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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】締結システム
(51)【国際特許分類】
   B32B 3/30 20060101AFI20240704BHJP
   F16B 11/00 20060101ALI20240704BHJP
   E01F 9/00 20160101ALI20240704BHJP
   E01F 9/615 20160101ALI20240704BHJP
【FI】
B32B3/30
F16B11/00 B
E01F9/00
E01F9/615
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023500364
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2021066914
(87)【国際公開番号】W WO2022017708
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】102020004438.7
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500009857
【氏名又は名称】ゴットリープ ビンダー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポーラキス, コンスタンティノス
(72)【発明者】
【氏名】ヘーペ, ラルス
【審査官】加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-274421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 3/30
F16B 11/00
E01F 9/00
E01F 9/615
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第3の構成要素へ着脱可能に取り付ける目的で、滑らかな表面を有する第3の構成要素に繰り返し用いることができる締結システムであって、
少なくとも2つの相互に接続された平面形状の機能部品(2,6)からなり、そのうち少なくとも1つの機能部品(2)はフィルムの形状を有して、情報を有し、少なくとも1つの更なる機能部品(6)は複数の個々の構成要素(4)を有し、該個々の構成要素の自由端面(8)は各第3の構成要素の表面に接着によって接着され、
あらゆる種類の交通標識の情報内容を無効化するため、及び/又は建設用車両である車両を認識させるための警告として使用され、第3の構成要素から切り離すことによって、非効果的な下塗りや認識可能な状態が残らずに除去されることを特徴とする、締結システム。
【請求項2】
2つの機能部品(2,6)の間に、特に接着剤の形態をした接続手段(22)が導入され、該2つの機能部品(2,6)を一緒に保持する、請求項1に記載の締結システム。
【請求項3】
2つの機能部品(2,6)間のサンドイッチ状構造に対して、支持部品(28)として構成される第3の機能部品(26)が配置され、該第3の機能部品(26)はその2つの側面の少なくとも一方の側面において、隣接する機能部品(2,6)の少なくとも1つへの接続手段(22)を有している、請求項1又は2に記載の締結システム。
【請求項4】
任意の接続手段(22)を含む全ての機能部品(2,6,26,28)が層として提供され、少なくとも使用前の初期状態において、互いに平面的に平行及び全面接触の方法で、突起部なしに互いに接触する、請求項1乃至3の何れかに記載の締結システム。
【請求項5】
機能部品(2,6,26,28)の少なくとも一部は、それ自体が多層構造を有する、請求項1乃至4の何れかに記載の締結システム。
【請求項6】
個々の構成要素(4)とともに全体としての更なる機能部品(6)が、グループ(30)に細分化され、該グループ(30)は少なくとも、1つの機能部品(2)のフィルムの延長線の長手方向及び/又は横方向において、互いに所定の距離(34)を有し、該距離(34)は各機能部品(2,6,26,28)のフィルムの厚さよりも小さいギャップサイズを有する、請求項1乃至5の何れかに記載の締結システム。
【請求項7】
前記グループ(30)のグループメンバーは、更なるセグメント(32)とともに、全体として更なる機能部品(6)を形成する単一セグメント(32)から形成される、請求項6に記載の締結システム。
【請求項8】
