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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20240704BHJP
   B60R 1/00 20220101ALI20240704BHJP
   B60R 1/04 20060101ALI20240704BHJP
   G02B 17/08 20060101ALI20240704BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20240704BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20240704BHJP
   B60K 35/00 20240101ALI20240704BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
G02B27/01
B60R1/00
B60R1/04 Z
G02B17/08
G02B5/30
G02B5/08
B60K35/00
G02B27/02 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021109064
(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公開番号】P2023006458
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】星田 裕文
(72)【発明者】
【氏名】今村 典広
(72)【発明者】
【氏名】永冨 謙司
【審査官】河村 麻梨子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-510844(JP,A)
【文献】特表2017-514168(JP,A)
【文献】特表2019-526075(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0132994(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01
B60R 1/00
B60K 35/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
第1面および第2面を有する光学素子と、
前記表示部から発せられて前記第1面から入射した光を前記第1面に向かって反射させる反射面を有し、前記第2面に設けられる反射部材と、
前記光学素子の前記第1面側に配置される反射型偏光素子と、
前記光学素子と前記反射型偏光素子との間に配置されるλ/4位相差素子とを備え、
前記光学素子および前記反射部材は、前記表示部から発せられた光を拡大させるように形成され、
前記第1面は、凸状のシリンドリカル面であり、
前記第2面は、凸状の自由曲面であり、
前記反射面は、凹状の自由曲面であり、
前記表示部から発せられた光は、
前記反射型偏光素子および前記λ/4位相差素子を透過して前記第1面から入射し、
前記第1面から入射した後に前記反射面で反射し、
前記反射面で反射した後に前記第1面から出射して前記λ/4位相差素子を透過して前記反射型偏光素子で反射し、
前記反射型偏光素子で反射した後に前記λ/4位相差素子を透過して前記第1面から再び入射し、
前記第1面から再び入射した後に前記反射面で再び反射し、
前記反射面で再び反射した後に前記第1面から出射して前記λ/4位相差素子および前記反射型偏光素子を透過する、
表示装置。
【請求項2】
表示部と、
第1面および第2面を有する光学素子と、
前記表示部から発せられて前記第1面から入射した光を前記第1面に向かって反射させる反射面を有し、前記第2面に設けられる反射部材と、
前記光学素子の前記第1面側に配置される反射型偏光素子と、
前記光学素子と前記反射型偏光素子との間に配置されるλ/4位相差素子とを備え、
前記光学素子および前記反射部材は、前記表示部から発せられた光を拡大させるように形成され、
前記第1面は、第1方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であり、
前記第2面は、前記第1方向と直交する第2方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であり、
前記反射面は、前記第2方向を軸方向とする凹状のシリンドリカル面であり、
前記表示部から発せられた光は、
前記反射型偏光素子および前記λ/4位相差素子を透過して前記第1面から入射し、
前記第1面から入射した後に前記反射面で反射し、
前記反射面で反射した後に前記第1面から出射して前記λ/4位相差素子を透過して前記反射型偏光素子で反射し、
前記反射型偏光素子で反射した後に前記λ/4位相差素子を透過して前記第1面から再び入射し、
前記第1面から再び入射した後に前記反射面で再び反射し、
前記反射面で再び反射した後に前記第1面から出射して前記λ/4位相差素子および前記反射型偏光素子を透過する、
表示装置。
【請求項3】
前記λ/4位相差素子は、λ/4位相差フィルムであり、前記第1面に貼り付けられ、
前記反射型偏光素子は、反射型偏光フィルムであり、前記λ/4位相差素子に貼り付けられる、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1方向における前記第1面の寸法は、前記第2方向における前記第2面の寸法よりも大きい、
請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1面から出射した光の前記第1方向における集光点の位置、および前記第1面から出射した光の前記第2方向における集光点の位置は、前記第1方向に直交しかつ前記第2方向に直交する第3方向において相互に異なる、
請求項またはに記載の表示装置。
【請求項6】
前記光学素子の一端部における前記第1面と前記第2面との間の厚みは、前記光学素子の他端部における前記第1面と前記第2面との間の厚みよりも小さい、
請求項1からのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記光学素子の前記第1面側に配置される赤外線カット部材をさらに備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記λ/4位相差素子は、λ/4位相差フィルムであり、前記第1面に貼り付けられ、
前記反射型偏光素子は、反射型偏光フィルムであり、前記λ/4位相差素子に貼り付けられ、
前記赤外線カット部材は、赤外線カットフィルムであり、前記反射型偏光素子に貼り付けられる、
