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特許7514247ステアリングコラムのねじれを検出することが特に意図された位置センサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】ステアリングコラムのねじれを検出することが特に意図された位置センサ
(51)【国際特許分類】
   B62D 5/04 20060101AFI20240703BHJP
   G01B 7/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B62D5/04
G01B7/00 101H
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021549647
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 FR2020050351
(87)【国際公開番号】W WO2020174170
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】1901904
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501377391
【氏名又は名称】ムービング マグネット テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】フラション,ディディエ
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2008/044689(JP,A1)
【文献】特開2013-127368(JP,A)
【文献】特開2009-020064(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0214648(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0084215(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0152702(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04
G01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングコラムのねじれを検出することが意図された位置センサであって、
複数の磁石を備える第1の着磁磁気ロータ構造体(100)と、
軸方向を向きかつ互いにかみ合うティース(212、252)が延在する2つのリング(210、250)を備える第2のステータ構造体(200)と、
少なくとも1つの感磁素子(301、302)が中に配置された少なくとも1つのエアギャップを定める2つの磁束コレクション部材(50、60)からなる第3の静止コレクタ構造体(300)と、
を含み、
前記2つの磁束コレクション部材(50、60)および前記2つのリング(210、250)が、それらの間において、前記第3の静止コレクタ構造体(300)に対する前記第2のステータ構造体(200)の相対的な半径方向および角度方向の位置とは無関係に、磁気パーミアンスを定めており、
前記2つの磁束コレクション部材(50、60)がそれぞれ、角度方向コレクションセクタ(310、350)を備える、位置センサにおいて、
前記2つの磁束コレクション部材(50、60)の各々が、少なくとも1つの二次コレクションゾーン(313、333、363、357、358)を有する少なくとも1つの延伸部(312、353、354)の続く少なくとも1つの一次コレクションゾーン(311、351)を有し、
前記二次コレクションゾーン(313、333、363、357、358)が、前記エアギャップの2つの極を形成する平坦な延在部(359、360、316、317)において終端し、
前記エアギャップの横断中央平面(P)が、前記延伸部(312、353、354)のうちの少なくとも1つと交わり、
第1の前記磁束コレクション部材(50)の前記一次コレクションゾーン(311)および第2の前記磁束コレクション部材(60)の前記二次コレクションゾーン(357、358、363)が垂直でないか、または、第2の前記磁束コレクション部材(60)の前記一次コレクションゾーン(351)および第1の前記磁束コレクション部材(50)の前記二次コレクションゾーン(313、333)が垂直でなく、
前記一次コレクションゾーン(311、351)は、干渉磁束を集め、前記二次コレクションゾーン(313、333、363、357、358)によって集められる方向とは反対方向で、当該干渉磁束を前記エアギャップ内へもたらす、
ということを特徴とする、位置センサ。
【請求項2】
前記横断中央平面(P)が、前記一次コレクションゾーン(311、351)の平面に対して平行であることを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項3】
前記延伸部(312、353、354)が、軸方向に、かつ前記一次コレクションゾーン(311)の平面に対して垂直に、前記横断中央平面(P)を越えて延在することを特徴とする、請求項2に記載の位置センサ。
【請求項4】
前記延伸部(312、353、354)には、前記一次コレクションゾーン(311)の平面に対して平行な二次コレクションゾーン(313)を形成する平坦な部分が続いていることを特徴とする、請求項3に記載の位置センサ。
【請求項5】
前記二次コレクションゾーン(313、357、358)が、平行六面体形状を有することを特徴とする、請求項4に記載の位置センサ。
【請求項6】
前記二次コレクションゾーン(313)の2つの側面には、前記角度方向コレクションセクタ(310、)の方向を向き、かつ前記エアギャップの極を形成する平坦な延在部(316、317)を呈するタブ(314、315)が延在することを特徴とする、請求項5に記載の位置センサ。
【請求項7】
前記一次コレクションゾーン(351)には、前記延伸部(312)の両側において延在する二次コレクションゾーン(357、358)が延在することを特徴とする、請求項3に記載の位置センサ。
【請求項8】
