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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】アンテナ構造体
(51)【国際特許分類】
   H01Q 25/00 20060101AFI20240703BHJP
   H01Q 3/26 20060101ALI20240703BHJP
   H01Q 15/14 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H01Q25/00
H01Q3/26
H01Q15/14 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022186631
(22)【出願日】2022-11-22
(65)【公開番号】P2023090648
(43)【公開日】2023-06-29
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】110147312
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501243317
【氏名又は名称】耀登科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】江 啓名
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-158953(JP,A)
【文献】特開2012-090251(JP,A)
【文献】国際公開第2020/016995(WO,A1)
【文献】特開2007-013857(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0116875(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0099340(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0058175(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02477275(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁シートと、前記絶縁シートに配置される第1のアンテナと、前記絶縁シートに配置される第2のアンテナと、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナに接続される給電点とを具備する、アンテナ構造体であって、
前記第1のアンテナは、
4つの側縁部を有する第1の本体部と、
前記第1の本体部における4つの側縁部と連接しながら、前記第1の本体部に平行とならない複数の第1の延在部と、
を備え、
前記第2のアンテナは、
4つの側縁部と、その4つの側縁部における一方の2つの側縁部の接続位置と他方の2つの側縁部の接続位置を通るように定義された対角線とを含み、前記第1の本体部と離隔して配置される、第2の本体部と、
前記第2の本体部に平行とならないように、前記第2の本体部における各側縁部に少なくとも2つが配置される、複数の第2の延在部と、
を備え、
複数の前記第2の延在部と複数の前記第1の延在部との間に所定間隔があけられることによって、複数の前記第2の延在部と複数の前記第1の延在部と共同で静電容量効果を発生させ、
前記第2の本体部における側縁部のそれぞれにおいて、前記対角線に隣接する前記第2の延在部の長さは他の前記第2の延在部の長さよりも小さい、
ことを特徴とする、アンテナ構造体。
【請求項2】
前記第1のアンテナにおける第2のアンテナから離れた側に配置されると共に、面積が前記第1の本体部及び前記第2の本体部よりも大きい、リフレクターをさらに備える、
請求項1に記載のアンテナ構造体。
【請求項3】
前記第1の本体部と前記第2の本体部は正方形に構成され、
前記第1の本体部と前記第2の本体部との面積の差が5%以下であり、
複数の前記第1の延在部はそれぞれ前記第1の本体部から第2の本体部に向かって延在し、複数の前記第2の延在部はそれぞれ前記第2の本体部から第1の本体部に向かって延在し、前記第1の本体部と複数の前記第1の延在部とは互いに垂直となり、前記第2の本体部と複数の前記第2の延在部とは互いに垂直となり、前記第1の本体部と前記第2の本体部は互いに略平行となる、
請求項1に記載のアンテナ構造体。
【請求項4】
前記第1の本体部における各側縁部に連接された第1の延在部の数は、前記第2の本体部における各側縁部に連接された第2の延在部の数と一致しない
請求項1に記載のアンテナ構造体。
【請求項5】
各前記第1の延在部の面積は第1の本体部の面積の30%以下であり、各前記第2の延在部の面積は第2の本体部の面積の30%以下である、
請求項1に記載のアンテナ構造体。
【請求項6】
絶縁シートと、
前記絶縁シートに配置された第1のアンテナと、
前記絶縁シートに配置された第2のアンテナと、
前記第1のアンテナに配置される絶縁プレートと、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナに電気的に接続される位相差が90度である2つの接点を含むと共に、前記絶縁プレートに配置される、マイクロストリップラインと、