請求項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を表示するための表示装置が知られている。たとえば、表示装置の一例として、特許文献1には、ディスプレイと、ディスプレイに表示された映像を反射させるハーフミラーと、ハーフミラーで反射された映像を反射させる凹面鏡とを備える表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-210229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の表示装置では、ディスプレイから発せられた光の光路長をより長くしようとすると、表示装置が大きくなる。
【0005】
そこで、本開示は、大きくなることを抑制しつつ表示部から発せられた光の光路長をより長くできる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、表示部と、第1面および第2面を有する光学素子と、前記表示部から発せられて前記第1面から入射した光を前記第1面に向かって反射させる反射面を有し、前記第2面に設けられる反射部材と、前記光学素子の前記第1面側に配置される反射型偏光素子と、前記光学素子と前記反射型偏光素子との間に配置されるλ/4位相差素子とを備え、前記光学素子および前記反射部材は、前記表示部から発せられた光を拡大させるように形成され、前記表示部から発せられた光は、前記反射型偏光素子および前記λ/4位相差素子を透過して前記第1面から入射し、前記第1面から入射した後に前記反射面で反射し、前記反射面で反射した後に前記第1面から出射して前記λ/4位相差素子を透過して前記反射型偏光素子で反射し、前記反射型偏光素子で反射した後に前記λ/4位相差素子を透過して前記第1面から再び入射し、前記第1面から再び入射した後に前記反射面で再び反射し、前記反射面で再び反射した後に前記第1面から出射して前記λ/4位相差素子および前記反射型偏光素子を透過する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の表示装置によれば、大きくなることを抑制しつつ表示部から発せられた光の光路長をより長くできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施の形態に係る表示装置が車両に設置された状態を示す図である。
図2図2は、図1の表示装置を示す図である。
図3図3は、図1の表示装置の光学素子等を示す斜視図である。
図4図4は、図3の光学素子等を示す断面図である。
図5図5は、図3の光学素子を示す三面図である。
図6図6は、図1の表示装置の表示部から発せられた光の光路を示す図である。
図7図7は、第2の実施の形態に係る表示装置が備える光学素子および反射部材を示す斜視図である。
図8図8は、図7の光学素子および反射部材を示す三面図である。
図9図9は、図7の光学素子から出射した光の集光点の位置を示す斜視図である。
図10図10は、第3から第6の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図11図11は、第7から第9の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
図12図12は、第10および第11の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様に係る表示装置は、表示部と、第1面および第2面を有する光学素子と、前記表示部から発せられて前記第1面から入射した光を前記第1面に向かって反射させる反射面を有し、前記第2面に設けられる反射部材と、前記光学素子の前記第1面側に配置される反射型偏光素子と、前記光学素子と前記反射型偏光素子との間に配置されるλ/4位相差素子とを備え、前記光学素子および前記反射部材は、前記表示部から発せられた光を拡大させるように形成され、前記表示部から発せられた光は、前記反射型偏光素子および前記λ/4位相差素子を透過して前記第1面から入射し、前記第1面から入射した後に前記反射面で反射し、前記反射面で反射した後に前記第1面から出射して前記λ/4位相差素子を透過して前記反射型偏光素子で反射し、前記反射型偏光素子で反射した後に前記λ/4位相差素子を透過して前記第1面から再び入射し、前記第1面から再び入射した後に前記反射面で再び反射し、前記反射面で再び反射した後に前記第1面から出射して前記λ/4位相差素子および前記反射型偏光素子を透過する。
【0010】
これによれば、表示部から発せられた光を、反射面で反射させ、反射面で反射させた後に反射型偏光素子で反射させ、反射型偏光素子で反射させた後に反射面で再び反射させることができる。このように、表示部から発せられた光を繰り返し反射させることによって、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0011】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記λ/4位相差素子は、λ/4位相差フィルムであり、前記第1面に貼り付けられ、前記反射型偏光素子は、反射型偏光フィルムであり、前記λ/4位相差素子に貼り付けられてもよい。
【0012】
これによれば、λ/4位相差素子および反射型偏光素子を光学素子の第1面側に容易に配置できるので、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部から発せられた光の光路長を容易により長くできる。
【0013】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記第1面および前記第2面の少なくとも一方は、凸状のシリンドリカル面であってもよい。
【0014】
これによれば、光学素子から出射した光が一点に集中することを抑制できるとともに、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0015】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記第1面は、凸状のシリンドリカル面であり、前記第2面は、凸状の自由曲面であり、前記反射面は、凹状の自由曲面であってもよい。
【0016】
これによれば、表示部から発せられた光を容易に拡大させることができるとともに、表
示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0017】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記第1面は、第1方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であり、前記第2面は、前記第1方向と直交する第2方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であり、前記反射面は、前記第2方向を軸方向とする凹状のシリンドリカル面であってもよい。
