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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】縦型製袋充填包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/093 20120101AFI20240704BHJP
   B65B 39/02 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
B65B9/093
B65B39/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020159532
(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公開番号】P2022052976
(43)【公開日】2022-04-05
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 康裕
(72)【発明者】
【氏名】梓澤 祐
(72)【発明者】
【氏名】野並 結衣子
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-256307(JP,A)
【文献】特開2016-169037(JP,A)
【文献】特開2007-030888(JP,A)
【文献】特開平03-014407(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108674708(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/093
B65B 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填筒の上端または上方に配置され計量機の計量機用ホッパから落下される製品を受けて前記充填筒の内部に案内する充填筒用ホッパを備えた縦型製袋充填包装機であって、
前記充填筒は、縦シール装置がその周囲に配置された充填筒本体と、前記充填筒本体の上端に接続され水平面で切断した断面形状が上方に至るにつれて次第に大きくなる拡径部とを備え、
前記充填筒用ホッパの内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかなホッパ傾斜面が形成され、
平面視した場合、前記充填筒用ホッパの下端開口は、前記拡径部の上端開口内に位置し、かつ、前記充填筒本体の軸心の延長上に前記ホッパ傾斜面が位置し、
前記充填筒用ホッパは前記縦型製袋充填包装機の機体に対して、前記充填筒用ホッパの下端開口が前記拡径部の上端開口内に位置し、かつ、前記充填筒本体の軸心の延長上に前記ホッパ傾斜面が位置する第1位置と、前記充填筒用ホッパの下端開口の軸心と前記充填筒本体の軸心とが合致する箇所に位置する第2位置とに選択的に取り付け可能である、
ことを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項2】
前記充填筒用ホッパは前記機体に対して取り付けられるフランジを有し、
前記充填筒用ホッパが前記第1位置に位置した状態で前記フランジを前記機体に取り付ける第1ねじ孔と、前記第2位置に位置した状態で前記フランジを前記機体に取り付ける第2ねじ孔とが前記機体に設けられ、
前記フランジには、第1ねじ孔および第2ねじ孔に螺合可能なねじの挿通可能とした長孔が設けられている、
ことを特徴とする請求項記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項3】
前記拡径部の内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかな充填筒傾斜面が形成され、
前記充填筒用ホッパが前記第1位置に取り付けられた状態で、前記充填筒用ホッパの下端開口の軸心の延長上に前記充填筒傾斜面が位置している、
ことを特徴とする請求項または記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項4】
前記充填筒傾斜面とこの充填筒傾斜面に対向する前記拡径部の内周面との間の寸法は、それら充填筒傾斜面と前記拡径部の内周面とが対向する方向と直交する方向において互いに対向する前記拡径部の内周面間の寸法よりも大きく、
前記拡径部は、平面視細長の形状を呈している、
ことを特徴とする請求項3記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項5】
