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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】風力発電用の風車構造
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/04 20060101AFI20240704BHJP
   F03D 80/00 20160101ALI20240704BHJP
【FI】
F03D3/04
F03D3/04 B
F03D80/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020065379
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021161964
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】521547611
【氏名又は名称】サンパワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 尊之
(72)【発明者】
【氏名】内山 久和
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-101756(JP,A)
【文献】特開2002-339853(JP,A)
【文献】特開昭57-032075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 3/04
F03D 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直軸垂直翼の風車と、
集風装置とを有し、
前記集風装置は、前記風車に対して風の上流に配置されることによって前記風を前記風車へ誘導する風向板を備え、
前記風向板は、左面と、右面と、その間に設けられた窓とを有し、
前記左面と、前記右面と、前記窓とが面一になっており、
前記風向板は、前記風車の軸心周りに回転可能であり、
前記風向板は、鉛直方向に延びる平板であり、
前記風向板は、枠体と、前記枠体内に収容される板本体とを備え、
前記板本体は、回転可能であ
風力発電用の風車構造。
【請求項2】
前記風向板は、鉛直方向に延びる平板であり、
前記風向板は、枠体と、枠体内に収容される板本体とを備え、
前記板本体は、ソーラーパネルである、
請求項1記載の風車構造。
【請求項3】
前記風向板は、窓の周りに上面および/または下面をさらに有する、
請求項1または2記載の風車構造。
【請求項4】
前記集風装置は、前記風向板と前記風車とを連結する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記風車に回転支持される回転部と、前記回転部から風向板に延びる連
結アームとを備えた、
請求項1から3のいずれかに記載の風車構造。
【請求項5】
前記風車は、フレームと、そのフレームに支持される羽根車とを有し、
前記風向板は、前記フレームに回転支持される、
請求項1から4のいずれかに記載の風車構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電用の風車構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題や安全性の問題から風力発電への関心が高まっている。このような風力発電用の風車として、垂直軸垂直翼型の風車が知られている。例えば、特許文献1には、垂直軸垂直翼型の風車の羽根支持構造が開示されている。
この垂直軸垂直翼型の風車は、風向きに応じて風車の方向を制御する必要がなく風向きに関係なく回転させることができる。また、重さのある発電機等を地上近くに設けても回転エネルギーの伝達機構を簡単な構造にできるという利点を有している。一方、垂直軸垂直翼型の風車は、水平軸型の風車に比べて回転を始動させるのに大きなエネルギーを必要とするという課題がある。
【0003】
そこで垂直軸垂直翼型の風車へ風を効率よく集める集風機構の研究が進められている。
特許文献2には、垂直軸型風車の上側に設けられた上側集風板と、垂直軸型風車の下側に設けられた下側集風板と、垂直軸型風車の外周に設けられた外周側集風板とを備えている集風装置が開示されている。上側集風板および下側集風板は、その間隙が風車の外側から内側に向けて縮小するように上下に傾斜させている。また外周側集風板は、風車から等間隔に放射状に設けられている。つまり、隣り合う外周側集風板の間隙が風車の外側から内側に向けて縮小するように配置されている。このように特許文献1には、インレットで風を集め、アウトレットで風を拡散する風レンズ型の集風機構が90度間隔で放射状に設けられた集風装置が開示されている。
