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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】ガス検出モジュールおよびモバイル端末
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/00 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
G01N33/00 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022577650
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 CN2021100727
(87)【国際公開番号】W WO2021254460
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】202021126348.2
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(73)【特許権者】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジュヨン,リーリヤーン
(72)【発明者】
【氏名】リヒター,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】グリューナーベル, ローレンツ
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-045497(JP,A)
【文献】特表2019-527352(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0302073(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109425692(CN,A)
【文献】特表2019-518955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/00 -33/46
G01N 1/00 - 1/44
G01N 33/48 -33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス検出モジュールであって、
検出室を有するガスセンサと、
ポンプ室と、前記ポンプ室と連通する第1の連通口および第2の連通口とを有するマイクロポンプと、
固定台座であり、互いに対向する第1の表面および第2の表面を有する底板を含む固定台座
を含み、前記ガスセンサおよび前記マイクロポンプは、前記底板の前記第1の表面上に並んで配置され、前記底板、両方とも前記固定台座の外部と連通する第1の流体ポートおよび第2の流体ポートが設けられ、前記第1の流体ポートは前記検出室と連通し、前記第2の流体ポートは前記第2の連通口と連通し、前記底板の前記第1の表面に流路が形成され、前記流路の一端は前記第1の流体ポートと連通し、前記流路の他端は前記第1の連通口と連通する、
ガス検出モジュール。
【請求項2】
前記第1の流体ポートと前記第1の連通口との間の前記流路の容積はVs1であり、
【数1】
であり、ここで、Vmは前記マイクロポンプの流量であり、Fgは、前記ガスセンサの検出周波数である、
請求項1に記載のガス検出モジュール。
【請求項3】
前記第1の流体ポートおよび/または前記第2の流体ポート内にガス透過性濾過要素が配置され、前記ガス透過性濾過要素は、前記第1の流体ポートまたは前記第2の流体ポート内に吸引されたガス中の液体を濾過するように構成される、請求項1または2に記載のガス検出モジュール。
【請求項4】
モバイル端末の主制御基板に電気的に接続されるように構成された回路基板
をさらに含み、前記回路基板は、前記ガスセンサの一方側に配置され、前記回路基板は、前記ガスセンサに電気的に接続され、前記マイクロポンプに電気的に接続される、
請求項1からのいずれか一項に記載のガス検出モジュール。
【請求項5】
前記固定台座は、前記検出室のガス入口に対向する側壁を有し、前記側壁に前記第1の流体ポートが設けられ、前記第1の流体ポートと連通する貯留室が、前記側壁の、前記検出室の前記ガス入口に対向する壁面に形成され、前記貯留室は前記検出室と連通する、請求項1からのいずれか一項に記載のガス検出モジュール。
【請求項6】
前記マイクロポンプは、一方向マイクロポンプまたは双方向マイクロポンプである、請求項1からのいずれか一項に記載のガス検出モジュール。
【請求項7】
前記固定台座に取付室が形成され、前記ガスセンサは前記取付室内に位置し、前記ガスセンサが前記取付室と接触する位置はすべて気密接続され、前記取付室は前記第1の流体ポートと連通し、前記流路は前記取付室と連通する、請求項1から6のいずれか一項に記載のガス検出モジュール。
【請求項8】
前記固定台座は、
離板であって、前記底板が当該分離板の一方側に位置する第1の側と当該分離板の他方側に位置する第2の側とを形成するように前記底板の前記第1の表面の中央に配置された分離
さらに含み、前記第1の側に前記第1の流体ポートが設けられ、前記第2の側に前記第2の流体ポートが設けられ、前記流路は、前記分離板の下を通って前記第1の側から前記第2の側に延在し、前記第1の側に前記ガスセンサが配置され、前記第2の側に前記マイクロポンプが配置される、
請求項に記載のガス検出モジュール。
【請求項9】
前記第2の側の前記第1の表面流体溝が形成され、前記流体溝は前記第2の側の外縁に延在し、前記流体溝前記第2の流体ポートを形成する、請求項に記載のガス検出モジュール。
【請求項10】
前記固定台座は、
前記第1の側に配置され、前記分離板とともに前記取付室を包囲する囲い板
をさらに含み、前記取付室には前記ガスセンサが配置され、前記ガスセンサが前記取付室と接触する位置はすべて、シーラント層を用いて接続され、前記取付室は前記第1の流体ポートと連通し、前記第1の側に延在する前記流路の端部は前記取付室と連通する、
請求項8または9に記載のガス検出モジュール。
【請求項11】
前記マイクロポンプは、加振板を含み、前記加振板は、電気信号が前記加振板に印加されたときに振動することができ、前記加振板は、前記第1の表面から離れた前記マイクロポンプの一方側に位置し、前記囲い板および前記第1の表面から離れた前記分離板の表面は、前記加振板の表面よりも高い、請求項10に記載のガス検出モジュール。
【請求項12】
前記ガスセンサに電気的に接続された制御モジュールと、
前記マイクロポンプに電気的に接続され、前記マイクロポンプの前記加振板に電気信号を印加するように構成された駆動チップであって、前記制御モジュールに電気的に接続された駆動チップと
をさらに含む、請求項11に記載のガス検出モジュール。
【請求項13】
前記固定台座は、金属材料で作られる、請求項1から12のいずれか一項に記載のガス検出モジュール。
【請求項14】
モバイル端末であって、
筐体と、
請求項1から13のいずれか一項に記載のガス検出モジュールと
を含み、前記ガス検出モジュールは前記筐体内に配置され、前記筐体に第1のガス孔および/または第2のガス孔が設けられ、前記第1のガス孔は前記第1の流体ポートと連通し、前記第2のガス孔は前記第2の流体ポートと連通する、
モバイル端末。
【請求項15】