【0018】
これによれば、光学素子から出射した光が一点に集中することをさらに抑制できるとともに、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0019】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記第1方向における前記第1面の寸法は、前記第2方向における前記第2面の寸法よりも大きくてもよい。
【0020】
これによれば、光学素子の厚みの増大を抑制しつつ、長尺状の画像を容易に表示することができる。
【0021】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記第1面から出射した光の前記第1方向における集光点の位置、および前記第1面から出射した光の前記第2方向における集光点の位置は、前記第1方向に直交しかつ前記第2方向に直交する第3方向において相互に異なってもよい。
【0022】
これによれば、第1面から出射した光が一点に集中することをさらに抑制できるとともに、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0023】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記光学素子の一端部における前記第1面と前記第2面との間の厚みは、前記光学素子の他端部における前記第1面と前記第2面との間の厚みよりも小さくてもよい。
【0024】
これによれば、表示部から発せられた光が第1面で反射した場合、第1面で反射した光が進む方向と、反射面で反射して第1面から出射光した光が進む方向とを容易に異ならせることができるので、第1面で反射した光による映り込みを抑制できる。
【0025】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記光学素子の前記第1面側に配置される赤外線カット部材をさらに備えてもよい。
【0026】
これによれば、太陽光等に含まれている赤外線が第1面から光学素子に入射することを抑制できるので、集光部における温度が上昇することを抑制できるとともに、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0027】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記λ/4位相差素子は、λ/4位相差フィルムであり、前記第1面に貼り付けられ、前記反射型偏光素子は、反射型偏光フィルムであり、前記λ/4位相差素子に貼り付けられ、前記赤外線カット部材は、赤外線カットフィルムであり、前記反射型偏光素子に貼り付けられてもよい。
【0028】
これによれば、λ/4位相差素子、反射型偏光素子、および赤外線カット部材を光学素子の第1面側に容易に配置できるので、集光部における温度が上昇することを容易に抑制できるとともに、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部から発せられた光の光路
長を容易により長くできる。
【0029】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0030】
また、以下の実施の形態において、平行および直交等の、2つの方向の相対的な姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密にはその姿勢ではない場合も含む。たとえば、2つの方向が平行である、という場合、特に断りのない限り、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、たとえば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0031】
また、以下の実施の形態における各図で例示する光路は、原理的な考え方を示すものであるため、必ずしも実際の光路を反映しているものではない。
【0032】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る表示装置10が車両1に設置された状態を示す図である。図1では、車両1および筐体20を断面で示している。
【0033】
図1に示すように、表示装置10は、画像を表示するための装置である。この実施の形態では、表示装置10は、車両1の車室内に設置されている。たとえば、表示装置10は、車両1の後方を撮像するカメラによって撮像された画像を表示する。これによって、車両1の運転手2は、表示装置10を見ることによって(図1の破線矢印を参照)、車両1の後方の状況を視認できる。
【0034】
なお、たとえば、表示装置10は、車両1の車速、車両1に近接する物体の検知結果、または車両1の現在地から目的地までのナビゲーション情報等を示す画像を表示してもよい。
【0035】
図2は、図1の表示装置10を示す図である。図2では、筐体20を断面で示している。
【0036】
図2に示すように、表示装置10は、筐体20と、表示部30と、光学素子40と、反射部材50と、反射型偏光素子60と、λ/4位相差素子70と、透光カバー80とを備えている。
【0037】
筐体20は、表示部30、光学素子40、反射部材50、反射型偏光素子60、およびλ/4位相差素子70を収容している。この実施の形態では、筐体20は、車両1の天井から吊り下げられている。筐体20は、表示部30から発せられた光を筐体20の外部に出射させるための出射部22を有している。出射部22は、筐体20の内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。
【0038】
表示部30は、画像を表す光を発する。たとえば、表示部30は、車両1の後方を撮像するカメラによって撮像された画像を表す光を発する。たとえば、表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはマイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等を含んで実現される。
【0039】
図3は、図1の表示装置10の光学素子40等を示す斜視図である。図4は、図3の光学素子40等を示す断面図である。図4の(a)は、図3のIVa-IVa線における断面図であり、図4の(b)は、図3のIVb-IVb線における断面図である。図5は、図3の光学素子40を示す三面図である。図5の(a)は、正面図であり、図5の(b)は、平面図であり、図5の(c)は、側面図である。
【0040】
