(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】エレベータのドア装置、及びエレベータのドア装置におけるセンサ部及び被検出部の位置決め方法
(51)【国際特許分類】
B66B 13/22 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
B66B13/22 A
(21)【出願番号】P 2023184175
(22)【出願日】2023-10-26
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】柏倉 寛
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-371482(JP,A)
【文献】特許第7296063(JP,B1)
【文献】特開2023-162534(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3858778(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/14;13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入口を開閉するドア部と、
前記出入口の幅方向に延び且つ前記ドア部を該幅方向に案内するドアレールを有し、前記出入口の上方位置において前記幅方向に延びるフレームと、
前記ドア部と共に前記幅方向に移動する被検出部と、
前記被検出部を検出可能な第一センサ、及び該第一センサを支持し且つ前記幅方向に延びる支持部、を有する開位置センサ部と、を備え、
前記被検出部は、前記幅方向において、前記ドア部が全開位置のときの前記出入口の開口領域の外側に位置するように配置され、
前記第一センサは、前記ドア部が全開位置のときの前記幅方向における前記被検出部と対応する位置において前記支持部によって支持され、
前記支持部は、前記幅方向における少なくとも前記第一センサから前記開口領域の端縁位置又は前記開口領域の内側位置まで延びると共に、前記幅方向における位置を変更可能に前記フレームに固定されている、エレベータのドア装置。
【請求項2】
前記開位置センサ部は、前記支持部から前記幅方向と交差する方向で且つ前記フレームから離れる方向に延びる延伸部を有する、請求項1に記載のエレベータのドア装置。
【請求項3】
前記延伸部は、前記支持部における前記幅方向の前記開口領域の端縁位置又は前記開口領域の内側位置から延びる、請求項2に記載のエレベータのドア装置。
【請求項4】
前記被検出部を検出可能な第二センサを有する閉位置センサ部を備え、
前記被検出部は、前記ドア部が全閉位置のときに、前記幅方向における前記開口領域の内側に位置するように配置され、
前記第二センサは、前記フレームにおいて、前記ドア部が全閉位置のときの前記幅方向における前記被検出部と対応する位置に配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載のエレベータのドア装置。
【請求項5】
前記第一センサと前記第二センサとは、前記被検出部と上下方向において対向したときに該被検出部を検出可能な近接センサであり、且つ、前記フレームにおける前記上下方向の同じ位置に配置され、
前記被検出部は、前記上下方向の位置を変更可能に前記ドア部に固定されている、請求項4に記載のエレベータのドア装置。
【請求項6】
前記フレームは、前記幅方向に延びる上端を有し、
前記第一センサ及び前記第二センサは、前記フレームの前記上端に配置される、請求項5に記載のエレベータのドア装置。
【請求項7】
前記フレームは、上下方向に延びると共に前記幅方向に延びる鉛直部と、前記鉛直部の上端から該鉛直部の法線方向に延びると共に前記幅方向に延びる水平部と、を有し、
前記水平部は、前記第一センサと対応する位置に前記上下方向に貫通する貫通孔又は切欠きを有し、
前記支持部は、前記幅方向において、前記第一センサから前記開口領域側に延びる第一部位と、前記第一センサから前記開口領域と反対側に延びる第二部位と、を有し、
前記開位置センサ部は、前記第一センサが前記貫通孔又は前記切欠きに挿入された状態で、前記幅方向における該貫通孔又は該切欠きの両側において前記第一部位と前記第二部位とが前記水平部に対して上側から重ねられた状態で配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のエレベータのドア装置。
【請求項8】
出入口を開閉するドア部と、
前記出入口の幅方向に延び且つ前記ドア部を該幅方向に案内するドアレールを有し、前記出入口の上方位置において前記幅方向に延びるフレームと、
前記ドア部と共に前記幅方向に移動する被検出部と、
前記被検出部を検出可能な第一センサ、及び該第一センサを支持し且つ前記幅方向に延びる支持部、を有する開位置センサ部と、
前記被検出部を検出可能な第二センサを有する閉位置センサ部と、を備え、
前記被検出部は、前記幅方向において、前記ドア部が全開位置のときの前記出入口の開口領域の外側に位置し、且つ、前記ドア部が全閉位置のときに前記幅方向における前記開口領域の内側に位置するように配置されると共に、上下方向の位置を変更可能に前記ドア部に固定され、
前記第一センサは、前記ドア部が全開位置のときの前記幅方向における前記被検出部と対応する位置において前記支持部によって支持され、
前記支持部は、前記幅方向における少なくとも前記第一センサから前記開口領域の端縁位置又は前記開口領域の内側位置まで延びると共に、前記幅方向における前記第一センサの位置を変更可能に前記フレームに固定され、
前記第二センサは、前記フレームにおいて、前記ドア部が全閉位置のときの前記幅方向における前記被検出部と対応する位置に配置され、
前記第一センサと前記第二センサとは、前記被検出部と上下方向において対向したときに該被検出部を検出可能な近接センサであり、且つ、前記フレームにおける前記上下方向の同じ位置に配置されるエレベータのドア装置において、
