(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】誘電体バリアプラズマで体の表面を処置するための処置アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H05H 1/24 20060101AFI20240704BHJP
H01R 12/59 20110101ALI20240704BHJP
H01R 13/629 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
H05H1/24
H01R12/59
H01R13/629
(21)【出願番号】P 2021559314
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(86)【国際出願番号】 EP2020060447
(87)【国際公開番号】W WO2020212338
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-06-03
(31)【優先権主張番号】102019109940.4
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512158435
【氏名又は名称】シノギー・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】CINOGY GmbH
【住所又は居所原語表記】Max-Naeder-Str. 15, 37115 Duderstadt, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】トルトビグ、レオンハルト
(72)【発明者】
【氏名】バンドケ、ディルク
(72)【発明者】
【氏名】ストルク、カール-オット
(72)【発明者】
【氏名】ハーンル、ミルコ
(72)【発明者】
【氏名】リッケ、メラニー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルモルト、ヤン-ヘンドリック
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/015717(WO,A1)
【文献】特開2014-222608(JP,A)
【文献】特開平05-299142(JP,A)
【文献】特開2010-040394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R13/56-13/72
H05H1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリ(1)と接触要素(2、2’)とを備える、誘電体バリアプラズマで体の表面を処置するための処置アセンブリであって、
(a)前記電極アセンブリ(1)は、
基部、
少なくとも1つの電極(1a、1b)、及び
接触付加部(5)と誘電体(3)内の予め作製された切欠き(14)とを有する誘電体(3)を有し、
前記少なくとも1つの電極(1a、1b)は、前記基部に配置され、前記誘電体(3)によって処置されるべき表面に対して完全に遮蔽され、接続導体(6a、6b)によって前記接触付加部(5)内に延びており、
(b)前記接触要素(2、2’)は、
前記接触付加部(5)のための収容開口(18、18’)、
交流高電圧源、
対応する前記電極(1a、1b)との接点を確立するための非絶縁端面(46)を有する
少なくとも2つのコンタクトピン(31)、及び
レバーアセンブリであって、前記収容開口(18、18’)を開閉するための、そして前記電極(1a、1b)を前記交流高電圧源に接続するべく、前記予め作製された切欠き(14)を通して前記電極(1a、1b)上に前記コンタクトピン(31)を押し付けるためのレバーアセンブリを有し、
(c)前記電極アセンブリ(1)が少なくとも2つの電極(1a、1b)を有し、前記少なくとも2つの電極は、前記基部に配置され、前記誘電体(3)によって互いに絶縁され、それぞれが1つの接続導体(6a、6b)により前記接触付加部(5)内に延びており、
(d)それぞれの接続導体(6a、6b)のために、前記誘電体(3)内の1つの切欠き(14)、及び1つのコンタクトピン(31)が有り、
(e)前記少なくとも2つの電極(1a、1b)は、前記交流高電圧源からの交流高電圧で励起される際に前記誘電体バリアプラズマを生成するように構成されている、
処置アセンブリにおいて、
(f)前記接触要素(2)における前記コンタクトピン(31)の少なくとも1つが、誘電体シース(30)に覆われており、
(g)少なくとも1つの前記誘電体シース(30)は、前記誘電体(3)内の対応する前記切欠き(14)に対して、半径方向に過大寸法を有しており、そのことにより前記コンタクトピン(31)の前記非絶縁端面(46)が対応する前記電極(1a、1b)と接触した場合に、前記誘電体シース(30)が、空隙を回避するように前記誘電体(3)の中に前記レバーアセンブリによって圧入される、
ことを特徴とする処置アセンブリ。
【請求項2】
前記電極アセンブリ(1)が、前記交流高電圧源の逆相に接続される2つの電極(1a、1b)を有することを特徴とする、請求項1に記載の処置アセンブリ。
【請求項3】
前記誘電体シース(30)が、少なくとも1つの段によって階段状に互いに隣接する2つの外断面を有し、前記外断面は、前記コンタクトピン(31)の前記非絶縁端面(46)に向かって小さくなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の処置アセンブリ。
【請求項4】
