(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】炭素繊維強化プラスチックを用いて建造された航空機の避雷
(51)【国際特許分類】
B64D 45/02 20060101AFI20240704BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20240704BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
B64D45/02
B64C1/00 Z
F16B5/02 G
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018230754
(22)【出願日】2018-12-10
【審査請求日】2021-12-07
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】タック, デレク アール.
(72)【発明者】
【氏名】ベッチャー, フィリップ エー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス, カーソン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ミシアーニャ, デーヴィッド トーマス
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-155425(JP,A)
【文献】特開2012-192752(JP,A)
【文献】特開2015-168428(JP,A)
【文献】特表2012-524680(JP,A)
【文献】特開2011-110796(JP,A)
【文献】米国特許第5876540(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 1/00, 3/26,
B64D 45/02,
F16B 5/02,
B29C 65/56,70/02,70/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)パネル(220-1);
前記第1のCFRPパネル(220-1)と垂直方向に重なり合う第2のCFRPパネル(220-2);
前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とが重なり合うエリア内に前記垂直方向に延びて前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とを接合するファスナ(310);並びに
前記垂直方向に前記ファスナ(310)の近位に延びて、前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とが重なり合う前記エリアにおいて前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とを電気的に接続する、前記第1のCFRPパネル(220-1)及び前記第2のCFRPパネル(220-2)の各々の内部の複数の導電ピン(450)
を備える航空機であって、
前記導電ピン(450)が:
前記第1のCFRPパネル(220-1)の下面(511)から突出するヘッド(640)を各々が有する、前記第1のCFRPパネル(220-1)内部の第1組のピン(531);及び
前記第2のCFRPパネル(220-2)の上面(512)から突出するヘッド(640)を各々が有する、前記第2のCFRPパネル(220-2)内部の第2組のピン(532)
を含む、航空機。
【請求項2】
前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とが前記垂直方向に重なり合って前記ファスナ(310)によって接合されるとき、前記第1組のピン(531)及び前記第2組のピン(532)が、前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とを電気的に接続するための対応する間隔を有する、請求項1に記載の航空機。
【請求項3】
前記導電ピン(450)が、前記ファスナ(310)と平行であり、且つ前記第1のCFRPパネル(220-1)及び前記第2のCFRPパネル(220-2)の炭素繊維の層に直交している、請求項1又は2に記載の航空機。
【請求項4】
前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とが、前記第1のCFRPパネル(220-1)及び前記第2のCFRPパネル(220-2)の各々の終端が前記垂直方向に重なり合うように、ずれている、請求項1から3のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項5】
接合される第1の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)パネル(220-1)と第2のCFRPパネル(220-2)とを識別すること;
前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とが垂直方向に重なり合うエリアを決定すること;
前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とを接合するために、ファスナ(310)が前記エリア内へ前記垂直方向に挿入される位置を決定すること
;
