(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】第1の送り装置からスリーブ状の工作物を引き抜き、第2の送り装置にスリーブ状の工作物を被せ嵌める移送装置、搬送システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B65G 47/82 20060101AFI20240703BHJP
B65G 47/80 20060101ALI20240703BHJP
B65G 47/91 20060101ALI20240703BHJP
B65G 29/00 20060101ALI20240703BHJP
B65G 47/86 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B65G47/82 A
B65G47/80 Z
B65G47/91 B
B65G29/00
B65G47/86 G
B65G47/86 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020107420
(22)【出願日】2020-06-23
【審査請求日】2023-01-31
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520227776
【氏名又は名称】ヒンターコプフ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ・シュルツ
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2001/0025572(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第10261127(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00 - 47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の送り装置(3)からスリーブ状の工作物(2)を引き抜き、第2の送り装置(40)にスリーブ状の前記工作物(2)を被せ嵌める移送装置(20)であって、
リニアドライブ(21)であって、該リニアドライブ(21)は、ドライブハウジング(22)と、運動軸線(24)に沿った直線運動を提供するための、前記ドライブハウジング(22)に直線運動自在に保持された連結棒(23)とを有し、該連結棒(23)の、前記ドライブハウジング(22)から離れた側の端部領域に、伝動装置アセンブリ(25)が配置されており、該伝動装置アセンブリ(25)は、前記運動軸線(24)周りに揺動運動自在に支持された揺動体(27)を有し、該揺動体(27)に、第1の回動軸線(30)周りに回動自在に取り付けられた第1の工作物グリッパ(28)と、第2の工作物グリッパ(29)とが配置されており、前記伝動装置アセンブリ(25)は、調整装置(50)を有し、該調整装置(50)は、前記第1の工作物グリッパ(28)の、半径方向で前記運動軸線(24)から離れた側に配置された第1の把持領域(35)と、前記第2の工作物グリッパ(29)の、半径方向で前記運動軸線(24)から離れた側に配置された第2の把持領域(36)との間の距離(38)を調整するための調整運動を導入するように構成されている、リニアドライブ(21)と、
揺動ドライブ(16)であって、該揺動ドライブ(16)は、前記ドライブハウジング(22)に連結された揺動ドライブハウジング(17)と、該揺動ドライブハウジング(17)に揺動運動自在に支持された揺動シャフト(18)とを有し、該揺動シャフト(18)は、前記揺動体(27)に揺動運動を導入するように、かつ前記第1の工作物グリッパ(28)に揺動運動を伴う強制揺動運動を導入するために前記調整装置(50)を駆動制御するように構成されている、揺動ドライブ(16)と、
を備える、移送装置(20)。
【請求項2】
前記調整装置(50)は、制御手段(26)を有し、該制御手段(26)は、前記連結棒(23)に回動不能に結合されており、前記制御手段は(26)は、少なくとも1つの制御面(54,55)を有し、これにより、前記揺動体(27)と、該揺動体(27)に配置された前記第1の工作物グリッパ(28)と、前記第2の工作物グリッパ(29)とが揺動運動すると、揺動運動に依存した強制揺動運動がもたらされることを特徴とする、請求項1に記載の移送装置。
【請求項3】
前記制御手段(26)は、前記制御面(54,55)を有する制御溝(53)を有し、前記第1の工作物グリッパ(28)は、ガイド手段(52)又はガイドローラを介して、前記制御溝(53)に係合することを特徴とする、請求項2に記載の移送装置。
【請求項4】
前記第2の工作物グリッパ(29)は、第2の回動軸線(31)周りに回動自在に前記揺動体(27)に取り付けられており、前記第1の工作物グリッパ(28)の前記第1の回動軸線(30)と、前記第2の工作物グリッパ(29)の第2の回動軸線(31)とが、それぞれ前記運動軸線(24)に対して平行に同一の半径方向距離を置いて配置されていることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の移送装置。
【請求項5】
前記伝動装置アセンブリ(25)は、前記第1の工作物グリッパ(28)の、前記第1の回動軸線(30)から距離を置いて配置された把持領域(35)と、前記第2の工作物グリッパ(29)の、前記第2の回動軸線(31)から距離を置いて配置された把持領域(36)との間の距離を揺動角度に依存して調整するように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の移送装置。
