(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 3/815 20060101AFI20240703BHJP
E02F 3/407 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
E02F3/815 F
E02F3/407
(21)【出願番号】P 2021042799
(22)【出願日】2021-03-16
【審査請求日】2023-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】398071668
【氏名又は名称】株式会社日立建機ティエラ
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 悠太
(72)【発明者】
【氏名】中谷 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】寺嶋 浩司
【審査官】坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-181274(JP,A)
【文献】特開2017-179990(JP,A)
【文献】特開平08-120706(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0103564(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 1/00- 9/28
E01H 1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な車体と、前記車体に設けられた排土装置とを有し、
前記排土装置は、
基端側が前記車体に設けられたブレード支持部材にピンを用いて回動可能に取付けられたアームと、
前記アームの先端側に取付けられたブレードと、
基端側が前記車体に設けられたシリンダ支持部材に回動可能に取付けられると共に先端側が前記アームに回動可能に取付けられ、伸縮動作に応じて前記ブレードを前記ブレード支持部材に対して昇降させるブレード昇降シリンダとを備えてなる建設機械において、
前記ピンが挿通される前記ブレード支持部材に設けたピン孔、および前記アームの基端側に設けたピン孔のうちいずれか一方のピン孔は、前記ピンが前記車体の前後方向へ移動可能に係合する長溝孔として形成され、
前記ブレードは、前記ピンが前記長溝孔に沿って前記車体の前後方向へ移動することにより、前記ブレード支持部材から離れる方向に突出した突出位置と、前記ブレード支持部材側に引き込まれた引込位置との間で移動可能に設けられたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記ブレード支持部材および前記アームのいずれか一方には、前記ブレードが前記突出位置または前記引込位置に移動したときに前記ピンを固定するブレード用ストッパが設けられることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記ブレード昇降シリンダの基端側は、前記シリンダ支持部材に第2ピンを用いて回動可能に取付けられ、
前記第2ピンが挿通される前記シリンダ支持部材のピン孔は、前記第2ピンが前記車体の前後方向へ移動可能に係合する第2長溝孔として形成され、
前記ブレード昇降シリンダの基端側は、前記第2ピンが前記第2長溝孔に沿って前記車体の前後方向へ移動することにより、前記ブレードを前記突出位置とするための突出位置と、前記ブレードを前記突出位置から前記引込位置に移動させるための引込準備位置とに位置が移動することを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【請求項4】
前記シリンダ支持部材には、前記ブレード昇降シリンダの基端側が前記突出位置または前記引込準備位置に移動したときに前記第2ピンを固定するシリンダ用ストッパが設けられることを特徴とする請求項3に記載の建設機械。
【請求項5】
前記シリンダ支持部材に形成された前記第2長溝孔は、前記ブレード昇降シリンダの基端側を前記突出位置に移動させるときに前記第2ピンが係合する突出側端部と、前記ブレード昇降シリンダの基端側を前記引込準備位置に移動させるときに前記第2ピンが係合する引込側端部とを有し、
前記ブレード昇降シリンダの先端と前記アームとのピン結合部から前記第2ピンまでの距離は、前記第2ピンが前記第2長溝孔の前記突出側端部から前記引込側端部に移動するに従って連続的に大きくなることを特徴とする請求項3に記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、排土装置を備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械の代表例である油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、下部走行体上に旋回装置を介して旋回可能に搭載された上部旋回体と、上部旋回体の前側に設けられた作業装置とを備えている。小型の油圧ショベルでは、下部走行体を構成するトラックフレームに排土装置が設けられ、この排土装置を用いて地面の整地作業等が行われる。
【0003】