前記マイクロストリップラインに電気的接続される給電点と、
を具備する、アンテナ構造体であって、
前記第1のアンテナは、
4つの側縁部を有する第1の本体部と、
前記第1の本体部の4つの側縁部に接続され、それぞれが前記第1の本体部と平行でないように構成された複数の第1の延在部と、
を備え、
前記第2のアンテナは、
前記第1の本体部から間隔を空けて配置され、4つの側縁部を有する第2の本体部と、
前記第2の本体部の4つの側縁部に接続され、それぞれが前記第2の本体部と平行でないように構成されると共に、前記複数の第1の延在部と共同で静電容量効果を生成するように前記複数の第1の延在部と所定の間隔をあけるように構成される第2の延在部と、
を備え
前記第2のアンテナは、前記第2の本体部から前記第1の本体部に向かって延びる2つの接続部をさらに含み、前記2つの接続部は、互いに隣接する前記第2の本体部の4つの側縁部のうち2つの側縁部にそれぞれ位置し、前記2つの接続部は、2つの前記接点を形成するように前記第1のアンテナ及び前記マイクロストリップラインに接続される、
ことを特徴とする、アンテナ構造体。
【請求項7】
前記第1のアンテナにおける第2のアンテナから離れた側に配置されると共に、面積が前記第1の本体部及び前記第2の本体部よりも大きい、リフレクターをさらに備える、
請求項6に記載のアンテナ構造体。
【請求項8】
前記2つの接点のそれぞれが前記絶縁プレートに直交投影して第1の投影点を形成し、前記第2の本体部の中心位置が前記絶縁プレートに直交投影して第2の投影点を形成し、前記第2の投影点と一方の前記第1の投影点に第1の仮想線が通り、前記第2の投影点と他方の前記第1の投影点に第2の仮想線が通り、かつ、前記第1の仮想線と前記第2の仮想線は互いに垂直となる、
請求項6に記載のアンテナ構造体。
【請求項9】
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナに電気的接続される2つの接地素子をさらに備え、
前記2つの接地素子が前記絶縁プレートに直交投影する位置はそれぞれ第1の仮想線と第2の仮想線に位置し、前記給電点が前記絶縁プレートに直交投影した位置は、前記第1の仮想線に位置する
請求項6に記載のアンテナ構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ構造体に関し、より詳細には、立体アンテナ構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアンテナ構造体は、平面的なシート状の構造として設計されている。しかし、従来のアンテナ構造体を素子(例えば、携帯電話の基板)上に配置した場合、従来のアンテナ構造体は素子上でかなりの面積を占めることになり、最終製品の体積を小さくすることができない。例えば、従来のアンテナ構造体の一辺の長さを1/2λに設計し、極超短波無線による自動認識技術(UHF RFID)に適用した場合、902MHzから928MHzの範囲内の周波数帯を有する従来のアンテナ構造体の一辺の長さは16cm以上にならなければならない。
【0003】
そこで、本願発明者は、上記不具合を改善することができると考え、科学的な原理を研究・応用して、合理的な設計で、上記不具合を改善する効果のある発明を考え出したのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、上記のような技術的不備に対して、新規なアンテナ構造体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本発明が採用した技術的解決手段の一つは、次のようなアンテナ構造体を提供することである。アンテナ構造体は、絶縁シートと、前記絶縁シートに配置される第1のアンテナと、前記絶縁シートに配置される第2のアンテナと、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナに接続される給電点とを具備する。前記第1のアンテナは、4つの側縁部を有する第1の本体部と、前記第1の本体部における4つの側縁部と連接しながら、前記第1の本体部に平行とならない複数の第1の延在部と、を備える。前記第2のアンテナは、4つの側縁部と、その4つの側縁部における一方の2つの側縁部の接続位置と他方の2つの側縁部の接続位置を通るように定義された対角線とを含み、前記第1の本体部と離隔して配置される、第2の本体部と、前記第2の本体部に平行とならないように、前記第2の本体部における各側縁部に少なくとも2つが配置される、複数の第2の延在部と、を備える。複数の前記第2の延在部と複数の前記第1の延在部との間に所定間隔があけられることによって、複数の前記第2の延在部と複数の前記第1の延在部と共同で静電容量効果を発生させ、前記第2の本体部における側縁部のそれぞれにおいて、前記対角線に隣接する前記第2の延在部の長さは他の前記第2の延在部の長さよりも小さい。
【0006】
