(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】撮像装置及び携帯型電子機器
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20240703BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20240703BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20240703BHJP
G03B 17/17 20210101ALI20240703BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240703BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20240703BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240703BHJP
H04N 23/68 20230101ALI20240703BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/02 Z
G02B7/04 E
G03B17/17
G03B30/00
H04N23/57
H04N23/50
H04N23/68
(21)【出願番号】P 2023134562
(22)【出願日】2023-08-22
【審査請求日】2023-08-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519312957
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 高
(72)【発明者】
【氏名】色摩 和雄
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特許第7216853(JP,B1)
【文献】特開2015-011277(JP,A)
【文献】特開2015-210392(JP,A)
【文献】特表2021-529344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00 - 5/08
G03B 17/02
G02B 7/02 - 7/16
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
収容キャビティを有する筐体と、前記筐体に固定されるベースと、前記筐体に固定され、光軸を有するレンズユニットと、前記収容キャビティ内に配置された撮像素子ユニットと、第1可動枠と、第2可動枠と、複数の第1ボールと、複数の第2ボールと、第1駆動機構と、第2駆動機構とを含み、
前記第1可動枠は、前記光軸方向に沿って第1貫通溝が貫通形成され、且つ前記第1可動枠は、前記複数の第1ボールを介して前記ベースに転動可能に支持され、
前記第2可動枠は、前記複数の第2ボールを介して前記第1可動枠に転動可能に支持され、前記第2可動枠は、前記光軸方向に第2貫通溝が貫設され、前記第2貫通溝の内壁面は、前記光軸の受光側とは反対側に前記光軸方向に沿って第1環状突起が突設形成され、
前記第1環状突起は、少なくとも部分的に前記第1貫通溝内に延在し、前記撮像素子ユニットは、前記第1環状突起に固定され
、前記撮像素子ユニットの軸線及び前記第2貫通溝の軸線は、前記光軸と重なっており、
前記第1駆動機構は、前記第2可動枠及び前記撮像素子ユニットが前記光軸を中心線として回転し、及び/又は前記光軸に垂直な平面内で移動するように、前記第1可動枠の運動を駆動するために用いられ、前記第2駆動機構は、前記撮像素子ユニットが前記光軸方向に沿って移動し、及び/又は前記光軸に垂直な方向回りにヨーイングするように、前記第2可動枠の運動を駆動するために用いられることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1駆動機構は、第1可動枠に固定される第1磁石と、前記第1磁石に対向し且つ前記ベースに設けられる第1コイルとを含み、前記第2駆動機構は、前記第2可動枠に設けられ且つ前記第1磁石に対応する第2コイルを含み、前記第1磁石、前記第1コイル及び前記第2コイルは、いずれも複数設けられ、複数の前記第1磁石、複数の前記第1コイル及び複数の前記第2コイルは、1対1で対応することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1駆動機構は、第1ヨーク及び第1回路基板をさらに含み、前記第1回路基板は、前記ベースに設けられ、前記第1コイル及び前記第1ヨークは、いずれも前記第1回路基板に設けられ、前記第1ヨークは、複数設けられ、複数の前記第1コイル及び複数の前記第1ヨークは、1対1で対応し、
前記第2駆動機構は、第2ヨーク及び第2回路基板をさらに含み、前記第2回路基板は、前記第2可動枠に設けられ、前記第2コイル及び前記第2ヨークは、いずれも前記第2回路基板に設けられ、前記第2ヨークは、複数設けられ、複数の前記第2コイル及び複数の前記第2ヨークは、1対1で対応することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1コイルは、4つ設けられ、4つの前記第1コイルは、前記光軸を中心線として回転対称に分布し、隣接する前記第1コイルの延在方向は、互いに直交して配置され、
