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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】三次元造形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/165 20170101AFI20240703BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20240703BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240703BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240703BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20240703BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20240703BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20240703BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B29C64/165
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
B29C64/209
B22F3/16
B28B1/30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021033334
(22)【出願日】2021-03-03
(65)【公開番号】P2022134290
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-082488(JP,A)
【文献】特開2018-114678(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2451673(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/165
B29C 64/393
B33Y 10/00
B33Y 30/00
B33Y 50/02
B29C 64/209
B22F 3/16
B28B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末材料を硬化させて硬化層を形成し、これを順次積層することによって三次元造形物を造形する三次元造形装置であって、
造形された前記三次元造形物が収容される本体部と、
前記粉末材料が収容されかつ前記三次元造形物が造形される造形空間を有し、前記本体部に設けられた造形槽と、
前記造形槽に配置され、前記粉末材料が載置される第1テーブルと、
前記造形槽に配置され、前記第1テーブルを上昇および下降させる第1昇降装置と、
前記造形槽に対して走査方向の一方側に位置するように前記本体部に設けられ、前記造形槽に供給される前記粉末材料が貯留される貯留空間を有する供給槽と、
前記供給槽に配置され、前記粉末材料が載置される第2テーブルと、
前記供給槽に配置され、前記第2テーブルを上昇および下降させる第2昇降装置と、
前記第2テーブルに載置された前記粉末材料を前記造形槽に搬送しかつ前記粉末材料を前記造形空間に敷き詰める敷詰め部材と、
前記敷詰め部材を支持する支持部材と、
前記三次元造形物の三次元モデルに基づいて、前記造形空間に収容された前記粉末材料に硬化液を吐出して前記硬化層を形成する吐出ヘッドと、
前記本体部および前記支持部材のいずれか一方を他方に対して前記走査方向に相対的に移動させる移動機構と、
前記第1昇降装置、前記第2昇降装置、前記吐出ヘッドおよび前記移動機構を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記三次元モデルを記憶する記憶部と、
第1方向、第2方向および第3方向の少なくとも3つの方向から前記三次元モデルを見たときに、方向毎に各方向と直交する面の合計面積を算出する面積算出部と、
算出された方向毎の合計面積のうち最も大きい合計面積を有する方向である第1特定方向を特定する特定部と、
前記第1特定方向と前記走査方向とが異なるように、前記三次元モデルの向きを変更する変更部と、を備えている、三次元造形装置。
【請求項2】
前記特定部は、算出された方向毎の合計面積のうち最も小さい合計面積を有する方向である第2特定方向を特定し、
前記変更部は、前記第2特定方向と前記走査方向とが同じになるように、前記三次元モデルの向きを変更する、請求項1に記載の三次元造形装置。
【請求項3】
前記吐出ヘッドは、前記支持部材に支持され、
前記敷詰め部材は、前記吐出ヘッドよりも前記走査方向の他方側に位置する、請求項1または2に記載の三次元造形装置。
