(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】導電性ゴムシートおよび導電性ゴムシートの製造方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/04 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
A61N1/04
(21)【出願番号】P 2021543034
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(86)【国際出願番号】 JP2020032578
(87)【国際公開番号】W WO2021039956
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-07-10
(31)【優先権主張番号】P 2019158517
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591032518
【氏名又は名称】伊藤超短波株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591016334
【氏名又は名称】大塚テクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 誠
(72)【発明者】
【氏名】久本 隆
(72)【発明者】
【氏名】向井 洋一
(72)【発明者】
【氏名】増田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】隔山 大貴
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-204827(JP,A)
【文献】実開平02-015162(JP,U)
【文献】実開昭55-134847(JP,U)
【文献】米国特許第04207904(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面およびその反対側の第2面を有し、導電性を有するシート状のゴム基材と、
前記ゴム基材に埋め込まれた導電性シートと
、
前記ゴム基材の前記第2面から突出するように前記ゴム基材の周縁部において前記第2面に設けられ、前記ゴム基材と外部との電気接続のための端子とを含
み、
前記第1面側から前記第2面側に向かって順に、第1厚さを有する前記ゴム基材の第1部分、前記導電性シート、前記第1厚さよりも小さな厚さ第2厚さを有する前記ゴム基材の第2部分を有しており、
前記ゴム基材は、前記周縁部として第1周縁部、第2周縁部、第3周縁部および第4周縁部を含む四角形状に形成されており、
前記第1周縁部および前記第3周縁部が互いに対向する周縁部であり、
前記第2周縁部および前記第4周縁部が互いに対向する周縁部であり、
前記端子は、前記ゴム基材の前記第1周縁部に形成され、
前記ゴム基材の前記第2面側に形成され、前記ゴム基材の前記第1周縁部から前記第3周縁部に至るまで互いに平行に延び、かつ前記端子を間に挟んで配置された一対の薄肉部をさらに含む、導電性ゴムシート。
【請求項2】
第1面およびその反対側の第2面を有し、導電性を有するシート状のゴム基材と、
前記ゴム基材に埋め込まれた導電性シートと、
前記ゴム基材の前記第2面から突出するように前記ゴム基材の周縁部において前記第2面に設けられ、前記ゴム基材と外部との電気接続のための端子とを含み、
前記第1面側から前記第2面側に向かって順に、第1厚さを有する前記ゴム基材の第1部分、前記導電性シート、前記第1厚さよりも小さな厚さ第2厚さを有する前記ゴム基材の第2部分を有しており、
前記ゴム基材は、前記周縁部として第1周縁部、第2周縁部、第3周縁部および第4周縁部を含む四角形状に形成されており、
前記第1周縁部および前記第3周縁部が互いに対向する周縁部であり、
前記第2周縁部および前記第4周縁部が互いに対向する周縁部であり、
前記端子は、前記ゴム基材の前記第1周縁部に形成され、
前記ゴム基材の前記第2面側に形成され、前記ゴム基材の前記第2周縁部から前記第3周縁部に至るまで、前記周縁部に対して斜めに互いに平行に延びるストライプ状の複数の薄肉部をさらに含む、導電性ゴムシート。
【請求項3】
前記導電性シートは、導電性メッシュを含む、請求項1
または2に記載の導電性ゴムシート。
【請求項4】
前記導電性シートは、前記端子にオーバーラップするように前記ゴム基材に埋め込まれている、請求項
1~3のいずれか一項に記載の導電性ゴムシート。
【請求項5】
金型上に、導電性シートと、導電性を有し、かつ中央部に開口を有するシート状のゴム材料とを配置する工程と、
前記ゴム材料が軟化する温度で前記導電性シートおよび前記ゴム材料をプレスする工程とを含む、導電性ゴムシートの製造方法。
【請求項6】
前記導電性シートは、開口を有している、請求項
5に記載の導電性ゴムシートの製造方法。
【請求項7】
前記導電性シートは、導電性メッシュを含む、請求項
6に記載の導電性ゴムシートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ゴムシートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導電性ゴムシートとして、例えば、カーボンブラック(導電材)を含有するシリコーンシートが知られている。当該シリコーンシートは、シリコーン基材にカーボンブラックを練り込むことによって製造されている。
