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特許7514591冷凍システム用のコンパクト熱交換器アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】冷凍システム用のコンパクト熱交換器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/10 20060101AFI20240704BHJP
   F25B 6/04 20060101ALI20240704BHJP
   F25B 43/00 20060101ALI20240704BHJP
   F28F 9/26 20060101ALI20240704BHJP
   F28F 9/02 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
F25B1/10 A
F25B6/04 Z
F25B43/00 L
F28F9/26
F28F9/02 301E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020569738
(86)(22)【出願日】2019-11-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 US2019059639
(87)【国際公開番号】W WO2020101934
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】62/758,820
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003493
【氏名又は名称】キャリア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ジェンホワ
(72)【発明者】
【氏名】スカーセラ,ジェイソン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】シーネル,トビアス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ポプラウスキー,ブルース ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】リー,キオン ウー
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-254565(JP,A)
【文献】特開2003-279076(JP,A)
【文献】特開2016-205744(JP,A)
【文献】特開2017-187243(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0031934(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/10
F25B 6/04
F25B 43/00
F28F 9/26
F28F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍システムであって、
第1の圧縮段の入口、第1の圧縮段の出口、第2の圧縮段の入口、及び第2の圧縮段の出口を有する圧縮機アセンブリと、
熱遮断用熱交換器アセンブリであって、
前記圧縮機アセンブリの第2の圧縮段の前記出口に流体接続される入口、及び熱吸収用熱交換器アセンブリの入口に流体接続される出口を有する一次熱交換器であって、
第1のマニホルドと第1の中間マニホルドとの間に延びる第1のチューブバンクであって、曲線形状またはU字形状を有するように、前記第1のマニホルドと前記第1の中間マニホルドとの間に少なくとも1つのベンドが画定された、第1のチューブバンクと、
第2のマニホルドと第2の中間マニホルドとの間に延びる第2のチューブバンクであって、曲線形状またはU字形状を有するように、前記第2のマニホルドと前記第2の中間マニホルドとの間に少なくとも1つのベンドが画定された、第2のチューブバンク
記第1の中間マニホルドと前記第2の中間マニホルドとの間に延びる接続管またはブロック部と
を備える、前記一次熱交換器と、
前記圧縮機アセンブリの第1の圧縮段の前記出口に流体接続される入口を画定する第3のマニホルド、及び前記圧縮機アセンブリの第2の圧縮段の前記入口に流体接続される出口を画定する第4のマニホルドを有する二次熱交換器と、