前記誘電体(3)の前記切欠き(14)が、前記誘電体シース(30)の段に対応するように内断面の段を有することを特徴とする、請求項3に記載の処置アセンブリ。
【請求項5】
前記誘電体の少なくとも1つの内断面及び/又は前記誘電体シース(30)の外断面が、前記コンタクトピン(31)の前記非絶縁端面(46)に向かって円錐状に先細りに形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の処置アセンブリ。
【請求項6】
前記電極アセンブリ(1)が平面状に形成され、前記電極アセンブリ(1)内の平面上に形成された前記電極(1a、1b)が、前記誘電体(3)の平面層によって、前記処置されるべき表面から遮蔽されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の処置アセンブリ。
【請求項7】
前記電極(1a、1b)及び前記誘電体(3)が可撓性であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の処置アセンブリ。
【請求項8】
前記レバーアセンブリが、一方の側に操作端、他方の側に制御端がある2アーム操作レバーを有することと、前記制御端が、前記収容開口を開閉する壁片(19)と回転継手を介して関節式に接続され、前記壁片が回転軸(20)に回転可能に支承され、かつ中間リンク(25)を介して前記制御端と回転可能に接続されていることと、を特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の処置アセンブリ。
【請求項9】
前記壁片(19)は、前記収容開口(18)の閉状態において前記コンタクトピン(31)に被さるカバーとして形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の処置アセンブリ。
【請求項10】
前記カバーは、前記壁片(19)を閉鎖する縁部(23)を有し、前記縁部は、前記収容開口(18)の閉状態において、前記収容開口(18)の平坦な底部(29)と平行に終えることを特徴とする、請求項9に記載の処置アセンブリ。
【請求項11】
前記接触付加部(5)の前記誘電体(3)は、前記収容開口(18)の閉状態において、前記カバーの前記縁部(23)と前記平坦な底部(29)との間に挟まれていることを特徴とする、請求項10に記載の処置アセンブリ。
【請求項12】
前記レバーアセンブリの閉位置のための第1センサと、前記第1センサによって制御され、前記電極(1a、1b)への高電圧の供給を遮断するためのスイッチと、によって特徴付けられる、請求項1~11のいずれか一項に記載の処置アセンブリ。
【請求項13】
前記収容開口(18、18’)が閉じた後の前記収容開口(18、18’)への前記接触付加部(5)の完全な挿入を検出するセンサによって特徴付けられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の処置アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極アセンブリであって、電極アセンブリの基部に少なくとも1つの電極が配置され、誘電体によって、処置されるべき表面に対して完全に遮蔽され、かつ接続導体により誘電体の接触付加部内に延びる、電極アセンブリと、接触要素であって、接触付加部のための収容開口と、収容開口を開閉するため、及びコンタクトピンを、電極への交流高電圧源の接続を供給するべく、誘電体の予め作製された切欠きを通して電極に押し付けるためのレバーアセンブリと、を有する接触要素と、を備える誘電体バリアプラズマで体の表面を処置するための処置アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
物体の表面での誘電体バリアプラズマ放電が表面にプラスの影響を与え得ることはかなり以前から知られている。誘電体バリアプラズマ放電である低温プラズマ放電によって様々な材料からなる表面を消毒することができ、及び/又は接着剤、塗料、又はそれに類するものを受ける準備をすることができる。さらに、誘電体バリアプラズマ放電による生体の皮膚表面の処置も知られており、それによって皮膚の消毒のみならず微小循環の向上、それに伴い創傷治癒の改善も達成することができる。
【0003】
誘電体バリアプラズマを生成するために、処置アセンブリの電極に交流高電圧が供給される。最初、電極アセンブリは適切な高電圧ケーブルを介して交流高電圧が生成された処置装置に接続されていたが、特に皮膚表面の処置のために、処置後、使用済の電極アセンブリを迅速かつ簡単に新しい無菌包装された電極アセンブリと取り替えることができるようにするために、このような電極アセンブリを容易に交換できるように形成するという思想が次第に追及されるようになった。
【0004】
冒頭で述べた特徴を有するその種の処置アセンブリが、例えば独国特許出願公開第102014013716号明細書から知られている。電極アセンブリの誘電体は、電極が接続導体により延び入る接触付加部を形成する。誘電体は、接触付加部に切欠きを備え、この切欠きによって接続導体の小さい表面が切欠きの底部として露出する。使用中に、接触要素の接触ピンが切欠き内に突出し、端面側で接続導体の露出面と接触し、それによって交流高電圧がコンタクトピンを介して電極に供給される。接触要素は、コンタクトピンと誘電体の切欠きとからなるアセンブリを絶縁ハウジングで包囲し、絶縁ハウジングの、接触要素のための収容開口をレバーアセンブリで閉鎖可能であり、それにより高電圧供給に対する接触の安全性が保証されている。
【0005】
