(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240704BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023034471
(22)【出願日】2023-03-07
【審査請求日】2023-03-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日 令和5年1月13日 掲載アドレス:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.toylogic.chanoma
(73)【特許権者】
【識別番号】511069367
【氏名又は名称】株式会社トイロジック
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岳 洋一
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-197001(JP,A)
【文献】ZOZO TECH BLOG,社内マッチングアプリ「CLUB ZOZO」のマッチングアルゴリズム [online],2023年02月07日,[令和6年2月13日検索],インターネット<URL : https://techblog.zozo.com/entry/clubzozo-algo>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ選択のためのマッチング処理を実行する情報処理装置であって、
制御部と、
外部ネットワークと通信するための通信部と、
ユーザの関心事項を示すユーザタグに関するユーザタグ情報、および第1のユーザ群の情報と前記第1のユーザ群に関連付けられるタグ識別子とを含むロビー情報を記憶する記憶部と
を備え、
前記制御部は、
前記通信部を介して招待メッセージへの応答であるロビーエントリー登録を受信し、前記ロビーエントリー登録に基づいて前記記憶部の前記ロビー情報を更新することであって、前記ロビーエントリー登録は、ロビー識別子、タグ識別子、およびユーザ識別子を含む、ことと、
エントリー登録されているユーザ数が2人以上のロビーにエントリーしている
エントリーユーザの前記ユーザ識別子を前記記憶部から読み出し、読み出した前記ユーザ識別子に基づいて前記記憶部の前記ユーザタグ情報からそれぞれのユーザに関連付けられる1つ以上のタグ識別子を識別することと、
前記識別したそれぞれのユーザに関連付けられる1つ以上のタグ識別子を比較することに基づいてマッチング処理を実行して第1のユーザ群を選択することであって、前記第1のユーザ群は、前記比較により、第1のユーザに関連付けられる前記1つ以上のタグ識別子と同一のタグ識別子を有する数が多いユーザから順にマッチング度合いが強いユーザとして判定されたユーザを含む、ことと
を実行するように構成されている情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1のユーザ群のユーザのユーザ識別子と関連付けられるサービス開始案内を生成し、前記第1のユーザ群のユーザに対して前記生成したサービス開始案内を提供することであって、前記サービス開始案内は、サービスを開始するための通信方法および通信相手のユーザの情報を含む、こと
をさらに実行するようにさらに構成される、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
予め定められた条件を満たす前記ユーザタグ情報に含まれるタグ識別子を記憶部から読み出し、
読み出した前記タグ識別子に関連付けられるロビー情報を生成し、生成した前記ロビー情報を前記記憶部に格納することと、
前記記憶部から前記ロビー情報を読み出し、読み出した前記ロビー情報に含まれるタグ識別子に基づいて、
前記記憶部の前記ユーザタグ情報から第2のユーザ群のユーザ識別子を取得すること
であって、前記第2のユーザ群は、前記ロビー情報に含まれるタグ識別子に関連付けられるユーザタグの作成者および共有者を含む、ことと、
前記ロビー情報および前記タグ識別子を含む前記招待メッセージを、取得した前記第2のユーザ群のユーザ識別子と関連付けて生成し、生成した前記招待メッセージを前記第2のユーザ群のユーザ識別子に関連付けられるユーザに対して提供することと
をさらに実行するように構成される、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記予め定められた条件は、前記ユーザタグの登録者数が2以上である、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記通信部を介して前記第1のユーザに関連付けられる
ユーザタグを受信したことに応答して、
ユーザタグ情報を前記記憶部に記憶すること