前記充填筒傾斜面に対向する前記拡径部の箇所に、鉛直方向に対する傾斜が前記充填筒傾斜面よりも小さく前記充填筒傾斜面を除いた残りの内周面よりも鉛直方向に対する傾斜が大きい充填筒内周面が形成されている、
ことを特徴とする請求項記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項6】
前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面とが対向する方向と直交する方向において互いに対向する前記拡径部を構成する内周面間の寸法は、前記直交する方向における前記充填筒本体の内周面間の寸法と等しい、
ことを特徴とする請求項記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項7】
前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面の任意の箇所を水平面で切断した形状は、それぞれ円弧状または楕円状を呈している、
ことを特徴とする請求項記載の縦型製袋充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は縦型製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型製袋充填包装機は、充填筒用ホッパ、充填筒、フォーマ、フィルム供給機構、フィルム送り機構、縦接合部、横接合部などを含んで構成され、計量機の計量機用ホッパから計量された製品が、縦型製袋充填包装機の充填筒の上端の充填筒用ホッパに落下投入される。
縦型製袋充填包装機では、フィルム供給機構により供給されるフィルムが、フィルム送り機構により間欠的に下方に送られることでフォーマ、充填筒、縦接合部によりフィルム筒状体とされ、充填筒用ホッパに供給された製品は充填筒の内部を落下し、横接合部で下端がシールされたフィルム筒状体に収容され、この製品が収容されたフィルム筒状体の上端を横接合部でシールすると共に切断し、製品が収容された包装袋をフィルム筒状体から切り離し、このようにして製品が包装袋に収容された包装商品を連続的に製造している。
一方、製品の性状や形状によっては、計量機から充填筒の上端の充填筒用ホッパ内に落下された製品が塊となり、充填筒用ホッパの下端開口で詰まり、所定量の製品が包装袋に収容されない。この場合には、内容量の少ない包装商品が製造され、また、計量機用ホッパから充填筒用ホッパ内に製品が落下される次の工程ではこの詰まった製品が充填筒の内部に落下して内容量が多すぎる包装商品が製造されるなどの不具合が生じる。
【0003】
そこで、従来では充填筒用ホッパ内での製品の詰まりを防止するため、内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかなホッパ傾斜面が形成された充填筒用ホッパが提案されている。
この充填筒用ホッパは、計量機用ホッパからの製品をホッパ傾斜面上で受け、塊にならないようにホッパ傾斜面により製品を分散させ、充填筒用ホッパの下端開口での製品の詰まりを防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-108174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、製品詰まりの虞のない製品の包装商品を製造する場合、縦型製袋充填包装機は、計量機用ホッパの軸心と、充填筒用ホッパの軸心とが合致するように計量機と縦型製袋充填包装機とが設置されている。
したがって、製品詰まりし易い製品の包装商品を製造する際に上述のホッパ傾斜面を有する充填筒用ホッパを用いる場合には、平面視した場合、計量機用ホッパの軸心がホッパ傾斜面を通るように計量機および縦型製袋充填包装機を設置する必要があり、計量機に比べて軽量な縦型製袋充填包装機を、計量機用ホッパの軸心と、充填筒用ホッパの軸心が合致する箇所から移動させることが行なわれている。
しかしながら、縦型製袋充填包装機を移動する作業は、計量機に比べ縦型製袋充填包装機が軽量であるものの1トン以上あるため、例え数cmであっても大きな労力を要し手間ひまの掛かる作業となっていた。
また、ホッパ傾斜面を有する充填筒用ホッパを用いた場合、塊にならないようにホッパ傾斜面により製品を分散させることから、ホッパ傾斜面を有していない充填筒用ホッパを用いた場合に比べ、充填筒用ホッパから、下端がシールされたフィルム筒状体に製品が落下するまでに時間が掛かる。
そこで、製品詰まりし易い製品から製品詰まりの虞のない製品の包装商品に切り換える場合、製造効率を高めるため、再度、手間ひまの掛かる縦型製袋充填包装機を移動する作業が行なわれ、何らかの改善が求められていた。
