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特許7514557電気外科装置のインターフェイスジョイント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】電気外科装置のインターフェイスジョイント
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240704BHJP
   A61B 18/18 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B18/18 100
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022190333
(22)【出願日】2022-11-29
(62)【分割の表示】P 2020504346の分割
【原出願日】2018-08-15
(65)【公開番号】P2023027138
(43)【公開日】2023-03-01
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】1713173.1
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512008495
【氏名又は名称】クレオ・メディカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CREO MEDICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンコック,クリストファー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】モニコ,ローハン
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンズ,ヒュー
(72)【発明者】
【氏名】クレイブン,トム
(72)【発明者】
【氏名】モリス,スティーブ
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-500958(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0269862(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/00―18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気外科発電機と電気外科器具を相互接続するためのインターフェイスジョイントであって、
電気絶縁材料で作られたハウジングであって、
前記電気外科発電機から高周波(RF)電磁(EM)エネルギー及び/またはマイクロ波周波数EMエネルギーを受け入れるための第1の入口、
流体を受け入れるための第2の入口、及び
出口
を含む前記ハウジング、
前記ハウジングを前記電気外科器具に接続するための可撓性シャフトであって、前記出口を通って延び、その中に長手方向の通路を有し、前記第2の入口と流体連通する流体流路を備え、前記第1の入口に接続されている同軸伝送線を搬送する、前記可撓性シャフト、
流体送達構造部の展開を制御するために前記電気外科器具に動作可能に接続された作動機構であって、
前記出口から前記ハウジングの外に延びる作動ロッド、
前記ハウジングに旋回可能に取り付けられたアクチュエータアームであって、前記ハウジングから突出する第1の部分と、前記作動ロッドに動作可能に接続された第2の部分とを有する前記アクチュエータアーム
を備える前記作動機構
を備える、前記インターフェイスジョイント。
【請求項2】
前記作動機構は、前記ハウジングに対して相互に摺動可能に取り付けられた誘導要素を備え、前記誘導要素は、前記作動ロッドの近位端に接続され、前記アクチュエータアームの前記第2の部分は、駆動アームによって前記誘導要素に接続されている、請求項1に記載のインターフェイスジョイント。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記可撓性シャフトが前記出口を通る方向と位置合わせする長手方向にのみ前記誘導要素を移動可能に拘束するトラックを備える、請求項2に記載のインターフェイスジョイント。
【請求項4】
前記アクチュエータアームが旋回点で前記ハウジングに接続され、前記第2の部分が前記第1の部分よりも前記旋回点から遠い、請求項1から3のいずれか1項に記載のインターフェイスジョイント。
【請求項5】
前記ハウジングが、前記第2の入口と前記出口との間に流体流路を提供する内部水密分岐導管を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のインターフェイスジョイント。
【請求項6】
前記分岐導管は、同軸ケーブルを受け入れるための前記第1の入口に隣接する第1のポートを有する、請求項5に記載のインターフェイスジョイント。
【請求項7】
前記第1のポートは、前記同軸ケーブル用の水密通路を画定するプラグを備える、請求項6に記載のインターフェイスジョイント。
【請求項8】
前記分岐導管が、前記作動ロッドを受け入れるための前記作動機構に隣接する第2のポートを画定する、請求項6または7に記載のインターフェイスジョイント。
【請求項9】
前記第2のポートは、前記作動ロッドのための水密通路を画定するプラグを備える、請求項8に記載のインターフェイスジョイント。
【請求項10】
