(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】真贋判定ラベルおよびラベル基材
(51)【国際特許分類】
G09F 3/00 20060101AFI20240703BHJP
G06Q 30/00 20230101ALI20240703BHJP
【FI】
G09F3/00 D
G09F3/00 M
G09F3/00 R
G06Q30/00
(21)【出願番号】P 2020087271
(22)【出願日】2020-05-19
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】591186888
【氏名又は名称】株式会社トッパンインフォメディア
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(72)【発明者】
【氏名】吉田 卓司
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-055529(JP,A)
【文献】特開2020-046477(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0140569(US,A1)
【文献】中国実用新案第205810263(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00
G06Q 30/018
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一情報を表示する第一印刷層を有する第一ラベルと、
第二情報を表示する第二印刷層を有する第二ラベルと、
を備え、
前記第一ラベルは、前記第二印刷層を視認できないように前記第二ラベルに接合され、
前記第一ラベルの一部は前記第二印刷層から離間でき、かつ離間されることにより前記第二印刷層を視認できるように構成され、
前記第一情報と前記第二情報とが組合されて真贋判定情報を
構成し、
前記第一ラベルの前記一部の下面に粘着剤が配置され、
前記一部を離間させた際に、前記第二印刷層の一部が前記第二ラベルから除去されるように構成されている、
真贋判定ラベル。
【請求項2】
第一情報を表示する第一印刷層を有する第一ラベルと、第二情報を表示する第二印刷層を有する第二ラベルと、を備え、前記第一ラベルは、前記第二印刷層を視認できないように前記第二ラベルに接合され、前記第一ラベルの一部は前記第二印刷層から離間でき、かつ離間されることにより前記第二印刷層を視認できるように構成され、前記第一情報と前記第二情報とが組合されて真贋判定情報を構成し、前記第一ラベルの前記一部は、前記真贋判定ラベルの平面視において中央部に位置し、前記一部の周縁部の下面に接着層が設けられて第二ラベルに接合され、前記一部と前記周縁部との境界に、前記第一ラベルの厚さ方向に貫通するスリットが形成されている真贋判定ラベルを製造するためのラベル基材であって、
幅方向の一方に前記第一印刷層が複数形成された第一領域を有し、
前記幅方向の他方に前記第二印刷層が複数形成された第二領域を有し、
前記第一領域の下面には、複数の前記周縁部に対応した形状を有する前記接着層が設けられ、
前記第二領域の下面には、全面にわたり粘着層が形成されている、
ラベル基材。
【請求項3】
前記第二領域は、複数の前記第二情報を示すインデックスを有する、
請求項2に記載のラベル基材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真贋判定ラベルに関する。この真贋判定ラベルを製造するためのラベル基材や、真贋判定ラベルを用いた判定システムにも言及する。
【背景技術】
【0002】
製造業者にとって、自社が生産した正規品でない偽造品に対する対策は重要である。不正に流通する安価な偽造品は、正規品の市場を侵食し、正規品に対する信頼を損なうこともある。
偽造品を排除するための仕組みとして、市場で入手した商品が正規品であるか否かを判定する真贋判定システムが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、表示札に記載された第1の乱数と保証書に記載された第2の乱数とを付き合わせて真贋判定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、2つの乱数を可変情報とできるため、一定の偽造品抑制効果が見込めるが、第1の乱数と第2の乱数とが別のラベルに印字されているため、商品への取り付け作業が繁雑となる。