前記第1のガス孔および/または前記第2のガス孔は、前記筐体に設けられたマイク孔である、請求項14に記載のモバイル端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年6月17日に中国国家知識産権局に提出された、「GAS DETECTION MODULE AND MOBILE TERMINAL」と題する中国特許出願第202021126348.2号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本願は、モバイル端末のガス検出技術分野に関し、特に、ガス検出モジュールおよびモバイル端末に関する。
【背景技術】
【0003】
携帯電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイスなどのモバイル端末の発展に伴い、人々は、モバイル端末を用いて、ガス成分、ガス濃度、臭気マップなどを検出したいと望んでいる。検出の対象物には、周辺空気だけでなく呼気ガスも含まれる。
【0004】
図1は、従来技術におけるモバイル端末に搭載されたガス検出モジュールを示す。ガス検出モジュールの動作原理は以下の通りである。マイクロポンプ04の圧電膜05に第1の電気信号が印加(load)されると、圧電膜05が図1の方向P1に移動し、ポンプ室06の容積が増加して負圧を形成し、それにより、外部ガスがガス出入口01およびガス流路02を順次流れてガスセンサ(Gas sensor)03の検出室に吸い込まれ、吸い込まれたガスが検出される。圧電膜05に第2の電気信号が印加されると、圧電膜05が図1の方向P2に移動し、ポンプ室06の容積が減少し、それにより、ガスセンサ03の検出室内のガスが順にガス流路02およびガス出入口01を通って排出される。
【0005】
ガス検出モジュールの検出精度を確保するためには、圧電膜05が図1の方向P2に移動したときにガスセンサの検出室内のガスを完全に排出して、ガスセンサの検出室内のガスを完全に排出することができずに検出精度に影響を与える現象を回避することができるように、ポンプ室06の容積を比較的大きく設計する必要がある。しかしながら、この場合、ガス検出モジュール全体の体積が比較的大きくなり、小型化設計の要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【0006】
本願の実施形態は、ガス検出モジュールおよびモバイル端末を提供し、検出精度への影響を低減することを前提として、体積が比較的小さいガス検出モジュールを提供することを主な目的とする。
【0007】
前述の目的を達成するために、本願の実施形態では以下の技術的解決策が使用される。
【0008】
一態様によれば、本願は、ガス検出モジュールを提供し、ガス検出モジュールは、固定台座と、ガスセンサと、マイクロポンプとを含む。ガスセンサは、検出室を有し、マイクロポンプは、ポンプ室と、ポンプ室と連通する第1の連通口および第2の連通口とを有し、ガスセンサおよびマイクロポンプは、固定台座に並んで配置され、固定台座には、固定台座の外部と連通する第1の流体ポートおよび第2の流体ポートが設けられ、第1の流体ポートは検出室と連通し、第2の流体ポートは第2の連通口と連通し、固定台座には流路がさらに形成され、流路の一端は第1の流体ポートと連通し、流路の他端は第1の連通口と連通する。
【0009】
本願の実施形態において提供されるガス検出モジュールによれば、ガスセンサおよびマイクロポンプは、固定台座に統合され、固定台座には、固定台座の外部と連通する第1の流体ポートおよび第2の流体ポートが設けられる。言い換えると、第1の流体ポートがガス入口であり、第2の流体ポートがガス出口である場合、すなわち、ガス入口およびガス出口が2つの独立したポートである場合、マイクロポンプの作用により、外部ガスは、ガスセンサがガスを検出することができるように、ガス入口を通ってガスセンサの検出室に入る。加えて、ガス出口は、ガス検出モジュール内の元のガスを排出する。ガス入口とガス出口とが1つのポートを共有する従来技術の技術的解決策と比較して、マイクロポンプのポンプ室を比較的大きく設計する必要なしに、ガスセンサの検出室内のガスを完全に排出することができる。したがって、本願では、検出精度への影響を低減することなく、ガス検出モジュールの体積を比較的小さくすることができる。加えて、ガスセンサおよびマイクロポンプは、固定台座に統合され、第1の流体ポート、第2の流体ポートおよび流路が固定台座に形成される。ガスを導入および排出するためのガス管または別の流れ方向付け構造と比較して、本願におけるガス検出モジュールは、よりコンパクトな構造を有し、小型化設計がより容易に実装され、取付けが便利であり、それによって、取付け工程の難易度を下げることができる。
【0010】
第1の態様の可能な実装形態では、第1の流体ポートと第1の連通口との間の流路の容積はVs1であり、
【数1】
であり、ここで、Vmはマイクロポンプの流量であり、Fgは、ガスセンサの検出周波数である。換言すると、第1の流体ポートがガス入口であり、第2の流体ポートがガス出口である場合、すなわち、ガスセンサが上流に位置し、マイクロポンプが下流に位置する場合、ガスセンサが検出を1回実行すると、ガスセンサの検出室内のガスは少なくとも1回交換する必要がある。このようにして、マイクロポンプの流量、ガスセンサの検出周波数、および第1の流体ポートと第1の連通口との間の流路の容積が数式を満たす場合にのみ、より良好な検出効果を達成することができ、検出精度を向上させることができる。
【0011】
第1の態様の可能な実装形態では、第2の流体ポートと第2の連通口との間の容積、ポンプ室の容積、および第1の連通口とガスセンサの検出室の入口との間の流路の容積の合計は、Vs2であり、
【数2】
であり、ここでVmはマイクロポンプの流量であり、Fgは、ガスセンサの検出周波数である。換言すれば、第2の流体ポートがガス入口であり、第1の流体ポートがガス出口である場合、すなわち、マイクロポンプが上流に位置し、ガスセンサが下流に位置する場合、ガスセンサが検出を1回実行すると、ガスセンサの検出室内のガスは少なくとも1回交換する必要がある。このようにして、マイクロポンプの流量、ガスセンサの検出周波数、およびVs2が数式を満たす場合にのみ、より良好な検出効果を達成することができ、検出精度を向上させることができる。
【0012】
第1の態様の可能な実装形態では、固定台座に取付室が形成され、ガスセンサは取付室内に位置し、ガスセンサが取付室と接触する位置は気密接続され、取付室は第1の流体ポートと連通し、流路は取付室と連通する。ガスセンサは、取付室に配置され、取付室に気密接続されているので、検出効率を向上させることができ、ガス漏れの現象を回避することができる。加えて、流路が取付室と連通しているので、流路が第1の流体ポートと連通することができる。
【0013】
第1の態様の可能な実装形態では、第1の流体ポートおよび/または第2の流体ポート内にガス透過性濾過要素が配置され、ガス透過性濾過要素は、第1の流体ポートまたは第2の流体ポート内に吸引されたガス中の液体を濾過するように構成される。ガス透過性濾過要素は、ガスは通過させるが、液体は通過させない。したがって、ガス透過性濾過要素を設けることにより、液体がガスセンサの検出室に進入して検出精度に影響を与えるのを効果的に防止することができる。加えて、ガスが拡散する場合、ガス透過性濾過要素を通してガスがガスセンサの検出室に均一に流入して、ガス検出の安定性を向上させることができる。