【請求項4】
粉末材料を硬化させて硬化層を形成し、これを順次積層することによって三次元造形物を造形する三次元造形方法であって、
第1方向、第2方向および第3方向の少なくとも3つの方向から前記三次元造形物の三次元モデルを見たときに、方向毎に各方向と直交する面の合計面積を算出する算出工程と、
算出された方向毎の合計面積のうち最も大きい合計面積を有する方向である第1特定方向を特定する特定工程と、
前記第1特定方向と、前記粉末材料を造形空間に敷き詰める敷詰め部材の移動方向である走査方向とが異なるように、前記三次元モデルの向きを変更する変更工程と、
前記敷詰め部材を前記走査方向に移動させて、前記造形空間に前記粉末材料を敷き詰める敷詰工程と、
前記三次元モデルに基づいて、前記造形空間に収容された前記粉末材料に硬化液を吐出し、前記硬化層を形成する形成工程と、を包含する、製造方法。
【請求項5】
前記特定工程において、算出された方向毎の合計面積のうち最も小さい合計面積を有する方向である第2特定方向を特定し、
前記変更工程において、前記第2特定方向と前記走査方向とが同じになるように、前記三次元モデルの向きを変更する、請求項4に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、粉末材料に硬化液を吐出して所望の断面形状を有する薄い硬化層を形成し、硬化層を順次積層することによって三次元造形物を造形する方法が知られている。かかる方法で三次元造形物を造形するときには、形成された硬化層を含む粉末材料層の上に、粉末材料を供給して新しい粉末材料層を形成する。
【0003】
例えば、特許文献1には、三次元造形物が造形される造形槽と、造形槽に供給される粉末材料が貯留される供給槽と、供給槽の粉末材料を造形槽に供給する敷詰め部材とを備えた三次元造形装置が開示されている。敷詰め部材は、造形槽の造形空間に粉末材料を搬送し、造形空間に粉末材料を敷詰める。このとき、敷詰め部材は、粉末材料の表面を平らに均して均一な粉末材料層を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-082488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のように敷詰め部材が一方から他方に移動して造形槽の造形空間に粉末材料を敷詰める際には、粉末材料は敷詰め部材に上方から押し固められるように敷詰められる。このため、先に形成された硬化層に敷詰め部材の力が加わり、敷詰め部材の移動に伴って硬化層が敷詰め部材の移動方向に若干ずれることが発生し得る。硬化層にずれが発生することによって、完成した三次元造形物にスジが発生してしまい、品質が低下する虞がある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、硬化層にずれが発生した場合であっても三次元造形物に生じるスジを低減することができる三次元造形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る三次元造形装置は、粉末材料を硬化させて硬化層を形成し、これを順次積層することによって三次元造形物を造形する三次元造形装置である。前記三次元造形装置は、造形された前記三次元造形物が収容される本体部と、前記粉末材料が収容されかつ前記三次元造形物が造形される造形空間を有し、前記本体部に設けられた造形槽と、前記造形槽に配置され、前記粉末材料が載置される第1テーブルと、前記造形槽に配置され、前記第1テーブルを上昇および下降させる第1昇降装置と、前記造形槽に対して走査方向の一方側に位置するように前記本体部に設けられ、前記造形槽に供給される前記粉末材料が貯留される貯留空間を有する供給槽と、前記供給槽に配置され、前記粉末材料が載置される第2テーブルと、前記供給槽に配置され、前記第2テーブルを上昇および下降させる第2昇降装置と、前記第2テーブルに載置された前記粉末材料を前記造形槽に搬送しかつ前記粉末材料を前記造形空間に敷き詰める敷詰め部材と、前記敷詰め部材を支持する支持部材と、前記三次元造形物の三次元モデルに基づいて、前記造形空間に収容された前記粉末材料に硬化液を吐出して前記硬化層を形成する吐出ヘッドと、前記本体部および前記支持部材のいずれか一方を他方に対して前記走査方向に相対的に移動させる移動機構と、前記第1昇降装置、前記第2昇降装置、前記吐出ヘッドおよび前記移動機構を制御する制御装置と、を備えている。前記制御装置は、前記三次元モデルを記憶する記憶部と、第1方向、第2方向および第3方向の少なくとも3つの方向から前記三次元モデルを見たときに、方向毎に各方向と直交する面の合計面積を算出する面積算出部と、算出された方向毎の合計面積のうち最も大きい合計面積を有する方向である第1特定方向を特定する特定部と、前記第1特定方向と前記走査方向とが異なるように、前記三次元モデルの向きを変更する変更部と、を備えている。
【0008】