互いに隣接して配置された機能部品(2,6,26,28)が、コーティングまたは積層プロセスによって接着することなく互いに接続される、請求項1乃至7の何れかに記載の締結システム。
【請求項9】
各機能部品(2,6,26,28)は、ポリエチレン材料であるプラスチック材料からなり、更なる機能部品(6)は、少なくともその個々の構成要素の範囲において、ポリビニルシロキサン材料であるポリ(有機)シロキサンのクラスからの材料の接着性を有する、請求項1乃至8の何れかに記載の締結システム。
【請求項10】
1つの機能部品は情報を有して構成され、該情報は色付き、該機能部品上に印刷された文章を含む記号、反射、蛍光発光、つや消し又は光沢を備え、またはAIで提供される、請求項1乃至9の何れかに記載の締結システム。
【請求項11】
機能部品(2,6,26,28)の少なくとも1つは追加機能を備え、該追加機能は、難燃性、リサイクル可能、生分解性、焼却可能、磁化可能又は磁気特性を示す、静電帯電に耐えうる、または電磁的に互換性がある(EMC)、耐研磨性があるを含む、請求項1乃至10の何れかに記載の締結システム。
【請求項12】
巻かれた又は巻き付けられた材料として構成され、巻かれない又は巻き付けられない状態において、事前に決定可能な長さに分割される締結システムが、夫々の目的を達成することができる、請求項1乃至11の何れかに記載の締結システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結システムに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術から、種々のタイプの締結システム及び締結システム用の広範囲の用途が知られている。例えば、感圧性アクリル接着剤のような接着剤によって第3の構成要素に再度切り離し可能な方法で周期的に取り付けられる締結システムが存在する(ヨーロッパ特許0 429 269号)。この種の接着性の締結システムは、残留物を残さずに第3の構成要素から定期的に取り外すことができず、少数回の締結サイクルしか達成できないという欠点がある。
【0003】
これらの欠点を回避するために、更なる締結システム(ドイツ公開公報10 2012 013 124号)が、交通標識のような第3の構成要素を、残留物や損傷なしに完全に接触して被覆するために過去に開発され、第3の構成要素の背面に取り付けられる磁石は、この第3の構成要素に板金製の簡易カバー要素を取り付ける。
更に、磁気フィルムを金属製の第3の構成要素に直接、再度切り離し可能に貼り付ける解決策は、先行技術に存在する。これらの解決策の欠点は、プラスチック製のような非金属製の第3の構成要素を好ましく取り付けるために、追加の磁石が必要とされること、または磁気フィルムが、非磁性面に取り付けることができない改善策であることである。
【0004】
さらに、接着コーティング剤としてシリコーンを使用する被覆接着フィルムシステム(ドイツ公開公報10 2016 108 328)の形態における先行技術の解決策には、接着すべき表面が粒子で汚染されている場合、比較的高い環境湿度が存在する場合、または自己接着性締結システムが用いられる表面が非常に粗い場合に、第3の構成要素上のこの自己接着システムは常に不利であることが証明される。
【0005】
上記で説明した既知の締結システムの解決策は、装飾的及び情報的なマーキングを航空機、自動車及び鉄道車両に取り付けたり(ヨーロッパ特許0 429 269号)、もはや有効でなくなった道路標識のような交通標識の情報内容を目に見える形で消すために使用されてきた(ドイツ公開公報10 2012 013 124)。
【0006】
この先行技術に基づき、本発明は、上述した欠点を回避することに貢献する締結システムを作り出すという問題に対処する。請求項1の特徴を有する締結システムは、この問題を解決する。
【発明の概要】
【0007】
本発明に係る締結システムは、第3の構成要素へ着脱可能に取り付ける目的で、好ましくは滑らかな表面を有する第3の構成要素に数回、それも即座に連続して適用することができ、少なくとも2つの相互に接続された平面形状の機能部品からなり、そのうち少なくとも1つの機能部品はフィルムの形状を有し、情報を有し、少なくとも1つの機能部品は複数の個々の構成要素を有し、該個々の構成要素の自由端部は各第3の構成要素の表面に接着によって接着されることを特徴としている。
【0008】
先行技術に示されているように、1つのフィルム状の情報を有する機能部品は、装飾的な方法で利用されることができ、航空機、自動車、鉄道車両にマーキングを付与することができ、あるいは、もはや利用できない情報内容を削除するか、または認識不能にするために、交通標識の少なくとも一部を一時的に覆う機能を果たすことができる。