【0014】
第1の態様の可能な実装形態では、ガス検出モジュールは、モバイル端末の主制御基板に電気的に接続されるように構成された回路基板をさらに含み、回路基板は、ガスセンサの一方側に配置され、回路基板は、ガスセンサに電気的に接続され、マイクロポンプに電気的に接続される。回路基板が配置され、ガスセンサおよびマイクロポンプの両方が回路基板に電気的に接続され、それにより、ガスセンサおよびマイクロポンプの信号が主制御基板に送信される。このようにして、回路基板、固定台座、ガスセンサ、およびマイクロポンプは、1つのモジュールを形成する。具体的な取付けの際には、取付けが便利であり、組立て効率が向上する。加えて、回路基板をガスセンサの一方側には配置してマイクロポンプの一方側には配置しない理由は、マイクロポンプが振動可能な加振板(vibration exciting plate)を含み、マイクロポンプの一方側に取り付けた場合、回路基板が加振板と干渉する可能性があるからである。したがって、本願のこの実施形態では、回路基板は、ガスセンサの一方側に配置される。
【0015】
第1の態様の可能な実装形態では、固定台座は、検出室のガス入口に対向する側壁を有し、側壁には第1の流体ポートが設けられ、第1の流体ポートと連通する貯留室が、側壁の、検出室のガス入口に対向する壁面に形成され、貯留室は検出室と連通する。ガス検出モジュールが静的検出シナリオに適用されるとき、すなわち、マイクロポンプが一定期間オンにされ、ガスセンサの検出室内のガスが排出され、検出室が外部ガスで満たされた後に、マイクロポンプがオフにされる。貯留室を配置することによって、ガスセンサが検出を実行するときに、検出されたガスを貯留室に貯蔵することができ、それによって、検出効率が向上する。
【0016】
第1の態様の可能な実装形態では、マイクロポンプは、一方向マイクロポンプまたは双方向マイクロポンプである。双方向マイクロポンプを使用する場合、すなわち、いくつかの適用シナリオでは、第1の連通口がガス入口であり、第2の連通口がガス出口である場合、第1の流体ポートがガス入口であり、第2の流体ポートがガス出口であり。いくつかの他の適用シナリオでは、第2の連通口がガス入口であり、第1の連通口がガス出口である場合、第2の流体ポートがガス入口であり、第1の流体ポートがガス出口である。この設計の利点は、ガスの流れ方向を変更することができることであり、それにより、第1の流体ポートと第2の流体ポートとの間のガス流路が遮断されるのを防止し、ガス検出モジュールの使用性能を向上させる。加えて、ガス検出モジュールは、異なるシナリオに適用することができる。
【0017】
第1の態様の可能な実装形態では、固定台座は、底板と分離板とを含む。底板は、互いに対向する第1の表面および第2の表面を有し、分離板は、底板が分離板の一方側に位置する第1の側と分離板の他方側に位置する第2の側とを形成するように第1の表面の中央に配置され、第1の側に第1の流体ポートが設けられ、第2の側に第2の流体ポートが設けられ、流路は、第1の表面に設けられ、第1の側から第2の側に延在し、第1の側にガスセンサが配置され、第2の側にマイクロポンプが配置される。固定台座は、構造が単純かつコンパクトであり、占有する空間が小さい。
【0018】
第1の態様の可能な実装形態では、固定台座は、囲い板をさらに含む。囲い板は、第1の側に配置され、分離板とともに取付室を包囲する。取付室にはガスセンサが配置され、ガスセンサが取付室と接触する位置は、シーラント層を用いてすべて接続され、取付室は第1の流体ポートと連通し、第1の側に延在する流路の端部は取付室と連通する。ガスセンサは、取付室に配置され、取付室に気密接続されているので、検出効率を向上させることができ、ガス漏れの現象を回避することができる。
【0019】
第1の態様の可能な実装形態では、マイクロポンプは、加振板を含み、加振板は、電気信号が加振板に印加されたときに振動することができ、加振板は、第1の表面から離れたマイクロポンプの一方側に位置し、囲い板および第1の表面から離れた分離板の表面は、加振板の表面よりも高い。具体的な実装の際には、囲い板および第1の表面から離れた分離板の表面は、加振板の表面よりもわずかに高い。加振板の振動振幅は小さいので、囲い板および第1の表面から離れた分離板の表面が加振板の表面よりもわずかに高いことで、加振板が振動するための空間が確保され、それによって、別の構造と加振板との干渉が回避される。
【0020】
第1の態様の可能な実装形態では、第2の側の第1の表面には流体溝が形成され、流体溝は第2の側の外縁に延在し、流体溝は第2の流体ポートを形成する。流体溝が第2の側の第1の表面に設けられた結果、流体溝が第2の流体ポートを形成し、構造および製造工程が単純となり、第2の流体ポートは実装が容易である。
【0021】
第1の態様の可能な実装形態では、ガス検出モジュールは、制御モジュールと駆動チップとをさらに含み、制御モジュールは、ガスセンサに電気的に接続され、駆動チップは、マイクロポンプに電気的に接続され、マイクロポンプの加振板に電気信号を印加するように構成され、駆動チップは、制御モジュールに電気的に接続される。制御モジュールは、駆動チップを制御してマイクロポンプの加振板に印加される電気信号を制御し、印加される電気信号を変化させてマイクロポンプの動作周波数および流量を変化させ、ガスセンサの周波数を制御してガスセンサの周波数を変化させ、ガス検出モジュールが異なるシナリオに適用されるようにする。
【0022】
第1の態様の可能な実装形態では、固定台座は、金属材料で作られる。プラスチック材料などと比較して、金属材料で作られた固定台座により放出される不純ガスは少ないので、ガス検出モジュールの検出精度を向上させることができる。
【0023】
第1の態様の可能な実装形態では、マイクロポンプは、シーラント層を用いて固定台座に固定される。マイクロポンプは、シーラント層を用いて固定される。マイクロポンプを固定するための溶接構造の封止性能は、シーラント層の封止性能よりも劣り、これは、ガス検出モジュール全体の封止性能に影響を与え、さらには検出精度に影響を与える。加えて、溶接構造を用いてマイクロポンプを固定台座に固定する場合、溶接プロセス温度が比較的高く、ガス検出モジュール全体が小型でコンパクトな構造であるので、比較的高いプロセス温度は、ガスセンサおよびマイクロポンプに損傷を与える。
【0024】
別の態様によれば、本願は、モバイル端末を提供し、モバイル端末は、筐体と、第1の態様または第1の態様の任意の実装形態におけるガス検出モジュールとを含み、ガス検出モジュールは筐体内に配置され、筐体に第1のガス孔および/または第2のガス孔が設けられ、第1のガス孔は第1の流体ポートと連通し、第2のガス孔は第2の流体ポートと連通する。
【0025】
本願で提供されるモバイル端末では、ガス検出モジュールは、第1の態様の任意の実装形態におけるガス検出モジュールを使用するので、互いに独立した第1の流体ポートおよび第2の流体ポートが、ガス検出モジュールの固定台座に設けられる。ガス入口とガス出口とが1つのポートを共有する従来技術での技術的解決策と比較して、マイクロポンプの比較的大きな吸気ストロークおよび排気ストロークを設計することなく、すなわち、マイクロポンプのポンプ室の容積を比較的大きくする必要がなく、ガスセンサの検出室内のガスを完全に排出することができる。ガス検出モジュールは、検出精度への影響を低減することなく比較的小さな体積を有するので、ガス検出モジュールが筐体内で占有する取付け空間は比較的小さい。