排土装置は、基端側がトラックフレームにピンを用いて回動可能に取付けられたアームと、アームの先端側に取付けられたブレードと、基端側がトラックフレームに回動可能に取付けられると共に先端側がアームに回動可能に取付けられたブレード昇降シリンダとを含んで構成されている。従って、ブレード昇降シリンダの伸縮動作に応じてブレードを昇降させることにより、整地作業、排土作業等を行うことができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、排土装置のブレードは、アームを介してトラックフレームに取付けられているため、下部走行体から前方に突出した状態で左右方向(油圧ショベルの車幅方向)に延びている。このため、都市部の住宅地、市街地等の狭い場所で整地作業等を行う場合には、この狭い作業現場で油圧ショベルが旋回走行を行うときに、ブレードの端部がガードレール、立木等の作業現場の周囲に存在する障害物に干渉する可能性がある。この結果、狭い作業現場で整地作業等を行う場合に、油圧ショベルの走行性(移動性)が低下してしまうという問題がある。
【0006】
特に、アングルシリンダを備えた排土装置は、アングルシリンダの伸縮動作に応じて、ブレードの長さ方向の両端が前後方向に揺動する動作(アングル動作)を行う。このため、ブレードがアングル動作を行ったときに、下部走行体のシューとブレードの長さ方向の端部とが干渉するのを防止する必要がある。この結果、アングルシリンダを備えた排土装置を搭載した油圧ショベルでは、下部走行体からのブレードの突出長さが一層大きく設定され、この分、旋回走行時にブレードの端部が周囲の障害物に干渉する可能性が高まるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、排土装置を備えつつ、作業現場ごとに良好な走行性を確保することができるようにした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、自走可能な車体と、前記車体に設けられた排土装置とを有し、前記排土装置は、基端側が前記車体に設けられたブレード支持部材にピンを用いて回動可能に取付けられたアームと、前記アームの先端側に取付けられたブレードと、基端側が前記車体に設けられたシリンダ支持部材に回動可能に取付けられると共に先端側が前記アームに回動可能に取付けられ、伸縮動作に応じて前記ブレードを前記ブレード支持部材に対して昇降させるブレード昇降シリンダとを備えてなる建設機械において、前記ピンが挿通される前記ブレード支持部材に設けたピン孔、および前記アームの基端側に設けたピン孔のうちいずれか一方のピン孔は、前記ピンが前記車体の前後方向へ移動可能に係合する長溝孔として形成され、前記ブレードは、前記ピンが前記長溝孔に沿って前記車体の前後方向へ移動することにより、前記ブレード支持部材から離れる方向に突出した突出位置と、前記ブレード支持部材側に引き込まれた引込位置との間で移動可能に設けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アームの基端側とブレード支持部材との間を連結するピンを、ブレード支持部材およびアームのうちいずれか一方に形成された長溝孔に沿って移動させることにより、ブレードを突出位置から引込位置へと移動させることができる。これにより、ブレードの車体からの突出長さを小さくすることができるので、車体の旋回走行時にブレードが周囲の障害物に干渉するのを防止し、良好な走行性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態による建設機械としての油圧ショベルを示す左側面図である。
【
図2】油圧ショベルの上部旋回体を取外した状態で、下部走行体、排土装置等を上方から見た平面図である。
【
図3】排土装置を取外した下部走行体を示す斜視図である。
【
図4】下部走行体のトラックフレーム、排土装置等の要部を示す斜視図である。
【
図5】ブレード支持部材、シリンダ支持部材、長溝孔、排土装置等を
図2中の矢示V-V方向から見た断面図である。
【
図6】ブレードを突出位置に保持したままブレード昇降シリンダを伸長させた状態を示す
図5と同様位置の断面図である。
【
図7】ブレードを引込位置に移動させた状態を示す
図5と同様位置の断面図である。
【
図8】比較例による第2長溝孔を示す
図5と同様位置の断面図である。
【
図9】変形例による排土装置を示す
図5と同様位置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態による建設機械を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実施形態では、油圧ショベルの走行方向を前後方向とし、走行方向と直交する方向を左右方向として説明する。
【0012】
建設機械の代表例である油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回輪3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4とを備え、これら下部走行体2と上部旋回体4とにより、油圧ショベル1の車体が構成されている。上部旋回体4の前側には、土砂の掘削作業等を行うスイング式の作業装置5が設けられている。下部走行体2の前側には、整地作業等を行う排土装置12が設けられている。
