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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
H04R1/02 102Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023524980
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 CN2021125012
(87)【国際公開番号】W WO2022083643
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】202011146121.9
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ローロー
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ニンチエ
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-110632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
H04M 1/02- 1/23
H04M 1/24- 1/82
H04M 99/00
H04R 1/00- 1/08
H04R 1/12- 1/14
H04R 1/20- 1/40
H04R 1/42- 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示モジュール、中間フレーム、音声発生アセンブリ、第1回路基板、第1構造体、及びバックハウジングを備え、
前記中間フレームに収容溝が開設され、前記表示モジュールが前記収容溝内に設けられ、前記音声発生アセンブリ、前記第1回路基板、前記第1構造体及び前記バックハウジングが前記中間フレームの前記表示モジュールとは反対側に設けられ、前記音声発生アセンブリ、前記第1回路基板及び前記第1構造体が前記バックハウジング及び前記中間フレームにより形成された取付キャビティ内に位置し、
前記音声発生アセンブリがハウジング及び音声発生デバイスを含み、前記ハウジングに第1キャビティが開設され、前記音声発生デバイスが前記第1キャビティ内に位置し、前記第1キャビティを前部キャビティと後部キャビティに区切り、前記ハウジングに第1導音穴及び第2導音穴がさらに開設され、前記第1導音穴と前記前部キャビティとが連通し、前記第2導音穴と前記後部キャビティとが連通し、
第1空間が前記第1構造体と前記第1回路基板により囲まれて形成され、前記第1構造体と前記第1回路基板の一方に第3導音穴が開設され、前記後部キャビティが前記第2導音穴及び前記第3導音穴を介して前記第1空間に連通し、
前記第1構造体と前記バックハウジングとの間に第1間隙を有し、前記ハウジングと前記バックハウジングとの間に第2間隙を有する、電子機器。
【請求項2】
前記表示モジュールと前記中間フレームとの間に第3間隙を有し、前記第3間隙により導音通路が形成され、前記導音通路が前記第1導音穴に連通している、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
第1封止部材をさらに含み、前記中間フレームと前記ハウジングとは前記第1封止部材により封止接続される、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
第2封止部材をさらに含み、前記第1構造体及び前記第1回路基板のうち、第3導音穴が開設された一方と前記ハウジングとは前記第2封止部材により封止接続される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1構造体に漏れ穴が開設され、前記漏れ穴が前記第1空間に連通し、前記漏れ穴内にダンピングネットが設けられている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1構造体と前記第1回路基板は中継板により接続される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
第2構造体及びフレキシブル回路基板をさらに含み、前記第2構造体が前記第1構造体と前記バックハウジングとの間に設けられ、前記第2構造体の前記ハウジングと接触する接触面に接続部材が設けられ、前記音声発生デバイスと前記接続部材とが電気的に接続され、前記接続部材と前記第2構造体とが電気的に接続され、前記第2構造体が前記フレキシブル回路基板を介して前記第1回路基板に電気的に接続される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記ハウジングの前記第1回路基板と接触する接触面に接続部材が設けられ、前記音声発生デバイスが前記接続部材に電気的に接続され、前記接続部材が前記第1回路基板に電気的に接続される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記ハウジングは、互いに接続された第1ハウジング部及び第2ハウジング部を含み、前記第1ハウジング部及び前記第2ハウジング部は中空の直方体形状をなし、前記第1ハウジング部の前記表示モジュールの厚さ方向における厚さが、前記第2ハウジング部の前記表示モジュールの厚さ方向における厚さよりも大きく、前記第1導音穴が前記第1ハウジング部に開設され、前記第2導音穴が前記第2ハウジング部に開設される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記第2ハウジング部が前記中間フレームと前記第1回路基板との間に位置し、前記第2導音穴が前記第2ハウジング部の前記第1回路基板と接触する接触面に開設され、前記第3導音穴が前記第1回路基板における前記第2導音穴に対向する位置に開設される、請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記第2ハウジング部が前記バックハウジングと前記第1構造体との間に位置し、前記第2導音穴が前記第2ハウジング部の前記第1構造体と接触する接触面に開設され、前記第3導音穴が前記第1構造体における前記第2導音穴に対向する位置に開設される、請求項9に記載の電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は通信の技術分野に属し、具体的に、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンは、電子産業の高速発展につれ、ますます高性能化している。スマートフォンの発展トレンドの一つがステレオであり、スマートフォンの底部及び最上部にそれぞれスピーカを1つ配置することにより、特定の場面でのステレオ音響効果を実現する。
【0003】
スマートフォンは、高性能化につれ、マザーボードに集積すべきデバイスもますます多くなるが、マザーボードは面積が限られるため、デバイスの配置空間が窮屈になっている。今のステレオ化手段として、スピーカを最上部に配置する2つの手段がある。1つ目はスピーカ単体を配置する手段であるが、後部キャビティが開放され、バッテリカバーの振動が強く、振動感が顕著になり、ユーザの使用感が損なわれるという欠陥がある。2つ目はスピーカアセンブリを配置する手段であるが、後部キャビティのための予備空間が小さすぎる場合、スピーカアセンブリの低周波性能が非常に悪くなり、音響効果が不良となる一方で、後部キャビティのための予備空間が大きくなりすぎた場合、貴重な積層空間が無駄になり、マザーボードの有効配置面積が小さくなるという欠陥がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の実施例は、従来技術では、スピーカの占める空間の低減、スピーカの音質の向上、及びバッテリカバー振動の不具合の回避を同時に実現できない課題を解決できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術課題を解決するために、本出願は、次のように実現される。
【0006】
本出願の実施例は、表示モジュール、中間フレーム、音声発生アセンブリ、第1回路基板、第1構造体、及びバックハウジングを備え、
前記中間フレームに収容溝が開設され、前記表示モジュールが前記収容溝内に設けられ、前記音声発生アセンブリ、前記第1回路基板、前記第1構造体及び前記バックハウジングが前記中間フレームの前記表示モジュールとは反対側に設けられ、前記音声発生アセンブリ、前記第1回路基板及び前記第1構造体が前記バックハウジング及び前記中間フレームにより形成された取付キャビティ内に位置し、
前記音声発生アセンブリがハウジング及び音声発生デバイスを含み、前記ハウジングに第1キャビティが開設され、前記音声発生デバイスが前記第1キャビティ内に位置し、前記第1キャビティを前部キャビティと後部キャビティに区切り、前記ハウジングに第1導音穴及び第2導音穴がさらに開設され、前記第1導音穴と前記前部キャビティとが連通し、前記第2導音穴と前記後部キャビティとが連通し、
第1空間が前記第1構造体と前記第1回路基板により囲まれて形成され、前記第1構造体と前記第1回路基板の一方に第3導音穴が開設され、前記後部キャビティが前記第2導音穴及び前記第3導音穴を介して前記第1空間に連通し、
前記第1構造体と前記バックハウジングとの間に第1間隙を有し、前記ハウジングと前記バックハウジングとの間に第2間隙を有する、電子機器を提供する。
【0007】
選択的に、前記表示モジュールと前記中間フレームとの間に第3間隙を有し、前記第3間隙により導音通路が形成され、前記導音通路が前記第1導音穴に連通している。
【0008】
選択的に、第1封止部材をさらに含み、前記中間フレームと前記ハウジングとは前記第1封止部材により封止接続される。
【0009】
選択的に、第2封止部材をさらに含み、前記第1構造体及び前記第1回路基板のうち、第3導音穴が開設された一方と前記ハウジングとは前記第2封止部材により封止接続される。
【0010】
選択的に、前記第1構造体に漏れ穴が開設され、前記漏れ穴が前記第1空間に連通し、前記漏れ穴内にダンピングネットが設けられている。
【0011】
選択的に、前記第1構造体と前記第1回路基板は中継板により接続される。