【0003】
一方、電極の可撓性を維持しつつ、電極の表面全体にわたって均一な電気分布をもたらす電極が、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1の電極は、非導電性の可撓性シートと、導電性パターンと、導電性ヒドロゲルからなる接着剤と、リード線とを備え、導電性パターンおよびリード線が、可撓性シートと接着剤との間に挟まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
導電性ゴムシート(シリコーン+カーボンブラック)は、製造工程が単純である反面、導電性をコントロールすることが困難である。例えば、シートの抵抗値(導電性)を面内方向の全体にわたって均一にすることが困難である。
【0006】
一方、特許文献1のように導電性パターンを有する電極は、面内方向の全体にわたって均一な抵抗値(導電性)を達成できるかもしれない。しかしながら、特許文献1の電極は、複雑な構造を有しており、また、その製造工程も複雑である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、単純な構造を有し、シート全体の抵抗値(導電性)のばらつきを緩和することができ、かつ簡単に製造することができる導電性ゴムシートおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る導電性ゴムシートは、導電性を有するシート状のゴム基材と、前記ゴム基材に埋め込まれた導電性シートとを含む。
【0009】
また、本発明の一の局面に係る導電性ゴムシートの製造方法は、金型上に、導電性シートと、導電性を有し、かつ中央部に開口を有するシート状のゴム材料とを配置する工程と、前記ゴム材料が軟化する温度で前記導電性シートおよび前記ゴム材料をプレスする工程とを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一の局面に係る導電性ゴムシートによれば、ゴム基材に導電性シートが埋め込まれている。これにより、ゴム基材本体の抵抗値(導電性)にばらつきが存在していても、導電性シートによって、ゴムシート全体の抵抗値(導電性)のばらつきを緩和することができる。また、ゴム基材に導電性物質が印刷されている態様と異なり、導電性ゴムシートの使用時に、導電性シートが人体の皮膚や指に触れることがない。そのため、導電性ゴムシートの使用時に導電性シートが脱落したり、剥がれたりすることを防止することができる。その結果、導電性ゴムシートの品質を長期にわたって維持することができる。
【0011】
また、本発明の一の局面に係る導電性ゴムシートの製造方法によれば、導電性シートをゴム材料と一緒にプレス成形することによって、ゴム材料に導電性シートを埋め込むことができるので、余計な後工程を追加する必要がない。その結果、本発明の導電性ゴムシートを簡単に製造することができる。また、ゴム材料の中央部に開口が形成されているため、プレス時に、ゴム材料の中央部に圧力が加わりにくくなる。その結果、ゴム材料の局所的な硬さや厚さ等の変動の影響が少なくなり、導電性シートを所望の位置に維持することができる。つまり、プレス時に、導電性シートの位置ズレを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートの使用状態を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートの正面図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートの背面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートの断面図であって、
図3のV-V断面を示している。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートの製造工程の一部を示す図である。
【
図8】
図8Aおよび
図8Bは、メッシュの有無によるゴム基材の接着強度の違いを説明するための図である。
【
図9】
図9は、導電性シートの変形例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の他の実施形態に係る導電性ゴムシートの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<本発明の実施形態>
まず、本発明の実施形態を列記して説明する。
【0014】
本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートは、導電性を有するシート状のゴム基材と、前記ゴム基材に埋め込まれた導電性シートとを含む。
【0015】
この構成によれば、ゴム基材に導電性シートが埋め込まれている。これにより、ゴム基材本体の抵抗値(導電性)にばらつきが存在していても、導電性シートによって、ゴムシート全体の抵抗値(導電性)のばらつきを緩和することができる。また、ゴム基材に導電性物質が印刷されている態様と異なり、導電性ゴムシートの使用時に、導電性シートが人体の皮膚や指に触れることがない。そのため、導電性ゴムシートの使用時に導電性シートが脱落したり、剥がれたりすることを防止することができる。その結果、導電性ゴムシートの品質を長期にわたって維持することができる。
