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特許7514590クワッドフォイルジャーナルエアベアリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】クワッドフォイルジャーナルエアベアリング
(51)【国際特許分類】
   F16C 27/02 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
F16C27/02 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019081422
(22)【出願日】2019-04-23
(65)【公開番号】P2019190662
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】15/962,627
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500107762
【氏名又は名称】ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー マコーリフ
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド エム.ストルツィアク
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-524558(JP,A)
【文献】特開2012-031995(JP,A)
【文献】米国特許第05634723(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 17/00-17/26,21/00-27/08,
33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クワッドフォイルジャーナルエアベアリングであって、
2つの二重巻フォイルアセンブリに接触する内面を画定するジャーナルスリーブであって、前記2つの二重巻フォイルアセンブリのうち一方の二重巻フォイルアセンブリが、第1のキーから構成され、前記2つの二重巻フォイルアセンブリのうち他方の二重巻フォイルアセンブリが、第2のキーから構成され、前記内面が、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの前側と、前記前側の反対側に位置する前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの後側と、の間に延在する、ジャーナルスリーブを含み、
前記第1のキーから構成された前記二重巻フォイルアセンブリが、第1のフォイルアセンブリに含まれるとともに、前記ジャーナルスリーブの前記内面に結合されており、
前記第2のキーから構成された前記二重巻フォイルアセンブリが、第2のフォイルアセンブリに含まれるとともに、前記ジャーナルスリーブの前記内面に結合されており、
前記第1のキー及び前記第2のキーは、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの円周上に不等間隔で配置されており、
前記第1および第2のフォイルアセンブリは、同じ直径を有し、かつ前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの幅に沿って互いに隣り合って配置されており、前記第1および第2のフォイルアセンブリは、それぞれ、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの全周に沿って連続的に延びており、
前記第1のキーは、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの前記前側の位置に配置され、前記前側の位置は、前記クアッドフォイルジャーナルエアベアリングの中心軸に対して垂直に延びる重力方向に対して反時計回りに第1の角度の位置であり、
前記第2のキーは、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの前記後側の位置に配置され、前記後側の位置は、前記クアッドフォイルジャーナルエアベアリングの中心軸に対して垂直に延びる重力方向に対して反時計回りに第2の角度の位置である、クワッドフォイルジャーナルエアベアリング。
【請求項2】
前記第1のキーは前記内面の第1の部分に結合され、
前記第2のキーは前記第1の部分とは異なる前記内面の第2の部分に結合される、
請求項1に記載のクワッドフォイルジャーナルエアベアリング。
【請求項3】
前記ジャーナルスリーブは、前記内面の前記第1の部分に形成された第1のキースロットと、前記内面の前記第2の部分に形成された第2のキースロットとをさらに含み、
前記第1のキーは前記第1のフォイルアセンブリから半径方向に延びて、前記第1のキースロットと嵌合し、
前記第2のキーは前記第2のフォイルアセンブリから半径方向に延びて、前記第2のキースロットと嵌合する、
請求項2に記載のクワッドフォイルジャーナルエアベアリング。