欧州特許第3320759号明細書によって、2つの電極が基部に互いに並べて配置されている電極アセンブリが開示されている。2つの電極は、誘電体に完全に埋め込まれ、したがって誘電体によって互いに絶縁もされている。電極アセンブリの2つの電極を交流高電圧源の異なる端子と接続し、それにより電極の1つが高電圧相を受け取り、もう1つの電極が接地電位になるようにすることが知られているが、欧州特許第3320759号明細書では2つの電極に交流電圧源の反転した相を印加することが企図されている。これにより、電極付近で交流高電圧信号の振幅が2倍になり、その一方で励起場が電極からいくらか距離をおいて互いに打ち消し合い、それにより周囲環境に干渉する電磁場が大幅に減少する。接触要素が大きくなりすぎないようにするために、2つの電極の接続導体が可能な限り幅の狭い接触付加部において互いに平行に延びるようにし、そこで接触要素のコンタクトピンと接触させることが企図されている。しかしその結果、接触ピンを互いに近くに配置することが必要になる。しかし、ここで使用される、例えば20kVの電圧振幅は、フラッシュオーバを防止するために必要なコンタクトピン間又は接続導体間の通気路の長さにもとづく最小相互距離を必要とする。誘電体が、2つの電極に対してそれぞれ1つの接触付加部を有し、これらの接触付加部が電極アセンブリの基部から異なる方向に延びる場合に、この距離を遵守することができる。しかしそのことにより、2つの接触要素を使用する必要性が生じ、実際には手間が2倍になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】独国特許出願公開第102014013716号明細書
【文献】欧州特許第3320759号明細書
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明を基礎付ける課題設定は、電極アセンブリに少なくとも2つの電極を備える冒頭で述べた種類の処置アセンブリを、可能な限り少ない手間で接触させ得るように形成することである。
【0008】
上記課題を解決するために、冒頭で述べた種類の処置アセンブリは、電極アセンブリが少なくとも2つの電極を有し、少なくとも2つの電極が基部に配置され、誘電体によって互いに絶縁され、かつそれぞれ1つの接続導体により接触付加部内に延びることと、各接続導体に、誘電体の切欠きと、それぞれのコンタクトピンが存在することと、接触要素におけるコンタクトピンの少なくとも1つが誘電体シースに覆われており、かつ関連する電極との接点を形成するための非絶縁端面を備えて形成されていることと、少なくとも1つの誘電体シースが誘電体における関連する切欠きに対して過大寸法を有し、コンタクトピンの非絶縁端面が関連する電極と接触した場合に、シースがその過大寸法により誘電体におけるシースの空隙回避プレス座(Presssitz)にレバーアセンブリによって達することと、を特徴とする。
【0009】
本発明により形成することで、コンタクトピンがその誘電体シースとともに誘電体に空隙なしに着座することが確保され、それにより少なくとも2つの電極のためのコンタクトピン間、又は少なくとも2つの電極同士の間に直接的な通気路が生じない。むしろ、関連する最小距離は、決定的には誘電体及び誘電体シースの誘電特性によって決まる。
【0010】
本発明は、少なくとも2つの電極が従来のように交流電圧源に接続されている場合、すなわち、一方の電極が交流電圧相に接続され、他方の電極が接地されている場合に適用可能である。この場合、高電圧源の接地端子と接続されているコンタクトピンに誘電体シースを必ずしも設ける必要はない。当然のことながら、このコンタクトピンが、本発明による仕方で誘電体の関連する切欠きに対して過大寸法の誘電体シースを備えた場合にもフラッシュオーバに対する安全性が向上する。
【0011】
本発明は、電極アセンブリが、互いに逆向きの相の交流電圧と接続される2つの電極を有する場合に特に合目的的である。この場合、最大電位差が2倍になるため、関連する電極との接続がコンタクトピンの端面を介して作成される場合に、コンタクトピンをいわば空隙なしに誘電体に埋め込むために、2つのコンタクトピンに本発明による誘電体シースを設けることが特に必要である。
【0012】
逆相に制御された2つの電極を備えた記載される実施形態の一変更形態では、さらに、電極アセンブリにおける第3の電極として接地電極が企図され得る。その場合、接地電極を電極アセンブリの多層構造の別の位置で、逆相に制御された2つの電極の向かい側に配置することが場合によっては合目的的であるかもしれず、それにより逆相に制御された各電極と、処置されるべき表面との間の接地電極が誘電体に位置することになる。当然、接地電極は誘電体によってそれぞれ逆相の電極に対して絶縁される。この場合、接地電極は、励起場が接地電極の開口を通って延びることにより、いわゆる表面プラズマの形成を可能にする貫通部を有するであろう。
【0013】
しかしながら、本発明には、処置されるべき表面、又は関連する物体が対電極を形成する、2つの逆相に制御される電極を備えた形態が好ましい。このために、物体を接地端子で接地することができる。一般に、物体はその質量にもとづき「浮遊」接地電極/対電極を形成することで十分である。
【0014】
本発明の一実施形態では、誘電体シースが、少なくとも1つの段によって少なくとも2つの異なった外断面を備えて形成され、外断面の寸法は非絶縁端面に向かって小さくなる。したがって、誘電体の切欠きは、対応する段を備えることができる。その場合、誘電体シースと切欠きとが協働して、切欠きにおける、改善され、かつより確実なシースのプレス座が保証され得る。
【0015】
この目的のために、さらに、誘電体の内断面が、コンタクト位置に割り当てられた誘電体シースの外断面に相対してコンタクトピンの軸方向に鋭角をなし、それにより切欠きへのシースの漏斗類似の挿入が生じる形態が用いられる。