を備える、前記熱遮断用熱交換器アセンブリと、
前記熱遮断用熱交換器アセンブリ及び前記圧縮機アセンブリに流体接続された熱吸収用熱交換器アセンブリと、
を備える、前記冷凍システム。
【請求項2】
前記二次熱交換器が単列熱交換器として構成される、請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのベンドがフィン付きベンドである、請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項4】
前記一次熱交換器が2列熱交換器として構成される、請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項5】
前記熱吸収用熱交換器アセンブリが、前記圧縮機アセンブリの第1の圧縮段の前記入口に流体接続される出口、及び膨張装置及びエコノマイザを通して前記熱遮断用熱交換器アセンブリの前記一次熱交換器の前記出口に流体接続される入口を有する、請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項6】
前記エコノマイザが、フラッシュタンク型エコノマイザまたは熱交換器型エコノマイザのうちの少なくとも1つである、請求項5に記載の冷凍システム。
【請求項7】
前記第3のマニホルドが前記第2の中間マニホルドに隣接して配置され、前記第4のマニホルドが、前記一次熱交換器及び前記二次熱交換器が閉じた空間を画定するように前記第1の中間マニホルドに隣接して配置される、請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項8】
前記一次熱交換器及び前記二次熱交換器によって画定された前記閉じた空間内に配置された熱遮断ファンをさらに備える、請求項7に記載の冷凍システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照することによりその全体が本明細書に援用される、2018年11月12日に出願された米国特許出願第62/758,820号の利益を主張する。
【0002】
例示的な実施形態は、冷凍システムの技術に関する。
【背景技術】
【0003】
冷凍システムは、建物、貨物システム、貯蔵システムなど向けの空調システムの一部として広く使用されている。冷凍システムは、通常、閉回路で冷凍ラインによって接続されるさまざまな構成要素を用いる。一般的に、冷凍システムは、冷凍システムが冷媒の臨界点より下で動作する亜臨界冷凍サイクルで動作する。現在、冷凍システムが冷媒の臨界点より上で動作する遷臨界(transcritical)冷凍サイクルで冷凍システムが動作することが推進されている。
【0004】
多段階圧縮システムの圧縮装置の動作包絡線(operational envelope)は、2つの圧縮段の間に追加の熱交換器を組み込むことによって拡張される場合がある。蒸気圧縮冷凍システムの中に追加の熱交換器を組み込むと、空間の利用可能性の制限、重量、及び設備費の検討事項に起因する課題を呈する場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示しているのは、圧縮機アセンブリ、熱遮断用熱交換器アセンブリ、及び熱吸収用熱交換器アセンブリを含む冷凍システムである。圧縮機アセンブリは、第1の圧縮段の入口、第1の圧縮段の出口、第2の圧縮段の入口、及び第2の圧縮段の出口を有する。熱遮断用熱交換器アセンブリは、一次熱交換器及び二次熱交換器を含む。一次熱交換器は、圧縮機アセンブリの第2の圧縮段の出口に流体接続される入口、及び熱吸収用熱交換器アセンブリの入口に流体接続される出口を有する。一次熱交換器は、第1のマニホルドと第1の中間マニホルドとの間に延びる第1のチューブバンク、第2のマニホルドと第2の中間マニホルドとの間に延びる第2のチューブバンク、第1のチューブバンクと第2のチューブバンクとの間に延びる少なくとも1つのベンド、及び第1の中間マニホルドと第2の中間マニホルドとの間に延びる接続管を含む。二次熱交換器は、圧縮機アセンブリの第1の圧縮段の出口に流体接続される入口を画定する第3のマニホルド、及び圧縮機アセンブリの第2の圧縮段の入口に流体接続される出口を画定する第4のマニホルドを有する。熱吸収用熱交換器アセンブリは、熱遮断用熱交換器アセンブリ及び圧縮機アセンブリに流体接続される。
【0006】