前記第1の入口に回転可能に取り付けられたコネクタを有し、前記コネクタが同軸ケーブルに接続するように配置されている、請求項1から9のいずれか1項に記載のインターフェイスジョイント。
【請求項11】
前記コネクタは、前記ハウジングに固定されたベアリングユニット内に取り付けられている、請求項10に記載のインターフェイスジョイント。
【請求項12】
前記作動ロッドの遠位端は、前記可撓性シャフトを通る前記流体流路と流体連通する内部容積部を有する針フェルールの近位端に接続され、針が前記針フェルールの遠位端に取り付けられ、前記針は前記内部容積部と流体連通している、請求項1から11のいずれか1項に記載のインターフェイスジョイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具チャネルの遠位端を越えて位置する生体組織を治療するために、外科用スコープデバイスの器具チャネルを通して電気外科器具が挿入される電気外科装置に関する。特に、本発明は、外科用スコープデバイスの外側に配置され、電気外科器具をマニピュレートまたは他の方法で操作するために使用される制御デバイス、例えばハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
外科的切除は、人間または動物の体内から臓器の一部を切除する手段である。そのような器官は高度に血管性であり得る。組織が切断(分割または切除)されると、細動脈と呼ばれる小さな血管が損傷または破裂する。最初の出血の後に、出血点を塞ぐために血液が血餅に変わる凝固カスケードが続く。手術中、患者ができるだけ少ない血液を失うことが望ましいため、無血切断を成すためにさまざまなデバイスが開発されてきた。内視鏡手術の場合、出血が発生し、できるだけ早く、または適切な方法で対処されないことも望ましくない。これは、血流が操作者の視界を覆い、終了させる必要のある処置、及び、例えば開腹手術を代わりに使用する別の方法に至る可能性があるためである。
【0003】
電気外科発電機は、病院の手術室全体に亘るものであり、開腹手術や腹腔鏡手術で使用され、また内視鏡検査室にいっそう存在するようになってきている。内視鏡手術では、通常、電気外科用付属品は内視鏡内部の内腔を通して挿入される。腹腔鏡手術の同等のアクセスチャネルと比較して、このような内腔は、ボアが比較的狭く、長さが長くなっている。肥満患者の場合、外科用付属品の長さはハンドルからRFチップまで300mmであるが、腹腔鏡の場合の同等の距離は2500mmを超える場合がある。
【0004】
鋭い刃の代わりに、無線周波数(RF)エネルギーを使用して生体組織を切断することが知られている。RFエネルギーを使用して切断する方法は、電流が組織マトリックスを通るときに(細胞のイオン成分と細胞間電解質により補助される)、組織を横切る電子の流れに対するインピーダンスが熱を発生させるという原理を使用して動作する。RF電圧が組織マトリックスに印加されると、細胞内で十分な熱が生成され、組織の水分が蒸発する。この乾燥が増加する結果として、特に、組織を通る電流経路全体の中で最も高い電流密度を有する器具(本明細書ではRFブレードと呼ぶ)のRF放射領域に隣接して、RFブレードの切断極に隣接する組織は、ブレードとの直接の接触を失う。そのとき、印加された電圧がこのボイドのほぼ全体に現れ、結果としてイオン化し、プラズマを形成し、プラズマは組織と比較して非常に高い体積抵抗率を備える。この分化は、RFブレードの切断極と組織の間の電気回路を完成させるプラズマに印加されたエネルギーを集中させるため、重要である。十分にゆっくりとプラズマに入る揮発性物質が気化し、そのため、組織を解剖するプラズマが知覚される。
【0005】
GB 2 523 246は、生体組織にRF電磁エネルギー及び/またはマイクロ波周波数EMエネルギーを印加するための電気外科器具について説明している。器具は、外科用スコープデバイスの器具チャネルを通して挿入可能なシャフトを備える。シャフトの遠位端には、その反対面に第1及び第2の導電層を有する第1の誘電材料のシートから形成された平担な伝送線を含む器具先端がある。平担な伝送線は、シャフトによって搬送される同軸ケーブルに接続される。同軸ケーブルは、マイクロ波またはRFエネルギーを平担な伝送線に供給するように配置されている。同軸ケーブルは、内部導体、内部導体と同軸の外部導体、及び外部導体と内部導体を分離する第2の誘電体を備え、内部導体と外部導体は、接続インターフェイスで第2の誘電体を超えて延びて伝送線の反対側の表面に重
なり、第1の導電層及び第2の導電層とそれぞれ電気的に接触する。器具はさらに、平担な伝送線とは反対側を向く滑らかな輪郭の凸状下面を備えた保護外殻を備える。下面は、その中に形成された長手方向に延びる凹んだ溝を備える。引き込み可能な針が器具内部に取り付けられており、器具の遠位端から突出するように凹んだチャネルを通って延びるように動作可能である。針を使用して、RFまたはマイクロ波エネルギーが印加される前に、流体を治療ゾーンに注入できる。
【0006】
GB 2 523 246は、シャフトの近位端にある手持ち式インターフェイスジョイントをさらに開示している。そのインターフェイスジョイントは、シャフトに、(i)流体の供給、(ii)針移動機構、及び(iii)エネルギーフィード(同軸ケーブルなど)のすべてを一体化する。インターフェイスジョイントには、引き込み可能な針を操作するためのスライダ機構が含まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