前記ドア部が全閉位置の状態で前記第二センサに対する前記被検出部の前記上下方向の位置を調整することと、
前記上下方向の位置の調整後、前記ドア部が全開位置の状態で前記支持部の操作によって前記被検出部に対する前記第一センサの前記幅方向の位置を調整することと、を備える、エレベータのドア装置におけるセンサ部及び被検出部の位置決め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータのドア装置、及びエレベータのドア装置におけるセンサ部及び被検出部の位置決め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、かごドアの全開状態をセンサによって検知するエレベータのドア装置が知られている(特許文献1参照)。このエレベータのドア装置100は、
図9に示すように、かご出入口101を開閉するかごドア102と、かご出入口101の幅方向(
図9における左右方向)に延び且つかごドア102を該幅方向に案内するドアレール103を有し、かご出入口101の上方位置において前記幅方向に延びるフレーム104と、かごドア102に固定される被検出部105と、被検出部105を検出可能な磁気式近接センサ106と、を備える。
【0003】
そして、かごドア102は、ドアハンガー102Aと、ドアレール103にドアハンガー102Aを介して吊り下げられるドアパネル102Bと、を有し、被検出部105は、ドアハンガー102Aから延びるブラケット102Cに固定されてかごドア102の開閉に伴って該かごドア102と共に前記幅方向に移動する。また、磁気式近接センサ106は、フレーム104に固定されている。
【0004】
このエレベータのドア装置100では、かごドア102の戸開によって磁気式近接センサ106の下方に被検出部105が位置したことを磁気式近接センサ106が検出することで、かごドア102が全開状態であることを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のエレベータのドア装置100では、かごドア102等を設置する際に、かごドア102を全開位置にして被検出部105と磁気式近接センサ106とが上下方向に近接状態で対向するように位置調整を行う。
【0007】
しかし、このとき、被検出部105のブラケット102Cへの固定部材(
図9の例では、ボルト)Bが、幅方向における開口領域(詳しくは、かごドア102の全開位置のときのかご出入口101の開口領域)Ar2の外側に位置するため、作業員等がボルトBにアクセスできず、前記位置調整が困難であった。
【0008】
そこで、本発明は、ドア部の全開位置を検出するためのセンサ及び被検出部の位置調整が容易なエレベータのドア装置、及びエレベータのドア装置におけるセンサ部及び被検出部の位置決め方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のエレベータのドア装置は、
出入口を開閉するドア部と、
前記出入口の幅方向に延び且つ前記ドア部を該幅方向に案内するドアレールを有し、前記出入口の上方位置において前記幅方向に延びるフレームと、
前記ドア部と共に前記幅方向に移動する被検出部と、
前記被検出部を検出可能な第一センサ、及び該第一センサを支持し且つ前記幅方向に延びる支持部、を有する開位置センサ部と、を備え、
前記被検出部は、前記幅方向において、前記ドア部が全開位置のときの前記出入口の開口領域の外側に位置するように配置され、
前記第一センサは、前記ドア部が全開位置のときの前記幅方向における前記被検出部と対応する位置において前記支持部によって支持され、
前記支持部は、前記幅方向における少なくとも前記第一センサから前記開口領域の端縁位置又は前記開口領域の内側位置まで延びると共に、前記幅方向の位置を変更可能に前記フレームに固定されている。
【0010】
かかる構成によれば、開位置センサ部の支持部が幅方向における開口領域の端縁位置又は開口領域の内側位置まで延びているため、ドア部が全開位置であっても、フレームに対して該支持部を前記幅方向に移動させることで被検出部に対する第一センサの位置調整ができ、これにより、第一センサ及び被検出部の位置調整が容易になる。
【0011】
前記エレベータのドア装置では、
前記開位置センサ部は、前記支持部から前記幅方向と交差する方向で且つ前記フレームから離れる方向に延びる延伸部を有してもよい。
【0012】
かかる構成によれば、第一センサの位置調整のために支持部を動かすときに、作業者等が延伸部を把持して動かすことができるため、前記位置調整のための作業が行い易くなる。
【0013】
また、前記エレベータのドア装置では、
前記延伸部は、前記支持部における前記幅方向の前記開口領域の端縁位置又は前記開口領域の内側位置から延びてもよい。
【0014】
かかる構成によれば、第一センサの位置調整のときに、作業者等が延伸部をより把持し易くなるため、前記位置調整のための作業がより行い易くなる。
【0015】
また、前記エレベータのドア装置は、
前記被検出部を検出可能な第二センサを有する閉位置センサ部を備え、
前記被検出部は、前記ドア部が全閉位置のときに、前記幅方向における前記開口領域の内側に位置するように配置され、
前記第二センサは、前記フレームにおいて、前記ドア部が全閉位置のときの前記幅方向における前記被検出部と対応する位置に配置されてもよい。
【0016】
このように、一つの被検出部を異なる位置に配置された第一センサと第二センサとで検出してドア部が全開位置と全閉位置とに位置していることを検出する構成とすることで、被検出部の数を減らす、即ち、構成の簡素化を図ることができる。
【0017】
また、前記エレベータのドア装置では、