【0016】
本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートでは、前記導電性シートは、導電性メッシュを含んでいてもよい。この場合、導電性メッシュは、布状の導電性メッシュであってもよい。以下の作用効果については、導電性シートが布状の導電性メッシュであるとして説明を行うが、前記導電性メッシュの代わりに、開口部を複数有する導電性シートであっても同様の作用効果を奏することができる。
【0017】
この構成によれば、導電性シートの表裏面に加え、メッシュの格子内にもゴム基材が入り込んで導電性シートを固定すると共に、ゴム基材が導電性シートに密着する。これにより、導電性シートに対するゴム基材の接着強度を向上させることができることに加え、導電性シートのズレを防止することができる。さらに、導電性メッシュは撓みやすい性質を有しているため、導電性ゴムシートの貼り付け対象(例えば、人体の皮膚等)が湾曲している場合でも、導電性ゴムシートを撓ませて簡単に貼り付けることができる。
【0018】
本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートでは、前記ゴム基材は、その周縁部に形成され、前記ゴム基材と外部との電気接続のための端子を含み、前記導電性シートは、前記端子にオーバーラップするように前記ゴム基材に埋め込まれていてもよい。なお、導電性シートは、前記端子を避けて配置されてもよい。
【0019】
この構成によれば、導電性シートが端子にオーバーラップしているので、外部から端子に入力された電気をゴム基材の全体に効率よく流すことができる。
【0020】
本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートの製造方法は、金型上に、導電性シートと、導電性を有し、かつ中央部に開口を有するシート状のゴム基材とを配置する工程と、前記ゴム基材が軟化する温度で前記導電性シートおよび前記ゴム基材をプレスする工程とを含む。
【0021】
この方法によれば、導電性シートをゴム材料と一緒にプレス成形することによって、ゴム材料に導電性シートを埋め込むことができるので、余計な後工程を追加する必要がない。その結果、本発明の導電性ゴムシートを簡単に製造することができる。また、ゴム材料の中央部に開口が形成されているため、プレス時に、ゴム材料の中央部に圧力が加わりにくくなる。その結果、ゴム材料の局所的な硬さや厚さ等の変動の影響が少なくなり、導電性シートを所望の位置に維持することができる。つまり、プレス時に、導電性シートの位置ズレを抑制することができる。
【0022】
これに対し、ゴム材料の中央部に開口が形成されていないと、軟化したゴム材料が金型内に流れる際、導電性シートも一緒に流れて金型からはみ出し、設計通りの位置に導電性シートを埋め込むことができないおそれがある。
【0023】
本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートの製造方法では、前記導電性シートは、開口を有していてもよい。導電性メッシュと同様に、導電性シート内の複数の部分において、導電性シートが確実に固定されてズレや撓みが発生しないように、複数の開口が設けられていることが好ましい。
【0024】
この方法によれば、プレス時に、軟化したゴム材料が導電性シートの表面および裏面の両面に行き渡ると共に、導電性シートの開口または導電性メッシュの格子を通って、導電性シートの表面および裏面の両面に行き渡る。その結果、導電性シートをゴム材料に簡単に埋め込むことができる。
【0025】
本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシートの製造方法では、前記導電性シートは、導電性メッシュを含んでいてもよい。
【0026】
この方法によれば、導電性シートの表裏面に加え、メッシュの格子内にもゴム材料が入り込んでゴム材料を導電性シートに融着させることができるので、導電性シートの位置ズレを抑制することができる。
<本発明の実施形態の詳細な説明>
次に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシート2の使用状態を示す図である。
【0028】
導電性ゴムシート2は、例えば、低周波治療器等の電気刺激治療器1の電極として使用することができる。
図1では、導電性ゴムシート2の使用状態の一例として、人体3の仙骨の背面に貼り付けて使用する状態が示されている。
【0029】
電気刺激治療器1は、例えば、人体3(被治療者)の仙骨の背面側から電気的な刺激信号を与えることによって、蓄尿障害(過活動膀胱)のような排尿障害を改善する機器である。電気刺激治療器1は、仙骨の背面側からの電気的な刺激によって、排尿障害だけでなく、切迫性便失禁、漏出性便失禁のような便失禁の改善にも寄与する。
【0030】
電気刺激治療器1は、電気刺激治療用の導子としての導電性ゴムシート2と、機器本体4と、配線コード5とを含む。
【0031】
導電性ゴムシート2は、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bを含む。不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bは、