また、開示しているのは、一次熱交換器及び二次熱交換器を含む熱遮断用熱交換器アセンブリを含むコンパクト熱交換器アセンブリである。一次熱交換器は、第1のマニホルドから延びる第1のチューブバンク、第2のマニホルドから延びる第2のチューブバンク、第1のチューブバンク及び第2のチューブバンクを接続するように構成された少なくとも1つのベンド、ならびに第1のチューブバンクの少なくとも一部分が第2のチューブバンクと平行に配置されるように第1のチューブバンク及び第2のチューブバンクを備えたベンドを有する。二次熱交換器は、第2のマニホルドと少なくとも1つのベンドとの間に配置される。
【0007】
さらに開示しているのは、熱遮断用熱交換器アセンブリを含むコンパクト熱交換器アセンブリである。熱遮断用熱交換器アセンブリは、一次熱交換器及び二次熱交換器を含む。一次熱交換器は、第1のマニホルドと第2のマニホルドとの間に延びるチューブバンクを有する。チューブバンクは、一次熱交換器が概して曲線形状を有するように少なくとも1つのベンドを備える。二次熱交換器は、第1のマニホルドと第2のマニホルドとの間に配置される。
【0008】
以下の説明は、決して制限的と見なされるべきではない。添付図面を参照すると、同様の要素には同様に番号付けしている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】冷凍システムの概略図である。
図2】別の冷凍システムの概略図である。
図3】冷凍システムを備えた熱交換器アセンブリの第1の実施形態の概略図である。
図4】冷凍システムを備えた熱交換器アセンブリの第2の実施形態の概略図である。
図5】冷凍システムを備えた熱交換器アセンブリの第3の実施形態の概略図である。
図6】冷凍システムを備えた熱交換器アセンブリの第4の実施形態の概略図である。
図7】冷凍システムを備えた熱交換器アセンブリの第5の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
開示する装置及び方法の1つ以上の実施形態の詳細な説明が、図を参照して、限定ではなく例示として本明細書に提示される。
【0011】
図1及び図2を参照すると、2段圧縮を備えた冷凍システム10が概略で示されている。冷凍システム10は、一次流体及び二次流体を用いる。一次流体は、二酸化炭素(CO2)などの冷媒であってよい冷凍システム用の作動流体であり、二次流体は、空気、水、グリコール、または他の二次流体であってよい。冷凍システム10は、圧縮機アセンブリ20、熱遮断のための熱遮断用熱交換器アセンブリ22、及び熱吸収のための熱吸収用熱交換器アセンブリ24を含む。
【0012】
圧縮機アセンブリ20は、第1の圧縮段の入口32及び第1の圧縮段の出口34を有する第1の圧縮機段30、ならびに第2の圧縮段の入口42及び第2の圧縮段の出口44を有する第2の圧縮機段40を備えた2段圧縮機アセンブリである。第1の圧縮機段30は、第2の圧縮機段40と一体に形成される場合もあれば、第1の圧縮機段30が第1の圧縮機として設けられ、第2の圧縮機段40が第1の圧縮機とは別個である第2の圧縮機として設けられる場合もある。
【0013】
第1の圧縮段の入口32は、ポート(熱吸収用熱交換器アセンブリ出口112)を介して熱吸収用熱交換器アセンブリ24から冷媒を受け取るように構成される。冷媒は、第1の圧縮機段30によって圧縮され、第1の圧縮段の出口34は、熱遮断用熱交換器アセンブリ22の一部分に圧縮された冷媒を放出するように構成される。
【0014】
第2の圧縮段42の入口は、以下に説明するように、熱遮断用熱交換器22から冷媒を、及びフラッシュタンクエコノマイザ162または熱交換器型エコノマイザ182から冷媒を受け取るように構成される。冷媒は、第2の圧縮機段40によって圧縮され、第2の圧縮段の出口44は、熱遮断用熱交換器アセンブリ22の別の部分に圧縮された冷媒を放出するように構成される。
【0015】
熱遮断用熱交換器アセンブリ22は、一次熱交換器50、二次熱交換器52、及び熱遮断ファン54を含む。一次熱交換器50及び二次熱交換器52は、亜臨界冷凍システム用の凝縮器として、または遷臨界冷凍システム用のガス冷却器及び中間冷却器として構成されてよい。一次熱交換器50及び二次熱交換器52は、図3図6に示すように、それらが、熱遮断ファン54が中に配置される場合がある「U」字形、「V」字形、「O」字形、または他の形状を有する閉じた形状、閉じたダクト、または閉じた空間を形成するように構成される。一次熱交換器50及び二次熱交換器52は、2つの熱交換器が共通の熱遮断ファン54を共用する熱遮断用熱交換器アセンブリ22を形成する。
