(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
A63F5/04 650
A63F5/04 603E
A63F5/04 603A
A63F5/04 603B
A63F5/04 605D
(21)【出願番号】P 2022077415
(22)【出願日】2022-05-10
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】石原 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】角谷 博幸
(72)【発明者】
【氏名】内田 翔也
【審査官】岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-117806(JP,A)
【文献】特開2016-083528(JP,A)
【文献】特開2023-117969(JP,A)
【文献】特開2018-196549(JP,A)
【文献】特開2002-233608(JP,A)
【文献】特開2021-126297(JP,A)
【文献】特開2021-019993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
遊技の結果に応じて当該遊技で払い出す遊技価値の払出数を決定する払出制御手段と、
メイン制御手段が制御する第1表示部と、
サブ制御手段が制御する第2表示部、音出力部および発光部と、を備えた遊技機であって、
前記第1表示部は、所定の値を表示可能であり、
前記第2表示部は、所定の値を表示可能であり、
前記払出制御手段によって所定数の遊技価値の払い出しが決定された場合には、
前記第1表示部で、値を順次更新させて前記払い出しを報知する第1払出報知と、
前記第2表示部で、値を順次更新させて前記払い出しを報知する第2払出報知と、
前記音出力
部で、前記払い出しを報知する第3払出報知と、が実行され、
前記第1払出報知の更新が終了するタイミングと、前記第2払出報知の更新が終了するタイミングと、が異なり、
前記第1払出報
知の更新の開始は、前記第3払出報知の開始より前であり、
前記第1払出報
知の更新の終了は、前記第3払出報知の終了より前であ
り、
前記第3払出報知は、前記払出数に応じた回数の払出音が繰り返し再生されるものであり、最後に再生される払出音の長さが、それ以前に再生される払出音の2倍以上の長さである
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技機として、外周面に複数の図柄が配列されたリールを複数備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示され、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理や、メダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
また、スロットマシンには、所定の情報を表示(報知)可能な7セグメント表示器を備えたものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機では、遊技の興趣を向上させることが求められている。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリール(例えば、リール20a,20b,20c)と、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(例えば、内部抽選手段42)と、
遊技の結果に応じて当該遊技で払い出す遊技価値の払出数を決定する払出制御手段(例えば、払出制御手段45)と、
メイン制御手段(例えば、メイン制御基板31)が制御する第1表示部(例えば、セグ表示部350)と、
サブ制御手段(例えば、サブ制御基板32)が制御する第2表示部(例えば、液晶表示部210)、音出力部(例えば、スピーカ14)および発光部(例えば、照明装置15またはバックライト17)と、を備えた遊技機であって、
前記第1表示部は、所定の値を表示可能であり、
前記第2表示部は、所定の値を表示可能であり、
前記払出制御手段によって所定数の遊技価値の払い出しが決定された場合には、
前記第1表示部で、値を順次更新させて前記払い出しを報知する第1払出報知と、
前記第2表示部で、値を順次更新させて前記払い出しを報知する第2払出報知と、
前記音出力部または前記発光部の少なくとも一方で、前記払い出しを報知する第3払出報知と、が実行され、
前記第1払出報知の更新が終了するタイミングと、前記第2払出報知の更新が終了するタイミングと、が異なり、
前記第1払出報知および前記第2払出報知の更新の開始は、前記第3払出報知の開始より前であり、
前記第1払出報知および前記第2払出報知の更新の終了は、前記第3払出報知の終了より前である。
【0008】
前記第1払出報知の更新が終了するタイミングと、前記第2払出報知の更新が終了するタイミングと、が異なる。両者が同時に終了する場合に比べて、終了タイミングにずれがある分、両方の値が変化していることを把握しやすい。
また、前記第1払出報知および前記第2払出報知の更新の開始は、前記第3払出報知の開始より前である。開始タイミングにずれを設けることで、同時に開始される場合に比べて、演出が単調となるのを抑制できる。
また、前記第1払出報知および前記第2払出報知の更新の終了は、前記第3払出報知の終了より前である。終了タイミングにずれがあり、前記第3払出報知がより長く実行される分、同時に終了する場合に比べて、より多くの遊技価値が払い出されているかのような感覚を遊技者に与えることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遊技機によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図2】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図3】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図4】同、打順小役の打順と入賞役との関係を説明するための図である。
【
図6】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図8】同、リールの停止制御について説明するための図である。
【
図9】同、ナビ演出について説明するための図であって、(a)は第1ナビ演出の一例、(b)は第2ナビ演出の一例、(c)は第2ナビ演出の他の例について説明するための図である。
【
図10】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図11】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図12】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図13】同、小役の当選態様を説明するための図である。
【
図14】同、小役の配当を説明するための図である。
【
図16】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図17】同、(a)は7セグメント表示器を示す図であり、(b)はバックライトを示す図である。
【
図18】同、メインループ処理について説明するためのフローチャートである。
【
図19】同、カウントアップ演出について説明するための図である。
【
図20】同、払出音演出について説明するための図である。
【
図21】同、払出音演出について説明するための図である。
【
図22】同、払出光演出について説明するための図である。
【
図23】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の変形例を示すもので、前扉の一部を正面側から見た図(概略図)である。
【
図24】同、各演出の開始タイミングおよび終了タイミングについて説明するための図である。
【
図25】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である
【
図27】同、液晶ディスプレイについて説明するための図である。
【
図28】同、レイヤ構造について説明するための図である。
【
図29】同、打順ナビ演出について説明するための図である。
【
図30】同、特定演出について説明するための図である。
【
図31】同、特定演出が実行された場合における各種表示について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、遊技機の概略構成について説明する。なお、本実施の形態では、本発明を遊技機の1つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の他の遊技機に適用されてもよい。また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0013】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの照明装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けてもよい。
【0014】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機は、第1リール20aの上段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、3枚に設定されており、規定数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0015】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0016】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0017】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(
図2参照)が設けられている。
【0018】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0019】
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0020】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0021】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0022】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0023】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0024】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0025】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0026】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、ボーナス内部中状態およびボーナス作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0027】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、
図3に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0028】
図3に示すように、本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役55が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「1枚ALL」、「打順ベル1」、「打順ベル2」、「打順ベル3A1」、「打順ベル3A2」、「打順ベル3B1」、「打順ベル3B2」、「打順ベル4A1」、「打順ベル4A2」、「打順ベル4B1」、「打順ベル4B2」、「打順ベル5A1」、「打順ベル5A2」、「打順ベル5B1」、「打順ベル5B2」、「打順ベル6A1」、「打順ベル6A2」、「打順ベル6B1」、「打順ベル6B2」、「スイカ」、「チャンス目」、「確定役」、「共通2枚」、「共通1枚A」、「共通1枚B」、「共通1枚C」および「共通1枚D」が用意されている。また、小役1~小役46は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっており、小役47~小役53は入賞すると12枚のメダル(規定数よりも多くのメダル)が払い出される12枚役となっており、小役54は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっており、小役55は入賞すると2枚のメダルが払い出される2枚役となっている。なお、以下では、当選エリア「打順ベル1」、「打順ベル2」、「打順ベル3A1」、「打順ベル3A2」、「打順ベル3B1」、「打順ベル3B2」、「打順ベル4A1」、「打順ベル4A2」、「打順ベル4B1」、「打順ベル4B2」、「打順ベル5A1」、「打順ベル5A2」、「打順ベル5B1」、「打順ベル5B2」、「打順ベル6A1」、「打順ベル6A2」、「打順ベル6B1」および「打順ベル6B2」をまとめて当選エリア「打順小役」と呼ぶこととする。
【0029】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役55)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、全ての1枚役(小役1~小役46)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベル」は、12枚役のうちいずれか1つと、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「スイカ」、「確定役」、「共通1枚A」、「共通1枚B」、「共通1枚C」および「共通1枚D」は、複数の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目」は3枚役が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通2枚」は2枚役が単独で当選する当選エリアとなっている。
【0030】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ7が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイ1」~「リプレイ8」が用意されている。
【0031】
当選エリア「リプレイ1」~「リプレイ8」は、複数のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0032】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、ビッグボーナス(RBB)が用意されている。また、ビッグボーナス(RBB)が単独で当選する当選エリアとして、当選エリア「RBB」が用意されている。また、当選エリア「共通1枚A」、「共通1枚B」および「共通1枚C」は、ビッグボーナス(RBB)が重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「共通1枚A」、「共通1枚B」および「共通1枚C」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナス(RBB)が重複して当選する一方、遊技状態がボーナス内部中状態の場合には、ビッグボーナス(RBB)が重複して当選しないようになっている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナス、例えば第一種特別役物(レギュラーボーナス(RB))等を用いてもよい。換言すると、本実施形態におけるビッグボーナス(RBB)をレギュラーボーナス(RB)等と読み替えてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。例えば、ビッグボーナス(RBB)やレギュラーボーナス(RB)が単独で当選する当選エリアが設けられていてもよい。
【0033】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0034】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図3では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がボーナス作動中状態の場合に当選し、一般中状態およびボーナス内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、ボーナス内部中状態およびボーナス作動中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「1枚ALL」および「RBB」以外の当選エリアは、遊技状態が一般中状態またはボーナス内部中状態の場合に当選し、ボーナス作動中状態では当選しないようになっている。
【0035】
各当選エリアには、それぞれに異なる当選エリア番号が付されている。そして、当選エリア番号によって各当選エリアが識別可能となっている。
【0036】
また、本実施形態の遊技機では、一般中状態とボーナス内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、ボーナス作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびボーナス内部中状態では、ボーナス作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0037】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0038】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ボーナス(ビッグボーナス(RBB))がある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でボーナスに当選すると、ボーナスの当選フラグの当選状態を、ボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0039】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0040】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0041】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0042】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0043】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0044】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0045】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0046】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。また、「打順1」と「打順2」とをまとめて「左押し」と呼び、「打順3」と「打順4」とをまとめて「中押し」と呼び、「打順5」と「打順6」とをまとめて「右押し」と呼ぶ。また、「中押し」と「右押し」とをまとめて「変則押し」と呼ぶことがある。
【0047】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0048】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0049】
当選エリア「打順小役」のそれぞれには、正解操作態様と不正解操作態様とが設定されている。具体的には、
図4に示すように、当選エリア「打順小役」のいずれかが当選した場合に、正解操作態様で停止操作がされると正解役としての12枚役が入賞し、不正解操作態様で停止操作がされると不正解役としての1枚役が入賞し得る(12枚役が入賞しない)ようになっている。また、当選エリア「打順小役」のそれぞれは、6通りの打順のうちの1通りが正解操作態様に設定されており、他の5通りの打順は不正解操作態様に設定されている。
なお、本実施形態では、正解操作態様としての特定の打順(正解打順)で停止操作を行った場合、各停止操作のタイミングにかかわらず必ず正解役が入賞するように構成されている。ただし、正解打順で停止操作を行うとともに、所定の停止操作を所定のタイミングで行った場合に正解役が入賞し、正解打順で停止操作を行っても、所定の停止操作を所定のタイミングで行わなかった場合には正解役が入賞しないように構成されていてもよい。
【0050】
当選エリア「打順ベル1」は、打順1が正解打順に設定されている。当選エリア「打順ベル2」は、打順2が正解打順に設定されている。当選エリア「打順ベル3A1」、「打順ベル3A2」、「打順ベル3B1」および「打順ベル3B2」は、打順3が正解打順に設定されている。当選エリア「打順ベル4A1」、「打順ベル4A2」、「打順ベル4B1」および「打順ベル4B2」は、打順4が正解打順に設定されている。当選エリア「打順ベル5A1」、「打順ベル5A2」、「打順ベル5B1」および「打順ベル5B2」は、打順5が正解打順に設定されている。当選エリア「打順ベル6A1」、「打順ベル6A2」、「打順ベル6B1」および「打順ベル6B2」は、打順6が正解打順に設定されている。
【0051】
当選エリア「打順小役」のいずれかが当選した場合に、正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、12枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、1枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0052】
なお、
図4には、各当選エリア当選時に各打順で停止操作が行われた場合の払い出されるメダルの枚数(すなわち入賞し得る小役)が示されている。なお、「0枚or1枚」という表記は、停止操作のタイミングがランダムであることを前提として、1枚役に入賞する場合と1枚役を取りこぼす(いずれの小役も入賞しない)場合とが存在することを示している。また、
図4は、ボーナス内部中状態における各当選エリアと正解操作態様および不正解操作態様との関係を示すものである。本実施形態においては、当選エリア「打順小役」のそれぞれは、一般中状態においては、ボーナス内部中状態における正解操作態様(12枚役が入賞する操作態様)で停止操作がされた場合に、1枚役が入賞するように停止制御が行われる。換言すると、一般中状態においては、当選エリア「打順小役」に当選しても12枚役を入賞させることができないようにされているが、入賞させることが可能に構成されていてもよい。
【0053】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0054】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0055】
