(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】触媒前駆体材料を調製するための方法
(51)【国際特許分類】
C07F 7/08 20060101AFI20240703BHJP
C07F 7/30 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
C07F7/08 B
C07F7/30
(21)【出願番号】P 2021557635
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(86)【国際出願番号】 US2020025239
(87)【国際公開番号】W WO2020205525
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-13
(32)【優先日】2019-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】デバラジ、ジャヤチャンドラン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チュンミン
(72)【発明者】
【氏名】ファイスト、ショーン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】パン、ヘキ
(72)【発明者】
【氏名】ブレイロック、ドニー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ガレスピー、イアン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ヘイダー、パトリック エル.
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス、クラーク エス.
(72)【発明者】
【氏名】イヴォン-ベセット、アンドレ
【審査官】藤代 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-509143(JP,A)
【文献】国際公開第2018/164658(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0010586(US,A1)
【文献】特表2020-515677(JP,A)
【文献】国際公開第2018/183056(WO,A1)
【文献】特表2012-509890(JP,A)
【文献】国際公開第2018/022975(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 7/08
C07F 7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
ハロゲン化アルカンと、少なくとも1つの溶媒と、ジハロ置換第14族メタロイドまたは有機リチウム試薬のうちの1つから選択される第1の成分とを含む第1の溶液を第1の反応ゾーンで混合することと、
前記第1の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することと、
第2の溶液を前記第2の反応ゾーンに連続的に添加することであって、前記第2の溶液が少なくとも1つの溶媒と、前記ジハロ置換第14族メタロイドまたは前記有機リチウム試薬のうちの1つから選択される第2の成分とを含み、前記第2の成分が前記第1の成分とは異なる、添加することと、
前記第2の反応ゾーンで前記第1の溶液と前記第2の溶液とを混合することと、を含
み、
前記ジハロ置換第14族メタロイドが、ケイ素、ゲルマニウム、またはこれらの組み合わせを含み、さらに(a)2つのハロゲン化置換基、および(b)2つの追加の置換基を含む、第14族メタロイドを含む、方法。
【請求項2】
前記第1の成分が前記ジハロ置換第14族メタロイドであり、前記第2の成分が前記有機リチウム試薬である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の成分が前記有機リチウム試薬であり、前記第2の成分が前記ジハロ置換第14族メタロイドである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ジハロ置換第14族メタロイドがジクロロジイソプロピルシラン、ジ-tert-ブチルジクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、ジクロロジイソプロピルゲルマン、ジ-tert-ブチルジクロロゲルマン、ジクロロジフェニルゲルマン、またはそれらの組み合わせを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記有機リチウム試薬がn-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、メチルリチウム、またはそれらの組み合わせを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ハロゲン化アルカンがジハロゲン化メタンを含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記反応ゾーンが0℃~-90℃の温度を有する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
方法であって、
有機リチウム試薬、ハロゲン化アルカン、および少なくとも1つの溶媒を第1の反応ゾーンで反応させて、第1の溶液を形成することと、
前記第1の溶液および第2の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することであって、前記第2の溶液がジハロ置換第14族メタロイドおよび少なくとも1つの溶媒を含む、添加することと、
前記第2の反応ゾーンで前記第1の溶液と前記第2の溶液とを混合することと、を含
み、
前記ジハロ置換第14族メタロイドが、ケイ素、ゲルマニウム、またはこれらの組み合わせを含み、さらに(a)2つのハロゲン化置換基、および(b)2つの追加の置換基を含む、第14族メタロイドを含む、方法。
【請求項9】
前記第1の溶液を前記第1の反応ゾーンに連続的に添加する前に、第1の溶液の前記有機リチウム試薬および前記ハロゲン化アルカンを0℃~-90℃の温度に別々に冷却することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ジハロ置換第14族メタロイドがジクロロジイソプロピルシラン、ジ-tert-ブチルジクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、ジクロロジイソプロピルゲルマン、ジ-tert-ブチルジクロロゲルマン、ジクロロジフェニルゲルマン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記有機リチウム試薬がn-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、メチルリチウム、またはそれらの組み合わせを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ハロゲン化アルカンがジハロゲン化メタンを含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの溶媒がエーテル系溶媒、アルキル溶媒、芳香族溶媒、またはそれらの組み合わせを含む、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の溶液が前記第2の反応ゾーンに連続的に添加される前に、前記第1の溶液が0℃~-90℃の温度に冷却される、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の反応ゾーンおよび前記第2の反応ゾーンのうちの少なくとも1つが、-40℃~-70℃の温度を有する、請求項8~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般に、ジハロ置換メタロイドから触媒前駆体材料を調製するための方法に関する。特に、本明細書は、連続付加反応において、ジハロ置換第14族メタロイド、ハロゲン化アルカン、有機リチウム試薬、および溶媒から触媒前駆体材料を調製するための方法に関する。