であって、前記第1のユーザは、前記ユーザタグの作成者を示す、ことと、
前記通信部を介して前記第1のユーザ以外の他のユーザに対し、前記第1のユーザに関連付けられる前記ユーザタグ情報を提示すること
であって、前記他のユーザは、前記ユーザタグ情報の共有者として前記記憶部に登録されることになるユーザを示す、ことと、
前記提示された前記ユーザタグ情報および当該ユーザタグ情報を選択した前記他のユーザのユーザ識別子を前記通信部を介して受信し、前記他のユーザのユーザ識別子を前記提示された前記ユーザタグ情報の共有者として前記記憶部に記憶することと
をさらに実行するように構成されている、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザ選択のためのマッチング処理を実行する情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、
制御部と、
外部ネットワークと通信するための通信部と、
ユーザの関心事項を示すユーザタグに関するユーザタグ情報、および第1のユーザ群の情報と前記第1のユーザ群に関連付けられるタグ識別子とを含むロビー情報を記憶する記憶部と
を備え、
前記情報処理方法は、
前記制御部が、前記通信部を介して招待メッセージへの応答であるロビーエントリー登録を受信し、前記ロビーエントリー登録に基づいて前記記憶部の前記ロビー情報を更新することであって、前記ロビーエントリー登録は、ロビー識別子、タグ識別子、およびユーザ識別子を含む、ことと、
前記制御部が、エントリー登録されているユーザ数が2人以上のロビーにエントリーしている
エントリーユーザの前記ユーザ識別子を前記記憶部から読み出し、読み出した前記ユーザ識別子に基づいて前記記憶部の前記ユーザタグ情報からそれぞれのユーザに関連付けられる1つ以上のタグ識別子を識別することと、
前記制御部が、前記識別したそれぞれのユーザに関連付けられる1つ以上のタグ識別子を比較することに基づいてマッチング処理を実行して第1のユーザ群を選択することであって、前記第1のユーザ群は、前記比較により、第1のユーザに関連付けられる前記1つ以上のタグ識別子と同一のタグ識別子を有する数が多いユーザから順にマッチング度合いが強いユーザとして判定されたユーザを含む、ことと
を備える情報処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載された方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々なオンラインサービスにおいて複数のユーザをグルーピングする際に利用するユーザ選択のためのマッチング処理を実行する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人と人との社会的な繋がりを維持・促進する様々な機能を提供するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が広まり、利用されている。SNSは、新たな人間関係を構築する場を提供することができる。例えば、マッチングアプリは、インターネットなどのネットワークを通じてアプリに参加している不特定多数のユーザ間で出会いの場を作るための仕組みであり、恋人や結婚相手を探すサービスや同好の友人を探すサービスなどが知られている。このようなサービスではビデオ通話を利用するものも知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような従来のマッチングアプリでは、ビデオ通話が始まった後の話題提供や婚活の進行レベルに応じた段階的なユーザ情報を提示することによりコミュニケーションが円滑に進むようにサポートする機能が提供されていた。
【0005】
しかしながら、従来の仕組みでは、システム側が予め定めたユーザ入力項目に基づいてマッチングを行うため、マッチング当初から「合わない」と感じられる人とのマッチングが行われることも多々あり、コミュニケーションが円滑に行われない場面があった。また、共に関心を持っている話題が1つはあるものの、他の関心を持っている話題に共通性がないためにコミュニケーションが促進されない場面もあった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ユーザからの自由入力のテキストタグを受け付け、同じキーワードをタグ登録しているユーザの中からタグの一致率が高いユーザをマッチングしてグルーピングする情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様である情報処理装置は、ユーザ選択のためのマッチング処理を実行する情報処理装置であって、
制御部と、
外部ネットワークと通信するための通信部と、