非特許文献1には、鉛直方向に延びる平板形状の付加物を風車の上流側に設置したとき、いわゆる風レンズ型の集風機構に比べて、大きな出力を得られることができたとの報告がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開WO2003/067079
【文献】特開2017-15094号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】「周辺付加物による垂直軸型風車の発電性能向上に関する研究」/渡邉 康一、九州大学学術情報リポジトリ、平成29年1月(http://doi.org/10.15017/1807033)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2の集風装置は、風レンズ型の集風機構を90度間隔に放射状に設けているが、自然風はあらゆる方向から吹いてくるものである。この場合、各集風機構が真正面から風を受ける場合と、それ以外とでは効率は変わってくる。非特許文献1は、一方向からの風について集風効果を検討するものである。
本発明は、あらゆる方向から吹かれる風を効率良く受けることができる風力発電用の風車構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の風力発電用の風車構造は、垂直軸垂直翼の風車と、集風装置とを有し、前記集風装置は、前記風車に対して風の上流に配置されることによって前記風を前記風車へ誘導する風向板を備え、前記風向板は、前記風車の軸心周りに回転可能であることを特徴としている。
このように風を風車に誘導する風向板を風車の軸心周りに回転自在とすることにより、あらゆる方向から吹かれる風を効率よく風車に誘導することができる。
【0008】
本発明の風力発電用の風車構造であって、前記風向板は、鉛直方向に延びる平板であり、前記風向板は、枠体と、その枠体内に収容される板本体とを備え、前記板本体は、ソーラーパネルであるものが好ましい。
本発明の風力発電用の風車構造であって、前記風向板は、鉛直方向に延びる平板であり、前記風向板は、枠体と、その枠体内に収容される板本体とを備え、前記板本体は、回転可能であるものが好ましい。
【0009】
本発明の風力発電用の風車構造であって、前記集風装置は、前記風向板と前記風車とを連結する支持部材を備え、前記支持部材は、前記風車に回転支持される回転部と、前記回転部から風向板に延びる連結アームとを備えたものが好ましい。
【0010】
本発明の風力発電用の風車構造であって、前記風車は、フレームと、そのフレームに支持される羽根車とを有し、前記風向板は、前記フレームに回転支持されるものが好ましい。
【0011】
本発明の風車構造は、自然風に対して効率よく風を風車に誘導することができるため、回転効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1aから図1cは、それぞれ本発明の風力発電用の風車構造の実施形態を示す正面図、側面図、平面図である。
図2図2a、bはぞれぞれ風車構造の風車を示す平面図、側面図であり、図2c、d、eはそれぞれ風車のフレームを示す正面図、平面図、A-A線断面図であり、図2f、g、hはそれぞれ風車の羽根車を示す平面図、側面図、回転面の概略図である。
図3図3aから図3cはそれぞれ風車構造の集風装置の正面図、側面図、平面図である。
図4図4aから図4cは、それぞれ集風装置の風向板のソーラーパネルを90度回転させたときの状態を示す正面図、側面図、平面図である。
図5図5aから図5eは、それぞれ他の実施形態を示す図面である。
図6図6a、bはそれぞれ他の実施形態を示す側面図、平面図であり、図6c、dはそれぞれ他の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1a、b、cの風車構造1は、垂直軸揚力型の風車100と、集風装置200とを有し、風車100はフレーム10に支持される羽根車20を備え、集風装置200は風車100に対して風の上流に配置されることによって風を風車100へ誘導する風向板210を備えている。風向板210は、風車100と、風車100の軸心周りに回転自在に連結されている。この風車構造1を発電機と連結することにより風力発電装置として使用できる。
【0014】