【0002】
背景技術
直鎖状低密度エチレンベースのポリマーは、包装製品、衛生用品、および医療製品の高まる需要に対応するために設計され、ますます使用されている。ジハロ置換メタロイドを使用して、直鎖状低密度エチレンベースのポリマー樹脂を生成する反応触媒を形成することができる。しかし、これらのジハロ置換メタロイドを生成するために使用される溶液は、穏やかな条件でも解離する傾向があるので、生成が困難であり費用がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ジハロ置換メタロイドからこれらの触媒前駆体材料を調製するための現在の方法は、バッチ反応を必要とし、これは熱的に不安定であり、バッチごとに純度の変動をもたらす。したがって、これらの触媒前駆体材料を生成するための代替方法が必要である。例えば、出力を増加させ、ジハロ置換メタロイドを形成する反応物の温度を容易にかつ一貫して制御することができるプロセスが望まれている。
【0004】
一実施形態によれば、方法は、ハロゲン化アルカンと、少なくとも1つの溶媒と、ジハロ置換第14族メタロイドまたは有機リチウム試薬のうち1つから選択される第1の成分とを含む第1の溶液を第1の反応ゾーンで混合することと、第1の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することと、第2の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することであって、第2の溶液が、少なくとも1つの溶媒と、ジハロ置換第14族メタロイドまたは有機リチウム試薬のうちの1つから選択される第2の成分とを含み、第2の成分が第1の成分とは異なる、添加することと、第2の反応ゾーンで第1の溶液と第2の溶液とを混合することと、を含む。
【0005】
他の実施形態によれば、方法は、第1の反応ゾーンにおいて、有機リチウム試薬、ハロゲン化アルカン、および少なくとも1つの溶媒を反応させて、第1の溶液を形成することと、第1の溶液および第2の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することであって、第2の溶液がジハロ置換第14族メタロイドおよび少なくとも1つの溶媒を含む、添加することと、第2の反応ゾーンで第1の溶液と第2の溶液とを混合することと、を含む。
【0006】
追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載され、その説明から当業者には、ある程度は容易に明らかになるであろうし、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、ならびに添付の図面を含む本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識されることになろう。
【0007】
上記の一般的な説明および下記の発明を実施するための形態の両方は、様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概要または枠組みの提供を意図していることを理解されたい。添付の図面が、様々な実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書の一部に組み込まれ、それを構成する。図面は、本明細書に記載される様々な実施形態を例示し、説明と共に、特許請求される主題の原則および動作を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本明細書に開示および記載される1つ以上の実施形態による触媒前駆体材料を調製するためのシステムを模式的に示す。
【
図2】
図2は、本明細書に開示および記載される1つ以上の実施形態による触媒前駆体材料を調製するための代替システムを模式的に示す。
【
図3】
図3は、本明細書に開示および記載される1つ以上の実施形態に従って生成された触媒前駆体材料のガスクロマトグラフィー(GC)スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、ジハロ置換メタロイドから触媒前駆体材料を調製するための方法の実施形態を詳細に参照する。可能な限り常に、同一または類似の部分を参照するために、図面全体を通して同じ参照番号を使用する。
【0010】
本明細書で使用される場合、「メタロイド」という用語は、金属と非金属の特性の間の特性を有するか、またはそれらの混合物である化学元素を指す。
【0011】
本明細書で使用される場合、「第14族メタロイド」という用語は、IUPAC周期表の第14族のメンバーであるメタロイドを指す。第14族メタロイドの例には、ケイ素およびゲルマニウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0012】
本明細書で使用される場合、「ジハロ置換第14族メタロイド」という用語は、(a)2つのハロゲン化置換基および(b)2つの追加の置換基を含む第14族メタロイドを指す。2つのハロゲン化置換基には、フッ素、臭素、塩素、およびヨウ素が含まれ得るが、これらに限定されない。2つのハロゲン化置換基は、互いに同一であっても、または互いに異なっていてもよい。2つの追加の置換基は、互いに同一であっても、または互いに異なっていてもよい。実施形態では、追加の置換基には、イソプロピル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、またはそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0013】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン化アルカン」という用語は、(a)1個の炭素原子から3個の炭素原子、および(b)少なくとも1つのハロゲン化置換基を含む任意のアルカンを指す。少なくとも1つのハロゲン化置換基は、フッ素、臭素、塩素、およびヨウ素を含み得るが、これらに限定されない。実施形態では、ハロゲン化アルカンは、ジハロゲン化メタンを含み得る。
【0014】
本明細書で使用される場合、「有機リチウム試薬」という用語は、少なくとも1つの炭素-リチウム結合を含む任意の有機金属化合物を指す。
【0015】
本明細書で使用される場合、「溶媒」という用語は、ジハロ置換第14族メタロイド、有機リチウム試薬、またはハロゲン化アルカンのうちの1つ以上を溶解することができる任意の物質を含む。適切な溶媒には、任意のエーテル系溶媒、アルキル溶媒、または芳香族溶媒が含まれ得るが、これらに限定されない。溶媒は、本明細書に記載のシステムのいずれかに単独で、または任意の組み合わせで存在し得る。
【0016】
適切なエーテル系溶媒の例には、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、および1,2-ジメトキシエタンが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0017】
適切なアルキル溶媒の例には、1個の炭素原子から40個の炭素原子を含む任意のアルカンが含まれ得るが、これらに限定されない。実施形態では、アルキル溶媒は、5個の炭素原子から7個の炭素原子を含む。
