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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】万能電動カーテン開閉装置
(51)【国際特許分類】
   A47H 5/02 20060101AFI20240704BHJP
   E05F 15/77 20150101ALI20240704BHJP
   A47H 1/04 20060101ALI20240704BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240704BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240704BHJP
   G08B 13/08 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
A47H5/02
E05F15/77
A47H1/04 B
H04Q9/00 301D
H04M11/00 302
G08B13/08 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019240212
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021104326
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】511002571
【氏名又は名称】池田 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】池田 茂雄
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-140649(JP,A)
【文献】実開昭58-87593(JP,U)
【文献】特開2016-59807(JP,A)
【文献】登録実用新案第3037347(JP,U)
【文献】特開2014-61254(JP,A)
【文献】特開2017-34419(JP,A)
【文献】特開2008-158707(JP,A)
【文献】特開2015-116340(JP,A)
【文献】実公昭43-9067(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00 - 99/00
E05F 15/00 - 15/79
H04Q 9/00
H04M 11/00
G08B 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って中空部を有し、該中空部を構成する一つの面が長手方向に沿って開放されたカーテンレール(102)と、
電力を供給する給電導体(126LAまたは126RA)と、
該カーテンレール(102)の長手方向に沿って別構造として取付られるように構成され、かつ該給電導体(126LAまたは126RA)が取り付けられた絶縁体を含むブラケット(104)と、
該給電導体(126LAまたは126RA)と接触するように構成された電極(110Lまたは110R)と、該電極を通して電力を供給されて正回転または逆回転するように構成された電気モーター(108)と、
ギアー機構を介して該電気モーター(108)によって該カーテンレール(102)の長手方向に沿って駆動される少なくとも4個の駆動輪(112L,112R,114L,114R)と、
カーテンの吊り下げ機構(127)とを含む可動体(106)とによって構成されたことを特長とする電動式カーテン開閉装置であって、
該ブラケット(104)は該カーテンレール(102)の横壁に長手方向に取り付けられ、
該電気モーター(108)は該カーテンレール(102)の前記中空部を構成する前記一つの面の外部に位置付けられ、
該電極(110Lまたは110R)は該給電導体に密着するようにスプリング構造を有しており、
該電気モーター(108)は交換できるように可動体(106)に組込まれ、
該電気モーター(108)は、2個のネジ(142)でモータケース(140)に取付けられ、
該モータケースは該可動体(106)に組み込まれ、
該2個のネジ(142)は該電気モーター(108)の電気端子と該電極(110Lまたは110R)と電気的導通するように取り付けられる事を特徴とする電動式カーテン開閉装置。
【請求項2】
前記ギアー機構はウオームとウオームホイールで構成され、該可動体(106)をカーテンレール(102)の長手方向に動かすために、該電気モーター(108)と4個の該駆動輪(112L,112R,114L,114R)の間に組み込まれ、
該電気モーター(108)の回転力を該駆動輪(112L,112R,114L,114R)に伝達する事を特徴とする請求項1記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項3】
該ブラケット(104)に取り付けられた該給電導体(126LAまたは126RA)が電気コネクター(230、232)によって長手方向に延長される事を特徴とする請求項1記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項4】