前記第一センサと前記第二センサとは、前記被検出部と上下方向において対向したときに該被検出部を検出可能な近接センサであり、且つ、前記フレームにおける前記上下方向の同じ位置に配置され、
前記被検出部は、前記上下方向の位置を変更可能に前記ドア部に固定されてもよい。
【0018】
かかる構成によれば、第一センサ及び第二センサのいずれか一方に対する被検出部の上下方向の位置を調整することで、第一センサ及び第二センサのいずれか他方に対する被検出部の上下方向の位置が調整される(即ち、前記いずれか他方に対する被検出部の上下方向の位置調整を行わずに済む)ため、第一センサと第二センサと被検出部との位置調整作業が容易になる。
【0019】
また、前記エレベータのドア装置では、
前記フレームは、前記幅方向に延びる上端を有し、
前記第一センサ及び前記第二センサは、前記フレームの前記上端に配置されてもよい。
【0020】
かかる構成によれば、第一センサと第二センサとがフレームの上端に配置されることで上下方向における互いの位置が同じになるため、開位置センサ部と閉位置センサ部とのフレームへの配置作業が容易になる。
【0021】
また、前記エレベータのドア装置では、
前記フレームは、上下方向に延びると共に前記幅方向に延びる鉛直部と、前記鉛直部の上端から該鉛直部の法線方向に延びると共に前記幅方向に延びる水平部と、を有し、
前記水平部は、前記第一センサと対応する位置に前記上下方向に貫通する貫通孔又は切欠きを有し、
前記支持部は、前記幅方向において、前記第一センサから前記開口領域側に延びる第一部位と、前記第一センサから前記開口領域と反対側に延びる第二部位と、を有し、
前記開位置センサ部は、前記第一センサが前記貫通孔又は前記切欠きに挿入された状態で、前記幅方向における該貫通孔又は該切欠きの両側において前記第一部位と前記第二部位とが前記水平部に対して上側から重ねられた状態で配置されてもよい。
【0022】
このように、幅方向において、支持部における貫通孔又は切欠きを挟んだ両側の部位(第一部位と第二部位)がフレームの水平部に重ねられることで、第一センサの上下方向の動き(振動や揺れ等)が好適に抑えられる。
【0023】
また、本発明のエレベータのドア装置におけるセンサ部及び被検出部の位置決め方法は、
出入口を開閉するドア部と、
前記出入口の幅方向に延び且つ前記ドア部を該幅方向に案内するドアレールを有し、前記出入口の上方位置において前記幅方向に延びるフレームと、
前記ドア部と共に前記幅方向に移動する被検出部と、
前記被検出部を検出可能な第一センサ、及び該第一センサを支持し且つ前記幅方向に延びる支持部、を有する開位置センサ部と、
前記被検出部を検出可能な第二センサを有する閉位置センサ部と、を備え、
前記被検出部は、前記幅方向において、前記ドア部が全開位置のときの前記出入口の開口領域の外側に位置し、且つ、前記ドア部が全閉位置のときに前記幅方向における前記開口領域の内側に位置するように配置されると共に、上下方向の位置を変更可能に前記ドア部に固定され、
前記第一センサは、前記ドア部が全開位置のときの前記幅方向における前記被検出部と対応する位置において前記支持部によって支持され、
前記支持部は、前記幅方向における少なくとも前記第一センサから前記開口領域の端縁位置又は前記開口領域の内側位置まで延びると共に、前記幅方向における位置を変更可能に前記フレームに固定され、
前記第二センサは、前記フレームにおいて、前記ドア部が全閉位置のときの前記幅方向における前記被検出部と対応する位置に配置され、
前記第一センサと前記第二センサとは、前記被検出部と上下方向において対向したときに該被検出部を検出可能な近接センサであり、且つ、前記フレームにおける前記上下方向の同じ位置に配置されるエレベータのドア装置において、
前記ドア部が全閉位置の状態で前記第二センサに対する前記被検出部の前記上下方向の位置を調整することと、
前記上下方向の位置の調整後、前記ドア部が全開位置の状態で前記支持部の操作によって前記被検出部に対する前記第一センサの前記幅方向の位置を調整することと、を備える。
【0024】
かかる構成によれば、第二センサに対する被検出部の上下方向の位置を調整することで、第一センサに対する被検出部の上下方向の位置が調整される(即ち、第一センサに対する被検出部の上下方向の位置調整を行わずに済む)ため、第一センサと第二センサと被検出部との位置調整作業が容易になる。
【発明の効果】
【0025】
以上より、本発明によれば、ドア部の全開位置を検出するためのセンサ及び被検出部の位置調整が容易なエレベータのドア装置、及びエレベータのドア装置におけるセンサ部及び被検出部の位置決め方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本実施形態のドア装置の上部を示す図である。
【
図2】
図2は、前記ドア装置における閉位置センサ部の取付位置周辺の拡大図である。
【
図3】
図3は、前記ドア装置が備えるフレームの正面図である。
【
図6】
図6は、前記ドア装置における開位置センサ部の取付位置周辺の拡大図である。
【
図7】
図7は、前記ドア装置の平面図における前記開位置センサ部及び前記閉位置センサ部の取付位置周辺の拡大図である。
【
図8】
図8は、前記開位置センサ部の平面図である。
【
図9】
図9は、従来のドア装置の上部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図8を参照しつつ説明する。
【0028】
本実施形態に係るエレベータのドア装置(以下、単に、「ドア装置」とも称する。)は、
図1に示すように、エレベータのかご本体11の出入口(開口部)12に配置され、該出入口12を開閉する。このように、本実施形態のエレベータのかご10は、かご本体11とドア装置1とを備える。
【0029】
具体的に、ドア装置1は、出入口12を開閉するドア部2と、出入口12の幅方向(