【0018】
適切な芳香族溶媒の例には、任意の適切なアルキルベンゼン化合物が含まれ得る。適切な芳香族溶媒の特定の例には、ベンゼン、C2-ベンゼン、C3-ベンゼン、またはC4-ベンゼンが含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
実施形態では、触媒前駆体材料を調製するための方法は、有機リチウム試薬、ハロゲン化アルカン、および少なくとも1つの溶媒を含む第1の溶液を第1の反応ゾーンに連続的に添加することと、第1の反応ゾーンで第1の溶液を混合することと、第1の溶液と、ジハロ置換第14族メタロイドおよび少なくとも1つの溶媒を含む第2の溶液とを第2の反応ゾーンに連続的に添加することと、第2の反応ゾーンで第1の溶液と第2の溶液とを混合することと、を含む。
【0020】
さらなる実施形態では、触媒前駆体材料を調製するための方法は、ハロゲン化アルカンと、少なくとも1つの溶媒と、ジハロ置換第14族メタロイドまたは有機リチウム試薬のうち1つから選択される第1の成分とを含む第1の溶液を第1の反応ゾーンで混合することと、第1の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することと、第2の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することであって、第2の溶液が、少なくとも1つの溶媒と、ジハロ置換第14族メタロイドまたは有機リチウム試薬のうちの1つから選択される第2の成分とを含み、第2の成分が第1の成分とは異なる、添加することと、第2の反応ゾーンで第1の溶液と第2の溶液とを混合することと、を含む。
【0021】
触媒前駆体材料を形成するための従来の方法は、その場限りの方法で行われるバッチ生成方法を含む。従来の方法は、アセトン-ドライアイス浴で少なくとも-70℃に冷却される容器内で、溶媒中にジハロ置換第14族メタロイドおよびハロゲン化アルカンを含む供給溶液を調製することを含む。有機リチウム試薬は、6時間などの数時間にわたって容器に添加し、必ず有機リチウム試薬を容器の壁に向けて、冷却させてから他の反応物と混合する。しかし、このようなバッチ生成方法は、予期しない、または制御されない温度変化から生じ得るエラーがしばしば生じる。これらのエラーは、触媒前駆体材料の純度に悪影響を与える可能性がある。
【0022】
対照的に、
図1~3に示す実施形態のシステムは、反応物が1つ以上の反応ゾーンに連続的に供給される連続合成システムである。本明細書に記載の
図1~3に示す実施形態は、触媒前駆体材料を調製するための適切なシステムを提供する。
【0023】
ここで
図1を参照して、連続ストリームを反応ゾーンに供給することによって触媒前駆体材料を生成するためのシステムおよび方法を説明する。
図1に示す触媒前駆体材料生成システム100の実施形態では、第1の試薬供給タンク110の内容物は、第1の試薬供給タンク110をプレクーラー120に流体的に結合する第1の試薬供給ストリーム112によってプレクーラー120に導入される。第1の試薬供給タンク110は、任意選択でその内容物を混合する機能を備えた、冷却容器などの任意の適切な貯蔵装置を含み得る。さらに、第1の試薬供給タンク110およびプレクーラー120は、単一の一体型物理的ユニット(
図1には不図示)または互いに流体的に結合されている別々の物理的ユニットであり得ることを理解されたい。
【0024】
第1の試薬供給タンク110の内容物がプレクーラー120に導入される前に、熱交換器を、第1の試薬供給ストリーム112に沿ったどこにでも任意選択で追加して、第1の試薬供給タンク110の内容物をさらに冷却することができる。実施形態によれば、第1の試薬供給タンク110の内容物は、任意選択で溶媒中の、ジハロ置換第14族メタロイドとハロゲン化アルカンとの混合物を含み得る。実施形態では、溶媒は、エーテル系溶媒、アルキル溶媒、芳香族溶媒、またはそれらの組み合わせである。
【0025】
実施形態では、システムの第1の試薬供給タンク110に最初に存在するジハロ置換第14族メタロイドは、ジクロロジイソプロピルシラン、ジ-tert-ブチルジクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、ジクロロジイソプロピルゲルマン、ジ-tert-ブチルジクロロゲルマン、ジクロロジフェニルゲルマン、またはそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、第1の試薬供給タンク110に存在するジハロ置換第14族メタロイドは、ジクロロジイソプロピルシランである。
【0026】
実施形態では、ハロゲン化アルカンはまた、最初にシステムの第1の試薬供給タンク110内に存在するか、またはシステムのプレクーラー120に追加され得る(
図1には不図示)。ハロゲン化アルカンは、ジハロゲン化メタンなどの任意の適切なハロゲン化アルカンであり得る。適切なジハロゲン化メタンの例には、ジブロモメタン、ジクロロメタン、ジフルオロメタン、ジヨードメタン、ブロモクロロメタン、ブロモフルオロメタン、ブロモヨードメタン、クロロフルオロメタン、クロロヨードメタン、フルオロヨードメタン、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、第1の試薬供給タンク110に最初に存在するハロゲン化アルカンは、ブロモクロロメタンである。
【0027】
実施形態によれば、その成分を混合する装置を含み得るプレクーラー120の内容物が所望の容量になると、プレクーラー120の内容物は、プレクーラー120を反応ゾーン130に流体的に結合する供給ストリーム114によって反応ゾーン130に連続的に添加される。
【0028】
第1の試薬供給タンク110内の様々な成分の濃度は、供給ストリーム114が反応ゾーン130に追加される前の任意の点で、例えば第1の試薬供給タンク110などで、第1の試薬供給ストリーム112、プレクーラー120、または供給ストリーム114へ、溶媒を追加することによって変更できることを理解されたい。理論に拘束されるものではないが、ジハロ置換第14族メタロイドおよび/またはハロゲン化アルカンの濃度が高すぎるか低すぎる場合、成分の希釈、反応速度の制御、混合制御、およびシステムの温度維持に悪影響を与えると考えられる。
【0029】
同時に、第2の試薬供給タンク140の内容物は、第2の試薬供給タンク140を熱交換器150に流体的に結合する第2の試薬供給ストリーム116によって熱交換器150を介して供給される。第2の試薬供給タンク140は、任意選択でその内容物のいずれかを混合する機能を備えた、冷却容器などの任意の適切な貯蔵装置を含み得る。第2の試薬供給タンク140および熱交換器150は、単一の一体型物理的ユニット(
図1には不図示)または別々の物理的ユニットであり得ることをさらに理解されたい。
【0030】