図1に示すように互いに分離されていてもよいし、一体的に形成されていてもよい。
【0032】
不関電極6および一対の刺激電極7A,7B上には、それぞれ導電性粘着パッド8,9A,9Bが貼着される。導電性粘着パッド8,9A,9Bの一面が人体3の皮膚に貼着されることによって、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bが人体3の皮膚に固定される。この実施形態では、導電性粘着パッド8が不関電極6に貼着され、導電性粘着パッド9Aが一方の刺激電極7Aに貼着され、導電性粘着パッド9Bが他方の刺激電極7Bに貼着される。
【0033】
機器本体4は、配線コード5によって不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bに電気的に接続されている。機器本体4には、例えば、CPU、ROMやRAM等のメモリ、タイマ等を含む制御回路が内蔵されている。被治療者は、機器本体4に設けられた各種操作ボタンやタッチパネルを操作することによって、所定の周波数の電流を出力するための電気信号(電圧)を一対の刺激電極7A,7Bに出力することができる。これにより、一対の刺激電極7A,7Bから人体3に電気的な刺激が与えられる。
【0034】
図2~
図5は、本発明の一実施形態に係る導電性ゴムシート2(不関電極6および一対の刺激電極7A,7B)の構成を説明するための図である。
図2が導電性ゴムシート2の斜視図であり、
図3が導電性ゴムシート2の正面図であり、
図4が導電性ゴムシート2の背面図であり、
図5が導電性ゴムシート2の断面図であって、
図3のV-V断面を示している。なお、
図2では、説明の理解を助けるため、ゴム基材14に埋め込まれている導電性シート30の埋め込み前の状態も示している。
【0035】
導電性ゴムシート2は、前述のように、不関電極6と、一対の刺激電極7A,7Bとを含む。
【0036】
不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bは、人体3が屈曲(可動)したときに、その屈曲に合わせて湾曲可能な可撓性を有している。この実施形態では、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bは、それぞれ、人体3の皮膚に面する第1面10,12A,12Bおよび第1面10,12A,12Bの反対側の第2面11,13A,13Bを有するシート状(板状)のゴム基材14で構成されている。
【0037】
ここで、「シート状のゴム基材14」とは、例えば、厚さが0.5mm~2.0mmの領域が大部分を占める部材を意味している。むろん、当該ゴム基材14は、部分的に、上記範囲の厚さを超える構造を有していてもよい。そのような構造としては、例えば、後述する第1端子23、第2端子25A,25B等が挙げられる。
【0038】
不関電極6は、この実施形態では横長な略四角形状である。不関電極6は、四角形の辺を構成する本発明の周縁部の一例としての第1端部15、第2端部16、第3端部17および第4端部18を有している。
【0039】
第1端部15は、例えば、不関電極6が人体3に取り付けられた際の不関電極6の上端部であり、第3端部17と対向している。つまり、第3端部17は、不関電極6が人体3に取り付けられた際の不関電極6の下端部である。第2端部16および第4端部18は、第1端部15と第3端部17とを連結しており、互いに対向している。
【0040】
不関電極6は、例えば、第1端部15および第3端部17に沿う横方向Bの長さが9.5cm程度であり、第2端部16および第4端部18に沿う縦方向Aの長さが5.3cm程度である。
【0041】
一対の刺激電極7A,7Bは、それぞれ、この実施形態では縦長な略四角形状である。各刺激電極7A,7Bは、それぞれ、四角形の辺を構成する本発明の周縁部の一例としての第1端部19A,19B、第2端部20A,20B、第3端部21A,21Bおよび第4端部22A,22Bを有している。
【0042】
第1端部19A,19Bは、例えば、各刺激電極7A,7Bが人体3に取り付けられた際の各刺激電極7A,7Bの上端部であり、第3端部21A,21Bと対向している。つまり、第3端部21A,21Bは、各刺激電極7A,7Bが人体3に取り付けられた際の各刺激電極7A,7Bの下端部である。第2端部20A,20Bおよび第4端部22A,22Bは、第1端部19A,19Bと第3端部21A,21Bとを連結しており、互いに対向している。
【0043】
各刺激電極7A,7Bは、例えば、第1端部19A,19Bおよび第3端部21A,21Bに沿う横方向Bの長さが5.3cm程度であり、第2端部20A,20Bおよび第4端部22A,22Bに沿う縦方向Aの長さが9.5cm程度である。つまり、一対の刺激電極7A,7Bの横方向Bのトータルの長さは、不関電極6の横方向Bの長さよりも長くなっている。
【0044】
不関電極6の第2面11には、第1端子23が一体的に設けられている。第1端子23は、不関電極6の第2面11から突出している。第1端子23は、一方側(
図2の上側)に向く第1差込口24を有し、他方側(
図2の下側)が閉塞された筒状に形成されている。この実施形態では、第1差込口24は、不関電極6の第1端部15と面一である。
【0045】
