特定のクラスのCNS活性薬物が有害作用を生じる能力に対処するために使用される(Nicholson KL et al.,Evaluation of the reinforcing and discriminative stimulus properties of the low-affinity N-methyl-D-aspartate channel blocker memantine. Behav Pharmacol (1998)9:231-43)。
【0635】
成体雄Wistarラットを、自由に利用可能な水と共に個別に収容した。食物消費は、一定の体重(300~330g)を維持するために行動試験後に与えられた14~16g/日に制限された。行動訓練及び試験は、インターフェースを介してマイクロコンピュータに接続され、MED-PCソフトウェアによって制御される標準的な2レバーオペラント調整チャンバを使用して実施した。各チャンバは、45mgの食物ペレットを送達する食物ディスペンサーを備えていた。各薬物識別訓練セッションの開始時に、ラットに0.056mg/kgのジゾシルピン又は生理食塩水のいずれかを腹腔内注射し、ホームケージに戻し、次いで15分後に合計15分間オペラントチャンバに入れた。試験セッションの間、いずれかのレバーで10回の連続応答がペレット送達を生じた。試験セッションの前に、2回の注射を与え;1回は、デラムシクラン(3mg/kg)又はそのビヒクル(注射前時間60分)を腹腔内投与し、1回は、ジゾシルピン(0.056mg/kg)、メマンチン(10mg/kg)、デキストロメトルファン(30mg/kg)又は生理食塩水(注射前時間15分)を腹腔内投与した。ジゾシルピン指定レバー(DLR)に対する応答のパーセンテージ及び応答速度(応答/秒)を、各試験セッションについて計算して、デラムシクランが、オペラント性能を有意に損なわなかった用量で、NMDA受容体チャネル遮断薬(図14A)の識別刺激効果の強度を有意に減少させることを確立した(図14B)。デラムシクランの存在下でのメマンチンの識別的刺激効果の強度低下(図1、上部パネル)は、デラムシクランが、デキストロメトルファンの代謝阻害(Zawertailo LA et al.,Effect of metabolic blockade on the psychoactive effects of dextromethorphan. Hum Psychopharmacol (2010)25:71-9)のみならず薬力学的メカニズムによっても、デキストロメトルファンのようなNMDA受容体チャネル遮断薬の望ましくない効果を制御できることを示している(Nicholson KL et al.,Evaluation of the reinforcing properties and phencyclidine-like discriminative stimulus effects of dextromethorphan and dextrorphan in rats and rhesus monkeys. Psychopharmacology (1999)146:49-59)。したがって、デラムシクランの2D6阻害特性を考えると、デラムシクランは、デキストロメトルファンのようなCYP 2D6を介してメタバイズ(metabize)されたNMDA受容体チャネル遮断薬の主体的効果を最も効率的に制御する。
【0636】
実施例200:NMDA受容体チャンネル遮断薬と組み合わせて与えられた式Iの化合物の抗うつ様効果:尾部懸垂は、抗うつ薬を研究するために使用される古典的な試験の1つであり、NMDA受容体チャンネル遮断薬の抗うつ様効果を評価するためにも適用された(Kos T et al.,Effect of 5-HT3 receptor antagonist MDL 72222 on behaviors induced by ketamine in rats and mice. European Neuropsychopharmacology (2006)16:297-310)。マウスを、家庭ケージ内のハウジングルームから試験領域に移し、薬物処置の少なくとも1時間前に新しい環境に適応させた。不動性を尾部懸垂によって誘導し、それによってマウスをテーブル面の65cm上方の紙接着テープ上に個々に付着させた。テープを尾の先端から約1cmに置いた。動物を6分間懸垂し、不動の持続時間を記録した。マウスは、それらが完全に動かなかった場合にのみ不動であると見なされた。試験セッションの前に、2回の注射を与え;1回は、デラムシクラン(3mg/kg)又はそのビヒクル(注射前時間60分)を腹腔内注射し、1回は、メマンチン(3mg/kg)、デキストロメトルファン(10mg/kg)又は生理食塩水(注射前時間30分)を腹腔内注射した。単独では、これらの用量レベルでの処置のいずれも統計的に有意な効果を有さなかったが、デラムシクランとデキストリメトルファンとの併用投与は、不動時間を有意に減少させ、この併用の抗うつ様の可能性を示唆した(図15A)。デラムシクランとメマンチンとの組み合わせも不動時間を57%減少させた(P=0.1)。驚くべきことに、メマンチンの無効用量(3mg/kg)を別の5-HT2A/2C受容体拮抗薬であるリタンセリン(1mg/kg)と組み合わせて与えた場合、不動時間の減少は観察されなかった(図15B)。代わりに、リタンセリンは、有効用量のメマンチン(10mg/kg)の抗うつ様効果を逆転させることができた。これらの結果は、NMDA受容体チャネル遮断薬と組み合わせて投与された場合、デラムシクランは、5-HT2A/2C受容体拮抗薬及び逆作動薬のクラスの他の代表の少なくともいくつかとは区別される薬力学的効果を生じることができることを示唆する。