本発明の実施形態は、さらに次のようなアンテナ構造体を提供する。アンテナ構造体は、絶縁シートと、前記絶縁シートに配置された第1のアンテナと、前記絶縁シートに配置された第2のアンテナと、前記第1のアンテナに配置される絶縁プレートと、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナに電気的に接続される位相差が90度である2つの接点を含むと共に、前記絶縁プレートに配置される、マイクロストリップラインと、前記マイクロストリップラインに電気的接続される給電点と、を具備する。前記第1のアンテナは、4つの側縁部を有する第1の本体部と、前記第1の本体部の4つの側縁部に接続され、それぞれが前記第1の本体部と平行でないように構成された複数の第1の延在部と、を備える。前記第2のアンテナは、前記第1の本体部から間隔を空けて配置され、4つの側縁部を有する第2の本体部と、前記第2の本体部の4つの側縁部に接続され、それぞれが前記第2の本体部と平行でないように構成されると共に、前記複数の第1の延在部と共同で静電容量効果を生成するように前記複数の第1の延在部と所定の間隔をあけるように構成される第2の延在部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
それで、本発明が提供するアンテナ構造体では、「第1の延在部のそれぞれが第1本体部と平行ではなく、第2の延在部のそれぞれが第2の本体部と平行ではなく、第2の延在部が第1の延在部と位置的に対応している」ことと、「第2の延在部と第1の延在部とが所定の距離だけ離隔しており、第2の延在部と第1の延在部とが共同して静電容量効果を発生させるように構成されている」こととにより、アンテナ構造体を3次元構造とすることが可能である。また、アンテナ構造体を外部装置に配置する場合、従来の平面アンテナ構造体が持つのと同じ利得を持つ場合、本発明にかかるアンテナ構造体はより効果的に占有面積を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態によるアンテナ構造体を示す斜視模式図である。
図2】本発明の第1の実施形態によるアンテナ構造体を示す別の斜視模式図である。
図3】本発明の第1の実施形態によるアンテナ構造体を示す分解斜視図である。
図4】本発明の第1の実施形態によるアンテナ構造体を示す別の分解斜視図である。
図5】本発明の第1の実施形態によるアンテナ構造体を示す上面模式図である。
図6】本発明の第1の実施形態によるアンテナ構造体を示す底面模式図である。
図7】本発明の第1の実施形態によるアンテナ構造体の放射パターンを示す斜視模式図である。
図8】本発明の第1の実施形態によるアンテナ構造体の放射パターンの放射方向を示す模式図である。
図9】本発明の第2の実施形態によるアンテナ構造体示す斜視模式図である。
図10】本発明の第2の実施形態によるアンテナ構造体の放射パターンを示す斜視模式図である。
図11】本発明の第3の実施形態によるアンテナ構造体を示す斜視模式図である。
図12】本発明の第3の実施形態によるアンテナ構造体を示す分解模式図である。
図13】本発明の第3の実施形態によるアンテナ構造体の別の分解模式図である。
図14】本発明の第3の実施形態によるアンテナ構造体の放射パターンの放射方向を示す斜視模式図である。
図15】本発明の第4の実施形態によるアンテナ構造体を示す斜視模式図である。
図16】本発明の第4の実施形態によるアンテナ構造体を示す分解模式図である。
図17】本発明の第4の実施形態によるアンテナ構造体の別の分解模式図である。
図18】本発明の第5の実施形態によるアンテナ構造体を示す斜視模式図である。
図19】本発明の第5の実施形態によるアンテナ構造体を示す別の斜視模式図である。
図20】本発明の第5の実施形態によるアンテナ構造体を示す上面模式図である。
図21】本発明の第5の実施形態によるアンテナ構造体の放射パターンの放射方向を示す斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0010】
下記より、本願による「アンテナ構造体」にかかる具体的な実施例で本発明が開示する実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。また、本明細書に用いられる「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連する項目中の何れか一つ又は複数の組合せを含み得る。
【0011】
本明細書を通じて、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語が様々なコンポーネントや信号を説明するために使用されることがあるが、これらのコンポーネントや信号は、これらの用語によって制限されるべきではないことは理解されたい。これらの用語は、主にあるコンポーネントと別のコンポーネント、またはある信号と別の信号を区別するために使用される。さらに、本明細書で使用される用語「または」は、関連する列挙された項目のいずれか1つまたは組み合わせを適宜含むことができる。
【0012】
さらに、以下の説明において、特定の図面または特定の図面に示されるように参照されることが示されている場合、これは、後続の説明において、説明される関連内容の大部分がその特定の図面に現れることを強調するだけであり、後続の説明をその特定の図面への参照のみに制限するものではない。
[第1の実施形態]
【0013】
図1から図8を参照すると、本発明の第1の実施形態では、アンテナ構造体100Aが提供され、アンテナ構造体100Aの偏波モードは直線偏波であることがわかる。言い換えれば、偏波モードが直線偏波でないアンテナ構造体は、本発明のアンテナ構造体100Aではない。
【0014】