本実施形態の遊技機では、小役1~小役46に入賞すると1枚のメダルが払い出され、小役47~小役53に入賞すると12枚のメダルが払い出され、小役54に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役55に入賞すると2枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0056】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0057】
遊技状態制御手段49は、
図5に示すように、一般中状態、ボーナス内部中状態およびボーナス作動中状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。
遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0058】
また上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナス(RBB)が抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、ボーナス内部中状態では、ビッグボーナス(RBB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、ボーナス作動中状態では、ビッグボーナス(RBB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0059】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。
また、一般中状態からはボーナス内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナス(RBB)が当選した場合に、遊技状態をボーナス内部中状態へ移行させる。
【0060】
ボーナス内部中状態は、内部抽選でビッグボーナス(RBB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス内部中状態では、ビッグボーナス(RBB)が入賞するまでビッグボーナス(RBB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(RBB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をボーナス内部中状態からボーナス作動中状態へ移行させる。
【0061】
ボーナス作動中状態は、ビッグボーナス(RBB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。また、ボーナス作動中状態では、ボーナス作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、ボーナス作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、ボーナス作動中状態の終了条件は、ボーナス作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって定められていてもよい。また、ボーナス作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0062】
指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82とを備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において所定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、当選エリア「打順小役」が当選した場合に、正解操作態様を報知して12枚役の入賞を補助する指示演出(ナビ演出)を行うか否かを決定する。そして、この決定に基づいて、演出制御手段100が、当該ナビ演出を液晶ディスプレイ13等に実行させるようになっている。当該ナビ演出では、液晶ディスプレイ13は、正解操作態様を報知する表示(ナビ表示)を実行する。具体的には、例えば、液晶ディスプレイ13は、正解操作態様に係る第1停止操作、第2停止操作および第3停止操作を報知するナビ表示を実行する。
【0063】
遊技区間制御手段80は、
図6に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。また、非有利区間においては、指示演出が実行されないようになっている。
【0064】
非有利区間においては、特典付与手段82は、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、例えば、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に応じて、有利区間移行抽選を行う。有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。なお、有利区間移行抽選で有利区間への移行が決定される確率は100%であってもよい。
【0065】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「3000」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が3000回に設定されており、有利区間において3000回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0066】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、12枚のメダルの払い出しがあった場合には「12」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0067】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0068】
演出状態制御手段81は、
図6に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態、チャンス演出状態、準備中演出状態およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0069】
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態、チャンス演出状態またはAT演出状態に移行させる。
【0070】
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。通常演出状態においては、特典付与手段82は、チャンス演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、通常演出状態において、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に応じて、CZ抽選を行う。そして、CZ抽選に基づいてチャンス演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態をチャンス演出状態へ移行させる。
【0071】
チャンス演出状態においては、特典付与手段82は、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、例えば、チャンス演出状態において、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に応じて、AT抽選を行う。そして、AT抽選に基づいてAT演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。
【0072】
チャンス演出状態は、通常演出状態に比べ、AT演出状態への移行の確率(期待度)が高く、通常演出状態に比べ、遊技者に有利な演出状態となっている。すなわち、本実施形態では、通常演出状態からAT演出状態へ移行する確率よりも、チャンス演出状態からAT演出状態へ移行する確率の方が高くなっている。なお、通常演出状態においてAT抽選が実行され、通常演出状態においてAT演出状態への移行が決定されるようになっていてもよく(通常演出状態から直接AT演出状態へ移行する場合があっていてもよく)、チャンス演出状態におけるAT抽選でAT演出状態への移行が決定される確率が、通常演出状態におけるAT抽選でAT演出状態への移行が決定される確率よりも高くなっていてもよい。
【0073】
なお、AT抽選に当選し、チャンス演出状態からAT演出状態に移行する場合等、ある演出状態から他の演出状態に移行する際に、別の演出状態を経由してから移行するようにしてもよい。例えば、チャンス演出状態においてAT抽選に当選した場合に、即座にAT演出状態を開始するのではなく、チャンス演出状態からAT演出状態の準備状態(準備中演出状態)等へ移行させ、その後AT演出状態へ移行させるものとしてもよい。本実施形態では、AT抽選に当選するなどしてAT演出状態への移行の権利が特典付与手段82から付与されると、演出状態が準備中演出状態に移行し、準備中演出状態において所定の条件が成立すると、AT演出状態が開始されるようになっている。準備中演出状態の詳細については後述する。
【0074】
AT演出状態においては、当選エリア「打順小役」が当選すると、演出制御手段100が、液晶ディスプレイ13等の演出装置に、正解役(12枚役)の入賞を補助するナビ演出を実行させる。AT演出状態は、通常演出状態やCZ演出状態に比べ、ナビ演出が実行される確率(頻度)が高く、通常演出状態やCZ演出状態に比べ、遊技者に有利な演出状態となっている。
【0075】
AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ67の記憶値に基づいて管理されている。指示機能制御手段51は、演出状態がAT演出状態へ移行する場合に、AT終了判定カウンタ67に設定する値を決定する。換言すると、指示機能制御手段51は、演出状態がAT演出状態へ移行する場合に、AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる。さらに換言すると、指示機能制御手段51は、演出状態がAT演出状態へ移行する場合に、AT終了判定カウンタ67に、AT演出状態の継続期間に係る値を設定する。
【0076】
また、指示機能制御手段51は、AT演出状態における遊技の進行に応じて、AT終了判定カウンタ67の記憶値を減少させる。そして、演出状態制御手段81は、AT演出状態においてAT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達すると、AT演出状態の終了条件が成立したとして、AT演出状態を終了させる。
【0077】
なお、AT終了判定カウンタ67の記憶値は、例えば、AT演出状態において獲得可能なメダルの枚数を表すものとしてもよく、AT演出状態において実行可能な遊技の回数(AT遊技回数)を表すものとしてもよく、実行可能なAT演出状態のセット数(ATセット数)を表すものとしてもよく、AT演出状態において実行可能なナビ演出(後述する第1ナビ演出)の回数(ナビ回数)を表すものとしてもよい。換言すると、AT演出状態が開始される場合に、AT終了判定カウンタ67に獲得可能なメダルの枚数や、AT遊技回数や、ATセット数や、ナビ回数等を設定するとともに、AT演出状態において、メダルが払い出される毎、遊技が行われる毎、1セットのAT演出状態が行われる毎あるいはナビ演出が行われる毎等の、所定契機でAT終了判定カウンタ67の記憶値を更新し、AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値に達したことに基づいて、AT演出状態を終了させることとしてもよい。
【0078】
また、特典付与手段82は、AT演出状態において、所定契機でAT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させるか否か決定する(AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選の結果に基づいてAT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる。
【0079】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が通常区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)およびAT終了判定カウンタ67の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0080】
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合等に、当選エリア「打順小役」が当選すると、正解操作態様を報知して12枚役の入賞を補助する指示演出(ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。当選エリア「打順小役」が当選し、指示演出で報知された正解操作態様に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず12枚役が入賞して12枚のメダルを獲得することができるようになっている。
なお、指示演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器(主制御表示器19)も指示演出で報知される操作態様に対応する表示(ナビ表示)を行う。
【0081】
本実施形態では、ボーナス内部中状態においては、内部抽選の結果にかかわらず(かつ停止操作の態様にかかわらず)ビッグボーナス(RBB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されることがないようにリール20a~20cの停止制御が実行されるようになっている。すなわち、本実施形態では、遊技状態が一度ボーナス内部中状態に設定されると、以降はボーナス内部中状態での遊技が継続するようになっている。このため本実施形態では、基本的にボーナス内部中状態で遊技が行われるようになっている。
【0082】
なお、本実施形態において、ボーナスが入賞したことによって移行するボーナス作動中状態における出玉率(メダルの投入数に対する払出数の比率)の期待値は100%以下(未満)となっている(ただし100%以上であってもよい)。具体的には、ボーナス作動中状態について12枚役の抽選態様を工夫することで、出玉率の期待値が低くされている。本実施形態では、一般中状態およびボーナス内部中状態では、当選エリア「打順小役」のそれぞれについて小役47~小役53の6種類の12枚役が互いに重複せずに当選するように設定する一方で、ボーナス作動中状態では、当選エリア「小役ALL」について6種類の12枚役が重複して当選するように設定している。そして、ボーナス作動中状態における当選エリア「小役ALL」の当選確率を、他の遊技状態における当選エリア「打順小役」のそれぞれの当選確率よりも高く設定している。また、ボーナス作動中状態において当選エリア「小役ALL」に当選する確率を、他の遊技状態において当選エリア「打順小役」のいずれかに当選する確率よりも低く設定している。そして、これによりボーナス作動中状態において12枚役の入賞が可能な機会を他の遊技状態に比べて減少させ、ボーナスが作動している状況における出玉率の期待値を低くしている。
【0083】
また、本実施形態では、指示演出に係る所定の処理については、左押しで遊技が行われた場合の方が、変則押しで遊技が行われた場合に比べ、遊技者に有利となるように設定している。具体的には、ボーナス内部中状態の通常演出状態あるいはチャンス演出状態においては、左押しで遊技がされた場合には、指示演出に係る所定の処理が実行されるのに対し、変則押しで遊技がされた場合には、当該所定の処理が実行されないようになっている。換言すると、指示演出が実行されない所定の遊技については、左押しで遊技を行った方が、変則押しで遊技を行う場合に比べ、指示演出(演出状態の移行等)に関して遊技者に有利となっている。さらに換言すると、本実施形態では、指示演出が実行されない所定の遊技において、特定の停止操作態様としての左押し以外の停止操作態様で遊技を行う遊技者に対し、所定のペナルティを付与するようになっている。
なお、当該所定の処理は、例えば、CZ抽選やAT抽選等の所定の抽選であってもよい。また、例えば、通常演出状態について、AT演出状態への移行に係る所定のポイントを蓄積する遊技性を持たせ、特典付与手段82が、所定契機で当該ポイントを特典として付与することとし、当該所定の処理を当該ポイントを付与する処理としてもよい。また、例えば、所定の演出状態(例えば通常演出状態)における遊技の回数に上限(いわゆる天井)を設け、当該上限となる回数の遊技が実行された場合に他の演出状態(例えばチャンス演出状態)への移行が可能となる遊技性を持たせ、当該所定の処理を天井までの残り遊技回数を減少させる処理(所定の演出状態における遊技回数をカウントする処理)としてもよい。
【0084】
一方で、本実施形態では、左押しで遊技が行われた場合における出玉率の期待値を、変則押しで遊技が行われた場合のものよりも低く設定することで、出玉率(出玉性能)を適切なものとしている。具体的には、本実施形態では、中押しが正解打順の当選エリア「打順小役」に当選する確率および右押しが正解打順の当選エリア「打順小役」に当選する確率が、左押しが正解打順の当選エリア「打順小役」に当選する確率よりも高く設定されている。換言すると、本実施形態では、常に左押しで遊技を行った場合の方が、常に中押しで遊技を行った場合または常に右押しで遊技を行った場合に比べ、当選エリア「打順小役」に当選し、12枚のメダルの払い出しを受けることができる確率が低くなっている。
なお、他の手法により、所定の操作順序(左押し)で遊技を行う場合の出玉率の期待値を、他の操作順序(中押しまたは右押し)で遊技を行う場合のものよりも低くしてもよい。例えば、中押しが正解打順の当選エリア「打順小役」と、右押しが正解打順の当選エリア「打順小役」とを用意するとともに、左押しが正解打順の当選エリア「打順小役」を用意しないこととしてもよい。
【0085】
本実施形態では、内部抽選で当選エリア「共通1枚A」に当選した場合に、特定の操作態様で停止操作を行うことで、特定の停止態様でリール20a~20cを停止させることが可能となっている。具体的には、特定の打順(例えば打順4)で停止操作を行うとともに各停止操作を所定のタイミングで行うことで、特定役としての小役1の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される停止態様でリール20a~20cが停止するようになっている。この点について、
図7および
図8を参照しながら具体的に説明する。
【0086】
図7は、リールの図柄配列を示す図である。各リール20a~20cの外周面には、
図7に示すように、リプレイ図柄A「RPA」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄「WM」、特殊図柄A「SPA」、特殊図柄B「SPB」、BAR図柄「BAR」、青7図柄「青7」、ブランク図柄A「BKA」およびブランク図柄B「BKB」の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0087】
図8に示すように、当選エリア「共通1枚A」に当選した遊技において、第1リール20a~第3リール20cのそれぞれが回転している状況で、第2リール20bについて、中段(有効ライン上)に図柄番号18番のリプレイ図柄B「RPB」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、リール制御手段43は、リプレイ図柄B「RPB」が有効ライン上に停止する位置を、第2リール20bの停止位置として決定し、第2リール20bを停止させる。
【0088】
また、
図8(b)に示すように、図柄番号18番のリプレイ図柄B「RPB」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止し、第1リール20aおよび第3リール20cが回転している状況において、第3リール20cについて、下段(有効ライン上)に図柄番号9番のBAR図柄「BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号9番のBAR図柄「BAR」が有効ライン上に停止する位置を、第3リール20cの停止位置として決定し、第3リール20cを停止させる。
【0089】
また、
図8(c)に示すように、図柄番号18番のリプレイ図柄B「RPB」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止し、図柄番号9番のBAR図柄「BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止し、第1リール20aが回転している状況において、第1リール20aについて、上段(有効ライン上)に図柄番号7番のベル図柄「BL」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号7番のベル図柄「BL」が有効ライン上に停止する位置を、第1リール20aの停止位置として決定し、第1リール20aを停止させる。この場合、
図8(d)に示すように、小役1の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。また、このとき、リール20a~20cは、BAR図柄「BAR」が、一直線上に並んで表示されるように停止することとなる。
【0090】
一方、
図8(c)に示すように、図柄番号18番のリプレイ図柄B「RPB」が有効ライン上に位置するように第2リール20bが停止し、図柄番号9番のBAR図柄「BAR」が有効ライン上に位置するように第3リール20cが停止し、第1リール20aが回転している状況において、第1リール20aについて、上段(有効ライン上)に図柄番号15番のリプレイ図柄A「RPA」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、リール制御手段43は、図柄番号15番のリプレイ図柄A「RPA」が有効ライン上に停止する位置を、第1リール20aの停止位置として決定し、第1リール20aを停止させる。この場合、
図8(e)に示すように、小役42の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。また、このとき、リール20a~20cは、BAR図柄「BAR」が、一直線上に並んで表示されないように停止することとなる。
【0091】
以上のように、本実施形態では、当選エリア「共通1枚A」に当選した遊技において、所定の操作態様で停止操作を行った場合、小役1が入賞となる停止態様でリール20a~20cが停止するようになっている。また、当選エリア「共通1枚A」に当選した遊技において、当該所定の操作態様とは異なる所定の操作態様で停止操作を行った場合、小役1が入賞となる停止態様でリール20a~20cが停止せず、小役42が入賞となる停止態様でリール20a~20cが停止するようになっている。換言すると、当選エリア「共通1枚A」に当選した遊技において、所定の操作態様で停止操作を行った場合、特定図柄としてのBAR図柄「BAR」が一直線上に並ぶ停止態様でリール20a~20cが停止するようになっている。換言すると、当選エリア「共通1枚A」に当選した遊技において、当該所定の操作態様とは異なる所定の操作態様で停止操作を行った場合、特定図柄としてのBAR図柄「BAR」が一直線上に並ばない停止態様でリール20a~20cが停止するようになっている。
【0092】