反応ゾーン130に連続的に添加される前に、供給ストリーム114および供給ストリーム118の内容物は、プレクーラー120および熱交換器150で冷却されるなど、0℃~-90℃の温度に冷却される。実施形態では、供給ストリーム114および供給ストリーム118は、反応ゾーン130に連続的に導入される前に、独立して、-5℃~-90℃の温度、例えば、-10℃~-90℃、-15℃~-90℃、-20℃~-90℃、-25℃~-90℃、-30℃~-90℃、-35℃~-90℃、-40℃~-90℃、-45℃~-90℃、-50℃~-90℃、-55℃~-90℃、-60℃~-90℃、-65℃~-90℃、-70℃~-90℃、-75℃~-90℃、-80℃~-90℃、または-85℃~-90℃に冷却される。いくつかの実施形態では、供給ストリーム114および供給ストリーム118は、反応ゾーン130に連続的に導入される前に、独立して、0℃~-85℃の温度、例えば、0℃~-80℃、0℃~-75℃、0℃~-70℃、0℃~-65℃、0℃~-60℃、0℃~-55℃、0℃~-50℃、0℃~-45℃、0℃~-40℃、0℃~-35℃、0℃~-30℃、0℃~-25℃、0℃~-20℃、0℃~-15℃、または0℃~-10℃に冷却される。実施形態では、供給ストリーム114および供給ストリーム118は、反応ゾーン130に連続的に導入される前に、独立して、-20℃~-80℃の温度、例えば、-30℃~-70℃、-35℃~-65℃、-40℃~-60℃、または-45℃~-55℃に冷却される。理論に拘束されるものではないが、反応ゾーン130への有機リチウム試薬の添加は、発熱反応を引き起こすと考えられるので、システムを適切な温度に冷却して、内容物が記載の適切な範囲外の温度で反応ゾーン130に導入されるときに生じる反応のうちの1つ以上の損傷を回避することが必要である。前述のように、反応ゾーン130に入る内容物は、例えば、熱交換器150などの任意の適切な冷却装置によって冷却され得る。
【0031】
実施形態によれば、第2の試薬供給タンク140の内容物は、有機リチウム試薬を含む。実施形態では、システムの第2の試薬供給タンク140内に最初に存在する有機リチウム試薬は、任意の適切な有機リチウム試薬を含み得る。適切な有機リチウム試薬の例には、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、メチルリチウム、またはそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、第2の試薬供給タンク140に最初に存在する有機リチウム試薬は、n-ブチルリチウムである。
【0032】
熱交換器150に供給される有機リチウム試薬を希釈するために、任意選択で、ある量の溶媒を、第2の試薬供給タンク140に、および/または第2の試薬供給ストリーム116に沿った任意の点で添加することができる。第2の試薬供給ストリーム116が熱交換器150を通過すると、熱交換器150を反応ゾーン130と流体的に結合する、冷却された供給ストリーム118によって反応ゾーン130に供給さる。実施形態では、溶媒は、エーテル系溶媒、アルキル溶媒、芳香族溶媒、またはそれらの組み合わせである。
【0033】
例えば、塩化アンモニウムなどのクエンチ剤を含むクエンチポット122は、過剰量の有機リチウム試薬が第2の試薬供給ストリーム116を通過し、システムの他の構成要素(反応ゾーン130など)に分配され、それによってプロセスの混乱が引き起こされる場合、任意選択で第2の試薬供給ストリーム116に沿った任意の点で提供され得る。しかし、クエンチポット122は、
図1に示す触媒前駆体材料生成システム100における単なる任意選択の構成要素であり、触媒前駆体材料生成システム100によって生成される生成物の純度に影響を及ぼさない。いくつかの実施形態では、クエンチ剤は、例えば、プレクーラー120、熱交換器150、または反応ゾーン130などの、反応をクエンチするために必要に応じて、前駆体材料生成システム100の任意の構成要素に添加され得ることを理解されたい。しかし、いくつかの実施形態は、クエンチを含まない。
【0034】
第1の試薬供給タンク110および第2の試薬供給タンク140の内容物が反応ゾーン130に連続的に添加された後、反応ゾーン130の内容物は混合されて、触媒前駆体材料160を生成する。反応ゾーン130の条件は、0℃~-90℃の温度で維持され、反応ゾーン130内でのその内容物の滞留時間は、0.1秒~120分である。理論に拘束されるものではないが、反応ゾーン130の温度範囲は、そのような方法によって生成された触媒前駆体材料160が所望の生成物を生成することを可能にすると考えられる。適切な反応ゾーン130の装置は、管状反応器または攪拌タンク反応器を含み得るが、これらに限定されない。実施形態では、触媒前駆体材料生成システム100は、さらに、窒素ブランケット、1つ以上の熱電対、および/またはサンプリングポートを含み得る。
【0035】
実施形態では、反応ゾーン130は、第1の試薬供給タンク110および/または第2の試薬供給タンク140の内容物のいずれかの連続添加中に冷却される。実施形態では、反応ゾーン130は、内容物の連続導入中、0℃~-90℃、およびそれらの間のすべての範囲および部分的な範囲の温度を有する。実施形態では、反応ゾーン130は、-5℃~-90℃、例えば、-10℃~-90℃、-15℃~-90℃、-20℃~-90℃、-25℃~-90℃、-30℃~-90℃、-35℃~-90℃、-40℃~-90℃、-45℃~-90℃、-50℃~-90℃、-55℃~-90℃、-60℃~-90℃、-65℃~-90℃、-70℃~-90℃、-75℃~-90℃、-80℃~-90℃、または-85℃~-90℃の温度を有する。いくつかの実施形態では、反応ゾーン130は、0℃~-85℃、例えば、0℃~-80℃、0℃~-75℃、0℃~-70℃、0℃~-65℃、0℃~-60℃、0℃~-55℃、0℃~-50℃、0℃~-45℃、0℃~-40℃、0℃~-35℃、0℃~-30℃、0℃~-25℃、0℃~-20℃、0℃~-15℃、または0℃~-10℃の温度を有する。実施形態では、反応ゾーン130は、-20℃~-80℃、例えば、-30℃~-70℃、-35℃~-65℃、-40℃~-60℃、または-45℃~-55℃の温度を有する。理論に拘束されるものではないが、反応ゾーン130の記載の温度範囲は、適切な触媒前駆体材料の生成を可能にすると考えられる。反応ゾーン130は、任意の適切な装置によって冷却され得る。
【0036】
反応ゾーン130内での内容物の滞留時間は、前述の実施形態に基づいて、0.1秒~120分の範囲、ならびにそれらの間のすべての範囲および部分的な範囲であり得る。ここで、「滞留時間」という用語は、内容物のうちのいずれか1つ以上が反応ゾーンに留まる平均時間として定義される。これは、反応ゾーンの体積を、反応ゾーン内のいずれか1つ以上の内容物の総体積流量で割ることによって測定される。実施形態では、反応ゾーン130内の内容物の滞留時間は、1秒~120分、10秒~120分、30秒~120分、1分~120分、5分~110分、10分~100分、20分~90分、25分~75分、30分~70分、35分~65分、40分~60分、0.1秒~30分、0.1秒~10分、0.1秒~5分、0.1秒~1分、0.1秒~30秒、1秒~10分、1秒~5分、1秒~1分、または1秒~30秒の範囲である。いくつかの実施形態では、反応ゾーン130内での内容物の滞留時間は、0.1秒~30秒、例えば、0.1秒~25秒、0.1秒~20秒、0.1秒~15秒、0.1秒~10秒、0.1秒~5秒、0.1秒~1秒、または0.1秒~0.5秒の範囲である。
【0037】
ジハロ置換第14族メタロイド、ハロゲン化アルカン、および有機リチウムの間の反応ゾーン130における反応は発熱性である。したがって、いくつかの実施形態では、ジハロ置換第14族メタロイドおよび/または有機リチウムの混合物は、任意選択で、反応ゾーン130内で任意の適切なクエンチ剤でクエンチすることができる。しかし、反応ゾーン130内の成分のいずれかをクエンチすることは、実施形態の触媒前駆体材料を生成するための方法において必要なステップではない。
【0038】
ここで
図2を参照して、連続フローストリームを反応ゾーンに導入することによって触媒前駆体材料を生成するための追加のシステムおよび方法を説明する。