【0006】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであった、本発明の目的は、充填筒の上端のホッパ内での製品の詰まりを防止しつつ、製品詰まりし易い製品の包装商品の製造を、計量機に対して縦型製袋充填包装機を移動することなく行なえ、製品詰まりし易い製品および製品詰まりの虞のない製品の包装商品の製造を効率良く行なう上で有利な縦型製袋充填包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため本発明の一実施の形態は、充填筒の上端または上方に配置され計量機の計量機用ホッパから落下される製品を受けて前記充填筒の内部に案内する充填筒用ホッパを備えた縦型製袋充填包装機であって、前記充填筒は、縦シール装置がその周囲に配置された充填筒本体と、前記充填筒本体の上端に接続され水平面で切断した断面形状が上方に至るにつれて次第に大きくなる拡径部とを備え、前記充填筒用ホッパの内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかなホッパ傾斜面が形成され、平面視した場合、前記充填筒用ホッパの下端開口は、前記拡径部の上端開口内に位置し、かつ、前記充填筒本体の軸心の延長上に前記ホッパ傾斜面が位置していることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記充填筒用ホッパは前記縦型製袋充填包装機の機体に対して、前記充填筒用ホッパの下端開口が前記拡径部の上端開口内に位置し、かつ、前記充填筒本体の軸心の延長上に前記ホッパ傾斜面が位置する第1位置と、前記充填筒用ホッパの下端開口の軸心と前記充填筒本体の軸心とが合致する箇所に位置する第2位置とに選択的に取り付け可能であることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記充填筒用ホッパは前記機体に対して取り付けられるフランジを有し、前記充填筒用ホッパが前記第1位置に位置した状態で前記フランジを前記機体に取り付ける第1ねじ孔と、前記第2位置に位置した状態で前記フランジを前記機体に取り付ける第2ねじ孔とが前記機体に設けられ、前記フランジには、第1ねじ孔および第2ねじ孔に螺合可能なねじの挿通可能とした長孔が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記拡径部の内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかな充填筒傾斜面が形成され、前記充填筒用ホッパが前記第1位置に取り付けられた状態で、前記充填筒用ホッパの下端開口の軸心の延長上に充填筒傾斜面が位置していることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記充填筒傾斜面とこの前記充填筒内周面に対向する前記拡径部の内周面との間の寸法は、それら充填筒傾斜面と前記拡径部の内周面とが対向する方向と直交する方向において互いに対向する前記拡径部の内周面間の寸法よりも大きく、前記拡径部は、平面視細長の形状を呈していることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記充填筒傾斜面に対向する前記拡径部の箇所に、鉛直方向に対する傾斜が前記充填筒傾斜面よりも小さく前記充填筒傾斜面を除いた残りの内周面よりも鉛直方向に対する傾斜が大きい充填筒内周面が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面とが対向する方向と直交する方向において互いに対向する前記拡径部を構成する内周面間の寸法は、前記直交する方向における前記充填筒本体の内周面間の寸法と等しいことを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記充填筒傾斜面と前記充填筒内周面の任意の箇所を水平面で切断した形状は、それぞれ円弧状または楕円状を呈していることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、充填筒の上端または上方に配置され計量機の計量機用ホッパから落下される製品を受けて前記充填筒の内部に案内する充填筒用ホッパを備える縦型製袋充填包装機であって、前記充填筒は、充填筒本体と、前記充填筒本体の上端に接続され水平面で切断した断面形状が上方に至るにつれて次第に大きくなる拡径部とを備え、前記拡径部の内