【0013】
下部走行体2は、ベースとなるトラックフレーム6を備えている。
図2および
図3に示すように、トラックフレーム6は、左右方向の中央部に位置するセンタフレーム6Aと、センタフレーム6Aを挟んで左右両側に配置された左サイドフレーム6Bおよび右サイドフレーム6Cと、センタフレーム6Aと左サイドフレーム6Bとの間を連結する前後の左脚部6Dと、センタフレーム6Aと右サイドフレーム6Cとの間を連結する前後の右脚部6Eとを含んで構成されている。
【0014】
センタフレーム6Aの上面側には、大径な環状の丸胴6Fが設けられている。丸胴6Fには旋回輪3が取付けられ、旋回輪3に上部旋回体4が取付けられることにより、下部走行体2に対して上部旋回体4が旋回可能に支持されている。センタフレーム6Aの前部側には、左右方向の中央部に位置する後述のシリンダ支持部材24と、シリンダ支持部材24を挟んで左右両側に配置された後述の左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21とが設けられている。
【0015】
左サイドフレーム6Bおよび右サイドフレーム6Cは、それぞれ後端側に駆動輪7Aが設けられ、前端側に遊動輪7Bが設けられている。左サイドフレーム6Bおよび右サイドフレームに設けられた駆動輪7Aと遊動輪7Bとには、それぞれ履帯(クローラ)8が巻回されている。
【0016】
上部旋回体4は、ベースとなる旋回フレーム9を有し、旋回フレーム9は、旋回輪3を介して下部走行体2上に旋回可能に取付けられている。旋回フレーム9の前部側には、作業装置5のスイングポスト5Aが取付けられている。旋回フレーム9の後部側には、作業装置5との重量バランスを保つカウンタウエイト10が取付けられている。カウンタウエイト10の前側には、油圧ポンプを駆動するエンジン(いずれも図示せず)が設けられ、油圧ポンプから吐出した作動用の圧油は、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧アクチュエータに供給される。また、カウンタウエイト10の前側にはキャブ11が設けられ、キャブ11内には、運転席、走行レバー・ペダル装置、作業用の操作レバー装置、ブレード操作装置等(いずれも図示せず)が配置されている。
【0017】
作業装置5は、旋回フレーム9の前部側に取付けられたスイングポスト5Aと、スイングポスト5Aに取付けられたブーム5Bと、ブーム5Bの先端に取付けられたアーム5Cと、アーム5Cの先端に取付けられたバケット5Dと、ブームシリンダ5E、アームシリンダ5F、バケットシリンダ5Gを備えて構成されている。また、旋回フレーム9とスイングポスト5Aとの間には、スイングポスト5Aを左,右方向に揺動させるスイングシリンダ(図示せず)が設けられている。
【0018】
次に、下部走行体2に設けられた排土装置12について説明する。
【0019】
排土装置12は、下部走行体2のトラックフレーム6に設けられ、整地作業、排土作業等を行う。排土装置12は、アーム13と、ブレード16と、ブレード昇降シリンダ17と、アングルシリンダ19とを含んで構成されている。
【0020】
排土装置12のアーム13は、先端側(ブレード16側)から基端側(トラックフレーム6側)に向けて左右方向に分岐したV字状に形成され、左アーム部13Aと右アーム部13Bとを有している。左アーム部13Aの基端側13A1にはピン孔13A2が設けられ、ピン孔13A2にはピン14の軸方向の中間部が取付けられている。ピン14の軸方向の両側は左アーム部13Aから突出し、左ブレード支持部材20に挿通されている。これと同様に、右アーム部13Bの基端側13B1にもピン孔(図示せず)が設けられ、このピン孔にはピン14の軸方向の中間部が取付けられている。ピン14の軸方向の両側は右アーム部13Bから突出し、右ブレード支持部材21に挿通されている。
【0021】
左アーム部13Aおよび右アーム部13Bの先端側は、左右方向に延びる連結部材13Cによって連結されている。連結部材13Cの中間部には、シリンダブラケット13Dが設けられ、シリンダブラケット13Dには、ブレード昇降シリンダ17の先端17Bが取付けられている。連結部材13Cよりも前側となるアーム13の先端13Eには、上下方向に延びる自在ピン15を介してブレード16が取付けられている。また、左アーム部13Aの前後方向の中間部には、アーム側シリンダブラケット13Fが設けられ、このアーム側シリンダブラケット13Fには、アングルシリンダ19の一端側が取付けられている。
【0022】
ブレード16は、アーム13の先端13Eに取付けられている。ブレード16は、左右方向に延びる長方形の板状体からなり、ブレード16の後面側の中央部は、自在ピン15を介してアーム13の先端13Eに取付けられている。ブレード16の後面側には、アーム13との取付部(自在ピン15)から左側に離間してブレード側シリンダブラケット16Aが設けられている。
【0023】