カーテンレール(102)の外形はほぼ円形で少なくとも外側に1個の凹状のへこみをもつ事を特徴とする請求項1記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項5】
該カーテンレールは湾曲したカーテンレール(404)であることを特徴とする請求項1記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項6】
該電動式カーテン開閉装置は両開きの電動式カーテン開閉装置(802)であり、二つのカーテンレールは各々電気的に接続されたことを特徴とする請求項1記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項7】
該電動式カーテン開閉装置を制御するコントローラ(1198)と、
インターネットに接続されたルータであり、該ルータは該コントローラ(1198)にWi-Fiあるいはブルートゥース(登録商標)を介して接続されたルータ(1190)と、
該インターネット(1197)に接続されたモバイル電話(1199)であり、該電動式カーテン開閉装置を開閉制御するアプリケーションプログラムを搭載したモバイル電話(1199)とを含むことを特徴とする請求項1記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項8】
該コントローラに電気的に接続されたセキュリティデバイスであって、
光を放射する放射装置(1192)と、
周囲の動体を検知するセンサー(1194)と、
該センサーが該動体を検知した場合に音を出力する音声デバイス(1196)と、の中から1個のデバイスを選択的に含むことを特徴とする請求項7記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項9】
該ブラケットは該カーテンレール(102)の上面に長手方向に取り付けられ、該給電導体(126LAまたは126RA)は該ブラケット(104)の下に取り付けられるように構成され、
該電気モーター(108)は該カーテンレール(102)の前記中空部を構成する前記一つの面の内部に位置付けられ、
かつ該電極(110Lまたは110R)は該給電導体(126LAまたは126RA)に接触するように構成され、
さらに該電極(110Lまたは110R)は該給電導体(126LAまたは126RA)に密着するようにスプリング構造を有している事を特徴とする請求項1記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項10】
電力を供給する該給電導体(126LAまたは126RA)は長手方向に中空構造を有する事を特徴とする請求項9記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項11】
該ブラケット(106)に取り付けられた該給電導体(126LAまたは126RA)は電気コネクター(230,232)によって長手方向に延長される事を特徴とする請求項9記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項12】
カーテンレール(602)の外形はほぼ円形で少なくとも外側に1個の凹状のへこみをもつ事を特徴とする請求項9記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項13】
該カーテンレールは湾曲したカーテンレール(404)であることを特徴とする請求項9記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項14】
該電動式カーテン開閉装置(802)は両開きの電動式カーテン開閉装置であり、
二つのカーテンレールは各々電気的に接続されたことを特徴とする請求項9記載の電動式カーテン開閉装置。
【請求項15】
該電動式カーテン開閉装置を制御する制御信号が電気的に接続されたコントローラ(1198)と、
インターネットに接続されたルータであり、
該ルータは該コントローラ(1198)にWi-Fiあるいはブルートゥース(登録商標)を介して接続されたルータ(1190)と、
該インターネット(1197)に接続されたモバイル電話(1199)であり、
該電動式カーテン開閉装置を開閉制御するアプリケーションプログラムを搭載したモバイル電話(1199)とを含むことを特徴とする請求項9記載の電動式カーテン開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカーテンレール内を走行する車輪を回転させる電動モータを内蔵する可動体を備える電動式カーテンレールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許第4791600号並びに特許第4966424号は、2つの車輪を備えるシャフトを回転させるための電気モーターを内蔵する可動体を有する電動式カーテン開閉装置を開示している。重いカーテンに使用する場合には、大きな電動モーターを交換して大きな電力を生み出す必要がある。しかし、電動モーターはレール内に設置してあるため、カーテンレールのサイズにより制限され、大規模で重いカーテンの使用には不向きである。