最も一般的には、本発明は、改良版針作動機構または一体化されたシャフト回転機構の一方または両方を備えたインターフェイスジョイントを提供する。一体化されたシャフト回転機構を設けると、別個のトルク伝達ユニットが不要になり得る。改良版針作動機構は、所与の作動距離に対してより長い針の延長距離を達成できるように、旋回式の接続を使用してもよい。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、電気外科発電機と電気外科器具を相互接続するためのインターフェイスジョイントであって、電気絶縁材料で作られたハウジングであって、電気外科発電機から無線周波数(RF)電磁(EM)エネルギー及び/またはマイクロ波周波数EMエネルギーを受け入れるための第1の入口、流体を受け入れるための第2の入口、及び出口を含むハウジング、ハウジングを電気外科器具に接続するための可撓性シャフトであって、出口を通って延び、その中に長手方向の通路を有し、第2の入口と流体連通する流体流路を備え、第1の入口に接続されている同軸伝送線を搬送する、可撓性シャフト、流体送達構造部の展開を制御するために電気外科器具に動作可能に接続された作動機構であって、出口からハウジングの外に延びる作動ロッド、ハウジングに移動可能に取り付けられ、作動ロッドに接続されたアクチュエータを備える作動機構、及びハウジングに対して可撓性シャフトを回転させるためのシャフト回転機構であって、ハウジングに回転可能に取り付けられ、可撓性シャフトに動作可能に結合された回転アクチュエータを備えるシャフト回転機構を備える、インターフェイスジョイントが提供される。この態様では、インターフェイスジョイントは、電気外科器具の流体の供給と電力供給を組み合わせるだけでなく、線形作動機構(例えば、器具内に流体送達構造部を展開する)と、シャフト、したがって器具の回転を駆動し得る回転作動機構との両方を備える。
【0009】
電気外科発電機は、生体組織の治療のためにRF EMエネルギーまたはマイクロ波周波数EMエネルギーを送達できる任意のデバイスであり得る。例えば、WO 2012/076844に記載されている発電機を使用してもよい。
【0010】
電気外科器具は、使用中に生体組織の治療のためにRF EMエネルギーまたはマイクロ波周波数EMエネルギーを使用するように配置された任意のデバイスであり得る。電気外科器具は、切除、凝固、及びアブレーションのいずれかまたはすべてのためにRF EMエネルギー及び/またはマイクロ波周波数EMエネルギーを使用してもよい。例えば、器具は、WO2015/101787に開示されているような切除装置であり得るが、代替的に、一対のマイクロ波鉗子、マイクロ波エネルギーを放射及び/またはRFエネルギーを結合するスネア、及びアルゴンビーム凝固器のいずれかであり得る。
【0011】
ハウジングは、操作者に二重の隔離バリアを設けられる。つまり、ハウジングは、さまざまな入力が、単一のケーブルアセンブリを設ける場合がある可撓性シャフトに組み込まれる分岐通路(隔離の第2レベル)を封入する外側ケース(隔離の第1レベル)を含み得る。分岐通路は、第2の入口と出口との間の流体流路を画定し、同軸ケーブルを受け入れるための第1の入口に隣接する第1のポートを有する水密容積部を設けることができる。作動ロッドは、同構造物を通って延びてもよい、すなわち、分岐導管は、作動ロッドを受け入れるための作動機構に隣接する第2のポートを有してもよい。作動ロッドは、例えば同軸伝送線に沿って、可撓性シャフトの長手方向の通路を通して搬送されてもよい。
【0012】
使用中、インターフェイスジョイントは、器具での治療のための流体が導入される場所であり得る。インターフェイスジョイントの操作者は、例えばシリンジまたは第2の入口に取り付けられた他の流体導入機構を介して、流体の導入を制御することができる。作動機構は、ハウジングに取り付けられたスライダ要素を備えてもよく、スライダ要素は、出口を通ってハウジングの外に延びる作動ロッドに取り付けられている。他の種類の作動機構、例えば、以下で論じられる旋回機構、または回転ホイールによって作動するラック型機構も使用され得る。流体送達構造部は、電気外科器具(すなわち、可撓性シャフトの遠位端)に引き込み可能な針を備えてもよい。引き込み可能な針は、作動ロッドを前後に摺動させることにより、可撓性シャフトにある流体流路との流体連通部に出入りするように切り替え可能であってもよい。例えば、作動ロッドの遠位端は、可撓性シャフトを通る流体流路と流体連通する内部容積部を有する針フェルールの近位端に接続されてもよい。針は、針フェルールの遠位端に取り付けられ、内部容積部と流体連通するように配置されてもよい。
【0013】
回転アクチュエータは、ハウジングの遠位部分の周りに取り付けられたカラーを備えてもよい。回転アクチュエータは、可撓性シャフトが出口を通る方向で位置合わせした軸の周りで、ハウジングに対して回転可能である。回転アクチュエータ及びハウジングは、使用者にフィードバックを提供するように配置された相互係合要素を備えていてもよい。例えば、回転アクチュエータは、回転するとクリック音を出す場合がある。中心の位置からの回転量が増加すると、クリックの頻度または音量が増加する場合がある。
【0014】
回転アクチュエータは、流体流路を形成する1つまたは複数の要素と一体化されてもよい。例えば、ハウジングは、第2の入口と出口との間に流体流路を設ける内部水密分岐導管を含んでもよい。分岐導管は、ハウジングに固定された主導管と、主導管の遠位端に回転可能に取り付けられた回転ルアーロック継手とを備えてもよい。可撓性シャフトは、回転ルアーロック継手に回転不能に結合(例えば、接着または他の方法で固定)されてもよいが、一方で回転アクチュエータは、主導管に対して回転ルアーロック継手を回転させるように接続される。
