(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】接着剤
(51)【国際特許分類】
C09J 133/02 20060101AFI20240704BHJP
C09J 133/26 20060101ALI20240704BHJP
C09J 125/18 20060101ALI20240704BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
C09J133/02
C09J133/26
C09J125/18
C09J11/06
(21)【出願番号】P 2020535223
(86)(22)【出願日】2017-12-31
(86)【国際出願番号】 US2017069167
(87)【国際公開番号】W WO2019133023
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-11-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598063203
【氏名又は名称】パーデュー・リサーチ・ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】PURDUE RESEARCH FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィルカー,ジョナサン,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】マツォッタ,マイケル,ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ノース,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】パットナム,アメリア
【審査官】高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/190400(WO,A1)
【文献】特表2013-503688(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0169059(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0087338(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0248109(US,A1)
【文献】Hong et al.,STAPLE: Stable Alginate Gel Prepared by Linkage Exchange from Ionic to Covalent Bonds,Advanced Healthcare Materials,2015年,Vol.5,p.75-79
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J
B32B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコポリマーの鎖を含む接着剤組成物であって、
前記コポリマーの鎖がそれぞれ、ドーパミンメタクリルアミドまたは3,4-ジヒドロキシスチレンのうちの1種から選択される第1のコモノマーと、ペンダントの第1の官能基を含む第2のコモノマーと、を含み、
少なくとも第1のコポリマー鎖の前記第1の官能基及び第2のコポリマー鎖の前記第1の官能基が非共有的に相互連結され、且つ前記相互連結が、第2の官能基と第3の官能基とを含み、前記官能基の各々が前記連結された第1及び第2のコポリマー鎖の前記第1の官能基と中性水素結合を形成する、第1の添加剤を介するものであり、
前記第2のコモノマーが、メタクリル酸またはアクリル酸であり、
前記第1の官能基がカルボン酸であり、且つ前記第2および第3の官能基はヒドロキシル基であり、
前記第1の添加剤が、炭素数1~12のジオールである、接着剤組成物。
【請求項2】
ドーパミンメタクリルアミドまたは3,4-ジヒドロキシスチレンの前記いずれか1つが、前記コポリマー中に存在するコモノマーの総モル量を基準にして、10モル%~50モル%の割合にて存在する、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記第1のコモノマーが、ドーパミンメタクリルアミドである、請求項1または2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記第2のコモノマーが、前記コポリマー中に存在するコモノマーの総モル量を基準にして、50モル%~90モル%の割合にて存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
前記中性水素結合が、次式:ΔpK
a=pK
a(DH)-pK
a(AH
+)>0(式中:pK
a(DH)は水素結合供与体のpK
a値であり、且つpK
a(AH
+)は水素結合受容体のpK