前記二次コレクションゾーン(357、358)のうちの少なくとも1つが、前記一次コレクションゾーン(311、351)に対して平行な接表面(355、356)を有する反転領域を定めていることを特徴とする、請求項7に記載の位置センサ。
【請求項9】
前記横断中央平面(P)が、前記一次コレクションゾーン(351)と前記接表面(355、356)との間に広がっていることを特徴とする、請求項8に記載の位置センサ。
【請求項10】
前記接表面(355、356)が、前記エアギャップの方向と、前記エアギャップの第2の極を形成する延在部(359、360)において終端する前記一次コレクションゾーン(351)の方向と、に延在することを特徴とする、請求項9に記載の位置センサ。
【請求項11】
前記第3の静止コレクタ構造体(300)が、2つの二次コレクションゾーン(333、363)を備え、
第1の前記二次コレクションゾーン(333)が、前記一次コレクションゾーン(311)の平面に対して平行な平面内に配置され、
第1の前記二次コレクションゾーン(333)が、前記二次コレクションゾーン(313)を介して前記一次コレクションゾーン(311)に磁気的に結合されており、
第1の前記二次コレクションゾーン(333)の1つの前端部が、前記エアギャップの複数の極の一方を定め、
前記エアギャップの前記横断中央平面(P)が、この第1の二次コレクションゾーン(333)と前記一次コレクションゾーン(311)との間に位置し、
第2の前記二次コレクションゾーン(363)が、前記一次コレクションゾーン(351)の平面に対して平行な平面内に配置され、
第2の前記二次コレクションゾーン(363)が、複数の平坦な延在部(359、360)によって前記一次コレクションゾーン(351)に磁気的に結合されており、
第2の前記二次コレクションゾーン(363)の1つの前端部が、前記エアギャップの前記複数の極の他方を定めており、
前記エアギャップの前記横断中央平面(P)が、この第1の二次コレクションゾーン(363)と前記一次コレクションゾーン(351)との間に位置する、
ということを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項12】
前記二次コレクションゾーン(313、333、363、357、358)の総面積が、前記一次コレクションゾーン(311、351、312、353、354)の総面積に等しいことを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項13】
ステアリングコラムの絶対位置を検出するための装置において、
複数の磁石を備える第1の着磁磁気ロータ構造体(100)と、
軸方向を向きかつ互いにかみ合うティース(212、252)が延在する2つのリング(210、250)を備える第2のステータ構造体(200)と、
少なくとも1つの感磁素子(301、302)が中に配置された少なくとも1つのエアギャップを定める2つの磁束コレクション部材(50、60)からなる第3の静止コレクタ構造体(300)と、
からなる前記ステアリングコラムのねじれに対するセンサをさらに備え、
前記2つの磁束コレクション部材(50、60)および前記2つのリング(210、250)が、それらの間において、前記第3の静止コレクタ構造体(300)に対する前記第2のステータ構造体(200)の相対的な半径方向および角度方向の位置とは無関係に、磁気パーミアンスを定めており、
前記2つの磁束コレクション部材(50、60)がそれぞれ、角度方向コレクションセクタ(310、350)を備え、
前記2つの磁束コレクション部材(50、60)の各々が、少なくとも1つの二次コレクションゾーン(313、333、363、357、358)を有する少なくとも1つの延伸部(312、353、354)の続く少なくとも1つの一次コレクションゾーン(311、351)を有し、
前記二次コレクションゾーン(313、333、363、357、358)が、前記エアギャップの2つの極を形成する平坦な延在部(359、360、316、317)において終端し、
前記エアギャップの横断中央平面(P)が、前記延伸部(312、353、354)のうちの少なくとも1つと交わり、
第1の前記磁束コレクション部材(50)の前記一次コレクションゾーン(311)および第2の前記磁束コレクション部材(60)の前記二次コレクションゾーン(357、358、363)が垂直でないか、または、第2の前記磁束コレクション部材(60)の前記一次コレクションゾーン(351)および第1の前記磁束コレクション部材(50)の前記二次コレクションゾーン(313、333)が垂直でなく、
前記一次コレクションゾーン(311、351)は、干渉磁束を集め、前記二次コレクションゾーン(313、333、363、357、358)によって集められる方向とは反対方向で、当該干渉磁束を前記エアギャップ内へもたらす、
ということを特徴とする、装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、位置センサの分野に関する。本発明はより詳細には、本出願を限定するものではないが、ステアリングコラムのねじれを測定することが特に意図された位置センサに関する。
【0002】
〔従来技術〕
かかるセンサの一般原理は、本出願人による欧州特許第EP1774272号に記載されている。
【0003】
この位置センサは、ステアリングコラムのねじれを検出することが特に意図されたものであり、複数の磁石を備える第1の磁気ロータ構造体と、軸方向を向きかつ互いにかみ合うティースが延在する2つのリングを備える第2のステータ構造体と、少なくとも1つの感磁素子が中に配置された少なくとも1つのエアギャップを定める2つの磁束コレクション部材からなる第3の静止コレクタ構造体と、からなる。
【0004】
当該複数の磁束コレクション部材および当該複数のステータリングは、それらの間において、前記第2のステータ構造体および前記第3のコレクタ構造体の相対的な半径方向および角度方向の位置とは無関係に、磁気パーミアンス(magnetic permeance)を定めている。
【0005】
従来のセンサと比較して、かかるセンサは、ステータ部とホールプローブを備える部分との間の磁気シグナル損失を低減し、信頼性のある測定の実行に適したシグナル対ノイズ比を改善し、その機械的ストローク[図14E]上における当該センサの磁束の調節を増進し、かつ、当該ステータ部およびホールプローブを備える当該部分の相対的な位置決め公差に対するロバスト性を提供することを可能にする。
