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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】蒸気発生生成物を製造する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/70 20200101AFI20240703BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240703BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20240703BHJP
【FI】
A24F40/70
A24F40/42
A24F40/465
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021527896
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 EP2019082378
(87)【国際公開番号】W WO2020109211
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】18209126.4
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18209147.0
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19165547.1
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ローガン,アンドリュー・ロバート・ジョン
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-515115(JP,A)
【文献】特開2016-104008(JP,A)
【文献】特表2018-529316(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0170588(US,A1)
【文献】特開平05-051087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生生成物(1)を製造する方法であって、
(i)非液体蒸気発生材料(12)を、前記蒸気発生材料(12)の軸方向に垂直な方向への2mmを超える前記蒸気発生材料(12)の移動を妨げるように構成される1つ又は複数の壁(18)によって画成される空間(15)内に配置することであって、前記1つ又は複数の壁(18)が、前記蒸気発生材料(12)の前記軸方向に実質的に延びる、配置することと、
(ii)剛性挿入子(28)の軸を前記蒸気発生材料(12)の前記軸方向と整列することと、
(iii)前記剛性挿入子(28)を前記蒸気発生材料(12)の第1の端部(16a)から前記蒸気発生材料(12)内に挿入することと、
を含む、方法。
【請求項2】
ステップ(i)が、前記蒸気発生材料(12)を取り囲む前記壁(18)の少なくとも1つを移動することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記剛性挿入子(28)が、誘導加熱可能サセプタ(30)を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記蒸気発生材料(12)が、円筒形ロッド(16)の形態である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記非液体蒸気発生材料が、蒸気発生ロッド(16)を含み、ステップ(i)が、複数の前記蒸気発生ロッド(16)を含むパッケージを形成することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(ii)が、前記剛性挿入子(28)又は前記蒸気発生材料(12)の少なくとも1つの位置を検出することによって実行される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又は複数の壁(18)によって画成される前記空間(15)から前記蒸気発生材料(12)を解放することをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(iii)の間、前記蒸気発生材料(12)の第2の端部(16b)を支持して、前記蒸気発生材料(12)の移動を妨げることをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(iii)が、
前記剛性挿入子(28)を保持しつつ、前記剛性挿入子(28)を前記第1の端部(16a)から前記蒸気発生材料(12)内に部分的に挿入するステップと、
前記剛性挿入子(28)を解放し、前記剛性挿入子(28)の端部を押圧して前記蒸気発生材料(12)内に前記剛性挿入子(28)を完全に挿入するステップと、
を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(iii)が、前記剛性挿入子(28)を前記蒸気発生材料(12)内に押圧し埋め込むことを含み、好ましくは前記埋め込むステップの間、前記剛性挿入子(28)が挿入される前記蒸気発生材料(12)の表面が押圧されない、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
蒸気発生生成物(1)を製造する装置(26、40、46、52)であって、前記装置が、
非液体蒸気発生材料(12)を取り囲むように構成される、周辺ユニット(14)と、
剛性挿入子(28)を保持するように構成される、保持ユニット(32)と、
前記周辺ユニット(14)によって取り囲まれる前記非液体蒸気発生材料(12)及び前記保持ユニット(32)によって保持される前記剛性挿入子(28)を互いに対して前記蒸気発生材料(12)の前記軸方向に実質的に沿って移動して、前記剛性挿入子(28)を前記蒸気発生材料(12)の第1の端部(16a)から前記蒸気発生材料(12)内に挿入するように構成される、移動ユニット(33)と、
を含み、
前記周辺ユニット(14)が、前記蒸気発生材料(12)のための空間を画成する1つ又は複数の壁(18)を含み、前記1つ又は複数の壁(18)が、前記蒸気発生材料(12)の軸方向に垂直な方向への2mmを超える前記蒸気発生材料(12)の移動を妨げるように構成される、装置。
【請求項12】
