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特許7514224マイクロサテライト不安定性を評価するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】マイクロサテライト不安定性を評価するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G16B 20/20 20190101AFI20240703BHJP
【FI】
G16B20/20
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021514069
(86)(22)【出願日】2019-09-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019051138
(87)【国際公開番号】W WO2020056347
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】62/731,718
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520478530
【氏名又は名称】レクセント バイオ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロバートソン, アレクサンダー デ ヨング
(72)【発明者】
【氏名】ランバート, ニコル ジャシンダ
(72)【発明者】
【氏名】テツカン, ハルク
(72)【発明者】
【氏名】ヤラマンチリ, ラム
(72)【発明者】
【氏名】ピーターマン, ニール
(72)【発明者】
【氏名】スリヴァス, ロヒト カンナパン
【審査官】前田 侑香
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0235456(US,A1)
【文献】国際公開第2018/137678(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/037231(WO,A1)
【文献】特表2015-516144(JP,A)
【文献】BARZI Afsaneh,外7名,“Assessment of microsatellite instability (MSI) in cell free DNA (cfDNA) of colorectal cancers (CRC) patients (pts)”,Journal of Clinical Oncology [online],米国,American Society of Clinical Oncology,2018年02月26日,[2023年11月14日検索],インターネット<URL:https://ascopubs.org/doi/abs/10.1200/JCO.2018.36.4_suppl.672>
【文献】HEGELE A. Robert,外4名,“Genome-wide scanning for type 2 diabetes susceptibility in Canadian Oji-Cree, using 190 microsatellite markers”,Jpn Soc Hum Genet and Springer-Verlag 1999 [online],Jpn Soc Hum Genet and Springer-Verlag 1999,1998年07月17日,[2023年11月13日検索],インターネット<URL:https://www.nature.com/articles/jhg19992>
【文献】G Sozzi,外7名,“診断時および肺癌患者の追跡中の血漿中の循環腫瘍DNAの分析 - Bibgraph (ビブグラフ)|PubMedを日本語で論文検索”,Cancer research [online],日本,Bibgraph,2001年06月15日,[2023年11月13日検索],インターネット<URL:https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/11406535?click_by=p_ref>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16B 5/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体のマイクロサテライト不安定性を評価するためのコンピュータ実装方法であって、
被験体の血液サンプルから複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの定量的測度を取得して、前記血液サンプル中の複数の腫瘍由来無細胞DNA(cfDNA)分子に付随する複数の定量的測度を取得することであって、前記定量的測度が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのうちの1つのマイクロサテライトリピートエレメントとアライメントするシークエンシングリードの数のカウントである、こと
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの前記複数の定量的測度を処理して、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントの前記複数の定量的測度の統計的偏差測度を取得すること;および
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出すること、または
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記被験体が癌と診断されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、前記複数のcfDNA分子をシークエンシングして前記シークエンシングリードのセットを生成することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記シークエンシングが、全ゲノムシークエンシング(WGS)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記シークエンシングが、約10倍を超えないかまたは約8倍を超えない深度で実施される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
記方法が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントの少なくともサブセットについて前記複数のcfDNA分子を富化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記富化が、前記複数のcfDNA分子を増幅することを含む;または
前記富化が、前記複数のcfDNA分子の少なくとも一部を選択的に単離することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
選択的増幅により、前記複数のcfDNA分子を増幅する、請求項に記載の方法。
【請求項9】
ユニバーサル増幅により、前記複数のcfDNA分子を増幅する、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記被験体のマイクロサテライト不安定性の前記検出された存在または非存在が、前記被験体のための処置を識別するか、または処置を前記被験体に施すべきであるかどうかを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記処置が、化学療法、放射線療法および免疫療法からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記統計的偏差測度が、平均zスコアまたは参照血液サンプルに対する平均zスコアである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記参照血液サンプルが、マイクロサテライト不安定性を有するかまたはマイクロサテライト不安定性を有しない被験体から得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記所定の基準が、所定の数よりも大きい平均zスコアの絶対値である、請求項1または請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、モノヌクレオチドおよび/またはジヌクレオチドを含む;あるいは前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約100万個、少なくとも約500万個、少なくとも約1000万個、または少なくとも約2000万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在または非存在が、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%の感度で検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約90%の陽性適中率(PPV)で検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在または非存在が、少なくとも0.90の受信者動作特性(ROC)の曲線下面積(AUC)で検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の存在を検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
システムであって、1つまたはそれを超えるコンピュータプロセッサにより実行されると、被験体のマイクロサテライト不安定性を評価するための方法を実施する機械実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むかまたはそれにアクセスすることができるコントローラを含み、前記方法が、
被験体の血液サンプルから複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの定量的測度を取得して、前記血液サンプル中の複数の腫瘍由来無細胞DNA(cfDNA)分子に付随する複数の定量的測度を取得することであって、前記定量的測度が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのうちの1つのマイクロサテライトリピートエレメントとアライメントするシークエンシングリードの数のカウントである、こと
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの前記複数の定量的測度を処理して、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの前記複数の定量的測度の統計的偏差測度を取得すること;および
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出すること、または
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出すること
を含む、システム。
【請求項21】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、1つまたはそれを超えるコンピュータプロセッサにより実行されると、被験体のマイクロサテライト不安定性を評価するための方法を実装する機械実行可能コードを含み、前記方法が、
被験体の血液サンプルから複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの定量的測度を取得して、前記血液サンプル中の複数の腫瘍由来無細胞DNA(cfDNA)分子に付随する複数の定量的測度を取得することであって、前記定量的測度が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのうちの1つのマイクロサテライトリピートエレメントとアライメントするシークエンシングリードの数のカウントである、こと
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの前記複数の定量的測度を処理して、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの前記複数の定量的測度の統計的偏差測度を取得すること;および
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出すること、または
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年9月14日に出願された米国仮特許出願第62/731,718号(これは、参照により本明細書に完全に組み込まれる)の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
マイクロサテライト不安定性(MSI)は、一般に、被験体におけるDNAミスマッチ修復(MMR)の障害に起因し得る突然変異の遺伝的素因の状態を指す。MSIを有する被験体では、異常に機能するMMRを有する細胞は、DNA複製中にエラーを蓄積し、マイクロサテライト断片の突然変異またはDNA配列の繰り返しをもたらし得る。MSIは、多くのタイプの癌、例えば結腸癌、胃癌、子宮内膜癌、卵巣癌、肝胆道癌、尿路癌、脳癌および皮膚癌において重要な役割を果たし得る。例えば、MSIは、遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌(HNPCC)またはリンチ症候群(結腸癌および他のタイプの癌の高いリスクを有する常染色体優性遺伝症状)の検出のための優れたマーカーである。加えて、マイクロサテライト状態は、癌処置について被験体の予後を示し得る。例えば、結腸癌患者におけるMSI研究は、MSI-high患者(MSI-H)の予後が、MSI-low(MSI-L)またはマイクロサテライト安定(MSS)腫瘍を有する患者と比較して良好であることを示した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
要旨
被験体の血液サンプルを分析することにより、癌を有する患者などの被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)を評価するための方法、システムおよび媒体が本明細書で提供される。マイクロサテライト不安定性(MSI)は、モノヌクレオチドおよびジヌクレオチドを含むマイクロサテライトに対応する複数の遺伝子座における被験体のサンプル由来の腫瘍DNA(例えば、無細胞DNA)を分析し、腫瘍DNAの分析に基づいて被験体の血液サンプル由来の複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの平均長を測定することにより評価および/またはモニタリングされ得る。例えば、被験体のMSIは、被験体におけるMSIの存在または非存在を識別することにより評価され得る。MSI状態は、例えば、参照ゲノムもしくは患者特異的参照長のいずれかに対するマイクロサテライトリピートエレメントの測定された平均挿入もしくは欠失(indel)長、2つのリピート単位の欠失などの特定のサイズを超える挿入もしくは欠失(indel)を含有するマイクロサテライトリピートエレメントのセットの割合、または各マイクロサテライト遺伝子座におけるシークエンシングデータにおけるマイクロサテライト長の平均数に基づいて、リピートエレメントの選択セットから生成され得る。被験体のMSI状態は、被験体の診断、予後または処置選択を示し得る。
【0004】
いくつかの実施形態では、MSI状態は、ある期間にわたって(例えば、2つまたはそれを超える異なる時点にわたって)変動(例えば、増加または減少)し得る。いくつかの実施形態では、この期間は、例えば、被験体の癌の処置過程または(例えば、被験体における腫瘍の再発を検出するための)外科的切除もしくは他の腫瘍処置後のモニタリング期間に対応し得る。いくつかの実施形態では、MSI状態の生成は、マイクロサテライトに対応する複数の遺伝子座のそれぞれのcfDNAシークエンシングリードの定量的測度を生成することを含み得る。複数の遺伝子座は、マイクロサテライト、例えばヒト参照ゲノムにおけるマイクロサテライトリピートの全セット(またはそのサブセット)、マイクロサテライト安定(MSS)データにおけるノイズを最小化するように最適化されたマイクロサテライトリピートのセット(またはそのサブセット)、すべてが同じクラスのマイクロサテライトリピート(例えば、そのリピート単位が長さ1のものであるすべてのリピート)のセット(またはそのサブセット)、特定の範囲のサイズ(例えば、長さ)内のマイクロサテライトのリピート単位のセット、シークエンシングデータが交絡生殖系列挿入もしくは欠失(indel)の欠如を示すマイクロサテライトリピートのセット(またはそのサブセット)、トレーニングデータのセットが与えられたアルゴリズムの性能を最大化するように最適化されたマイクロサテライトリピートのセット(またはそのサブセット)、またはそれらの組み合わせの和集合もしくは共通集合を含み得る。いくつかの場合では、cfDNAの定量的測度(例えば、シークエンシングリード)は、複数の遺伝子座のそれぞれとアライメントするシークエンシングリードのカウントを含み得る。あるいは、cfDNAの定量的測度の取得は、複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおける複数のcfDNA分子の結合測定を実施することを含み得る。いくつかの実施形態では、MSI状態の生成は、cfDNAの定量的測度(例えば、シークエンシングリード)の比較(例えば、差または比)を生成することを含み得る。マイクロサテライトに対応する遺伝子座の異なるセットにわたってシークエンシングリードのカウントの比較を評価することにより、本明細書で提供される方法は、非侵襲的実験室試験(例えば、血液ベースの試験)を介した被験体の診断、予後または処置選択に有用であり得るMSI状態の生成を可能にし得る。
【0005】
一態様では、本開示は、被験体のマイクロサテライト不安定性を評価するコンピュータ実装方法であって、被験体の血液サンプルから複数のマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度を取得すること;前記複数の定量的測度を処理して、前記複数の定量的測度の統計的偏差測度を取得すること;および前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出すること、または前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出することを含む方法を提供する。
【0006】
いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度は、複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)のそれぞれにおける平均長、所定のサイズ範囲内に入る長さを有する複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)の数、頻度または割合、および複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)のそれぞれの平均挿入または欠失(indel)長からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、被験体は癌と診断される。いくつかの実施形態では、被験体は、癌について無症候性である。いくつかの実施形態では、被験体は、1つまたはそれを超える癌リスク因子(例えば、年齢、性別、人種、民族、家族歴、タバコまたはアルコール使用の履歴、遺伝的変異体の存在または他の臨床的健康特徴)を有する。いくつかの実施形態では、複数の定量的測度は、複数の無細胞DNA(cfDNA)分子から測定される。いくつかの実施形態では、複数の定量的測度は、複数のcfDNA分子中の複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおけるシークエンシングリードのセットから測定される。いくつかの実施形態では、前記方法は、複数のcfDNA分子をシークエンシングしてシークエンシングリードのセットを生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、全ゲノムシークエンシング(WGS)を含む。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約50倍を超えない、約48倍を超えない、約46倍を超えない、約44倍を超えない、約42倍を超えない、約40倍を超えない、約38倍を超えない、約36倍を超えない、約34倍を超えない、約32倍を超えない、約30倍を超えない、約28倍を超えない、約24倍を超えない、約22倍を超えない、約20倍を超えない、約18倍を超えない、約16倍を超えない、約14倍を超えないまたは約12倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約10倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約8倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約6倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約5倍を超えない、約4倍を超えない、約3倍を超えない、約2倍を超えないまたは約1倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、複数の定量的測度の測定は、複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)のそれぞれにおける複数のcfDNA分子の結合測定を実施することを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記方法は、被験体のマイクロサテライト不安定性の検出された存在または非存在に基づいて、被験体のための処置を識別すること、および/または治療有効量の処置を被験体に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、処置は、化学療法、放射線療法および免疫療法からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、処置は免疫療法を含む。いくつかの実施形態では、免疫療法はペンブロリズマブを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、複数のマイクロサテライトリピートエレメントの少なくともサブセットについて複数のcfDNA分子を富化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、富化は、複数のcfDNA分子を増幅することを含む。いくつかの実施形態では、増幅は、選択的増幅(例えば、標的PCR、または標的富化とそれに続くユニバーサルまたは標的PCR)を含む。いくつかの実施形態では、増幅は、ユニバーサル増幅(例えば、ユニバーサルPCR)を含む。いくつかの実施形態では、富化は、複数のcfDNA分子の少なくとも一部を選択的に単離することを含む(例えば、標的富化)。いくつかの実施形態では、少なくとも一部はモノヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一部はジヌクレオチドを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、統計的偏差測度は平均zスコアである。いくつかの実施形態では、統計的偏差測度は、参照血液サンプルに対する平均zスコアである。いくつかの実施形態では、参照血液サンプルは、マイクロサテライト不安定性を有する被験体(例えば、MSI陽性被験体)から得られる。いくつかの実施形態では、参照血液サンプルは、マイクロサテライト不安定性を有しない被験体(例えば、MSI陰性またはMSS被験体)から得られる。いくつかの実施形態では、所定の基準は、所定の数よりも大きい平均zスコアの絶対値である。いくつかの実施形態では、所定の数は約1である。いくつかの実施形態では、所定の数は約2である。いくつかの実施形態では、所定の数は約3である。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、モノヌクレオチドまたはジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、モノヌクレオチドおよびジヌクレオチドを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約100万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約500万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約1000万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約2000万の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約70%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約80%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約90%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約95%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約99%の感度で検出される。
【0011】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約70%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約80%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約90%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約95%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約99%の特異度で検出される。
【0012】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約70%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約80%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約90%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約95%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約99%の陽性適中率(PPV)で検出される。
【0013】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約70%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約80%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約90%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約95%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約99%の陰性適中率(NPV)で検出される。
【0014】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.70の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.80の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.90の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.95の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.96、少なくとも約0.97または少なくとも約0.98の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.99の曲線下面積(AUC)で検出される。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記方法は、複数の定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たさない場合、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の存在を検出すること、または複数の定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の非存在を検出することをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約70%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約80%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約90%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約95%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約99%の感度で検出される。
【0017】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約70%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約80%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約90%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約95%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約99%の特異度で検出される。
【0018】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約70%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約80%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約90%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約95%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在は、少なくとも約99%の陽性適中率(PPV)で検出される。
【0019】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約70%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約80%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約90%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約95%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の非存在は、少なくとも約99%の陰性適中率(NPV)で検出される。
【0020】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.70の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.80の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.90の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.95の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.96、少なくとも約0.97または少なくとも約0.98の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.99の曲線下面積(AUC)で検出される。
【0021】
別の態様では、本開示は、システムであって、1つまたはそれを超えるコンピュータプロセッサにより実行されると、被験体のマイクロサテライト不安定性を評価するための方法を実施する機械実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むかまたはそれにアクセスすることができるコントローラを含み、前記方法が、被験体の血液サンプルから複数のマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度を取得すること;前記複数の定量的測度を処理して、前記複数の定量的測度の統計的偏差測度を取得すること;および前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出すること、または前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出することを含むシステムを提供する。
【0022】
いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度は、複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)のそれぞれにおける平均長、所定のサイズ範囲内に入る長さを有する複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)の数、頻度または割合、および複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)のそれぞれの平均挿入または欠失(indel)長からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、被験体は癌と診断される。いくつかの実施形態では、被験体は、癌について無症候性である。いくつかの実施形態では、被験体は、1つまたはそれを超える癌リスク因子(例えば、年齢、性別、人種、民族、家族歴、タバコまたはアルコール使用の履歴、遺伝的変異体の存在または他の臨床的健康特徴)を有する。いくつかの実施形態では、複数の定量的測度は、複数の無細胞DNA(cfDNA)分子から測定される。いくつかの実施形態では、複数の定量的測度は、複数のcfDNA分子中の複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおけるシークエンシングリードのセットから測定される。いくつかの実施形態では、前記システムの前記方法は、複数のcfDNA分子をシークエンシングしてシークエンシングリードのセットを生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、全ゲノムシークエンシング(WGS)を含む。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約50倍を超えない、約48倍を超えない、約46倍を超えない、約44倍を超えない、約42倍を超えない、約40倍を超えない、約38倍を超えない、約36倍を超えない、約34倍を超えない、約32倍を超えない、約30倍を超えない、約28倍を超えない、約24倍を超えない、約22倍を超えない、約20倍を超えない、約18倍を超えない、約16倍を超えない、約14倍を超えないまたは約12倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約10倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約8倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約6倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約5倍を超えない、約4倍を超えない、約3倍を超えない、約2倍を超えないまたは約1倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、複数の定量的測度の測定は、複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)のそれぞれにおける複数のcfDNA分子の結合測定を実施することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記システムの前記方法は、被験体のマイクロサテライト不安定性の検出された存在または非存在に基づいて、被験体のための処置、または被験体に投与すべき処置の治療有効量を識別することをさらに含む。いくつかの実施形態では、処置は、化学療法、放射線療法および免疫療法からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、処置は免疫療法を含む。