本発明の三次元造形装置によると、変更部は、第1特定方向と走査方向とが異なるように、三次元モデルの向きを変更する。ここで、第1特定方向とは、算出された方向毎の合計面積のうち最も大きい合計面積を有する方向である。このため、第1特定方向と走査方向とが同じである場合には、硬化層にずれが生じたときにスジが発生する面積が最も大きくなるので、完成した三次元造形物のスジがより目立ってしまう。しかしながら、本実施形態では、第1特定方向と走査方向とが異なっているため、硬化層にずれが生じたときにスジが発生する面積を小さくすることができる。これにより、完成した三次元造形物のスジを低減することができ、三次元造形物の品質を維持することができる。
【0009】
本発明の一実施形態により、粉末材料を硬化させて硬化層を形成し、これを順次積層することによって三次元造形物を造形する三次元造形方法が提供される。第1方向、第2方向および第3方向の少なくとも3つの方向から前記三次元造形物の三次元モデルを見たときに、方向毎に各方向と直交する面の合計面積を算出する算出工程と、算出された方向毎の合計面積のうち最も大きい合計面積を有する方向である第1特定方向を特定する特定工程と、前記第1特定方向と、前記粉末材料を造形空間に敷き詰める敷詰め部材の移動方向である走査方向とが異なるように、前記三次元モデルの向きを変更する変更工程と、前記敷詰め部材を前記走査方向に移動させて、前記造形空間に前記粉末材料を敷き詰める敷詰工程と、前記三次元モデルに基づいて、前記造形空間に収容された前記粉末材料に硬化液を吐出し、前記硬化層を形成する形成工程と、を包含する。
【0010】
ここに開示される製造方法を用いることで、完成した三次元造形物のスジを低減することができ、三次元造形物の品質を維持することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、硬化層にずれが発生した場合であっても三次元造形物に生じるスジを低減することができる三次元造形装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る三次元造形装置の断面図である。
図2】一実施形態に係る三次元造形装置の平面図である。
図3】一実施形態に係る三次元造形装置の制御系のブロック図である。
図4A】一実施形態に係る三次元モデルの斜視図である。
図4B】一実施形態に係る三次元モデルの側面図である。
図4C】一実施形態に係る三次元モデルの正面図である。
図5】一実施形態に係る三次元造形物の製造方法を示すフローチャートである。
図6A】向きを変更する前の三次元モデルと敷詰め部材との位置関係を示す模式図である。
図6B】向きを変更した後の三次元モデルと敷詰め部材との位置関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る三次元造形装置について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化される。
【0014】
図1は、本実施形態に係る三次元造形装置10の断面図である。図2は、本実施形態に係る三次元造形装置10の平面図である。図面中の符号Fは、前方を示し、符号Rrは、後方を示している。本実施形態では、符号Fの方向から三次元造形装置10を見たときの左、右、上、下が、それぞれ三次元造形装置10の左、右、上、下である。ここでは、図面中の符号L、R、U、Dは、それぞれ左、右、上、下を意味するものとする。本実施形態では、符号X、Y、Zは、それぞれ前後方向、左右方向、上下方向を示している。前後方向Xは、走査方向Xである。上下方向Zは、三次元造形における硬化層91の積層方向に一致する。また、三次元造形装置10の後側を上流側と称し、三次元造形装置10の前側を下流側と称する。上流側は本発明の「走査方向の一方側」に対応し、下流側は本発明の「走査方向の他方側」に対応する。また、本実施形態では、上流側から下流側へ向かう方向を行き方向X1とし、下流側から上流側へ向かう方向を帰り方向X2とする。ただし、これら方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、三次元造形装置10の設置態様を何ら限定するものではない。
【0015】
図1に示すように、三次元造形装置10は、粉末材料90を硬化液で固めて硬化層91を形成し、これを上下方向Zに順次一体的に積層することによって三次元造形物92を造形する装置である。本実施形態では、三次元造形装置10において、所望の三次元造形物92の三次元モデル(より詳細には三次元モデルの断面形状を示す断面画像)に基づいて、粉末材料90に硬化液を吐出し、粉末材料90を硬化させて硬化層91を形成する。そして、硬化層91を順次積層することで、所望の三次元造形物92を造形する。
【0016】
ここで、「断面形状」とは、造形する三次元造形物92の三次元モデルを所定の方向(例えば水平方向)に所定の厚み(例えば0.1mm。なお、所定の厚みは必ずしも一定の厚みに限定されない。)ごとにスライスしたときの断面の形状である。