【0009】
第2の更なる機能部品は、その複数の個々の構成要素とともに、第3の構成要素の任意の表面への締結システムの接着を達成し、特に、締結システムは、接着効果により、湿った、汚れた、及び比較的荒い表面でさえも良好に接着し、ここで、残留物(非磁気特性を有する表面上でさえ)を残さずに接着が生じる。
【0010】
好適な例示的実施形態では、2つの機能部品の間に、特に接着剤の形態をした接続手段が導入され、該2つの機能部品を一緒に保持することが規定されている。
このために、2つの機能部品の少なくとも一方に、関連する接着剤、例えばシリコーン接着剤が使用されるのが好ましい、ただし、複数の個別要素を有する一方の機能部品がポリビニルシロキサン材料で作られていることが条件である。
【0011】
さらに好適な例示的実施形態では、2つの機能部品間のサンドイッチ状構造に対して、支持部品として構成される第3の機能部品が配置され、該第3の機能部品はその2つの側面の少なくとも一方、好ましくは両方の側面において、隣接する機能部品の少なくとも1つへの接続手段を有していることが規定されている。
好ましくは、第3の機能部品は、プロファイル支持層の形に構成され、該プロファイル支持層は、要求される剛性に締結システムを適合させるために使用され得て、特に、締結システムの曲げ剛性を増加させる。
【0012】
さらに好適な例示的実施形態では、任意の接続手段を含む全ての機能部品が層として提供され、少なくとも使用前の初期状態において、互いに平面的に平行及び全面接触の方法で、突起部なしに互いに接触することが規定されている。通常のフィルム製造プロセスは、低コストで機能的に信頼性のある締結システムを得るために、特に有利な方法で、平面的に平行で、突起部のない層のために使用することができる。
【0013】
別の好適な例示的実施形態では、機能部品の少なくとも一部は、それ自体が多層構造を有することが規定されている。このようにして、機能部品は、互いに異なる機能を提供する層を有するように構成されることができ、該層は結合されて、夫々の機能部品の所望される全体的な機能をもたらす。
【0014】
さらに好ましい例示的な実施形態では、個々の構成要素とともに全体としての更なる機能部品が、グループに細分化され、該グループは少なくとも、1つの機能部品のフィルムの延長線の長手方向及び/又は横方向において、互いに所定の距離を有し、該距離は各機能部品のフィルムの厚さよりも小さいことが好ましいギャップサイズを有することが好ましいことが規定される。
好ましくは、グループのグループメンバーは、更なるセグメントとともに、全体として更なる機能部品を形成する単一セグメントから形成されることが規定される。複数の個々の構成要素を有する更なる機能部品は、好ましくはマイクロレプリケーション工程としていわゆるチルロール工程で製造され、製造工程により、特定の最大幅、例えば100mmしか利用できず、それにより、1つのタイプの機能部品のうちのいくつかが、フィルムの延び方向に対して横方向に隣り合って横並びの配置で適用され得る。さらなる機能部を形成する前記フィルムも一定の製造長さしかないため、一方の機能部品のフィルムの長手方向の経路に対して長手方向にギャップも発生する。
【0015】
セグメントは、1つの機能部品にグループで適用され、その後、全体として、さらなる機能部品のグループとともに形成される。
さらに好適な例示的実施形態では、互いに隣接して配置された機能部品が、コーティングまたは積層プロセスによって接着することなく互いに接続されることが規定される。
【0016】
プラスチック材料からなる個々の機能部品は、その製造工程により一定量の残熱が残存しているため、まだ完全に交差結合されていない。次いで、従来のローラスタンドを使用して、フィルム状機能部品が互いに接続されるような高い接触圧力が設定されて、このようにして製品を形成する。しかし、また、機能部品間にフィルム状のアクリレート系接着剤層を、反応熱を利用して殆どそのままで導入し、フィルムを接続することも可能で、接着剤による接続の持続性を向上させることもできる。
【0017】
別の好適な例示的実施形態では、各機能部品は、ポリエチレン材料のようなプラスチック材料からなり、更なる機能部品は、少なくともその個々の構成要素の範囲において、ポリビニルシロキサン材料の接着性を有すると規定される。しかし、全体として、ポリ(有機)シロキサンのクラスからの材料をこの目的に使用することができる。好ましくは、個々の構成要素を有する更なる機能部品の全体は、ポリビニルシロキサン材料から形成され、その接着性は、第3の構成要素に対する締結システムの接着性を改善し、特に、改良された接着係数、増加された剥離強さ値、及びせん断強さ値を有する。