図1および図2を共に参照されたい。アンテナ構造体100Aは、絶縁シート1と、絶縁シート1上に配置された第1のアンテナ2および第2のアンテナ3と、第1のアンテナ2および第2のアンテナ3に電気的に接続される2つの給電点4および2つの接地素子5とを含む。
【0015】
図3および図4を共に参照されたい。本実施形態では、絶縁シート1は、絶縁材で構成され、筐体11と、筐体11に連結される4つの固定アーム12とを有する。詳細には、筐体11は、直方体形状であり、第1の面側と、第1の面側とは反対面の第2の面側とを有している。本実施形態では、第1の面側は、図3における筐体11の上面側であり、第2の面側は、図3における筐体11の下面側であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】
筐体11には、第1の面側と第2面側とが空間的に連通する複数の設定孔H11が設けられており、設定孔H11は、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とが配置するために用いられる。
【0017】
4つの固定アーム12は、筐体11の四隅から延びて筐体11と一体的に形成されており、4つの固定アーム12のそれぞれには、固定穴H12が設けられている。絶縁シート1は、複数の固定要素(例えば、ネジ)を用いて固定穴H12を通過させることで、電子部品(例えば、携帯電話のベースプレート)に固定することができるが、本発明の絶縁シート1はこれに限定されない。例えば、本発明の別の実施形態(図示せず)では、絶縁シート1は、4つの固定アーム12を省略してもよい。
【0018】
図2および図3を参照されたい。本実施形態の第1のアンテナ2は、金属材料で構成され、第1の本体部21と、第1の本体部21に接続される複数の第1の延在部22とを含む。そして、以下の説明では、第1のアンテナ2の各要素について紹介する。
【0019】
本実施形態における第1の本体部21は、正方形状をなすシート状構造物であり、4つの側縁部を有している。また、本実施形態における第1の延在部22のそれぞれは、矩形状をなすシート状構造体である。第1の延在部22は、第1の本体部21の4つの側縁部に接続されており、第1の本体部21と平行でないように構成される。実用上、第1の延在部22は、第1の本体部21の4つの側縁部から延在して第1の本体部21と一体的に形成されており、第1の本体部21の4つの側縁部のそれぞれには、第1の延在部22のうちの互いに間隔を空けて設けられている2つが設けられる。言い換えると、第1のアンテナ2は、8つの第1の延在部22を含む。
【0020】
好ましくは、第1の延在部22の各々は、第1の本体部21に対して垂直であってもよく、第1の延在部22の各々の面積は、第1の本体部21の面積の30%以下であるが、本発明はこれに限定されない。
【0021】
なお、第1の本体部21の4つの側縁部のそれぞれに接続される第1の延在部22の数量、および第1の延在部22のそれぞれと第1の本体部21との間の角度は、実用上の要求に応じて調整することができることに留意すべきである。例えば、第1の本体部21の4つの側縁部のそれぞれが、第1の延在部22を1つ有していてもよいし、第1の延在部22を3つ有していてもよいし、第1の延在部22のそれぞれと第1の本体部21との間の角度が120度であってもよい。
【0022】
また、実際には、第1のアンテナ2は、第2の面側から第1の面側に向かう方向に沿って絶縁シート1上に配置することによって、第1の延在部22が筐体11の設定孔H11の一部を通過させると共に、第1のアンテナ2を絶縁シート1に固定させることができる。
【0023】
再び図1および図4を参照する。本実施形態において、第2のアンテナは、金属材料で作られており、第2の本体部31と、第2の本体部31に接続される複数の第2の延在部32及び2つの接続部33とを含む。そこで、以下の説明では、第2のアンテナの各要素について紹介する。
【0024】
本実施形態における第2の本体部31は、4つの側縁部を有する、正方形状をなすシート状構造物である。第2の本体部31の面積は、第1の本体部21の面積と等しくなくてもよい。例えば、第2の本体部31の面積は、第1の本体部21の面積よりも大きいとよい。ただし、好ましくは、第1の本体部21の面積と第2の本体部31の面積との差は、5%以下である。
【0025】
図5を参照する。第2の本体部31は、2つの中心線MLを有し、2つの中心線MLは、第2の本体部31の中心位置P3を通る。2つの中心線MLは、第2の本体部31の4つの側縁部のうち、互いに隣接する2つの側縁部(例えば、図5の第2の本体部31の上側縁部と左側縁部、または、図5の第2の本体部31の下側縁部と右側縁部)にそれぞれ平行であり、2つの中心線MLは互いに直交するようになっている。
【0026】
再び図4を参照する。本実施形態における第2の延在部32のそれぞれは、矩形状をなすシート状の構造体である。第2の延在部32は、第2の本体部31の4つの側縁部に接続されており、第2の本体部31とは平行でないように構成される。実用上、第2の延在部32のそれぞれは、第2の本体部31の4つの側縁部から延在して第2の本体部31と一体的に形成されており、第2の本体部31の4つの側縁部のそれぞれは、互いに間隔を空けて配置された2つの第2の延在部32を有している。言い換えれば、第2のアンテナは、8つの第2の延在部32を含む。