【0016】
図3を参照すると、一次熱交換器50は、第1のチューブバンク60及び第2のチューブバンク62を含む。第1のチューブバンク60は、一次熱交換器50が、2列熱交換器として構成されるように第2のチューブバンク62と平行に配置される。各チューブバンクでは、熱伝達を高めるために、フィンがチューブの間に配置されてよい。第1のチューブバンク60は、第1のマニホルド70と第1の中間マニホルド72との間に延びる。第1のチューブバンク60は、第1のチューブバンク60が概して曲線形状またはU字形を有するように、第1のマニホルド70と第1の中間マニホルド72との間に少なくとも1つのフィン付きベンドを画定してよい。第1のマニホルド70は、図1及び図2に示すように、圧縮機アセンブリ20の第2の圧縮機段40の第2の圧縮段の出口44に流体接続される一次熱交換器入口80を含むまたは画定する。
【0017】
第2のチューブバンク62は、第1の中間マニホルド72に隣接して配置される第2の中間マニホルド74と、第1のマニホルド70に隣接して配置される第2のマニホルド76との間に延びる。第1の中間マニホルド72は、単一の(または必要に応じて複数の)接続管78によって第2の中間マニホルド74に流体接続される。第2のチューブバンク62は、第2のチューブバンク62が概して曲線形状またはU字形を有するように、第2の中間マニホルド74と第2のマニホルド76との間に少なくとも1つのフィン付きベンドを画定してよい。第2のマニホルド76は、図1及び図2に示すように、膨張装置及びエコノマイザ(例えば、フラッシュタンク型エコノマイザまたは熱交換器型エコノマイザ)を通して熱吸収用熱交換器アセンブリ24の入口110に流体接続される一次熱交換器出口82を含むまたは画定する。
【0018】
図3を引き続き参照すると、二次熱交換器52は、一次熱交換器50内に部分的に配置されている。二次熱交換器52は、第3のマニホルド92と第4のマニホルド94との間に延びるチューブバンクセクション90を含む。第3のマニホルド92は、第2の中間マニホルド74に隣接して配置される。第2の中間マニホルド74と第3のマニホルド92との間の間隔は、空気の迂回を回避するためになんらかのシーリング材料またはシーリング部材96(例えば、発泡体、ゴム)で遮断される。第3のマニホルド92は、図1及び図2に示すように、圧縮機アセンブリ20の第1の圧縮機段30の第1の圧縮段の出口34に流体接続される二次熱交換器入口98を含むまたは画定する。第4のマニホルド94は、第2のマニホルド76に隣接して配置される。第4のマニホルド94と第2のマニホルド76との間の間隔は、空気の迂回を回避するためになんらかのシーリング材料又はシーリング部材96で遮断される。第4のマニホルド94は、図1及び図2に示すように、フラッシュタンクエコノマイザ162または熱交換器方エコノマイザ182からの冷媒と結合された冷媒が、圧縮機アセンブリ20の第2の圧縮機段40の第2の圧縮段の入口42にそこから入る二次熱交換器出口102を含むまたは画定する。
【0019】
熱遮断ファン54は、二次熱交換器52のチューブバンクセクション90、ならびに一次熱交換器50の第1の及び第2のチューブバンク60及び62によって画定された閉じた空間内に配置される。熱遮断ファン54は、一次熱交換器50及び/または二次熱交換器52を通って流れる冷媒を冷却するために一次熱交換器50及び二次熱交換器52を通る二次流体の流れを促進するように構成される。シーリング部材96、100は、一次熱交換器50と二次熱交換器52との間の間隔を通る二次流体の漏れを抑制する。
【0020】
図4を参照すると、一次熱交換器50は、チューブが第1のチューブバンクセクション120、第2のチューブバンクセクション122、及び少なくとも1つのフィンなしベンド124を画定するようにそれ自体の上に折り重ねられる連続チューブバンクであってよい。一次熱交換器50が2列熱交換器として構成されるように、少なくとも1つのフィンなしベンド124は、第1のチューブバンクセクション120を第2のチューブバンクセクション122と平行に配置できるようにする。第1のチューブバンクセクション120は、第1のマニホルド130とフィンなしベンド124との間に延びる。第1のマニホルド130は、図1及び図2に示すように、圧縮機アセンブリ20の第2の圧縮機段40の第2の圧縮段の出口44に流体接続される一次熱交換器入口80を含むまたは画定する。第2のチューブバンクセクション122は、フィンなしベンド124と第2のマニホルド132との間に延びる。第2のマニホルド132は、図1及び図2に示すように、膨張装置及びエコノマイザを通して熱吸収用熱交換器アセンブリ24の入口110に流体接続される一次熱交換器出口82を含むまたは画定する。