前記第2コイルは、4つ設けられ、4つの前記第2コイルは、前記光軸を中心線として回転対称に分布し、隣接する前記第2コイルの延在方向は、互いに直交して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1コイル及び前記第2コイルは、いずれもレーストラック状のコイルであり、前記撮像装置は、前記第1コイル及び前記第2コイル内に設けられる位置センサをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第2可動枠は、前記光軸方向の受光側とは反対側にガイド溝が設けられ、前記ガイド溝の延在方向と前記光軸方向に垂直な平面との間には、所定夾角が形成され、前記ガイド溝は、複数設けられ、複数のガイド溝は、複数の前記第2ボールと一対一で対応し、前記第2ボールは、前記第2可動枠に近接する一端が前記ガイド溝内に延在して前記第2可動枠に転動可能に接続され、前記第1可動枠に近接する一端が前記第1可動枠に転動可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第2ボールは、磁性材質であることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記ベースは、前記光軸方向の受光側に第1凹溝が設けられ、前記第1可動枠は、光軸方向の受光側とは反対側に第2凹溝が設けられ、前記第1凹溝内には、第1板体が設けられ、前記第2凹溝内には、第2板体が設けられ、前記第1ボールは、少なくとも部分的に前記第1凹溝内に収容され、且つ前記第1板体と前記第2板体との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1可動枠と前記ベースとの間には、複数の第1制震緩衝部材が設けられ、複数の第1制震緩衝部材は、前記ベースに間隔を隔てて環状に設けられ、
前記第1環状突起の外壁面と前記第1貫通溝の内壁面との間には、複数の第2制震緩衝部材が設けられ、複数の第2制震緩衝部材は、第1貫通溝内に間隔を隔てて環状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記収容キャビティ内には、可撓性導電基板が設けられ、前記可撓性導電基板は、少なくとも2回の折り曲げを有する板面構造又は光軸に垂直な平面方向に駆動可能な板バネ形状の板面構造を有し、前記収容キャビティ内には、前記可撓性導電基板の湾曲面を移動させるための空間を有し、前記可撓性導電基板は、一端が前記撮像素子ユニットに接続され、他端が前記ベースに固定され、少なくとも部分的に前記収容キャビティ外まで延在することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記撮像素子ユニットは、光線の入射方向に沿って順に設けられるフィルタ及びイメージセンサを含み、前記フィルタ及び前記イメージセンサは、いずれも取付座内に固定され、前記取付座は、前記第2可動枠と一体成形されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記第1可動枠は、前記光軸の受光側とは反対側に前記光軸方向に沿って延在して筒体が形成され、前記筒体の内壁面は、前記第1環状突起の外壁面と面一であり、前記筒体の内壁面には、前記第1環状突起に向かって第1位置規制リングが突設され、
前記第1環状突起の外壁面には、前記筒体に向かって第2位置規制リングが突設され、
前記第2ボールは、前記第1位置規制リングと前記第2位置規制リングとの間に転動可能に設けられ、且つ前記筒体の内壁面と前記第1環状突起の外壁面とに転動可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第1可動枠は、前記光軸の受光側に収容溝が設けられ、前記収容溝の一方側の内壁面の延在方向と前記光軸方向との間には、所定夾角が形成され、前記第2可動枠における前記収容溝に対応する位置には、前記光軸方向に沿って前記第1可動枠へ延在する凸型ブロックが設けられ、
前記第2ボールは、前記第1可動枠に近接する一端が前記収容溝内に延在し且つ前記第1可動枠に転動可能に接続され、前記第2可動枠に近接する一端が前記凸型ブロックに転動可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記レンズユニットは、ズームレンズ構造またはペリスコープ式レンズ構造であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記レンズユニットは、光量を光学的に制御可能な絞り構造をさらに含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか一項に記載の撮像装置を含むことを特徴とする携帯型電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置の技術分野、特に撮像装置及び携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像技術の急速な発展に伴い、レンズを含む撮像装置は、携帯電話やタブレットコンピュータ等の各種の携帯型電子機器に広く適用されており、レンズを移動駆動するための駆動機構が種々の撮像装置に広く用いられている。
【0003】
従来の駆動機構は、コイルと磁石を含むことが多く、コイルはレンズ枠の外周側に固定されており、コイルに通電して磁界を生じさせた後、電磁力の作用によってレンズを光軸上に移動させてフォーカス機能を実現し、レンズを光軸に垂直な平面上に移動させて手振れ補正機能を実現している。
【0004】
現在、光軸の全長が長い光学系の場合や、撮像装置の撮像品質を向上させるためにガラスレンズを採用した場合、レンズの重量が大幅に増えることがある。このため、駆動機構によってレンズの移動を駆動する場合、駆動機構が重量の大きいレンズの移動を駆動できるようにするためには、駆動機構に大きな駆動力を提供させる必要がある。このように、駆動機構ないし撮像装置は「大型化」する方向へ発展する必要がある。これは現在の撮像装置の「小型化」発展方向と一致していない。
【0005】
また、従来の駆動機構では、フォーカス駆動をレンズ、手振れ補正駆動をセンサに設けており、組立時にレンズ、フォーカス駆動、手振れ補正駆動の合わせは困難であり、光学性能が低下している。
【0006】
このゆえに、撮像装置を小型化の方向に発展させ、組立時に光軸の合わせを簡単にする撮像装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術における技術的課題を解決するために、占有スペースを小さくするとともに組立時に光軸の合わせを簡単にすることができる撮像装置及び携帯型電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様によれば、本発明は、撮像装置を提供し、この撮像装置は、収容キャビティを有する筐体と、前記筐体に固定されるベースと、前記筐体に固定され、光軸を有するレンズユニットと、前記収容キャビティ内に配置された撮像素子ユニットと、第1可動枠と、第2可動枠と、複数の第1ボールと、複数の第2ボールと、第1駆動機構と、第2駆動機構とを含み、
