IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フリー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-プログラム、情報処理装置及び方法 図1
  • 特許-プログラム、情報処理装置及び方法 図2
  • 特許-プログラム、情報処理装置及び方法 図3
  • 特許-プログラム、情報処理装置及び方法 図4
  • 特許-プログラム、情報処理装置及び方法 図5
  • 特許-プログラム、情報処理装置及び方法 図6
  • 特許-プログラム、情報処理装置及び方法 図7
  • 特許-プログラム、情報処理装置及び方法 図8
  • 特許-プログラム、情報処理装置及び方法 図9
  • 特許-プログラム、情報処理装置及び方法 図10
  • 特許-プログラム、情報処理装置及び方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-02
(45)【発行日】2024-07-10
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240703BHJP
【FI】
G06Q40/12
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024068203
(22)【出願日】2024-04-19
【審査請求日】2024-04-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年2月15日に、フリー株式会社がウェブサイトにて、石原純也、垣中啓志、木村大介、熊倉洋介、佐藤顕範、中尾吏志、野村亮太、樋口哲朗、及び渡邉祐馬が発明したプログラム、情報処理装置、及び方法について公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石原 純也
(72)【発明者】
【氏名】垣中 啓志
(72)【発明者】
【氏名】木村 大介
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 洋介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 顕範
(72)【発明者】
【氏名】中尾 吏志
(72)【発明者】
【氏名】野村 亮太
(72)【発明者】
【氏名】樋口 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 祐馬
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-174284(JP,A)
【文献】特開2017-182765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、ユーザの取引に係る取引先を管理するためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記ユーザから、前記ユーザが前記取引先から受領した、前受金についての前受金データの入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた前受金データを、前記取引先に関する情報に紐付けて登録し、前記メモリに記憶させるステップと、
前記ユーザに係る前記取引先からの売上についての売上データの入力をするため、前記ユーザから、前記取引先に関する情報の入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた前記取引先に関する情報に係る前記取引先について、前受金データが存在するか否かを判定するステップと、
前記受け付けた前記取引先に関する情報に係る前記取引先についての前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨を前記ユーザに提示し、前記ユーザに係る前記取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能に前記ユーザに提示するステップと、
前記取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当された場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可に制御するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記プログラムは、さらに、
前記取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の一部の金額について充当された場合、当該売上の残りの金額について請求書を作成するステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プログラムは、さらに、
前記取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当され、前受金の残額が発生している場合、当該前受金の残額について当該取引先に対する返金処理を行うステップを実行させる、請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ユーザに提示するステップにおいて、前記ユーザに係る前記取引先からの売上に、受領している前受金が充当されていない場合、当該充当されていない売上についての売上データを前記ユーザに提示し、受領している前受金からの充当を選択可能に前記ユーザに提示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ユーザに提示するステップにおいて、新たな売上データの入力を受け付け、受け付けた新たな売上データと、充当されていない売上についての売上データを前記ユーザに提示し、受領している前受金からの充当を選択可能に前記ユーザに提示する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前受金データの入力を受け付けるステップにおいて、受け付ける前受金データを充当可能とする範囲の指定の入力を受け付け、
前記受け付けた前受金データを前記メモリに記憶させるステップにおいて、受け付けた前受金データを充当可能とする範囲の指定の情報を前記メモリに記憶させ、
前記ユーザに提示するステップにおいて、受け付けた前受金データを充当可能として指定された範囲内で、前記ユーザに係る前記取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能に前記ユーザに提示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記プログラムは、さらに、
前記ユーザから、前記受け付けた前受金データを充当可能とする範囲の指定を変更する入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた前受金データを充当可能とする範囲の指定を変更する情報を前記メモリに記憶させるステップと、を実行させる、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
制御部と、メモリとを備え、ユーザの取引に係る取引先を管理する情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記ユーザから、前記ユーザが前記取引先から受領した、前受金についての前受金データの入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた前受金データを、前記取引先に関する情報に紐付けて登録し、前記メモリに記憶させるステップと、
前記ユーザに係る前記取引先からの売上についての売上データの入力をするため、前記ユーザから、前記取引先に関する情報の入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた前記取引先に関する情報に係る前記取引先について、前受金データが存在するか否かを判定するステップと、
前記受け付けた前記取引先に関する情報に係る前記取引先についての前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨を前記ユーザに提示し、前記ユーザに係る前記取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能に前記ユーザに提示するステップと、