【請求項4】
前記第1のキーは、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの中心軸に対して垂直に延びる重力方向に対して円周方向にずれており、
前記第2のキーは、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの中心軸に対して垂直に延びる重力方向に対して円周方向にずれている、
請求項3に記載のクワッドフォイルジャーナルエアベアリング。
【請求項5】
前記第1のフォイルアセンブリと前記第2のフォイルアセンブリとはそれぞれ、長さ対直径のアスペクト比がそれぞれ1~2である、請求項4に記載のクワッドフォイルジャーナルエアベアリング。
【請求項6】
前記第1のフォイルアセンブリと前記第2のフォイルアセンブリとはそれぞれ、
上部フォイルと、
前記上部フォイルに結合した中間フォイルであって、前記上部フォイルの半径方向外側に配置された、前記中間フォイルと、
前記ジャーナルスリーブと前記中間フォイルとの間に介在するバンプフォイルであって、前記上部フォイルと前記中間フォイルとの間、及び前記中間フォイルと前記バンプフォイルとの間とで流体を伝達するための経路を設けるように構成された、前記バンプフォイルと、
を含む、請求項5に記載のクワッドフォイルジャーナルエアベアリング。
【請求項7】
回転部品であって、
回転可能なシャフトと、
前記シャフトを回転させるように構成されたクワッドフォイルジャーナルエアベアリングと、を含み、
前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングは、
2つの二重巻フォイルアセンブリに接触する内面を画定するジャーナルスリーブを含み、前記2つの二重巻フォイルアセンブリのうち一方の二重巻フォイルアセンブリが、第1のキーから構成され、前記2つの二重巻フォイルアセンブリのうち他方の二重巻フォイルアセンブリが、第2のキーから構成され、前記内面が、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの前側と、前記前側の反対側に位置する前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの後側と、の間に延在しており、前記ジャーナルスリーブが、前記シャフトの外面に隣接して配置されて、それらの間にフォイル室を画定し、
前記第1のキーから構成された前記二重巻フォイルアセンブリが、前記フォイル室内に配置された第1のフォイルアセンブリに含まれるとともに、前記ジャーナルスリーブの前記内面に結合され、
前記第2のキーから構成された前記二重巻フォイルアセンブリが、前記フォイル室内に配置された第2のフォイルアセンブリに含まれるとともに、前記ジャーナルスリーブの前記内面に結合され、
前記第1のキー及び前記第2のキーは、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの円周上に不等間隔で配置されており、
前記第1および第2のフォイルアセンブリは、同じ直径を有し、かつ前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの幅に沿って互いに隣り合って配置されており、前記第1および第2のフォイルアセンブリは、それぞれ、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの全周に沿って連続的に延びており、
前記第1のキーは、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの前記前側の位置に配置され、前記前側の位置は、前記クアッドフォイルジャーナルエアベアリングの中心軸に対して垂直に延びる重力方向に対して反時計回りに第1の角度の位置であり、
前記第2のキーは、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの前記後側の位置に配置され、前記後側の位置は、前記クアッドフォイルジャーナルエアベアリングの中心軸に対して垂直に延びる重力方向に対して反時計回りに第2の角度の位置である、回転部品。
【請求項8】
前記第1のキーは前記内面の第1の部分に結合され、
前記第2のキーは前記第1の部分とは異なる前記内面の第2の部分に結合される、
請求項7に記載の回転部品。
【請求項9】
前記ジャーナルスリーブは、前記内面の前記第1の部分に形成された第1のキースロットと、前記内面の前記第2の部分に形成された第2のキースロットとをさらに含み、
前記第1のキーは前記第1のフォイルアセンブリから半径方向に延びて、前記第1のキースロットと嵌合し、
前記第2のキーは前記第2のフォイルアセンブリから半径方向に延びて、前記第2のキースロットと嵌合している、
請求項8に記載の回転部品。
【請求項10】
前記第1のキーは、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの中心軸に対して垂直に延びる重力方向に対して円周方向にずれており、
前記第2のキーは、前記クワッドフォイルジャーナルエアベアリングの中心軸に対して垂直に延びる重力方向に対して円周方向にずれている、