【0017】
粉末材料90は、その組成や形態等は特に制限されず、無機材料、金属材料および樹脂材料等の各種の材料から構成された粉体を対象とすることができる。粉末材料90としては、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の無機材料や、鉄、アルミニウム、チタンおよびこれらの合金(典型的にはステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金)等の金属材料や、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性ポリアミド等の水溶性の樹脂材料や、半水石膏(α型焼石膏、β型焼石膏)、アパタイト、食塩、澱粉、プラスチック等が挙げられる。粉末材料90は、上記いずれか1種の材料から構成されていてもよいし、2種以上が組み合わされていてもよい。
【0018】
硬化液は、上記粉末材料90同士を固着することが可能な材料であれば特に限定されない。例えば、硬化液としては、粉末材料90に応じて、当該粉末材料90を構成する粒子同士を結着させることが可能な液体(粘性体を含む。)が用いられる。硬化液としては、例えば、水、ワックス、バインダ等を含む液体が挙げられる。粉末材料90が水溶性の樹脂材料を含む場合には、例えば硬化液として水が用いられる。
【0019】
図1に示すように、三次元造形装置10は、本体部11と、造形槽20と、供給槽30と、回収槽40と、敷詰め部材50と、ヘッドユニット60と、支持部材70と、制御装置80とを備えている。
【0020】
図2に示すように、本体部11は、走査方向Xに長い形状を有する三次元造形装置10の外装体である。本体部11は、箱型形状に形成されている。本体部11には、造形された三次元造形物92が収容される。本体部11には、造形槽20、供給槽30および回収槽40が設けられている。本体部11の上面11Aは平坦であって、上面11Aから凹むように造形槽20、供給槽30および回収槽40が独立に並んで設けられている。本体部11は、支持部材70を支持する。
【0021】
図1に示すように、造形槽20は、本体部11に設けられている。造形槽20は、造形空間20Aを有する。造形空間20Aには、供給槽30から供給された粉末材料90が収容される。造形空間20Aにおいて、粉末材料90に硬化液が吐出されて硬化層91が順次形成され、三次元造形物92が造形される。
【0022】
図1に示すように、三次元造形装置10は、第1テーブル24を備えている。第1テーブル24は、造形槽20に配置されている。第1テーブル24は、造形空間20A内に配置されている。第1テーブル24には、粉末材料90が載置される。第1テーブル24上に三次元造形物92が造形される。第1テーブル24は、上下方向Zに移動可能に構成されている。第1テーブル24の形状は、例えば、平面視において矩形状である。
【0023】
図1に示すように、三次元造形装置10は、第1昇降装置25を備えている。第1昇降装置25は、第1テーブル24を上昇および下降させる装置である。即ち、第1昇降装置25は、第1テーブル24を上下方向Zに移動させる。第1昇降装置25は、本体部11に設けられている。第1昇降装置25の構成は、特に限定されない。第1昇降装置25は、第1支持部材26と、第1駆動モータ27(図3も参照)と、ボールねじ(図示せず)とを備えている。第1支持部材26は、第1テーブル24の下面に接続されている。第1支持部材26は、第1テーブル24を下方から支持している。第1支持部材26は、上下方向Zに延びる。第1支持部材26は、ボールねじを介して第1駆動モータ27に接続されている。第1駆動モータ27を駆動させることにより、第1支持部材26は上下方向Zに移動する。これにより、第1テーブル24は、上下方向Zに移動する。第1駆動モータ27は、制御装置80に電気的に接続されており、制御装置80によって制御される。即ち、第1昇降装置25は、制御装置80に制御される。
【0024】
図1に示すように、供給槽30は、本体部11に設けられている。供給槽30は、造形槽20より後方(即ち走査方向Xの一方側)に配置されている。供給槽30は、貯留空間30Aを有する。貯留空間30Aには、造形槽20に供給される粉末材料90が収容される。貯留空間30Aの最大容積は、造形空間20Aの最大容積よりも大きい。即ち貯留空間30Aに収容される粉末材料90は、造形空間20Aに収容される粉末材料90よりも多い。
【0025】
図1に示すように、三次元造形装置10は、第2テーブル34を備えている。第2テーブル34は、供給槽30に配置されている。第2テーブル34は、貯留空間30A内に配置されている。第2テーブル34には、粉末材料90が載置される。第2テーブル34は、上下方向Zに移動可能に構成されている。第2テーブル34の形状は、例えば、平面視において矩形状である。