図2から図5に示すように、光学素子40は、第1面42と、第2面44とを有している。光学素子40は、表示部30から発せられた光を第1面42から入射させ、第2面44に設けられている反射部材50で反射した光を第1面42から出射させる(図2の太線矢印を参照)。たとえば、光学素子40は、レンズである。
【0041】
第1面42は、第1方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面である。つまり、第1面42は、第1方向に延びる軸A(軸方向:図5の(a)を参照)を中心とする周方向に沿う面である。第1方向は、図2等におけるX軸で示す方向である。
【0042】
第1面42は、表示部30から発せられた光を入射させる。つまり、表示部30から発せられた光は、第1面42から光学素子40の内部に入射する。また、第1面42は、反射部材50で反射した光を出射させる。つまり、第1面42から光学素子40の内部に入射した後に反射部材50で反射した光は、第1面42から光学素子40の外部に出射する。このように、第1面42は、光を入出射させる入出射面である。
【0043】
第2面44は、凸状の自由曲面である。この実施の形態では、第2面は、第1方向に延びる軸を中心とする周方向に沿いかつ第1方向に直交する第2方向に延びる軸B(軸方向:図5の(a)を参照)を中心とする周方向に沿う面である。第2方向は、図2等におけるY軸で示す方向である。
【0044】
第2面44は、第1面42とは反対側の面であり、第1方向と直交しかつ第2方向と直交する第3方向において、第1面42と並んでいる。つまり、第2面44は、第3方向から見たとき、第1面42と重なっている。第3方向は、図2等におけるZ軸で示す方向である。
【0045】
第2面44は、第1面42とは反対向きに突出している。具体的には、第1面42は、第3方向における一方側(Z軸方向のプラス側)に突出しており、第2面44は、第3方向における他方側(Z軸方向のマイナス側)に突出している。
【0046】
この実施の形態では、第1方向から見たとき、第2方向における第1面42の一端部と他端部とを繋ぐ直線C(図5の(c)を参照)は、第2方向と平行である。また、この実施の形態では、第2方向から見たとき、第1方向における第2面44の一端部と他端部とを繋ぐ直線D(図5の(b)を参照)は、第1方向と平行である。また、この実施の形態では、第1方向から見たとき、第2方向における第2面44の一端部と他端部とを繋ぐ直線I(図5の(c)を参照)は、第2方向と平行である。なお、たとえば、直線Cおよび直線Iのそれぞれは、第2方向と平行でなくてもよいし、直線Dは、第1方向と平行でなくてもよい。
【0047】
第1方向における第1面42の寸法E(図5の(a)を参照)は、第2方向における第2面44の寸法F(図5の(c)を参照)よりも大きい。この実施の形態では、第3方向から見たとき、第2方向における第1面42の寸法は、第2方向における第2面44の寸法Fと等しく、第1方向における第2面44の寸法は、第1方向における第1面42の寸法Eと等しい。なお、たとえば、第1方向における第1面42の寸法Eは、第2方向における第2面44の寸法Fよりも大きくなくてもよい。また、たとえば、第3方向から見た
とき、第2方向における第1面42の寸法は、第2方向における第2面44の寸法Fと等しくなくてもよく、第1方向における第2面44の寸法は、第1方向における第1面42の寸法Eと等しくなくてもよい。
【0048】
反射部材50は、第2面44に設けられており、第1面42から入射した光を第1面42に向かって反射させる反射面52を有している。たとえば、反射部材50は、金属膜または樹脂等によって形成されている。
【0049】
反射面52は、凹状の自由曲面である。この実施の形態では、反射面52は、第1方向に延びる軸を中心とする周方向に沿いかつ第2方向に延びる軸Bを中心とする周方向に沿う面である。反射面52は、第2面44に沿って湾曲しており、第3方向における他方側に凹んでいる。反射面52は、第2面44に接している。
【0050】
反射面52は、第3方向において、第1面42と並んでいる。つまり、反射面52は、第3方向から見たとき、第1面42と重なっている。
【0051】
この実施の形態では、第3方向から見たとき、第1方向における反射面52の寸法は、第1方向における第1面42の寸法Eおよび第1方向における第2面44の寸法と等しく、第2方向における反射面52の寸法は、第2方向における第1面42の寸法および第2方向における第2面44の寸法Fと等しい。なお、たとえば、第3方向から見たとき、第1方向における反射面52の寸法は、第1方向における第1面42の寸法Eおよび第1方向における第2面44の寸法と等しくなくてもよく、第2方向における反射面52の寸法は、第2方向における第1面42の寸法および第2方向における第2面44の寸法Fと等しくなくてもよい。
【0052】
光学素子40および反射部材50は、表示部30から発せられた光を拡大させるように形成されている。たとえば、表示部30から発せられた光が拡大するように、第1面42の凹凸形状、第1面42の曲率、第2面44の凹凸形状、第2面44の曲率、反射面52の凹凸形状、および反射面52の曲率等が決定される。
【0053】
上述したように、この実施の形態では、第1面42は、第1方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であり、第2面44は、凸状の自由曲面であり、反射面52は、凹状の自由曲面である。これによって、表示部30から発せられた光は、光学素子40および反射部材50によって拡大する。つまり、表示部30から発せられる光によって表される画像は、光学素子40および反射部材50によって拡大する。
【0054】
なお、たとえば、第1面42は、第2方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であってもよいし、第1方向に延びる軸を中心とする周方向に沿いかつ第2方向に延びる軸を中心とする周方向に沿う凸状の自由曲面であってもよい。また、たとえば、第1面42は、第1方向を軸方向とする凹状のシリンドリカル面であってもよいし、第2方向を軸方向とする凹状のシリンドリカル面であってもよいし、第1方向に延びる軸を中心とする周方向に沿いかつ第2方向に延びる軸を中心とする周方向に沿う凹状の自由曲面であってもよい。
【0055】
また、たとえば、第2面44は、第1方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であり、反射面52は、第1方向を軸方向とする凹状のシリンドリカル面であってもよい。また、たとえば、第2面44は、第2方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であり、反射面52は、第2方向を軸方向とする凹状のシリンドリカル面であってもよい。
【0056】
また、たとえば、第2面44は、第1方向を軸方向とする凹状のシリンドリカル面であ