準備中演出状態における当選エリア「共通1枚A」に当選した遊技において、小役1が入賞となる停止態様でリール20a~20cが停止すると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。換言すると、準備中演出状態において、BAR図柄「BAR」が一直線上に並ぶ停止態様でリール20a~20cが停止すると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。また、準備中演出状態における当選エリア「共通1枚A」に当選した遊技において、小役1が入賞となる停止態様でリール20a~20cが停止しなかった場合、演出状態制御手段81は、演出状態を準備中演出状態のまま維持させる。すなわち、本実施形態の遊技機では、準備中演出状態において当選エリア「共通1枚A」が当選し、特定の停止態様でリール20a~20cが停止すると演出状態がAT演出状態に移行し、準備中演出状態において当選エリア「共通1枚A」が当選し、当該特定の停止態様でリール20a~20cが停止しなかった場合、演出状態が準備中演出状態に維持される。
以下では、準備中演出状態において得られた場合に演出状態がAT演出状態へ移行することとなるリール20a~20cの停止態様を「特定停止態様」と呼ぶ。
【0093】
なお、小役1以外の役が入賞となる場合についても、演出状態が準備中演出状態からAT演出状態へ移行するようになっていてもよい。換言すると、特定停止態様には、複数種類の役についての、役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される停止態様が含まれていてもよい。また、特定停止態様は、特定の役と1対1で対応付けられたものでなくてもよく、例えば、小役1の入賞形態を示す図柄組合せのうち、一部の図柄組合せについては、特定停止態様に含まれていなくてもよい。また、当選エリア「共通1枚A」以外の当選エリア(例えば当選エリア「共通1枚B」や「共通1枚C」)が当選した遊技においても、特定の操作態様で停止操作を行うことで、特定停止態様でリール20a~20cを停止させることが可能となっていてもよい。換言すると、特定の操作態様で停止操作を行うことで、特定停止態様でリール20a~20cを停止させることが可能な当選エリアは、複数種類存在してもよく、また、当選エリアごとに特定停止態様でリール20a~20cが停止する停止操作の操作態様が異なっていてもよい。
【0094】
また、本実施形態では、指示演出として、特定ナビ演出が用意されている。準備中演出状態においては、内部抽選で当選エリア「共通1枚A」に当選した場合に(当選エリア「共通1枚A」に当選した遊技において)、特定ナビ演出が実行されるようになっている。
【0095】
特定ナビ演出は、特定停止態様でリール20a~20cを停止させることを補助する演出となっている。特定ナビ演出においては、液晶ディスプレイ13は、特定停止態様でリール20a~20cを停止させるための操作に関連(対応)する表示(特定操作態様関連表示)を液晶ディスプレイ13に表示させる。
以下では、特定ナビ演出で指示される操作態様を「特定操作態様」と呼び、特定操作態様に係る打順を「特定打順」と呼び、特定操作態様に係る所定の停止操作のタイミングを「特定タイミング」と呼ぶ。
【0096】
本実施形態では、特定操作態様関連表示は、特定打順で停止操作を行うことを指示する表示(打順指示表示)と、特定タイミングで停止操作を行うことを指示する表示(操作タイミング指示表示)と、を含んでいる。
【0097】
打順指示表示は、ストップボタン26についての操作すべき順序を示す表示ともいえる。打順指示表示は、例えば、特定打順の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作を促す表示としての数字の「1」を表示し、特定打順の第2停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に2番目の操作を促す表示としての数字の「2」を表示し、特定打順の第3停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に3番目の操作を促す表示としての数字の「3」を表示するものであってもよい。また、打順指示表示は、例えば、所定の図形の表示(例えば右押しを指示する左向きの矢印の表示)や、所定の色の表示(例えば背景が赤色の場合に右押しが示唆されるとした場合の赤色の背景の表示)等であってもよい。
【0098】
操作タイミング指示表示は、所定のストップボタン26についての操作すべきタイミングを示す表示ともいえる。操作タイミング指示表示は、例えば、所定のリール20についての狙うべき図柄の表示等であってもよい。具体的には、例えば、演出制御手段100は、操作タイミング指示表示として、「BARを狙え」の文字または/およびBAR図柄「BAR」に対応する画像(BAR図柄「BAR」を模した画像)等を液晶ディスプレイ13に表示させ、BAR図柄「BAR」が一直線上に並んで表示されるようBAR図柄「BAR」を狙って停止操作を行うことを促すようになっていてもよい。また、例えば、演出制御手段100は、操作タイミング指示表示として、1または複数のリール20(ストップボタン26)に対応する位置に、リール上の所定の図柄に対応する画像を表示させ、所定のリール20について当該所定の図柄を狙って停止操作を行うことを促すようになっていてもよい。また、操作タイミング指示表示は、特定タイミングに関連する所定の色の表示等であってもよい。
なお、「狙って」とは、上段、中段、下段のうちの所定の表示位置に狙った図柄が停止するように停止操作を行うことをいう。
【0099】
なお、演出制御手段100は、スピーカ14から所定の音を出力させたり、照明装置を所定態様で発光させたりすることにより、特定停止態様でリール20a~20cを停止させることを補助する特定ナビ演出を実行してもよい。また、当該補助は、所定の図柄が所定の位置に停止すること(所定のタイミングでの停止操作)を回避することを促すこと等により行われてもよい。
【0100】
なお、特定ナビ演出は、特定ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、必ず特定停止態様でリール20a~20cが停止するものであってもよい。
【0101】
なお、本実施形態では、準備中演出状態において特定停止態様でリール20a~20cが停止した場合に演出状態がAT演出状態へ移行するようになっているが、当該特定停止態様は、左押しで遊技を行った場合には得ることのできない停止態様となっている。換言すると、当選エリア「共通1枚A」に当選した遊技において、左押しで遊技を行った場合、小役1の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されることはないようにされている。さらに換言すると、当選エリア「共通1枚A」に当選した遊技において、左押しで遊技を行った場合、BAR図柄「BAR」が一直線上に並んで表示されることがないようにされている。すなわち、本実施形態では、指示演出に係る所定の処理については、左押しで遊技が行われた場合の方が、変則押しで遊技が行われた場合に比べ、遊技者に有利となるように設定されており、指示演出がされない遊技においては、左押しで遊技を行うことが推奨されているが、当該特定停止態様は、指示演出がされない遊技において推奨される打順で停止操作を行った場合には得ることのできない停止態様となっている。
【0102】
本実施形態では、指示演出としてさらに、第1ナビ演出と第2ナビ演出とが用意されている。AT演出状態においては、内部抽選で当選エリア「打順小役」に当選した場合に(当選エリア「打順小役」に当選した遊技において)、第1ナビ演出が実行されるようになっている。また、準備中演出状態においては、内部抽選で当選エリア「打順小役」に当選した場合に(当選エリア「打順小役」に当選した遊技において)、第2ナビ演出が実行されるようになっている。
【0103】
第1ナビ演出は、正解操作態様を報知する演出となっている。第1ナビ演出においては、演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に正解操作態様を表示させる。また、第1ナビ演出が実行された場合、第1ナビ演出において報知される通りに停止操作が行われると、必ず正解役が入賞するようになっている。本実施形態では、当選エリア「打順ベル」は、正解打順で停止操作を行った場合、各停止操作のタイミングにかかわらず必ず正解役が入賞するように構成されている。そして、第1ナビ演出においては、液晶ディスプレイ13は、正解打順を表示するようになっている。具体的には、液晶ディスプレイ13は、
図9(a)に示すように、正解打順の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作を促す表示としての数字の「1」を表示し、正解打順の第2停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に2番目の操作を促す表示としての数字の「2」を表示し、正解打順の第3停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に3番目の操作を促す表示としての数字の「3」を表示する。
なお、第1ナビ演出は、正解操作態様そのものを報知するものでなくてもよい。換言すると、第1ナビ演出は、報知される通りに停止操作が行われると、必ず正解役が入賞するものでなくてもよい。
【0104】
第2ナビ演出は、不正解操作態様を報知する演出となっている。第2ナビ演出においては、演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に不正解操作態様を表示させる。本実施形態では、当選エリア「打順ベル」は、不正解打順としての特定の打順で停止操作を行った場合、各停止操作のタイミングにかかわらず正解役が入賞することがないように構成されている。そして、第2ナビ演出においては、液晶ディスプレイ13は、不正解打順を表示するようになっている。具体的には、液晶ディスプレイ13は、
図9(b)に示すように、不正解打順の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作の回避を促す表示としての「×」の文字を表示し、残りの2つのストップボタン26に対応する位置に「?」の文字を表示する。ここで「?」の文字は、正解打順の第1停止操作に係るストップボタン26である可能性があることを示す表示ともいえる。すなわち、第2ナビ演出においては、複数種類の不正解操作態様のうちの一部が報知されるようになっている。そして、これにより第2ナビ演出では、正解操作態様での操作(正解役の入賞)が補助されるようになっている。
【0105】
すなわち、第1ナビ演出および第2ナビ演出は、ともに当選エリア「打順ベル」に当選した場合において正解役の入賞を補助する演出となっている。また、第1ナビ演出は、第2ナビ演出に比べ、正解役を入賞させることが容易となる演出となっている。換言すると、第1ナビ演出は、第2ナビ演出に比べ、遊技者に有利な演出となっている。具体的には、本実施形態では遊技者が選択し得る停止操作の態様として6通りの打順が存在するところ、第1ナビ演出は、6通りの打順のうちの正解となる打順を報知することにより正解役の入賞を補助する演出となっている。また、第2ナビ演出は、6通りの打順のうちの不正解となる打順を報知することにより正解役の入賞を補助する演出となっている。換言すると、第1ナビ演出および第2ナビ演出は、ともに遊技者の選択肢を狭めることにより、正解役の入賞を補助する演出となっている。
【0106】
なお、第2ナビ演出は、例えば、正解操作態様の一部(正解操作態様に係る一部の操作)を報知するものであってもよい。具体的には、例えば、第2ナビ演出において液晶ディスプレイ13は、
図9(c)に示すように、正解打順の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作を促す表示としての数字の「1」を表示するとともに、残りの2つのストップボタン26に対応する位置に「?」の文字を表示するなどしてもよい。本例の場合、6通りの打順のうちの2通りの打順のいずれかが正解打順であることが報知されることとなる。
【0107】
なお、上述のように、本実施形態では、AT演出状態においては当選エリア「打順小役」に当選した場合に第1ナビ演出が実行され、準備中演出状態においては当選エリア「打順小役」に当選した場合に第2ナビ演出が実行されるようになっているが、各演出状態において当選エリア「打順小役」に当選した場合に必ず各演出が実行されるようになっていてもよく、各演出が実行されない場合が存在するようになっていてもよい。また、AT演出状態において第2ナビ演出が実行され得るようになっていてもよく、準備中演出状態において第1ナビ演出が実行され得るようになっていてもよい。
【0108】
本実施形態では、指示機能制御手段51は、準備中演出状態において当選エリア「打順小役」に当選すると、指示演出を実行するか否かを決定する抽選(ナビ実行抽選)を行う。そして、演出制御手段100は、ナビ実行抽選の結果に基づいて指示演出を実行するようになっている。打順3~打順6のいずれかが正解打順となる当選エリア「打順小役」に当選した場合に実行されるナビ実行抽選では、指示演出の実行が決定される確率が83.3%となっており、これらの当選エリアに当選した場合であっても16.7%の確率で指示演出が実行されないようになっている。打順1または打順2が正解打順となる当選エリア「打順小役」に当選した場合に実行されるナビ実行抽選では、指示演出の実行が決定される確率が1%となっており、これらの当選エリアに当選した場合であっても99%の確率で指示演出が実行されないようになっている。また、打順3~打順6のいずれかが正解打順となる当選エリア「打順小役」に当選し、ナビ実行抽選により指示演出の実行が決定された場合には、第2ナビ演出が実行されるようになっている。また、打順1または打順2のいずれかが正解打順となる当選エリア「打順小役」に当選し、ナビ実行抽選により指示演出の実行が決定された場合には、第1ナビ演出が実行されるようになっている。
【0109】
また、内部抽選において当選エリア「打順小役」が当選した場合において、第1ナビ演出が実行される確率は、AT演出状態の方が準備中演出状態よりも高くなっている。そして、第1ナビ演出が実行される確率が高い分、AT演出状態の方が準備中演出状態よりもメダルの獲得が容易であり、遊技者に有利な演出状態となっている。
【0110】
本実施形態の遊技機は、
識別情報の変動表示をする変動表示手段(リール20a~20c)と、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段42と、
停止操作に基づいて前記内部抽選の結果に応じた態様で前記変動表示手段を停止させる停止制御手段(リール制御手段43)と、
小役が入賞したことに基づいて、入賞した小役の配当に応じた遊技価値を付与する遊技価値付与手段(払出制御手段45)と、
第1演出状態(AT演出状態)と第2演出状態(準備中演出状態)とを含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態制御手段81と、
前記停止操作に関する演出としての指示演出の実行を制御する演出制御手段100と、を備え、
前記小役として、入賞した場合に1遊技に対しベットされる遊技価値よりも多数の遊技価値が付与される複数種類の正解役(12枚役)があり、
前記内部抽選において得られる当選態様として、
正解操作態様で前記停止操作を行った場合に前記正解役が入賞する一方で、当該正解操作態様と異なる所定の操作態様で前記停止操作を行った場合に前記正解役が入賞しない複数種類の特定当選態様(当選エリア「打順小役」)と、
特定の操作態様で前記停止操作を行った場合に特定の停止態様で前記変動表示手段が停止する一方で、当該特定の操作態様とは異なる所定の操作態様で前記停止操作を行った場合に当該特定の停止態様で前記変動表示手段が停止しない第1当選態様(当選エリア「共通1枚A」)と、があり、
前記指示演出には、
前記正解役の入賞を補助する第1指示演出(第1ナビ演出)および第2指示演出(第2ナビ演出)と、
前記特定の停止態様で前記変動表示手段を停止させることを補助する特定指示演出(特定ナビ演出)と、があり、
前記第1指示演出は、前記第2指示演出に比べ、前記正解役を入賞させることが容易となる演出であり、
前記演出制御手段100は、
前記第1演出状態における前記内部抽選で前記特定当選態様のいずれかが得られた場合に、前記第1指示演出を実行することと、
前記第2演出状態における前記内部抽選で前記特定当選態様のいずれかが得られた場合に、前記第2指示演出を実行することと、
前記第2演出状態における前記内部抽選で前記第1当選態様が得られた場合に、前記特定指示演出を実行することと、が可能であり、
前記第2演出状態における前記内部抽選で前記第1当選態様が得られ、前記特定の停止態様で前記変動表示手段が停止したことに基づいて演出状態が前記第1演出状態に移行し、
前記第2演出状態における前記内部抽選で前記第1当選態様が得られ、前記特定の停止態様で前記変動表示手段が停止しなかった場合に、演出状態が前記第2演出状態に維持される
ことを特徴とする遊技機。
【0111】
本実施形態の遊技機によれば、第2演出状態において、特定の停止態様で変動表示手段が停止した場合に第1演出状態へ移行することとし、第2演出状態では、特定の停止態様で変動表示手段を停止させることを補助する特定指示演出を行うこととしている。このため、特定指示演出に従った操作を行わない(行えない)場合に第2演出状態が維持され、特定指示演出に従った操作を行わない(行えない)場合について出玉率の期待値を低く抑えることが可能となる、特に、第1当選態様が得られた場合における特定の停止態様で変動表示手段を停止させるための特定の操作態様を、所定のタイミングで所定の停止操作を行う必要があるもの(いわゆる目押しを要するもの)とすることにより、目押しができない遊技者について、出玉率の期待値を低く抑えることが可能となる。
【0112】
また、第2演出状態においても、正解役の入賞を補助する演出(第2指示演出)が実行されるため、第2演出状態に長期間滞在することとなってしまう場合について、出玉率の期待値が過度に低くなってしまうことを防止することができる。
【0113】
また、本実施形態では、当選エリア「打順小役」はいずれも(いずれの打順が正解打順の当選エリア「打順小役」)も、第2演出状態において当選した場合に正解役の入賞を補助する指示演出が実行され得ることとしている。また、当選エリア「打順小役」はいずれも(いずれの打順が正解打順の当選エリア「打順小役」)も、第2演出状態において当選した場合に指示演出が実行される場合とされない場合とが存在するようになっている。このため、指示演出がされた場合には指示に従い、指示演出がされなかった場合には変則押しを行うことで遊技価値の獲得が容易となる、といった攻略性が生じてしまうことを防止できるので、第2演出状態について、所定の打順(例えば変則押し)で遊技が行われる場合についてペナルティを付与する必要がない。
なお、第2演出状態において当選エリア「打順小役」に当選した場合には、必ず指示演出(第1ナビ演出または第2ナビ演出)が実行されることとしてもよい。また、ナビ実行抽選では、指示演出を実行するか否かを決定するのではなく、例えば、第1ナビ演出と第2ナビ演出とのいずれの指示演出を実行するかを決定することとしてもよい。
【0114】
なお、準備中演出状態において遊技者が遊技を行う場合の出玉率の期待値は100%未満(以下)に設定されていることが好ましい。すなわち、報知されない限り遊技者には正解操作態様が分からないことを前提とし、指示演出がされる遊技においては指示演出に従った操作態様で遊技を行うとともに、指示演出がされない遊技においては任意の操作態様で遊技を行う(なお、ここで「任意」とは、遊技毎にランダムに操作態様を選択して遊技を行うものであってもよく、例えば左押し、中押しあるいは右押し等の予め定めた操作態様(例えば期待値が最も高くなる操作態様)で遊技を行うものであってもよい)こととした場合に、出玉率の期待値が100%を超えないようになっていることが好ましい。このような構成によれば、特定ナビ演出に従わず意図的に準備中演出状態を継続させることによってメダルの獲得が容易となる、といった攻略性が生じてしまうことを防止することができる。
【0115】
また、準備中演出状態に移行して最初に特定ナビ演出が実行されるまでは、指示演出に係る特定の処理(遊技者にとって有利な処理)が実行可能である一方、特定ナビ演出が実行され、特定停止態様でリール20a~20cが停止しなかった場合(換言するとAT演出状態へ移行しなかった場合)は、以降、特定停止態様でリール20a~20cが停止しAT演出状態へ移行するまで、当該特定の処理を実行しないようになっていてもよい。換言すると、準備中演出状態に移行した後、特定停止態様でリール20a~20cを停止させることが可能な特定の当選エリア(例えば当選エリア「共通1枚A」)に当選するまでは、指示演出に係る特定の処理が実行可能である一方、当該特定の当選エリアに当選し、特定停止態様でリール20a~20cが停止しなかった場合(換言するとAT演出状態へ移行しなかった場合)は、以降、特定停止態様でリール20a~20cが停止しAT演出状態へ移行するまでの間において、当該特定の処理を実行しないようになっていてもよい。
なお、当該特定の処理は、例えば、AT演出状態の継続期間の増加(上乗せ)に関する処理や、AT演出状態等の所定の演出状態についての遊技者にとっての有利度合いの上昇(モード昇格)に関する処理等であってもよく、第1ナビ演出や第2ナビ演出等であってもよい。また、当該特定の処理は、最初に特定ナビ演出が実行され、特定停止態様でリール20a~20cが停止しなかった場合であっても、実行される確率(頻度)は低下するが実行され得るものであってもよい。換言すると、当該特定の処理は、特定ナビ演出が実行され、特定停止態様でリール20a~20cが停止しなかった場合に実行される確率(頻度)が低下するものであればよく、ここで、低下した後の確率は0%であってもよく、低下する前の確率は100%であってもよい。
このような構成によれば、特定ナビ演出に従わずに準備中演出状態を継続させて遊技が行われることを防止することができる。
【0116】
なお、準備中演出状態においては、所定の時点からの実行された遊技の回数が所定回数に達した場合には、特定停止態様でリール20a~20cが停止する前であってもAT演出状態が開始されるようになっていてもよい。例えば、準備中演出状態が開始されてからの遊技の回数が所定回数に達した場合にAT演出状態が開始されるようになっていてもよい。また、例えば、有利区間が開始されてからの遊技の回数が所定回数に達した場合にAT演出状態が開始されるようになっていてもよい。
【0117】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態では、本発明を遊技機の1つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の他の遊技機に適用されてもよい。また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0118】
図10に示すように、スロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前扉12と、を備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前扉12は、筐体11に対して開閉自在となっている。なお、前扉12は、上扉と下扉とに分割されていてもよい。
【0119】
前扉12には、液晶表示装置200、スピーカ14、照明装置15等の演出装置、および、表示窓16(リール窓)が設けられている。液晶表示装置200は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出装置として、液晶表示装置200やスピーカ14、照明装置15の他に、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などが設けられていてもよい。
【0120】