【0026】
図1に示すように、三次元造形装置10は、第2昇降装置35を備えている。第2昇降装置35は、第2テーブル34を上昇および下降させる装置である。即ち、第2昇降装置35は、第2テーブル34を上下方向Zに移動させる。第2昇降装置35は、本体部11に設けられている。第2昇降装置35の構成は、特に限定されない。第2昇降装置35は、第2支持部材36と、第2駆動モータ37(図3も参照)と、ボールねじ(図示せず)とを備えている。第2支持部材36は、第2テーブル34の下面に接続されている。第2支持部材36は、第2テーブル34を下方から支持している。第2支持部材36は、上下方向Zに延びる。第2支持部材36は、ボールねじを介して第2駆動モータ37に接続されている。第2駆動モータ37を駆動させることにより、第2支持部材36は上下方向Zに移動する。これにより、第2テーブル34は、上下方向Zに移動する。第2駆動モータ37は、制御装置80に電気的に接続されており、制御装置80によって制御される。即ち、第2昇降装置35は、制御装置80に制御される。
【0027】
図1に示すように、回収槽40は、本体部11に設けられている。回収槽40は、造形槽20より前方(即ち走査方向Xの他方側)に配置されている。回収槽40は、回収空間40Aを有する。回収空間40Aには、造形空間20Aに敷詰められずに余った粉末材料90が回収される。
【0028】
図2に示すように、本体部11には、左ガイドレール12Lおよび右ガイドレール12Rが設けられている。左ガイドレール12Lおよび右ガイドレール12Rは、支持部材70の走査方向Xへの移動をガイドする。左ガイドレール12Lおよび右ガイドレール12Rは、走査方向Xに延びる。左ガイドレール12Lは、右ガイドレール12Rより左方に配置されている。左ガイドレール12Lの前端および右ガイドレール12Rの前端は、回収槽40より前方に位置する。左ガイドレール12Lの後端および右ガイドレール12Rの後端は、供給槽30より後方に位置する。左ガイドレール12Lと右ガイドレール12Rとの間に造形槽20、供給槽30および回収槽40が設けられている。本実施形態では、左ガイドレール12Lおよび右ガイドレール12Rが設けられているが、ガイドレールの設置位置および数は特に限定されない。
【0029】
図2に示すように、支持部材70は、本体部11の上面11Aに配置されている。支持部材70は、左ガイドレール12Lおよび右ガイドレール12Rに摺動自在に係合している。支持部材70は、左ガイドレール12Lおよび右ガイドレール12Rに沿って走査方向Xに移動可能に構成されている。支持部材70は、左ガイドレール12Lに係合する左脚部70Lと、右ガイドレール12Rに係合する右脚部70Rと、左脚部70Lの上端と右脚部70Rとの上端とを連結する連結部70Cとを備えている。左脚部70Lおよび右脚部70Rは、上下方向Zに延びる。連結部70Cは左右方向に延びる。支持部材70は、後述する移動機構72により左ガイドレール12Lおよび右ガイドレール12Rに沿って走査方向Xに往復移動する。
【0030】
図2に示すように、三次元造形装置10は、移動機構72を備えている。移動機構72は、支持部材70を本体部11に対して走査方向Xに相対的に移動させる機構である。移動機構72は、左ガイドレール12Lの前端側に配置されたプーリ73Fと、左ガイドレール12Lの後端側に配置されたプーリ73Rと、右ガイドレール12Rの前端側に配置されたプーリ74Fと、右ガイドレール12Rの後端側に配置されたプーリ74Rと、プーリ73Fとプーリ74Fとを連結する連結ロッド75Aと、プーリ73Rと、プーリ74Rとを連結する連結ロッド75Bと、プーリ73Fとプーリ73Rとに巻き掛けられた左側ベルト76Lと、プーリ74Fとプーリ74Rとに巻き掛けられた右側ベルト76Rと、連結ロッド75Aを回転させる第1モータ77(図3参照)と、を備えている。なお、第1モータ77は、連結ロッド75Bを回転させるように構成されていてもよい。左側ベルト76Lは、左脚部70Lに固定されている。右側ベルト76Rは、右脚部70Rに固定されている。第1モータ77は、制御装置80と電気的に接続されており、制御装置80によって制御される。即ち、移動機構72は、制御装置80に制御される。第1モータ77が駆動すると連結ロッド75Aが回転し、左側ベルト76Lおよび右側ベルト76Rが走行する。これにより、支持部材70が左ガイドレール12Lおよび右ガイドレール12Rに沿って走査方向Xに往復移動する。なお、説明の便宜上、図2においてのみ移動機構72を図示しており、他の図では図示を省略している。
【0031】