【0015】
本発明の第2の態様は、電気外科発電機と電気外科器具とを相互接続するためのインターフェイスジョイントであって、電気絶縁材料で作られたハウジングであって、電気外科発電機から高周波(RF)電磁(EM)エネルギー及び/またはマイクロ波周波数EMエネルギーを受け入れるための第1の入口、流体を受け入れるための第2の入口、及び出口を含むハウジング、ハウジングを電気外科器具に接続するための可撓性シャフトであって、出口を通って延び、その中に長手方向の通路を有し、第2の入口と流体連通する流体流路を備え、第1の入口に接続されている同軸伝送線を搬送する、可撓性シャフト、流体送達構造部の展開を制御するために電気外科器具に動作可能に接続された作動機構であって、出口からハウジングの外に延びる作動ロッド、ハウジングに旋回可能に取り付けられたアクチュエータアームであって、ハウジングから突出する第1の部分と、作動ロッドに動作可能に接続された第2の部分とを有するアクチュエータアームを備える作動機構を備える、インターフェイスジョイントを提供する。第1の態様のいずれかの特徴を第2の態様
と組み合わせることができる。言い換えれば、第2の態様の作動機構は、シャフト回転機構を有するインターフェイスジョイントに組み込まれてもよい。
【0016】
作動機構は、ハウジングに対して相互に摺動可能に取り付けられた誘導要素を備えてもよい。誘導要素は、作動ロッドの近位端に接続されてもよく、アクチュエータアームの第2の部分は、駆動アームによって誘導要素に接続されてもよい。誘導要素、駆動アーム、及びアクチュエータアームは、旋回運動を長手方向の運動に変換する関節構造を形成してもよい。ハウジングは、誘導要素を長手方向にのみ移動可能に拘束するために、その中に一体的に形成されたトラックを備えてもよい。長手方向は、可撓性シャフトが出口を通る方向と位置合わせできる。
【0017】
アクチュエータアームは、旋回点でハウジングに接続されてもよく、第2の部分は、第1の部分よりも旋回点から遠い。これにより、デバイスは、作動アームが移動する距離よりも長い距離にわたって作動ロッドを駆動できるようになり得る。言い換えれば、使用者の指の所定の動きは、流体送達構造部におけるより長い動きに変換することができる。
【0018】
説明したように、ハウジングは、第2の入口と出口の間に流体流路を設ける内部水密分岐導管を含む。分岐導管は、同軸ケーブルを受け入れるための第1の入口に隣接する第1のポートと、作動ロッドを受け入れるための作動機構に隣接する第2のポートとを有してもよい。第1のポートと第2のポートの両方は、それぞれ同軸ケーブル及び作動ロッドのための水密通路を画定するプラグまたはシーリング栓を備えてもよい。各プラグは、弾性の変形可能な材料、例えばシリコーンゴムから形成されてもよく、それにより、同軸ケーブル及びプッシュロッドは、これを通るときに材料に封入される。この方法で第1のポートと第2のポートをシールするということは、インターフェイスジョイントから出る流体の唯一のルートが、可撓性シャフトの流体流路に沿った出口を通るということを意味する。
【0019】
上述の態様のいずれにおいても、コネクタ(例えば、QMAコネクタ)を第1の入口に回転可能に取り付けることができ、この場合コネクタは、電気外科発電機からの同軸ケーブルに接続するように配置されている。一例では、コネクタは、ハウジングに固定されたベアリングユニット内に取り付けられてもよい。コネクタは、外輪がハウジングに固定された状態で、ボールベアリングの内輪に固定され得る。これにより、コネクタがハウジングに対して自由に回転できるようになり得る。
【0020】
内視鏡の器具チャネルの遠位端での器具の操作を容易にするために、可撓性シースには、トルクの伝達を補助する、すなわちケーブルアセンブリの近位端でのねじれ運動を、ケーブルアセンブリの遠位端に伝達するのを補助するための長手方向の編組が設けられてもよい。それにおいて、器具がケーブルアセンブリに取り付けられているため、器具の二重回転を発生させる可能性がある。可撓性シースは、内側の管と外側の管を備えることができ、それらは、間に金属被覆された編組の管と一緒に結合される、さもなければ取り付けられる。編組のピッチは、ケーブルアセンブリの全長に沿って可変であってもよい。例えば、柔軟性が重要である領域、例えばケーブルの遠位部分でより広いピッチを有することが有用である場合がある。金属被覆された編組が器具のRF場またはマイクロ波場に干渉することを防ぐために、編組が存在しない可撓性シースの遠位部分を設けてもよい。遠位部分は、別個に製造され、編組部分に取り付けてもよい(例えば、接着または溶接)。
【0021】
ハウジングは、出口に取り付けられ、可撓性シャフトを取り囲む張力緩和要素をさらに備えてもよい。張力緩和要素の機能は、この位置でのスリーブの動きを制限して、内部コンポーネントを損傷する可能性のある過剰な屈曲を防ぐことである。
【0022】
本明細書では、「外科用スコープデバイス」という用語は、侵襲的な処置の間に患者の体内に導入される剛性または可撓性の(例えば操縦可能な)導管である挿入管を備えた任意の外科デバイスを意味するべく使用され得る。挿入管は、器具チャネル及び光学チャネルを含んでもよい(例えば、挿入管の遠位端の治療部位の画像を照らす及び/またはキャプチャするために光を送信するため)。器具チャネルは、侵襲性外科器具を受け入れるのに適した直径を有してもよい。器具チャネルの直径は5mm以下であってよい。
【0023】