前記取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当された場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可に制御するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項9】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、ユーザの取引に係る取引先を管理するための方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記ユーザから、前記ユーザが前記取引先から受領した、前受金についての前受金データの入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた前受金データを、前記取引先に関する情報に紐付けて登録し、前記メモリに記憶させるステップと、
前記ユーザに係る前記取引先からの売上についての売上データの入力をするため、前記ユーザから、前記取引先に関する情報の入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた前記取引先に関する情報に係る前記取引先について、前受金データが存在するか否かを判定するステップと、
前記受け付けた前記取引先に関する情報に係る前記取引先についての前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨を前記ユーザに提示し、前記ユーザに係る前記取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能に前記ユーザに提示するステップと、
前記取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当された場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可に制御するステップと、を実行する、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業等の事業者を対象に、事業に係る会計処理のサービスを提供する会計システムが、例えばWebサービスとして提供されている。このような会計システムでは、ユーザの仕入、売上、借入のような入出金の情報を、帳簿(仕訳帳、総勘定元帳)に記録(記帳)して、(仕訳)会計データとして管理している。
【0003】
ここで、事業者間の取引関係において、預り金、前受金、手付金、着手金のように取引発生前に事前に金品を受け付けること(以下、総称して「前受金」という。)が、商慣習として行われることがある。例えば、受注者側の資金が不足している場合、発注者側に一定以上の支払リスクが存在するような場合のリスク回避の手段として、前受金を受け取ることが行われている。
【0004】
このような前受金を管理する技術として、特許文献1には、期間契約型のサービスにおける前受金の金額と、変動売上金額とを管理する契約型債権精算処理装置についての技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、工事など費用発生から売上計上に至るまでに長期間を要するようなプロジェクトにおける前受入金の管理をするプロジェクト管理システムについての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-030720号公報
【文献】特開2022-174284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、実際の事業者間の取引関係では、特定の取引、プロジェクト等に縛られずに前受金を受け取るような場合もあり、その後に発生した実際の取引(売上)に充当する、ということも行われている。このような場合、前受金の管理は容易ではなかった。また、会計システムにおいて請求書を自動作成するような機能を備えている場合、誤って請求書を発行してしまうおそれもあった。
【0008】
そこで、本開示では、会計システムにおいて、取引先を対象とする前受金の管理を容易にするとともに、請求書の自動発行を抑止することで、前受金の管理を容易にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、ユーザの取引に係る取引先を管理するためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザから、ユーザが取引先から受領した、前受金についての前受金データの入力を受け付けるステップと、受け付けた前受金データを、取引先に関する情報に紐付けて登録し、メモリに記憶させるステップと、ユーザに係る取引先からの売上についての売上データの入力をするため、ユーザから、取引先に関する情報の入力を受け付けるステップと、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先について、前受金データが存在するか否かを判定するステップと、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先についての前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨をユーザに提示し、ユーザに係る取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能にユーザに提示するステップと、取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当された場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可に制御するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、取引先からの売上についての売上データの入力をするために取引先に関する情報を入力すると、前受金データが存在する場合、その旨がユーザに提示される。また、前受金からの充当により売上の全額について充当される場合、請求書の作成を選択不可に制御される。そのため、請求書の自動発行を抑止することで、前受金の管理を容易にすることが可能になる。これにより、取引先を対象とする前受金の管理を容易にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1の会計システム1の全体構成を示すブロック図である。
図2図1の端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3図1のサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
図4図3の取引先データベース2021のデータ構造の例を示す図である。
図5図3の取引データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
図6図3の会計データベース2023のデータ構造の例を示す図である。
図7】会計システム1による前受金データ登録処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図8】会計システム1による前受金全額充当処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図9】会計システム1による前受金一部充当処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図10】端末装置10に表示する前受金データ一覧の画面例を示す図である。
図11】端末装置10に表示する前受金充当処理の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。以下の説明では、同一の構成には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、CPU(a Central Processing Unit)、従来型の回路、および/又はそれらの組合せを含む、circuitry又はprocessing circuitryにおいて実装されてもよい。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含み、circuitry又はprocessing circuitryとみなされる。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する、programmed processorであってもよい。
【0014】
本明細書において、circuitry、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は実行するハードウェアである。当該ハードウェアは、本明細書に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、又は、実行するものとして知られているあらゆるハードウェアであってもよい。
【0015】