【先行技術文献】
【0003】
【文献】特許第4791600号
【0004】
【文献】特許第4966424号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、カーテンの重さや規模にかかわりなく、電動モーターのサイズを自由に選択でき、電動モーターを容易に交換できる特徴とともに、カーテンの規模に即した駆動力を有した電動カーテン開閉装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の電動式カーテン開閉装置の一実施例は、長手方向に沿って中空部を有し、該中空部を構成する一つの面が長手方向に沿って開放されたカーテンレール(102)と、電力を供給する給電導体(126LAまたは126RA)と、該カーテンレール(102)の長手方向に沿って別構造として取付られるように構成され、
かつ該給電導体(126LAまたは126RA)が取り付けられる絶縁体を備えるブラケット(104)と、該給電導体(126LAまたは126RA)と接触するように構成された電極(110Lまたは110R)と、該電極を通して電力を供給されて正回転または逆回転するように構成された電気モータ(108)と、ギアー機構を介して該電気モータ(108)によって該カーテンレール(102)の長手方法に沿って駆動される少なくとも4個の駆動輪(112L,112R,114L,114R)と、カーテンの吊り下げ機構(127)とを含む可動体(106)とによって構成さたことを特長とする電動式カーテン開閉装置であることを基本構造とする。
【0007】
さらに、1)カーテンレール、2)給電導体が取り付けられる絶縁体を備えるブラケット、3)ギア機構を介して可動体をカーテンレールの長手方向に移動させるための4つの駆動輪を駆動する電動モータを含む可動体、の3つの要素は電動式カーテン開閉装置用のそれぞれ分離された部品となっている。
これにより、電動カーテン開閉装置を短時間で簡単に組み立てることが可能になる。
【0008】
本発明の電動式カーテン開閉装置の他の一実施例は、該ブラケット(104)が該カーテンレール(102)の横壁に長手方向に取り付けられ、該電気モーター(108)は該カーテンレール(102)の外部に位置するように構成されていることにより、カーテンの重さや規模に対応したモーターに、レール幅の制約を受けることなく容易に交換することができる。さらに該電極(110Lまたは110R)は該給電導体に密着するようにスプリング構造を有している事を特徴とする上記の電動式カーテン開閉装置。
【0009】
また、該電気モーターは交換できるように、2個のネジでモーターケースにとりつけられ、該モータケースが該可動体に取り付けられる構成で、少なくとも1個のネジは電極と該電気モータを電気的に接続している構成されている。
【0010】
本発明の電動式カーテン開閉装置の他の一実施例は、該電動式カーテン開閉装置を制御するコントローラ(1198)と、インターネット(1197)に接続されたルータ(1190)であって、該ルータは該コントローラ(1198)にWi-Fiあるいはブルートゥースを介して接続され、該インターネット(1197)に接続されたモバイル電話(1199)であって、該電動式カーテン開閉装置を開閉制御するアプリケーションプログラムを搭載したモバイル電話(1199)とを含むことを特徴とする上記記載の電動式カーテン開閉装置。
【発明の効果】
【0011】
また、電動モーターはカーテンレールの外側に配置されるので、カーテンレールの幅の制約を受けることなく、カーテンの重さや規模に合わせ適切なモータを選択し、交換することができるので、あらゆる重さや規模のカーテンを動かすことが可能になる。
【0012】
本装置実施形態を用いることにより、電動モーターの回転動力を4つの駆動輪に伝達する歯車機構を介して4つの駆動輪の各車輪が直接駆動される4つの車輪によって可動体が移動するため、より多くの駆動力をカーテンを移動するための可動体に伝達することができる。
【0013】
また、この実施例によれば、2個のネジを使ってモータケースに入った電気モーターは可動体にとりつけられるので、必要に応じて簡単に交換ができる。
【0014】
本機構を有した複数のカーテンレールをカセット式のコネクターで即時接続することができるため、製造工程の変更を介さず、カーテンレールを延長することができる。
【0015】
また、カーテンレール、ブランケット、駆動モーターを含む可動体をそれぞれ分離させることにより、電動カーテン開閉装置を短時間で簡単に組み立てることが可能になる。
【0016】