前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とを、前記垂直方向に重なり合うように前記ファスナ(310)によって接合すること;及び
複数の導電ピン(450)を、前記ファスナ(310)
の位置の近位で前記垂直方向に前記エリア内に挿入すること
を含む航空機のCFRPパネルを製作するための方法であって、
前記複数の導電ピン(450)を、前記ファスナ(310)
の位置の近位で前記垂直方向に前記エリア内に挿入することが、
前記第1のCFRPパネル(220-1)の下面(511)から、前記導電ピンのうち第1組のピン(531)の各々のヘッド(640)が突出するように、前記第1のCFRPパネル(220-1)内部に前記第1組のピン(531)を挿入すること;及び
前記第2のCFRPパネル(220-2)の上面(512)から、前記導電ピンのうち第2組のピン(532)の各々のヘッド(640)が突出するように、前記第2のCFRPパネル(220-2)内部に前記第2組のピン(532)を挿入すること;
を含む、航空機のCFRPパネルを製作するための方法。
【請求項6】
前記複数の導電ピン(450)を、前記ファスナ(310)の位置の近位で前記垂直方向に前記エリア内に挿入することが、前記第1のCFRPパネル(220-1)及び前記第2のCFRPパネル(220-2)の各々のウェットレイアップ中に前記導電ピン(450)を挿入すること
であり、
前記複数の導電ピン(450)を、前記ファスナ(310)の位置の近位で前記垂直方向に前記エリア内に挿入することが、
前記第1のCFRPパネル(220-1)及び前記第2のCFRPパネル(220-2)を前記導電ピン(450)と一緒に硬化させること
を更に含む
、請求項5に記載の航空機のCFRPパネルを製作するための方法。
【請求項7】
前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とが前記垂直方向に重なり合って前記ファスナ(310)によって接合されるとき、前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とが、前記第1のCFRPパネル(220-1)及び前記第2のCFRPパネル(220-2)の各々の終端が前記垂直方向に重なり合うように、ずれている、請求項5
または6に記載の航空機のCFRPパネルを製作するための方法。
【請求項8】
前記導電ピン(450)が、前記ファスナ(310)と平行であり、且つ前記第1のCFRPパネル(220-1)及び前記第2のCFRPパネル(220-2)内の炭素繊維の層に直交している、請求項5から
7のいずれか一項に記載の航空機のCFRPパネルを製作するための方法。
【請求項9】
前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とが前記垂直方向に重なり合って前記ファスナ(310)によって接合されるとき、前記第1組のピン(531)及び前記第2組のピン(532)が、前記第1のCFRPパネル(220-1)と前記第2のCFRPパネル(220-2)とを電気的に接続するための対応する間隔を有する、
請求項5から
8のいずれか一項に記載の航空機のCFRPパネルを製作するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、航空機の分野に関し、特に炭素繊維強化プラスチックを用いて建造された航空機の避雷に関する。
【背景技術】
【0002】
近代の航空機は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から作製された構成要素を用いて建造されることが多くなっている。航空機及び宇宙船の建造に従来使用されるアルミニウム合金と比較して、CFRPは、強くて軽い構造を提供する。しかしながら、CFRPパネルの導電性は低いので、望ましくないことに、落雷に由来する高レベルの電流が二つのパネルが金属ファスナにより接合される位置に集中する。
【発明の概要】
【0003】
導電ピンは、CFRPパネルを通して挿入され、ファスナの近くの貫通導電性を上昇させる。落雷の際には、このピンが、CFRPパネルの複合材層に電流をより均一に分配し、貫通電流を拡散させてファスナから遠ざける。したがって、ピンは、特に燃料源が存在し得る翼等の航空機のエリアにおいて、出火危険の可能性を低下させることができる。従来の電光軽減技術(例えば、ポリスルフィドキャップシールでファスナを覆うこと、エッジ密封剤を適用すること、及び/又は導電性スプライスで既存のパネルを接合すること)と異なり、ピンは、軽量化のためにCFRPパネル内部に作製され、工場のフローに有利となるように、更なる硬化時間をかけずに自動化可能な方式で挿入され得る。
【0004】
一実施例は、第1の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)パネル、第1のCFRPパネルと垂直方向に重なり合う第2のCFRPパネル、及び第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルが重なり合うエリアに垂直方向に延びて第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルと接合するファスナを含む装置を備える。この装置は、第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルの各々に複数の導電ピンを更に含み、これらピンは垂直方向にファスナの近位に延びて、第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとが重なり合うエリアにおいて第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとを電気的に接続する。