当該ハードウェアがcircuitryのタイプであるとみなされるプロセッサである場合、当該circuitry、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び又はプロセッサを構成する為に用いられるソフトウェアの組合せである。
【0016】
<概要>
以下、本開示に係る会計システムについて説明する。本開示に係る会計システムは、ユーザである企業や個人事業主等の事業者に対して、会計処理のサービスを提供するためのシステムである。企業や個人事業主で行われる会計処理とは、仕入、売上、借入のような入出金を管理することであり、入出金を帳簿(仕訳帳、総勘定元帳)に記録(記帳)して(仕訳)会計データとして管理し、所定の決算期に決算処理として試算表を作成し、財務諸表である損益計算書や貸借対照表を作成している。また、決算処理の結果に基づき、法人税や事業所税、消費税等の申告書を作成する税務申告処理も行っている。本開示に係る会計システムは、仕入、売上等の入出金取引の入力を受け付けて帳簿への記帳を行い、試算表、財務諸表の作成し、税務申告の処理を支援するコンピュータシステムである。また、本開示に係る会計システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムである。
【0017】
また、本開示に係る会計システムは、ユーザから、取引先から受領した前受金についての前受金データの入力を受け付けて前受金の管理を行い、当該取引先からの売上について前受金からの充当を行えるようにするためのシステムである。
【0018】
ところで、会計システムとして、取引先から受領した前受金についての前受金データを管理し、売上について前受金から充当する場合、前受金の充当対象となる取引が未定の状態で前受金を受領し、その後に発生した実際の取引(売上)に充当することもある。そのため、上記のように、前受金の管理は、容易ではなかった。また、会計システムにおいて請求書を自動作成するような機能を備えている場合、誤って請求書を発行してしまうおそれもあった。
【0019】
そこで、本開示に係る会計システムは、取引先からの売上についての売上データの入力をするため、取引先に関する情報を入力すると、当該取引先からの前受金データが存在する場合、その旨がユーザに提示される。
【0020】
また、本開示に係る会計システムは、前受金からの充当により売上の全額について充当される場合、請求書の作成を選択不可に制御される。
【0021】
上記のような構成により、請求書の自動発行を抑止することで、前受金の管理を容易にすることが可能になる。これにより、取引先を対象とする前受金の管理を容易にすることを可能にしている。
【0022】
<実施の形態1>
以下、会計システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0023】
<1 会計システム1の全体構成>
図1は、実施の形態1の会計システム1の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、会計システム1は、複数の端末装置(図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施形態では、サーバ20はWebサーバ(クラウドサーバを含む)であり、端末装置10との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ20のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0024】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して会計システム1の機能である会計処理(仕訳処理)を行う者であり、例えば事業者である企業の担当者、または個人事業主等である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0025】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0026】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0027】
サーバ20は、ユーザである事業者の取引に係る会計処理に関する各種情報、例えば仕入、売上、借入のような入出金の情報を管理する装置である。サーバ20は、ユーザから、取引先から受領した前受金についての前受金データの入力を受け付けて記憶する。サーバ20は、ユーザから売上データの入力をするために取引先に関する情報の入力を受け付けると、当該取引先について前受金データが存在するか否かを判定し、存在する場合に当該取引先から前受金を受領している旨をユーザに提示する。また、サーバ20は、売上について前受金からの充当が選択されて売上の全額について充当された場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可に制御する。
【0028】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0029】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0030】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、図1の端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。図2に示す端末装置10は、移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末として説明するが、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。
【0031】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0032】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0033】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0034】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0035】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0036】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部170へ出力する。
【0037】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0038】
ディスプレイ150は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0039】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ15及び記憶部16により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0040】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用して、会計システム1の機能である会計処理を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、事業者または担当者の氏名または名称等の情報が含まれる。
【0041】
制御部170は、例えばプロセッサ19により構成され、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10の記憶部160に格納され、インストールされているアプリケーションである図示しないプログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、通知制御部173と、データ処理部174としての機能を発揮する。
【0042】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0043】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0044】
通知制御部173は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部173は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0045】