前記保持ユニット(32)が、前記剛性挿入子(28)の側面に接触する接触要素(36)を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記移動ユニット(33)が、前記剛性挿入子(28)の端部を押圧する押圧要素(34)を含む、請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記押圧要素(34)が、前記剛性挿入子(28)の端部の形状又は前記剛性挿入子(28)の端部の前記形状の一部に対応する形状を有する接触領域(44)を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記周辺ユニット(14)が、移動可能壁(78、80)を含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記移動可能壁(78、80)が、前記蒸気発生材料(12)の前記空間(15)内の配置を可能にする第1の位置と前記蒸気発生材料(12)の前記空間(15)からの解放を妨げる第2の位置との間で移動可能である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記周辺ユニット(14)が、連続移送ベルト(56、58)を含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記連続移送ベルト(56、58)が、前記蒸気発生材料(12)に接触するように構成され、且つ前記蒸気発生材料(12)を収容するように構成される領域(60)を間に形成する、離隔した接触要素(56a、58a)を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記周辺ユニット(14)が、2つの連続移送ベルト(56、58)を含み、各移送ベルト(56、58)が、前記蒸気発生材料(12)に接触するように構成され、且つ前記蒸気発生材料(12)を収容するように構成される領域(60)を間に形成する、離隔した接触要素(56a、58a)を含み、前記離隔した接触要素(56a、58a)のそれぞれが、頂点を有し、各移送ベルト(56、58)の前記離隔した接触要素(56a、58a)の前記頂点が、互いに対向するように配列される、請求項17又は18に記載の装置。
【請求項20】
前記保持ユニット(32)が、前記連続移送ベルト(56、58)又は各連続移送ベルト(56、58)と同期して移動するように構成される、請求項17~19のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して蒸気発生生成物に関し、より具体的には、冷却及び凝縮してユーザが吸入するためのエアロゾルを形成する蒸気を発生させるために蒸気発生生成物を加熱するための蒸気発生デバイスで使用する蒸気発生生成物に関する。本開示の実施形態は、特に、蒸気発生生成物を製造する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、蒸気発生材料を燃やすのではなく加熱して、吸入用のエアロゾルを形成するために冷却及び凝縮する蒸気を生じさせるデバイスが、消費者に人気になってきている。
【0003】
このようなデバイスは、いくつかの異なる手法のうちの1つを使用して、蒸気発生材料に熱を与えることができる。
【0004】
1つの手法は、抵抗性加熱システムを採用する蒸気発生デバイスを提供することである。このようなデバイスでは、抵抗性加熱素子が、蒸気発生材料を加熱するために設けられ、加熱素子から伝達される熱によって蒸気発生材料が加熱されるにつれて蒸気が発生する。
【0005】
別の手法は、誘導加熱システムを採用する蒸気発生デバイスを提供することである。このようなデバイスでは、誘導コイルがデバイスと共に設けられ、サセプタが、典型的には蒸気発生材料と共に設けられる。ユーザがデバイスを作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、これにより交流電磁場が発生する。サセプタは、この電磁場と結合し、熱を生成する。この熱は、例えば、伝導によって蒸気発生材料に伝達され、蒸気発生材料が加熱されるにつれて蒸気が発生する。
【0006】
蒸気発生材料を加熱するためにどの手法が用いられても、ユーザが蒸気発生デバイスに挿入できる蒸気発生生成物の形態で蒸気発生材料を提供することが便利であり得る。したがって、蒸気発生生成物の製造を容易にする方法及び装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様によれば、蒸気発生生成物を製造する方法であって、
(i)非液体蒸気発生材料を、蒸気発生材料の軸方向に垂直な方向への2mmを超える蒸気発生材料の移動を妨げるように構成される1つ又は複数の壁によって画成される空間内に配置することであって、1つ又は複数の壁が、蒸気発生材料の軸方向に実質的に延びる、配置することと、
(ii)剛性挿入子の軸を蒸気発生材料の軸方向と整列することと、
(iii)剛性挿入子を蒸気発生材料の第1の端部から蒸気発生材料内に挿入することと、を含む、方法が提供される。
【0008】
本開示の第2の態様によれば、蒸気発生生成物を製造する装置であって、装置が、
非液体蒸気発生材料を取り囲むように構成される、周辺ユニットと、
剛性挿入子を保持するように構成される、保持ユニットと、
周辺ユニットによって取り囲まれる非液体蒸気発生材料及び保持ユニットによって保持される剛性挿入子を互いに対して蒸気発生材料の軸方向に実質的に沿って移動して、剛性挿入子を蒸気発生材料の第1の端部から蒸気発生材料内に挿入するように構成される、移動ユニットと、を含み、
周辺ユニットが、蒸気発生材料のための空間を画成する1つ又は複数の壁を含み、1つ又は複数の壁が、蒸気発生材料の軸方向に垂直な方向への2mmを超える蒸気発生材料の移動を妨げるように構成される、装置が提供される。
【0009】
本明細書で用いられる、「実質的に軸方向に」という語句は、1つ又は複数の壁が、±5°、可能な限り±3°、又は可能な限り±1°であり得る許容誤差の範囲内で蒸気発生材料の軸方向に延びる配列を包含する。
【0010】
蒸気発生生成物は、非液体蒸気発生材料を燃やすのではなく非液体蒸気発生材料を加熱して、非液体蒸気発生材料の少なくとも1種の成分を揮発させ、それにより、冷却及び凝縮して蒸気発生デバイスのユーザが吸入するためのエアロゾルを形成する、加熱された蒸気を発生させるために蒸気発生デバイスで使用するものである。
【0011】
一般論として、蒸気は、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることにより蒸気を液体に凝縮させ得ることを意味する。一方、エアロゾルは、空気中又は別のガス中の微細な固体粒子又は液滴の浮遊物である。しかしながら、本明細書では、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特に、ユーザが吸入するために発生される吸入可能媒体の形態に関して互換的に使用され得ることに留意されたい。
【0012】
本開示による蒸気発生生成物は、非液体蒸気発生材料及び剛性挿入子を互いに対して移動して剛性挿入子を非液体蒸気発生材料内に挿入することによって、効率的に製造され、比較的容易に大量生産され得る。非液体蒸気発生材料の移動を抑制し、より具体的には蒸気発生材料の軸方向に垂直な方向への2mmを超える移動を妨げるように構成される1つ又は複数の壁を提供することによって、剛性挿入子が確実に蒸気発生材料内に挿入されることが保証される。
【0013】
剛性挿入子は、ステップ(iii)の間、例えば押圧することによって剛性挿入子が非液体蒸気発生材料内に確実に挿入されることを可能にするために十分に、上記軸に沿って剛性を有する。
【0014】
ステップ(iii)は以下を含み得、及びしたがって、非液体蒸気発生材料のみを剛性挿入子に向かって移動することによって、剛性挿入子のみを非液体蒸気発生材料に向かって移動することによって、又は非液体蒸気発生材料及び剛性挿入子の両方を互いに向かって移動することによって、非液体蒸気発生材料と剛性挿入子との間の相対的移動が実現され得る。方法及び装置は、したがって、特定の製造要件を満たすように適合され得る。
【0015】
非液体蒸気発生材料は、蒸気発生ロッドを含んでもよく、いくつかの実施形態では、複数の上記蒸気発生ロッドを含んでもよい。したがって、ステップ(i)は、複数の蒸気発生ロッドを含むパッケージを形成することを含み得る。本開示による蒸気発生生成物の製造は、個別包装のプロセスの必要性を除去することによって能率化され得る。蒸気発生ロッドは、例えば、実質的に円形の断面を有してもよく、したがって、蒸気発生材料は、円筒形ロッドの形態であってもよい。蒸気発生ロッドは、代替的には、楕円、長方形、又は多角形の断面を有してもよい。
【0016】
1つ又は複数の壁によって画成される空間は、1~60の蒸気発生ロッドを収容するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の壁によって画成される空間は、10~40の蒸気発生ロッド、及び可能な限り15~30の蒸気発生ロッドを収容するように構成され得る。
【0017】
非液体蒸気発生材料、例えば蒸気発生ロッドは、材料のシートによって包まれてもよく、材料のシートは、通気性を有してもよく、且つ電気絶縁性及び非磁性を有してもよく、例えば包装紙であってもよい。
【0018】
非液体蒸気発生材料は、任意の種類の固体又は半固体の材料であり得る。蒸気発生材料の例としての種類には、粉末、顆粒、粒子、ゲル、条片、ルーズリーフ、カットフィラー、ペレット、粉末、細片、ストランド、発泡材料、及びシートが含まれる。非液体蒸気発生材料が包装紙などの材料のシートによって包まれない実施形態では、非液体蒸気発生ロッドは、有利なこととして、発泡材料を含み得る。
【0019】
非液体蒸気発生材料は、植物由来の材料を含んでもよく、特にたばこを含み得る。非液体蒸気発生材料は、例えば、たばこと、セルロース繊維、たばこ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数とを含む、再構成たばこを含んでもよい。非液体蒸気発生材料は、押出条片を含んでもよく、例えば、たばこ又は再構成たばこなどの押出蒸気発生材料を含み得る。
【0020】
非液体蒸気発生材料は、エアロゾル形成剤を含み得る。エアロゾル形成剤の例には、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が含まれる。典型的には、非液体蒸気発生材料は、乾燥重量ベースで約5%~約50%の間のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。いくつかの実施形態では、非液体蒸気発生材料は、乾燥重量ベースで約10%~約20%の間、可能な限り乾燥重量ベースで約15%のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。
【0021】
1つ又は複数の壁は、蒸気発生材料の軸方向に垂直な方向への1mmを超える蒸気発生材料の移動を妨げるように構成され得る。1つ又は複数の壁は、蒸気発生材料の軸方向に垂直な方向への蒸気発生材料の実質的にいかなる移動も妨げるように構成され得る。
【0022】
ステップ(i)は、1つ又は複数の壁によって非液体蒸気発生材料の表面に接触して、蒸気発生材料の軸方向に垂直な方向への2mmを超える蒸気発生材料の上記移動を妨げることを含み得る。この配列では、蒸気発生材料のいかなる移動も、1つ又は複数の壁との接触に起因して実質的に妨げられる。
【0023】
ステップ(i)は、1つ又は複数の壁の1つ又は複数の開口を通した吸引を適用して、蒸気発生材料の軸方向に垂直な方向への2mmを超える蒸気発生材料の上記移動を妨げることを含み得る。
【0024】
空間は、複数の壁を含むボックスによって画成され得る。特に、空間内に位置する蒸気発生材料が複数の蒸気発生ロッドを含む実施形態において、ボックスは、非液体蒸気発生材料のための特に便利な筐体を提供して、蒸気発生材料の軸方向に垂直な方向への2mmを超える移動を妨げ得る。
【0025】
1つ又は複数の壁は、蒸気発生材料と点接触し得る、平面壁要素、ロッド形状の壁要素、又はピン形状の壁要素から構成される群から選択される1つ又は複数を含み得る。
【0026】
壁の1つ又は複数は、非液体蒸気発生材料の空間内の配置を可能にする第1の位置と、非液体蒸気発生材料の空間からの解放を妨げる第2の位置との間で移動可能であり得る。したがって、ステップ(i)及び任意選択でステップ(ii)は、壁の少なくとも1つを移動して、蒸気発生材料を取り囲むことを含み得る。方法は、例えば、壁の1つ又は複数を第2の位置から第1の位置に向かって移動することによって、蒸気発生材料を1つ又は複数の壁によって画成される空間から解放することをさらに含み得る。
【0027】
ステップ(i)は、壁の少なくとも1つを所定の位置、例えば第2の位置に移動して、蒸気発生材料の上記移動を妨げることを含み得る。非液体蒸気発生材料、例えば1つ又は複数の蒸気発生ロッドは、また、所定の位置、例えば第2の位置への壁の少なくとも1つの移動により、所定の位置に移動され得る。結果として生じる非液体蒸気発生材料の移動によって、剛性挿入子の軸が蒸気発生材料の軸方向と整列され得る。したがって、ステップ(ii)は、壁の少なくとも1つを所定の位置に移動することも含み得る。
【0028】
ステップ(i)は、壁の少なくとも1つをガイドに沿って所定の位置に移動することを含み得る。ガイドは、非液体蒸気発生材料の軸方向に実質的に直交する方向に整列され得る。壁の少なくとも1つの確実且つ反復可能な移動が、それによって保証される。
【0029】
非液体蒸気発生材料が蒸気発生ロッドを含む実施形態では、ステップ(i)は、壁の少なくとも1つを蒸気発生ロッドに対して半径方向に、例えば所定の位置に移動することを含み得る。
【0030】