a値である)の関係を満たす、請求項1~4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
ΔpK
aが2~18である、請求項5に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
前記第1の添加剤のうちの1つが、前記第2のコモノマーのモル量に対し10モル%~70モル%の割合にて存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項8】
接着剤組成物の製造方法であって、
それぞれ第1のコモノマー及び第2のコモノマーを含む複数のコポリマーの鎖を形成するために、ドーパミンメタクリルアミドまたは3,4-ジヒドロキシスチレンのうちの1種から選択される第1のコモノマーと、ペンダントの第1の官能基を含む第2のコモノマーとを共重合するステップと、
前記コポリマーを溶解するステップと、
前記コポリマーの第1コポリマー鎖の前記第1の官能基と前記コポリマーの第2コポリマー鎖の前記第1の官能基との中性水素結合を形成する能力を有する、第2の官能基と第3の官能基とを含む第1の添加剤を溶解するステップと、
前記コポリマーの溶液を混合するステップと、を含み、
前記第2のコモノマーが、メタクリル酸またはアクリル酸であり、
前記第1の官能基がカルボン酸であり、且つ前記第2および第3の官能基はヒドロキシル基であり、
前記第1の添加剤が、炭素数1~12のジオールである、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有利な強度および延性を同時に呈する生体模倣コポリマー系をベースとした接着剤組成物、ならびにその製造方法に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、イガイ接着タンパク質を模倣する生体模倣接着剤組成物に関する。本接着剤組成物は、易壊性結合を含むコモノマーが組み込まれており、接着接合部に機械的応力が印加されたときにエネルギーを散逸させるものである。
【背景技術】
【0003】
接着剤組成物の分野では、高延性および高強度の両方を兼備した接着剤を開発することに対して、常に関心が寄せられてきた。延性が重要とされるのは、機械的応力を縁端部に集中させるというよりも寧ろ、結合部全体に分散させるための手段となるものであるからである。そのような応力分散によって、突発的な付着破壊が防止されるが、しかしながら、この特性は材料の強度を犠牲にするのが、通例である。そのような低弾性率の材料は、壊れ易い傾向がある。接着剤は、靭性の特徴である強度および延性の両方を具備したものが、理想的とされる。これらのパラメータは一見、相互に矛盾しているように見える。そのため、技術的なギャップを埋めるための努力が或る程度は為されてきたが、それほど多くはない。ゴムを介して頑健化されたエポキシベースの接着剤は、或る程度の靭性を呈し得るが、ゴム部分とエポキシポリマー部分とを隔離させ、処方を制限してしまっている。更になお、パフォーマンスが最大限に高まるのはどのような場合かを見出すことを目的として、強度および延性を接着剤に体系的に組み込んだ研究は、未だ存在していない。
【0004】
2つの古典的な事例とは対照的に、2つの基板が重ね剪断で接着され、破壊されるまで引き離される、力対伸長のプロットを示したのが、
図1である。左側のポリスチレンベースの接着剤は、高強度でありながら脆弱でもある系の実施例である。具体的には、そのようなポリ[(3,4-ジヒドロキシスチレン)-co-スチレン]ポリマー、いわば、イガイ接着タンパク質をエミュレートする簡易型の生体模倣系は、かなりの強度を具備した接着剤であり、場合によっては「スーパーグルー」のような市販の接着剤の接着剤を凌駕することさえあることが、実証されてきた。しかしながら、この高強度は、材料が脆弱であることを意味する。プロットAから明らかにされるように、接合強度が非常に高い値(およそ70N)に達し後、突然急激に低下して、接合部が破壊されることを示唆している。他方、右側に示されている接着剤組成物は、国際公開第2017/004174(A1)号に開示されているような、例示的なアクリル酸塩ベースの接着剤ポリマーである。前述のターポリマー系では、ポリエチレングリコール(PEG)の短鎖を使用して、柔軟性および延性を付与する一方で、ポリマー弾性率を低減させる。PEGの組み込みは、接合部全体に機械的応力を分散し、ひいては接着力を増強する一助となる反面、PEGの量が多すぎて延性が高いと、接着剤系全体の粘着力が弱まるため、性能が比較的低くて貧弱な接着剤が生成される。対応するプロットBから実証されるように、低接着力(およそ18N)では付着破壊が発生するにしても、その発生ははるかに緩慢になり、所要時間が長くなり、且つ基質間の伸長が増大する。そのような状況では、基板が牽引されて接触しなくなった後でも、各基板に対し接着剤が結合された状態のままに維持されることがしばしばある(右下を参照)。
【0005】