【0021】
第1のチューブバンクセクション120及び第2のチューブバンクセクション122は、第1のチューブバンクセクション120及び第2のチューブバンクセクション122の組み合わせが概して曲線形状またはU字形を有するように、フィンなしベンド124に加えてフィン付きベンドを備えてよい。
【0022】
図4を参照すると、二次熱交換器52は、図3に示す二次熱交換器52と実質的に類似した構成を有する。二次熱交換器52は、第3のマニホルド92と第4のマニホルド94との間に延びるチューブバンクセクション90を含む。
【0023】
第3のマニホルド92は、図4に示すように、フィンなしベンド124に隣接して配置される。シーリング部材96は、第3のマニホルド92とフィンなしベンド124との間の間隔を通る空気の漏れを防ぐために使用される。第3のマニホルド92は、図1及び図2に示すように、圧縮機アセンブリ20の第1の圧縮機段30の第1の圧縮段の出口34に流体接続される二次熱交換器入口98を含むまたは画定する。
【0024】
図4を参照すると、第4のマニホルド94は、第2のマニホルド132に隣接して配置される。第4のマニホルド94と第2のマニホルド132との間の間隔は、シーリング部材100で遮断される。第4のマニホルド94は、エコノマイザからの冷媒と結合され、図1及び図2に示すように、圧縮機アセンブリ20の第2の圧縮機段40の第2の圧縮段の入口に流体接続される二次熱交換器出口102を含むまたは画定する。
【0025】
図5を参照すると、一次熱交換器50は、図4に示すのと実質的に類似した構成を有してよい。しかしながら、本実施形態では、二次熱交換器52は、チューブが第3のチューブバンクセクション140、第4のチューブバンクセクション142、及び少なくとも1つのフィンなしベンド144を画定するようにそれ自体の上に折り重ねられる連続チューブバンクを含む。二次熱交換器52が2列熱交換器として構成されるように、少なくとも1つのフィンなしベンド144は、第3のチューブバンクセクション140を第4のチューブバンクセクション142と平行して配置できるようにする。
【0026】
第3のチューブバンクセクション140は、第3のマニホルド146とフィンなしベンド144との間に延びる。第3のマニホルド146は、図1及び図2に示すように、圧縮機アセンブリ20の第1の圧縮機段30の第1の圧縮段の出口34に流体接続される二次熱交換器入口98を含むまたは画定する。第4のチューブバンクセクション142は、フィンなしベンド144と第4のマニホルド148との間に延びる。第4のマニホルド148は、エコノマイザからの冷媒と結合された後、図1及び図2に示すように、圧縮機アセンブリ20の第2の圧縮機段40の第2の圧縮段の入口42に流体接続される二次熱交換器出口102を含むまたは画定する。一次熱交換器50と二次熱交換器52との間の間隔は、シーリング材料150及び152で遮断される。
【0027】
熱遮断ファン54は、一次熱交換器50及び二次熱交換器52によって画定された閉じた「O」字形空間内に配置される。熱遮断ファン54は、冷媒を冷却するために一次熱交換器50及び二次熱交換器52を通る二次流体の流れを促進するように構成される。シーリング材料150、152は、一次熱交換器50と二次熱交換器52との間の間隔を通る二次流体の漏れを抑制するシーリング部材であってよい。
【0028】
図6を参照すると、一次熱交換器50は、フィンなしベンドがない単列熱交換器である。(単列チューブバンクとして構成された)第1のチューブバンクセクション120は、第1のマニホルド130と第2のマニホルド132との間に延びる。第1のマニホルド130は、図1及び図2に示すように、圧縮機アセンブリ20の第2の圧縮機段40の第2の圧縮段の出口44に流体接続される一次熱交換器入口80を含むまたは画定する。第2のマニホルド132は、図1及び図2に示すように、膨張装置及びエコノマイザを通して熱吸収用熱交換器アセンブリ24の入口110に流体接続される一次熱交換器出口82を含むまたは画定する。単列チューブバンク120は、一次熱交換器が概して曲線形状またはU字形を有するように、フィン付きベンドを備えてよい。