剛性挿入子は、誘導加熱可能サセプタを含み得る。誘導加熱可能サセプタは、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅のうちの1つ又は複数を含み得るが、これらに限定されない。その周辺の電磁場の印加で、例えば、蒸気発生生成物が交番電磁場を発生させる誘導コイルを有する蒸気発生デバイス内に配置されるときに、誘導加熱可能サセプタは、電磁気からのエネルギー変換をもたらす渦電流及び磁気ヒステリシス損失に起因して熱を発生させて、蒸気発生材料を燃焼させるのではなく加熱するために加熱し得る。
【0031】
剛性挿入子は、例えば、蒸気発生デバイス内の蒸気発生生成物の使用中に1つ又は複数の風味化合物を解放するための、風味成分を含み得る。剛性挿入子は、風味成分を染み込まされた多孔性材料を含み得る。
【0032】
剛性挿入子は、複数の流体流動経路を蒸気発生材料の軸方向に提供して、例えば空気及び/又は蒸気が軸方向に流れることを可能にするように構成され得る。各流体流動経路内の分離した蒸気発生材料を加熱することによって発生される蒸気が、蒸気の特性に不利な影響を及ぼし得る、例えば異味につながる、前に加熱された蒸気発生材料を通して流れないため、各流体流動経路内の分離した蒸気発生材料が別々に加熱されるとしても、別々の流体流動経路の提供によって、発生した蒸気の品質が維持される。
【0033】
ステップ(i)は、蒸気発生材料を蒸気発生材料の軸方向に実質的に平行な方向に移動することによって、1つ又は複数の壁によって画成される空間内に非液体蒸気発生材料を配置することを含み得る。蒸気発生材料が1つ又は複数の蒸気発生ロッドを含む実施形態において、ステップ(i)は、蒸気発生ロッドを蒸気発生ロッドの軸方向に実質的に平行な方向に移動することにより、1つ又は複数の壁によって画成される空間内に蒸気発生ロッドを配置することを含み得る。
【0034】
ステップ(i)は、蒸気発生材料を蒸気発生材料の軸方向に非平行な方向に移動することにより、1つ又は複数の壁によって画成される空間内に非液体蒸気発生材料を配置することを含み得る。蒸気発生材料が1つ又は複数の蒸気発生ロッドを含む実施形態では、ステップ(i)は、蒸気発生ロッドを蒸気発生ロッドの軸方向に非平行な方向に移動することによって、1つ又は複数の壁によって画成される空間内に蒸気発生ロッドを配置することを含み得る。
【0035】
ステップ(ii)は、剛性挿入子及び蒸気発生材料、例えば1つ又は複数の蒸気発生ロッドのうちの1つ又は両方の位置を検出することによって実行され得る。1つ又は複数の検出ユニット(例えば、カメラ、光センサ、又は磁気センサなどの画像キャプチャデバイス)は、剛性挿入子及び蒸気発生材料のうちの1つ又は両方の位置を検出するために使用され得る。ステップ(ii)は、検出された位置に基づいて剛性挿入子及び蒸気発生材料のうちの1つ又は両方を移動することを含み得る。剛性挿入子及び蒸気発生材料の正しい整列がそれによって保証され、これにより剛性挿入子が蒸気発生材料内に確実に挿入され得ることを保証する。
【0036】
方法は、ステップ(iii)の間、蒸気発生材料の第2の端部を支持して、蒸気発生材料の移動を妨げることをさらに含み得る。剛性挿入子によって加えられる外力による蒸気発生材料の移動が実質的に防げられるため、剛性挿入子が第1の端部から蒸気発生材料内に確実に挿入され得ることが、これによって保証される。
【0037】
ステップ(iii)は、実質的に重力方向に沿って剛性挿入子を蒸気発生材料内に挿入することを含み得る。
【0038】
ステップ(iii)は、複数の剛性挿入子を蒸気発生材料内に同時に導入することを含み得る。
【0039】
ステップ(iii)は、
剛性挿入子を保持しつつ、剛性挿入子を第1の端部から蒸気発生材料内に部分的に挿入するステップと、
剛性挿入子を解放し、剛性挿入子の端部を押圧して蒸気発生材料内に剛性挿入子を完全に挿入するステップと、
を含み得る。
【0040】
剛性挿入子は、それによって、第1の端部から蒸気発生材料内に確実且つ完全に挿入され得る。
【0041】
ステップ(iii)は、剛性挿入子を蒸気発生材料内に押圧し埋め込むことを含んでもよく、好ましくは上記埋め込むステップの間、剛性挿入子が挿入される蒸気発生材料の表面は押圧されない。この実施形態では、剛性挿入子が蒸気発生材料によって完全に取り囲まれるため、特に、剛性挿入子が蒸気発生材料と相互作用する場合に、剛性挿入子は非常にうまく働く。サセプタから周辺の蒸気発生材料への熱伝達が最大化されるため、これは、剛性挿入子が誘導加熱可能サセプタを含むときに特に有利である。蒸気発生材料は剛性挿入子が挿入される領域内においてのみ押圧されること、及びこの領域以外の蒸気発生材料の表面が押圧されないことも理解されたい。それによって、剛性挿入子が蒸気発生材料内へ確実に挿入されることを同時に保証しつつ、蒸気発生材料の望ましくない変形が回避され得る。
【0042】
保持ユニットは、剛性挿入子の側面に接触する接触要素を含み得る。接触要素によって、剛性挿入子が保持ユニットによって厳重に保持されることが保証される。
【0043】
移動ユニットは、剛性挿入子の端部を押圧する押圧要素を含み得る。押圧要素によって、剛性挿入子が、例えば接触要素によって保持されつつ、蒸気発生材料内に確実に挿入されることが保証される。
【0044】
押圧要素は、剛性挿入子の端部の形状又は剛性挿入子の端部の形状の一部に対応し得る形状を有する接触領域を含み得る。この配列によって、押圧要素と剛性挿入子の端部との間が良好に接触していることが保証され、それにより押圧要素による蒸気発生材料内への剛性挿入子の確実な挿入が保証される。さらに、この配列によって、剛性挿入子が蒸気発生材料内に埋め込まれ得る。
【0045】
周辺ユニットは、移動可能壁を含み得る。上述のように、移動可能壁は、非液体蒸気発生材料の空間内の配置を可能にする第1の位置と、非液体蒸気発生材料の空間からの解放を妨げる第2の位置との間で移動可能であり得る。移動可能壁の提供によって、移動可能壁が第1の位置にあるときに蒸気発生材料の空間内の配置が容易になり、移動可能壁が第2の位置にあるときに蒸気発生材料が空間内で厳重に保たれることが保証される。例えば、移動可能壁が第2の位置にあるときに、移動可能壁は蒸気発生材料を所定の位置に保つように構成され得る。
【0046】
装置は、剛性挿入子及び蒸気発生材料、例えば1つ又は複数の蒸気発生ロッドのうちの1つ又は両方の位置を検出する検出ユニットを含み得る。検出ユニットは、1つ又は複数の画像キャプチャデバイス、例えば1つ又は複数のカメラ、光センサ、又は磁気センサを含み得る。装置は、検出された位置に基づいて剛性挿入子及び蒸気発生材料のうちの1つ又は両方を移動するための第2の移動ユニットをさらに含み得る。上述のように、剛性挿入子及び蒸気発生材料の正しい整列がそれによって保証され、これにより剛性挿入子が蒸気発生材料内に確実に挿入され得ることを保証する。
【0047】