【0005】
別の実施例は、接合される第1の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)パネルと第2のCFRPパネルとを識別すること、第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとが垂直方向に重なり合うエリアを決定すること、及び垂直方向にエリア内へ挿入されるファスナが第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルと接合するための位置を決定することを含む方法を含む。この方法は、複数の導電ピンを、ファスナ位置の近位で垂直方向に前記エリア内に挿入することを更に含む。
【0006】
別の実施例は、航空機のための複合材構造を含む。複合材構造は、互いに対して水平方向に隣接する複数の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)パネルを含み、各CFRPパネルは:メッシュホイルを有する上面、CFRPパネルの下面の近位に位置する航空機の金属フレームにCFRPパネルを固定するように構成された、CFRPパネルを通して垂直方向に挿入されるファスナ、及び垂直方向に延びてメッシュホイルと航空機の金属フレームとを電気的に接続する複数の導電ピンを含む。
【0007】
前述の特徴、機能、及び利点は、様々な実施例において個別に実現可能であるか、又は他の実施例において組み合わせることができ、それらの詳細は以下の説明及び図面を参照して理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の幾つかの実施例について、例示のみを目的とし、添付図面を参照して、これより説明する。すべての図面において、同じ参照番号は、同じ要素又は同じタイプの要素を表わす。
【0009】
【
図2】一実施例における、複数のパネルの複合材構造を含む航空機の翼を示している。
【
図3】一実施例における、ファスナによって接合されたCFRPパネルの部分分解図である。
【
図4】一実施例における、ファスナによって接合され、導電ピンで強化されたCFRPパネルの部分分解図である。
【
図5】一実施例における、ファスナによって接合され、導電ピンで強化されたCFRPパネルの側面図である。
【
図6】別の実施例における、導電ピンで強化されたCFRPパネルの側面図である。
【
図7】また別の実施例における、導電ピンで強化されたCFRPパネルの側面図である。
【
図8】一実施例における、導電ピンで接続された隣接するCFRPパネルの側面図である。
【
図9】別の実施例における、導電ピンで接続された隣接し合うCFRPパネルの側面図である。
【
図10】一実施例における、複合材製造環境のブロック図である。
【
図11】一実施例における、CFRPパネルを製作するための方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面及び以下の説明は、具体的な実施例を示している。当業者であれば、本書に明示的に記載又は図示されていなくとも、本明細書に記載される原理を具現化し、特許請求の範囲に含まれる様々な構成を考案可能であろう。更に、本書に記載されるいずれの実施例も、本開示の原理の理解を助けることを意図しており、限定を含まないものであると解釈されるべきである。結果として、本開示は、具体的な実施例又は後述される実施例ではなく、特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。
【0011】
図1は、一実施例における航空機100を示す。航空機100は、ノーズ110、翼120、胴体130、及び尾部140を含む。航空機100の翼120の複合材料に絞って航空機100について更に説明する。しかしながら、本明細書に記載されるものと同様の構成及び技術は、航空機100だけでなく、別の航空機及び他の種類のビークルのいずれかの適切な複合材部品に適用することができる。
【0012】
図2は、一実施例における、複数の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)パネル220の複合材構造210を含む航空機100の翼120を示す。特に、複合材構造210は、上側翼外板の一部を含む。
図2の図は、
図1の矢印A間を見たものである。
図2に示すように、各CFRPパネル220は、複合材構造210のエリアの小さな一部分である。
図2の矢印B間の図は、翼120の長さに沿って見えるものを示している。
【0013】
図3は、一実施例における、ファスナ310によって接合されたCFRPパネル220の部分分解
図300である。この図において、CFRPパネル220は、CFRPパネル220の接合された構成を示すために分離して示されており、この分解図においては明らかに分離しているが、接触し得るものである。特に、第1のCFRPパネル220-1と第2のCFRPパネル220-2の両端は垂直方向に(即ち、z方向に)重なり合い、境界321-322によって画定されるそれぞれの重複エリア311-312(即ち、xy平面内の)を形成する。CFRPパネル220の各々は、炭素繊維で強化されたプライの一又は複数の層330を含む。線維は、異なる寸法に沿ってCFRPパネル220の強度を増大させるために、層330内で異なる配向を有することができる。