図2に示す触媒前駆体材料生成システム300の実施形態では、第1の試薬供給タンク310の内容物は、第1の試薬供給タンク310を任意選択で熱交換器320に流体的に結合する第1の試薬供給ストリーム312によって任意選択の熱交換器320に導入される。第1の試薬供給タンク310は、任意選択でその内容物のいずれかを混合する機能を備えた、冷却容器などの任意の適切な貯蔵装置を含み得る。さらに、第1の試薬供給タンク310および任意選択の熱交換器320は、単一の一体型物理的ユニット、または互いに流体的に結合されている別々の物理的ユニットであり得ることを理解されたい。
【0039】
第1の試薬供給タンク310の内容物が冷却された第1の試薬供給ストリーム314によって第1の反応ゾーン330に導入される前に、熱交換器320を、第1の試薬供給ストリーム312に沿ったどこにでも任意選択で追加して、第1の試薬供給タンク310の内容物を冷却することができる。実施形態によれば、第1の試薬供給タンク310の内容物は、任意選択で溶媒中に有機リチウム試薬を含み得る。熱交換器320は、第1の試薬供給ストリーム312を0℃~-90℃の温度に低下させることができる任意の熱交換器であり得る。
【0040】
実施形態では、第1の試薬供給タンク310内のシステムに最初に存在する有機リチウム試薬は、任意の適切な有機リチウム試薬を含み得る。適切な有機リチウム試薬の例には、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、メチルリチウム、またはそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、第1の試薬供給タンク310に最初に存在する有機リチウム試薬は、n-ブチルリチウムである。
【0041】
第1の反応ゾーン330に供給される有機リチウム試薬を希釈するために、任意選択で、ある量の溶媒を、第1の試薬供給タンク310に、および/または第1の試薬供給ストリーム312に沿った任意の点で、および/または冷却された第1の試薬供給ストリーム314に沿った任意の点で添加することができる。実施形態では、溶媒は、エーテル系溶媒、アルキル溶媒、芳香族溶媒、またはそれらの組み合わせである。
【0042】
同時に、第2の試薬供給タンク340の内容物は、第2の試薬供給タンク340を任意選択の熱交換器350に流体的に結合する第2の試薬供給ストリーム316によって、任意選択の熱交換器350を介して供給される。第2の試薬供給タンク340は、任意選択でその内容物のいずれかを混合する機能を備えた、冷却容器などの任意の適切な貯蔵装置を含むことができる。第2の試薬供給タンク340および任意選択の熱交換器350は、単一の一体型物理的ユニットまたは別々の物理的ユニットであり得ることをさらに理解されたい。
【0043】
第2の試薬供給タンク340の内容物が冷却された第2の試薬供給ストリーム318によって第1の反応ゾーン330に導入される前に、任意選択の熱交換器350を、第2の試薬供給ストリーム314に沿ったどこにでも任意選択で追加して、第2の試薬供給タンク340の内容物を、0℃~-90℃の範囲の温度に冷却することができる。実施形態によれば、第2の試薬供給タンク340の内容物は、任意選択で溶媒中にハロゲン化アルカンを含み得る。第1の反応ゾーン330に供給されるハロゲン化アルカンを希釈するために、任意選択で、ある量の溶媒を、第2の試薬供給タンク340に、および/または第2の試薬供給ストリーム314に沿った任意の点で、および/または冷却された第2の試薬供給ストリーム316に沿った任意の点で添加することができる。
【0044】
実施形態では、第2の試薬供給タンク340のシステム300にも最初に存在するハロゲン化アルカンは、ジハロゲン化メタンなどの任意の適切なハロゲン化アルカンを含み得る。適切なジハロゲン化メタンの例には、ジブロモメタン、ジクロロメタン、ジフルオロメタン、ジヨードメタン、ブロモクロロメタン、ブロモフルオロメタン、ブロモヨードメタン、クロロフルオロメタン、クロロヨードメタン、フルオロヨードメタン、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、第2の試薬供給タンク340に最初に存在するハロゲン化アルカンは、ブロモクロロメタンである。
【0045】
第1の反応ゾーン330に連続的に導入される前に、第1の試薬供給タンク310および任意選択で第2の試薬供給タンク340の内容物は、0℃~-90℃の温度に冷却される。実施形態では、第1の試薬供給タンク310、および任意選択で、第2の試薬供給タンク340の内容物は、-5℃~-90℃、例えば-10℃~-90℃、-15℃~-90℃、-20℃~-90℃、-25℃~-90℃、-30℃~-90℃、-35℃~-90℃、-40℃~-90℃、-45℃~-90℃、-50℃~-90℃、-55℃~-90℃、-60℃~-90℃、-65℃~-90℃、-70℃~-90℃、-75℃~-90℃、-80℃~-90℃、または-85℃~-90℃の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、第1の試薬供給タンク310、および任意選択で、第2の試薬供給タンク340の内容物は、0℃~-85℃、例えば、0℃~-80℃、0℃~-75℃、0℃~-70℃、0℃~-65℃、0℃~-60℃、0℃~-55℃、0℃~-50℃、0℃~-45℃、0℃~-40℃、0℃~-35℃、0℃~-30℃、0℃~-25℃、0℃~-20℃、0℃~-15℃、または0℃~-10℃の温度に冷却される。実施形態では、第1の試薬供給タンク310、および任意選択で、第2の試薬供給タンク340の内容物は、-20℃~-80℃、例えば、-30℃~-70℃、-35℃~-65℃、-40℃~-60℃、または-45℃~-55℃の温度に冷却される。理論に拘束されるものではないが、第1の反応ゾーン330への有機リチウム試薬の添加は、発熱反応を引き起こすと考えられるので、システムを適切な温度に冷却して、内容物が記載の適切な範囲外の温度で第1の反応ゾーン330に導入されるときに生じる反応のうちの1つ以上の損傷を回避することが必要である。前述のように、第1の反応ゾーン330に入る内容物は、例えば、熱交換器などの任意の適切な冷却装置によって冷却され得る。
【0046】
第1の試薬供給タンク310および第2の試薬供給タンク340の内容物が第1の反応ゾーン330に導入されると、有機リチウム試薬は、リチウム化反応においてハロゲン化アルカンをリチウム化すると考えられる。理論に拘束されるものではないが、第1の反応ゾーン330でハロゲン化アルカンをリチウム化することにより、
図2に示す触媒前駆体材料生成システム300によって生成された触媒前駆体材料の純度および出力を改善できると考えられる。
【0047】
第1の試薬供給タンク310および第2の試薬供給タンク340の内容物が第1の反応ゾーン330に導入された後、第1の反応ゾーン330の内容物は混合されて、中間触媒前駆体材料326を生成する。第1の反応ゾーン330の条件は、0℃~-90℃の温度で維持され、第1の反応ゾーン330内でのその内容物の滞留時間は、0.1秒~120分である。理論に拘束されるものではないが、第1の反応ゾーン330の温度範囲は、そのような方法によって生成された中間触媒前駆体材料326が所望の最終生成物を生成することを可能にすると考えられる。適切な第1の反応ゾーン330装置は、管状反応器または攪拌タンク反応器を含み得るが、これらに限定されない。実施形態では、触媒前駆体材料生成システム300は、窒素ブランケット、1つ以上の熱電対、および/またはサンプリングポートをさらに含み得る。
【0048】
触媒前駆体材料326が生成され、適切な温度に冷却されると、次に、それは第2の反応ゾーン380に導入される。実施形態では、第2の反応ゾーン380の条件は、第1の反応ゾーン330と同一である。他の実施形態では、第2の反応ゾーン380の条件は、第1の反応ゾーン330とは異なる。
【0049】