本明細書において、「内側」という用語は、器具チャネル及び/または同軸ケーブルの中心(例えば、軸)に、半径方向においてより近いことを意味する。「外側」という用語は、器具チャネル及び/または同軸ケーブルの中心(軸)から半径方向において遠いことを意味する。
【0024】
本明細書では、「導電性」という用語は、文脈が別段に指示しない限り、電気の伝導性を意味するために使用される。
【0025】
本明細書において、「近位」及び「遠位」という用語は、細長いプローブの端部を指す。使用中、近位端はRF及び/またはマイクロ波エネルギーを提供するために発電機により近く、遠位端は発電機からより遠くにある。
【0026】
本明細書では、「マイクロ波」は、400MHz~100GHzの周波数の範囲を示すために広く使用され得るが、1GHz~60GHzの範囲が好ましい。考慮されている特定の周波数は、915MHz、2.45GHz、3.3GHz、5.8GHz、10GHz、14.5GHz及び24GHzである。対照的に、本明細書では、「無線周波数」または「RF」を使用して、例えば最大300MHz、好ましくは10kHz~1MHz、最も好ましくは400kHzなど、少なくとも3桁低い大きさの周波数の範囲を示す。
【0027】
本明細書で論じられる電気外科器具は、無線周波数(RF)電磁(EM)エネルギー及び/またはマイクロ波EMエネルギーを生体組織に送達することが可能であり得る。特に、電気外科器具は、組織を切断するための無線周波数(RF)エネルギー及び/または止血のためのマイクロ波周波数エネルギー(すなわち、血液凝固を促進することにより、破裂した血管を密封する)を送達することができる場合がある。本発明は、例えば腸のポリープを除去するために、すなわち内視鏡的粘膜下切除のために、下部及び上部消化管に関連する胃腸(GI)の処置に特に適している場合がある。本発明はまた、正確な内視鏡的処置、すなわち正確な内視鏡的切除に役立つ可能性があり、耳鼻咽頭の処置及び肝切除に使用され得る。デバイスはまた、例えば門脈または膵管に近接する腫瘍または異常を切除または除去するために、膵臓に関連する処置に対処するために使用されてもよい。
【0028】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明が使用され得る電気外科システムの概略図である。
図2】本発明の第1の実施形態である電気外科装置用のインターフェイスジョイントを通る断面図であり、針作動機構が伸長位置にある。
図3】針作動機構が後退位置にある状態の、図2のインターフェイスジョイントを通る断面図である。
図4図2のインターフェイスジョイントの切欠き分解背面斜視図である。
図5】本発明の第2の実施形態である、インターフェイスの斜視図である。
図6図5のインターフェイスジョイントの内部コンポーネントの側面図である。
図7図5のインターフェイスジョイントと共に使用するのに適した回転可能な接続インターフェイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の様々な態様は、マイクロ波とRFエネルギー両方の制御された送達によるポリープ及び悪性増殖の除去用の内視鏡処置で使用する電気外科侵襲器具を提供する電気外科システムという文脈で、以下に提示されている。しかし、本明細書で提示される本発明の態様は、この特定の用途に限定される必要はないことを理解されたい。それらは、RFエネルギーのみが必要とされる実施形態、またはRFエネルギーと流体送達のみが必要とされる実施形態に等しく適用可能であり得る。
【0031】
図1は、侵襲性電気外科器具の遠位端に、RFエネルギー、マイクロ波エネルギー、及び流体、例えば生理食塩水またはヒアルロン酸のいずれかまたはすべてを選択的に供給することができる完全な電気外科システム100の概略図である。システム100は、RF電磁(EM)エネルギー及び/またはマイクロ波周波数EMエネルギーを制御可能に供給するための発電機102を備える。この目的に適した発電機は、参照により本明細書に組み込まれるWO 2012/076844に記載されている。
【0032】
発電機102は、インターフェイスケーブル104によってインターフェイスジョイント106に接続される。インターフェイスジョイント106はまた、シリンジなどの流体送達デバイス108からの流体の供給107を受けるように接続される。インターフェイスジョイント106は、アクチュエータ110を使用して動作可能な針移動機構を収容する。インターフェイスジョイント106の機能は、発電機102、流体送達装置108及び針移動機構からの入力を単一の可撓性シャフト112に結合することであり、それはインターフェイスジョイント106の遠位端から延びる。本発明の実施形態であるインターフェイスジョイント(本明細書では「ハンドル」または「ハンドピース」または「制御装置」と呼ぶ場合がある)の例を以下でより詳細に説明する。
【0033】
可撓性シャフト112は、外科用スコープデバイス114の器具(作業)チャネルの全長を通して挿入可能である。外科用スコープ装置114は、内視鏡、胃鏡、気管支鏡などであってもよい。器具チャネルは、従来の方法で操縦可能な外科用スコープ装置の器具コードを通って延びていてもよい。外科用スコープ装置114は、器具コードの遠位端の治療ゾーンの画像を提供するための光学チャネルを含むことができる。
【0034】
トルク伝達ユニット116は、インターフェイスジョイント106と内視鏡114との間のシャフト112の近位の全長に取り付けられ得る。トルク伝達ユニット116は、シャフトに係合して、内視鏡114の器具チャネル内で回転できるようにする。以下で論じるように、本発明の一実施形態では、トルク伝達ユニットはインターフェイスジョイント106に組み込まれる。
