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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】3D印刷デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/106 20170101AFI20240704BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20240704BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20240704BHJP
   B29C 64/295 20170101ALI20240704BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240704BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240704BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20240704BHJP
【FI】
B29C64/106
B29C64/209
B29C64/393
B29C64/295
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022160181
(22)【出願日】2022-10-04
(62)【分割の表示】P 2019564009の分割
【原出願日】2018-05-11
(65)【公開番号】P2022177311
(43)【公開日】2022-11-30
【審査請求日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】201710347098.1
(32)【優先日】2017-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/071965
(32)【優先日】2018-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519407035
【氏名又は名称】南京三迭▲紀▼医▲藥▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】TRIASTEK, INC.
【住所又は居所原語表記】P402, U Park, 12 East Mozhou Road, Jiangning District Nanjing, Jiangsu 211111 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】成森平
(72)【発明者】
【氏名】李▲霄▼凌
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼▲飛▼黄
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼皓▲暉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲海▼利
(72)【発明者】
【氏名】姚涓
(72)【発明者】
【氏名】王▲曉▼▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼▲偉▼
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/038356(WO,A1)
【文献】特開2017-061066(JP,A)
【文献】中国実用新案第206047081(CN,U)
【文献】国際公開第2017/043489(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D印刷デバイスであって、
第1の溶融押出モジュールであって、前記第1の溶融押出モジュールは、供給入口および排出出口を有する第1の処理チャンバと、前記第1の処理チャンバ内に配置された第1の押出装置および第1の処理チャンバ加熱装置とを含み、前記第1の溶融押出モジュールは、前記第1の処理チャンバの前記供給入口を通じて第1の初期材料を受容し、かつ前記第1の初期材料を加熱し押し出すように構成されており、その結果、前記第1の初期材料が、第1の溶融物に変換され、前記第1の溶融物が、前記第1の処理チャンバの前記排出出口から押し出される、第1の溶融押出モジュールと、
第1の印刷モジュールであって、前記第1の印刷モジュールは、前記第1の処理チャンバの前記排出出口に接続されており、第1のノズルを含み、前記第1の印刷モジュールは、前記第1の処理チャンバの前記排出出口から押し出された前記第1の溶融物を受容し、かつ前記第1のノズルを通じて押し出されるように前記第1の溶融物をガイドするように構成されている、第1の印刷モジュールと、
プラットフォームモジュールであって、前記プラットフォームモジュールは、前記第1のノズルを通じて押し出された前記第1の溶融物を受容するように構成されている、プラットフォームモジュールと、
測定装置であって、前記測定装置は、前記第1の溶融押出モジュールまたは第1の印刷モジュールまたは前記プラットフォームモジュールにおいて監視されるステータスパラメータを取得するように構成されている、測定装置と
を含み、前記測定装置は、カメラまたは撮像装置を含み、前記カメラまたは撮像装置は、前記第1の印刷モジュールまたはプラットフォームモジュールを測定するように構成されており、
前記カメラまたは撮像装置は、前記ノズルの排出ステータスまたは前記プラットフォームモジュール上に堆積された製品に関するステータスパラメータのリアルタイム画像検知を実行するように構成されており、
前記測定装置は、平面ミラーを含み、前記カメラまたは撮像装置は、前記ノズルと整列された位置に配置され得、特定の角度が平面ミラーと前記プラットフォームモジュールとの間に存在する、3D印刷デバイス。
【請求項2】
前記ステータスパラメータは、溶融物の温度、組成、圧力、重量、水分、形状、または、初期材料の重量、形状、水分、および加熱温度、または、印刷される必要がある製品の組成、圧力、重量、水分、および形状というパラメータのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の3D印刷デバイス。
【請求項3】
前記測定装置は、温度センサまたは組成センサまたは圧力センサまたは重量センサまたは湿度センサである、請求項1に記載の3D印刷デバイス。
【請求項4】
前記ステータスパラメータは、排出速度または排出の連続性、および、形状もしくはサイズもしくは硬化速度を含む前記プラットフォームモジュール上に堆積された製品というパラメータのうちの1つ以上含む、請求項に記載の3D印刷デバイス。
【請求項5】
医薬品剤形を作成する3D印刷方法であって、
第1の初期医薬品材料を第1の溶融押出モジュールの処理チャンバに供給することと、
前記第1の溶融押出モジュールの前記処理チャンバ内の前記第1の初期医薬品材料を加熱し押し出すことであって、その結果、前記第1の初期医薬品材料が、第1の溶融物に変換され、前記第1の溶融物が、前記第1の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの排出出口から押し出される、ことと、
第1の印刷モジュールの第1のノズルを通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール上に堆積されるように、前記第1の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの前記排出出口において前記第1の溶融物をガイドすることと、
前記第1の初期医薬品材料を第1の供給モジュールのホッパーを通じて前記第1の溶融押出モジュールに供給することと、
前記第1の供給モジュールの前記ホッパーの排出出口において前記第1の初期医薬品材料の排出速度を制御することと、
第2の供給モジュールのホッパーを通じて第2の初期医薬品材料を前記第1の溶融押出モジュールの前記処理チャンバに供給することと、
前記処理チャンバ内の前記第1の初期医薬品材料および前記第2の初期医薬品材料を加熱し押し出すことであって、その結果、前記第1の初期医薬品材料および前記第2の初期医薬品材料が、第1の溶融物に変換される、ことと、
3D印刷装置の任意の位置において前記第1の溶融物の組成を測定することと、
前記第1の溶融物の前記測定された組成に従って、前記第1の供給モジュールの前記ホッパーの前記排出出口における前記第1の初期医薬品材料の排出速度と、前記第2の供給モジュールの前記ホッパーの排出出口における前記第2の初期医薬品材料の排出速度とを制御することと
む、D印刷方法。
【請求項6】
医薬品剤形を作成する3D印刷方法であって、
第1の供給モジュールのホッパーを通じて第1の初期医薬品材料を第1の溶融押出モジュールの処理チャンバに供給することと、
前記第1の溶融押出モジュールの前記処理チャンバ内の前記第1の初期医薬品材料を加熱し押し出すことであって、その結果、前記第1の初期医薬品材料が、第1の溶融物に変換され、前記第1の溶融物が、前記第1の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの排出出口から押し出される、ことと、
第2の供給モジュールのホッパーを通じて第2の初期医薬品材料を第2の溶融押出モジュールの処理チャンバに供給することと、
前記第2の溶融押出モジュールの前記処理チャンバ内の前記第2の初期医薬品材料を加熱し押し出すことであって、その結果、前記第2の初期医薬品材料が、第2の溶融物に変換され、前記第2の溶融物が、前記第2の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの排出出口から押し出される、ことと、
前記第1の溶融物および前記第2の溶融物を混合チャンバ内で混合して、第1の混合溶融物を形成することと、
第1の印刷モジュールの第1のノズルを通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール上に堆積されるように、前記混合チャンバの排出出口において前記第1の混合溶融物をガイドすることと、
前記混合チャンバの前記排出出口から押し出された前記第1の混合溶融物の組成を測定することと、
前記第1の混合溶融物の前記測定された組成に従って、前記第1の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの前記排出出口における前記第1の溶融物の排出速度と、前記第2の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの前記排出出口における前記第2の溶融物の排出速度とを制御することと
む、D印刷方法。
【請求項7】
3D印刷デバイスであって、
第1の溶融押出モジュールであって、前記第1の溶融押出モジュールは、供給入口および排出出口を有する第1の処理チャンバと、前記第1の処理チャンバ内に配置された第1の押出装置および第1の処理チャンバ加熱装置とを含み、前記第1の溶融押出モジュールは、前記第1の処理チャンバの前記供給入口を通じて第1の初期材料を受容し、かつ前記第1の初期材料を加熱し押し出すように構成されており、その結果、前記第1の初期材料が、第1の溶融物に変換され、前記第1の溶融物が、前記第1の処理チャンバの前記排出出口から押し出される、第1の溶融押出モジュールと、
第1の印刷モジュールであって、前記第1の印刷モジュールは、前記第1の処理チャンバの前記排出出口に接続されており、第1のノズルを含み、前記第1の印刷モジュールは、前記第1の処理チャンバの前記排出出口から押し出された前記第1の溶融物を受容し、かつ前記第1のノズルを通じて押し出されるように前記第1の溶融物をガイドするように構成されている、第1の印刷モジュールと、
プラットフォームモジュールであって、前記プラットフォームモジュールは、前記第1のノズルを通じて押し出された前記第1の溶融物を受容するように構成されており、前記プラットフォームモジュールは、
第1の堆積プラットフォームであって、前記第1の堆積プラットフォームは、前記第1のノズルを通じて押し出された前記第1の溶融物を受容するように構成されている、第1の堆積プラットフォームと、
プラットフォーム駆動機構であって、前記プラットフォーム駆動機構は、前記第1の堆積プラットフォームを駆動して前記第1の印刷モジュールの前記第1のノズルに対して移動させる、プラットフォーム駆動機構と
を含む、プラットフォームモジュールと、
制御モジュールであって、前記制御モジュールは、前記3D印刷デバイスのステータスパラメータに基づいて、前記3D印刷デバイスを制御するように構成されたコンピュータ化コントローラを含む、制御モジュールと
第2の溶融押出モジュールであって、前記第2の溶融押出モジュールは、供給入口および排出出口を有する第2の処理チャンバと、前記第2の処理チャンバ内に配置された第2の押出装置および第2の処理チャンバ加熱装置とを含み、前記第2の処理チャンバの前記供給入口を通じて第2の初期材料を受容し、かつ前記第2の初期材料を加熱し押し出すように構成されており、その結果、前記第2の初期材料が、第2の溶融物に変換され、前記第2の溶融物が、前記第2の処理チャンバの前記排出出口から押し出される、第2の溶融押出モジュール
み、前記第1の印刷モジュールは、第2のノズルをさらに含み、前記第2のノズルは、前記第2の処理チャンバの前記排出出口に接続されており、前記第1の印刷モジュールは、前記第2の処理チャンバの前記排出出口から押し出された前記第2の溶融物を受容し、かつ前記第2のノズルを通じて押し出されるように前記第2の溶融物をガイドするように構成されており、
前記プラットフォーム駆動機構は、前記第1の堆積プラットフォームを駆動して、前記第1のノズルの下方の位置と前記第2のノズルの下方の位置との間で移動させる、D印刷デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の分野
本出願は、付加製造技術に関するデバイス及び方法、特に、3D印刷デバイス及び3D印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願の背景
3D印刷は、ラピッドプロトタイピング技術である。デジタルモデルに基づいて、3D印刷を使用して、金属又はプラスチックなどの結合可能な材料を層ごとに印刷することによって、製品を製造することができる。関連技術の迅速な開発に伴い、3D印刷は、宝飾品、エンジニアリング、自動車、歯科、航空宇宙、及び医療産業において広く適用されている。
【0003】
現在、熱溶解積層法(fused deposition modeling、FDM)は、現時点で、一般的な3D印刷技術である。通常、この技術を使用する3D印刷デバイスは、ABS又はPLAなどの材料で作製されたフィラメントを加熱して、溶融温度よりもわずかに高い温度に到達させ、コンピュータ又はコントローラの制御下で層ごとに溶融物を押し出して、必要な製品を積み重ねて構築する。通常、このような既存の3D印刷デバイスは、溶融前の初期材料のテクスチャに制限を課す。例えば、通常、熱溶解積層法技術に基づく3D印刷デバイスに供給される材料は、線形又は繊維状でなければならず、このことは、このような3D印刷デバイスの適用範囲を明らかに制限する。例えば、医薬品の3D印刷における熱溶解積層法技術の適用中、薬物賦形剤又は薬物の活性成分が、繊維状形態で印刷デバイスに運ばれる場合、繊維状材料の形状の制限により、薬物の3D印刷に必要な初期材料の薬物装填速度に対する要件が満たされないことがある。
【0004】
ときには、粉末原材料は、実用的な用途における医薬品の3D印刷に使用される。しかしながら、工業用途における3D印刷デバイスは、粉末層別及び接着剤結合による3次元粉末-液体印刷技術を使用するため、粉末の層別噴霧によって生じる粉末の収集及び再生利用の問題がある場合がある。加えて、この技術が3D印刷中に適用可能である医薬品剤形がいくつか存在し、この技術を使用して印刷された医薬製品は、持続放出及びゼロオーダー放出などの要件を満たすことは困難である。
【0005】
製品製造中、特に医薬製品の製造中に、ノズルによって分配される材料の量を正確に制御することが望ましい。付加製造のための従来の装置の主要な問題は、ノズルを通る材料の意図しない漏れであり、これは、所望の量を超える材料が分配される原因となり得る。この問題は、2つ以上のノズルが使用されるときにより複雑になる。これらのノズルは、代替的なスイッチオン又はスイッチオフを必要とする、異なる材料を分配することができる。例えば、第2のノズルが第2の材料を分配しているときに第1のノズルから第1の材料が漏出している場合、製造不良又は材料廃棄物が生じる。本発明によるデバイス及びシステムは、高い正確性かつ高精度の材料堆積を有する範囲の医薬品材料を取り扱うことができるため、これらのデバイス及びシステムは、複雑な幾何学形状及び組成を有する医薬品剤形を製造するのに非常に好適である。加えて、本発明によるデバイス、システム、及び方法はまた、個人向けの用量及び/又は個人向けの放出プロファイルを含む、個人向けの薬に寄与する。個人向けの薬とは、治療的意思決定及び個人向けの剤形設計を助けるための、バイオマーカーに基づく患者の層別化を指す。個人向けの医薬品剤形は、患者の体重及び代謝に基づいて、放出プロファイルを含む送達されるべき薬物の量を調整することを可能にする。本発明によるデバイスを使用して製造された医薬品剤形は、成長する子供のための正確な投与量を確実にすることができ、非常に効力の高い薬物の個人向けの投与量を可能にする。個人向けの医薬品剤形を使用して、患者の薬剤の服薬を1日1回投与に組み合わせて、患者の服薬遵守及び治療コンプライアンスを改善することもできる。物理デバイスを修正するよりも、デジタル設計を修正することは、非常に容易である。更に、自動化された小規模の3次元印刷は、ごくわずかな動作コストを有し得る。したがって、本発明による付加製造装置は、複数の小さな個別化されたバッチを経済的に実現可能にし、かつ接着を改善するように設計された個人向けの剤形を達成することができる。
【0006】
医薬品の従来の「バッチ生産」と比較して、医薬品の「連続生産」は、品質情報をリアルタイムで連続的に提供する処理分析技術(process analysis technology、PAT)(例えば、近赤外線技術)を使用し、その結果、最終製品を市場に直接的に発売することができる。そのような生産プロセスは、製造機器の使用効率を大幅に向上させ、より重要なことに、医薬品の品質を向上させる。加えて、生産プロセス中に品質検査が連続的に行われるので、バッチでのスクラップを効果的に回避することができ、中間処理が不要になるため、中間製品の貯蔵及び輸送コストがまた、節約される。近い将来、「連続生産」様式は、おそらく、医薬品の3D印刷のように医薬品生産の主流傾向となることが予測され得る。しかしながら、「連続生産」は、交差汚染を回避するために完全に密封された真空供給を必要とし、すべての検査作業を生産プロセス中に行う必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述の欠陥及び欠乏を解決することができる3D印刷デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様では、第1の溶融押出モジュール、第1の印刷モジュール、及びプラットフォームモジュールを含む3D印刷デバイスが提供される。第1の溶融押出モジュールは、供給入口及び排出出口を有する処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された押出装置及び加熱装置とを含む。第1の溶融押出モジュールは、処理チャンバの供給入口を通じて第1の初期材料を受容し、かつ第1の初期材料を加熱し押し出すように構成されており、その結果、第1の初期材料が、第1の溶融物に変換され、第1の溶融物が、処理チャンバの排出出口から押し出される。第1の印刷モジュールは、処理チャンバの排出出口に接続されており、第1のノズルを有する。第1の印刷モジュールは、処理チャンバの排出出口から押し出された第1の溶融物を受容し、かつ第1のノズルを通じて押し出されるように第1の溶融物をガイドするように構成されている。プラットフォームモジュールは、第1のノズルを通じて押し出された第1の溶融物を受容するように構成されている。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の印刷モジュールは、溶融及び加圧を実行するように構成されている。第1の印刷モジュールは、印刷ヘッドに接続された供給チャネルであって、印刷ヘッドが、ノズルを含み、ノズルが、テーパ状内側表面と、材料を排出するように構成された押出ポートと、を含む、供給チャネルと、圧力センサであって、ノズル内又はノズルの近位の供給チャネル内の材料の圧力を測定するように構成された、圧力センサと、制御スイッチであって、開位置と閉位置との間で動作可能な封止針を含む、制御スイッチと、を含み、封止針は、供給チャネルの一部分を通じて延在し、テーパ状端部を含み、封止針のテーパ状端部は、封止針が閉位置にあるときに材料がノズルを通って流れるのを阻止するように、ノズルのテーパ状内側表面と係合する。
【0010】
本発明の一態様では、3D印刷デバイスは、ノズル内の圧力又はノズルの近位の供給チャネル内の圧力を正確に制御することによって、付加製造によって、材料を堆積させるか、又は製品(例えば、医薬品剤形)を製造するように構成されている。封止針が閉位置にあるとき、封止針を備えた制御スイッチは、材料がノズルを通って流れることを阻止する。ノズルはテーパ状内側表面を含み、封止針はテーパ状端部を含み、テーパ状端部は、ノズルのテーパ状内側表面と係合して、材料が漏出するのを阻止する。封止針は、封止針が閉位置にあるときに、任意の突出部が、おそらくノズルから材料を押し出すことができるように、好ましくは、鋭利で薄く、突出部を含まない。好ましくは、材料の圧力は、デバイス内でほぼ一定のままである。材料の圧力は、圧力を監視し、フィードバックシステムを使用して材料を加圧することによって制御され得る。このようにして、封止針が開位置に位置付けられると、材料は、圧力を上昇させる必要なく一定速度で直ちに押し出され得る。これは、正確な材料分配を更に実施することができ、薬物投与ユニット、例えば、医薬錠剤の正確かつ正確な製造を可能にする。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態では、材料に接触する封止針の任意の部分は、突出部を含まない。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態では、封止針のテーパ状端部は、尖った先端部を含む。いくつかの実施形態では、封止針のテーパ状端部は、円錐台形である。いくつかの実施形態では、ノズルのテーパ状内側表面は、第1のテーパ角を有し、封止針のテーパ状端部は、第2テーパ角を有し、第2テーパ角は、第1テーパ角以下である。いくつかの実施形態では、第2のテーパ角は、約60°以下である。いくつかの実施形態では、第2のテーパ角は、約45°以下である。いくつかの実施形態では、第1テーパ角と第2テーパ角との比は、約1:1~4:1である。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態では、押出ポートは、約0.1mm~1mmの直径を有する。いくつかの実施形態では、テーパ状端部は、約0.2mm~約3.0mmの最大直径を有する。いくつかの実施形態において、押出ポートは、直径を有し、テーパ状端部は、最大直径を有し、テーパ状端部の最大直径と押出ポートの直径との比は、約1:0.8~約1:0.1である。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態では、制御スイッチはアクチュエータを含み、アクチュエータは、開位置又は閉位置に封止針を位置付けることができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、空気圧式アクチュエータである。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、機械的アクチュエータである。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態では、封止針は、ノズルに対して定位置に固定されたガスケットを通過し、ガスケットは供給チャネルを封止する。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、封止針のテーパ状端部又はノズルのテーパ状内側表面は、可撓性パッド又はライナーを含む。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態では、材料は非繊維状である。いくつかの実施形態では、材料は、デバイスから押し出されるとき、約100Pa・s以上の粘度を有する。いくつかの実施形態では、材料は、デバイスから押し出されるとき、約400Pa・s以上の粘度を有する。いくつかの実施形態では、材料は、約50℃~400℃で溶融する。いくつかの実施形態では、材料は、ノズルから約50℃~400℃の温度で押し出される。いくつかの実施形態では、材料は、ノズルから約90℃~300℃の温度で押し出される。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第1の供給モジュールを更に含む。第1の供給モジュールはホッパーを含み、ホッパーは、供給入口及び排出出口を有し、ホッパーの供給入口を通って第1の初期材料を受容し、かつホッパーの排出出口を通じて第1の初期材料を第1の溶融押出モジュールの処理チャンバの供給入口に排出するように構成されている。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、制御モジュールを更に含む。制御モジュールは、3D印刷デバイスのステータスパラメータに基づいて、3D印刷デバイスを制御するように構成されたコンピュータ化コントローラを含む。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、制御モジュールに通信可能に接続された第1の温度測定装置を更に含む。第1の温度測定装置は、処理チャンバ内の第1の溶融物の温度を測定し、かつ第1の温度測定信号を制御モジュールに送信するように構成されている。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態では、処理チャンバの加熱装置は、制御モジュールに通信可能に接続され、制御モジュールは、第1の温度測定信号に従って、処理チャンバの加熱装置の加熱力を制御する。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態では、押出装置は、制御モジュールに通信可能に接続され、制御モジュールは、第1の温度測定信号に従って、押出装置の押出力を制御する。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態では、押出装置はスクリューを含む。スクリューは、処理チャンバ内に配置されており、第1の初期材料又は第1の溶融物を押し出し、第1の溶融物を、処理チャンバの排出出口に搬送する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態では、スクリュー押出機は、単軸押出機、又は二軸押出機、又はこれらの組み合わせである。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の溶融押出モジュールは、溶融押出排出制御装置を含み、溶融押出排出制御装置は、処理チャンバの排出出口における第1の溶融物の排出速度を制御するように構成されている。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第1の圧力測定装置であって、第1の圧力測定装置が、制御モジュールに通信可能に接続されており、第1の印刷モジュール内の第1の溶融物の圧力を測定し、かつ第1の圧力測定信号を制御モジュールに送信するように構成されている、第1の圧力測定装置と、圧力調節装置であって、圧力調節装置が、第1の印刷モジュール内に配置されており、第1の印刷モジュール内の第1の溶融物の圧力を調節するように構成されている、圧力調節装置と、を更に含み、制御モジュールは、圧力調節装置に通信可能に接続されており、第1の圧力測定信号に従って、圧力調節装置を使用することによって、第1の印刷モジュール内の第1の溶融物の圧力を調節する。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態では、圧力センサは、圧力センサによって報告された圧力に応答して第1の印刷モジュールを制御し、かつ材料を必要な圧力に加圧する、コンピュータシステムに接続される。いくつかの実施形態では、材料の圧力は、必要な圧力の0.05MPa以内である。いくつかの実施形態では、第1の印刷モジュールは、ピストンと、供給チャネルに接続されたバレルと、を含み、ピストンは、バレル内の材料の圧力を制御するように駆動される。いくつかの実施形態では、ピストンはステッパモータによって駆動される。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第2の温度測定装置であって、第2の温度測定装置が、制御モジュールに通信可能に接続されており、第1の印刷モジュール内の第1の溶融物の温度を測定し、かつ第2の温度測定信号を制御モジュールに送信するように構成されている、第2の温度測定装置と、温度調節装置であって、温度調節装置が、第1の印刷モジュール内に配置されており、かつ第1の印刷モジュール内の第1の溶融物の温度を調節するように構成されている、温度調節装置と、を更に含み、制御モジュールは、温度調節装置に通信可能に接続されており、第2の温度測定信号に従って、温度調節装置を通じて、第1の印刷モジュール内の第1の溶融物の温度を調節する。いくつかの実施形態では、第2の温度測定装置は、コンピュータシステムに接続され、コンピュータシステムは、第2の温度測定装置によって監視される温度に従って、対応する温度調節装置を制御する。