図1に示すように、本実施形態では、ヘッドユニット60は、走査方向Xに並ぶ3つのラインヘッド62と、ラインヘッド62を収容するケース64と、を備えている。ラインヘッド62は、三次元造形物92の三次元モデルに基づいて、造形空間20Aに収容された粉末材料90に硬化液を吐出して硬化層91を形成する装置である。ラインヘッド62は、吐出ヘッドの一例である。ラインヘッド62は、硬化液を吐出する複数のノズル(図示せず)を有する。複数のノズルは、左右方向に直線状に並んでいる。ラインヘッド62における硬化液の吐出機構は特に制限されず、例えばインクジェット方式である。ラインヘッド62は、造形槽20よりも上方に位置するように本体部11に配置されている。ヘッドユニット60は、支持部材70の連結部70Cに固定されている。即ち、ラインヘッド62は、左右方向には移動しない。ラインヘッド62の下端は、ケース64の下面より下方に位置する。ラインヘッド62は、制御装置80に電気的に接続されている。ラインヘッド62のノズルからの硬化液の吐出は、制御装置80によって制御される。
【0032】
図1に示すように、敷詰め部材50は、本体部11の上方に配置されている。敷詰め部材50の下端50Bは、本体部11の上面11Aとの間に所定のクリアランス(間隙)が形成されるように、本体部11の僅かに上方に設置されている。敷詰め部材50は、ラインヘッド62より前方(即ち走査方向Xの他方側)に配置されている。敷詰め部材50は、支持部材70に支持されている。より詳細には、敷詰め部材50は、左脚部70Lおよび右脚部70Rに回転可能に支持されている。敷詰め部材50は、長尺の円筒形状を有している。敷詰め部材50は、回転軸が左右方向と平行になるように配置されている。敷詰め部材50は、第2テーブル34に載置された粉末材料90を造形槽20に搬送する。敷詰め部材50は、粉末材料90を造形空間20Aに敷詰める。敷詰め部材50は、造形空間20Aに供給された粉末材料90の表面を平らに均して均一な粉末材料層を形成する。粉末材料層は1層ずつ形成される。図2に示すように、三次元造形装置10は、第2モータ52を備えている。第2モータ52は、左脚部70Lに設けられている。第2モータ52は、制御装置80に電気的に接続されており、制御装置80によって制御される。図1に示すように、第2モータ52を駆動することによって、敷詰め部材50は順方向R1または逆方向R2に回転する。本実施形態の敷詰め部材50は、支持部材70の移動に伴って走査方向Xに往復移動する。敷詰め部材50は、粉末材料90を造形空間20Aに敷詰める場合(ここでは三次元造形物92を造形する場合)には、行き方向X1に移動するときに順方向R1に回転する。
【0033】
図3に示すように、三次元造形装置10の全体の動作は、制御装置80によって制御されている。制御装置80の構成は特に限定されない。制御装置80は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェアの構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムを格納したROMと、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAMと、プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置と、を備えている。図1に示すように、制御装置80は、本体部11の内部に設けられている。
【0034】
図3に示すように、制御装置80は、ラインヘッド62、第1昇降装置25の第1駆動モータ27、第2昇降装置35の第2駆動モータ37、第1モータ77および第2モータ52と通信可能に接続しており、これらを制御する。
【0035】
図3に示すように、制御装置80は、記憶部81と、面積算出部82と、特定部83と、変更部84と、ヘッド制御部85と、移動制御部86と、回転制御部87と、第1テーブル制御部88と、第2テーブル制御部89とを備えている。制御装置80の各部の機能は、プログラムによって実現されている。このプログラムは、例えばCDやDVDなどの記録媒体から読み込まれる。なお、このプログラムは、インターネットを通じてダウンロードされるものであってもよい。また、制御装置80の各部の機能は、プロセッサおよび/または回路などによって実現可能なものであってもよい。なお、これら各部の具体的な機能については後述する。
【0036】
記憶部81は、三次元造形物92の三次元モデル100(図4参照)を記憶する。三次元モデル100とは、ソフトウェア上で表現されるデータである。三次元モデル100は、コンピュータ支援設計装置(CAD)などのソフトウェアを用いて作成されるものであってもよいし、いわゆる3Dスキャナによって三次元造形物92をスキャンして作成されるものであってもよい。
【0037】