データ処理部174は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0046】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、図1のサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0047】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0048】
記憶部202は、例えばメモリ25、ストレージ26から構成され、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、取引先データベース2021と、取引データベース2022と、会計データベース2023等を記憶する。
【0049】
取引先データベース2021は、会計システム1の管理対象である、ユーザの取引に係る取引先に関するデータを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0050】
取引データベース2022は、会計システム1の管理対象である、ユーザの取引に関する取引データ、具体的には取引先との取引による売上等の入出金のデータを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0051】
会計データベース2023は、会計システム1の管理対象である、取引に係る会計データ、具体的には企業や個人事業主等に係る入出金を記帳した仕訳のデータを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0052】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、会計データ取得モジュール2033、前受金データ受付登録モジュール2034、売上データ受付モジュール2035、前受金判定モジュール2036、データ提示モジュール2037、及び前受金充当処理モジュール2038に示す機能を発揮する。
【0053】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0054】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0055】
会計データ取得モジュール2033は、会計システム1のユーザによる端末装置10の操作により、ユーザから入力された、ユーザにおける他の事業者との取引に係る会計データを受け付けて取得する処理を制御する。会計データ取得モジュール2033が受け付ける会計データとは、例えば、ユーザの取引に係る仕入、売上、借入のような入出金に関するデータであり、入出金の日付、金額等のデータである。
【0056】
なお、会計データ取得モジュール2033は、例えば、ユーザが取引に係る決済をクレジットカード等により行った場合、金融機関、クレジットカード会社等とのデータ連携により同期処理を行い、金融機関、クレジットカード会社から電子明細データを取得して会計データとして反映させることにより取得してもよい。会計データ取得モジュール2033は、例えば、ユーザの同意の下、金融機関、クレジットカード会社のサーバにアクセスし、当該ユーザが保有している金融機関の口座情報、当該ユーザが使用しているクレジットカードの使用情報を取得する。会計データ取得モジュール2033による電子明細データを取得する処理は、上記のように金融機関、クレジットカード会社のサーバにアクセスするプル型の情報取得処理でもよく、金融機関、クレジットカード会社のサーバから情報送信を受け付けるプッシュ型の情報取得処理でもよい。
【0057】
会計データ取得モジュール2033は、取得した会計データを、例えば会計データベース2023に格納して記憶させる。
【0058】
前受金データ受付登録モジュール2034は、会計システム1のユーザによる端末装置10の操作により、事業者であるユーザから、ユーザが取引先から受領した、前受金についての前受金データの入力を受け付ける処理を制御する。前受金データ受付登録モジュール2034が受け付ける前受金データは、例えば、前受金発生日(受領日)、受領した取引先を示す顧客名称、前受金の金額を含むデータである。ここで、前受金とは、上記のように、預り金、前受金、手付金、着手金のように取引発生前に事前に金品を受け付けることの総称である。
【0059】
前受金データ受付登録モジュール2034は、例えば、端末装置10に前受金データの入力を受け付けるための所定の入力フォーマットを表示し、ユーザが当該入力フォーマットに上記の各項目を入力してサーバ20へ送信することにより受け付ける。
【0060】
前受金データ受付登録モジュール2034は、受け付けた前受金データについて、充当可能とする範囲の指定を受け付けてもよい。充当可能とする範囲とは、ユーザの取引先企業の部署の指定、担当者の指定、取引日の期間の指定、金額の指定等を含む。前受金を売上に充当させる場合、特定の部署、取引先企業の担当者を指定する必要があったり、所定の期間の範囲内(例えば、所定の決算期間内等)でのみ充当させたり、所定の売上金額の範囲内(例えば、10万円以下、等)でのみ充当させたりする場合がある。そのため、前受金データ受付登録モジュール2034は、そのような充当可能とする範囲の指定を受け付ける。さらに、前受金データ受付登録モジュール2034は、受け付けた前受金データを充当可能とする範囲について、範囲の指定を変更する入力を受け付けてもよい。
【0061】
また、前受金データ受付登録モジュール2034は、受け付けた前受金データを、取引先に関する情報に紐付けて登録し、メモリに記憶させる処理を制御する。前受金データ受付登録モジュール2034は、取得した前受金データを、例えば取引先データベース2021に格納して記憶させる。このとき、前受金データは、特定の取引に係る取引データに紐付けることなく、取引先に紐付けて登録する。ただし、前受金データ受付登録モジュール2034は、特定の取引に係る取引データに紐付けてもよく、この場合は、例えば取引データベース2022に格納して記憶させてもよい。さらに、前受金データ受付登録モジュール2034は、前受金を充当可能とする範囲の指定の情報(変更情報も含む)を、例えば取引先データベース2021に格納して記憶させる。
【0062】
売上データ受付モジュール2035は、ユーザに係る取引先からの売上についての売上データの入力をするため、ユーザから、取引先に関する情報の入力を受け付ける処理を制御する。売上データ受付モジュール2035は、例えば、取引先に関する情報として、取引先の企業(法人)名称、個人事業主の氏名、屋号、部署名、住所または居所、連絡先等の情報の入力を受け付ける。
【0063】
売上データ受付モジュール2035は、例えば、端末装置10に売上データの入力をするために表示させる取引先を特定するため、取引先に関する情報の入力を受け付けるための所定の入力フォーマットを表示し、ユーザが当該入力フォーマットに上記の各項目を入力してサーバ20へ送信することにより受け付ける。このとき、売上データ受付モジュール2035は、例えば、取引先に関する情報の一部、例えば企業名の一部を入力した段階で、取引先データベース2021を参照して該当する1または複数の取引先を特定して表示し、入力または選択を促すようにしてもよい。
【0064】
前受金判定モジュール2036は、売上データ受付モジュール2035が受け付けた取引先に関する情報に係る取引先について、前受金データが存在するか否かを判定する処理を制御する。前受金判定モジュール2036は、例えば、取引先に関する情報に基づいて取引先データベース2021を参照し、前受金データ受付登録モジュール2034が受け付けて登録された前受金データが存在するか否かを判定する。なお、前受金データが特定の取引に係る取引データに紐付けられている場合、取引データベース2022を参照してもよい。
【0065】
また、前受金判定モジュール2036は、取引先データベース2021または取引データベース2022を参照し、登録されている前受金データについて、充当可能とする範囲の指定がされているときに、ユーザから受け付けた取引先に関する情報が充当可能とする範囲外である場合、前受金データが存在しないと判定してもよい。このとき、前受金を充当可能とする範囲外である場合とは、例えば、取引先企業の特定の部署や担当者ではない場合、所定の期間の範囲外である場合、等である。
【0066】
データ提示モジュール2037は、前受金判定モジュール2036による判定結果が、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先についての前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨をユーザに提示する処理を制御する。データ提示モジュール2037は、例えば、端末装置10に取引先に関する情報と、当該取引先から受領した前受金が存在することを表示する。このとき、データ提示モジュール2037は、ユーザに対する注意喚起として、当該取引先から受領した前受金が存在することをポップアップ画面等により表示してもよい。