【0014】
ファスナ310は、CFRPパネル220を通して垂直方向に(即ち、z方向に)挿入されて、CFRPパネル220同士を接合する。垂直方向という用語は、CFRPパネル220の厚さ方向に概ね平行で且つCFRPパネル220の平坦な面に直交するCFRPパネル220の相対的位置を表すが、
図3に示されるもの以外のCFRPパネル220の別の幾何配置も可能である。一般に、ファスナ310は、導電性金属材料(例えば、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼等)を含み、ボルト及びナット、リベット、ブラインドファスナ、又はCFRPパネル220を機械的に接合するために適した別のファスナ装置を含み得る。したがって、ファスナ310は、CFRPパネル220内にz方向(本明細書では垂直方向と呼ぶこともある)の貫通導電性を提供する。対照的に、CFRPパネル220の層330は、xy平面内において層330に平行な方向に電流を向かわせる異方導電性を有する。結果として、CFRPパネル220のうちの一つに落雷があると、望ましくないことに、高レベルの電流がファスナ310に集中し、固定接続の一体性を低下させる、又はファスナ310に火花を生じて着火の危険を産む可能性がある。
【0015】
図4は、一実施例における、ファスナ310によって接合され、導電ピン450で強化されたCFRPパネル220の部分分解
図400である。ピン450は、任意の適切な材料(例えば、カーボン、アルミニウム、チタニウム等)を含み、概ね垂直方向(即ち、z方向)に延びる長手軸を有してCFRPパネル220同士を電気的に接続する。ピン450は、サイズ、数、及び機能の点でファスナ310とは全体に異なる。例えば、ファスナ310と比較したとき、複数のピン450はxy平面内で単一のファスナ310を囲み、個々にxy平面の面積の一部を占める(例えば、CFRPパネル220の構造的一体性を低下させないように)。他の実施例では、ピン450は複数のファスナ310を取り囲む。更なる実施例では、ピン450は、機械的締結手段を必要とせずに電流の経路を提供する。一般に、ピン450は、CFRPパネル220の重複エリア311-312全体に分配され/散在して、貫通電流伝導をファスナ310から逃がすように拡散させてファスナ310における電流濃度を低下させ、それにより、CFRP-ファスナ境界面又は同境界面近くにおいて電流誘発性の損傷が起こる可能性を低下させるという技術的利点を提供する。
【0016】
図5は、一実施例における、ファスナ310によって接合され、導電ピン531-532で強化されたCFRPパネル220の側面
図500である。この実施例によって示されるように、第1のCFRPパネル220-1は、上側の面、即ち上面510、下側の面又は下面511、及び第1組のピン531を含む。同様に、第2のCFRPパネル220-2は、上側の面、即ち上面512、下側の面、即ち下面513、及び第2組のピン532を含む。このように、CFRPパネル220の各々は、それ専用のピン531-532のサブセットを含む。例えば、第1組のピン531は、硬化前に第1のCFRPパネル220-1のウェットレイアップ中に挿入され、第2組のピン532は、硬化前に第2のCFRPパネル220-2のウェットレイアップ中に挿入され、ピン531-532は、それぞれのCFRPパネル220と一緒に硬化される。
【0017】
一般に、CFRPパネル220がファスナ310で適切に締結されるとき、第1のCFRPパネル220-1の下面511の一部は第2のCFRPパネル220-2の上面512の一部と接する。つまり、
図3~9は、ピン531-532の配置を更に明瞭に示すためにCFRPパネル220間に空隙を示しているが、ファスナ310が取り付けられるとCFRPパネル220は互いに対して押し付けられる。垂直方向に積み重ねられると、CFRPパネル220の水平方向にずれた構成は、
図5の点線により示すように、CFRPパネル220の対向し合う終端521-522によって画定される重複エリア520を生成する。重複エリア520は、
図3~4において上述した重複エリア311-312と同様であり、通常、z方向に垂直に重なり合うCFRPパネル220によって画定されるxy平面内のエリアである。したがって、重複エリア520は、CFRPパネル220のサイズ、形状及び設置様式によって異なる。
【0018】
この実施例に更に示されるように、第1のCFRPパネル220-1内の第1組のピン531は、重複エリア520において互いの間に第1の間隔561(例えば、xy平面内に)を有し、第2のCFRPパネル220-2内の第2組のピン532は、重複エリア520において互いの間に第2の間隔562(例えば、xy平面内に)を有する。第1の間隔561と第2の間隔562とは、CFRPパネル220が適切に接合されたときに第1組のピン531の総数のうちの少なくともサブセット又は一部が第2組のピン532の総数のうちの少なくともサブセット又は一部と接するように、対応する構成又はパターン(本明細書において「対応する間隔」とも呼ぶ)を有する。つまり、第1の間隔561と第2の間隔562とは、CFRPパネル220間に十分な電気的接触が確実に得られ、更に重複エリア520には、落雷に由来する損傷を効果的に低減する、z方向に沿ってファスナ310から離れる方向へ十分な電流経路が確実に得られるように、対応させることができる。
【0019】