図4Aに示すように、三次元モデル100は、XYZ座標空間に配置される。ここでは、X軸と平行な方向を第1方向D1(図4B参照)、Y軸と平行な方向を第2方向D2(図4C参照)、Z軸と平行な方向を第3方向D3(図4B参照)、X軸に対して所定の角度だけ傾斜した方向を第4方向D4(図4B参照)とする。なお、第1方向D1~第4方向D4の方向は特に限定されず、任意の方向であってよい。即ち、第1方向D1はX軸と平行でなくてもよく、第2方向D2はY軸と平行でなくてもよく、第3方向D3はZ軸と平行でなくてもよい。三次元モデル100は、第1方向D1と直交する面である第1面101Aと、第2面101Bと、第3面101Cと、第4面101Dと、第5面101Eとを有し、第2方向D2と直交する面である第6面102Aと、第7面102Bとを有し、第3方向D3と直交する面である第8面103Aと、第9面103Bと、第10面103Cと、第11面103Dと、第12面103Eを有し、第4方向D4と直交する第13面104Aを有する。
【0038】
図5は、三次元造形物92を造形する手順を示したフローチャートである。本実施形態の製造方法は、算出工程(ステップS10)と、特定工程(ステップS20)と、変更工程(ステップS30)と、敷詰工程(ステップS40)と、形成工程(ステップS50)と、を包含する。なお、任意の段階においてその他の工程を含むことは妨げられない。以下、各工程について詳述する。
【0039】
まず、算出工程(ステップS10)では、面積算出部82は、第1方向D1~第4方向D4から三次元モデル100を見たときに、方向毎に各方向と直交する面の合計面積を算出する。より詳細には、面積算出部82は、第1方向D1と直交する面である第1面101A、第2面101B、第3面101C、第4面101Dおよび第5面101Eの合計面積である第1合計面積S1を算出し、第2方向D2と直交する面である第6面102Aおよび第7面102Bの合計面積である第2合計面積S2を算出し、第3方向D3と直交する面である第8面103A、第9面103B、第10面103C、第11面103Dおよび第12面103Eの合計面積である第3合計面積S3を算出し、第4方向D4と直交する面である第13面104Aの面積(ここでは合計面積に相当)である第4合計面積S4を算出する。
【0040】
次に、特定工程(ステップS20)では、特定部83は、面積算出部82によって算出された方向毎の合計面積のうち最も大きい合計面積を有する方向である第1特定方向を特定する。本実施形態では、第1合計面積S1が最も大きいため、特定部83は第1方向が第1特定方向であることを特定する。なお、特定部83は、面積算出部82によって算出された方向毎の合計面積のうち最も小さい合計面積を有する方向である第2特定方向を特定してもよい。本実施形態では、第4合計面積S4が最も大きいため、特定部83は第4方向が第2特定方向であることを特定する。
【0041】
次に、変更工程(ステップS30)では、変更部84は、第1特定方向と走査方向Xとが異なるように、三次元モデル100の向きを変更する。変更部84は、第2特定方向と走査方向Xとが同じになるように、三次元モデル100の向きを変更してもよい。図6Aは、向きを変更する前(即ち初期状態)の三次元モデル100と敷詰め部材50との位置関係を示す模式図である。図6Bは、向きを変更した後の三次元モデル100と敷詰め部材50との位置関係を示す模式図である。図6Aに示すように、通常は記憶部81に記憶された三次元モデル100の第1方向D1と敷詰め部材50の走査方向Xとは同じ方向になる。このため、硬化層91(図1参照)にずれが生じたときにスジが発生する面積が最も大きくなるので、完成した三次元造形物92のスジがより目立ってしまう。一方、図6Bに示すように、変更部84によって第1特定方向(ここでは第1方向D1)と走査方向Xとが異なるように、即ち、第2特定方向(ここでは第4方向D4)と走査方向Xとが同じになるように、三次元モデル100の向きを変更することで、硬化層91(図1参照)にずれが生じたときにスジが発生する面積がより小さくなるので、完成した三次元造形物92のスジがあまり目立たない。変更部84によって三次元モデル100の向きが変更されたとき、記憶部81には向きが変更された三次元モデル100が記憶される。
【0042】
次に、敷詰工程(ステップS40)では、敷詰め部材50を走査方向Xに移動させて、造形空間20Aに粉末材料90を敷き詰める。本工程では、移動制御部86は、第1モータ77を制御して支持部材70を走査方向Xに移動させる。回転制御部87は、第2モータ52を制御して敷詰め部材50を順方向R1に回転させる。第1テーブル制御部88は、第1駆動モータ27を制御して第1テーブル24を上下方向Zに移動させる。第1テーブル制御部88は、供給槽30から造形槽20の造形空間20Aに粉末材料90が供給されるときは、粉末材料層1層分だけ第1テーブル24を下方へ移動させる。第2テーブル制御部89は、第2駆動モータ37を制御して第2テーブル34を上下方向Zに移動させる。第2テーブル制御部89は、供給槽30から造形槽20に粉末材料90を供給するときは、第2テーブル34を上方へ移動させる。
【0043】