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかな充填筒傾斜面が形成され、前記充填筒傾斜面とこの前記充填筒内周面に対向する前記拡径部の内周面との間の寸法は、それら充填筒傾斜面と前記拡径部の内周面とが対向する方向と直交する方向において互いに対向する前記拡径部を構成する内周面間の寸法よりも大きく、前記拡径部は、平面視細長の形状を呈していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施の形態によれば、充填筒の上端に拡径部を設け、充填筒用ホッパにホッパ傾斜面を設けたので、計量機用ホッパから充填筒用ホッパ内に落下投入される製品は、緩やかな傾斜のホッパ傾斜面により塊にならないように製品が分散され、製品は分散された状態で拡径部を通って充填筒本体の内部を下方に落下する。
したがって、性状や形状により製品詰まりし易い製品の場合であっても、計量機用ホッパの軸心に充填筒の軸心を合致させて配置された縦型製袋充填包装機を移動させることなく、所定量の製品が包装袋に収容された包装商品を製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、充填筒用ホッパは第1位置と第2位置とに選択的に取り付け可能であるため、製品詰まりし易い製品の場合には、充填筒用ホッパを第1位置とし、製品詰まりの虞のない製品の場合には、充填筒用ホッパを第2位置とすることで、縦型製袋充填包装機を移動させることなく、所定量の製品が包装袋に収容された包装商品を製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上で有利となる。
この場合、天板に長孔を設けると、天板に設けるねじ孔の個数を最小限にでき、縦型製袋充填包装機のコストダウンを図る上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、拡径部に充填筒傾斜面を設けたので、充填筒用ホッパから落下した製品は拡径部において充填筒傾斜面に当たり、再度、塊にならないように製品が分散されるので、製品詰まりし易い製品の場合であっても、計量機用ホッパの軸心に充填筒の軸心を合致させて配置された縦型製袋充填包装機を移動させることなく、所定量の製品が包装袋に収容された包装商品を製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、拡径部は平面視細長の形状を呈しているので、充填筒用ホッパから落下した製品は充填筒傾斜面に当たり、充填筒本体の内部の軸心の一箇所ではなくいたる箇所に分散して落下するので、充填筒における製品詰まりを防止する上でも有利となる。
この場合、充填筒傾斜面に対向する前記拡径部の箇所に充填筒内周面を設けると、充填筒における製品詰まりを防止する上でより有利となる。
さらに、充填筒傾斜面と前記充填筒内周面とが対向する方向と直交する方向において対向する拡径部を構成する内周面間の寸法を、前記直交する方向における充填筒本体の内周面間の寸法と等しい寸法で形成すると、充填筒における製品詰まりを防止する上でより有利となる。
また、任意の高さの充填筒傾斜面の箇所を水平面で切断した形状が全て円弧状または楕円状に形成すると、充填筒における製品の詰まりを防止する上でより一層有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、充填筒用ホッパを備える縦型製袋充填包装機において、充填筒傾斜面を有し平面視細長の形状の拡径部を充填筒本体の上部に設けると、製品詰まりし易い製品の場合であっても、製品詰まりの虞のない製品の場合であっても、計量機用ホッパの軸心に充填筒の軸心を合致させて配置された縦型製袋充填包装機を移動させることなく、所定量の製品が包装袋に収容された包装商品を製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】計量機の計量機用ホッパと縦型製袋充填包装機の側面図である。
図2】(A)は天板上の第1位置に取り付けられた充填筒用ホッパと充填筒部分の側面図、(B)は天板上の第1位置に取り付けられた充填筒用ホッパに計量機用ホッパから製品が落下された状態の製品の流れの説明図である。
図3】充填筒上端に設けられる拡径部の説明図で、(A)は拡径部の一例の平面図、(B)は同側面図、(C)は拡径部の他の例の平面図、(D)は同側面図である。
図4】(A)は充填筒用ホッパの平面図、(B)は同側面図である。
図5】天板上の第2位置に取り付けられた充填筒用ホッパと充填筒部分の側面図である。
図6】別実施例の充填筒用ホッパの平面図である。