【0018】
更に好適な例示的実施形態において、1つの機能部品が色付き及び情報を有して構成され、該情報は機能部品上に印刷された文章を含む記号、反射、蛍光、発光、つや消し、光沢を備え、またはAIで提供されることが規定される。
このため、1つの機能部品は、締結システムを見る人に警告通知を含む情報を送信するために使用され得る。AI(人工知能)がこの文脈で言及される場合は、トランスポンダ、コンピュータチップ、デジタルディスプレイなどの知的システムを指す。
【0019】
別の好適な例示的実施形態では、機能部品の少なくとも1つは、難燃性、リサイクル可能、生分解性、焼却可能、磁化可能、または磁気特性を示す、静電帯電に耐えうる、または電磁的に互換性がある(EMC)、耐研磨性がある、などの追加機能を備えることが規定される。このようにして、夫々の機能部品の基本的な機能をモジュラー方式で拡張することができる。
【0020】
さらに好適な例示的実施形態では、接着可能な個々の構成要素を有する更なる機能部品が、チルロール工程にて成形スクリーンを用いて製造できることが規定される。
その結果、接着可能な個々の構成要素を有する更なる機能部品は、マイクロレプリケーション工程によって工業規模で製造することができ、このようにして製造された押出製品は、フィルム構成において締結システムの他の機能部品とともに、コーティングまたは積層工程の一部として連続的に製造することが可能であり、この工程は、大部分が自動化され得る。
【0021】
さらに好適な実施例では、巻かれた又は巻き付けられた材料として構成され、巻かれない又は巻き付けられない状態において、事前に決定可能な長さに分割される締結システムが、夫々の目的を達成することができる。
締結システムは巻かれた又は巻き付けられた材料として構成され、巻かれない又は巻き付けられない状態において、前もって決められた長さに分割されて、それぞれの目的を果たすことができるようにする。これは、特に省スペースの方法で、締結システムを運搬し、貯蔵することができることを意味する。
【0022】
本発明の主題事項はまた、このような締結システムを複数個組み合わせて構成される取引可能な商品アイテムであり、該締結システムは、キャリアストリップ上で組み合わされ、キャリアストリップから切り離された後、互いに分離することができる小さな部品として、第3の構成要素に取り外し可能に接着するための用途に提供される。特に建設現場の用途においては、このように様々に組み立てられた締結システムを現場で利用できる。
【0023】
本発明のさらなる主題事項は、この効果のために締結システムを使用することであり、この締結システムは、あらゆる種類の交通標識の情報内容を無効化するため、及び/又は建設用車両などの車両を認識させるための警告として使用され、このような第3の構成要素から締結システムを切り離すことによって、非効果的な下塗りや認識可能な状態にすることを残さず除去することができる。
その結果、締結システムは、汚れた、粗い、湿った及び/又は非磁性の交通標識または車両に、この夫々の第3の構成要素にいかなる残留物も残さずに、高い再現性で適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明による締結システムについて、より詳細に説明する。図面では、原則的な表現であり、縮尺通りではない。
図1】締結システムの一部の斜視上面図であり、締結システムは更なる機能部品を形成する接着フィルムの一部として、上向きに突出する個々の要素を有し、個々の要素は情報を有する機能部品を形成する下にあるフィルム上に配置される。
図2】本発明による締結システムの側面図であり、図1の表現に従って、1つの機能部品と更なる機能部品からなる。
図3図2の締結システムの側面図であり、2つの機能部品の間に接続手段が設けられている。
図4図3の締結システムの側面図であって、支持部品の形態の第3の機能部品が、1つの機能部品と更なる機能部品との間に設けられ、更なる機能部品と1つの機能部品との間に接続手段が導入されている。
図5図4の締結システムの側面図であり、1つの機能部品と支持部品との間、及び支持部品と更なる機能部品との間に接続手段が設けられている。
図6図2に示す締結システムの側面図であり、更なる機能部品は、グループに属する各々のセグメントに細分化されて示されている。
図7図3の締結システムの側面図を示し、図6による更なる機能部品はセグメントに細分化されて示されている。
図8図7の締結システムの側面図を示し、更なる機能部品に加えて、接続手段は更なる機能部品のセグメントに対応して細分化されている。