表示窓16の奥には、リール20a~20cを備えるリールユニットが、その一部が表示窓16の外から視認可能となるように配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を介して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄および下段図柄)、合計9個の図柄が表示(視認)される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機では、第1リール20aの中段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの中段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0121】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0122】
前扉12には、操作部50が設けられている。操作部50には、メダルを投入するためのメダル投入口22、クレジットされたメダルを投入(ベット)する際に操作されるベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー24、リールの回転を停止させる際に操作されるストップボタン26a,26b,26c、メダルを精算する際に操作される精算ボタン等が設けられている。本実施形態では、ベットボタン23として、3枚(規定枚数)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン23(第1ベットボタン)と、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン23(第2ベットボタン)と、が設けられている。なお、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(
図11参照)が設けられている。また、前扉12の下部には、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。
【0123】
操作部50には、メイン表示器(メイン遊技情報表示部)310が設けられている。メイン表示器310は、7セグメント表示器となっており、メインクレジット表示部(第2メイン表示器)311と、メイン払出表示部(第1メイン表示器)312と、を備えている。メインクレジット表示部311には、クレジットされているメダルの枚数(クレジット数)が表示される。また、メイン払出表示部312には、1回の遊技におけるメダルの払出数が表示される。なお、図示を省略するが、メイン表示器310の近傍には、有利区間表示器が設けられている。有利区間表示器はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知される。
【0124】
また、前扉12における表示窓16の下方に、サブ表示器(サブ遊技情報表示部)320が設けられている。サブ表示器320は、7セグメント表示器となっており、サブクレジット表示部(第2サブ表示器)321と、サブ払出表示部(第1サブ表示器)322と、を備えている。サブクレジット表示部321には、クレジットされているメダルの枚数(クレジット数)が表示される。また、サブ払出表示部322には、1回の遊技におけるメダルの払出数が表示される。
【0125】
本実施形態では、メインクレジット表示部311、メイン払出表示部312、サブクレジット表示部321およびサブ払出表示部322は、2桁の値(数字)を表示可能となっている(
図17(a)参照)。なお、メイン表示器310およびサブ表示器320を「遊技情報表示部」と称してもよい。
【0126】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0127】
図11に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶表示装置200、スピーカ14および照明装置15等の演出装置の制御を行う。
【0128】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0129】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0130】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づきナビ演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいはナビ演出を行うか否かの決定に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。
【0131】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
本実施形態では、メインクレジット表示部311およびサブクレジット表示部321にクレジット数が表示されるようになっている。演出制御手段100は、記憶手段60に記憶されているメダルのクレジット数の増減に従ってメインクレジット表示部311およびサブクレジット表示部321の表示内容を変化させる。
【0132】
本実施形態では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0133】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0134】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0135】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。具体的には、本実施形態の遊技機は、
図12に示す、内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3までの、3種類の内部抽選テーブルを含む複数の内部抽選テーブルを有している。内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0136】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。また、各乱数値には、1つの当選役が対応付けられているものと、複数の当選役が対応付けられているものとが存在する。したがって、内部抽選によって、1つの役が当選する場合と、複数の役が重複して当選する場合とが存在する。
【0137】
本実施形態の遊技機では、小役として、通常ベルA、ベルB、ベルC、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役A3、特殊小役A4、特殊小役B、弱チェリー、強チェリーおよびスイカが用意されており、複数種類の小役が重複して当選する小役の当選態様として、打順ベル(打順ベル1~打順ベル8:第1当選態様)と、JAC1(第2当選態様)およびJAC2とが設定されている。
【0138】
打順ベルについて
図13を参照しながら具体的に説明すると、打順ベル1~打順ベル4は、
図13(a)に示すように、ベルAと、ベルBと、特殊小役A1~特殊小役A4のうちいずれか1種類と、特殊小役Bとが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、打順ベル1~打順ベル4において、ベルAと、ベルBと、2種類の特殊小役とが重複して当選し、ベルAおよびベルBと重複して当選する2種類の特殊小役の組合せが異なっている。また打順ベル5~打順ベル8は、
図13(a)に示すように、ベルAと、ベルCと、特殊小役A1~特殊小役A4のうちいずれか1種類と、特殊小役Bとが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、打順ベル5~打順ベル8において、ベルAと、ベルCと、2種類の特殊小役とが重複して当選し、ベルAおよびベルCと重複して当選する2種類の特殊小役の組合せが異なっている。
【0139】
また、JACについて
図13を参照しながら具体的に説明すると、JAC1は、
図13(b)に示すように、ベルAと、ベルBと、ベルCと、特殊小役Bと、スイカと、弱チェリーと、強チェリーとが重複して当選することを示している。また、JAC2は、
図13(b)に示すように、特殊小役A1~特殊小役A4と、特殊小役Bと、ベルAとが重複して当選することを示している。
【0140】
また、本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2において小役の当選確率が同一となっている。また、内部抽選テーブル1~3においてリプレイの当選確率が同一となっている。また、内部抽選テーブル3では、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2とは異なる態様で小役が当選するようになっている。そして、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2では、打順ベル1~打順ベル8によってベルBとベルCが互いに重複せずに当選するようになっており、内部抽選テーブル3ではJAC1によってベルBとベルCが重複して当選するようになっている。
【0141】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブル1では、ビッグボーナスが抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブル2および内部抽選テーブル3では、ビッグボーナスが抽選対象から除外されている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、第一種特別役物や、第二種特別役物に係る役物連続作動装置等であってもよい。また、ボーナスは一種類に限られず、複数のボーナスを搭載していてもよい。
【0142】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイおよびボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されているが、重複して当選する場合が設定されていてもよい。例えば、リプレイとボーナスとが重複して当選する場合や、小役とボーナスとが重複して当選する場合や、複数種類のリプレイが重複して当選する場合等が設定されていてもよい。
【0143】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAM60aに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0144】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役、およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0145】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると内部抽選テーブル1~3からなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0146】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0147】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0148】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が通常状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が通常演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0149】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0150】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0151】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0152】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
【0153】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0154】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0155】
また、打順ベル1~打順ベル8には、それぞれ正解打順と特定打順とが設定されており、正解打順および特定打順のいずれとも異なる順序が不正解打順として扱われる。特に本実施形態では、正解打順と特定打順とでは最初に停止させるべきリールが同一であり、2番目に停止させるリールにおいて正解打順であると判断される場合と特定打順であると判断される場合に分岐するようになっている。そして、いずれかの打順ベルが当選した場合に、最初に押下されたストップボタンの種類が正解打順および特定打順に対応している場合には、最初に停止するリールについてはメダルの払出数が最も多く、かつ有効ライン上に表示可能となる図柄組合せの数が最も多くなる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、2番目以降に停止するリールについては、有効ライン上に表示可能となる図柄組合せの数が最も多くなる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示することができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0156】
そして本実施形態の遊技機では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、特定打順でストップボタン26a~26cが押下されると、ベルAを入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、ベルBやベルCを入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように遊技順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、特殊小役A1~特殊小役A4や特殊小役Bを入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0157】
また、JAC1に当選した場合には、いずれの打順で遊技を行ってもベルBあるいはベルCを入賞させることができ、JAC2に当選した場合には、いずれの打順で遊技を行ってもベルAを入賞させることができるようになっている。
【0158】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0159】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。
本実施形態では、各遊技においてメダルの払い出しが行われる場合には、メダルの払出数がメイン払出表示部312およびサブ払出表示部322に表示されるようになっている。演出制御手段100は、小役の入賞によってメダルが払い出される場合、当該小役の入賞に伴うメダルの払出数(払出枚数)をメイン払出表示部312およびサブ払出表示部322に表示させる。
【0160】
なお、メダルのクレジット(貯留)が許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。メダルの払出数の一部または全部をクレジット数に加算する場合、演出制御手段100は、クレジット数の増加分に対応してメインクレジット表示部311およびサブクレジット表示部321の表示内容を変化させる。
【0161】
本実施形態の遊技機では、
図14に示すように、ベルA、特殊小役A1~A4または特殊小役Bに入賞すると1枚のメダルが払い出され、ベルBまたはベルCに入賞すると7枚のメダルが払い出され、スイカに入賞すると3枚のメダルが払い出され、弱チェリーまたは強チェリーに入賞すると2枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0162】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ処理手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0163】
遊技状態制御手段49は、
図15に示すように、通常状態、ボーナス成立状態およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0164】
内部抽選手段42は、遊技状態に応じて
図12に示す内部抽選テーブルのうちから内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、通常状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブル1を参照して内部抽選を行う。また、ボーナス成立状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブル2を参照して内部抽選を行う。また、ボーナス状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブル3を参照して内部抽選を行う。なお、スロットマシン10は、リプレイの当選確率の異なる複数の内部抽選テーブルを備え、遊技状態制御手段49が、所定の契機で(例えば、所定の役の当選に基づいて)、リプレイの当選確率の異なる複数の遊技状態(RT状態)の間で遊技状態を移行させるようになっていてもよい。
【0165】
遊技状態は、初期状態においては、通常状態となっている。
また、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、通常状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をボーナス成立状態へ移行させる。
【0166】
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
【0167】
ボーナス状態は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。また、ボーナス状態では、ボーナス状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、定められた所定枚数(例えば100枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、ボーナス状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、ボーナス状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またボーナス状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0168】
指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典抽選手段82とを備えている。
【0169】
遊技区間制御手段80は、
図16に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典抽選手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは例えば1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態ではナビ演出(より正確には打順を指示するナビ演出)を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限りナビ演出(打順を指示するナビ演出)を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0170】
特典抽選手段82は、非有利区間においては、スイカ、弱チェリーまたは強チェリーの当選に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0171】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値が閾値(上限値)、例えば「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が例えば1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0172】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ(図示せず)の値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタの値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタへの加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタの記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタの値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタの値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタの値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタの値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタの値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0173】
また、有利区間表示器は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。なお、有利区間表示器は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初のナビ演出(打順を指示する打順ナビ演出)を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0174】
演出状態制御手段81は、
図16に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態およびAT演出状態(ナビ演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0175】
非有利区間演出状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態においては、上述のように特典抽選手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に移行させる。
【0176】
通常演出状態においては、特典抽選手段82は、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、特典抽選手段82は、通常演出状態において、スイカ、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合に、AT抽選を行う。
【0177】
