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特許7514293フェーズドアレー用アンテナ素子およびフェーズドアレーアンテナ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】フェーズドアレー用アンテナ素子およびフェーズドアレーアンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/24 20060101AFI20240703BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALI20240703BHJP
   H01Q 1/52 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H01Q21/24
H01Q21/28
H01Q1/52
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022212802
(22)【出願日】2022-12-29
【審査請求日】2023-01-11
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000217653
【氏名又は名称】電気興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100193389
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 智利
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 将大
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/158810(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 21/24
H01Q 21/28
H01Q 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略正方形のフェーズドアレー用アンテナ素子であって、
複数の異なる偏波の信号を送信または受信する偏波通信部、
nを2以上の自然数として、略正方形のフェーズドアレー用アンテナ素子の中心に配置される略正2n角形の金属素子、
略正方形の周囲に配置される複数のスルーホール、
および、
略正方形の前記フェーズドアレー用アンテナ素子の四隅にある4つのコーナー部に配置される4つの金属部を有し、
前記金属部は複数の前記スルーホールに接続され、
前記金属素子は、前記複数のスルーホールに接続された前記金属部から離間する向きに配置されていることを特徴とする、フェーズドアレー用アンテナ素子。
【請求項2】
前記金属部は全体として略L字型であることを特徴とする、請求項1に記載のフェーズドアレー用アンテナ素子。
【請求項3】
右旋円偏波の波長λRおよび左旋円偏波の波長λLに対して、
前記金属部がない場合の交差偏波が大きい方の波長をλBとして、
前記金属部の間の距離が0.13λB以上0.2λB以下であることを特徴とする、請求項2に記載のフェーズドアレー用アンテナ素子。
【請求項4】
複数の異なる偏波が、右旋円偏波と左旋円偏波であることを特徴とする、請求項2に記載のフェーズドアレー用アンテナ素子。
【請求項5】
複数の異なる偏波が、異なる直線偏波であることを特徴とする、請求項2に記載のフェーズドアレー用アンテナ素子。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のフェーズドアレー用アンテナ素子を複数備えたフェーズドアレーアンテナ。
【請求項7】
隣接する前記フェーズドアレー用アンテナ素子の、隣接する前記金属部が、一体に形成されていることを特徴とする、請求項6に記載のフェーズドアレーアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェーズドアレー用アンテナ素子およびフェーズドアレーアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の素子を格子状に配列したフェーズドアレーアンテナが知られている。
このフェーズドアレーアンテナにおいて、1つの素子で右旋円偏波と左旋円偏波の2つを用いることが知られている。
これにより、2つの独立した信号の送受信が可能となる。
特許文献1には、スルーホールを備えたアンテナに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2019-515536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、図15に示されるような、縦方向に3素子、横方向に3素子の、計9素子を用いたフェーズドアレーアンテナの中心素子において、7500MHzの右旋円偏波、8150MHzの左旋円偏波を用いた場合、特に8150MHzにて交差偏波が大きく、主偏波と交差偏波の差が10dB程度になる。
この問題を解決するため、図16に示されるように、素子周辺にリング状に金属を配置すると、8150MHzの主偏波と交差偏波の差が10dB以上に抑制されるが、7500MHzのビームが太くなってしまう。さらに端子間結合量も-10dB~-5dB程度となるなど悪化する。
特許文献1も、フェーズドアレーアンテナにおいて素子間隔と交差偏波を抑制する構成は開示も示唆もしてない。
ビームが太くならないようにするためには、隣接する素子の影響を避けるという観点から、素子間隔を広げることも考えられる。しかし、素子間隔を広げると、フェーズドアレーアンテナ自体の大型化やビーム走査範囲が狭くなるなどの問題が生じる。
そこで、本発明は、素子間隔を広げることなく、交差偏波を抑制できる、フェーズドアレー用アンテナ素子およびこのアンテナ素子を用いたフェーズドアレーアンテナを提供することを目的とする。
本発明のその他の目的は、発明を実施するための形態においても説明される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
フェーズドアレーアンテナにおいては、個々のアンテナ素子の周囲にスルーホールを設けると、周波数特性が安定する。
そこで、このスルーホールのうち、一部のみを金属で接続することで、素子間隔を広げることなく、交差偏波を抑制する構成とすることができる。

本発明の請求項1に係るフェーズドアレー用アンテナ素子は、
略正方形のフェーズドアレー用アンテナ素子であって、
複数の異なる偏波の信号を送信または受信する偏波通信部、
nを2以上の自然数として、略正方形のフェーズドアレー用アンテナ素子の中心に配置される略正2n角形の金属素子、
略正方形の周囲に配置される複数のスルーホール、および、
略正方形のフェーズドアレー用アンテナ素子の四隅にある4つのコーナー部に配置される4つの金属部を有し、
金属部は複数のスルーホールに接続されていることを特徴とする、フェーズドアレー用アンテナ素子である。

本発明の請求項2に係るフェーズドアレー用アンテナ素子は、
金属部は全体として略L字型であることを特徴とする、請求項1に記載のフェーズドアレー用アンテナ素子である。

本発明の請求項3に係るフェーズドアレー用アンテナ素子は、
右旋円偏波の波長λRおよび左旋円偏波の波長λLに対して、
金属部がない場合の交差偏波が大きい方の波長をλBとして、
金属部の間の距離が0.13λB以上0.2λB以下であることを特徴とする、請求項2に記載のフェーズドアレー用アンテナ素子である。

本発明の請求項4に係るフェーズドアレー用アンテナ素子は、
複数の異なる偏波が、右旋円偏波と左旋円偏波であることを特徴とする、請求項2に記載のフェーズドアレー用アンテナ素子である。

本発明の請求項5に係るフェーズドアレー用アンテナ素子は、
複数の異なる偏波が、異なる直線偏波であることを特徴とする、請求項2に記載のフェーズドアレー用アンテナ素子である。

本発明の請求項6に係るフェーズドアレーアンテナは、
請求項1ないし5のいずれかに記載のフェーズドアレー用アンテナ素子を複数備えたフェーズドアレーアンテナである。

本発明の請求項7に係るフェーズドアレーアンテナは、
隣接するフェーズドアレー用アンテナ素子の、隣接する金属部が、一体に形成されていることを特徴とする、請求項6に記載のフェーズドアレーアンテナである。