【0026】
第2の態様の可能な実装形態では、第1のガス孔および/または第2のガス孔は、筐体に設けられたマイク孔である。マイク孔をガス孔として使用することにより、筐体上のガス孔の数を減らすことができ、美観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術におけるガス検出モジュールの構造の概略図である。
図2】本願の一実施形態による、ガス検出モジュールを有するモバイル端末の構造の概略図である。
図3】本願の一実施形態による、ガス検出モジュールの構造の概略図である。
図4】本願の一実施形態による、NFCアンテナの構造の概略図である。
図5図4を別の方向から見た図である。
図6a】本願の一実施形態による、マイクロポンプの第1の連通口および第2の連通口が両方とも閉状態である構造の概略図である。
図6b】本願の一実施形態による、マイクロポンプの第1の連通口が開状態であり、マイクロポンプの第2の連通口が閉状態である構造の概略図である。
図6c】本願の一実施形態による、マイクロポンプの第1の連通口が閉状態であり、マイクロポンプの第2の連通口が開状態である構造の概略図である。
図7】本願の一実施形態による、第1の流体ポートと第1の連通口との間の流路の容積を反映するための構造の概略図である。
図8】本願の一実施形態による、ガス透過性濾過要素を含むガス検出モジュールの構造の概略図である。
図9】本願の一実施形態による、回路基板を含むガス検出モジュールの構造の概略図である。
図10】本願の一実施形態による、制御モジュール、駆動チップ、ガスセンサ、マイクロポンプおよびマルチメディアアプリケーションの間の回路接続関係の概略図である。
図11】本願の一実施形態による、動的検出シナリオにおけるガス検出モジュールのための検出方法のフローチャートブロック図である。
図12】本願の一実施形態による、動的検出シナリオにおけるガス検出モジュールの動作状態図である。
図13】本願の一実施形態による、動的検出シナリオにおけるガス検出モジュールの他の動作状態図である。
図14】本願の一実施形態による、静的検出シナリオにおけるガス検出モジュールのための検出方法のフローチャートブロック図である。
図15】本願の一実施形態による、静的検出シナリオにおけるガス検出モジュールの動作状態図である。
図16】本願の一実施形態による、静的検出シナリオにおけるガス検出モジュールの別の動作状態図である。
【0028】
参照番号:
01-ガス出入口、02-ガス流路、03-ガスセンサ、04-マイクロポンプ、05-圧電膜、06-ポンプ室、A-モバイル端末、A1-筐体、A2-ガス検出モジュール、A3-ガス孔、1-固定台座、101-第1の流体ポート、102-第2の流体ポート、103-流路、104-取付室、105-貯留室、11-底板、12-分離板、13-囲い板、F1-第1の表面、F2-第2の表面、K1-第1の開口溝、K2-第2の開口溝、2-ガスセンサ、3-マイクロポンプ、301-ポンプ室、302-第1の連通口、303-第2の連通口、304-加振板、4-ガス透過性濾過要素、5-制御モジュール、6-駆動チップ、7-回路基板、8-信号線、9-マルチメディアアプリケーション。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本願の実施形態は、ガス検出モジュールおよびモバイル端末に関する。以下では、添付の図面を参照しながら、ガス検出モジュールおよびモバイル端末について詳細に説明する。
【0030】
本願の実施形態は、モバイル端末を提供する。図2を参照すると、モバイル端末Aは、筐体A1と、筐体A1内に配置されたガス検出モジュールA2とを含む。ガス検出モジュールA2は、周囲空気の成分または濃度を検出することができるか、または呼気ガスの成分または濃度を検出することができるか、または他の検出された物質の臭気マップ(複数のガス成分および濃度によって形成された具体的な特性を有するクロマトグラフィー、例えば、レーダーマップまたはバーマップ)を検出することができる。したがって、モバイル端末は、ガス検出機能を有しており、モバイル端末のユーザ体験を向上させる。
【0031】
本願におけるモバイル端末は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス、車載システム、拡張現実(augmented reality、AR)デバイス、仮想現実(virtual reality、VR)デバイスなどであり得ることに留意されたい。モバイル端末の具体的な種類は、本願のこの実施形態において限定されない。
【0032】
例えば、本願のこの実施形態において提供されるモバイル端末は、例えば、ホルムアルデヒドが基準に達したかどうかを検出するために、室内空気の濃度を検出するように構成され得る。
【0033】
別の例として、本願のこの実施形態において提供されるモバイル端末は、例えば、PM2.5が基準に達したかどうかを検出するために、屋外空気の濃度を検出するように構成され得、PM2.5は、大気中の空気力学的等価直径が2.5ミクロン以下の粒子状物質を指す。
【0034】
別の例として、本願のこの実施形態において提供されるモバイル端末は、成分が存在するかどうかを決定し、さらには、ユーザが疾患を有するかどうかを検出および識別するために、人によって吐き出されたガスの成分を検出するように構成され得る。
【0035】
別の例として、本願のこの実施形態において提供されるモバイル端末は、物品(例えば、乳幼児用ハイハイパッドまたは乳幼児用玩具)が使用可能であるか否かを決定するために、その物品によって放出されるガスの成分を検出するように構成され得る。
【0036】
別の例として、本願のこの実施形態において提供されるモバイル端末は、臭気マップを決定するために、ワインの揮発性ガス成分を検出するように構成され得る。
【0037】
前述の列挙された例から、ガス検出モジュールを有するモバイル端末は、ユーザに大きな利便性をもたらすことができること、それによって、モバイル端末のユーザ体験を効果的に向上させることが分かる。
【0038】
モバイル端末の発展に伴い、小型化設計および機能の多様化が発展傾向にあり、結果として、ガス検出モジュールのために確保される取付け空間が小さくなる。したがって、コンパクトな構造で、占有体積が小さく、検出精度の低下のないガス検出モジュールを設計することが必要である。
【0039】
検出精度への影響を低減することを前提として、本願の実施形態は、体積が比較的小さく、構造がコンパクトなガス検出モジュールを提供する。このように、ガス検出モジュールがモバイル端末において占有する空間は比較的小さい。特に、モバイル端末の小型化が進むにつれて、ガス検出モジュールの適用性が高くなる。
【0040】
図3図4および図5を参照すると、本願のこの実施形態において提供されるガス検出モジュールは、固定台座1と、ガスセンサ2と、マイクロポンプ3とを含み、ガスセンサ2は、検出室(図示せず)を有する。図6a、図6bおよび図6cを参照すると、マイクロポンプ3は、ポンプ室301と、ポンプ室301と連通する第1の連通口302および第2の連通口303とを有する。ガスセンサ2およびマイクロポンプ3は、固定台座1上に並んで配置され、固定台座1には、固定台座1の外部と連通する第1の流体ポート101および第2の流体ポート102が設けられ、第1の流体ポート101は検出室と連通し、第2の流体ポート102は第2の連通口と連通する。固定台座1には流路103がさらに形成され、流路103の一端は第1の流体ポート101と連通し、流路103の他端は第1の連通口と連通する。