【0027】
好ましくは、第2の延在部32の各々は、第2の本体部31に対して垂直であってもよく、第2の延在部32の各々の面積は、第2の本体部31の面積の30%以下である。さらに、本実施形態における第2の延在部32の面積は、第1の延在部22の面積よりも小さいが、本発明はこれに限定されない。
【0028】
なお、第2の本体部31の4つの側縁部のそれぞれに接続される第2の延在部32の数量、および第2の延在部32のそれぞれと第2の本体部31との間の角度は、実用上の要求に応じて調整することができる。例えば、第2の本体部31の4つの側縁部のそれぞれが、第2の延在部32のうちの1つを有していてもよいし、3つの第2の延在部32を有していてもよいし、第2の延在部32のそれぞれと第2の本体部31との間の角度が120度であってもよい。
【0029】
また、実際の第2のアンテナ3は、第1の面側から第2の面側に向かう方向に沿って絶縁シート1に配置することで、第2の延在部32が筐体11の設定孔H11の別の部分を通過し、第2のアンテナ3を絶縁シート1上に固定することが可能である。
【0030】
すなわち、第1のアンテナ2および第2のアンテナ3が絶縁シート1に配置されている場合、第1の本体部21が筐体11の第2の面側に位置し、第2の本体部31が筐体11の第1面側に位置し、第1の本体部21と第2の本体部31とが互いに平行となるように配置されているが、本発明はこれに限定されない。
【0031】
また、図1および図2に示すように、第1のアンテナ2および第2のアンテナ3が絶縁シート1に配置されると、第1の延在部22が第1の本体部21から第2の本体部31に向かって延在し、第2の延在部32が第2の本体部31から第1の本体部21に向かって延在し、第1の延在部22と第2の延在部32とが位置的に対応している。したがって、第1のアンテナ2および第2のアンテナ3は、立方体である三次元構造体に概略形成することができる。
【0032】
なお、本発明の別の実施形態(図示せず)では、第1のアンテナ2の第1の延在部22の数量と第2のアンテナ3の第2の延在部32の数量は不一致であってもよく、すなわち、第1の延在部22と第2の延在部32とがそれぞれ位置的に対応していなくてもよいことに留意されたい。例えば、第1のアンテナ2の第1の延在部22の数量は4個であり、第2のアンテナ3の第2の延在部32の数量は12個であり、第1の延在部22のそれぞれは、3つの第2の延在部32と位置的に対応するように構成されてもよい。
【0033】
図1図4、および図5を参照して、本実施形態における2つの接続部33のそれぞれは、矩形状をなすシート状の構造体である。2つの接続部33は、第2の本体部31の4つの側縁部のうち互いに隣接する2つの側縁部(例えば、図5における第2の本体部31の上側縁部と右側縁部)にそれぞれ接続されており、2つの接続部33のそれぞれは、第2の本体部31の4つの側縁部のうち対応する1つの側縁部に設けられた2つの第2の延在部32の間に位置している。また、2つの接続部33は、それぞれ2つの中心線MLを通過しており、すなわち、2つの接続部33と第2の本体部31の中心位置P3との間の角度は90度である。
【0034】
また、本実施形態における2つの接続部33は、第2の本体部31から第1の本体部21に向かって延伸して形成されている。2つの接続部33は、第2の本体部31に対して垂直であり、筐体11を貫通して、第1の本体部21に接続するようになっている。したがって、2つの接続部33は、第1の本体部21と電気的に結合することができ、2つの接続部33と第1の本体部21との間の2つの接続点を、2つの給電点4として定義される。実際には、2つの接続部33は、はんだ付けによって第1の本体部21にそれぞれ接続または電気的に結合されてもよい。
【0035】
なお、第2の本体部31の(延長面上の)2つの給電点4をそれぞれ直交投影して定義される2つの位置は、(図5に示すように)2つの中心線MLを通過している。
【0036】
再び図1および図5を参照すると、2つの接地素子5は、第1の本体部21および第2の本体部31に接続されている。第2の本体部31に2つの接地素子5をそれぞれ直交投影して定義される2つの位置は、2つの中心線MLを通るので、第1の本体部21および第2の本体部31のうちの一方を接地部品(Ground)として使用し、第1の本体部21および第2の本体部31のうちの他方を放射部品として使用される。そのため、接地部材の大きさと放射部材の大きさを同等にすることができる(すなわち、第1の本体部21の面積と第2の本体部31の面積との差が5%以下である)。また、2つの接地素子5は、第2の本体部31から第1の本体部21に向かって延びることで一体的に形成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、2つの接地素子5も、第1の本体部21から第2の本体部31に向かって延びることで一体的に形成されていてもよい。
【0037】