【0016】
一実施形態では、切欠きの内断面及びシースの外断面が円形に形成されるが、他の断面形状、例えば正方形の断面も可能である。
【0017】
本発明は、電極アセンブリが平面状に形成され、電極アセンブリにおいて、平面状に形成された電極が、誘電体の平面状の層によって、処置されるべき表面から遮蔽されている場合に合目的的であり得る。処置されるべき表面からの遮蔽は、誘電体が、処置されるべき表面に当接するように形成された当接面を形成し、この当接面が、殊に誘電体がその当接面で処置されるべき表面に当接する場合に、プラズマを形成するための空間を形成するように構造化されていることによるものである。表面の構造化は、それ自体公知のように、ネップ、格子構造、止まり穴のような切欠き、又はそれに類するものによってなり得る。
【0018】
特に、曲面や不規則な表面の処置には、電極と誘電体とが可撓性である場合に合目的的である。
【0019】
誘電体の接触付加部に接触要素を押し付けるレバーアセンブリが閉位置でロック可能であることが合目的的である。レバーアセンブリとして、ロッカスイッチと呼ばれるレバーアセンブリが考えられる。電極アセンブリと接触要素との間に接続が作成される確実性を高めるために、レバーアセンブリが、回転軸を備え、回転軸の一方の側に操作端、回転軸の他方の側に制御端がある2アームレバーを有することができ、制御端が、収容開口を開閉する壁片と回転継手を介して関節式に接続され、壁片が回転軸に回転可能に支承され、回転軸は、回転継手よりも収容開口に近いところに位置する。したがって、レバーアセンブリは、ひじ継手制御をなし、それによって壁片を大きく開いて収容開口を形成することができ、かつ接触付加部が収容開口に正しく位置決めされている場合、収容開口が閉じた場合に誘電体の接触付加部に適切な押圧力を加える。
【0020】
接触付加部が、接触要素の対応するピン又は対応する凹部と協働するとともに、正しく位置決めされた場合にのみレバーアセンブリの特定の、場合によってはロックされる位置への収容開口の閉鎖を可能にする一体成形されたピン又は成形された凹部の形式の機械的位置決め補助を追加的に備えることが合目的的であり得る。正しい位置決めは、同様に、コンタクトピンがそのシースで、プレス座への誘電体の関連する切欠きに適切に嵌合することを前提とする。
【0021】
収容開口を形成する可動壁片を、収容開口の閉状態でコンタクトピンに被さるカバーとして形成することができる。一実施形態では、カバーは周囲に延びる壁を有することができ、この壁の周囲に延びる縁部は、収容開口の閉状態において収容開口の平坦な底部に対して平行に終わる。したがって、周囲に延びる縁は、誘電体の接触付加部を収容開口にクランプするために用いられ、壁片のプレストレスにより可撓性誘電体が周囲に延びる縁で押し付けられる。
【0022】
高電圧を伝送するために用いられる電極アセンブリの接触要素と接触付加部との間の接続の確実性を高めるために、レバーアセンブリの閉位置のための第1センサを設けることができ、第1センサは電極への高電圧の供給を遮断するためのスイッチを制御する。したがって、電極への高電圧の供給は、センサがレバーアセンブリの閉位置を検知した場合にのみ可能である。
【0023】
同様に、第2センサは、収容開口が閉じた場合に、収容開口への接触付加部の完全な挿入を検出することができる。これにより、電極アセンブリが接触要素と接続されていない場合には、接触要素がコンタクトピンに高電圧を伝導しないことが保証される。
【0024】
センサとして、例えば、接触要素の可動部分の対応する付加部と協働する光バリアが適している。光バリアを遮断することによってレバーアセンブリの閉状態を表示するために、レバーアセンブリの付加部が割り当てられた光バリア内に突出することができる。同様に、収容開口に押し込まれた接触付加部は、収容開口が閉じた場合にレバーアセンブリを操作することができ、レバーアセンブリは、第2光バリア内に入り込む付加部を有し、接触付加部が収容開口に正しく位置決めされている場合に光バリアを遮断する。当然、光バリアは、接触付加部の正しい位置決め及び/又はレバーアセンブリの正しい閉鎖が行われた場合には、光バリアが遮断されないという逆の機能でも使用することができる。好都合な一実施形態では、光バリア本体の、3つの「歯」を有するフォーク形の端部に2つの光バリアを配置することができる。このように形成された2つの中間空間を、光バリアのそれぞれ1つによって架橋することができる。次に、接触要素の可動部分の付加部は、それぞれの検出状態のために歯間の関連する中間空間に係合し、したがってそれぞれの光バリアを遮断することができ、このことがセンサ信号として評価される。
【0025】
プラズマ場を励起する交流高電圧信号は、好ましくは、パルス幅が次のパルスまでのインターバルよりもはるかに小さいパルス信号である。実際には、励起パルスは、パルス振幅が大幅に(例えば指数関数的に)減少する減衰振動として現れ、このように形成された減衰波列は、同様に次の励起パルスまでのインターバルの一部のみを占める。
【0026】
誘電体バリアプラズマ放電ではわずかな電流しか流れないので、接触要素を、バッテリ電圧供給及び自己の高電圧発生段を備えた自給自足の装置として形成することができる。例えば減衰パルス列の形式の逆相の高電圧信号で2つの電極を制御するために、例えばそれぞれ1つのインダクタを有することができる2つの高電圧発生段が必要である。インダクタを互いに逆向きに巻回でき、その結果、高電圧信号が逆相で形成される。
【0027】