【0029】
本発明は、ノズルの圧力又はノズルの近位の供給チャネルの圧力を正確に制御することによって、付加製造によって、材料を堆積させるか、又は製品(例えば、医薬品剤形)を製造するように構成された、より正確なシステムを提供する。封止針が閉位置にあるとき、封止針を備えた制御スイッチは、材料がノズルを通って流れることを阻止する。ノズルはテーパ状内側表面を含み、封止針はテーパ状端部を含み、テーパ状端部は、ノズルのテーパ状内側表面と係合して、材料が漏出するのを阻止する。封止針は、封止針が閉位置にあるときに、任意の突出部が、おそらくノズルから材料を押し出すことができるように、好ましくは、鋭利で薄く、突出部を含まない。好ましくは、材料の圧力は、デバイス内でほぼ一定のままである。材料の圧力は、圧力を監視し、フィードバックシステムを使用して材料を加圧することによって制御され得る。このようにして、封止針が開位置に位置付けられると、材料は、圧力を上昇させる必要なく一定速度で直ちに押し出され得る。これは、正確な材料分配を更に実施することができ、薬物投与ユニット、例えば、医薬錠剤の正確かつ正確な製造を可能にする。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の供給モジュールは、ホッパー排出制御装置を更に含み、ホッパー排出制御装置は、ホッパーの排出出口における第1の初期材料の排出速度を制御するように構成されている。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態では、ホッパー排出制御装置は、スクリューであり、スクリューは、ホッパー内に配置されており、スクリューの回転速度を変更することによって、ホッパーの排出出口における第1の初期材料の排出速度を制御する。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第2の供給モジュールを更に含み、第2の供給モジュールは、第2の供給モジュールのホッパーの供給入口を通じて第2の初期材料を受容し、かつ第2の供給モジュールのホッパーの排出出口を通じて第2の初期材料を排出するように構成されている。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第1の組成測定装置を更に含み、第1の組成測定装置は、制御モジュールに通信可能に接続されており、3D印刷デバイスの任意の位置で、第1の溶融物の組成を測定し、かつ第1の組成測定信号を制御モジュールに送信するように構成されており、第1の供給モジュールのホッパー排出制御装置及び第2の供給モジュールのホッパー排出制御装置は、制御モジュールに通信可能に接続されており、その結果、制御モジュールは、第1の組成測定信号に従って、第1の供給モジュールのホッパー排出制御装置及び第2の供給モジュールのホッパー排出制御装置をそれぞれ通じて、第1の供給モジュールのホッパーの排出出口における第1の初期材料の排出速度、及び第2の供給モジュールのホッパーの排出出口における第2の初期材料の排出速度を制御する。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第1の一時的貯蔵モジュールを更に含み、第1の一時的貯蔵モジュールは、供給入口及び排出出口を有する貯蔵チャンバを含み、貯蔵チャンバの供給入口は、処理チャンバの排出出口に接続されており、貯蔵チャンバの排出出口は、第1の印刷モジュールに接続されており、第1の一時的貯蔵モジュールは、処理チャンバの排出出口から押し出された第1の溶融物を受容し、かつ貯蔵チャンバの排出出口を通じて第1の印刷モジュールに入るように、第1の溶融物をガイドするように構成されている。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の一時的貯蔵モジュールは、貯蔵チャンバの排出出口における第1の溶融物の排出速度を制御するように構成された貯蔵チャンバ排出制御装置を更に含む。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の一時的貯蔵モジュールは、貯蔵チャンバ加熱装置を更に含み、貯蔵チャンバ加熱装置は、貯蔵チャンバ内の第1の溶融物を加熱するように構成されている。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第3の温度測定装置を更に含み、第3の温度測定装置は、制御モジュールに通信可能に接続されており、貯蔵チャンバ内の第1の溶融物の温度を測定し、かつ第3の温度測定信号を制御モジュールに送信するように構成されており、制御モジュールは、第3の温度測定信号に従って、貯蔵チャンバ加熱装置の加熱力を制御する。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、体積測定装置を更に含み、体積測定装置は、制御モジュールに通信可能に接続されており、貯蔵チャンバの残りの体積を測定し、かつ体積測定信号を制御モジュールに送信するように構成されている。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の溶融押出モジュールは、処理チャンバの排出出口における第1の溶融物の排出速度を制御するように構成された溶融押出排出制御装置を更に含み、溶融押出排出制御装置は、制御モジュールに通信可能に接続されており、制御モジュールは、体積測定信号に従って、溶融押出排出制御装置を通じて、処理チャンバの排出出口における第1の溶融物の排出速度を制御する。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、逆流チャネルを更に含み、逆流チャネルは、処理チャンバの排出出口から押し出された第1の溶融物の少なくとも一部を処理チャンバに逆流させるようにガイドするように構成されている。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第2の供給モジュールであって、第2の供給モジュールが、供給入口及び排出出口を有するホッパーを含み、ホッパーの供給入口を通じて第2の初期材料を受容し、かつ第2の初期材料を排出するように構成されている、第2の供給モジュールと、第2の溶融押出モジュールであって、第2の溶融押出モジュールが、供給入口及び排出出口を有する処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された押出装置及び処理チャンバ加熱装置と、を含み、第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの供給入口を通じて第2の初期材料を受容し、かつ第2の初期材料を加熱し押し出すように構成されており、その結果、第2の初期材料が、第2の溶融物に変換され、第2の溶融物が、第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口から押し出される、第2の溶融押出モジュールと、第1の混合モジュールであって、第1の混合モジュールが、供給入口及び排出出口を有する混合チャンバを含み、混合チャンバの供給入口が、第1の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口及び第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口の両方に接続されており、混合チャンバの排出出口が、第1の印刷モジュールに接続されており、第1の混合モジュールが、押し出された第1の溶融物及び第2の溶融物を受容し、それらを第1の混合溶融物に混合し、かつ第1の印刷モジュールに入るように第1の混合溶融物をガイドするように構成されている、第1の混合モジュールと、を更に含む。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の溶融押出モジュール及び第2の溶融押出モジュールはそれぞれ、溶融押出排出制御装置を含み、溶融押出排出制御装置はそれぞれ、第1の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口における第1の溶融物の排出速度、及び第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口における第2の溶融物の排出速度を制御するように構成されている。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第2の組成測定装置を更に含み、第2の組成測定装置は、制御モジュールに通信可能に接続されており、混合チャンバの排出出口から押し出された第1の混合溶融物の組成を測定し、かつ第2の組成測定信号を制御モジュールに送信するように構成されており、第1の溶融押出モジュールの溶融押出排出制御装置及び第2の溶融押出モジュールの溶融押出排出制御装置は、制御モジュールに通信可能に接続されており、その結果、制御モジュールは、第2の組成測定信号に従って、第1の溶融押出モジュールの溶融押出排出制御装置及び第2の溶融押出モジュールの溶融押出排出制御装置をそれぞれ通じて、第1の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口における第1の溶融物の排出速度、及び第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口における第2の溶融物の排出速度を制御する。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の混合モジュールは、混合チャンバ加熱装置を更に含み、混合チャンバ加熱装置は、混合チャンバ内の第1の混合溶融物を加熱するように構成されている。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第4の温度測定装置を更に含み、第4の温度測定装置は、制御モジュールに通信可能に接続されており、混合チャンバ内の第1の混合溶融物の温度を測定し、かつ第4の温度測定信号を制御モジュールに送信するように構成されており、制御モジュールは、第4の温度測定信号に従って、混合チャンバ加熱装置の加熱力を制御する。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の混合モジュールは、混合チャンバの排出出口における第1の混合溶融物の排出速度を制御するように構成された混合チャンバ排出制御装置を更に含む。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態では、第1のノズルの内径は、0.05mm~2mmである。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の印刷モジュールは、第2のノズルを更に含む。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態では、第1のノズルから、処理チャンバの排出出口までの接続経路の長さは、第2のノズルから、処理チャンバの排出出口までの接続経路の長さに等しい。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態では、ノズル装置は、複数のノズルを含み、ノズルは、アレイ状に配設されている。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、印刷モジュール駆動機構を更に含み、印刷モジュール駆動機構は、第1の印刷モジュールの第1のノズルを駆動して、プラットフォームモジュールに対して移動させるように構成されている。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態では、印刷モジュール駆動機構は、第1の印刷モジュールの第1のノズルを駆動して、プラットフォームモジュールに対してデカルト座標系のZ軸に沿って移動させるように構成されている。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態では、プラットフォームモジュールは、第1の堆積プラットフォームであって、第1の堆積プラットフォームが、第1のノズルを通じて押し出された第1の溶融物を受容するように構成されている、第1の堆積プラットフォームと、プラットフォーム駆動機構であって、プラットフォーム駆動機構が、第1の堆積プラットフォームを駆動して、第1の印刷モジュールの第1のノズルに対して移動させる、プラットフォーム駆動機構と、を含む。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態では、プラットフォーム駆動機構は、第1の堆積プラットフォームを駆動して、第1のノズルに対してデカルト座標系のX軸及び/又はY軸に沿って移動させるように構成されている。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第2の溶融押出モジュールを更に含み、第2の溶融押出モジュールは、供給入口及び排出出口を有する処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された押出装置及び処理チャンバ加熱装置と、を含み、処理チャンバの供給入口を通じて第2の初期材料を受容し、かつ第2の初期材料を加熱し押し出すように構成されており、その結果、第2の初期材料は、第2の溶融物に変換され、第2の溶融物は、処理チャンバの排出出口から押し出され、第1の印刷モジュールは、第2のノズルを更に含み、第2のノズルは、第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口に接続されており、第1の印刷モジュールは、第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口から押し出された第2の溶融物を受容し、かつ第2のノズルを通じて押し出されるように第2の溶融物をガイドするように構成されており、プラットフォーム駆動機構は、第1の堆積プラットフォームを駆動して、第1のノズルの下方の位置と第2のノズルの下方の位置との間で移動させる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態では、プラットフォームモジュールは、第2の堆積プラットフォームであって、第2の堆積プラットフォームは、第1のノズルを通じて押し出された第1の溶融物を受容するように構成されている、第2の堆積プラットフォームを更に含み、プラットフォーム駆動機構は、第1の堆積プラットフォーム及び第2の堆積プラットフォームを駆動して、順番に第1のノズルの下方を通過させる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、製品収集モジュールを更に含み、製品収集モジュールは、プラットフォームモジュール上に形成された最終製品を収集するように構成されている。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、検査モジュールを更に含み、検査モジュールは、プラットフォームモジュール上に形成された最終製品の製品パラメータを測定するように構成されている。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、自動スクリーニングモジュールを更に含み、自動スクリーニングモジュールは、プラットフォームモジュール上に形成された最終製品を選ぶように構成されている。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、自動搬送モジュールを更に含み、自動搬送モジュールは、第1の初期材料を第1の供給モジュールに搬送するように構成されている。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態では、互いに接続された前述の部品のすべては、ホースを通じて接続されている。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態では、ホースの内径は、1mm~100mmである。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の初期材料は、熱可塑性材料を含む。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、第2の印刷モジュールを更に含み、第2の印刷モジュールは、デカルト座標系のZ軸に沿って、第1の印刷モジュールの上方に位置する。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、複数の前述のデバイスを更に含み、各印刷モジュールは、制御スイッチを備えている。いくつかの実施形態では、システムは、第1の材料で充填された第1のデバイスと、第2の材料で充填された第2のデバイスとを含み、第1の材料は第2の材料とは異なる。いくつかの実施形態では、システムはコンピュータシステムを含み、コンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサ及びコンピュータ可読メモリを含み、コンピュータシステムは、システムを制御するように構成されている。本発明のいくつかの実施形態では、コンピュータ可読メモリは、システムを使用することによって、製品を印刷するための命令を記憶する。本発明のいくつかの実施形態では、コンピュータ可読メモリは、対応する印刷モジュールの圧力センサによって測定された圧力に応答して、各印刷モジュール内の材料の圧力を制御するための命令を記憶する。本発明のいくつかの実施形態では、コンピュータ可読メモリは、対応する印刷モジュールの温度センサによって測定された温度に応答して、各印刷モジュール内の材料の温度を制御するための命令を記憶する。
【0066】
本発明の別の態様では、3D印刷方法が提供される。3D印刷方法は、第1の初期材料を第1の溶融押出モジュールの処理チャンバに供給することと、処理チャンバ内の第1の初期材料を加熱し押し出すことであって、その結果、第1の初期材料が、第1の溶融物に変換され、第1の溶融物が、処理チャンバの排出出口から押し出される、加熱し押し出すことと、第1の印刷モジュールの第1のノズルを通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール上に堆積されるように、処理チャンバの排出出口において第1の溶融物をガイドすることと、を含む。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第1の供給モジュールのホッパーを通じて、第1の初期材料を第1の溶融押出モジュールに供給することを更に含む。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第1の印刷モジュール内の第1の溶融物の圧力を測定することと、測定された圧力に従って、第1の印刷モジュール内の第1の溶融物の圧力を制御することと、を更に含む。本発明のいくつかの実施形態では、方法は、監視された圧力に基づいて、第1の溶融物の圧力を、フィードバックシステムを使用して制御する。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態では、ノズル内の第1の溶融物の圧力は、ほぼ一定のままである。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第1の印刷モジュール内の第1の溶融物の温度を測定することと、測定された温度に従って、第1の印刷モジュール内の第1の溶融物の温度を調節することと、を更に含む。本発明のいくつかの実施形態では、方法は、監視された温度に基づいて、第1の溶融物の温度を、フィードバックシステムを使用して制御する。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態では、ノズル内の第1の溶融物の温度は、ほぼ一定のままである。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の印刷モジュールの第1のノズルを通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール上に堆積されるように、処理チャンバの排出出口において第1の溶融物をガイドする工程は、ノズルの押出ポートを通じて第1の溶融物を流すことであって、ノズルがテーパ状内側表面を含む、流すことと、封止針のテーパ状端部が、ノズルのテーパ状内側表面と係合して、押出ポートを封止し、第1の溶融物の流れを阻止し、封止針のテーパ状端部を抜去して、押出ポートを通じて第1の溶融物の流れを再開させることと、を含む。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の溶融物は、薬学的に許容される材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶融物は、薬物を含む。いくつかの実施形態では、方法は、医薬品剤形を製造するための命令を受信することを含む。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態では、材料は非繊維状である。いくつかの実施形態では、材料は、約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態では、材料に接触する封止針の任意の部分は、突出部を含まない。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態では、封止針のテーパ状端部は、鋭利で尖った先端部を含む。いくつかの実施形態では、封止針のテーパ状端部は、円錐台形である。いくつかの実施形態では、ノズルのテーパ状内側表面は、第1のテーパ角を有し、封止針のテーパ状端部は、第2テーパ角を有し、第2テーパ角は、第1テーパ角以下である。いくつかの実施形態では、第2のテーパ角は、約60°以下である。いくつかの実施形態では、第2のテーパ角は、約45°以下である。いくつかの実施形態では、第1テーパ角と第2テーパ角との比は、約1:1~4:1である。いくつかの実施形態では、押出ポートは、約0.1mm~1mmの直径を有する。いくつかの実施形態では、テーパ状端部は、約0.2mm~約3.0mmの最大直径を有する。いくつかの実施形態において、押出ポートは、直径を有し、テーパ状端部は、最大直径を有し、テーパ状端部の最大直径と押出ポートの直径との比は、約1:0.8~約1:0.1である。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態では、方法は、監視された圧力に基づいて、第1の溶融物の圧力を、フィードバックシステムを使用して制御する。本発明のいくつかの実施形態では、ノズル内の第1の溶融物の圧力は、ほぼ一定のままである。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態では、方法は、監視された温度に基づいて、第1の溶融物の温度を、フィードバックシステムを使用して制御する。本発明のいくつかの実施形態では、ノズル内の第1の溶融物の温度は、ほぼ一定のままである。本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、処理チャンバ内の第1の溶融物の温度を測定することと、測定された温度に従って、処理チャンバ内の第1の溶融物又は第1の初期材料の加熱力及び/又は押出力を制御することと、を更に含む。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の印刷モジュールの第1のノズルを通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール上に堆積されるように、処理チャンバの排出出口において第1の溶融物をガイドする工程は、第1の一時的貯蔵モジュールの貯蔵チャンバに入るように、処理チャンバの排出出口において、第1の溶融物をガイドすることと、第1の印刷モジュールの第1のノズルを通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール上に堆積されるように、貯蔵チャンバの排出出口において第1の溶融物をガイドすることと、を含む。本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、貯蔵チャンバ内の第1の溶融物の温度を測定することと、測定された温度に従って、貯蔵チャンバ内の第1の溶融物の加熱力を制御することと、を更に含む。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、貯蔵チャンバの残りの体積を測定することと、貯蔵チャンバの残りの体積に従って、処理チャンバの排出出口における第1の溶融物の排出速度を制御することと、を更に含む。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、処理チャンバに逆流させるように、処理チャンバの排出出口から押し出された第1の溶融物の少なくとも一部をガイドすることを更に含む。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第2の供給モジュールのホッパーを通じて、第2の初期材料を第2の溶融押出モジュールの処理チャンバに供給することと、第2の溶融押出モジュールの処理チャンバ内の第2の初期材料を加熱し押し出すことであって、その結果、第2の初期材料が、第2の溶融物に変換され、第2の溶融物が、第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口から押し出される、加熱し押し出すことと、第1の溶融物及び第2の溶融物を、混合チャンバ内で混合して、第1の混合溶融物を形成することと、第1の印刷モジュールの第1のノズルを通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール上に堆積されるように、混合チャンバの排出出口において第1の混合溶融物をガイドすることと、を更に含む。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、混合チャンバの排出出口から押し出された第1の混合溶融物の組成を測定することと、第1の混合溶融物の測定された組成に従って、第1の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口における第1の溶融物の排出速度、及び第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口における第2の溶融物の排出速度をそれぞれ制御することと、を更に含む。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、混合チャンバ内の第1の混合溶融物の温度を測定することと、測定された温度に従って、混合チャンバ内の第1の混合溶融物の加熱力を制御することと、を更に含む。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第2の供給モジュールのホッパーを通じて、第2の初期材料を第1の溶融押出モジュールの処理チャンバに供給することと、処理チャンバ内の第1の初期材料及び第2の初期材料を加熱し押し出すことであって、その結果、第1の初期材料及び第2の初期材料が第1の溶融物に変換される、加熱し押し出すことと、を更に含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、3D印刷デバイスの任意の位置で第1の溶融物の組成を測定することと、第1の溶融物の測定された組成に従って、第1の供給モジュールの排出出口における第1の初期材料の放出速度、及び第2の供給モジュールの排出出口における第2の初期材料の放出速度をそれぞれ制御することと、を更に含む。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第2の供給モジュールのホッパーを通じて、第2の初期材料を第2の溶融押出モジュールの処理チャンバに供給することと、第2の初期材料が、第2の溶融物に変換され、第2の溶融物が、第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口から押し出されるように、第2の溶融押出モジュールの処理チャンバ内の第2の初期材料を加熱し押し出すことと、第1の印刷モジュールの第2のノズルを通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール上に堆積されるように、第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口において第2の溶融物をガイドすることと、堆積プラットフォームを駆動して、第1のノズルの下方の位置と第2のノズルの下方の位置との間で移動させることと、を更に含む。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第1のノズル内若しくは第1のノズルの近位の第1の溶融物の圧力を監視すること、又は第2のノズル内若しくは第2のノズルの近位の第2の溶融物の圧力を監視することを更に含む。いくつかの実施形態では、第1のノズル内の第1の溶融物の圧力又は第2のノズル内の第2の溶融物の圧力は、ほぼ一定のままである。いくつかの実施形態では、方法は、監視された圧力に基づいて、第1の溶融物又は第2の溶融物の圧力を、フィードバックシステムを使用して制御することを含む。