【0041】
マイクロポンプは、マイクロ流体ブレーキとも呼ばれ得、ポンプ室は、ブレーキ室とも呼ばれ得ることに留意されたい。
【0042】
マイクロポンプは、振動可能な加振板を有する膜アクチュエータであり、加振板は、圧電材料、磁歪材料、および形状記憶合金材料のうちのいずれかで作られ得る。
【0043】
ガスセンサは、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、窒素(N)、亜酸化窒素(N2O)。および揮発性有機化合物(volatile organic compounds、VOCs)などの成分のうちの1つまたはそれらの複数からなる組合せを検出することができる。ガスセンサによって検出されるガス成分および濃度は、本願では限定されない。
【0044】
ガス検出モジュールの動作工程は以下の通りである:第1の流体ポートがガス入口であり、第2の流体ポートがガス出口である場合、マイクロポンプ3がオンにされ、マイクロポンプ3の作用により外部ガスがガス入口を通してガスセンサ2の検出室に入る。ガスセンサ2は、検出室に導入されたガスを検出する。その一方で、マイクロポンプ3が、第2の流体ポートを通してガス検出モジュール内の元のガスを排出する。ガスセンサ2による検出が完了した後、マイクロポンプ3がオフにされる。
【0045】
ガス検出モジュールの動作工程から分かるように、第1の流体ポートがガス入口である場合、マイクロポンプの吸引工程では、第1の流体ポートを通して外部ガスが検出室に導入され、マイクロポンプの排出工程では、ガス検出モジュールに元々貯蔵されていたガスが、第2の流体ポートから排出され得る。すなわち、第1の流体ポートは、ガス入口機能を有し、第2の流体ポートは、ガス出口機能を有する。しかしながら、第1の流体ポートおよび第2の流体ポートが1つのポート(このポートはガス出入口と称される)に組み合わされる既存の解決策では、マイクロポンプの吸引工程において、外部ガスがガス出入口を通して検出室に導入され、マイクロポンプの排出工程において、ガス検出モジュールに元々貯蔵されていたガスおよび検出室に導入されたばかりのガスがガス出入口から排出される可能性があり、マイクロポンプの次の吸引工程において、ガス検出モジュールに元々貯蔵された排出されたガスがガス出入口を通して再び検出室に導入され得、検出精度を低下させる。検出精度を確保するために、従来技術では、マイクロポンプのポンプ室の容積を比較的大きくして、検出精度を確保する必要がある。
【0046】
したがって、既存のガス検出モジュールと比較して、本願のこの実施形態において提供されるガス検出モジュールは、検出精度が同様である場合、ガス検出モジュール全体のサイズを大幅に低減する。サイズが同様である場合、本願のこの実施形態において提供されるガス検出モジュールの検出精度が、既存のガス検出モジュールの検出精度よりも著しく高いことも理解され得る。
【0047】
加えて、ガスセンサおよびマイクロポンプは、固定台座に統合され、固定台座上には、第1の流体ポート、第2の流体ポート、および流路が設けられるので、ガス検出モジュール全体は、コンパクトな構造を有し、比較的小型で、取付けにも便利である。
【0048】
検出効率を向上させるために、図3および図4を参照すると、固定台座1上に取付室104が形成され、ガスセンサ2は取付室104内に位置し、ガスセンサ2が取付室104と接触する位置はすべて気密接続され、取付室104は第1の流体ポート101と連通し、流路103は取付室104と連通する。
【0049】
すなわち、ガスセンサは、取付室に気密接続される。ガス検出工程では、流量が非常に小さく、ul/minレベルまたはml/minレベルである。したがって、気密接続により、ガス漏れ現象が回避され、検出効率を向上させることができる。
【0050】
加えて、マイクロポンプ3が固定台座に接触する位置も気密接続される。したがって、検出効率がさらに向上する。
【0051】
マイクロポンプ3は、以下の2つの実施形態を有する:マイクロポンプが一方向マイクロポンプである第1の実施形態およびマイクロポンプが双方向マイクロポンプである第2の実施形態。
【0052】
マイクロポンプが一方向マイクロポンプ(一方向ポンプは、図6a、図6b、および図6cに示される)である場合、第1の流体ポートはガス入口であり、第2の流体ポートはガス出口である。
【0053】
マイクロポンプが双方向マイクロポンプである場合、2つの適用シナリオが存在する:1つは、第1の流体ポートがガス入口であり、第2の流体ポートがガス出口である場合であり、もう1つは、第1の流体ポートがガス出口であり、第2の流体ポートがガス入口である場合である。
【0054】
一方向マイクロポンプと比較して、双方向マイクロポンプは、以下の技術的効果を有する:ガス入口としての第1の流体ポートが遮断された場合、または流路が遮断された場合、またはガス出口としての第2の流体ポートが遮断された場合、第2の流体ポートをガス入口として使用し、第1の流体ポートをガス出口として使用して、ガス流の流れ方向を変化させ、それによって、遮断物質の排出を容易にし、ガス検出モジュールの使用性能を向上させる。
【0055】
双方向マイクロポンプは、以下の2つの構造のマイクロポンプを採用し得る。1つはバルブポンプ、すなわち、バルブを用いてガス流の流れ方向を制御するポンプである。もう1つは、バルブレスポンプ、すなわち、第1の流体ポートと第2の流体ポートにおける流体の流量差によってガス流の流れ方向を変化させるポンプである。例えば、第1の流体ポートにおける流体の流量が第2の流体ポートにおける流体の流量より大きい場合、第1の流体ポートがガス入口となり、第2の流体ポートがガス出口となり。逆に、第2の流体ポートにおける流体の流量が第1の流体ポートにおける流体の流量より大きい場合、第2の流体ポートがガス入口となり、第1の流体ポートがガス出口となる。
【0056】
第1の流体ポートがガス入口である場合、モバイル端末の外部のガスを第1の流体ポートに導入するために、モバイル端末の筐体に第1のガス孔が設けられ、第1のガス孔は第1の流体ポートと連通する。
【0057】
第2の流体ポートがガス入口である場合、モバイル端末の外部のガスを第2の流体ポートに導入するために、モバイル端末の筐体に第2のガス孔が設けられ、第2のガス孔は第2の流体ポートと連通する。
【0058】
モバイル端末の美的外観を向上させるために、筐体上に設けられたマイク孔を、そのまま第1のガス孔または第2のガス孔として使用してもよいし、第1のガス孔および第2のガス孔の両方がマイク孔であってもよく、それによって、筐体上に設けられる孔の量を低減し、美的外観を向上させる。
【0059】
検出精度をさらに向上させ、検出効果を向上させるために、第1の流体ポートと第1の連通口との間の流路の容積はVs1であり、
【数3】
であり、ここで、Vmはマイクロポンプの流量であり、Fgは、ガスセンサの検出周波数である。図7に示される線で塗りつぶした格子を有する構造が、第1の流体ポートと第1の連通口との間の流路の容積Vs1であ。一般に、Vmの単位はul/minまたはml/minであり、Fgの単位はHzである。Vmの単位がul/minのとき、Vs1の単位はulであり、Vmの単位がml/minのとき、Vs1の単位はmlである。本技術的解決策は、第1の流体ポートがガス入口であり、第2の流体ポートがガス出口であるシナリオ、すなわち、ガスセンサが上流に位置し、マイクロポンプが下流に位置するシナリオに適用可能である。