ユーザの関心事項を示すユーザタグに関するユーザタグ情報、および第1のユーザ群の情報と前記第1のユーザ群に関連付けられるタグ識別子とを含むロビー情報を記憶する記憶部と
を備え、
前記制御部は、
前記通信部を介して招待メッセージへの応答であるロビーエントリー登録を受信し、前記ロビーエントリー登録に基づいて前記記憶部の前記ロビー情報を更新することであって、前記ロビーエントリー登録は、ロビー識別子、タグ識別子、およびユーザ識別子を含む、ことと、
エントリー登録されているユーザ数が2人以上のロビーにエントリーしているユーザの前記ユーザ識別子を前記記憶部から読み出し、読み出した前記ユーザ識別子に基づいて前記記憶部の前記ユーザタグ情報からそれぞれのユーザに関連付けられる1つ以上のタグ識別子を識別することと、
前記識別したそれぞれのユーザに関連付けられる1つ以上のタグ識別子を比較することに基づいてマッチング処理を実行して第1のユーザ群を選択することであって、前記第1のユーザ群は、前記比較により、第1のユーザに関連付けられる前記1つ以上のタグ識別子と同一のタグ識別子を有する数が多いユーザから順にマッチング度合いが強いユーザとして判定されたユーザを含む、ことと
を実行するように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザは、情報処理装置によって提供されたタグ以外にも自分自身が関心を持っているキーワードを自由にタグとして入力することができ、また、他のユーザが登録したタグを自分自身のタグとしても登録することができるため、同じキーワードをタグ登録しているユーザの中からタグの一致率が高いユーザをマッチングしてグルーピングすることにより、より相性の良い同好の友人を探すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書において開示される実施形態の詳細な理解は、添付図面に関連して例示される以下の説明から得ることができる。
【
図1】本発明の実施形態に係るシステム全体の構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置10のシステム構成図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るユーザマスタ106のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るタグマスタ107のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るロビー情報108のデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る通信グループ情報109のデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るタグ登録処理を説明するフロー図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るマッチング処理を説明するフロー図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るビデオチャット・サービスの実行処理を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置10、ユーザ端末11A、ユーザ端末11B、およびユーザ端末11Cを含むシステム全体の構成図である。ユーザ端末11A、ユーザ端末11B、およびユーザ端末11Cはそれぞれ、異なるユーザa、ユーザb、ユーザcによって使用されるが、本明細書では、説明の便宜上、それぞれを区別する必要がなければ、まとめて「ユーザ端末11」「ユーザ」と表現して説明する。ユーザの数は、複数(2以上)であればよく、特に限定されることはない。情報処理装置10は、ネットワーク12を介して複数のユーザ端末11と相互に通信可能に接続される。
【0011】
情報処理装置10は、ユーザ端末11にタグ入力画面を提供し、ユーザ端末11から、自由入力のテキストタグ(本明細書では「ユーザタグ」と呼ぶ)を受信して記憶する。ユーザタグは、情報処理装置10によって入力画面上に提供されるデフォルトタグから選択して作成してもよいし、ユーザ自身が関心のあるキーワードを入力画面上に自由に入力して作成してもよい。情報処理装置10は、記憶されたユーザタグを複数のユーザ端末11に提供してユーザに選択してもらうことにより、ユーザ間で共有させることができる。
【0012】
情報処理装置10は、所定の条件を満たすユーザタグに基づいて、タグ付きのチャットロビーを生成することができる。情報処理装置10は、タグ付きのチャットロビーのタグと同じタグを有しているユーザに対する招待メッセージを作成する。情報処理装置10は、ユーザ端末からの招待取得要求に応じて、当該ロビーの招待メッセージを送信する。招待メッセージは、情報処理装置10とユーザ端末11の間で通信される任意の情報を含むものであり、その仕様が特定のアプリケーションに限定されるものではない。情報処理装置10は、招待メッセージに応答してユーザがチャットロビーにエントリーすると、エントリーユーザとして登録する。