【請求項6】
前記第1の工作物グリッパ(28)及び前記第2の工作物グリッパ(29)は、それぞれ把持手段を有し、該把持手段は、前記工作物(2)の、前記運動軸線(24)に対して横向きに方向付けられた底領域、及び/又は前記工作物(2)の、前記運動軸線(24)に対して平行に方向付けられたスリーブ部分を一時的に固定するように構成された凹部を有し、該凹部の延在軸線は、前記運動軸線(24)に対して平行に方向付けられていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の移送装置。
【請求項7】
スリーブ状の工作物(2)の搬送システム(1)であって、
第1のピッチ(15)を有する複数の第1の保持心棒(14)を有し、第1の搬送路に沿った前記第1の保持心棒(14)の循環運動を提供するように構成された、第1の送り装置(3)と、
第2のピッチ(42)を有する複数の第2の保持心棒(41)を有し、第2の搬送路に沿った前記第2の保持心棒(41)の循環運動を提供するように構成された、第2の送り装置(40)と、
を備え、前記第1の送り装置(3)と前記第2の送り装置(40)とは、少なくとも、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路とが最小距離を有する移送領域で、相互に平行に方向付けられた搬送平面内に配置されており、
さらに、前記移送領域に対応付けられた、前記第1の送り装置(3)の前記第1の保持心棒(14)からスリーブ状の前記工作物(2)を引き抜き、前記第2の送り装置(40)の前記保持心棒(41)にスリーブ状の前記工作物(2)を被せ嵌めるように構成された、請求項1から6までのいずれか1項に記載の移送装置(20)を、
備える、搬送システム(1)。
【請求項8】
前記移送装置(20)の前記伝動装置アセンブリ(25)は、前記第1の送り装置(3)のピッチ(15)に適合させるために、かつ前記第2の送り装置(40)のピッチ(42)に適合させるために、前記第1の工作物グリッパ(28)と前記第2の工作物グリッパ(29)との間の距離を変化するように構成されていることを特徴とする、請求項7に記載の搬送システム(1)
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の送り装置からスリーブ状の工作物を引き抜き、第2の送り装置にスリーブ状の工作物を被せ嵌める移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第2840046号明細書において、ロータ軸線周りに回動自在に支持されたロータと、ロータに回動運動を導入するための回動ドライブと、保持位置で工作物を少なくとも対を成して保持し、かつロータの回動運動中に引渡し位置で工作物を少なくとも対を成して引き渡すように構成された、ロータに取り付けられた少なくとも2つの工作物ホルダを有する、少なくとも1つの工作物ホルダ群と、工作物ホルダ群の少なくとも1つの工作物ホルダに連結されているとともに、ロータの回動運動に依存して工作物ホルダ群の工作物ホルダ同士の距離を周期的に調整するように構成された位置調整手段と、を備える、工作物を送るための送り装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、それぞれ異なる送り装置に合わせた調整の改善を可能にする、第1の送り装置からスリーブ状の工作物を引き抜き、第2の送り装置にスリーブ状の工作物を被せ嵌める移送装置、搬送システム及び方法を提供することである。
【発明の効果】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴を有する、冒頭で述べた形態の移送装置において解決される。そこでは、移送装置が、リニアドライブであって、リニアドライブは、ドライブハウジングと、運動軸線に沿った直線運動を提供するための、ドライブハウジングに直線運動自在に保持された連結棒とを有し、連結棒の、ドライブハウジングから離れた側の端部領域に、伝動装置アセンブリが配置されていて、伝動装置アセンブリは、運動軸線周りに揺動運動自在に支持された揺動体を有し、揺動体に、第1の回動軸線周りに回動自在に取り付けられた第1の工作物グリッパと、第2の工作物グリッパとが配置されていて、伝動装置アセンブリは、調整装置を有し、調整装置は、第1の工作物グリッパの、半径方向で運動軸線から離れた側に配置された第1の把持領域と、第2の工作物グリッパの、半径方向で運動軸線から離れた側に配置された第2の把持領域との間の距離を調整するための調整運動を導入するように構成されている、リニアドライブと、揺動ドライブであって、揺動ドライブは、ドライブハウジングに連結された揺動ドライブハウジングと、揺動ドライブハウジングに揺動運動自在に支持された揺動シャフトとを有し、揺動シャフトは、揺動体に揺動運動を導入するように、かつ第1の工作物グリッパに揺動運動に伴われる強制揺動運動を導入するために調整装置を駆動制御するように構成されている、揺動ドライブと、を備える。
【0006】