【0067】
また、データ提示モジュール2037は、前受金判定モジュール2036による判定結果が、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先についての前受金データが存在する場合、ユーザに係る取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能にユーザに提示する処理を制御する。データ提示モジュール2037は、例えば、端末装置10に売上データの入力を受け付けるための所定の入力フォーマットを表示し、ユーザが当該入力フォーマットに売上についての項目(売上金額、売上日等)を入力してサーバ20へ送信することにより受け付ける。このとき、データ提示モジュール2037は、例えば、受領している前受金についての前受金データを端末装置10に表示し、当該売上について前受金から充当するか否かを選択できるように表示する。また、データ提示モジュール2037は、例えば、前受金から充当する場合、売上の全額を充当する(前受金額が売上金額より多い場合)のか、または売上の一部なのか、一部の場合はその金額(前受金額の範囲内で)を入力できるように表示する。
【0068】
さらに、データ提示モジュール2037は、前受金判定モジュール2036による判定結果が、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先についての前受金データが存在する場合であって、ユーザに係る当該取引先からの売上(入力済)に、受領している前受金が充当されていない場合、当該充当されていない売上についての売上データをユーザに提示し、受領している前受金からの充当を選択可能にユーザに提示する処理を制御する。データ提示モジュール2037は、例えば、端末装置10に当該取引先からの売上として入力済の売上データのうち、前受金から充当されていない売上データを一覧表示するとともに、受領している前受金についての前受金データを端末装置10に表示し、受領している前受金からの充当を選択可能にしてもよい。また、このとき、データ提示モジュール2037は、新たな売上データの入力を受け付け、受け付けた新たな売上データと、充当されていない売上についての売上データを一覧表示するとともに、受領している前受金についての前受金データを端末装置10に表示し、受領している前受金からの充当を選択可能にしてもよい。
【0069】
データ提示モジュール2037は、ユーザに係る取引先からの売上について、受領している前受金からの充当を受け付ける際、取引先データベース2021または取引データベース2022を参照し、受領している前受金の金額の範囲内であるかを判定し、範囲内であれば前受金からの充当を受け付けるように制御する。このとき、データ提示モジュール2037は、登録されている前受金データについて、充当可能とする範囲の指定がされているときに、ユーザから受け付けた売上データが充当可能とする範囲外である場合、前受金からの充当を受け付けないように制御してもよい。このとき、前受金を充当可能とする範囲外である場合とは、例えば、前受金を充当可能とする所定の売上金額の範囲外である場合等である。
【0070】
前受金充当処理モジュール2038は、取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当された場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可にする処理を制御する。前受金充当処理モジュール2038は、データ提示モジュール2037がユーザに係る取引先からの売上の全額について、受領している前受金からの充当を選択する入力を受け付けた場合、当該売上について前受金から充当するように処理を行う。そして、前受金充当処理モジュール2038は、当該売上について端末装置10に表示する場合、当該売上に係る請求書の作成を端末装置10で操作できないように制御する。
【0071】
前受金充当処理モジュール2038は、取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の一部の金額について充当された場合、当該売上の残りの金額について請求書を作成してもよい。前受金充当処理モジュール2038は、データ提示モジュール2037がユーザに係る取引先からの売上の一部金額について、受領している前受金からの充当を選択する入力を受け付けた場合、当該売上について前受金から充当するように処理を行う。そして、前受金充当処理モジュール2038は、当該売上の残りの金額について、請求書データを自動作成する。この時の請求書データは、請求書の帳票フォーマットにより作成してもよく、作成する請求書データの種類は、PDF(Portable Document Format)、Word、XML(eXtensible Markup Language)、jpeg、png、bmp、tiff、gif、eps、svg等の任意のデータフォーマットでよい。
【0072】
また、前受金充当処理モジュール2038は、取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当され、前受金の残額が発生している場合、当該前受金の残額について当該取引先に対する返金処理を行ってもよい。前受金充当処理モジュール2038は、データ提示モジュール2037がユーザに係る取引先からの売上の全額について、受領している前受金からの充当を選択する入力を受け付けた場合、当該売上について前受金から充当するように処理を行う。そして、前受金充当処理モジュール2038は、前受金の残額が発生している場合、当該前受金の残額について当該取引先に対する返金処理を行う。
【0073】
前受金充当処理モジュール2038は、ユーザに係る取引先からの売上について、前受金から充当するように会計データを生成し、例えば会計データベース2023に格納して記憶させる。
【0074】
<2 データ構造>
図4は、図3の取引先データベース2021のデータ構造の例を示す図である。図5は、図3の取引データベース2022のデータ構造の例を示す図である。また、図6は、図3の会計データベース2023のデータ構造の例を示す図である。
【0075】
図4に示すように、取引先データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「取引先ID」と、項目「取引先詳細情報」等を含む。
【0076】
項目「取引先ID」は、会計システム1におけるユーザの取引先である事業者それぞれを識別する情報である。
【0077】
項目「取引先詳細情報」は、会計システム1にて管理するユーザの取引先(事業者)に関する管理情報であり、具体的には、項目「事業者名」と、項目「法人/個人」と、項目「前受金有無」と、項目「前受金額」と、項目「預り期限」等を含む。
【0078】
項目「事業者名」は、会計システム1にて管理するユーザの取引先事業者の名称を示す情報であり、例えば、法人名称や個人事業主の氏名等が格納されている。
【0079】
項目「法人/個人」は、会計システム1にて管理するユーザの取引先事業者が法人であるか、または個人(事業主)であるかの区分を示す情報であり、例えば、当該事業者が法人である場合は「法人」の情報が、当該事業者が個人事業主である場合は「個人」の情報が格納されている。
【0080】
項目「前受金有無」は、会計システム1にて管理するユーザの取引先から前受金を受領しているか否かを示す情報であり、例えば、項目「事業者名」の取引先から前受金を受領している場合は「有」の情報が、当該取引先から前受金を受領していない場合は「無」の情報が格納されている。
【0081】
項目「前受金額」は、会計システム1にて管理するユーザの取引先から前受金を受領している場合における、受領した前受金の金額を示す情報である。前受金の金額は、当該取引先から受領した時の金額と、当該取引先からの売上に充当した後の残金額とが分かるように構成してもよい(図示は省略)。なお、当該取引先から前受金を受領していない場合、データは格納されない。
【0082】
項目「預り期限」は、会計システム1にて管理するユーザの取引先から前受金を受領している場合における、受領した前受金について設定される充当の期限を示す情報である。この期限は、前受金が所定の期間の範囲内(例えば、所定の決算期間内等)でのみ充当可能とする場合における、期間の終了日(期限)である。なお、当該取引先から前受金を受領していない場合、または特に期限が設定されない場合、データは格納されない。
【0083】
サーバ20は、ユーザから取引先に関する情報を受け付けることに伴って、取引先データベース2021にレコードを追加する。また、サーバ20の前受金データ受付登録モジュール2034は、ユーザから前受金に関する情報を受け付けることに伴って、取引先データベース2021の項目「前受金有無」、項目「前受金額」、項目「預り期限」を更新する。