【0089】
前述の方法のいくつかの実施形態では、第1の溶融物又は第2の溶融物は、約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の初期材料又は第2の初期材料は、非繊維状である。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の溶融物に接触する第1の封止針の任意の部分又は第2の溶融物に接触する第2の封止針の任意の部分は、突出部を含まない。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態では、第1のノズル内の第1の溶融物の温度、又は第2のノズル内の第2の溶融物の温度は、ほぼ一定のままである。いくつかの実施形態では、方法は、第1の溶融物の温度又は第2の溶融物の温度を監視することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1の溶融物の監視された温度に基づいて、第1の溶融物の温度を、フィードバックシステムを使用して制御すること、又は第2の溶融物の監視された温度に基づいて、第2の溶融物の温度を、フィードバックシステムを使用して制御することを含む。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の封止針のテーパ状端部又は第2の封止針のテーパ状端部は、尖った先端部を含む。前述の方法のいくつかの実施形態では、第1の封止針のテーパ状端部又は第2の封止針のテーパ状端部は、円錐台形である。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態では、第1のノズルのテーパ状内側表面は、第1のテーパ角を有し、第1の封止針のテーパ状端部は、第2のテーパ角を有し、第2のテーパ角は、第1のテーパ角以下であり、又は第2のノズルのテーパ状内側表面は、第3のテーパ角を有し、第2の封止針のテーパ状端部は、第4のテーパ角を有し、第4のテーパ角は、第3のテーパ角以下である。本発明のいくつかの実施形態では、第4のテーパ角は、約60°以下である。本発明のいくつかの実施形態では、第2のテーパ角又は第4のテーパ角は、約45°以下である。本発明のいくつかの実施形態では、第1テーパ角と第2テーパ角との比、又は第3テーパ角と第4テーパ角の比は、約1:1~約4:1である。本発明のいくつかの実施形態では、第1の押出ポート又は第2の押出ポートは、約0.1mm~約1mmの直径を有する。本発明のいくつかの実施形態では、第1の封止針のテーパ状端部又は第2の封止針のテーパ状端部は、約0.2mm~約3.0mmの最大直径を有する。本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第1の印刷モジュールの第1のノズルを駆動して、プラットフォームモジュールに対して移動させることを更に含む。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第1の印刷モジュールの第1のノズルを駆動して、プラットフォームモジュールに対してデカルト座標系のZ軸に沿って移動させることを更に含む。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、プラットフォームモジュールの第1の堆積プラットフォームを駆動して、第1の印刷モジュールの第1のノズルに対して移動させることを更に含み、第1の堆積プラットフォームは、第1のノズルを通じて押し出された第1の溶融物を受容するように構成されている。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第1の堆積プラットフォームを駆動して、第1のノズルに対してデカルト座標系のX軸及び/又はY軸に沿って移動させることを更に含む。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、プラットフォームモジュール上に形成された最終製品を収集することを更に含む。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、プラットフォームモジュール上に形成された最終製品の製品パラメータを測定することを更に含む。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、プラットフォームモジュール上に形成された最終製品を選ぶことを更に含む。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、自動搬送モジュールを通じて、第1の初期材料を第1の供給モジュールに搬送することを更に含む。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の初期材料は、熱可塑性材料を含む。
【0103】
本発明の別の態様では、3D印刷デバイスで使用される印刷モジュールが提供される。印刷モジュールは、アレイ状に配置されたn×m個のノズル(n及びmの両方が2以上の整数である)を含み、ノズルの位置(x、y)が、x列目及びy行目(1≦x≦n及び1≦y≦m)である。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態では、印刷モジュールは、M個の種類の溶融物を押し出すことができるように構築されており、ノズル(x、y)は、y番目の種類の溶融物を押し出すことができるように構築されている。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態では、n×m個のノズルはそれぞれ、n×m個の処理チャンバに接続されている。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態では、n×m個のノズルの排出速度はそれぞれ、n×m個の溶融押出排出制御装置によって制御されている。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態では、n×m個のノズルのy行目のノズルは、ほぼ同じ排出速度を有するように構成されている。本発明の別の態様では、3D印刷方法が提供される。3D印刷方法は、材料を溶融及び加圧することと、ノズルの押出ポートを通じて材料を流すことであって、ノズルがテーパ状内側表面を含む、流すことと、ノズル内の、又はノズルに近い材料の圧力を監視することと、封止針のテーパ状端部が、ノズルのテーパ状内側表面と係合して、押出ポートを封止し、溶融した材料の流れを阻止し、封止針のテーパ状端部を抜去して、押出ポートを通じて材料の流れを再開させることと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、製品を製造するための命令を受信することを含む。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第1の材料を溶融及び加圧することと、第1の材料を、テーパ状の内側表面を含む第1のノズルの第1の押出ポートを通じて流すことと、第1の封止針のテーパ状端部を第1のノズルのテーパ状内側表面と係合させて、第1の押出ポートを封止し、溶融した第1の材料の流れを阻止することと、第2の材料を溶融及び加圧することと、第2の材料が第2の押出ポートを通って流れるように、第2の封止針のテーパ状端部を第2のノズルのテーパ状内側表面から抜去することと、を更に含む。本発明のいくつかの実施形態では、方法は、製品を製造するための命令を受信することを含む。
【0109】
別の態様では、3D印刷による医薬品剤形を製造する方法が提供される。方法は、第1の医薬品材料を溶融及び加圧することと、第1の医薬品材料を、テーパ状の内側表面を含む第1のノズルの第1の押出ポートを通じて流すことと、第1の封止針のテーパ状端部を第1のノズルのテーパ状内側表面と係合させて、第1の押出ポートを封止し、溶融した第1の医薬品材料の流れを阻止することと、第2の医薬品材料を溶融及び加圧することと、第2の医薬品材料が第2の押出ポートを通って流れるように、第2の封止針のテーパ状端部を第2のノズルのテーパ状内側表面から抜去することと、を含む。本発明のいくつかの実施形態では、第1の医薬品材料又は第2の医薬品材料は、浸食性材料である。本発明のいくつかの実施形態では、第1の医薬品材料又は第2の医薬品材料は、薬物を含む。いくつかの実施形態では、医薬品剤形は、特定の薬物放出プロファイルを有する。本発明のいくつかの実施形態では、方法は、医薬品剤形を製造するための制御命令を受信することを更に含む。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態では、製品又は医薬品剤形は、バッチで製造される。前述の方法のいくつかの実施形態では、製品又は医薬品剤形は、連続モードで製造される。
【0111】
本発明は、前述の方法のいずれか1つに従って製造された、製品又は医薬品剤形を更に提供する。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
3D印刷デバイスであって、
第1の溶融押出モジュールであって、前記第1の溶融押出モジュールが、供給入口及び排出出口を有する第1の処理チャンバと、前記第1の処理チャンバ内に配置された第1の押出装置及び第1の処理チャンバ加熱装置と、を含み、前記第1の溶融押出モジュールが、前記第1の処理チャンバの前記供給入口を通じて第1の初期材料を受容し、かつ前記第1の初期材料を加熱し押し出すように構成されており、その結果、前記第1の初期材料が、第1の溶融物に変換され、前記第1の溶融物が、前記第1の処理チャンバの前記排出出口から押し出される、第1の溶融押出モジュールと、
第1の印刷モジュールであって、前記第1の印刷モジュールが、前記第1の処理チャンバの前記排出出口に接続されており、第1のノズルを含み、前記第1の印刷モジュールが、前記第1の処理チャンバの前記排出出口から押し出された前記第1の溶融物を受容し、かつ前記第1のノズルを通じて押し出されるように前記第1の溶融物をガイドするように構成されている、第1の印刷モジュールと、
プラットフォームモジュールであって、前記プラットフォームモジュールが、前記第1のノズルを通じて押し出された前記第1の溶融物を受容するように構成されている、プラットフォームモジュールと、を含む、3D印刷デバイス。
(項目2)
第1の供給モジュールを更に含み、前記第1の供給モジュールが、第1のホッパーを含み、前記第1のホッパーが、供給入口及び排出出口を有し、前記第1のホッパーの前記供給入口を通じて前記第1の初期材料を受容し、かつ前記第1のホッパーの前記排出出口を通じて前記第1の初期材料を前記第1の処理チャンバの前記供給入口に排出するように構成されている、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目3)
制御モジュールを更に含み、前記制御モジュールが、前記3D印刷デバイスのステータスパラメータに基づいて、前記3D印刷デバイスを制御するように構成されたコンピュータ化コントローラを含む、項目2に記載の3D印刷デバイス。
(項目4)
前記制御モジュールに通信可能に接続された第1の温度測定装置を更に含み、前記第1の温度測定装置が、前記第1の処理チャンバ内の前記第1の溶融物の温度を測定し、かつ第1の温度測定信号を前記制御モジュールに送信するように構成されている、項目3に記載の3D印刷デバイス。
(項目5)
前記第1の処理チャンバ加熱装置が、前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記制御モジュールが、前記第1の温度測定信号に従って、前記第1の処理チャンバ加熱装置の加熱力を制御する、項目4に記載の3D印刷デバイス。
(項目6)
前記第1の押出装置が、前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記制御モジュールが、前記第1の温度測定信号に従って、前記第1の押出装置の押出力を制御する、項目4に記載の3D印刷デバイス。
(項目7)
前記第1の押出装置が、
スクリューを含み、前記スクリューが、前記第1の処理チャンバ内に配置されており、前記第1の初期材料又は前記第1の溶融物を押し出し、前記第1の溶融物を、前記第1の処理チャンバの前記排出出口に搬送する、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目8)
前記スクリューが、単軸、二軸、又はこれらの組み合わせである、項目7に記載の3D印刷デバイス。
(項目9)
前記第1の溶融押出モジュールが、溶融押出排出制御装置を含み、前記溶融押出排出制御装置が、前記第1の処理チャンバの前記排出出口における前記第1の溶融物の排出速度を制御するように構成されている、項目3に記載の3D印刷デバイス。
(項目10)
第1の圧力測定装置であって、前記第1の圧力測定装置が、前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記第1の印刷モジュール内の前記第1の溶融物の圧力を測定し、かつ第1の圧力測定信号を前記制御モジュールに送信するように構成されている、第1の圧力測定装置と、
圧力調節装置であって、前記圧力調節装置が、前記第1の印刷モジュール内に配置されており、前記第1の印刷モジュール内の前記第1の溶融物の圧力を調節するように構成されている、圧力調節装置と、を更に含み、
前記制御モジュールが、前記圧力調節装置に通信可能に接続されており、前記第1の圧力測定信号に従って、前記圧力調節装置を使用することによって、前記第1の印刷モジュール内の前記第1の溶融物の圧力を調節する、項目3に記載の3D印刷デバイス。
(項目11)
第2の温度測定装置であって、前記第2の温度測定装置が、前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記第1の印刷モジュール内の前記第1の溶融物の温度を測定し、かつ第2の温度測定信号を前記制御モジュールに送信するように構成されている、第2の温度測定装置と、
温度調節装置であって、前記温度調節装置が、前記第1の印刷モジュール内に配置されており、かつ前記第1の印刷モジュール内の前記第1の溶融物の温度を調節するように構成されている、温度調節装置と、を更に含み、
前記制御モジュールが、前記温度調節装置に通信可能に接続されており、前記第2の温度測定信号に従って、前記温度調節装置を使用することによって、前記第1の印刷モジュール内の前記第1の溶融物の温度を調節する、項目3に記載の3D印刷デバイス。
(項目12)
前記第1の供給モジュールが、第1のホッパー排出制御装置を更に含み、前記第1のホッパー排出制御装置が、前記第1のホッパーの前記排出出口における前記第1の初期材料の排出速度を制御するように構成されている、項目3に記載の3D印刷デバイス。
(項目13)
前記第1のホッパー排出制御装置が、スクリューであり、前記スクリューが、前記第1のホッパー内に配置されており、前記スクリューの回転速度を変更することによって、前記第1のホッパーの前記排出出口における前記第1の初期材料の排出速度を制御する、項目12に記載の3D印刷デバイス。
(項目14)
第2の供給モジュールを更に含み、前記第2の供給モジュールが、第2のホッパーを含み、前記第2のホッパーが、供給入口及び排出出口を有し、前記第2のホッパーの前記供給入口を通じて第2の初期材料を受容し、かつ前記第2のホッパーの前記排出出口を通じて前記第2の初期材料を排出するように構成されている、項目12に記載の3D印刷デバイス。
(項目15)
前記第2の供給モジュールが、第2のホッパー排出制御装置を更に含み、前記第2のホッパー排出制御装置が、前記第2のホッパーの前記排出出口における前記第2の初期材料の排出速度を制御するように構成されている、項目14に記載の3D印刷デバイス。
(項目16)
第1の組成測定装置を更に含み、前記第1の組成測定装置が、前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記3D印刷デバイスの任意の位置で、前記第1の溶融物の組成を測定し、かつ第1の組成測定信号を前記制御モジュールに送信するように構成されており、
前記第1のホッパー排出制御装置及び前記第2のホッパー排出制御装置が各々、前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記制御モジュールが、前記第1の組成測定信号に従って、前記第1のホッパー排出制御装置及び前記第2のホッパー排出制御装置をそれぞれ通じて、前記第1のホッパーの前記排出出口における前記第1の初期材料の排出速度、及び前記第2のホッパーの前記排出出口における前記第2の初期材料の排出速度を制御する、項目15に記載の3D印刷デバイス。
(項目17)
第1の一時的貯蔵モジュールを更に含み、前記第1の一時的貯蔵モジュールが、供給入口及び排出出口を有する貯蔵チャンバを含み、前記貯蔵チャンバの前記供給入口が、前記第1の処理チャンバの前記排出出口に接続されており、前記貯蔵チャンバの前記排出出口が、前記第1の印刷モジュールに接続されており、前記第1の一時的貯蔵モジュールが、前記第1の処理チャンバの前記排出出口から押し出された前記第1の溶融物を受容し、かつ前記貯蔵チャンバの前記排出出口を通じて前記第1の印刷モジュールに入るように、前記第1の溶融物をガイドするように構成されている、項目3に記載の3D印刷デバイス。
(項目18)
前記第1の一時的貯蔵モジュールが、前記貯蔵チャンバの前記排出出口における前記第1の溶融物の排出速度を制御するように構成された貯蔵チャンバ排出制御装置を更に含む、項目17に記載の3D印刷デバイス。
(項目19)
前記第1の一時的貯蔵モジュールが、貯蔵チャンバ加熱装置を更に含み、前記貯蔵チャンバ加熱装置が、前記貯蔵チャンバ内の前記第1の溶融物を加熱するように構成されている、項目17に記載の3D印刷デバイス。
(項目20)
第3の温度測定装置を更に含み、前記第3の温度測定装置が、前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記貯蔵チャンバ内の前記第1の溶融物の温度を測定し、かつ第3の温度測定信号を前記制御モジュールに送信するように構成されており、
前記制御モジュールが、前記第3の温度測定信号に従って、前記貯蔵チャンバ加熱装置の加熱力を制御する、項目19に記載の3D印刷デバイス。
(項目21)
体積測定装置を更に含み、前記体積測定装置が、前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記貯蔵チャンバの残りの体積を測定し、かつ体積測定信号を前記制御モジュールに送信するように構成されている、項目17に記載の3D印刷デバイス。
(項目22)
前記第1の溶融押出モジュールが、
前記第1の処理チャンバの前記排出出口における前記第1の溶融物の排出速度を制御するように構成された溶融押出排出制御装置を更に含み、
前記溶融押出排出制御装置が、前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記制御モジュールが、前記体積測定信号に従って、前記溶融押出排出制御装置を通じて、前記第1の処理チャンバの前記排出出口における前記第1の溶融物の排出速度を制御する、項目21に記載の3D印刷デバイス。
(項目23)
逆流チャネルを更に含み、前記逆流チャネルが、前記第1の処理チャンバの前記排出出口から押し出された前記第1の溶融物の少なくとも一部を前記第1の処理チャンバに逆流させるようにガイドするように構成されている、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目24)
第2の供給モジュールであって、前記第2の供給モジュールが、供給入口及び排出出口を有する第2のホッパーを含み、前記第2のホッパーの前記供給入口を通じて第2の初期材料を受容し、かつ前記第2の初期材料を排出するように構成されている、第2の供給モジュールと、
第2の溶融押出モジュールであって、前記第2の溶融押出モジュールが、供給入口及び排出出口を有する第2の処理チャンバと、前記第2の処理チャンバ内に配置された押出装置及び処理チャンバ加熱装置と、を含み、前記第2の処理チャンバの前記供給入口を通じて前記第2の初期材料を受容し、かつ前記第2の初期材料を加熱し押し出すように構成されており、その結果、前記第2の初期材料が、第2の溶融物に変換され、前記第2の溶融物が、前記第2の処理チャンバの前記排出出口から押し出される、第2の溶融押出モジュールと、
第1の混合モジュールであって、前記第1の混合モジュールが、供給入口及び排出出口を有する混合チャンバを含み、前記混合チャンバの前記供給入口が、前記第1の処理チャンバの前記排出出口及び前記第2の処理チャンバの前記排出出口の両方に接続されており、前記混合チャンバの前記排出出口が、前記第1の印刷モジュールに接続されており、前記第1の混合モジュールが、前記押し出された第1の溶融物及び第2の溶融物を受容し、それらを第1の混合溶融物に混合し、かつ前記第1の印刷モジュールに入るように前記第1の混合溶融物をガイドするように構成されている、第1の混合モジュールと、を更に含む、項目3に記載の3D印刷デバイス。
(項目25)
前記第1の溶融押出モジュール及び前記第2の溶融押出モジュールがそれぞれ、第1の溶融押出排出制御装置及び第2の溶融押出排出制御装置を含み、前記第1の溶融押出排出制御装置及び前記第2の溶融押出排出制御装置がそれぞれ、前記第1の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの前記排出出口における前記第1の溶融物の排出速度、及び前記第2の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの前記排出出口における前記第2の溶融物の排出速度を制御するように構成されている、項目24に記載の3D印刷デバイス。
(項目26)
第2の組成測定装置を更に含み、前記第2の組成測定装置が、前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記混合チャンバの前記排出出口から押し出された前記第1の混合溶融物の組成を測定し、かつ第2の組成測定信号を前記制御モジュールに送信するように構成されており、
前記第1の溶融押出排出制御装置及び前記第2の溶融押出排出制御装置が、それぞれ前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記制御モジュールが、前記第2の組成測定信号に従って、前記第1の溶融押出排出制御装置及び前記第2の溶融押出排出制御装置をそれぞれ通じて、前記第1の処理チャンバの前記排出出口における前記第1の溶融物の排出速度、及び前記第2の処理チャンバの前記排出出口における前記第2の溶融物の排出速度を制御する、項目25に記載の3D印刷デバイス。
(項目27)
前記第1の混合モジュールが、混合チャンバ加熱装置を更に含み、前記混合チャンバ加熱装置が、前記混合チャンバ内の前記第1の混合溶融物を加熱するように構成されている、項目24に記載の3D印刷デバイス。
(項目28)
第4の温度測定装置を更に含み、前記第4の温度測定装置が、前記制御モジュールに通信可能に接続されており、前記混合チャンバ内の前記第1の混合溶融物の温度を測定し、かつ第4の温度測定信号を前記制御モジュールに送信するように構成されており、
前記制御モジュールが、前記第4の温度測定信号に従って、前記混合チャンバ加熱装置の加熱力を制御する、項目27に記載の3D印刷デバイス。
(項目29)
前記第1の混合モジュールが、前記混合チャンバの前記排出出口における前記第1の混合溶融物の排出速度を制御するように構成された混合チャンバ排出制御装置を更に含む、項目24に記載の3D印刷デバイス。
(項目30)
前記第1のノズルの内径が、0.05mm~2mmである、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目31)
前記第1の印刷モジュールが、第2のノズルを更に含む、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目32)
前記第1のノズルから、前記第1の処理チャンバの前記排出出口までの接続経路の長さが、前記第2のノズルから、前記第1の処理チャンバの前記排出出口までの接続経路の長さに等しい、項目31に記載の3D印刷デバイス。
(項目33)
前記第1の印刷モジュールが、複数のノズルを含み、前記ノズルが、アレイ状に配設されている、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目34)
印刷モジュール駆動機構を更に含み、前記印刷モジュール駆動機構が、前記第1の印刷モジュールの前記第1のノズルを駆動して前記プラットフォームモジュールに対して移動させるように構成されている、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目35)
前記印刷モジュール駆動機構が、前記第1の印刷モジュールの前記第1のノズルを駆動して前記プラットフォームモジュールに対してデカルト座標系のZ軸に沿って移動するように構成されている、項目34に記載の3D印刷デバイス。
(項目36)
前記プラットフォームモジュールが、
第1の堆積プラットフォームであって、前記第1の堆積プラットフォームが、前記第1のノズルを通じて押し出された前記第1の溶融物を受容するように構成されている、第1の堆積プラットフォームと、