【0035】
可撓性シャフト112は、内視鏡114の器具チャネルを通過し、器具コードの遠位端で(例えば、患者の内側に)突出する形状の遠位アセンブリ118を有する。遠位端アセンブリは、生体組織にRF EMエネルギー及び/またはマイクロ波EMエネルギーを送達するためのアクティブチップと、流体を送達するための引き込み可能な皮下針を含む。これらの複合技術は、不要な組織を切断及び破壊するための独自の解決策と、標的領域の周囲の血管を封鎖する機能をもたらす。外科医は、引き込み式の皮下注射針を使用して、組織層の間にマーカー色素を加えた生理食塩水及び/またはヒアルロン酸を注入して、治療する病変の位置を拡大及びマークすることができる。この方法で液体を注入すると、組織層を持ち上げて分離して、病変部の周囲で切除しやすくなり、粘膜下層を通る平面化が容易になり、腸壁穿孔や筋肉層への不必要な熱損傷のリスクが軽減される。
【0036】
典型的には患者から50cmから80cmに保持される器具チャネルの近位端で、可撓
性シャフト112がポートから現れ、インターフェイスジョイント106までさらに30cmから100cm延びる。使用中、インターフェイスジョイント106は、通常、処置中、手袋をはめたアシスタントによって保持される。インターフェイスジョイント106は、一次及び二次電気絶縁に、延長された沿面距離及びクリアランス距離を設けるように、ポリマー材料から設計及び製造されてもよい。
【0037】
図2図3及び図4は、本発明の第1の実施形態であるインターフェイスジョイント200の様々な視界を示している。インターフェイスジョイント200は、インターフェイスジョイント106の代わりに、上述の装置100とともに使用することができる。
【0038】
インターフェイスジョイント200は、例えば剛性ポリマーから形成されたハウジング202に含まれる。ハウジング202は、以下で説明するインターフェイスジョイント200の構成要素を収容する。
【0039】
ハウジング202は、その外面に複数の開口部を有しており、これらの開口部は、ジョイントに様々なポートを提供する。
【0040】
上面には、流体の供給を受けるための第1のポート、例えば生理食塩水またはヒアルロン酸などの液体を注入するためのシリンジがある。第1のポートは、その中に取り付けられた成形受容要素204を有する。成形受容要素204は、流体の供給の接続インターフェイスと協働して確実な相互接続を提供するように成形されてもよい。
【0041】
ハウジングの背面(近位端)には、電気外科発電機から電力を受け入れるための第2のポートがある。第2のポートは、電気外科発電機からの同軸ケーブルをハウジング202内の同軸伝送線214に結合することができるQMAコネクタ234など(図4を参照)を含むことができる。第2のポートには、成形接続要素206が中に取り付けられる。成形接続要素206は、確実な相互接続を設けるために、電気外科発電機からのQMAコネクタ及び/または同軸ケーブルと協働するように成形されてもよい。
【0042】
ハウジング202の前部(遠位端)には、第3のポート208があり、そこから可撓性シャフト210が延びている。可撓性シャフト210は、第1のポートから流体を、第2のポートから同軸ケーブル214、またその遠位端の電気外科器具に針作動ロッド240(図4を参照)を搬送するための縦通路を画定するシースを備える。
【0043】
ハウジング202の底部には、針作動機構用のアクチュエータが突出する第4のポート228がある。針作動機構については、以下でさらに詳しく説明する。
【0044】
ハウジング202内には、(i)第1のポートからの流体、(ii)第2のポートからの同軸伝送線214、及び(iii)可撓性シャフト210への針作動機構に関連付けられる針作動ロッドのためのそれぞれの経路を画定するために、一対のY導管コネクタ212、218が設けられる。Y導管コネクタ212、218は、例えば、ハウジングに一体的に形成されたリブまたは他の突起内に留められることにより、ハウジング202にて保持される。
【0045】
第1のY導管コネクタ212は、流体に密に成形受容要素204に接続された第1の入力管と、第2のポートから同軸伝送線214を受容するように配置された第2の入力管とを有する。プラグ216は、第2の入力管の近位端に取り付けられている。同軸伝送線214は、プラグ216を通過する。プラグ216は、同軸伝送線214の周りに液密シールを画定するように、弾性材料から形成される。第1のY導管コネクタ212は、第2のY導管コネクタ218の第1の入力管に接続される出力管を有する。したがって、流体及
び同軸伝送線214は、一緒に第2のY導管コネクタ218に搬送される。
【0046】
第2のY導管コネクタ218は、針作動ロッド240を受け入れるように接続された第2の入力管を含む。針作動ロッド240は、針作動機構の動作の下で、第2のY導管コネクタの内外に摺動可能である。プラグ236は、流体が漏れるのを防ぐために、第2のY導管コネクタの第2の入力管の近位端に固定されている。プラグ236は、弾性材料から形成されているため、針作動ロッド240の周りに流体密封シールを画定し、その間、その摺動可能な動きをなお許容する。
【0047】
第2のY導管コネクタ218は、流体に密に可撓性シャフト210の近位端に固定される出力管を備え、それにより、(i)第1のポートからの流体、(ii)第2のポートからの同軸伝送線214及び(iii)針作動ロッド240のすべてが、可撓性シャフト210内に画定された長手方向通路に移される。
【0048】