【0637】
実施例201:NMDA受容体チャネル遮断薬と組み合わせて与えられた式Iの化合物の抗不安効果:Geller-Seifter試験などのコンフリクト試験は、薬物の抗不安効果を研究するために一般に使用され、グルタミン酸受容体拮抗薬の抗不安効果を評価するためにも適用された(Pietraszek M et al.,Anxiolytic-like effects of mGlu1 and mGlu5 receptor antagonists in rats. Eur J Pharmacol (2005)514:25-34)。
【0638】
インターフェースを介してコンピュータに接続され、MED-PCソフトウェアによって制御される標準的なオペラント調整チャンバを使用して、30分の合計セッション長さにわたり、ラットを、3つの7分の非処罰成分を3つの3分の処罰成分と交互にした、多重固定比(FR)20(食物のみ)、FR 20(食物及びショック)スケジュールの下でレバープレスするように訓練した。ショックアンペア数及び持続時間を、個々の各ラットについて調整した。データは、各セッションの処罰成分及び非処罰成分の間の応答率(1秒当たりの応答)として分析された。分析目的のために、薬物試験中に得られた応答速度データを、5日間のベースラインに対する応答速度変化として表した。試験セッションの前に、2回の注射を与え;1回は、デラムシクラン(1mg/kg)又はそのビヒクル(注射前時間60分)を腹腔内注射し、1回は、メマンチン(3mg/kg)又は生理食塩水(注射前時間30分)を腹腔内注射した。デラムシクラン及びメマンチンの両方を、それ自体で、処罰応答又は非処罰応答のいずれかに感知できる効果を有する用量レベルで与えた(図16A及び16B)。しかしながら、メマンチン及びデラムシクランの無効用量を併用投与した場合、ラットは、有意に多くの処罰を受けた反応を示すことが観察され、デラムシクランとメマンチンの間の相乗的相互作用が不安を軽減することを示した。
【0639】
実施例202:NMDA受容体チャネル遮断薬との組み合わせにおける式Iの化合物の抗攻撃性効果:隔離して収容された雄マウスは、侵入者に対する攻撃性を容易に生じ及び示す。このようなパラダイムは、NMDA受容体チャネル遮断薬の抗攻撃性を評価するために適用されてきた(Belozertseva IV, Bespalov AY, Effects of NMDA receptor channel blockade on aggression in isolated male mice, Aggressive Behavior (1999)25:381-396)。これらの実験では、マウスを個別に収容し、隔離の最初の2週間後に開始し、群収容刺激侵入マウスを繰り返し(週に2回)4分間攻撃させた。侵入者に対する攻撃行動を一貫して示す常在マウスのみを薬物試験に使用した。薬物試験は、常駐マウスが少なくとも3回の連続した試験において侵入者に対する攻撃を示し、少なくとも35日間、単独で生存した場合に開始した。侵入マウスを5匹の群で収容した。試験の30分前に、マウスを、デラムシクラン(3mg/kg)又はリタンセリン(1mg/kg)と組み合わせたメマンチン(10mg/kg)で処置した。単独で与えられた場合、選択された用量での化合物のいずれも、作動薬行動(攻撃、咬傷、脅威、尾振り回し(tail rattling)、直立及び横向きの姿勢、押すこと及び後退)に対して感知できるほどの効果を及ぼさなかった。しかしながら、メマンチンをデラムシクラン(リタンセリンではない)と組み合わせた場合、マウスは、目に見える運動失調の不在下で有意に攻撃する可能性が低かった(図17)。したがって、デラムシクラン又はNMDA受容体拮抗薬は、単独で与えられた場合には有効でないことがあり得るが、それらは、組み合わせて与えられた場合、強力な抗攻撃特性を生じ得る。
【0640】