プラットフォーム駆動機構であって、前記プラットフォーム駆動機構が、前記第1の堆積プラットフォームを駆動して前記第1の印刷モジュールの前記第1のノズルに対して移動させる、プラットフォーム駆動機構と、を含む、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目37)
前記プラットフォーム駆動機構が、前記第1の堆積プラットフォームを駆動して、前記第1のノズルに対してデカルト座標系のX軸及び/又はY軸に沿って移動させるように構成されている、項目36に記載の3D印刷デバイス。
(項目38)
第2の溶融押出モジュールを更に含み、前記第2の溶融押出モジュールが、供給入口及び排出出口を有する第2の処理チャンバと、前記第2の処理チャンバ内に配置された押出装置及び処理チャンバ加熱装置と、を含み、前記第2の処理チャンバの前記供給入口を通じて第2の初期材料を受容し、かつ前記第2の初期材料を加熱し押し出すように構成されており、その結果、前記第2の初期材料が、第2の溶融物に変換され、前記第2の溶融物が、前記第2の処理チャンバの前記排出出口から押し出され、
前記第1の印刷モジュールが、第2のノズルを更に含み、前記第2のノズルが、前記第2の処理チャンバの前記排出出口に接続されており、前記第1の印刷モジュールが、前記第2の処理チャンバの前記排出出口から押し出された前記第2の溶融物を受容し、かつ前記第2のノズルを通じて押し出されるように前記第2の溶融物をガイドするように構成されており、
前記プラットフォーム駆動機構が、前記第1の堆積プラットフォームを駆動して、前記第1のノズルの下方の位置と前記第2のノズルの下方の位置との間で移動させる、項目36に記載の3D印刷デバイス。
(項目39)
前記プラットフォームモジュールが、
第2の堆積プラットフォームを更に含み、前記第2の堆積プラットフォームが、前記第1のノズルを通じて押し出された前記第1の溶融物を受容するように構成されており、
前記プラットフォーム駆動機構が、前記第1の堆積プラットフォーム及び前記第2の堆積プラットフォームを駆動して、順番に前記第1のノズルの下方を通過させる、項目36に記載の3D印刷デバイス。
(項目40)
製品収集モジュールを更に含み、前記製品収集モジュールが、前記プラットフォームモジュール上に形成された最終製品を収集するように構成されている、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目41)
検査モジュールを更に含み、前記検査モジュールが、前記プラットフォームモジュール上に形成された最終製品の製品パラメータを測定するように構成されている、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目42)
自動スクリーニングモジュールを更に含み、前記自動スクリーニングモジュールが、前記プラットフォームモジュール上に形成された最終製品を選ぶように構成されている、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目43)
自動搬送モジュールを更に含み、前記自動搬送モジュールが、前記第1の初期材料を前記第1の供給モジュールに搬送するように構成されている、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目44)
互いに接続された前述の部品のすべてが、ホースを通じて接続されている、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目45)
前記ホースの内径が、1mm~100mmである、項目44に記載の3D印刷デバイス。
(項目46)
前記第1の初期材料が、熱可塑性材料を含む、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目47)
第2の印刷モジュールを更に含み、前記第2の印刷モジュールが、デカルト座標系のZ軸に沿って、前記第1の印刷モジュールの上方に位置する、項目1に記載の3D印刷デバイス。
(項目48)
3D印刷方法であって、
第1の初期材料を第1の溶融押出モジュールの処理チャンバに供給することと、
前記処理チャンバ内の前記第1の初期材料を加熱し押し出すことであって、前記第1の初期材料が、第1の溶融物に変換され、その結果、前記第1の溶融物が、前記処理チャンバの排出出口から押し出される、加熱し押し出すことと、
第1の印刷モジュールの第1のノズルを通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール上に堆積されるように、前記処理チャンバの前記排出出口において前記第1の溶融物をガイドすることと、を含む、方法。
(項目49)
第1の供給モジュールのホッパーを通じて、前記第1の初期材料を前記第1の溶融押出モジュールに供給することを更に含む、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目50)
前記第1の印刷モジュール内の前記第1の溶融物の圧力を測定することと、
前記測定された圧力に従って、前記第1の印刷モジュール内の前記第1の溶融物の圧力を制御することと、を更に含む、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目51)
前記第1の印刷モジュール内の前記第1の溶融物の温度を測定することと、
前記測定された温度に従って、前記第1の印刷モジュール内の前記第1の溶融物の温度を調節することと、を更に含む、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目52)
前記処理チャンバ内の前記第1の溶融物の温度を測定することと、
前記測定された温度に従って、前記処理チャンバ内の前記第1の溶融物又は前記第1の初期材料の加熱力及び/又は押出力を制御することと、を更に含む、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目53)
第1の印刷モジュールの第1のノズルを通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール上に堆積されるように、前記処理チャンバの前記排出出口において前記第1の溶融物をガイドする工程が、
第1の一時的貯蔵モジュールの貯蔵チャンバに入るように、前記処理チャンバの前記排出出口において前記第1の溶融物をガイドすることと、
前記第1の印刷モジュールの前記第1のノズルを通じて押し出され、かつ前記プラットフォームモジュール上に堆積されるように、前記貯蔵チャンバの排出出口において前記第1の溶融物をガイドすることと、を含む、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目54)
前記貯蔵チャンバ内の前記第1の溶融物の温度を測定することと、
前記測定された温度に従って、前記貯蔵チャンバ内の前記第1の溶融物の加熱力を制御することと、を更に含む、項目53に記載の3D印刷方法。
(項目55)
前記貯蔵チャンバの残りの体積を測定することと、
前記貯蔵チャンバの前記残りの体積に従って、前記処理チャンバの前記排出出口における前記第1の溶融物の排出速度を制御することと、を更に含む、項目53に記載の3D印刷方法。
(項目56)
前記処理チャンバの前記排出出口から押し出された前記第1の溶融物の少なくとも一部をガイドして、前記処理チャンバ戻るように流れさせることを更に含む、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目57)
第2の供給モジュールのホッパーを通じて、第2の初期材料を第2の溶融押出モジュールの処理チャンバに供給することと、
前記第2の溶融押出モジュールの前記処理チャンバ内の前記第2の初期材料を加熱し押し出すことであって、その結果、前記第2の初期材料が、第2の溶融物に変換され、前記第2の溶融物が、前記第2の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの排出出口から押し出される、加熱し押し出すことと、
前記第1の溶融物及び前記第2の溶融物を、混合チャンバ内で混合して、第1の混合溶融物を形成することと、
前記第1の印刷モジュールの前記第1のノズルを通じて押し出され、かつ前記プラットフォームモジュール上に堆積されるように、前記混合チャンバの排出出口において前記第1の混合溶融物をガイドすることと、を更に含む、項目49に記載の3D印刷方法。
(項目58)
前記混合チャンバの前記排出出口から押し出された前記第1の混合溶融物の組成を測定することと、
前記第1の混合溶融物の前記測定された組成に従って、前記第1の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの前記排出出口における前記第1の溶融物の排出速度、及び前記第2の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの前記排出出口における前記第2の溶融物の排出速度を制御することと、を更に含む、項目57に記載の3D印刷方法。
(項目59)
前記混合チャンバ内の前記第1の混合溶融物の温度を測定することと、
前記測定された温度に従って、前記混合チャンバ内の前記第1の混合溶融物の加熱力を制御することと、を更に含む、項目57に記載の3D印刷方法。
(項目60)
第2の供給モジュールのホッパーを通じて、第2の初期材料を前記第1の溶融押出モジュールの前記処理チャンバに供給することと、
前記処理チャンバ内の前記第1の初期材料及び前記第2の初期材料を加熱し押し出すことであって、その結果、前記第1の初期材料及び前記第2の初期材料が第1の溶融物に変換される、加熱し押し出すことと、を更に含む、項目49に記載の3D印刷方法。
(項目61)
3D印刷デバイスの任意の位置で前記第1の溶融物の組成を測定することと、前記第1の溶融物の前記測定された組成に従って、前記第1の供給モジュールの排出出口における前記第1の初期材料の放出速度、及び第2の供給モジュールの排出出口における前記第2の初期材料の放出速度を制御することと、を更に含む、項目60に記載の3D印刷方法。
(項目62)
第2の供給モジュールのホッパーを通じて、第2の初期材料を第2の溶融押出モジュールの処理チャンバに供給することと、
前記第2の溶融押出モジュールの前記処理チャンバ内の前記第2の初期材料を加熱し押し出すことであって、その結果、前記第2の初期材料が、第2の溶融物に変換され、前記第2の溶融物が、前記第2の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの排出出口から押し出される、加熱し押し出すことと、
前記第1の印刷モジュールの第2のノズルを通じて押し出され、かつ前記プラットフォームモジュール上に堆積されるように、前記第2の溶融押出モジュールの前記処理チャンバの前記排出出口において前記第2の溶融物をガイドすることと、
前記堆積プラットフォームを駆動して、前記第1のノズルの下方の位置と前記第2のノズルの下方の位置との間で移動させることと、を更に含む、項目49に記載の3D印刷方法。
(項目63)
前記第1の印刷モジュールの前記第1のノズルを駆動して、前記プラットフォームモジュールに対して移動させることを更に含む、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目64)
前記第1の印刷モジュールの前記第1のノズルを駆動して、前記プラットフォームモジュールに対してデカルト座標系のZ軸に沿って移動させることを更に含む、項目63に記載の3D印刷方法。
(項目65)
前記プラットフォームモジュールの第1の堆積プラットフォームを駆動して、前記第1の印刷モジュールの前記第1のノズルに対して移動させることを更に含み、
前記第1の堆積プラットフォームが、前記第1のノズルを通じて押し出された前記第1の溶融物を受容するように構成されている、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目66)
前記第1の堆積プラットフォームを駆動して、前記第1のノズルに対してデカルト座標系のX軸及び/又はY軸に沿って移動させることを更に含む、項目65に記載の3D印刷方法。
(項目67)
前記プラットフォームモジュール上に形成された最終製品を収集することを更に含む、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目68)
前記プラットフォームモジュール上に形成された最終製品の製品パラメータを測定することを更に含む、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目69)
前記プラットフォームモジュール上に形成された最終製品を選ぶことを更に含む、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目70)
自動搬送モジュールを通じて、前記第1の初期材料を前記第1の供給モジュールに搬送することを更に含む、項目49に記載の3D印刷方法。
(項目71)
前記第1の初期材料が、熱可塑性材料を含む、項目48に記載の3D印刷方法。
(項目72)
3D印刷デバイスで使用される印刷モジュールであって、アレイ状に配置されたn×m個のノズル(n及びmの両方が2以上の整数である)を含み、ノズルの位置(x、y)が、x列目及びy行目(1≦x≦n及び1≦y≦m)である、印刷モジュール。
(項目73)
前記印刷モジュールが、M個の種類の溶融物を押し出すことができるように構築されており、前記ノズル(x、y)が、y番目の種類の溶融物を押し出すことができるように構築されている、項目72に記載の印刷モジュール。
(項目74)
前記n×m個のノズルがそれぞれ、n×m個の処理チャンバに接続されている、項目72に記載の印刷モジュール。
(項目75)
前記n×m個のノズルの排出速度がそれぞれ、n×m個の溶融押出排出制御装置によって制御されている、項目72に記載の印刷モジュール。
(項目76)
前記n×m個のノズルの前記y行目のノズルが、ほぼ同じ排出速度を有するように構成されている、項目72に記載の印刷モジュール。
【図面の簡単な説明】
【0112】
添付の図面及び添付の特許請求の範囲を参照して説明された以下の詳細は、本出願の前述及び他の特徴の明確な理解を容易にする。本出願の添付の図面は、単に本発明のいくつかの実施形態を示すものであり、したがって、本発明の範囲上の任意の限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。特に明記しない限り、添付の図面は必ずしも比例しておらず、同様のラベルは、一般に類似の部分を表す。
図1】本発明の特定の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
図2】本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
図3】本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
図4】本発明の特定の実施形態による3D印刷デバイスの斜視図を示す。
図5】本発明の特定の実施形態による、印刷モジュール上の3D印刷デバイスのノズルの配置の概略図を示す。
図6】本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
図7A】それぞれ、本発明の特定の実施形態による3D印刷デバイスを使用することによって印刷され得る、医薬製品のモデルを示す。
図7B】それぞれ、本発明の特定の実施形態による3D印刷デバイスを使用することによって印刷され得る、医薬製品のモデルを示す。
図8】本発明の特定の実施形態による3D印刷方法のフローチャートを示す。
図9A】本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
図9B】本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの斜視図を示す。
図9C】本発明の別の実施形態による印刷ヘッドの拡大図を示す。
図9D】本発明の別の実施形態による封止針を制御するように構成された空気圧式アクチュエータの構成要素の分解図を示す。
図10】本発明の別の実施形態による封止針及び押出ポートの拡大図を示す。
図11】本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
図12】本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
図13A】本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
図13B】本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
図13C】本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0113】
以下の詳細な説明は、本明細書の一部分である添付の図面を参照して与えられる。添付の図面では、同様の記号は、特に明記しない限り、一般に同様の部分を表す。発明を実施するための形態、添付図面、及び特許請求の範囲に記載される例示的な実施形態は、限定を意図するものではない。他の実施形態を使用することができ、本出願の主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の変更を行うことができる。本明細書に概ね記載され、添付の図面に示される内容の様々な態様に関して、異なる組成を有する複数の構成、代替、組み合わせ、及び設計が作製されてもよく、これらすべてが本発明の内容の一部分を明示的に構成することが理解されよう。
【0114】
以下に、添付図面を参照して本発明の特定の実施形態を説明する。図1は、本発明の特定の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
【0115】
図1に示すように、3D印刷デバイス100は、溶融押出モジュール102、印刷モジュール103、及びプラットフォームモジュール104を含む。デバイスの印刷処理では、溶融押出モジュール102は、初期材料が溶融物に溶融するように、受容された初期材料を押し出し加熱し、溶融物を印刷モジュール103に搬送する。印刷モジュール103は、事前設定されたデータモデル又はプログラムに従って、溶融物をプラットフォームモジュール104の特定の位置に向かって押出し、溶融物は、プラットフォーム104上に積み重ねられ、かつ積み上げられて、最終的に印刷される必要のある3D製品を形成する。
【0116】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、3D印刷デバイスは、供給モジュール101を更に含んでもよく、供給モジュール101は、初期材料を収容し、搬送するように構成されたホッパー111を有し、ホッパー111は供給入口112及び排出出口113を有する。3D印刷デバイス100の印刷処理では、供給モジュール101は、ホッパー111の供給入口112を通じて初期材料を受容し、排出出口113を通じて溶融押出モジュール102に初期材料を排出する。3D印刷デバイス100に使用される初期材料は、粉末状又は粒状の材料であってもよい。図1に示すように、ホッパー111は、ホーン状の開口部を有する漏斗形状のシェルである。いくつかの実施形態では、初期材料は、代替的に、繊維状、ブロック状、又は別の形状であってもよく、それに対応して、ホッパーは、初期材料の形状に適合する対応する形状を有してもよい。ホッパー111には、ホッパー排出制御装置114が更に配置されている。ホッパー排出制御装置114は、ホッパー111の排出出口113における初期材料の排出速度を制御する。図1に示すホッパー排出制御装置114は、単軸である。ホッパー排出制御装置114は、排出出口に近い位置に配置され、ホッパー排出制御装置114は、ホッパー排出制御装置114を駆動するモータ及び歯車装置(図1には示されていない)に接続されている。スクリュー114の回転速度は、排出出口113における初期材料の排出速度を制御するために、駆動機構を介して調節される。加えて、材料の混合及び搬送様式は、スクリュー114のスクリュー部分のピッチ及びねじ山を配置することによって制御され得る。図1に示すホッパー排出制御装置114は単軸であるが、いくつかの実施形態では、ホッパー排出制御装置は、代替的に、二軸、又は二軸と単軸との組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、ホッパー排出制御装置114は、排出出口113における初期材料の排出速度を制御することができる共通の機構を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、ホッパー排出制御装置は、排出出口113に配置されたバッフル板又は障壁を更に含み、排出出口113から材料を排出するかどうかを制御する。いくつかの実施形態では、ホッパー排出制御装置114は、代替的に、排出出口113に配置された、例えば、空気圧式流量制御弁、ソレノイド流量制御弁、又は油圧式流量制御弁などの流量制御弁であり、流量制御弁のサイズを介して、排出出口113での初期材料の排出速度を制御することができる。
【0117】
3D印刷デバイス100は、第2の供給モジュール201を更に含んでもよい。図に示されるように、第2の供給モジュール201の構造は、第1の供給モジュール101と同じであるか、又は同様である。第2の供給モジュール201は、同様に、供給入口212及び排出出口213を有する第2のホッパー211を含み、かつ同様に、ホッパー211に配置されたホッパー排出制御装置214を含み、ホッパー排出制御装置214は、排出出口212における初期材料の排出速度を制御するように構成されている。デバイスの特定の印刷処理では、供給モジュール201は、ホッパー211の供給入口212を通じて、供給モジュール101によって受容された初期材料とは異なる第2の初期材料を受容し、排出出口213を通じて、溶融押出モジュール102に第2の初期材料を排出することができる。溶融押出モジュール102によって受容される初期材料の第2の初期材料に対する比率は、供給モジュール101のホッパー排出制御装置114及び第2の供給モジュール201のホッパー排出制御装置214を制御することによって制御されて、印刷される必要のある製品における初期材料の第2の初期材料に対する比率を最終的に制御し得ることが理解されよう。
【0118】
図1に示すように、溶融押出モジュール102は、処理チャンバ121と、押出装置122と、処理チャンバ加熱装置123とを含む。処理チャンバ121は、供給入口124及び排出出口125を有する中空シェルであり、排出出口113から排出された初期材料は、供給入口124を通って処理チャンバ121に入る。処理チャンバ加熱装置123は、処理チャンバ121の周壁上に配置され、処理チャンバ121内の材料を加熱する。押出装置122は、処理チャンバ加熱装置123と押出装置122との接合動作下で、初期材料が溶融物に溶融して、排出出口125を通って排出されるように、処理チャンバ121内で材料を押出及び/又は剪断する作業を行う。
【0119】
具体的には、図1に示すように、押出装置122は、処理チャンバ121内に配置された二軸122であってもよい。二軸122は、可変速歯車128を介して駆動モータ129に接続されている。駆動モータ129によって駆動されると、二軸122は、処理チャンバ121内で材料を回転させ、かつ押し出し、材料を排出出口125に向かって移動させる。一方、処理チャンバ121内の材料は、二軸122の回転押出作業により発生する、内部熱によって加熱される。図1に示される押出装置122は二軸であるが、いくつかの実施形態では、ホッパー排出制御装置は、代替的に単軸であってもよい。いくつかの実施形態では、押出装置122は、代替的に、例えば、ピストン装置などの任意のスクリューを有さない、一般的な押出機であってもよい。
【0120】
図1に示すように、処理チャンバ加熱装置123は、より正確な加熱温度制御を実施するために、セグメントごとに処理チャンバ121の外壁を囲むように配置されて、セグメントごとの加熱を実行してもよい。いくつかの実施形態では、処理チャンバ加熱装置123は、一般的な電気加熱装置、例えば、処理チャンバ121の外側に巻き付けられた熱電対である。いくつかの実施形態では、図に示される処理チャンバ加熱装置123は処理チャンバ121の外壁上に配置されているが、いくつかの実施形態では、処理チャンバ加熱装置123は、代替的に、処理チャンバ121、例えば、処理チャンバ121内に配置された加熱ロッドに配置されてもよいことが理解され得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、溶融押出モジュール102は、処理チャンバ121の排出出口125における溶融物の排出速度を制御するように構成された溶融押出排出制御装置126(図1には示されていない)を更に有する。ホッパー排出制御装置114の構造と同様に、溶融押出排出制御装置126は、例えば、空気圧式流量制御弁、油圧式流量制御弁、又はソレノイド流量制御弁などの排出出口125に配置された流量制御弁であってもよく、排出出口125における溶融物の排出速度は、流量制御弁を介して制御される。いくつかの実施形態では、溶融押出排出制御装置126は、排出出口125に配置されたバッフル板又は障壁を更に有して、排出出口125から溶融物を排出するかどうかを制御することができる。溶融押出モジュール102の押出装置122は、初期材料及び処理チャンバ121内の溶融物を押し出すための押出力を制御することによって、排出出口125における溶融物の排出速度を制御することができることに留意されたい。具体的には、図1に示す二軸122では、二軸122の回転速度を制御することにより、排出出口125における溶融物の排出速度を制御することができる。いくつかの実施形態では、溶融押出モジュール102の排出出口125の排出速度は、供給入口124の供給速度を制御することによって調節され得る。具体的には、例えば、供給入口124の供給速度を向上させることにより、排出出口125の排出速度を向上させることができる。溶融押出モジュール102の供給入口124の供給速度は、供給モジュール101の排出出口113の排出速度を調節することによって実施され得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、3D印刷デバイス100は、逆流チャネル127(図1には示されていない)を更に含む。逆流チャネル127の一端は、処理チャンバ121の排出出口125の後方の溶融チャネルに接続されており、逆流チャネル127の他端は、処理チャンバ121に接続されており、その結果、溶融物の一部分は、処理チャンバ121に逆流する。いくつかの実施形態では、逆流チャネル127は、逆流チャネル127を通って処理チャンバ121に逆流する溶融物の量及び速度が、流量制御弁を通じて調節されるように、流量制御弁を更に備える。
【0123】