図4に示すように、この例では、第1のY導管コネクタは互いに鋭角の第1及び第2の入力管を有し、一方で第2のY導管コネクタはその第1及び第2の入力管を平行に有する。しかし、本発明はこの配置に限定されない。他の実施形態では、異なる接合部が使用されてもよい。例えば、単一の出力管につながる3つの入力管を持つ単一の接合部を使用できる。
【0049】
次に、針作動機構についてより詳細に説明する。図2は、針を延ばしたときのインターフェイスジョイントを示している。図3は、針が引き込まれたときのインターフェイスジョイントを示している。針自体は、電気外科器具内の可撓性シャフト210の遠位端に配置されている。それは、シャフト210と摺動可能な針作動ロッド240によって、針作動機構の遠位端に接続されている。針作動ロッド240の近位端は、ハウジング202の内部の突出リブによって画定されるトラック221に摺動可能に取り付けられた誘導要素220に接続されている。トラック221は、長手方向、すなわち、可撓性シャフト210がハウジング202から離れて延びる方向に沿う方向に延びている。したがって、トラック221に沿った誘導要素220の動きは、針作動ロッド240の可撓性シャフト210の内外への動きを制御する。
【0050】
図2では、誘導要素220は、トラック221の遠位端にあり、それにより、針作動ロッド240は、可撓性シャフト210内に完全に延びている。図3に示すように、誘導要素220は、トラック221の近位端にあり、それにより、針作動ロッド240は、可撓性シャフト210に対して後退位置にある。
【0051】
誘導要素220の動きは、旋回トリガ機構によって制御される。トリガ機構は、第1の旋回軸を規定するピン230を介してハウジング202に旋回可能に接続されるトリガアーム224を備える。トリガアーム224は、第4のポート228から延び、フィンガグリップ232の第1の端部で終わる。フィンガグリップ232は、ハウジング202を保持する使用者によるトリガアーム224の操作(すなわち、前後運動)を容易にするように構成される。この例では、フィンガグリップ232は、使用者の指を受容するためのリングである。
【0052】
トリガアーム224の第2の端部は、ヒンジ226を介して駆動アーム222に接続されている。駆動アーム222は、ひいては誘導要素220に旋回可能に接続されて、誘導要素220に対する角度が、誘導要素220が軌道221に沿って摺動するときに変化できるようにする。ヒンジ226は、トリガアーム224が操作されるときにハウジング202内で移動する第2の旋回軸を規定する。
【0053】
関節式の針作動機構を提供することにより、旋回点の適切な位置決めによるフィンガグリップ232の所定の動きに対して、針作動ロッド240の移動距離を増加させることが可能な場合がある。これは、いずれのギアリングもなしでライナースライダによってロッドが移動する作動機構と比較して、有利な場合がある。
【0054】
インターフェイスジョイント200の第1のポート及び第2のポートの位置は、使用者が流体の供給部と電源との間で、手でデバイスを把持及び保持できるように、配置される。これらのポート間の間隔は、組み立てを助け、いずれかの干渉を避けるために望ましい場合がある。
【0055】
図5は、本発明の第2の実施形態であるインターフェイスジョイント300の斜視図である。インターフェイスジョイント300は、ハウジング302を備える。インターフェイスジョイント300は、インターフェイスジョイント106及びトルク伝達ユニット116の代わりに、上述の装置100とともに使用することができる。
【0056】
ハウジング302は、以下で議論される接合部及び構成要素を囲む剛性の中空ケーシングであり得る。ケーシングは、例えば溶接などにより互いに固定可能な2つの半分の成形プラスチックなどから作られてもよい。
【0057】
ハウジング302は、その両側に一体的に形成された一対のリング要素304を有する。リング要素304は、デバイスを操作する使用者にフィンガグリップを提供する。
【0058】
ハウジング302は、その遠位端に出口ポートを有する。可撓性シャフト308は、出力ポートから延びており、その後、外科用スコープデバイスの器具チャネルに送り込むことができる。ハウジングの遠位端は、円錐形の先端部306を備えてもよい。先端部は剛性であってもよい。あるいは、例えば、可撓性シャフト308に張力の緩和をもたらすために、変形可能であってもよい。
【0059】
カラー310は、ハウジング302の遠位部分に回転可能に取り付けられる。カラー310は、可撓性シャフト308に動作可能に結合され、それにより、ハウジング302に対するカラー310の回転が、可撓性シャフトを回転させる。この回転は、器具チャネルを介して伝達されて、器具チャネルに対する可撓性シャフト308の遠位端で電気外科器具の回転を引き起こし得る。カラー310は、軸の周りを回転するように配置でき、軸はハウジング302を離れる際に可撓性シャフトと整列する。これにより、カラー310の回転が器具先端の結果として生じる回転に直観的にリンクされる。カラー310は、把持を容易にするために複数の直立した隆起部を有してもよい。
【0060】
ハウジング302は、使用者が加えられている回転の程度を感知するためのフィードバック機構を含むことができる。フィードバック機構は、触覚または音声の場合がある。例えば、ハウジング302及びカラー310は、加えられる回転の増加の度合に関するフィードバックを与えるために使用者が知覚できる音(例えば、クリック音)または衝撃を生成する相互係合要素を有してもよい。
【0061】
ハウジング302は、その近位端に3つのポートを有する。