請求項9に記載の回転部品。
【請求項11】
前記第1のフォイルアセンブリと前記第2のフォイルアセンブリとはそれぞれ、長さ対直径のアスペクト比がそれぞれ1~2である、請求項10に記載の回転部品。
【請求項12】
前記第1のフォイルアセンブリと前記第2のフォイルアセンブリとはそれぞれ、
前記シャフトを収容するように構成された上部フォイルと、
前記上部フォイルの半径方向外側に配置された中間フォイルと、
前記ジャーナルスリーブと前記中間フォイルとの間に介在するバンプフォイルであって、前記シャフトの前記外面に対して前記上部フォイルの少なくとも一部を付勢し、前記上部フォイルと前記中間フォイルとの間、及び前記中間フォイルと前記バンプフォイルとの間とで流体を伝達するための経路を設けるように構成された、前記バンプフォイルと、
を含む、請求項11に記載の回転部品。
【請求項13】
前記上部フォイルは前記中間フォイルに結合している、請求項12に記載の回転部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般的に、ロータリベアリングに関し、より具体的には、回転機械の回転を容易にするように構成されたエアジャーナルベアリングに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2015年1月19に出願された米国特許出願第14/599,732号の一部継続出願であり、米国特許出願公開第2016/0208847号として公開されている。なお、その内容全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【0003】
従来のジャーナルエアベアリングは典型的に、たとえば、航空機のエアサイクルマシンなどの回転機械内に配置されたシャフトなどの回転可能な部品を支持する。シャフトは内側または外側の半径方向負荷を実現する可能性があり、これは次にジャーナルエアベアリングに移される。半径方向負荷はジャーナルエアベアリングに過負荷をかける可能性があり、最終的にベアリングを止めて、回転機械の故障につながる可能性がある。したがって、負荷容量を増加させて、広範囲の半径方向角度に渡って印加される負荷に耐えることができるエアジャーナルベアリングを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の非限定的な実施形態によれば、クワッドフォイルジャーナルエアベアリングは、内面を画定する内周を有するジャーナルスリーブを含む。第1のフォイルアセンブリは、ジャーナルスリーブの内面に結合された第1のキーを含む。クワッドフォイルジャーナルエアベアリングはさらに、ジャーナルスリーブの内面に結合された第2のキーを有する第2のフォイルアセンブリを含む。
【0005】
本発明の別の非限定的な実施形態によれば、回転部品は、回転可能なシャフトと、シャフトを回転させるように構成されたクワッドフォイルジャーナルエアベアリングとを含む。クワッドフォイルジャーナルエアベアリングは、ジャーナルスリーブ、第1のフォイルアセンブリ、及び第2のフォイルアセンブリを含む。ジャーナルスリーブはシャフトの外面に隣接して配置され、それらの間にフォイル室を画定する。第1のフォイルアセンブリはフォイル室内に配置されて、ジャーナルスリーブの内面に結合された第1のキーを含む。第2のフォイルアセンブリはフォイル室内に配置されて、ジャーナルスリーブの内面に結合された第2のキーを含む。
【0006】
本発明と考えられる主題は特に、明細書の終わりの請求項において指摘されて明確に請求される。本発明の前述及び他の特徴及び優位点は、以下の詳細な説明を添付図面と共に考慮することから明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本発明の非限定的な実施形態によるクワッドフォイルジャーナルエアベアリングの斜視図である。
図1B図1のクワッドフォイルジャーナルエアベアリングに含まれる第1のフォイルアセンブリと第2のフォイルアセンブリとを示す部分切り欠き図である。
図2A】本発明の非限定的な実施形態によるクワッドフォイルジャーナルエアベアリングの正面図である。
図2B】非限定的な実施形態によるクワッドフォイルジャーナルエアベアリングの第1の部分を示す第1の近接図である。
図3A】本発明の非限定的な実施形態によるクワッドフォイルジャーナルエアベアリングの背面図である。
図3B】非限定的な実施形態による第1の部分と反対側のクワッドフォイルジャーナルエアベアリングの第2の部分を示す第2の近接図である。
図4】第2のフォイルアセンブリに対する第1のフォイルアセンブリの配置の等角図である。
図5図5(A)は、本発明の別の非限定的な実施形態によるクワッドフォイルジャーナルエアベアリングの正面断面図である。図5(B)は、本発明の別の非限定的な実施形態によるクワッドフォイルジャーナルエアベアリングの背面断面図である。
図6】別の非限定的な実施形態による第2のフォイルアセンブリに対する第1のフォイルアセンブリの配置の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