【0013】
情報処理装置10は、あるロビーに同時エントリーしたユーザの中で、ユーザタグによるリアルタイムマッチング処理を実行する。マッチング処理は、各ユーザに関連付けられている1つ以上のユーザタグを特定し、特定したユーザタグが各ユーザ間でどれくらい一致するかを判定することによって行う。
【0014】
情報処理装置10は、マッチング処理の結果、ユーザタグの一致性が高い2人以上のユーザをグルーピングして通信グループを生成する。その後、情報処理装置10は、グループのユーザに1つまたは複数のサービス(例えば、ビデオチャット・サービス)を提供する。ビデオチャット・サービスは、本発明に係るリアルタイムマッチング処理によってマッチングされた2人以上のユーザの間で音声および映像を通信するサービスであり、情報処理装置10と複数のユーザ端末11の間で実行される。
【0015】
ユーザ端末11は、有線または無線環境において動作可能な任意のタイプのデバイス(例えば、スマートフォン、PC、タブレット型端末など)とすることができるが、特定の装置やデバイスに限定されることはない。ユーザ端末11は、情報処理装置10によって提供される1つまたは複数のオンラインサービス(例えば、ビデオチャット・サービス)を利用するユーザによって使用されるデバイスである。ユーザ端末11は、情報処理装置10によって提供される1つまたは複数のオンラインサービスを利用するのに必要なアプリケーションをダウンロードし、インストールすることができる。
【0016】
(システム構成)
図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置10のシステム構成図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、一般的なコンピュータと同様に、バス120などによって相互に接続された制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、インターフェース(IF)部104、および出力部105を備える。情報処理装置10は、ファイル/データベースなどの形式で、ユーザマスタ106、タグマスタ107、ロビー情報108、および通信グループ情報109を備える。
【0017】
制御部101は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、情報処理装置10の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部103に格納されている各種プログラムを主記憶部102に読み出して実行する。主記憶部102は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶する。補助記憶部103は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する。
【0018】
図2の実施形態は、制御部101、主記憶部102および補助記憶部103を同一のコンピュータの内部に設ける実施形態について説明するが、他の実施形態として、情報処理装置10は、制御部101、主記憶部102および補助記憶部103を複数個使用することにより、複数のコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成することもできる。また、他の実施形態として、情報処理装置10のための複数のサーバを設置し、複数サーバが一つの補助記憶部103を共有する実施形態にすることも可能である。
【0019】
IF部104は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供する。出力部105は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供する。
【0020】
ユーザマスタ106は、情報処理装置10によって提供されるサービスを利用するユーザの情報を格納する。
図3は、本発明の実施形態に係るユーザマスタ106のデータ構造の一例を示す図である。ユーザマスタ106は、ユーザID301およびユーザ情報302を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことができる。
【0021】
ユーザID301は、情報処理装置10によって提供されるサービスを利用するユーザを識別する識別子を示す。ユーザ情報302は、ユーザに関連付けられる情報、例えば、ユーザの氏名、ログインパスワード、性別、居住地、趣味、特技、連絡先情報などの情報を含むが、本明細書に示した情報に限定されることはない。