図9】本発明に従った図1乃至図8のいくつかの締結システムを有する市場性商品ユニットの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図は、平滑な表面(図示せず)を有するのが好ましい第3の構成要素に繰り返し切り離し可能に取り付けられる締結システムを示す。この締結システムは、平面的な延長部を有する少なくとも2つの相互接続された機能部品2、6を備え、すなわちフィルムとして形成された少なくとも1つの情報を有する第1の機能部品2と、複数の個別の構成要素4からなる少なくとも1つの第2の、さらなる機能部品6とを備えている。個々の構成要素4の自由端面8は、それぞれの第3の構成要素の表面、例えば交通標識または自動車の表面に、接着によって付着する。
【0026】
図1は、更なる機能部品6のベース部分12の第1の自由且つ平坦な横方向表面10から直角に大きく延びる個々の構成要素4を示す。第1の横方向表面10に対向するその第2の平坦な横方向表面14において、さらなる機能部品6は、1つの機能部品2の第1の平坦な横方向表面16に強固に接続される。
【0027】
個々の構成要素4は、ステムまたはストーク部分18から形成されており、その自由端面8は、広幅部20の形で直径が広がっている。さらに、個々の構成要素4は、広幅部20の第3の構成要素への接着が、主にファンデルワールス力によって実行されるように設定される。
【0028】
このようにして形成された更なる機能部品6は、大きな産業規模で非常に安価に製造され、任意の第3の構成要素の表面に接続され、個々の構成要素4の広幅部20が、ファンデルワールス力を介して第3の構成要素の表面と直接相互作用することから、繰り返し再連結され得る。
【0029】
ファンデルワールス力は短い範囲でのみ有効であるため、個々の構成要素4はすべて同じ長さまたは高さを有することが望ましく、そのため個々の構成要素4の自由端面8は1つの平面に配置される。個々の構成要素4は、十分な固有の剛性を有して、個々の構成要素4が、接触されるべき第3の構成要素の表面から座屈することを防ぐ。
【0030】
十分に良好な切り離し挙動を保証するために、個々の構成要素4の広幅部20は、ステム部分18への遷移領域にて対応する縮径部を介して、ステム部分18に夫々接続され、遷移点において一種のジョイントを形成することができる。このように、締結システムを第3の構成要素から切り離すと、更なる機能部品6のベース部分12をステム部分18とともに剥離させることができ、個々の構成要素4のまだ接着している広幅部20は、夫々のジョイントを介して転動動作のように剥離動作に従うことができる。ベース部分12の材料の1平方センチメートルあたり約16,000個以上の個々の構成要素4がある場合に、非常に良好な接着結果が得られ、ここで個々の構成要素4は、約60μm以下の幅で頭端の広幅部20の直径と組み合わせて約100μm以下の長さを有する。
【0031】
図2は、接続手段なしで強固に接続される単一の1つの機能部品2及び単一の更なる機能部品6の組み合わせの概略的な原理図を示す。
【0032】
接続手段22は、2つの隣接する機能部品2、6の間に挿入されて、2つの機能部品2、6をしっかりと保持し、又はしっかりと相互接続する。従って、図3において、このような接合層22は、単一の1つの機能部品2の第1の側面16と、単一の更なる機能部品6の第2の側面14との間に、特にこの目的に適した接着剤の形態で導入される。
【0033】
図4では、この2つの機能部品2、6の間には、サンドイッチのような構造で、支持部品28の形をした第3の機能部品26が配置され、前記支持部品28は、接続手段なしに、さらなる機能部品6にしっかりと接続されている。さらに、一方の支持部品28と一方の機能部品2との間には、接続手段22が設けられている。図5では、丁度図4のように、支持部品28として形成された第3の機能部品26と、一方の機能部品2との間、さらに支持部品28と更なる機能部品6との間に、夫々1つの接続手段22が設けられている。なお、支持部品28は、プロファイル支持層とも言及される。夫々の接続手段22は、例えばアクリル系接着剤を用いて、接着剤の層から形成されてもよい。
【0034】
図6は、単一の1つの機能部品2と、単一の更なる機能部品6との組み合わせを示す。全体としてその個々の構成要素4を含む更なる機能部品6は、少なくとも締結システムの長手方向においてグループ30に分割されている。