【0006】
〔従来技術の欠点〕
しかしながら、これらの改善は、ホールプローブによって検出される有用な場を乱す、外部の磁場および電磁場に対する感度を調節するものではない。
【0007】
特に、当該センサが磁気的な集まりまたは電磁放射源を含む環境に配置されたとき、それは当該センサによって供給されるシグナルを歪める外乱を受けてしまう。
【0008】
〔本発明により提供される解決策〕
これらの欠点に対処するため、本発明の目的は、当業者ならば行うであろうように外部の干渉場に対する磁気シールドを作り出すのではなく、測定エアギャップに関して特定の方法で配置された、それぞれ一次コレクションゾーンおよび二次コレクションゾーンと呼ばれる、この干渉場を集めるための2つのゾーンを、各磁束コレクタ構造体上に作り出すことである。
【0009】
本発明の原理は事実、集められた場を測定エアギャップ内にもたらすことにあるが、異なる2つの流れの方向において、最終的に干渉場の全成分が打ち消し合うことを可能にする。この観点から、限定的ではないものの好ましくは、このエアギャップ内における有用な磁束を最大化しつつ、これら2つのゾーンの相対的な位置決めをするために、二次コレクションゾーンによって集めるのと同量の干渉場を一次コレクションゾーンによって集めることと、エアギャップにおいて2つの場を互いに対して反転させることと、が求められる。
【0010】
より詳細には、エアギャップを定める(画定する)横断中央平面の一方の側に一次コレクションゾーン、および、エアギャップを定める横断中央平面の他方の側に二次コレクションゾーンを配置することにより、集められたエアギャップを横切る磁場の方向を反転する2つの磁束コレクタ構造体を組み合わせることによって、磁場反転ゾーンが作り出される。第1のコレクタ構造体の一次および二次コレクションゾーンによって集められた磁束は、種々の図においてより良く理解されるであろうように、第2の構造体の一次および二次コレクションゾーンによって集められた磁束と協働して、打ち消し合うか、または最小化される。
【0011】
本発明は、その最も一般的な意味において、ステアリングコラムのねじれを検出することが特に意図された位置センサに関する。当該位置センサは、複数の磁石を備える第1の着磁磁気ロータ構造体と、軸方向を向きかつ互いにかみ合うティースが延在する2つのリングを備える第2のステータ構造体と、少なくとも1つの感磁素子が中に配置された少なくとも1つのエアギャップを定める2つの磁束コレクション部材からなる第3の静止コレクタ構造体と、からなり、前記複数の磁束コレクション部材および前記複数のティース付きリングが、それらの間において、前記第3のコレクタ構造体に対する前記第2のステータ構造体の相対的な半径方向および角度方向の位置とは無関係に、磁気パーミアンスを定めており、前記複数のコレクション部材がそれぞれ、角度方向コレクションセクタを備える。当該位置センサは、各コレクション部材が、少なくとも1つの二次コレクションゾーンを有する少なくとも1つの延伸部の続く少なくとも1つの一次コレクションゾーンを有し、前記複数の二次コレクションゾーンが、前記エアギャップの2つの極を形成する複数の平坦な延在部において終端し、前記エアギャップの横断中央平面が、前記複数の延伸部のうちの少なくとも1つと交わる、ということを特徴とする。
【0012】
本発明はまた、単独で、または任意の技術的に考え得る組み合わせにおいて採用される、以下の特徴を有するセンサに関する:
‐前記中央平面が、前記複数の一次コレクションゾーンの複数の平面に対して平行である。
【0013】
‐前記複数の一次コレクションゾーンが、前記複数の二次コレクションゾーンに対して平行である。
【0014】
‐前記延伸部が、軸方向に、かつ前記一次コレクションゾーンの平面に対して垂直に、前記横断中央平面を越えて延在する。
【0015】
‐前記延伸部には、前記一次コレクションゾーンの平面に対して平行な二次コレクションゾーンを形成する平坦な部分が続いている。
【0016】
‐前記二次コレクションゾーンが、平行六面体形状を有する。
【0017】
‐前記二次コレクションゾーンの2つの側面には、前記角度方向コレクションセクタの方向を向き、かつ前記エアギャップの極を形成する平坦な延在部を呈するタブが延在する。
【0018】
‐前記複数の一次コレクションゾーンのうちの1つには、前記延伸部の両側において延在する少なくとも1つの二次コレクションゾーンが延在する。
【0019】
‐前記二次コレクションゾーンのうちの少なくとも1つが、前記複数の一次コレクションゾーンに対して平行な複数の接表面を有する反転領域を定めている。
【0020】
‐前記横断中央平面が、前記一次コレクションゾーンと前記複数の接表面との間に広がっている。
【0021】
‐前記複数の接表面が、前記エアギャップの方向と、前記複数のエアギャップの第2の極を形成する延在部において終端する前記一次コレクションゾーンの方向と、に延在する。
【0022】
‐前記第3のコレクタ構造体が、2つの二次コレクションゾーンを備え、第1の前記二次コレクションゾーンが、前記一次コレクションゾーンの平面に対して平行な平面内に配置され、第1の前記二次コレクションゾーンが、前記二次コレクションゾーンを介して前記一次コレクションゾーンに磁気的に結合されており、第1の前記二次コレクションゾーンの1つの前端部が、前記エアギャップの複数の極の一方を定め、前記エアギャップの前記横断中央平面が、この第1の二次コレクションゾーンと前記一次コレクションゾーンとの間に位置し、第2の前記二次コレクションゾーンが、前記一次コレクションゾーンの平面に対して平行な平面内に配置され、第2の前記二次コレクションゾーンが、複数の平坦な延在部によって前記一次コレクションゾーンに磁気的に結合されており、第2の前記二次コレクションゾーンの1つの前端部が、前記エアギャップの前記複数の極の他方を定めており、前記エアギャップの前記横断中央平面が、この第1の二次コレクションゾーンと前記一次コレクションゾーンとの間に位置する。
【0023】
‐前記二次コレクションゾーンの総面積が、前記一次コレクションゾーンの総面積に等しい。
【0024】