ブレード昇降シリンダ17は、トラックフレーム6とアーム13との間に設けられている。具体的には、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側は、第2ピン18を介してシリンダ支持部材24に回動可能に取付けられ、ブレード昇降シリンダ17の先端17B側は、アーム13のシリンダブラケット13Dに回動可能にピン結合されている。ブレード昇降シリンダ17は、伸縮動作に応じてアーム13をピン14を中心として上下方向に回動させることにより、アーム13の先端13Eに取付けられたブレード16を、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21に対して昇降させる。従って、油圧ショベル1の走行時にブレード16を下降させることにより、土砂を走行方向に押出して整地作業、排土作業等を行うことができる。
【0024】
アングルシリンダ19は、アーム13とブレード16との間に設けられている。具体的には、アングルシリンダ19の一端側は、左アーム部13Aのアーム側シリンダブラケット13Fに回動可能に取付けられ、アングルシリンダ19の他端側は、ブレード16のブレード側シリンダブラケット16Aに回動可能に取付けられている。アングルシリンダ19は、伸縮動作に応じて、ブレード16の長さ方向の両端を自在ピン15を中心として前後方向に揺動(アングル動作)させる。これにより、ブレード16によって押出される土砂を、下部走行体2の左側方または右側方にまとめて排出することができる。
【0025】
左ブレード支持部材20は、
図3ないし
図5に示すように、センタフレーム6Aの前部左側に設けられている。左ブレード支持部材20は、一定の隙間を保って左右方向で対面する2枚の板状体からなり、センタフレーム6Aから前方に突出している。左ブレード支持部材20は、アーム13を構成する左アーム部13Aの基端側13A1を、ピン14を介して支持している。
【0026】
右ブレード支持部材21は、センタフレーム6Aの前部右側に設けられ、左ブレード支持部材20と左右方向で対象となる位置に配置されている。右ブレード支持部材21は、左ブレード支持部材20と同一形状を有している。即ち、右ブレード支持部材21は、一定の隙間を保って左右方向で対面する2枚の板状体からなり、センタフレーム6Aから前方に突出している。右ブレード支持部材21は、アーム13を構成する右アーム部13Bの基端側13B1を、ピン14を介して支持している。
【0027】
長溝孔22は、左ブレード支持部材20と右ブレード支持部材21とにそれぞれ設けられ、ピン14が挿通されるピン孔を構成している。長溝孔22は、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21の板厚方向に貫通し、前後方向に延びる円弧状の長溝孔として形成されている。長溝孔22の前端は突出側端部22Aとなり、長溝孔22の後端は引込側端部22Bとなっている。長溝孔22は、突出側端部22Aから引込側端部22Bに向けて斜め上向きに傾斜している。
【0028】
左アーム部13Aの基端側13A1に取付けられたピン14の両端は、左ブレード支持部材20に形成された長溝孔22に挿通されている。従って、左アーム部13Aは、長溝孔22の突出側端部22Aと引込側端部22Bとの間で車体の前後方向に移動可能となっている。右アーム部13Bの基端側13B1に取付けられたピン14の両端は、右ブレード支持部材21に形成された長溝孔22に挿通されている。従って、右アーム部13Bも、長溝孔22の突出側端部22Aと引込側端部22Bとの間で車体の前後方向に移動可能となっている。
【0029】
即ち、
図5に示すように、左アーム部13Aに取付けられたピン14、および右アーム部13Bに取付けられたピン14が、長溝孔22の突出側端部22Aに係合したときには、アーム13の先端13Eに取付けられたブレード16が突出位置に位置決めされる。この突出位置では、ブレード16が、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21から離れる方向に突出し、ブレード16と左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21とは間隔Aだけ離間する。ブレード16が突出位置となった状態では、アングルシリンダ19によってブレード16をアングル動作させた場合でも、ブレード16の端部が下部走行体2の履帯8に干渉することがなく、整地作業等を円滑に行うことができる。
【0030】
一方、
図7に示すように、左アーム部13Aに取付けられたピン14、および右アーム部13Bに取付けられたピン14が、長溝孔22の引込側端部22Bに係合したときには、アーム13の先端13Eに取付けられたブレード16が引込位置に位置決めされる。この引込位置では、ブレード16が、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21側に引き込まれ、ブレード16と左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21との間隔Bは、突出位置での間隔Aよりも小さくなる(B<A)。ブレード16が引込位置となった状態では、油圧ショベル1の旋回走行時に、ブレード16が周囲の障害物に干渉するのを回避することができ、狭い作業現場での走行性を高めることができる。
【0031】