【0084】
図5に示すように、取引データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「取引先ID」と、項目「事業者名」と、項目「取引詳細情報」等を含む。
【0085】
項目「取引先ID」は、会計システム1におけるユーザの取引先である事業者それぞれを識別する情報であり、取引先データベース2021の項目「取引先ID」に対応している。
【0086】
項目「事業者名」は、会計システム1にて管理するユーザの取引先事業者の名称を示す情報であり、例えば、法人名称や個人事業主の個人名が格納されている。取引先データベース2021の項目「事業者名」に対応している。
【0087】
項目「取引詳細情報」は、会計システム1にて管理する取引(売上)に関する管理情報であり、具体的には、項目「日付」と、項目「品目」と、項目「金額」と、項目「備考」等を含む。この項目「取引詳細情報」は、事業者、担当者等であるユーザが日々の取引について登録した情報であり、例えば、項目「日付」の順に時系列で、最新の情報がレコードとして追加されるように構成されている。
【0088】
項目「日付」は、会計システム1にて管理する取引が発生した日付の情報である。
【0089】
項目「品目」は、会計システム1にて管理する取引について、具体的な物品やサービス等の内容を示す情報である。
【0090】
項目「金額」は、会計システム1にて管理する取引についての入出金の金額を示す情報である。
【0091】
項目「備考」は、会計システム1にて管理する取引について補足的に記録しておく情報である。例えば、取引(売上)について前受金による充当がされた場合、項目「備考」には「前受金充当」と格納される。
【0092】
サーバ20は、ユーザから取引(売上)に関する情報を受け付けることに伴って、取引データベース2022の項目「取引詳細情報」にレコードを追加する。
【0093】
図6に示すように、会計データベース2023のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ名」と、項目「仕訳データ詳細情報」等を含む。
【0094】
項目「ユーザID」は、会計システム1にて管理する会計データの登録を行うユーザそれぞれを識別する情報である。
【0095】
項目「ユーザ名」は、会計システム1にて管理する会計データの登録を行うユーザである企業の名称(会社名)または個人事業主名である。
【0096】
項目「仕訳データ詳細情報」は、会計システム1にて管理する会計データである、仕入や売上等の入出金の取引を記帳した仕訳データであり、具体的には、項目「日付」と、項目「借方/貸方」と、項目「摘要」と、項目「金額」等を含む。この項目「仕訳データ詳細情報」は、事業者であるユーザが日々の取引について登録した情報に基づき、仕訳を行い、会計情報として登録した情報であり、例えば、項目「日付」の順に時系列で、最新の情報がレコードとして追加されるように構成されている。
【0097】
項目「日付」は、会計システム1にて管理する会計データに係る取引が発生した日付の情報である。
【0098】
項目「借方/貸方」は、会計データの仕訳を行った仕訳データの借方または貸方の区別を示す情報であり、例えば、借方である場合は「借方」の情報が、貸方である場合は「貸方」の情報が格納されている。借方及び貸方は、現在帳簿への記帳で一般的に使用されている、複式簿記における記載項目である。
【0099】
項目「摘要」は、会計データの仕訳を行った仕訳データの勘定科目を示す情報である。勘定科目は、日々の取引の入力で使用される費目の内容を示す情報であり、例えば図6に示すように、「普通預金」、「前受金」、「売上」等の内容が格納されている。
【0100】
項目「金額」は、仕訳を行った仕訳データの金額を示す情報である。項目「金額」には、項目「摘要」が示す勘定科目の例である、「普通預金」への入出金、「前受金」、「売上」等の金額が格納されている。
【0101】
サーバ20の会計データ取得モジュール2033は、ユーザが取引に関する情報に基づき仕訳を行い、会計データとして登録することに伴って、会計データベース2023の項目「仕訳データ詳細情報」を更新する。
【0102】
<3 動作>
以下、図7ないし図9を参照しながら、実施の形態1における会計システム1による会計データ取得処理、証憑画像データ取得処理、及び修正受付処理について説明する。
【0103】
図7は、会計システム1による前受金データ登録処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0104】
ステップS121において、サーバ20の前受金データ受付登録モジュール2034は、端末装置10から送信された当該ユーザが受領した前受金に係る前受金データを、通信部201を介して受け付ける。前受金データは、例えば、前受金発生日(受領日)、受領した取引先を示す顧客名称、前受金の金額を含むデータである。ステップS121では、端末装置10のディスプレイ150に前受金データの入力を受け付けるための所定の入力フォーマットを表示し、ユーザが当該入力フォーマットに上記の各項目を入力すると端末装置10の入力操作受付部171が入力された情報を受け付け、送受信部172がこれらの情報を送信するので、サーバ20の通信部201を介して受け付ける。
【0105】
ステップS122において、サーバ20の前受金データ受付登録モジュール2034は、ステップS121で受け付けた前受金データを、取引先に関する情報に紐付けて登録し、取引先データベース2021に格納して記憶させる。
【0106】
以上のように、会計システム1では、前受金に係る前受金データが受け付けられ、記憶される。
【0107】
図8は、会計システム1による前受金全額充当処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0108】
ステップS221において、サーバ20の売上データ受付モジュール2035は、端末装置10から送信された、ユーザに係る取引先からの売上について売上データの入力をするための、当該ユーザの取引先に関する情報を、通信部201を介して受け付ける。取引先に関する情報とは、例えば、取引先の企業(法人)名称、個人事業主の氏名、屋号、部署名、住所または居所、連絡先等の情報である。ステップS221では、端末装置10のディスプレイ150に取引先に関する情報の入力を受け付けるための所定の入力フォーマットを表示し、ユーザが当該入力フォーマットに上記の各項目を入力すると端末装置10の入力操作受付部171が入力された情報を受け付け、送受信部172がこれらの情報を送信するので、サーバ20の通信部201を介して受け付ける。
【0109】
ステップS222において、サーバ20の前受金判定モジュール2036は、ステップS221で受け付けた取引先に関する情報に係る取引先について、前受金データが存在するか否かを判定する。ステップS222では、例えば、取引先に関する情報に基づいて取引先データベース2021を参照し、ステップS121で受け付けて登録された前受金データが存在するか否かを判定する。
【0110】
ステップS223において、サーバ20のデータ提示モジュール2037は、ステップS222の判定結果が、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先についての前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨をユーザに提示する。ステップS223では、例えば、取引先に関する情報と、当該取引先から受領した前受金が存在することを示す情報とを、通信部201を介して端末装置10へ送信し、ディスプレイ150に表示させる。
【0111】
ステップS224において、サーバ20のデータ提示モジュール2037は、ユーザに係る取引先からの売上についての売上データと、売上の全額について受領している前受金からの充当を選択する情報を受け付ける。ステップS224では、端末装置10のディスプレイ150に売上についての項目(売上金額、売上日等)の入力と、当該売上について受領している前受金からの充当を選択する旨の情報入力とを受け付けるための所定の入力フォーマットを表示し、ユーザが当該入力フォーマットに上記の各項目を入力すると端末装置10の入力操作受付部171が入力された情報を受け付け、送受信部172がこれらの情報を送信するので、サーバ20の通信部201を介して受け付ける。
【0112】
ステップS225において、サーバ20の前受金充当処理モジュール2038は、ステップS224で取引先からの売上の全額について受領している前受金からの充当が選択されるので、当該売上に係る請求書の作成を選択不可にする。ステップS225では、端末装置10のディスプレイ150に、全額前受金から充当された売上について端末装置10に表示する場合、当該売上に係る請求書の作成を端末装置10で操作できないように、通知制御部173が制御する。