図7】天板上の第2位置に取り付けられた充填筒用ホッパと充填筒部分の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、計量機の計量機用ホッパ10から縦型製袋充填包装機12の充填筒用ホッパ14に製品P(図2(B)参照)が落下投入され、縦型製袋充填包装機12により製品Pが袋に封入された商品包装が製造されていく。
縦型製袋充填包装機12は、充填筒用ホッパ14に加え、機体16、充填筒18、フォーマ20、フィルム供給機構22、フィルム送り機構24、縦シール装置26、横シール装置28を含んで構成されている。
機体16は、左右の側板1602およびそれら左右の側板1602の上端間を連結する天板1604を含んで構成されている。
充填筒用ホッパ14は、機体16に取り付けられている。ここで機体16とは、上述の側板1602、天板1604に限定されず、機体16に取り付けられたブラケットや種々の部材を含み、要するに機体16と一体化されて固定された箇所をいう。充填筒用ホッパ14は、充填筒18の上端に取り付けられる場合もあり、側板1602で支持されたブラケットに取り付けられる場合もあり、天板1604に取り付けられる場合もあり、充填筒用ホッパ14が取り付けられる箇所、構造は特に限定されない。充填筒用ホッパ14は、本実施の形態では、天板1604に取り付けられている。
【0011】
充填筒18は、その上部が不図示のブラケットを介して機体16で支持されている。
フィルム供給機構22は、一定幅の帯状の包装フィルムFをフォーマ20に供給する。
フォーマ20は、帯状の包装フィルムFを充填筒18の外周面に筒状に折り込む。
フィルム送り機構24は一対のベルト・プーリ機構を含んで構成され、充填筒18の外周面に筒状に折り込まれた筒状のフィルムを間欠的に下方に送り出す。
縦シール装置26は筒状のフィルムの幅方向の両端をシールすることで筒状フィルムとする。
横シール装置28は、筒状フィルムの長さ方向の下部をシールすると共に切断する。
【0012】
詳細には、筒状フィルムの第1の位置で筒状フィルムの長さ方向の下部がシールされ、計量機用ホッパ10から計量された製品Pが充填筒用ホッパ14に落下投入され、製品Pは充填筒用ホッパ14から充填筒18の内部に落下し、充填筒18からこの下部がシールされた筒状フィルムの内部に投入される。
その後、フィルム送り機構24により、筒状フィルムが第1の位置からその下方の第2の位置に移送される。
第2の位置では、製品Pが投入された筒状フィルムの上部が横シール装置28によりシールされ製品Pが封入された袋体が形成され、その上方の第1の位置に位置する筒状フィルムFの下部がシールされると共に製品Pが投入され、同時に、製品Pが封入された袋体が第1の位置に位置する筒状フィルムから切り離され、このように製品Pが封入された袋体からなる商品包装が製造されていく。
なお、説明の便宜上、フォーマ20に包装フィルムFが送られてくる包装フィルムFの進行方向を機体16の前方と呼び、その反対方向を後方と呼び、フォーマ20に送られてくる包装フィルムFの長手方向を機体16の前後方向と呼び、前後方向と直交する方向を機体16の幅方向と呼ぶ。
【0013】
図2に示すように、充填筒18は、計量機用ホッパ10の軸心C1にその軸心C2が合致する円筒状の充填筒本体30と、充填筒本体30の上端に接続され水平面で切断した断面形状が上方に至るにつれて次第に大きくなる拡径部32とを備えている。なお、充填筒本体30の軸心C2は、充填筒18の軸心C2でもある。
充填筒本体30の周囲にフィルム送り機構24と縦シール装置26が配置されている。
充填筒本体30を水平面で切断した断面形状は、本実施の形態では円形であるが、この断面形状は円形に限定されず、製造すべき商品包装を構成する袋体の形状に対応させて矩形や楕円など従来公知の様々な形状が採用可能である。
充填筒18は、機体16内のブラケットによりその上部が保持され、天板1604の下方でブラケットにより吊り下げられて支持されている。充填筒18は、その上端が天板1604に取り付けられる場合もあり、その取り付け構造には従来公知の様々な構造が適用される。
拡径部32の上方に位置する天板1604の箇所には、充填筒用ホッパ14からの製品Pが拡径部32に落下するように製品通過用の欠部1606が設けられ、この欠部1606は機体16の前方に開放状に形成されている。
【0014】
拡径部32は、水平面で切断したその内部の断面積が、下方から上方に至るにつれて次第に大きくなるように設けられ、拡径部32の内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかな充填筒傾斜面3202が設けられている。