図1に再び示すように、印刷モジュール103は、供給入口及び排出出口を有するバレル133を含んでもよい。バレル133は中空シェルで構成され、ノズル131は、バレル133の下部に配置される。印刷モジュール103のバレル133の供給入口は、処理チャンバ121の排出出口125に接続されている。初期材料が加熱されて、溶融物に溶融された後、溶融物は、バレル133に運ばれ、最終的にノズル131を通って押し出される。図1に示される印刷モジュール103は、1つのノズル131のみを有するが、いくつかの実施形態では、印刷モジュール103は、バッチ生産を実施するために複数のノズルを含んでもよく、それによって、熱溶解積層法の先行技術の3D印刷デバイスの一般的な欠陥、すなわち、大量生産の失敗を解決する。複数のノズルは、アレイ状に配設されてもよく、又は大量生産に適用可能な別の規則に従って配設されてもよい。ノズルの配置の具体的な方法は、添付図面を参照して後で詳細に説明される。印刷モジュール103は、印刷モジュール駆動機構132(図1には示されていない)を更に含む。駆動機構132は、油圧式シリンダ、ステッパモータ、又は別の一般的な駆動機構であってもよい。印刷モジュール103は、印刷モジュール103のノズル131がプラットフォームモジュール104に対して移動するように駆動されるように、駆動機構132上に配置される。図1に示すように、印刷モジュール103のバレル133は、代替的に、温度調節装置134を備えてもよい。温度調節装置134の構造及び配置は、処理チャンバ加熱装置123の構造及び配置と同じであるか、又は同様であり、バレル133の周りにセグメントごとに配置された電気加熱装置であってもよい。いくつかの実施形態では、温度調節装置134は、代替的に、バレル133内に配置された加熱ロッドであってもよい。温度調節装置は、例えば、半導体加熱及び冷却シートなどの冷却機能を更に有してもよく、その結果、印刷モジュール103内の溶融物の温度は、高すぎる場合に低減され得ることに留意されたい。温度調節装置134は、ノズル131を通って押し出される溶融物の温度を迅速かつ正確に制御するように、ノズル131に近い位置に配置されることが好ましい。バレル133は、印刷モジュール103内の溶融物の圧力を調節するように構成された圧力調節装置(図1には示されていない)を更に含む。いくつかの実施形態では、圧力調節装置は、前述のようなスクリュー押出装置であってもよく、具体的には、単軸押出機、二軸押出機、又は単軸押出機と二軸押出機との組み合わせであってもよい。スクリュー押出装置がバレル133内に配置され、スクリュー回転制御による溶融物の押出力を制御し、それによって、特にノズル131内の印刷モジュール103内の溶融物の圧力を制御する。いくつかの他の実施形態では、圧力調節装置は、代替的に、ピストン押出機構であってもよく、ピストン押出機構は、バレル133内に配置され、ピストンを空気圧的に駆動するか、又は油圧的に駆動して、ピストンを移動させ、それによって、特にノズル131内の印刷モジュール103内の溶融物の圧力を制御する。
【0124】
図1に示すように、プラットフォームモジュール104は、堆積プラットフォーム141と、堆積プラットフォーム141を駆動して移動させるプラットフォーム駆動機構142とを含む。堆積プラットフォーム141は、プレート構造であってもよく、溶融物が堆積プラットフォーム上に積層されるように、ノズル131を通って押し出される溶融物を受容するように構成されている。1つの堆積プラットフォーム141のみが図1に示されているが、いくつかの実施形態では、プラットフォームモジュール104は、同時大量印刷中の大量生産要件を満たすために、複数の堆積プラットフォームを更に含んでもよい。複数の堆積プラットフォーム間の構造は、他の添付の図面を参照して後で詳細に説明される。
【0125】
堆積プラットフォーム141は、プラットフォーム駆動機構142上に配置される。プラットフォーム駆動機構142は、堆積プラットフォーム141を駆動してノズル131に対して移動させることができる。いくつかの実施形態では、プラットフォーム駆動機構142は、デカルト座標系に基づいて配置されたステッパモータであってもよく、その結果、プラットフォーム駆動機構142は、堆積プラットフォーム141を駆動して、X軸、Y軸、及びZ軸のうちの1つ以上に沿って移動させることができる。いくつかの他の実施形態では、3D印刷デバイス100は、印刷モジュール103のノズル131を駆動して、プラットフォームモジュール104に対して移動させるように構成された印刷モジュール駆動機構を更に含む。更にいくつかの実施形態では、プラットフォーム駆動機構142は、コンベヤベルトであってもよい。堆積プラットフォーム141とノズル131との間の相対運動により、溶融物は堆積プラットフォーム141上に堆積されて、必要に応じて複雑な構造及び組成の最終製品を形成する。
【0126】
再び図1に示すように、3D印刷デバイス100は、一時的貯蔵モジュール107を更に含む。一時的貯蔵モジュール107は、溶融物を貯蔵するように構成された貯蔵チャンバ171を有する。貯蔵チャンバ171は、供給入口172及び排出出口173を有する。供給入口172は、処理チャンバ121の排出出口に接続されている。排出出口173は、供給チャネル135を介して印刷モジュール103に接続されている。処理チャンバ121の排出出口から押し出された溶融物は、一時的な貯蔵のために供給入口172を通って貯蔵チャンバ171内へと流れ、印刷のために排出出口173を通って印刷モジュール103に流れ込む。図に示すように、一時的貯蔵モジュール107は、貯蔵チャンバ171内の溶融物を加熱するように構成された加熱装置174を更に有し、加熱装置174は、貯蔵チャンバ171の外壁上に配置されている。いくつかの実施形態では、加熱装置174は、貯蔵チャンバ171を取り囲む熱電対である。いくつかの実施形態では、加熱装置174は、代替的に貯蔵チャンバ171内に、例えば、貯蔵チャンバ171内に配置された加熱ロッドに配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、貯蔵チャンバ内の溶融物のための熱を保存するために、絶縁ライナーが、貯蔵チャンバ171の外壁上に更に配置される。
【0127】
いくつかの実施形態では、一時的貯蔵モジュール107は、貯蔵チャンバ171の排出出口173における溶融物の排出速度を制御するように構成された貯蔵チャンバ排出制御装置175(図1には示されていない)を更に含む。ホッパー排出制御装置114と同様に、貯蔵チャンバ排出制御装置175は、排出出口173に近い位置に配置された単軸若しくは二軸、又は単軸若しくは二軸の組み合わせであってもよく、又は排出出口173に配置された、例えば、空気圧式流量制御弁、ソレノイド流量制御弁、若しくは油圧式流量制御弁などの流量制御弁であってもよい。いくつかの実施形態では、バッフル板又は障壁は、排出出口173から溶融物を排出するかどうかを制御するために、貯蔵チャンバ171の排出出口173に更に配置される。
【0128】
図2は、本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
【0129】
図2に示すように、3D印刷デバイス200は、互いに平行に配置された第1の供給モジュール301及び第2の供給モジュール401と、互いに平行に配置された第1の溶融押出モジュール302及び第2の溶融押出モジュール402を更に含む。前述のモジュールの構造は、前述のように、第1の供給モジュール101及び第1の溶融押出モジュール102の構造と同じである。第1の供給モジュール301及び第2の供給モジュール401は、初期材料を受容する。初期材料は、それぞれ加熱され、第1の溶融押出モジュール302及び第2の溶融押出モジュール402を通って押し出され、かつ溶融物に変換される。溶融物は排出され、混合モジュール308に入る。
【0130】
再び図2に示すように、3D印刷デバイス200は、混合モジュール308を更に含む。混合モジュール308は、供給入口382及び排出出口383を有する混合チャンバ381を含む。混合チャンバ381の供給入口382は、第1の溶融押出モジュール302及び第2の溶融押出モジュール402に接続されている。混合機構386(図2には示されていない)が混合チャンバ308内に配置され、かつ第1の溶融押出モジュール302及び第2の溶融押出モジュール402から来る、異なる溶融物を混合するように構成されている。いくつかの実施形態では、混合機構386は、機械的撹拌装置である。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、混合機構386は、代替的に、空気圧式撹拌機構であってもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、混合モジュール308は、混合チャンバ381内の溶融物の熱を加熱及び保存するように構成された加熱装置384を更に有する。加熱装置384は、混合チャンバ381の外壁上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、加熱装置384は、混合チャンバ381を取り囲む熱電対である。いくつかの実施形態では、加熱装置384は、代替的に、混合チャンバ381、例えば、混合チャンバ381内に配置された加熱ロッドに配置されてもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、混合モジュール308は、混合チャンバ381の排出出口383における溶融物の排出速度を制御するように構成された混合チャンバ排出制御装置385(図2には示されていない)を更に含む。ホッパー排出制御装置114と同様に、混合チャンバ排出制御装置385は、排出出口383に近い位置に配置された単軸若しくは二軸、又は単軸若しくは二軸の組み合わせであってもよく、又は排出出口383に配置された、例えば、空気圧式流量制御弁、ソレノイド流量制御弁、若しくは油圧式流量制御弁などの流量制御弁であってもよい。いくつかの実施形態では、バッフル板又は障壁は、排出出口383から溶融物を排出するかどうかを制御するために、混合チャンバの排出出口383に更に配置される。混合モジュール308は、十分に混合することができないか、又は混合されにくいいくつかの固体状態の初期材料の十分な混合を可能にして、均一な混合溶融物を形成することができる。その結果、排出出口383から排出された混合溶融物が印刷モジュール303に入り、ノズル331を通って押し出された後にプラットフォームモジュール304上に積層され、それによって、混合された構成要素を有する最終製品が形成される。
【0133】
図9Aは、本発明の特定の実施形態による印刷モジュール及びノズルの概略図を示す。デバイスは、材料を溶融及び加圧するように構成されたバレル133を含む。溶融及び加圧された材料は、供給チャネルを通って流れ、供給チャネルはノズル131に接続されている。圧力センサ106は、ノズル及び供給チャネルの終端の近位に位置付けられ、供給チャネル内の材料の圧力を測定することができる。任意選択的に、圧力センサ106は、ノズル131内の材料の圧力を直接測定するように設計され得る。制御スイッチ108は、リニアアクチュエータ及び封止針を含み、封止針を制御して、開位置と閉位置との間で切り替えることができる。リニアアクチュエータは、機械的アクチュエータ(スクリューを含んでもよい)、油圧式アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ(空気圧弁を含んでもよい)、又はソレノイドアクチュエータ(ソレノイド弁を含んでもよい)であってもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、ピンシリンダ、例えば、空気圧式ピンシリンダを含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、バネ式空気圧シリンダを含む。いくつかの実施形態では、バネ式空気圧シリンダは、封止針が作用するのを支援する(すなわち、封止針を引いて、開位置から閉位置へと移動させる)バネを含む。いくつかの実施形態では、バネ式空気圧シリンダは、封止針を引き抜くこと(すなわち、封止針を引いて、閉位置から開位置へと移動させること)を補助するバネを含む。封止針が開位置にあるとき、加圧された溶融した材料は、供給チャネルを通って流れ、かつノズル131の押出ポートを通って流れることができる。制御スイッチ108に信号が送られると、制御スイッチ108は封止針を閉位置に下げ、封止針の先端がノズル131の内側表面と係合する。
【0134】
本発明のいくつかの実施形態では、材料は、粉末、顆粒、ゲル、又はペーストなどの非繊維状材料である。非繊維状材料は、ノズルの押出ポートを通して押し出され得るように溶融及び加圧される。本明細書で更に説明されるように、材料の精密かつ正確な堆積を確実にするために、特に粘稠な材料の圧力が正確に制御される。材料は、印刷モジュール内(例えば、バレル、供給チャネル、及び/又は印刷ヘッドの内側又は周囲)に配置された1つ以上のヒータを使用することによって、印刷モジュール内で加熱及び溶融され得る。いくつかの実施形態では、材料の融解温度は、約50℃以上、例えば、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約100℃以上、約120℃以上、約150℃以上、約200℃以上、又は約250℃以上である。いくつかの実施形態では、材料の融解温度は、約400℃以下、例えば、約350℃以下、約300℃以下、約260℃以下、約200℃以下、約150℃以下、約100℃以下、又は約80℃以下である。ノズルから押し出される材料は、材料の溶融温度以上の温度で押し出され得る。いくつかの実施形態では、材料は、約50℃以上、例えば、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約100℃以上、約120℃以上、約150℃以上、約200℃以上、又は約250℃以上である。いくつかの実施形態では、材料は、約400℃以下、例えば、約350℃以下、約300℃以下、約260℃以下、約200℃以下、約150℃以下、約100℃以下、又は約80℃以下である。
【0135】
本発明によるデバイスは、粘性材料を正確かつ精密に押し出すために有用である。いくつかの実施形態では、デバイスから押し出されるとき、材料は、約100Pa・s以上、例えば、約200Pa・s以上、約300Pa・s以上、約400Pa・s以上、約500Pa・s以上、約750Pa・s以上、又は約1000Pa・s以上の粘度を有する。いくつかの実施形態では、材料は、約2000Pa・s以下、例えば、約1000Pa・s以下、約750Pa・s以下、約500Pa・s以下、約400Pa・s以下、約300Pa・s以下、又は約200Pa・s以下の粘度を有する。
【0136】
いくつかの実施形態では、材料は、医薬品材料である。いくつかの実施形態では、材料は不活性であるか、又は生物学的に不活性である。いくつかの実施形態では、材料は、浸食性材料又は生体浸食性材料である。いくつかの実施形態では、材料は、非浸食性材料又は非生体浸食性材料である。いくつかの実施形態では、材料は、医薬品材料である。いくつかの実施形態では、材料は、1つ以上の熱可塑性材料、1つ以上の非熱可塑性材料、又は1つ以上の熱可塑性材料と1つ以上の非熱可塑性材料との組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、材料はポリマー又はコポリマーである。
【0137】
いくつかの実施形態では、材料は、熱可塑性材料を含む。いくつかの実施形態では、材料は、熱可塑性材料である。いくつかの実施形態では、材料は、浸食性熱可塑性材料を含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性材料は可食性である(すなわち、個体による消費に適している)。いくつかの実施形態では、熱可塑性材料は、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、膨潤性ポリマー、非膨潤性ポリマー、多孔質ポリマー、非多孔質ポリマー、浸食性ポリマー(溶解性ポリマーなど)、pH感受性ポリマー、天然ポリマー、ワックス様材料、及びこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、熱可塑性材料は、セルロースエーテル、セルロースエステル、アクリル樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルメチルセルロース、C12~C30脂肪酸のモノ又はジグリセリド、C12~C30脂肪族アルコール、ワックス、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルカプロラクタム-ポリビニルアセテート-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー57/30/13、ポリビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー(polyvinylpyrrolidone-vinyl acetate、PVP-VA)、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(PVP-VA)60/40、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone、PVP)、ポリ酢酸ビニル(polyvinyl acetate、PVAc)、ポリビニルピロリドン(PVP)80/20、ビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー(vinylpyrrolidone-vinyl acetate、VA64)、ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー25/75、kollicoat IR-ポリビングアルコール60/40、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)又はPV-OH)、ポリ(酢酸ビニル)(poly vinyl acetate、PVAc)、ブチルメタクリレート-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート-メチルメタクリレートコポリマー1:2:1、ジメチルアミノエチルメタクリレート-コ-メタクリル酸エステル、エチルアクリレート-メチルメタクリレート-トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート塩化コポリマー、メチルアクリレート-メチルメタクリレート-メタクリル酸コポリマー7:3:1、メタクリル酸-メチルメタクリレートコポリマー1:2、メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー1:1、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide、PEO)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、過分枝状ポリエステルアミド、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ハイプロメロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒプロメロース(hydroxypropyl methyl cellulose、HMPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート又はヒプロメロースアセテートサクシネート(hydroxypropyl methylcellulose acetate succinate、HPMCAS)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(poly lactide-co-glycolide、PLGA)、カルボマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン(polyethylene、PE)及びポリカプロラクトン(polycaprolactone、PCL)、ヒドロキシルプロピルセルロース(hydroxyl propyl cellulose、HPC)、ポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油、メチルセルロース(methyl cellulose、MC)、エチルセルロース(ethyl cellulose、EC)、ポロキサマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(hydroxypropyl methyl cellulose phthalate、HPMCP)、ポロキサマー、硬化ヒマシ油、水素添加大豆油、グリセリルパルミトステアレート、ブラジルパームワックス、ポリ乳酸(polylactic acid、PLA)、ポリグリコール酸(polyglycolic acid、PGA)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate、CAB)、ポリビニルアセテートフタレート(polyvinyl acetate phthalate、PVAP)、ワックス、蜜蝋、ヒドロゲル、ゼラチン、水素添加植物油、ポリビニルアセタールジエチルアミノラクテート(acetal diethyl aminolactate、AEA)、パラフィン、セラック、アルギン酸ナトリウム、セルロースアセテートフタレート(cellulose acetate phthalate、CAP)、アラビアガム、キサンタンガム、モノステアリン酸グリセロール、オクタデカン酸、熱可塑性デンプン、並びにこれらの誘導体(例えば、それらの塩、アミド、又はエステル)のうちの1つ又は組み合わせである。
【0138】
いくつかの実施形態では、浸食性材料は、非熱可塑性材料を含む。いくつかの実施形態では、浸食性材料は、非熱可塑性材料である。いくつかの実施形態では、非熱可塑性材料は、非熱可塑性デンプン、ナトリウムデンプングリコアセテート(CMS-Na)、スクロース、デキストリン、ラクトース、微結晶セルロース(microcrystalline cellulose、MCC)、マンニトール、ステアリン酸マグネシウム(magnesium stearate、MS)、粉末シリカゲル、グリセロール、シロップ、レシチン、大豆油、紅茶油、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、Tween、動物脂肪、シリコーン油、カカオバター、脂肪酸グリセライド、ワセリン、キトサン、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリメタクリレート、非毒性ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、又はこれらの組み合わせである。
【0139】
本明細書に記載されるデバイス又は本明細書に記載される方法と共に使用され得る例示的な材料としては、限定するものではないが、ポリ(メチル)アクリレートコポリマー(例えば、アミノアルキルメタクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、及び/又はアンモニウムアルキルメタクリレートのうちの1つ以上を含むコポリマーなど、例えば、商標名Eudragit(登録商標)RSPOとして販売されているコポリマーなど)、及びヒドロキシルプロピルセルロース(hydroxyl propyl cellulose、HPC)が含まれる。
【0140】
いくつかの実施形態では、材料は薬物を含む。いくつかの実施形態では、材料は、薬物と混合される。
【0141】
材料は、圧力調節装置を使用することによって、印刷モジュール内で加圧され得る。材料は、バレル内に予め装填され、圧力調節装置(図1には示されていない)は、バレル133内に予め装填された材料に圧力を印加することができる。圧力調節装置は、バレル内に収容された材料に圧力を印加するための、モータ(例えば、ステッパモータ)、弁、又は機構(例えば、ピストン、圧力スクリュー、又は圧縮空気(すなわち、空気圧式コントローラ))を駆動する任意の他の適切な制御デバイスであってもよい。バレルは、材料を溶融させることができる1つ以上のヒータを含む。いくつかの実施形態では、ヒータは、バレル内に配置される。いくつかの実施形態では、ヒータは、バレルの側面上に、又はバレルを取り囲むように配置される。いくつかの実施形態では、ヒータは、電気放射ヒータ、例えば、電気加熱管又はコイルである。バレルのヒータは、高電圧及び高出力電力を有する高効率のヒータであることが好ましい。いくつかの実施形態では、バレルのヒータは、110V~600Vの定格電圧を有する。いくつかの実施形態では、バレルのヒータは、210V~240Vの定格電圧を有する。いくつかの実施形態では、バレルのヒータは、220Vのヒータである。いくつかの実施形態では、バレルのヒータは、約30W~約100W、例えば、40W~80W、又は約60Wの出力電力を有する。いくつかの実施形態では、ヒータは、バレルの外側を取り囲む電気加熱コイルである。好ましくは、バレルは、ステンレス鋼(例えば、316Lのステンレス鋼)などの耐熱材料で作製される。いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の温度センサを含む。1つ以上の温度センサは、供給チャネルの近位に、又は供給チャネルの内側に位置付けられる。温度センサは、供給チャネル内の材料の温度を測定するように構成されている。供給チャネルは、ノズルの押出ポートと比較して、相対的に広い。いくつかの実施形態では、供給チャネルは、約1mm~約15mm、例えば、約1mm~約5mm、約5mm~約10mm、又は約10mm~約15mmの直径を有する。例示的な実施形態では、供給チャネルは、約8mmの直径を有する。
【0142】
デバイスの印刷ヘッドは、ノズル131を含む。ノズルは、溶融した材料が押し出される押出ポートを含む。押出ポートは、供給チャネルに対してノズルの遠位端に位置する。封止針が開位置にあるとき、溶融した材料は、ノズルを通って供給チャネルから押出ポートの外へ流出する。ノズルは、テーパ状の内側表面を含み、押出ポートは、テーパ状の内側表面の頂点に近接している。いくつかの実施形態では、ノズルの内側表面は、パッド又はライナーを含む。パッド又はライナーは、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)又は任意の他の適切な材料で作製され得る。いくつかの実施形態では、印刷ヘッドは、印刷ヘッドのノズルの内側、周囲、又は近位に位置し得る、1つ以上のヒータを含む。1つ以上のヒータは、ノズル内の材料を加熱するように構成されている。材料は、バレル内又は供給チャネル内の材料の温度と同じであるか、又は異なる温度を有していてもよい。いくつかの実施形態では、ノズルのヒータは、電気放射ヒータ、例えば、電気加熱管又はコイルである。ヒータは、バレルのヒータ又は供給チャネルのヒータよりも低い電圧及び/又は低電力ヒータであってもよい。いくつかの実施形態では、ノズルのヒータは、6V~60Vの定格電圧を有する。いくつかの実施形態では、ノズルのヒータは、12Vのヒータである。いくつかの実施形態では、ノズルのヒータは、約10W~約60W、例えば、20W~45W、又は約30Wの出力電力を有する。
【0143】
いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の温度センサを含む。いくつかの実施形態では、印刷ヘッドは、ノズル内の材料の温度を測定するために、ノズルの近位又は内部に位置付けられた1つ以上の温度センサを含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、材料パイプの内側若しくは近位に位置する温度センサ、又は材料パイプ内の温度を測定するように構成された温度センサを含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、供給チャネルの内側若しくは近位に位置する温度センサ、又は供給チャネル内の温度を測定するように構成された温度センサを含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、印刷ヘッドの内側若しくは近位に位置する温度センサ、又はノズル内の温度を測定するように構成された温度センサを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の温度センサは、1つ以上の温度センサによって報告される温度に応じて、1つ以上のヒータを動作させるコンピュータシステムに接続されている。例えば、コンピュータシステムは、バレル、供給チャネル、及び/又はノズル内の材料の温度を調節するために、1つ以上のヒータを動作させてもよい。いくつかの実施形態では、システムは、閉ループフィードバックシステムとして動作して、デバイス内、又はデバイスの構成要素(すなわち、バレル、ノズル、又は供給チャネル)の内の温度をほぼ一定に維持する。デバイスの異なる構成要素内の材料の温度は、同じであってもよく、又は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、フィードバックシステムは、比例積分微分(proportional-integral-derivative、PID)コントローラ、バングバングコントローラ、予測コントローラ、ファジー制御システム、エキスパートシステムコントローラ、又は任意の他の適切なアルゴリズムを使用することによって動作する。