前記第1可動枠には、前記光軸方向に沿って第1貫通溝が貫通形成され、且つ前記第1可動枠は、前記複数の第1ボールを介して前記ベースに転動可能に支持され、
前記第2可動枠は、前記複数の第2ボールを介して前記第1可動枠に転動可能に支持され、前記第2可動枠は、前記光軸方向に第2貫通溝が貫設され、前記第2貫通溝の内壁面は、前記光軸の受光側とは反対側に前記光軸方向に沿って第1環状突起が突設形成され、前記第1環状突起は、少なくとも部分的に前記第1貫通溝内に延在し、前記撮像素子ユニットは、前記第1環状突起に固定され且つ前記光軸方向に沿って前記第2貫通溝に対応し、
前記第1駆動機構は、前記第2可動枠及び前記撮像素子ユニットが前記光軸を中心線として回転し、及び/又は前記光軸に垂直な平面内で移動するように、前記第1可動枠の運動を駆動するために用いられ、前記第2駆動機構は、前記撮像素子ユニットが前記光軸方向に沿って移動し、及び/又は前記光軸に垂直な方向回りにヨーイングするように、前記第2可動枠の運動を駆動するために用いられる。
【0009】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記第1駆動機構は、第1可動枠に固定される第1磁石と、前記第1磁石に対向し且つ前記ベースに設けられる第1コイルとを含み、前記第2駆動機構は、前記第2可動枠に設けられ且つ前記第1磁石に対応する第2コイルを含み、前記第1磁石、前記第1コイル及び前記第2コイルは、いずれも複数設けられ、複数の前記第1磁石、複数の前記第1コイル及び複数の前記第2コイルは、1対1で対応する。
【0010】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記第1駆動機構は、第1ヨーク及び第1回路基板をさらに含み、前記第1回路基板は、前記ベースに設けられ、前記第1コイル及び前記第1ヨークは、いずれも前記第1回路基板に設けられ、前記第1ヨークは、複数設けられ、複数の前記第1コイル及び複数の前記第1ヨークは、1対1で対応し、
前記第2駆動機構は、第2ヨーク及び第2回路基板をさらに含み、前記第2回路基板は、前記第2可動枠に設けられ、前記第2コイル及び前記第2ヨークは、いずれも前記第2回路基板に設けられ、前記第2ヨークは、複数設けられ、複数の前記第2コイル及び複数の前記第2ヨークは、1対1で対応する。
【0011】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記第1コイルは、4つ設けられ、4つの前記第1コイルは、前記光軸を中心線として回転対称に分布し、隣接する前記第1コイルの延在方向は、互いに直交して配置され、
前記第2コイルは、4つ設けられ、4つの前記第2コイルは、前記光軸を中心線として回転対称に分布し、隣接する前記第2コイルの延在方向は、互いに直交して配置されている。
【0012】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記第1コイル及び前記第2コイルは、いずれもレーストラック状のコイルであり、前記撮像装置は、前記第1コイル及び前記第2コイル内に設けられる位置センサをさらに含む。
【0013】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記第2可動枠は、前記光軸方向の受光側とは反対側にガイド溝が設けられ、前記ガイド溝の延在方向と前記光軸方向に垂直な平面との間には、所定夾角が形成され、前記ガイド溝は、複数設けられ、複数のガイド溝は、複数の前記第2ボールと一対一で対応し、前記第2ボールは、前記第2可動枠に近接する一端が前記ガイド溝内に延在して前記第2可動枠に転動可能に接続され、前記第1可動枠に近接する一端が前記第1可動枠に転動可能に接続されている。
【0014】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記第2ボールは、磁性材質である。
【0015】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記ベースは、前記光軸方向の受光側に第1凹溝が設けられ、前記第1可動枠は、光軸方向の受光側とは反対側に第2凹溝が設けられ、前記第1凹溝内には、第1板体が設けられ、前記第2凹溝内には、第2板体が設けられ、前記第1ボールは、少なくとも部分的に前記第1凹溝内に収容され、且つ前記第1板体と前記第2板体との間に位置する。
【0016】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記第1可動枠と前記ベースとの間には、複数の第1制震緩衝部材が設けられ、複数の第1制震緩衝部材は、前記ベースに間隔を隔てて環状に設けられ、前記第1環状突起の外壁面と前記第1貫通溝の内壁面との間には、複数の第2制震緩衝部材が設けられ、複数の第2制震緩衝部材は、第1貫通溝内に間隔を隔てて環状に設けられている。
【0017】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記収容キャビティ内には、可撓性導電基板が設けられ、前記可撓性導電基板は、少なくとも2回の折り曲げを有する板面構造または光軸に垂直な平面方向に駆動可能な板バネ形状の板面構造を有し、前記収容キャビティ内には、前記可撓性導電基板の湾曲面を移動させるための空間を有し、前記可撓性導電基板は、一端が前記撮像素子ユニットに接続され、他端が前記ベースに固定され、少なくとも部分的に前記収容キャビティ外まで延在する。
【0018】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記撮像素子ユニットは、光線の入射方向に沿って順に設けられるフィルタ及びイメージセンサを含み、前記フィルタ及び前記イメージセンサは、いずれも取付座内に固定され、前記取付座は、前記第2可動枠と一体成形されている。
【0019】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記第1可動枠は、前記光軸の受光側とは反対側に前記光軸方向に沿って延在して筒体が形成され、前記筒体の内壁面は、前記第1環状突起の外壁面と面一であり、前記筒体の内壁面には、前記第1環状突起に向かって第1位置規制リングが突設され、前記第1環状突起の外壁面には、前記筒体に向かって第2位置規制リングが突設され、前記第2ボールは、前記第1位置規制リングと前記第2位置規制リングとの間に転動可能に設けられ、且つ前記筒体の内壁面と前記第1環状突起の外壁面とに転動可能に接続されている。