リニアドライブは、直線運動を提供するために用いられ、この直線運動によって、第1の送り装置の第1の保持心棒からの工作物の引抜きと、第2の送り装置の第2の保持心棒への工作物の被嵌めとが行われ、その際、第1の保持心棒と第2の保持心棒とが、相互に平行に方向付けられていることが前提となる。工作物は、スリーブ状の、好適には薄肉の、特に好適には閉じた底領域を有するボディであって、特にアルミニウム製のエアロゾル容器素材又はプラスチックチューブ素材であって、例えば印刷ユニット又は塗装ユニットなどの加工機械が対応付けられた、第1の搬送装置及び第2の搬送装置によって、生産ラインにおいて加工可能であることが前提となる。リニアドライブは、空圧シリンダ又は液圧シリンダ又は好ましくは電気機械式の駆動装置として構成されてよい。特に好適には、リニアドライブは、電気的な伝動装置モータとして構成されていて、そのモータハウジングは、ドライブハウジングとして用いられ、かつ特に機械フレームに固定することができ、リニアドライブは、引張り手段、例えばチェン又は歯付きベルトを介して、スプロケット又はベルトプーリの回転運動を、直線運動自在にガイドされるキャリッジの直線運動へと変換し、この場合、キャリッジは、それ自体、キャリッジの直線運動を伝達するのに用いられる連結棒に結合されている。連結棒は、運動軸線に沿って延在し、運動軸線に沿って、直線運動、特に直線的な逆転運動を行う。
【0007】
連結棒の、駆動ハウジングから離れた側の端部領域に、伝動装置アセンブリが配置されていて、伝動装置アセンブリは、少なくとも2つの工作物グリッパを支持し、この場合、各々の工作物グリッパは、工作物を把持するように構成されている。伝動装置アセンブリの役割は、少なくとも2つの工作物グリッパの周期的な揺動運動を提供することにあり、揺動運動によって、第1の送り装置の第1の保持心棒と第2の送り装置の第2の保持心棒との間で、工作物グリッパと、場合によってはそこに保持される工作物との位置調整をもたらすことができる。
【0008】
そのために、伝動装置アセンブリは、運動軸線周りに揺動運動自在に支持された揺動体を有し、揺動体に、少なくとも2つの工作物グリッパが取り付けられている。例えば、揺動体が、所定の揺動角度範囲だけ揺動運動自在に揺動シャフトに取り付けられているようになっている。各々の工作物グリッパは、把持領域を有し、把持領域は、その都度の工作物を保持するように構成されている。工作物グリッパの把持領域は、それぞれ半径方向で運動軸線から離れて配置されており、好適には、把持領域は、それぞれ運動軸線から同一の半径方向距離を有する。特に好適には、第1の把持領域と運動軸線との間の第1の接続線と、第2の把持領域と運動軸線との間の第2の接続線とが、それぞれ同一の、場合によっては可変の長さを有し、かつ所定の、特に可変の鋭角を形成する。
【0009】
両方の工作物の間の距離の適合ひいては第1の送り装置の第1の保持心棒と第2の送り装置の第2の保持心棒とのの異なるピッチに合わせた調整を可能にするために、第1の工作物グリッパは、第1の回動軸線周りに回動自在に揺動体に取り付けられている。この場合、回動軸線と第1の工作物グリッパの第1の把持領域との間に所定の距離が設けられている。好適には、第1の回動軸線は、運動軸線に対して平行に方向付けられている。例えば揺動体に固く配置されてよい第2の工作物グリッパに対して相対的な第1の工作物グリッパの揺動位置への影響は、伝動装置アセンブリに対応付けられた調整装置によって及ぼされる。調整装置は、第1の工作物グリッパの、半径方向で運動軸線から離れた側に配置された第1の把持領域と、第2の工作物グリッパの、半径方向で運動軸線から離れた側に配置された第2の把持領域との間の距離を調整するための調整運動を導入するように構成されている。
【0010】
調整装置の揺動運動の提供は、揺動ドライブによって行われる。揺動ドライブは、ドライブハウジングに連結された揺動ドライブハウジングと、揺動ドライブハウジングに揺動運動自在に支持された揺動シャフトとを有する。例えば、揺動ドライブは、電気的な伝動装置モータとして構成されていて、この場合、揺動ドライブの揺動シャフトは、揺動運動を行うことができ、揺動体に揺動運動を導入するように構成されている。揺動ドライブによる調整装置の駆動制御によって、揺動体への揺動運動の導入及び第1の工作物グリッパへの強制揺動運動の導入が行われ、これにより、第1の工作物グリッパと第2の工作物グリッパとの間の距離調整がもたらされる。
【0011】
好適には、揺動ドライブのドライブハウジングは、運動学的に特に固く、機械フレームを介して、リニアドライブのドライブハウジングに結合されるようになっている。
【0012】
本発明の有利な発展形態は、従属請求項の対象である。
【0013】
合目的的には、調整装置は、制御手段を有し、制御手段は、連結棒に回動不能に結合されていて、制御手段は、少なくとも1つの制御面を有し、これにより、揺動体と、揺動体に配置された第1の工作物グリッパと、第2の工作物グリッパとが揺動運動すると、揺動運動に依存した強制揺動運動がもたらされる。制御手段は、第1の工作物グリッパの強制運動を提供するために用いられ、これにより、第1の工作物グリッパは、第1の送り装置の第1の保持心棒と第2の送り装置の第2の保持心棒とのそれぞれ異なるピッチに適合させるために第2の工作物グリッパに対する距離変化を保証することができる。例えば、制御手段は、カムディスクとして構成されていて、このカムディスクは、少なくとも部分的に平坦に構成された、かつ/又は少なくとも部分的に湾曲して構成された制御面を有する。この場合、好適には、制御面が有する1つ又は複数の曲率半径、特に全ての曲率半径が、それ自体は運動軸線に対して平行に方向付けられた中心軸線に関して方向付けられているようになっている。制御面によって、運動軸線に対して揺動体が揺動運動するとき、第1の工作物グリッパの強制揺動運動の強制的な依存性を保証することができる。
【0014】
好適には、制御手段は、制御面を有する制御溝を有し、第1の工作物グリッパは、ガイド手段、特にガイドローラを介して、制御溝に係合するようになっている。これにより、運動軸線に対して相対的な揺動体の揺動運動が行われるとき、第1の工作物グリッパの確実な強制制御が保証される。好適には、制御溝は、制御手段に属する制御プレート内に加工されていて、制御プレートは、カムディスクとも称されてもよい。ガイド手段は、好適には、ある種のピンとして構成されていて、このピンは、制御溝に係合し、半径方向外側に位置する外周面で、制御溝の制御面に接する。好適には、ピンとして構成されたガイド手段に、ガイドローラが対応付けられているので、ガイド手段と制御面との間の相対運動時に低摩擦の回転摩擦が生じる。