図1における左右方向)に延びるドアレール3を有し、出入口12の上方位置において前記幅方向に延びるフレーム4と、ドア部2と共に前記幅方向に移動する被検出部5と、ドア部2が全開位置P1のときに被検出部5を検出する開位置センサ部6と、を備える。また、ドア装置1は、ドア部2が全閉位置P2のときに被検出部5を検出する閉位置センサ部7も備える。更に、ドア装置1は、ドア部2を駆動するドア駆動部8を備える。本実施形態のドア装置1は、二つのドア部2を備え、ドア部2同士が前記幅方向に互いに接近又は離間することで出入口12を開閉する、いわゆるセンターオープン式のドア装置である。
【0030】
尚、以下の説明において、出入口12の幅方向を直交座標系におけるX軸方向とし、かご本体11への出入口12からの出入方向を直交座標系におけるY軸方向とし、上下方向を直交座標系におけるZ軸方向とする。
【0031】
二つのドア部2のそれぞれは、ドアパネル21と、ドアパネル21を吊り下げるドアハンガー22と、ドアハンガー22をドア駆動部8に接続するブラケット23と、を有する。
【0032】
ドアパネル21は、Y軸方向と直交する面方向に広がるパネル部材であり、Z軸方向に長尺な矩形板状である。
【0033】
ドアハンガー22は、ドアパネル21が連結されるハンガー本体220と、ハンガー本体220に配置され且つドアレール3上で転動する第一ローラ221と、ハンガー本体220に配置され且つ下方からドアレール3に当接した状態で転動する第二ローラ222と、を有する。本実施形態のドアハンガー22は、二つの第一ローラ221と二つの第二ローラ222とを有する。
【0034】
ハンガー本体220は、ドアパネル21の上端に連結され且つ該上端から上方に延びる板状の部位である。本実施形態のハンガー本体220は、Y軸方向から見てX軸方向に長尺な矩形状である。
【0035】
二つの第一ローラ221のそれぞれは、Y軸方向に延びる第一回転軸221aまわりに回転可能にハンガー本体220に配置されている。これら二つの第一ローラ221は、開閉方向に間隔をあけ且つそれぞれが上方からドアレール3に当接するようにハンガー本体220に配置されている。
【0036】
第二ローラ222は、Y軸方向に延びる第二回転軸222aまわりに回転可能にハンガー本体220に配置されている。この第二ローラ222は、Z軸方向において、第一ローラ221との間にドアレール3を挟み込むように下方からドアレール3に当接した状態でハンガー本体220に配置されている。
【0037】
ブラケット23は、
図2にも示すように、ハンガー本体220から上方に延びる部材であり、このブラケット23の先端は、ドア駆動部8の無端ベルト85に連結されている。
【0038】
二つのドア部2のうちの一方(
図1における左側)のドア部2Aのブラケット23は、Z軸方向の所定位置に、X軸方向に間隔をあけて配置される複数(本実施形態の例では、二つ)のブラケット貫通孔231を有する。各ブラケット貫通孔231は、Z軸方向に延びる長孔である。
【0039】
フレーム4は、
図3~
図5にも示すように、ドア部2をX軸方向に案内するドアレール3を有し、出入口12の上方においてX軸方向に延びている。このフレーム4は、X軸方向に延びる上端4aを有する。具体的に、フレーム4は、Z軸方向に延びると共にX軸方向に延びる鉛直部41と、鉛直部41の上端41aから該鉛直部41の法線方向(Y軸方向)に延びると共にX軸方向に延びる水平部42と、を有する。本実施形態のフレーム4は、X軸方向に延びる帯板状の部材の上端部が折り曲げられることによって形成されている。このため、鉛直部41の上端41aがフレーム4の上端4aを構成する。
【0040】
より具体的に、鉛直部41は、X軸方向に長尺な矩形板状の部位である。この鉛直部41のX軸方向の寸法は、かご本体11のX軸方向の寸法より大きい。この鉛直部41は、開位置センサ部6(詳しくは、後述する第一センサ61)と対応する位置に配置される第一切欠き411と、閉位置センサ部7(詳しくは、後述する第二センサ71)と対応する位置に配置され且つY軸方向に貫通する第二センサ用貫通孔412と、を有する(
図3参照)。
【0041】
水平部42は、X軸方向に長尺な帯板状の部位であり、X軸方向における鉛直部41の一端から他端まで延びている。この水平部42は、開位置センサ部6(詳しくは、後述の第一センサ61と対応する位置にZ軸方向に貫通する貫通孔又は切欠きを有する。本実施形態の水平部42は、開位置センサ部6と対応する位置に第二切欠き421を有する。
【0042】
この第二切欠き421は、水平部42においてドア部2Aが全開位置P1のときの被検出部5(詳しくは、後述の対向部51)と対応する位置に配置されている。そして、鉛直部41の第一切欠き411と繋がって第一センサ用貫通孔43を構成している。本実施形態の水平部42では、X軸方向の各位置におけるY軸方向の寸法は、同じ又は略同じである。
【0043】
また、水平部42は、開位置センサ部6の固定に用いられる少なくとも一つの第一固定用貫通孔422と、閉位置センサ部7の固定に用いられる少なくとも一つの第二固定用貫通孔423と、を有する。本実施形態の水平部42では、複数(
図4に示す例では、二つ)の第一固定用貫通孔422がX軸方向に間隔をあけて配置され、複数(
図4に示す例では、二つ)二つの第二固定用貫通孔423がY軸方向に間隔をあけて配置されている。
【0044】
また、これら二つの第一固定用貫通孔422は、X軸方向において、ドア部2Aが全開位置P1のときのX軸方向における出入口12の開口領域Ar1(
図1における符号Ar1の矢印で示す範囲)の端縁位置P3又はその近傍に配置されている。
本実施形態の二つの第一固定用貫通孔422は、間に端縁位置P3が位置するように、水平部42に配置されている(
図4参照)。
【0045】
被検出部5は、ドア部2Aに取り付けられることで該ドア部2Aと共にX軸方向に移動する。本実施形態の被検出部5は、二つのドア部2のうちの一方のドア部2Aに取り付けられている。この被検出部5(詳しくは、対向部51)は、ドア部2Aが全開位置P1のときのX軸方向における出入口12の開口領域Ar1(