接着剤は、高強度および高延性を同時的に兼備した接合部である曲線Cの特性を具備し、高い靭性を呈するものが、理想的とされる。そのような材料は、接着強度の高い結合を生ずることも場合もあれば、高い付着力(すなわち、曲線Cの下の面積)を生ずる場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の延性と強度の二律背反関係を考慮すると、理想的な強靭な接着剤は、未だ存在していない。したがって、靭性の向上が見られる(すなわち、接着強度と延性を兼備した)接着剤組成物を提供すること、理想的には、化学的アプローチにより、強靭な接着剤を作製することが所望されており、これにより、そのような概念を他のいくつかの接着剤系に適用することを可能にし得るものと見込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、本明細書中に定義されている特許請求の範囲の主題により、これらの目的を解決するものである。本発明の利点は、下掲の節で更に詳細に説明されている。本発明の開示を考慮すれば、更なる利点が当業者に明らかとなるであろう。
【0008】
本発明者らの発見によれば、そのような理想的な接着剤を作製するための戦略は、コポリマー系に低エネルギーの「易壊性」結合を組み込むことであった。コポリマー系が破壊された後、接着結合に応力が印加されると、主要な共有結合によってポリマーが形成され、結果として、機械エネルギーが放散され、2つの基板が互いに接着したままの状態に維持される。この目的に合わせて、水素結合および金属-リガンド結合が想定されている。
【0009】
ゆえに、本発明は、全般的に、ドーパミンメタクリルアミド、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンまたは3,4-ジヒドロキシスチレンのいずれか1つから選択される第1のコモノマーと、ペンダントの第1の官能基を含む第2のコモノマーとを備える、コポリマーの複数鎖を具備した、接着剤組成物に関するものであり、異なるコポリマー鎖を有する第1の官能基のうちの少なくとも2つは、中性水素結合か、第2の官能基と第3の官能基とを含む第1の添加剤であって、これら官能基の各々は異なるコポリマー鎖を有する前述の第1の官能基と中性水素結合を形成する第1の添加剤か、あるいは、金属イオンである第2の添加剤であって、リガンド-金属-リガンド結合を介して異なるコポリマー鎖を有する第1の官能基が結合され、この第1の官能基がリガンドを形成する第2の添加剤、を介して相互連結され、水素結合供与体および受容体の両方として機能する能力を有する官能基間に、中性水素結合を形成する。
【0010】
この系では、中性水素結合を介して、または金属とリガンドとの間の相互作用を介して、易壊性結合が生ずる。この易壊性結合は、接着接合部に機械的応力が印加されたときに、犠牲的な所定の破壊点として機能する。
【0011】
本発明の更なる態様は、接着剤組成物の製造方法に関するものであり、本製造方法は、ドーパミンメタクリルアミド、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンまたは3,4-ジヒドロキシスチレンのうちの1種から選択される第1のコモノマーと、ペンダントの第1の官能基を含む第2のコモノマーとを共重合させるステップと、第2の官能基と第3の官能基とを含む第1の添加剤を溶解するステップであって、これら官能基の各々が異なるコポリマー鎖を有する第1の官能基との中性水素結合を形成する能力を有し、水素結合供与体および受容体の両方として機能する能力を有する官能基間に、中性水素結合を形成する、溶解ステップと、コポリマーの溶液を混合するステップ、または異なるコポリマー鎖を有する第1の官能基をリガンド-金属-リガンド結合により連結する能力を有する金属イオンである第2の添加剤を、コポリマー溶液に添加するステップであって、第1の官能基がリガンドを形成する、添加ステップと、を含む。
【0012】
本発明による製剤の好ましい実施形態、および本発明の他の態様は、下記の説明および特許請求の範囲に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、強力でありながら脆弱でもある接着剤(A)、延性を備えながら軟弱でもある接着剤(B)、および理想的とされる強靭な接着剤(C)の、特性力対伸びのプロット曲線を表したグラフを示す。
【
図2】
図2Aは、比較例1による接着剤組成物の、力対伸長のプロットを示す。
図2Bは、本発明の実施例1による接着剤組成物の、力対伸長のプロットを示す。
【
図3】
図3Aは、比較例3による接着剤組成物の、力対伸長のプロットを示す。
図3Bは、本発明の比較例4による接着剤組成物の力対伸長のプロットを示す。
図3Cは、比較例5による接着剤組成物の、力対伸長のプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に関する理解がいっそう徹底されることを期して、ここで、その例証的な実施形態の下記説明について言及する。