図7および図8と合わせて参照すると、図7は、本実施形態に係るアンテナ構造体100Aの放射パターン(radiation pattern)を示す模式図であり、図8は、放射パターンの放射方向を示す模式図である。図7のドット密度が低いと、利得値が高くなる。図8は、5本の線G1~G5を有しており、線G1はトータルのゲイン値(gain total)、線G2はθ方向のゲイン値(gain theta)、線G3はΦ方向のゲイン値(gain phi)、線G4は左方向のゲイン値(gain left)、線G5は右方向のゲイン値(gain right)を示している。図7図8から、接地部材の大きさと放射部材の大きさが似ているので、アンテナ構造体100Aのゲイン値は前後比が似ていることがわかる。
【0038】
なお、本発明の別の実施形態(図示せず)では、2つの接地素子5のうちの一方の位置と2つの給電点4のうちの一方の位置とを、第2の本体部31の2つの対角線のうちの一方に設計することができ、2つの接地素子5のうちの他方の位置と2つの給電点4のうちの他方の位置とを、第2の本体部31の2つの対角線のうちの他方に設計することができる。したがって、本発明の別の実施形態に係るアンテナ構造体(図示せず)も、第1の実施形態に係るアンテナ構造体100Aが有する効果と同様の効果を奏することができる。
[第2の実施形態]
【0039】
図9から図10を参照されたい。本発明の第2の実施形態は、アンテナ構造体100Bを提供する。本実施形態に係るアンテナ構造体100Bは、第1実施形態に係るアンテナ構造体100Aと類似しており、その類似点についてはここでは繰り返さない。本実施形態と第1の実施形態との相違点について紹介する。
【0040】
アンテナ構造体100Bは、第2のアンテナ3から離れた第1のアンテナ2の側に配置されたリフレクター6をさらに含み、リフレクター6の面積は、第1の本体部21の面積および第2の本体部31の面積よりも大きくなっている。したがって、リフレクター6は、第1のアンテナ2の電波および第2のアンテナ3の電波を反射することができる。
【0041】
特定の実施形態において、図9を参照すると、リフレクター6は、底板61と、底板61上に配置された反射層62とを有していてもよい。底板61は、第1のアンテナ2上に配置され、底板61は、第1の本体部21と平行に配置されている。実際には、反射層62は、金属材料であってもよく、底板61の第2の本体部31に面する側に配置されている。
【0042】
本発明の別の実施形態(図示せず)では、リフレクター6は、接地部材を延長して形成されたものであってもよい。例えば、第1の本体部21における4つの側縁部を複数の延在部となるように延在するように構成されてもよい。延在部は、第1の本体部21と平行になってもよい。延在部(および第1の本体部21)が共同でリフレクター6を形成するように構成されてもよい。
【0043】
図10を共に参照されたい。図10は、本実施形態によるアンテナ構造体100Bの放射パターンを示す模式図である。図10のドット密度が低いと、利得値が高くなる。図10から、本実施形態に係るアンテナ構造体100Bは、第1の実施形態に係るアンテナ構造体100Aよりも指向性が高く、利得値を高くすることを知ることができる。
[第3の実施形態]
【0044】
図11から図14を参照されたい。本発明の第3の実施形態は、アンテナ構造体100Cを提供するものである。本実施形態に係るアンテナ構造体100Cは、第1実施形態に係るアンテナ構造体100Aと類似しており、その類似点については、ここでは繰り返さない。本実施形態と第1の実施形態との違いは、主に、本実施形態に係るアンテナ構造体100Cの偏波モードが円偏波であることにある。言い換えれば、偏波モードが円偏波でないアンテナ構造体は、本発明のアンテナ構造体100Cではない。
【0045】
具体的には、図11図13に示すように、本実施形態の第2のアンテナ3の第2の本体部31は、4つの側縁部のうちの2つの側縁部の接合位置と、4つの側縁部のうちの別の2つの側縁部の接合位置とを通る対角線DL3を有しており、対角線DL3は、第2の本体部31の中心位置P3を通過する。
【0046】
さらに、本実施形態では、第2の本体部31の4つの側縁部のそれぞれは、第2の延在部32のうちの少なくとも2つの延在部に接続されている。第2の本体部31の4つの側縁部のそれぞれにおいて、対角線DL3に隣接する第2の延在部32’の一方の長さは、第2の延在部32の他方の長さよりも小さい。
【0047】
実用上、第2の延在部32の数量は、第1の延在部22の数量と一致しない。さらに、第2の本体部31の4つの側縁部のそれぞれは、4つの第2の延在部32に接続されていてもよく、第1の本体部21の4つの側縁部のそれぞれは、2つの第1の延在部に接続されていてもよい。この場合、第2の延在部の2つ毎に、第1の延在部22の1つに位置が対応している。
【0048】
さらに、第2の本体部31の4つの側縁部を、第1の側縁部S311、第2の側縁部S312、第3の側縁部S313、および第4の側縁部S314とする。第1の側縁部S311の位置と第3の側縁部S313の位置とは互いに対向しており、第2の側縁部S312の位置と第4の側縁部S314の位置とは互いに対向している。第2の本体部31の対角線DL3は、第1の側縁部S311と第2の側縁部S312との接続位置と、第3の側縁部S313と第4の側縁部S314との接続位置とを通る。第1の側縁部S311または第3の側縁部S313における第2の延在部32を向いて観察するとき、最も右端に位置する第2の延在部32’の長さは、第2の延在部32の他の位置の長さよりも小さい。また、第2の側縁部S312または第4の側縁部S314における第2の延在部32を向いて観察するとき、最も左端に位置する第2の延在部32’の長さは、第2の延在部32の他の部分の長さよりも小さいものとなっている。