【0015】
本発明の1形態では、第2の工作物グリッパが、第2の回動軸線周りに回動自在に揺動体に取り付けられていて、好適には、第1の工作物グリッパの第1の回動軸線と、第2の工作物グリッパの第2の回動軸線とが、それぞれ運動軸線に対して平行に同一の半径方向距離を置いて配置されているようになっている。揺動体に第2の工作物グリッパが回動自在に配置されているとき、第1の工作物グリッパと第2の工作物グリッパとの間の距離変化が、両方の工作物グリッパ同士のその都度の逆向きの接近運動又は離反運動によって実現されるようになっていてよい。ゆえに、両方の工作物グリッパの各々は、両方の工作物グリッパの間の所望の距離調整を実現するのに、半分の揺動角度だけを摺動すればよく、そうでない場合には第1の工作物グリッパだけが単独で摺動しなければならない。要するに、このような手段によって、各々の工作物グリッパ、及び場合によっては工作物グリッパに保持される工作物の角加速の著しい低下を達成することができる。
【0016】
好適には、伝動装置アセンブリが、第1の工作物グリッパの、第1の回動軸線から距離を置いて配置された把持領域と、第2の工作物グリッパの、第2の回動軸線から距離を置いて配置された把持領域との間の距離を運動軸線に対する揺動体の揺動角度に依存して調整するように構成されている。
【0017】
本発明の有利な改良形態では、第1の工作物グリッパ及び第2の工作物グリッパが、それぞれ把持手段を有し、把持手段は、工作物の、運動軸線に対して横向きに方向付けられた底領域、及び/又は工作物の、運動軸線に対して平行に方向付けられたのスリーブ部分を一時的に固定するように構成された凹部を有し、凹部の延在軸線は、運動軸線に対して平行に方向付けられている。把持手段は、例えば負圧吸引装置として、又は空圧、電気もしくは液圧作動式のコレットチャックとして構成することができる。そのために、把持手段の凹部に、対応する把持装置が形成されている。把持手段は、工作物を、各々の工作物グリッパ寄りのスリーブ部分及び/又は各々の工作物グリッパ寄りの、特に円形に形成された底領域で把持し、一時的に固定することを可能にする。この場合、把持手段から工作物に及ぼすことができる把持力は、工作物を引き抜くときの運動軸線に沿った縦方向加速度と、第1の送り装置と第2の送り装置との間で工作物が位置調整されるときの横方向加速度とを確実に支持することができるように設定されている。
【0018】
本発明の課題は、以下の特徴を有する、冒頭で述べた形態の搬送システムにおいて解決される。搬送システムは、第1のピッチを有する複数の第1の保持心棒を有し、第1の搬送路に沿った第1の保持心棒の循環運動を提供するように構成された、第1の送り装置と、第2のピッチを有する複数の第2の保持心棒を有し、第2の搬送路に沿った第2の保持心棒の循環運動を提供するように構成された、第2の送り装置と、を備え、第1の送り装置と第2の送り装置とは、少なくとも、第1の搬送路と第2の搬送路とが最小距離を有する移送領域で、相互に平行に方向付けられた搬送平面内に配置されており、さらに、移送領域に対応付けられた、第1の送り装置の第1の保持心棒からスリーブ状の工作物を引き抜き、第2の送り装置の保持心棒にスリーブ状の工作物を被せ嵌めるように構成された、前述の移送装置を、備える。
【0019】
例えば、第1の送り装置は、回転切替台として構成されていて、回転切替台は、複数の第1の保持心棒を有し、第1の保持心棒は、回転切替台の回動軸線に対して平行に、それぞれ同一の半径方向距離を置いて、かつ回動軸線に対して同一の角度ピッチを置いて配置されている。これにより、第1の送り装置は、単なる典型例として円形の搬送路を定め、この場合、搬送路に1つ又は複数の加工装置を対応付けることができ、加工装置は、例えば工作物の表面処理、例えば工作物外側表面の印刷又は塗装などを可能にする。好適には、第1の送り装置が、間欠的な回動ステップ運動で運転され、その際、第1の保持心棒が、それぞれ位置固定に設定された保持位置同士の間で搬送路上を送られ、その際、保持位置では、例えば工作物の加工又は工作物の引抜きを行うことができるようになっている。
【0020】
単なる典型例として第2の送り装置は、チェンコンベヤとして構成することができ、この場合、リンクチェンが、棒状の複数の第2の保持心棒を有し、この場合、隣り合う保持心棒同士の間のピッチは、リンクチェンのチェンリンクのピッチの整数倍に相応する。そのようなリンクチェンは、好適には共通の第2の搬送面内に配置された複数のスプロケットを介してガイドすることができ、例えば工作物貯蔵装置として、かつ/又は後続の加工装置に工作物を搬送するために使用することができる。好適には、第2の送り装置は、工作物を連続して搬送するために設けられていて、その際、リンクチェンは、一定の循環走行速度で運動させられる。
【0021】