風車100は、図2a、bに示すように、フレーム10と、そのフレームに回転自在に取り付けられる羽根車20とを有する。
【0015】
フレーム10は、図2c、d、eに示すように、上下方向に延びる3本の柱11と、それらの柱を円周方向等間隔に連結する2つの環状の連結部材12とを備えている。
連結部材12は、ボス13と、そのボス13から放射状に延びる3本のスポーク14と、それらのスポーク14の端部をつなぐリング15とを備えている。ボス13には、羽根車20を回転自在に支持する軸受け13aが設けられている。この連結部材12は、軸受け13aが相対するように柱11の上端および中部に配置されている。つまり、羽根車20は、上方が解放されつつ、2つの連結部材12の間に収容される。また上側の連結部材12のボス13の上面には、後述する集風装置200を回転自在に支持する支軸50が設けられている。
【0016】
羽根車20は、図2f、g、hに示すように、上下に延びる回転軸21と、その回転軸21から放射状に延びる支持アーム22と、その支持アームの先端に固定される縦ブレード23とを備えている。回転軸21、支持アーム22、縦ブレード23は一体化されている。回転軸21は、フレーム10の軸受け13aに支持させることによってフレーム10に回転自在に取付けられる。この回転軸21の回転力を発電機(図示せず)に伝えることにより、風力発電装置となる。
【0017】
支持アーム22は、回転軸21の上部および下部から3本ずつ放射状に延びている。しかし、その本数は特に限定されるものではない。
縦ブレード23は、上下の支持アーム22によって支持されており、回転軸21と平行に3本設けられている。この縦ブレード23の数は、特に限定されるものではないが、例えば、2個から6個が好ましく、特に、2個から3個が好ましい。縦ブレードの形状は、風車が風車の軸に対して垂直な風を受けたときに、円周方向等間隔に設けられた複数の縦ブレードに生ずる力の合力が上から見たときに時計方向(図2hのM方向)または反時計方向のモーメントを生じるようなものであれば、その形状は特に限定されるものではない。
本明細書において、羽根車の幅Dは、この縦ブレードの回転面の直径をいい、羽根車の高さHは、縦ブレードの高さをいう。
【0018】
集風装置200は、図3a、b、cに示すように、平板状の風向板210と、その風向板210をフレームに対して回転自在に支持する支持部材220とを有する。そして、風車100の上方を開放している。
【0019】
風向板210は、風車に対して風の上流に配置されることによって風を風車へ誘導する平板状のものである。枠体211と、その枠体内に嵌め込まれるソーラーパネル212とから構成されている長方形状のものであり、中央に窓215を有する。この風向板210は、鉛直方向に延びるように配置される。
枠体211は、左側枠体211aと、右側枠体211bと、上側枠体211cと、下側枠体211dと、それらの枠体によって囲まれる窓215とを有する。また下側枠体211d以外の各枠体の左右枠の内側中心には、点線で示すように軸受け217が設けられている。なお下側枠体211dは、左右枠の内側下端に軸受け(図示せず)が設けられている。また下側枠体211dの下端には車輪218が設けられている。また図3cの想像線に示すように、円状のレール250を設けてもよい。
ソーラーパネル212は、左側枠体211aに取り付けられる左側パネル212aと、右側枠体211bに取り付けられる右側パネル212bと、上側枠体211cに取り付けられる上側パネル212cと、下側枠体211dに取り付けられる下側パネル212dとを有する。下側パネル212d以外の各パネルの両側中心には、各枠体の軸受けに挿入される軸芯(図示せず)が突出して設けられている(図3dの左側枠体211a参照)。下側パネル212dは、両側の下端に軸心(図示せず)が設けられている。
【0020】
このように風向板210のソーラーパネル212は構成されているため、図4a~図4cに示すように、各パネル212a~212dは、各枠体211a~211dに対して水平軸と平行な各パネルの軸芯周りに回転可能となっている。図4bのL1、L2、L3は、それぞれパネル212a、212c、212dの回転軌跡を示す。このように構成されているため、風が止んでいる、または、風が十分に吹いていないとき、各パネルが太陽に向くように回転させ、太陽エネルギーによる発電が可能である。さらに、暴風のときは、各パネルを水平にする(各パネルを風に対して垂直にする)ことにより、パネルが風に飛ばされたり、損傷したりすることから防止できる。なお、ここでは各パネルは水平軸の周りに回転可能としているが、上下軸周りに回転可能としてもよい。