【0006】
上記事情を踏まえ、本発明は、偽造品抑制効果が高く、商品等への取り付けが容易な真贋判定ラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様は、第一情報を表示する第一印刷層を有する第一ラベルと、第二情報を表示する第二印刷層を有する第二ラベルとを備える真贋判定ラベルである。第一ラベルは、第二印刷層を視認できないように第二ラベルに接合される。第一ラベルの一部は第二印刷層から離間でき、かつ離間されることにより第二印刷層を視認できるように構成されている。第一情報と第二情報とは、組み合わされて真贋判定情報を構成している。
さらに、第一ラベルの一部の下面に粘着剤が配置され、第一ラベルの一部を離間させた際に、第二印刷層の一部が第二ラベルから除去されるように構成されている。
【0008】
本発明の第二の態様は、真贋判定ラベルを製造するためのラベル基材である。
製造対象となる真贋判定ラベルは、第一情報を表示する第一印刷層を有する第一ラベルと、第二情報を表示する第二印刷層を有する第二ラベルと、を備え、第一ラベルは、第二印刷層を視認できないように第二ラベルに接合され、第一ラベルの一部は第二印刷層から離間でき、かつ離間されることにより第二印刷層を視認できるように構成され、第一情報と第二情報とが組合されて真贋判定情報を構成し、第一ラベルの一部は、真贋判定ラベルの平面視において中央部に位置し、一部の周縁部の下面に接着層が設けられて第二ラベルに接合され、一部と前記周縁部との境界に、第一ラベルの厚さ方向に貫通するスリットが形成されている。
このラベル基材は、幅方向の一方に第一印刷層が複数形成された第一領域を有し、幅方向の他方に第二印刷層が複数形成された第二領域を有する。
第一領域の下面には、複数の周縁部に対応した形状を有する接着層が設けられ、第二領域の下面には、全面にわたり粘着層が形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の真贋判定ラベルは、偽造品抑制効果が高く、商品等への取り付けが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る真贋判定ラベルの平面図である。
【
図3】同真贋判定ラベルに係る第二ラベルの平面図である。
【
図4】同真贋判定の製造に用いるラベル基材の一例を示す部分平面図である。
【
図5】同4のII-II線における模式断面図である。
【
図6】同真贋判定ラベルを用いた判定システムの全体構成を示す図である。
【
図7】同真贋判定の製造に用いるラベル基材の変形例を示す部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について、
図1から6を参照して説明する。
図1は、本実施形態の真贋判定ラベル1の平面図である。
図2は、
図1のI-I線における模式断面図である。真贋判定ラベル1は、最上面を構成する第一ラベル10と、第一ラベル10の下方に取り付けられた第二ラベル30とを備えている。
【0013】
第一ラベル10は、シート状の第一基材11と、第一基材11の上面11aに形成された第一印刷層12とを有する。第一印刷層12は、真贋判定に用いられる第一情報を表示しており、
図1の例では「1」が第一情報である。第一情報として、商品のシリアルナンバーを用いてもよい。
【0014】
第一基材11の材質には特に制限はなく、樹脂や紙等を使用できる。第一基材11には、厚さ方向に貫通するU字状のスリット13が形成されており、スリット13に囲まれた中央部の領域10a(一部)を領域10b(周縁部)に対して上方にめくりあげることができる構造となっている。真贋判定ラベルの製造時においては、スリット13は断続的なミシン目状であり連続していないため、領域10aをめくることはできない。
【0015】