AT抽選に当選すると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させることを決定する。AT抽選に当選し、演出状態をAT演出状態へ移行させることを決定した場合、演出状態制御手段81は、記憶手段60のRAMに設けられたAT遊技数カウンタ67の記憶値に所定の値を設定し、演出状態をAT演出状態へ移行させる。本実施形態においては、AT遊技数カウンタ67には、例えば50回分の遊技に相当する値として「50」が設定される。また、AT演出状態においては、特典抽選手段82は、スイカ、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合に、AT演出状態での遊技回数を増加させるか否か決定する(AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選結果に基づいて決定された遊技の回数に相当する値がAT遊技数カウンタ67に加算される。
なお、AT演出状態の開始時にAT遊技数カウンタ67に設定される値は、抽選等により決定されるものであってもよい。
【0178】
演出状態制御手段81は、AT演出状態において遊技が行われる毎に、AT遊技数カウンタ67の記憶値から、一回分の遊技回数に相当する値「1」を減算するデクリメント処理を行う。そして、AT遊技数カウンタ67の記憶値が閾値「0」に達すると、AT演出状態の終了条件が成立したものと判断してAT演出状態を終了させ、演出状態を通常演出状態(または非有利区間演出状態)に移行させる。
【0179】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がボーナス成立状態である場合にAT演出状態に移行し、通常状態やボーナス状態においてはAT演出状態に移行しないようになっていてもよい。換言すると、通常状態やボーナス状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0180】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がボーナス成立状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するボーナス状態の終了後に通常状態を経由して再びボーナス成立状態に移行するまでの間、AT演出状態(AT遊技数カウンタ67の更新)を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞するとナビ演出を止め、再びボーナス成立状態に移行するとナビ演出を再開させるようにしてもよい。
【0181】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が通常区間に移行する際に、ナビ演出に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化するナビ情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタの記憶値、ATフラグ記憶領域66に記憶された情報等のナビ演出に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)、AT遊技数カウンタ67の記憶値、投入数記憶領域68の記憶値、払出数記憶領域69の記憶値等を初期化する。すなわち、ナビ演出(指示機能)に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示したナビ演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0182】
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に、打順ベル1~打順ベル8のいずれかが当選すると、正解打順を報知してベルBやベルCの入賞を補助するナビ演出を液晶表示装置200およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。ナビ演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ずベルBまたはベルCが入賞して7枚のメダルを獲得することができるようになっている。なお、ナビ演出を行う場合には、メイン表示器310にも正解打順を示す情報が表示される。
【0183】
メイン制御基板31からサブ制御基板32への情報の送信はシリアル通信によってコマンドを送信することによって実現されている。メイン制御基板31からサブ制御基板32へ送信されるコマンドに含まれる情報としては、設定値、遊技状態、メダルの投入数(クレジット数)や払出数、内部抽選の結果、各種スイッチ等の信号状態、リールの停止制御の内容、入賞判定の結果、発生したエラーに関するもの等がある。
【0184】
演出サブ制御手段70は、メイン制御基板31からの情報と、サブ側記憶手段72に記憶されている演出データとに基づき、各種演出装置における演出の実行を制御する。例えば、液晶表示装置200に所定の表示を表示させる演出の実行、スピーカ14から所定の音を出力させる演出の実行、照明装置15を所定の点灯態様で点灯(点滅)させる演出の実行を制御する。演出制御手段100は、メダルの投入、ベットボタン23に対する操作、スタートレバー24に対する操作、ストップボタン26a~26cに対する操作、遊技状態の変動等の遊技イベントが発生したことに基づき、液晶表示装置200の表示内容を変化させたり、スピーカ14から音を出力させたり、照明装置15を点灯あるいは点滅させたりする。
【0185】
また、本実施形態のリールユニットは、リール20a~リール20cを、各リールのリールテープの裏面側(各リールの内周面側)から照明するバックライト17(
図17(b)参照)を備えている。演出制御手段100は、バックライト17を所定の発光態様(発光パターン)で光らせる演出の実行を制御する。
【0186】
演出制御手段100は、所定のコマンドを受信すると、当該コマンドに応じた音データをサブ側記憶手段72から読み込んで再生し、スピーカ14から音を出力させる。また、演出制御手段100は、所定のコマンドを受信すると、当該コマンドに応じたフラッシュデータをサブ側記憶手段72から読み込んで再生し、バックライト17を発光させる。
【0187】
ここで、遊技の進行を制御するメインループ処理について、
図18に示すフローチャートを用いて説明する。まず、遊技を行うために必要な数(規定枚数)のメダルの投入を受け付ける投入受付処理が行われ(ステップS100)、遊技開始条件として設定されている規定枚数(3枚)のメダルの投入を受け付けたか否かが判定される(ステップS101)。投入受付処理では、遊技者がメダル投入口22にメダルを投入したことに基づき投入されたメダルが投入状態に設定される。また、1ベットボタン23やMAXベットボタン23が押下されたことに基づき遊技機内にクレジットされたメダルが投入状態に設定される。また、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、前回の遊技で投入された枚数と同数のメダル(前回の遊技と同じ投入数のメダル)が自動的に投入状態に設定される。
【0188】
ステップS101において、規定枚数のメダルの投入を受け付けたと判定された場合(規定投入数のメダルが投入状態に設定されたと判定された場合)(ステップS101:YES)、スタートレバー24の操作が有効化される(ステップS102)。一方、ステップS101において、規定投入数のメダルの投入を受け付けていないと判定された場合(ステップS101:NO)、ステップS100に戻る。
【0189】
次いで、スタートレバー24が操作されたか否かが判定される(ステップS103)。ステップS103において、スタートレバー24が操作されたと判定された場合(ステップS103:YES)、内部抽選が行われる(ステップS104)とともに、第1リール20a~第3リール20cの回転が開始される(ステップS105)。一方、ステップS103において、スタートレバー24が操作されていないと判定された場合(ステップS103:NO)、ステップS103の処理が繰り返される。
【0190】
次いで、各リールの回転速度が所定速度以上となっているか否かが判定される(ステップS106)。ステップS106において、各リールの回転速度が所定速度以上となっていると判定された場合(ステップS106:YES)、ストップボタン26a~26cに対する操作が有効化される(ステップS107)。一方、ステップS106において、各リールの回転速度が所定速度以上となっていないと判定された場合(ステップS106:NO)、ステップS106の処理が繰り返される。
【0191】
次いで、所定のストップボタンが操作されたか否かが判定される(ステップS108)。ステップS108において、所定のストップボタンが操作されたと判定された場合(ステップS108:YES)、操作されたストップボタンに対応するリールの回転が停止され(ステップ109)、全てのリールが停止したか否かが判定される(ステップS110)。一方、ステップS108において、所定のストップボタンが操作されていないと判定された場合(ステップS108:NO)、ステップS108の処理が繰り返される。
【0192】
ステップS110において、全てのリールが停止していないと判定された場合(ステップS110:NO)、ステップS108に戻る。一方、ステップS110において、全てのリールが停止したと判定された場合(ステップS110:YES)、各リールの停止状態(停止態様)に基づき、内部抽選で当選した役に入賞したか否かが判定される(ステップS111)。ステップS111において、内部抽選で当選した役に入賞したと判定された場合(ステップS111:YES)、入賞した役に対応する処理(入賞処理)が実行され(ステップS112)、一連の処理(1遊技)が終了する。一方、ステップS111において、内部抽選で当選した役に入賞しなかったと判定された場合(あるいは内部抽選の結果がハズレ(不当選)であった場合)(ステップS111:NO)、各リール20a~20cが停止したことをもって一連の処理(1遊技)が終了する。
【0193】
ステップS111において、内部抽選で当選した役(小役)が入賞したと判定された場合について説明する。当該遊技の最後のストップボタンの押下(第3停止操作)の開放が検知され、小役が入賞したと判定された場合に、払出制御手段45は、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、所定数のメダルを払い出すことを示す(指示する)コマンド(払出コマンド)を、ホッパー装置および演出制御手段100(演出メイン制御手段52および演出サブ制御手段70)に送信する。
【0194】
演出制御手段100は、当該払出コマンドを受信すると(当該払出コマンドの受信を契機として)、当該払出コマンドに応じた演出の実行を制御する。本実施形態では、第3停止操作の押下の開放が検知され、払出処理が実行されることに伴い、払い出しに関する演出が実行されるようになっている。なお、払い出しに関する演出は、メダルの払い出し(小役の入賞)を報知する演出と言うことができる。
【0195】
(カウントアップ演出)
演出制御手段100は、所定数のメダルを払い出すことを示すコマンド(払出コマンド)の受信を契機として、当該払出コマンドに応じたカウントアップ演出を実行(開始)し、
図10に示すメイン表示器310およびサブ表示器320の値(表示値)を更新(変化)させる。本実施形態では、メイン制御基板31がメイン表示器310(第1表示部)の値を順次更新させ、サブ制御基板32がサブ表示器320(第2表示部)の値を順次更新させる。
【0196】
演出制御手段100は、メイン表示器310およびサブ表示器320の値を、払出コマンドが示すメダルの払出数に相当する値(数)だけ増加させる。この値の増加は、値を1ずつ段階的に増加させる形(カウントアップ)で実現される。換言すると、メイン表示器310で、値を順次更新させて払い出しを報知する第1払出報知が実行され、サブ表示器320で、値を順次更新させて払い出しを報知する第2払出報知が実行される。メイン払出表示部312およびサブ払出表示部322の値は、1から順に1ずつ増加されていく。メインクレジット表示部311およびサブクレジット表示部321の値は、現在のクレジット数から順に1ずつ増加されていく。
なお、本実施形態では、メインクレジット表示部311およびサブクレジット表示部321の値の上限値、すなわちクレジット数の上限値が「50」となっており、上限値を超える分のメダルは払い出されるようになっている。
【0197】
上記では、メインクレジット表示部311およびサブクレジット表示部321の値が払出コマンドの受信に基づいて更新されるとしたが、これに限らず、例えば、払出コマンドに基づいて記憶手段60に記憶されているクレジット数が更新され、当該クレジット数を示すコマンドを演出制御手段100が受信して、当該コマンドに基づきメインクレジット表示部311およびサブクレジット表示部321の値が更新されてもよい。
【0198】
以下、クレジット数が50未満であり、最大配当のメダルが払い出された場合であっても、クレジット数が上限値に到達しないクレジット数(例えば11)であることを前提として説明する。7枚役が入賞し、演出制御手段100が、7数のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを受信した場合、メダルの払出数に相当する値は「7」となる。演出制御手段100は、メイン払出表示部312およびサブ払出表示部322の値を、1、2、…、と順に増加させていき、7に達すると値の増加(更新)を停止する。また、演出制御手段100は、メインクレジット表示部311およびサブクレジット表示部321の値を、12、13、…、と順に増加させていき、18に達すると値の増加(更新)を停止する。
なお、当該払出コマンドを受信した時点でのクレジット数が「0」である場合、メインクレジット表示部311およびサブクレジット表示部321の値は、メイン払出表示部312およびサブ払出表示部322の値と同様の変化をすることとなる。
また、7セグ表示部の値が1桁である場合に、十の位に0が表示されて、例えば「01」のように表示されるようになっていてもよい。
【0199】
ここで、
図19を用いてカウントアップ演出について説明する。メイン表示器310(メイン払出表示部312(M払出)およびメインクレジット表示部311(Mクレジット))およびサブ表示器320(サブ払出表示部322(S払出)およびサブクレジット表示部321(Sクレジット))を「7セグ表示部」とする。7セグ表示部の値の更新(カウントアップ)は、所定数のメダルを払い出すことを示す払出コマンドに基づき行われる。メイン制御基板31は、カウンタと、タイマー(メインタイマー)(遊技価値の払い出しに関する時間を計時する計時手段)と、を備えている。演出制御手段100は、n枚役の入賞に伴うn枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドの受信を契機として、7セグ表示部の値を1増加させ、かつカウンタにn-1の値をセットし、かつタイマーの計時(計測)を開始させる。
図19に示すように、7枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを受信すると、7セグ表示部の値を1増加させ、かつカウンタに6(7-1)をセットし、かつタイマーの計時を開始させる。そして、タイマーの計時時間が所定の値(83.44ms)に達した時点で、現在のカウンタ値が1以上であるか否か判定し、1以上である場合には、7セグ表示部の値を1増加させ、かつカウンタから1を減算し、かつタイマーをリセットして再度計時を開始させる。一方、カウンタ値が1未満(すなわち0)である場合には、7セグ表示部の値を1増加させない。
【0200】
本実施形態では、払出コマンドの受信に基づくタイマーの計時開始時に(タイマーが0msの時点で)7セグ表示部の値が1増加する。計時手段の計時開始時を「第1時点」とすると、7セグ表示部(第1払出報知)の1回目の値の更新が第1時点で実行される。
また、所定時間(83.44ms)が経過するごとに、7セグ表示部の値が1増加する。すなわち、7セグ表示部の値の更新開始時に当該値が1増加し、かつタイマーの計測が開始され、所定時間が経過するごとに当該値が1増加する。第1時点から所定時間(83.44ms)の経過時を「第2時点」とすると、7セグ表示部(第1払出報知)の2回目の値の更新が第2時点で実行される。第2時点から所定時間(83.44ms)の経過時を「第3時点」とすると、7セグ表示部(第1払出報知)の3回目の値の更新が第3時点で実行される。第n時点から所定時間(83.44ms)の経過時を「第n+1時点」とすると、7セグ表示部(第1払出報知)のn+1回目の値の更新が第n+1時点で実行される。
図19の場合、nは1~6となる。また、「第7時点」が最終時点となる。
計時手段の計時開始時(第1時点)に7セグ表示部の値が1増加されず(1回目の更新がされず)、計時開始から所定時間が経過するごとに当該値が1増加される場合(最初の1の増加までに所定時間(83.44ms)を要する場合)(計時開始から所定時間経過時に1回目の更新が行われる場合)に比べて、処理に係るプログラムのコード量を削減できる。これにより、他の処理に使用可能なプログラム容量を増やすことができる。
【0201】
α回目(α=1、2、…、7)の値の更新(増加)は、計時手段の計時開始から「83.44ms×α-83.44ms」が経過した時点で、実行(開始)されると言うことができる。例えば、メイン払出表示部312(M払出)の値が「6」から「7」となる7回目の更新は、払出コマンドを受信した時点から「83.44ms×7-83.44ms」が経過した時点で実行される。
【0202】
なお、
図19では、タイマーの計時時間が所定の値(83.44ms)に達した時点で、カウンタ値が1以上である場合に、7セグメント表示部の値を1増加させ、かつタイマーをリセットするとしたが、タイマーをリセットしないように構成されていてもよい。その場合、タイマーの計測時間が83.44ms×k(k=1、2、…、7)に達した時点で、カウンタ値が1以上であるか否か判定し、1以上である場合には、7セグ表示部の値を1増加させ、かつカウンタから1を減算し、1未満である場合には、7セグ表示部の値を1増加させないように構成されていてもよい。
【0203】
本実施形態では、メイン表示器310(メイン払出表示部312およびメインクレジット表示部311)とサブ表示器320(サブ払出表示部322およびサブクレジット表示部321)とが同期して更新される(連動する)ようになっている。また、本実施形態では、メイン表示器310の値の更新間隔とサブ表示器320の値の更新間隔とが、同等の間隔(同じ間隔)となっている。このため、共通の機能を果たす2つの表示器の間で、値の更新間隔が異なることによって、遊技者に違和感を与えるのを防ぐことができる。
【0204】
なお、
図19では、n枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを1回受信し、それに基づき7セグ表示部の値が更新されるものとしたが、次のように構成されていてもよい。すなわち、n枚役が入賞した場合に、1枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを所定の間隔(83.44ms)ごとにn回受信し、各払出コマンドの受信に基づいて7セグ表示部の値が更新されるように構成されていてもよい。
【0205】
本実施形態では、演出装置として、スピーカ14、照明装置15、バックライト17などが設けられている。スピーカ14を音出力部とし、照明装置15およびバックライト17を発光部とする。なお、発光部は、照明装置15またはバックライト17の少なくとも一方で構成されていてもよい。
演出制御手段100は、所定数のメダルを払い出すことを示すコマンド(払出コマンド)の受信を契機として、当該払出コマンドに応じた払い出しの報知(第3払出報知)を実行する。第3払出報知は、音出力部または発光部の少なくとも一方で実行される。
まず、音出力部で実行される第3払出報知(第3S払出報知)としての払出音演出(入賞音演出)について説明する。
演出制御手段100は、所定数のメダルを払い出すことを示すコマンド(払出コマンド)の受信を契機として、当該払出コマンドに応じた払出音演出(入賞音演出)を実行(開始)し、所定の音(所定の払出音(入賞音))(遊技価値の払出に関する演出音)をスピーカ14から出力させる。演出制御手段100は、所定数のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを受信すると、当該払出コマンドに応じた払出音データの再生を開始する。払出音としては、例えば、所定の音(例えば「ダ」という音)が連続して鳴るものがある。
【0206】
なお、本実施形態では、払出音データが払出コマンド(払出数)に対応付けられて用意されているものとするが、払出音データは、所定の当選エリアに当選した際のリール20a~20cの停止態様に対応付けられて用意されているものであってもよい。その場合、例えば、演出制御手段100は、所定の当選エリアに当選し、リール20a~20cが所定の停止態様で停止したことを示すコマンドを受信すると当該コマンドに応じた払出音データを読み出し、払出コマンドの受信を契機として当該払出音データを再生するように構成されていてもよい。
【0207】
本実施形態では、払出音演出(第3払出報知)の方がカウントアップ演出(第1払出報知および第2払出報知)よりも後に終了するようになっている。換言すると、7セグ表示部の値の更新(カウントアップ)が終了(停止)した時点(タイミング)では払出音の出力は停止せず、7セグ表示部の値の更新が終了してから所定時間が経過したタイミングで、払出音の出力が終了するようになっている。なお、7セグ表示部の値の更新が終了した時点とは、連続する値の更新(カウントアップ)のうち、最後の値の更新が実行されたタイミング(更新が完了したタイミング)を指す。本実施形態では、第1払出報知および第2払出報知の更新の終了は、第3払出報知(払出音演出)の終了より前である。
【0208】
7枚役が入賞し、
図20に示すように、7枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを受信すると、演出制御手段100は、当該払出コマンドに応じた払出音データS1を読み出し、再生を開始する。払出音データS1の長さ(再生時間)は700ms(100ms×7枚)となっている。払出音データS1は、メダル1枚分の長さが100msとなっていて、「ダ」という音(払出音)が所定の間隔ごとに7回(払出数に応じた回数)出力されるものとなっている。本実施形態では、7セグ表示部の値の更新が終了した時点(7回目の更新が実行された時点)から、さらに約200msが経過した時点で、払出音の出力が停止するようになっている。
【0209】
なお、
図20に示すように、払出音データS1の代わりに払出音データS2が読み出され、払出音データS2が繰り返し(ループ)再生されるように構成されていてもよい。換言すると、長さ(再生時間)が100msとなっている払出音データS2が、7回(払出数に応じた回数)繰り返し再生されるように構成されていてもよい。払出音データS2は「ダ」という音が出力されるものとなっている。この場合、7セグ表示部の値が更新されるタイミングと、払出音「ダ」が出力されるタイミングとのずれ(差)が、時間の経過とともに次第に大きくなっていく。
【0210】
また、7セグ表示部の値が増加する(更新される)タイミングと、「ダ」の音が出力されるタイミングとが一致する(同期する)ように構成されていてもよい。
図20に示すように、払出音データS1の代わりに払出音データS3および払出音データS4が読み出されて、再生されるように構成されていてもよい。払出音データS3の長さは83.44ms(7セグ表示部の値の更新間隔と同じ長さ)となっている。払出音データS4の長さは200msとなっている。払出音データS3が6回繰り返して(ループして)再生された後、払出音データS4が1回再生されるように構成されている。払出音データS3は「ダ」という音となっていて、払出音データS4は「ダーン」という音となっている。
【0211】