例えば、第1の送り装置及び第2の送り装置が、少なくとも、第1の搬送路と第2の搬送路とが最小距離を有する移送領域において、相互に平行に方向付けられた搬送平面内に配置されているようになっている。特に好適には、両方の送り装置が、少なくとも部分的に移送領域で共通の搬送平面内に配置されているようになっている。移送領域に、第1の送り装置の第1の保持心棒からスリーブ状の工作物を引き抜き、第2の送り装置の保持心棒にスリーブ状の工作物を被せ嵌めるように構成された、本発明による移送装置が対応付けられている。ゆえに、移送装置は、第1の送り装置によって搬送される工作物を第2の送り装置に供給するために用いられる。この場合、移送装置は、一方では、第1の送り装置の第1の保持心棒と第2の送り装置の第2の保持心棒とのそれぞれ異なるピッチの間の適合を可能にする。他方では、移送装置は、不連続に作動する第1の送り装置から連続して作動する第2の送り装置に工作物を供給するために用いることができる。第1の送り装置と第2の送り装置との前述の説明は、精確に逆の形態でも存在し得るので、第1の送り装置が連続して送り、第2の送り装置が非連続に作動する。両方の送り装置が不連続に又は連続して作動するようになっていてもよい。
【0022】
搬送システムの有利な改良形態では、伝動装置アセンブリは、第1の送り装置のピッチに適合させるために、かつ第2の送り装置のピッチに適合させるために、第1の工作物グリッパと第2の工作物グリッパとの間の距離を変化するように構成されているようになっている。
【0023】
本発明の課題は、本発明の第3の観点によれば、第1の送り装置からスリーブ状の工作物を引き抜き、第2の送り装置にスリーブ状の工作物を被せ嵌める方法によって解決される。この場合、方法は、第1のピッチを有する複数の第1の保持心棒を有する第1の送り装置を用いて、連続する又は非連続の送り運動で、移送領域に工作物を供給する、ステップと、移送装置の少なくとも2つの工作物グリッパを用いて、運動軸線に沿って行われる第1の直線運動で、第1の保持心棒からその都度少なくとも2つの工作物を引き抜き、その際、工作物グリッパ同士の距離が、第1のピッチに適合されている、ステップと、運動軸線周りの工作物グリッパの揺動運動を行い、その際、第2の送り装置の複数の第2の保持心棒の第2のピッチに対する工作物グリッパ同士の距離の適合が行われる、ステップと、運動軸線に沿って、第1の直線運動とは逆の方向に行われる第2の直線運動で、第2の送り装置の第2の保持心棒に工作物を被せ嵌め、その際、第2の送り装置は、連続する又は非連続の送り運動を行い、その際、第1の保持心棒と第2の保持心棒とは、移送領域において、相互に平行に方向付けられていて、相互に平行に方向付けられた運動平面内に、特に共通の一運動平面内に配置されている、ステップと、を有する。
【0024】
方法の有利な改良形態では、工作物グリッパの揺動運動を行うとき、工作物グリッパのうちの少なくとも1つは、工作物グリッパ同士の間の距離を調整するために、運動軸線に対して距離を置いて配置されるとともに、運動軸線に対して平行に方向付けられた回動軸線周りの重畳した回動運動を行うようになっている。
【0025】
方法のさらに別の構成では、第1の送り装置が、工作物を引き抜く間、かつ/又は第2の送り装置が、工作物を被せ嵌める間、連続する送り運動を行い、移送装置が、工作物を引き抜く間及び/又は工作物を被せ嵌める間、工作物グリッパの位相が同一の運動を行うようになっている。
【0026】
本発明の有利な実施形態が図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1の送り装置と、第2の送り装置と、第1の送り装置によって搬送することができる工作物を第2の送り装置に供給する移送装置とを有する搬送システムの概略正面図である。
【
図2】
図1による搬送システムの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1及び
図2において、縮尺通りには図示されておらず単に略示されたに過ぎない搬送システム1が、工作物2を搬送するために設けられていて、この場合、工作物2は、
図2の例示的な描画によれば、閉じて構成された底領域を有する円筒形のスリーブとして実現されている。単なる典型例として工作物2は、アルミニウム製のスリーブ状のエアロゾル容器素材又はプラスチックチューブ素材として構成されている。
【0029】
例えば、第1の送り装置3への工作物2の供給は、略示されただけの星形装填部材4によって行われ、星形装填部材4は、工作物2を、供給位置5で、工作物回転台6の保持心棒14に被せ嵌める。保持心棒14は、単なる典型例として搬送平面7に対して横向きに方向付けられている。工作物回転台6は、間欠的な回動ステップ運動を行うように構成されているので、保持心棒14に保持された、詳細には図示されていない工作物2を、回動中心8に関してそれぞれ一定の角度ピッチを置いて配置された、詳細には図示されていない複数の作業位置に供給することができる。例えば、作業位置9に印刷装置10が配置されていて、印刷装置10において、例えばインクジェット印刷法で、工作物2の外側表面に印刷を行うことができる。これに先行するかつ後続する、詳細には図示されていない作業位置において、工作物のさらに別の加工プロセスを実行することができる。
【0030】
第1の送り装置の保持心棒14は、共通の直径12上に一定の角度ピッチを置いて配置されているので、保持心棒14同士が一定のピッチ15を有する。
【0031】
搬出位置11において、移送装置20によって、工作物2の引抜きが行われる。移送装置20は、保持心棒14からの工作物2の引抜きと、単なる典型例としてチェンコンベヤとして構成された第2の送り装置40の保持心棒41への工作物2の被嵌めを可能にする。この場合、保持心棒41は、それぞれ詳細には図示されていないチェン部材の、同様に詳細には図示されていないリンクピンに取り付けられていて、例えば第1の送り装置3の第1のピッチ15とは異なる第2のピッチ42を有する。例えば、保持心棒41が、第1の送り装置3の搬送平面7に対して平行に配置された搬送平面43に配置されているようになっている。
【0032】