周辺ユニットは、連続移送ベルトを含み得る。連続移送ベルトの使用によって、蒸気発生生成物の大量生産が容易となり得る。
【0048】
連続移送ベルトは、蒸気発生材料に接触するように構成され得る、且つ蒸気発生材料を収容するように構成される領域をその間に形成し得る、離隔した接触要素を含み得る。例として、離隔した接触要素は、三角形の断面、等脚台形の断面、又は任意で段差面を有する、概してT形の断面を有し得る。離隔した接触要素のそれぞれが、離隔した接触要素の間の領域に収容される蒸気発生材料と1つ又は複数の接触点を有してもよく、又は概して蒸気発生材料の形状に従って蒸気発生材料に接触する湾曲した接触面を有してもよい。離隔した接触要素間に間隔を空けることは、予期せず望ましくない破片又は工場のゴミが、連続移送ベルト上に溜まりにくいことも意味する。
【0049】
周辺ユニットは、2つの連続移送ベルト、例えば、第1の移送ベルト及び第2の移送ベルトを含み得る。各連続移送ベルトは、蒸気発生材料に接触するように構成され得る、且つ蒸気発生材料を収容するように構成される領域をその間に形成し得る、離隔した接触要素を含み得る。離隔した接触要素のそれぞれが、頂点を有してもよく、各移送ベルトの離隔した接触要素の頂点が、互いに対向するように配列され得る。第1の移送ベルトは、使用中第2の移送ベルトより下に配置され得る。したがって、第1の移送ベルトは、下方のベルトであってもよく、第2の移送ベルトは、上方のベルトであってもよい。
【0050】
装置は、蒸気発生材料、例えば蒸気発生ロッドを、移送ベルト又は各移送ベルトの離隔した接触要素の間に形成される領域に連続的且つ逐次的に供給する、ホッパーを含み得る。ホッパーは、移送ベルトより上に配置されてもよく、第1の移送ベルトより上に配置されてもよい。この配列によって、蒸気発生生成物の大量生産がさらに容易となる。
【0051】
保持ユニットは、連続移送ベルト又は各連続移送ベルトと同期して移動するように構成され得る。保持ユニットは、連続移送ベルト又は各連続移送ベルトに隣接して配置されてもよく、連続移送ベルト又は各連続移送ベルトと連続的且つ同期的に移動するように構成されてもよい。この配列では、保持ユニットは、移送ベルト又は各移送ベルトの移動に従い、剛性挿入子が、蒸気発生材料内に確実に挿入され得ることを保証し、蒸気発生生成物の大量製造を可能にする。
【0052】
保持ユニットは、連続ベルト上に取り付けられた複数の押圧要素を含み得る。押圧要素は、離隔した接触要素間に形成される領域と整列されてもよく、連続移送ベルト又は各連続移送ベルトと同期して移動するように構成され得る。押圧要素が、離隔した接触要素間に形成される領域と整列されるとき、押圧要素は、離隔した接触要素間に形成される領域に収容される蒸気発生材料、例えば蒸気発生ロッドに向かって、且つその後離れて移動するように構成され得る。剛性挿入子の蒸気発生材料内への確実な挿入が、それによって保証される。
【0053】
押圧要素が、離隔した接触要素間に形成される領域と整列されないとき、押圧要素は、剛性挿入子を受けるように構成され得る。これに応じて、剛性挿入子は、保持ユニットを構成する押圧要素に容易に供給され得る。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1図1a-1cは、周辺ユニット内の蒸気発生ロッドの配置を示す、蒸気発生生成物を製造する装置及び方法の一例の一部の概略図である。
図2-1】図2a-2hは、剛性挿入子の蒸気発生ロッド内への挿入を示す、蒸気発生生成物を製造する装置及び方法の一例の一部の概略図である。
図2-2】図2a-2hは、剛性挿入子の蒸気発生ロッド内への挿入を示す、蒸気発生生成物を製造する装置及び方法の一例の一部の概略図である。
図3図3a-3bは、剛性挿入子及び蒸気発生ロッドの位置を検出及び整列する装置及び方法の第1の例の概略図であり、図3bは、整列前及び整列後の図3aの矢印Bの方向の部分投影図を示す。
図4図4a-4cは、剛性挿入子及び蒸気発生ロッドの位置を検出及び整列する装置及び方法の第2の例の概略図であり、図4cは、整列前及び整列後の図4bの矢印Cの方向の部分投影図を示す。
図5図5a-5eは、保持ユニット、及び剛性挿入子を蒸気発生ロッドに向かって移動するように構成される移動ユニットの例の概略図である。
図6図6a-6dは、保持ユニット、及び蒸気発生ロッドを剛性挿入子に向かって移動するように構成される移動ユニットの例の概略図である。
図7a】蒸気発生生成物を製造する装置及び方法の別の例の概略平面図である。
図7b図7aの線A-Aに沿った概略断面図である。
図7c図7aの線B-Bに沿った概略断面図である。
図8図8a-8gは、蒸気発生ロッド及び周辺ユニットの可能な配列の例である。
図9-1】図9a-9hは、周辺ユニットの1つ又は複数の壁の可能な移動を示す例である。
図9-2】図9a-9hは、周辺ユニットの1つ又は複数の壁の可能な移動を示す例である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
ここで、本開示の実施形態について、添付図面を参照して単なる例として説明する。
【0056】
まず図1a~1cを参照すると、非液体蒸気発生材料12を周辺ユニット14内に配置する方法及び装置10の例が示されている。この例では、非液体蒸気発生材料12は、典型的にはたばこ又は再構成たばこなどの植物由来の材料を含む、複数の蒸気発生ロッド16を含み、周辺ユニット14は、蒸気発生ロッド16が位置可能な空間15を画成する複数の壁18を含む。示される例において、周辺ユニット14は、ボックスを含む。
【0057】
装置10は、例えば上流製造プロセスから、蒸気発生ロッド16の連続的な供給が受けられる垂直チャネル20を含む。装置10は、また、垂直チャネル20の下に位置する水平移送チャネル22と、図1a及び1cに示される開始位置と図1bに示される終了位置との間の水平移送チャネル22内の往復(即ち、前後)移動のために取り付けられた移送要素24と、を含む。
【0058】
装置10の動作中、垂直チャネル20内の蒸気発生ロッド16は、矢印Aによって示されるように、重力の作用を受けて水平移送チャネル22内に逐次的に落ちる。示された例では、蒸気発生ロッド16及び水平移送チャネル22は、3つの垂直積層された蒸気発生ロッド16がどの時点でも水平移送チャネル22に収容されるような寸法になっている。しかしながら、当業者であれば、3つより多くの又は3つより少ない垂直積層された蒸気発生ロッド16をどの時点でも水平移送チャネル22に収容するように、蒸気発生ロッド16の直径及び/又は水平移送チャネル22の深さが増加又は減少され得ると理解するであろう。
【0059】