【0020】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記第1可動枠は、前記光軸の受光側に収容溝が設けられ、前記収容溝の一方側の内壁面の延在方向と前記光軸方向との間には、所定夾角が形成され、前記第2可動枠における前記収容溝に対応する位置には、前記光軸方向に沿って前記第1可動枠へ延在する凸型ブロックが設けられ、前記第2ボールは、前記第1可動枠に近接する一端が前記収容溝内に延在し且つ前記第1可動枠に転動可能に接続され、前記第2可動枠に近接する一端が前記凸型ブロックに転動可能に接続されている。
【0021】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記レンズユニットは、ズーム式レンズ構造またはペリスコープ式レンズ構造である。
【0022】
前記のような撮像装置であって、好ましくは、前記レンズユニットは、光量を光学的に制御可能な絞り構造をさらに含む。
【0023】
第2態様によれば、本発明は、前記の撮像装置を含む携帯型電子機器をさらに提供する。
【発明の効果】
【0024】
従来技術と比較して、本発明の撮像装置は、第1駆動機構により第1可動枠を駆動して第2可動枠と撮像素子ユニットを運動駆動させて手振れ補正を実行し、第2駆動機構により第2可動枠を駆動して撮像素子ユニットを運動駆動させて焦点調整及び/又は手振れ補正を実行することにより、撮像素子ユニットの運動のみで6軸方向の光学防振及びオートフォーカスを実現でき、撮像装置の小型化の実現に有利である。また、レンズユニットを固定し、撮像素子ユニットを第2可動枠に設けることにより、従来の防振補正アセンブリ上での光学的なアライメント及びレンズユニットとの光学的なアライメントの二回光学的なズレが起こり得る箇所を、防振補正アセンブリと固定されたレンズユニットとのアライメントの1箇所のみとすることができるので、撮像装置の組立時の光軸合わせが簡単になり、光学性能の低下を最小限に抑える効果がある。
【0025】
レンズユニットが固定されていることで落下時にもレンズユニットが暴れることがなく、重量があるレンズユニットが他部材に当たることで引き起こされる衝撃はなくなり、落下時の衝撃対策の設計難易度は下がり、レンズユニットのアライメントも容易になり、スマートフォン等のレンズユニットが電子装置を突出する開口を最大限に低減できる。また、本発明では、振れ補正及びオートフォーカスの動きが撮像素子ユニットに集中するため、種々の異なる構造及び駆動方式を有するレンズユニットと組み立てることができる。
【0026】
第1可動枠を第1ボールで支持し、第2可動枠を第2ボールで支持することにより、従来構造のように可動枠体を弾性材で支持する場合の落下時の弾性材の変形による駆動故障や像面の性能の影響を回避でき、弾性部材が有する不要な共振モードを排除でき、手振れ補正の安定制御に寄与できる。
【0027】
以上のことから、本発明の撮像装置は、小型化が進む携帯型電子機器の中で、より効率的な防振補正及びオートフォーカスを実現する目的が達成でき、撮像画像の品質が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明に係る実施例1の撮像装置の分解斜視図である。
【
図2】本発明に係る実施例1の撮像装置の斜視図である。
【
図3】本発明に係る実施例1の撮像装置の平面図である。
【
図5】本発明に係る実施例1の撮像装置の一部の構造を隠した状態における平面図である。
【
図6】本発明に係る実施例1のベースの斜視図である。
【
図7】本発明に係る実施例1の第1可動枠の斜視図である。
【
図8】本発明に係る実施例1の第2可動枠の斜視図である。
【
図9】本発明に係る実施例1の第1コイル及び第1磁石の嵌合状態における光軸に垂直な平面内での一方向シフト動作時の平面図である。
【
図10】本発明に係る実施例1の第1コイル及び第1磁石の嵌合状態における光軸に垂直な平面内での他方向シフト動作時の平面図である。
【
図11】本発明に係る実施例1の第1コイル及び第1磁石の嵌合状態における光軸を中心線とした回動動作時の平面図である。
【
図12】本発明に係る実施例1の第2コイル及び第1磁石の嵌合状態における光軸方向に沿ったシフト動作時の模式図である。
【
図13】本発明に係る実施例1の第2コイル及び第1磁石の嵌合状態における光軸に垂直な方向回りのヨーイング動作時の模式図である。
【
図14】本発明に係る実施例1の第2ボールの第1種支持構造の模式図である。
【
図15】本発明に係る実施例1の第2ボールの第2種支持構造の模式図である。
【
図16】本発明に係る実施例1の第2ボールの第3種支持構造の模式図である。
【
図17】本発明に係る実施例1の第2ボールの第4種支持構造の模式図である。
【
図18】本発明に係る実施例2の撮像装置の断面図である。
【
図19】本発明に係る実施例3の撮像装置の断面図である。
【
図20】本発明に係る実施例のペリスコープ式レンズ構造の模式図である。
【
図21】本発明に係る実施例のズーム式レンズ構造の模式図である。
【
図22】本発明による実施例のズーム式レンズ構造の別の角度の模式図である。
【
図23】本発明に係る実施例の携帯型電子機器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に図面を参照して説明した実施例は、例示的なものであり、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものと解釈することができない。
【0030】
実施例1
図1~
図19に示すように、本発明の実施例は、撮像装置100を提供する。該撮像装置100は、収容キャビティ11aを有する筐体11と、筐体11に固定されるベース15と、筐体11に固定され、光軸300を有するレンズユニット12と、収容キャビティ内11aに配置される撮像素子ユニットと、第1可動枠16と、第2可動枠17と、複数の第1ボール18と、複数の第2ボール19と、第1駆動機構と、第2駆動機構とを含む。
【0031】