【0015】
第1の実施形態では、本発明は、ドーパミンメタクリルアミド、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンまたは3,4-ジヒドロキシスチレンのうちの1種から選択される第1のコモノマーと、ペンダントの第1の官能基を含む第2のコモノマーとのコポリマーの複数鎖を含む接着剤組成物に関する。本接着剤組成物において、異なるコポリマー鎖を有する第1の官能基のうちの少なくとも2つは、中性水素結合か、第2および第3の官能基を含む第1の添加剤であって、これら官能基の各々は異なるコポリマー鎖を有する前述の第1の官能基との水素結合を形成する第1の添加剤か、あるいは、金属イオンである第2の添加剤であって、リガンド-金属-リガンド結合を介して異なるコポリマー鎖を有する前述の第1の官能基が結合され、この第1の官能基がリガンドを形成する第2の添加剤、を介して相互連結され、水素結合供与体および受容体の両方として機能する能力を有する官能基間に、中性水素結合を形成する。
【0016】
ドーパミンメタクリルアミドまたは3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンまたは3,4-ジヒドロキシスチレンから選択される第1のコモノマー(これらのうちでは、ドーパミンメタクリルアミドが好ましい)は、イガイ接着タンパク質に由来する生体模倣架橋性モノマーであり、本生体模倣架橋性モノマーは主として、結果として得られた組成物における接着を提供する。
【0017】
好ましい実施形態において、第1のコモノマーは、コポリマー中に存在するコモノマーの総モル量を基準にして約10モル%~約50モル%の割合にて、好ましくは約20モル%~約40モル%の割合にて、更に好ましくは約28モル%~約36モル%の割合にて存在する。
【0018】
好ましい実施形態において、第2のコモノマーは、コポリマー中に存在するコモノマーの総モル量を基準にして約50モル%~約90モル%の割合にて、好ましくは約60モル%~約80モル%の割合にて、更に好ましくは約64モル%~約72モル%の割合にて存在する。
【0019】
水素結合は一般的に、凝集相互作用D-H…Aとして定義される。式中:H(水素)は正に帯電し、A(すなわち、水素結合(HB)受容体)は負(部分的または完全)に帯電し、且つD(すなわち、水素結合供与体)はHよりも負に帯電する。
【0020】
限定されるものではないが、水素結合供与体および受容体の両方として機能する能力を有する官能基は、典型的に、ヘテロ原子における1つ以上の孤立電子対(水素結合受容性)と、ヘテロ原子に結合した水素原子(水素結合供与性)と、を含んだ、官能基を具備する。その具体例としては、限定されるものではないが、カルボン酸基、ヒドロキシル基、第一級または第二級アミド、チオ尿素、尿素、チオール、およびグアニジニウム基が挙げられる。
【0021】
本明細書中に用いられている「中性水素結合」という用語は、AおよびDが完全には荷電されていない水素結合を示す。この水素結合としては、二重電荷支援水素結合を挙げることができる。ただし、プロトン移動の際に形成される完全なイオン結合のほか、イオン化(または2価)水素結合(例:-D:…H-A+)は除く。異なるHB供与体と受容体の間に形成された水素結合が中性結合またはイオン化結合を形成するかどうかの予測を可能にする概念の基盤となったのが、Gilliらによって開発された、いわゆる「pKa計算尺」(例えば、P.Gilli et al.,Acc.Chem.Res.2009,42(1),33-44を参照)である。本文献には、酸塩基特性に基づき水素結合の強さおよび品質が記載されている。
【0022】
第1の近似において、中性水素結合が得られるのは、次の関係を満たした場合である:ΔpKa=pKa(DH)-pKa(AH+)>0(式中:pKa(DH)は、水素結合供与体のpKa値であり、且つpKa(AH+)は、水素結合受容体のpKa値である(室温の水溶液中にて)。他方、強いHB供与体と強いHB受容体との間の相互作用に対応するΔpKaが負の場合、2価の水素結合が形成される傾向がある。例えば、カルボン酸は通常、pKa(DH)が2~5の範囲内にあることを呈する。アルコールとの水素結合(pKa(AH+)=-5~-2)の場合、ΔpKaは約4~10の範囲内となる。他方、カルボン酸とアミンとの組み合わせ(pKa(AH+)=10~11)の場合、負のΔpKa(例えば、カルボン酸アンモニウム結合の形成)に帰結する。概して、pKa値は、当業者に公知の方法により算定することが可能である。
【0023】
限定されるものではないが、例示的な官能基間に形成される水素結合の2~3の例、すなわち、二量体カルボン酸(a)、添加剤を介して形成される酸-酸結合(b)、およびカルボン酸モノマーとジオール添加剤の間に形成される水素結合(c)は、次式に例証されている通りである。式中:指数y、n、および基Rは、当業者が適切に選択することができる。
【化1】
【0024】