本発明はまた、ステアリングコラムの絶対位置を検出するための装置に関する。当該装置は、複数の磁石を備える第1の着磁磁気ロータ構造体と、軸方向を向きかつ互いにかみ合うティースが延在する2つのリングを備える第2のステータ構造体と、少なくとも1つの感磁素子が中に配置された少なくとも1つのエアギャップを定める2つの磁束コレクション部材からなる第3の静止コレクタ構造体と、からなる前記コラムのねじれに対するセンサをさらに備え、前記複数の磁束コレクション部材および前記複数のティース付きリングが、それらの間において、前記第3のコレクタ構造体に対する前記第2のステータ構造体の相対的な半径方向および角度方向の位置とは無関係に、磁気パーミアンスを定めており、前記複数のコレクション部材がそれぞれ、角度方向コレクションセクタを備え、各コレクション部材が、少なくとも1つの二次コレクションゾーンを有する少なくとも1つの延伸部の続く少なくとも1つの一次コレクションゾーンを有し、前記複数の二次コレクションゾーンが、前記エアギャップの2つの極を形成する複数の平坦な延在部において終端し、前記エアギャップの横断中央平面が、前記複数の延伸部のうちの少なくとも1つと交わる、ということを特徴とする。
【0025】
〔本発明の非限定的な実施例の詳細な説明〕
最適化された角度センサの種々の特性は、以下の図の説明を通じて、より明確に現れるだろう:
図1A
図1B図1Aおよび図1Bは、本発明による角度センサの第1の実施形態の2つの斜視図を示し、
図2A
図2B図2Aおよび図2Bは、本発明による角度センサの第2の実施形態の2つの斜視図を示し、
図3図3は、本発明による角度センサの第3の実施形態の斜視図を示し、
図4図4は、本発明による角度センサの第4の実施形態の斜視図を示し、
図5図5は、本発明による角度センサの第5の実施形態の斜視図を示し、
図6図6は、本発明による角度センサの第6の実施形態の斜視図を示し、
図7図7は、本発明による角度センサの第7の実施形態の斜視図を示し、
図8A
図8B図8Aおよび図8Bは、本発明による角度センサの第8の実施形態の2つの斜視図を示し、
図9図9は、本発明による角度センサの第9の実施形態の斜視図を示し、
図10図10は、本発明による角度センサの第10の実施形態の斜視図を示し、
図11図11は、本発明による角度センサの第11の実施形態の斜視図を示し、
図12図12は、ステアリングコラムの絶対位置を検出するための装置に結合された、本発明による角度センサの第12の実施形態の斜視図を示し、
図13図13は、本発明による角度センサの別の実施形態の斜視図を示し、
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E図14A図14Eは、一次コレクションゾーンと二次コレクションゾーンとの間の機械的および磁気的接続の実施形態の斜視図を示し、
図15図15は、軸方向に直交する平面に沿った断面図を示す。
【0026】
当該複数の図を通じて、コレクションゾーンは、センサの軸に対して略垂直であるアクティブなコレクション表面を有する、と考えられる。しかしながら、それらの向きは異なるものであり得る。側面は、これらのコレクション表面と比較して、より小さな役割を演ずる。同様に、要素およびその機能をより良く理解するために、干渉場が略軸方向を向いているか、または図9の場合には、オルソラジアル方向(orthoradial)を向いている、と単純化のために考えられなければならない。しかしながら、この場の向きはセンサの性能には影響せず、コレクションゾーンは強磁性であり、鉄-空気境界面において、その表面に対して垂直に力線を曲げる。
【0027】
〔第1の実施形態の説明〕
図1Aおよび図1Bは、ステアリングコラムに取り付けられトーションシャフトの約8度のストロークにわたる測定を実行することを意図した角度センサの第1の実施形態の斜視図を示す。以下に記載されている寸法は目安であり、異なる仕様に応じて変更することができる。
【0028】
センサは、3つの構造体からなる:
ステアリングコラムのシャフトによって駆動される、着磁ロータ構造体(100)と、
2つのティース付きリング(210、250)によって形成されたステータ構造体(200)と、
2つの感磁プローブ(301、302)を備え、かつ2つのコレクション部材(50、60)によって形成された、磁束コレクタ構造体(300)と、である。
【0029】
着磁ロータ構造体(100)は、限定的ではないものの好ましくは、内径34.8ミリメートルで、かつ外径37.8ミリメートルのリングを形成するために半径方向に磁化された、N対の磁極(110)を有する高さ7ミリメートルの管状磁石を形成する、互い違いの磁石からなり、磁石と同じ高さで、かつ内径31ミリメートルの円筒状ヨーク(120)上に据え付けられている。
【0030】
ステータ構造体(200)は、互いに対向して取り付けられ、かつ当該磁石の磁極ピッチに対応する角度だけ角度方向にずれた、2つのティース付きリング(210、250)を備える。
【0031】
これらのティース付きリング(210、250)の各々は、7ミリメートルの高さの円筒形部分の形状とすると、内径39.2ミリメートル、かつ外径49ミリメートルの円形リング(211、251)から構成されており、M個のティース(212、252)が延在し、第1の着磁ロータ構造体(100)を構成する磁石の外面と協働できるように軸方向を向いている。
【0032】
ティース(212、252)は、1つの部分について、先端における23度から根元における26度まで増加する、センサの軸から見た角度幅を示しており、その結果、ティースの根元を通る磁束の通過セクション(断面)を増大させており、この場合、使用されるシート金属の厚さは0.8ミリメートルである。
【0033】
2つのステータ(210、250)は、2つのリング(211、251)間のステータ間距離が9.75ミリメートルに達するように、4.25ミリメートルの距離にわたって互いにかみ合っている。
【0034】
コレクタ構造体(300)を構成し、かつ0.7ミリメートルのエアギャップを通じて対向する、角度方向コレクションセクタ(310、350)を備えるコレクション部材(50、60)に、これらの円形リング(211、251)は、着磁構造体(100)から来る磁束を伝えることができる。
【0035】