実現可能な一実施形態において、筐体11は、組立及びメンテナンスを容易にするために、別体式構造であり、具体的には、筐体11は、底板112及び底板112にカバーされたハウジング111を含み、ハウジング111は、底部が開口した箱体構造であり、収容キャビティ11aは、ハウジング111及び底板112で取り囲まれることによって形成され、ハウジング111には、収容キャビティ11aまで連通するスルーホール113が開設され、レンズユニット12は、接着、螺合又は他の接続方式により筐体11内に固定され、少なくとも一部のレンズユニット12は、スルーホール113から突出し、好ましくは、レンズユニット12は、光量を光学的に制御可能な絞り構造をさらに含み、撮像素子ユニットは、光軸300を有し、スルーホール113の軸線は、光軸300の軸線と重なり合う。
【0032】
ベース15は、収容キャビティ11aの底壁面に固定され、第1可動枠16には、光軸300方向に沿って第1貫通溝161が貫通形成され、且つ第1可動枠16は、複数の第1ボール18を介してベース15に転動可能に支持され、第1可動枠16は、ベース15の光軸300方向の受光側に位置し、実現可能な一実施形態において、第1ボール18は、3つ設けられ、3つの第1ボール18は、光軸300の周方向に略等間隔で環状に設けられ、支持の安定性及び信頼性を向上させる。
【0033】
第1駆動機構は、第2可動枠17及び撮像素子ユニットが光軸300を中心線として回動し、及び/又は光軸300に垂直な平面内で移動するように、第1可動枠16の運動を駆動するために用いられ、第1駆動機構と第1可動枠16とによって防振補正アセンブリが構成され、ユーザが電子機器を手で持って撮影する際に、手振れによる撮像装置100のブレに対して3軸方向のブレ補正を実現できる。
【0034】
第2可動枠17は、複数の第2ボール19を介して第1可動枠16に転動可能に支持され、第2可動枠17は、光軸300方向に第2貫通溝171が貫設され、実現可能な一実施形態において、第2ボール19は、4つ設けられ、4つの第2ボール19は、光軸300の周方向に略等間隔で環状に設けられ、支持の安定性及び信頼性を向上させる。
【0035】
図1及び
図4に示すように、第2貫通溝171は、光軸300の受光側とは反対側に第1環状突起172が突設形成され、撮像素子ユニットは、光軸300の入射方向に沿って順に設けられるフィルタ13及びイメージセンサ14を含む。フィルタ13及びイメージセンサ14は、いずれも取付座36内に固定されている。選択可能的には、取付座36は、第1環状突起172の底端に一体成形されてもよく、いくつかの実施例において、フィルタ13は、赤外カットフィルタ13であり、赤外カットフィルタ13は、一般的に、イメージセンサ14を保護して有害な波長を遮断し、不要な光をカットし、可視光のみを通過させる。
【0036】
第2駆動機構は、撮像素子ユニットが光軸300方向に沿って移動し、及び/又は光軸300に垂直な方向回りにヨーイングするように、第2可動枠17の運動を駆動することによって、撮像装置のオートフォーカス及び2軸方向の防振を実現することに用いられる。
【0037】
本発明は、第1駆動機構で第1可動枠16の運動を駆動して、第2可動枠17と撮像素子ユニットを運動駆動させて手振れ補正を実行し、第2駆動機構で第2可動枠17の運動を駆動して、撮像素子ユニットを運動駆動させて焦点調整及び手振れ補正を実行することにより、撮像素子ユニットの運動のみにより6軸方向の光学防振及びオートフォーカスを実現でき、撮像装置の小型化に有利である。それと同時に、撮像素子ユニットを第2可動枠17に設けることで、従来の防振補正アセンブリにおける光学的なアライメント及びレンズユニットとの光学的なアライメントの二回光学的なズレが起こり得る箇所を防振補正アセンブリと固定されたレンズユニットとのアライメントの1箇所のみとすることができるため、撮像装置の組立時の光軸合わせが簡単になり、光学性能の低下を最小限に抑える効果がある。
【0038】
レンズユニットが固定されていることで落下時にもレンズユニットが暴れることがなく、重量があるレンズユニットが他の部材に当たることで引き起こされる衝撃はなくなり、落下時の衝撃対策の設計難易度は下がり、レンズユニットのアライメントも容易になる。スマートフォン等のレンズユニットが電子装置を突出する開口を最大限に低減できる。また、本発明では、振れ補正及びオートフォーカスの動きが撮像素子ユニットに集中するため、種々の異なる構造及び駆動方式を有するレンズユニットと組み立てることができる。
【0039】
第1可動枠16を第1ボール18で支持し、第2可動枠17を第2ボール19で支持することにより、従来構造のように可動枠体を弾性材で支持する場合の落下時の弾性材の変形による駆動故障や像面の性能の影響を回避でき、弾性部材が有する不要な共振モードを排除でき、手振れ補正の安定制御に寄与できる。
【0040】
本願に係る実施例において、
図1及び
図4に示すように、第1駆動機構は、第1コイル20、第1ヨーク21、第1磁石22及び第1回路基板23を含み、第1回路基板23は、ベース15に設けられ、第1コイル20及び第1ヨーク21は、第1回路基板23に設けられ、第1磁石22は、第1可動枠16に設けられ、第1磁石22、第1コイル20及び第1ヨーク21は、いずれも複数設けられ、複数の第1磁石22、複数の第1コイル20及び複数の第1ヨーク21は、1対1で対応し、第1コイル20は、第1磁石22と第1ヨーク21との間に位置する。
【0041】
第1コイル20に通電すると、第1磁石22の磁界と第1コイル20に流れる電流との相互作用により、第1コイル20にローレンツ力が発生する。ローレンツ力の方向は、第1磁石22の磁界の方向及び第1コイル20に流れる電流の方向と直交する方向である。第1コイル20は、固定されているため、第1磁石22に反力が作用する。この反力が第1可動枠16の駆動力となり、第1磁石22を有する第1可動枠16が光軸300方向と直交する平面上で移動するか又は光軸300回りに回動し、それにより防振補正が行われる。
【0042】
第1コイル20は、電流の向きを変えることにより、第1可動枠16の並進方向又は回転方向を変えることができ、第1可動枠16を光軸300に垂直な平面内で並進移動、時計回り回転及び反時計回り回転の動作を行うことができる。
【0043】
実現可能な一実施形態において、第1コイル20は、4つ設けられ、
図9乃至