概して、水素結合は、エネルギーを散逸させる程度に十分強くなければならない反面、延性と強度とのバランスを良好化するには、ポリマーを形成する主要な共有結合よりも弱くなければならない。この目的に合わせて、ΔpKaを2~18のいずれか、特に好ましくは3~16のいずれかとすることが所望される。
【0025】
第1の添加剤が添加されている場合、水素結合はカルボン酸を介して形成されるのが好ましい。該カルボン酸は第1、第2および第3の官能基として使用される場合もある。同様に好ましい実施形態は、カルボン酸を第1の官能基とし、且つ第2および第3の官能基が、好ましくは、ヒドロキシル、尿素、チオ尿素、アミド、グアニジニウム、カルボン酸およびチオールのいずれかから独立に選択されることを条件とした実施形態である。代替的に、第1の官能基が、ヒドロキシル、尿素、チオ尿素、アミド、グアニジニウム、カルボン酸およびチオールのいずれかから選択され、且つ第2および第3の官能基がカルボン酸であることを条件とするのが、好ましい場合もある。結果として得られたΔpKa、およびこうして得られた強化強度と延性を考慮すれば、カルボン酸を補完する官能基群でより好ましいのは、アルコール、尿素、チオ尿素、グアニジニウムおよびアミドである。更に好ましい実施形態において、第1の官能基はカルボン酸であり、第2および第3の官能基はヒドロキシル基であるか、または第1の官能基はヒドロキシル基であり、且つ第2および第3の官能基はカルボン酸である。第2および第3の官能基としてヒドロキシル基を有する第1の添加剤の例としては、ポリオール、好ましくは炭素原子1~12個を含むジオール、例えばエチレングリコールを挙げることができる。
【0026】
カルボン酸基を提供するために上記の第1の添加剤と併用することの可能な、好ましい第2のコモノマーとしては、メタクリル酸またはアクリル酸を挙げることができ、そのうちで特に好ましいのはアクリル酸である。
【0027】
異なるコポリマー鎖を有する第1の官能基のうちの少なくとも2つが中性水素結合を介して相互連結されている場合、第1の官能基は、水素結合供与体および受容体の両方として機能する能力を有する(例えば、カルボン酸、例えば、カルボン酸二量体を形成する能力を有する)ことが、好ましい。加えて、ここで確実に行う必要があるのは、コポリマーの硬化形態において、異なるコポリマー鎖を有する前述の第1の官能基を相互に十分に接近させることによって、水素結合の形成を可能にすることである。このことは、第2のコモノマー中の適切なスペーサー基(例えば、限定されるものではないが、例えば、アルキル鎖を含む)によって達成することが可能である。
【0028】
異なるコポリマー鎖を有する前述の第1の官能基を、水素結合の代わりに、リガンド-金属-リガンド結合を介して結合させ、第1の官能基がリガンドを形成する第2の添加剤を添加するという手段により、リガンド-金属-リガンド相互作用を確立してもよい。
【0029】
限定されるものではないが、そのような結合の2~3の例、すなわち、カルボン酸塩-金属-カルボン酸塩結合(d)、アクリルアミド型複合結合(e)、およびアミン型複合結合(f)は、次式に例証されている通りである。式中:添え字y、電荷n、および基Rは、本開示を考慮すれば、当業者が適切に選択することが可能である。
【化2】
【0030】
前述の第2の添加剤は、好ましくは、アルカリ土類金属イオンまたは遷移金属イオンから選択される金属イオン、更に好ましくは、Cu、Cd、Co、Ni、Fe、Zn、Ag、MnまたはCrのイオンのうちのいずれか1種から選ばれたものであり、塩の水溶液としてコポリマー組成物に添加することも可能であるし、当業者が適切に選択することが可能である。
【0031】
限定されるものではないが、前述の第2の添加剤と併用される第1の官能基は、好ましくはカルボキシレート基、ヒドロキシル基、アミド基またはアミン基から選択され、好ましくはカルボキシレート基を表す。
【0032】
概して、共重合体の数平均分子量(Mn)は、有利なバルク接着性の観点からすれば、少なくとも5000g・mol-1であることが好ましく、5500~15000g・mol-1であることが更に好ましい。
【0033】
コポリマーの多分散性指数(PDI)は、特に限定されるものではないが、1.3~2.0、好ましくは1.4~1.9の範囲とされる。
【0034】
当然のことながら、易壊性結合を導入するという上記概念は、単一の接着剤組成物において、または単一のコポリマーにおいてさえ、任意の組み合わせにて統合することが可能である。
【0035】
更になお、本コポリマーは、上記で定義された第1および第2のコモノマー以外の更なるコモノマーを含み得るが、実施形態においては、上記の第1および第2のコモノマーからなるコポリマーの方が好ましい場合のあることが、理解される。
【0036】
最後に、接着剤組成物は、当該技術分野において公知の更なる従来の添加剤を含む場合がある。例えば、乳化剤、顔料、充填剤、硬化剤、増粘剤、保湿剤、湿潤剤、殺生物剤、接着促進剤、着色剤、粘着付与樹脂、UV安定剤、ワックス、抗酸化剤、およびそれらに類するものである。