【0060】
すなわち、ガスセンサが検出を1回実行すると、ガスセンサの検出室内のガスが少なくとも1回交換され、それによって、検出精度をより向上させる。加えて、
【数4】
は、本願の好ましい技術的解決策であり、
【数5】
もまた、本願の保護範囲に含まれる。
【0061】
いくつかの実装形態では、第2の流体ポートと第2の連通口との間の容積、ポンプ室の容積、および第1の連通口とガスセンサの検出室の入口との間の流路の容積の合計は、Vs2であり、
【数6】
であり、ここでVmはマイクロポンプの流量であり、Fgは、ガスセンサの検出周波数である。本技術的解決策は、第2の流体ポートがガス入口であり、第1の流体ポートがガス出口であるシナリオ、すなわち、マイクロポンプが上流に配置され、ガスセンサが下流に配置されるシナリオに適用可能である。
【0062】
すなわち、ガスセンサが検出を1回実行すると、ガスセンサの検出室内のガスが少なくとも1回交換され、それによって、検出精度をより向上させる。加えて、
【数7】
は、本願の好ましい技術的解決策であり、
【数8】
もまた、本願の保護範囲に含まれる。
【0063】
具体的な使用の際には、第1の流体ポート101に入るガスが液体でドープされる可能性があり、この液体もガスとともに第1の流体ポート101を通り、ガスセンサ2およびマイクロポンプ3に同時に入る。これは検出精度に影響を与え、液体はガスセンサに損傷を与える。
【0064】
したがって、ガス検出モジュールの使用性能を確保するために、図8を参照すると、第1の流体ポート101にガス透過性濾過要素4が配置され、ガス透過性濾過要素4は、第1の流体ポート101内に吸い込まれるガス中の液体を濾過するように構成される。
【0065】
当然ながら、第2の流体ポートがガス入口である場合、第2の流体ポート102に入るガスが液体でドープされる可能性があり、この液体も、ガスとともに第2の流体ポート101を通って、マイクロポンプ3およびガスセンサ2に同時に入る。したがって、ガス検出モジュールの使用性能を確保するために、図8を参照すると、第2の流体ポート102にガス透過性濾過要素4が配置され、ガス透過性濾過要素4は、第2の流体ポート102内に吸い込まれるガス中の液体を濾過するように構成される。
【0066】
ガス透過性濾過要素4は、第1の流体ポートおよび第2の流体ポートの両方に配置され得ることに留意されたい。
【0067】
ガス透過性濾過要素4は、活性炭フィルタ、疎水性フィルタ、静電フィルタまたはテフロン(登録商標)フィルタであってもよいし、防水ガス透過膜であってもよい。本願では、好ましくは、ガス透過性濾過要素4として防水ガス透過膜が使用される。防水ガス透過膜は、単純な構造で、占有する空間が小さく、防水ガス透過膜は、ガス流をさらに拡散させることができので、ガス流がガスセンサの検出室に均一に流れ、それによって、ガス検出の安定性を向上させることができる。加えて、防水ガス透過膜は、検出室に埃が入ることを防止する防塵効果も有しており、ガス検出モジュールの使用性能をさらに向上させる。
【0068】
いくつかの適用シナリオでは、マイクロポンプがオンにされ、ガスセンサの検出室にガスが入った後、マイクロポンプはオフにされ得、ガスセンサが、導入されたガスを検出する。
【0069】
このシナリオでは、十分な量のガスがガス検出モジュールに導入されることを可能にするため、および、検出効率を確保するために、図4を参照すると、固定台座1は、検出室のガス入口に対向する側壁(図3に示される壁面M)を有し、側壁には第1の流体ポート101が設けられる。第1の流体ポート101と連通する貯留室105が、側壁の、検出室のガス入口と対向する壁面に形成され、貯留室105は、検出室104と連通する。すなわち、検出されたガスがいくらか貯留室105に貯蔵され、貯留室が設けられていない解決策と比較して、検出効率が大幅に改善される。
【0070】
貯留室105の構造は本願では限定されず、任意の形状が本願の保護範囲に含まれる。
【0071】
ガスセンサおよびマイクロポンプが取り付けられた固定台座がモバイル端末の筐体内に取り付けられた後、固定台座は、主制御基板がガスセンサおよびマイクロポンプの動作を制御することができるように、主制御基板に電気的に接続される必要がある。
【0072】
ガスセンサおよびマイクロポンプの両方が主制御基板に電気的に接続されるのを容易にするために、図9を参照すると、ガス検出モジュールは、回路基板7をさらに含み、回路基板7は、モバイル端末の主制御基板に電気的に接続されるように構成され、回路基板7は、ガスセンサの一方側に配置され、回路基板7は、ガスセンサ2に電気的に接続され、マイクロポンプ3に電気的に接続される。加えて、代替的に、ガスセンサおよびマイクロポンプは、回路基板を設けることなく主制御基板に直接電気的に接続されてもよい。
【0073】
回路基板は、固定台座のガスセンサの一方側に配置され、回路基板は、ガスセンサおよびマイクロポンプに電気的に接続され、回路基板、固定台座、ガスセンサおよびマイクロポンプが1つのモジュールを形成する。具体的な取付けの際には、モジュールが筐体に取り付けられる。次いで、回路基板は主制御基板に接続され、主制御基板は、信号線によってガスセンサおよびマイクロポンプに電気的に接続される必要がない。したがって、本願は、組立て効率を効果的に向上させる。
【0074】
図9に示されるように、ガスセンサに電気的に接続された第1のピンおよびマイクロポンプに電気的に接続された第2のピンが回路基板上に配置され、第1のピンはガスセンサに溶接され、第2のピンは信号線8を用いてマイクロポンプ3に電気的に接続される。
【0075】
当然ながら、回路基板は、代替的に、別の接続様式でガスセンサおよびマイクロポンプに電気的に接続されてもよい。回路基板とガスセンサとの間の接続構造および回路基板とマイクロポンプとの間の接続構造は、本願では限定されず、任意の接続構造が本願の保護範囲に含まれる。
【0076】
本願では、回路基板は、マイクロポンプの一方側ではなく、固定台座のガスセンサの一方側に配置される。この設計の目的は、図9を参照すると、マイクロポンプ3が加振板304を含むので、電気信号が加振板304に印加されると、加振板304が振動してポンプ室の容積を変化させ、加振板304が、図9に示される方向Lに振動する(すなわち、ガス検出モジュールの高さ方向に振動する)ことである。回路基板7がマイクロポンプ3の上方に取り付けられる場合、加振板304は、振動中に回路基板7と干渉して、マイクロポンプ3の動作に影響を与える可能性があり、回路基板と加振板との間の干渉を防止するために、回路基板7と加振板304との間に特定の距離を設けることができるが、これは、ガス検出モジュールのサイズを増大させる。したがって、本願では、回路基板は、ガスセンサの一方側に配置される。
【0077】
いくつかの実装形態では、固定台座1は金属材料で作られ、プラスチック材料などと比較して、金属製の固定台座から放出される不純ガスの種類が少なく、不純ガスの含有量が低いが、プラスチック製の固定台座から放出される不純ガスの種類は多く、不純ガスの含有量が高い。その結果として、放出される不純ガスが多いほど、検出精度に影響を与える。
【0078】