【0144】
デバイスは、デバイス内の材料の圧力を測定することができる、1つ以上の圧力センサ106を含む。いくつかの実施形態では、圧力センサは、印刷ヘッド内又は印刷ヘッドの近くの供給チャネル内の材料の圧力を測定するように構成されている。いくつかの実施形態では、圧力センサは、印刷ヘッド内に配置されるか、又は供給チャネルに隣接し、かつ印刷ヘッドの近くの位置に配置される。いくつかの実施形態では、圧力センサは、閉ループフィードバックシステムの圧力調節装置と一緒に働いて、ほぼ一定の圧力でデバイス内の材料を提供してもよい。例えば、圧力センサが圧力降下を測定するとき、フィードバックシステムは、(例えば、ピストンを下げること、バレル内の空気圧を増加させること、又は圧力スクリューを回転させることによって)材料の圧力を増加させるように、圧力調節装置に信号を送信することができる。同様に、圧力センサが圧力上昇を測定するとき、フィードバックシステムは、(例えば、ピストンを上げること、バレル内の空気圧を減少させること、又は圧力スクリューを回転させることによって)材料の圧力を減少させるように、圧力調節装置に信号を送信することができる。一定の圧力により、デバイス内の溶融した材料が、封止針が開位置にあるときに一定速度でノズルの押出ポートを通過することを確実にする。しかしながら、封止針が閉位置にあるとき、一定温度の上昇(例えば、ピストンを上げること、バレル内の空気圧を減少させること、又は圧力スクリューを回転させることによって)によって、溶融した材料がノズルを通って漏出することを引き起こす可能性がある。加えて、封止針が開位置から閉位置に切り替わったり、又は閉位置から開位置に切り替わると、圧力センサ及び圧力調節装置を含むフィードバックシステムは、システム内のほぼ一定の圧力を維持する。封止針が閉位置から開位置に切り替わるとき、システム内の材料の圧力が増加する必要がないため、押出速度の上昇は最小化される。いくつかの実施形態では、圧力センサ106は、圧力センサ106によって報告された圧力に応じて、バレルを動作させて、材料を所望の圧力に加圧する、コンピュータシステムに接続される。例えば、コンピュータシステムは、圧力調節装置を動作させて、バレル内の材料に加えられる圧力の量を調節することができる。いくつかの実施形態では、システムは、デバイス内のほぼ一定の圧力を維持するために、閉ループフィードバックシステムとして動作する。いくつかの実施形態では、フィードバックシステムは、比例積分微分(PID)コントローラ、バングバングコントローラ、予測コントローラ、ファジー制御システム、エキスパートシステムコントローラ、又は任意の他の適切なアルゴリズムを使用することによって動作する。いくつかの実施形態では、圧力センサは、0.005MPa以内、0.008MPa以内、0.05MPa以内、0.1MPa以内、0.2MPa以内、0.5MPa以内、又は1MPa以内で正確である。いくつかの実施形態では、圧力センサのサンプリング時間は、約20ms以下(例えば、約10ms以下、約5ms以下、又は約2ms以下)である。いくつかの実施形態では、材料の圧力は、所望の圧力の約0.005MPa、約0.008MPa、約0.05MPa、約0.1MPa、約0.2MPa、約0.5MPa、又は約1MPa以内である。
【0145】
デバイスは、制御スイッチ108を含む。制御スイッチ108は、溶融した材料がデバイスの押出ポートから流れることを防止又は可能にするように操作することができる。制御スイッチ108は、開位置と閉位置との間で動作可能な封止針を含み、封止針が閉位置にあるときに、材料がノズル131を通って流れることが阻止される。封止針は、供給チャネルの少なくとも一部分を通って延在し、テーパ状端部を含む。封止針が閉位置にあるとき、封止針のテーパ状端部は、ノズル131のテーパ状内側表面(例えば、ノズルの押出ポートにおいて)と係合する。
【0146】
いくつかの実施形態では、材料に接触する封止針の任意の部分は、突出部を含まない。突出部は、封止針のシャフトよりも大きい直径を有する封止針の任意の部分、又は封止針のシャフトよりも更に外側に延在する封止針の任意の部分であってもよい。封止針上の突出部は、封止針が閉位置にあるときに、溶融した材料を押して、押出ポートを通過させることができ、好ましくは回避される。いくつかの実施形態では、封止針全体(封止針が材料に接触するか否かにかかわらず)は、突出部を含まない。いくつかの実施形態では、材料に接触しない封止針の一部分は、1つ以上の突出部を含み、これは、例えば、アクチュエータの構成要素と係合するか、又は封止針が供給チャンバ内で過度に駆動されることを防止するための深さ破断として機能することができる。
【0147】
材料に接触する封止針の部分(すなわち、封止針が開位置又は閉位置にあるときに供給チャネル内に位置する部分)は、供給チャネルと比較して相対的に薄く、溶融した材料が、押出ポートから押し出されるのではなく、封止針の周囲を流れることを可能にする。いくつかの実施形態では、材料に接触する封止針の部分は、約0.2mm~3.0mm、例えば、約0.2mm~0.5mm、約0.5mm~1.0mm、約1.0mm~1.5mm、約1.5mm~2.0mm、約2.0mm~2.5mm、又は約2.5mm~3.0mmの最大直径を有する。いくつかの実施形態において、封止針(材料に接触する封止針の部分、及び材料と接触しない封止針の部分を含む)は、約0.2mm~3.0mm、例えば、約0.2mm~0.5mm、約0.5mm~1.0mm、約1.0mm~1.5mm、約1.5mm~2.0mm、約2.0mm~2.5mm、又は約2.5mm~3.0mmの最大直径を有する。
【0148】
いくつかの実施形態では、封止針は、図10Aに示すように、テーパ状端部に尖った先端部を含む。いくつかの実施形態では、先端部のテーパ状端部は、図10Bに示すように円錐台形である。ノズル及び封止針の両方は、封止針のテーパ状端部がノズルのテーパ状内側表面に面するようにテーパ状面を含む。本明細書における「テーパ角」は、接合面の頂点の角度を指す。円錐台形のテーパ状先端部の場合、「テーパ角」は、外挿された接合面の頂点を指す。封止針のテーパ状端部のテーパ角は、図10A及び図10Bのαによって示されている。図10Cに示すように、ノズルのテーパ角はβで示されている。いくつかの実施形態において、封止針のテーパ状端部のテーパ角は、約60°以下、例えば、約50°以下、約45°以下、約40°以下、約35°以下、約30°以下、約25°以下、約20°以下、又は約15°以下である。いくつかの実施形態では、封止針のテーパ角(α)は、ノズルの内側表面のテーパ角(β)以下である。いくつかの実施形態では、ノズルの内側表面のテーパ角(β)と封止針のテーパ角(α)との比は、約1:1~約4:1、又は約1:1~約3:1、又は約1:1~約2:1である。
【0149】
封止針は、封止針を押出ポートに向かって下げることによって閉位置に位置付けられ、この場合、封止針は押出ポートと整列される。封止針が開位置にあるとき、加圧され溶融した材料は、押出ポートを通って流れることができる。しかしながら、封止針が閉位置にあるとき、加圧され溶融した材料が流れることが防止され、封止針はノズルの内側表面と係合する。ノズルの内側表面のテーパ角(β)が封止針のテーパ角(α)よりも大きい場合、封止針のテーパ状端部は、押出ポートにおいてノズルの内側表面と係合する。いくつかの実施形態では、押出ポートは、約0.1mm以上、例えば、約0.15mm以上、約0.25mm以上、約0.5mm以上、又は約0.75mm以上の直径を有する。いくつかの実施形態では、押出ポートは、約1mm以下、例えば、約0.75mm以下、約0.5mm以下、約0.25mm以下、又は約0.15mm以下の直径を有する。封止針のテーパ状端部の基部は、封止針が閉位置にあるときに溶融した材料が押出ポートを通過するのを阻止するために薄いことが好ましい。いくつかの実施形態では、封止針のテーパ状端部の最大直径(すなわち、テーパの基部)の押出ポートの直径に対する比は、約1:0.8~約1:0.1、例えば、約1:0.8~約1:0.7、約1:0.7~約1:0.6、約1:0.6~約1:0.5、約1:0.5~約1:0.4、約1:0.4~約1:0.3、約1:0.3~約1:0.2、又は約1:0.2~約1:0.1である。
【0150】
封止針は、好ましくは、強力であり、更に可撓性の材料を含む。例示的な材料としては、ステンレス鋼、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び炭素繊維が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ノズルの内側表面は、可撓性パッド又はライナーを含み、これは、開位置又は閉位置に封止針が繰り返し再配置される際に、針又はノズルへの損傷を抑制することができる。いくつかの実施形態では、パッド又はライナーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で作製される。
【0151】
制御スイッチの封止針は、開位置(すなわち、封止針のテーパ状端部がノズルの内側表面と係合しなくなるように、封止針を上げることによる)又は閉位置(すなわち、封止針のテーパ状端部がノズルの内側表面と係合するように、封止針を下げることによる)に封止針を位置付けることができるアクチュエータを使用することによって制御される。いくつかの実施形態では、アクチュエータは空気圧式アクチュエータであり、アクチュエータ内の空気圧を使用することによって、制御され得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータは機械的アクチュエータであり、これは、1つ以上の歯車及びモータを使用することにより、封止針を上昇又は下降させることができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、ソレノイド弁又は電歪ポリマーを含む。
【0152】
図9Bは、本発明による、付加製造によって材料を堆積させるための例示的なデバイスの断面図を示す。材料をバレル902に装填し、ピストン904をバレル902に押し込むことによって、材料に圧力を加えることができる。ピストン904は、ガイドアーム906を介して圧力調節装置に接続されている。ピストン904は、バレル902内の材料の圧力を増加させるために、ステッパモータなどのモータによって下げられ、又は材料の圧力を低下させるために上げられる。バレル902内の材料は、バレル902の内部又は周囲のヒータを使用することによって、材料の溶融温度以上に加熱され得る。バレル902からの溶融した材料は、供給チャネル908を通じて流れ、供給チャネル908は、ノズル912を含む印刷ヘッド910に接続されている。圧力センサ914は、供給チャネル908の端部に位置し、印刷ヘッド910の近くにあり、印刷ヘッドに近い材料の圧力を測定するように構成されている。いくつかの実施形態では、圧力センサ914は、印刷ヘッド910内の材料の圧力を測定するように位置付けられる。圧力センサ914は、測定された圧力をコンピュータシステムに伝達することができ、コンピュータシステムは、圧力調節装置(又は圧力調節装置のモータ)を動作して、ピストン904を再配置し、バレル902内の材料の圧力を制御することができる。これは、圧力センサ914によって圧力の変化が測定され、コンピュータシステムが圧力調節装置を更に動作させるフィードバックシステムで動作させることができる。
【0153】
デバイスは、制御スイッチ916を含み、制御スイッチ916は、封止針918及びリニアアクチュエータ920を含む。封止針918は、アクチュエータ920と係合する上端部922と、テーパ状の下端部924とを含む。封止針918は、印刷ヘッド910内へ供給チャネル908を通じて延在する。アクチュエータ920は、開位置(上昇)と閉位置(下降)との間で封止針918を動作させる。封止針918が閉位置にあるとき、封止針918のテーパ状端部924は、ノズル912のテーパ状内側表面と係合して、ノズルを通る溶融した材料の流れを阻止する。ノズル912を開放し、溶融した材料が押出ポートを通って流れることを可能にするために、アクチュエータ920は、封止針918を上昇させることによって封止針918を開位置に位置付けるように、封止針918を動作させ、その結果、テーパ状下端部924は、ノズル912の内側表面から係合解除される。
【0154】
図9Cは、封止針918が閉位置にあり、ノズル912と係合しているときの印刷ヘッド910の拡大図を示す。閉位置において、封止針918のテーパ状端部924は、ノズル912のテーパ状内側表面と係合することによって、押出ポート926に挿入される。したがって、供給チャネル908内の溶融した材料は、押出ポート926を通って流れることが防止される。印刷ヘッド910内又は印刷ヘッド910の近位の材料の圧力は、圧力センサ914によって測定され、圧力調節装置は、封止針918が閉位置にあるときにデバイス内の過剰な圧力上昇を防止するように動作することができる。
【0155】
封止針918は、印刷ヘッド910内へ供給チャネル908を通じて延在する。封止針918が開位置から閉位置に切り替わるとき、注意深い設計は、供給チャネル908内の溶融した材料が押出ポート926から押し出されることを防止する。封止針918のテーパ状端部924は、封止針918が溶融した材料を穿孔することを可能にし、溶融した材料が、押し下げられる代わりに、密閉された封止針918の上方及び周囲に流れることを可能にする。
【0156】
空気圧式アクチュエータ920は、空気チャンバ926内へのガスの流れを制御するように構成されたソレノイド弁を含む。空気チャンバは、封止針918の上端部922に取り付けられた中央ロッド928を上下に駆動することができる。高圧ガスは、ダイヤフラム930の下方の位置から空気チャンバ926内に流入するか、又はガスがダイヤフラム930の上方の位置から除去され、その結果、ダイヤフラム930が上方に移動し、封止針918を開位置に位置決めする。ダイヤフラム930の下方の位置からガスが除去されるか、又は高圧ガスがダイヤフラム930の上方に加えられ、その結果、ダイヤフラム930が下方に移動し、それによって封止針918を閉位置に位置決めする。
【0157】
図9Dは、封止針を制御するために封止針に接続された空気圧式アクチュエータの構成要素の分解図を示す。ダイヤフラム942は、空気圧式アクチュエータの空気チャンバ内に位置し、例えば、ねじ付き嵌合を介して中央ロッド974に接続される。中央ロッド974は、例えば、ねじ付き嵌合を介してアダプタ976に接続される。アダプタ976は、例えば、ねじ付き嵌合又は圧力嵌合を介して封止針978に取り付けられる。例えば、アダプタ976の下部は開口部を含んでもよく、封止針978の上部は、封止針978をアダプタ976の開口部に詰まらせることによって、開口部にぴったりと嵌合することができる。封止針978は、ガスケット980を通過し、ガスケット980は、固定ナット982によって定位置に保持される。固定ナット982は、固定ナット982及びガスケットを定位置に保持するマニホルドブロックを介して、デバイスの残りの部分に取り付けられる。図9Bに示すように、マニホルドブロック932は、供給チャネル908の上方に位置付けられ、印刷ヘッド910のノズル912と整列されている。マニホルドブロックチャネル934は、マニホルドブロック932を通過して、供給チャネルに入る。ガスケット936は、開口部がチャネル934よりも広いマニホルドブロック932の上部の開口部に嵌合し、それによって、ガスケット936が印刷ヘッド910に向かって移動することを防止する。ガスケット936は、プラスチック又は合成ゴムなどの不活性の柔軟な材料で作製されてもよく、溶融した材料の漏れを防止するために、供給チャネル908を封止する。いくつかの実施形態では、ガスケットは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で作製される。固定ナット938は、例えば、ねじ付き嵌合によってマニホルドブロック932に固定され、ガスケット936を固定する。したがって、ガスケット936は、印刷ヘッド910及びノズル912に対して固定位置にある。封止針918は、固定ナット938の穴及びガスケット936を通過して、供給チャネル908に到達する。穴は、針がアクチュエータ916によって制御されるように通過し、移動することを可能にするような大きさであるが、溶融した材料の漏れを可能にするほど大きくはない。
【0158】
印刷モジュールは、材料を溶融するように構成された1つ以上のヒータを含む。ヒータは、材料、供給チャネル及び/又は印刷ヘッドを収容するバレルの周囲又は内部に配置され得る。図13Aは、デバイスの一部分の縦断面図を示し、図13Bは、平面「A-A」における装置の断面図を示し、図13Cは、デバイスの非断面図を示す。いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスのバレル1304を取り囲むヒータ1302を含む。ヒータ1302は、バレル1304内に収容された材料を加熱し溶融することができる。ヒータ1302は、例えば、バレル1304の外側を取り囲むコイルヒータであってもよい。いくつかの実施形態では、ヒータは、バレル内に配置される。バレル内に配置された材料は、最初にヒータによってバレル内で溶融され、ピストン1306によって、材料に圧力が印加される。次いで、溶融した材料は、バレル1304から供給チャネル1308に流れる。いくつかの実施形態では、供給チャネル1308内の材料が所望の温度のままであることを確実にするために、1つ以上のヒータを、供給チャネル1308の近位又は内部に配置することができる。図13B及び図13Cは、供給チャネル1308の2つの側面上に位置し、供給チャネル1308に隣接する、2つのヒータ1310a及び1310bを示す。いくつかの実施形態では、ヒータ1310a又はヒータ1310b又は両方は、供給チャネル1308の長さにわたって及び、又は供給チャネル1308のフランクの長さにわたって及ぶ。いくつかの実施形態では、供給チャネル1308に隣接する、又はその内部にある1つ以上のヒータは、加熱ロッドである。いくつかの実施形態では、供給チャネル1308に隣接する、又はその内部にある1つ以上のヒータは、供給チャネル1308を取り囲むコイルである。供給チャネル1308内で加熱するための1つ以上のヒータは、材料が溶融したままであり、所定の印加圧力下で適切な粘度を有することを確実にし、予測可能な流動を実現する。いくつかの実施形態では、デバイスの印刷ヘッド1312は、材料が溶融したままであり、ノズル1316内部に適切な粘度を有することを確実にする1つ以上のヒータ1314を含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上の温度センサを含み、この温度センサは、デバイス内部の1つ以上の位置に位置してもよく、デバイス内(例えば、バレル内、供給チャネル内、又は印刷ヘッド内)の材料の温度を測定することができる。図13A図13Cに示す実施形態は、供給チャネル1308に隣接する第1の温度センサ1318と、印刷ヘッド1312に隣接する第2温度センサ1320と、を含む。図では、供給チャネル1308に隣接する温度センサ1318は、供給チャネル1308の一方の側にあるが、温度センサ1318は、任意選択的に、供給チャネル1308の長さに沿った任意の場所に位置してもよい。温度センサ1318及び1つ以上のヒータ(例えば、1310a及び1310b)は、供給チャネル1308内で溶融した材料の閉ループフィードバックシステムとして機能してもよく、フィードバックシステムは、供給チャネル内の材料がほぼ一定の温度のままであることを確実にすることができる。例えば、温度センサ1318は、測定された温度をコンピュータシステムに送信することができ、コンピュータシステムは、1つ以上のヒータ1310a及び1310bを動作させて、ほぼ一定の温度を確実にすることができる。デバイスの印刷ヘッド1312内の温度センサ1320は、印刷ヘッド内の材料のほぼ一定温度を確実にするために、閉ループフィードバックシステムの印刷ヘッド内の1つ以上のヒータ1314と共に動作することができる。フィードバックシステムは、比例積分微分(PID)コントローラ、バングバングコントローラ、予測コントローラ、ファジー制御システム、エキスパートシステムコントローラ、又は任意の他の適切なアルゴリズムを使用することによって動作することができる。いくつかの実施形態では、デバイス内の1つ以上のヒータは、システム内の材料を、材料の溶融温度以上の温度に加熱する。いくつかの実施形態では、1つ以上のヒータは、材料を、約60℃以上、例えば、約70℃以上、約80℃以上、約100℃以上、約120℃以上、約150℃以上、約200℃以上、又は約250℃以上の温度に加熱する。いくつかの実施形態では、1つ以上のヒータは、材料を、約300℃以下、例えば、約260℃以下、約200℃以下、約150℃以下、約100℃以下、又は約80℃以下の温度に加熱する。いくつかの実施形態では、1つ以上のヒータは、デバイスの異なる位置で材料を異なる温度に加熱する。例えば、いくつかの実施形態では、材料は、バレル内部の第1の温度、供給チャネル内部の第2の温度、及び印刷ヘッド内部の第3の温度まで加熱され、それらの温度は、同じ温度又は異なる温度であってもよい。実施例として、材料は、バレル及び供給チャネルの内部で140℃まで加熱されてもよいが、印刷ヘッドの内部で160℃まで加熱されてもよい。フィードバック制御システムは、高精度の温度制御を可能にする。いくつかの実施形態では、温度は、標的温度の0.1℃以内、標的温度の0.2℃以内、標的温度の0.5℃以内、又は標的温度の1℃以内に制御される。
【0160】
図11は、本発明によるデバイスの別の実施例を示す。材料は、印刷モジュールのバレル1102内に装填され、圧力スクリュー(又はピストン)1104は、バレル1102内の材料に圧力を加えることができる。材料上の圧力を増加させるために、圧力コントローラ1106(例えば、ステッパモータ)は、第1の歯車1108を回転させ、第1の歯車1108は、圧力スクリュー1104に接続された第2の歯車1110を回転させる。バレル1102内の材料は、バレル1102を取り囲むヒータ1114によって加熱され得る。バレル1102の内部からの溶融した材料は、供給チャネル1116を通って、ノズル1120を含む印刷ヘッド1118に流れる。デバイスは、圧力センサ1130を含んでもよく、圧力センサ1130は、バレル1102、供給チャネル1116及び/又は印刷ヘッド1118内の材料の圧力を測定するように構成されている。圧力センサ1130は、測定された圧力をコンピュータシステムに伝達することができ、コンピュータシステムは、圧力コントローラ1108を動作して、圧力スクリュー1104を再配置し、バレル1102内の材料の圧力を制御することができる。これは、圧力センサ1130によって圧力の変化が測定され、コンピュータシステムが圧力コントローラを更に動作させるフィードバックシステムで動作させることができる。図11に示すデバイスは、制御スイッチを含む。制御スイッチは、バレル1102及びアクチュエータ1124と同じ軸に沿った、封止針1122を含む。封止針1122は、アクチュエータ1124に接続された上端部と、下部テーパ状端部(示されていない)と、を含む。アクチュエータ1124は、開位置(上昇)と閉位置(下降)との間で封止針1122を動作させる。封止針1122が閉位置にあるとき、封止針1122のテーパ状端部1122は、ノズル1120のテーパ状内側表面と係合して、ノズルを通る溶融した材料の流れを阻止する。印刷ヘッド1118は、フィードバックシステムで動作することができる、1つ以上のヒータ1126及び温度センサ1128を更に含んでもよい。
【0161】
いくつかの実施形態では、複数(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、又は6つ以上)の本発明によるデバイスを含む、付加製造システムが存在する。デバイスは各々、制御スイッチ(開位置及び閉位置で動作可能なテーパ状端部を有する封止針、及びノズルを含む)を備えた印刷モジュールを含む。独立したデバイス内の材料は、同じであってもよく、又は異なっていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、2つのデバイス及び2つの異なる材料(すなわち、第1の材料及び第2の材料)を含む。いくつかの実施形態では、システムは、3つのデバイス及び3つの異なる材料(すなわち、第1の材料、第2の材料、及び第3の材料)を含む。いくつかの実施形態では、システムは、4つのデバイス及び4つの異なる材料(すなわち、第1の材料、第2の材料、第3の材料、及び第4の材料)を含む。いくつかの実施形態では、システムは、5つのデバイス及び5つの異なる材料(すなわち、第1の材料、第2の材料、第3の材料、第4の材料、及び第5の材料)を含む。いくつかの実施形態では、システムは、6つのデバイス及び6つの異なる材料(すなわち、第1の材料、第2の材料、第3の材料、第4の材料、第5の材料、及び第6の材料)を含む。いくつかの実施形態では、付加製造システムは、第1の材料で充填された第1のデバイスと、第2の材料で充填された第2のデバイスとを含み、第1の材料は第2の材料とは異なる。3D印刷システム内の異なる印刷モジュールは、異なる材料を押し出して、多成分印刷製品、例えば、多成分医薬品剤形(医薬錠剤など)を形成することができる。印刷モジュールのうちの1つが活性である(すなわち、封止針が開位置にある)とき、デバイス内の他の印刷モジュールは、不活性である(すなわち、封止針は閉位置にある)。デバイスは、開位置又は閉位置のいずれかにおいて封止針の位置を調整することによって、活性印刷モジュール間で迅速に切り替えることができる。図12は、各々が別個の印刷ヘッド1202、1204又は1206を有する3つの印刷モジュールを含む、例示的なシステムの一部分を示す。印刷テーブル1208は、X軸、Y軸、及びZ軸上で移動可能である。材料は、製品1210(医薬錠剤など)を製造するために、正しい印刷ヘッドから押し出され得る。
【0162】
図3は、本発明の特定の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
【0163】
図3に示すように、3D印刷デバイス300は、制御モジュール505を更に含む。制御モジュール505は、1つ以上のPLCコントローラ、シングルチップマイクロコンピュータ、又は電子コンピュータから構成されてもよく、コンピュータ化されたユーザインターフェースを有する。制御モジュール505は、3D印刷デバイス300の供給モジュール501、溶融押出モジュール502、印刷モジュール503、プラットフォームモジュール504、一時的貯蔵モジュール507、及び混合モジュール508に通信可能に接続されており、ステータスパラメータに従って各モジュールの特定の動作を制御する。ステータスパラメータとしては、限定するものではないが、製品の数値モデル、初期材料の融点、ノズルにおける圧力、必要とされる製品の量、実際に得られた製品の量、製品の必要な組成、製品の必要な重量、製品の必要な水分、及び製品のコロニーの必要量が含まれる。これらのパラメータは、制御モジュール505の電子コンピュータのデジタル記憶装置に記憶されてもよく、又はコンピュータ化されたユーザインターフェース上のユーザによって、入力若しくは選択されてもよい。
【0164】
いくつかの実施形態では、3D印刷デバイス300は、前述のモジュール内に配置された複数の測定装置を更に含み、この測定装置は、リアルタイムで、前述のモジュールで監視されるいくつかの特定のステータスパラメータを取得するように構成されている。特定のステータスパラメータは、溶融物の温度、組成、圧力、重量、水分、及び形状を含み得る。いくつかの実施形態では、特定のステータスパラメータは、初期材料の重量、形状、水分、及び加熱温度などであってもよい。いくつかの実施形態では、特定のステータスパラメータは、印刷される必要がある製品の組成、圧力、重量、水分、及び形状などであってもよい。また、3D印刷デバイス300に含まれる測定装置は、温度センサ、組成センサ、圧力センサ、重量センサ、湿度センサなどであってもよい。
【0165】