【0037】
第2の実施形態において、本発明は、接着剤組成物の製造方法に関するものであり、本製造方法は、ドーパミンメタクリルアミド、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンまたは3,4-ジヒドロキシスチレンのうちの1種から選択される第1のコモノマーと、ペンダントの第1の官能基を含む第2のコモノマーとを共重合させるステップと、第2の官能基と第3の官能基とを含む第1の添加剤を溶解するステップであって、これら官能基の各々が異なるコポリマー鎖を有する第1の官能基との中性水素結合を形成する能力を有する、溶解ステップと、コポリマーの溶液を混合するステップ、または異なるコポリマー鎖を有する第1の官能基をリガンド-金属-リガンド結合により連結する能力を有する金属イオンである第2の添加剤を添加するステップであって、第1の官能基がリガンドを形成する、添加ステップと、を含む。
【0038】
共重合は、当該技術分野において公知の方法に従って実施できる。
【0039】
限定されるものではないが、本組成物を、被着体に塗布した後に、例えば室温にて、または、例えば30~80℃の高温にて放置するといったような手段により、接着剤組成物を硬化させることが可能である。
【0040】
全般的に見れば、上記に指定された第1および第2の実施形態の好ましい特徴は、本特徴の少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせ以外の任意の組み合わせにて兼備し得ることが、認識されるであろう。
【0041】
ポリマーの特性評価は、1H-MNR分光法およびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して実施した。バックボーン内のモノマーのパーセンテージは、初期のモノマー供給量に対応していた。芳香族領域(σ6.2~6.7ppm)を統合し、ドーパミンメタクリルアミド含有量、およびアクリル酸含有量のバックボーン領域(σ0~2.4ppm)を与えることにより、ポリマーのモノマー比を算定した。溶離液テトラヒドロフラン(THF)を用いたPolymer Laboratories PR-GPC20を使用して、GPCにより、分子量を算定した。重ね剪断測定は、ASTM D1002に従って実施することができる。
【実施例】
【0042】
比較例1
ドーパミンメタクリルアミドとアクリル酸tert-ブチルとのラジカル重合、続いてtert-ブチルエステルのトリフルオロ酢酸を介した加水分解により、接着性コポリマーを得た。対象とされたドーパミンメタクリルアミドモノマーは、概算で33モル%であった。
【0043】
ポリ{[ドーパミンメタクリルアミド]-co-[アクリル酸tert-ブチル]}の合成
ドーパミンメタクリルアミド(3.0g、13.5ミリモル)、アクリル酸tert-ブチル(4.0mL、27.3ミリモル)およびAIBN(31.6mg、0.192ミリモル)を、火炎乾燥されたシュレンクフラスコ内のジメチルホルムアミド(24mL)中に溶解した。アルゴンを室温にて15分間散布した後、フラスコを70℃の油浴中に2日間入れた。反応混合物は粘稠な溶液になった。油浴からフラスコを取り外し、メタノール1mLを添加して反応を停止させた。冷却された反応物に対し、希釈用のジクロロメタン(およそ10mL)を添加した。次いで、本溶液を過剰量のエーテル(およそ200mL)中に注ぎ、白色のポリマーを析出させた。生成物をジクロロメタン/エーテルで更に2回再析出させた。ポリマーを可溶化するためには、最小限のメタノールを用いた超音波処理を要したことが頻繁にあった。生成物を2晩真空乾燥させ、純粋なポリマー5.8g(78%)を得た。
【0044】
ポリ{[ドーパミンメタクリルアミド]-co-[アクリル酸]}の合成
ポリ{[ドーパミンメタクリルアミド]-co-[tert-ブチルアクリル酸塩]}(2.2g、13.9ミリモル)をシュレンクフラスコ内のジクロロメタン(およそ30mL)中に溶解させた。室温でアルゴンにより15分間スパージングした後、トリフルオロ酢酸10mLを滴下して添加し、アルゴン下、周囲温度にて1日間撹拌した。ポリマー析出物の固体塊を生じ、溶液をデカントすることにより回収した。生成物をメタノール中に溶解させ、エーテルで析出させた。生成物を、メタノール/エーテルで更に2回再析出させた。生成物を真空中で2晩乾燥させ、純粋なポリマー1.6g(96%)を得た。
【0045】