左ブレード支持部材20のうち、長溝孔22の突出側端部22Aの周囲には、複数(例えば2個)の突出側ボルト孔20Aが螺設され、長溝孔22の引込側端部22Bの周囲には、複数(例えば2個)の引込側ボルト孔20Bが螺設されている。右ブレード支持部材21のうち、長溝孔22の突出側端部22Aの周囲には、左ブレード支持部材20と同様に複数の突出側ボルト孔(図示せず)が螺設され、長溝孔22の引込側端部22Bの周囲には、左ブレード支持部材20と同様に複数の引込側ボルト孔(図示せず)が螺設されている。
【0032】
ブレード用ストッパ23は、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21に設けられている。ブレード用ストッパ23は円弧状の板体により形成され、2個のボルト23Aを用いて左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21に着脱可能に取付けられている。
図5に示すように、左アーム部13Aのピン14が長溝孔22の突出側端部22Aに係合し、ブレード16が突出位置に移動したときには、左ブレード支持部材20の突出側ボルト孔20Aに螺合するボルト23Aにより、ブレード用ストッパ23が長溝孔22を塞ぐように左ブレード支持部材20に固定される。同様に、右ブレード支持部材21にも、長溝孔22を塞ぐようにブレード用ストッパ23が固定される。これにより、ピン14が長溝孔22の突出側端部22Aに固定され、ブレード16は突出位置を保持することができる。
【0033】
一方、
図7に示すように、左アーム部13Aのピン14が長溝孔22の引込側端部22Bに係合し、ブレード16が引込位置に移動したときには、左ブレード支持部材20の引込側ボルト孔20Bに螺合するボルト23Aにより、ブレード用ストッパ23が長溝孔22を塞ぐように左ブレード支持部材20に固定される。同様に、右ブレード支持部材21にも、長溝孔22を塞ぐようにブレード用ストッパ23が固定される。これにより、ピン14が長溝孔22の引込側端部22Bに固定され、ブレード16は引込位置を保持することができる。
【0034】
シリンダ支持部材24は、左ブレード支持部材20と右ブレード支持部材21との間に位置してセンタフレーム6Aの前部中央に設けられている。シリンダ支持部材24は、一定の隙間を保って左右方向で対面する2枚の板状体からなり、センタフレーム6Aから前方に突出している。シリンダ支持部材24は、ブレード昇降シリンダ17の基端17Aを第2ピン18を介して支持している。
【0035】
第2長溝孔25は、シリンダ支持部材24に設けられ、第2ピン18が挿通されるピン孔を構成している。第2長溝孔25は、シリンダ支持部材24の板厚方向に貫通し、前端側から後端側に向けて斜め下向きに延びる長溝孔として形成されている。第2長溝孔25の前端は突出側端部25Aとなり、第2長溝孔25の後端は引込側端部25Bとなっている。
【0036】
即ち、第2長溝孔25は、突出側端部25Aから引込側端部25Bへと連続的に斜め下向きに延びる円弧状の長溝孔として形成されている。このため、
図5および
図6に示すように、ブレード昇降シリンダ17の先端17Bとアーム13(シリンダブラケット13D)とのピン結合部26から第2ピン18までの距離Cは、第2ピン18が第2長溝孔25の突出側端部25Aから引込側端部25Bに移動するに従って連続的に(漸次)大きくなる。
【0037】
ブレード昇降シリンダ17の基端17Aに取付けられた第2ピン18の両端は、シリンダ支持部材24に形成された第2長溝孔25に挿通されている。これにより、ブレード昇降シリンダ17の基端17Aは、第2ピン18を介してシリンダ支持部材24に支持され、第2長溝孔25の突出側端部25Aと引込側端部25Bとの間で移動可能となっている。シリンダ支持部材24のうち、第2長溝孔25の突出側端部25Aの周囲には、複数(例えば2個)の突出側ボルト孔24Aが螺設され、第2長溝孔25の引込側端部25Bの周囲には、複数(例えば2個)の引込側ボルト孔24Bが螺設されている。
【0038】
シリンダ用ストッパ27は、シリンダ支持部材24に設けられている。シリンダ用ストッパ27は円弧状の板体により形成され、2個のボルト27Aを用いてシリンダ支持部材24に着脱可能に取付けられている。
図5に示すように、第2ピン18が第2長溝孔25の突出側端部25Aに係合したときには、シリンダ支持部材24の突出側ボルト孔24Aに螺合するボルト27Aにより、シリンダ用ストッパ27がシリンダ支持部材24に固定される。これにより、第2長溝孔25がシリンダ用ストッパ27によって塞がれ、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側は、ブレード16を突出位置とするための突出位置に保持される。
【0039】
一方、
図6に示すように、第2ピン18が第2長溝孔25の引込側端部25Bに係合したときには、シリンダ支持部材24の引込側ボルト孔24Bに螺合するボルト27Aにより、シリンダ用ストッパ27がシリンダ支持部材24に固定される。これにより、第2長溝孔25がシリンダ用ストッパ27によって塞がれ、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側は、ブレード16を引込位置に移動させるための引込準備位置に保持される。
【0040】
本実施形態による油圧ショベル1は、上述の如き排土装置12を備えるもので、以下、油圧ショベル1の動作について説明する。
【0041】
まず、比較的広い作業現場において整地作業等を行う場合には、ブレード16を