なお、図示を省略するが、払出音データS1の代わりに払出音データS2および払出音データS4が読み出され、再生されるように構成されていてもよい。換言すると、払出音データS2が6回繰り返して(ループして)再生された後、払出音データS4が1回再生されるように構成されていてもよい。
【0212】
3枚役が入賞し、
図21(a)に示すように、3枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを受信すると、演出制御手段100は、当該払出コマンドに応じた払出音データS11を読み出し、再生を開始する。払出音データS11の長さは300ms(100ms×3枚)となっている。この場合、7セグ表示部の値の更新が終了した時点(3回目の更新が実行された時点)から、さらに約133msが経過して時点で、払出音の出力が停止する。
【0213】
仮に12枚役が設けられていて、当該12枚役が入賞した場合、
図21(b)に示すように、12枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを受信すると、演出制御手段100は、当該払出コマンドに応じた払出音データS21を読み出し、再生を開始する。払出音データS21の長さは1200ms(100ms×12枚)となっている。この場合、7セグ表示部の値の更新が終了した時点(12回目の更新が実行された時点)から、さらに約282msが経過して時点で、払出音の出力が停止する。
【0214】
なお、
図21では図示を省略するが、払出数が3枚(12枚)の場合にも、払出数が7枚のときと同様に、払出音データS2(
図20)を用いて払出音が出力されるようになっていてもよく、払出音データS3および払出音データS4(
図20)を用いて払出音が出力されるようになっていてもよい。その場合、払出音データの再生回数(ループ回数)は払出数に応じた回数となる。
【0215】
7セグ表示部の値の更新が終了(停止)してから払出音の出力が終了するまでの時間を比較すると、メダルの払出数が多い方が、メダルの払出数が少ない場合よりも当該時間が長くなっている。換言すると、7セグ表示部の値のカウントアップが終了した時点から払出音の出力が終了するまでの時間は、メダルの払出数が多いほど長くなっている。このため、メダルの払出数が多いほど、より長い間、余韻に浸ることが可能となる。なお、メダルの払出数に拘わらず当該時間が一定となるように構成されていてもよい。
【0216】
また、上記では、n枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを1回受信し、それに基づき払出音の出力が開始されるとしたが、次のように構成されていてもよい。n枚役が入賞した場合に、1枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを所定の間隔(83.44ms)ごとにn回受信し、各払出コマンドの受信に基づいて払出音が出力されるように構成されていてもよい。その場合、
図20で示した払出音データS3および払出音データS4が用いられ、n-1回目(例えば6回目)までの払出コマンドの受信に基づいて払出音データS3(83.44ms)が再生され、n回目(例えば7回目)の払出コマンドの受信に基づいて払出音データS4(200ms)が再生されるように構成されていてもよい。
【0217】
次に、発光部で実行される第3払出報知(第3L払出報知)としての払出光演出(入賞光演出)について説明する。以下、発光部がバックライト17によって構成される場合について説明するが、発光部はバックライト17または照明装置15の少なくとも一方によって構成されていればよい。
演出制御手段100は、所定数のメダルを払い出すことを示すコマンド(払出コマンド)の受信を契機として、当該払出コマンドに応じた払出光演出(入賞光演出)を実行(開始)し、所定の発光態様でリールバックライト(バックライト17)を発光させる。所定の発光態様(フラッシュ)には、バックライト17全体が所定時間の間、明滅するものや、所定の表示位置に対応する部分(例えば、一直線上に並んだ図柄が位置する表示位置に対応する部分)のバックライト17が所定時間の間、明滅するもの等がある。演出制御手段100は、所定数のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを受信すると、当該払出コマンドに応じたデータ(払出フラッシュデータ)の再生を開始する。発光部が照明装置15の場合は、当該払出コマンドに応じたデータとして、所定の点灯パターンを示すデータの再生が開始される。
【0218】
なお、本実施形態では、データ(払出フラッシュデータ)が払出コマンド(払出数)に対応付けられて用意されているものとするが、当該データは、所定の当選エリアに当選した際のリール20a~20cの停止態様に対応付けられて用意されているものであってもよい。その場合、例えば、演出制御手段100は、所定の当選エリアに当選し、リール20a~20cが所定の停止態様で停止したことを示すコマンドを受信すると当該コマンドに応じたデータを読み出し、払出コマンドの受信を契機として当該データを再生するように構成されていてもよい。
【0219】
本実施形態では、払出光演出(第3払出報知)の方がカウントアップ演出(第1払出報知および第2払出報知)よりも後に終了するようになっている。換言すると、7セグ表示部の値の更新(カウントアップ)が終了(停止)した時点(タイミング)では払出光演出(バックライト17のフラッシュ)は停止せず、7セグ表示部の値の更新が終了してから所定時間が経過したタイミングで、バックライト17のフラッシュが終了するようになっている。本実施形態では、第1払出報知および第2払出報知の更新の終了は、第3払出報知(払出光演出)の終了より前である。
【0220】
7枚役が入賞し、
図22(a)に示すように、7枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを受信すると、演出制御手段100は、当該払出コマンドに応じた払出フラッシュデータT1を読み出し、再生を開始する。払出フラッシュデータT1の長さは700ms(100ms×7枚)となっている。払出フラッシュデータT11は、メダル1枚分の長さが100msとなっていて、明滅が7回(払出数に応じた回数)実行されるものとなっている。本実施形態では、7セグ表示部の値の更新が終了した時点(7回目の更新が実行された時点)から、さらに約200msが経過して時点で、バックライト17のフラッシュが停止する。
【0221】
3枚役が入賞し、
図22(b)に示すように、3枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを受信すると、演出制御手段100は、当該払出コマンドに応じた払出フラッシュデータT2を読み出し、再生を開始する。払出フラッシュデータT2の長さは300ms(100ms×3枚)となっている。本実施形態では、7セグ表示部の値の更新が終了した時点(3回目の更新が実行された時点)から、さらに約133msが経過して時点で、バックライト17のフラッシュが停止する。
【0222】
仮に12枚役が設けられていて、当該12枚役が入賞した場合、
図22(c)に示すように、12枚のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを受信すると、演出制御手段100は、当該払出コマンドに応じた払出フラッシュデータT3を読み出し、再生を開始する。払出フラッシュデータT3の長さは1200ms(100ms×12枚)となっている。この場合、7セグ表示部の値の更新が終了した時点(12回目の更新が実行された時点)から、さらに約282msが経過して時点で、バックライト17のフラッシュが停止する。
【0223】
7セグ表示部の値の更新が終了してからバックライト17のフラッシュが終了するまでの時間を比較すると、メダルの払出数が多い方が、メダルの払出数が少ない場合よりも当該時間が長くなっている。換言すると、7セグ表示部の値のカウントアップが終了した時点からバックライト17のフラッシュが終了するまでの時間は、メダルの払出数が多いほど長くなっている。このため、メダルの払出数が多いほど、より長い間、余韻に浸ることが可能となる。なお、メダルの払出数に拘わらず当該時間が一定となるように構成されていてもよい。
【0224】
払出音演出は、所定の音が繰り返し出力されるものであり、これを報知が反復されると言うことができる。また、払出光演出は、明滅(フラッシュ)、すなわちバックライト17の点灯と消灯とが繰り返されるものであり、これを報知が反復されると言うことができる。本実施形態では、払出音演出と払出光演出とで、報知の反復の間隔が同等の間隔(同じ間隔)となっている。具体的には、音がスピーカ14から出力されるタイミングと、バックライト17が点灯するタイミングとが一致するように構成されている。このため、共通の機能を果たす2つの演出装置(スピーカとバックライト)の間で、報知の反復の間隔が異なることによって、遊技者に違和感を与えるのを防ぐことができる。
【0225】
なお、本実施形態では、サブ表示器320が7セグメント表示器となっているものとしたが、これに限らず、サブ表示器320に表示される情報が、液晶表示装置200に表示されるように構成されていてもよい。
【0226】
なお、本実施形態において、カウントアップ演出を第1演出とし、払出音演出および払出光演出を第2演出としてもよい。
【0227】
本実施形態の遊技機は、
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリール(20a,20b,20c)と、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(42)と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段(44)と、
遊技の結果に応じて当該遊技で払い出す遊技価値の払出数を決定する払出制御手段(45)と、
遊技価値の払い出しに関する時間を計時する計時手段と、
メイン制御手段(31)が制御する第1表示部(310)と、
サブ制御手段(32)が制御する音出力部(14)および発光部(15、17)と、を備えた遊技機であって、
前記第1表示部は、所定の値を表示可能であり、
前記払出制御手段によって所定数の遊技価値の払い出しが決定された場合には、
前記第1表示部で、値を順次更新させて前記払い出しを報知する第1払出報知と、
前記音出力部または前記発光部の少なくとも一方で、前記払い出しを報知する第3払出報知と、が実行され、
前記計時手段の計時開始時を第1時点とし、前記第1時点から所定時間の経過時を第2時点とすると、
前記第1払出報知の1回目の更新は、前記第1時点で行われ、
前記第1払出報知の2回目の更新は、前記第2時点で行われ、
前記第1払出報知の更新の終了は、前記第3払出報知の終了より前である。
【0228】
前記第1払出報知の更新の終了は、前記第3払出報知の終了より前である。終了タイミングにずれがあり、前記第3払出報知がより長く実行される分、両者が同時に終了する場合に比べて、より多くの遊技価値が払い出されているかのような感覚を遊技者に与えることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前記第1払出報知の1回目の更新は、前記第1時点(計時開始時)で行われ、前記第1払出報知の2回目の更新は、前記第2時点で行われる。このため、計時開始時に1回目の更新がされず、計時開始から所定時間経過時に1回目の更新が行われる場合(最初の1の増加までに所定時間を要する場合)に比べて、処理に係るプログラムのコード量を削減できる。これにより、他の処理に使用可能なプログラム容量を増やすことができる。
【0229】
(変形例)
本実施形態では、7セグメント表示器であるメイン表示器310とサブ表示器320とが設けられているものとしたが、本変形例では、サブ表示器320が設けられておらず、サブ制御基板32によって表示制御される遊技に関する所定の情報(所定の値)が液晶表示装置200の表示面に表示されるようになっている。本変形例では、当該遊技に関する情報として、所定の状態(AT演出状態)におけるメダルの払出数(獲得数)の合計(合計値)が液晶表示装置200に表示されるように構成されている。
【0230】
図23に示すように、液晶表示装置200の表示面におけるメダルの払出数の合計の表示を液晶表示部210(第2表示部)とする。第2表示部では、値を順次更新させて払い出しを報知する第2払出報知が実行される。サブ制御基板32が第2表示部の値を順次更新させる。
また、前扉12(表示窓16の下方)に設けられているメイン表示器(7セグメント表示器)をセグ表示部350(第1表示部)とする。第1表示部では、値を順次更新させて払い出しを報知する第1払出報知が実行される。メイン制御基板31が第2表示部の値を順次更新させる。
本変形例では操作部50ではなく、表示窓16の下方にセグ表示部350が設けられている。セグ表示部350には、メインクレジット表示部351と、メイン払出表示部352と、がある。
【0231】
なお、本変形例では、液晶表示部210の値を所定の状態(AT演出状態)におけるメダルの払出数の合計とするが、これに限らず、クレジット数などであってもよい。
【0232】
演出制御手段100は、所定数のメダルを払い出すことを示すコマンド(払出コマンド)を受信すると、セグ表示部350(第1表示部)の値の更新(第1払出報知)および液晶表示部210(第2表示部)の値の更新(第2払出報知)を同時に開始させる。本変形例では、セグ表示部350および液晶表示部210の値の更新は同時に開始されるようになっている。
なお、本変形例では、セグ表示部350および液晶表示部210の値の更新が同時に開始されるものとするが、セグ表示部350の値の更新が液晶表示部210の値の更新よりも先に開始されてもよく、液晶表示部210の値の更新がセグ表示部350の値の更新よりも先に開始されてもよい。
【0233】
ここで、クレジット数が「38」であり、かつAT演出状態でのメダルの払出数の合計が「171」である場合、すなわちメインクレジット表示部351に「38」が表示され、かつ液晶表示部210に「171」が表示されている状態で、7数のメダルを払い出すことを示す払出コマンドを演出制御手段100が受信した場合について説明する。演出制御手段100は、当該払出コマンドを受信すると、メインクレジット表示部351の値を39、40、…、と順に増加させていき、45に達すると値の増加を停止する。また、メイン払出表示部352の値を1、2、…、と順に増加させていき、7に達すると値の増加を停止する。また、液晶表示部210の値を172、173、…、と順に増加させていき、178に達すると値の増加を停止する。
【0234】
このとき、セグ表示部350と液晶表示部210とで値が更新される間隔(変化の間隔)を比較すると、セグ表示部350の方が液晶表示部210よりも値の更新間隔が長く(大きく)なっている(変化間隔が遅くなっている)。このため、セグ表示部350の方が液晶表示部210よりも値が順次変化(増加)する様子をより把握しやすくなっている。
【0235】
また、セグ表示部350と液晶表示部210の値の更新は同時に開始されるが、第1払出報知と第2払出報知とは、値の更新が終了するタイミングが異なっている。本実施形態では、セグ表示部350(第1払出報知)の方が液晶表示部210(第2払出報知)よりも後に値の更新が終了するようになっている。換言すると、値の更新が終了するタイミングを比較すると、セグ表示部350の方が液晶表示部210よりも遅いものとなっている。このため、液晶表示部210の値の更新を見た後にセグ表示部350の値の更新を見ることが可能となる(両方の値が変化していることを把握しやすい)。
なお、セグ表示部350(第1払出報知)の方が液晶表示部210(第2払出報知)よりも先に値の更新が終了するようになっていてもよい。
【0236】
演出制御手段100は、所枚数のメダルを払い出すことを示すコマンド(払出コマンド)の受信を契機として、セグ表示部350および液晶表示部210の値の更新を開始させる。
図24に示すように、セグ表示部350および液晶表示部210の値の更新が開始されるタイミングを第1タイミングとする。本変形例では、演出制御手段100は、第1タイミングよりも後の第2タイミングにおいて、当該払出コマンドの受信に基づく払出光演出(発光部を介しての演出)を開始させる。
換言すると、セグ表示部350および液晶表示部210の値の更新開始よりも後に、払出光演出が開始されるようになっている。換言すると、第1払出報知および第2払出報知の更新の開始は、第3払出報知(払出光演出)の開始より前に開始する。
また、演出制御手段100は、第1タイミングよりも後の第2タイミングにおいて、当該払出コマンドの受信に基づく払出音演出(音出力部を介しての演出)を開始させる。
換言すると、セグ表示部350および液晶表示部210の値の更新開始よりも後に、払出音演出が開始されるようになっている。換言すると、第1払出報知および第2払出報知の更新の開始は、第3払出報知(払出音演出)の開始より前に開始する。
本変形例では、払出光演出および払出音演出は同時に(第2タイミングにおいて)開始されるようになっている。
【0237】
「セグ表示部350および液晶表示部210の値の更新が終了するタイミング」は、セグ表示部350の方が液晶表示部210よりも後に値の更新が終了する場合、セグ表示部350の値の更新が終了するタイミング(
図24に示す第3タイミング)となる。
【0238】
演出制御手段100は、第3タイミングよりも後の第4タイミングにおいて、払出光演出を終了させる。換言すると、セグ表示部350および液晶表示部210の値の更新の終了よりも後に、払出光演出が終了するようになっている。換言すると、第1払出報知および第2払出報知の更新の終了は、第3払出報知(払出光演出)の終了より前に終了する。
また、演出制御手段100は、第3タイミングよりも後の第4タイミングにおいて、払出音演出を終了させる。換言すると、セグ表示部350および液晶表示部210の値の更新の終了よりも後に、払出音演出が終了するようになっている。換言すると、第1払出報知および第2払出報知の更新の終了は、第3払出報知(払出音演出)の終了より前に終了する。
【0239】
ここで、発光部および音出力部を演出装置とし、払出光演出および払出音演出を、演出装置で(演出装置を介して)実行される払い出しを報知する演出(第3払出報知)とすると、セグ表示部350および液晶表示部210の値の更新開始よりも後に、演出装置での払い出しを報知する演出(報知)が開始されるようになっている。また、セグ表示部350および液晶表示部210の値の更新の終了よりも後に、演出装置での払い出しを報知する演出が終了するようになっている。
【0240】
本変形例の遊技機は、
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリール(20a,20b,20c)と、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(42)と、
前記複数のリールの停止態様に基づいて、役の入賞を判定する入賞判定手段(44)と、
遊技の結果に応じて当該遊技で払い出す遊技価値の払出数を決定する払出制御手段(45)と、
メイン制御手段(31)が制御する第1表示部(350)と、
サブ制御手段(32)が制御する第2表示部(210)、音出力部(14)および発光部(15、17)と、を備えた遊技機であって、
前記第1表示部は、所定の値を表示可能であり、
前記第2表示部は、所定の値を表示可能であり、
前記払出制御手段によって所定数の遊技価値の払い出しが決定された場合には、
前記第1表示部で、値を順次更新させて前記払い出しを報知する第1払出報知と、
前記第2表示部で、値を順次更新させて前記払い出しを報知する第2払出報知と、
前記音出力部または前記発光部の少なくとも一方で、前記払い出しを報知する第3払出報知と、が実行され、
前記第1払出報知の更新が終了するタイミングと、前記第2払出報知の更新が終了するタイミングと、が異なり、
前記第1払出報知および前記第2払出報知の更新の開始は、前記第3払出報知の開始より前であり、
前記第1払出報知および前記第2払出報知の更新の終了は、前記第3払出報知の終了より前である。
【0241】
前記第1払出報知の更新が終了するタイミングと、前記第2払出報知の更新が終了するタイミングと、が異なる。両者が同時に終了する場合に比べて、終了タイミングにずれがある分、両方の値が変化していることを把握しやすい。
また、前記第1払出報知および前記第2払出報知の更新の開始は、前記第3払出報知の開始より前である。開始タイミングにずれを設けることで、同時に開始される場合に比べて、演出が単調となるのを抑制できる。
また、前記第1払出報知および前記第2払出報知の更新の終了は、前記第3払出報知の終了より前である。終了タイミングにずれがあり、前記第3払出報知がより長く実行される分、同時に終了する場合に比べて、より多くの遊技価値が払い出されているかのような感覚を遊技者に与えることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0242】
メイン表示器310、サブ表示器320およびセグ表示部350は、7セグメント表示器としたが、7セグメントに限らず、他のセグメント表示器であってもよい。
上述した各実施形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(いわゆるメダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を遊技者に電気的な情報で付与すればよい。
【0243】
(第3の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、本実施形態の遊技機は、第1の実施の形態に係る遊技機と同様の構成を有する。したがって、本実施の形態の遊技機に係る構成のうち、第1の実施の形態に係る遊技機と同様の構成については説明を省略する。
【0244】
第1の実施の形態では液晶ディスプレイ13が前扉12(上扉12a)に設けられているものとしたが、以下では、
図27に示す液晶ディスプレイ90が前扉12(上扉12a)に設けられているものとする。液晶ディスプレイ90は、リール20a~20cを備えるリールユニットの前方側に配置されている。液晶ディスプレイ90は、その表示面に所定の表示(画像、表示物)を表示させることにより、演出を実行可能となっている。表示物(オブジェクト)とは、例えば、人物、動物、乗り物、建造物、自然物(例えば岩、木など)、文字、背景、模様、図柄、その他の液晶ディスプレイ90上に表示されるもの(画像)のことをいう。
【0245】
液晶ディスプレイ90は、表示領域として、正面(前方)から見た場合にリール20a~20cと重畳しない表示領域であるリール外表示領域と、正面(前方)から見た場合にリール20a~20cと重畳する表示領域であるリール前表示領域と、を有している。リール前表示領域(透過領域)は、表示物を表示可能であるとともに、その後方側に配置されているリール20a~20cの視認が可能となっている。リール外表示領域は、リール前表示領域を囲むように形成されている。
図27に示すように、リール外表示領域であって、リール20a~20cの上方の表示領域(斜線部)を表示領域Xとする。表示領域Xは、表示領域(表示面)全体における略上側半分を占める領域となっている。
【0246】
図25に示すように、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブメモリ72と、を備えている。また、演出サブ制御手段70は、演出決定手段310と、表示制御手段312と、VDP314(描画手段)と、を備えている。また、VDP314は、VRAM320を備えている。また、サブメモリ72は、複数種類のRAMおよびROMを備えており、サブメモリ72に記憶される各種データは、各RAMやROMに記憶される。演出サブ制御手段70は、メイン制御基板31から送信される各種のコマンドや、演出ボタン25からの入力信号や、サブメモリ72のROMに記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ90に画像を表示させたり、照明装置を点灯あるいは点滅させたり、スピーカ14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置を駆動して演出物(役物)を動作させたりするなど、演出装置を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置に実行させる(各種演出装置を制御する)。