当然、接触要素に供給電圧ケーブルを通すことも可能である。この場合も、接触要素に高電圧を発生させることができ、それにより接触要素への高電圧の伝送は不要であり、高電圧ではない普通の供給電圧が伝送される。
【0028】
これに代えて、当然のことながら、接触要素に外部で生成された高電圧信号を供給することも可能である。この場合、耐高電圧ケーブルとケーブルグランドを使用する必要がある。
【0029】
以下、図に示された実施例をもとにして本発明について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】電極アセンブリがまだ挿入されていない接触要素の収容開口が開いている第1の実施形態での平面状の電極アセンブリと接触要素とを有する処置アセンブリの上面図である。
【
図3】電極アセンブリを収容開口に挿入した後に収容開口が閉じられた第1の実施形態の
図1による上面図である。
【
図5】収容開口の開状態における第1センサの機能を説明するための断面図である。
【
図6】電極ユニットが挿入された後の収容開口の閉状態における
図5による断面図である。
【
図7】2つの光バリアの機能を説明するための、開状態での接触要素の横断面である。
【
図8】接触要素の閉状態における
図7による横断面図である。
【
図9】収容開口の閉状態における接触要素と電極アセンブリとの間の接触の拡大詳細図である。
【
図10】ハウジングカバーが取り外された後の接触アセンブリの上面図である。
【
図11】電圧供給のための接続線を有する接触要素を形成することによる第1の実施形態の変更形態の図である。
【
図13】第2の実施形態による、接触要素を備えた電極アセンブリの上面図である。
【
図14】収容開口が開いている、
図13の線A-Aに沿う縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明による処置アセンブリは、電極アセンブリ1と接触要素2とからなる。
【0032】
図1~
図7には、接触要素が電極アセンブリ1の完全な供給のための自給自足装置として形成される本発明による処置アセンブリの第1の実施例が示され、以下に詳しく説明される。
【0033】
図示される実施例では、電極アセンブリ1は2つの電極1a、1bからなり、2つの電極は平面状に形成され、誘電体3に完全に埋め込まれている。基部において実質的に正方形の面として形成された誘電体3は、この誘電体と一体に接続された薄い載置舌片4を有し、これらの載置舌片と電極アセンブリ1を、処置されるべき面上で、例えば貼り付けることによって接続することができる。このように、電極アセンブリは特に創傷被覆材として適している。
【0034】
誘電体の基部には、その一方の側の中心に、誘電体3の最大幅よりも格段に小さい幅を有する細長い接触付加部5が連接している。関連する電極1a、1bと一体に接続されているそれぞれ1つの接続導体6a、6bが、2つの電極1a、1bから、誘電体3に属し、誘電体と一体に形成された接触付加部5内に延びる。電極1a、1b及び接続導体6a、6bは、すべての面が、その接触付加部5を有する誘電体3に埋め込まれ、それにより電極1a、1b及び接続導体6a、6bと触れる可能性はない。したがって、誘電体3は、電極1a、1b及びそれらの接続導体6a、6bのすべての通電部分を電気的に遮蔽し、電極1a、1bから電極アセンブリ1の外側の対電極への直接的な電流の流れを防ぐ。2つの電極1a、1b及びこれらの電極の接続導体6a、6bは平面状に形成され、誘電体3の材料によって中心軸線7に沿って互いに絶縁されている。
図1において、中心軸線7は、これが電極アセンブリ1にわたって延在する範囲で切断線E-E上に延びる。
【0035】
誘電体3は、誘電体の実質的に正方形の基本形状の領域において、誘電体3の上面9から、処置されるべき表面のための当接面をなす誘電体の下面10まで延在する多数の貫通穴8を備えている。貫通孔8よりも大きい電極1a、1bの貫通孔8’が誘電体3の貫通孔8と一直線に並び、それにより電極1a、1bは、貫通穴8によって形成されたチャネルにおいても誘電体3によって遮蔽される。
【0036】
図2に示されるように、誘電体3の下面10には、幅の狭いウェブ12によって互いに分離されているチャンバ11がある。ウェブ12は、下面10に格子構造を形成し、チャンバ11は、この格子構造において実質的に正方形の形状に形成されている。しかしながら、チャンバ11の形状及び大きさは自由に選択できる。チャンバは、ウェブ12によって区画される必要はなく、誘電体3の材料に止まり穴のような凹部として形成することもできる。さらに、例えば、誘電体の下面10において突出するネップが誘電体3の材料と一体に形成されることにより、側方が画定されないプラズマ用の空間を形成することも可能である。
【0037】
接触付加部5は、下面10に、中心軸線7に対して横方向に延びるウェブ状の凸部13を有し、この凸部は、以下で詳しく説明されるように、接触要素2における電極アセンブリ1の正しい位置決めのために用いられる。
【0038】
図2は、平面状の電極1a、1bが誘電体の材料に完全に埋め込まれているが、電極の端部で、接触付加部5において下面10に向かって開いた切欠き14の底を形成することを示す。切欠き14を介して、動作に必要な高電圧信号を関連する電極1a、1bに供給することができる。
【0039】