加えて、角度方向コレクションセクタ(310、350)は、記載した実施例では約100°の弧にわたり、ティース付きリング(210、250)の一部を覆うように、寸法決めされている。
【0036】
この寸法決めは、コレクタ構造体(300)が半径から0.5ミリメートル未満のままである限りにおいて、当該コレクタ構造体(300)に対するステータ構造体(200)の半径方向のずれに対する非感受性(insensitivity)をもたらす。
【0037】
幅4.5ミリメートルの1つまたは2つの枝部―または延伸部―(312、353、354)は、角度方向コレクションセクタ(310、350)から延在する。ステータ(210、250)の外面に対して半径方向に位置し、かつ、2つの感磁プローブ(301、302)が中に配置されてプリント回路(図示せず)によって保たれている、高さ1.75ミリメートルの2つのエアギャップ内において磁束を閉じることを、当該1つまたは2つの枝部―または延伸部―(312、353、354)は可能にする。
【0038】
角度方向セクタ(310、350)は、センサの主要なコレクションゾーンを、すなわち、センサに有用な磁束であって、複数の磁石(100)によって生み出される磁束を集めるためのゾーンを形成している。
【0039】
このシナリオでは、角度方向セクタ(310、350)は、干渉の流れが軸方向成分を有すると考えられる場合、この干渉磁束を集める一次コレクションゾーン(311、351)を形成している。
【0040】
この特定の場合において、プローブ(301、302)の感度を増大させるために、ティース付きリング(210、250)の外側において収集(コレクション)が実行され、これは内部収集の場合よりも高いセンサを必要とするが、しかし、センサの感度に関して約20%をセーブする。
【0041】
延伸部(312、353、354)は、感磁プローブ(301、302)が中に配置されたエアギャップの方へ、角度方向コレクションセクタ(310、350)のそれぞれにより集められた磁束をもたらす、磁束のコンセントレータを構成している。したがって、有用な磁束および干渉磁束は、測定エアギャップにもたらされる。
【0042】
第1の角度方向コレクションセクタ(310)については、延伸部(312)は軸方向に延在し、かつ角度方向セクタ(310)の平面に対して垂直である、ブレードの形状を有する。この平面は前記セクタの中央平面であるとみなされる。この延伸部(312)は、エアギャップおよび感磁センサ(301、302)を通過する仮想的な横断中央平面(P)を越えて延在する。この平面(P)は、ここでは、角度方向セクタ(310)の平面に対して平行である。
【0043】
この延伸部(312)には、角度方向セクタ(310)の平面に対して平行な二次コレクションゾーン(313)を形成する平坦な部分が続いている。この二次コレクションゾーン(313)は矩形形状を有するが、この形状は限定的なものではない。当該二次コレクションゾーン(313)の矩形形状は、センサの半径方向に対応する軸と、ステータ構造体(200)の接線方向に対して平行な他方の軸と、を有する側面を備える。
【0044】
両側面上において、この二次コレクションゾーン(313)には、2つのタブ(314、315)のそれぞれが延在する。当該2つのタブ(314、315)は、角度方向セクタ(310)の方向を向いており、かつ、横断平面内において、それぞれ平坦な延在部(316、317)を有する。当該平坦な延在部(316、317)は、測定エアギャップの第1の極を形成する。これらの延在部(316、317)はまた、すべての実施形態と同様に、干渉磁束の一部を集める追加のコレクションゾーンを構成している。
【0045】
エアギャップの仮想的な横断中央平面(P)は、二次コレクションゾーン(313)と一次コレクションゾーン(311)との間に位置し、かつ延伸部(312)と交わる。
【0046】
第2の角度方向コレクションセクタ(350)については、2つの延伸部(353、354)は、対向する角度方向セクタ(310)の延伸部(312)の両側に延在する。
【0047】
これら2つの延伸部(353、354)の各々は、反転ゾーンの接表面(355、356)が二次コレクションゾーン(357、358)を定める当該反転ゾーンまで、軸方向に延在するブレードの形状を有する。本発明の精神の中では、当該反転はコレクションゾーンの湾曲形状によって達成することができる。しかし、上述したように、エアギャップの中央平面(P)に対する一次および二次コレクションゾーンの相対的な位置決めによって、それはより一般的に達成される。それは、磁束が強制的に反対方向にエアギャップを流れるようにする。
【0048】
2つの感磁プローブ(301、302)を含むエアギャップを通過する仮想的な横断中央平面(P)は、一次コレクションゾーン(351)と二次コレクションゾーン(357、358)との間に延在し、延伸部(353、354)のそれぞれと交わる。
【0049】
延伸部(353、354)は、反転した後、エアギャップおよび角度方向コレクションセクタ(350)の方へ続いており、横断平面内において、それぞれ延在部(359、360)で終わり、エアギャップの第2の極を形成する。これらの延在部(359、360)は、干渉磁束の一部を集める二次コレクションゾーンを構成している。
【0050】
したがって、一次コレクションゾーン(311)、および、場合によっては延伸部(312)によって集められた干渉磁束であって、しかし第1の部材(50)の延在部(316、317)を有する二次コレクションゾーン(313)によってもまた集められた当該干渉磁束は、干渉場の初めの向きに対して、追加のコレクション表面に与えられた反転形状によって、エアギャップ内において反転される。第2の部材(60)の延在部(359、360)を有する二次コレクタ(357、358)によって集められた干渉磁束は、干渉場の初めの向きと同じ方向を、エアギャップ内において向いている。したがって、エアギャップ内における干渉場の2つの対向する循環の方向は、測定エアギャップ内において、この場を最小化するか、または打ち消し合いさえすることに役立つ。
【0051】