なお、演出ボタン(演出操作手段)25は、下扉12bに設けられている。演出ボタン25は、遊技者によって押下操作されるものであり、押下されることで液晶ディスプレイ90に表示される演出画像の態様を変化させ、遊技者に対して遊技への参加意識を高めるとともに、興趣を高めるようにしたものである。なお、演出ボタン(演出操作手段)25は、ボタン状でなくてもよく、遊技者の操作を検知可能なものであればよい。
【0247】
演出決定手段310は、メイン制御基板31から送信される各種のコマンドや、演出ボタン25からの入力信号等に基づいて実行する演出内容を決定する。また、演出決定手段310は、実行する演出内容を決定すると、表示制御手段312に対して演出内容を指示するメッセージを設定する。
【0248】
表示制御手段312は、設定されたメッセージの解析等を行って、液晶ディスプレイ90での表示に関する制御を行う。具体的には、表示制御手段312は、所定周期で(例えば、1秒間に60回=60FPSのフレームレートで)液晶描画処理を実行する。液晶描画処理では、表示制御手段312は、設定されたメッセージの解析等を行い、VDP314に対し描画内容を指示する描画コマンド(情報)を構築する。そして、VDP314は描画コマンドに沿って描画を行い、描画された内容が液晶ディスプレイ90の表示領域に表示される。なお、VDP314は、液晶ディスプレイ90の画面での表示に係る描画を行うプロセッサであり、演出決定手段310、表示制御手段312とともにワンチップに統合されている。
【0249】
液晶ディスプレイ90の表示領域には、例えば1秒間に60コマの静止画像が表示されることにより、動画像の演出画像が表示される。以下、1コマのことをフレームという。例えば、演出時間が60秒である演出画像(演出パターン)の場合、その演出画像は、60秒×60フレームの計3600フレームによって構成される。
【0250】
VDP314は、サブメモリ72のROMに記憶された描画素材を1フレーム毎にVRAM320のフレームバッファに展開する。フレームバッファでは、複数の描画素材が設定されたプライオリティ(優先度)に従って重ね合わせられる。具体的には、フレームバッファでは、プライオリティが低い描画素材ほど積層方向の下(背面)側に配置され、プライオリティが高い描画素材ほど積層方向の上(前面)側に配置されるように重ね合わせられる。そして、これにより、1フレームのフレーム画像を示す画像データ(合成画像)がフレームバッファ上に生成される。そして、VDP314は、フレームバッファ上に生成された合成画像に基づいて液晶ディスプレイ90を駆動する。これにより、1フレーム毎に、フレームバッファで生成された合成画像が液晶ディスプレイ90の表示領域に表示される。
【0251】
プライオリティの低い描画素材は、その上からプライオリティのより高い描画素材が重ねられることにより、液晶ディスプレイ90の表示(合成画像)上、その一部又は全部が視認できない場合がある。ただし、各描画素材には透明度の設定が可能であり、上側に重ねられる描画素材に設定された透明度が0(完全に不透明)でない場合はこの限りではなく、透明度の度合いに応じてその下側に隠れた描画素材が液晶ディスプレイ90の表示(合成画像)上、視認可能となる場合もある。
【0252】
描画素材をフレームバッファにバッファされた画像の上に重ねて描画することを、描画素材を上位のレイヤに描画する、と言うことができる。すなわち、1フレームには仮想的な透明のレイヤがN枚存在しており、各描画素材を各レイヤに配置する、と言うことができる。
図28は、描画素材が配置されるレイヤの概念を示す図であり、1フレームを構成するレイヤ構造を示している。重ね合わせられる個々の描画素材には優先度(プライオリティ)が設定されており、優先度のより低い描画素材が下位のレイヤに配置され、優先度のより高い描画素材が上位のレイヤに配置される。なお、各フレームをなす合成画像は、N枚全てのレイヤに描画素材を配置することにより構成することが可能であるが、演出の内容に応じて各合成画像を構成する描画素材の数は変動し、必ずしもN枚全てのレイヤに描画素材を配置することにより構成されるものではない。また、合成画像を構成する描画素材が配置される際に、レイヤが必ずしも空き番なく下位から詰めて使用されるとは限らず、フレーム画像の合成処理における効率等を考慮してレイヤが使用されるため、不使用のレイヤが中間部分に適宜発生し得る。
【0253】
1つのフレームを描画する際には、優先度の低い描画素材から1つずつ順に相応のレイヤに描画される。例えば、1つのフレームが5個の描画素材で構成される場合には、まず優先度が最も低い(優先順位5位の)描画素材が最も下位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。次に優先度が2番目に低い(優先順位4位の)描画素材が、優先順位5位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。このようにして優先度に従い描画素材が次々と描画されていき、最後に優先度が最も高い(優先順位1位の)描画素材が優先順位2位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。全ての描画素材を各レイヤに描画し終えた段階で、複数のレイヤを上位側(前面側)から見た合成画像が、そのフレームに対応する合成画像として液晶ディスプレイ90に表示される。換言すると、合成画像を液晶ディスプレイ90の表示領域で見た場合、下位のレイヤに配置された描画素材は、上位のレイヤに配置された描画素材に覆われた状態となる。さらに換言すると、上位側のレイヤほど、表示領域における表示上の優先度が高いと言える。
【0254】
本実施形態では、所定の当選エリア(例えばリプレイに係る所定の当選エリア)に当選した遊技で、特定の操作態様で停止操作が行われた場合に、特定の停止態様でリール20a~20cが停止するようになっており、当該特定の停止態様でリール20a~20cが停止すると、特典が付与され、特典の付与が報知されるようになっている。特典としては、例えば有利な状態(例えばAT演出状態)へ移行する権利や、所定量の上乗せがある。所定量の上乗せとは、AT終了判定カウンタ67の記憶値に所定の値が加算されることを指す。なお、前記有利な状態にボーナス状態が含まれてもよい。
【0255】
本実施形態では、当該所定の当選エリアに当選した場合に、特定演出(狙え演出)が実行され得るようになっている。特定演出は、特典の付与に関する演出(特典の付与に伴い実行され得る演出)であり、特定の操作態様で停止操作を行うことを指示する演出となっている。特定演出が実行された遊技において、特定の操作態様で停止操作が実行されると、特定の停止態様でリール20a~20cが停止する。なお、特典が付与される遊技と、特定演出が実行される遊技とは同一の遊技でなくてもよく、例えば、所定の遊技で特典付与手段82が行う特典付与抽選(AT抽選や上乗せ抽選など)に当選して特典が付与され、その後、所定の遊技で特定演出が実行され、特定の停止態様でリール20a~20cが停止した場合に、特典の付与が報知されてもよい。
【0256】
本実施形態では、特定の停止態様は、3つのリール20a~20cについて、表示窓16を介して視認可能な位置としての上段、中段、下段のうちの所定の表示位置に特定図柄が表示され、3つの特定図柄が一列に揃う停止態様となっている。本実施形態では特定図柄は、赤BAR図柄「赤BAR」となっている(3つの赤BAR図柄「赤BAR」が一列に揃うようになっている)。
なお、本実施形態では、各リール20a~20cの外周面には、
図26に示すように、白7図柄「白7」、紫7図柄A「紫7A」、紫7図柄B「紫7B」、紫7図柄C「紫7C」、紫7図柄D「紫7D」、黄7図柄「黄7」、赤7図柄「赤7」、黒BAR図柄「黒BAR」、赤BAR図柄「赤BAR」およびブランク図柄「BK」、の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0257】
演出制御手段100は、特定演出を液晶ディスプレイ90等の演出装置に実行させることが可能となっている。特定演出では、特定の操作態様で停止操作を行うことを指示する表示として、(1)所定の押下順序でストップボタン26を押下(操作)することを指示する表示(操作順指示表示)と、(2)特定図柄が所定の表示位置(表示窓16を介して視認可能な位置としての上段、中段、下段のうちの所定の表示位置)に表示されるように所定のタイミングでストップボタン26を押下(操作)することを指示する表示(停止図柄指示表示)と、が表示される。「特定の操作態様で停止操作を行う」とは、特定演出に係る操作順指示表示および停止図柄指示表示に従い停止操作を行うことである。
【0258】
操作順指示表示は、打順ナビ演出に係る打順ナビ表示とは異なる表示となっている。ここで、
図29を用いて打順ナビ表示について説明する。
図29は、打順ナビ表示の一例を示すものである。液晶ディスプレイ90の表示領域Xにおけるリール20aの上方となる位置に数字の「3」が表示され、リール20bの上方となる位置に数字の「1」が表示され、リール20cの上方となる位置に数字の「2」が表示されている。これは打順4、すなわちストップボタン26bを最初に押下し、次にストップボタン26cを押下し、最後にストップボタン26aを押下することを指示する表示である。打順ナビ表示では、最初に(次に)押下することを指示する数字が他の数字よりも拡大して表示される(
図29では「1」が最も大きく表示されている)。また、指示に従い所定のストップボタンが押下されると、当該ストップボタンに対応する数字が表示されない状態(非表示)となる。
図29において、ストップボタン26bが押下されると「1」が表示されない状態となるとともに、「2」が「3」よりも拡大して表示される。指示に従い所定のストップボタンが押下された場合、当該ストップボタンに対応する数字は、当該押下の検知後、所定時間(所定数のフレーム)にわたって、例えば、数字が破裂する演出(エフェクト)や数字が徐々に消える演出(エフェクト)が実行されて、最終的に表示(視認)されない状態となる。
なお、指示に従わずに所定のストップボタンが押下された場合、当該押下の検知に基づき演出(エフェクト)が実行されることなく即時に打順ナビ表示(すべての数字)が表示されない状態となってもよく、当該押下が検知されてから最後のストップボタンの押下が検知されるまでの間、打順ナビ表示が維持され、最後のストップボタンの押下の検知に基づき演出(エフェクト)が実行されることなく打順ナビ表示が表示されない状態となってもよい。最後のストップボタンの押下の検知まで打順ナビ表示が維持される場合、第1停止操作で指示に従わなかった場合には3つの数字の表示が維持され、第2停止操作で指示に従わなかった場合には2つの数字の表示が維持されることとなる。
【0259】
打順ナビ表示は、ストップボタン26の押下順序を示す数字が、対応するリール(ストップボタン)ごとに表示されるものである。なお、当該数字には、記号(例えば打順を問わないこと意味する記号「-」など)が含まれてもよい。これに対し、本実施形態の操作順指示表示は、ストップボタン26の押下順序を示す数字以外の表示(表示物)が表示されるものである。また、本実施形態の操作順指示表示に係る表示(表示物)は、対応するリール(ストップボタン)ごとに表示されるものではない。本実施形態では、操作順指示表示は、矢印またはメッセージ(文字)の少なくとも一方を含むものとなっている。
図30に示す操作順指示表示Eは、矢印およびメッセージで構成されており、右向きの矢印(矢印画像)と「順押し!」というメッセージ(メッセージ画像)とが表示されている。
【0260】
停止図柄指示表示(図柄ナビ表示)は、特定図柄を所定の表示位置に表示させることを狙わせる(狙うべきことを報知する)表示となっている。本実施形態では、特定図柄は赤BAR図柄「赤BAR」となっており、特定図柄に対応する特定図柄画像が停止図柄指示表示として表示される。なお、特定図柄を所定の表示位置に表示させることを狙ってストップボタンを押下することを「目押し」と称してもよい。
本実施形態では、
図30に示すように、停止図柄指示表示(特定図柄画像)Fは、リール20a(ストップボタン26a)に対応する左図柄画像F1と、リール20b(ストップボタン26b)に対応する中図柄画像F2と、リール20c(ストップボタン26c)に対応する右図柄画像F3と、によって構成されている。左図柄画像F1は、リール20aの上方に表示される。中図柄画像F2は、リール20bの上方に表示される。右図柄画像F3は、リール20cの上方に表示される。なお、本実施形態では、表示領域X(
図27)における上側の領域に操作順指示表示Eが表示され、下側の領域に停止図柄指示表示Fが表示されるようになっている。換言すると、リールにより近い側に停止図柄指示表示Fが表示されている。
【0261】
ここで、操作順指示表示に従った場合に最初に押下されるストップボタン(に対応するリール)に対応する特定図柄画像を「第1停止操作に対応する特定図柄画像」とすると、
図30では操作順指示表示Eが順押しを指示しているため、第1停止操作に対応する特定図柄画像は左図柄画像F1となる。また、操作順指示表示に従った場合に2番目に押下されるストップボタン(に対応するリール)に対応する特定図柄画像を「第2停止操作に対応する特定図柄画像」とすると、
図30では操作順指示表示Eが順押しを指示しているため、第2停止操作に対応する特定図柄画像は中図柄画像F2となる。また、操作順指示表示に従った場合に最後(3番目)に押下されるストップボタン(に対応するリール)に対応する特定図柄画像を「第3停止操作に対応する特定図柄画像」とすると、
図30では操作順指示表示Eが順押しを指示しているため、第3停止操作に対応する特定図柄画像は右図柄画像F3となる。
【0262】
本実施形態では、特定演出が実行された遊技において、特定の操作態様、すなわち操作順指示表示および停止図柄指示表示で指示されたとおりの(指示に従う)操作態様で停止操作が実行されると、特定の停止態様でリール20a~20cが停止するようになっている。特定演出が実行された遊技において、特定の操作態様で停止操作が実行され、特定の停止態様(3つの特定図柄が一列に揃う停止態様)でリール20a~20cが停止すると、特典の付与が報知されるようになっている。換言すると、所定の遊技で特定演出が実行されると、特定の操作態様で停止操作を行うことを指示する表示(操作順指示表示および停止図柄指示表示)が液晶ディスプレイ90に表示され、特定の停止態様でリール20a~20cが停止すると、特典の付与を報知する表示(祝福演出)が液晶ディスプレイ90に表示されるようになっている。
【0263】
次に
図31を用いて、所定の遊技において特定演出が実行された場合における、各種表示について説明する。特定演出は、所定の遊技におけるスタートレバー24に対する遊技開始操作に基づき開始される。なお、スタートレバー24に対する遊技開始操作に基づき開始されるとは、当該遊技開始操作が検知(検出)されたタイミングで開始されるものであってもよく、当該遊技開始操作が検知されたタイミングよりも後であって、ストップボタン26a~26cの停止操作が有効化されるよりも前の所定のタイミングにおいて開始されるものであってもよい。
【0264】
特定演出が開始されると、
図31(a)に示すように、演出制御手段100は、まず、操作順指示表示Eを開始させる。本実施形態では、操作順指示表示Eが停止図柄指示表示Fよりも先に表示されるようになっている。換言すると、特定演出が開始されると、操作順指示表示Eが単独で表示されるようになっている。本実施形態では、操作順指示表示Eは、矢印およびメッセージの両方を兼ね備えて構成されている。以下、操作順指示表示Eが順押し(打順1)を指示する場合について説明する。順押しを指示する場合、矢印は右方向を指す右矢印画像となり、メッセージは「順押し!」という文字からなる順押し画像となる。
【0265】
図31(a)に示すように、右矢印画像と順押し画像とは重なって表示され、順押し画像が右矢印画像よりも手前側に表示される。換言すると、順押し画像は右矢印画像よりも上位のレイヤに配置(描画)される。また、順押し画像(メッセージ画像)は左右方向略中央部に(固定して)表示され、右矢印画像(矢印画像)は時間の経過とともに左から右に向かって移動(スクロール)する表示(表示態様)となっている。
【0266】
順押し画像と右押し画像とからなる操作順指示表示Eは、最初に第1の大きさで表示され、所定時間が経過すると、
図31(b)に示すように、第1の大きさよりも小さい第2の大きさで表示されるようになっている。換言すると、操作順指示表示Eは、所定のタイミングで第1の大きさから第2の大きさに縮小される。第1の大きさは、表示領域X(
図27)の全体を占める(覆う)大きさであり、第2の大きさは、表示領域Xの略上側半分を占める大きさとなっている。操作順指示表示Eの表示範囲は、操作順指示表示Eが単独で表示される場合の方が、停止図柄指示表示Fとともに表示される場合よりも大きくなっている。特定演出の開始時に操作順指示表示Eが強調して表示されるため、遊技者は、ストップボタンの操作順序をより把握しやすいものとなっている。
【0267】
演出制御手段100は、操作順指示表示Eを開始させた後、所定時間が経過すると、停止図柄指示表示Fを開始させる。なお、操作順指示表示Eが第2の大きさに縮小されている間に(縮小中に)停止図柄指示表示Fが開始されてもよく、操作順指示表示Eの縮小が完了したタイミングで停止図柄指示表示Fが開始されてもよく、操作順指示表示Eの縮小が完了した直後に停止図柄指示表示Fが開始されてもよい。
【0268】
図31(c)は、停止図柄指示表示Fが開始された直後の状態を示しており、
図31(d)は、
図31(c)に示す状態から所定時間が経過した後の状態を示している。
図31(c)に示すように、第1停止操作に対応する特定図柄画像(左図柄画像F1)は、第2停止操作に対応する特定図柄画像(中図柄画像F2)および第3停止操作に対応する特定図柄画像(右図柄画像F3)よりも先に表示開始される。このため、遊技者は、感覚的に第1停止操作すべきストップボタンを把握しやすい。なお、中図柄画像F2と右図柄画像F3とは同じタイミングで表示開始されてもよく、中図柄画像F2が右図柄画像F3よりも先に表示開始されてもよい。
【0269】
本実施形態では、左図柄画像F1、中図柄画像F2および右図柄画像F3は、出現に係る演出(エフェクト:表示態様の変化)としての拡大演出(拡大アクション)が実行され、時間の経過とともに徐々に拡大されて表示される。そして、
図31(e)に示すように、左図柄画像F1、中図柄画像F2および右図柄画像F3は、それぞれが所定のサイズ(定常状態)に達すると、出現に係る演出が終了(完了)し、停止して表示される。
図31(e)は、左図柄画像F1、中図柄画像F2および右図柄画像F3の出現に係る演出が停止し、各画像がそれぞれ所定のサイズで表示されている状態を示している。当該所定のサイズを比較すると、左図柄画像F1が、中図柄画像F2および右図柄画像F3よりも大きくなっている。換言すると、出現に係る演出が終了した状態において、左図柄画像F1は、中図柄画像F2および右図柄画像F3よりも大きく(大きいサイズで)表示される。このため、左図柄画像F1が、中図柄画像F2および右図柄画像F3よりも目立つ(強調される)。これにより、遊技者は、第1停止操作すべきストップボタンをより把握しやすい。なお、出現に係る演出が終了した状態において、中図柄画像F2と右図柄画像F3とは同じ大きさで表示されてもよく、中図柄画像F2が右図柄画像F3よりも大きく表示されてもよい。
【0270】
図31(e)では、左図柄画像F1、中図柄画像F2および右図柄画像F3がそれぞれ所定のサイズ(定常状態)に達すると出現に係る演出が終了するとしたが、各画像が当該所定のサイズよりも大きい最大サイズとなった後に少し縮小されて所定のサイズ(定常状態)となり、停止して表示されるようになっていてもよい。その場合、当該縮小が完了したタイミング(定常状態に達したタイミング)で出現に係る演出が終了となる。
【0271】
出現に係る演出が終了した状態において、左図柄画像F1と中図柄画像F2とは部分的に重複する部分を有する。本実施形態では、左図柄画像F1が中図柄画像F2よりも上位のレイヤに配置されているため、左図柄画像F1が中図柄画像F2よりも手前側に表示される。このため、遊技者は、第1停止操作すべきストップボタンをより把握しやすい。
また、出現に係る演出が終了した状態において、中図柄画像F2と右図柄画像F3とは部分的に重複する部分を有する。本実施形態では、中図柄画像F2が右図柄画像F3よりも上位のレイヤに配置されているため、中図柄画像F2が右図柄画像F3よりも手前側に表示される。このため、遊技者は、第2停止操作すべきストップボタンをより把握しやすい。
【0272】
また、本実施形態では、停止図柄指示表示Fに係る左図柄画像F1、中図柄画像F2および右図柄画像F3は、操作順指示表示Eに係る右矢印画像および順押し画像よりも上位のレイヤに配置されている。換言すると、操作順指示表示Eに係る右矢印画像および順押し画像は、停止図柄指示表示Fに係る左図柄画像F1、中図柄画像F2および右図柄画像F3よりも下位のレイヤに配置されている。
図31(e)に示すように、操作順指示表示E(少なくとも右矢印画像)と、停止図柄指示表示Fとは部分的に重複する部分を有しているが、停止図柄指示表示Fが、操作順指示表示Eよりも手前側に表示されるようになっている。換言すると、先に表示が開始される操作順指示表示Eよりも後に表示が開始される停止図柄指示表示Fの方が表示上の優先度が高くなっている。停止図柄指示表示Fが操作順指示表示Eに覆われることがないため、遊技者は狙うべき特定図柄をより確実に把握できる。
【0273】
また、本実施形態では、操作順指示表示Eと停止図柄指示表示Fとが表示された状態で、ストップボタン26a~26cの停止操作が有効化される。なお、ストップボタン26a~26cの停止操作が有効となるのは、左図柄画像F1、中図柄画像F2および右図柄画像F3の出現に係る演出が終了した以後であってもよく、当該演出が終了するよりも前であってもよい。
なお、図示を省略するが、特定演出が実行される遊技において、スタートレバー24の押下後、ストップボタン26a~26cの停止操作が有効化されるまでの間に、リール演出が実行されてもよい。リール演出としては、例えば、スタートレバー24の押下後、リール20a~20cの回転が停止した状態が所定時間の間、維持され(フリーズし)、所定時間経過後にリール20a~20cが正回転(順回転)方向に回転開始するものがある。当該リール演出が実行される場合、例えば
図31(c)に示した停止図柄指示表示Fが開始されるタイミングで、フリーズが終了してリールの回転(順回転)が開始されるようになっていてもよい。
【0274】
本実施形態のリールユニットは、リール20a~リール20cを、各リールのリールテープの裏面側(各リールの内周面側)から照明するバックライトを備えている。演出制御手段100は、バックライトを所定の発光態様(発光パターン)で光らせる演出に関する制御を行っている。また、演出制御手段100は、所定の音をスピーカ14から出力させる演出に関する制御を行っている。
【0275】
本実施形態では、特定演出が実行された遊技で、特定の操作態様で(操作順指示表示および停止図柄指示表示に従い)第1停止操作が行われた場合、所定の表示位置(上段、中段または下段)に特定図柄が表示され、第1演出が実行される。第1演出では、停止音(例えば「バシューン」という音)がスピーカ14から出力され、バックライトが所定の発光態様(白フラッシュ)で発光する。白フラッシュは、バックライト全体(白色光)が一様に明滅する発光態様である。