【0049】
図14を共に参照されたい。図14は、アンテナ構造体100Cによる放射パターンを示す模式図である。図14の模式図は、5つの線G1~G5を有し、線G1はトータルゲイン値(gain total)、線G2はθ方向のゲイン値(gain theta)、線G3はΦ方向のゲイン値(gain phi)、線G4は左方向のゲイン値(gain left)、線G5は右方向のゲイン値(gain right)である。
【0050】
図14からわかるように、第1のアンテナ2の周波数と第2のアンテナ3の周波数は、対角線DL3に隣接する第2の延在部32’の長さと、第2の延在部32の他の部分の長さとの差によって差異がつけられ、本実施形態のアンテナ構造体100Cの放射パターンは、円環状、すなわち円偏波となるようになっている。
【0051】
また、本実施形態における第2の本体部31の接続部33の数量は、1つである(図13に示すように)。接続部33は、第2の本体部31から第1の本体部21に向かって延びるように形成されており、第2の本体部31に対して垂直であり、かつ、筐体11を貫通しているので、接続部33を第1の本体部21に接続することで、2つの中心線MLのうちの一方を通る給電点4を形成するようになる。つまり、本実施形態のアンテナ構造体100Cの給電点の数量は1つである。
【0052】
当然ながら、本実施形態のアンテナ構造体100Cは、実用上の要求に応じて第2実施形態のリフレクター6を配置することも可能であり、その詳細についてはここでは説明しない。
[第4の実施形態]
【0053】
図15から図17を参照すると、本発明の第4の実施形態は、アンテナ構造体100Dを提供する。本実施形態に係るアンテナ構造体100Dは、第1実施形態に係るアンテナ構造体100Aと類似しており、その類似点については、ここでは繰り返さない。本実施形態と第1の実施形態との相違点は、主に、本実施形態に係るアンテナ構造体100Dの偏波モードが円偏波であることにある。言い換えれば、偏波モードが円偏波でないアンテナ構造体は、本発明のアンテナ構造体100Dではない。
【0054】
具体的には、本実施形態の第1のアンテナ2の第1の本体部21は、対角線DL2を有しており、対角線DL2は、4つの側縁部のうちの2つの側縁部間の接続位置と、4つの側縁部のうちの別の2つの側縁部間の接続位置とを通過する。また、対角線DL2は、第1の本体部21の中心位置P2を通過する。
【0055】
また、本実施形態の第1の本体部21の4つの側縁部のそれぞれは、第1の延在部のうちの少なくとも2つの延在部に接続されている。また、第1の本体部21の4つの側縁部のそれぞれにおいて、対角線DL2に隣接する第1の延在部22’の長さは、他の第1の延在部22の長さよりも小さい。
【0056】
実際には、第1の延在部の数量と第2の延在部32の数量とは一致しない。さらに、第1の本体部21の4つの側縁部のそれぞれは、4つの第1の延在部に接続されていてもよく、第2の本体部31の4つの側縁部のそれぞれは、2つの第2の延在部に接続されていてもよい。この場合、第1の延在部の2つ毎に、第2の延在部32の1つに位置が対応している。
【0057】
さらに、第1の本体部21の4つの側縁部を、第1の側縁部S211、第2の側縁部S212、第3の側縁部S213、および第4の側縁部S214とし、第1の側縁部S211の位置と第3の側縁部S213の位置とは互いに対向し、第2の側縁部S212の位置と第4の側縁部S214の位置とは互いに対向する。第1の本体部21の対角線DL2は、第1の側縁部S211と第2の側縁部S212との接続位置と、第3の側縁部S213と第4の側縁部S214との接続位置とを通る。第1の側縁部S211または第3の側縁部S213における第1の延在部に向いて観察するとき、最も右端に位置する第1の延在部22’の長さは、他の第1の延在部の長さよりも小さい。第2の側縁部S212または第4の側縁部S214における第1の延在部に向いて観察するとき、最も左端部に位置する第1の延在部22’の長さは、他の第1の延在部22の長さよりも小さい。
【0058】
なお、本実施形態のアンテナ構造体100Dでは、第1のアンテナに、第3実施形態の第2のアンテナの技術的特徴を適用したものである。そのため、アンテナ構造体100Dが生成する放射パターンは、第3実施形態の放射パターン(図14に示す)と実質的に同じであると考えられる。つまり、対角線DL2に隣接する第1の延在部22’の長さと、他の第1の延在部22の長さとの差によって、第1のアンテナ2の周波数と第2のアンテナ3の周波数とが一致しないため、本実施形態のアンテナ構造体100Dの放射パターンは、円環状、すなわち円偏波となる。
【0059】
また、本実施形態における第2の本体部31の接続部の数量は1つである。接続部33は、第2の本体部31から第1の本体部21に向かって延びるように形成されており、第2の本体部31に対して垂直であり、かつ、筐体11を貫通しているので、接続部33を第1の本体部21に接続することで、2つの中心線MLのうちの一方を通る給電点4を形成する。つまり、本実施形態のアンテナ構造体100Dの給電点の数量は1つである。
【0060】
当然ながら、本実施形態のアンテナ構造体100Dは、実用上の要求に応じて第2実施形態のリフレクター6との配置も可能であり、その詳細についてはここでは説明しない。