図5に示す突出位置に保持する。この場合には、アーム13の左アーム部13Aおよび右アーム部13Bに取付けられたピン14を、ブレード用ストッパ23を用いて、長溝孔22の突出側端部22Aに係合した位置で固定する。また、ブレード昇降シリンダ17に取付けられた第2ピン18を、シリンダ用ストッパ27を用いて、第2長溝孔25の突出側端部25Aに係合した位置で固定する。
【0042】
この状態で、オペレータはキャブ11内に乗込み、走行レバー・ペダル装置(図示せず)を操作することにより下部走行体2を走行させ、油圧ショベル1を所望の作業現場まで自走させる。油圧ショベル1が作業現場に移動すると、オペレータは、操作レバー装置(図示せず)を操作する。これにより、上部旋回体4を旋回させつつ、作業装置5を用いて土砂の掘削作業等を行うことができる。また、オペレータは、ブレード操作装置(図示せず)を操作してブレード16を地面に接地させ、この状態で下部走行体2を走行させる。これにより、ブレード16を用いて作業現場の整地作業を行うことができる。
【0043】
この場合、ブレード16は突出位置に位置決めされているので、ブレード16と左ブレード支持部材20との間に大きな間隔Aを確保することができる。従って、整地作業時にアングルシリンダ19によってブレード16をアングル動作させた場合でも、ブレード16の端部が下部走行体2の履帯8に干渉することがなく、整地作業等を円滑に行うことができる。
【0044】
一方、例えば市街地等の狭い作業現場で作業を行う場合には、ブレード16を突出位置に保持したまま油圧ショベル1が旋回走行を行うと、ブレード16の端部が周囲の障害物に干渉する可能性がある。このため、狭い作業現場においては、ブレード16を
図5に示す突出位置から
図7に示す引込位置へと移動させる。
【0045】
この場合には、
図6に示すように、シリンダ支持部材24からシリンダ用ストッパ27を取外し、第2ピン18を移動可能とする。この状態で、ブレード昇降シリンダ17を伸長させることにより、第2ピン18は、第2長溝孔25の突出側端部25Aから移動して引込側端部25Bに係合する。そして、シリンダ用ストッパ27をシリンダ支持部材24に取付けることにより、第2ピン18は、第2長溝孔25の引込側端部25Bに係合した位置に固定される。これにより、ブレード昇降シリンダ17の基端17Aは、引込準備位置に位置決めされる。
【0046】
次に、
図7に示すように、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21からブレード用ストッパ23を取外し、左アーム部13Aおよび右アーム部13Bのピン14を移動可能とする。そして、ブレード昇降シリンダ17を縮小させることにより、ピン14は、長溝孔22の突出側端部22Aから移動して引込側端部22Bに係合する。この状態で、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21に、ブレード用ストッパ23を取付ける。これにより、ピン14は、長溝孔22の引込側端部22Bに係合した位置に固定され、ブレード16を引込位置に移動させることができる。
【0047】
このようにして、ブレード16を突出位置から引込位置に移動させることにより、ブレード16と左ブレード支持部材20との間隔Bを、突出位置での間隔Aよりも小さくすることができる。この結果、ブレード16が引込位置に位置決めされた状態では、油圧ショベル1の旋回走行時に、ブレード16の端部が周囲の障害物に干渉するのを回避することができ、狭い作業現場での走行性を高めることができる。
【0048】
ここで、本実施形態では、シリンダ支持部材24に第2長溝孔25を形成し、ブレード昇降シリンダ17の基端17Aに取付けられた第2ピン18が、第2長溝孔25に沿って車体の前後方向へ移動可能となっている。これにより、ブレード16を突出位置から引込位置へと移動させるときに、ブレード昇降シリンダ17を伸長させ、その基端17Aを引込準備位置に移動させることができるので、ブレード昇降シリンダ17が縮小するときのストロークS(
図6参照)を大きくすることができる。この結果、ブレード16を、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21側に大きく引き込むことができ、狭い作業現場での油圧ショベル1の走行性を一層高めることができる。
【0049】
また、本実施形態では、シリンダ支持部材24の第2長溝孔25が、突出側端部25Aから引込側端部25Bへと斜め下向きに延びる円弧状の長溝孔として形成されている。このため、ブレード昇降シリンダ17の先端17Bとアーム13とのピン結合部26から第2ピン18までの距離Cは、第2ピン18が第2長溝孔25の突出側端部25Aから引込側端部25Bに移動するに従って連続的に(漸次)大きくなる。従って、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側を突出位置(
図5の位置)から引込準備位置(
図6の位置)へと移動させるため、シリンダ支持部材24からシリンダ用ストッパ27を取外してブレード昇降シリンダ17を伸長させたときに、第2ピン18は、常に第2長溝孔25の周縁に当接するようになる。この結果、ブレード昇降シリンダ17を伸長させる間、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側の荷重を常にシリンダ支持部材24によって受けることができ、ブレード昇降シリンダ17の基端17Aが自重によって落下することを回避することができる。