図11に示すように、4つの第1コイル20は、光軸300の軸線を中心線として回転対称に分布し、4つの第1コイル20は、方形構造の4つの辺の位置に位置し、隣接する第1コイル20の延在方向は、互いに直交して配置され、対角線位置に位置する2つの第1コイル20は、互いに平行であり、同じ側に位置する2つの第1コイル20は、互いに垂直であり、当業者であれば分かるように、第1コイル20に対応する第1磁石22及び第1ヨーク21も4つ設けられ、いずれも対応して設けられている。
【0044】
図9に示すように、1つの対角線位置にある2つの第1コイル20に通電すると、通電状態にある第1コイル20は、対応する第1磁石22に付勢力を与え、通電されていない第1コイル20は、対応する第1磁石22に付勢力を与えることなく、それにより第1可動枠16を光軸300に垂直な方向に沿って並進させることができ、
図10に示すように、この時、別の対角線位置にある2つの第1コイル20に通電し、別の2つの第1コイル20に通電しないと、第1可動枠16を光軸300に垂直な方向に沿って並進させることができる。
【0045】
図11に示すように、4つの第1コイル20にそれぞれ異なる方向の電流が印加されると、4つの第1磁石22が付勢力を受けて、第1可動枠16を時計回り又は反時計回りに回動させることができる。
【0046】
本願に係る実施例において、第1ヨーク21を第1回路基板23に取り付け、第1磁石22の中心に対して引き寄せられる構造に形成し、第1ヨーク21と第1磁石22によって第1可動枠16を光軸300の中心に常に引き寄せる磁気バネ効果を有し、第1ヨーク21と第1磁石22とが相互作用し、ガタ取りを効率よく行う効果を備え、光軸300に対する第1可動枠16の傾きを低減することができ、運動復帰及び第1ボール18を押さえる役割を果たす。
【0047】
さらに、
図4、
図6及び
図7に示すように、ベース15は、光軸300方向の受光側に第1凹溝24が設けられ、第1可動枠16は、光軸300方向の受光側とは反対側に第2凹溝26が設けられ、第1凹溝24内には、第1板体25が設けられ、第2凹溝26内には、第2板体27が設けられ、第1ボール18は、第1板体25と第2板体27との間に設けられ、第1ボール18は、ベース15に近接する一端が第1凹溝24内に延在し、第1板体25に転動可能に接続され、第1可動枠16に近接する一端が第2凹溝26内に延在し、第2板体27に転動可能に接続されることにより、第1可動枠16は、光軸300の方向と直交する平面で往復移動し、又は光軸300周りに回転させることができ、複数の第1板体25、複数の第2板体27及び複数の第1ボール18は、一対一で対応し、それによりバランスの均一な支持力を提供して、第1可動枠16が移動過程において傾斜することを回避できる。
【0048】
第1ボール18を第1凹溝24及び第2凹溝26内に収容することで、第1ボール18の移動を位置規制することができ、第1可動枠16の移動幅が大き過ぎることを回避するとともに、光軸300に直交する方向における第1ボール18の投影とベース15及び第1可動枠16との間に重合領域が存在することを可能にし、ベース15、第1可動枠16と第1ボール18の厚さを重なり合うことにより、第1ボール18の占有スペースを小さくすることができ、撮像装置100の小型化及び落下衝撃に対する保護作用を向上させることに寄与する。
【0049】
本願に係る実施例において、
図1及び
図4に示すように、第1可動枠16とベース15との間には、複数の第1制震緩衝部材28が設けられ、複数の第1制震緩衝部材28は、バランスよく分散する緩衝及び支持作用を向上させるように、ベース15に間隔を隔てて環状に設けられ、当業者であれば分かるように、第1制震緩衝部材28の数及び分布は、いずれも実際の状況に応じて定めることができ、ここでは限定しない。第1制震緩衝部材28は、制震ゲルであることが好ましく、防振補正アセンブリの突発的な通電に対してリップル動作を制御する制震効果を発生させることで、より正確な防振機能を有することができる。本実施形態では、第1制震緩衝部材28は、第1磁石22とベース15との間に設けられている。
図1、
図4及び
図7に示すように、第1環状突起172は、第1貫通溝161内に延在し、第1環状突起172の外壁面と第1貫通溝161の内壁面との間には、複数の第2制震緩衝部材29が設けられ、複数の第2制震緩衝部材29は、第1貫通溝161内に間隔を隔てて環状に設けられ、バランスよく分散する緩衝作用を向上させ、当業者はであれば分かるように、第2制震緩衝部材29の数及び分布は、いずれも実際の状況に応じて定めることができ、ここでは限定しない。第2制震緩衝部材29は、制震ゲルであることが好ましく、第2可動枠17の突発的な通電に対してリップル動作を制御する制震効果を発生させることで、より正確な防振機能を有することができる。
【0050】
本願に係る実施例において、第2駆動機構は、第2ヨーク30、第2コイル31及び第2回路基板32を含み、第2回路基板32は、第2可動枠17設けられ、第1コイル20及び第2コイル31は、いずれもレーストラック状のコイルであり、第2コイル31及び第2ヨーク30は、いずれも第2回路基板32に設けられ、第2ヨーク30及び第2コイル31は、いずれも複数設けられ、複数の第1磁石22、複数の第2コイル31及び複数の第2ヨーク30は、一対一で対応し、第2コイル31は、第1磁石22と第2ヨーク30との間に位置する。
【0051】
第2コイル31に通電すると、第1磁石22の磁界と第2コイル31に流れる電流との相互作用により、第2コイル31にローレンツ力が発生し、第2可動枠17の駆動力となり、第2コイル31を有する第2可動枠17が光軸300の軸線方向に沿って移動し、又は光軸300に垂直な方向回りにヨーイングし、それによりオートフォーカス及び手振れ補正が行われる。
【0052】
第2コイル31は、電流の向きを変えることにより、第2可動枠17の光軸300の軸線方向に沿う移動方向又は光軸300に垂直な方向を中心線とする運動のヨーイング方向を変えることができる。
【0053】
実現可能な一実施形態において、第2コイル31は、4つ設けられ、
図12及び
図13に示すように、4つの第2コイル31は、光軸300の軸線を中心線として回転対称に分布し、4つの第2コイル31は、方形構造の4つの辺の位置に位置し、隣接する第2コイル31の延在方向は、互いに直交して配置され、対角線位置に位置する2つの第2コイル31は、互いに平行であり、同じ側に位置する2つの第2コイル31は、互いに垂直であり、当業者であれば分かるように、第2コイル31に対応する第2ヨーク30も4つ設けられ、いずれも対応して設けられている。