接触要素2は、電極アセンブリ1に高電圧信号を供給するために用いられる。接触要素は、収容開口18を有する実質的に閉じたハウジング15を形成するハウジング下部16及びハウジング上部17を有するハウジングを備えている。収容開口18は、ハウジング15に対して定置の軸20に旋回可能に支承された壁片19によって閉鎖可能である。ハウジング上部17には窪み21が形成され、操作レバー22が壁片19により収容開口18を閉鎖した場合、操作レバー22が旋回してこの窪みに入ることができる。壁片19はカバーを形成し、カバーは、その下面に、側方に及び電極アセンブリ1に向かって閉じた縁部23を形成し、縁部は、壁片19の閉状態において、電極アセンブリ1が接触要素2と接触状態にあるとき、電極アセンブリ1の平面状接触付加部5に対して平行に位置する。カバーとして形成された壁片19がある程度のカバー高さを有し、それにより定置の軸20の上方に別の回転軸24が位置する。壁片19は、回転軸24を介して中間リンク25と接続され、中間リンクは、一方では操作レバー22の付加部を、他方ではクランプレバー27を有する別の回転継手26と接続され、クランプレバー自体はハウジング15に対して定置の回転継手28によって支承されている。
【0040】
図2は、開状態での壁片19の操作アセンブリを示している。
図2aは、
図2の細部Bの拡大図である。
【0041】
図2は、収容開口18が、実質的に平坦な底部29によって下に向かって画定され、底部から、誘電体シース30で覆われたコンタクトピン31が上に向かって突出していることを示す。誘電体シース30の造形は、電極アセンブリ1の接触付加部5における切欠き14の造形に相当する。底部には、さらに横方向溝32があり、横方向溝の形状は、接触付加部5の下面10のウェブ状凸部13の形状に対応する。ウェブ状の凸部13が横方向溝32内に突出する場合、電極アセンブリ1は接触要素2に相対して正確に接触し、コンタクトピン31の誘電体シース30は、壁片19が閉じられて壁片19の下縁部23が誘電体3の材料をプレストレスにより押す場合に切欠き14に係合することができる。
【0042】
接触要素2にはさらに、光バリアホルダ33があり、この光バリアホルダには2つの光バリアが前後に並んで、それぞれ1つの隙間を形成する2つの外壁と1つの中間壁との間に配置され、それぞれ1つの光バリアによって隙間を埋めることができる。光バリアの1つと協働するために、クランプレバー27は、突出する付加部34を一体的に備えている。もう1つの光バリアと協働するために、2アームレバー35が定置の回転軸36に支承され定置の回転軸のレバーアーム37が収容開口18内に突出するのに対して、もう1つのレバーアームはその自由端で第2の光バリアの領域内に突出することができる。
【0043】
図2からさらに、接触要素2に電気制御部39が見て取れ、電気的制御部は、コンタクトピン31に高電圧信号を供給し、光バリアホルダ33における光バリアに適切な動作電圧を供給する。
【0044】
図3、
図4及び
図4aは接触要素2に電極アセンブリ1が挿入された状態、及び収容開口18が壁片19によって閉じられ、収容開口内に電極アセンブリ1の接触付加部5が突出する状態の、
図1及び
図2によるアセンブリを示す。
【0045】
図2a及び
図4aの拡大図の比較は、操作レバー22を閉じた場合に、付加部34が
図2aの初期位置から光バリアホルダ33の光バリア隙間内に突出するようにクランプレバー27が旋回することを明らかにする。したがって、付加部34によるこの光バリアの遮断は、操作レバー22の、したがって収容開口18を閉じる壁片19のための操作アセンブリの正しいロック状態を認識させる。
【0046】
同様に、
図5、
図5a、及び
図6、
図6aは、接触要素2の収容開口18への電極アセンブリ1の接触付加部5の正しい設置の第2の検出可能性を示す。このために2アームレバー35が用いられ、この2アームレバーは、収容開口18内に突出するレバーアーム37に作用する2つの圧縮ばね40によって、第2レバーアーム38が屈曲端41で光バリアホルダ33の第2の光バリアの領域内に突出する初期位置へ押される。
【0047】
図6及び
図6aに示されるように、電極アセンブリ1が接触要素2の収容開口18に正しく挿入され、収容開口18が壁片19によって正しく閉鎖される場合、壁片19の縁部23は、接触付加部5を下へとレバーアーム37の一端に押し付け、それによってこの端部が、そのために底部29に設けられた切欠き内に押し込まれ、それによってもう1つのレバーアーム38の屈曲端部41が当該光バリアの領域から上へ旋回させられる。
【0048】
2つの光バリアのスイッチング状態が、
図7、
図7a及び
図8、
図8aに断面図で示されている。特に、
図7a及び
図8aの拡大図から、光バリアホルダ33が見て取れる。片側が開いている隙間42を形成する2つの壁片43間に光線によって示される第1の光バリア44が見て取れる。これに対応して、平行の壁片43’は、第2の光バリア45が形成されている片側が開いた隙間42’を形成する。クランプレバー27の付加部34は第1の光バリアと協働し、レバーアーム38の屈曲端部41は第2の光バリアと協働する。
図7及び
図7aは、操作レバー22の開状態、したがって収容開口18の開状態において、第1の光バリア44が、放出された光線の受信、すなわち光線の非遮断を示すのに対して、第2の光バリア45の光線は、2アームレバー35のレバーアーム38の屈曲端部41によって遮断されていることを明らかにする。
【0049】
図8aは、電極アセンブリ1の接触付加部5が収容開口18に正しく挿入された場合の、操作レバー22の閉状態における光バリアを示している。この場合、屈曲端部41は、隙間42’でいくらか持ち上げられ、それにより第2の光バリア45が解放されるのに対して、クランプレバー27の付加部34は、第1の光バリアの光線を遮断する。
【0050】