種々の非限定的な実施形態によるクワッドフォイルエアジャーナルベアリングは、広範囲の半径方向角度からの半径方向負荷に耐えるように構成されたデュアル二重巻フォイルアセンブリを含む。各フォイルアセンブリは、上部フォイル、中間フォイル、及びバンプフォイルを含む。フォイルアセンブリはジャーナルスリーブ内に収容されて、部品の周りに巻かれる。上部フォイルは他のフォイルのそれぞれよりも部品の近くに配置されている。ベアリングはその回転中に空気などの流体を用いて部品を支持する。回転するときに上部フォイルと部品との間の接触はほとんどないか、またはまったくない。また各フォイルアセンブリは、部品の回転軸に対して半径方向に延びるキーを含む。キーは、スリーブ内に画定されたそれぞれのキースロットまたはキー溝内に収容される。各キーは、それぞれのスロットによって画定されたエッジに接触して、それぞれのフォイルアセンブリの、部品に対する回転を制限するように構成されている。
【0009】
従来のエアジャーナルベアリングは典型的に、ベアリング内に非対称な剛性をもたらしている。たとえば、従来のエアジャーナルベアリングは典型的に、ベアリングの一部分において剛性が低く、第1の部分と反対側のベアリングの第2の部分において剛性が高い。従来のエアジャーナルベアリングとは異なり、本発明の少なくとも1つの非限定的な実施形態により提供されるデュアル二重巻フォイルアセンブリによって、ベアリング内の実質的に改善された一様な剛性を有するクワッドフォイルエアジャーナルベアリングが形成される。このようにして、クワッドフォイルエアジャーナルベアリングは負荷容量が増加して、広範囲の半径方向角度に渡って印加される負荷に耐えることができる。
【0010】
次に図1~4を参照して、クワッドフォイルエアジャーナルベアリング(以下、クワッドフォイルベアリングと言う)の非限定的な典型的な実施形態を、全般的に5で示す。クワッドフォイルベアリング5は外径(d1)と外径(d2)より短い内径(d2)とを有する(図1Aを参照)。クワッドフォイルベアリング5を、本明細書では、航空機のエアサイクルマシン内に配置されたたとえば、シャフトなどの回転機械とともに実施すると開示しているが、当然のことながら、ベアリングを、ターボコンプレッサ、キャビン空気コンプレッサ、及びラム空気ファンを含むが、これらに限定されない他の航空機アクセサリと実施することができる。クワッドフォイルベアリング5は、第1の側10a(たとえば、前側10a)、及び第2の側(たとえば、後側10b)を含む。クワッドフォイルベアリング5の幅(w)は、第1の側10aと第2の側10bとの間の距離として画定される。
【0011】
クワッドフォイルベアリング5は、第1のフォイルアセンブリ11a及び第2のフォイルアセンブリ11bを含む。第1のフォイルアセンブリ11a及び第2のフォイルアセンブリ11bは同じ直径を有し、クワッドフォイルベアリング5の幅(w)に沿って互いに隣り合って配置されている(図1Bを参照)。各フォイルアセンブリ11a~11bは、上部フォイル12a~12b、中間フォイル14a~14b、及びバンプフォイル16a~16bを含み、たとえば、エアサイクルマシン20のシャフト18などの回転可能な部品を回転可能に支持している。上部フォイル12a~12b、中間フォイル14a~14b、及びバンプフォイル16a~16bはそれぞれ、タブ(図4を参照)及び自由端(図4)を画定している。これらについては後で詳述する。シャフト18はクワッドフォイルベアリング5の内側に位置し、典型的にクワッドフォイルベアリング10の図に対して時計回りに回転する。クワッドフォイルベアリング5及びシャフト18は、外径及び内径面24、26を画定し、次にハウジング30の穴28内に収容されている単体として形成されたジャーナルスリーブ22内に収容される。スリーブ22は中心回転軸「A」の周りに配置されており、スリーブ22を穴28内に配置するよう保持するためにOリング32が用いられている。スリーブ22は従来、円筒型であるかまたは任意の好適なプロファイルで成形し、金属材料で形成し、またミリング、旋削、及び研削を含むがこれらに限定されない既知のものを用いて成形できることに注意されたい。また、Oリング32は、流体力学流体フィルムジャーナルベアリングとともに用いる既知の従来のタイプとすることができることにも注意されたい。
【0012】
フォイル12a~12b、14a~14b、及び16a~16bは、スリーブ22の内部に配置されている。実施形態により、上部フォイル12a~12b、中間フォイル14a~14b、及びバンプフォイル16a~16bはそれぞれ、略円筒形状に巻かれているかまたは丸められていて、スリーブ22の穴の中に配置されている材料(たとえば、ニッケル系合金または鋼鉄)の薄いシートから成る。バンプフォイル16a~16bは波形であり、作動または冷却流体が、たとえば、隣接する波形間に形成されたスペースを通って流れることができる。またバンプフォイル16a~16bは、スリーブ12の内径面26に隣接して位置し、それぞれの湾曲端34a~34bを画定する。湾曲端34a~34bは、それぞれのバンプフォイル16a~16bの隣接する略円筒部分に対して約90°に角度を付けることができる。