いくつかの実施形態では、組成センサは、近赤外スペクトル分析器であってもよい。近赤外スペクトル分析器は、測定対象物に挿入することができるプローブを有する。近赤外スペクトル分析器は、プローブを通して物質の特定量の様々な成分を得ることができる。近赤外スペクトル分析器は、主に、溶融物などの流体の組成を測定するように構成されている。いくつかの実施形態では、近赤外スペクトル分析器は、粉末物質の組成を測定するためのプローブを更に有してもよく、プローブは、粉末材料の量及び水分などを測定するために初期材料に挿入されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、配置された水分センサは、代替的に、近赤外スペクトル分析器であってもよい。
【0166】
いくつかの実施形態では、図1に示す3D印刷デバイス100の測定装置は、カメラ及び別の撮像装置を更に含んでもよい。カメラ又は撮像装置は、供給モジュールによって溶融押出モジュール102に供給される初期材料の形状及びサイズ、並びに排出出口113における初期材料の排出速度などのパラメータをリアルタイムで測定するように、供給モジュール101を測定するように構成され得る。カメラ又は撮像装置は、供給モジュール101の下、又は排出出口113に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、カメラ又は撮像装置は、印刷モジュール103又はプラットフォームモジュール104を測定するように更に構成されてもよく、具体的には、放電速度及び放電の連続性などのノズル131の排出ステータスに関するステータスパラメータ、並びにプラットフォームモジュール104の堆積プラットフォーム141上に堆積された製品のステータスパラメータ(形状、サイズ、及び硬化速度など)のリアルタイム画像検知を実行するように構成されている。カメラ又は撮像装置は、印刷モジュール103又はプラットフォームモジュール104上に配置されてもよく、又は印刷モジュール103とプラットフォームモジュール104との間に配置されてもよい。具体的には、いくつかの実施形態では、カメラ又は撮像装置は、ノズル131と整列された位置に配置され、ノズル131に更に平面ミラーが配置されてもよい。平面ミラーが位置する平面と堆積プラットフォーム141が位置する平面との間にある特定の角度が存在する場合、これによって、堆積プラットフォーム141によって反射される光線を、カメラ又は撮像装置に反射する。カメラ又は撮像装置のこのような配設は、ノズル131及び堆積プラットフォーム141の両方における前述の特定のステータスパラメータを測定するための要件を満たすことができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、制御モジュール505に通信可能に接続された第1の温度センサ(図3には示されていない)は、溶融押出モジュールの処理チャンバ内に配置され、溶融押出モジュール502の処理チャンバ内の溶融物の温度を測定し、かつ第1の温度測定信号を制御モジュール505に送信するように構成されている。制御モジュール505は、第1の温度測定信号に従って溶融押出モジュール502の処理チャンバ内の溶融物の温度を決定し、温度が第1の所望の温度範囲内にあるかどうかを判断する。溶融押出モジュール502の処理チャンバ内の溶融物の温度は、処理チャンバ内の初期材料が十分に溶融されることを確実にするために、初期材料の融点よりもわずかに高くなければならない。実際的な動作中、第1の所望の温度範囲と、印刷される必要がある製品の構造及び組成との間、並びに第1の所望の温度範囲と、初期材料の種類との間に特定の関係がある。溶融押出モジュール502内の溶融物の温度が所望の範囲内にあるかどうかは、印刷処理中に溶融物の粘性流動性、接着性等を直接決定し、それにより、3D印刷の連続性及び精度に影響を及ぼす。制御モジュール505は、印刷される必要がある製品に従って、又はユーザインターフェース上でユーザが入力したステータスパラメータに従って、第1の所望の温度範囲を決定してもよい。
【0168】
いくつかの実施形態において、第1の温度測定信号が、溶融押出モジュール502の処理チャンバ内の溶融物の温度が第1の所望の温度範囲よりも低いことを示す場合、制御モジュール505は、溶融物の溶融押出モジュール502内に配置された1つ以上の処理チャンバ加熱装置の加熱力を上げることができる。溶融押出モジュール502は、初期材料を押し出し、及び剪断する処理中に内部熱を生成するため、いくつかの実施形態では、制御モジュール505は、代替的に、第1の温度測定信号に従って溶融押出モジュール502の押出力を制御することによって、溶融押出モジュール502の処理チャンバ内の溶融物の温度を調節してもよい。逆に、第1の温度測定信号が、処理チャンバ内の溶融物の温度が第1の所望の温度範囲よりも高いことを示す場合、制御モジュール505は、逆の動作を実行して、溶融押出モジュール502内に配置された1つ以上の処理チャンバ加熱装置の加熱を停止するか、又はそれらの加熱力を低減する。
【0169】
いくつかの実施形態では、第2温度センサ(図3には示されていない)は、印刷モジュール503内に更に配置され、印刷モジュール内の溶融物の温度を測定し、かつ第2の温度測定信号を制御モジュール505に送信するように構成される。制御モジュール505は、第2の温度測定信号に従って、第2の所望の温度範囲内で印刷モジュール503内の溶融物の温度を制御する。印刷モジュール503内の溶融物の温度は、最終的な印刷製品の形成の正確性及び連続性にとって非常に重要であり、一般に、溶融物の融点よりも高い値に設定される。第1の所望の温度範囲と同じく、第2の所望の温度範囲は、印刷される必要がある製品の構造及び組成、初期材料の種類などに関連する。制御モジュール505は、印刷される必要がある製品に従って、又はユーザインターフェース上でユーザが入力したステータスパラメータに従って、第2の所望の温度範囲を決定してもよい。
【0170】
いくつかの実施形態では、第2の温度測定信号が、印刷モジュール503内の溶融物の温度が第2の所望の温度範囲より低いことを示す場合、制御モジュール505は、溶融のために、印刷モジュール503の温度調節装置(図3には示されていない)の加熱力を上げることができる。温度調節装置の配設及び構造に関する詳細については、前述の3D印刷デバイスの印刷モジュールの温度調節装置134を参照する。第2の温度測定信号が、印刷モジュール503内の溶融物の温度が第2の所望の温度範囲よりも高いことを示す場合、制御モジュール505は、逆の動作を実行して、溶融物を加熱するための印刷モジュール503の温度調節装置を停止するか、又は温度調節装置の加熱力を低減する。いくつかの実施形態では、印刷モジュール503内の溶融物の温度は、温度調節装置を通じて低下させることができ、その結果、印刷モジュール503内の溶融物の温度は、初期材料の融点よりもわずかに高いままであり、より良好な製品印刷効果を得ることができる。
【0171】
いくつかの実施形態では、第3の温度センサ(図3には示されていない)は、一時的貯蔵モジュール507の貯蔵チャンバ内に更に配置され、一時的貯蔵モジュール507の貯蔵チャンバ内の溶融物の温度を測定し、かつ第3の温度測定信号を制御モジュール505に送信するように構成される。制御モジュール505は、第3の温度測定信号に従って、第3の所望の温度範囲内で、一時的貯蔵モジュール507の貯蔵チャンバ内の溶融物の温度を制御する。一時的貯蔵モジュール507の貯蔵チャンバ内の溶融物の温度は、貯蔵チャンバ内の初期材料の溶融ステータスを維持するために、溶融物の融点よりもわずかに高くなければならない。第1の所望の温度範囲と同じく、第3の所望の温度範囲は、印刷される必要がある製品の構造及び組成、初期材料の種類などに関連する。制御モジュール505は、印刷される必要がある製品に従って、又はユーザインターフェース上でユーザが入力したステータスパラメータに従って、第3の所望の温度範囲を決定してもよい。
【0172】
いくつかの実施形態では、第3の温度測定信号が、貯蔵チャンバ内の溶融物の温度が第3の所望の温度範囲より低いことを示す場合、制御モジュール505は、溶融のために一時的貯蔵モジュール507の貯蔵チャンバ内に配置された、貯蔵チャンバ加熱装置(図3には示されていない)の加熱力を上げることができる。一時的貯蔵モジュール507の貯蔵チャンバ内に配置された貯蔵チャンバ加熱装置は、図1又は図2に示す3D印刷デバイスの対応する構成要素と同じ構造を有する。第3の温度測定信号が、貯蔵チャンバ内の溶融物の温度が第3の所望の温度範囲よりも高いことを示す場合、制御モジュール505は、逆の動作を実行して、溶融物を加熱するための一時的貯蔵モジュール507の貯蔵チャンバ内の加熱装置を停止するか、又は加熱装置の加熱力を低減する。
【0173】
いくつかの実施形態では、第4の温度センサ(図3には示されていない)は、混合モジュール508の混合チャンバ内に更に配置され、混合モジュール508の混合チャンバ内の溶融物の温度を測定し、かつ第4の温度測定信号を制御モジュール505に送信するように構成される。制御モジュール505は、第4の温度測定信号に従って、第4の所望の温度範囲内で、混合モジュール508の混合チャンバ内の溶融物の温度を制御する。混合モジュール508の混合チャンバ内の溶融物の温度は、混合チャンバ内の溶融物の溶融ステータスを維持するために、溶融物の融点よりもわずかに高くなければならない。第1の所望の温度範囲と同じく、第4の所望の温度範囲は、印刷される必要がある製品の構造及び組成、初期材料の種類などに関連する。制御モジュール505は、印刷される必要がある製品に従って、又はユーザインターフェース上でユーザが入力したステータスパラメータに従って、第4の所望の温度範囲を決定してもよい。
【0174】
いくつかの実施形態では、第4の温度測定信号が、混合チャンバ内の溶融物の温度が第4の所望の温度範囲より低いことを示す場合、制御モジュール505は、溶融のために、混合モジュール508の混合チャンバ内に配置された混合チャンバ加熱装置(図3には示されていない)の加熱力を上げることができる。混合モジュール508の混合チャンバ内に配置された混合チャンバ加熱装置は、図1又は図2に示す3D印刷デバイスの対応する構成要素と同じ構造を有する。第4の温度測定信号が、混合チャンバ内の溶融物の温度が第4の所望の温度範囲よりも高いことを示す場合、制御モジュール505は、逆の動作を実行して、溶融物を加熱するための混合モジュール508の混合チャンバ内の加熱装置を停止するか、又は加熱装置の加熱力を低減する。
【0175】
再び図3に示すように、いくつかの実施形態では、制御モジュール505に通信可能に接続された第1の圧力センサ(図3には示されていない)は、印刷モジュール503内に配置され、印刷モジュール503内の溶融物の圧力を測定し、かつ第1の圧力測定信号を制御モジュール505に送信するように構成されている。制御モジュール505は、第1の圧力測定信号に従って、第1の所望の圧力範囲内で、印刷モジュール503内の溶融物の圧力を制御する。3D印刷デバイスの印刷モジュールから押し出される溶融物の圧力の大きさ及び圧力の安定性は、3D印刷の連続性及び精度に直接影響を及ぼす。第1の所望の温度範囲と同じく、第1の所望の圧力範囲は、印刷される必要がある製品の構造及び組成、初期材料の種類などに関連する。制御モジュール505は、印刷される必要がある製品に従って、又はユーザインターフェース上でユーザが入力したステータスパラメータに従って、第1の所望の圧力範囲を決定してもよい。いくつかの実施形態では、印刷モジュール503は、バレルと、バレルの下方に配置されるノズルとを有し、第1の圧力センサは、印刷モジュール503のバレル内に配置され、バレル内の溶融物の圧力を試験するように構成されている。いくつかの他の実施形態では、第1の圧力センサは、印刷モジュール503のノズル内に配置されて、印刷モジュールのノズルから押し出された溶融物の圧力を正確に測定する。いくつかの実施形態では、第1の圧力センサは、圧電圧力センサ、拡散シリコン圧力センサ、フォイルゲージ圧力センサなどである。いくつかの実施形態では、第1の圧力センサは、バレル内に配置されたフロート型レベルゲージであり、バレル内の溶融物の液体レベルは、バレル内の現在の溶融物の圧力を決定するために判断される。
【0176】
いくつかの実施形態では、第1の圧力測定信号によって示される印刷モジュール503のノズル又はバレル内の溶融物の圧力が、第1の所望の圧力範囲よりも低いとき、制御モジュール505は、3D印刷デバイス100内に配置された前述の圧力調節装置を使用することによって、印刷モジュール503のノズル又はバレル内の溶融物の圧力を上昇させることができる。第1の圧力測定信号が、ノズルにおける第1の圧力測定信号が第1の所望の圧力範囲よりも高いことを示すとき、制御モジュール505は、逆の動作を実行して、3D印刷デバイス100内に配置された圧力調節装置を使用することによって、印刷モジュール503のノズル又はバレル内の溶融物の圧力を低減することができる。
【0177】
再び図3に示すように、3D印刷デバイス300は、初期材料を受容し、かつ初期材料を溶融押出モジュール502に送信するように構成された供給モジュール701を更に含む。供給モジュール701によって受容される初期材料は、供給モジュール501によって受信された初期材料とは異なっていてもよい。例えば、供給モジュール501は、第1の初期材料を受容するが、供給モジュール701は、第2の初期材料を受容する。溶融押出モジュール502は、第1の初期材料及び第2の初期材料を押し出し加熱するように構成される。制御モジュール505に通信可能に接続された第1の組成検出器(図3には示されていない)は、3D印刷デバイス300の任意の位置に配置され(例えば、一時的貯蔵モジュール507の貯蔵チャンバ、混合モジュール508の混合チャンバ、又は印刷モジュール503内に配置され)、又はこれらのモジュール間の接続チャネル内に配置される。第1の組成検出器は、3D印刷デバイス300の任意の位置で、溶融物中の第1の初期材料及び第2の初期材料の組成比を測定し、かつ第1の組成測定信号を制御モジュール505に送信するように構成されている。第1の組成測定信号は、前述の近赤外スペクトル分析器であってもよい。制御モジュール505は、第1の組成測定信号に従って、3D印刷デバイス300の任意の位置で溶融物の組成を決定し、組成が第1の所望の組成範囲内にあるかどうかを判断する。3D印刷デバイスの溶融物の組成は、構造強度及び崩壊速度などの最終製品の物理的及び化学的特性に影響を及ぼす。一実施例として、医薬品の3D印刷を使用すると、溶融物の組成は、最終製品の活性成分の放出速度に影響を及ぼす可能性がある。前述の所望の温度範囲と同様に、第1の所望の組成範囲は、印刷される必要がある製品の物理的及び化学的特性、印刷される必要のある製品の強度に対する要件、印刷される必要がある製品の構造及び組成、初期材料の種類などに関連する。制御モジュール505は、印刷される必要がある製品に従って、又はユーザインターフェース上でユーザが入力したステータスパラメータに従って、第1の所望の組成範囲を決定してもよい。
【0178】
いくつかの実施形態では、第1の組成測定信号によって示される組成比が、第1の初期材料の比率がわずかに高いことを示す場合、制御モジュール505は、供給モジュール501及び供給モジュール701内に配置されたホッパー排出制御装置を制御することによって、第1の初期材料の排出速度を低減するか、又は第2の初期材料の排出速度を増加することができる。ホッパー排出制御装置の特定の構造は、図1又は図2に示される3D印刷デバイスの対応する構成要素の構造と同じである。第1の組成測定信号によって示される組成比が、第1の初期材料の比率がわずかに低いことを示す場合、制御モジュール505は、逆の動作を実行し、供給モジュール501及び供給モジュール701内に配置されたホッパー排出制御装置を制御することにより、第1の初期材料の排出速度を増加するか、又は第2の初期材料の排出速度を低減することができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、3D印刷デバイス300は、供給モジュール601及び溶融押出モジュール602を更に含み、供給モジュール601は、初期材料を受容し、かつ初期材料を溶融押出モジュール602に送信するように構成されている。供給モジュール601によって受容される初期材料は、供給モジュール501及び供給モジュール701によって受容されるものとは異なっていてもよい。このようにして、溶融押出モジュール502によって最終的に押し出される溶融物、及び溶融押出モジュール602によって押し出される溶融物は、例えば、それぞれ第1の溶融物及び第2の溶融物と異なっていてもよい。図3に示すように、第1の溶融物及び第2の溶融物は、混合のために混合モジュール508内にガイドされる。制御モジュール505に通信可能に接続された第2の組成検出器(図3には示されていない)は、混合モジュール508の混合チャンバの排出出口の後ろの3D印刷デバイス300の任意の位置に配置される。組成検出器は、混合チャンバの排出出口から押し出された混合溶融物中の第1の溶融物及び第2の溶融物を測定するだけでなく、その中に含まれる成分の比率を測定し、かつ第2の組成測定信号を制御モジュール505に送信するように構成される。制御モジュール505は、第2の組成測定信号に従って、溶融押出モジュール502の処理チャンバの排出出口からの溶融物の組成を決定し、組成が第2の所望の組成範囲内にあるかどうかを決定する。第1の所望の組成範囲と同じく、第2の所望の組成範囲は、印刷される必要がある製品の物理的及び化学的特性、印刷される必要のある製品の強度に対する要件、印刷される必要がある製品の構造及び組成、初期材料の種類などに関連する。制御モジュール505は、印刷される必要がある製品に従って、又はユーザインターフェース上でユーザが入力したステータスパラメータに従って、第2の所望の組成範囲を決定してもよい。
【0180】
いくつかの実施形態では、第2の組成測定信号によって示される組成比が、第1の溶融物の比率又は第1の溶融物に含まれる特定の成分の比がわずかに高いことを示す場合、制御モジュール505は、溶融押出モジュール502及び溶融押出モジュール602内に配置される溶融押出排出制御装置を制御することによって、第1の溶融物の排出速度を低減するか、又は第2の溶融物の排出速度を増加することができる。溶融排出制御装置の特定の構造は、図1又は図2に示される3D印刷デバイスの対応する構成要素の構造と同じである。第2の組成測定信号によって示される組成比が、第1の溶融物の比率又は第1の溶融物に含まれる特定の成分の比がわずかに低いことを示す場合、制御モジュール505は、逆の動作を実行して、溶融押出モジュール502及び溶融押出モジュール602に配置される溶融押出排出制御装置を制御することにより、第1の溶融物の排出速度を増加するか、又は第2の初期材料の排出速度を低減する。
【0181】
図3に示されるように、3D印刷デバイス300は、一時的貯蔵モジュール507を有し、一時的貯蔵モジュール507は、溶融押出モジュール502の排出出口から押し出された溶融物を貯蔵するように構成された貯蔵チャンバを有する。第1の体積センサ(図3には示されていない)が一時的貯蔵モジュール507の記憶チャンバ内に配置される場合、第1の体積センサは、一時的貯蔵モジュール507の貯蔵チャンバの残りの体積を測定し、かつ第1の体積測定信号を制御モジュール505に送信するように構成される。制御モジュール505は、貯蔵チャンバ内に貯蔵された材料が第1の体積測定信号に従って大きすぎる、又は少なすぎると決定し、それによって、例えば、過剰量の材料が貯蔵チャンバ内に貯蔵される場合に、3D印刷デバイス300内の溶融物の圧力に影響を及ぼし得る場合を回避する。いくつかの実施形態では、第1の体積センサは、一時的貯蔵モジュール507の貯蔵チャンバの供給入口に配置された流量計、及び一時的貯蔵モジュール507の貯蔵チャンバの排出出口に配置された流量計であってもよく、その結果、貯蔵チャンバの残りの体積は、インバウンド流量及びアウトバウンド流量をそれぞれ計算することによって決定される。流量計は各々、差圧式、ロータータイプ、又は体積流量計であってもよい。
【0182】
制御モジュール505は、第1の体積測定信号で示される貯蔵チャンバの残りの体積が小さすぎるとき、3D印刷デバイス300に配置された1つ以上の排出制御装置を制御することにより、対応する排出出口の排出速度を低減し、それによって、過剰な量の材料が貯蔵チャンバ内に貯蔵される場合を回避することができる。3D印刷デバイス300に配置された1つ以上の排出制御装置には、供給モジュール501のホッパー排出制御装置及び溶融押出モジュール502の溶融押出排出制御装置が含まれるが、これらに限定されない。排出制御装置の特定の構造は、図1又は図2に示される3D印刷デバイスの対応する構成要素の構造と同じである。制御モジュール505は、第1の体積測定信号で示される貯蔵チャンバの残りの体積が大きすぎるとき、3D印刷デバイス300に配置された1つ以上の排出制御装置を制御することにより、対応する排出出口の排出速度を増加し、それによって、デバイスの利用率を向上することができる。図4は、本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの斜視図を示す。図4に示すように、3D印刷デバイス400の印刷モジュール703は、複数のノズル731を含む。複数のノズル731は、アレイ状に分配され、各ノズル731から、処理チャンバの排出出口、混合チャンバの排出出口又は貯蔵チャンバの排出出口までの接続経路の長さは、同じであり、それによって、各ノズルが印刷処理中に等しい圧力を有することを確実にして、バッチ生産の要件が満たされる。あるいは、複数のノズルは、各ノズルから、処理チャンバ、混合チャンバ又は貯蔵チャンバの排出出口までの接続経路の長さが同じである別のレイアウト様式、例えば、円形配置又は扇形配置で配設されてもよい。3D印刷デバイス400の複数のノズル731は、約0.05mm~2mmの同じ内径を有し、ノズルは、鋼、真鍮、又はアルミニウム合金などの材料で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、3D印刷デバイス400の各ノズルの内径は、0.3mm、0.4mm、又は0.5mmであることが好ましい。
【0183】
いくつかの実施形態では、印刷モジュール703は、ホース(図4には示されていない)を介して、処理チャンバ、混合チャンバ、又は貯蔵チャンバに接続される。いくつかの実施形態では、互いに接続された3D印刷デバイスのすべてのモジュールは、ホースを介して接続され、前述の溶融物は、ホースを通って、溶融押出モジュールの処理チャンバから、一時的貯蔵モジュールの貯蔵チャンバ、混合モジュールの混合チャンバ、又は印刷モジュールのノズル内へと流れる。いくつかの実施形態では、モジュールが互いに接続されるホースの内径は、1mm~100mmである。いくつかの実施形態では、モジュールが互いに接続されたホースの内径は、好ましくは、4mmである。
【0184】
図5は、本発明の特定の実施形態による、印刷モジュール上の3D印刷デバイスのノズルの配置の概略図を示す。図5に示されるように、印刷モジュール703に接続された後、ホースは4つのノズル714に入り、4つのノズル714は、同じ円周上に位置し、かつ均等に分配される。このような設計により、プラットフォームモジュール上にノズルを噴霧することによって最終的に形成される製品は、水平方向及び垂直方向の両方できれいに配設されて、後続の包装及び切断処理を容易にすることができる。
【0185】
再び図4に示すように、3D印刷デバイス400は、プラットフォームモジュール704を更に含む。プラットフォームモジュール704は、複数の堆積プラットフォーム741、742及び743を含む。複数の堆積プラットフォームは、プラットフォーム駆動機構745上に配置される。図に示されるように、複数の堆積プラットフォーム741、742及び743は、ベルト接続様式でクローラ式駆動機構746上に配置されている。クローラ式駆動機構746は、水平駆動機構747上に配置され、水平駆動機構747と共に水平方向に移動することができる。クローラ式駆動機構746及び水平駆動機構747は、プラットフォーム駆動機構745を一緒に形成する。モータによって駆動されると、クローラ式駆動機構746は、堆積プラットフォーム741、742及び743を駆動して、図4に示すデカルト座標系のY軸に沿って移動させることができる。水平駆動機構747は、ステッパモータであり、堆積プラットフォーム741、742及び743を駆動して、図4に示すデカルト座標系のX軸に沿って移動させることができる。3D印刷デバイス400は、印刷モジュール駆動機構735を更に含む。図4に示すように、印刷モジュール駆動機構735は、ステッパモータであり、図4に示す印刷モジュール703のノズル731を駆動して、図4に示すデカルト座標系のZ軸を移動させることができる。印刷モジュール駆動機構及びプラットフォーム駆動機構の構造は、ノズル731が、堆積プラットフォームに対してデカルト座標系のX軸、Y軸、及びZ軸に沿って移動することを可能にする任意の組み合わせ形態であってもよいことに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、印刷モジュール駆動機構は、印刷モジュールのノズルを駆動して、デカルト座標系のX軸、Y軸、及びZ軸に沿って移動させる一方で、プラットフォームモジュール704は、製品印刷処理中に依然として維持される。図4に示す印刷モジュール駆動機構735及び水平駆動機構747はステッパモータであるが、別の方法としては、それらは他の送達機構、例えば、油圧式ピストンシリンダであってもよいことが理解され得る。
【0186】
3D印刷デバイス400は、製品収集モジュール(図4には示されていない)を更に含んでもよい。製品収集モジュールは、堆積プラットフォーム741、742及び743上に形成された最終製品を収集するように構成される。いくつかの実施形態では、製品収集モジュールは、堆積プラットフォーム741、742及び743上に形成された最終製品を、包装用に設計されたプラットフォーム又はコンベヤベルトに搬送するように構成された、スクレーパ又はマニピュレータであってもよい。いくつかの実施形態では、製品収集モジュールは、包装、敷設、及びヒートシール機能を有し、包装の下部層は、プラットフォームモジュール上に予め置かれ、製品は、包装上に直接印刷され、製品が最終的に印刷された後、製品収集モジュールは、包装の上部層を有する最終製品を直接被覆し、次いで、加圧及び熱可塑性シーリングを実行して、包装を仕上げる。包装は、アルミニウム箔、プラスチック膜などであってもよい。
【0187】
いくつかの実施形態では、3D印刷デバイス400は、自動搬送機構(図4には示されていない)を更に有し、自動搬送機構は、供給モジュールの供給入口に直接接続され、初期材料を供給入口に搬送する。いくつかの実施形態では、自動搬送機構は、ベルトコンベヤ、埋込み型スクレーパコンベヤ、振動コンベア、スクリューコンベヤなどであってもよい。いくつかの実施形態では、自動搬送機構は、代替的に、搬送された初期材料の重量を測定し、測定結果に従って初期材料の定量的搬送を制御するように構成された圧電センサを備えてもよい。3D印刷デバイス400の制御モジュールは、デバイスのステータスパラメータ又はユーザインターフェース上のユーザによる指示入力に従って、様々な初期材料の伝送速度を制御し、それによって生産効率を向上することができる。
【0188】
いくつかの実施形態では、3D印刷デバイス400は、検査モジュール(図4には示されていない)を更に含み、検査モジュールは、プラットフォームモジュール上に形成された最終製品の製品パラメータを測定するように構成されている。前述のように、最終製品の製品パラメータとしては、製品の量、製品の必要な組成、製品の必要な重量、製品の必要な水分、及び製品のバクテリアコロニーの必要な量が含まれるが、これらに限定されない。検査モジュールは、制御モジュールに通信可能に接続され、測定された製品パラメータを制御モジュールに送信する。制御モジュールは、製品パラメータが、既定の製品要件に従って、又はユーザによってユーザインターフェース上で入力された命令に従って、製品パラメータが最終製品要件を満たすかどうかを決定し、決定結果に従って、製品が適格であるかどうかを決定し、適格でないデバイスの動作を補正するための対応する測度を取る。
【0189】