同時に、第3の試薬供給タンク360の内容物は、第3の試薬供給タンク360を任意選択の熱交換器370に流体的に結合する第3の試薬供給ストリーム322によって、任意選択の熱交換器370を介して供給される。第3の試薬供給タンク360は、任意選択でその内容物のいずれかを混合する機能を備えた、冷却容器などの任意の適切な貯蔵装置を含み得る。第3の試薬供給タンク360および任意選択の熱交換器370は、一体型物理的ユニットまたは別々の物理的ユニットであり得ることをさらに理解されたい。
【0050】
第3の試薬供給タンク360の内容物が冷却された第3の試薬供給ストリーム324によって第2の反応ゾーン370に導入される前に、任意選択の熱交換器370を、第2の試薬供給ストリーム322に沿ったどこにでも追加して、第3の試薬供給タンク360の内容物を、0℃~-90℃の温度に冷却することができる。実施形態によれば、第3の試薬供給タンク360の内容物は、任意選択で溶媒中に、ジハロ置換第14族メタロイドを含み得る。第2の反応ゾーン380に供給されるジハロ置換第14族メタロイドを希釈するために、任意選択で、ある量の溶媒を、第3の試薬供給タンク360に、および/または第3の試薬供給ストリーム322に沿った任意の点で、および/または冷却された第3の試薬供給ストリーム324に沿った任意の点で添加することができる。
【0051】
実施形態では、ジハロ置換第14族メタロイドは、ジクロロジイソプロピルシラン、ジ-tert-ブチルジクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、ジクロロジイソプロピルゲルマン、ジ-tert-ブチルジクロロゲルマン、ジクロロジフェニルゲルマン、またはそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ジハロ置換第14族メタロイドは、ジクロロジイソプロピルシランである。
【0052】
第1の試薬供給タンク310および/または第2の試薬供給タンク340における様々な成分の濃度は、第1の試薬供給ストリーム314および/または第2の試薬供給ストリ-ム318が第1の反応ゾーン330に添加される前の任意の点で、または前駆体ストリーム326が第2の反応ゾーン380に添加される前の任意の点で、溶媒を添加することによって変更できることを理解されたい。同様に、第3の試薬供給タンク360内の成分の濃度は、試薬供給ストリーム324が第2の反応ゾーン380に添加される前の任意の点で溶媒を添加することによって変更され得る。理論に拘束されるものではないが、ジハロ置換第14族メタロイドおよび/またはハロゲン化アルカンの濃度が高すぎるか低すぎる場合、成分の希釈、反応速度の制御、混合制御、およびシステムの温度維持に悪影響を与えると考えられる。
【0053】
実施形態では、第1の反応ゾーン330および/または第2の反応ゾーン380は、記載のプロセス中に冷却される。実施形態では、第1の反応ゾーン330および/または第2の反応ゾーン380は、内容物の連続導入中、0℃~-90℃、およびそれらの間のすべての範囲および部分的な範囲の温度を有する。実施形態では、第1の反応ゾーン330および/または第2の反応ゾーン380は、-5℃~-90℃、例えば、-10℃~-90℃、-15℃~-90℃、-20℃~-90℃、-25℃~-90℃、-30℃~-90℃、-35℃~-90℃、-40℃~-90℃、-45℃~-90℃、-50℃~-90℃、-55℃~-90℃、-60℃~-90℃、-65℃~-90℃、-70℃~-90℃、-75℃~-90℃、-80℃~-90℃、または-85℃~-90℃の温度を有する。いくつかの実施形態では、第1の反応ゾーン330および/または第2の反応ゾーン380は、0℃~-85℃、例えば、0℃~-80℃、0℃~-75℃、0℃~-70℃、0℃~-65℃、0℃~-60℃、0℃~-55℃、0℃~-50℃、0℃~-45℃、0℃~-40℃、0℃~-35℃、0℃~-30℃、0℃~-25℃、0℃~-20℃、0℃~-15℃、または0℃~-10℃の温度を有する。実施形態では、第1の反応ゾーン330および/または第2の反応ゾーン380は、-20℃~-80℃、例えば、-30℃~-70℃、-35℃~-65℃、-40℃~-60℃、または-45℃~-55℃の温度を有する。理論に拘束されるものではないが、第1の反応ゾーン330および/または第2の反応ゾーン380の記載の温度範囲は、本明細書に記載の方法によって生成された触媒前駆体材料が所望の生成物を生成することを可能にすると考えられる。第1の反応ゾーン330および/または第2の反応ゾーン380は、任意の適切な装置によって冷却され得る。
【0054】
第1の反応ゾーン330および/または第2の反応ゾーン380内での内容物の滞留時間は、前述の実施形態に基づいて、0.1秒~120分の範囲、ならびにそれらの間のすべての範囲および部分的な範囲であり得る。ここで、「滞留時間」という用語は、流体ストリームが第1の反応ゾーン330および/または第2の反応ゾーン380に留まる平均時間として定義される。これは、反応ゾーンの体積を反応ゾーン内の流体の総体積流量で割ることによって測定される。実施形態では、第1の反応ゾーン330および/または第2の反応ゾーン380での内容物の滞留時間は、1秒~120分、10秒~120分、30秒~120分、1分~120分、5分~110分、10分~100分、20分~90分、25分~75分、30分~70分、35分~65分、40分~60分、0.1秒~30分、0.1秒~10分、0.1秒~5分、0.1秒~1分、0.1秒~30秒、1秒~10分、1秒~5分、1秒~1分、または1秒~30秒の範囲である。いくつかの実施形態では、第1の反応ゾーン330および/または第2の反応ゾーン380における内容物の滞留時間は、0.1秒~30秒、例えば、0.1秒~25秒、0.1秒~20秒、0.1秒~15秒、0.1秒~10秒、0.1秒~5秒、0.1秒~1秒、または0.1秒~0.5秒の範囲である。
【0055】
ジハロ置換第14族メタロイド、ハロゲン化アルカン、および有機リチウムの間の第2の反応ゾーン380における反応は発熱性である。したがって、いくつかの実施形態では、第2の反応ゾーン380内の混合物は、任意選択で、適切なクエンチ剤でクエンチすることができる。しかし、第2の反応ゾーン380内の成分のいずれかをクエンチすることは、実施形態の触媒前駆体材料を形成するための方法において必要なステップではない。
【0056】
さらに、例えば、塩化アンモニウムなどのクエンチ剤を含むクエンチポット(
図2には不図示)は、過剰量のジハロ置換第14族メタロイドおよび/または有機リチウム試薬がシステム300を通過し、それによってプロセスの混乱が引き起こされる場合、任意選択で触媒前駆体材料生成システム300の任意の点で提供され得る。しかし、クエンチポットは、
図2に示される触媒前駆体材料生成システム300における単なる任意選択の構成要素であり、触媒前駆体材料生成システム300によって生成された触媒前駆体材料390の純度に影響を及ぼさない。
【0057】
本明細書に記載の方法は、直鎖状低密度エチレンベースのポリマーの生成を助ける触媒を調製するために使用される様々な触媒前駆体材料を調製するのに適している。これらの触媒は、参照により本明細書に組み込まれるWO2018/022975およびWO2018/083056に詳細に記載されている。
【0058】
一例として、これに限定されないが、実施形態によれば、触媒前駆体材料を使用して、式(I)に示すような代表的な触媒を生成することができる。
【化1】
【0059】
式(I)の実施形態では、Mは、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムであり、それぞれが独立して+2、+3、または+4の形式酸化状態にあり、Xは、第14族メタロイドであり、R1は、イソプロピル、tert-ブチル、またはヘキシル基であり、R2は、イソプロピル、tert-ブチル、またはヘキシル基である。実施形態では、R1およびR2は、互いに同一である。他の実施形態では、R1およびR2は、互いに異なる。