第二ラベル30は、シート状の第二基材31と、第二基材31の上面31aに形成された第二印刷層32とを有する。第二印刷層32は、真贋判定に用いられる第二情報を表示している。第二情報は、第一情報と個別に対応づけられている。
図3に、第二ラベル30の平面図を示す。
図3の例では「A」が第二情報である。
【0016】
第二基材31としては、第一基材と同様のものを使用できる。第二基材31の下面31bには、真贋判定ラベル1を対象の物品に貼り付けるための粘着層33が設けられている。粘着層33としては、公知の各種粘着剤を適宜選択できる。粘着層33は、真贋判定ラベルを物品に取り付けるときまで剥離紙等で覆われてもよい。
領域10aと第二ラベル30とは、非接着状態であってもよいし、容易に剥離できる仮着剤等で弱く接合されてもよい。
【0017】
第一ラベル10は、第二ラベル30上に配置されて第二印刷層32を視認できないように覆っており、領域10bにおいて接着層15により強固に接合されている。これにより、製造時や輸送時等に意図せず第一ラベル10が第二ラベル30から剥離して不正に剥がされたと誤認される事態を防止している。
第一ラベル10の領域10aをめくりあげると、第二印刷層32を視認できる。
【0018】
真贋判定ラベル1の一態様においては、複数製造されるラベルのすべてにおいて、第一情報および第二情報が異なっている。すなわち、真贋判定ラベル1が100枚ある場合、100種類の第一情報と100種類の第二情報とが存在する。別の態様においては、第一情報および第二情報の一方がすべて異なっており、他方は複数の選択肢の中から選ばれた一つである。例えば、真贋判定ラベル1が100枚ある場合、100種類の第一情報と10種類の第二情報とが存在する。
これらの態様においては、第一情報と第二情報との組合せはすべての真贋判定ラベルで異なっており、固有の真贋判定情報を構成する。
【0019】
上記の構成を有する真贋判定ラベル1の製造手順の一例を説明する。
まず、第一ラベルおよび第二ラベルとなるラベル基材100を準備する。
図4に、ラベル基材100の部分平面図を示す。ラベル基材100は、幅方向の中心を境界として、複数の第一ラベルが形成される第一領域101を一方に、複数の第二ラベルが形成される第二領域102をもう一方(他方)にそれぞれ有する。第一領域101には、複数の第一印刷層12が形成され、第二領域102には、複数の第二印刷層32が形成されている。
【0020】
第一領域101および第二領域102には、それぞれ第一ラベル10および第二ラベル30を形成するための単位領域u10およびu30が複数設定されている。単位領域u10およびu30は、二次元マトリクス状に配置されている。本実施形態では、第一領域101および第二領域102のマトリクスが、幅方向中央線Cに対して対称に配置されている。行数、列数等の二次元マトリクスの具体的態様は、ラベル基材100の寸法等に応じて適宜設定できる。
【0021】
図5は、
図4のII-II線における断面図である。
第一領域101の下面には、接着層15が各領域10bの形状に合わせて塗布され、セパレータSに覆われている。第二領域102の下面には、全面に粘着層33が形成され、セパレータSに覆われている。
【0022】
上記のように構成されたラベル基材100に対し、単位領域u10、u30に印刷を施して第一印刷層12および第二印刷層32を形成し、幅方向中心線に沿って基材を切断して基材を第一領域101と第二領域102とに分離する。
続いて、第一領域101のセパレータSを剥離して、単位領域u10のマトリクスと単位領域u30のマトリクスとがラベル基材100の平面視において重なるように第一領域101を第二領域102に重ねて接合する。
【0023】
抜き刃等を用いて各単位領域u10にスリット13を形成し、単位領域ごとに打ち抜くと、真贋判定ラベル1が完成する。
真贋判定ラベル1は、第一情報を有する第一ラベル10と第二情報を有する第二ラベル30とが一体化されているため、1枚の真贋判定ラベル1を物品に貼り付けるだけで、偽造防止効果の高い真贋判定情報を物品に付与でき、簡便に偽造を抑制できる。
【0024】
上述した製造手順は好適な一例であり、真贋判定ラベル1の製造方法はこれには限定されない。例えば、以下のような変更が可能である。