本発明は、以上の構成により、素子間隔を広げることなく、交差偏波を抑制でき、フェーズドアレーアンテナに使用する際、従来より広角にビーム操作可能となる。つまり、素子の間隔を広げる必要が無いため、小型かつ広角にビーム走査できる。そして、X帯フェーズドアレーアンテナの交差偏波の問題も解決できる。
本発明のその他の効果は、発明を実施するための形態においても説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の構成例を示す。
図2】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の構成例を示す。
図3】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の構成例を示す。
図4】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の構成例を示す。
図5】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の構成例を示す。
図6】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の特性例を示す。
図7】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の特性例を示す。
図8】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の特性例を示す。
図9】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の特性例を示す。
図10】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の特性例を示す。
図11】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の特性例を示す。
図12】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の金属部の構成例を示す。
図13】本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子の金属部の構成例を示す。
図14】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの構成例を示す。
図15】従来例を示す。
図16】比較例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1および図2は、本発明の一実施例におけるフェーズドアレーアンテナ1およびフェーズドアレー用アンテナ素子10の構成例を示す。
本説明および図面では、フェーズドアレーアンテナ1およびフェーズドアレー用アンテナ素子10を、それぞれアレーアンテナおよびアンテナ素子と呼ぶことがある。
【0008】
本実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子10は、略正方形である。
フェーズドアレー用アンテナ素子10は、偏波通信部11、金属素子12、複数のスルーホール14、および、4つの金属部15を有する。
偏波通信部11は複数の異なる偏波の信号を送信または受信するものであり、本実施例では端子部11として形成されている。本実施例では複数の異なる偏波の信号を送信および受信するが、送信のみ、あるいは、受信のみ行う構成でもよい。
【0009】
端子部11には複数の異なる偏波が入力される。本実施例では、右旋円偏波および左旋円偏波用の信号が入力される。本実施例において端子部11は2つ、つまり、右旋円偏波および左旋円偏波用に2つ設けられている。
もちろん、2つの信号が入力できれば、端子部11は2つ以外に1つなどでもよい。また、本実施例では、フェーズドアレー用アンテナ素子10において、金属素子12が設けられる表面に対して、端子部11は裏面に設けられているが、端子部11は側面などそれ以外の場所に設けることもできる。あるいは、本実施例では制御部は外部に設けられているが、フェーズドアレー用アンテナ素子10と制御部を一体化して、フェーズドアレー用アンテナ素子10が制御部および偏波送受信部11を内蔵する構成とし、端子部11自体は省略することもできる。この場合には、偏波通信部11は制御部となる。
【0010】
金属素子12は、nを2以上の自然数として、略正2n角形であり、略正方形のフェーズドアレー用アンテナ素子10の中心に配置される。「略正2n角形」とは、nが無限大の場合としての略円形も含む。
図1は、金属素子12がn=2の正方形の場合を示すが、例えば、図3のようにn=3の正六角形、図4のようにn=4の正八角形、あるいは、図5のように円形でもよい。
【0011】
金属部15は、略正方形のフェーズドアレー用アンテナ素子10の四隅にある4つのコーナー部に、1つずつ配置されている。
複数のスルーホール14は略正方形の周囲に配置され、それぞれの金属部15は複数のスルーホール14に接続されている。
【0012】
金属素子12は、金属部15から離間する向きに配置されている。つまり、例えば、金属部15に向かって伸びるようなX字型は含まない。
同時に、金属部15は、略正方形の角を詰めるように配置されている。つまり、角から出っ張る形状は含まない。
【0013】
図1は、本発明の一実施例におけるフェーズドアレーアンテナ1の構成例を示す。
略正方形であるアンテナ素子10の間隔は18.0mm、素子基板13の4つの角にL字型の金属部15をそれぞれ配置している。素子基板13は17.5mm、アンテナ素子10の正方形の対角線は10.0mmであり、素子基板13の1/3程度の長さである6.0mmだけ、金属部15が離間するようにカットしている。
本構成では、交差偏波が大きい8150MHzでも主偏波と交差偏波の差を15dB以上に抑制できる。n=3,4,6などの他の場合においても同様に交差偏波を抑制できる。
【0014】