【0013】
第1のフォイルアセンブリ11aは、第1のキースロット38aと嵌合する第1のキー36aを含み(図2を参照)、第2のフォイルアセンブリ11bは、第2のキースロット38bと嵌合する第2のキー36bを含む(図3Bを参照)。各キー36a~36bは、シャフト18に対して半径方向に延びて、スリーブ22内に画定されたそれぞれのキースロット(またはキー溝)38a~38b内に収容される。実施形態によれば、キースロット38a~38bは完全に、スリーブ22の外径及び内径面24、26間に画定された壁を通って延びている。別の実施形態によれば、キースロット38a~38bは、外径を通って延びてはいない、内径から機械加工された部分的なスロットとして形成されている。
【0014】
キースロット38a~38bは細長い矩形形状を有していてもよく、軸「A」に対して略平行に配置してもよい。また各スロット38a~38bは、スリーブ22の第1の端部からある距離だけ離間に配置された第1の端部と、スリーブ22の第2の端部からある距離だけ離間に配置された第2の端部とを画定している。実施形態のあるバージョンでは、一方の距離は他方よりも長くて、スロット38a~38bはスリーブ22の長さに対して軸方向(または長手方向)にずれている。スロット38a~38bは、クワッドフォイルベアリング10を組み立てる間に誰でも扱える用にこのようにずらすことができる。別のバージョンでは、スロット38a~38bをスリーブ22に対して軸方向に中心に置くことができる。各それぞれのバンプフォイル16a~16bの湾曲端34a~34bは、半径方向外側に延びて、それぞれのスロット38a~38bと嵌合し、スリーブ22に対してバンプフォイル16a~16bを保持する。シャフト18が回転すると、各キー36a~36bは、それぞれのスロット38a~38bによって画定されたエッジと接触して、クワッドフォイルベアリング5がシャフト18とともに回転することを阻止する。
【0015】
シャフト18に対してクワッドフォイルベアリング10の一部としてインストールされると、第1及び第2のフォイルアセンブリ11a~11bは、シャフト18の周りにまたは囲むように巻かれる。より具体的には、上部フォイル12a~12bは、シャフト18の半径方向外側に位置し、中間フォイル14a~14bに隣接してその半径方向内側にそれぞれ位置し、中間フォイル14a~14bは、バンプフォイル16a~16bに隣接してその半径方向内側にそれぞれ位置する。バンプフォイル16a~16bは、上部フォイル12a~12b及び中間フォイル14a~14bの半径方向外側に配置されている。このように、バンプフォイル16a~16bは、中間フォイル14a~14bを上部フォイル12a~12bの方に、それぞれ付勢している。したがって、上部フォイル12a~12b及び中間フォイル14a~14bは、シャフト18に対してそれぞれの位置に保持されている。
【0016】
上部フォイル12a~12b及び中間フォイル14a~14bは、それぞれの湾曲領域40a~40bにおいて互いに接合されている。湾曲領域40a~40bは少なくとも部分的に、それぞれのスロット38a~38b内に半径方向外側に延びている。湾曲領域40a~40bを、上部フォイル12a~12b及び中間フォイル14a~14bの対応する隣接した略円筒部分に対して約90°に角度を付けることができる。実施形態のあるバージョンでは、上部フォイル12a~12b及び中間フォイル14a~14bは、対向する第1の部分42a~42b及び第2の部分44a~44bによってそれぞれ形成されている。対向する第1の部分42a~42b及び第2の部分44a~44bは、それぞれの湾曲領域40a~40bにおいて接合する単一の一体部片またはシートを構成する。それぞれの湾曲領域40a~40bはシートの中央部分に配置されている。別のバージョンでは、上部フォイル12a~12b及び中間フォイル14a~14bは、溶接、ろう付け、または他の好適な取り付け手段を用いてそれぞれの湾曲領域40a~40bにおいて互いに接続された別個のシートから形成されている。
【0017】
第1のキー36aは、第1の上部フォイル12aと第1の中間フォイル14aとを互いに接合し、一方で、第2のキー36bは、第2の上部フォイル12bを第2の中間フォイル14bと互いに接合する。第1のキー36aは第1のキースロット38aと嵌合し、第2のキー36bは第2のキースロット38bと嵌合する。非限定的な実施形態によれば、第1のキースロット38aは第2のキースロット38bに対して180度に配置されている。各フォイルアセンブリ11a~11bは、長さ対直径のアスペクト比がそれぞれ、約1(すなわち、1は長さに対応する)~2(すなわち、2は直径に対応する)である。すなわち、クワッドフォイルベアリング5は、同じスリーブ22内にパッケージされた1~2のL/Dアスペクト比を伴う2つのフォイルアセンブリ11a~11bを有する。このようにして、フォイルアセンブリ11a~11bは、クワッドフォイルベアリング10の全周囲に沿って課される軸方向負荷に反応するように構成されている。第1及び第2のフォイルアセンブリ11a~11bは、互いに反対側に配置された対応するキー36a~36b/スロット38a~38bを有して剛性非対称を相殺し、クワッドフォイルベアリング5内の剛性の均一性が実質的に改善されている。したがって、クワッドフォイルベアリング5は負荷容量が増加して、広範囲の半径方向角度に渡って印加される負荷に耐えることができる。