さらに、本実施形態を用いることで、携帯電話やハンディターミナルなどのモバイル機器を使用して遠隔地から電動カーテン開閉装置の開閉機能を制御することが可能になり、ユーザーが家の外でカーテンが閉じていないことに気づいたときに役立つ。これは、セキュリティの目的にも役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】Aは本発明の第1の実施形態に係る電動式カーテン開閉装置の構成の一例を示す斜視図である。Bは、移動体の内部構成の一例を示す斜視図である。Cは、図1Aの線A-A’に沿った断面の断面図を示す。Dは、本発明の第2の実施形態に係る電動式カーテン開閉装置の構成の一例を示す斜視図である。Eは、移動体の内部構成の一例を示す斜視図である。Fは、図1Dの線B-B’に沿った断面の断面図を示す。
図2】Aは、給電導体の電気的接続とジョイントケースを示す斜視図である。Bは、電気コネクタを使用した給電導体の電気接続を示す斜視図である。
図3】移動体をカーテンレールにそって駆動する電気モータに電力を供給するための給電導体の断面図を示している。
図4】湾曲したカーテンレール内の給電導体を電気コネクタを使用し電気接続する構成を示す斜視図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係る円筒状のカーテンレールを有する電動式カーテン開閉装置の構成の一例を示す。
図6】可動体に取り付けられた固定リングを備えた円筒状のカーテンレールを有する電動式カーテン開閉装置の構成の一例を示す。
図7】片開き用のカーテンレールと給電導体を電気コネクタを使用して、延長する円形カーテンレールの接続を示す斜視図である。
図8】両開き用カーテン用のカーテンレールと給電導体を電気コネクタを使用して、延長する円形カーテンレールの接続を示す斜視図である。
図9】カーテンレールと給電導体を電気コネクタを使用して、2重カーテン用円形カーテンレール構成するための接続を示す斜視図である。
図10】本発明の第1または第2の実施形態による接続ケース上のインジケータを含む電動式カーテン開閉装置の構成の一例を示す。
図11】インターネットを介して携帯電話で制御可能な本発明の実施形態による電動式カーテン開閉装置の構成の一例を示す。
図12】携帯電話のカーテンレール制御画面の例を示す。
図13】電動カーテン開閉装置の移動体に使用される電気モータの交換構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1Aは、本発明の第1の実施形態の構成要素を示す。電動式カーテン開閉装置100は、カーテンレール102、給電導体126RAおよび126RB、または126LAおよび126LBを有する絶縁体で作られた給電導体補強部材(ブラケットとも呼ばれる)104、および可動体106で構成される。給電導体は、図1に示すように、長手方向に沿って中空構造を有する。
【0019】
可動体106は、可動体106を動かすための原動力を生成するための電気モーター108、ウォーム122およびウォームホイール130ならびに駆動輪112R、112L、114Rおよび114Lを含むギア機構を備える。ギア機構は、電気モーター108の回転力をウォーム122およびウォームホイール130を介して駆動輪112R、112L、114Rおよび114Lに伝達し、可動体106をカーテンレール102の長手方向に移動させる。電気モータ108の駆動力は、モーター軸方向に対して斜めに切削された歯形状を有するウォーム122およびウォームホイール130(本明細書ではウォームギア機構と呼ぶ)を介して駆動輪112L、112RL、114Lおよび114Rの回転軸に伝達される。これにより、可動体106がカーテンレール102の長手方向に駆動される。電気モーター108の駆動力は、ウォームホイール130、シャフト124に取り付けられたギア132を介して駆動輪114L、114Rに伝達される。そして、駆動輪112Lおよび112Rのシャフトに取り付けられた歯車132および歯車134を介して、車輪112Lおよび112Rに伝達される。その結果、電気モーター108の回転力により4つの駆動輪すべてが駆動される。この構成により、移動体106を動かす力が向上する。
【0020】
電気モーター108の電力は、ばね式接点110Lおよび110Rおよび、給電導体126RA、126RB、126LAおよび126LBを介して供給される。給電導体126RA、126RB、126LAおよび126LBは中空構造を有する。電動式カーテン開閉装置100の付属機能(後述)の制御信号を送信する信号線は、後述するこの中空構造を用いてカーテンレール102に設置される。
【0021】
電気式カーテン開閉装置100の組み立ては、給電導体が取り付けられた電源導体補強部材(ブラケット)104をカーテンレール102に組み付ける。そして、ブラケット104間に可動体106を設置する。したがって、電気カーテン開閉装置100の組み立てが簡単かつ容易になる。さらに、この実施形態では、電気モータ108の位置はカーテンレール102の中空部分の外側にある。したがって、大型の電気モーター108は、カーテンレールの機械的サイズに関係なく重いカーテンを移動するときに使用できる。言い換えれば、電気モーター108のサイズは、カーテンレール102のサイズに係わらず自由に選択することができる。
【0022】
図13は、電動式カーテン開閉装置100の可動体106に使用される電動モーター108の交換構造を示す。電動モーター108は、2本のネジ142を用いて絶縁体でできたモータケース140に取り付けられる。この実施形態では、このモータケース140は可動体106に挿入される。