充填筒傾斜面3202は、拡径部32の機体16の前方側に位置する前部に設けられ、拡径部32の機体16の後方側に位置する後部には、充填筒傾斜面3202に対向する充填筒内周面3204が設けられている。
充填筒内周面3204は、充填筒本体30を構成する内周面よりも鉛直方向に対する傾斜が大きく、かつ、充填筒傾斜面3202よりも鉛直方向に対する傾斜が小さい
機体16の幅方向における拡径部32の寸法は充填筒本体30とほぼ同一の寸法で形成されているこことから、機体16の前後方向における拡径部32の寸法は、充填筒本体30よりも大きい寸法で形成されている。
したがって、拡径部32の上端の上端開口3206の断面形状と、拡径部32の任意の箇所を水平断面で切断した拡径部32の断面形状は、円形ではなく、機体16の前後方向に細長の形状を呈し、拡径部32の下端の下端開口3208の断面形状は充填筒18と同一の円形を呈している。
【0015】
すなわち、拡径部32は、充填筒傾斜面3202と充填筒内周面3204との間の寸法が、それら充填筒傾斜面3202と充填筒内周面3204とが対向する方向と直交する方向において対向する拡径部32を構成する内周面間の寸法よりも大きい平面視細長の形状を呈している、
詳細には、任意の箇所を水平面で切断した拡径部32の形状は、図3(A)に平面図で(B)に正面図で示すように、拡径部32の前後部が、充填筒18と同一半径の円弧面3210で形成され、拡径部32の前後方向の中間部がそれら円弧面3210の両端を接続する平面3212で形成されている。
あるいは、任意の箇所を水平面で切断した拡径部32の形状は、図3(C)に平面図で(D)に正面図で示すように、機体16の前後方向に長軸を有する楕円3214を呈し、この楕円3214の短軸は充填筒本体30の直径に等しく形成されている。
なお、拡径部32の下部では、図3(B)、(D)に示すように、拡径部32の内周面の一部3216は、充填筒本体30の内周面と同一の円筒面で形成されている。
【0016】
充填筒用ホッパ14は板金製で、ホッパ本体34と、ホッパ本体34の下端に設けられた取り付け用フランジ36とを備えている。
ホッパ本体34は、図4(A)、(B)に示すように、水平面で切断した断面形状は円形で、この円形は、上方から下方に至るにつれて次第に小さくなるように設けられている。
したがって、ホッパ本体34の上端は円形の上端開口3402となっており、下端は円形の下端開口3404となっている。なお、ホッパ本体34の上端開口3402は、充填筒用ホッパ14の上端開口3402でもあり、ホッパ本体34の下端開口3404は、充填筒用ホッパ14の下端開口3404でもある。
ホッパ本体34の下端開口3404の軸心C3と上端開口3402の軸心C4とは機体16の前後方向に偏位しており、ホッパ本体34はホッパ本体34の内周面の一部に他の内周面に比べて鉛直方向に対する傾斜が緩やかなホッパ傾斜面3406を含んで構成されている。
ホッパ傾斜面3406は、ホッパ本体34の機体16の後方側に位置する後部に設けられている。
なお、水平面で切断したホッパ本体34の断面形状は、円形に限定されず、楕円形や矩形など従来公知の様々な断面形状が採用可能である。
【0017】
図4(A)に示すように、取り付け用フランジ36にはボルト挿通孔3602が設けられ、図2(A)に示すように、ボルト挿通孔3602に挿通したボルト38を天板1604の第1ねじ孔1610に螺合することで、充填筒用ホッパ14は天板1604の第1位置に取り付けられる。
充填筒用ホッパ14が天板1604の第1位置に取り付けられた状態で、計量機用ホッパ10の軸心C1の延長上にホッパ傾斜面3406が位置している。詳細には、平面視した場合、図4(A)に示すように、計量機用ホッパ10の下端開口1002が充填筒用ホッパ14の上端開口3402内に位置し、計量機用ホッパ10の軸心C1の延長上にホッパ傾斜面3406が位置している。縦型製袋充填包装機12は、計量機用ホッパ10の軸心C1に充填筒18の軸心C2を合致させて配置されることから、計量機用ホッパ10の軸心C1の延長上にホッパ傾斜面3406が位置しているとは、言い換えると、充填筒本体30の軸心C2の延長上にホッパ傾斜面3406が位置していることになる。
また、図2(A)、図3(A)、(C)に示すように、充填筒用ホッパ14の下端開口3404が拡径部32の上端開口3206内に位置し、下端開口3404の軸心C3上に拡径部32の充填筒傾斜面3202が位置している。
また、図5に示すように、ボルト挿通孔3602に挿通したボルト38を天板1604の第2ねじ孔1612に螺合することで、充填筒用ホッパ14は天板1604の第2位置に取り付けられる。