いくつかの実施形態では、免疫療法はペンブロリズマブを含む。いくつかの実施形態では、前記システムの前記方法は、複数のマイクロサテライトリピートエレメントの少なくともサブセットについて複数のcfDNA分子の富化を指示することをさらに含む。いくつかの実施形態では、富化は、複数のcfDNA分子を増幅することを含む。いくつかの実施形態では、増幅は、選択的増幅(例えば、標的PCR、または標的富化とそれに続くユニバーサルまたは標的PCR)を含む。いくつかの実施形態では、増幅は、ユニバーサル増幅(例えば、ユニバーサルPCR)を含む。いくつかの実施形態では、富化は、複数のcfDNA分子の少なくとも一部を選択的に単離することを含む(例えば、標的富化)。いくつかの実施形態では、少なくとも一部はモノヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一部はジヌクレオチドを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、統計的偏差測度は平均zスコアである。いくつかの実施形態では、統計的偏差測度は、参照血液サンプルに対する平均zスコアである。いくつかの実施形態では、参照血液サンプルは、マイクロサテライト不安定性を有する被験体(例えば、MSI陽性被験体)から得られる。いくつかの実施形態では、参照血液サンプルは、マイクロサテライト不安定性を有しない被験体(例えば、MSI陰性またはMSS被験体)から得られる。いくつかの実施形態では、所定の基準は、所定の数よりも大きい平均zスコアの絶対値である。いくつかの実施形態では、所定の数は約1である。いくつかの実施形態では、所定の数は約2である。いくつかの実施形態では、所定の数は約3である。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、モノヌクレオチドまたはジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、モノヌクレオチドおよびジヌクレオチドを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約100万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約500万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約1000万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約2000万の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約70%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約80%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約90%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約95%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約99%の感度で検出される。
【0027】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約70%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約80%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約90%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約95%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約99%の特異度で検出される。
【0028】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約70%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約80%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約90%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約95%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約99%の陽性適中率(PPV)で検出される。
【0029】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約70%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約80%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約90%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約95%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約99%の陰性適中率(NPV)で検出される。
【0030】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.70の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.80の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.90の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.95の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.96、少なくとも約0.97または少なくとも約0.98の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.99の曲線下面積(AUC)で検出される。
【0031】
いくつかの実施形態では、前記システムの前記方法は、複数の定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たさない場合、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の存在を検出すること、または複数の定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の非存在を検出することをさらに含む。
【0032】
別の態様では、本開示は、非一時的コンピュータ可読媒体であって、1つまたはそれを超えるコンピュータプロセッサにより実行されると、被験体のマイクロサテライト不安定性を評価するための方法を実装する機械実行可能コードを含み、前記方法が、被験体の血液サンプルから複数のマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度を取得すること;前記複数の定量的測度を処理して、前記複数の定量的測度の統計的偏差測度を取得すること;および前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出すること、または前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出することを含む非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【0033】
いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度は、複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)のそれぞれにおける平均長、所定のサイズ範囲内に入る長さを有する複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)の数、頻度または割合、および複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)のそれぞれの平均挿入または欠失(indel)長からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、被験体は癌と診断される。いくつかの実施形態では、被験体は、癌について無症候性である。いくつかの実施形態では、被験体は、1つまたはそれを超える癌リスク因子(例えば、年齢、性別、人種、民族、家族歴、タバコまたはアルコール使用の履歴、遺伝的変異体の存在または他の臨床的健康特徴)を有する。いくつかの実施形態では、複数の定量的測度は、複数の無細胞DNA(cfDNA)分子から測定される。いくつかの実施形態では、複数の定量的測度は、複数のcfDNA分子中の複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおけるシークエンシングリードのセットから測定される。いくつかの実施形態では、前記非一時的コンピュータ可読媒体の前記方法は、複数のcfDNA分子をシークエンシングしてシークエンシングリードのセットを生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、全ゲノムシークエンシング(WGS)を含む。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約50倍を超えない、約48倍を超えない、約46倍を超えない、約44倍を超えない、約42倍を超えない、約40倍を超えない、約38倍を超えない、約36倍を超えない、約34倍を超えない、約32倍を超えない、約30倍を超えない、約28倍を超えない、約24倍を超えない、約22倍を超えない、約20倍を超えない、約18倍を超えない、約16倍を超えない、約14倍を超えないまたは約12倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約10倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約8倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約6倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、約5倍を超えない、約4倍を超えない、約3倍を超えない、約2倍を超えないまたは約1倍を超えない深度で実施される。いくつかの実施形態では、複数の定量的測度の測定は、複数のマイクロサテライトリピートエレメント(またはそのサブセット)のそれぞれにおける複数のcfDNA分子の結合測定を実施することを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、前記非一時的コンピュータ可読媒体の前記方法は、被験体のマイクロサテライト不安定性の検出された存在または非存在に基づいて、被験体のための処置、または被験体に投与すべき治療有効量の処置を識別することをさらに含む。いくつかの実施形態では、処置は、化学療法、放射線療法および免疫療法からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、処置は免疫療法を含む。いくつかの実施形態では、免疫療法はペンブロリズマブを含む。いくつかの実施形態では、前記非一時的コンピュータ可読媒体の前記方法は、複数のマイクロサテライトリピートエレメントの少なくともサブセットについて複数のcfDNA分子の富化を指示することをさらに含む。いくつかの実施形態では、富化は、複数のcfDNA分子を増幅することを含む。いくつかの実施形態では、増幅は、選択的増幅(例えば、標的PCR、または標的富化とそれに続くユニバーサルまたは標的PCR)を含む。いくつかの実施形態では、増幅は、ユニバーサル増幅(例えば、ユニバーサルPCR)を含む。いくつかの実施形態では、富化は、複数のcfDNA分子の少なくとも一部を選択的に単離することを含む(例えば、標的富化)。いくつかの実施形態では、少なくとも一部はモノヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一部はジヌクレオチドを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、統計的偏差測度は平均zスコアである。いくつかの実施形態では、統計的偏差測度は、参照血液サンプルに対する平均zスコアである。いくつかの実施形態では、参照血液サンプルは、マイクロサテライト不安定性を有する被験体(例えば、MSI陽性被験体)から得られる。いくつかの実施形態では、参照血液サンプルは、マイクロサテライト不安定性を有しない被験体(例えば、MSI陰性またはMSS被験体)から得られる。いくつかの実施形態では、所定の基準は、所定の数よりも大きい平均zスコアの絶対値である。いくつかの実施形態では、所定の数は約1である。いくつかの実施形態では、所定の数は約2である。いくつかの実施形態では、所定の数は約3である。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、モノヌクレオチドまたはジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、モノヌクレオチドおよびジヌクレオチドを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約100万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約500万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約1000万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約2000万の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約70%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約80%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約90%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約95%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の感度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約99%の感度で検出される。
【0038】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約70%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約80%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約90%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約95%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の特異度で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約99%の特異度で検出される。
【0039】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約70%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約80%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約90%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約95%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の陽性適中率(PPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在は、少なくとも約99%の陽性適中率(PPV)で検出される。
【0040】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約70%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約80%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約90%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約95%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約96%、少なくとも約97%または少なくとも約98%の陰性適中率(NPV)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の非存在は、少なくとも約99%の陰性適中率(NPV)で検出される。
【0041】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.70の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.80の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.90の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.95の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.96、少なくとも約0.97または少なくとも約0.98の曲線下面積(AUC)で検出される。いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性の存在または非存在は、少なくとも約0.99の曲線下面積(AUC)で検出される。
【0042】
いくつかの実施形態では、前記非一時的コンピュータ可読媒体の前記方法は、複数の定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たさない場合、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の存在を検出すること、または複数の定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の非存在を検出することをさらに含む。