同様に、そして対称的に、一次コレクション表面(350)、および、場合によっては第2のコレクション部材(60)の延伸部(353、354)によって集められた干渉磁束は、主要なコレクション表面における干渉場の初めの向きに対して、第2のコレクション表面に与えられる反転形状によって、エアギャップ内において反転される。第1のコレクション部材(50)の二次コレクタ(313)によって集められた干渉磁束は、干渉場の初めの向きと同じ方向を、エアギャップ内において向いている。したがって、エアギャップ内における干渉場の2つの対向する循環の方向は、測定エアギャップ内において、この場を最小化するか、または打ち消し合いさえすることに役立つ。
【0052】
一次コレクションゾーン(311)のコレクション表面、および場合によっては延伸部(312)のコレクション表面の総和は、二次コレクションゾーン(357、358)のコレクション表面と等しくないが、これはちょうど、一次コレクションゾーン(351)のコレクション表面、および場合によっては延伸部(353、354)のコレクション表面の総和が、追加のコレクションゾーン(313)のコレクション表面と等しくないのと同様であり、エアギャップにおける外部の干渉場を完全には打ち消さないという結果となる。それにもかかわらず、この解決策は、測定された干渉場の成分を最小化するために、依然として有効である。これらの表面を等しくすることを目的として、例えば、二次コレクションゾーンの幅を容易に調整することが可能である。以下に説明する変形実施形態は、一次および二次コレクション表面を等しくしようとする手段を示すことによって、性能を改善する。
【0053】
〔他の実施形態の説明〕
図2Aおよび図2Bは、2つの二次コレクションゾーン(333、363)の追加により、上述の第1の実施例とは異なっている、変形実施形態の斜視図を示す。
【0054】
第1の二次コレクションゾーン(333)は、この実施例では、角度方向セクタ(310)の平面に対して平行な平面内に配置された、軟質強磁性材料の矩形シートによって形成され、二次コレクションゾーン(313)によってそれに磁気的に結合されており、その前端部がエアギャップの一方の極を定めている。エアギャップの仮想的な横断中央平面(P)は、この第1の二次コレクションゾーン(333)と角度方向セクタ(310)との間に位置する。
【0055】
この第1の二次コレクションゾーン(333)の表面は、一次コレクションゾーン(351)の表面、および延伸部(353、354)の表面にほぼ等しい。実際、外部の干渉場と比較して、一次コレクションゾーン(351)および延伸部(353、354)は、ここでは上から下へと向く方向に外部の場を集めて、プローブ(301、302)にもたらすのに役立ち、一方、二次コレクションゾーン(333)は、下から上へと向く方向に外部の磁場を集めて、プローブ(301、302)にもたらす。したがって、前記ゾーン(351、353、354および333)を等しくすることは、記載の循環(回路)の方向の両方に等しい磁束を集めることによって、外部の干渉磁場成分を最小化することを可能にする。
【0056】
第2の二次コレクションゾーン(363)は、この実施例では、一次コレクションゾーン(351)の平面に対して平行な平面内に配置された軟質強磁性材料の矩形シートによって形成され、平坦な延在部(359、360)を介してそれに磁気的に結合されており、その前端部の各々がエアギャップの他方の面を定めている。エアギャップの仮想的な横断中央平面(P)は、この第2の二次コレクションゾーン(363)と一次コレクションゾーン(351)との間に位置する。
【0057】
この二次コレクションゾーン(363)の表面、および二次コレクションゾーン(357、358)の表面は、一次コレクションゾーン(311、312)の表面、および二次コレクションゾーン(313)の表面にほぼ等しい。実際、外部の干渉場と比較して、一次コレクションゾーン(311)、延伸部(312)および二次コレクションゾーン(333)は、ここでは下から上へと向く方向に外部の場を集めて、プローブ(301、302)にもたらすのに役立ち、一方、二次コレクションゾーン(363)および二次コレクションゾーン(357、358)は、上から下への方向に外部の磁場をプローブ(301、302)にもたらす。したがって、前記ゾーン(363、357、358および310、312)を等しくすることは、外部の干渉磁場成分を最小化することを可能にする。
【0058】
図3は、代替実施形態の斜視図を示すが、これは、センサの直径をよりコンパクトにさせるために、一次コレクションゾーン(311、351)に張り出すように2つの二次コレクションゾーン(333、363)を配置する点において、図2Aおよび図2Bの実施形態と異なっている。
【0059】
第1の二次コレクションゾーン(333)は、この実施例では、一次コレクションゾーン(350)の真上に配置され、かつ一次コレクションゾーン(311)の平面に対して平行な平面内に位置する軟質強磁性材料で作られたシートによって形成され、二次コレクションゾーン(313)を介してそれに磁気的に結合されており、その前端部がエアギャップの一方の極を定めている。エアギャップの中央平面(図示せず)は、この第1の二次コレクションゾーン(333)と一次コレクションゾーン(311)との間に位置する。
【0060】
第2の二次コレクションゾーン(363)は、この実施例では、一次コレクションゾーン(311)に沿って配置され、かつ一次コレクションゾーン(351)の平面に対して平行な平面内に位置する軟質強磁性材料のシートによって形成され、平坦な延在部(359、360)を通じてそれに磁気的に結合されており、その前端部の各々がエアギャップの他方の極を定めている。エアギャップの中央平面(図示せず)は、この第1の二次コレクションゾーン(363)と一次コレクションゾーン(351)との間に位置する。
【0061】