・第一領域と第二領域が、別の基材で形成されてもよい。ただし、共通の基材に第一領域および第二領域を形成すると、第一印刷層および第二印刷層を一つの装置で同時に形成できるため、効率が良い。
・第一印刷層および第二印刷層の形成は、ラベル基材100を第一領域101と第二領域102とに分離した後に行われてもよい。ただし、基材の分離前に第一印刷層および第二印刷層を形成すると、第一印刷層および第二印刷層を一つの装置で同時に形成できるため、効率が良い。
・ロール状に巻かれた長尺のラベル基材100を繰り出しつつ、第一印刷層12および第二印刷層32の形成、ラベル基材100の切断分離、第一領域101のセパレータS剥離、および第一領域101と第二領域102との重ね合わせ接合を連続的に行ってもよい。このようにすると、製造効率が著しく向上する上、重ね合わせ時における第一領域と第二領域とのラベル基材100の長手方向における位置合わせがほぼ不要となる。
【0025】
上述した製造手順では、マトリクス上における位置(n行m列:nおよびmは自然数)が同一である単位領域u10とu30が重ね合わされ、その第一情報と第二情報の組合せが真贋判定に用いられる。したがって、この組合せからなる真贋判定情報は、真贋判定ラベルの製造時に取得されて、後述する判定サーバーに保存される。
真贋判定情報の取得は、様々なタイミングで行うことができる。例えば、あらかじめ生成した第一情報と第二情報を用いて組合せを作成し、判定サーバーに保存しておくことができる。他の方法として、ランダム生成した文字や数字等を各単位領域に第一印刷層12および第二印刷層32として印刷し、ラベル基材100の分離前に第一印刷層12および第二印刷層32を撮像する。この画像を処理して各単位領域の情報を読み取り、マトリクス上における位置が同一である2つの単位領域の情報を用いて組合せを生成し、判定サーバーに保存することもできる。
【0026】
真贋判定ラベル1を用いた真贋判定方法について説明する。
図6は、真贋判定ラベル1を用いた真贋判定に係るシステムの全体構成を示す図である。
このシステムは、ネットワーク200に接続された判定サーバー201を有する。判定サーバー201は、各真贋判定ラベル1における第一情報と第二情報との組合せ情報を保存する記憶部202と、受信した情報と記憶部202とを用いて真贋判定を行う演算部203とを有する。各真贋判定ラベル1の組合せ情報は、真贋判定ラベル1の製造時に取得され、製造者端末210からネットワーク200を経由して判定サーバー201に送られ、記憶部202に記憶される。
演算部203を有する判定サーバー201としては、コンピュータ等の公知の演算装置を、記憶部202としては、各種の情報記憶媒体を、それぞれ使用できる。記憶部202は、判定サーバー201の内部にあってもよいし、外部にあってもよい。
【0027】
真贋判定ラベル1が貼り付けられた商品の購入者は、第一ラベル10の第一印刷層12から第一情報を取得し、さらに領域10aをめくって第二印刷層32から第二情報を取得する。
購入者は、取得した第一情報および第二情報を、照会真贋情報として、パソコンやスマートフォン等の購入者端末211からネットワーク200を経由して判定サーバー201に送信する。第一印刷層12や第二印刷層32が、第一情報や第二情報をコード化したバーコードや二次元コード等であると、購入者端末により第一情報や第二情報を自動的に読み取れるため、簡便である。
【0028】
第一情報および第二情報からなる照会真贋情報を受信した判定サーバー201は、同一の組合せが記憶部202にあるか否かを検索する。同一の組合せが記憶部202に記憶されていた場合、判定サーバー201は、送信元の購入者端末211に、「商品は正規品である」旨を示す情報を送信する。同一の組合せが記憶部202に記憶されていない場合、判定サーバー201は、送信元の購入者端末211に、「商品は正規品でない」旨を示す情報を送信する。
購入者は、判定サーバー201から受信した情報に基づき、購入した商品が正規品であるか否かを簡便かつ迅速に知ることができる。
【0029】
本実施形態に係る真贋判定システムは、判定サーバー201を備えるものに限られない。上述の真贋判定を実行するプログラムを購入者端末211に実装させることにより、購入者端末を演算部203として機能させてもよい。この場合、記憶部が購入者端末211にダウンロードされることにより購入者端末211内に構築されて随時更新されてもよい。