[第5の実施形態]
【0061】
図19から図21を参照されたい。本発明の第5の実施形態で、アンテナ構造体100Eが提供される。本実施形態におけるアンテナ構造体100Eは、第1の実施形態におけるアンテナ構造体100Aと類似しており、その類似点については、ここでは繰り返さない。本実施形態と第1の実施形態との違いは、主に、本実施形態におけるアンテナ構造体100Eの偏波モードが円偏波であることにある。言い換えれば、偏波モードが円偏波でないアンテナ構造体は、本発明のアンテナ構造体100Eではない。
【0062】
具体的には、図19および図20に示すように、本実施形態のアンテナ構造体100Eは、絶縁プレート7およびマイクロストリップライン8をさらに含む。絶縁プレート7は、第1のアンテナ2上に配置されており、絶縁プレート7は、第1の本体部21と平行に配置されていてもよい。
【0063】
マイクロストリップライン8は、絶縁プレート7の第1の本体部21から離れた側に配置されており、マイクロストリップライン8は、2つの接点81と、インピーダンス変換点82とを有している。2つの接点81は、第1のアンテナ2および第2のアンテナ3と電気的に接続されており、2つの接点81の位相差は90度である。インピーダンス変換点82は、2つの接点81に電気的に接続されている。
【0064】
詳細には、マイクロストリップライン8の2つの部分を絶縁プレート7に直交投影して規定される領域は、第2のアンテナ3の2つの接続部33を絶縁プレート7上に直交投影して規定される領域と重なっている。マイクロストリップライン8の2つの部分は、絶縁プレート7を通過し、2つの接続部33にそれぞれ電気的に接続されているので、2つの接点81のそれぞれは、マイクロストリップライン8の2つの部分の一方と2つの接続部33の一方との間の電気的接続位置に形成されている。
【0065】
さらに、図20に示すように、2つの接点81を絶縁プレート7上に直交投影することで2つの第1の投影点A1がそれぞれ定義され、第2の本体部31の中心位置P3を絶縁プレート7上に直交投影することで第2の投影点A2が定義される。第2の投影点A2と一方の第1の投影点A1とを通る第1の仮想線ML1は、第2の投影点A2と他方の第1の投影点A1とを通る第2の仮想線ML2と直交している。
【0066】
また、第2の本体部31にインピーダンス変換点82を直交投影して規定される位置は、第2の投影点A2に隣接しており、インピーダンス変換点82を用いて第1のアンテナ2と第2のアンテナ3のインピーダンス変換を行うことができる。
【0067】
さらに、本実施形態では、アンテナ構造体100Eは、マイクロストリップライン8に電気的に結合された給電点4を有し、給電点4を絶縁プレート7上に直交して投影することで定義される投影点A3は、第1の仮想線ML1上に位置している。また,2つの接地素子5を絶縁プレート7に直交投影して定義される2つの位置が、それぞれ第1の仮想線ML1および第2の仮想線ML2上に位置している。
【0068】
図21を参照すると、図は、アンテナ構造体100Eによる放射パターンを示す模式図である。図21では、5つの線G1~G5を有し21、線G1はトータルのゲイン値であり、線G2はθ方向のゲイン値であり、線G3はΦ方向のゲイン値であり、線G4は左方向のゲイン値であり、線G5は右方向のゲイン値である。図21からわかるように、第1のアンテナ2の周波数と第2のアンテナ3の周波数は、2つの接点の位相差が90度であることで不一致となり、本実施形態のアンテナ構造体100Eの放射パターンは、円形、すなわち円偏波となることがわかる。
[実施形態の有益な効果]
【0069】
上記を纏めて、本願発明は、「第2の延在部のそれぞれが第2の本体部と平行ではなく、第2の延在部が第1の延在部と位置的に対応している」ことと、「第2の延在部と第1の延在部が共同で静電容量効果を発生させるように、第2の延在部と第1の延在部が所定の距離だけ離隔している」ことにより、アンテナ構造体を3次元構造にすることができる。また、アンテナ構造体が素子上に配置され、平面アンテナ構造体が持つのと同じ利得を持つ場合、アンテナ構造体はより効果的に占有面積を減らすことができる。
【0070】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0071】
アンテナ構造 100A-100E
絶縁シート 1
接続部 33
筐体 11
給電点 4
設定孔 H11
接地素子 5
固定アーム 12
リフレクター 6
固定穴 H12
底板 61
第1のアンテナ 2
反射層 62
第1の本体部 21
絶縁プレート 7
第1の側縁部 S211
マイクロストリップライン 8
第2の側縁部 S212
接点 81
第3の側縁部 S213
インピーダンス変換点 82
第4の側縁部 S214
中心線 ML
第1の延在部 22、22’
第1の仮想線 ML1
第2のアンテナ 3
第2の仮想線 ML2
第2の本体部 31
対角線 DL2、DL3
第1の側縁部 S311
第1の投影点 A1
第2の側縁部 S312
第2の投影点 A2
第3の側縁部 S313
第3の投影点 A3
第4の側縁部 S314
中心位置 P2、P3
第2の延在部 32,32’
線 G1-G5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21