り、反射面52は、第1方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であってもよい。また、たとえば、第2面44は、第2方向を軸方向とする凹状のシリンドリカル面であり、反射面52は、第2方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であってもよい。
【0057】
また、たとえば、第2面44は、第1方向に延びる軸を中心とする周方向に沿いかつ第2方向に延びる軸を中心とする周方向に沿う凹状の自由曲面であり、反射面52は、第1方向に延びる軸を中心とする周方向に沿いかつ第2方向に延びる軸を中心とする周方向に沿う凸状の自由曲面であってもよい。
【0058】
光学素子40および反射部材50は、表示部30から発せられた光を拡大させるように形成されていればよい。
【0059】
反射型偏光素子60は、光学素子40の第1面42側に配置されている。反射型偏光素子60は、特定方向に振動する光のみを透過させ、当該光以外の光を反射させる。この実施の形態では、反射型偏光素子60は、S偏光を透過させ、S偏光以外の光を反射させる。また、この実施の形態では、反射型偏光素子60は、反射型偏光フィルムであり、λ/4位相差素子70に貼り付けられている。なお、たとえば、反射型偏光素子60は、反射型偏光フィルムでなくてもよく、λ/4位相差素子70と離れた位置に配置されていてもよい。
【0060】
λ/4位相差素子70は、光学素子40と反射型偏光素子60との間に配置されている。λ/4位相差素子70は、λ/4位相差素子70に入射した光の位相を1/4波長の位相差の付与によって変化させる。この実施の形態では、λ/4位相差素子70は、λ/4位相差フィルムであり、第1面42に貼り付けられている。なお、たとえば、λ/4位相差素子70は、λ/4位相差フィルムでなくてもよく、第1面42と離れた位置に配置されていてもよい。
【0061】
たとえば、1/4波長の位相差を付与する機能は、表示部30から発せられた光のうち、人が視認できる可視光の波長範囲に対して適用されればよい。たとえば、当該波長範囲は、400nmから700nmの範囲である。また、たとえば、1/4波長の位相差を付与する機能は、可視光の波長範囲を十分に網羅可能な波長範囲に対して適用されてもよい。たとえば、当該波長範囲は、350nmから850nmの範囲である。
【0062】
透光カバー80は、出射部22に設けられており、光学素子40から出射した光を透過させる。たとえば、透光カバー80は、透明なガラス、または透明な樹脂等によって形成されている。
【0063】
図6は、図1の表示装置10の表示部30から発せられた光の光路を示す図である。図6における太線矢印は、表示部30から発せられた光の光路を示しており、図6における太線破線矢印は、外部から表示装置10内に入射した光の光路を示している。なお、図6では、光の位相の変化を分かり易くする図示するために、反射型偏光素子60とλ/4位相差素子70とを離して図示し、λ/4位相差素子70と光学素子40とを離して図示している。
【0064】
図6に示すように、表示部30から発せられた光は、反射型偏光素子60およびλ/4位相差素子70を透過して第1面42から入射する。この実施の形態では、表示部30からS偏光が発せられる。表示部30から発せられた光は、S偏光の状態で反射型偏光素子60を透過した後にλ/4位相差素子70によって円偏光に変化し、円偏光の状態で第1面42から光学素子40に入射する。
【0065】
表示部30から発せられた光は、第1面42から入射した後に反射面52で反射する。この実施の形態では、表示部30から発せられた光は、円偏光の状態で反射面52で反射する。
【0066】
表示部30から発せられた光は、反射面52で反射した後に第1面42から出射してλ/4位相差素子70を透過して反射型偏光素子60で反射する。この実施の形態では、表示部30から発せられた光は、円偏光の状態で反射面52で反射した後、円偏光の状態で第1面42から出射してλ/4位相差素子70によってP偏光に変化し、P偏光の状態で反射型偏光素子60で反射する。
【0067】
表示部30から発せられた光は、反射型偏光素子60で反射した後にλ/4位相差素子70を透過して第1面42から再び入射する。この実施の形態では、表示部30から発せられた光は、P偏光の状態で反射型偏光素子60で反射した後、λ/4位相差素子70によって円偏光に変化し、円偏光の状態で第1面42から再び光学素子40に入射する。
【0068】
表示部30から発せられた光は、第1面42から再び入射した後に反射面52で再び反射する。この実施の形態では、表示部30から発せられた光は、円偏光の状態で反射面52で再び反射する。
【0069】
表示部30から発せられた光は、反射面52で再び反射した後に第1面42から出射してλ/4位相差素子70および反射型偏光素子60を透過する。この実施の形態では、表示部30から発せられた光は、円偏光の状態で反射面52で再び反射した後、円偏光の状態で第1面42から出射してλ/4位相差素子70によってS偏光に変化し、S偏光の状態で反射型偏光素子60を透過する。
【0070】
表示部30から発せられた光は、反射面52で再び反射した後に第1面42から出射してλ/4位相差素子70および反射型偏光素子60を透過した後、透光カバー80を透過して筐体20の外部に出射する。
【0071】
なお、外部から表示装置10内に入射した光のうち、S偏光以外は、反射型偏光素子60で表示部30側へ反射する。一方、外部から表示装置10内に入射した光のうち、S偏光は、反射型偏光素子60、λ/4位相差素子70、光学素子40、およびλ/4位相差素子70の順に透過することによってP偏光に変化し、当該P偏光は、反射型偏光素子60で反射する。その後、当該P偏光はλ/4位相差素子70によって円偏光に変化し、反射面52で反射し、再度、λ/4位相差素子70を通ることによりS偏光に変化する。当該S偏光は反射型偏光素子60を透過するが、その方向は図6に示すように表示部30側に向かう。そのため、外部から表示装置10内に入射した光が筐体20内で反射して透光カバー80から出射することを抑制でき、運転手に対する外光の影響を低減できる。
【0072】
以上、第1の実施の形態に係る表示装置10について説明した。
【0073】
第1の実施の形態に係る表示装置10は、表示部30と、第1面42および第2面44を有する光学素子40と、表示部30から発せられて第1面42から入射した光を第1面42に向かって反射させる反射面52を有し、第2面44に設けられる反射部材50と、光学素子40の第1面42側に配置される反射型偏光素子60と、光学素子40と反射型偏光素子60との間に配置されるλ/4位相差素子70とを備え、光学素子40および反射部材50は、表示部30から発せられた光を拡大させるように形成され、表示部30から発せられた光は、反射型偏光素子60およびλ/4位相差素子70を透過して第1面42から入射し、第1面42から入射した後に反射面52で反射し、反射面52で反射した後に第1面42から出射してλ/4位相差素子70を透過して反射型偏光素子60で反射