いくつかの実施形態では、検査モジュールは、最終製品の組成が適格であるかどうかを測定するために、前述したような近赤外スペクトル分析器を含んでもよい。検査モジュールは、最終製品を撮影したり、又は最終製品上で光学検査を実行するためにカメラを更に含んでもよく、制御モジュールを介して標準的な要件と比較することにより、堆積プラットフォーム741、742及び743上に形成された最終製品のサイズ及び形状が標準に適合するかどうかを測定することができる。前述のように、近赤外スペクトル分析器は、代替的に、水分センサとして使用されてもよい。検査モジュールは、最終製品の重量を測定するために、圧電センサを更に含んでもよい。測定された製品パラメータは、制御モジュールに搬送され得、制御モジュールは、パラメータに基づいて、3D印刷デバイス400の動作を自動的に調節することができる。具体的な調節方法についての詳細については、制御モジュールのステータスパラメータを測定するための装置に対応する前述の調節装置、並びに加熱装置及び排出制御装置を含むがこれらに限定されない、3D印刷デバイス400内に配置される様々なモジュールを参照する。
【0190】
いくつかの実施形態では、3D印刷デバイス400は、自動スクリーニングモジュールを更に含み、自動スクリーニングモジュールは、堆積プラットフォーム741、742及び743上に形成された最終製品を選ぶように構成されている。いくつかの実施形態では、自動スクリーニングモジュールは、自動スクリーニングモジュール上に最終的に形成される製品の重量に基づいて、製品を異なる位置に搬送する、例えば、重量要件を満たしていない製品を、廃棄された製品が置かれる位置に搬送する圧電センサなどの高精度重量センサを有する。
【0191】
本発明の別の態様では、3D印刷方法が提供される。3D印刷方法は、材料を溶融及び加圧することと、ノズルの押出ポートを通じて材料を流すことであって、ノズルがテーパ状内側表面を含む、流すことと、ノズル内の、又はノズルに近い材料の圧力を監視することと、封止針のテーパ状端部が、ノズルのテーパ状内側表面と係合して、押出ポートを封止し、溶融した材料の流れを阻止し、封止針のテーパ状端部を抜去して、押出ポートを通じて材料の流れを再開させることと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、本発明によるデバイスを使用することによって実行される。いくつかの実施形態では、デバイスは複数のバレルを含み、各バレルは制御スイッチを備えている。方法は、第1のバレルから第1の材料を分配し、第2のバレルから第2の材料を分配することであって、第2の材料が第2のバレルから分配されるときに、第1のバレルの封止針が閉位置にあり、第1の材料が第1のバレルから分配されるときに、第2の材料供給システムの封止針が閉位置にある、分配することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、処理のためにバッチで実行される。いくつかの実施形態では、デバイス又はシステムは、バッチで動作するように制御される。「バッチで」という用語は、所定量の製品(医薬品剤形など)が製造される動作のモードを指す。いくつかの実施形態では、方法は、連続モードの動作で実行される。いくつかの実施形態では、デバイス又はシステムは、連続モードで動作する。「連続モード」という用語は、デバイス又はシステムが所定の期間で、又は所定量の単一の種類若しくは複数の種類の材料が使用されるまで動作する動作のモードを指す。
【0192】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第1の材料を溶融及び加圧することと、第1の材料を、テーパ状の内側表面を含む第1のノズルの第1の押出ポートを通じて流すことと、第1の封止針のテーパ状端部を第1のノズルのテーパ状内側表面と係合させて、第1の押出ポートを封止し、溶融した第1の材料の流れを阻止することと、第2の材料を溶融及び加圧することと、第2の材料が第2の押出ポートを通って流れるように、第2の封止針のテーパ状端部を第2のノズルのテーパ状内側表面から抜去することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、例えば、コンピュータシステムから製品を製造するための命令を受信することを含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、3D印刷法を使用することによって医薬品剤形(錠剤など)を製造する方法は、医薬品材料を溶融及び加圧する工程と、ノズル内又はノズルの近くの材料の圧力を監視する工程と、材料を、テーパ状の内側表面を含むノズルの押出ポートを通じて流す工程と、封止針のテーパ状端部が、ノズルのテーパ状内側表面と係合して、押出ポートを封止し、溶融した材料の流れを阻止し、封止針のテーパ状端部を抜去して、押出ポートを通じて材料の流れを再開させる工程と、を含む。いくつかの実施形態では、医薬品材料は薬物を含む。いくつかの実施形態では、方法は、本発明によるデバイスを使用することによって実行される。いくつかの実施形態では、デバイスは複数のバレルを含み、各バレルは制御スイッチを備えている。方法は、第1のバレルから第1の材料を分配し、第2のバレルから第2の材料を分配することを含んでもよく、第2の材料が第2のバレルから分配されるときに、第1のバレルの封止針が閉位置にあり、第1の材料が第1のバレルから分配されるときに、第2の供給モジュールの封止針が閉位置にある。いくつかの実施形態では、方法は、第1のノズル内又は第1のノズルの近くの第1の材料の圧力を監視すること、又は第2のノズル内若しくは第2のノズルの近くの第2の材料の圧力を監視することを更に含む。
【0194】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法を使用することによって医薬品剤形を製造する方法は、第1の医薬品材料を溶融及び加圧することと、第1の医薬品材料を、テーパ状の内側表面を含む第1のノズルの第1の押出ポートを通じて流すことと、第1の封止針のテーパ状端部を第1のノズルのテーパ状内側表面と係合させて、第1の押出ポートを封止し、溶融した第1の材料の流れを阻止することと、第2の医薬品材料を溶融及び加圧することと、第2の医薬品材料が第2の押出ポートを通って流れるように、第2の封止針のテーパ状端部を第2のノズルのテーパ状内側表面から抜去することと、を含む。いくつかの実施形態では、第1の医薬品材料又は第2の医薬品材料は、浸食性材料である。いくつかの実施形態では、第1の医薬品材料又は第2の医薬品材料は、薬物を含む。いくつかの実施形態では、方法は、例えば、コンピュータシステムから、医薬品剤形を製造するための命令を受信することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1のノズル内又は第1のノズルの近くの第1の材料の圧力を監視すること、又は第2のノズル内若しくは第2のノズルの近くの第2の材料の圧力を監視することを更に含む。
【0195】
図6は、本発明の別の実施形態による3D印刷デバイスの概略図を示す。
【0196】
図7A及び図7Bは各々、本発明の特定の実施形態による3D印刷デバイスを使用することによって印刷され得る、医薬製品のモデルを示す。
【0197】
以下に、図6図7A、及び図7Bを参照して、医薬品の3D印刷の分野における本発明による3D印刷デバイスの適用について説明する。以下の説明は単なる一実施例であり、特に前述の説明における3D印刷デバイスは、3D印刷デバイス、例えば、人工骨格、成形型、食品、及び工業設計を介して得られ得る任意の他の物品の印刷に適用可能であることを理解されたい。
【0198】
図6に示すように、3D印刷デバイス600は、複数の溶融押出モジュール961、962、963、964、965及び966、並びに複数のノズル951、952、953、954、955及び956を含む。複数の溶融押出モジュール及び複数のノズルの構造及び機能配設についての詳細については、図1及び図2に示される溶融押出モジュール及びノズルを参照する。3D印刷デバイス600は、複数の堆積プラットフォーム941、942、943、944、945及び946を更に含む。複数の堆積プラットフォームの構造及び機能配設についての詳細については、図1及び図2に示す堆積プラットフォームを参照する。3D印刷デバイス600の複数の溶融押出モジュールを通して押し出された溶融物は、複数の堆積プラットフォーム上に堆積される。堆積プラットフォーム941、942、943、944、945及び946は、複数のノズル951、952、953、954、955及び956を通過させて溶融物を受容し、全体で複数のノズルに対して周期的に動作するように駆動され得る。いくつかの実施形態では、複数の堆積プラットフォームは、複数のノズルのうちの1つ以上の間で往復運動を実行してもよく、その詳細な説明は、図7A及び図7Bを参照して後に与えられる。
【0199】
図6に示す3D印刷デバイス600は、複数のノズル951、952、953、954、955及び956を含み、ノズル951、952、953、954、955及び956は、代わりに単一のノズルであってもよく、又は特定の様式で配設された複数のノズルの組み合わせであってもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態では、3D印刷デバイス600は、複数のノズル951、952、953、954、955及び956にそれぞれ対応する複数の印刷モジュールを有し得る。加えて、図6には示されていないが、1つ以上の混合モジュール又は一時的貯蔵モジュールは、図6に示される3D印刷デバイス600の溶融押出モジュール961、962、963、964、965及び966と複数のノズル951、952、953、954、955及び956との間に更に配置されてもよい。混合モジュール(複数可)又は一時的貯蔵モジュール(複数可)の構造及び配設についての詳細については、図1及び図2を参照する。
【0200】
図7Aは、本発明の特定の実施形態による3D印刷デバイスを使用することによって印刷され得る、薬物990のモデルを示す。薬物990は、薬物シェル992及び薬物カーネル993を含む。シェル992は、腸溶性又は胃可溶性材料で作製されたカプセルであってもよい。カーネル993は、薬物の活性成分である。図7Bは、本発明の特定の実施形態による3D印刷デバイスを使用することによって印刷され得る、薬物991のモデルを示す。薬物991は、薬物シェル994及び995、並びに薬物カーネル996及び997を含む。シェル994及び995は、異なる溶解及び放出特性を有する腸溶性又は胃可溶性材料で作製されたカプセルであってもよい。カーネル996及び997は、薬物の異なる活性成分であってもよい。
【0201】
前述の薬物を印刷する処理では、制御モジュールはまず、図7A又は図7Bに示されるデジタル薬物モデル、組成、水分、及び重量などの薬物のステータスパラメータ、並びに最終製品のパラメータに対する要件を読み取る。次いで、制御モジュールは、供給モジュールを通して溶融押出モジュールを供給するために、前述したような自動搬送機構を制御する。図7Aに示される薬物モデルを一実施例として使用すると、溶融押出モジュール961は、腸溶性材料である初期材料を受容し、初期材料を押し出し加熱し、その結果、初期材料は、溶融物に変換され、溶融物は、ノズル951を通じて押し出される。溶融押出モジュール962は、薬物の活性成分の初期材料を受容し、初期材料を押し出し加熱するように構成され、その結果、初期材料は溶融物に変換され、溶融物は、ノズル952を通じて押し出される。プラットフォーム駆動機構は、堆積プラットフォーム941を駆動して、最初にノズル951の下の位置に移動させ、その結果、ノズル951と堆積プラットフォーム941との間の相対運動によって、薬剤シェル992の下半分の凹部が、堆積プラットフォーム941上に層別堆積されることによって最終的に形成される。次いで、プラットフォーム駆動機構は、堆積プラットフォーム941を駆動して、ノズル952の下の位置に移動させ、薬物カーネル993は、ノズル952と堆積プラットフォーム941との間の相対運動を通じて堆積プラットフォーム941上に層別堆積されることによって、薬物シェル992の下半分の凹部内に最終的に形成される。次いで、堆積プラットフォーム941は、ノズル951の下の位置に戻るように駆動され、その結果、薬物シェル992の上半分部分が、ノズル951と堆積プラットフォーム941との間の相対運動によって堆積プラットフォーム941上に層別堆積されることによって最終的に形成され、それによって、堆積プラットフォーム941は、最終的に図7Aに示される薬物モデルを形成する。いくつかの実施形態では、図6に示される溶融押出モジュール963は、溶融押出モジュール961と同じ初期材料を有してもよく、初期材料が溶融物に変換され、溶融物がノズル953を通って押し出されるように、初期材料を押し出し加熱する。したがって、薬物カーネル993を印刷した後、堆積プラットフォーム941は、ノズル953の下の位置に移動して、図7Aに示される薬物モデルの印刷を終了することができる。複数の堆積プラットフォーム941、942、943、944、945及び946は、ノズル951、952及び953の下方を通過して、図7Aに示される薬物モデルのパイプライン方式での印刷を終了し、それによって薬物印刷効率を効果的に改善し、大量生産要件を満たし得ることが理解されよう。特に、いくつかの実施形態では、堆積プラットフォーム941は、代替的に、ノズル951とノズル952との間で往復運動を実行して、図7Aに示される薬物モデルの印刷を完了してもよい。同様に、堆積プラットフォーム942は、ノズル952とノズル953との間で往復運動を実行して、図7Aに示される薬物モデルの印刷を完了してもよい。
【0202】
いくつかの実施形態では、層別印刷は、図7Aに示される薬物モデルに対して厳密に実行され得ることに留意されたい。3D印刷デバイス600は、図7Aに示される薬剤モデルを上部から下部に層別化し、プラットフォーム駆動機構を介して堆積プラットフォーム941を駆動して、最初にノズル951の下の位置に移動させてもよく、その結果、薬物シェル992のみを含む単一の層別部分が、ノズル951と堆積プラットフォーム941との間の相対運動によって、堆積プラットフォーム941上に層別堆積されることによって最終的に形成される。薬物シェル992及び薬物カーネル993の両方を含む単一の層を印刷するとき、3D印刷デバイス600は、プラットフォーム駆動機構を通じて、堆積プラットフォーム941にノズル951の下方の位置とノズル952の下方の位置との間で往復運動を実行させ、その結果、薬物シェル992及び薬物カーネル993の両方を含む単一の層は、ノズルと堆積プラットフォーム941との間の相対運動によって、堆積プラットフォーム941上に層別堆積されることによって最終的に形成される。
【0203】
図7Bに示される薬物モデルの印刷方法は、図7Aに示されるものと同様である。まず、薬物シェル994及び995の下半分の凹部が分配されてもよく、次いで、カーネル996及び997の薬物カーネル部分が分配され、最後に薬物シェル994及び995の上半分が分配される。いくつかの実施形態では、代替的に、図7Bに示される薬物モデルは、層別印刷を厳密に実行するために最初に層別化されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の異なる構成要素を含む薬物モデルは、複数の異なる溶融押出モジュール及び/又は印刷モジュールを使用することによって印刷され得る。図7Bに示すように、薬剤モデル994は、腸可溶性材料で作製されてもよく、カーネル997は、腸内で放出される必要がある活性成分であり、薬剤モデル995は、胃可溶性材料で作製され、カーネル996は、胃内に放出される必要がある活性成分である。したがって、図7Bに示される薬物モデルは、異なる臓器において異なる効率を有する放出を可能にし、図7Bに示す様々な特別な構造及び要件を有する医薬製品は、本明細書に開示される3D印刷デバイスを使用することによって、バッチで効率的かつ迅速に印刷され得る。
【0204】
本明細書に開示される3D印刷デバイスはまた、医薬品の連続製造(continuous manufacturing of pharmaceutical、CMP)要件を満たす。前述の制御モジュール、検査モジュール、及びステータスパラメータ測定装置を用いて、3D印刷デバイスは、リアルタイムで、組成、水分、重量及び形状などの印刷される必要がある薬物の最終製品又は中間製品の製品パラメータ又はステータスパラメータを監視することができ、前述の排出制御装置及び加熱装置などの構成要素を通じて、製品パラメータ又はステータスパラメータを調節し、それにより、医薬品のバッチ生産によってもたらされる多数の問題を回避し、生産効率を向上することができる。
【0205】
図8は、本発明の特定の実施形態による3D印刷方法のフローチャートを示す。
【0206】
本発明は、本明細書に開示される3D印刷デバイスを使用することによって、製品印刷のための3D印刷方法を更に開示する。以下に、図1図2及び図3を参照した3D印刷方法について詳細に説明する。本方法の特定の工程における特定の機能の実装に関する詳細については、本発明の前述の3D印刷デバイスの実施形態における特定の構成要素及び機能の配設を参照する。3D印刷方法は、3D印刷デバイス100の溶融押出モジュール102の処理チャンバ121に第1の初期材料を供給することと、第1の初期材料が第1の溶融物に変換され、第1の溶融物が処理チャンバ121の排出出口125から押し出されるように、処理チャンバ121内の第1の初期材料を加熱し押し出すことと、印刷モジュール103のノズル131を通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール104上に堆積されるように、処理チャンバ121の排出出口125において第1の溶融物をガイドすることと、を含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、供給モジュール101のホッパーを通して第1の初期材料を溶融押出モジュール102に供給することを更に含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、印刷モジュール103内の第1の溶融物の圧力を測定することと、測定された圧力に従って印刷モジュール103内の第1の溶融物の圧力を制御することと、を更に含む。
【0209】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、印刷モジュール103内の第1のハイブリッド溶融物の温度を測定することと、測定された温度に従って印刷モジュール103内の第1の溶融物の温度を調節することと、を更に含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、処理チャンバ121内の第1の溶融物の温度を測定することと、測定された温度に従って処理チャンバ121内の第1の溶融物の加熱力及び/又は押出力を制御することと、を更に含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、印刷モジュール103のノズル131を通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール104上に堆積されるように、処理チャンバ121の排出出口において第1の溶融物をガイドする工程は、具体的には、一時的貯蔵モジュール107の貯蔵チャンバ171に入るように、処理チャンバ121の排出出口125において第1の溶融物をガイドすることと、印刷モジュール103のノズル131を通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール104上に堆積されるように、貯蔵チャンバ171の排出出口において第1の溶融物をガイドすることと、を含む。
【0212】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、貯蔵チャンバ171内の第1の溶融物の温度を測定することと、測定された温度に従って貯蔵チャンバ171内の第1の溶融物の加熱力を制御することと、を更に含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、貯蔵チャンバ171の残りの体積を測定することと、貯蔵チャンバ171の残りの体積に従って処理チャンバ121の排出出口125における第1の溶融物の排出速度を制御することと、を更に含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、処理チャンバ121の排出出口125から押し出された第1の溶融物の少なくとも一部をガイドして、処理チャンバ121に戻るように流れさせることを更に含む。
【0215】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第2の供給モジュール401のホッパーを通して第2の溶融押出モジュール402の処理チャンバに第2の初期材料を供給することと、第2の初期材料が、第2の溶融物に変換され、第2の溶融物が、第2の溶融押出モジュールの処理チャンバの排出出口から押し出されるように、第2の溶融押出モジュール402の処理チャンバ内の第2の初期材料を加熱し押し出すことと、第1の溶融物及び第2の溶融物を、混合チャンバ308内で混合して、第1の混合溶融物を形成することと、印刷モジュール303のノズル331を通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール304上に堆積されるように、混合チャンバ308の排出出口において第1の混合溶融物をガイドすることと、を更に含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、混合チャンバ308の排出出口から押し出された第1の混合溶融物の組成を測定することと、第1の溶融押出モジュール302の処理チャンバの排出出口における第1の溶融物の排出速度、及び第2の溶融押出モジュール402の処理チャンバの排出出口における第2の溶融物の排出速度を、第1の混合溶融物の測定された組成に従ってそれぞれ制御することと、を更に含む。
【0217】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、混合チャンバ308内の第1の混合溶融物の温度を測定することと、測定された温度に従って混合チャンバ308内の第1の混合溶融物の加熱力を制御することと、を更に含む。
【0218】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第2の供給モジュール201のホッパー211を通じて、第2の初期材料を第1の溶融押出モジュール102の処理チャンバ121に供給することと、処理チャンバ121内の第1の初期材料及び第2の初期材料を加熱し押し出して、その結果、それらが第1の溶融物に変換されることと、を更に含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、3D印刷デバイス100の任意の位置で第1の溶融物の組成を測定することと、第1の溶融物の測定された組成に従って、第1の供給モジュール101の排出出口における第1の初期材料の放出速度、及び第2の供給モジュール102の排出出口における第2の初期材料の放出速度をそれぞれ制御することと、を更に含む。
【0220】
図6に示すように、いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、第2の供給モジュール(図6には示されていない)のホッパーを通じて、第2の初期材料を第2の溶融押出モジュール962の処理チャンバに供給することと、第2の初期材料が、第2の溶融物に変換され、第2の溶融物が、第2の溶融押出モジュール962の処理チャンバの排出出口から押し出されるように、第2の溶融押出モジュール962の処理チャンバ内の第2の初期材料を加熱し押し出すことと、印刷モジュールの第2のノズル952を通じて押し出され、かつプラットフォームモジュール941上に堆積されるように、第2の溶融押出モジュール962の処理チャンバの排出出口において第2の溶融物をガイドすることと、第1のノズル951の下方の位置と第2のノズル952の下方の位置との間で移動するように、堆積プラットフォーム941を駆動することと、を更に含む。
【0221】
図4に示すように、いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、プラットフォームモジュールに対して移動するように、印刷モジュールのノズル731を駆動することを更に含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、プラットフォームモジュールに対して、図4に示すZ軸に沿って移動するように、印刷モジュールのノズル731を駆動することを更に含む。
【0223】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、印刷モジュールのノズル731に対して移動するように、プラットフォームモジュールの第1の堆積プラットフォーム741を駆動することを更に含み、第1の堆積プラットフォーム741は、ノズル731を通じて押し出された第1の溶融物を受容するように構成されている。
【0224】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、ノズル731に対して、図4に示すX軸及び/又はY軸に沿って移動するように、堆積プラットフォーム741を駆動することを更に含む。
【0225】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、プラットフォームモジュール104上に形成された最終製品を収集することを更に含む。
【0226】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、プラットフォームモジュール104上に形成された最終製品の製品パラメータを測定することを更に含む。
【0227】
本発明のいくつかの実施形態では、3D印刷方法は、プラットフォームモジュール104上に形成された最終製品を選ぶことを更に含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、自動搬送モジュールを通じて、第1の初期材料を供給モジュール101に搬送することを更に含む。
【0229】
いくつかの実施形態では、3D印刷方法は、特に、医薬品の連続生産、個別生産、及びバッチ製造などのシナリオで、熱可塑性材料の分配に使用され得る。
【0230】
3D印刷デバイスのいくつかのモジュール又はサブモジュールは、前述の詳細な説明において詳細に言及されているが、このような分割は単なる実施例であるが、必須ではないことに留意されたい。実際に、本出願の実施形態による前述のモジュールのうちの2つ以上の特徴及び機能は、特定の実装中に1つのモジュールに統合されてもよい。逆に、前述のモジュール内の1つのモジュールの特徴及び機能は、特定の実装中に複数のモジュールに更に分割されてもよい。
【0231】
当業者は、本明細書、開示される内容、添付図面、及び添付の特許請求の範囲を検討することによって、開示される実施形態に対する他の変形例を理解し、実施することができる。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という用語は、他の要素及び工程を除外せず、「1つの(one)」及び「1つの(a)」という用語は、複数を除外しない。本出願の実用的な適用中、1つの予備部品は、特許請求の範囲に引用された複数の技術的特徴を統合する機能を実行してもよい。添付図面の参照符号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0232】
上述は、添付図面を参照した本出願の様々な実施形態の例示的な説明である。当業者であれば、本明細書に開示される内容と組み合わせて、様々な実施形態に開示される3D印刷デバイスの様々な構成要素は、本発明の趣旨から逸脱することなく、実際の必要性に従って適切に調節又は再組み合わされ得ることを容易に認識することができる。本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に供されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C