一対の刺激電極7A,7Bの第2面13A,13Bには、それぞれ、第2端子25A,25Bが一体的に設けられている。第2端子25A,25Bは、一対の刺激電極7A,7Bの第2面13A,13Bから突出している。第2端子25A,25Bは、第1差込口24と同じ方向に向く第2差込口26A,26Bを有し、他方側(
図2の下側)が閉塞された筒状に形成されている。この実施形態では、第2差込口26A,26Bは、それぞれ、一対の刺激電極7A,7Bの第1端部19A,19Bと面一である。
【0046】
また、不関電極6の第2面11には、薄肉部27が形成されている。薄肉部27は、不関電極6において比較的薄く形成された部分であり、例えば、0.3mm~2.0mmの厚さを有している。薄肉部27は、第2端部16および第4端部18に沿う直線状の領域(例えば、53mm程度の幅を有している)である一対の薄肉部27を含んでいる。
【0047】
一対の薄肉部27は、不関電極6の第1端部15から第3端部17に至るまで互いに平行に延び、かつ第1端子23を間に挟んで配置されている。なお、一対の薄肉部27は、いずれも、第1端部15および第3端部17に沿う方向Bにおいて、第1端子23から離れている。不関電極6は、一対の薄肉部27が形成されていることによって、薄肉部27を折り目として折り曲げやすく形成されている。これにより、不関電極6を、人体3の皮膚の湾曲に合わせて良好に貼着することができる。
【0048】
各刺激電極7A,7Bの第2面13A,13Bには、薄肉部28A,28Bが形成されている。薄肉部28A,28Bは、各刺激電極7A,7Bにおいて比較的薄く形成された部分であり、例えば、0.3mm~2.0mmの厚さを有している。薄肉部28Aは、刺激電極7Aの第2端部20Aから第3端部21Aに延びる直線状の領域(例えば、53mm程度の幅を有している)である。一方、薄肉部28Bは、刺激電極7Bの第4端部22Bから第3端部21Bに延びる直線状の領域(例えば、53mm程度の幅を有している)である。
【0049】
複数の薄肉部28Aは、刺激電極7Aの第2端部20Aから第3端部21Aに至るまで互いに平行に延びている。また、複数の薄肉部28Bは、刺激電極7Bの第4端部22Bから第3端部21Bに至るまで互いに平行に延びている。この実施形態では、3本の薄肉部28A,28Bが、ストライプ状に形成されている。
【0050】
各刺激電極7A,7Bは、複数の薄肉部28A,28Bが形成されていることによって、薄肉部28A,28Bを折り目として折り曲げやすく形成されている。これにより、各刺激電極7A,7Bを、人体3の皮膚の湾曲に合わせて良好に貼着することができる。また、各刺激電極7A,7Bの角部29A,29Bを境に隣り合う端部同士を繋ぐ直線状の薄肉部28A,28Bが形成され、さらにこの実施形態では、角部29A,29Bから内方領域に向かって順にストライプ状に形成されている。そのため、例えば治療後に、角部29A,29Bを指で摘まむことによって、各刺激電極7A,7Bを角部29A,29Bから剥がしやすくすることができる。
【0051】
そして、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bは、いずれも、ゴム基材14と、ゴム基材14に埋め込まれた導電性シート30とからなる導電性ゴムシート2によって構成されている。
【0052】
ゴム基材14は、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bの外形を形成している。一方、導電性シート30は、ゴム基材14に覆われることによって、ゴム基材14に埋め込まれている。
図2~
図4では、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bのそれぞれにおいて、導電性シート30が埋め込まれた領域を破線で示している。
【0053】
ゴム基材14は、この実施形態では、カーボンブラックを含有するシリコーンゴムからなるシートで構成されている。ゴム基材14の材料としては、導電性を有するゴムであれば、カーボンブラックを含有するシリコーンゴムに限らない。例えば、シリコーンゴムに混入する導体(導電性充填剤)としては、カーボンブラックの他、銀粉末、金メッキされたシリカやグラファイト、導電性亜鉛華等であってもよい。また、イオン導電性シリコーンゴムを、ゴム基材14の材料として使用してもよい。
【0054】
導電性シート30は、この実施形態では、導電性メッシュで構成されている。導電性メッシュとしては、例えば、銀糸等の導電性繊維で形成されたメッシュが挙げられる。
【0055】
導電性シート30は、シート状のゴム基材14のほぼ全体にわたって埋め込まれている。ここで、「ほぼ全体」とは、導電性シート30の周縁とゴム基材14の周縁(この実施形態では、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bの各端部15~18および19A,19B~22A,22B)との間に、少しのマージン(厚さ方向全体がゴム基材14のみからなる部分31)が設けられていてもよいということである。この実施形態では、導電性シート30は、その全周がゴム基材14の当該部分31に取り囲まれている。マージンの大きさは、例えば、製造時の導電性シート30の位置ズレを考慮して設定された大きさであってもよい。
【0056】
したがって、
図2および