【0012】
選択的に、第2構造体及びフレキシブル回路基板をさらに含み、前記第2構造体が前記第1構造体と前記バックハウジングとの間に設けられ、前記第2構造体の前記ハウジングと接触する接触面に接続部材が設けられ、前記音声発生デバイスと前記接続部材とが電気的に接続され、前記接続部材と前記第2構造体とが電気的に接続され、前記第2構造体が前記フレキシブル回路基板を介して前記第1回路基板に電気的に接続される。
【0013】
選択的に、前記ハウジングの前記第1回路基板と接触する接触面に接続部材が設けられ、前記音声発生デバイスが前記接続部材に電気的に接続され、前記接続部材が前記第1回路基板に電気的に接続される。
【0014】
選択的に、前記ハウジングは、互いに接続された第1ハウジング部及び第2ハウジング部を含み、前記第1ハウジング部及び前記第2ハウジング部は中空の直方体形状をなし、前記第1ハウジング部の前記表示モジュールの厚さ方向における厚さが、前記第2ハウジング部の前記表示モジュールの厚さ方向における厚さよりも大きく、前記第1導音穴が前記第1ハウジング部に開設され、前記第2導音穴が前記第2ハウジング部に開設される。
【0015】
選択的に、前記第2ハウジング部が前記中間フレームと前記第1回路基板との間に位置し、前記第2導音穴が前記第2ハウジング部の前記第1回路基板と接触する接触面に開設され、前記第3導音穴が前記第1回路基板における前記第2導音穴に対向する位置に開設される。
【0016】
選択的に、前記第2ハウジング部が前記バックハウジングと前記第1構造体との間に位置し、前記第2導音穴が前記第2ハウジング部の前記第1構造体と接触する接触面に開設され、前記第3導音穴が前記第1構造体における前記第2導音穴に対向する位置に開設される。
【発明の効果】
【0017】
本出願の実施例において、電子機器固有のフレームプレート及びマザーボード等の部材により密閉したサウンドキャビティを形成し、スピーカの占める空間を低減させるとともに、サウンドキャビティの容積を大きくし、スピーカの性能を効果的に向上させて音質を向上させることができ、スピーカによるバッテリカバー振動の不具合を回避する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本出願の実施例により提供される電子機器の模式図である。
図2】本出願の実施例により提供される電子機器の分解図である。
図3】本出願の実施例により提供される音声発生アセンブリの取付位置の模式図である。
図4】本出願の実施例により提供される第1空間を構成するアセンブリの分解図である。
図5】本出願の実施例により提供される音声発生アセンブリの斜視図である。
図6】本出願の実施例により提供される音声発生アセンブリの断面図である。
図7】本出願の実施例により提供される中間フレームの裏面の模式図である。
図8】本出願の実施例により提供される周波数応答グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下において、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本発明の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものとする。
【0020】
本発明実施例の明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」等の技術用語は、対象の特定の順序を記述するものではなく、異なる対象を区別するためのものである。なお、このように使用されるデータは、本願の実施例をここで図示又は説明する以外の順番で実施できるように、場合によっては互換してもよい。且つ、「第1」、「第2」等で区別する対象は、一般的に同種のものであり、対象の数が限定されず、例えば、第1対象は1つでもよく、複数でもよい。また、明細書及び請求項において、「及び/又は」は、接続される対象のうちの少なくとも一つを表し、符号の「/」は、一般的に前後の関連する対象が「又は」の関係にあることを表す。
【0021】
次に、附図を参照しながら、具体的な実施例及びその応用場面により本出願の実施例により提供される電子機器を詳しく説明する。
【0022】
図1を参照する。図1は、本出願の実施例により提供される電子機器の模式図である。図1に示すように、本出願の実施例は、電子機器を提供する。電子機器100の最上部に、音声発生デバイスが配置され、音声発生デバイスは、電子機器100の第3間隙102を介して音声を外部に発する。本出願の実施例において、電子機器100の内部デバイスにより、スピーカアセンブリのサウンドキャビティとして所定容積のキャビティを形成することによって、配置されるスピーカアセンブリの体積を低減させる。これにより、空間を過度に占めずにステレオ効果を実現することができるとともに、バッテリカバーの振動を引き起こすこともない。また、電子機器100は、具体的にスマートフォン、タブレットコンピュータ等であってもよい。
【0023】