【0043】
本開示の別の態様は、非一時的コンピュータ可読媒体であって、1つまたはそれを超えるコンピュータプロセッサにより実行されると、上記または本明細書の他の箇所の方法のいずれかを実装する機械実行可能コードを含む非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【0044】
本開示の別の態様は、システムであって、1つまたはそれを超えるコンピュータプロセッサと、それに結合されたコンピュータメモリとを含むシステムを提供する。コンピュータメモリは、1つまたはそれを超えるコンピュータプロセッサにより実行されると、上記または本明細書の他の箇所の方法のいずれかを実装する機械実行可能コードを含む。
【0045】
本開示のさらなる態様および利点は、本開示の単に例示的な実施形態が示され記載されている以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになるであろう。理解されるように、本開示は他のおよび異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、様々な明白な点で改変が可能であり、これらはすべて、本開示から逸脱するものではない。したがって、図面および説明は、限定的ではなく例示的な性質のものであるとみなされるべきである。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
被験体のマイクロサテライト不安定性を評価するためのコンピュータ実装方法であって、
被験体の血液サンプルから複数のマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度を取得すること;
前記複数の定量的測度を処理して、前記複数の定量的測度の統計的偏差測度を取得すること;および
前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出すること、または
前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出すること
を含む、方法。
(項目2)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントの前記定量的測度が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおける平均長、所定のサイズ範囲内の長さを有する前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントの数または割合、および前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの平均挿入または欠失(indel)長からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記被験体が癌と診断されている、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記複数の定量的測度が、複数の無細胞DNA(cfDNA)分子から測定される、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記複数の定量的測度が、前記複数のcfDNA分子中の前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおけるシークエンシングリードのセットから測定される、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記複数のcfDNA分子をシークエンシングして前記シークエンシングリードのセットを生成することをさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記シークエンシングが全ゲノムシークエンシング(WGS)を含む、項目5または6に記載の方法。
(項目8)
前記シークエンシングが、約10倍を超えない深度で実施される、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記シークエンシングが、約8倍を超えない深度で実施される、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記シークエンシングが、約6倍を超えない深度で実施される、項目7に記載の方法。
(項目11)
前記複数の定量的測度の測定が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおける前記複数のcfDNA分子の結合測定を実施することを含む、項目4に記載の方法。
(項目12)
前記被験体のマイクロサテライト不安定性の前記検出された存在または非存在に基づいて、前記被験体のための処置を識別すること、または治療有効量の処置を前記被験体に投与することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記処置が、化学療法、放射線療法および免疫療法からなる群より選択される、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記処置が免疫療法を含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記免疫療法がペンブロリズマブを含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントの少なくともサブセットについて前記複数のcfDNA分子を富化することをさらに含む、項目4に記載の方法。
(項目17)
前記富化が、前記複数のcfDNA分子を増幅することを含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記増幅が選択的増幅を含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記増幅がユニバーサル増幅を含む、項目17に記載の方法。
(項目20)
前記富化が、前記複数のcfDNA分子の少なくとも一部を選択的に単離することを含む、項目16に記載の方法。
(項目21)
前記少なくとも一部がモノヌクレオチドを含む、項目16に記載の方法。
(項目22)
前記少なくとも一部がジヌクレオチドを含む、項目16に記載の方法。
(項目23)
前記統計的偏差測度が平均zスコアである、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記統計的偏差測度が、参照血液サンプルに対する平均zスコアである、項目1に記載の方法。
(項目25)
前記参照血液サンプルが、マイクロサテライト不安定性を有する被験体から得られる、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記参照血液サンプルが、マイクロサテライト不安定性を有しない被験体から得られる、項目24に記載の方法。
(項目27)
前記所定の基準が、所定の数よりも大きい平均zスコアの絶対値である、項目23または24に記載の方法。
(項目28)
前記所定の数が約3である、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、モノヌクレオチドまたはジヌクレオチドを含む、項目1に記載の方法。
(項目30)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、モノヌクレオチドおよびジヌクレオチドを含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約100万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目1に記載の方法。
(項目32)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約500万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目1に記載の方法。
(項目33)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約1000万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目1に記載の方法。
(項目34)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約2000万の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目1に記載の方法。
(項目35)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約90%の感度で検出される、項目1に記載の方法。
(項目36)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約95%の感度で検出される、項目1に記載の方法。
(項目37)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約99%の感度で検出される、項目1に記載の方法。
(項目38)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記非存在が、少なくとも約90%の特異度で検出される、項目1に記載の方法。
(項目39)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記非存在が、少なくとも約95%の特異度で検出される、項目1に記載の方法。
(項目40)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記非存在が、少なくとも約99%の特異度で検出される、項目1に記載の方法。
(項目41)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約90%の陽性適中率(PPV)で検出される、項目1に記載の方法。
(項目42)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在または非存在が、少なくとも約0.90の曲線下面積(AUC)で検出される、項目1に記載の方法。
(項目43)
前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の存在を検出することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目44)
システムであって、1つまたはそれを超えるコンピュータプロセッサにより実行されると、被験体のマイクロサテライト不安定性を評価するための方法を実施する機械実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含むかまたはそれにアクセスすることができるコントローラを含み、前記方法が、
被験体の血液サンプルから複数のマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度を取得すること;
前記複数の定量的測度を処理して、前記複数の定量的測度の統計的偏差測度を取得すること;および
前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出すること、または
前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出すること
を含む、システム。
(項目45)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントの前記定量的測度が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおける平均長、所定のサイズ範囲内の長さを有する前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントの数または割合、および前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの平均挿入または欠失(indel)長からなる群より選択される、項目44に記載のシステム。
(項目46)
前記被験体が癌と診断される、項目44に記載のシステム。
(項目47)
前記複数の定量的測度が、複数の無細胞DNA(cfDNA)分子から測定される、項目44に記載のシステム。
(項目48)
前記複数の定量的測度が、前記複数のcfDNA分子中の前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおけるシークエンシングリードのセットから測定される、項目47に記載のシステム。
(項目49)
前記方法が、前記複数のcfDNA分子をシークエンシングして前記シークエンシングリードのセットを生成することをさらに含む、項目48に記載のシステム。
(項目50)
前記シークエンシングが全ゲノムシークエンシング(WGS)を含む、項目48または49に記載のシステム。
(項目51)
前記シークエンシングが、約10倍を超えない深度で実施される、項目50に記載のシステム。
(項目52)
前記シークエンシングが、約8倍を超えない深度で実施される、項目50に記載のシステム。
(項目53)
前記シークエンシングが、約6倍を超えない深度で実施される、項目50に記載のシステム。
(項目54)
前記複数の定量的測度の測定が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおける前記複数のcfDNA分子の結合測定を実施することを含む、項目47に記載のシステム。
(項目55)
前記方法が、前記被験体のマイクロサテライト不安定性の前記検出された存在または非存在に基づいて、前記被験体のための処置、または前記被験体に投与すべき処置の治療有効量を識別することをさらに含む、項目44に記載のシステム。
(項目56)
前記処置が、化学療法、放射線療法および免疫療法からなる群より選択される、項目55に記載のシステム。
(項目57)
前記処置が免疫療法を含む、項目56に記載のシステム。
(項目58)
前記免疫療法がペンブロリズマブを含む、項目57に記載のシステム。
(項目59)
前記方法が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントの少なくともサブセットについて前記複数のcfDNA分子の富化を指示することをさらに含む、項目47に記載のシステム。
(項目60)
前記富化が、前記複数のcfDNA分子を増幅することを含む、項目59に記載のシステム。
(項目61)
前記増幅が選択的増幅を含む、項目60に記載のシステム。
(項目62)
前記増幅がユニバーサル増幅を含む、項目60に記載のシステム。
(項目63)
前記富化が、前記複数のcfDNA分子の少なくとも一部を選択的に単離することを含む、項目59に記載のシステム。
(項目64)
前記少なくとも一部がモノヌクレオチドを含む、項目59に記載のシステム。
(項目65)
前記少なくとも一部がジヌクレオチドを含む、項目59に記載のシステム。
(項目66)
前記統計的偏差測度が平均zスコアである、項目44に記載のシステム。
(項目67)
前記統計的偏差測度が、参照血液サンプルに対する平均zスコアである、項目44に記載のシステム。
(項目68)
前記参照血液サンプルが、マイクロサテライト不安定性を有する被験体から得られる、項目67に記載のシステム。
(項目69)
前記参照血液サンプルが、マイクロサテライト不安定性を有しない被験体から得られる、項目67に記載のシステム。
(項目70)
前記所定の基準が、所定の数よりも大きい平均zスコアの絶対値である、項目66または67に記載のシステム。
(項目71)
前記所定の数が約3である、項目70に記載のシステム。
(項目72)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、モノヌクレオチドまたはジヌクレオチドを含む、項目44に記載のシステム。
(項目73)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、モノヌクレオチドおよびジヌクレオチドを含む、項目72に記載のシステム。
(項目74)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約100万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目44に記載のシステム。
(項目75)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約500万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目44に記載のシステム。
(項目76)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約1000万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目44に記載のシステム。
(項目77)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約2000万の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目44に記載のシステム。
(項目78)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約90%の感度で検出される、項目44に記載のシステム。
(項目79)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約95%の感度で検出される、項目44に記載のシステム。
(項目80)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約99%の感度で検出される、項目44に記載のシステム。
(項目81)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記非存在が、少なくとも約90%の特異度で検出される、項目44に記載のシステム。
(項目82)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記非存在が、少なくとも約95%の特異度で検出される、項目44に記載のシステム。
(項目83)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記非存在が、少なくとも約99%の特異度で検出される、項目44に記載のシステム。
(項目84)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約90%の陽性適中率(PPV)で検出される、項目44に記載のシステム。