Varian Inova300MHz分光計を使用して、1H-NMRスペクトルを記録した。芳香族領域(σ6.2~6.7ppm)を統合し、ドーパミンメタクリルアミド含有量、およびアクリル酸含有量のバックボーン領域(σ0~2.4ppm)を与えることにより、モノマー比を算定した。溶離液テトラヒドロフラン(THF)を用いたPolymer Laboratories PL-GPC20を使用して、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、分子量を算定した。シグマアルドリッチ社(Sigma Aldrich)から購入されたモノマーであるアクリル酸tert-ブチルを、アルミナカラムを用いて精製した。トリフルオロ酢酸も同様にシグマアルドリッチ社から購入し、不使用期間中はアルゴン下で保管した。使用された他の全ての化学物質は、シグマアルドリッチ社から購入されたもので、受領時の状態のまま使用された。ドーパミンメタクリルアミドモノマーの合成は、公開されている手順に従って、1H-NMR分光法により、特性評価された。全てのポリマーは、典型的なシュレンク管操作法(Schlenk technique)を用いて、不活性アルゴン雰囲気下にてフリーラジカル重合により、調製された。ラジカル開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をメタノールから再結晶させ、使用前に真空乾燥させた。反応の開始に先立って、ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒を、バブリングアルゴンで少なくとも15分間脱気させた。
【0046】
概して、ポリマーの特性評価は、NMR分光法およびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して実施した。バックボーン内のモノマーのパーセンテージは、初期のモノマー供給量に対応していた。メタクリル酸ドーパミン含有量は、28~37モル%の範囲であった。数平均分子量(Mn)は、6,000g・mol-1~14,000g・mol-1の範囲であり、全ての試験済みポリマーの多分散性指数(PDI)は1.4~1.9であった。
【0047】
アルミニウム基板の接着研究
重ね剪断試験では、ファーマーズコッパー(Farmer’s Copper)で購入されたアルミニウム6061-T6のシートからの8.89cm×1.27cm×0.318cmの被着体を、ウォータージェット系を用いて精密に切断した。ドリルプレスを使用して、直径0.633cmの穴を上部から0.80cm穿設した。被着体は、ASTM D2651標準法に従って洗浄し、続いて、沸騰した脱イオン水およびメタノールで洗浄した。接着試験では、多くの場合、超音波処理機を使用して、ポリマーをメタノール中に0.15gポリマーg・mL-1にて溶解させた。ポリマー溶液(45μL)を被着体上に堆積させ、次いで(1.2×1.2cmで)重ね合わせて、単一のラップジョイント構成を形成した。オーバーラップ領域の一貫性が確保され、且つジョイントの位置合わせが確実に為されるように、自作の治具を使用した。接合部の両側にある2つのテフロンブロックを一緒に押して、接合された基板を精密に位置合わせした。試験前に、試験片を室温にて1時間、続いて70℃にて22時間、その後、室温にて1時間硬化させた。接着力は、故障時の最大負荷を、接着剤で被覆された基板のオーバーラップ領域で除算した値として定義される。
【0048】
実施例1
実施例1の調製および試験は、比較例1に従い、ただし、被着体への堆積時にエチレングリコール溶液15μLをポリマー溶液に添加して行った。結果として、エチレングリコールのモル量は(アクリル酸に対して)45モル%に達した。
【0049】
比較例1および実施例1の組成物を用いた重ね剪断試験の結果を、
図2Aおよび
図2Bに示す。同図には、生データから生じた曲線が描かれている。図中、接着された基板対は、牽引されて、遂には破壊されるに至る。接着性コポリマーの重ね剪断接着試験から得られた力対伸長曲線によって明らかにされるように、ポリマー単独、すなわち比較例1では、脆性破壊が見られる。理由は、おそらく、ドーパミンメタクリルアミドによる立体障害(
図2A)の観点からすれば、アクリル酸のカルボキシル基は、易壊性結合を介して相互連結されることがないからである。他方、エチレングリコール分子を組み込むことにより、アクリル酸モノマー間の水素結合の形成が可能となり、結果として、系内に延性が誘導される(
図2B)。こうした脆性から延性への遷移に加えて、ポリマー単独の場合の機械的強度(1.22±0.27MPa)を、エチレングリコールを添加した場合(2.60±0.52Mpa)と比較することによって示唆されるように、材料全体の強度が大幅に向上している。ゆえに、これまでに明らかにされてきたように、材料の機械的強度を犠牲にしてはじめて延性を組み込むことが可能であった従来の接着剤系とは異なり、材料の機械的強度を損なうことなしに、延性を誘発することが可能となった。
【0050】
比較例2
比較例2の調製は、実施例1に従って行ったが、ただし、その際、エチレングリコールを添加する代わりに、ヒドロキシル基を有さないエチレングリコールの類似体である45モル%ジメトキシエタンを添加した。このポリマーを添加したにもかかわらず、機械的強度(1.34±0.49MPa)は本質的に全く増加しなかった。脆性破壊から延性破壊への移行が観られなかったことから示唆されるように、水素結合受容基としてのみ機能するジメトキシエタンのエーテル基は、接着剤組成物の延性および強度を増加させるうえで必要とされる易壊性結合をもたらすことができない。