図2図6を参照する。図2は本出願の実施例により提供される電子機器の分解図であり、図3は本出願の実施例により提供される音声発生アセンブリの取付位置の模式図であり、図4は本出願の実施例により提供される第1空間を構成するアセンブリの分解図であり、図5は本出願の実施例により提供される音声発生アセンブリの斜視図であり、図6は本出願の実施例により提供される音声発生アセンブリの断面図である。図2図6に示すように、具体的に、本出願の実施例における電子機器100は、表示モジュール103、中間フレーム104、音声発生アセンブリ105、第1回路基板106、第1構造体107及びバックハウジング110を備えてもよい。表示モジュール103は中間フレーム104の正面に固定接続され、より具体的に、中間フレーム104に収容溝が開設され、表示モジュール103は、前記収容溝内に設けられる。音声発生アセンブリ105、第1回路基板106、第1構造体107及びバックハウジング110は、いずれも中間フレーム104の表示モジュール103とは反対側に設けられる。また、取付キャビティがバックハウジング110及び中間フレーム104により囲まれて形成される。音声発生アセンブリ105、第1回路基板106及び第1構造体107は、いずれも前記取付キャビティ内に位置する。選択的に、音声発生アセンブリ105は、ハウジング1051及び音声発生デバイス1052を含んでもよい。ハウジング1051の内部に、第1キャビティが開設され、音声発生デバイス1052は、前記第1キャビティ内に位置する。また、音声発生デバイス1052により、前記第1キャビティは、2つの独立したキャビティ、即ち、前部キャビティ1053と後部キャビティ1054に区切られる。また、ハウジング1051に第1導音穴1055及び第2導音穴1056が開設され、第1導音穴1055は前部キャビティ1053に連通し、第2導音穴1056は後部キャビティ1054に連通している。サウンドキャビティをより大きく形成するために、中間フレーム104及びバックハウジング110に形成された取付キャビティにおいて、第1構造体107及び第1回路基板106により囲まれて第1空間114が形成される。第1構造体107と第1回路基板106の一方に第3導音穴1061が開設され、後部キャビティ1054が第2導音穴1056を介して第3導音穴1061に連通することにより、後部キャビティ1054と第1空間114がともに音声発生デバイス1052のサウンドキャビティを構成し、これにより、より高音質の音響効果が得られる。また、第1構造体107及び第1回路基板106のうち、第2導音穴1056により近い方に第3導音穴1061が開設されてもよく、例示的に、本出願の実施例において、第1回路基板106の方が第2導音穴1056に近いため、第3導音穴1061が第1回路基板106に開設されている。第1構造体107とバックハウジング110との間は、第1間隙をさらに有し、ハウジング1051とバックハウジング110との間は、第2間隙をさらに有し、前記第1間隙及び前記第2間隙の隔離により、音声発生デバイス1052の作動時に、バックハウジング110に激しい振動が発生してユーザの使用感に影響を及ぼすことはない。
【0024】
本出願の実施例において、音声発生デバイス1052はスピーカであってもよい。表示モジュール103は、スクリーンを含んでもよい。第1構造体107は電子機器の内部構造体であり、具体的にギャッププレート又は回路基板等の他のデバイスであってもよい。バックハウジング110はバッテリカバー等の構造体であってもよい。
【0025】
選択的に、本出願の実施例において、表示モジュール103と中間フレーム104との間は第3間隙102を有し、第3間隙102は、導音通路として形成される。前記導音通路が第1導音穴1055に連通することにより、音声発生デバイス1052は該導音通路を介して音声を電子機器100の外部に伝導し、音声のスピーカ再生を実現する。
【0026】
これにより、本出願の実施例では、電子機器100の内部空間を合理的に利用し、電子機器100固有の部材により第1空間114を構成することで、音声発生アセンブリ105固有の後部キャビティ1054を第1空間114に連通させる。これにより、音声発生アセンブリ105の外形をより小さく設計しながら、第1空間114によりサウンドキャビティの容積を大きくすることができるため、性能がより優れたものになり、ステレオ効果がよくなり、最上部及び底部のスピーカ性能に大きな差が生じる問題はない。また、第1空間114が中間フレーム104の裏面に固定されたバックハウジング110と接触しないため、スピーカ作動時の音波がほとんどバックハウジング110に伝達されないので、バックハウジング110に激しい振動が発生してユーザの使用感に影響を及ぼす問題もない。
【0027】
本出願の実施例において、選択的に、音声発生アセンブリ105と中間フレーム104の裏面との間の封止性を確保するために、音声発生アセンブリ105のハウジング1051と中間フレーム104との圧接面に第1封止部材(未図示)が設けられている。これにより、音声発生アセンブリ105から印加される圧接力で、第1封止部材による良好な封止効果が得られ、例示的に、第1封止部材はシールリングであってもよい。
【0028】