(項目85)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在または非存在が、少なくとも約0.90の曲線下面積(AUC)で検出される、項目44に記載のシステム。
(項目86)
前記方法が、前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の存在を検出すること、または前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の非存在を検出することをさらに含む、項目44に記載のシステム。
(項目87)
非一時的コンピュータ可読媒体であって、1つまたはそれを超えるコンピュータプロセッサにより実行されると、被験体のマイクロサテライト不安定性を評価するための方法を実装する機械実行可能コードを含み、前記方法が、
被験体の血液サンプルから複数のマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度を取得すること;
前記複数の定量的測度を処理して、前記複数の定量的測度の統計的偏差測度を取得すること;および
前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出すること、または
前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目88)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントの前記定量的測度が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおける平均長、所定のサイズ範囲内の長さを有する前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントの数または割合、および前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれの平均挿入または欠失(indel)長からなる群より選択される、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目89)
前記被験体が癌と診断される、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目90)
前記複数の定量的測度が、複数の無細胞DNA(cfDNA)分子から測定される、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目91)
前記複数の定量的測度が、前記複数のcfDNA分子中の前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおけるシークエンシングリードのセットから測定される、項目90に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目92)
前記方法が、前記複数のcfDNA分子をシークエンシングして前記シークエンシングリードのセットを生成することをさらに含む、項目91に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目93)
前記シークエンシングが全ゲノムシークエンシング(WGS)を含む、項目91または92に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目94)
前記シークエンシングが、約10倍を超えない深度で実施される、項目93に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目95)
前記シークエンシングが、約8倍を超えない深度で実施される、項目93に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目96)
前記シークエンシングが、約6倍を超えない深度で実施される、項目93に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目97)
前記複数の定量的測度の測定が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおける前記複数のcfDNA分子の結合測定を実施することを含む、項目90に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目98)
前記方法が、前記被験体のマイクロサテライト不安定性の前記検出された存在または非存在に基づいて、前記被験体のための処置、または前記被験体に投与すべき処置の治療有効量を識別することをさらに含む、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目99)
前記処置が、化学療法、放射線療法および免疫療法からなる群より選択される、項目98に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目100)
前記処置が免疫療法を含む、項目99に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目101)
前記免疫療法がペンブロリズマブを含む、項目100に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目102)
前記方法が、前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントの少なくともサブセットについて前記複数のcfDNA分子の富化を指示することをさらに含む、項目90に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目103)
前記富化が、前記複数のcfDNA分子を増幅することを含む、項目102に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目104)
前記増幅が選択的増幅を含む、項目103に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目105)
前記増幅がユニバーサル増幅を含む、項目103に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目106)
前記富化が、前記複数のcfDNA分子の少なくとも一部を選択的に単離することを含む、項目102に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目107)
前記少なくとも一部がモノヌクレオチドを含む、項目102に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目108)
前記少なくとも一部がジヌクレオチドを含む、項目102に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目109)
前記統計的偏差測度が平均zスコアである、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目110)
前記統計的偏差測度が、参照血液サンプルに対する平均zスコアである、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目111)
前記参照血液サンプルが、マイクロサテライト不安定性を有する被験体から得られる、項目110に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目112)
前記参照血液サンプルが、マイクロサテライト不安定性を有しない被験体から得られる、項目110に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目113)
前記所定の基準が、所定の数よりも大きい平均zスコアの絶対値である、項目109または110に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目114)
前記所定の数が約3である、項目113に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目115)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、モノヌクレオチドまたはジヌクレオチドを含む、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目116)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、モノヌクレオチドおよびジヌクレオチドを含む、項目115に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目117)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約100万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目118)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約500万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目119)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約1000万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目120)
前記複数のマイクロサテライトリピートエレメントが、少なくとも約2000万の別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含む、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目121)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約90%の感度で検出される、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目122)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約95%の感度で検出される、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目123)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約99%の感度で検出される、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目124)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記非存在が、少なくとも約90%の特異度で検出される、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目125)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記非存在が、少なくとも約95%の特異度で検出される、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目126)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記非存在が、少なくとも約99%の特異度で検出される、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目127)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在が、少なくとも約90%の陽性適中率(PPV)で検出される、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目128)
前記被験体の前記マイクロサテライト不安定性の前記存在または非存在が、少なくとも約0.90の曲線下面積(AUC)で検出される、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目129)
前記方法が、前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の存在を検出すること、または前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の非存在を検出することをさらに含む、項目87に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0046】
参照による援用
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願がそれぞれ、参照により組み込まれると具体的かつ個々に示されているのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含まれる本開示と矛盾する程度において、本明細書は、いかなるこのような矛盾材料にも優先しおよび/またはその上位にあることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
特許または出願ファイルは、カラーで実行された少なくとも1つの図面を含有する。この特許または特許出願公報とカラー図面のコピーは、申請および必要な料金の支払いにより庁から提供される。
【0048】
本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明および添付の図面(さらに本明細書の「図(Figure)」および「図(FIG.)」)を参照することにより得られるであろう。
【0049】
図1図1は、いくつかの実施形態による、被験体におけるマイクロサテライト不安定性を評価する例示的な方法を示す。
【0050】
図2図2は、4つの異なる患者コホート:腫瘍TCGA-A6-A566-01A-11D-A28G、マイクロサテライト安定(MSS)(左上);腫瘍TCGA-A6-A566-01A-11D-A28G、マイクロサテライト高不安定性(MSI-H)(右上);腫瘍TCGA-D7-55、マイクロサテライト安定(MSS)(左下);および腫瘍TCGA-D7-55、マイクロサテライト高不安定性(MSI-H)(右下)のそれぞれについて、累積密度関数(CDF、y軸)対マイクロサテライトの挿入または欠失(indel)長(x軸)のプロットを示す。
【0051】
図3図3は、マイクロサテライト安定(MSS)患者(左、青色)およびマイクロサテライト高不安定性(MSI-H)患者(右、赤色)からアッセイしたマイクロサテライトのセットの平均挿入または欠失(indel)長を示す箱ひげ図を示す。
【0052】
図4図4は、マイクロサテライト安定(MSS)患者(左、青色)およびマイクロサテライト高不安定性(MSI-H)患者(右、赤色)からアッセイしたマイクロサテライトのセットの平均挿入または欠失(indel)長を示す箱ひげ図を示す。
【0053】
図5図5は、本明細書で提供される方法を実装するようにプログラムされたかまたは別様に構成されたコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
詳細な説明
本発明の様々な実施形態が本明細書に示され記載されているが、このような実施形態がほんの一例として提供されていることは当業者には明らかであろう。本発明から逸脱せずに多数の変形、変更および置換が当業者に起こり得る。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替物が用いられ得ることを理解すべきである。
【0055】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「an」および「the」という単数形は、文脈上特に明確な指示がない限り、複数の言及を含む。例えば、「核酸」という用語は、それらの混合物を含む複数の核酸を含む。
【0056】
本明細書で使用される場合、「核酸」または「ポリヌクレオチド」という用語は、一般に、1つまたはそれを超える核酸サブユニットまたはヌクレオチドを含む分子を指す。核酸は、アデノシン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)およびウラシル(U)またはそれらの変異体から選択される1つまたはそれを超えるヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチドは、一般に、ヌクレオシドおよび少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれを超えるリン酸(PO)基を含む。ヌクレオチドは、個々にまたは組み合わせて核酸塩基、五炭糖(リボースまたはデオキシリボースのいずれか)および1つまたはそれを超えるリン酸基を含み得る。
【0057】
リボヌクレオチドは、糖がリボースであるヌクレオチドである。デオキシリボヌクレオチドは、糖がデオキシリボースであるヌクレオチドである。ヌクレオチドは、ヌクレオシド一リン酸またはヌクレオシドポリリン酸であり得る。ヌクレオチドは、容易に組み込まれる形態、例えばデオキシリボヌクレオシドポリリン酸、例えば、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、ウリジン三リン酸(dUTP)およびデオキシチミジン三リン酸(dTTP)dNTPから選択され得るデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)などであり得、これらは、検出可能なタグ、例えば発光タグまたはマーカー(例えば、フルオロフォア)を含む。ヌクレオチドは、成長中の核酸鎖に組み込まれ得る任意のサブユニットを含み得る。このようなサブユニットは、A、C、G、TもしくはUであり得るか、または1つもしくはそれを超える相補的A、C、G、TもしくはUに特異的な、もしくはプリン(例えば、AもしくはGまたはそれらの変異体)もしくはピリミジン(例えば、C、TもしくはUまたはそれらの変異体)に相補的な任意の他のサブユニットであり得る。いくつかの例では、核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)またはそれらの誘導体もしくは変異体である。核酸は、一本鎖または二本鎖であり得る。核酸分子は、線状、曲線状または環状またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0058】