図3に示すように、導電性シート30は、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bの各第1端部15,19A,19Bに設けられた第1端子23および第2端子25A,25Bにオーバーラップしていてもよい。言い換えれば、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bにおいて、導電性シート30は、第1端子23および第2端子25A,25Bに埋め込まれていてもよい。
【0057】
また、この実施形態では、導電性シート30は、ゴム基材14の厚さ方向において、ゴム基材14の第2面11,13A,13B(人体3の皮膚に接触しない面)側に偏って配置されている。これにより、導電性シート30からゴム基材14の第1面10,12A,12B(人体3の皮膚に接触する面)までの厚さT1と、導電性シート30からゴム基材14の第2面11,13A,13Bまでの厚さT2とを比べると、厚さT1が厚さT2よりも大きくなっている。
【0058】
つまり、不関電極6および一対の刺激電極7A,7B(導電性ゴムシート2)は、第1面10,12A,12B側から順に、相対的に大きな厚さT1を有するゴム基材14の第1部分32、導電性シート30、相対的に小さな厚さT2を有するゴム基材14の第2部分33を有していてもよい。他の言い方で、不関電極6および一対の刺激電極7A,7B(導電性ゴムシート2)は、第1面10,12A,12B側から順に、相対的に大きな厚さT1を有する第1ゴム層32、導電性シート30、相対的に小さな厚さT2を有する第2ゴム層33の3層構造を有していてもよい。
【0059】
図6および
図7は、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bの製造工程の一部を示す図である。ここでは、一例として、刺激電極7Aの製造工程を説明する。不関電極6および刺激電極7Bは、刺激電極7Aの製造工程に倣って製造することができるので、これらの製造工程の説明は省略する。
【0060】
刺激電極7A(導電性ゴムシート2)を製造するには、まず、
図6に示すように、刺激電極7A用の金型34が準備される。金型34には、刺激電極7Aの外形に応じた凹部35が形成されている。金型34の凹部35には、さらに、第2端子25Aの形状に応じた端子用凹部36と、薄膜部の形状に応じたストライプ状の凸部37とが形成されている。
【0061】
一方で、導電性シート30およびゴム基材14の材料となるゴム材料38が準備される。導電性シート30は、長方形状に形成されている。この実施形態では、所定の形状にカットされた導電性メッシュが準備される。導電性シート30は、その面内に多数の開口39(格子の窓部分)を有している。
【0062】
ゴム材料38は、導電性シート30と略同じ大きさの長方形状に形成されたシート状の部材であってもよい。この実施形態では、ゴム基材14よりも厚い(例えば、1.0mm~3.0mmの厚さ)ゴム材料38が準備される。また、例えば、ゴム材料38の外周長と導電性シート30の外周長とが同じであってもよい。つまり、この実施形態では、ゴム材料38は、金型34の凹部35のサイズ(完成品の刺激電極7A,7Bのサイズ)よりも小さなサイズで形成されている。
【0063】
ゴム材料38の中央部には開口40が形成されている。したがって、ゴム材料38は、環状(この実施形態では、四角環状)に形成されていると言ってもよい。ここで、「ゴム材料38の中央部」とは、例えば、ゴム材料38の中心(重心)を含む一定の領域であることを意味している。したがって、ゴム材料38の中心と開口40の中心とは、必ずしも一致していなくてもよく、互いにずれていてもよい。
【0064】
また、ゴム材料38の開口40の大きさは、刺激電極7Aの形状を適切に成形できる程度のゴム部分41が開口40を除く領域に残っていれば、特に制限されない。また、ゴム材料38の開口40の形状や数についても、後述するように、プレス時にゴム材料38の中央部に圧力が加わりにくくできればよい。例えば、
図6では、四角形状の開口40が1つのみ形成されているが、円形状や三角形状の開口40が複数形成されていてもよい。あるいは、複数の開口40が全体として導電性シート30の形状となるように設けられていてもよい。例えば、円形状の小さな開口40が、導電性シート30の形状に該当する長方形の範囲に集中して配置されるように設けられていてもよい。
【0065】
図6では一つのゴム材料38によってゴム部分41を構成したがこれに限定されず、複数ゴム材料38によってゴム41と開口40を形成してもよい。例えばL字型のゴム材料38を互いに向き合わせて2つ並べてゴム部分41と開口40を形成してもよいし、細長い板状または棒状のゴム材料38を長方形の4辺となるように並べてゴム部分41と開口40を形成してもよく、複数のゴム材料38によってゴム部分41と開口40を形成してもよい。
【0066】
そして、ゴム材料38が軟化する温度以上である所定の温度(以下、第1温度という)まで金型34が事前に加熱された後(例えば、170℃~200℃)、金型34の凹部35の内面に、導電性シート30とゴム材料38とがこの順に積層される。導電性シート30は、金型34の凹部35の内面に接し、かつ端子用凹部36の一部を覆うように配置される。ゴム材料38は、その外周が導電性シート30の外周に一致するように、導電性シート30に重ね合わされる。
【0067】
次に、