【0021】
図3に戻って、窓215の幅Xは、羽根車の幅Dに対して、D<X<1.2D、好ましくは、D<X<1.1Dであり、特に好ましくはX≒D(実質的に同じ)である。窓205の高さYは、羽根車の高さHに対して、H<Y<1.2H、好ましくは、H<Y<1.1Hであり、特に好ましくはY≒H(実質的に同じ)である。
【0022】
枠体211の左側枠体211aおよび右側枠体211bは、同じ幅X1を有している。その幅X1の下限は、0.5D以上、好ましくは、0.8D以上、特に好ましくはD以上である。これにより、効率よく風を窓215に誘導し、かつ、左右面に衝突して左面または右面の外側から流れ込む乱れた風が、風車へと流れていくことを防止する。なお、幅X1が2Dより大きい場合、風車に対して集風装置が大きくなりすぎるため、好ましくない。
枠体211の上側枠体211cの高さ位置は、上側枠体211cの下端と羽根車20の上端とが実質的に同じあるいは上側枠体211cの下端が若干高い。上側枠体211cの高さ幅Y1の下限は、0.5D以上、好ましくは、0.8D以上、特に好ましくはD以上である。これにより、効率よく風を窓215に誘導する。なお、幅Y1が2Dより大きい場合、風車に対して集風装置が大きくなりすぎるため、好ましくない。
枠体211の下側枠体211dの高さ位置は、下側枠体211dの上端と羽根車20の下端とが実質的に同じあるいは下側枠体211dの上端が若干低い。下側枠体211dの高さ幅Y2の下限は、特に限定されるものではないが、0.5D以上、好ましくは、0.8D以上、特に好ましくはD以上である。そして、幅Y2の上限は、2D以下である。なお、窓215の上側枠体211cおよび下側枠体211dの幅は同じが好ましい。
【0023】
支持部材220は、図3cに示すように、フレームの支軸50に対して回転する回転部221と、その回転部221から風向板210の枠体211に延びる連結アーム222とを有する。この実施形態は、連結アーム222を計4本有する。
この支持部材220によって、風向板210の幅の中心Oは、フレームの連結部材12の外周を回転する。つまり、風向板210を回転させることにより、風向板210を常に風車100より風の上流側に位置することができる。距離Zは風向板210の回転に邪魔にならなければ、近いほどよい(図3c参照)。一方、距離Zが離れすぎていると、風向板210の窓の効果が薄れる。例えば、風向板210とフレームとの距離Zは、0<Z<0.5D、0<Z<0.2D、特に0<Z<0.1D、実質的にZ=0とするのが好ましい。
【0024】
このように構成された風車構造1は、風が吹いているとき、風向板210を平板状にして使用する。つまり、風向板210は受けた風を窓215に集める。これにより風車を効率よく回転させることができる。特に、集風装置200は、風の向きに応じて風向板をフレームに対して回転させることができ、風向板を風車に対して風の上流側に配置させることができる。よって、様々な風に対応して風エネルギーを効率よく利用することができる。
一方、風が止んでいるとき、あるいは、風が十分に吹いていないとき、風向板210は、各ソーラーパネルが太陽へと向くように、図3cのように風向板210を風車の軸心周りに回転させ、かつ、図4bのようにソーラーパネル212の各パネルを枠体211の各枠体の軸心周りに回転させることによって、太陽エネルギーを効率よく取得することができる。
さらに、暴風のときは、各パネルを水平にする(各パネルを風に対して垂直にする)ことにより、全体のシステムを停止させ、パネルが風に飛ばされたり、損傷したりすることから防止できる。
【0025】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
風車は、垂直軸垂直翼型のものであれば、その構造は特に限定されるものではない。例えば、フレームを備えず、固定された回転軸と、その周りに回転する羽根車とから構成されていてもよい。
【0026】
風車のフレームについて、上記の実施形態のフレームは、3本の柱11と、2個の連結部材12とから構成されているが、羽根車20の上方が解放されており、羽根車20を回転自在に支持するものであれば、その構造は特に限定されるものではない。一方、複数本の柱と、それらの柱を円周方向等間隔に連結するものは、強度が保てて好ましい。例えば、図5aに示すように、3本の柱11と、1個の連結部材12と、下端に軸受け13aとを有するフレーム10や、図5bに示すように、柱11と連結する補強リング70を風車の高さに応じて1個または複数個設けてもよい。さらに、図5cに示すように、複数個の羽根車20を上下に収容できるようにしてもよい。その場合、上下端の連結部材以外の連結部材12aは、上下面に軸受けを設けるのが好ましい。また例えば、連結部材12のリング15は、環状であれば、円形でなくても、正多角形であってもよい。