【0022】
図2に戻って説明すると、タグマスタ107は、情報処理装置10によって提供されるサービスにおいて、ユーザが入力したタグに関する情報を格納する。ユーザが入力したタグは、本明細書において単に「タグ」あるいは「ユーザタグ」と言うことがある。ユーザタグは、情報処理装置10によって提供されるデフォルトタグに基づいてユーザが入力するタグ、あるいは基づかないでユーザが独自に入力する自由入力のテキストタグである。ユーザタグは、ユーザが関心のある事項を示す。
【0023】
デフォルトタグは、インターネット上で検索されているキーワードの検索回数などの情報に基づいて情報処理装置10が選択した「話題になっているキーワード」を示すことができる。表1はデフォルトタグの一例を示す。情報処理装置10は、インターネット上で話題になっている事項、すなわち、検索回数の多いキーワードを取得してデフォルトタグとしてユーザ端末11に提供することができる。
【0024】
【0025】
図4は、本発明の実施形態に係るタグマスタ107のデータ構造の一例を示す図である。タグマスタ107は、タグID401、タグ内容402、作成者403、共有者404、登録者数405、サービス利用回数406、およびサービス最終利用日時407を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことができる。
【0026】
タグID401は、情報処理装置10に登録されるタグ(ユーザタグ)を識別する識別子である。タグ内容402は、ユーザタグの内容を示す。タグ内容402は、例えば、表1に例示されるようなデフォルトタグのキーワードでもいいし、ユーザが独自に入力した、ユーザに関心のある事項を示すキーワードでもよい。作成者403は、タグを登録したユーザのユーザIDを示す。共有者404は、他のユーザが作成したタグを自身にも関連付けて登録したユーザのユーザIDを示す。例えば、ユーザaが登録したキーワードXというタグをユーザbが自身に関連付けて登録した場合には、共有者404にはユーザbのユーザIDが登録される。登録者数405は、作成者403および共有者404に登録されているユーザの数を示す。サービス利用回数406は、タグ内容に基づくビデオチャットなどのオンラインサービスが利用された回数を示す。サービス最終利用日時407は、当該タグを利用したビデオチャットなどのオンラインサービスが最後に行われた日時を示す。
【0027】
図2に戻って説明すると、ロビー情報108は、情報処理装置10によって提供されるビデオチャット・サービスなどのオンラインサービスの参加候補者の控室の役割を果たす「ロビー」に関する情報を格納する。
図5は、本発明の実施形態に係るロビー情報108のデータ構造の一例を示す図である。ロビー情報108は、ロビーID501、ロビー名称502、タグID401、エントリーユーザID503、マッチング済ユーザID504、およびエントリー期限505を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことができる。
【0028】
ロビーID501は、ロビーを識別するための識別子である。ロビー名称502は、ロビーに対して付けられる名称(例えば、ビデオチャットの話題を示す名称)である。タグID401は、ユーザタグを識別する識別子である。エントリーユーザID503は、ロビーにエントリーしているユーザのユーザIDを示す。マッチング済ユーザID504は、ロビーにエントリーしたユーザのうち、本発明に係るマッチングシステムによってマッチングされ、ビデオチャットなどのオンラインサービスに参加するユーザのユーザIDを示す。エントリー期限505は、招待メッセージを受信したユーザがロビーにエントリー登録する期限の日時を示す。
【0029】
図2に戻って説明すると、通信グループ情報109は、情報処理装置10によって提供されるビデオチャット・サービスなどのオンラインサービスのグループについての情報を格納する。
図6は、本発明の実施形態に係る通信グループ情報109のデータ構造の一例を示す図である。通信グループ情報109は、通信グループID601、通信グループ名称602、参加ユーザID603、およびタグID401を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことができる。
【0030】
通信グループID601は、オンラインサービスのグループを識別するための識別子である。通信グループ名称602は、それぞれの通信グループを表す名称である。参加ユーザID603は、当該通信グループに参加しているユーザのユーザIDを示す。タグID401は、ユーザタグを識別する識別子である。
【0031】
以下、
図7および