【0054】
第1コイル20と第2コイル31とは、駆動のための第1磁石22を共用することができるため、別途の磁石や駆動構造を設ける必要がなく、部品の大幅な削減による小型化、組立の容易化の実現に寄与できる。
【0055】
図12に示すように、第2コイル31に通電すると、両側の第2コイル31が同じ方向の付勢力を受けることにより、第2コイル31が位置する第2可動枠17が光軸300の方向に沿って昇降する。
【0056】
図13に示すように、第2コイル31に通電すると、両側の第2コイル31が逆方向の付勢力を受けることにより、第2コイル31が位置する第2可動枠17が光軸300に垂直な方向を中心線としてヨーイングする。
【0057】
さらに、
図8に示すように、第2可動枠17は、光軸300方向の受光側とは反対側にガイド溝173が設けられ、ガイド溝173の延在方向と光軸300に垂直な平面との間には、所定夾角が形成され、第2ボール19の第2可動枠17に接近する一端は、ガイド溝173内に延在し、第2可動枠17に転動可能に接続され、第2ボール19の第1可動枠16に接近する一端は、第2可動枠17のヨーイング移動を容易にするように、第1可動枠16に転動可能に接続される。
【0058】
実現可能な一実施形態において、第2ボール19は、磁性材質であり、第1磁石22は、第2可動枠17に設けられる第2ヨーク30及び磁性を有する第2ボール19を吸引し、以上をまとめると、第2可動枠17は、光軸300方向及び/又は光軸に垂直な方向回りにヨーイング運動する時に、第2ボール19は、第2可動枠17の斜めに設けられたガイド溝173によって外向き又は内向きに転動付勢される。しかしながら、第2ボール19は、磁性を有するため、第2ボール19が受ける吸引力で第1磁石22の中心位置に戻ることにより、第2可動枠17の動きに対して復元力を与える。
【0059】
さらに、ベース15、第1可動枠16及び第2可動枠17は、互いに磁気的に吸着しているが、あえて衝撃を加えた際にそれぞれ分離可能な構造とすることで、衝撃を第1ボール18及び第2ボール19に集中させることなく、部材のある強度位置などに分散させることができ、それにより可動構造体(第1可動枠16及び第2可動枠17)の弱点となる支持部材(第1ボール18及び第2ボール19)の破壊を防止できる。
【0060】
これにより、市場の撮像装置100においてよく見られる衝撃が支持部材に集中して支持部材の破損による駆動不良を引き起こすことがなく、その構造において、衝撃が加わった後でも再駆動を十分に行うことができる安全な構造を取得することができる。
【0061】
いくつかの実施例において、撮像装置100は、第1コイル20及び第2コイル31内に設けられる位置センサをさらに含み、具体的には、位置センサは、第1位置検出素子33及び第2位置検出素子34を含む。
【0062】
図1及び
図4に示すように、第1回路基板23には、第1磁石22の磁束を検出可能な第1位置検出素子33が搭載され、好ましくは、第1位置検出素子33は、少なくとも3つ設けられ、第1磁石22の磁束を検出することにより、第1可動枠16に対して正確な位置検出及び防振の制御を行うことができる。光軸300に直交する平面の移動だけでなく、光軸300に対して回転動作を行う際の回転量を検出することもでき、これによって正確な位置検出や防振の制御が可能となる。
【0063】
引き続き
図1及び
図4に示すように、第2回路基板32には、第1磁石22の磁束を検出可能な第2位置検出素子34が搭載され、好ましくは、第2位置検出素子34は、少なくとも3つ設けられ、第1磁石22の磁束を検出することにより、第2可動枠17に対して光軸300に沿って移動する位置の検出、及び光軸300に直交する軸に基づいた回転、ピッチング動作及びヨーイング動作を行う際の位置検出を行うことができ、正確な位置検出及び防振の制御が可能となる。
【0064】
図5に示すように、上記第1コイル20、第1位置検出素子33、第2コイル31及び第2位置検出素子34の信号線や電源線等は、防振補正アセンブリ及び焦点調整アセンブリの動作を妨げないように、撮像素子ユニット用可撓性導電基板35に接続して防振補正アセンブリ及び焦点調整アセンブリの外側に配線することができる。可撓性導電基板35は、少なくとも2回の折り曲げを有する板面構造であり、可撓性導電基板35は、一端が撮像素子ユニットに接続され、他端がベース15に固定されて、少なくとも部分的に収容キャビティ11aの外まで延在し、収容キャビティ11a内には、少なくとも可撓性導電基板35の湾曲面が平面上を移動する際に動作の妨げにならないように、移動自在な空間が設けられている。また、可撓性導電基板35は、例えば、いわゆる「伸縮FPC」のような、光軸に垂直な平面方向に駆動可能な板バネ形状の板面構造を有するものとしてもよい。
【0065】
選択可能なように、第2ボール19のガイド溝の形態は、具体的な必要に応じて設計することができ、本出願はこれに限定されず、例えば、
図14に示すように、第1可動枠16と第2可動枠17との対応する位置には、いずれもガイド溝173が設けられ、ガイド溝173は、V型構造であり、第2ボール19の両端が2つの対向するガイド溝173に当接している。
【0066】
図15に示すように、第1可動枠16には、ガイド溝173が設けられ、ガイド溝173は、V型構造であり、第2可動枠17は、平面であり、第2ボール19は、一端がガイド溝173内に当接し、他端が第2可動枠17に当接している。
【0067】
図16に示すように、第1可動枠16には、ガイド溝173が設けられ、ガイド溝173は、方形溝であり、第2可動枠17は、平面であり、第2ボール19は、一端がガイド溝173内に当接し、他端が第2可動枠17に当接している。
【0068】
図17に示すように、第2可動枠17には、ガイド溝173が設けられ、ガイド溝173は、方形溝であり、第1可動枠16は、平面であり、第2ボール19は、一端がガイド溝173内に当接し、他端が第1可動枠16に当接している。
【0069】
実施例2
図18に示すように、複数の第1磁石22は、第1貫通溝161の周方向に設けられ、第1可動枠16は、光軸300の受光側とは反対側に筒体162が形成され、筒体162の内壁面は、第1環状突起172の外壁面と面一であり、筒体162の内壁面には、第1環状突起172に向かって第1位置規制リング163が突設されているという点において、実施例1と異なる。