第1の近位ポートは、出力ポートと一直線上にある(すなわち、同軸である)。第1のポートは、ハウジングに対して長手方向に移動可能なスライダ要素312を受け入れる。スライダ要素は、図2図4に関して上述したのと同様の方法で、電気外科器具の針の展開及び後退を制御するために可撓性シャフトを通過する針作動ロッド(図示せず)に接続される。ハウジング302は、スライダ要素312の運動の長手方向経路を画定する誘導トラック(図示せず)を備えてもよい。スライダ要素は、例えば展開を容易にするため近
位フィンガグリップ314、例えばこの例で使用者の親指を受けるためのリングを有してもよい。
【0062】
ハウジング302とスライダ要素312との間に1つ以上の付勢要素(例えば、ばねまたは他の弾性構造物)を設けて、針作動機構を特定の構成、例えば、退縮構成に付勢することができる。
【0063】
カラー310及びスライダ要素312の移動方向を示すために、ハウジングにマーキング316を形成することができる。
【0064】
第2の近位ポート318は、流体の供給を受けるためのものである。図5にて、第2の近位ポート318は、例えば生理食塩水またはヒアルロン酸などの液体を注入するために、シリンジ本体320に接続される。
【0065】
第3の近位ポートは、電気外科発電機から電力を受け入れるためのものである。第3の近位ポートは、電気外科発電機からの同軸ケーブルに接続するように構成されたコネクタ322、例えばQMAコネクタなどを有してもよい。
【0066】
第2及び第3の近位ポートは、第1の近位ポートの両側にあってもよく、例えば、対応する構成要素の取り付けを容易にするために、それから離れるように角度を付けられてもよい。
【0067】
ハウジング300は、上述のハウジング200と同様に動作する。流体の供給、針作動機構、及び電源からの入力は一緒に組み合わされ、可撓性シャフト308に形成された通路を通して搬送される。
【0068】
図6は、インターフェイスジョイント300の内部構成要素の側面図である。インターフェイスジョイント300のバックボーンは、分岐導管コネクタ330及び主導管331を備える。分岐導管コネクタ330は、トライコネクタ導管接合部に類似し得て、適切な流体に密なカップリング332によって主導管331に接続される出口ポートと流体連通する3つの角度付き入口ポート334、335、336を有する。主導管331は、可撓性シャフト308の内部の通路と流体連通する長手方向通路を画定することができる。主導管331は、可撓性シャフト308がハウジングを出るときに、可撓性シャフト308の軸に沿って位置合わせすることができる。
【0069】
可撓性シャフト308は、主導管331の遠位端に取り付けられた回転可能なルアーロック継手326の出力部324に固定されている。可撓性シャフト308は、例えば適切な接着剤を使用して、流体に密に出力部内に固定またはポッティングすることができる。
【0070】
回転可能なルアーロック継手326はカラー310に動作可能に接続され得、カラーの回転により回転可能なルアーロック継手326が主導管331を中心に回転し、それによりひいては可撓性シャフト308がハウジング302に対して回転するようにする。主導管331の回転は、回転不能な方法でハウジング302に固定されることを確実にすることにより防止される。例えば保持要素328を主導管に取り付けて、ハウジング302内に保持することができる。
【0071】
分岐導管コネクタ330の入口ポート334、335、336は、上述の第1、第2及び第3のポートを設ける。したがって、第1の入口ポート334は、流体の供給部(例えば、シリンジハウジング320)に接続されている。第2の入口ポート335は、針作動ロッド(図示せず)を受け入れる。第3の入口ポート336は、電気外科発電機から同軸
ケーブルを受け入れる。第2のポート335及び第3のポート336は、上の図2図~4に示されるのと同様の方法で、第1の入口ポート334を通して受け入れられる流体の漏れを防ぐためのプラグ(図示せず)を含み得る。
【0072】
第1の入口ポート334からの流体、第2の入口ポート335からの針作動ロッド(図示せず)、及び第3の入口ポートからの同軸伝送線(図示せず)は、主導管331内で組み合わされ、可撓性シャフト308内の通路に搬送される。
【0073】
この配置の利点は、シャフト回転機構(器具の回転を制御する)と針作動器具の両方が同じユニットに設けられることである。
【0074】
図7は、図6の分岐導管コネクタ330の第3のポート336で使用できる回転可能な電力接続インターフェイス340の斜視図である。回転可能な接続インターフェイス340は、例えば分岐導管コネクタ330の第3のポート336といった上記のようなインターフェイスジョイントのハウジングに固定可能なベアリングユニット348内に取り付けられた遠位ヘッド部346を有する同軸ケーブルコネクタ342(例えばQMAコネクタ)を含む。同軸ケーブルコネクタ342は、電気外科発電機からの同軸ケーブルをハウジング内の同軸伝送線344に接続するように配置されている。同軸伝送線344は電気外科器具に接続されているので、例えば上で論じたカラー310を操作することにより、シャフトが回転すると、可撓性シャフトと共に回転する。ベアリングユニット348は、ハウジングに対するコネクタ342の自由な回転を可能にするボールベアリングなどであってもよい。これにより、同軸伝送線344に張力が蓄積するのを防ぐことができ、可撓性シャフト内のコンポーネントによって引き起こされる抵抗を減らすことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7