図8を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図7では、ユーザが関心のある任意のキーワードを自分自身のタグとして登録し、他のユーザに共有させる処理を説明する。
図8では、情報処理装置10が同じキーワードをタグ登録しているユーザをマッチングして2人以上のユーザグループを生成する処理を説明する。なお、本発明の一実施形態では、情報処理装置10によって提供されるオンラインサービスの一例としてビデオチャット・サービスを例に説明する。
【0032】
(処理フロー:タグ登録処理)
図7は、本発明の実施形態に係るタグ登録処理を説明するフロー図である。本処理フローを説明する前提として、ユーザa、ユーザb、およびユーザcはそれぞれ、ユーザ端末11A、ユーザ端末11B、およびユーザ端末11Cを介して情報処理装置10にアクセスしているものとする。
【0033】
S701にて、情報処理装置10は、表1に例示したようなデフォルトタグを、タグ入力画面(不図示)を介してユーザ端末11Aに提示する。ユーザaは、タグ入力画面を介してデフォルトタグを選択することによって、あるいは自分自身で新たにタグを入力することによって、ユーザ自身に関連付けたユーザタグをユーザ端末11Aから情報処理装置10に送信する。
【0034】
情報処理装置10は、ユーザ端末11Aからユーザタグ情報およびユーザaのユーザIDを受信したことに応答してタグIDを生成し、生成したタグID、ユーザタグ、およびユーザaのユーザIDをタグマスタ107のタグID401、タグ内容402、および作成者403として登録する。なお、ユーザ端末11Aから受信したユーザタグがデフォルトタグに含まれているタグと同一である場合には、タグIDは生成せずに、デフォルトタグのタグIDをそのまま利用する。
【0035】
S702にて、情報処理装置10は、タグマスタ107に登録されているユーザタグ情報(タグID、タグ内容)をタグ入力画面(不図示)を介してユーザ端末11A以外のユーザ端末11(例えば、ユーザbのユーザ端末11B、ユーザcのユーザ端末11C)に提示する。ユーザタグ情報の提示は、ユーザb(ユーザc)がユーザ端末11B(ユーザ端末11C)を介して情報処理装置10にアクセスした際に実行され得る。
【0036】
上記の実施形態では、他のユーザが登録したユーザタグ情報がタグ入力画面(不図示)に表示されることを説明したが、他の実施形態では、自分自身が登録したユーザタグ情報を含めて全てのユーザが登録したユーザタグ情報がタグ入力画面に表示されるように構成されてもよい。かかる場合、どのユーザが登録したユーザタグ情報かが明確になるようにユーザタグ情報と登録ユーザのユーザIDが関連付けられて表示されてもよい。
【0037】
ユーザbは、ユーザ端末11Bを介して、また、ユーザcは、ユーザ端末11Cを介して、提示された複数のユーザタグ情報の中から自分の興味のあるタグを選択する。ユーザbによって選択されたユーザタグ情報とユーザbのユーザIDは、ユーザ端末11Bから情報処理装置10に送信され、ユーザcによって選択されたユーザタグ情報とユーザcのユーザIDは、ユーザ端末11Bから情報処理装置10に送信される。
【0038】
S703にて、情報処理装置10は、ユーザ端末11Bから受信したユーザタグ情報に基づいて対応するタグID401の共有者404にユーザbのユーザIDを登録し、ユーザ端末11Cから受信したユーザタグ情報に基づいて対応するタグID401の共有者404にユーザcのユーザIDを登録する。これにより、任意のタグID401の共有者404に1つ以上のユーザIDが関連付けて登録されることとなる。
【0039】
S704にて、情報処理装置10は、タグマスタ107の共有者404の情報が更新されたことに応答して、共有者404に含まれているユーザIDをカウントし、カウントしたユーザIDの数+1(すなわち、作成者(1)+共有者404(カウントした数)の合計数)で登録者数405を更新する。
【0040】
上記の処理により、各ユーザは、自身が関心のあるキーワードを示すユーザタグを情報処理装置10に登録し、各ユーザは他のユーザが登録したユーザタグに興味があれば、そのユーザタグと自分自身を関連付けることができるようになる。後述するように、情報処理装置10は、この関連付け情報を利用してビデオチャット・サービスなどのオンラインサービスを実行するためのユーザ候補群を抽出し、ユーザ候補群から実際にビデオチャットなどのサービスを実行するユーザを選択できるようになる。次に、
図8を参照しながら、情報処理装置10が同じキーワードをタグ登録しているユーザを候補者として抽出し、抽出した候補者をマッチングして2人以上のユーザグループを生成する処理を説明する。
【0041】
(処理フロー:マッチング処理)