図1における符号Ar1の矢印で示す範囲)の外側に位置し、且つ、ドア部2Aが全閉位置P2のときにX軸方向における開口領域Ar1の内側に位置するように、ドア部2Aに取り付けられている(
図1参照)。また、被検出部5は、Z軸方向の位置を変更可能にドア部2Aに固定されている。
【0046】
具体的に、被検出部5は、ドア部2Aが全開位置P1と全閉位置P2との各位置のときに、開位置センサ部6又は閉位置センサ部7の各センサ61、71と対向する対向部51と、X軸方向に延びて対向部51を支持する第一支持部52と、を有する。この被検出部5の少なくとも対向部51は、金属製であり、本実施形態の被検出部5では、全体が金属製である。
【0047】
第一支持部52は、X軸方向の戸閉側に延び且つ先端部に対向部51を有する。本実施形態の第一支持部52は、Y軸方向と直交する方向に広がり且つX軸方向に長尺な板状の部位である。第一支持部52は、X軸方向の戸開側の部位にY軸方向に貫通する複数(本実施形態の例では、二つ)の第一支持部貫通孔521を有する(
図2参照)。これら複数の第一支持部貫通孔521は、X軸方向に間隔をあけて配置され、各第一支持部貫通孔521は、X軸方向に延びる長孔である。
【0048】
また、第一支持部52は、第一支持部貫通孔521の数と対応する数の第一締結部材F1によってドア部2Aのブラケット23に固定されている。これら複数の第一締結部材F1のそれぞれは、第一支持部52の第一支持部貫通孔521とブラケット23のブラケット貫通孔231とに挿通されたボルトと、該ボルトに螺合するナットと、を有する。
【0049】
この第一支持部52のブラケット23への固定状態において、第一支持部貫通孔521がX軸方向に延びる長孔であり、ブラケット貫通孔231がZ軸方向に延びる長孔であるため、各第一締結部材F1においてナットが緩められることで、第一支持部52(即ち、対向部51)のX軸方向の位置変更(位置調整)とZ軸方向の位置変更(位置調整)とがそれぞれ可能である。
【0050】
対向部51は、Z軸方向と直交する面方向に広がる板状の部位であり、第一支持部52の先端部(
図2における右側の端部)に配置されている。この対向部51のZ軸方向視の形状及び大きさは、各センサ61、71の検出面61a、71aと対応している。
【0051】
開位置センサ部6は、第一センサ61が対向部51を検出することによりドア部2Aが全開位置P1まで移動したことを検出する。この開位置センサ部6は、
図6~
図8にも示すように、被検出部5(詳しくは、対向部51)を検出可能な第一センサ61と、第一センサ61を支持し且つX軸方向に延びるセンサ支持部(支持部)62と、を有する。また、開位置センサ部6は、センサ支持部62からX軸方向と交差する方向で且つフレーム4(詳しくは、水平部42)から離れる方向に延びる延伸部63を有する。また、本実施形態の開位置センサ部6は、第一センサ61とセンサ支持部62との間に挟み込まれるプレート部材64も有する。本実施形態の開位置センサ部6では、センサ支持部62と延伸部63とが一体である。
【0052】
第一センサ61は、非接触で対向部51を検出できるセンサであり、フレーム4の上端4aに配置されている。本実施形態の第一センサ61は、検出面61aが対向部51と近接した状態(僅かに間隔をあけた状態で)で該対向部51と対向したときに該対向部51(被検出部5)を検出する(
図6参照)。
【0053】
この第一センサ61は、ドア部2Aが全開位置P1のときのX軸方向における被検出部5(詳しくは、対向部51)と対応する位置においてセンサ支持部62によって支持されている。本実施形態の第一センサ61は、近接センサであり、対向部51が第一センサ61の検出面61aの下方に位置することで該対向部51を検出する(
図6参照)。
【0054】
センサ支持部62は、X軸方向における少なくとも第一センサ61から開口領域Ar1の端縁位置(詳しくは、戸開側の端縁位置)P3又は開口領域Ar1の内側位置P4まで延びると共に、X軸方向の位置を変更可能にフレーム4に固定されている。本実施形態のセンサ支持部62は、第一センサ61が水平部42の切欠き421に挿入された状態で該第一センサ61を支持し、X軸方向における少なくとも第一センサ61から開口領域Ar1の内側位置P4まで延びている。尚、
図6における内側位置P4は、一例であり、この内側位置P4は、X軸方向における開口領域Ar1の範囲内の任意の位置である。
【0055】
具体的に、センサ支持部62は、X軸方向において、第一センサ61から開口領域Ar1側に延びる第一部位621と、第一センサ61から開口領域Ar1と反対側に延びる第二部位622と、第一部位621と第二部位622との間に配置され且つ第一センサ61と対応する部位である第三部位623と、を有する。これら第一部位621と第三部位623と第二部位622とは、X軸方向に順に並び、一体である。本実施形態のセンサ支持部62は、Z軸方向を厚さ方向とするX軸方向に長尺な帯板状であり、第三部位623の下面に第一センサ61がプレート部材64を介して取り付けられている。
【0056】
このセンサ支持部62は、X軸方向の各位置のY軸方向の寸法が一定であり、第三部位623に円弧状の切欠き623aを有する。また、センサ支持部62は、第一部位621に、複数(フレーム4の水平部42の第一固定用貫通孔422と対応する数)の支持部貫通孔621aを有する。これら複数の支持部貫通孔621aは、それぞれX軸方向に延びる長孔であり、X軸方向に間隔をあけて配置されている。
【0057】
延伸部63は、センサ支持部62におけるX軸方向の開口領域Ar1の端縁位置P3又は開口領域Ar1の内側位置P4から延びている。本実施形態のセンサ支持部62は、X軸方向の内側位置P4まで延び、延伸部63は、該センサ支持部62の先端からZ軸方向におけるフレーム4から離れる向き(即ち、上向き)に延びている。この延伸部63は、X軸方向と直交する面方向に広がる板状である。