【0050】
ここで、本実施形態において、ブレード昇降シリンダ17の先端17Bとアーム13とのピン結合部26から第2ピン18までの距離Cが、第2ピン18が第2長溝孔25の突出側端部25Aから引込側端部25Bに移動するに従って連続的に大きくなる構成とした理由について、
図8に示す比較例との比較に基づいて説明する。
【0051】
図8は、比較例による第2長溝孔101を示している。なお、この比較例では、本実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付している。比較例による第2長溝孔101は、本実施形態による第2長溝孔25と同様に、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側に取付けられた第2ピン18が移動可能に挿通される。比較例による第2長溝孔101は、本実施形態による第2長溝孔25と同様に、前端が突出側端部101Aとなり、後端が引込側端部101Bとなっている。しかし、第2長溝孔101は、突出側端部101Aと引込側端部101Bとの間に水平方向に延びる水平溝部101Cが形成されている。従って、比較例による第2長溝孔101においては、ブレード昇降シリンダ17の先端17Bとアーム13とのピン結合部26から第2ピン18までの距離C′は、突出側端部101Aから引込側端部101Bに移動するに従って連続的に大きくならず、断続的に大きくなる。この点で、比較例による第2長溝孔101は、本実施形態による第2長溝孔25とは相違している。
【0052】
このため、比較例においては、第2ピン18が第2長溝孔101の突出側端部101Aから水平溝部101Cに移動する間は、ブレード昇降シリンダ17の先端17Bとアーム13とのピン結合部26から第2ピン18までの距離C′が等しくなる。従って、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側を引込準備位置に移動させるため、シリンダ支持部材102からシリンダ用ストッパ27を取外したときに、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側が、その自重によって突出側端部101Aから水平溝部101Cまで急激に落下する可能性がある。
【0053】
これに対し、本実施形態では、シリンダ支持部材24の第2長溝孔25が、突出側端部25Aから引込側端部25Bへと斜め下向きに延びる円弧状の長溝孔として形成されている。これにより、上述したように、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側を突出位置(
図5の位置)から引込準備位置(
図6の位置)へと移動させるため、シリンダ支持部材24からシリンダ用ストッパ27を取外してブレード昇降シリンダ17を伸長させたときに、ブレード昇降シリンダ17の基端17Aが自重によって落下することを回避することができ、シリンダ用ストッパ27を安全に取外すことができる。
【0054】
かくして、実施形態では、排土装置12が、基端側13A1が左ブレード支持部材20にピン14を用いて回動可能に取付けられた左アーム部13A、基端側13B1が右ブレード支持部材21にピン14を用いて回動可能に取付けられた右アーム部13Bを有するアーム13と、アーム13の先端13E側に取付けられたブレード16と、基端17A側がシリンダ支持部材24に回動可能に取付けられると共に先端17B側がアーム13に回動可能に取付けられ、伸縮動作に応じてブレード16を左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21に対して昇降させるブレード昇降シリンダ17とを備えている。そして、ピン14が挿通される左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21のピン孔は、ピン14が車体の前後方向へ移動可能に係合する長溝孔22として形成され、ブレード16は、ピン14が長溝孔22に沿って移動することにより、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21から離れる方向に突出した突出位置と、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21側に引き込まれた引込位置との間で移動可能に設けられる構成としている。
【0055】
この構成によれば、左アーム部13Aの基端側13A1と左ブレード支持部材20との間、および右アーム部13Bの基端側13B1と右ブレード支持部材21との間を連結するピン14を、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21に形成された長溝孔22に沿って移動させることにより、ブレード16を突出位置から引込位置へと移動させることができる。これにより、ブレード16の下部走行体2からの突出長さを小さくすることができるので、油圧ショベル1の旋回走行時にブレード16が周囲の障害物に干渉するのを防止し、良好な走行性を確保することができる。