本出願の実施例において、選択的に、音声発生アセンブリ105と第1回路基板106及び第1構造体107のうち第3導音穴が開設された方との間の封止性を確保するために、電子機器100は第2封止部材115をさらに含み、第1回路基板106及び第1構造体107のうち、第3導音穴が開設された方は第2封止部材115によりハウジング1051と封止接続される。これにより、第1封止部材115による良好な封止効果が得られ、例示的に、第2封止部材もシールリングであってもよい。
【0029】
図5及び図6に示すように、本出願の実施例において、ハウジング1051は互いに接続された第1ハウジング部10511及び第2ハウジング部10512を含む。第1ハウジング部10511及び第2ハウジング部10512は同様に中空の直方体形状をなし、両者は一体的な構造として設計されてもよい。第1ハウジング部10511の表示モジュール103の厚さ方向における厚さは、第2ハウジング部10512の表示モジュール103の厚さ方向における厚さよりも大きく、つまり、第1ハウジング部10511の内部キャビティは、第2ハウジング部10512の内部キャビティよりも大きい。これにより、図6に示すように、ハウジング1051の断面形状は、包丁のような形状(即ち、角のうちの1つが延出部を有する四角形又は矩形)になり、音声発生デバイス1052を第1ハウジング部10511内に設けることができ、第1導音穴1055が第1ハウジング部10511に開設され、第2導音穴1056が第2ハウジング部10512に開設される。図3に示すように、選択的な実施形態において、第2ハウジング部10512は第1回路基板106と中間フレーム104との間に位置し、第2ハウジング部10512の表示モジュール103の厚さ方向における厚さが第1ハウジング部10511の表示モジュール103の厚さ方向における厚さよりも小さいので、第1回路基板106及び第1構造体107は、第2ハウジング部10512の下方領域まで延伸することができ、これにより、電子機器100の内部アセンブリの積層厚さを低減させ、機器全体の厚さの低下に寄与する。この場合、第2導音穴1056は第2ハウジング部10512の第1回路基板106と接触する接触面に開設され、第3導音穴1061は第1回路基板106における第2導音穴1056に対向する位置に開設され、第2封止部材115は第2ハウジング部10512と第1回路基板106との間に設けられる。
【0030】
他の選択的な実施形態において、第2ハウジング部10512はバックハウジング110と第1構造体との間に位置し、つまり、音声発生アセンブリ105を180°反転させた(この場合、第1導音穴1055の開設位置だけが対称面に移動した)。第2ハウジング部10512の表示モジュール103の厚さ方向における厚さが、第1ハウジング部10511の表示モジュール103の厚さ方向における厚さよりも小さいので、第1回路基板106及び第1構造体107は第2ハウジング部10512の上方領域まで延伸することができる。この場合、第2導音穴1056は、第2ハウジング部10512の第1構造体107と接触する接触面に開設され、第3導音穴1061は第1構造体107における第2導音穴1056に対向する位置に開設され、第2封止部材115は第2ハウジング部10512と第1構造体107との間に設けられる。
【0031】
本出願の実施例において、選択的に、第1構造体107に漏れ穴(未図示)がさらに開設され、漏れ穴が第1空間114に連通し、漏れ穴内にダンピングネットが設けられている。漏れ穴内、又は漏れ穴の両端の少なくとも一方にダンピングネットが貼付されている。漏れ穴及びダンピングネットは、第1空間114の気圧バランスを調節するためのものであり、気圧過大によるノイズ問題を回避する。
【0032】
引き続き図3を参照し、本出願の実施例において、選択的に、電子機器100は第2構造体109をさらに含み、第2構造体109は第1構造体107の中間フレーム104とは反対の面、即ち、第1構造体107とバックハウジング110との間に設けられている。音声発生アセンブリ105と第1回路基板106との間の電気的接続を実現するために、第2構造体109の音声発生アセンブリ105のハウジング1051と接触する接触面に接続部材が設けられ、音声発生アセンブリ105は導線をさらに含み、前記導線の一端が音声発生デバイス1052に電気的に接続され、前記導線の他端がハウジング1051の外面に引き出され、第2構造体109における接続部材に接続され、接続部材が第2構造体109に電気的に接続され、第2構造体109はフレキシブル回路基板を介して第1回路基板106に電気的に接続される。
【0033】
引き続き図3を参照し、他の選択的な実施形態において、音声発生アセンブリ105の導線の一端が音声発生デバイス1052に電気的に接続され、前記導線の他端が後部キャビティに連通する第2導音穴1056から引き出され、後部キャビティに連通する第2導音穴1056の周囲の接続部材に接続され、つまり、ハウジング1051の第2ハウジング部10512におけるマザーボードと接触する表面に接続部材が設けられ、前記導線の他端が接続部材に連通し、第1回路基板106が接続部材に電気的に接続される。これにより、音声発生アセンブリ105と第1回路基板106との間の電気的接続を実現する。選択的に、前記接続部材は板バネであってもよい。第1回路基板106の前記板バネに対応する接続位置にピンが形成され、板バネとピンとの圧接接触により接続を実現する。