【0113】
以上のように、会計システム1では、ユーザに係る取引先からの売上について売上データの入力をするため、当該ユーザの取引先に関する情報を入力すると、当該取引先について前受金データが存在するか否かが判定される。前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨をユーザに提示し、売上データと、売上の全額について受領している前受金からの充当を選択する情報を受け付ける。この場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可にする。
【0114】
図9は、会計システム1による前受金一部充当処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0115】
図9に示すステップS221~ステップS223は、図8に示すステップS221~ステップS223の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0116】
ステップS324において、サーバ20のデータ提示モジュール2037は、ユーザに係る取引先からの売上についての売上データと、売上の一部について受領している前受金からの充当を選択する情報を受け付ける。
【0117】
ステップS325において、サーバ20の前受金充当処理モジュール2038は、ステップS224で取引先からの売上の一部について受領している前受金からの充当が選択されるので、当該売上の残りの金額について、請求書データを自動作成する。
【0118】
以上のように、会計システム1では、前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨をユーザに提示し、売上データと、売上の一部について受領している前受金からの充当を選択する情報を受け付ける。この場合、当該売上の残りの金額について、請求書データを自動作成する。
【0119】
<4 画面例>
以下、図10及び図11を参照しながら、会計システム1による前受金データ一覧の画面例、及び前受金充当処理の画面例について説明する。
【0120】
図10は、端末装置10に表示する前受金データ一覧の画面例を示す図である。図10の画面例は、サーバ20の前受金データ受付登録モジュール2034により登録された前受金データを、端末装置10のディスプレイ150に一覧表示した画面例を示す。
【0121】
図10に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、ウィンドウ1031が表示されている。このウィンドウ1031には、前受金データ受付登録モジュール2034が受け付けた前受金データ1031aが表示されている。
【0122】
前受金データ1031aには、表示項目として、前受金発生日1031b、顧客名称1031c、前受金額1031d、売上済金額1031e等の項目が表示されている。前受金発生日1031bは、ユーザが取引先から受領した前受金の発生日(受領日)である。顧客名称1031cは、ユーザが前受金を受領した取引先の名称(個人事業主の氏名でもよい)である。前受金額1031dは、ユーザが当該取引先から受領した前受金の金額である。売上済金額1031eは、ユーザが当該取引先から受領した前受金のうち、売上に充当済の金額である。これらの項目は、例えば、取引先データベース2021に格納されている項目である。これにより、ユーザは、取引先ごとの前受金の状況を把握することが可能である。
【0123】
図11は、端末装置10に表示する前受金充当処理の画面例を示す図である。図11の画面例は、サーバ20のデータ提示モジュール2037により提示された、売上データの入力を受け付ける入力欄と、取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能にユーザに提示した状態の画面例を示す。図8のステップS224に相当する。
【0124】
図11に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、ウィンドウ1032が表示されている。このウィンドウ1032には、データ提示モジュール2037により提示された売上入力画面1032aが表示されている。
【0125】
図11に示す売上入力画面1032aには、入力項目として、売上日入力欄1032bと、顧客入力欄1032cとが設けられている。また、売上入力画面1032aには、前受金データの表示項目として、前受金発生日1032d、請求日1032e、残金額1032f、前受金額1032g等の項目が表示されている。さらに、売上入力画面1032aには、入力項目として、前受金充当選択ボタン1032hが設けられている。売上日入力欄1032bは、取引先からの売上日を入力する入力欄である。顧客入力欄1032cは、売上を入力する取引先の入力欄である。前受金発生日1032dは、ユーザが取引先から受領した前受金の発生日(受領日)である。請求日1032eは、当該売上の請求日である。残金額1032fは、ユーザが当該取引先から受領した前受金のうち、売上に充当した残りの金額である。前受金額1032gは、ユーザが当該取引先から受領した前受金の金額である。前受金充当選択ボタン1032hは、前受金発生日1032d~前受金額1032gに表示されている前受金を、売上日入力欄1032b~顧客入力欄1032cに入力する売上に充当するか否かを選択するためのボタン(充当する場合に選択する)である。これにより、ユーザは、前受金から売上への充当を容易に選択することが可能である。
【0126】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、ユーザから前受金に係る前受金データが受け付けられて登録される。ユーザに係る取引先からの売上について売上データの入力をするため、当該ユーザの取引先に関する情報を入力すると、当該取引先について前受金データが存在するか否かが判定される。前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨をユーザに提示し、売上データと、売上の全額について受領している前受金からの充当を選択する情報を受け付ける。この場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可にする。そのため、請求書の自動発行を抑止することで、前受金の管理を容易にし、請求書の誤送付を防止することが可能になる。これにより、取引先を対象とする前受金の管理を容易にしている。
【0127】
また、本実施形態によると、売上データと、売上の一部について受領している前受金からの充当を選択する情報を受け付ける。この場合、当該売上の残りの金額について、請求書データを自動作成する。そのため、一部充当の場合に、残金の請求書を自動発行することで、前受金の管理を容易にすることが可能になる。これにより、取引先を対象とする前受金の管理を容易にしている。
【0128】
さらに、本実施形態によると、売上の入力欄に、充当可能な前受金の一覧を表示させ、充当の選択を可能にしている。これにより、前受金の売上への充当が容易になる。
【0129】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0130】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0131】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサ29に、ユーザから、ユーザが取引先から受領した、前受金についての前受金データの入力を受け付けるステップ(S121)と、受け付けた前受金データを、取引先に関する情報に紐付けて登録し、メモリに記憶させるステップ(S122)と、ユーザに係る取引先からの売上についての売上データの入力をするため、ユーザから、取引先に関する情報の入力を受け付けるステップ(S221)と、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先について、前受金データが存在するか否かを判定するステップ(S222)と、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先についての前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨をユーザに提示し、ユーザに係る取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能に前記ユーザに提示するステップ(S223,S224)と、取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当された場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可に制御するステップ(S225)と、を実行させる、プログラム。