移送プロセスの実行のために、移送装置20は、例えばリニアドライブ21を有し、リニアドライブ21は、単なる典型例として電気機械式のスピンドルドライブとして構成されていて、この場合、詳細には図示されていない電気駆動モータが、ドライブハウジング22内に収容されている。ドライブハウジング22は、詳細には図示されていない形態で、機械フレームに結合されていて、機械フレームは、同様に詳細には図示されていない形態で、第1の送り装置3と第2の送り装置40とに結合されている。
【0033】
ドライブハウジング22には、連結棒23が、直線運動自在に支持されていて、連結棒23の内側に例えばハーフナットを収容することができ、これにより、同様に詳細には図示されていない、駆動モータによって駆動されるねじスピンドルの回動運動が連結棒23の直線運動に変換される。ゆえに、連結棒23は、運動軸線24に沿って振動性の直線の逆転運動を行うことができる。連結棒23の、ドライブハウジング22から離れた側の端部領域に、伝動装置アセンブリ25が取り付けられていて、伝動装置センブリ25は、制御手段として用いられる単なる典型例として矩形に形成されたベースプレート26と、運動軸線24周りに旋回運動式に揺動可能で、ベースプレート26に可動に支持された揺動体27とを有する。揺動体27は、単なる典型例として円形の面平行プレートとして構成されている。例えば、揺動体27の揺動軸線は、運動軸線24と同一である。
【0034】
一例として、揺動体27に、第1の工作物グリッパ28及び第2の工作物グリッパ29が配置されているようになっている。この場合、第1の工作物グリッパ28は、第1の回動軸線30周りに回動自在に揺動体27に取り付けられている。さらに、第2の工作物グリッパ29は、第2の回動軸線31周りに回動自在に揺動体27に取り付けられている。さらに、第1の工作物グリッパ28及び第2の工作物グリッパ29には、それぞれ、各々の回動軸線30,31に対して同軸に配置されるとともに各々の工作物グリッパ28,29に固定された歯車32,33が設けられていて、歯車32,33は、両方の工作物グリッパ28,29の強制的な逆方向の運動の連結を保証する。そのために、両方の歯車32,33は、それぞれ同一の直径と同一の歯列とを有する。さらに、第1の工作物グリッパ28の、第1の回動軸線30から離れた側の端部領域に、第1の把持領域35が形成されていて、第1の把持領域35にて、工作物2を、図示されていない手段で保持することができるようになっている。同様に、第2の工作物グリッパ29の、第2の回動軸線32から離れた側の端部領域に、第2の把持領域36が形成されていて、第2の把持領域36にて、工作物2を、詳細には図示されていない手段で保持することができる。例えば、両方の把持領域35,36は、それぞれ容器状に構成されていて、この場合、各々の工作物2を固定するために負圧を加えることができる、把持領域35,36の容器状開口が、保持心棒14又は保持心棒41に面していて、したがって
図1には認められない。さらに、両方の把持領域35,36が、それぞれ揺動軌道37の部分上を運動することができるようになっている。揺動軌道37は、例えば円の一部として構成されてよいが、異なる曲率経過を有してもよい。
【0035】
第1の把持領域35と第2の把持領域36との間の距離38の調整を可能にし、ひいては移送装置20の適合と両方の送り装置3,40のそれぞれ異なるピッチ15,42とを実現可能にするために、両方の工作物グリッパ28,29への揺動運動の導入が行われる。そのために、第1の工作物グリッパ28が、調整装置50に連結されていて、調整装置50は、ベースプレート26に対する揺動体27の揺動位置に依存する調整運動をもたらす。そのために、調整装置50は、第1の工作物グリッパ28に固く結合された連結レバー51を有し、連結レバー51は、単なる典型例として第1の工作物グリッパ28の延長上に延在し、運動軸線24に対して平行に方向付けられた制御ピン52に結合されている。制御ピン52は、揺動体27に設けられた、詳細には図示されていない空所を貫通し、端面側でベースプレート26内に加工された制御溝53に係合する。制御溝53は、単なる典型例として図示されているに過ぎず、制御溝53と、制御溝を縁側で画定する制御面54,55との経過は、その都度の両方の工作物グリッパ28,29同士の相対運動の要求に適合される。
【0036】
例えば、制御溝53及び制御面54,55は、第1の送り装置3と第2の送り装置40との間で、揺動体27と、これに取り付けられた工作物グリッパ28,29とが揺動運動する際に、両方の把持領域35,36同士の間の距離38の増加をもたらすことができ、ひいては第1の送り装置3と第2の送り装置40との間で工作物2を移送するための所望のピッチ変化が保証されるようになっていてよい。
【0037】
ベースプレート26に対する揺動体27の揺動運動の提供は、揺動ドライブ16によって行われる。揺動ドライブ16は、リニアドライブ21のドライブハウジング22に連結された揺動ドライブハウジング17と、揺動運動自在に揺動ドライブハウジング17に支持された揺動シャフト18とを有する。例えば、揺動ドライブ16は、電気的な伝動装置モータとして構成されていて、その回動運動は、詳細には図示されていない、揺動ドライブハウジング17内に収容された減速伝動装置によって減速伝達され、例えば150度の揺動角度間隔を有する揺動運動として、揺動体27に導入される。この場合、揺動運動が、振動性の逆転運動として提供されるので、例えば、工作物回転台6の2回目の回動ステップ運動ごとにそれぞれ2つの工作物2を引き抜くことができ、そして移送装置20によって、第2の送り装置40の第2の保持心棒41に供給することができ、その際、第2の送り装置40は、単なる典型例として工作物2のための連続的な搬送運動のために設けられるようになっている。