【0058】
プレート部材64は、第一センサ61が固定された状態でセンサ支持部62に取り付けられる部材であり、Z軸方向と直交する面方向に広がる板状の部材である。このプレート部材64に第一センサ61が第三締結部材F3によって固定され、該プレート部材64がセンサ支持部62に二つの第二締結部材F2によって固定されている。各締結部材F2、F3は、それぞれボルトと該ボルトに螺合するナットとを有する。
【0059】
以上のように構成される開位置センサ部6は、第一センサ61が第二切欠き421(第一センサ用貫通孔43)に挿入された状態で、X軸方向における該切欠き421の両側において第一部位621と第二部位622とが水平部42に対して上側から重ねられた状態で配置(固定)されている。
【0060】
具体的に、開位置センサ部6は、センサ支持部62の各支持部貫通孔621aの数と対応する数の第四締結部材F4によってフレーム4の水平部42に固定されている。これら複数の第四締結部材F4のそれぞれは、センサ支持部62の支持部貫通孔621aと水平部42の第一固定用貫通孔422とに挿通されたボルトと、該ボルトに螺合するナットと、を有する。
【0061】
このセンサ支持部62の水平部42への固定状態において、支持部貫通孔621aがX軸方向に延びる長孔であるため、各第四締結部材F4においてナットが緩められることで、センサ支持部62(即ち、第一センサ61)のX軸方向の位置変更(位置調整)が可能である。この第一センサ61のX軸方向の位置調整において、センサ支持部62が水平部42に重ねられた状態でX軸方向にスライドするため、第一センサ61のZ軸方向の位置が固定されたままでX軸方向の位置だけが調整される。
【0062】
閉位置センサ部7は、第二センサ71が対向部51を検出することによりドア部2Aが全閉位置P2まで移動したことを検出する。この閉位置センサ部7は、被検出部5(詳しくは、対向部51)を検出可能な第二センサ71を有する。本実施形態の閉位置センサ部7は、第二センサ71によって構成されている。
【0063】
第二センサ71は、非接触で対向部51を検出できるセンサであり、フレーム4の上端4aに配置されている。本実施形態の第二センサ71は、検出面71aが対向部51と近接した状態(僅かに間隔をあけた状態で)で該対向部51と対向したときに該対向部51(被検出部5)を検出する。
【0064】
この第二センサ71は、水平部42において、ドア部2Aが全閉位置P2のときのX軸方向における被検出部5(詳しくは、対向部51)と対応する位置に配置されている。本実施形態の第二センサ71は、水平部42の下面42a(
図6及び
図7参照)に固定されている。このとき、第二センサ71は、検出面71aのY軸方向の位置が第一センサ61の検出面61aのY軸方向の位置と同じ位置となるように、水平部42の下面42aに固定されている。本実施形態の第二センサ71は、近接センサであり、対向部51が第二センサ71の検出面71aの下方に位置することで該対向部51を検出する。
【0065】
ドア駆動部8は、駆動プーリ81を有し、該駆動プーリ81を回転駆動するモータ部80と、駆動プーリ81に対してX軸方向に間隔をあけて配置される従動プーリ84と、駆動プーリ81と従動プーリ84とに巻き掛けられる無端ベルト85と、を有する。
【0066】
モータ部80は、駆動プーリ81と、駆動プーリ81を回転させる駆動軸82を有するモータ83と、を有し、ドア部2をX軸方向(開閉方向)に移動させるための駆動源である。
【0067】
以上のように構成されるエレベータのドア装置1では、以下のようにして第一センサ61と第二センサ71と被検出部5(詳しくは、対向部51)との位置合わせが行われる。
【0068】
先ず、フレーム4の水平部42に閉位置センサ部7(第二センサ71)が取り付けられた状態で、閉位置センサ部7に対する被検出部5(対向部51)の位置調整が行われる。
【0069】
具体的には、ドア部2Aが全閉位置P2の状態で、第二センサ71の検出面71aに対して対向部51が近接した位置で対向するように各第一締結部材F1のナットが緩められた状態で第一支持部52の位置調整(X軸方向の位置調整及びZ軸方向の位置調整)が行われ、対向部51が定まると、第一締結部材F1のナットが締め付けられ、被検出部5の閉位置センサ部7(第二センサ71)に対する位置決め作業が終了する。
【0070】
続いて、被検出部5(対向部51)に対する開位置センサ部6(第一センサ61)の位置調整が行われる。具体的には、ドア部2Aが全開位置P1の状態で、センサ支持部62の操作によって被検出部5に対する第一センサ61のX軸方向の位置調整が行われる。
【0071】
詳しくは、ドア部2Aが全開位置P1の状態で、第一センサ61の検出面61aに対して対向部51が近接した位置で対向するように各第四締結部材F4のナットが緩められた状態で、延伸部63を把持した状態でセンサ支持部62を水平部42上でX軸方向にスライドさせることで、第一センサ61の対向部51に対する位置調整が行われる。
【0072】
このとき、第一センサ61と第二センサ72とがフレーム4の上端4aに配置されることでZ軸方向の位置が同じであるため、第一センサ61のX軸方向の位置のみを調整する(即ち、センサ支持部62が水平部42に重ねられた状態で該水平部42に沿ってX軸方向に移動させる(スライドさせる))ことで、被検出部5(対向部51)に対する開位置センサ部6(第一センサ61)の位置調整を行うことができる。
【0073】
そして、第一センサ61のX軸方向の位置が定まると、第四締結部材F4のナットが締め付けられ、開位置センサ部6(第一センサ61)の被検出部5に対する位置決め作業が終了する。
【0074】