【0018】
空気は、中間フォイル14a~14bとバンプフォイル16a~16bとの間にそれぞれ画定されたそれぞれの経路46a~46bと、バンプフォイル16a~16bとスリーブ22との間にそれぞれ画定された経路48a~48bとを通して伝達される。空気によってクワッドフォイルベアリング10から熱エネルギーが取り除かれる。空気は、ギャップ50a~50bを通して、上部フォイル12とシャフト18との間に画定された領域にも伝達される。より具体的には、マシン20が動作するときにシャフト18は回転する。シャフト18が回転すると、空気によって、動作速度で回転する間にシャフト18を支持するクッション(「エアベアリング」または「空気フィルム」と言われることが多い)52が形成される。詳細には、回転によって、上部フォイル12とシャフト18との間の領域で空気による加圧があり、上部フォイル12a~12bがシャフト18から半径方向に離れることが促される。そして、シャフト18が加圧空気によって支持されるとシャフト18は回転する。シャフト18がシャフト18の動作速度で回転しているときに、上部フォイル12a~12bとシャフト18との間の接触はほとんどないかまたはまったくない。しかし、マシン20の通常動作中の偶発的な接触に起因して、比較的低い動作速度において(たとえば、始動及び停止フェーズ中に)、上部フォイル12a~12bとシャフト18との間の接触がやはり起こる場合がある。
【0019】
実施形態のあるバージョンでは、シャフト18はベント側のくさび領域内に回転する。フォイル12a~12b、14a~14b、及び16a~16bの形状半径は、たとえば、ベント側で約.020”であり、これは、反対側のフォイル12a~12b、14a~14b、及び16a~16bの形状半径(約.040”)の半分よりも小さいかまたはほぼ等しい。また、ベント側のフォイル12a~12b、14a~14b、及び16a~16bは、反対側のフォイル12a~12b、14a~14b、及び16a~16bよりも低い(それぞれのスロット38a~38bのエッジの付近)。このようにして、流体力学空気フィルム52が生成される。
【0020】
実施形態のある1つのバージョンまたは複数のバージョンにおいて、中間フォイル14a~14b上に形成されるコーティングはない(以下に詳細に説明する)。別のバージョンでは、シャフト18に対して露出する上部フォイル12a~12bの半径方向の内面に、好適な乾燥フィルム潤滑剤をコーティングする。このような潤滑剤を用いると、マシン20の通常動作中にシャフト18が動作速度まで加速しているとき、動作速度から減速しているとき、停止したとき、及び/または上部フォイル12a~12bとの偶発的な接触を受けたときに、シャフト18によって生じる摩擦を減らすことができる。
【0021】
前述した種々の非限定的な実施形態によれば、デュアル二重巻フォイルアセンブリ11a~11bによって、クワッドフォイルベアリング10内に対称な剛性がもたらされる。クワッドフォイルベアリング5の容量を向上させる別の方法は、上部フォイル12a~12bの剛性を増加させて、空気フィルム52の厚さに対する上部フォイル12a~12bの変形が小さくなるようにすることである。そうでないと、たとえば、空気フィルム52の厚さにほぼ等しい可能性がある変形によって、空気フィルム52のピーク圧力が、バンプフォイル16a~16bのそれぞれの隣接する接触線間に画定された谷をベントする可能性があり、クワッドフォイルベアリング10の容量が制限される。非限定的な実施形態によれば、上部フォイル12a~12bの厚さは約0.003”~約0.004”であり、バンプフォイル16a~16bのピッチは約0.186”~約0.125”であり、変形が非常に低減されている。
【0022】
クワッドフォイルベアリング5の容量を向上させる別の方法は、上部フォイル12a~12bのコーティングまたは表面に対する仕上げを減らすことである。負荷が容量に近くなると、空気フィルム52の厚さは表面の粗さのオーダーとなる。表面仕上げの許容最大値を下げることによって、空気フィルム52を破壊する可能性がある表面の変化が小さくなる結果、クワッドフォイルベアリング5の容量が増す。実施形態のあるバージョンでは、上部フォイル12a~12bの表面仕上げの許容最大値は約12Raであり、シャフト18の表面仕上げは約4Raである。
【0023】
クワッドフォイルベアリング5の容量を向上させる別の方法は、中間フォイル14a~14bの厚さの変化を小さくすることである。中間フォイル14a~14bのコーティングをなくせば、中間フォイル14a~14bの厚さ変化を減らすことができる。厚さ変化は、本来はコーティングに起因して存在し、「負荷たわみ」変化ということになる。実施形態のあるバージョンでは、中間フォイル14a~14bのコーティングをなくして、全体の厚さ変化が約0.0008”となるようにする。このようにして、上部フォイル12a~12bと中間フォイル14a~14bとの間の摩擦係数が増加して、クワッドフォイルベアリング10のACM次同期応答の「クーロン」減衰及び低減が増す。