【0038】
好適には、制御溝53及び制御面54,55は、まずは第1の保持心棒14による工作物2の引抜き運動中、工作物2が完全に第1の保持心棒14から引き抜かれるまで、距離38の変化が行われないように構成されるようになっている。例えば、リニアドライブ21は、その時点で非作動化されるので、まずは伝送装置アセンブリ25のさらなる直線運動が行われないようになっていてよい。これに続いて、揺動ドライブ16が作動化され、これにより、伝動装置アセンブリ25への揺動運動の導入がもたらされる。その際、一方では、揺動体27に回動自在に取り付けられた工作物グリッパ28,29が、運動軸線24周りに揺動される。さらに、歯車32,33による両方の工作物グリッパ28,29の強制連結に基づいて、調整装置の作用下で、両方の把持領域35,36の距離38の変化が行われるので、両方の把持領域35,36は、第2の送り装置40の第2の保持心棒41への直線的な接近運動が行われる前に、すでに第2の送り装置40のピッチ42に相当する距離38を有する。これに続いて、リニアドライブ21の作動化が行われ、その際、両方の把持領域35、36の運動速度が保持心棒41の運動速度と一致するように、揺動ドライブ16の駆動制御を行うことができる。さらに単なる典型例として、詳細には図示されていないコンベヤチェンと、コンベヤチェンに取り付けられた保持心棒41との経過によって確定された搬送路44が、少なくとも部分的に両方の把持領域35,36の揺動軌道37と一致するので、把持領域35,36において保持された工作物2を、第2の送り装置40の保持心棒41に被せ嵌めることができ、その際、揺動軌道37と、搬送路44の、揺動軌道37に対応付けられた部分との間の相対速度差及び/又はずれが存在しないようになっている。これにより、保持心棒41への工作物2の確実な被嵌めは、第1の送り装置3と第2の送り装置40との間の移送運動のサイクル数が高い場合でも保証される。
【0039】
移送装置20の、これに続く戻し調整運動に際して、両方の把持領域35,36の逆向きの距離変化が行われるので、把持領域35,36は、第1の送り装置3の第1の保持心棒14に直線的に接近するとき、第1の保持心棒14のピッチ15を有する。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
第1の送り装置(3)からスリーブ状の工作物(2)を引き抜き、第2の送り装置(40)にスリーブ状の工作物(2)を被せ嵌める移送装置(20)であって、
リニアドライブ(21)であって、リニアドライブ(21)は、ドライブハウジング(22)と、運動軸線(24)に沿った直線運動を提供するための、ドライブハウジング(22)に直線運動自在に保持された連結棒(23)とを有し、連結棒(23)の、ドライブハウジング(22)から離れた側の端部領域に、伝動装置アセンブリ(25)が配置されていて、伝動装置アセンブリ(25)は、運動軸線(24)周りに揺動運動自在に支持された揺動体(27)を有し、揺動体(27)に、第1の回動軸線(30)周りに回動自在に取り付けられた第1の工作物グリッパ(28)と、第2の工作物グリッパ(29)とが配置されていて、伝動装置アセンブリ(25)は、調整装置(50)を有し、調整装置(50)は、第1の工作物グリッパ(28)の、半径方向で運動軸線(24)から離れた側に配置された第1の把持領域(35)と、第2の工作物グリッパ(29)の、半径方向で運動軸線(24)から離れた側に配置された第2の把持領域(36)との間の距離(38)を調整するための調整運動を導入するように構成されている、リニアドライブ(21)と、
揺動ドライブ(16)であって、揺動ドライブ(16)は、ドライブハウジング(22)に連結された揺動ドライブハウジング(17)と、揺動ドライブハウジング(17)に揺動運動自在に支持された揺動シャフト(18)とを有し、揺動シャフト(18)は、揺動体(27)に揺動運動を導入するように、かつ第1の工作物グリッパ(28)に揺動運動に伴われる強制揺動運動を導入するために調整装置(50)を駆動制御するように構成されている、揺動ドライブ(16)と、
を備える、移送装置(20)。
2.
調整装置(50)は、制御手段(26)を有し、制御手段(26)は、連結棒(23)に回動不能に結合されていて、制御手段は(26)は、少なくとも1つの制御面(54,55)を有し、これにより、揺動体(27)と、揺動体(27)に配置された第1の工作物グリッパ(28)と、第2の工作物グリッパ(29)とが揺動運動すると、揺動運動に依存した強制揺動運動がもたらされることを特徴とする、上記1の移送装置。
3.
制御手段(26)は、制御面(54,55)を有する制御溝(53)を有し、第1の工作物グリッパ(28)は、ガイド手段(52)、特にガイドローラを介して、制御溝(53)に係合することを特徴とする、上記2の移送装置。
4.
第2の工作物グリッパ(29)は、第2の回動軸線(31)周りに回動自在に揺動体(27)に取り付けられていて、好適には、第1の工作物グリッパ(28)の第1の回動軸線(30)と、第2の工作物グリッパ(29)の第2の回動軸線(31)とが、それぞれ運動軸線(24)に対して平行に同一の半径方向距離を置いて配置されていることを特徴とする、上記1、2又は3の移送装置。
5.
伝動装置アセンブリ(25)は、第1の工作物グリッパ(28)の、第1の回動軸線(30)から距離を置いて配置された把持領域(35)と、第2の工作物グリッパ(29)の、第2の回動軸線(31)から距離を置いて配置された把持領域(36)との間の距離を揺動角度に依存して調整するように構成されていることを特徴とする、上記4の移送装置。
6.