本明細書で使用される場合、「核酸分子」、「核酸配列」、「核酸断片」、「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」という用語は、一般に、様々な長さを有し得るポリヌクレオチド、例えばデオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド(RNA)のいずれかまたはそれらの類似体を指す。核酸分子は、少なくとも約5塩基、10塩基、20塩基、30塩基、40塩基、50塩基、60塩基、70塩基、80塩基、90、100塩基、110塩基、120塩基、130塩基、140塩基、150塩基、160塩基、170塩基、180塩基、190塩基、200塩基、300塩基、400塩基、500塩基、1キロ塩基(kb)、2kb、3kb、4kb、5kb、10kbもしくは50kbの長さを有し得るか、またはそれは、前述の値の任意の2つの間の任意の数の塩基を有し得る。オリゴヌクレオチドは、典型的には、4つのヌクレオチド塩基:アデニン(A);シトシン(C);グアニン(G);およびチミン(T)(ポリヌクレオチドがRNAである場合のチミン(T)についてはウラシル(U))の特定の配列から構成される。したがって、「核酸分子」、「核酸配列」、「核酸断片」、「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」という用語は、ポリヌクレオチド分子のアルファベット表記であることを少なくとも部分的に意図する。あるいは、この用語は、ポリヌクレオチド分子それ自体に適用され得る。このアルファベット表記は、中央処理装置を有するコンピュータ中のデータベースにインプットされ得、バイオインフォマティクス用途、例えば機能的ゲノミクスおよび相同性検索に使用され得る。オリゴヌクレオチドは、1つまたはそれを超える非標準ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体および/または改変ヌクレオチドを含み得る。
【0059】
本明細書で使用される場合、「サンプル」という用語は、一般に、生物学的サンプルを指す。生物学的サンプルの例としては、核酸分子、アミノ酸、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、脂肪またはウイルスが挙げられる。例では、生物学的サンプルは、1つまたはそれを超える核酸分子を含む核酸サンプルである。核酸分子は無細胞的であり得るか、または無細胞核酸分子、例えば無細胞DNA(cfDNA)もしくは無細胞RNA(cfRNA)であり得る。核酸分子は、ヒト、哺乳動物、非ヒト哺乳動物、類人猿、サル、チンパンジー、爬虫類、両生類または鳥類供給源を含む様々な供給源に由来し得る。さらに、サンプルは、限定されないが、血液、血清、血漿、硝子体、痰、尿、涙、汗、唾液、精液、粘膜排泄物、粘液、髄液、羊水、リンパ液などを含む、無細胞配列を含有する様々な動物液から抽出され得る。無細胞ポリヌクレオチド(例えば、cfDNA)は、(妊娠被験体から採取された液体を介して)胎児起源であり得るか、または被験体それ自体の組織に由来し得る。
【0060】
本明細書で使用される場合、「被験体」という用語は、一般に、処理または分析を受けている生物学的サンプルを有する個体を指す。被験体は、動物または植物であり得る。被験体は、哺乳動物、例えばヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ブタまたは齧歯類であり得る。被験体は、例えば、1つもしくはそれを超える癌(例えば、脳癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、肝胆道癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、卵巣癌、膵臓癌、皮膚癌、尿路癌)、1つもしくはそれを超える感染症、1つもしくはそれを超える遺伝的障害または1つもしくはそれを超える腫瘍またはそれらの任意の組み合わせなどの疾患を有するまたは有すると疑われる患者であり得る。1つまたはそれを超える腫瘍を有するまたは有すると疑われる被験体について、腫瘍は、1つまたはそれを超えるタイプのものであり得る。
【0061】
本明細書で使用される場合、「全血」という用語は、一般に、(例えば、遠心分離により)小成分に分離されていない血液サンプルを指す。血液サンプルの全血は、cfDNAおよび/または生殖系列DNAを含有し得る。(cfDNAおよび/または生殖系列DNAを含有し得る)全血DNAは、血液サンプルから抽出され得る。(cfDNAシークエンシングリードおよび/または生殖系列DNAシークエンシングリードを含有し得る)全血DNAシークエンシングリードは、全血DNAから抽出され得る。
【0062】
マイクロサテライト不安定性(MSI)は、一般に、被験体におけるDNAミスマッチ修復(MMR)の障害に起因し得る突然変異の遺伝的素因の状態を指し得る。このような被験体では、異常に機能するMMRを有する細胞は、DNA複製中にエラーを蓄積し、マイクロサテライト断片の突然変異またはDNA配列の繰り返しをもたらし得る。MSIは、多くのタイプの癌、例えば結腸癌、胃癌、子宮内膜癌、卵巣癌、肝胆道癌、尿路癌、脳癌および皮膚癌において重要な役割を果たし得る。例えば、MSIは、遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌(HNPCC)またはリンチ症候群(結腸癌および他のタイプの癌の高いリスクを有する常染色体優性遺伝症状)の検出のための優れたマーカーである。加えて、マイクロサテライト状態は、癌処置について被験体の予後を示し得る。例えば、結腸癌患者におけるMSI研究は、MSI-high患者(MSI-H)の予後が、MSI-low(MSI-L)またはマイクロサテライト安定(MSS)腫瘍を有する患者と比較して良好であることを示した。
【0063】
MSI状態は、国立癌研究所(NCI)により確立された方法であって、MSIの兆候の5つのマイクロサテライトマーカー:2つのモノヌクレオチド(BAT25およびBAT26)および3つのジヌクレオチドリピート(D2S123、D5S346およびD17S250)を使用し得る方法にしたがって決定され得る。MSI-H腫瘍は、約30%超のMSIが不安定MSIバイオマーカーであるものとして識別され得、MSI-L腫瘍は、約30%未満のMSIが不安定MSIバイオマーカーであるものとして識別され得る。
【0064】
MSI-L腫瘍は、別の病因の腫瘍として分類され得る。研究は、MSI-H患者が化学療法および手術よりも手術のみに最も良好に反応することを示唆し得る。MSI-H状態の正確な識別は、化学療法などの潜在的に有効でない処置が患者に処方および投与されることを防止し得る。
【0065】
加えて、癌処置は、少なくとも部分的には患者におけるMSIの識別に基づいて、患者に処方および投与され得る。例えば、高いマイクロサテライト不安定性またはミスマッチ修復欠損を特徴とする切除不能または転移性固形腫瘍を有する成人および小児患者が代替薬で回復した後、米国食品医薬品局(FDA)は、このような患者についてKeytruda(商標)(ペンブロリズマブ)に迅速な承認を与えた。MSI状態の正確な識別は、正確な臨床的意思決定、例えば患者へのKeytruda(商標)(ペンブロリズマブ)などの標的療法の処方および投与を可能にし得る。
【0066】
患者におけるMSI状態を決定する方法は、組織分析を含み得る。例えば、遺伝子座のセット(例えば、5つのNCI推奨遺伝子座の標準セット)のそれぞれにおいて一組の正常および腫瘍組織サンプルのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および断片分析を実施して、マイクロサテライト不安定性(MSI)を決定し得る。組織分析は、報告される陽性試験結果を(少なくとも2つのマーカーが不安定であることを示す)MSI-highとして出し得るか、または報告される陰性試験結果を(1つのマーカーが不安定であることを示す)MSI-lowとして出し得る。MSI状態決定のこのような方法は、分析のために腫瘍組織のアベイラビリティを必要とし得る。いくつかの場合では、腫瘍組織のアベイラビリティは難題をもたらし得る。組織は回収に時間および費用がかかる可能性があり、病理学者との協調を必要とし得る。生検組織は、入手不可能ではないにしても困難であり得、費用がかかる可能性があり、痛みを伴う手順を伴い得、癌ゲノム進化の可能性により低~中程度の臨床的関連性をもたらし得る。いくつかの場合では、Keytruda(商標)(ペンブロリズマブ)に対する患者の適格性は、初回癌診断後数年間まで決定されなくてもよい。したがって、MSI状態を決定するための液体生検試験は、より早くより低侵襲性およびより低費用の腫瘍生検の代替手段の利点を提供し得る。
【0067】
被験体からのDNA配列データにおけるマイクロサテライト不安定性の評価
マイクロサテライト不安定性(MSI)状態の評価は、被験体から採取されたサンプルのかなりの部分(例えば、約50%超、約60%、約70%、約80%または約90%)が腫瘍細胞から生じたかまたはそれに由来する場合、比較的簡単であり得る。しかしながら、血液サンプル由来の被験体の血漿からの無細胞DNA(cfDNA)調製物では、cfDNAからの腫瘍DNAの検出およびそれからのマイクロサテライト不安定性(MSI)状態の評価は、低感度でノイズの多いプロセスであり得る。このような低感度なおよび/またはノイズの多いシグナルからの腫瘍DNAの検出およびマイクロサテライト不安定性(MSI)状態の評価は、非腫瘍DNAからの(例えば、腫瘍由来ではない生殖系列細胞由来の生殖系列DNAからの)圧倒的なシグナルにより困難であり得る。本開示は、無細胞DNA(cfDNA)配列データ(例えば、cfDNAシークエンシングリード)または被験体のサンプル由来のcfDNA分子の結合測定からマイクロサテライト不安定性(MSI)状態を評価するための方法、システムおよび媒体を提供する。被験体由来のサンプルの分析からcfDNA配列データを受け取ったら、1つまたはそれを超えるバイオインフォマティクスプロセスを使用して、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)状態を評価し得る。
【0068】
一態様では、本開示は、被験体のマイクロサテライト不安定性を評価するためのコンピュータ実装方法であって、被験体の血液サンプルから複数のマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度を取得すること;前記複数の定量的測度を処理して、前記複数の定量的測度の統計的偏差測度を取得すること;および前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出すること、または前記複数の定量的測度の前記統計的偏差測度が前記所定の基準を満たさない場合、前記被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出することを含む方法を提供する。
【0069】
図1は、いくつかの実施形態による、被験体におけるマイクロサテライト不安定性を評価する例示的な方法を示す。いくつかの実施形態では、定量的測度(例えば、複数の平均長)は、(105のように)複数の無細胞DNA(cfDNA)分子から測定される。いくつかの実施形態では、複数の平均長の測定は、複数のcfDNA分子をシークエンシングして、(110のように)複数のcfDNA分子中の複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおけるシークエンシングリードを生成することを含む。
【0070】
例えば、シークエンシングリードは、任意の適切なシークエンシング法を使用して、cfDNAから生成され得る。シークエンシング法は、第1世代シークエンシング法、例えばマクサム・ギルバートもしくはサンガーシークエンシングまたはハイスループットシークエンシング(例えば、次世代シークエンシングまたはNGS)法であり得る。ハイスループットシークエンシング法は、少なくとも約10,000、約100,000、約100万、約1000万、約1億、約10億個または約10億個を超えるポリヌクレオチド分子を同時に(または実質的に同時に)シークエンシングし得る。シークエンシング方法としては、限定されないが、パイロシークエンシング、合成によるシークエンシング、単一分子シークエンシング、ナノポアシークエンシング、半導体シークエンシング、ライゲーションによるシークエンシング、ハイブリダイゼーションによるシークエンシング、デジタル遺伝子発現(Helicos)、大規模並列シークエンシング、例えばHelicos,Clonal Single Molecule Array(Solexa/Illumina)、PacBio、SOLiD、Ion TorrentまたはNanoporeプラットフォームを使用したシークエンシングが挙げられ得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、シークエンシングは、全ゲノムシークエンシング(WGS)を含む。シークエンシングは、所望の性能(例えば、精度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、陰性適中率(NPV)または受信者動作特性(ROC)の曲線下面積(AUC))を有する被験体におけるマイクロサテライト不安定性を評価するために十分な深度で実施され得る。いくつかの実施形態では、シークエンシングは、「ローパス」方式で、例えば、約12倍を超えない、約11倍を超えない、約10倍を超えない、約9倍を超えない、約8倍を超えない、約7倍を超えない、約6倍を超えない、約5倍を超えない、約4倍を超えない、約3倍を超えないまたは約2倍を超えない深度で実施される。
【0072】
いくつかの実施形態では、被験体におけるマイクロサテライト不安定性の評価は、cfDNAシークエンシングリードを参照ゲノムにアライメントすることを含み得る。参照ゲノムは、ゲノム(例えば、ヒトゲノム)の少なくとも一部を含み得る。参照ゲノムは、全ゲノム(例えば、全ヒトゲノム)を含み得る。参照ゲノムは、ゲノムのコードおよび/または非コードゲノム領域に対応する複数のゲノム領域を含むデータベースを含み得る。データベースは、ゲノムの癌関連(または腫瘍関連)コードおよび/または非コードゲノム領域、例えば癌駆動突然変異(例えば、一塩基多型(SNV)、コピー数多型(CNV)、挿入または欠失(indel)、融合遺伝子およびマイクロサテライトリピートエレメント(例えば、モノヌクレオチドおよび/またはジヌクレオチドなど))に対応する複数のゲノム領域を含み得る。例えば、アラインメントは、バローズ・ホイーラーアルゴリズムまたは他の適切なアラインメントアルゴリズムを使用して実施され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、被験体におけるマイクロサテライト不安定性の評価は、複数の遺伝子座のそれぞれについてcfDNAシークエンシングリードの定量的測度を生成することを含み得る。cfDNAシークエンシングリードの定量的測度、例えば所定の遺伝子座(例えば、マイクロサテライトリピートエレメント)とアライメントされたDNAシークエンシングリードのカウントが生成され得る。所定のマイクロサテライトリピートエレメントとアライメントするシークエンシングリードの一部または全部を有するcfDNAシークエンシングリードは、そのマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度に対してカウントされ得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、ヒト参照ゲノムにおけるマイクロサテライトリピートの全セット(またはそのサブセット)、MSSデータにおけるノイズを最小化するように最適化されたマイクロサテライトリピートのセット(またはそのサブセット)、すべてが同じクラスのマイクロサテライトリピート、例えばそのリピート単位が長さ1のものであるすべてのリピートのセット、特定の範囲のサイズ(例えば、長さ)内のマイクロサテライトのリピート単位のセット、シークエンシングデータが交絡生殖系列indelの欠如を示すマイクロサテライトリピートのセット、トレーニングデータのセットが与えられたアルゴリズムの性能を最大化するように最適化されたマイクロサテライトリピートのセット(またはそのサブセット)、またはそれらの組み合わせの和集合もしくは共通集合からなる群より選択される。特異的および非特異的マイクロサテライトリピートエレメントのパターンは、マイクロサテライト不安定性(MSI)状態またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態を示し得る。マイクロサテライトリピートエレメントのこれらのパターンの経時的変化は、マイクロサテライト不安定性(MSI)状態またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態の変化を示し得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、複数の平均長の測定は、複数のマイクロサテライトリピートエレメントのそれぞれにおける複数のcfDNA分子の結合測定を実施することを含む。いくつかの実施形態では、結合測定の実施は、複数のcfDNA分子中の複数のマイクロサテライトリピートエレメントの少なくとも一部に選択的なプローブを使用して、複数のcfDNA分子をアッセイすることを含む。いくつかの実施形態では、プローブは、複数のマイクロサテライトリピートエレメントの核酸配列との配列相補性を有する核酸分子である。いくつかの実施形態では、核酸分子は、プライマーまたは富化配列である。いくつかの実施形態では、アッセイは、アレイハイブリダイゼーションまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または核酸シークエンシングの使用を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、前記方法は、複数のマイクロサテライトリピートエレメントの少なくとも一部について複数のcfDNA分子を富化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、富化は、複数のcfDNA分子を増幅することを含む。例えば、複数のcfDNA分子は、選択的増幅により(例えば、複数のマイクロサテライトリピートエレメントの核酸配列との配列相補性を有する核酸分子を含むプライマーまたはプローブのセットを使用することにより)増幅され得る。あるいはまたは組み合わせて、複数のcfDNA分子は、ユニバーサル増幅により(例えば、ユニバーサルプライマーを使用することにより)増幅され得る。いくつかの実施形態では、富化は、複数のcfDNA分子の少なくとも一部(例えば、モノヌクレオチドおよび/またはジヌクレオチド)を選択的に単離することを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、被験体におけるマイクロサテライト不安定性を評価する方法は、複数の平均長を処理して、(115のように)平均長の偏差の定量的測度(例えば、統計的測度)を取得することを含む。いくつかの実施形態では、統計的偏差測度は、1つまたはそれを超える参照血液サンプルに対する平均zスコアである。