各グループ30は、少なくとも1つの個別のセグメント32を有し、該セグメントの各々が少なくとも締結システムの長手方向にあり、更なるグループ30の隣接セグメント32から所定の距離34に位置しており、ここで、前記距離34は、機能部品2、6の各々のフィルム厚さよりも短い。図7の締結システムは、図6の締結システムとは、接続手段22の連続層が2つの機能部品2、6の間に設けられている点のみが異なっており、図8では、更なる機能部品6に加えて、接続手段または接着手段が、更なる機能部品6のセグメント32に従って細分化され、所定の距離34を形成している。
【0035】
全ての機能部品2、6、26、28及び接続手段22は、層状に形成され、各機能部品2、61、26、28は、図に示されていない多層構造を有することができる。少なくとも締結システムが初めて使用される前の初期状態では、締結システムの全ての層は、平面的に平行に、全面的に、突出することなく互いに接触している。
【0036】
さらなる機能部品6は、少なくともその個々の構成要素4が接着性を有する範囲において、ポリビニルシロキサン材料で形成されている。
1つの機能部品2は、少なくとも部分的には、例えばポリエチレン材料のようなプラスチック材料で作られており、文字、反射性、蛍光性、光沢性及び/又は光沢性を含む記号で印刷されたカラー及び支持情報で形成することができる。また、マン・マシン・インターフェース、ディスプレイ、例えば、デジタル・ディスプレイ、センサ、データ・インターフェース、及び/又はトランスポンダ・インターフェースが、1つの機能部品2に統合され、各々が、データ処理のために計算ユニットに接続され、その計算ユニットは、機械学習の観点から自己学習アルゴリズムを実行することができる。この文脈において、このように構成された機能部品2、6、26、28は、人工知能を備えていると呼ばれる。
【0037】
全ての機能部品2、6、26、28は、少なくとも1つの更なる性質を有していてもよく、例えば、難燃性、リサイクル可能、生分解性、焼却可能、磁性又は磁性であり、静電帯電又は電磁的に両立可能であり、及び/又は耐研磨性であるように構成されてもよい。
【0038】
このように構成された締結システムは、いかなる種類の交通標識の情報内容をも効果的でないものにするために使用することができ、及び/又は建設車両のような車両を識別するための警告サインとして使用することができ、締結システムがこれらの第3の構成要素から切り離された後に残留物を残さずに、効果的でなくなるか識別が取り除かれる。
そのため、この締結システムは、交通標識や車両などの形態の汚れた、粗い、湿った、及び/又は非磁性の第3の構成部品にも、夫々の第3の構成部品に残留することなく、高度の再現性をもって接着することができる。
【0039】
図9は、キャリアストリップ38を示し、その上に、互いに分離可能な小部品40としての複数の締結システム、いわゆるパッチ40が、市販の接着剤によって、キャリアストリップ38から切り離し可能に配置され、第3の構成部品に切り離し可能に装着されることができる。
また、搬送目的又は保管のために、締結システムは、巻かれた又は巻き付けられた状態で形成され、巻かれない又は巻き付けられない状態において、予め決められた長さで、例えば、切削によって分離することができ、第3の構成要素に繰り返し切り離すことができる。
【0040】
このような締結システムの製造プロセスは、以下により詳細に説明される。
まず、更なる機能部品6は、図に示されていない、いわゆるチルロール工程によって製造される。このプロセスでは、プラスチックが、搬送ギャップとして形成された整形ゾーンに供給され、この搬送ギャップは、加圧ローラの形態の加圧工具と成形ローラの形態の整形工具との間に形成される。成形工具は、その円周上に成形スクリーンを有し、この成形スクリーンにおいては、金型キャビティがその外周に沿って規則的に分布されている。長手方向断面(夫々のロールの回転軸に垂直)で見ると、金型キャビティは2つの対向する境界壁を有し、それぞれが連続的に凸状の経路を有するのが好ましい。境界壁の間隔は、成形スクリーンの外周を起点として、成形工具の回転軸方向に広くなる。
2つのロールが互いに逆の回転方向で駆動されると、これらは、プラスチックを搬送ギャップを介して搬送し、そこで、さらなる機能部品6のベース部分12又は支持部が形成され、個々の構成要素4が、成形ローラの成形キャビティによってベース部分12の成形ローラに接触する側に形成される。
【0041】
その後、更に接着される機能部品6は、図1乃至図8による1つの情報を有する機能部品2に、必要に応じて支持部品28及び/又は接続手段22を介在させて、あるいは接続手段なしで、コーティングまたはラミネート加工によって層状に強固に接続され、それによって、図1乃至図8に示す関連する締結システムが形成される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9