次に、形成工程(ステップS50)では、記憶部81に記憶された三次元モデルに基づいて、造形空間20Aに収容された粉末材料90に硬化液を吐出し、硬化層91を形成する。本工程では、ヘッド制御部85は、ラインヘッド62を制御する。ヘッド制御部85は、ラインヘッド62のノズルから吐出される硬化液の量やタイミングを制御する。ヘッド制御部85は、例えば、向きが変更された三次元モデル100を水平方向にスライスしたときの断面形状を示す断面画像(スライスモデル)に従って、ラインヘッド62のノズルから粉末材料90に硬化液を吐出させる。移動制御部86は、第1モータ77を制御して支持部材70を走査方向Xに移動させる。敷詰工程(ステップS40)と形成工程(ステップS50)とを複数回繰り返すことで、三次元造形物92が造形される。なお、敷詰工程(ステップS40)と形成工程(ステップS50)とは同時に行ってもよい。即ち、敷詰め部材50によって造形空間20Aに粉末材料を敷き詰めながら、ラインヘッド62から粉末材料に向けて硬化液を吐出して硬化層91を形成してもよい。
【0044】
以上のように、本実施形態の三次元造形装置10によると、変更部84は、第1特定方向(例えば第1方向D1)と走査方向Xとが異なるように、三次元モデル100の向きを変更する。ここで、第1特定方向とは、算出された方向毎の合計面積のうち最も大きい合計面積を有する方向である。このため、第1特定方向と走査方向Xとが同じである場合には、硬化層91にずれが生じたときにスジが発生する面積が最も大きくなるので、完成した三次元造形物92のスジがより目立ってしまう。しかしながら、本実施形態では、第1特定方向と走査方向Xとが異なっているため、硬化層91にずれが生じたときにスジが発生する面積を小さくすることができる。これにより、完成した三次元造形物92のスジを低減することができ、三次元造形物92の品質を維持することができる。
【0045】
本実施形態の三次元造形装置10によると、特定部83は、算出された方向毎の合計面積のうち最も小さい合計面積を有する方向である第2特定方向(例えば第4方向D4)を特定し、変更部84は、第2特定方向と走査方向Xとが同じになるように、三次元モデル100の向きを変更する。このように、第2特定方向と走査方向Xとが同じであるため、硬化層91にずれが生じたときにスジが発生する面積を最小にすることができる。これにより、完成した三次元造形物92のスジをより低減することができ、三次元造形物92の品質をより高く維持することができる。
【0046】
本実施形態の三次元造形装置10によると、ラインヘッド62は、支持部材70に支持され、敷詰め部材50は、ラインヘッド62よりも走査方向Xの他方側(例えば前方)に位置する。これにより、敷詰め部材50によって造形空間20Aに粉末材料90を敷詰めながら、ラインヘッド62から硬化液を吐出させて硬化層91を形成することができる。
【0047】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【0048】
上述した実施形態では、変更部84は、第4方向D4と走査方向Xとが同じになるように、三次元モデル100の向きを変更しているが、これに限定されない。変更部84は、第2方向D2または第3方向D3と走査方向Xとが同じになるように、三次元モデル100の向きを変更してもよい。
【0049】
上述した実施形態では、面積算出部82は、第1方向D1~第4方向D4から三次元モデル100を見たときに、方向毎に各方向と直交する面の合計面積を算出しているが、これに限定されない。例えば、三次元モデルが5以上の方向と直交する面を有する場合には、方向毎に各方向と直交する面の合計面積を算出する。面積算出部82は、少なくとも3つの方向から三次元モデルを見たときに、方向毎に各方向と直交する面の合計面積を算出する。
【0050】
上述した実施形態では、三次元造形装置10は、吐出ヘッドとしてラインヘッド62を備えていたがこれに限定されない。例えば、吐出ヘッドとして、走査方向Xに直線状に配置された複数のノズルを有し、左右方向Yに移動可能に構成されたいわゆるシャトル型のインクヘッドを備えていてもよい。
【0051】
上述した実施形態では、本体部11に対して支持部材70を走査方向Xに相対的に移動させていたが、これに限定されない。例えば、支持部材70を本体部11に固定し、支持部材70に対して造形槽20、供給槽30および回収槽40を走査方向Xに相対的に移動させてもよい。
【0052】
上述した実施形態では、敷詰め部材50は、ラインヘッド62と一体となって移動可能に構成されていたが、敷詰め部材50は、ラインヘッド62に対して独立して移動可能に構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 三次元造形装置
20 造形槽
30 供給槽
50 敷詰め部材
62 ラインヘッド(吐出ヘッド)
70 支持部材
80 制御装置
81 記憶部
82 面積算出部
83 特定部
84 変更部
90 粉末材料
91 硬化層
92 三次元造形物
100 三次元モデル
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B