【0051】
比較例3
ジオール基とカルボキシレート基との間の該水素結合が材料の機械的特性に対して及ぼす影響度に関して洞察が得られるようにする目的から、対照実験の実施には、ポリ{[ドーパミンメタクリルアミド]-co-[アクリル酸メチル]}ポリマーが使用された。メチルエステル類似体は、アクリル酸モノマーの特徴であるカルボン酸基を欠くことから、水素結合は発生し難いことが予期され、ひいては、エチレングリコールの効果が低下することも予期された。
【0052】
ポリ{[ドーパミンメタクリルアミド]-co-[アクリル酸メチル]}の合成
ドーパミンメタクリルアミド(3.0g、13.5ミリモル)、アクリル酸メチル(2.6mL、29.0ミリモル)およびAIBN(31.6mg、0.192ミリモル)を、火炎乾燥されたシュレンクフラスコ内のジメチルホルムアミド(24mL)中に溶解させた。アルゴンを室温にて15分間散布した後、フラスコを70℃の油浴中に2日間入れた。反応混合物は粘稠な溶液になった。
【0053】
油浴からフラスコを取り外し、メタノール1mLを添加して反応を停止させた。冷却された反応物に対し、希釈用のジクロロメタン(およそ10mL)を添加した。次いで、溶液を1%HCl水溶液(およそ100mL)中に注ぎ、白色のポリマーを析出させた。生成物をジクロロメタン/エーテルで更に3回再析出させた。ポリマーを可溶化するためには、最小限のメタノールを用いた超音波処理を要したことが頻繁にあった。生成物を真空中で2晩乾燥させ、純粋なポリマー4.5g(58%)を得た。
【0054】
結果として得られたポリマーの試験は、比較例1に従って、ただし、その際には添加剤を添加せずに行った。力対伸展試験の結果は、
図3Aのグラフに示されている。
図5に図示されているように、添加剤を含まないポリマーは、比較例1のアクリル酸ポリマー系と同様に、特徴的な脆性破壊が見られる。
【0055】
比較例4
比較例4の調製および試験は、比較例3に従い、ただし、被着体への堆積時にエチレングリコール溶液15μLをポリマー溶液に添加して行った。結果として、エチレングリコールのモル量は(アクリル酸メチルに対して)45モル%に達した。
【0056】
図3Bに図示されているように、45%エチレングリコールを添加すると、曲線が丸みを帯びるようになり、延性の高い材料への移行が示唆される。ただし、機械的強度は、見かけ上、エチレングリコールを添加したことによる影響が見られない。ポリマー単独の場合の強度(1.86±0.45MPa)は、エチレングリコールが添加された後の強度(2.03±0.59MPa)に極度に近似しているからである。ここで想定し得るのは、エチレングリコールと水素結合受容性(水素結合供与性とは異なる)メチルエステル基との間に発生する水素結合が最小限に抑えられ、材料を強化することなしに、脆性から延性への移行が可能になるという点である。
【0057】
比較例5
比較例5の調製および試験は、比較例4に従い、ただし、被着体への堆積時にジメトキシエタン溶液(エチレングリコールの代替物)15μLを、ポリマー溶液中に添加した。結果として、ジメトキシエタンのモル量は(アクリル酸メチルに対して)45モル%に達した。
【0058】
図3Cに例証されているように、ジメトキシエタンは水素結合する能力を有さないため、ポリ{[ドーパミンメタクリルアミド]-co-[メチルメタクリル酸塩]}ポリマーにジメトキシエタンを添加しても、効果はほとんどなかった。材料の強化は全く観られず(2.37±1.05MPa)、且つ本材料の力対伸張曲線の挙動における変化も観られなかった。観察されたのは脆性破壊であり、結果として、材料の特性への影響は最小限に抑えられた。
【0059】
比較例6
ポリアミンであるスペルミンの添加を利用して、比較例1で合成されたポリ{[ドーパミンメタクリルアミド]-co-[アクリル酸]}ポリマーの接着に対して及んだ影響を調査し、それによって、アクリルカルボン酸とスペルミンのアミン残基との間の相互作用を研究した。比較例6の調製および試験は、比較例1に従い、ただし、被着体への堆積時にスペルミン溶液(エチレングリコールの代替物)15μLをポリマー溶液に添加して行った。結果として、スペルミンのモル量は(アクリル酸に対して)45モル%に達した。
【0060】
スペルミンを添加したにもかかわらず、エチレングリコールと同じ効果は得られなかった。材料の強度は増加した(2.24±0.27MPa)が、材料において観察されたのは脆性破壊であった。ここで想定し得るように、プロトン移動を介したカルボン酸アンモニウム結合が形成された結果として、延性挙動に比べて脆性が高まる。
【0061】
上記に明らかにされているように、易壊性結合を特徴とする新規な生体模倣コポリマーを使用して接着性ポリマーの延性および強度を同時に向上させるという戦略は、こうして同定されてきた。
【0062】
上記の開示を想到すれば、他の多くの特徴、修正、および改善が、当業者に明らかになるであろう。