【0034】
第1回路基板106に集積されるデバイスが多くなる一方で、第1回路基板106の面積が限られるので、デバイスの配置空間が窮屈になりつつある。上記課題を解決するために、本出願の実施例において、選択的に、第1構造体107と第1回路基板106とを中継板108を介して接続することにより、第1構造体107におけるデバイスと第1回路基板106におけるデバイスとの電気的接続を実現し、第1回路基板106の有効配置面積を増やし、より多くのデバイスを配置し、より多くの機能を実現することができる。
【0035】
図7を参照し、図7は本出願の実施例により提供される中間フレームの裏面の模式図である。図7に示すように、中間フレーム104の裏面が3つの領域、即ち、最上部領域116、中部領域117及び底部領域118に分けられる。スピーカ105及びギャッププレートアセンブリ106はともに中間フレーム104の最上部領域116に設けられる。ステレオ効果を実現するために、電子機器100の底部領域118にスピーカモジュール112が配置され、スピーカモジュール112は、電子機器100の底部スピーカ音孔101により音声を外部に発する。スピーカモジュールは、占める空間が比較的に大きいが、電子機器100の底部に設けられるため、影響があまり大きくない。本出願の実施例において、最上部領域116に音声発生アセンブリ105が設けられ、電子機器100固有の第1構造体107及び第1回路基板106等の部材により密閉した第1空間114を形成したため、音声発生アセンブリ105の後部キャビティ1054を第1空間114に連通させ、キャビティの容積の増大を実現することができる。したがって、音声発生アセンブリ105の外形を小さくすることができ、これにより、音声発生アセンブリ105の占める最上部領域116の空間を小さくして中部領域117の空間を適宜に大きくすることができ、該中部領域117はバッテリ111を配置するためのものであるので、バッテリ111の容量を増やし、電子機器100のバッテリ駆動時間を向上させることもできる。さらに、最上部領域116の音声発生アセンブリ105と底部領域118の底部スピーカモジュール112との協働作用により、ステレオ効果を達成する。
【0036】
図8を参照し、図8は本出願の実施例により提供される周波数応答グラフである。図8に示すように、曲線1は従来技術における周波数応答の曲線であり、曲線2は本出願の実施例の技術手段を採用した周波数応答の曲線である。従来技術に比べ、本出願の実施例における技術手段では、低周波応答に顕著な改善が見られることが分かる。即ち、電子機器100の音質が良くなり、ユーザ使用感が向上した。
【0037】
とにかく、本出願の実施例において、電子機器固有のフレームプレート及びマザーボード等の部材により密閉したサウンドキャビティを形成し、スピーカの占める空間を低減させるとともに、サウンドキャビティの容積を大きくし、スピーカの性能を効果的に向上させて音質を向上させることができ、スピーカによるバッテリカバー振動の不具合を回避する。
【0038】
説明すべきことは、本明細書において、用語「含む」、「からなる」又はその他のあらゆる変形は、非排他的包含を含むように意図され、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素のみならず、明示されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をも含む点である。特に断らない限り、語句「1つの……を含む」により限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。また、本願の実施形態における方法及び装置の範囲は、ここで示された又は議論された順番に機能を実行することに限定されず、関連する機能によっては、ほぼ同時に、或いは反対の順番に機能を実行することをさらに含んでもよい。例えば、説明順と異なる順番に上記の方法を実行してもよく、さらに、各ステップを添加し、省略し、又は組み合わせてもよい。また、一部の例示を参照して説明した特徴を、他の例示に組み合わせてもよい。
【0039】
以上、図面を参照しながら本発明の実施例を説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、上記の具体的な実施形態は例示的なものに過ぎず、限定的なものではなく、本発明の示唆をもとに、当業者が本発明の趣旨及び特許請求の保護範囲から逸脱することなくなし得る多くの形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0040】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年10月23日に中国で出願された中国特許出願No.202011146121.9の優先権を主張し、その全ての内容は引用によりここに含まれる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8