例えば、ガス検出モジュールが子供用ハイハイパッドのホルムアルデヒド含有量を検出するように構成されている場合、固定台座にプラスチックが使用されると、固定台座が特定量のホルムアルデヒドを放出する。その結果、ハイハイパッド上の測定されるホルムアルデヒド含有量が不正確になり、ガス検出モジュールの使用性能が低下する。
【0079】
いくつかの実装形態では、ガスセンサ2およびマイクロポンプ3は両方とも、シーラント層を用いて固定台座1に取り付けられる。溶接構造が使用される場合、第1に、溶接プロセスにおける溶接温度が比較的高く、小型のガス検出モジュールでは、マイクロポンプまたはガスセンサなどの構成要素が損傷する可能性があり、第2に、溶接構造の封止性能がシーラント層の封止性能よりもはるかに低いので、溶接構造も検出効率に影響を与えることから、溶接構造と比較して、シーラント層は利点を有する。
【0080】
本願で設計されたシーラント層によって放出されるガスの種類がより少なく、不純ガスの含有量がより低く、それによって検出精度への影響が低減されることに留意されたい。
【0081】
固定台座1は、代替的に、シーラント層を用いてモバイル端末の筐体に接続されてもよく、これは、取付けに便利であり、また、検出精度に影響を与える過剰な不純ガスを放出する現象を回避する。
【0082】
本願のこの実施形態において提供されるガスセンサは、単一チャネルガスセンサであってもよいし、マルチチャネルガスセンサであってもよい。単一チャネルガスセンサは、一種類ガスを検出することができる、例えば、特定の種類のガスが含まれているかどうかを検出することができる、または特定の種類のガスの濃度を検出することができるガスセンサを指し、マルチチャネルガスセンサは、複数の種類のガスを同時に検出することができる、例えば、臭気マップを検出することができるガスセンサを指す。
【0083】
ガス検出モジュールの使用性能をさらに向上させるために、ガス検出モジュールに複数のガスセンサが存在する。例えば、ガスセンサは、第1のガスセンサ、第2のガスセンサおよび第3のガスセンサを含み、第1のガスセンサはホルムアルデヒドの濃度を検出するように構成され、第2のガスセンサは一酸化炭素の濃度を検出するように構成され、第3のガスセンサは硫化物の濃度を検出するように構成される。ガスセンサの数は、本願では限定されない。
【0084】
複数のガスセンサが並列に配置されてもよいし、複数のガスセンサが直列に配置されてもよい。
【0085】
複数のガスセンサが並列に配置される場合、すなわち、各ガスセンサの検出室が第1の流体ポートと連通する。1つまたは複数のマイクロポンプが存在し得、複数のマイクロポンプは、複数のガスセンサと1対1対応で配置される。
【0086】
複数のガスセンサが直列に配置される場合、すなわち、複数のガスセンサのうち、両端に位置するガスセンサのうちの一方のガスセンサの検出室が第1の流体ポートと連通し、複数のガスセンサのうち、両端に位置するガスセンサのうちの他方のガスセンサは、マイクロポンプと連通する。
【0087】
固定台座1の構造は、複数のケースを有する。具体的な構造は、モバイル端末の筐体内のガス検出モジュールのために確保された空間に基づいて決定され得る。したがって、固定台座の具体的な構造は、本願では限定されない。
【0088】
図4に示されるように、本願の実施形態は、固定台座の構造を提供する。固定台座1は、底板11と分離板12とを含む。底板11は、互いに対向する、第1の表面(図4に示される表面F1)および第2の表面(図4に示される表面F2)を有する。分離板12は、底板11が、分離板12の一方側に位置する第1の側と分離板12の他方側に位置する第2の側とを形成するように第1の表面の中央に配置される。第1の側に第1の流体ポート101が設けられ、第2の側に第2の流体ポート102が設けられ、流路103は、第1の表面設けられ、第1の側から第2の側に延在する。第1の側にガスセンサが配置され、第2の側にマイクロポンプが配置される。固定台座は、単純でコンパクトな構造であり、占める空間が比較的小さい。
【0089】
上記構造の固定台座では、底板に第1の流体ポートが設けられ、ガスセンサの検出室の入口が底板に対向するので、第1の流体ポートは底板に設けられる。当然ながら、代替的に、別の位置に第1の流体ポートを設けてもよく、これは、ガスセンサの検出室の入口の位置に基づいて決定される必要がある。
【0090】
構造の固定台座では、底板に第2の流体ポートも設けられ、第2の流体ポートの延在方向は底板に平行である。当然ながら、第2の流体ポートの長さ方向は、代替的に、底板に垂直であってもよいし、底板に対して別の角度を有してもよい。
【0091】
図4に示されるように、第1の態様の可能な実装形態では、第2の側の第1の表面には流体溝が形成され、流体溝は第2の側の外縁に延在し、流体溝は第2の流体ポート102を形成する。流体溝が第2の側の第1の表面に設けられた結果、流体溝が第2の流体ポートを形成し、構造および製造工程は単純となる。
【0092】
図4を参照すると、固定台座1は、囲い板13をさらに含む。囲い板13は、第1の側に設置され、分離板12とともに取付室104を包囲し、ここで、取付室104にはガスセンサが設置され、ガスセンサが取付室と接触する位置は、シーラント層を用いて接続され、取付室104は第1の流体ポート101と連通し、第1の側に延在する流路103の端部は取付室104と連通する。ガスセンサは取付室に密封接続されているので、検出効率を向上させることができ、ガス漏れの現象を回避することができる。
【0093】
図4から分かるように、流路103は、底板11の縁部に沿って第1の側から第2の側に延在する。この設計の利点は、底板上のガスセンサの検出室の入口の垂直突起部が底板の縁部に近く、底板上のマイクロポンプの第1の連通口の突起部も底板の縁部に近いので、流路が底板の縁部に近く設けられ、製造工程が単純となり、それに対応して、流路を配置することによるガス検出モジュール全体のサイズの増加が生じないことである。
【0094】
マイクロポンプが加振板を含むので、加振板は、電気信号が加振板に印加されたときに振動することができる。ガス検出モジュールがモバイル端末の筐体に取り付けられた後、別の構造と加振板との間の干渉を防止するために、囲い板および第1の表面から離れた分離板の表面は、加振板304の表面よりも高い。言い換えると、別の構造と加振板との間の干渉を防止するために、加振板の振動のための空間が確保される。
【0095】
加えて、図4から分かるように、マイクロポンプ3は、密閉された室内に位置していない。この設計の利点は、電気信号が印加されてマイクロポンプ3が振動し、マイクロポンプは、マイクロポンプ3の性能に影響を与える囲い板との干渉を防止するために、周囲に囲い板が設けられておらず、比較的大きな自由度を有する点である。
【0096】
図4を参照すると、図4に示されるK1は、底板11上に設けられ、マイクロポンプの第1の連通口に対向する第1の開口溝であり、第1の開口溝K1は、流路103と連通する。図4に示されるK2は、底板11上に設けられ、マイクロポンプの第2の連通口に対向する第2の開口溝であり、第2の開口溝K2は、第2の流体ポート102と連通する。
【0097】
第1の開口溝K1が底板に設けられる位置は、マイクロポンプの第1の連通口の位置に関連している。マイクロポンプの第1の連通口の位置が変化すると、第1の開口溝K1が設けられる位置も変化する。同様に、第2の開口溝K2が底板に設けられる位置は、マイクロポンプの第2の連通口の位置に関連している。マイクロポンプの第2の連通口の位置が変化すると、第2の開口溝K2が設けられる位置も変化する。