【0023】
さらに、電極110Lおよび110Rは、ネジ142を使用してモータケース140に取り付けられる。電極110Lおよび110Rは、ネジ142を介して電気モータ108の電気端子(図示せず)に電気的に接続される。このネジ142は電気モータ108をモーターケース140に取り付けるだけでなく、電気モーター108に電力を供給するためにも使用される。したがって、電気モーター108は2本のネジをモータケースから取り外すことで必要に応じて容易に交換することができる。
【0024】
図1Bは、可動体106の内部構成の一例を示す斜視図である。この図において、ウォーム122およびウォームホイール130は、電気モーター108の回転動力を駆動輪112L、112R、114Lに伝達するウォームギア機構を構成する。言い換えれば、4つの駆動輪112L、112R、114L、および114Rはすべて、電気モーター108の回転力によって直接駆動され、これにより、移動体106のより安定した駆動力が得られる。駆動輪112L、112R、114Lおよび114Rの外面に沿って荒い面で作られている場合には、重いカーテンを引っ張るときに、より安定した動力を実現することができる。
【0025】
図1Cは、図1Aの線A-A’に沿った断面の断面図を示す。図1Cに示すように、電気モーター108は、長手方向に開口を有するカーテンレール102の中空構造を構成する一面の外側に配置されている。したがって、カーテンレールの機械的サイズを考慮せずにモータサイズを選択できるため、モータサイズの選択の自由度を高めることが可能になる。電動モーター108の回転力は、ウォーム122およびウォームホイール130を含むウォームギア機構を介して駆動輪112Lおよび112Rに伝達される。歯車132は、車輪112Lおよび112Rおよび車輪114Lおよび114Rの車輪軸124にそれぞれ固定されている。
【0026】
ばねタイプの接点110Lおよび110Rは、それぞれ、給電導体126LAおよび126RAと接触するように配置される。本実施形態では、バネ式の接点110L、110Rを使用しているため、電源導体126LA、126RAが給電導体補強部材(ブラケット)104に不規則に取り付けられていても、良好な電気的接触を実現できる。
【0027】
図1Dは、本発明の第2の実施形態の要素を示す。本発明の第2の実施形態に係る電動式カーテン開閉装置101は、カーテンレール102と、中空の給電導体126LA、126RAを含み、絶縁体からなる給電導体補強部材104と、可動体106から構成される。
【0028】
可動体106は、図1Aに示す可動体と同様に、可動体106をカーテンレール102の長手方向に移動させるための動力を生成する電気モーター108と、電気モータ108の回転力をウォーム122とウォームホイール130を含むウォームギア機構を介して駆動輪112R、112L、114R、114Lに伝達するギア機構によって構成される。ただし、第2の実施形態では、電気モータ108は、長手方向に開口を有するカーテンレール102の中空構造を構成する一面の内側に配置される。
【0029】
図1Aに示す駆動体106と同様に、電気モーター108の駆動力は、モーター軸方向に対して、斜めに切削された歯形のウォーム122とウォームホイール130(ウォームギア機構)を介して駆動輪112L、112RL、114L、114Rの回転軸に伝達される。これにより、可動体106は、カーテンレール102の長手方向に駆動される。
【0030】
電気モーター108の駆動力は、ウォームホイール130とシャフト124に取り付けられたギア132を介して駆動輪114L、114Rに伝達され、そしてシャフトに取り付けられた132とギア134を介してホイール112L、112Rに伝達される。その結果、電動モーター108の回転力により4つの駆動輪すべてが駆動される。この構成により、可動体106を動かす力が向上する。
【0031】
電気モーター108の電力は、ばね式接点110Lおよび110Rと給電導体126LA、126RAを介して供給される。給電導体126LA、126RAは、導体の中心に中空構造を有する。電動式カーテン開閉装置100の付属機能(後述)のための制御信号線用の配線は、この中空構造内に設置される。
【0032】
上記の要素を用いることにより、給電導体補強部材104および可動体106をカーテンレール102に取り付けることができる。第2の実施形態では、給電導体補強部材104は、カーテン内の上面に取り付けられる。したがって、給電導体補強部材104の構造は簡単な構造となる。その結果、電動カーテン開閉装置101を容易に組み立てることができる。
【0033】
図1Eは、可動体106の内部構成の一例を示す斜視図である。この図では、ウォーム122とウォームホイール130は、電気モーター108の回転動力を駆動輪112L、112R、114Lに伝達するウォームギア機構を構成する。言い換えれば、4つの駆動輪112L、112R、114L、および114Rはすべて、電動機108の回転力によって直接駆動され、これにより、移動体106のより安定した強力な駆動力が得られる。粗い表面が、駆動輪112L、112R、114L、および114Rの外面に沿って作られ、重いカーテンを引っ張るとき、図1Bに示す移動体106と同様に、より安定した電力を実現することができる。