また、記憶部202が判定サーバーとネットワーク200を介して接続され、ネットワーク200経由で逐次照会されてもよい。
【0030】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。以下にいくつか変更を例示するが、これらはすべてではなく、それ以外の変更も可能である。これらの変更が2以上適宜組み合わされてもよい。
【0031】
・真贋判定ラベルにおいて、領域10a下方の第二ラベルに、剥離されたことを容易に認識できる処理を行ってもよい。このような処理として、領域10aの下面の一部に粘着剤を設け、領域10aをめくりあげたときに第二印刷層32の一部が粘着剤により除去されて「VOID」等の表示が出現するような公知の技術を利用できる。これにより、流通過程での軽微な剥離に対する対処の要否を店頭等で判断しやすくなる。
・スリットは、閉じた環状に形成されてもよい。この場合、領域10aを領域10bから切り離して第二印刷層を確認できる。あるいは、第一ラベルと第二ラベルとの接合強度を部位ごとに変化させる等により、スリットを用いずに一部領域を第二ラベルから離間可能に構成してもよい。
【0032】
・第一基材や第二基材を透明にすることにより、第一印刷層や第二印刷層を、基材の下面側に設けてもよい。ただし、第一ラベルは、製造時において、第二印刷層を視認できないように覆う必要があるため、第一印刷層を第一基材の下面側に設ける場合は、第一印刷層を形成した後に、第二印刷層を覆う隠蔽層を全面印刷等により第一印刷層上に形成するのが好ましい。
【0033】
・真贋判定ラベルの製造方法において第二情報を複数の選択肢から選ぶ構成とする場合、
図7に示す変形例のように、第二領域102がインデックスIdを有してもよい。
図7に示すインデックスIdは、隣接する4つの単位領域u30それぞれの第二情報を示している。したがって、第一領域101と第二領域を102とを重ねた後でも、インデックスを読み取ることにより、各単位領域における真贋判定情報を取得できる。一つのインデックスに含める第二情報の数は、2以上であればよく、適宜設定できる。
このような変形例では、第一領域と第二領域の大きさが異なるため、第一領域のマトリクスと第二領域のマトリクスとは、必ずしも幅方向中央線Cに対して対称に配置されなくてもよい。
インデックスを設けることにより、第一領域と第二領域とを別体で印刷せざるを得ない等により位置ずれするおそれがある場合でも、第一領域と第二領域とを重ねた後でインデックスを読むことにより真贋判定情報を正確に取得できる。
【0034】
・真贋判定方法においては、判定回数に閾値を設定し、判定装置による判断基準に加えてもよい。例えば、記憶部に記憶されたある真贋判定情報の組合せに対する検索回数が閾値以上となった場合は、受信した真贋判定情報と一致していても偽造品と判定してもよい。このとき、演算部203は、「判定不能」と処理し、購入者端末に、「この情報は判定済みです。製造元までお問い合わせください。」等の表示をしてもよい。これにより、第三者が一つの真贋判定情報を複製した偽造ラベルを複数製造して偽造品に貼り付けた等の場合に容易に検知できる。
閾値は、同一の真贋判定情報を有した真贋判定ラベルの数と同一であること(例えば、ある真贋判定情報を有した真贋判定ラベルが1枚だけ製造される場合の閾値は「1」)が好ましいが、購入者による操作ミスや、一部の購入者が複数回真贋判定を行うこと等を考慮して、真贋判定ラベルの数に若干の数を加えた閾値としてもよい。
【0035】
・本発明の真贋判定ラベルが適用される物品は、典型的には酒類、ブランド品等の高級品であるが、これには限られない。本発明は、インクカートリッジや交換パーツなど、偽造品が流通しやすいあらゆる物品に適用できる。
【符号の説明】
【0036】
1 真贋判定ラベル
10 第一ラベル
10a 領域(一部)
10b 領域(周縁部)
12 第一印刷層
13 スリット
15 接着層
30 第二ラベル
32 第二印刷層
33 粘着層
100 ラベル基材
101 第一領域
102 第二領域
Id インデックス
202 記憶部
203 演算部