【0029】
また、二次熱交換器52は、第3のマニホルド92と第4のマニホルド94との間に延びる単列熱交換器でもある。第3のマニホルド92は、圧縮機アセンブリ20の第1の圧縮機段30の第1の圧縮段の出口34に流体接続される二次熱交換器入口98を含むまたは画定する。第4のマニホルド94は、エコノマイザからの冷媒と結合された後、図1及び図2に示すように、圧縮機アセンブリ20の第2の圧縮機段40の第2の圧縮段の入口42に流体接続される二次熱交換器出口102を含むまたは画定する。
【0030】
一次熱交換器50及び二次熱交換器52は、閉じた形状の構成を形成する。一次熱交換器50と二次熱交換器52との間の間隔は、流れが一次熱交換器50及び二次熱交換器52を迂回するのを妨げるためにシーリング部材96及び100で遮断される。
【0031】
熱遮断ファン54は、一次熱交換器50及び二次熱交換器52によって画定された閉じた空間内に配置される。熱遮断ファン54は、冷媒を冷却するために一次熱交換器50及び二次熱交換器52を通る二次流体の流れを促進するように構成される。
【0032】
図7を参照すると、一次熱交換器50及び二次熱交換器52は、図3に示す一次熱交換器50及び二次熱交換器52と実質的に類似した構成を有する。唯一の違いは、第1の中間マニホルド72が、流れ連通穴199を有するブロック197及びネジ穴201を有する取り付けタブ198から構成される単一の(または必要に応じて複数の)ブロック部78Aによって第2の中間マニホルド74に流体接続される点である。連通穴199は、第1の中間マニホルド72を第2の中間マニホルド74に流体接続できるように冷媒流路として機能する。取り付けタブ198はネジ穴201を有し、それを通して一次熱交換器50をシステムアーキテクチャに便利に取り付けることができる。一次熱交換器50及び二次熱交換器52は、図3と同様の方法でシステムの残りの部分と相互作用する。
【0033】
システムアーキテクチャでの熱交換器アセンブリの取付けを容易にするために、熱遮断用熱交換器アセンブリ22の一次熱交換器50及び二次熱交換器52を他の構成で構成することが有利な場合がある。例えば、図3図7に示す一次熱交換器50は、熱交換器の入口及び出口、ならびにフィンなしベンドが底部に位置するように逆さまに配置されてよい。そのような実施形態では、二次熱交換器52も閉じた形状の底部側に移動される。
【0034】
熱遮断用熱交換器アセンブリ22及び熱吸収用熱交換器アセンブリ24の一次熱交換器50及び二次熱交換器52は、一次流体と二次流体との間の熱交換を容易にするために、ミニチャネル平管ルーバーフィン付き熱交換器、円管プレートフィン熱交換器、または任意の他のタイプの熱交換器であってよい。
【0035】
図1及び図2を参照すると、熱吸収用熱交換器アセンブリ24は、熱吸収用熱交換器アセンブリ入口110及び熱吸収用熱交換器アセンブリ出口112を含む。
【0036】
熱吸収用熱交換器アセンブリ入口110は、図1に示すように、第1の膨張装置160、フラッシュタンクエコノマイザ162、及び第2の膨張装置164を通して一次熱交換器50の一次熱交換器出口82に流体接続される。フラッシュタンクエコノマイザ162は、第1の圧縮段の入口170、第1の圧縮段の出口172、及び第2の圧縮段の出口174を備えてよい。第1の圧縮段の入口170は、第1の膨張装置160を通して一次熱交換器出口82から冷媒を受け取るように構成される。フラッシュタンクエコノマイザ162の第1の圧縮段の出口172は、圧縮機アセンブリ20の第2の圧縮機段40の第2の圧縮段の入口42に、蒸気の形で冷媒を提供するように構成される。第2の圧縮段の出口174は、第2の膨張装置164に、液体の形で冷媒を提供するように構成され、第2の膨張装置164は、最終的に熱吸収用熱交換器アセンブリ入口110に冷媒を提供する。
【0037】