図4は、本発明によるセンサの第4の実施形態を示す。図1Aおよび図1Bに示す実施形態と比較して、二次コレクションゾーン(357、358)、すなわち角度方向コレクションゾーン(350)の延伸部は、2つの二次コレクションゾーン(365、366)を形成する強磁性シートによって相互接続され、二次コレクションゾーン(316、317)、すなわち角度方向コレクションセクタ(310)の延伸部は、2つの二次コレクションゾーン(375、376)を形成する強磁性シートによって相互接続されている。この実施形態は特に、図1Aおよび1Bの実施形態と比較して、二次コレクションゾーン全体の表面積を増大させ、かつ情報の冗長性を生み出すために、第3の感磁プローブ(303)を配置することを可能にする。プローブ(301、302、303)におけるエアギャップの複数の横断中央平面(図示せず)は、一方では一次コレクションゾーン(311、351)、他方では二次コレクションゾーン(357、358、365、366、375、376)の間に位置している。当該複数の中央平面はこのことが必須ではないものの、好ましくは同一平面上にあり、起こり得る生産上の理由により、平面は互いに対して軸方向にずれることができる。同様に、一方では二次コレクションゾーン(365、366)を、他方では二次コレクションゾーン(375、376)を作り出す強磁性シートは、このことが本発明に必須ではないものの、好ましくはそれぞれコレクタ(50、60)の一体部分である。実際、それらは別個の取り付けられたシートであり得る。
【0062】
図5は、図2Aおよび図2Bに示されたものと類似の変形実施形態であるが、二次コレクションゾーン(333、363)が、それぞれコレクション部材(50、60)の一体部分のシートであるという点において、および、前記二次コレクションゾーン(333、363)の全体的な形状が、異なるコレクション表面を生み出す図2Aおよび図2Bに示されたものとは異なるものであるという点において、相異がある。この最後の特徴は、これらの二次コレクションゾーン(333、363)を定めるため、本発明によって許容される自由を示している。
【0063】
図6は、一次コレクションゾーン(311)に、図5に示された変形例と同様の方法で、二次コレクションゾーン(333)が延在する変形実施形態を示す。しかしながら、一次コレクションゾーン(351)には、前記二次コレクションゾーン(357、358)のコレクション表面を増大させることができるように、オルソラジアル方向に開く2つの二次コレクションゾーン(357、358)が延在する。
【0064】
図7は、一次コレクションゾーン(311)に、2つの二次コレクションゾーン(313A、313B)を定める2つの延伸部(312A、312B)がここでは延在するという点を除いて、図1Aおよび図1Bに示されたものと類似の変形実施形態を示す。
【0065】
図8Aおよび8Bにおいて、使用される2つのプローブ(300、301)は、同一の半径上に配置されており、第2のプローブ(301)は、複数の磁石の第1のプローブ(300)よりも半径方向に遠く離れている。この目的のために、一次コレクションゾーン(311)には、第1のプローブ(300)の上方において半径方向に延在する二次コレクションゾーン(358)が、延伸部(312)を越えて延在する。
【0066】
図9は、示された他の実施形態に対して90°のプローブの感度の軸を示すように当該プローブが向いた一実施形態を示す。当該感度の軸はオルソラジアル方向であり、センサの回転軸に対して垂直である。この非限定的な実施例では、角度方向セクタ(310、350)は、軸方向に延在する延伸部(312、353)を有する。当該延伸部(312、353)は、オルソラジアル方向を向き、かつプローブ(300)が中に配置された測定エアギャップを定める、2つの平坦な延在部(316、359)において終端する。この実施形態では、角度方向セクタ(310、350)は、磁束の一次コレクションゾーンであるが、一次コレクションゾーンであることは特に意図されていない。実際、この構成において、プローブ(300)は干渉場のオルソラジアル方向成分に対して感度が高く、角度方向セクタ(310、350)はそれらのエッジによって干渉磁束を集めることに関与するだけである。
【0067】
干渉磁束を集め、二次コレクションゾーンを形成する2つの平坦な延在部(316、359)によって集められるものとは反対の方向に当該干渉磁束を測定エアギャップ内にもたらすために、延伸部(312、353)は一次コレクション表面(311、351)を有する。
【0068】
図10は、延伸部(312、353、354)に、末端(終端)が湾曲した二次コレクションゾーン(313、357、358)が続いているという点を除き、図1Aおよび図1Bに示されたものと類似の変形実施形態を示す。二次コレクションゾーン(357、358)の端部は、下方へ、そして複数の磁石の中心の方へ湾曲する一方、二次コレクションゾーン(313)の端部は回転軸に対して平行に延在し、上方に湾曲する。両者は互いに近接する。このバリエーションは、追加の磁束収集(コレクション)の調節(修正)を可能にする。
【0069】
本発明の意味の範囲内において、上記で提示されたさまざまな変形例はほんの数例の実施の仕方にすぎない、ということが理解される。もちろん、本発明の範囲から逸脱することなく、形状、大きさ、および相対的な位置決めの観点において、示されたさまざまな変形例を、少なくとも部分的に組み合わせることによって、さらなる変形例を考えることが可能である。したがって、干渉磁束に関して有用な磁束の反転を有する2つのエアギャップのうちの1つのエアギャップのみを有することを考え、次いで、干渉磁束の成分を打ち消すために、2つのプローブによって読み取られる2つのシグナルの代数的な合成を実行することも可能である。この最後のものの変形例を図11に示す。コレクション部材(50、60)の最も右側の延伸部(312、354)は、従来技術の延伸部と同一であり、磁束の反転は、上述の教示にしたがい、最も左側に位置する延伸部からのみ起こる。
【0070】
図12は、本発明により定められるような位置センサと絶対位置検出装置との結合を示す。この非限定的な実施例では、図1A図1Bにおいて定められるような位置センサは、文献WO2012084288に記載されたものに類似の装置と結合している。後者の装置は、磁気的なバーニア(vernier)による測定原理を用いて、ステアリングコラムの複数回転にわたって、その絶対位置を決定するためのものである。バーニア型装置は特に、ティース付きメインホイール(1000)を備え、好ましくは、着磁構造体(100)に固定される。したがって、ステアリングコラムの回転は、メインホイール(1000)の回転を引き起こし、それは次いで、着磁遊星ホイール(1001、1002)の回転を引き起こし、それは感磁プローブ(1003、1004)におけるシグナルの発生をもたらす。このように、ステアリングコラムの複数回転にわたってステアリングコラムの絶対角度方向位置を得ることが可能である。