第1の工作物グリッパ(28)及び第2の工作物グリッパ(29)は、それぞれ把持手段を有し、把持手段は、工作物(2)の、運動軸線(24)に対して横向きに方向付けられた底領域、及び/又は工作物(2)の、運動軸線(24)に対して平行に方向付けられたスリーブ部分を一時的に固定するように構成された凹部を有し、凹部の延在軸線は、運動軸線(24)に対して平行に方向付けられていることを特徴とする、上記1から5までのいずれか1つの移送装置。
7.
スリーブ状の工作物(2)の搬送システム(1)であって、
第1のピッチ(15)を有する複数の第1の保持心棒(14)を有し、第1の搬送路に沿った第1の保持心棒(14)の循環運動を提供するように構成された、第1の送り装置(3)と、
第2のピッチ(42)を有する複数の第2の保持心棒(41)を有し、第2の搬送路に沿った第2の保持心棒(41)の循環運動を提供するように構成された、第2の送り装置(40)と、
を備え、第1の送り装置(3)と第2の送り装置(40)とは、少なくとも、第1の搬送路と第2の搬送路とが最小距離を有する移送領域で、相互に平行に方向付けられた搬送平面内に配置されていて、
さらに、移送領域に対応付けられた、第1の送り装置(3)の第1の保持心棒(14)からスリーブ状の工作物(2)を引き抜き、第2の送り装置(40)の保持心棒(41)にスリーブ状の工作物(2)を被せ嵌めるように構成された、上記1から6までのいずれか1つの移送装置(20)を、
備える、搬送システム(1)。
8.
伝動装置アセンブリ(25)は、第1の送り装置(3)のピッチ(15)に適合させるために、かつ第2の送り装置(40)のピッチ(42)に適合させるために、第1の工作物グリッパ(28)と第2の工作物グリッパ(29)との間の距離を変化するように構成されていることを特徴とする、上記7の搬送システム(1)。
9.
第1の送り装置(3)からスリーブ状の工作物(2)を引き抜き、第2の送り装置(40)にスリーブ状の工作物(2)を被せ嵌める方法であって、
第1のピッチ(15)を有する複数の第1の保持心棒(14)を有する第1の送り装置(3)を用いて、連続する又は非連続の送り運動で、移送領域に工作物(2)を供給する、ステップと、
移送装置(20)の少なくとも2つの工作物グリッパ(28,29)を用いて、運動軸線(24)に沿って行われる第1の直線運動で、第1の保持心棒(14)からその都度少なくとも2つの工作物(2)を引き抜き、その際、工作物グリッパ(28,29)同士の距離が、第1のピッチ(15)に適合されている、ステップと、
運動軸線(24)周りの工作物グリッパ(28,29)の揺動運動を行い、その際、第2の送り装置(40)の複数の第2の保持心棒(41)の第2のピッチ(42)に対する工作物グリッパ(28,29)同士の距離の適合が行われる、ステップと、 運動軸線(24)に沿って、第1の直線運動とは逆の方向に行われる第2の直線運動で、第2の送り装置(40)の第2の保持心棒(41)に工作物(2)を被せ嵌め、その際、第2の送り装置(40)は、連続する又は非連続の送り運動を行い、その際、第1の保持心棒(14)と第2の保持心棒(41)とは、移送領域において、相互に平行に方向付けられていて、相互に平行に方向付けられた運動平面内に、特に共通の一運動平面内に配置されている、ステップと、
を有する、方法。
10.
工作物グリッパ(28,29)の揺動運動を行うとき、工作物グリッパ(28,29)のうちの少なくとも1つは、工作物グリッパ(28,29)同士の間の距離(38)を調整するために、運動軸線(24)に対して距離を置いて配置されるとともに、運動軸線(24)に対して平行に方向付けられた回動軸線周りの重畳した回動運動を行うことを特徴とする、上記9の方法。
11.
第1の送り装置(3)が、工作物(2)を引き抜く間、かつ/又は第2の送り装置(40)が、工作物(2)を被せ嵌める間、連続する送り運動を行い、移送装置(20)が、工作物(2)を引き抜く間及び/又は工作物(2)を被せ嵌める間、工作物グリッパ(28,29)の位相が同一の運動を行うことを特徴とする、上記9又は10の方法。
【符号の説明】
【0040】
1 搬送システム
2 工作物
3 第1の送り装置
4 星形装填部材
5 供給位置
6 工作物回転台
7 搬送平面
8 回動中心
9 作業位置
10 印刷装置
11 搬出位置
12 直径
14 保持心棒
15 ピッチ
16 揺動ドライブ
17 揺動ドライブハウジング
18 揺動シャフト
20 移送装置
21 リニアドライブ
22 ドライブハウジング
23 連結棒
24 運動軸線
25 伝動装置アセンブリ
26 ベースプレート
27 揺動体
28 第1の工作物グリッパ
29 第2の工作物グリッパ
30 第1の回動軸線
31 第2の回動軸線
32 歯車
33 歯車
35 第1の把持領域
36 第2の把持領域
37 揺動軌道
38 距離
40 第2の送り装置
41 保持心棒
42 ピッチ
43 搬送平面
44 搬送路
50 調整装置
51 連結レバー
52 制御ピン
53 制御溝
54 制御面
55 制御面