図9は、接触要素2におけるコンタクトピン31を介した高電圧との電極1a、1bの接触を拡大詳細図で示す。接触要素2に正しく挿入された電極アセンブリ1の接触付加部5は、ウェブ状の凸部13で収容開口18の底部29における関連する横方向溝32に係合する。同様に、誘電体3の下面10の切欠き14は、コンタクトピン31の相応に成形された誘電体シース30に押し付けられる。誘電体シース30は、コンタクトピン31の絶縁されていない端面側の端46を除いて、コンタクトピン31を電極アセンブリ1の誘電体3に向かって完全に取り囲む。コンタクトピン31は、硬質の導電性材料、特に金属からなる。切欠き14を除いて電極アセンブリ1の誘電体3に完全に埋め込まれている導電性材料からなる電極1a、1bは、壁片19によって加えられるプレストレスによってコンタクトピン31の絶縁されていない端面側の端46に押し付けられ、それによって電極1a、1bに高電圧信号を導入するのに適した接点が作製される。
【0051】
誘電体シース30は、同様に成形された切欠き14に対してわずかな過大寸法で作製され、それにより壁片19の押圧によって誘電体シース30が切欠き14の中に圧入される。誘電体シース30の切欠き14の中への圧入を容易にするために、誘電体シース及び切欠き14をわずかに円錐形に形成することができ、それにより切欠き14への誘電体シース30の漏斗類似の挿入が生じる。図示される実施形態では、挿入は、さらに、誘電体シース30が、コンタクトピン31の端面側の端46に向かって階段状に先細りになっていることにより容易になり、それにより外径が階段状に異なる外断面を有する2つの略同じ長さの区分が得られる。外断面は好ましくは円形である。
【0052】
誘電体3と誘電体シース30とが十分な弾性に形成されているので、切欠き14における誘電体シース30の圧入によって、誘電体3と誘電体シース30との間の移行部における空隙の形成が効果的に阻止される。切欠き14又は誘電体シース30の壁部が、
図9に示されるように、周方向に取り巻く細い溝を備えている場合に、コンタクトピン31の長手方向に向いた空隙の生成をさらに確実に阻止することができる。溝間に生じる薄いリップは、切欠き14への誘電体シース30の圧入を容易にするだけでなく、誘電体シースの縦方向に連続する空隙が確実に形成され得ないことも確保される。
【0053】
誘電体3及び電極1a、1bを備えた電極アセンブリ1は可撓性であることが好ましい。その場合、電極1a、1bは、薄い金属箔によって形成することができるが、特に、適切な添加剤によって導電性にされたプラスチックポリマーからなることもできる。このように、誘電体と電極は、平面状に良好に互いに接続可能な類似の材料からなることができ、それにより、電極アセンブリが使用中に多少なりとも曲げられる場合も電極アセンブリ内での層間はく離の危険が回避される。
【0054】
図10は、ハウジング上部17が取り外された接触要素2のハウジング15の上面図において、マイクロコントローラ47と高電圧発生段48とアキュムレータ段49とを備える制御部39がハウジング内に配置されていることを示す。このように、接触要素2は、誘電体バリアプラズマを生成する電極アセンブリ1のための完全な制御及び供給装置として形成されている。
【0055】
これに対して、
図11及び
図12には、制御部39を含むが、この場合、接触要素2は、ケーブル接続50を介して外部電源51に接続されているため、アキュムレータ段49を含まない接触要素が示される。この場合も、高電圧耐性の接続を回避するために、制御部39は、高電圧発生段48を含むことができ、それにより、通常の交流電圧又は低圧直流電圧も外部電源を介して供給することができる。
【0056】
本発明の第2の実施例が
図13~
図16に示されている。これは、同じ電極アセンブリ1が接触することができる接触要素2’が別の形態である点でのみ第1の実施形態と異なる。
【0057】
この実施形態による接触要素2’は、固定回転軸53を中心に旋回可能なロッカ54の形式の操作レバー52を備えて形成され、ロッカは、一端に、電極アセンブリ1の接触付加部5を押圧するために同様に成形された、上記のカバーの形式の壁片19を有するのに対して、ロッカ54の他端に、以下に説明されるロックボタン55が作用する。ロックボタン55は、ロッカ54の電極から離れたレバー56上を摺動するように支承され、2つの圧縮ばね57によりロックボタンをレバー56から押し離すようにプレストレスされている。壁片19を形成する電極近くのレバー58は、接触要素2’のハウジング15’に支持される一対の圧縮ばね66(
図16)によって、
図14に示される収容開口18’の開位置に保持される。電極アセンブリ1の接触付加部5が挿入され、正しく位置決めされた後、収容開口18’の底部29’に向いた圧力が壁片19に加えられ、圧力は
図15及び
図16に矢印
【数1】
で示されている。それによって、ロックボタン55を備えた、ロッカ54の電極から離れたレバー56の端部が上方に押され、それによりロックボタン55の下端に位置する後方に向いた付加部59がハウジング15’における適切な切欠き60の前に到達し、この切欠きに付加部が圧縮ばね57によって素早く(schnappend)押し込まれ、それにより収容開口19の閉状態がロックされる。
【0058】
ロックを解除する、すなわち、例えば電極アセンブリ1を取り外す目的で収容開口19を開くために、ロックボタン55を圧縮ばね57の力に抗して電極アセンブリ1の方向に押されなければならない。これを容易にするために、ロックボタン55の上側に適切な波形起伏61があり、この波形起伏がロックボタンから操作指を滑り落ち難くする。
【0059】
接触要素2’の他のすべての部分は、第1の実施形態の対応する部分と一致するため、再度説明しない。
【0060】