図1a及び1bを参照すると、移送要素24は、図1aに示される開始位置から図1bに示される終了位置に移動して、水平移送チャネル22に収容された蒸気発生ロッド16のアレイを、水平移送チャネル22の開口端と垂直方向に整列された空の周辺ユニット14の壁18によって画成される空間15内に押圧する。次いで、移送要素24は、図1bに示される終了位置から図1cに示される開始位置に移動されて戻り、それにより、さらなる蒸気発生ロッド16が重力の作用を受けて水平移送チャネル22内に落ちることを可能にする。蒸気発生ロッド16を含む充填された周辺ユニット14は、また、例えば垂直下方向(図1aの矢印B)に移動され、さらなる空の周辺ユニット14が、次いで、上述したステップが(矢印Cによって示されるように)連続的に繰り返される前に水平移送チャネル22の開口端と垂直方向に整列されて、蒸気発生ロッド16のアレイを複数の周辺ユニット14内に配置する。
【0060】
当業者であれば、蒸気発生ロッド16が、垂直チャネル20内、したがって横並び構成で配列された複数の垂直列として水平移送チャネル22内に配列されてもよく、それによって蒸気発生ロッド16が、隣接する垂直列に配列され、且つ互いの上部に積層されることを理解するであろう。したがって、蒸気発生ロッド16のアレイ(例えば3×3、3×4など)は、水平移送チャネル22に収容され、移送要素24によって空の周辺ユニット14内に押圧されてもよく、それによって、蒸気発生ロッド16のアレイが、例えば図2aに示されるように、周辺ユニット14内に配置される。
【0061】
図2a及び2bは、図1a~1cを参照して上述した方法及び装置10を用いて、周辺ユニット14の壁18によって画成される空間15に配置される蒸気発生ロッド16のアレイを示している。周辺ユニット14の壁18は実質的に蒸気発生ロッド16の軸方向に延びることが、図1a~1c及び図2aから明らかであろう。さらに、壁18は、例えばアレイの最も外側の蒸気発生ロッド16と壁18との間の接触によって、蒸気発生ロッド16の軸方向に垂直な方向への2mmを超える蒸気発生ロッド16の移動を妨げるように構成される。
【0062】
図2c~2hは、剛性挿入子28を蒸気発生ロッド16のそれぞれの中に挿入して、複数の蒸気発生生成物1を形成する方法及び装置26を示している。各剛性挿入子28は、剛性挿入子28が、座屈又は屈曲することなく蒸気発生ロッド16の第1の端部16aから蒸気発生ロッド16内に挿入されることを可能にするために、軸方向に(即ち、その長手方向軸に沿って)十分な剛性を有する。一例では、剛性挿入子28は、蒸気発生ロッド16及び誘導加熱可能サセプタ30を含む蒸気発生生成物1が蒸気発生デバイス(図示せず)内に配置されるときに、電磁場の存在において誘導加熱される誘導加熱可能サセプタ30を含む。誘導加熱可能な蒸気発生デバイスの動作原理は、当業者によって理解されるものとし、本明細書においてさらに説明されない。
【0063】
図2c~2hを参照すると、装置26は、剛性挿入子28のアレイを保持するように構成される保持ユニット32と、各剛性挿入子28の端部を押圧してそれを蒸気発生ロッド16の対応する1つの中に挿入するように配列された押圧要素34の形態の移動ユニット33と、を含む。保持ユニット32は、図2c~2dに示される保持位置と図2e~2hに示される非保持位置との間で移動可能な複数の接触要素36を含む。接触要素36が保持位置にあるとき、各接触要素36は、図2cで最もよく分かるように、対応する剛性挿入子28の側面に接触して、各剛性挿入子28の軸を蒸気発生ロッド16の対応する1つの軸方向と整列する。
【0064】
押圧要素34は、図2dに示されるように蒸気発生ロッド16のアレイに向かって移動されて、剛性挿入子28のアレイを蒸気発生ロッド16の第1の端部16aから蒸気発生ロッド16内に同時に挿入する。保持ユニット32は、剛性挿入子28のアレイの挿入中、蒸気発生ロッド16の第2の端部16bを支持し、それにより剛性挿入子28によって加えられる外力に起因する蒸気発生ロッド16の移動を妨げるための底壁19を含む。剛性挿入子28が図2dに示されるように部分的に挿入されているとき、接触要素36は、最初は図2eに示されるように横方向に移動され、したがって、接触要素36がその後図2eに示される保持位置から図2fに示される非保持位置に移動される前に、接触要素36は、もはや剛性挿入子28の側面に接触しない。図2gに示されるように押圧要素34が蒸気発生ロッド16のアレイに向かって移動を継続されることにより、剛性挿入子28のアレイの蒸気発生ロッド16内への挿入が完結し、剛性挿入子28が蒸気発生ロッド16内に完全に挿入されて、それにより、それぞれが蒸気発生ロッド16及び剛性挿入子28を含む蒸気発生生成物1のアレイを形成することが保証される。押圧要素34は、次いで、接触要素36が保持位置に移動する前に図2hに示されるように蒸気発生ロッド16のアレイから離れて移動してもよく、図2c~2hに示されるステップが、蒸気発生生成物1のさらなるアレイを連続的に製造するように繰り返される。
【0065】
図3a及び図3bを参照すると、一実施形態において、装置26は、保持ユニット32上に取り付けられた検出ユニット38、例えばカメラなどのアレイを含む。検出ユニット38のそれぞれが、周辺ユニット14の壁18によって画成される空間15内で蒸気発生ロッド16の対応する1つの位置を検出するように構成される。装置26は、蒸気発生ロッド16の検出した位置に基づいて剛性挿入子28を移動して、剛性挿入子28を挿入方向に蒸気発生ロッド16と整列する、複数の第2の移動ユニット37を含む。例えば、剛性挿入子28の少なくともいくつかが、第2の移動ユニット37(境界39によって画成される枠の中で移動可能である)によって移動されて、剛性挿入子28が対応する蒸気発生ロッド16と最適に整列されることを保証することが、図3bの右側の図から分かる。
【0066】
図4a~4cを参照すると、別の実施形態において、装置26は、1つの検出ユニット38、例えばカメラを含む。検出ユニット38は、図4aに図示されるように、周辺ユニット14の壁18によって画成される空間15内の蒸気発生ロッド16の全ての位置を同時に検出するように構成される。蒸気発生ロッド16の位置がカメラ38によって検出された後、第2の移動ユニット37は、剛性挿入子28の1つ又は複数を移動して剛性挿入子28を挿入方向に蒸気発生ロッド16と整列するために、必要に応じて動作され得る。例えば、剛性挿入子28の少なくともいくつかが、第2の移動ユニット37(境界39によって画成される枠の中で移動可能である)によって移動されて、剛性挿入子28が対応する蒸気発生ロッド16と最適に整列されることを保証することが、図4cの右側の図から分かる。最終的には、図4bに示される保持ユニット32は、図2c~2hを参照して上述したように蒸気発生ロッド16に向かって移動されて、整列された剛性挿入子28を蒸気発生ロッド16内に挿入し得る。
【0067】