一実施例では、ピン531-532は、所望の効果的密度を得るために、半無作為的なパターンに従ってCFRPパネル220に設置される。例えば、個々のピン531-532がxy平面に沿って無作為に配置される一方で、重複エリア520内における単位面積当たりのピン531-532の密度は均一又は一定のままとすることができる。したがって、ピン531-532で強化されたCFRPパネル220は、CFRPパネル220のうちの別の一つと接合/締結されたとき、所定の最小量の電気的接触が確実に得られるように、製造することができる。
【0020】
ピン531-532は、CFRPパネル220のz方向に様々な長さ及び構成を有することもできる。
図5に示されるように、ピン531-532は、層330(説明を容易にするため
図5に示さない)をCFRPパネル220の上面510/512から下面511/513まで電気的に接続するために、CFRPパネル220の厚み全体を横断することができる。代替的に又は追加的に、ピン531-532は、CFRPパネル220の層330の一部を電気的に接続するために、CFRPパネル220の厚みの一部を横断してもよい。したがって、ピン531-532で強化されたCFRPパネル220は、層330間のプライ間エネルギー伝達(例えば、層330の繊維配向の差及び異方導電性に起因する)を低減し、したがってCFRPパネル220又は同パネル近くにおいて落雷の結果としてのエッジグロー又は粒子放出の可能性を低減するという技術的利点を提供する。
【0021】
更に、ピン531-532は、CFRPパネル220の上面510/512及び/又は下面511/513に露出するか、又は同面から突出することができる。上面510/512及び/又は下面511/513におけるピン531-532の露出のパターンは、ピン531-532の第1の間隔561及び第2の間隔562に関して上述したものと同様に、重複エリア520内に所望のレベルの電気的接触を確実に得るために、CFRPパネル220間で対応させることができる。更に、幾つかの実施例では、ピン531-532は、ファスナ310と平行である、及び/又はCFRPパネル220の上面510/512及び/又は下面511/513に直交する(例えば、z方向と平行)。しかしながら、ピン531-532には多数の構成が可能であることが分かるであろう。これらの例について更に後述する。
【0022】
図6は、別の実施例における、導電ピン531-532で強化されたCFRPパネル220の側面
図600である。この実施例に示すように、ピン531-532の各々は、シャンク630及びヘッド640を含むことができる。シャンク630は、通常、CFRPパネル220のうちの一つの厚みを横断する細長い部材である。ヘッド640は、シャンク630の末端に取り付けられて、CFRPパネル220のうちの一つの上側の面、即ち上面510/512及び/又は下側の面、即ち下面511/513に露出するか又は同面から突出する。したがって、CFRPパネル220のピン531-532は、CFRPパネル220が適切に締結されるとき、ヘッド640が互いに対して接するように、CFRPパネル220のうちの一つの上面510/512及び/又は下面511/513に露出したヘッド640のパターン、間隔、及び/又はサイズに従って対応させることができる。代替的に又は追加的に、ピン531-532は、ピン531-532の少なくとも一部が直接接触せずに、但し二つのCFRPパネル220が電気的に接続されるために、他方のCFRPパネルのピン531-532の十分近くに位置するように構成され得る。
【0023】
図7は、また別の実施例における、導電ピン730で強化されたCFRPパネル220の側面
図700である。この実施例に示されるように、ピン730は、第1のCFRPパネル220-1及び第2のCFRPパネル220-2中に、第1のCFRPパネル220-1及び第2のCFRPパネル220-2の厚みを通して穿刺することにより、挿入され得る。つまり、ピン730は、CFRPパネル220が硬化され及び/又はファスナ310によって接合された後で、CFRPパネル220中に設置され得る。
図7に示すように、ピン730は、種々の終点間を電気的に接続するために、z方向に沿って縦に挿入することができる。このような構成は、種々の層330間に電流を有利に分配(説明を容易にするため
図7に示さない)し、落雷からの電流を拡散させ、それに起因する損傷の可能性を低下させる。ピン730の特徴、可能な構成、及び利点は、ピン450及び531-532に関して上述したものと同様であり、したがってそのような記載は簡潔性のために省略する。
【0024】
図8は、一実施例における、導電ピン830で接続された隣接するCFRPパネル220-3の側面
図800である。この実施例に示されるように、第1のCFRPパネル220-1と隣接するCFRPパネル220-3とは、水平方向に接触/整列させることができる。第1のCFRPパネル220-1と隣接するCFRPパネル220-3とは、ファスナ310を介して共通のCFRPパネル(例えば、第2のCFRPパネル220-2)に接合することもできる。ピン830は、第1のCFRPパネル220-1と隣接するCFRPパネル220-3とを電気的に接続するために、CFRPパネル220中に穿刺され得る。ピン830は、通常、xy平面に沿って長さ方向に配向されるが、電流をCFRPパネル220の種々の層330(説明を容易にするため
図8に示さない)に拡散するためにz方向に沿って異なる位置に終点を有することができる。
【0025】