図7に示すように、ゴム材料38の表面を押圧することによって、導電性シート30およびゴム材料38をプレス成形する。これにより、軟化したゴム材料38が金型34の凹部35の形状まで広がると共に、導電性シート30の開口39を通って、導電性シート30の表面および裏面の両面に行き渡る。その結果、導電性シート30が、ゴム基材14の形状となったゴム材料38に埋め込まれた状態となる。
【0068】
あるいは、ゴム材料38が軟化しない所定の温度(以下、第2温度といい、例えば、110℃~160℃)まで加熱した後に、金型34の凹部35の内面に、導電性シート30とゴム材料38とをこの順に積層し、金型34を第1温度まで加熱を開始すると同時に、プレスすることによってゴム材料38の加熱を行ってもよい。その後、金型34が冷却され、金型34からゴム基材14(ゴム材料38)を取り外すことによって、刺激電極7Aが得られる。
【0069】
以上、上記の導電性ゴムシート2で構成された不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bによれば、ゴム基材14に導電性シート30が埋め込まれている。これにより、ゴム基材14本体の抵抗値(導電性)にばらつきが存在していても、導電性シート30によって、導電性ゴムシート2全体の抵抗値(導電性)のばらつきを緩和することができる。また、ゴム基材14に導電性物質が印刷されている態様と異なり、導電性ゴムシート2の使用時に、導電性シート30が人体3の皮膚や指に触れることがない。そのため、導電性ゴムシート2の使用時に導電性シート30が脱落したり、剥がれたりすることを防止することができる。その結果、導電性ゴムシート2の品質を長期にわたって維持することができる。
【0070】
また、この実施形態では、導電性シート30が導電性メッシュである。そのため、
図8Aに示すように、導電性シート30の表裏面に加え、メッシュの開口39内にもゴム基材14が入り込んで導電性シート30を固定すると共に、ゴム基材14が導電性シート30に密着する。これにより、導電性シート30に対するゴム基材14の接着強度を向上させることができることに加え、導電性シート30のズレを防止することができる。このような効果は、導電性メッシュでなくても、例えば、メッシュ状ではない複数の開口を有する導電性シート30であっても達成することができる。
【0071】
さらに、導電性メッシュは撓みやすい性質を有しているため、導電性ゴムシート2の貼り付け対象(例えば、人体3の皮膚等)が湾曲している場合でも、導電性ゴムシート2を撓ませて簡単に貼り付けることができる。
【0072】
一方、
図8Bに示すように、導電性シート30は、メッシュや開口を有しない板状のシートであってもよい。ただし、板状の導電性シート30は、導電性シート30の表裏面のみでゴム基材14と接触するものなので、ゴム基材14との接着強度という点では、開口39を有する導電性シート30に劣ることになる。また、板状の導電性シート30は、可撓性という点でも、開口39を有する導電性シート30に劣るので、人体3において比較的湾曲が小さい部位に貼り付けられる電極に採用されることが好ましい。なお、このような板状の導電性シート30を使用する場合は、導電性シート30を一対のゴム材料38で挟んだ状態で、導電性ゴムシート2をプレス成形すればよい。
【0073】
また、この実施形態では、
図5に示すように、ゴム基材14の第1部分32の厚さT
1が第2部分33の厚さT
2よりも大きくなっている。第2部分33、つまり第2面11,13A,13B(人体3の皮膚に接触しない面)側のゴム層は、プレス時に、軟化したゴム材料38の一部が導電性シート30の開口39を通って流入して形成された層であり、導電性シート30の固定を主たる目的としている。そのため、厚さの制御(つまり、抵抗値の制御)が難しく、これを人体3に直接接触させて使用させることは好ましくない。一方、第1面10,12A,12B(人体3の皮膚に接触する面)側のゴム層の厚さは、当初準備されるゴム材料38の厚さによって、ある程度はコントロールされている。そのため、比較的厚い厚さT
1を有する第1部分32を人体3の皮膚に接触する側とし、比較的薄い厚さT
2を有する第2部分33を人体3の皮膚への非接触側とすることが、合理的である。
【0074】
また、この実施形態によれば、導電性シート30が第1端子23および第2端子25A,25Bにオーバーラップしている(埋め込まれている)。一方で、導電性シート30と第1端子23等の端子部分をオーバーラップさせることは、ゴム基材38が既にある程度の導電性を持っているので、必要な端子部分と導電性シート30との間に十分な電流路が形成できれば必須ではない。例えば、オーバーラップしないで端子部分の周囲に導電性シート30が配置されるような構成でもよい。また、複雑な形状や特殊な形状の端子部分により、プレスに支障が出る場合は端子部分を避けて導電性シート30が配置されるので望ましい。また、外部から第1端子23および第2端子25A,25Bに入力された電気をゴム基材14の全体に効率よく流すことができるので、この実施形態のように導電性シート30が端子部分にオーバーラップしていることはより好ましい。
【0075】
また、前述の製造方法によれば、導電性シート30をゴム材料38と一緒にプレス成形することによって埋め込むことができるので、余計な後工程を追加する必要がない。その結果、導電性ゴムシート2を簡単に製造することができる。また、ゴム材料38の中央部に開口40が形成されているため、プレス時に、ゴム材料38の中央部に圧力が加わりにくくなる。その結果、ゴム材料38の局所的な硬さや厚さ等の変動の影響が少なくなり、プレス時に、導電性シート30を所望の位置に維持することができる。つまり、導電性シート30の位置ズレを抑制することができる。