【0027】
風車の羽根車について、回転軸と縦ブレードとの間を支持アーム22で連結していたが、支持アーム22の代わりに、羽根車20が回転したときに上向きの揚力が働くような横ブレードを用いてもよい。また羽根車20は、回転軸21を回転させているが、フレームに固定された軸の周りを回転する構造としてもよい。
【0028】
集風装置の風向板について、風車に対して風の上流に配置されることによって風を風車へ誘導するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、図6a、図6bの風車構造1Aのように、集風装置200Aの風向板210Aは、風車100の上方および下方に設けず、左側板210A1および右側板210A2からなっている。この場合、左側板210A1および右側板210A2は支持部材220によって連結されている。しかし、左側板210A1および右側板210A2との間に連結部を設けてもよい。また、図5dに示すように、風車の下方のみ板を設けない風向板210Cであってもよい。そして、図5cのように上下に羽根車20が設けられた多段式の風車に対しては、図5eに示すように、風向板210も多段式にするのが好ましい。しかし、一番上の風車のみに風向板の上面を設け、下側の風車に対しては左右面だけとなるようにしてもよい。さらに、図6cの風車構造1Bおよび図6dの風車構造1Cのように、上流から風車に向かう風の密度を高めるように、風の向きに対して傾斜させた一対の平板(210B1および210B2)または湾曲板(210C1および210C2)からなる風向板210B、210Cであってもよい。
【0029】
集風装置の風向板の枠体について、上記実施形態では、上下左右に分割しているが、その分割形状は特に限定されない。また各枠体に、ソーラーパネルをはめ込んでいるが、枠体の少なくとも1個にソーラーパネルを回転可能に嵌め、他の枠体には通常のパネルを回転しないように固定してもよい。例えば、左右枠体にソーラーパネルをはめ込み、上下枠体には通常のパネルを固定してもよい。またソーラーパネルを用いずに、すべてを通常のパネルにしてもよい。この場合、通常のパネルは固定しても、回転可能にしてもよい。
【0030】
集風装置の支持部材について、支持部材の構造は、風向板210をフレーム10に対して回転自在に支持するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、回転部221は、フレーム10の上端に設けられた支軸50に支持されているが、フレーム10の上側の連結部材12の上面に回転自在に支持させてもよい。一例として、連結部材12の上面に環状のレールを設け、回転部221の下面にそのレールと移動自在に係合する車輪を設けたりすることが考えられる。
また上記実施形態では、支持部材220をフレームの上端のみに設けていたが、上下風車を挟むように2個以上取り付けてもよい。また集風装置を独立して回転させてもよい。さらに、フレームと集風装置とを一体化させて、フレームと一体に回転するようにしてもよい。
【0031】
上述したように、風車構造は、発電機に取り付けることにより、風力発電装置となる。またここでは図示していないが、風の向きに応じて風向板210の位置を計算する計算装置と、その計算に基づいて回転部221を回転させる駆動装置とを設けることにより、一層、効率よく風力発電装置として作動させることができる。
【符号の説明】
【0032】
1、1A、1B、1C 風車構造
10 フレーム
11 柱
12、12a 連結部材
13 ボス
13a 軸受け
14 スポーク
15 リング
20 羽根車
21 回転軸
22 支持アーム
23 縦ブレード
50 支軸
70 補強リング
100 風車
200、200A 集風装置
205 窓
210、210A、210B、210C 風向板
210A1、210B1、210C1 左側板
210A2、210B2、210C2 右側板
211 枠体
211a 左側枠体
211b 右側枠体
211c 上側枠体
211d 下側枠体
212 ソーラーパネル
212a 左側パネル
212b 右側パネル
212c 上側パネル
212d 下側パネル
215 窓
218 車輪
220 支持部材
221 回転部
222 連結アーム
250 レール
図1
図2
図3
図4
図5
図6