参照血液サンプルは、マイクロサテライト不安定性を有する被験体から、および/またはマイクロサテライト不安定性を有しない被験体から得られ得る。参照血液サンプルは、癌タイプを有する被験体からまたは癌タイプを有しない被験体から(例えば、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、肝胆道癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、卵巣癌、膵臓癌、皮膚癌、尿路癌)から得られ得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、被験体におけるマイクロサテライト不安定性を評価する方法は、(120のように)平均長の統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)を決定することをさらに含む。統計的偏差測度は、平均zスコア、または参照サンプルもしくは参照値に対する平均zスコアであり得る。いくつかの実施形態では、所定の基準は、所定の数よりも大きい平均zスコアの絶対値である。所定の数は、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5または約5超であり得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、モノヌクレオチドおよび/またはジヌクレオチドを含む。複数のマイクロサテライトリピートエレメントは、少なくとも約10個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約50個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約100個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約500個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約1000個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約5000個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約1万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約5万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約10万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約50万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約100万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約200万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約300万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約400万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約500万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約1000万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約1500万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約2000万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約2500万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメント、少なくとも約3000万個の別個のマイクロサテライトリピートエレメントまたは3000万個を超える別個のマイクロサテライトリピートエレメントを含み得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の感度で検出される。
【0081】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の特異度で検出される。
【0082】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の陽性適中率(PPV)で検出される。
【0083】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の陰性適中率(NPV)で検出される。
【0084】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)は、少なくとも約0.50、少なくとも約0.55、少なくとも約0.60、少なくとも約0.65、少なくとも約0.70、少なくとも約0.75、少なくとも約0.80、少なくとも約0.85、少なくとも約0.90、少なくとも約0.95、少なくとも約0.96、少なくとも約0.97、少なくとも約0.98または少なくとも約0.99の受信者動作特性(ROC)の曲線下面積(AUC)で検出される。
【0085】
いくつかの実施形態では、被験体におけるマイクロサテライト不安定性を評価する方法は、平均長の統計的偏差測度が所定の基準を満たさない場合、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の存在を決定すること、または平均長の統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の非存在を決定することをさらに含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の存在は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の感度で検出される。
【0087】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の非存在は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の特異度で検出される。
【0088】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の存在は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の陽性適中率(PPV)で検出される。
【0089】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の非存在は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の陰性適中率(NPV)で検出される。
【0090】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト安定性(MSS)の非存在は、少なくとも約0.50、少なくとも約0.55、少なくとも約0.60、少なくとも約0.65、少なくとも約0.70、少なくとも約0.75、少なくとも約0.80、少なくとも約0.85、少なくとも約0.90、少なくとも約0.95、少なくとも約0.96、少なくとも約0.97、少なくとも約0.98または少なくとも約0.99の受信者動作特性(ROC)の曲線下面積(AUC)で検出される。
【0091】
いくつかの実施形態では、被験体は癌と診断される。例えば、癌は、脳癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、肝胆道癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、卵巣癌、膵臓癌、皮膚癌または尿路癌を含む1つまたはそれを超えるタイプであり得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、前記方法は、被験体のマイクロサテライト不安定性の決定された存在または非存在に基づいて、治療有効量の処置を投与すること、および/または被験体のマイクロサテライト不安定性を処置するための処置を識別することをさらに含む。いくつかの実施形態では、処置は、化学療法、放射線療法または免疫療法を含む。いくつかの実施形態では、処置は、免疫療法、例えばKeytruda(商標)(ペンブロリズマブ)を含み得る。
【0093】
被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)を評価して、被験体における癌の診断、癌の予後、または腫瘍の進行もしくは退縮の兆候を決定し得る。加えて、1つまたはそれを超える臨床転帰は、マイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)評価またはモニタリング(例えば、2つまたはそれを超える時点間のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態の差異)に基づいて割り当てられ得る。このような臨床転帰は、1つまたはそれを超えるタイプの腫瘍を含む癌を有する被験体の診断、1つまたはそれを超えるタイプおよびステージの腫瘍を含む癌を有する被験体の診断、癌を有する被験体の予後予測(例えば、被験体のための処置(例えば、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法または他の処置)の臨床経過を示すこと、行動(例えば、処置なし、所定の時間間隔ベースなどによる継続的なモニタリング、現在の処置の停止、別の処置への切り替え)の別の臨床経過を示すこと、または被験体の予想生存期間を示すこと)を含み得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)を評価する方法は、マイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)が所定の閾値よりも大きいかを決定することをさらに含む。所定の閾値は、1つまたはそれを超える対照被験体(例えば、特定の腫瘍タイプを有することが公知の患者、特定のステージの特定の腫瘍タイプを有することが公知の患者、またはいかなる癌も示さない健常被験体)由来の1つまたはそれを超えるサンプルに対してマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)評価を実施すること、および対照サンプルのマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)評価に基づいて適切な所定の閾値を識別することにより生成され得る。
【0095】
所定の閾値は、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態を評価する所望の感度、特異度、陽性適中率(PPV)、陰性適中率(NPV)または精度に基づいて調整され得る。例えば、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態を評価する高い感度が望まれる場合、所定の閾値はより低くなるように調整され得る。あるいは、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態を評価する高い特異度が望まれる場合、所定の閾値はより高くなるように調整され得る。所定の閾値は、対照被験体から得られた対照サンプルの受信者動作特性(ROC)の曲線下面積(AUC)を最大化するように調整され得る。所定の閾値は、1つまたはそれを超えるタイプの腫瘍を含む癌のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)の評価における偽陽性(FP)と偽陰性(FN)との間の所望のバランスを達成するように調整され得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、マイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)を評価する方法は、第2のその後の時点において評価を繰り返すことをさらに含む。第2の時点は、第1の時点と比べたマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)評価の適切な比較のために選択され得る。第2の時点の例は、外科的切除後の時間、処置の効率をモニタリングするためには、被験体における癌を処置する処置投与中もしくは処置投与後の時間、または被験体における残存疾患もしくは癌再発をモニタリングするためには、処置後の被験体において癌が検出不可能になった後の時間に対応し得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、マイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)を評価する方法は、第1のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態と第2のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態との間の差異を決定することをさらに含み、この差異は、被験体の腫瘍の進行または退縮を示す。あるいはまたは組み合わせて、前記方法は、コンピュータプロセッサにより、第1の時点および第2の時点の関数として第1のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態および第2のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態のプロットを生成することをさらに含み得、このプロットは、被験体の腫瘍の進行または退縮を示す。例えば、コンピュータプロセッサは、x軸上の2つまたはそれを超えるマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態に対応するデータの収集時間に対応する時間に対して、y軸上の2つまたはそれを超えるマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態のプロットを生成し得る。
【0098】
第1のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態と第2のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態との間の決定された差異または差異を示すプロットは、被験体の腫瘍の進行または退縮を示し得る。第2のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態が、第1のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態よりも大きい場合、その差異は、例えば、腫瘍の進行、被験体における腫瘍に対する処置の非効率性、進行中の処置に対する腫瘍の耐性、被験体における他の部位への腫瘍の転移、または被験体における残存疾患もしくは癌再発を示し得る。第2のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態が、第1のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態よりも小さい場合、その差異は、例えば、腫瘍退縮、被験体における腫瘍の外科的切除の有効性、被験体における腫瘍に対する処置の有効性、または被験体における残存疾患もしくは癌再発の欠如を示し得る。
【0099】
マイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態を評価および/またはモニタリングした後、1つまたはそれを超える臨床転帰は、マイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態評価またはモニタリング(例えば、2つまたはそれを超える時点間のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)状態の差異)に基づいて割り当てられ得る。このような臨床転帰は、1つまたはそれを超えるタイプの腫瘍を含む癌を有する被験体の診断、1つまたはそれを超えるタイプおよびステージの腫瘍を含む癌を有する被験体の診断、癌を有する被験体の予後予測(例えば、被験体のための処置(例えば、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法または他の処置)の臨床経過を示すこと、行動(例えば、処置なし、所定の時間間隔ベースなどによる継続的なモニタリング、現在の処置の停止、別の処置への切り替え)の別の臨床経過を示すこと、または被験体の予想生存期間を示すこと)を含み得る。
【実施例
【0100】
実施例1:患者腫瘍-正常ペアサンプルからの全ゲノムシークエンシングによるMSI決定
癌患者である被験体から得られた約500セットの腫瘍-正常ペア組織サンプルから、全ゲノムシークエンシングデータを収集した。評価したマイクロサテライトに対応する130万個の遺伝子座のセットを、短いリピート単位(例えば、モノヌクレオチドおよびジヌクレオチド)について富化した。MSI-H腫瘍では、モノヌクレオチドリピートが豊富でありより頻繁に突然変異され得る。各マイクロサテライトについて、腫瘍-正常ペア組織サンプルのそれぞれの平均長を測定し、平均長の差異を計算した。MSI-H腫瘍-正常ペアはマイクロサテライトの多くの欠失を有するが、マイクロサテライト安定性(MSS)腫瘍は有しないので、腫瘍-正常ペアの各マイクロサテライトの測定した平均長を分析して、被験体のMSI状態を決定した。
【0101】
図2は、4つの異なる患者コホート:腫瘍TCGA-A6-A566-01A-11D-A28G、マイクロサテライト安定(MSS)(左上);腫瘍TCGA-A6-A566-01A-11D-A28G、マイクロサテライト高不安定性(MSI-H)(右上);腫瘍TCGA-D7-55、マイクロサテライト安定(MSS)(左下);および腫瘍TCGA-D7-55、マイクロサテライト高不安定性(MSI-H)(右下)のそれぞれについて、累積密度関数(CDF、y軸)対マイクロサテライトの挿入または欠失(indel)長(x軸)のプロットを示す。図2に示されているように、MSS状態を有する患者の2つのコホートについて、測定した累積密度関数(CDF)は、測定したマイクロサテライトの大部分が、アッセイした腫瘍および正常組織サンプルの両方の全体で約ゼロのindel長を有していたことを示した。この結果は、MSS腫瘍-正常ペアが実質的に同一のマイクロサテライト長を有していたことを示した。対照的に、MSI-H状態を有する患者の2つのコホートについて、測定した累積密度関数(CDF)は、測定したマイクロサテライトの大部分が、アッセイした腫瘍組織サンプル全体で約ゼロの負のindel長(約-6~約0の範囲)を有していたことを示した。この結果は、MSI-H腫瘍-正常ペアが、異なるマイクロサテライト長を有する統計的に有意な割合のマイクロサテライトを有していたことを示している。