【0076】
これに対し、ゴム材料38の中央部に開口40が形成されていないと、軟化したゴム材料38が金型34内に流れる際、導電性シート30も一緒に流れて金型34からはみ出し、設計通りの位置に導電性シート30を埋め込むことができないおそれがある。
【0077】
また、導電性シート30が導電性メッシュであるため、プレス時に、軟化したゴム材料38が導電性シート30の表面および裏面の両面に行き渡ると共に、導電性シート30の開口39を通って、導電性シート30の表面および裏面の両面に行き渡る。その結果、導電性シート30をゴム材料38に簡単に埋め込むことができる。特に、導電性メッシュであるため、導電性シート30の表裏面に加え、メッシュの開口39内にもゴム材料38が入り込んでゴム材料38を導電性シート30に融着させることができるので、導電性シート30の位置ズレを抑制することができる。
【0078】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0079】
例えば、
図9に示すように、導電性シート30は、前述の開口39の代わりに、導電性シート30の端部から形成された切り込み42やスリット42を有していてもよい。この場合、電極として使用した場合の折り曲げや湾曲の方向に対して平行になるように、切り込み42やスリット42を設ければよい。あるいは、切り込み42やスリット42は導電性シート30の内側から端部に向かい、互いが非平行となるように、例えば放射状になるように設けられてもよい。
【0080】
また、
図10に示すように、導電性メッシュは、前述のように導電性シート30の全面がメッシュであってもよいが、一部がメッシュであってもよい。例えば、導電性シート30の中央部にメッシュ部43を有し、当該メッシュ部43を取り囲むようにシート部44が形成されていてもよい。
【0081】
例えば、前述の実施形態では、導電性ゴムシート2の用途の一例として、電気刺激治療器1の不関電極6および刺激電極7A,7Bを挙げたが、本発明の導電性ゴムシート2は、例えば、運動や美容用のEMS(Electrical Muscle Stimulation)機器の電極等に採用することもできる。
【0082】
また、前述の実施形態では、導電性ゴムシート2は、第1面10,12A,12B側から順に、厚さT1を有するゴム基材14の第1部分32、導電性シート30、厚さT2を有するゴム基材14の第2部分33を有しており、厚さT1>厚さT2であったが、例えば、厚さT1=厚さT2であってもよいし、厚さT1<厚さT2であってもよい。
【0083】
また、前述の実施形態では、電気刺激治療器1の導子の外形は、導電性シート30が埋め込まれた不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bによって構成されていたが、
図11および
図12に示すように、シリコーン樹脂等のゴム基材からなるシート本体45によって構成されていてもよい。この場合、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bは、それぞれ、略四角形状に形成されていてもよい。不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bは、それぞれ、シート本体45に形成された凹部46,47A,47Bに配置されていてもよい。凹部46,47A,47Bは、それぞれ、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bと同形状であってもよい。
【0084】
このような導電性ゴムシート2(導子)を作製するには、例えば、まず、
図6および
図7の工程に倣って、略四角形状の不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bを形成する。次に、当該不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bをインサート部材として金型に挿入し、シート本体45の材料として例えば、シリコーン樹脂等を金型内に充填する。これにより、インサート成形品としての導子を得ることができる。
【0085】
ただし、このような導子の作製方法は、上記のインサート成形に限らず、例えば、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bと、シート本体45とを別々の成形品として作製し、その後、シート本体45の凹部46,47A,47Bに、それぞれ、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bを嵌め込む方法であってもよい。
【0086】
本出願は、2019年8月30日に日本国特許庁に提出された特願2019-158517号に対応しており、この出願の全開示はここに引用により組み込まれるものとする。
【符号の説明】
【0087】
2 導電性ゴムシート
6 不関電極
7A,7B 刺激電極
14 ゴム基材
15 (不関電極)第1端部
19A,19B (刺激電極)第1端部
23 第1端子
25A,25B 第2端子
30 導電性シート
34 金型
38 ゴム材料
39 開口
40 開口