【0098】
第1の開口溝K1が第1の連通口に対向することを確実にし、第1の開口溝K1が第1の連通口に対向する位置での流体の漏れを可能な限り回避するために、第1の開口溝K1および第2の開口溝K2の形状は本願では限定されない。第2の開口溝K2が第2の連通口に対向することも確実にされ、第2の開口溝K2が第2の連通口に対向する位置での流体の漏れが可能な限り回避される。
【0099】
いくつかの実装形態では、図10を参照すると、ガス検出モジュールは、制御モジュール5と駆動チップ6とをさらに含む。制御モジュール5は、ガスセンサ3に電気的に接続される。駆動チップ6は、マイクロポンプ3に電気的に接続され、マイクロポンプの加振板に電気信号を印加するように構成され、駆動チップ6は、制御モジュール5に電気的に接続される。すなわち、制御モジュール5は、駆動チップ6を制御してマイクロポンプの加振板に印加される電気信号を制御し、印加される電気信号を変化させてマイクロポンプの動作周波数および流量を最終的に変化させ、制御モジュール5は、ガスセンサ2の周波数を制御してガスセンサ2の周波数を変化させ、ガス検出モジュールが異なるシナリオに適用されるようにする。制御モジュール5および駆動チップ6は、モバイル端末の主制御基板に統合され得る。
【0100】
ユーザの操作を容易にするために、ガス検出のためのマルチメディアアプリケーション9(Application、App)が、モバイル端末の操作インターフェース上に表示されてもよく、マルチメディアアプリケーション9は、制御モジュール5に電気的に接続される。
【0101】
以下では、ガス検出モジュールの2つの適用シナリオにおける検出方法について説明する。
【0102】
第1に、動的検出シナリオでは、ガス検出モジュールはガスを検出するように構成される。
【0103】
図11を参照すると、ガス検出モジュールのための検出方法は、以下のステップを含む:
【0104】
検出命令を受信する。
【0105】
ガスセンサが検出条件を満たすかどうかを決定する。ガスセンサを起動した後、ガスセンサがガス検出条件に到達するために、まずガスセンサを予熱する。ガス検出工程は化学反応に属するので、適切な反応条件が提供された場合にのみ検出精度を確保することができる。ガスセンサが検出条件を満たしてから、次のステップが実行される。
【0106】
マイクロポンプをオンにする。マイクロポンプがオンにされた後、吸引工程および排出工程が連続的に切り替えられる。
【0107】
ガスセンサの検出室にガスが入る。すなわち、マイクロポンプの吸引工程と排出工程とが連続的に切り替えられるプロセスで、外部ガスがガスセンサの検出室に入る。
【0108】
ガスセンサが検出を実行する。すなわち、ガスセンサを用いて、検出室に入るガスが検出される。
【0109】
マイクロポンプをオフにする。すなわち、ガス検出が完了した後、マイクロポンプがオフにされる。
【0110】
動的検出シナリオは、比較的速い応答を必要とするシナリオに適用可能である。例えば、ユーザが呼気ガスを検出する場合で、検出時間が短く、マイクロポンプがオンにされた後に外部ガスが連続的にガスセンサの検出室に入ることができ、それにより、ガスセンサが連続的に検出を実行する。
【0111】
動的検出シナリオでは、図12を参照すると、図12中の矢印線は流体の流れ方向を示し、すなわち、第1の流体ポート101はガス入口であり、第2の流体ポート102はガス出口である。すなわち、ガスセンサが上流に位置し、マイクロポンプが下流に位置する。加えて、別の実施形態では、図13を参照すると、図13中の矢印線は流体の流れ方向を示し、すなわち、第2の流体ポート102はガス入口であり、第1の流体ポート101はガス出口である。すなわち、マイクロポンプが上流に位置し、ガスセンサが下流に位置する。
【0112】
第2に、静的検出シナリオでは、ガス検出モジュールはガスを検出するように構成される。
【0113】
図14を参照すると、ガス検出モジュールのための検出方法は、以下のステップを含む:
【0114】
検出命令を受信する。
【0115】
ガスセンサが検出条件を満たすかどうかを決定する。ガスセンサを起動した後、ガスセンサがガス検出条件に到達するために、まずガスセンサを予熱する。ガス検出工程は化学反応に属するので、適切な反応条件が提供された場合にのみ検出精度を確保することができる。ガスセンサが検出条件を満たしてから、次のステップが実行される。
【0116】
マイクロポンプをオンにする。マイクロポンプがオンにされた後、吸引工程および排出工程が連続的に切り替えられる。
【0117】
ガスセンサの検出室にガスが入る。すなわち、マイクロポンプの吸引工程と排出工程とが連続的に切り替えられるプロセスで、外部ガスがガスセンサの検出室に入る。
【0118】
マイクロポンプをオフにする。すなわち、ガスがガスセンサの検出室に入った後、マイクロポンプがオフにされ得る。
【0119】
ガスセンサが検出を実行する。マイクロポンプがオフにされた後、ガスセンサを用いて、検出室に入るガスが検出される。
【0120】
図14に示される静的検出シナリオにおける検出方法と図11に示される動的検出シナリオにおける検出方法との違いは、図11では、ガス検出が完了した後にマイクロポンプがオフにされるが、図14では、マイクロポンプがオフにされた後にガス検出が実行されることである。
【0121】
静的検出シナリオは、比較的遅い応答時間を必要とするシナリオに適用可能である。例えば、室内空気質を検出する場合で、検出応答に対する要件は高くなく、マイクロポンプは、マイクロポンプがある時間期間の間オンにされ、外部ガスがガスセンサの検出室に入った後にオフにされることができる。次いで、ガスセンサは、検出を実行するように構成される。
【0122】
静的検出シナリオでは、図15および図16を参照すると、ガス検出モジュールの構造と図12および図13に示されるガス検出モジュールの構造との間の違いは、ガス検出モジュールが貯留室105をさらに含み、特定量のガスを貯留室105に貯蔵することができるので、静的検出シナリオでは、ガス検出モジュールが検出精度を依然として確保することができることである。
【0123】
図15を参照すると、図15中の矢印線は流体の流れ方向を示し、すなわち、第1の流体ポート101はガス入口であり、第2の流体ポート102はガス出口である。すなわち、ガスセンサが上流に位置し、マイクロポンプが下流に位置する。加えて、別の実施形態では、図16を参照すると、図16中の矢印線は流体の流れ方向を示し、すなわち、第2の流体ポート102はガス入口であり、第1の流体ポート101はガス出口である。すなわち、マイクロポンプが上流に位置し、ガスセンサが下流に位置する。
【0124】
本明細書の説明では、説明された特定の特徴、構造、材料、または特性は、実施形態または実施例のうちのいずれか1つまたは複数において適切な様式で組み合わせられ得る。
【0125】
以上の説明は、本願の具体的な実装形態にすぎず、本願の保護範囲を限定するものではない。当業者が本願に開示された技術範囲内で容易に想到できる変形または置換は、いずれも本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に属するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16