S801にて、情報処理装置10は、タグマスタ107を参照して登録者数405の数値が2以上のユーザタグの情報を抽出し、抽出したユーザタグの情報に関連付けられるロビーIDおよびロビー名称を生成する。ロビー名称は、ユーザタグ情報を利用して生成されてよい。情報処理装置10は、生成したロビーID、ロビー名称、およびタグIDをロビー情報108に登録する。
【0042】
本発明の他の実施形態では、情報処理装置10は、タグマスタ107を参照してサービス利用回数406の数値が所定の値以上のユーザタグ(すなわち、多くのユーザが関心を持っている事項を示すユーザタグ)の情報を抽出し、抽出したユーザタグに関連付けられるロビーIDおよびロビー名称を生成することもできる。情報処理装置10は、生成したロビーID、ロビー名称、およびタグIDをロビー情報108に登録する。なお、サービス利用回数406は、オンラインサービスの利用回数を示し、例えば、ビデオチャット・サービスの場合、サービス利用回数406は、ビデオチャットが行われた回数を示す。
【0043】
このように、情報処理装置10は、登録ユーザ数やサービス利用回数が予め定められた数値以上である場合に、ロビーを生成して、後述するようなチャット招待を行うことができるようになる。
【0044】
S802にて、情報処理装置10は、S801の処理によりロビー情報108に格納したタグIDに基づいてタグマスタ107に問い合わせを行い、作成者403および共有者404に格納されているユーザIDを取得する。
【0045】
情報処理装置10は、タグマスタ107に問い合わせを行ったタグIDに関連付けられるロビーID501についての招待メッセージを、取得したユーザIDと関連付けて生成する。生成された招待メッセージは、対象となるロビーID、タグID、およびユーザIDを含む。ユーザがユーザ端末11を介して情報処理装置10にアクセスすると、情報処理装置10は、招待メッセージを当該ユーザに提示することができる。対象となったユーザは、それぞれのユーザ端末11を介して招待メッセージを受信し、ユーザ端末11はディスプレイなどの表示画面に招待メッセージの内容を表示する。
【0046】
このような処理により、同じタグをユーザタグとして保持しているユーザは招待メッセージを受け取ることができるようになる。
【0047】
S803にて、招待メッセージを受信したそれぞれのユーザは、自身が使用するユーザ端末11を介して招待されたロビーへのエントリー登録を情報処理装置10に送信することができる。エントリー登録は、招待メッセージに含まれているロビーID、タグID、およびユーザIDの情報を含む。情報処理装置10は、ユーザ端末11からエントリー登録を受信したことに応答して、対応するロビーID501のエントリーユーザID503にエントリー登録したユーザのユーザIDを登録する。
【0048】
本発明の一実施形態では、それぞれのロビーにエントリー期限を設定することができる。このため、任意のロビーには所定の日時の範囲に同じテーマ(ユーザタグ)でエントリーした複数のユーザが登録されていることとなる。
【0049】
S804にて、情報処理装置10は、ロビー情報108に問い合わせを行い、エントリー期限505に格納されている日時が経過したロビーID501を抽出する。情報処理装置10は、抽出したロビーID501に関連付けられるエントリーユーザID503をカウントし、エントリー登録したユーザが2人以上のロビーID501を特定する。
【0050】
情報処理装置10は、特定したロビーID501に関連付けられるエントリーユーザID503のそれぞれのユーザIDに基づいてタグマスタ107に問い合わせを行って、それぞれのユーザに関連付けられるタグIDを識別する。情報処理装置10は、各ユーザについて識別したタグIDを比較して、エントリー登録したユーザ間のマッチング処理を行い、マッチング度合いが強い順に2人以上のユーザを選択する。
【0051】
ここで、マッチング度合いの強弱の判定基準について説明する。例えば、情報処理装置10が各ユーザについて識別したタグIDは以下の通りである。この例では、各ユーザは共通の関心事項としてタグ「X1」を有している。
【0052】
【0053】
表2の例では、ユーザaを基準とすると、ユーザbは共通のタグを4つ有しており、ユーザcは共通のタグを3つ有しており、ユーザdは6つ有しており、ユーザeは5つ有している。このため、情報処理装置10は、ユーザaを基準とした場合に、マッチング度合いの強いユーザは、順番に、ユーザd(6つ)>ユーザe(5つ)>ユーザb(4つ)>ユーザc(3つ)であると判定することができる。情報処理装置10は、ビデオチャット・サービスで一度に会話できる人数の上限値まで、マッチング度合いの強いユーザから順番に選択する。例えば、ビデオチャット・サービスで一度に会話できる人数を4人とすると、表2の例では、ユーザa、ユーザd、ユーザe、およびユーザbの4人が選択されることとなる。
【0054】