以上のエレベータのドア装置1は、出入口12を開閉するドア部2と、X軸方向(出入口12の幅方向)に延び且つドア部2を該X軸方向に案内するドアレール3を有し、出入口12の上方位置においてX軸方向に延びるフレーム4と、ドア部2と共にX軸方向に移動する被検出部5と、被検出部5を検出可能な第一センサ61、及び該第一センサ61を支持し且つX軸方向に延びるセンサ支持部(支持部)62、を有する開位置センサ部6と、を備える。そして、被検出部5は、X軸方向において、ドア部2Aが全開位置P1のときの出入口12の開口領域Ar1の外側に位置するように配置され、第一センサ61は、ドア部2Aが全開位置のときのX軸方向における被検出部5と対応する位置においてセンサ支持部62によって支持され、センサ支持部62は、X軸方向における少なくとも第一センサ61から開口領域Ar1の端縁位置P3又は開口領域Ar1の内側位置P4まで延びると共に、X軸方向の位置を変更可能にフレーム4に固定されている。
【0075】
このドア装置1では、開位置センサ部6のセンサ支持部62がX軸方向における開口領域Ar1の端縁位置P3又は開口領域Ar1の内側位置P4まで延びているため、ドア部2Aが全開位置P1であっても、フレーム4に対して該センサ支持部62をX軸方向に移動させることで被検出部5に対する第一センサ61の位置調整ができ、これにより、第一センサ61及び被検出部5の位置調整が容易になる。
【0076】
また、本実施形態のエレベータのドア装置1では、開位置センサ部6は、センサ支持部62からX軸方向(幅方向)と交差する方向で且つフレーム4から離れる方向に延びる延伸部63を有している。これにより、第一センサ61の位置調整のためにセンサ支持部62を動かすときに、作業者等が延伸部63を把持して動かすことができるため、前記位置調整のための作業が行い易くなる。
【0077】
また、本実施形態のエレベータのドア装置1では、延伸部63は、センサ支持部62におけるX軸方向(幅方向)の開口領域Ar1の端縁位置P3又は開口領域Ar1の内側位置P4から延びている。これにより、第一センサ61の位置調整のときに、作業者等が延伸部63をより把持し易くなるため、前記位置調整のための作業がより行い易くなる。
【0078】
また、本実施形態のエレベータのドア装置1は、被検出部5を検出可能な第二センサ71を有する閉位置センサ部7を備える。そして、被検出部5は、ドア部2Aが全閉位置P2のときに、X軸方向(幅方向)における開口領域Ar1の内側に位置するように配置され、第二センサ71は、フレーム4において、ドア部2Aが全閉位置P2のときのX軸方向における被検出部5と対応する位置に配置されている。このように、一つの被検出部5を異なる位置に配置された第一センサ61と第二センサ71とで検出してドア部2Aが全開位置P1と全閉位置P2とに位置していることを検出する構成とすることで、被検出部5の数を減らす、即ち、構成の簡素化を図ることができる。
【0079】
また、本実施形態のエレベータのドア装置1では、第一センサ61と第二センサ71とは、被検出部5と上下方向において対向したときに該被検出部5を検出可能な近接センサであり、且つ、フレーム4におけるZ軸方向(上下方向)の同じ位置に配置され、被検出部5は、Z軸方向の位置を変更可能にドア部2Aに固定されている。このため、第一センサ61及び第二センサ71のいずれか一方(本実施形態の例では、第二センサ71)に対する被検出部5の上下方向の位置を調整することで、第一センサ61及び第二センサ71のいずれか他方に対する被検出部5の上下方向の位置が調整され(即ち、前記いずれか他方に対する被検出部5の上下方向の位置調整を行わずに済み)、これにより、第一センサ61と第二センサ71と被検出部5との位置調整作業が容易になる。
【0080】
また、本実施形態のエレベータのドア装置1では、フレーム4は、X軸方向(幅方向)に延びる上端4aを有し、第一センサ61及び第二センサ71は、フレーム4の上端4aに配置されている。このため、第一センサ61と第二センサ71とがフレーム4の上端4aに配置されることでZ軸方向(上下方向)における互いの位置が同じになり、これにより、開位置センサ部6と閉位置センサ部7とのフレームへの配置作業が容易になる。
【0081】
また、本実施形態のエレベータのドア装置1では、フレーム4は、Z軸方向(上下方向)に延びると共にX軸方向(幅方向)に延びる鉛直部41と、鉛直部41の上端41aからY軸方向(該鉛直部41の法線方向)に延びると共にX軸方向に延びる水平部42と、を有し、水平部42は、第一センサ61と対応する位置にZ軸方向に貫通する貫通孔又は切欠き(本実施形態の例では、第二切欠き421)を有する。そして、センサ支持部62は、X軸方向において、第一センサ61から開口領域Ar1側に延びる第一部位621と、第一センサ61から開口領域Ar1と反対側に延びる第二部位622と、を有し、開位置センサ部6は、第一センサ61が貫通孔又は切欠き(本実施形態の例では、第二切欠き421)に挿入された状態で、X軸方向における該貫通孔又は該切欠き(本実施形態の例では、第二切欠き421)の両側において第一部位621と第二部位622とが水平部42に対して上側から重ねられた状態で配置されている。
【0082】
このように、X軸方向において、センサ支持部62における貫通孔又は切欠き(本実施形態の例では、第二切欠き421)を挟んだ両側の部位(第一部位621と第二部位622)がフレーム4の水平部42に重ねられることで、第一センサ61のZ軸方向の動き(振動や揺れ等)が好適に抑えられる。
【0083】
また、本実施形態のエレベータのドア装置1におけるセンサ部6、7及び被検出部5の位置決め方法は、ドア部2Aが全閉位置P2の状態で第二センサ71に対する被検出部5のZ軸方向(上下方向)の位置を調整することと、このZ軸方向の位置の調整後、ドア部2Aが全開位置P1の状態でセンサ支持部62の操作によって被検出部5に対する第一センサ61のX軸方向(幅方向)の位置を調整することと、を備える。
【0084】