【0060】
式(I)は、実施形態に従って様々な触媒前駆体材料によって調製され得る触媒の単なる例示である。それは、本明細書に記載の様々な触媒前駆体材料によって調製され得る触媒の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0061】
実施形態は、以下の実施例によってさらに明確になるであろう。
【0062】
実施例1
第1の試薬供給タンクに、187グラム(g)のジクロロジイソプロピルシラン(DCDIS)、388gのブロモクロロメタン(BCM)、および1,781gのテトラヒドロフラン(THF)を充填し、窒素(N2)ブランケット下で混合した。第1の試薬供給タンクをチューブ付きのプレクーラーに接続した。800ミリリットル(mL)の1.6モル(M)ヘキサンをチューブに導入した。真空により、チューブの内容物を、第1の熱交換器(すなわち、ドライアイスとアセトンで満たされた浴に沈められたコイル状のチューブ)を通って、毎分1.2mL(mL/分)の流量でプレクーラーに送った。チューブの内容物をプレクーラーに導入すると、プレクーラー内の攪拌機で、その内容物の混合を毎分740回転(rpm)で開始した。プレクーラーが所望の容量に達すると、その内容物を、プレクーラーと反応ゾーンを流体的に接続する追加のチューブで反応ゾーンに導入した。
【0063】
プレクーラーで反応ゾーンへの流出を開始すると、反応ゾーンの攪拌機で導入された内容物の混合を740rpmで開始した。反応ゾーンの温度が-75℃に達すると、n-ブチルリチウム(n-BuLi)を、第2の熱交換器で冷却した後、第2の試薬供給タンクから0.71mL/分の流量で反応ゾーンに導入した。第2の試薬供給タンクを、チューブで反応ゾーンに流体的に接続した。反応ゾーンの温度を、触媒前駆体材料の合成の間、約-70℃に維持した。
【0064】
反応ゾーンの内容物を生成物容器に収集するまでの平均滞留時間は、50分であった。反応ゾーンを30時間操作し、触媒前駆体材料を収集した。30時間後、n-BuLiをクエンチポットに転送し、チューブをヘキサンでフラッシュして、残留するリチウム化種をシステムから除去した。
【0065】
触媒前駆体材料の連続合成の条件を表1に示す。
【0066】
【0067】
30時間の操作期間中に3つのサンプルを収集した。ガスクロマトグラフ(GC)を使用して、各サンプルの純度を調べた。具体的には、サンプルの純度を、望ましい生成物対望ましくない生成物のGC面積の比率を測定することによって計算した。これらのサンプルの各々の純度を表2に示す。
【0068】
【0069】
第1のサンプル(S1)は、その高純度を説明する8時間の連続操作後に反応ゾーンから直接収集し、記載の触媒前駆体材料が生成されたことを確認した。
図3に示すS1のGCサンプルは、96.62%の純度を示した。
【0070】
第2のサンプル(S2)を、最初の20時間の操作中に生成された触媒前駆体材料を保持する第1の生成物容器から収集した。S2は、64.55%の純度を示すGCサンプルを生成した。
【0071】
第3のサンプル(S3)を、最後の10時間の操作中に生成された触媒前駆体材料を保持する第2の生成物容器から収集した。S3は、93.29%の純度を示すGCサンプルを生成した。
【0072】
全体として、触媒前駆体材料の収集したサンプルの累積純度を、81.84%であると計算した。
【0073】
しかし、触媒前駆材料S3の純度は、20時間目から30時間目に28.74%増加した。本明細書に記載の実施形態によれば、純度が増加するこの傾向は、システムが継続的に使用されている時間が長くなるほど、触媒前駆体材料の純度が高くなることを示している。したがって、これらの結果から、本開示に記載されているシステムが、連続流動反応において触媒前駆体材料を生成するのに適していることが確認される。
【0074】
実施例2
第1の試薬ストリームを、クロロヨードメタン(CIM)とTHFの混合物を-50℃にプレクーリングすることによって生成した。同時に、ヘキサン中の2.5Mのn-BuLiの第2の試薬ストリームを-50℃にプレクーリングした。プレクーリングを、別々の熱交換器(すなわち、冷却されたシリコーンオイルの循環浴に挿入されたチューブ)で行ない、第1の反応ゾーンに堆積させて、0.15秒~0.3秒間混合を継続してから、第2の反応ゾーンに放出させた。DCDISとTHFを含む第3の試薬ストリームを、熱交換器で-50℃にプレクーリングした。次いで、第3の試薬ストリームを第2の反応ゾーンに放出させて、その内容物を第1の反応ゾーンの内容物と混合した。
【0075】
触媒前駆体材料の連続合成の条件を表3に示す。
【0076】
【0077】
上述のパラメータを使用して、6時間の操作期間中に2つのサンプルを収集した。ガスクロマトグラフ(GC)を使用して、サンプルの純度を調べた。具体的には、サンプルの純度を、望ましい生成物対望ましくない生成物のGC面積の比率を測定することによって計算した。サンプルの結果を以下の表4に示す。
【0078】
【0079】
したがって、結果は、本開示に記載されているシステムが連続流動反応において触媒前駆体材料を生成するのに適していることを証明している。
【0080】
本開示の第1の態様では、方法は、第1の反応ゾーンで、有機リチウム試薬、ハロゲン化アルカン、および少なくとも1つの溶媒を反応させて、第1の溶液を形成することと、第1の溶液および第2の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することであって、第2の溶液がジハロ置換第14族メタロイドおよび少なくとも1つの溶媒を含む、添加することと、第2の反応ゾーンで第1の溶液と第2の溶液とを混合することと、を含む。
【0081】
本開示の第2の態様は、第1の溶液を第1の反応ゾーンに連続的に添加する前に、第1の溶液の有機リチウム試薬およびハロゲン化アルカンを別々に0℃~-90℃の温度に冷却することをさらに含む、第1の態様を含み得る。
【0082】
本開示の第3の態様は、ジハロ置換第14族メタロイドがジクロロジイソプロピルシラン、ジ-tert-ブチルジクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、ジクロロジイソプロピルゲルマン、ジ-tert-ブチルジクロロゲルマン、ジクロロジフェニルゲルマン、またはそれらの組み合わせを含む、第1または第2の態様を含み得る。
【0083】
本開示の第4の態様は、有機リチウム試薬がn-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、メチルリチウム、またはそれらの組み合わせを含む、第1~第3の態様のいずれかを含み得る。
【0084】
本開示の第5の態様は、ハロゲン化アルカンがジハロゲン化メタン、好ましくはブロモクロロメタン、またはクロロヨードメタンを含む、第1~第4の態様のいずれかを含み得る。
【0085】
本開示の第6の態様は、少なくとも1つの溶媒がエーテル系溶媒、アルキル溶媒、芳香族溶媒、またはそれらの組み合わせを含む、第1~第5の態様のいずれかを含み得る。
【0086】
本開示の第7の態様は、少なくとも1つの溶媒がテトラヒドロフラン、ヘキサン、またはそれらの組み合わせを含む、第1~第6の態様のいずれかを含み得る。
【0087】
本開示の第8の態様は、第1の溶液が第2の反応ゾーンに連続的に添加される前に、第1の溶液が0℃~-90℃の温度に冷却される、第1~第7の態様のいずれかを含み得る。
【0088】
本開示の第9の態様は、第1の反応ゾーンおよび第2の反応ゾーンが-40℃~-70℃の温度を有する、第1~第8の態様のいずれかを含み得る。