【0071】
もちろん、任意の絶対位置検出装置とともに、本発明による位置センサの任意の変形例を使用することが想定でき、図12のこの実施例は、その実施形態においていかなる点でも限定的なものではない。
【0072】
図13は、コレクション部材のうちの1つだけがプローブ(300、301)の横断平面(図示せず)と交わる実施形態を示す。実際、部材(60)および一次コレクションゾーン(351)の延伸部(353、354)のみが、この平面と交わり、部材(50)および一次コレクションゾーン(311)の延伸部(312)は、前記一次コレクションゾーン(311)と同一平面上にある。
【0073】
図14Aは、一次コレクションゾーン(311、351)と二次コレクションゾーン(313、363)との間の機械的および磁気的接続の実施形態を示す。この実施形態では、この接続が、延伸部(312、353)のエリアにおける相補的な櫛形状(3121、3122;3531、3532)の協働により、確実にされる。かかるアセンブリは、いわゆる軸方向の「積み重ね(stacking)」法を用いて、コレクタアセンブリを取り付けることを可能にする。
【0074】
図14Bは、一次コレクションゾーン(311、351)と二次コレクションゾーン(313、363)との間の機械的および磁気的接続の代替実施形態を示す。この実施形態では、二次コレクションゾーン(313、363)はその端部に、クリッピングによる接続を達成するために、延伸部(312、353)の平坦な端部(3121、3532)と協働するU字形の曲がり部分(3122、3151)を有する。かかるアセンブリは、追加のコレクタが半径方向の移動によって取り付けられることを可能にする。
【0075】
図14Cは、一次コレクションゾーン(311、351)と二次コレクションゾーン(313、363)との間の機械的および磁気的接続の代替実施形態を示す。この実施形態では、二次コレクションゾーン(313、363)はその端部に、クリッピングによる接続を達成するために、延伸部(312、353)の平坦な端部(3121、3532)と協働するU字形の曲がり部分(3122、3151)を有する。この実施形態は、U字形の曲がり部分が軸方向を向いている点において、図14Bに示された先の実施形態と異なっている。かかるアセンブリは、いわゆる軸方向の「積み重ね」法を用いて、コレクタアセンブリを取り付けることを可能にする。
【0076】
図14Dは、一次コレクションゾーン(311、351)と二次コレクションゾーン(313、363)との間の機械的および磁気的接続の代替実施形態を示す。この変形例では、一次および二次コレクションゾーンは、延伸部(312、353)においてシートを曲げることによって、単一部品として製造される。この場合には、コレクタ間における磁気的および機械的接続が理想的である。
【0077】
図14Eは、一次コレクションゾーン(311、351)と二次コレクションゾーン(313、363)との間の機械的および磁気的接続の代替実施形態を示す。この実施形態では、二次コレクションゾーン(313、363)は延伸部(312、353)の平坦な端部(3121、3532)と協働する平坦な端部(3122、3151)を有し、コレクタ間の接続は接触表面における溶接によって確実にされる。この変形例では、追加のコレクタが、測定エアギャップにおいて主要コレクタ上に重ねられる。
【0078】
図15は、軸方向に直交する平面に沿った断面図を示す。この図は、着磁磁気ロータ構造体(100)から来る磁束(111)の経路と、一次(310)および二次(363)コレクションゾーンによってそれぞれ集められた干渉磁束(111、112)の経路と、を描写している。この図は、プローブ(301)を通過する干渉場(111、112)の対照を際立たせており、それは前記プローブ(301)における2つの磁束コレクション部材(50、60)の機械的結合による。プローブによって感知される干渉場の打ち消しは、一次(310)および二次(363)コレクションゾーンの寸法決めによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1A】本発明による角度センサの第1の実施形態の2つの斜視図を示す。
図1B】本発明による角度センサの第1の実施形態の2つの斜視図を示す。
図2A】本発明による角度センサの第2の実施形態の2つの斜視図を示す。
図2B】本発明による角度センサの第2の実施形態の2つの斜視図を示す。
図3】本発明による角度センサの第3の実施形態の斜視図を示す。
図4】本発明による角度センサの第4の実施形態の斜視図を示す。
図5】本発明による角度センサの第5の実施形態の斜視図を示す。
図6】本発明による角度センサの第6の実施形態の斜視図を示す。
図7】本発明による角度センサの第7の実施形態の斜視図を示す。
図8A】本発明による角度センサの第8の実施形態の2つの斜視図を示す。
図8B】本発明による角度センサの第8の実施形態の2つの斜視図を示す。
図9】本発明による角度センサの第9の実施形態の斜視図を示す。
図10】本発明による角度センサの第10の実施形態の斜視図を示す。
図11】本発明による角度センサの第11の実施形態の斜視図を示す。
図12】ステアリングコラムの絶対位置を検出するための装置に結合された、本発明による角度センサの第12の実施形態の斜視図を示す。
図13】本発明による角度センサの別の実施形態の斜視図を示す。
図14A】一次コレクションゾーンと二次コレクションゾーンとの間の機械的および磁気的接続の実施形態の斜視図を示す。
図14B】一次コレクションゾーンと二次コレクションゾーンとの間の機械的および磁気的接続の実施形態の斜視図を示す。
図14C】一次コレクションゾーンと二次コレクションゾーンとの間の機械的および磁気的接続の実施形態の斜視図を示す。
図14D】一次コレクションゾーンと二次コレクションゾーンとの間の機械的および磁気的接続の実施形態の斜視図を示す。
図14E】一次コレクションゾーンと二次コレクションゾーンとの間の機械的および磁気的接続の実施形態の斜視図を示す。
図15】軸方向に直交する平面に沿った断面図を示す。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15