し、反射型偏光素子60で反射した後にλ/4位相差素子70を透過して第1面42から再び入射し、第1面42から再び入射した後に反射面52で再び反射し、反射面52で再び反射した後に第1面42から出射してλ/4位相差素子70および反射型偏光素子60を透過する。
【0074】
これによれば、表示部30から発せられた光を、反射面52で反射させ、反射面52で反射させた後に反射型偏光素子60で反射させ、反射型偏光素子60で反射させた後に反射面52で再び反射させることができる。このように、表示部30から発せられた光を繰り返し反射させることによって、表示装置10が大きくなることを抑制しつつ表示部30から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0075】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、λ/4位相差素子70は、λ/4位相差フィルムであり、第1面42に貼り付けられ、反射型偏光素子60は、反射型偏光フィルムであり、λ/4位相差素子70に貼り付けられている。
【0076】
これによれば、λ/4位相差素子70および反射型偏光素子60を光学素子40の第1面42側に容易に配置できるので、表示装置10が大きくなることを抑制しつつ表示部30から発せられた光の光路長を容易により長くできる。
【0077】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、第1面42および第2面44の少なくとも一方は、凸状のシリンドリカル面である。
【0078】
これによれば、光学素子から出射した光が一点に集中することを抑制できるとともに、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0079】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、第1面42は、凸状のシリンドリカル面であり、第2面44は、凸状の自由曲面であり、反射面52は、凹状の自由曲面である。
【0080】
これによれば、表示部30から発せられた光を容易に拡大させることができるとともに、表示装置10が大きくなることを抑制しつつ表示部30から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0081】
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態に係る表示装置が備える光学素子40aおよび反射部材50aを示す斜視図である。図8は、図7の光学素子40aおよび反射部材50aを示す三面図である。図8の(a)は、正面図であり、図8の(b)は、平面図であり、図8の(c)は、側面図である。図8の(c)では、反射部材50aの図示を省略している。
【0082】
第2の実施の形態に係る表示装置は、光学素子40とは異なる光学素子40a、および反射部材50とは異なる反射部材50aを備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0083】
図7および図8に示すように、光学素子40aは、第2面44とは異なる第2面44aを有している点において、光学素子40と主に異なっている。
【0084】
第2面44aは、第2方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面である。つまり、第2面44aは、第2方向に延びる軸B(軸方向:図8の(a)を参照)を中心とする周方向に沿う面である。
【0085】
第1方向における第1面42の寸法E(図8の(a)を参照)は、第2方向における第2面44aの寸法F(図8の(c)を参照)よりも大きい。なお、第1方向における第1面42の寸法Eは、第2方向における第2面44aの寸法Fよりも大きくなくてもよい。
【0086】
反射部材50aは、反射面52とは異なる反射面52aを有している点において、反射部材50と主に異なっている。
【0087】
反射面52aは、第2方向を軸方向とする凹状のシリンドリカル面である。つまり、反射面52aは、第2方向に延びる軸Bを中心とする周方向に沿う面である。反射面52aは、第2面44aに沿って湾曲しており、第3方向における他方側に凹んでいる。反射面52aは、第2面44aに接している。
【0088】
図9は、図7の光学素子40aから出射した光の集光点の位置を示す斜視図である。図9では、光学素子40aの中心軸(一点鎖線で示す)上における集光点の位置を示している。
【0089】
図9に示すように、反射面52aで反射して第1面42から出射した光の第1方向における集光点Gの位置、および第1面42から出射した光の第2方向における集光点Hの位置は、第3方向において相互に異なっている。
【0090】
この実施の形態では、集光点Gは、集光点Hよりも光学素子40aから離れた場所に位置している。なお、たとえば、集光点Gは、集光点Hよりも光学素子40aに近い場所に位置していてもよい。
【0091】
たとえば、第1面42の曲率、第2面44aの曲率、および第1面42と第2面44aとの間隔等によって、集光点Gの位置および集光点Hの位置を定めることができる。
【0092】
なお、第1面42は、第1方向を軸方向(X軸に平行)とする凸状のシリンドリカル面であるので、第1面42から出射した光は集光点Hを通りX軸に平行な線分を長軸とする楕円状に集光する。同様に、第2面44aは、第2方向を軸方向(Y軸に平行)とする凸状のシリンドリカル面であり、反射面52aは、第2方向を軸方向(Y軸に平行)とする凹状のシリンドリカル面であるので、反射面52aで反射して第1面42から出射した光は集光点Gを通りY軸に平行な線分を長軸とする楕円状に集光する。したがって、球面状のレンズのように光が一点に集光しないため、集光部における温度上昇を抑制できる。
【0093】
以上、第2の実施の形態に係る表示装置について説明した。
【0094】
第2の実施の形態に係る表示装置において、第1面42は、第1方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であり、第2面44aは、第1方向と直交する第2方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面であり、反射面52aは、第2方向を軸方向とする凹状のシリンドリカル面である。
【0095】