充填筒用ホッパ14が天板1604の第2位置に取り付けられた状態で、計量機用ホッパ10の軸心C1と充填筒用ホッパ14の下端開口3404の軸心C3と充填筒本体30の軸心C2とが合致する。
【0018】
このような第1の実施の形態によれば、製品詰まりし易い製品Pの商品包装を製造する場合、図2(A)に示すように、ボルト38、第1ねじ孔1610を介して充填筒用ホッパ14を天板1604上で第1位置に取り付ける。
充填筒用ホッパ14が天板1604上で第1位置に取り付けられると、計量機用ホッパ10の軸心C1の延長上にホッパ傾斜面3406が位置し、言い換えると、充填筒本体30の軸心C2の延長上にホッパ傾斜面3406が位置し、充填筒用ホッパ14の下端開口3404が拡径部32の上端開口3206内に位置しているので、図2(B)に示すように、計量機用ホッパ10から充填筒用ホッパ14内に落下投入される製品Pはホッパ傾斜面3406に当たり、緩やかな傾斜のホッパ傾斜面3406により塊にならないように製品Pが分散され、製品Pは分散された状態で充填筒用ホッパ14の下端開口3404から拡径部32を通って充填筒本体30の内部を下方に落下する。
したがって本実施の形態によれば、性状や形状により製品詰まりし易い製品Pの場合であっても、計量機用ホッパ10の軸心C1に充填筒18の軸心C2を合致させて配置された縦型製袋充填包装機12を移動させることなく、所定量の製品Pが包装袋に収容された包装商品を、製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上で有利となる。
【0019】
また、本実施の形態では、図2(B)に示すように、充填筒用ホッパ14の下端開口3404から落下した製品Pは拡径部32において充填筒傾斜面3202に当たり、再度、緩やかな傾斜の充填筒傾斜面3202により塊にならないように製品Pが分散され、分散された状態の製品Pは充填筒本体30の内部を下方に落下していく。
したがって本実施の形態によれば、製品詰まりし易い製品Pの場合であっても、計量機用ホッパ10の軸心C1に充填筒18の軸心C2を合致させて配置された縦型製袋充填包装機12を移動させることなく、所定量の製品Pが袋に収容された包装商品を、製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上でより有利となる。
【0020】
本発明では、充填筒本体30の軸心C2から偏位している充填筒用ホッパ14の下端開口3404からの製品Pを受けるように、拡径部32を、上端開口3402と下端開口3404とが同軸上に位置する円錐形状や四角錐形状に形成してもよいが、拡径部32がこのような形状で形成されている場合、充填筒用ホッパ14からの製品Pは充填筒本体30の軸心C2の一箇所に向けて集中して落下される。
本実施の形態では拡径部32は、図3(A)、(C)に示すように、機体16の前後方向における拡径部32の寸法が充填筒18よりも大きい寸法の平面視細長の形状で形成されている。
そのため、充填筒用ホッパ14からの製品Pは充填筒傾斜面3202に当たり、充填筒本体30の内部の軸心の軸心の一箇所ではなくいたる箇所に分散して落下し、充填筒18における製品詰まりを防止する上でも有利となる。
【0021】
なお、充填筒内周面3204を省略し、充填筒内周面3204の箇所を、充填筒本体30の箇所を上方に延長することで構成してもよいが、本実施の形態のように、充填筒傾斜面3202に対向する充填筒内周面3204を設けると、充填筒用ホッパ14からの製品Pを、充填筒本体30の内部の軸心の軸心の一箇所ではなくいたる箇所に分散して落下し、充填筒18における製品詰まりを防止する上でより有利となる。
この場合、図3(A)、(C)に示すように、機体16の幅方向における拡径部32の寸法を充填筒18とほぼ同一の寸法で形成すると、言い換えると、充填筒傾斜面3202と充填筒内周面3204とが対向する方向と直交する方向において対向する拡径部32の箇所を構成する内周面間の寸法を、前記直交する方向における充填筒本体30の内周面間の寸法と等しい寸法で形成すると、充填筒用ホッパ14からの製品Pを充填筒本体30の内部の軸心の軸心の一箇所ではなくいたる箇所に分散して落下させ、充填筒18における製品詰まりを防止する上でより有利となる。
【0022】
また、製品詰まりの虞のない製品Pの商品包装を製造する場合、図5に示すようにボルト38、第2ねじ孔1612を介して充填筒用ホッパ14を天板1604上で第2位置に取り付ける。