この位置決め方法によれば、第二センサ71に対する被検出部5のZ軸方向の位置を調整することで、第一センサ61に対する被検出部5のZ軸方向の位置が調整される(即ち、第一センサ61に対する被検出部5の上下方向の位置調整を行わずに済む)ため、第一センサ61と第二センサ71と被検出部5との位置調整作業が容易になる。
【0085】
尚、本発明のエレベータのドア装置、及びエレベータのドア装置におけるセンサ部及び被検出部の位置決め方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0086】
上記実施形態のエレベータのドア装置1は、かごの出入口12に配置されているが、この構成に限定されない。エレベータのドア装置1は、乗場からかごに出入りする乗場側出入口に配置される構成であってもよい。
【0087】
また、上記実施形態のエレベータのドア装置1では、開位置センサ部6が延伸部63を有しているが、延伸部63の無い構成であってもよい。
【0088】
また、上記実施形態のセンサ支持部62の第一部位621は、Z軸方向を厚さ方向とし且つX軸方向に延びる帯板状であるが、この構成に限定されない。第一部位621は、水平部42に沿って少なくとも第一センサ61から開口領域Ar1の端縁位置P3又は開口領域Ar1の内側位置P4まで延びていればよい。
【0089】
また、上記実施形態の延伸部63は、センサ支持部62の端部からZ軸方向に延び且つX軸方向と直交する面方向に広がる板状であるが、この構成に限定されない。延伸部63は、水平部42に対して傾斜する方向に延びていればよい。また、延伸部63は、Y軸方向と直交する面方向に広がる板状(例えば、アングルの起立部等)であってもよく、棒状でもよく、センサ支持部62の上面から突出する凸部等でもよい。即ち、延伸部63は、作業員等の把持し易い形状であればよい。
【0090】
また、センサ支持部62を水平部42へ固定する部材は、ボルト及びナットに限定されない。センサ支持部62を水平部42へ固定する部材は、センサ支持部62(詳しくは、第一センサ61)のX軸方向の位置調整が可能な構成であれば、限定されない。
【0091】
また、上記実施形態の開位置センサ部6と閉位置センサ部7とにおける各センサ61、71は、近接センサであるが、この構成に限定されない。開位置センサ部6と閉位置センサ部7とにおける各センサ61、71は、光電センサ、レーザセンサ、赤外線センサ等の非接触で被検出部5がX軸方向の所定位置まで移動したことを検出できるセンサであればよい。
【0092】
また、上記実施形態のエレベータのドア装置1では、ドア部2の全開位置P1又は全閉位置P2のときに被検出部5(上記実施形態の例では、対向部51)がセンサ61、71の下側に位置した状態で上下方向に対向したときに検出されるが、この構成に限定されない。被検出部5がセンサ61、71に検出されるときに、互いの位置が上下逆でもよく、水平方向等において対向していてもよい。即ち、被検出部5がセンサ61、71に検出されるときの互いに対向する向きは、限定されない。
【0093】
また、上記実施形態のエレベータのドア装置1では、被検出部5は、ブラケット23に取り付けられているが、この構成に限定されない。被検出部5は、ドアパネル21やドアハンガー22等に取り付けられていてもよい。即ち、被検出部5は、ドア部2と共に移動するよう、ドア部2のいずれかの部位に取り付けられていればよい。
【符号の説明】
【0094】
1…ドア装置(エレベータのドア装置)、2…ドア部、2A…一方のドア部、21…ドアパネル、22…ドアハンガー、220…ハンガー本体、221…第一ローラ、221a…第一回転軸、222…第二ローラ、222a…第二回転軸、23…ブラケット、231…ブラケット貫通孔、3…ドアレール、4…フレーム、4a…フレームの上端、41…鉛直部、41a…鉛直部の上端、411…第一切欠き、412…第二センサ用貫通孔、42…水平部、42a…水平部の下面、421…第二切欠き、422…第一固定用貫通孔、423…第二固定用貫通孔、43…第一センサ用貫通孔、5…被検出部、51…対向部、52…第一支持部、521…第一支持部貫通孔、6…開位置センサ部、61…第一センサ、61a…検出面、62…センサ支持部(支持部)、621…第一部位、621a…支持部貫通孔、622…第二部位、623…第三部位、63…延伸部、64、プレート部材7…閉位置センサ部、71…第二センサ、71a…検出面、8…ドア駆動部、80…モータ部、81…駆動プーリ、82…駆動軸、83…モータ、84…従動プーリ、85…無端ベルト、10…かご、11…かご本体、12…出入口、100…ドア装置、101…かご出入口、102…かごドア、102A…ドアハンガー、102B…ドアパネル、102C…ブラケット、103…ドアレール、104…フレーム、105…被検出部、106…磁気式近接センサ、Ar1、Ar2…開口領域、B…ボルト、F1…第一締結部材、F2…第二締結部材、F3…第三締結部材、F4…第四締結部材、P1…全開位置、P2…全閉位置、P3…端縁位置、P4…内側位置
【要約】
【課題】ドア部の全開位置を検出するためのセンサ及び被検出部の位置調整が容易なエレベータのドア装置、及び前記ドア装置のセンサ部及び被検出部の位置決め方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、ドア部と、ドアレールを有するフレームと、ドア部と共に出入口の幅方向に移動する被検出部と、被検出部を検出可能な第一センサ、及び該第一センサを支持する支持部、を有する開位置センサ部と、を備え、被検出部は、幅方向において、ドア部が全開位置のときの出入口の開口領域の外側に位置し、第一センサは、ドア部が全開位置のときの幅方向における被検出部と対応する位置において支持部によって支持され、支持部は、幅方向における第一センサから開口領域の端縁位置又は内側位置まで延びると共に、幅方向の位置を変更可能にフレームに固定されている、ことを特徴とする。
【選択図】
図1