本発明の一実施形態では、基準とするユーザは、ユーザタグの作成者であってもよいし、別の条件(例えば、ユーザタグを一番多く保持しているユーザ、など)によって定まるユーザであってもよい。
【0055】
情報処理装置10は、2人以上のユーザが選択された場合、通信グループIDを生成してタグID401と関連付け、選択したユーザのユーザID(参加ユーザID603)を生成した通信グループID601と関連付けて通信グループ情報109に登録する。
【0056】
上記の例では、4人のユーザが選択される例を説明したが、本発明はこの例に限定されることはない。情報処理装置10は、通信グループに登録するユーザ数、すなわち、ビデオチャットに一度に参加できるユーザ数を任意の数値に設定することができる。
【0057】
また、通信グループ情報109に登録されるために選択されたユーザは、当該ロビーのエントリーユーザID503からユーザIDが削除され、マッチング済ユーザID504に当該ユーザIDが登録される。マッチング済ユーザID504に登録されたユーザIDは、対応する通信グループ情報109の参加ユーザIDに対応する。同じロビーで再度ビデオチャットを行う際、今回選択されなかったユーザが再度エントリーできるように構成されてもよい。
【0058】
次に、
図9を参照しながら、情報処理装置10によって提供されるオンラインサービスの一例としてビデオチャット・サービスが実行される処理フローを説明する。
【0059】
(処理フロー:ビデオチャット・サービスの実行処理)
S901にて、情報処理装置10は、通信グループ情報109に問い合わせを行い、任意の通信グループID601に関連付けられる参加ユーザID603を識別する。参加ユーザID603に登録されているユーザIDは、対応するロビー情報108のマッチング済ユーザID504に登録されているユーザIDに対応する。
【0060】
S902にて、情報処理装置10は、ビデオチャット・サービスを開始するための通信方法と通信相手のユーザ情報を含む開始案内を、識別したユーザIDと関連付けて生成する。情報処理装置10は、開始案内を識別したユーザIDのユーザに対して提供することができる。それぞれのユーザは、自身が使用するユーザ端末11を用いて開始案内を受信し、開始案内の内容を知ることができる。
【0061】
S903にて、ユーザ端末11は、受信した開始案内に含まれている通信方法(例えば、アクセスURLをクリック、など)にしたがって、情報処理装置10によって提供されるビデオチャット・サービスを開始することができる。情報処理装置10は、開始案内を送付した後、あるいはビデオチャット・サービスの開始時に、当該通信グループID601に関連付けられるタグID401に基づいて、タグマスタ107のサービス利用回数406の数値をインクリメント(例えば、1を加算)し、サービス最終利用日時407の日時情報を登録することができる。
【0062】
本実施形態では、ユーザ端末11間で実行されるビデオチャットの音声および画像の通信を情報処理装置10が中継サーバとして制御することを説明したが、本発明が適用されるのはこの実施形態に限定されない。情報処理装置10がマッチング処理を実行してビデオチャット・サービスの開始案内を送付した後は、情報処理装置10を介さずにユーザ端末11間でビデオチャットの音声および画像の通信が実行されるように構成されてもよい。
【0063】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。また、本発明の要旨は、上記で例示したビデオチャット・サービスを始めとするオンラインサービスにおいて利用されることが可能であり、ユーザのマッチングを必要とする任意のサービスで利用されることが可能である。
【符号の説明】
【0064】
10 情報処理装置
11 ユーザ端末
12 ネットワーク
101 制御部
102 主記憶部
103 補助記憶部
104 インターフェース(IF)部
105 出力部
106 ユーザマスタ
107 タグマスタ
108 ロビー情報
109 通信グループ情報
【要約】
【課題】同じキーワードをタグ登録しているユーザの中からタグの一致率が高いユーザをマッチングする。
【解決手段】ユーザ選択のためのマッチング処理を実行する情報処理装置は、招待メッセージへの応答であるロビーエントリー登録に基づいてロビー情報を更新し、エントリー登録されているユーザ数が2人以上のロビーにエントリーしているユーザのユーザ識別子を読み出し、読み出したユーザ識別子に基づいてそれぞれのユーザに関連付けられる1つ以上のタグ識別子を識別し、識別したそれぞれのユーザに関連付けられる1つ以上のタグ識別子を比較することに基づいてマッチング処理を実行して第1のユーザ群を選択する。第1のユーザ群は、第1のユーザに関連付けられる1つ以上のタグ識別子と同一のタグ識別子を有する数が多いユーザから順にマッチング度合いが強いユーザとして判定されたユーザを含む。
【選択図】
図8