【0070】
第1環状突起172の外壁面には、筒体162に向かって第2位置規制リング174が突設されている。
【0071】
第2ボール19は、第1位置規制リング163と第2位置規制リング174との間に位置し、第2ボール19は、筒体162に近接する側が筒体162の内壁面に転動可能に接続され、第1環状突起172に近接する側が第1環状突起172の外壁面に転動可能に接続されている。
【0072】
第2コイル31及び第2ヨーク30は、いずれも第1環状突起172の外壁面に設けられ、第2コイル31は、第1磁石22と第2ヨーク30との間に位置する。
【0073】
本実施例において、第2ボール19は、非磁性材質であり、第2ボール19は、光軸300の中心側面に配置され、第1磁石22が第2ヨーク30を吸引することによって第2可動枠17が移動方向中心に保持される。
【0074】
この構造の効果は、実施1と同等の優位性がある。
【0075】
実施例3
本実施例において、複数の第1磁石22は、第1貫通溝161の周方向に設けられ、第1可動枠16は、光軸300の受光側に収容溝164が設けられ、収容溝164の第1磁石22に近接する側の内壁面の延在方向と光軸300の方向との間には、所定夾角が形成され、収容溝164の第1磁石22から離間する側には、磁気吸着部165が設けられ、磁気吸着部165は、磁性材質からなるという点において、実施例2と異なる。
【0076】
第2可動枠17における収容溝164に対応する位置には、光軸300方向に沿って第1可動枠16へ延在する凸型ブロック175が設けられている。
【0077】
第2ボール19は、第1可動枠16に近接する一端が収容溝164内に延在し、第1可動枠16に転動可能に接続され、第2可動枠17に近接する一端が凸型ブロック175に転動可能に接続され、
第2コイル31及び第2ヨーク30は、いずれも第2可動枠17に設けられ、第2コイル31は、第1磁石22と第2ヨーク30との間に位置する。
【0078】
第1磁極は、第1可動枠16における磁気吸着部165を吸引し、光軸300と直交する中心方向に第2ボール19を第1可動枠16の収容溝164の斜面に押圧し、さらに第1磁石22は、第2ヨーク30を吸引して第2可動枠17を光軸300方向に押圧し、これによって第2可動枠17が移動方向中心に保持される。
【0079】
構造としての効果は、実施例1と同等の優位性がある。
【0080】
前記実施例の撮像装置100は、オートフォーカス式レンズ構造であり、いくつかの実施例において、
図20に示すように、上記の撮像装置100は、ペリスコープ式レンズ構造400に適用されてもよく、ペリスコープ式レンズ構造400は、レンズユニット12の物体側に位置する第1プリズム401及び/又はレンズユニット12の像側に位置する第2プリズム402をさらに含み、第1プリズム401及び第2プリズム402は、光路の方向を変えるために用いられる。光路を変更可能な第1プリズム401及び/又は第2プリズム402を設けることにより、撮像装置100の体積を小さくすることができ、それにより撮像装置100の小型化と携帯化に有利である。
【0081】
図21及び
図22に示すように、上述した撮像装置100は、ズーム式レンズ構造500に適用されてもよく、レンズユニット12は、光軸300方向に沿って間隔を隔てて配置された少なくとも2つのレンズを含み、ズーム式レンズ構造500は、2つのレンズの光軸300方向に沿った間隔を変更可能であり、具体的には、複数のレンズを含むレンズユニット12が伸縮運動を行うことができる。ズーム式レンズ構造500を設けることにより、撮像装置100の撮像効果の向上だけでなく、使用者の体験感の向上にも有利である。
【0082】
上記実施例に基づいて、
図23に示すように、本発明は、スマートフォン又はタブレットデバイスなどの携帯型電子機器200をさらに提供し、いずれも前述の撮像装置100を含む。
【0083】
以上は、本発明の構造、特徴及び作用効果を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明したが、上記したのは、本発明の好ましい実施例だけであり、本発明は、図面に示される実施範囲を限定せず、本発明の思想に加えられた変更、又は同等の変化である同等の実施例への修正は、依然として明細書及び図面に含まれる精神を超えない場合、いずれも本発明の保護範囲内にあるべきである。
【符号の説明】
【0084】
100 撮像装置
11 筐体
11a 収容キャビティ
111 ハウジング
112 底板
113 スルーホール
12 レンズユニット
13 フィルタ
14 イメージセンサ
15 ベース
16 第1可動枠
161 第1貫通溝
162 筒体
163 第1位置規制リング
164 収容溝
165 磁気吸着部
17 第2可動枠
171 第2貫通溝
172 第1環状突起
173 ガイド溝
174 第2位置規制リング
175 凸型ブロック
18 第1ボール
19 第2ボール
20 第1コイル
21 第1ヨーク
22 第1磁石
23 第1回路基板
24 第1凹溝
25 第1板体
26 第2凹溝
27 第2板体
28 第1制震緩衝部材
29 第2制震緩衝部材
30 第2ヨーク
31 第2コイル
32 第2回路基板
33 第1位置検出素子
34 第2位置検出素子
35 可撓性導電基板
36 取付座
200 携帯型電子機器
300 光軸
400 ペリスコープ式レンズ構造
401 第1プリズム
402 第2プリズム
500 ズーム式レンズ構造
【要約】
【課題】本発明は撮像装置及び携帯型電子機器を提供する。
【解決手段】
撮像装置は、ベース、光軸を有するレンズユニット、撮像素子ユニット、第1可動枠、第2可動枠、複数の第1ボール、複数の第2ボール、第1駆動機構及び第2駆動機構を含み、第1可動枠は複数の第1ボールを介してベースに転動可能に支持され、第1駆動機構は、第1可動枠が光軸を中心線として回動し、及び/又は光軸の径方向に沿って移動するように駆動し、第2可動枠は複数の第2ボールを介して第1可動枠に転動可能に支持され、撮像素子ユニットは第2可動枠に固定され、第2駆動機構は、撮像素子ユニットが光軸の軸線方向に沿って移動し、及び/又は光軸に垂直な方向を中心線としてヨーイングするように駆動する。従来技術に比べて、本発明は、小型化が進む携帯型電子機器の中で、より効率的な防振補正及びオートフォーカスを実現する目的が達成でき、撮像画像の品質が良くなる。
【選択図】
図4