図9は、別の実施例における、導電ピン830で接続された隣接し合うCFRPパネル220の側面
図900である。この実施例に示されるように、第1のCFRPパネル220-1と第2のCFRPパネル220-2とは、水平方向に接触/整列させることができる。更に、第1のCFRPパネル220-1及び第2のCFRPパネル220-2は、それぞれがそれぞれの上側の面、即ち上面510/512に沿って金属ホイル910/912又はメッシュを含む。金属ホイル910/912は、例えば、銅又はアルミニウムの航空機100の外板を含み得る。第1のCFRPパネル220-1及び第2のCFRPパネル220-2は、それぞれ第1組のピン931及び第2組のピン932を更に含む。ピン931-932の一端はz方向に金属ホイル910中へと延び、他端はCFRPパネル22の下面511/513に突出し得る。
【0026】
ファスナ310はCFRPパネル220を金属フレーム950に接合する。金属フレーム950は、例えば、フレーム、リブ、ストリンガ等の航空機100の構造本体(例えば、アルミニウム、チタニウム等)を含むことができる。ファスナ310を締め付けると、金属フレーム950はピン931-932の突出端に押し付けられて、第1のCFRPパネル220-1と第2のCFRPパネル220-2と金属フレーム950とを電気的に接続する。幾つかの実施例では、本明細書に記載されるピンは、特定のエリア(例えば、上述の重複エリアに類似のエリア)について、z方向に異なる経路に沿って電流を十分に拡散させるために、ファスナ310の近傍に配置される。代替的に又は追加的に、本明細書に記載されるピンのうちの一又は複数は、ファスナ-CFRP境界面以外のエリア内に電流を分散させるように、このような特定のエリアの外側に配置されてもよい。
【0027】
図10は、一例における複合材製造環境1000のブロック図である。
図10によれば、環境1000は複合材設計システム1010を含み、このシステムはCFRPパネル220を設計することができる。複合材設計システム1010は、CFRP-ファスナ境界面又は同境界面の近くにおいて所望の強度及び導電性にCFRPパネル220を構成し、自動ファイバ敷設(AFP)機1040に、前記設計に従ってCFRPパネル220を製造するように指示することができる。
【0028】
複合材設計システム1010は、コントローラ1012、インターフェース(I/F)1014、及びメモリ1016を含む。コントローラ1012は、I/F1014を利用して、CFRPパネル220の作製方法を制限するルール、CFRPパネル220の幾何学的形状を記述する情報、及び/又は他の情報にアクセスする。I/F1014は、ネットワーク1020を介してサーバ1030からこの情報を取得することができる。コントローラ1012はまた、メモリ1016内部にコントローラ1012によって記憶され得るCFRPパネル220の設計を生成する。コントローラ1012は例えば、カスタム回路として、プログラムされた命令を実行するプロセッサとして、又はこれらの何らかの組み合わせとして実装され得る。I/F1014は、データを送信する(例えば、ネットワーク1020経由で)ための回路及び/又は構成要素の任意の適切な組み合わせを含む。メモリ1016は、ハードディスク、フラッシュメモリ等といった任意の適切なデータ記憶装置を含む。複合材設計システム1010の動作の更なる詳細について、
図11を参照して後述する。
【0029】
図11は、一実施例における、CFRPパネル220を製作するための方法1100を示すフロー図である。方法1100のステップは、
図1の複合材設計システム1010を参照して説明されるが、当業者であれば、方法1100が他のシステムで実施され得ることを理解するであろう。本書に記載のフロー図のステップは、網羅的なものではなく、図示されていない他のステップを含み得る。本書に記載のステップは、代替的な順序でも実施され得る。
【0030】
ステップ1102では、コントローラ1012は、接合される第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとを識別する。このために、コントローラ1012は、I/F1014を介してCFRPパネル220のうちの一又は複数の幾何学的形状を示す入力を受け取ることができる。この情報は、どのCFRPパネルが隣接/近接するかを示すことができ、各CFRPパネルの異なる繊維配向のそれぞれ(例えば、最終的な深さ/厚さ及び組成)について、敷設されるプライの予想数を更に含むことができる。
【0031】
ステップ1104では、コントローラ1012は、第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとが垂直方向に重なり合うエリアを決定する。ステップ1106では、コントローラ1012は、第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとを接合するために前記エリア中に挿入されるファスナの位置を決定する。ステップ1108では、コントローラ1012は、AFP機1040に対し、複数の導電ピンを前記エリア内のファスナ位置の近位に垂直方向に挿入するように指示する。前記エリアは先述したパネルの重複エリアとすることができる。
【0032】