充填筒用ホッパ14が天板1604上で第2位置に取り付けられると、計量機用ホッパ10の軸心C1と充填筒用ホッパ14の下端開口3404の軸心C3と充填筒本体30の軸心C2とが合致するので、計量機用ホッパ10から充填筒用ホッパ14内に落下された製品Pは、ホッパ傾斜面3406や充填筒傾斜面3202に当たることなく、あるいは僅かな量の製品Pがホッパ傾斜面3406や充填筒傾斜面3202に当たるのみで、大半の製品Pは計量機用ホッパ10からホッパ傾斜面3406や充填筒傾斜面3202に当たることなく充填筒用ホッパ14および拡径部32を通り充填筒本体30の内部を下方に落下していく。
すなわち、製品詰まりの虞のない製品Pの商品包装を製造する場合には、計量機用ホッパ10から落下された製品Pの、下辺がシールされた筒状フィルムまでの到達時間を短縮でき、製品Pが封入された商品包装の効率を高める上で有利となる。
【0023】
この場合、図6に示すように、第1位置と第2位置とに取り付けできるように、2つのねじ孔1610,1612のうちの一方のねじ孔1612を省略して単一のねじ孔1610とし、取り付け用フランジ36に長孔3604を形成するようにしてもよい。
この場合には、図2(A)を参照して説明すると、天板1604には、2本のボルト38に対してそれぞれねじ孔1610が一つずつ形成される。
そして、ボルト38が長孔3604の長手方向の一方の端部に位置して天板1604のねじ孔1610に螺合され、充填筒用ホッパ14は第1位置に取り付けられ、ボルト38が長孔3604の長手方向の他方の端部に位置して天板1604のねじ孔1610に螺合され、充填筒用ホッパ14は第2位置に取り付けられる。
このように天板1604に長孔3604を設けると、天板1604に設けるねじ孔の個数を最小限にでき、縦型製袋充填包装機12のコストダウンを図る上で有利となる。
【0024】
また、製品詰まりの虞のない製品Pの商品包装を製造する場合には、図7に示すように、ホッパ傾斜面3406を有さず上端開口4002の軸心C5と下端開口4004の軸心C6とが合致した円錐形状や四角錐形状の充填筒用ホッパ40を、それら軸心C5、C6を計量機用ホッパ10の軸心C1および充填筒本体30の軸心C2に合致させて天板1604上の第2位置に取り付ける。
これにより計量機用ホッパ10から落下された製品Pは、充填筒用ホッパ40の内面や充填筒傾斜面3202に当たることなく、あるいは僅かな量の製品Pが当たるのみで、大半の製品Pは充填筒用ホッパ40および拡径部32を通り充填筒本体30の内部を下方に落下していく。
すなわち、製品詰まりの虞のない製品Pの商品包装を製造する場合には、計量機用ホッパ10から落下された製品Pの、下辺がシールされた筒状フィルムまでの到達時間を短縮し、製品Pが封入された商品包装の効率を高める上で有利となる。
【0025】
なお、充填筒傾斜面3202を有し平面視細長の形状の拡径部32の効果は、実施の形態の充填筒用ホッパ14の構造に限定されない。
すなわち、製品詰まりし易い製品Pの場合、充填筒用ホッパ14からの製品Pを充填筒傾斜面3202に落下させれば、所定量の製品Pが袋に収容された包装商品を、製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上でより有利となる。
また、製品詰まりの虞のない製品Pの場合には、充填筒用ホッパ14からの製品Pを充
充填筒本体30の軸心C2上に落下させれば、所定量の製品Pが袋に収容された包装商品を、製品詰まりを生じさせることなく効率良く製造する上でより有利となる。
【符号の説明】
【0026】
10 計量機用ホッパ
1002 計量機用ホッパの下端開口
12 縦型製袋充填包装機
14、40 充填筒用ホッパ
16 機体
1602 側板
1604 天板
1606 欠部
1610,1612 第1ねじ孔、第2ねじ孔
18 充填筒
20 フォーマ
22 フィルム供給機構
24 フィルム送り機構
26 縦シール装置
28 横シール装置
30 充填筒本体
32 拡径部
3202 充填筒傾斜面
3204 充填筒内周面
3206 拡径部の上端開口
3208 拡径部の下端開口
3210 円弧面
3212 平面
3214 楕円
3216 拡径部の内周面の一部
34 ホッパ本体
3402 充填筒用ホッパまたはホッパ本体の上端開口
3404 充填筒用ホッパまたはホッパ本体の下端開口
3406 ホッパ傾斜面
36 取り付け用フランジ
3602 ボルト挿通孔
3604 長孔
38 ボルト
C1 計量機用ホッパの軸心
C2 充填筒または充填筒本体の軸心
C3 充填筒用ホッパまたはホッパ本体の下端開口の軸心
C4 充填筒用ホッパまたはホッパ本体の上端開口の軸心
F 包装フィルム
P 製品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7