これによれば、光学素子40aから出射した光が一点に集中することをさらに抑制できるとともに、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部30から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0096】
また、第2の実施の形態に係る表示装置において、第1方向における第1面42の寸法Eは、第2方向における第2面44aの寸法Fよりも大きい。
【0097】
これによれば、光学素子40aの厚みの増大を抑制しつつ、長尺状の画像を容易に表示することができる。
【0098】
また、第2の実施の形態に係る表示装置において、第1面42から出射した光の第1方向における集光点Gの位置、および第1面42から出射した光の第2方向における集光点Hの位置は、第1方向に直交しかつ第2方向に直交する第3方向において相互に異なる。
【0099】
これによれば、第1面42から出射した光が一点に集中することをさらに抑制できるとともに、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部30から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0100】
(第3の実施の形態)
図10は、第3から第6の実施の形態に係る表示装置を示す図である。図10では、反射部材50等の図示を省略している。
【0101】
図10の(a)に示すように、第3の実施の形態に係る表示装置は、表示部30から発せられた光を光学素子40に向かって反射させるフレネルミラー90をさらに備えている点において、表示装置10と主に異なっている。図10の(a)では、フレネルミラー90を断面で図示している。
【0102】
フレネルミラー90は、表示部30から発せられた光を光学素子40に向かって反射させる反射面92を有している。反射面92は、断面略のこぎり状の面である。
【0103】
表示部30から発せられた光は、フレネルミラー90で反射した後、表示装置10と同様に、反射型偏光素子60およびλ/4位相差素子70を透過して第1面42から光学素子40に入射する。表示部30から発せられた光は、第1面42から光学素子40に入射した後、表示装置10と同様に反射を繰り返した後に第1面42から出射する。
【0104】
このような構成とすることにより、表示部30からの光をフレネルミラー90で反射できるので、表示部30の配置自由度が増す。さらに、フレネルミラー90を用いることで表示部30からの光の反射角度を調整できるので、表示部30をフレネルミラー90に対しほぼ真正面に配置でき、その分、筐体20を小型化できる。
【0105】
(第4の実施の形態)
図10の(b)に示すように、第4の実施の形態に係る表示装置は、表示部30がオーバーヘッドコンソール(OHC)3に収納されている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0106】
表示部30から発せされた光は、表示装置10と同様に、反射型偏光素子60およびλ/4位相差素子70を透過して第1面42から光学素子40に入射する。表示部30から発せられた光は、第1面42から光学素子40に入射した後、表示装置10と同様に反射を繰り返した後に第1面42から出射する。
【0107】
このような構成とすることにより、表示部30をオーバーヘッドコンソール3に収納できるので、その分、筐体20を小型化できる。
【0108】
(第5の実施の形態)
図10の(c)に示すように、第5の実施の形態に係る表示装置は、表示部30から発せられた光を光学素子40に向かって反射させる無偏光ハーフミラー100をさらに備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0109】
表示部30から発せられた光は、無偏光ハーフミラー100で反射した後、表示装置10と同様に、反射型偏光素子60およびλ/4位相差素子70を透過して第1面42から光学素子40に入射する。表示部30から発せられた光は、第1面42から光学素子40に入射した後、表示装置10と同様に反射を繰り返した後に第1面42から出射し、第1面42から出射した後に無偏光ハーフミラー100を透過する。
【0110】
このような構成とすることにより、無偏光ハーフミラー100で表示部30から出射した光が反射し、光学素子40から出射した光が再度無偏光ハーフミラー100を透過するので、その分、光路長を長くすることができる。
【0111】
(第6の実施の形態)
図10の(d)に示すように、第6の実施の形態に係る表示装置は、表示部30から発せられた光を光学素子40に向かって反射させる平面ミラー110をさらに備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0112】
表示部30から発せられた光は、反射型偏光素子60およびλ/4位相差素子70を透過して第1面42から光学素子40に入射する。表示部30から発せられた光は、第1面42から光学素子40に入射した後、表示装置10と同様に反射を繰り返した後に第1面42から出射し、第1面42から出射した後に平面ミラー110で反射する。
【0113】
このような構成とすることにより、平面ミラー110での光の減衰を抑制した状態で、光路長を長くすることができる。
【0114】
なお、第6の実施の形態に係る表示装置は、平面ミラー110に代えて、凹状の反射面を有する凹面ミラーを備えていてもよい。
【0115】
この場合、凹面ミラーで、さらに拡大表示させることができる。
【0116】
(第7の実施の形態)
図11は、第7から第9の実施の形態に係る表示装置を示す図である。図11では、反射部材50等の図示を省略している。
【0117】
図11の(a)に示すように、第7の実施の形態に係る表示装置は、光学素子40とは異なる光学素子40bを備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0118】
光学素子40bは、第1面42とは異なる第1面42bを有している点において、光学素子40と主に異なっている。
【0119】
第1面42bは、第1方向に直交しかつ第2方向および第3方向に対して傾いている方向を軸方向とする凸状のシリンドリカル面である。
【0120】
光学素子40bの一端部における第1面42bと第2面44との間の厚みJは、光学素子40bの他端部における第1面42bと第2面44との間の厚みKよりも小さい。
【0121】
具体的には、第1方向から見たとき、第2方向における光学素子40bの一端部における、第1面42bと第2面44との間の第3方向における寸法(厚みJ)は、第2方向における光学素子40bの他端部における、第1面42bと第2面44との間の第3方向における寸法(厚みK)よりも小さく、光学素子40bは、略楔形状である。
【0122】