図13は、接触要素2’の上面図において、この接触要素が、第1の実施形態の接触要素2と同様に、電気的機能(オン/オフ、高電圧オン/オフ)のための操作ボタン62/63と、検出されたセンサ状態(レバーがロックされた、接触付加部5が収容開口18、18’に正しく挿入された)のためのコントロールランプとしての表示光源64、65とを備えることができることを示す。さらに、電極に近いレバー58にも圧力を加えるための波形起伏61’を設けることができる。
【0061】
図13~
図16の第2の上記の実施例は、構造的により単純であるのに対して、第1の実施例のほうが操作しやすい。操作性の向上は、レバー比にもとづいて収容開口18をより大きく形成でき、そのことが接触要素2への電極アセンブリ1の正しい挿入を容易にするということからもたらされる。さらに、操作レバーのレバー比は、レバーアセンブリのロック状態への押圧力を容易に加えることをもたらす。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 電極アセンブリ(1)と接触要素(2、2’)とを備える誘電体バリアプラズマで体の表面を処置するための処置アセンブリであって、
前記電極アセンブリ(1)の基部に少なくとも1つの電極(1a、1b)が配置され、前記電極(1a、1b)は、誘電体(3)によって、処置されるべき表面に対して完全に遮蔽され、かつ接続導体(6a、6b)により前記誘電体(3)の接触付加部(5)内に延びており、
前記接触要素(2、2’)は、前記接触付加部(5)のための収容開口(18、18’)と、前記収容開口(18、18’)を開閉するための、及び前記電極(1a、1b)への交流高電圧源の接続を案内するべく、前記誘電体(3)の予め作製された切欠き(14)を通して前記電極(1a、1b)にコンタクトピン(31)を押し付けるためのレバーアセンブリと、を有する処置アセンブリにおいて、
前記電極アセンブリ(1)が少なくとも2つの電極(1a、1b)を有し、前記少なくとも2つの電極が前記基部に配置され、前記誘電体(3)によって互いに絶縁され、かつそれぞれ1つの接続導体(6a、6b)により前記接触付加部(5)内に延びることと、
各接続導体(6a、6b)に、前記誘電体(3)の切欠き(14)と、それぞれのコンタクトピン(31)が存在することと、
前記接触要素(2)における前記コンタクトピン(31)の少なくとも1つが、誘電体シース(30)に覆われているとともに、関連する前記電極(1a、1b)との接点を形成するための非絶縁端面(46)を備えて形成されていることと、
前記少なくとも1つの誘電体シース(30)が前記誘電体(3)における関連する前記切欠き(14)に対して過大寸法を有しており、そのことにより前記コンタクトピン(31)の前記非絶縁端面(46)が関連する前記電極(1a、1b)と接触した場合に、前記少なくとも1つの誘電体シース(30)が、空隙を回避するように前記誘電体(3)の中に前記レバーアセンブリによって圧入されることと、
を特徴とする処置アセンブリ。
[2] 前記誘電体シース(30)が、少なくとも1つの段によって階段状に互いに隣接する2つの外断面を有し、前記外断面は、前記コンタクトピン(31)の前記非絶縁端面(46)に向かって小さくなることを特徴とする、[1]に記載の処置アセンブリ。
[3] 前記誘電体(3)の前記切欠き(14)が、前記誘電体シース(30)の段に対応する内断面の段を有することを特徴とする、[2]に記載の処置アセンブリ。
[4] 前記誘電体の少なくとも1つの内断面及び/又は前記誘電体シース(30)の外断面が、前記コンタクトピン(31)の前記非絶縁端面(46)に向かって円錐状に先細りに形成されていることを特徴とする、[1]~[3]のいずれか1項に記載の処置アセンブリ。
[5] 前記電極アセンブリ(1)が平面状に形成され、前記電極(1a、1b)が、平面状に形成された前記誘電体(3)の平面層によって、前記処置されるべき表面から遮蔽されていることを特徴とする、[1]~[4]のいずれか1項に記載の処置アセンブリ。
[6] 前記電極(1a、1b)及び前記誘電体(3)が可撓性であることを特徴とする、[1]~[5]のいずれか1項に記載の処置アセンブリ。
[7] 前記レバーアセンブリが、一方の側に操作端、他方の側に制御端がある2アーム操作レバーを有することと、前記制御端が、前記収容開口を開閉する壁片(19)と回転継手を介して関節式に接続され、前記壁片が回転軸(20)に回転可能に支承され、かつ中間リンク(25)を介して前記制御端と回転可能に接続されていることと、を特徴とする[1]~[6]のいずれか1項に記載の処置アセンブリ。
[8] 前記壁片(19)は、前記収容開口(18)の閉状態において前記コンタクトピン(31)に被さるカバーとして形成されていることを特徴とする、[1]~[7]のいずれか1項に記載の処置アセンブリ。
[9] 前記カバーは、前記壁片(19)を閉鎖する縁部(23)を有し、前記縁部は、前記収容開口(18)の閉状態において、前記収容開口(18)の平坦な底部(29)と平行に終えることを特徴とする、[8]に記載の処置アセンブリ。
[10] 前記接触付加部(5)の前記誘電体(3)は、前記収容開口(18)の閉状態において、前記カバーの前記縁部(23)と前記平坦な底部(29)との間にプレストレス下で挟まれていることを特徴とする、[9]に記載の処置アセンブリ。
[11] 前記レバーアセンブリの閉位置のための第1センサと、前記第1センサによって制御され、前記電極(1a、1b)への高電圧の供給を遮断するためのスイッチと、によって特徴付けられる、[1]~[10]のいずれか1項に記載の処置アセンブリ。
[12] 前記収容開口(18、18’)が閉じた後の前記収容開口(18、18’)への前記接触付加部(5)の完全な挿入を検出するセンサによって特徴付けられる、[1]~[11]のいずれか1項に記載の処置アセンブリ。