金属部15同士の離間距離、つまり、カット幅が、7mm(0.2λB)の場合も同様の効果があるが、8mm(0.22λB)になると、正方形や正六角形などいずれの場合も主偏波と交差偏波の差が10dB程度と悪化する。
また、7500MHzや8400MHzでも、金属部15がない場合は交差偏波が抑制できず、金属部15がリング状である場合には、ビーム幅が広くなりすぎてしまったり、端子間結合量も悪化する。
【0015】
以上のように、素子間隔を広げることなく、交差偏波を抑制でき、フェーズドアレーアンテナ1に使用する際、従来より広角にビーム操作可能となる。つまり、素子の間隔を広げる必要が無いため、小型かつ広角にビーム走査できる。そして、X帯フェーズドアレーアンテナ1の交差偏波の問題も解決できる。
一実施例において、金属部15は全体として略L字型である。「略L字型」とは、後述の図13に示される略二等辺直角三角形を含む。
【0016】
図6および図7は、本発明の一実施例におけるフェーズドアレー用アンテナ素子10を用いたフェーズドアレーアンテナ1の特性を示す。
本実施例では、周波数として7300MHzから8400MHzの電磁波を使用している。指向性の面からは、金属部15の間の距離であるカット幅は0.02λB~0.2λBが望ましい。
他方、図6の特に左側つまり低周波側で示されるように、金属部15の間の距離であるカット幅が0.11λB以下では端子間結合量が大きくなってしまうが、カット幅が0.12λB程度で端子間結合が-10dB以下となり、カット幅が0.13λB~0.2λBの範囲で完全に良好な結果を示す。
【0017】
図8に示されるように、カット幅が0.12λBの場合、35°で主偏波と交差偏波の差が9.9dBとなり、使用できる範囲が狭くなってしまう。
これに対して、図9および図10に示されるように、カット幅が0.13λB~0.2λBの場合、60°付近まで主偏波と交差偏波の差が10dB以上あり、使用できる範囲が広い。
また、図11に示されるように、カット幅が0.21λBの場合、21°で主偏波と交差偏波の差が9.9dBとなり、使用できる範囲が狭くなってしまう。
【0018】
他の周波数帯および形状においても同様の特性が見られる。このことから、隣接するフェーズドアレー用アンテナ素子10同士の中間にある、フェーズドアレー用アンテナ素子10の略正方形の一辺において、この一辺方向に1/4波長、つまり、0.25波長程度の成分が、交差偏波の生成に影響していることが推測される。実際には、金属部15は有限の大きさを有するため、金属部15の間の距離が0.25波長よりやや小さい範囲で、交差偏波を大幅に減少させることができると考えられる。
以上のように、金属部15の間の距離は、右旋円偏波の波長λRおよび左旋円偏波の波長λLに対して、金属部15がない場合の交差偏波が大きい方の波長をλBとして、金属部15の間の距離が0.13λB以上0.2λB以下であることが望ましい。
【0019】
同一の金属部15において主偏波のビーム幅等は、右旋円偏波・左旋円偏波とも大きくは変わらないが、交差偏波の大きさについては一方が他方より大きい場合がほとんどである。このため、交差偏波が大きい方の波長λBに合わせて、金属部15の間の距離を設計することにより、全体としての特性を向上させることができる。
なお、右旋円偏波の波長λRおよび左旋円偏波の波長λLに対して、金属部15がない場合の交差偏波が等しい場合には、λBとλRとλLを等しくすればよいことは言うまでもなく、この場合には、「右旋円偏波の波長λRおよび左旋円偏波の波長λLに対して、金属部がない場合の交差偏波が大きい方の波長をλBとして、金属部の間の距離が0.13λB以上0.2λB以下である」とは、「金属部15の間の距離が0.13λR以上0.2λR以下である」と同時に「金属部15の間の距離が0.13λL以上0.2λL以下である」ことを意味する。
【0020】
本実施例では7300MHzから8400MHzの円偏波を用いているが、 あくまで一例であり、円偏波以外の直線偏波にも適用できる。
一実施例において、端子部11に入力される複数の異なる偏波は、複数の異なる直線偏波である。
【0021】
図12および図13は、本発明の一実施例における金属部15を示す。
スルーホール14は、金属部15内にL字状に配列されている。L字状以外の部分にも、スルーホール14が形成されていてもよい。
【0022】
本発明の一実施例として、図14に示されるように、上述のいずれかに記載のフェーズドアレー用素子10を複数備えたフェーズドアレーアンテナ1において、隣接するフェーズドアレー用アンテナ素子10の、隣接する金属部15は、一体に形成されている構成とすることもできる。
本実施例では、複数の素子を金属部15で一体化し、同時に加工するため製造時の工数を減らすことができ、コストにおいても有利となる。
【0023】
本発明は以上の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な実施例を含むことは言うでもない。
例えば、基板の最上層に設けられているスルーホールは金属部からはみ出ていてもよく、あるいは、隣接するアンテナ素子の間でスルーホールが共用される構成でもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 フェーズドアレーアンテナ
10 フェーズドアレー用アンテナ素子
11 端子部(偏波通信部)
12 金属素子
13 素子基板
14 スルーホール
15 金属部
【要約】
【課題】素子間隔を広げることなく、交差偏波を抑制できる、フェーズドアレー用アンテナ素子およびこのアンテナ素子を用いたフェーズドアレーアンテナを提供する。
【解決手段】フェーズドアレー用アンテナ素子は略正方形であって、複数の異なる偏波の信号を送信または受信する偏波通信部、nを2以上の自然数として、略正方形のフェーズドアレー用アンテナ素子の中心に配置される略正2n角形の金属素子、略正方形の周囲に配置される複数のスルーホール、および、略正方形のフェーズドアレー用アンテナ素子の四隅にある4つのコーナー部に配置される4つの金属部を有し、金属部は複数のスルーホールに接続されている。

【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16