【0024】
クワッドフォイルベアリング5の容量を向上させる別の方法は、クワッドフォイルベアリング10の予負荷を小さくすることである。負荷たわみがきつく(小さく)なると、クワッドフォイルベアリング10の容量が低下する。実施形態のあるバージョンでは、印加負荷が約+/-12ポンドである場合、許容されるたわみは約0.003”~約0.004”である。
【0025】
次に図4を参照して、非限定的な実施形態による第1のフォイルアセンブリ11aに対する第2のフォイルアセンブリ11bの配置を例示する。第2のフォイルアセンブリ11bは、図示では、第2のキー36bが、それぞれの第2のキースロット38b内に配置されている。したがって、クワッドフォイルベアリング5がシャフトとともに回転することが防がれる(図4に示さず)。第1のフォイルアセンブリ11aは、クワッドフォイルベアリング5の幅(w)に沿って第2のフォイルアセンブリ11bと位置合わせされている。
【0026】
非限定的な実施形態によれば、各フォイルアセンブリ11a~11bの幅は、クワッドフォイルベアリング5の直径(w)の半分である。すなわち、第1のフォイルアセンブリ11aの幅はw/2であり、第2のフォイルアセンブリ11bの幅はw/2である。このように、第1及び第2のアセンブリの全幅はほぼクワッドフォイルベアリング5の幅(w)である。図4に示すように、たとえば、クワッドフォイルベアリング5は幅(w)が2”(インチ)である。したがって、第1のフォイルアセンブリ11a及び第2のフォイルアセンブリ11bはそれぞれ幅が1”である。
【0027】
第1のフォイルアセンブリ11a及び第2のフォイルアセンブリ11bはそれぞれ、一対のフォイルタブ54a~54bを含む。図4に示す第2のフォイルアセンブリを参照して、フォイルタブ54a~54bは上部フォイル12bの自由端56b上に形成されている。第2のフォイルアセンブリ11bのタブ54a~54bを図4に示しているが、当然のことながら、第1のフォイルアセンブリ11aは、第2のフォイルアセンブリ11bに付属するフォイルタブ54a~54bと同様のフォイルタブを含む。
【0028】
図4に例示した第2のフォイルアセンブリ11bをさらに参照して、第1の幅(wt1)を有する第1の切り取りが第1のキー36bの端に形成され、第2の幅(wt2)を有する第2の切り取りがキー36bの反対端に形成されている。第1及び第2の切り取りの形状は、第1及び第2のフォイルタブ54a~54bの形状にそれぞれ対応するものとすることができる。加えて、第1及び第2のバンプフォイル切り取りをバンプフォイル16bの反対端に形成することができる。これらのバンプフォイル切り取りの形状は、上部フォイル12b内の第1及び第2の切り取りの形状に対応するものとすることができる。このようにして、第1のタブ54aはキー36bの外縁と第1のバンプフォイル切り取りとの両方と嵌合することができ、第2のタブ54bはキー36bの内縁と第2のバンプフォイル切り取りとの両方と嵌合することができる。クワッドフォイルベアリング5が完全に組み立てられると、フォイルタブ54a~54bは「まっすぐな」構成で維持されて、両方のフォイルタブ54a~54bによって全般的に、上部フォイル12bの実質的な円筒形状が保持される。この「まっすぐな」フォイルタブ構成によって、クワッドフォイルベアリング5を製造して組み立てるときにフォイルタブ54a~54bを永続的に曲げる必要がなくなる。その結果、製造及び組立プロセスの複雑さが減るため、コストを下げることができる。
【0029】
フォイルタブ54a~54bが、第1のキー36bの両端において上部フォイル12bの切り取り内に挿入されると、上部フォイル12bを軸方向に動かす傾向がある斜行力によって、フォイルタブ54a~54bが第1のキー36bのそれぞれの嵌合エッジと嵌合する。このようにして、キー36bが、それぞれのキースロット38bに嵌合するため、フォイルタブ54a~54bは斜行の動きが制限される。切り取り内でフォイルタブ54a~54b間が嵌合すると、上部フォイル12bの自由端56bの斜行が減るかまたはなくなり、その結果、クワッドフォイルベアリング5の所望の動作を維持することが促進される。切り取り内でのフォイルタブ54a~54b間の嵌合接触は、たとえばキー36bの湾曲領域において起こる可能性があるため、クワッドフォイルベアリング5によって支持される回転可能な部品にフォイルタブ54a~54bによって付与されるトルクは減るかまたはなくなる。特に軸方向の切り取りの寸法を、フォイルタブ54a~54bのそれよりもわずかに大きくして、ギャップをこれらの構造間に、組立て用に好適に小さい許容範囲で形成できることに注意されたい。また、切り取りがバンプフォイル16b内に形成される場合、フォイルタブ54a~54bがバンプフォイル切り取り内にさらに延びて、フォイルタブ54a~54bがジャーナルスリーブの内径面に露出して、それらの間の接触が可能になる。
【0030】