代替設計として、熱吸収用熱交換器アセンブリ入口110は、図2に示すように、第1の熱交換器型エコノマイザ182及び第2の膨張装置184を通して一次熱交換器50の一次熱交換器出口82に流体接続される。熱交換器型エコノマイザ182は、第1の入口190、第2の入口192、第1の出口196、及び第2の出口194を備えてよい。一次熱交換器50の一次熱交換器出口82からもたらされる冷媒は、2つの流れに分けられる。1つの流れは第1の入口190に入り、もう1つの流れは第1の膨張装置180を通って入口192に入る。2つの流れは、熱交換器型エコノマイザ182の中で熱を交換する。第1の入口190に入る冷媒流は冷却され、次いで第2の膨張装置184を通して熱吸収用熱交換器アセンブリ24の二次熱交換器アセンブリ入口110に接続される。第2の圧縮段の入口192に入る冷媒の流れは加熱され、次いで圧縮機アセンブリ20の第2の圧縮機段40の第2の圧縮段の入口42に接続された、熱遮断用熱交換器アセンブリ22の二次熱交換器52の二次熱交換器出口102からもたらされる冷媒と結合される。
【0038】
熱吸収用熱交換器アセンブリ出口112は、圧縮機アセンブリ20の第1の圧縮機段30の第1の圧縮段の入口32に流体接続される。
【0039】
熱吸収ファン200は、熱吸収用熱交換器アセンブリ24を備える。熱吸収ファン200は、熱吸収用熱交換器アセンブリ24を通過する冷媒を加熱するために、熱吸収用熱交換器アセンブリ24を通して第2の流体を引き出すように構成される。
【0040】
二次熱交換器52を用いる熱遮断用熱交換器アセンブリ22は、多様な冷凍システムとの統合を容易にするための適応可能なアーキテクチャだけではなく、高い伝熱効率を有するコンパクトで軽量かつより低コストの熱交換器を提供する閉じた形状を形成するために一次熱交換器50内に少なくとも部分的に配置されている。熱遮断用熱交換器アセンブリ22のコンパクトさは、異なる半径を有する共通の熱遮断ファンを共用する閉じた形状で一次及び二次熱交換器を構成することによって達成される。つまり、異なる熱交換器サイズを任意の角度で配向することができ、これは、通常、はるかに大きい空間を占める従来のフラット熱交換器よりも有利である。
【0041】
本開示の熱交換器は、従来の銅熱交換器と比較して、より優れた延性及び成形性を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いる場合がある。さらに、全体がアルミニウムの熱交換器は、一般的に銅管熱交換器よりも軽量かつ安価である。
【0042】
熱遮断用熱交換器アセンブリ22の一次熱交換器50及び二次熱交換器52は、二次流体の流れに対してクロスカウンターフローで構成されてよい。クロスカウンターフロー構成は、非常に優れた伝熱効率を提供する。
【0043】
例示的な実施形態は、単列熱交換器または2列熱交換器だけを含んでいるが、多列熱交換器、または一次熱交換器50及び二次熱交換器52の異なる列とのもしくは異なるベンドの状況との任意の組み合わせも本開示の範囲内に入り得る。
【0044】
用語「約」は、出願時に利用可能な装置に基づく特定の量の測定に関連する誤差の程度を含むことを意図している。
【0045】
本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態を説明するためだけであり、本開示を限定することを意図していない。本明細書で使用するように、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈が別段に明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。用語「備える(comprise)」及び/または「備える(comprising)」は、本明細書で使用されるとき、記載される特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/またはそのグループの存在または追加を除外しないことがさらに理解されよう。
【0046】
本開示は例示的な1つまたは複数の実施形態に関して説明されているが、本開示の範囲から逸脱することなく、多様な変更が加えられ得、均等物がその要素の代わりとなり得ることが当業者によって理解されるであろう。さらに、本開示の必須の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本開示の教示に適合させるために多くの修正が加えられ得る。したがって、本開示は、本開示を実施するために企図された最良の態様として開示された特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示は、特許請求の範囲に入るすべての実施形態を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7