ピンは、既に硬化されたCFRPパネル中に挿入/穿刺することができるか、又はCFRPパネルのウェットレイアップに挿入/穿刺し、次いでCFRPパネルと一緒に硬化させることができる。例えば、CFRPパネルは、連続的にレイアップ及び硬化されてウェットレイアップと呼ばれるCFRPパネルを形成するポリマーマトリックス材(例えば、エポキシ又は熱可塑性プラスチックといった熱硬化性樹脂)により結合された層330を含む。AFP機1040は、先述のように、ウェットレイアップ内のファスナ位置周辺に、重複エリア全体に種々のパターンで、ピンを配置することができる。CFRPパネルに挿入されるピンの特定の数及び/又は位置は、重複エリアにおけるCFRPパネルの強度と、ファスナによって提供されるものとは異なるz方向への電流経路を提供する重複エリア内の伝導性の所望の広がりとを均衡させる設計事項に従って画定される。幾つかの実施例では、複数のCFRPパネル又は部品は共硬化され、このことは、それらがレイアップされてからまとめて硬化されることを意味する。
【0033】
図11の方法1100は、有利には、自動方式で、且つ追加の硬化時間を要することなく、上述のパネルの導電性特性を改善する。電光軽減のための以前の技術は二次的作業(例えば、ポリスルフィドのキャップシールでファスナを覆う、エッジ密封剤を適用する、及び/又は既存のパネルを導電性スプライスと結合する)を含み、これは航空機製造の費用及びフロー時間を増大させ、また航空機の寄生重量を不要に増加させる。対照的に、本明細書に記載される、ピンを挿入する構成及び技術は、工場でのフロー時間及び航空機の重量に対する影響を最小化する方式で、CFRP構造内の電流密度の分配をより均一にする。
【0034】
図面に示される又は本明細書に記載される種々の要素はいずれも、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、又はこれらの何らかの組み合わせとして実装され得る。例えば、一つの要素は専用ハードウエアとして実装され得る。専用ハードウエア要素は、「プロセッサ」、「コントローラ」、又は何らかの類似の用語で呼ばれ得る。機能は、プロセッサによって提供される場合、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又はそのうちの幾つかが共有となりうる複数の個別のプロセッサによって、提供され得る。更に、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウエアを実行可能なハードウエアのみを表わすと解釈すべきではなく、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウエア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)若しくは他の回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウエアを記憶するための読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性ストレージ、論理、又は他の何らかの物理的ハードウエアのコンポーネント若しくはモジュールを黙示的に含み得るが、それらに限定されない。
【0035】
また、一つの要素は、その要素の機能を実施するためにプロセッサ又はコンピュータによって実行可能な命令として実装され得る。命令の幾つかの例は、ソフトウエア、プログラムコード、及びファームウエアである。命令は、プロセッサによって実行されるとき動作可能であり、その要素の機能を実施するようにプロセッサに指示する。命令は、プロセッサによって読み取り可能な記憶デバイスに記憶され得る。記憶デバイスの幾つかの例は、デジタル若しくはソリッドステートメモリ、磁気ディスク及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ又は光学的に読み取り可能なデジタルデータ記憶媒体である。
【0036】
更に、本開示は、下記の条項による実施例を含む。
条項1. 第1の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)パネル;
第1のCFRPパネルと垂直方向に重なり合う第2のCFRPパネル;
第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとが重なり合うエリア内に垂直方向に延び、第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとを接合するファスナ;及び
ファスナの近位に垂直方向に延びて、第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとが重なり合うエリアにおいて第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとを電気的に接続する、第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルの各々の内部の複数の導電ピン
を備える装置。
条項2. ピンが:
第1のCFRPパネルの下面から突出するヘッドを各々が有する、第1のCFRPパネル内の第1組のピン;及び
第2のCFRPパネルの上面から突出するヘッドを各々が有する、第2のCFRPパネル内の第2組のピン
を含む、条項1の装置。
条項3. 第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとが垂直方向に重なり合ってファスナによって接合されるとき、第1組のピン及び第2組のピンが、第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとを電気的に接続するための対応する間隔を有する、条項2の装置。