【0132】
(付記2)プログラムは、さらに、取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の一部の金額について充当された場合、当該売上の残りの金額について請求書を作成するステップ(S325)を実行させる、(付記1)に記載のプログラム。
【0133】
(付記3)プログラムは、さらに、取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当され、前受金の残額が発生している場合、当該前受金の残額について当該取引先に対する返金処理を行うステップを実行させる、(付記1)または(付記2)に記載のプログラム。
【0134】
(付記4)ユーザに提示するステップにおいて、ユーザに係る取引先からの売上に、受領している前受金が充当されていない場合、当該充当されていない売上についての売上データをユーザに提示し、受領している前受金からの充当を選択可能に前記ユーザに提示する、(付記1)に記載のプログラム。
【0135】
(付記5)ユーザに提示するステップにおいて、新たな売上データの入力を受け付け、受け付けた新たな売上データと、充当されていない売上についての売上データをユーザに提示し、受領している前受金からの充当を選択可能にユーザに提示する、(付記4)に記載のプログラム。
【0136】
(付記6)前受金データの入力を受け付けるステップにおいて、受け付ける前受金データを充当可能とする範囲の指定の入力を受け付け、受け付けた前受金データをメモリに記憶させるステップにおいて、受け付けた前受金データを充当可能とする範囲の指定の情報をメモリに記憶させ、ユーザに提示するステップにおいて、受け付けた前受金データを充当可能として指定された範囲内で、ユーザに係る取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能にユーザに提示する、(付記1)に記載のプログラム。
【0137】
(付記7)プログラムは、さらに、ユーザから、受け付けた前受金データを充当可能とする範囲の指定を変更する入力を受け付けるステップと、受け付けた前受金データを充当可能とする範囲の指定を変更する情報をメモリに記憶させるステップと、を実行させる、(付記6)に記載のプログラム。
【0138】
(付記8)制御部203と、メモリ25(記憶部202)とを備える情報処理装置であって、制御部203は、ユーザから、ユーザが取引先から受領した、前受金についての前受金データの入力を受け付けるステップ(S121)と、受け付けた前受金データを、取引先に関する情報に紐付けて登録し、メモリに記憶させるステップ(S122)と、ユーザに係る取引先からの売上についての売上データの入力をするため、ユーザから、取引先に関する情報の入力を受け付けるステップ(S221)と、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先について、前受金データが存在するか否かを判定するステップ(S222)と、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先についての前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨をユーザに提示し、ユーザに係る取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能に前記ユーザに提示するステップ(S223,S224)と、取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当された場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可に制御するステップ(S225)と、を実行する、情報処理装置。
【0139】
(付記9)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行されるための方法であって、方法は、プロセッサ29が、ユーザから、ユーザが取引先から受領した、前受金についての前受金データの入力を受け付けるステップ(S121)と、受け付けた前受金データを、取引先に関する情報に紐付けて登録し、メモリに記憶させるステップ(S122)と、ユーザに係る取引先からの売上についての売上データの入力をするため、ユーザから、取引先に関する情報の入力を受け付けるステップ(S221)と、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先について、前受金データが存在するか否かを判定するステップ(S222)と、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先についての前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨をユーザに提示し、ユーザに係る取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能に前記ユーザに提示するステップ(S223,S224)と、取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当された場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可に制御するステップ(S225)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0140】
1 :会計システム
10 :端末装置
10A :端末装置
10B :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
80 :ネットワーク
81 :無線基地局
82 :無線LANルータ
111 :アンテナ
112 :アンテナ
121 :第1無線通信部
122 :第2無線通信部
130 :操作受付部
131 :キーボード
132 :マウス
140 :音声処理部
141 :マイク
142 :スピーカ
150 :ディスプレイ
160 :記憶部
161 :ユーザ情報
170 :制御部
171 :入力操作受付部
172 :送受信部
173 :通知制御部
174 :データ処理部
201 :通信部
202 :記憶部
203 :制御部
1031 :ウィンドウ
1031a :前受金データ
1031b :前受金発生日
1031c :顧客名称
1031d :前受金額
1031e :売上済金額
1032 :ウィンドウ
1032a :売上入力画面
1032b :売上日入力欄
1032c :顧客入力欄
1032d :前受金発生日
1032e :請求日
1032f :残金額
1032g :前受金額
1032h :前受金充当選択ボタン
2021 :取引先データベース
2022 :取引データベース
2023 :会計データベース
2031 :受信制御モジュール
2032 :送信制御モジュール
2033 :会計データ取得モジュール
2034 :前受金データ受付登録モジュール
2035 :売上データ受付モジュール
2036 :前受金判定モジュール
2037 :データ提示モジュール
2038 :前受金充当処理モジュール
【要約】
【課題】会計システムにおいて、取引先を対象とする前受金の管理を容易にするとともに、請求書の自動発行を抑止することで、前受金の管理を容易にする技術を提供する。
【解決手段】会計システムのサーバは、その機能として、ユーザから、ユーザが取引先から受領した、前受金についての前受金データの入力を受け付けるステップ(S121)と、受け付けた前受金データを、取引先に関する情報に紐付けて登録し、メモリに記憶させるステップ(S122)と、ユーザに係る取引先からの売上についての売上データの入力をするため、ユーザから、取引先に関する情報の入力を受け付けるステップ(S221)と、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先について、前受金データが存在するか否かを判定するステップ(S222)と、受け付けた取引先に関する情報に係る取引先についての前受金データが存在する場合、当該取引先から前受金を受領している旨をユーザに提示し、ユーザに係る取引先からの売上について受領している前受金からの充当を選択可能に前記ユーザに提示するステップ(S223,S224)と、取引先からの売上について受領している前受金からの充当が選択され、当該売上の全額について充当された場合、当該売上に係る請求書の作成を選択不可に制御するステップ(S225)と、を実行させる。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11