実施例203:デキストロメトルファンO-脱メチル化の活性を、僅かに修正して測定した(Yu et al.,Comparative contribution to dextromethorphan metabolism by cytochrome P450 isoforms in vitro:can dextromethorphan be used as a dual probe for both CTP2D6 and CYP3A activities? Drug Metab Dispos, 29:1514-1520 (2001))。組換えCYP2D6(0.25pmol)及びHLM(12.5μgのタンパク質)を酵素源として使用した。インキュベーション混合物は、酵素源、デキストロメトルファン、NADPH生成系(500μM NADP、10mMグルコース6-ホスフェート、10mM塩化マグネシウム及び1単位/mlグルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ)及び100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)からなり、最終容量は200μlであった。インキュベーションを37℃で10分間行い、10μlの70%(w/v)過塩素酸を添加することによって停止させた。遠心分離によりタンパク質を除去した後、50μLの上清を、Mightysil RP-18 GPカラム(4.6μ、250mm、5μm)を備えた高速液体クロマトグラフィー(D7500インテグレーター、L-7100ポンプ、L-7200オートサンプラー、L-7300カラムオーブン及びL-7485蛍光検出器)に供した。移動相は、リン酸(200:160:630)でpH3.5に調整したアセトニトリル/メタノール:10mMリン酸カリウム緩衝液の混合物であった。溶出は、1.0ml/分の流速で行った。デキストロルファンの形成を、280nmの励起及び310nmの発光で監視した。
【0641】
プレインキュベーション混合物は、組換えCYP2D6(2pmol)、各主要カンナビノイド(2.5~50μM)、NADPH生成系(8.2μM NADP、0.41mMグルコース6-ホスフェート、0.41mM塩化マグネシウム及び1単位/mlグルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ)及び100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)を最終容量180μlで含有した。37℃で5分間予熱した後、NADPH生成系を添加することによって反応を開始させた。20分間のプレインキュベーション後、20μlのAMMC溶液をプレインキュベーション混合物に添加した(最終基質濃度、0.6μM)。インキュベーションは、AMMC O-デメチラーゼ活性について酵素アッセイに記載されているのと同じ方法で行った。CYP2D6のインビボ薬物相互作用の予測。インビボ阻害効力の推定値を、Obach et al.(2006)の方法によって決定した。最大非結合肝臓投入濃度Cmax、u、inletを、以下の式を用いて決定した:
max,u,inlet=f・(Cmax+D・F・k/Q
maxは、最大全身濃度として定義され、fuは、血液中に結合していない画分であり、Dは経口用量であり、Faは、吸収された経口用量の画分であり、kaは、一次吸収速度定数であり、Qhは、肝血流である。マリファナ喫煙の場合、胃腸管からの吸収は考慮されない。したがって、吸入されたカンナビノイドに関するCmax、u、inletは、fu Cmaxに等しい。カンナビノイドに関するfuの値は、血漿THCの95~99%が血漿タンパク質、主にリポタンパク質に結合されるため、多くとも0.05である(Grotenhermen,2003)。阻害剤による曲線下面積(AUC)と対照AUCとの比は、以下の式を用いて推定することができた:
AUC阻害/AUC対照=1/{[fm(CYP2D6)/(1+[I]インビボ/K)]+(1-fm(CYP2D6)
上記の式において、AUC阻害は、阻害剤の存在下での所与の基質プローブについての曲線下面積であり、AUC対照は、阻害剤を含まない同じプローブ基質についての曲線下面積である。CYP2D6によるプローブ基質の代謝の分率及び阻害剤の効力の大きさは、それぞれfm(CYP2D6)及びKiによって表される。1の値を、デキストロメトルファン/デキストロルファン尿中比のfm(CYP2D6)に使用した(Obach et al.,2006)。したがって、デキストロメトルファンのAUC対照に対するAUC阻害の比は、
1+[I]インビボ/Kiに等しい。
【0642】
実施例204:二重標識化合物829(化合物829-フェニル-C-14及び-エチル-H-3)の時間関連分布及び薬物動態を、ラットの脊髄を含む血漿、下垂体及び14脳領域において、単回経口処置(急性実験)後及び6日間の毎日1回の反復投与(亜急性実験)後に研究した。化合物829の組織レベルを、同時に決定されたdpm値及び投与された用量中に存在する2つの放射性異性体の特異的活性から計算した。EGIS-38 85は、胃腸管から急速に吸収されたt(max)=1.0時間)。組織中の濃度-時間曲線は、2コンパートメントオープンモデルによって記述することができる。H-3-活性は、急性実験の全期間(95時間)で測定できたが、C-14-放射能は、24時間以内に検出限界以下に低下した。H-3に関するAUC(0.96)値は、C-14よりも10~15倍高かった。試験した全てのサンプルにおいて、濃度時間曲線上では、12時間で、腸肝サイクルのピーク特性が見られる。