【0034】
図1Fは、図1Dに示す線B-B’に沿った断面の断面図を示す。図1Fに示すように、本実施形態では、電動モーター108は、長手方向に開口を有するカーテンレール102の中空構造を構成する一面の内側に配置されている。電気モーター108の回転力は、ウォーム122およびウォームホイール130を含むウォームギア機構を介して駆動輪112Lおよび112Rに直接伝達される。歯車132は、車輪112Lおよび112R、ならびに車輪114Lおよび114Rのそれぞれの車輪軸124に固定される。
【0035】
ばね型タイプの接点110Lおよび110Rは、それぞれ給電導体126LAおよび126RAと接触するように配置される。この実施形態では、バネタイプの接点110Lおよび110Rを使用しているため、電源導体126LAおよび126RAが電源導体補強部材104に不規則に取り付けられていても、良好な電気的接触を実現することができる。
【0036】
図2Aは、絶縁体からなる給電導体補強部材(ブラケット)204の接続部を覆うジョイントケース250と、クランプユニット232と、給電導体226を電気的に接続するコネクタ230を示している。クランプユニット232をコネクタ230に挿入し、それらを一緒にクランプすることで電気的接続が成立する。給電導体226を含む給電導体補強部材(ブラケット)204のそれぞれは、カーテンレール(図示せず)から分離され独立した部材である。したがって、カーテンレールの長さは、必要に応じて電動式カーテン開閉装置が設置される建物の構造に合わせて簡単に調整できる。さらに、追加するレール間の接続を簡単に実行できるという利点がある。市場で入手可能な電動カーテン開閉装置には、電動カーテン開閉装置のそのような接続概念はなかった。
【0037】
図2Bは、接続導体234の両端にそれぞれ取り付けられたコネクタ230および232を使用して給電導体226を接続するための電気コネクタの別の例を示す。
【0038】
図3は給電導体326の断面図である。図に示すように、給電導体の中心部が中空構造である限り、円形、楕円形、長方形(正方形を含む)などの任意の構造を採用することが可能である。中空構造は、本発明の電動式カーテン開閉装置に使用されるランプの配線、センサ信号線の配線、給電導体など(後述)を通すための配線スペースとして使用することができる。
【0039】
図4は、本発明に係る電動式カーテン開閉装置を、図2Aに示す絶縁体からなる複数の給電導体補強部材404を接続して湾曲構造に適用した他の例を示している。給電導体補強部材404は、電動カーテン開閉装置の移動体の起動、停止、移動方向を制御するために、電気モータに印加する電圧の極性を制御するコントローラ460を備えている。ジョイントケース450は、給電導体補強部材404の接続部を覆っている。この例では、カーテンレールと可動ユニットは図示されていない。
【0040】
図5は、本発明を円筒状カーテンレール502に適用した別の実施形態を示す。給電導体526は、カーテンレール502から電気的に絶縁され,円筒状カーテンレール502の中空構造の下部に設置される。可動体506は、電気モータ508、駆動輪512を備える。電気モーター508の回転力は、ウォーム522、ウォームホイール530、およびギア532を介して駆動輪512に伝達される。駆動輪512は、円筒状カーテンレール502の下部に設けられた突起の上面に接触しており、吊り金具527に吊り下げられたカーテンは、電気モーター508の回転力により移動する。
【0041】
この実施形態では、電動モーター508は、円筒形カーテンレールの中空部分の外側に配置される。したがって、カーテンの重さに応じて電気モータのサイズを選択する自由度が増す。電気モーター508の駆動力は、ウォームホイール530およびシャフト524に取り付けられたギア532を介して駆動輪512に伝達される。ガイド溝540は、円筒形カーテンレール502の上部に設けられ、ガイド溝542は円筒形カーテンレール502の両脇に設けられる。これらの溝540および542に、移動体506に固定された固定リング670(図6参照)の上部および両側に設けられた突起を挿入することにより、可動体506の安定した移動ができるようになる。これらは後で説明する。
【0042】
図6は、円筒形カーテンレール602に取り付けられた可動体606に固定された固定リング670を示す。さらに、移動リング680が円筒形カーテンレール602に取り付けられている。カーテンの上部(図示せず)は移動体606に取り付けられているフック627に吊り下げられている。後続のカーテン(図示せず)の上部は、移動リング680によって吊り下げられている。固定リング670は、移動体606に固定されている。したがって、移動体606の動きに応じてカーテンを開閉することができる。本実施形態に示すように、本発明の電動式カーテン開閉装置は、円筒形カーテンレールにも適用できる。
【0043】