【0276】
特定の操作態様で第1停止操作が行われ、所定の表示位置(上段、中段または下段)に特定図柄が表示され、特定の停止態様(特定図柄が一列に揃う停止態様)でリール20a~リール20cを停止させることができる可能性が残っている状態を「第1停止操作に成功」と言うことができる。
【0277】
本実施形態では、第1停止操作に成功した場合であっても、第1停止操作に対応する特定図柄画像(左図柄画像F1)は表示されない状態(非表示)とならない。換言すると、第1停止操作に成功した後も、左図柄画像F1が表示された状態が維持される。また、第1停止操作に成功した後も、左図柄画像F1が中図柄画像F2および右図柄画像F3よりも大きい状態が維持される。また、第1停止操作に成功した後も、左図柄画像F1が中図柄画像F2および右図柄画像F3よりも上位のレイヤに配置されている状態が維持され、左図柄画像F1が中図柄画像F2および右図柄画像F3よりも手前側に表示される。すなわち、第1停止操作に成功した後も、停止図柄指示表示(および操作順指示表示)は、出現に係る演出が終了したときの状態が維持される。この点は、指示に従い所定のストップボタンが押下されると、当該ストップボタンに対応する数字が表示されない状態となる打順ナビ表示(
図29)と相違する。
また、第1停止操作に成功後、第2停止操作に対応する中図柄画像F2が拡大されることもない。この点は、指示に従い第1停止操作を行うと、次に押下することを指示する数字「2」が拡大して表示される打順ナビ表示(
図29)と相違する。また、第1停止操作に成功後、中図柄画像F2が左図柄画像F1および右図柄画像F3よりも手前側に表示されることもない。
【0278】
特定演出が実行された遊技で、第1停止操作に成功後、特定の操作態様で(操作順指示表示および停止図柄指示表示に従い)第2停止操作が行われた場合、所定の表示位置(上段、中段または下段)に特定図柄が表示され、第1演出が実行される。特定の操作態様で第2停止操作が行われ、所定の表示位置(上段、中段または下段)に特定図柄が表示され、特定の停止態様(特定図柄が一列に揃う停止態様)でリール20a~リール20cを停止させることができる可能性が残っている状態を「第2停止操作に成功」と言うことができる。
【0279】
本実施形態では、第2停止操作に成功した場合、第2停止操作に対応する特定図柄画像(中図柄画像F2)は表示されない状態(非表示)とならない。換言すると、第2停止操作に成功した後も、中図柄画像F2が表示された状態が維持される。また、第2停止操作に成功した後も、左図柄画像F1が中図柄画像F2および右図柄画像F3よりも大きい状態が維持される。また、第2停止操作に成功した後も、左図柄画像F1が中図柄画像F2および右図柄画像F3よりも上位のレイヤに配置されている状態が維持され、左図柄画像F1が中図柄画像F2および右図柄画像F3よりも手前側に表示される。すなわち、第2停止操作に成功した後も、停止図柄指示表示(および操作順指示表示)は、出現に係る演出が終了したときの状態が維持される。
また、第2停止操作に成功した後に、第3停止操作に対応する右図柄画像F3が拡大されることもなく、右図柄画像F3が左図柄画像F1および中図柄画像F2よりも手前側に表示されることもない。
【0280】
特定演出が実行された遊技で、第1停止操作および第2停止操作に成功後、特定の操作態様(操作順指示表示および停止図柄指示表示に従い)第3停止操作が行われた場合、所定の表示位置(上段、中段または下段)に特定図柄が表示され、特定の停止態様(特定図柄が一列に揃う停止態様)でリール20a~リール20cが停止する。このように、特定の操作態様で第3停止操作が行われ、特定の停止態様でリール20a~リール20cが停止した状態を「第3停止操作に成功」と言うことができる。
【0281】
この場合、液晶ディスプレイ90における操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fは、第3停止操作に係るストップボタンの押下(最後のストップボタンの押下)が検知された時点で表示されない状態となる。ストップボタンの押下が検知された時点で表示されない状態となるとは、当該押下の検知後、例えば、数フレーム間(所定時間)にわたって表示が徐々に消える演出(エフェクト、アクション)などが実行されることなく、即時に表示(視認)されない状態となることを指す。換言すると、当該押下の検知後の次フレームでは操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fは表示されない状態となる。なお、本実施形態では、当該ストップボタンの押下が検知された時点を、ストップボタンの押下のONが検知された時点とするが、ストップボタンの押下の開放(OFF)が検知された時点としてもよい。
【0282】
図29で示した打順ナビ表示は、指示に従っての所定のストップボタンの押下が検知されると、当該ストップボタンに対応する数字が表示されない状態となるが、その際に所定時間(所定数のフレーム)にわたって数字が破裂する演出(エフェクト)などが実行されて、最終的に数字が表示されない状態となるものであった。したがって、ストップボタンの押下が検知されてから表示されない状態となるまでに要する時間を比較すると、特定演出に係る表示(操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示F)の方が、打順ナビ表示よりも当該時間が短くなっている。
【0283】
第3停止操作に成功した場合、液晶ディスプレイ90では、最後のストップボタンの押下の検知された時点で(即時に)操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fが表示されない状態となり、特典の付与を報知する表示(祝福演出)が表示される。
【0284】
本実施形態では、特定演出が実行された遊技において、特定の停止態様でリール20a~20cが停止しなかった場合、特典が付与されず、特典が付与されないことが報知される。例えば、第1停止操作に成功し、かつ第2停止操作に成功したが、特定の操作態様で第3停止操作が行われず、所定の表示位置に特定図柄が表示されずに、特定の停止態様(特定図柄が一列に揃う停止態様)でリール20a~リール20cが停止しなかった場合、第3停止操作に係るストップボタンの押下の検知に基づき操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fが表示されない状態となり、液晶ディスプレイ90の表示面(表示領域)が暗転する。この暗転は、特典が付与されないことの報知となっている。なお、暗転するとは、画面が真っ暗になるものに限らず、所定の画像(例えば直前に表示されていた画像)が暗くなった状態で視認されるものであってもよい。例えば、所定の画像が配置されているレイヤよりも上位のレイヤに、透過性を有する暗転画像が配置されるようになっていてもよい。
【0285】
また、第1停止操作に成功したが、特定の操作態様で第2停止操作が行われなかった場合として、順押しを指示する操作順指示表示Eおよび特定図柄を所定の表示位置に表示させることを狙わせる停止図柄指示表示Fに従わず、ストップボタン26cが押下された場合、所定の表示位置(上段、中段または下段)に特定図柄が表示されず、特定の停止態様でリール20a~リール20cを停止させることができる可能性が消滅する。
また、第1停止操作に成功したが、特定の操作態様で第2停止操作が行われなかった場合として、順押しを指示する操作順指示表示Eに従うが、特定図柄を所定の表示位置に表示させることを狙わせる停止図柄指示表示Fに従わずに、ストップボタン26bが押下された場合、所定の表示位置(上段、中段または下段)に特定図柄が表示されず、特定の停止態様でリール20a~リール20cを停止させることができる可能性が消滅する。
本実施形態では、これらの第2停止操作の失敗をした場合であっても、第2停止操作を契機として操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fが表示されない状態とならず(それらの表示が維持され)、かつ第2停止操作を契機として第1演出が実行される。そして、第3停止操作を契機として、操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fが非表示となり、表示面が暗転する(特典が付与されないことが報知される)。
【0286】
また、特定演出が実行された遊技で、順押しを指示する操作順指示表示Eに従うが、特定図柄を所定の表示位置に表示させることを狙わせる停止図柄指示表示Fに従わずに、最初にストップボタン26aが押下された場合(第1停止操作が行われた場合)、所定の表示位置(上段、中段または下段)に特定図柄が表示されず、特定の停止態様でリール20a~リール20cを停止させることができる可能性が消滅する。本実施形態では、このような第1停止操作の失敗をした場合、第1停止操作を契機として操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fが表示されない状態とならず(それらの表示が維持され)、かつ第1停止操作を契機として第1演出が実行される。また、次の第2停止操作を行っても、第2停止操作を契機として操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fが表示されない状態とならず(それらの表示が維持され)、かつ第2停止操作を契機として第1演出が実行される。そして、最後の第3停止操作を契機として、操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fが非表示となり、表示面が暗転する(特典が付与されないことが報知される)。
【0287】
本実施形態では、順押しを指示する操作順指示表示Eに従って第1停止操作が行われた場合には、第1停止操作後あるいは第2停止操作後に、特定の停止態様でリール20a~リール20cを停止させることができる可能性が消滅した場合であっても、第3停止操作が終わるまでは、特典が付与されないことが報知されないようになっている。
【0288】
本実施形態では、順押しを指示する操作順指示表示Eおよび特定図柄を所定の表示位置に表示させることを狙わせる停止図柄指示表示Fに従って第1停止操作が行われた場合に、次に、当該操作順指示表示Eに従わずに第2停止操作が行われた場合であっても、特定の停止態様でリール20a~20cが停止する場合がある。具体的には、第1停止操作に成功し、次に、順押しを指示する操作順指示表示Eに従わないが、特定図柄を所定の表示位置に表示させることを狙わせる停止図柄指示表示Fに従い、ストップボタン26cが押下された場合(第2停止操作が行われた場合)、所定の表示位置(上段、中段または下段)に特定図柄が表示される。なお、このとき、第2停止操作を契機として操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fが表示されない状態とならず(それらの表示が維持され)、かつ第2停止操作を契機として第1演出が実行される。そして、最後のストップボタン26bが押下され(第3停止操作が行われ)、特定の停止態様(特定図柄が一列に揃う停止態様)でリール20a~リール20cが停止した場合には、第3停止操作を契機として操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fが非表示となり、特典の付与が報知される。一方、最後のストップボタン26bが押下され、特定の停止態様(特定図柄が一列に揃う停止態様)でリール20a~リール20cが停止しなかった場合には、第3停止操作を契機として、操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fが非表示となり、表示面が暗転する(特典が付与されないことが報知される)。
【0289】
本実施形態では、順押しを指示する操作順指示表示Eに従わずに変則押しが行われた場合には、その第1停止操作に基づき特定の停止態様(特定図柄が一列に揃う停止態様)でリール20a~リール20cが停止しないことが確定する。順押しを指示する操作順指示表示Eに従い第1停止操作が行われなかった場合、すなわち、特定演出が実行された遊技で、順押しを指示する操作順指示表示Eに従わずに、最初にストップボタン26bまたはストップボタン26cが押下された場合(変則押しの第1停止操作が行われた場合)、所定の表示位置(上段、中段または下段)に特定図柄が表示されず、その第1停止操作を契機として、操作順指示表示Eおよび停止図柄指示表示Fが表示されない状態となる。そして、第3停止操作を契機として、表示面が暗転する(特典が付与されないことが報知される)。なお、第1停止操作を契機として表示面が暗転するようになっていてもよい。
【0290】
本実施形態では、特定演出が実行された遊技において、特定の操作態様で停止操作が実行されると、特定の停止態様でリール20a~20cが停止するとしたが、特定演出が実行された遊技において、特定の操作態様で停止操作が実行された場合に、特定の停止態様でリール20a~20cが停止しない場合が存在してもよい。すなわち、特定演出が実行された遊技において、特定の操作態様で停止操作を行うことで、特定の停止態様でリール20a~20cを停止させることが可能となっているが、特定演出が実行された遊技において、特定の操作態様で停止操作を行えば必ず特定の停止態様でリール20a~20cが停止するようになっていなくてもよく、特定演出が実行された遊技において、特定の操作態様で停止操作を行ったとしても、特定の停止態様でリール20a~20cが停止しないことがあってもよい。
【0291】
特定演出が実行された遊技において、特定の操作態様で停止操作が実行されたが、特定の停止態様でリール20a~20cが停止しない場合に、特典が付与されないこととしてもよく、特典が付与されることとしてもよい。特典が付与されることとする場合、特定の操作態様で停止操作を行ったとしても特定の停止態様でリール20a~20cが停止しない遊技は、特定の操作態様で停止操作を行うと特定の停止態様でリール20a~20cが停止する遊技に比べて、特典が付与される期待度が低くなっていてもよい。
【0292】
また、本実施形態では、特定演出が実行された遊技において、特定の停止態様でリール20a~20cが停止しなかった場合、特典が付与されないとしたが、当該遊技が、特定の操作態様で停止操作が実行された場合には特定の停止態様でリール20a~20cが停止するものである場合(特定の操作態様で停止操作を行ったとしても特定の停止態様でリール20a~20cが停止しないものでない場合)には、特典が付与されることとしてもよい。つまり、特定演出が実行された遊技であって、特定の操作態様で停止操作を行うと特定の停止態様でリール20a~20cが停止する遊技では、停止操作の態様に関わらず必ず特典が付与されてもよい。
【0293】
本実施形態では、操作順指示表示Eが順押し(打順1)を指示する場合について説明したが、操作順指示表示Eは順押しを指示するものに限らない。操作順指示表示Eが、例えば逆押し(打順6)を指示するものであってもよく、その場合、矢印は左方向を指す左矢印画像となり、メッセージは「逆押し!」という文字からなる逆押し画像となる。また、その場合、上述の第1停止操作に対応する特定図柄画像は右図柄画像F3となり、第2停止操作に対応する特定図柄画像は中図柄画像F2となり、第3停止操作に対応する特定図柄画像は左図柄画像F1となる。
【0294】
また、本実施形態では、特定図柄を赤BAR図柄「赤BAR」としたが、特定図柄は、黒BAR図柄「黒BAR」や赤7図柄「赤7」など、別の図柄であってもよい。また、本実施形態では、所定の表示位置に表示させることを狙わせる特定図柄が各リールで同一となっている、すなわち、左図柄画像F1、中図柄画像F2および右図柄画像F3がいずれも同じ図柄に対応する画像となっているものとしたが、これに限らず、特定図柄はリールごとに異なっていてもよい。例えば、左図柄画像F1が赤BAR図柄「赤BAR」に対応する画像で、中図柄画像F2および右図柄画像F3が黒BAR図柄「黒BAR」に対応する画像となっていて、特定の操作態様で停止操作が行われると、3つの特定図柄が一列に揃う停止態様(赤BAR・黒BAR・黒BAR)でリール20a~20cが停止するようになっていてもよい。
また、特定図柄画像(例えば左図柄画像F1とする)が、2つの図柄のうちのいずれかの図柄を所定の表示位置に表示させることを狙わせるものであってもよい。具体的には、例えば、赤BAR図柄「赤BAR」または黒BAR図柄「黒BAR」のいずれかを所定の表示位置に表示させることを狙わせるものであってもよく、その場合、左図柄画像F1の左半分が赤BAR図柄「赤BAR」に対応し、右半分が黒BAR図柄「黒BAR」に対応し、中央(境界部)に記号「?」が表示されていてもよい。
【0295】
また、本実施形態における特定の停止態様を第1の実施の形態における特定停止態様とし(特定図柄を第1の実施の形態におけるBAR図柄「BAR」とし)、特定演出を第1の実施の形態における特定ナビ演出とし、特定停止態様でリール20a~20cが停止した場合に、準備中演出状態からAT演出状態への移行がされることとしてもよい。
【0296】
本実施形態の遊技機は、
スタートレバー24と、
複数種類の図柄が配列された複数のリール20a,20b,20cと、
前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタン26a,26b,26cと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段42と、
前記スタートレバーの操作に基づき前記リールを回転させ、前記ストップボタンの操作に基づき前記内部抽選の結果に応じた態様で前記リールを停止させる制御を行うリール制御手段43と、
演出を制御する演出制御手段100と、
表示手段90と、を備え、
前記演出には、特定演出があり、
前記特定演出では、所定の順序で前記ストップボタンを操作することを指示する操作順指示表示と、特定図柄が所定の位置に表示されるように所定のタイミングで前記ストップボタンを操作することを指示する停止図柄指示表示と、が前記表示手段に表示され、
前記特定演出が実行される遊技では、前記操作順指示表示が前記停止図柄指示表示よりも先に表示される。
【0297】
前記特定演出が実行される遊技では、前記操作順指示表示が前記停止図柄指示表示よりも先に表示される。このため、両者が同時に表示される場合に比べて、遊技者は、指示内容をより確実に把握することができる。具体的には、まず、ストップボタンの操作順序を把握し、次に、ストップボタンを操作する際に狙うべき特定図柄を把握することができる。これにより、前記特定演出が実行された遊技で、遊技者が、前記操作順指示表示または前記停止図柄指示表示に従わずに前記ストップボタンを操作してしまうこと、すなわち操作ミスをしてしまうことを抑制できる。操作ミスをしてしまった場合、遊技者が失望感を抱くおそれがあるが、本構成によれば、操作ミスが抑制されるため、遊技者が失望感を抱くおそれが低減される。したがって、遊技の興趣を向上させることができる。
【0298】
また、本実施形態の遊技機において、
前記演出制御手段は、画像を所定のレイヤに配置し、複数のレイヤを重ね合わせて前記表示手段に所定の表示を表示させ、
前記操作順指示表示に係る画像が、前記停止図柄指示表示に係る画像よりも下位のレイヤに配置されている。
【0299】
先に表示が開始される前記操作順指示表示に係る画像よりも、後に表示が開始される前記停止図柄指示表示に係る画像の方が表示上の優先度が高くなっており、前記停止図柄指示表示に係る画像が前記操作順指示表示に係る画像に覆われることがない。これにより、遊技者は狙うべき特定図柄をより確実に把握でき、操作ミスを抑制できる。
【0300】
また、本実施形態の遊技機において、
前記操作順指示表示および前記停止図柄指示表示に従い前記ストップボタンが操作された場合、前記ストップボタンの第3停止操作が検知された時点で前記操作順指示表示および前記停止図柄指示表示が表示されない状態となる。
【0301】
前記ストップボタンの第3停止操作が検知された時点から、前記操作順指示表示および前記停止図柄指示表示が表示されない状態となるまでの時間が比較的長い場合に比べて、次の演出をより早く実行可能となる。例えば当該次の演出が、特典が付与されるか否かを報知するものである場合、遊技者は、特典が付与されるか否かをより早く把握することができる。
【0302】
(変形例)
本実施形態では、操作順指示表示に係る矢印画像およびメッセージ画像が、停止図柄指示表示に係る左図柄画像、中図柄画像および右図柄画像よりも先に表示開始されるとしたが、本変形例では、操作順指示表示に係る矢印画像およびメッセージ画像が、停止図柄指示表示に係る左図柄画像、中図柄画像および右図柄画像よりも後に表示開始される。所定の遊技で特定演出が開始されると、まず、停止図柄指示表示が表示開始される。なお、このとき、後に表示される操作順指示表示が例えば順押しを指示する場合、左図柄画像が中図柄画像および右図柄画像よりも先に表示開始されてもよく、左図柄画像が中図柄画像および右図柄画像よりも大きく表示されてもよく、左図柄画像が中図柄画像および右図柄画像よりも手前側に表示されてもよい。そして、停止図柄指示表示が表示開始されてから所定時間が経過すると、操作順指示表示が表示開始される。操作順指示表示に係るメッセージ画像は矢印画像よりも手前側に表示される。
操作順指示表示に係る矢印画像およびメッセージ画像は、停止図柄指示表示に係る左図柄画像、中図柄画像および右図柄画像よりも下位のレイヤに配置される。換言すると、操作順指示表示は、停止図柄指示表示よりも表示上の優先度が低くなっている。
なお、操作順指示表示に係る矢印画像およびメッセージ画像は、停止図柄指示表示に係る左図柄画像、中図柄画像および右図柄画像よりも上位のレイヤに配置されてもよい。換言すると、操作順指示表示は、停止図柄指示表示よりも表示上の優先度が高くなっていてもよい。
【0303】
操作順指示表示が停止図柄指示表示よりも後に表示される。このため、両者が同時に表示される場合に比べて、遊技者は、指示内容をより確実に把握することができる。具体的には、まず、ストップボタンを操作する際に狙うべき特定図柄を把握し、次に、ストップボタンの操作順序を把握することができる。これにより、特定演出が実行された遊技で、遊技者が、操作順指示表示または停止図柄指示表示に従わずにストップボタンを操作してしまうこと、すなわち操作ミスをしてしまうことを抑制できる。
【0304】
なお、前述した各実施の形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(いわゆるメダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を電気的な情報で遊技者に付与すればよい。
【0305】
なお、本発明は、前述した各実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンおよびメダルレス遊技機の遊技制御形態および構成等は前述した各実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンやメダルレス遊技機に限らず、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0306】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは任意の構成要素の変形、もしくは任意の構成要素の省略等が可能である。
【符号の説明】
【0307】
20a,20b,20c リール(変動表示手段)
42 内部抽選手段
43 リール制御手段(停止制御手段)
45 払出制御手段(遊技価値付与手段)
81 演出状態制御手段
100 演出制御手段