【0102】
図3は、マイクロサテライト安定(MSS)患者(左、青色)およびマイクロサテライト高不安定性(MSI-H)患者(右、赤色)からアッセイしたマイクロサテライトのセットの平均挿入または欠失(indel)長を示す箱ひげ図を示す。図3に示されているように、MSS状態を有する患者について、測定した平均indel長は、約ゼロの中央値を中心とする分布を有し、標準偏差は小さかった。対照的に、MSI-H状態を有する患者について、測定した平均indel長は、約0.5の中央値を中心とする分布を有し、標準偏差は有意に大きかった。特に、ほぼすべての平均indel長は、ゼロよりも有意に大きい絶対値を有していた。平均indel長が約-3未満のzスコアを有する場合(例えば、約3の所定の閾値よりも大きい絶対値を有する場合)、サンプルをMSI-Hとみなした。組織の全ゲノムシークエンシング(WGS)により得られた次世代シークエンシング(NGS)データに基づいて、約98.9%の高い感度および93.1%の高い特異度で、患者のMSI状態を決定した。
【0103】
実施例2:患者血液サンプルからの全ゲノムシークエンシングによるMSI決定
癌患者である被験体から得られた約セットの血液サンプルから、全ゲノムシークエンシングデータを収集する。マイクロサテライト不安定性状態について循環腫瘍DNA(ctDNA)をアッセイする無細胞DNA(cfDNA)の分析のために、患者から血液サンプルを収集する。評価したマイクロサテライトに対応する130万個の遺伝子座のセットを、短いリピート単位(例えば、モノヌクレオチドおよびジヌクレオチド)について富化する。MSI-H腫瘍では、モノヌクレオチドリピートが豊富でありより頻繁に突然変異され得る。各マイクロサテライトについて、血液サンプルのそれぞれの平均長を測定する。MSI-H腫瘍-正常ペアはマイクロサテライトの多くの欠失を有するが、マイクロサテライト安定性(MSS)腫瘍は有しないので、血液サンプルの各マイクロサテライトの測定した平均長を分析して、被験体のMSI状態を決定し得る。
【0104】
患者から得られた血液サンプルの次世代シークエンシング(NGS)を実施することにより得られた全ゲノムシークエンシングデータを、腫瘍組織から得られたシークエンシングリードの1%を患者一致正常バックグラウンドリード(例えば、被験体の腫瘍-正常ペアサンプルの正常組織から得られたシークエンシングリード)にインシリコでスパイクすることによりシミュレートした。低い腫瘍割合であってもマイクロサテライト長の差異が観察されたが(例えば、血液で観察される傾向があるものなど)、それは、被験体においてMSI-HおよびMSS状態を区別することを可能にしている。
【0105】
図4は、マイクロサテライト安定(MSS)患者(左、青色)およびマイクロサテライト高不安定性(MSI-H)患者(右、赤色)からアッセイしたマイクロサテライトのセットの平均挿入または欠失(indel)長を示す箱ひげ図を示す。図4に示されているように、MSS状態を有する患者について、測定した平均indel長は、約ゼロの中央値を中心とする分布を有し、標準偏差は小さかった。対照的に、MSI-H状態を有する患者について、測定した平均indel長は、約0.01の中央値を中心とする分布を有し、標準偏差は有意に大きかった。特に、ほぼすべての平均indel長は、ゼロよりも有意に大きい絶対値を有していた。平均indel長が、所定の閾値よりも大きい絶対値を有するzスコアを有する場合、サンプルをMSI-Hとみなした。1%の低い腫瘍割合を有する血液サンプルから測定したインシリコシミュレートシークエンシングデータに基づいて、95.7%の高い感度、99.1%の高い特異度および1.7の分類ギャップで、患者のMSI状態を決定した。
【0106】
コンピュータシステム
本開示は、本開示の方法を実装するようにプログラムされたコンピュータシステムを提供する。図5は、例えば、被験体の血液サンプルからマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度を取得し、定量的測度を処理して定量的測度の統計的偏差測度を取得し、定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出するか、または複数の定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たさない場合、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出するようにプログラムされたかまたは別様に構成されたコンピュータシステム501を示す。コンピュータシステム501は、本開示の分析、計算および生成の様々な態様を調節し得、例えば、被験体の血液サンプルからマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度を取得し、定量的測度を処理して定量的測度の統計的偏差測度を取得し、定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出するか、または複数の定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たさない場合、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出する。コンピュータシステム501は、ユーザの電子デバイス、または電子デバイスに対して遠隔に配置されたコンピュータシステムであり得る。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであり得る。
【0107】
コンピュータシステム501は、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、または並列処理のための複数のプロセッサであり得る中央処理装置(CPU、また本明細書では「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)505を含み得る。コンピュータシステム501はまた、メモリまたはメモリ位置510(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶装置515(例えば、ハードディスク)と、1つまたはそれを超える他のシステムと通信するための通信インターフェース520(例えば、ネットワークアダプター)と、周辺機器525、例えばキャッシュ、他のメモリ、データストレージおよび/または電子ディスプレイアダプターとを含む。メモリ510、記憶装置515、インターフェース520および周辺機器525は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU 505と通信する。記憶装置515は、データを格納するためのデータ記憶装置(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム501は、通信インターフェース520の支援により、コンピュータネットワーク(「ネットワーク」)530に作動可能に結合され得る。ネットワーク530は、インターネット、インターネットおよび/もしくはエクストラネット、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/もしくはエクストラネットであり得る。いくつかの場合では、ネットワーク530は、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク530は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にし得る1つまたはそれを超えるコンピュータサーバを含み得る。例えば、1つまたはそれを超えるコンピュータサーバは、ネットワーク530を通じたクラウドコンピューティング(「クラウド」)が本開示の分析、計算および生成の様々な態様を実施すること、例えば、被験体の血液サンプルからマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度を取得し、定量的測度を処理して定量的測度の統計的偏差測度を取得し、定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、被験体のマイクロサテライト不安定性を決定することを可能にし得る。このようなクラウドコンピューティングは、例えば、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud PlatformおよびIBM cloudなどのクラウドコンピューティングプラットフォームにより提供され得る。いくつかの場合では、ネットワーク530は、コンピュータシステム501の支援により、コンピュータシステム501に結合されたデバイスがクライアントまたはサーバとして動作することを可能にし得るピアツーピアネットワークを実装し得る。
【0108】
CPU 505は、プログラムまたはソフトウェアで具体化され得る一連の機械可読命令を実行し得る。命令は、メモリ510などのメモリ位置に格納され得る。命令は、CPU 505に指示され得、続いて、これは、本開示の方法を実装するようにCPU 505をプログラムまたは別様に構成し得る。CPU 505により実施される操作の例は、フェッチ、デコード、実行およびライトバックを含み得る。
【0109】
CPU 505は、集積回路などの回路の一部であり得る。システム501の1つまたはそれを超える他の構成要素が回路に含められ得る。いくつかの場合では、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0110】
記憶装置515は、ファイル、例えばドライバ、ライブラリーおよび保存プログラムを格納し得る。記憶装置515は、ユーザデータ、例えばユーザ選択およびユーザプログラムを格納し得る。いくつかの場合では、コンピュータシステム501は、コンピュータシステム501の外部にある、例えばイントラネットまたはインターネットを介してコンピュータシステム501と通信するリモートサーバ上に位置する1つまたはそれを超えるさらなるデータ記憶装置を含み得る。
【0111】
コンピュータシステム501は、ネットワーク530を介して1つまたはそれを超えるリモートコンピュータシステムと通信し得る。例えば、コンピュータシステム501は、ユーザ(例えば、医師、看護師、介護師、患者または被験体)のリモートコンピュータシステムと通信し得る。リモートコンピュータシステムの例としては、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標))またはパーソナルデジタルアシスタントが挙げられる。ユーザは、ネットワーク530を介してコンピュータシステム501にアクセスし得る。
【0112】
本明細書に記載される方法は、例えば、コンピュータシステム501の電子記憶位置に、例えばメモリ510または電子記憶装置515などに格納された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードにより実装され得る。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形式で提供され得る。使用中、コードは、プロセッサ505により実行され得る。いくつかの場合では、コードは記憶装置515から取り出され得、プロセッサ505による容易なアクセスのためにメモリ510に格納され得る。いくつかの場合では、電子記憶装置515は除外され得、機械実行可能命令はメモリ510に格納される。
【0113】
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械と共に使用するためにプリコンパイルおよび構成され得るか、またはランタイム中にコンパイルされ得る。コードは、プリコンパイルまたはコンパイル方式でコードを実行することを可能にするように選択され得るプログラミング言語で供給され得る。
【0114】
コンピュータシステム501などの本明細書で提供されるシステムおよび方法の態様は、プログラミングで具体化され得る。技術の様々な態様は、典型的には、機械可読媒体のタイプで行われるまたは具体化される機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連データの形式の「プロダクト」または「製品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、電子記憶装置、例えばメモリ(例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクに格納され得る。「記憶」タイプ媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、またはソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的記憶域を提供し得るそれらの関連モジュール、例えば様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどのいずれかまたはすべてを含み得る。ソフトウェアの全部または一部は、インターネットまたは様々な他の電気通信ネットワークを介して通信され得る。このような通信は、例えば、あるコンピュータまたはプロセッサから別のものへの、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を保持し得る別のタイプの媒体は、例えば、ローカルデバイス間の物理的インターフェースを越えて、有線および光固定電話ネットワークを通じて、ならびに様々なエアリンクにわたって使用される光波、電波および電磁波を含む。例えば、有線または無線リンク、光リンクなどのこのような波を運搬する物理的要素もまた、ソフトウェアを保持する媒体と考えられ得る。本明細書で使用される場合、非一時的有形「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサへの命令の提供に関与する任意の媒体を指す。
【0115】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、限定されないが、有形記憶媒体、搬送波媒体または物理的伝送媒体を含む多くの形態をとり得る。不揮発性記憶媒体としては、例えば、光学または磁気ディスク、例えば図面に示されているデータベースなどを実装するために使用され得る任意のコンピュータ中の記憶機器のいずれかが挙げられる。揮発性記憶媒体としては、このようなコンピュータプラットフォームのダイナミックメモリ、例えばメインメモリが挙げられる。有形伝送媒体としては、同軸ケーブル;コンピュータシステム内にバスを含むワイヤを含む銅線および光ファイバーが挙げられる。搬送波伝送媒体は、電気信号もしくは電磁信号または音響波または光波、例えば無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるものの形態をとり得る。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVDもしくはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、穿孔カード紙テープ、孔パターンを有する任意の他の物理記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、データまたは命令を転送する搬送波、このような搬送波を転送するケーブルもしくはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/もしくはデータを読み取り得る任意の他の媒体が挙げられる。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1つまたはそれを超える命令の1つまたはそれを超えるシークエンスをプロセッサに運搬することに関与し得る。
【0116】
コンピュータシステム501は、例えば、被験体の血液サンプル由来のマイクロサテライトリピートエレメントの測定された平均長、平均長の統計的偏差測度、および被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)またはマイクロサテライト安定性(MSS)の検出された存在または非存在を提供するためのユーザインターフェース(UI)540を含む電子ディスプレイ535を含み得るかまたはそれと通信し得る。UIの例としては、限定されないが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびWebベースのユーザインターフェースが挙げられる。
【0117】
本開示の方法、システムおよび媒体は、1つまたはそれを超えるアルゴリズムにより実装され得る。アルゴリズムは、中央処理装置505による実行時にソフトウェアにより実装され得る。アルゴリズムは、例えば、被験体の血液サンプルからマイクロサテライトリピートエレメントの定量的測度を取得し、定量的測度を処理して定量的測度の統計的偏差測度を取得し、定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たす場合、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の存在を検出し得るか、または複数の定量的測度の統計的偏差測度が所定の基準を満たさない場合、被験体のマイクロサテライト不安定性(MSI)の非存在を検出し得る。
【0118】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示して説明したが、このような実施形態はほんの一例として提供されていることは当業者には明らかであろう。本発明は、本明細書内で提供される特定の実施例により限定されることを意図しない。上記本明細書を参照して本発明を説明したが、本明細書の実施形態の説明および例示は、限定的な意味で解釈されることを意図しない。本発明から逸脱せずに多数の変形、変更および置換が当業者に生じるであろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する本明細書に記載される特定の描写、構成または相対的比率に限定されないことが理解されよう。本発明の実施では、本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替物が用いられ得ることを理解すべきである。したがって、本発明はまた、このような代替物、改変物、変形物または均等物をカバーすることが企図される。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物は、それによりカバーされることを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5