条項4. 第1組のピン及び第2組のピンのそれぞれの間隔が半無作為である、条項3の装置。
条項5. ピンが、ファスナと平行であり、且つ第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルの炭素繊維の層に直交している、条項1の装置。
条項6. 第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとは、第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルの各々の終端が垂直方向に重なり合うように、ずれている、条項1の装置。
条項7. ピンが、第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネル中に、第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルの厚みを通して穿刺することにより挿入される、条項1の装置。
条項8. ピンが、第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとのウェットレイアップ中に、第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルの硬化に先立ち挿入される、条項1の装置。
条項9. 接合される第1の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)パネルと第2のCFRPパネルとを識別すること;
第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとが垂直方向に重なり合うエリアを決定すること;
第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとを接合するために、ファスナが前記エリア内に垂直方向に挿入される位置を決定すること;及び
複数の導電ピンを、ファスナ位置の近位で垂直方向に前記エリア内に挿入すること
を含む方法。
条項10. 第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルの各々のウェットレイアップ中にピンを挿入すること;並びに
第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルをピンと一緒に硬化させること
を更に含む、条項9の方法。
条項11. ピンを、第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネル中に、第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルの厚みを通して穿刺することにより挿入することを更に含む、条項9の方法。
条項12. 第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとが、第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルの各々の終端が垂直方向に重なり合うように、ずれている、条項9の方法。
条項13. ピンが、ファスナと平行であり、且つ第1のCFRPパネル及び第2のCFRPパネルの炭素繊維の層に直交している、条項9の方法。
条項14. ピンが:第1のCFRPパネルの下面から突出するヘッドを各々が有する第1のCFRPパネル内の第1組のピン、及び第2のCFRPパネルの上面から突出するヘッドを各々が有する第2のCFRPパネル内の第2組のピンを含み;
第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとが垂直方向に重なり合ってファスナによって接合されるとき、第1組のピン及び第2組のピンが、第1のCFRPパネルと第2のCFRPパネルとを電気的に接続するために対応する間隔を有する、条項9の方法。
条項15. 航空機のための複合材構造であって:
互いに対して水平方向に隣接する複数の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)パネルを含み、各CFRPパネルは:
メッシュホイルを有する上面;
CFRPパネルの下面の近位に位置する航空機の金属フレームにCFRPパネルを固定するように構成された、CFRPパネルを通して垂直方向に挿入されるファスナ;及び
メッシュホイルと航空機の金属フレームとを電気的に接続するための、垂直方向に延びる複数の導電ピン
を含む複合材構造。
条項16. ピンが、ファスナを締め付ける前にはCFRPパネルの下面を越えて延びるが航空機の金属フレームに接することがなく、
ファスナを締め付けた後で航空機の金属フレームに接する、
条項15の複合材構造。
条項17. ピンが、CFRPパネルを穿刺することにより設置される、条項15の複合材構造。
条項18. 複合材構造が航空機の翼を含む、条項15の複合材構造。
条項19. ピンが、ファスナと平行であり、且つCFRPパネルの複合材層に直交している、条項15の複合材構造。
条項20. 隣接し合うCFRPパネルを電気的に接続するために、垂直方向に直交する方向に水平方向に延びる別の複数の導電ピンを更に備える、条項15の複合材構造。
【0037】
具体的な実施例を本明細書に記載したが、本開示の範囲はそれら具体的な実施例に限定されない。本開示の範囲は、特許請求の範囲及びそのすべての均等物によって規定される。