λ/4位相差素子70bは、第1面42bに貼り付けられ、反射型偏光素子60bは、λ/4位相差素子70bに貼り付けられている。
【0123】
第7の実施の形態に係る表示装置において、光学素子40bの一端部における第1面42bと第2面44との間の厚みJは、光学素子40bの他端部における第1面42bと第2面44との間の厚みKよりも小さい。
【0124】
これによれば、表示部30から発せられた光が第1面42bで反射した場合、第1面42bで反射した光が進む方向と、反射面52で反射して第1面42bから出射光した光が進む方向とを容易に異ならせることができるので、第1面42bで反射した光による映り込みを抑制できる。
【0125】
(第8の実施の形態)
図11の(b)に示すように、第8の実施の形態に係る表示装置は、光学素子40とは異なる光学素子40c、および遮光部120を備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0126】
光学素子40cは、ゲート痕46をさらに備えている点において、光学素子40と主に異なっている。ゲート痕46は、光学素子40cを射出成型した場合に形成され得る。
【0127】
遮光部120は、ゲート痕46の第1面42側に配置されている。これによって、表示部30から発せられた光等がゲート痕46に入射して、ゲート痕46に起因した不要な反射光が出射することを抑制できる。
【0128】
(第9の実施の形態)
図11の(c)に示すように、第9の実施の形態に係る表示装置は、透過型偏光素子130をさらに備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0129】
透過型偏光素子130は、反射型偏光素子60の光学素子40とは反対側に配置されている。この実施の形態では、透過型偏光素子130は、透過型偏光フィルムであり、反射型偏光素子60に貼り付けられている。
【0130】
表示部30から発せされた光は、透過型偏光素子130、反射型偏光素子60、およびλ/4位相差素子70をこの順に透過し、第1面42から光学素子40に入射する。表示部30から発せられた光は、第1面42から光学素子40に入射した後、表示装置10と同様に反射を繰り返した後に第1面42から出射する。
【0131】
このような構成とすることにより、外部から表示装置10内に入射した光に対し、例えば透過型偏光素子130がP偏光を吸収することにより、外部からの光の反射を抑制できる。
【0132】
(第10の実施の形態)
図12は、第10および第11の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
【0133】
図12の(a)に示すように、第10の実施の形態に係る表示装置は、赤外線カット部材140をさらに備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0134】
赤外線カット部材140は、光学素子40の第1面42側に配置されている。この実施の形態では、赤外線カット部材140は、反射型偏光素子60の光学素子40とは反対側に配置されている。この実施の形態では、赤外線カット部材140は、赤外線カットフィ
ルムであり、反射型偏光素子60に貼り付けられている。なお、たとえば、赤外線カット部材140は、赤外線カットフィルムでなくてもよく、反射型偏光素子60と離れた位置に配置されていてもよい。
【0135】
表示部30から発せされた光は、赤外線カット部材140、反射型偏光素子60、およびλ/4位相差素子70をこの順に透過し、第1面42から光学素子40に入射する。表示部30から発せられた光は、第1面42から光学素子40に入射した後、表示装置10と同様に反射を繰り返した後に第1面42から出射する。
【0136】
第10の実施の形態に係る表示装置において、光学素子40の第1面42側に配置される赤外線カット部材140をさらに備える。
【0137】
これによれば、太陽光等に含まれている赤外線が第1面42から光学素子40に入射することを抑制できるので、集光部における温度が上昇することを抑制できるとともに、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部30から発せられた光の光路長をより長くできる。
【0138】
また、第10の実施の形態に係る表示装置において、λ/4位相差素子70は、λ/4位相差フィルムであり、第1面42に貼り付けられ、反射型偏光素子60は、反射型偏光フィルムであり、λ/4位相差素子70に貼り付けられ、赤外線カット部材140は、赤外線カットフィルムであり、反射型偏光素子60に貼り付けられる。
【0139】
これによれば、λ/4位相差素子70、反射型偏光素子60、および赤外線カット部材140を光学素子40の第1面42側に容易に配置できるので、集光部における温度が上昇することを容易に抑制できるとともに、表示装置が大きくなることを抑制しつつ表示部30から発せられた光の光路長を容易により長くできる。
【0140】
(第11の実施の形態)
図12の(b)に示すように、第11の実施の形態に係る表示装置は、光学素子40と異なる光学素子40dを備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0141】
光学素子40dは、第1面42とは異なる第1面42dを有している点において、光学素子40と主に異なっている。第1面42dは、第1方向を軸方向とする凹状のシリンドリカル面である。つまり、第1面42dは、第1方向に延びる軸を中心とする周方向に沿う面である。
【0142】
表示部30から発せされた光は、反射型偏光素子60およびλ/4位相差素子70をこの順に透過し、第1面42dから光学素子40dに入射する。表示部30から発せられた光は、第1面42dから光学素子40dに入射した後、表示装置10と同様に反射を繰り返した後に第1面42dから出射する。
【0143】
このような構成によっても、表示部30から発せられた光を拡大することができる。
【0144】
(他の実施の形態等)
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本開示は、画像を表示するための表示装置等に利用できる。
【符号の説明】
【0146】
10 表示装置
20 筐体
22 出射部
30 表示部
40,40a,40b,40c,40d 光学素子
42,42b,42d 第1面
44,44a 第2面
46 ゲート痕
50,50a 反射部材
52,52a,92 反射面
60 反射型偏光素子
70 λ/4位相差素子
80 透光カバー
90 フレネルミラー
100 無偏光ハーフミラー
110 平面ミラー
120 遮光部
130 透過型偏光素子
140 赤外線カット部材
図1
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図12