【0089】
本開示の第10の態様では、方法は、ハロゲン化アルカンと、少なくとも1つの溶媒と、ジハロ置換第14族メタロイドまたは有機リチウム試薬の1つから選択される第1の成分を含む第1の溶液とを第1の反応ゾーンで混合することと、第1の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することと、第2の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することであって、第2の溶液が少なくとも1つの溶媒と、ジハロ置換第14族メタロイドまたは有機リチウム試薬の1つから選択される第2の成分とを含み、第2の成分が第1の成分とは異なる、添加することと、第2の反応ゾーンで第1の溶液と第2の溶液とを混合することと、を含む。
【0090】
本開示の第11の態様は、第1の成分がジハロ置換第14族メタロイドであり、第2の成分が有機リチウム試薬である、第10の態様を含む。
【0091】
本開示の第12の態様は、第1の成分が有機リチウム試薬であり、第2の成分がジハロ置換第14族メタロイドである、第10の態様を含む。
【0092】
本開示の第13の態様は、ジハロ置換第14族メタロイドがジクロロジイソプロピルシラン、ジ-tert-ブチルジクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、ジクロロジイソプロピルゲルマン、ジ-tert-ブチルジクロロゲルマン、ジクロロジフェニルゲルマン、またはそれらの組み合わせを含む、第10~第12の態様のいずれかを含む。
【0093】
本開示の第14の態様は、有機リチウム試薬がn-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、メチルリチウム、またはそれらの組み合わせを含む、第10~第13の態様のいずれかを含む。
【0094】
本開示の第15の態様は、ハロゲン化アルカンがジハロゲン化メタン、好ましくはクロロヨードメタンまたはブロモクロロメタンを含む、第10~第14の態様のいずれかを含む。
【0095】
本開示の第16の態様は、少なくとも1つの溶媒がエーテル系溶媒、アルキル溶媒、芳香族溶媒、またはそれらの組み合わせを含む、第10~第15の態様のいずれかを含む。
【0096】
本開示の第17の態様は、少なくとも1つの溶媒がテトラヒドロフラン、ヘキサン、またはそれらの組み合わせを含む、第10~第16の態様のいずれかを含む。
【0097】
本開示の第18の態様は、第1の溶液および第2の溶液が反応ゾーンに連続的に添加される前に、第1の溶液および第2の溶液が少なくとも-70℃に冷却される、第10~第17の態様のいずれかを含む。
【0098】
本開示の第19、第18の態様は、反応ゾーンが0℃~-90℃の温度を有し、好ましくは該反応ゾーンが-40℃~-70℃の温度を有する、第10~18のいずれかの態様を含む。
【0099】
特許請求された主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で記載される実施形態に様々な修正および変更を加え得ることが当業者には明らかであろう。したがって、そのような修正および変更が添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内に入る限り、本明細書は、本明細書に記載される様々な実施形態の修正および変更を包含することが意図される。
本発明は以下の態様を包含する。
[1]
方法であって、
ハロゲン化アルカンと、少なくとも1つの溶媒と、ジハロ置換第14族メタロイドまたは有機リチウム試薬のうちの1つから選択される第1の成分とを含む第1の溶液を第1の反応ゾーンで混合することと、
前記第1の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することと、
第2の溶液を前記第2の反応ゾーンに連続的に添加することであって、前記第2の溶液が少なくとも1つの溶媒と、前記ジハロ置換第14族メタロイドまたは前記有機リチウム試薬のうちの1つから選択される第2の成分とを含み、前記第2の成分が前記第1の成分とは異なる、添加することと、
前記第2の反応ゾーンで前記第1の溶液と前記第2の溶液とを混合することと、を含む、方法。
[2]
前記第1の成分が前記ジハロ置換第14族メタロイドであり、前記第2の成分が前記有機リチウム試薬である、[1]に記載の方法。
[3]
前記第1の成分が前記有機リチウム試薬であり、前記第2の成分が前記ジハロ置換第14族メタロイドである、[1]に記載の方法。
[4]
前記ジハロ置換第14族メタロイドがジクロロジイソプロピルシラン、ジ-tert-ブチルジクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、ジクロロジイソプロピルゲルマン、ジ-tert-ブチルジクロロゲルマン、ジクロロジフェニルゲルマン、またはそれらの組み合わせを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
[5]
前記有機リチウム試薬がn-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、メチルリチウム、またはそれらの組み合わせを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
[6]
前記ハロゲン化アルカンがジハロゲン化メタンを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
[7]
前記反応ゾーンが0℃~-90℃の温度を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
[8]
方法であって、
有機リチウム試薬、ハロゲン化アルカン、および少なくとも1つの溶媒を第1の反応ゾーンで反応させて、第1の溶液を形成することと、
前記第1の溶液および第2の溶液を第2の反応ゾーンに連続的に添加することであって、前記第2の溶液がジハロ置換第14族メタロイドおよび少なくとも1つの溶媒を含む、添加することと、
前記第2の反応ゾーンで前記第1の溶液と前記第2の溶液とを混合することと、を含む、方法。
[9]
前記第1の溶液を前記第1の反応ゾーンに連続的に添加する前に、第1の溶液の前記有機リチウム試薬および前記ハロゲン化アルカンを0℃~-90℃の温度に別々に冷却することをさらに含む、[8]に記載の方法。
[10]
前記ジハロ置換第14族メタロイドがジクロロジイソプロピルシラン、ジ-tert-ブチルジクロロシラン、ジクロロジフェニルシラン、ジクロロジイソプロピルゲルマン、ジ-tert-ブチルジクロロゲルマン、ジクロロジフェニルゲルマン、またはそれらの組み合わせを含む、[8]または[9]に記載の方法。
[11]
前記有機リチウム試薬がn-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、メチルリチウム、またはそれらの組み合わせを含む、[8]~[10]のいずれか一項に記載の方法。
[12]
前記ハロゲン化アルカンがジハロゲン化メタンを含む、[8]~[11]のいずれか一項に記載の方法。
[13]
前記少なくとも1つの溶媒がエーテル系溶媒、アルキル溶媒、芳香族溶媒、またはそれらの組み合わせを含む、[8]~[12]のいずれか一項に記載の方法。
[14]
前記第1の溶液が前記第2の反応ゾーンに連続的に添加される前に、前記第1の溶液が0℃~-90℃の温度に冷却される、[8]~[13]のいずれか一項に記載の方法。
[15]
前記第1の反応ゾーンおよび前記第2の反応ゾーンのうちの少なくとも1つが、-40℃~-70℃の温度を有する、[8]~[14]のいずれか一項に記載の方法。