この研究は、無傷の分子が循環から脳組織に入ることを示した。亜急性実験の結果は、C-14標識化合物829又はトレーサーを運ぶその代謝産物が2~3日目の早い時期に平衡に達する一方、H-3-放射能のレベルは、6日間の反復投与の間に連続的に増加することを示す。亜急性実験では、最終処置の0.5時間後にピーク濃度に達した。しかしながら、3Hの値は、急性実験より高かった。最後の傾向は、C-14-トレーサーの場合には観察されなかった。亜急性実験で決定されたH-3-標識化合物829のAUC値は、C-14より優勢であり、その比は、全ての脳領域において50~60であった。単回投与後に見られる腸肝サイクルも、反復投与後に操作された。下垂体における化合物829の時間関連濃度は、血漿及び脳組織における濃度よりも少なくとも2倍高かった。脳の対称(左及び右)領域における化合物829の濃度に有意差は見られなかった(Magyar et al.,Distribution Of Deramciclane In Rat-Brain Regions, European journal of drug metabolism and pharmacokinetics, 23(2), pp. 125-131 (1998)、全体が組み込まれる)。
【0643】
実施例205:5HT2aアッセイ:放射性リガンド結合アッセイにおいて決定された、トランスフェクトされたHEK-293細胞におけるヒト5-HT2A受容体に対する化合物の親和性の評価。細胞膜ホモジネート(30~50μgタンパク質)を、50mM Tris-HCl(pH7.4)を含有する緩衝液中の試験化合物の非存在下又は存在下で、0.5nM[3H]ケタンセリンと共に37℃で15分間インキュベートした。非特異的結合を、1μMケタンセリンの存在下で決定した。インキュベーション後、サンプルを0.3% PEIで予め浸漬したガラス繊維フィルターを通して真空下で迅速に濾過し、96サンプル細胞ハーベスターを使用して氷冷50mM Tris-HClで数回濯いだ。次いで、フィルターを乾燥させ、シンチレーションカクテル(国際公開第2005013952A1号、欧州特許第1500391A1号、その全体が参照により組み込まれる)を使用してシンチレーションカウンターで放射能をカウントした。
【0644】
実施例206:雄NMRIマウス(体重20~25g)をホットプレート(56±0.5℃)上に落下させ、前足をなめるまでの潜伏時間を測定した。処置前に反応時間を2回試験した。最初の基礎潜伏時間が5秒を超える場合又は2つの対照測定値間の差が3秒を超える場合、動物を捨てた。マウスを、生理食塩水又はモルヒネHCl 1mg/kgのいずれかで皮下的に、同時にそれぞれビヒクル又はデラムシクラン若しくはブスピロン、HCl 30mg/kgのいずれかで腹腔内で処置した。処置後(15、30、45及び60分)、反応時間を再び測定した。動物は、それらがそれらの最初の対照値と比較して、2.5倍の反応時間増加を少なくとも2回生じた場合、陽性と見なされた。モルヒネ及び化合物129の組み合わせの投与は、いずれかの化合物単独の投与よりも統計的に有意な鎮痛効果を示した(欧州特許第1734940 B1号、その全体が参照により組み込まれる)。
【0645】
実施例207:式Iの化合物のCNS効果は、生物学的に活性な代謝産物によって媒介することができる:化合物50は、末梢作用性5-HT2A受容体拮抗薬であり(Obata H et al.,Antinociception in rat by sarpogrelate, a selective 5-HT(2A)receptor antagonist, is peripheral. Eur J Pharmacol (2000)404:95-102)、[14C]標識化合物50を用いて、サルポグレレートがラットの血液脳関門を通過できないことがあり得るという直接的な証拠が得られている(Komatsu T et al.,Studies on the Metabolic Fate of (+)-2(Dimethylamino)-1-CCo(m-methoxyphenethyl)phenoxyDmethyl]ethyl hydrogen siccinate hydrochloride (MCI-9042)(II):Absorption, Distribution, Metabolism and Excretion after a Single Administration to Rats)。
【0646】
成体雄SDラットを化合物146又はM1(10mg/kg腹腔内)で前処置し、M1投与の30、60、120及び240分後に脳及び血漿を収集した。脳組織抽出物中の化合物の量を、UPLC/MS分析を用いて測定した。図XYZに示すように、M1の総脳濃度は、血中濃度を有意に超えた。したがって、化合物50と異なり、M1は脳に容易に浸透し、化合物50の驚くべきCNS効果の原因となり得る。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18