【0056】
実施形態では、左ブレード支持部材20には、ブレード16が突出位置または引込位置に移動したときにピン14を固定するブレード用ストッパ23が設けられている。この構成によれば、ブレード用ストッパ23を用いて、ブレード16を突出位置または引込位置に保持することができる。
【0057】
実施形態では、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側は、シリンダ支持部材24に第2ピン18を用いて回動可能に取付けられ、第2ピン18が挿通されるシリンダ支持部材24のピン孔は、第2ピン18が車体の前後方向へ移動可能に係合する第2長溝孔25として形成され、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側は、第2ピン18が第2長溝孔25に沿って車体の前後方向へ移動することにより、ブレード16を突出位置とするための突出位置と、ブレード16を突出位置から引込位置に移動させるための引込準備位置とに位置が移動する。この構成によれば、例えばブレード16を突出位置から引込位置へと移動させるときに、ブレード昇降シリンダ17を伸長させることにより基端17Aを引込準備位置に移動させることができる。この結果、ブレード昇降シリンダ17が縮小するときのストロークSを大きくすることができ、ブレード16を、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21側に大きく引き込むことができる。
【0058】
実施形態では、シリンダ支持部材24には、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側が突出位置または引込準備位置に移動したときに第2ピン18を固定するシリンダ用ストッパ27が設けられている。この構成によれば、シリンダ用ストッパ27を用いて、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側を突出位置または引込準備位置に保持することができる。
【0059】
実施形態では、シリンダ支持部材24に形成された第2長溝孔25は、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側を突出位置に移動させるときに第2ピン18が係合する突出側端部25Aと、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側を引込準備位置に移動させるときに第2ピン18が係合する引込側端部25Bとを有し、ブレード昇降シリンダ17の先端17Bとアーム13とのピン結合部26から第2ピン18までの距離Cは、第2ピン18が第2長溝孔25の突出側端部25Aから引込側端部25Bに移動するに従って連続的に大きくなる構成としている。この構成によれば、ブレード昇降シリンダ17を伸長させる間、ブレード昇降シリンダ17の基端17A側の荷重を常にシリンダ支持部材24によって受けることができ、ブレード昇降シリンダ17の基端17Aが自重によって落下することを回避することができる。
【0060】
なお、実施形態では、左ブレード支持部材20および右ブレード支持部材21のピン孔を、長溝孔22として形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば
図9に示す変形例のように構成してもよい。即ち、アーム13を構成する左アーム部13Aのピン孔を長溝孔22′として形成し、この長溝孔22′に左ブレード支持部材20に固定したピン14を挿通すると共に、右アーム部13Bのピン孔を長溝孔(図示せず)として形成し、この長溝孔に右ブレード支持部材21に固定したピン14を挿通する構成としてもよい。
【0061】
また、実施形態では、シリンダ支持部材24に形成される第2長溝孔25を、突出側端部25Aから引込側端部25Bへと連続的に斜め下向きに延びる円弧状の長溝孔に形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば突出側端部25Aから引込側端部25Bへと一定の傾きをもって斜め下向きに延びる直線状に形成してもよい。
【0062】
また、実施形態では、アーム13とブレード16との間にアングルシリンダ19が設けられた排土装置12を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、アングルシリンダ19を持たない排土装置を備えた油圧ショベルにも適用することができる。
【0063】
さらに、実施形態では、履帯8を備えたクローラ式の油圧ショベル1に適用した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の油圧ショベルにも適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
2 下部走行体(車体)
4 上部旋回体(車体)
12 排土装置
13 アーム
13A 左アーム部
13B 右アーム部
14 ピン
16 ブレード
17 ブレード昇降シリンダ
18 第2ピン
20 左ブレード支持部材
21 右ブレード支持部材
22,22′ 長溝孔
23 ブレード用ストッパ
24 シリンダ支持部材
25 第2長溝孔
26 ピン結合部
27 シリンダ用ストッパ