ここで図5a~5eを参照すると、剛性挿入子28を蒸気発生ロッド16内に挿入して蒸気発生生成物1を形成する方法及び装置40のさらなる例が示される。方法及び装置40は、図2a~2hを参照して上述した方法及び装置26に類似であり、対応する要素は、したがって同一参照番号を用いて指定される。
【0068】
この例では、保持ユニット32は、剛性挿入子28の端部の形状に対応する接触領域44を画成する突出要素42を含む。示される例では、剛性挿入子は、円形断面を有し、その結果、突出要素42は、概してリング形状であり、リング形状の接触領域44を画成する。
【0069】
最初に図5aに示される保持位置にある接触要素36を用いて、剛性挿入子28は、保持ユニット32によって保持され、蒸気発生ロッド16の軸方向と整列される。押圧要素34は、図5bに示されるように蒸気発生ロッド16に向かって移動されて、剛性挿入子28を蒸気発生ロッド16の第1の端部16aから蒸気発生ロッド16内に挿入する。剛性挿入子28が図5cに示されるように部分的に挿入されているとき、接触要素36は、最初は横方向に移動され、したがって、接触要素36がその後図5bに示される保持位置から図5cに示される非保持位置に移動される前に、接触要素36は、もはや剛性挿入子28の側面に接触しない。図5dに示されるように押圧要素34が蒸気発生ロッド16に向かって移動を継続されることにより、剛性挿入子28の蒸気発生ロッド16内への挿入が完結する。この例では、突出要素42は、蒸気発生ロッド16内に押圧されて、剛性挿入子28が蒸気発生ロッド16に完全に埋め込まれることを保証する。押圧要素34は、次いで、接触要素36が保持位置に移動して戻る前に、図5eに示されるように蒸気発生ロッド16から移動され、図5a~5eに示されるステップが、さらなる蒸気発生生成物1を連続的に製造するように繰り返される。
【0070】
突出要素42によって生成される、蒸気発生ロッド16の第1の端部16aにおける空間42aのサイズは、例示の目的で誇張されていることに留意されたい。実際には、空間42aは、例えば突出要素42が小さな断面領域を有するピン形状要素である場合に、極端に小さくてもよい。さらに、押圧要素34が、蒸気発生材料12の固有の弾性に起因して図5eに示されるように蒸気発生ロッド16から移動されて離れた後、蒸気発生ロッド16の蒸気発生材料12は、(部分的又は完全に)空間42aを自発的に充填し得る。これは、典型的には、蒸気発生材料12がたばこカットフィラーを含む実施形態の場合であり得る。
【0071】
ここで図6a~6dを参照すると、剛性挿入子28を蒸気発生ロッド16内に挿入して蒸気発生生成物1を形成する方法及び装置46のさらなる例が示される。
【0072】
この例では、剛性挿入子28は、ここでも保持ユニット32によって保持される。保持ユニット32は、図6a及び6bに示される保持位置と、図6c及び6dに示される非保持位置との間で移動可能な接触要素36を含む。接触要素36が保持位置にあるとき、それは、剛性挿入子28の端部の開口部内に延びて、保持ユニット32上に剛性挿入子28を支持する。
【0073】
装置46は、蒸気発生ロッド16の第2の端部16bを支持する支持部材50を有する移動ユニット48を含む。示される例では、支持部材50は、第2の端部16bを取り囲むカラーを含むが、支持部材50は任意の適当な形態を有し得ると当業者によって理解される。
【0074】
この例では、移動ユニット48は、保持ユニット32に向かって移動されて、剛性挿入子28を蒸気発生ロッド16の第1の端部から蒸気発生ロッド16内に挿入する。したがって、蒸気発生ロッド16は、移動ユニット48によって移動される一方、剛性挿入子28は静止し保持ユニット32によって支持されたままである。
【0075】
剛性挿入子28が、図6bに示されるように蒸気発生ロッド16内に部分的に挿入されているとき、接触要素36は、図6bに示される保持位置から図6cに示される非保持位置に移動される。図6dに示されるように蒸気発生ロッド16が保持ユニット32に向かって移動を継続されることによって、剛性挿入子28の蒸気発生ロッド16内への挿入が完結されて、蒸気発生生成物1が形成され、図6a~6dに示されるステップは、その後、さらなる蒸気発生生成物1を連続的に製造するように繰り返される。
【0076】
ここで図7a~7cを参照すると、蒸気発生生成物1を連続的に製造する方法及び装置52の例が示されている。装置52は、複数の蒸気発生ロッド16を含むホッパー54、並びに周辺ユニット14を共に構成する第1の移送ベルト56及び第2の移送ベルト58を含む。第1の移送ベルト56及び第2の移送ベルト58は、連続(即ち無端)ベルトであるが、第1の移送ベルト56の一部のみが図7a~7cに示されていることに留意されたい。ホッパーは、第1の移送ベルト56の上に配置されて、蒸気発生ロッド16を第1の移送ベルト56に供給する。
【0077】
第1の移送ベルト56及び第2の移送ベルト58のそれぞれが、複数の離隔した接触要素56a、58aを含み、接触要素56a、58aは、断面が概して三角形であり、ホッパー54によって第1の移送ベルト56に供給される個々の蒸気発生ロッド16を収容する領域60をその間に形成する。三角形の接触要素56a、58aのそれぞれは、頂点を有し、第1の移送ベルト56及び第2の移送ベルト58のそれぞれの上の接触要素56a、58aの頂点は、互いに対向するように配列され、それによって、蒸気発生ロッド16は、接触要素56a、58aの間の領域60内に厳重に収容される。
【0078】
装置52は、第1の移送ベルト56及び第2の移送ベルト58に隣接して位置し、且つ第1の移送ベルト56及び第2の移送ベルト58と連続的及び同期的に移動するように構成される、保持ユニット32をさらに含む。保持ユニット32は、図7cに示される連続(即ち無端)ベルト62上に取り付けられる複数の個々の押圧要素34を含む。押圧要素34は、第1の移送ベルト56及び第2の移送ベルト58の離隔した接触要素56a、58aの間に形成される領域60と整列され、第1の移送ベルト56及び第2の移送ベルト58と同期して移動する。押圧要素34が連続ベルト62上の第1の領域64内にあるとき、剛性挿入子28は、図7cに示されるように押圧要素34のそれぞれに供給される。押圧要素34が連続ベルト62上の第2の領域66内にあるとき、押圧要素32は、図7aに示されるように蒸気発生ロッド16に向かって移動し、且つその後離れて移動して、蒸気発生生成物1を形成するために剛性挿入子28を第1の端部16aから蒸気発生ロッド16内に挿入する。蒸気発生生成物1は、第1の移送ベルト56及び第2の移送ベルト58から逐次的に解放される。装置52は、蒸気発生ロッド16の第2の端部16bを支持し、それにより第1の端部16aから蒸気発生ロッド16内への剛性挿入子28の挿入中に、離隔した接触要素56a、58aの間の領域60内の蒸気発生ロッド16の横方向移動を妨げるための、支持部材59を含むことが、図7aにおいて分かる。
【0079】