次に図5A及び5Bを参照して、別の非限定的な実施形態によるクワッドフォイルジャーナルエアベアリング5の正面及び背面断面図を例示する。互いに180度だけ離間に配置され、したがってベアリング5の周囲の周りに等間隔に配置されている図2A及び3Aとは異なり、この実施形態では、第1のキー36a(及びそれぞれのキースロット38a)と第2のキー36b(及びそれぞれのキースロット38b)とが、クワッドフォイルジャーナルエアベアリング5の周囲の周りに不均等間隔に配置されている。
【0031】
たとえば、図5Aに示すのは、クワッドフォイルジャーナルエアベアリング5の第1の側10a(たとえば、前側10a)であり、第1のキー36a及び第1のキースロット38aが、ベアリング5の周囲に対する第1の位置に位置している。少なくとも1つの実施形態では、第1のキー36a及び第1のキースロット38aは、クワッドフォイルジャーナルエアベアリング5の周囲を通って延びる(たとえば、ベアリング5の上部から底部へ延びる)重力方向に対して反時計回り25度に位置する。
【0032】
図5Bに示すのは、クワッドフォイルジャーナルエアベアリング5の第2の側の周囲に対する第2の側10b(たとえば、後側10a)の第2のキー36b及び第2のキースロット38bの位置である。少なくとも1つの実施形態では、第2のキー36b及び第2のキースロット38bは、クワッドフォイルジャーナルエアベアリング5の周囲を通って延びる重力方向に対して反時計回り25度に位置する。したがって、第1及び第2のキー36a及び36b(及びそれらのそれぞれのキースロット38a及び38b)間の最短角度は50度であり、一方で、第1及び第2のキー36a及び36b間の最大角度は310度である。したがって、第1のキー36a(及びそれぞれのキースロット38a)及び第2のキー36b(及びそれぞれのキースロット38b)は、ベアリング周囲の周りに不均等間隔に配置されている。言い換えれば、クワッドフォイルジャーナルエアベアリング5の前側を分析して、重力を0度に設定した場合、前側に配置された第1のキー36a(及び第1のキースロット38a)は335度に位置し、一方で、第2の側に配置された第2のキー36b(及び第2のキースロット38b)は25度に位置するであろう。したがって、クワッドフォイルジャーナルエアベアリング5の周囲の周りの第1及び第2のキー36a及び36bの距離は等しくない。
【0033】
図6は、別の非限定的な実施形態による第2のフォイルアセンブリ11bに対する第1のフォイルアセンブリ11aの配置の等角図である。この実施形態では、クワッドフォイルベアリング5はやはり全幅(w)を2”(インチ)とすることができる。しかし、個々のフォイルアセンブリ11a及び11bの幅は互いに異なる。たとえば、第1の外側フォイルアセンブリ11a(たとえば、外側フォイルアセンブリ11a)の幅を1.37インチとすることができ、一方で、第2のフォイルアセンブリ11b(たとえば、内側フォイルアセンブリ11b)の幅を0.67インチとすることができる。
【0034】
当然のことながら、等しくないフォイルアセンブリ幅を、等間隔に配置された(たとえば、互いに180度離れて配置された)キーと用いることもできるし、または不均等間隔に配置されたキーと用いることもできる。たとえば、本発明の少なくとも1つの実施形態では、図5A及び5Bに例示した等しくないキー配置を、図6に例示した等しくないフォイルアセンブリ幅と組み合わせる。
【0035】
たとえば、第1のキー36a及び第1のキースロット38aは図6には例示していないが、当然のことながら、第1のキー36a及び第1のキースロット38aは、前述したような第1のキー36a及び第1のキースロット38aから離れた設定度合い(たとえば、50度)に配置することができる。したがって、クワッドフォイルベアリング5の「柔らかさ」及びバネ定数を調整することができる。たとえば、「柔らかさ」及び/または「バネ定数」は、内周から外周へと、またはシャフト付近の領域からベアリング5の外面付近の領域へと変えることができる。また、フォイル幅を狭くする(たとえば、シャフト外端に配置する)ことによって、シャフトミスアラインメントの影響が小さくなり、一方で、旋回効果に影響を与えることなく負荷容量を増加させることができる。加えて、バンプフォイルのピッチを変えることなくベアリングの剛性を調整することができ、そうすることで、バンプフォイルがもたらす支持と妥協される。
【0036】
本発明を、限定された数の実施形態のみに関して詳細に説明してきたが、本発明はこのような開示された実施形態に限定されないことは容易に理解されよう。むしろ、本発明を、任意の数の変形、修正、置換、または等価な配置であってこれまで説明していないが本発明の趣旨及び範囲に対応するものを取り入れるように変更することができる。さらに、本発明の種々の非限定的な実施形態について説明してきたが、本発明の態様は、説明した実施形態のうちの一部のみを含んでいてもよいことが理解されよう。したがって、本発明は前述の説明によって限定されると考えるべきではなく、添付の請求項の範囲のみによって限定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6