図7は、図2Aおよび図2Bに示す給電導体226の接続方法を適用して、複数の円筒状カーテンレール702および704を直列に接続することにより、片開カーテンレールを構成する例を示している。この方法により、実際の状況に応じてカーテンレールの長さを調整することができる。
【0044】
図8は、独立したカーテンレール802を接続して、2つのカーテンを異なる方向に開閉するための両開カーテンレールを形成する例を示している。
【0045】
図9は、二重カーテンレール902を示す。一方のカーテンレールは薄いカーテン用であり、他方はわずかに厚いカーテン用である。本発明の実施形態は、各カーテンを独立して制御するカーテンレールに適用される。可動ユニットは、図7-9には示されていない。
【0046】
図10Aは、1つのカーテンレール1002に2つの可動体1006が取り付けられた電動式カーテン開閉装置を構成する実施形態を示している。移動体1006の上部にはLED(発光装置)1092が取り付けられており、移動体が移動すると、コントローラ1060はLED1092を点灯または点滅させるように構成されている。
【0047】
図10Bは、コントローラ1060からの制御信号をLED1092に接続するための構成を示している。図10Bは、制御信号線1028が給電導体1026の中空部分を通過する例を示す。給電導体1026と制御信号線1028は、絶縁体(不表示)
によって電気的に分離されている。この例では、コントローラー1060からLED1092への制御信号は、制御信号線1028を介して、バネ式接点1012を介して送信される。
【0048】
一方、電気モータの電力は、給電導体1026からバネ式接点1010を介して供給される。なお、本実施形態では、制御信号線1028の数は1本であるが、本発明は、これに限らず、複数の制御信号線を給電導体1026の中空部内に配置することができる。本実施形態では、断面が円形の給電導体1026および制御信号線 1028を例示したが、断面は矩形であってもよい。コントローラ1060は、遠隔制御ユニット(図示せず)またはインターネットを介して携帯電話にリンクされる。ユーザーは、リモコンまたは携帯電話を使用してカーテンを開閉る構成となっている(これは後に説明する)。
【0049】
図11は、本発明の別の実施形態を示している。この実施形態は、インターネット1197を介して遠隔地から携帯電話1199によって制御することができる電動式カーテン開閉装置のためのシステムを例示する。可動体1106は、インターネット1197およびコントローラ1198を介して携帯電話1199から制御で移動するように構成される。本実施形態では、カーテン(図示せず)を開閉する可動体1106は、前述の供給導体1126を介して供給される供給電力の極性に応じて、可動体1106内の電気モータ(図示せず)の回転方向に応じて左右に移動する。コントローラ1198は、可動体1106の動きを制御し、ランプ1192をオンおよびオフし、センサ1194の周りの移動物体を検出するセンサ1194からセンサ信号を受信し、音声出力装置1196を通じて音声信号を出力するように構成される。
【0050】
携帯電話1199は、インターネット1197に接続されている。コントローラ1198は、インターネット1197にリンクされているモデム/ルータ1190にWi-FiまたはBluetoothネットワークを介してリンクされる。本実施形態によれば、遠隔地からの携帯電話1199でカーテンの開閉を制御することができる。また、カーテンの状態(開閉の状態)を携帯電話1199で確認することができる。本実施形態によれば、センサ1194周辺の移動物体が検出された場合に携帯電話1199に緊急を通知できる。さらに、センサ1194の周囲の移動物体がセンサ1194によって検出されたときに、警報音を音声出力装置1196から出力するように構成することができる。
【0051】
標準アプリケーションソフトウェアには、このシステムで使用できるアップルホームキット(登録商標)またはグーグルアシスト(登録商標)などのホームコントロールアプリケーションが含まれる。これらの汎用アプリケーションをサポートするコントローラー1198、電動式カーテン開閉装置は、ユーザーの携帯電話を使用して自宅から離れた場所からも制御できる。例えば、セキュリティシステムは、外部から動いている物体を検出するセンサー1190をオンにすることで操作できる。または、カーテンを開閉することで部屋の温度を調整が可能である。
【0052】
図12は、図11に示す電気カーテン開閉装置の制御部1198を制御する携帯電話1199の画面上の制御画面の一例を示している。この例では、電動式カーテン開閉装置であって、左右の独立したカーテンレール(左カーテンと右カーテン)が取り付けられているものとする。制御対象としてのカーテンが選択され、制御カーテンの開閉/停止、電動式カーテン開閉装置に関連するセキュリティシステムのオン/オフ、カーテンレールに設けられたLEDランプのオン/オフ、警報システムのオン/オフオンなどのボタンが提供される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13