ここで図8a~8gを参照すると、蒸気発生ロッド16及び周辺ユニット14の可能な配列の例が示されている。
【0080】
図8aにおいて、単一の蒸気発生ロッド16は、平面壁要素70の形態の複数の壁18を含む周辺ユニット14に収容される。蒸気発生ロッド16は、平面壁要素70の1つ又は複数に接触して、蒸気発生ロッド16の軸方向に垂直な方向への2mmを超える蒸気発生ロッド16の移動を妨げ得る。
【0081】
図8b及び8cにおいて、単一の蒸気発生ロッド16が、ロッド形状又はピン形状の壁要素72の形態の複数の壁18を含む周辺ユニット14に収容される。ロッド形状又はピン形状の壁要素72は、蒸気発生ロッド16と点接触して、蒸気発生ロッド16の軸方向に垂直な方向への2mmを超える蒸気発生ロッド16の移動を妨げる。
【0082】
図8d及び8eにおいて、複数の蒸気発生ロッド16が、平面壁要素70の形態の複数の壁18を含む周辺ユニット14に収容される。図8d及び8eに示されるアレイが異なる構成を有したとしても、蒸気発生ロッド16は、横並びで配列され、互いの上部に積層されて、蒸気発生ロッド16のアレイを形成する。アレイ内の最も外側の蒸気発生ロッド16は、平面壁要素70の1つ又は複数に接触して、蒸気発生ロッド16の軸方向に垂直な方向への2mmを超える蒸気発生ロッド16の移動を妨げ得る。
【0083】
図8fは、また、平面壁要素70の形態の複数の壁18を含む周辺ユニット14に収容される、アレイの形態の複数の蒸気発生ロッド16を示す。蒸気発生ロッド16は、横並びに配列されて、単一層アレイを形成する。単一層アレイにおいて、蒸気発生ロッド16は、平面壁要素70の1つ又は複数に接触して、蒸気発生ロッド16の軸方向に垂直な方向への2mmを超える蒸気発生ロッド16の移動を妨げ得る。
【0084】
図8gは、図8fに示されるものに類似の蒸気発生ロッドの配列を示すが、ここでの周辺ユニット14は、複数の不連続の平面壁要素70を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、ここで図9a~9hを参照してさらに詳細に説明されるように、周辺ユニット14を形成する壁18の1つ又は複数が、移動可能であってもよい。
【0086】
図9a及び9bは、単一の蒸気発生ロッド16が、ロッド形状又はピン形状の壁要素72の形態の複数の壁18を含む周辺ユニット14に収容される、図8bに類似の配列を示す。ロッド形状又はピン形状の壁要素72のそれぞれが、蒸気発生ロッド16の軸方向に実質的に直交する方向に整列されたガイド74に沿って、蒸気発生ロッド16がその軸方向に壁要素72によって画成される空間15内に挿入されることを可能にする、図9aに示される第1の位置と、壁要素72が蒸気発生ロッド16と点接触して蒸気発生ロッド16の軸方向に垂直な方向への2mmを超える移動を妨げる、図9bに示される第2の位置との間で移動可能である。
【0087】
図9c及び9dは、単一の蒸気発生ロッドがV形壁76と、蒸気発生ロッド16の軸方向に実質的に直交する方向に整列されるガイド74に沿って図9cに示される第1の位置と図9dに示される第2の位置との間で移動可能なスライド壁78とを含む周辺ユニット14に収容される配列を示す。スライド壁78が第1の位置にあるとき、蒸気発生ロッド16は、例えば図9cの矢印によって示されるように横方向に、壁76、78によって画成される空間15内に配置され得る。その後、スライド壁78は、ガイド74に沿って図9dに示される第2の位置に移動されて、壁76、78が蒸気発生ロッド16に接触することを保証し、それによってその軸方向に垂直な方向への2mmを超える蒸気発生ロッド16の移動を妨げ得る。
【0088】
図9e及び9fは、複数の蒸気発生ロッド16が、それぞれが蒸気発生ロッド16の軸方向に実質的に直交する方向に整列される対応ガイド74に沿って移動可能である複数の移動可能壁80を含む周辺ユニット14に収容される配列を示す。蒸気発生ロッド16は、蒸気発生ロッド16が横並びで配列されるアレイを形成し、蒸気発生ロッド16は、移動可能壁80によって画成される空間15内にその軸方向に挿入される。壁80のそれぞれが、図9eに示される第1の位置と図9fに示される第2の位置との間で移動可能である。壁80が第1の位置にあるときに、蒸気発生ロッド16は、壁80によって画成される空間15内に挿入されてもよく、それによって、それらが空間15内にゆったりと配列される。その後、壁80は、図9fの矢印によって示されるように第2の位置に移動される。第1の位置から第2の位置への壁80の移動によって、蒸気発生ロッド16が所定の位置に移動される。所定の位置において、蒸気発生ロッド16が互いに接触し、アレイ内の最も外側の蒸気発生ロッド16が壁80に接触して、その軸方向に垂直な方向への2mmを超える蒸気発生ロッド16の移動を妨げる。
【0089】
図9g及び9hは、図9e及び9fを参照して上述したものに類似のさらなる配列を示す。このさらなる配列において、最も上の壁80は、蒸気発生ロッド16の軸方向に実質的に直交し、最も上の壁80が第1の位置にあるときに最も上の壁80の位置を他の壁80よりも空間15から遠くに移すような寸法である方向に整列されたガイド74上に取り付けられる。これによって、蒸気発生ロッド16が、例えば図9gの矢印によって示されるように1つ又は複数の横方向に、壁80が第1の位置にあるときに壁80によって画成される空間15内に配置されることが可能となる。
【0090】
これまでの段落で例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正を加えることができることを、理解されたい。したがって、特許請求の幅及び範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0091】
本明細書で特段の断りのない限り又は文脈に明らかに矛盾しない限り、全ての可能な変形形態における上述した特徴の任意の組み合わせが、本開示によって包含される。
【0092】
文脈が明らかにそうでないことを必要としない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「含む」、「含んでいる」などの語は、排他的意味又は網羅的意味とは反対に、包含的に、即ち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるべきである。
図1a-1c】
図2-1】
図2-2】
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5a-5e】
図6a-6d】
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
図8g
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図9g
図9h